JP6879558B2 - 流体漏出個所の補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流体漏出個所の補修方法に関する。
プラントには種々の配管が設けられている。配管の中には種々の流体が流通しており、一方の場所から他方の場所へと流体を搬送するのに使用される。
プラントに設置されている配管は、風雨、内部を流通する腐食性の流体、プラント内で発生する腐食性のガスなどに曝されたり、経年劣化によって、徐々に腐食が進んでいく。腐食が進むと配管に孔が開いたり、配管の板厚が薄くなるなどして脆弱部ができる。脆弱部が流体の圧力や外的な要因により破孔すると、そこから配管の内部を流通する流体が漏出する原因となる。
配管を補修する技術としては、例えば、特許文献1ないし3のような技術が知られている。
特許文献1には、配管に発生したピンホールなどの漏出個所に対して、ハンドルを備えたバルブ本体をエポキシ系接着剤で固定し、同接着剤を硬化させることが記載されている。エポキシ系接着剤が硬化するまでの間はバルブは開いた状態とされているため、配管内部を流通する流体の圧力によって未硬化のエポキシ系接着剤に漏れ孔が形成されることを防ぐことができるとされている。
特許文献2には、ガス配管のガス漏れ箇所を補修する方法が記載されている。この方法では、ガス漏れ箇所を覆うように、上下から菅状の被覆部材でガス漏れ箇所を覆う。被覆部材の間の空間は、バルブを内蔵したサービスポートが接続された菅体と連通している。菅体を介してガス回収機でガスを吸引しつつ、被覆部材をガス配管にロウ付溶接する。引用文献2の方法によれば、事前にガスを回収せずともガス配管を補修することができるとされている。
特許文献3には、金属板に対して排出ノズル、小型の弁、及び排水用ゴムホースを記載した順に取り付けた当て部材が記載されている。この当て部材の排出ノズルを解放した状態で当て部材を配管の外面に接着する。次いで、排出ノズルを閉じて締付具を使用して金属板を配管に対して緊縛する。この方法によれば、プラントの運転を停止せずに漏洩個所を補修することができるとされている。
特開2006−83906号公報 特開2008−303982号公報 特開昭61−127996号公報
特許文献1ないし3の補修方法では、バルブ、菅体が接続された管状の被覆部材又は金属板等を備えた当て部材を補修冶具として使用する。しかしながら、そもそも配管から流体が漏出している個所を特定すること自体が困難な場合がある。流体が漏出している箇所を大まかに特定して補修冶具を取り付けることも考えられる。しかし、補修冶具を固定する場所が、流体が漏出している個所からずれている場合は、補修冶具と配管との間から流体が噴出してしまうことがある。
また、配管に例えば金属の腐食により複数の針のような微小な孔が広い範囲に分散して形成されているような場合もある。孔が形成されている範囲が広範な場合は、補修冶具ですべての孔を覆うことは困難な場合もある。
また、流体の漏出が生じている部分が、例えば、配管とそれを支える支持具との接合部分など、凹凸に富む形状をしている場合は、上記のような補修冶具では、補修することが困難な場合がある。
本発明は、流体を搬送する配管において、種々の漏出の形態に対応することができる補修方法を提供することを目的とする。
流体を搬送する配管に対してスラリー状物を吹き付ける工程を含み、配管に付着したスラリー状物の表面に流体の漏れに起因する破損部を生じさせて、生じた破損部に対して流体の漏れを止める封止具を固定する流体漏出個所の補修方法によって上記の課題を解決する。この補修方法によれば、破損部を利用して、流体の漏れが生じている個所を容易に特定したり、流体の漏れが生じている個所を移動させたり、流体の漏れが生じている個所を集約させたりすることが可能になる。これにより種々の漏出の形態に対応することが可能になる。
例えば、上記の方法は、流体を搬送する配管において流体の漏れが生じている個所を特定する方法であって、流体を搬送する配管に対してスラリー状物を吹き付ける工程は、流体の漏れが疑われる個所に対してスラリー状物を吹き付けて、配管に付着したスラリー状物の表面に流体の漏れに起因する破損部が生じるか否かを確認するものとすることが好ましい。
例えば、上記の方法は、流体を搬送する配管において流体の漏れが生じている個所を移動させる方法であって、流体を搬送する配管に対してスラリー状物を吹き付ける工程は、流体の漏れが生じている個所から離れた位置に破損部が移動するまでスラリー状物を吹き付けるものとすることが好ましい。
例えば、上記の方法は、流体を搬送する配管において流体の漏れが生じている個所を集約する方法であって、流体を搬送する配管に対してスラリー状物を吹き付ける工程は、流体の漏れが生じている複数の個所に対してスラリー状物を吹き付けることにより破損部を生じさせて、流体の漏れを破損部に集約させるものとすることが好ましい。
上記の方法において、封止具は、例えば、配管に対する固定部と、配管内部の流体を放出する放出部を有する管状の部材とすることが好ましい。スラリー状物を吹き付けた後に、封止具の固定部を配管に固定する。また、封止具を配管に固定した直後は、放出部を開放しておくことによって、未硬化のスラリー状物に漏れ孔が形成されたり、完全に固定されていない封止具が配管内を流通する流体の圧力によって配管から脱落することを防ぐことが可能になる。
上記の方法において、スラリー状物は、弾性を備えるセメントを含有するものであることが好ましい。弾性を備えるセメントを使用することによって、スラリー状物に弾性を与えることが可能になる。これにより、硬化体に強靭性を付与すると共に、配管に対する付着性を向上させて、しかも補修を実施するのに適したスラリー状物とすることが可能になる。
本発明によれば、流体を搬送する配管において、種々の漏出の形態に対応することができる補修方法を提供することが可能になる。
流体を搬送する配管に対してスラリー状物を吹き付ける様子を示す図である。 図1のA部の拡大図である。 流体を搬送する配管にスラリー状物を吹き付けて破損部を生じせることにより、流体の漏出個所を特定した状態を示す図である。 封止具の一例を示す斜視図である。 図3で生じさせた破損部に封止具を固定した状態を示す図である。 図5の封止具の本体に蓋体を取り付けた状態を示す図である。 複数の漏出箇所が形成された配管に対してスラリー状物を吹き付ける様子を示す図である。 複数の漏出個所を一つの破損部に集約した状態を示す斜視図である。 配管の凹凸に富む箇所から流体が漏出している状態を示す図である。 図9の流体の漏出個所にスラリー状物を吹き付けた状態を示す図である。 図10の破損部にさらにスラリー状物を吹き続けて矢印の方向に破損部を移動せた状態を示す図である。 吹付機の一例を示す図である。 配管から離れた場所から封止具を取り付ける様子を示す図である。 図13のB部の拡大図である。 封止具の別の例を示す断面図である。
本発明の流体漏出個所の補修方法の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の流体漏出個所の補修方法は、流体を搬送する配管において流体が漏れている箇所を塞いで漏れを止めることを目的とする。配管における流体の漏れを止めるために、本実施形態の方法では、封止具を使用する。
図4に封止具の一例を示す。この封止具4は、本体41と、蓋体42とを含む。この封止具4は、コンパクトで携行しやすく、配管に取り付ける際に扱いやすく、配管に取り付けた後においてもそれほど目立たない。本体41は、両端部に開口を有する筒状である。両端部の開口は連通している。このため、本体41に蓋体42を装着しない状態では、本体41の基端部から先端部に向かって、流体が通過する。本体41は、その内周面に螺子溝を有する。そして、本体41の基端部は配管11に対する固定部411となっており、配管11に対して固定される。本体41の先端部は配管内部の流体を放出する放出部412となっている。放出部412は、本体41の中ほどから本体41の軸方向に交差する方向に突出するように設けてもよい。
蓋体42は、栓部421と、栓部421を本体41に対して挿入または抜去する際に操作するための操作部422とを有する。栓部421は、円柱状であり、本体41の放出部412に設けられた開口から挿入することができる。栓部421の外周面には、螺子溝が設けられている。操作部422は、多角形状となっている。操作部422にレンチなどの工具を掛止させて、操作部422と一体に栓部421を回転させることによって、蓋体42を本体41に対して螺合することができる。栓部の外周面には、テーパー螺子を設けてより気密になるようにしてもよいし、シールテープやOリングなどのシール材を設けてより気密になるようにしてもよい。
上記の封止具4では、蓋体42と本体41とが螺合することによって、本体41の一端部に設けられた開口が塞がれる。このような封止具4を配管11において流体が漏出している箇所に固定することができれば、流体の漏出を止めることができる。
しかしながら、図1及び図2に示したように、ピンホールなど微小な孔が配管に開いているような場合は、流体が漏出している個所31を特定することがそもそも困難な場合がある。プラントでは、支持具などによって地上から離れた高所に配管11が設置されている場合もある。そのような場合は、目視によって流体が漏出している個所31を特定することがより困難になる。また、配管の内部を流通している流体が気体の場合は、漏出している流体そのものが視認し難いため、目視によって流体が漏出している個所31を特定することがより困難になる。気体が無色の場合はよりいっそう視認性が悪くなる。
また、図7に示したように、配管11の腐食によって、複数の微小な孔が広範囲に分散して形成されているような場合もある。このような腐食の場合は、上記のような封止具4では複数の流体が漏出している個所31を封止具で上手く覆うことは困難である。したがって、上記のような封止具4では補修を行うことができない。
また、図9に示したように、配管11とそれを支える支持具12との接合部分121など、凹凸に富む形状をしている部分から流体が漏出している場合は、流体が漏出している個所31に対して上記のような封止具を上手く固定することができない。したがって、上記のような封止具4では補修を行うことができない。
本実施形態に係る流体漏出個所の補修方法では、図1に示したように、流体を搬送する配管11に対してスラリー状物21を吹き付ける工程を含む。そして、配管11に付着したスラリー状物21の表面に流体の漏れに起因する破損部211を生じさせる。生じた破損部211に対して流体の漏れを止める封止具を固定する。この方法では、(1)図2及び図3に示したように、配管11に吹き付けられたスラリー状物21の破損部211を頼りに流体が漏出している個所31を特定することが可能になる。また、流体の漏れが生じている複数の箇所にスラリー状物21を吹き付けることによって、(2)図7及び図8に示したように、複数の流体が漏出している個所31を集約することが可能になる。さらに、(3)図9ないし図11に示したように、配管が凹凸に富む形状をしている部分から流体が漏出している個所31を移動させることが可能になる。
以下、上記(1)ないし(3)の方法について、より詳細に説明する。
[(1)流体の漏出個所を特定する方法]
この方法では、図1及び図2に示したように、流体の漏れが疑われる箇所に対してスラリー状物21を吹き付ける。図1においては、吹き付けられたスラリー状物21には斜線を付して示す(図2及び図3、並びに図5ないし図11において同じ。)。そして、配管11に付着したスラリー状物21の表面に流体の漏れに起因する破損部211が生じるか否かを確認する。
図2の状態では、流体の漏出個所にスラリー状物が吹き付けられていないので、配管に付着したスラリー状物21には破損部211は生じない。ところが、流体が漏出している個所31の上にスラリー状物21が吹き付けられると、吹き付けられたスラリー状物21の表面に、流体の漏れに起因する破損部211が生じる。
破損部の形状は、配管の内部を流通する流体の圧力、漏出する流体の量によって異なる。しかしながら、破損部は、配管の内側から外側に向かって漏れ出す流体によって形成されるため、流体が抜けることによって形成されるピンホール状の貫通孔と、当該貫通孔に隣接して形成され配管の外側に向かって突出する破片212とを有する形状となることが多い。破損部211の形状がその他の形状となっても、吹き付けられたスラリー状物21が破損した形跡が残るため、配管11に生じたピンホールなどの微小な孔に比べて視認性を向上させることが可能である。これにより、作業員8は配管において流体が漏出している箇所を特定しやすくなる。
作業員8は、上記の破損部211を目印として、破損部211の上に封止具を固定することによって、流体の漏れを止めることが可能になる。使用する封止具4は、特に限定されないが、例えば、上述の本体41と蓋体42とを含む封止具4(図4)を使用することができる。
図4に示した封止具4を使用する場合は、図5に示したように、配管11に対して吹き付けられたスラリー状物21が硬化しないうちに、上記の破損部211の上に封止具4の本体41を固定する。本体41を配管11に対して固定するには、エポキシ系接着剤などの接着剤や永久磁石などの磁力を利用すればよい。例えば、本体の固定部411に接着剤を塗布してもよいし、本体の固定部411を永久磁石で構成してもよいし、接着剤と永久磁石を併用してもよい。配管11の断面形状は円形である場合が多い。その場合は、配管の表面が湾曲しており、本体41が密着し難い場合がある。そのような場合に接着剤を使用すれば、本体41と配管11との間の隙間を接着剤で埋めて気密性を向上させることが可能になる。この場合、接着剤はガスケットして機能する。
図5に示したように、配管11に対して本体41を接合した状態で接着剤及び/又は吹き付けられたスラリー状物が硬化するのを待つ。図5に示したように、封止具4には蓋体42が固定されていないため、配管11内の流体は、筒状の本体41の放出部412から大気中に漏出する。これによって、配管11の中を流れる流体の圧力によって、未硬化の接着剤及び/又はスラリー状物が配管から剥離したり、漏れ孔が形成されたり、封止具そのものが脱落することを防ぐことができる。
スラリー状物及び/又は接着剤が硬化した後で、図6に示したように、蓋体42を本体41に対して螺合させる。これによって、流体の漏出が封止される。図4の封止具4では、本体41の固定部411が多角形状となっている。レンチなどの工具を利用して、蓋体42を本体41に対して螺合させる際に、角が硬化したスラリー状物に接触するため、本体41が蓋体42と共に配管11に対して連れ回りすることを防ぐことができるようになっている。
[(2)流体の漏れが生じている箇所を集約する方法]
この方法では、図7及び図8に示したように、配管11における流体が漏出している複数の個所31に対してスラリー状物21を吹き付ける。スラリー状物21を吹き付ける前に流体の漏れが生じている複数の個所がわかっている場合は、その複数の個所に対してスラリー状物21を吹き付ければよいし、上記(1)の漏出個所の特定方法を実施している最中に、漏出個所が複数であることが判明した場合は、流体が漏出している複数の個所31を集約するようにスラリー状物21を吹き付ける本方法に移行してもよい。
図7の例では、配管11に対して複数の微小な貫通孔が広範囲にわたって形成されている。この流体の漏れが生じている複数の個所にスラリー状物21を吹き付けると、一つの漏出個所に対して一つの破損部が形成される。形成された複数の破損部に対してスラリー状物をさらに吹き付けていくと、図8に示したように複数の破損部はより少ない数の破損部へと集約されていく。図8に示した例では、複数の漏出個所が一つの破損部211へと集約されている。この状態では、複数の漏出個所から漏れ出した流体は、付着したスラリー状物の中に形成された微小な管路を経て破損部211から噴出する。
作業員8は集約された破損部211に対して、上記(1)の方法で述べたのと同様の要領によって封止具4を破損部211に対して固定することで複数の漏出個所から漏れ出す流体を封止することが可能になる。複数の漏出個所から流体が漏れている場合は、複数の封止具を個々の漏出個所に固定する必要があり煩雑である。また、封止具4の基端部が一部の漏出個所に重なってしまい、漏出する流体の圧力により封止具4を配管11に対して安定して固定することができない場合がある。複数の漏出個所を集約する上記の方法では、何度も封止具を配管に固定する必要がなくなるのでより簡便である。また、封止具の基端部が一部の漏出個所に重なることを防ぐことができるので好ましい。
[(3)流体の漏れが生じている箇所を移動させる方法]
この方法では、図9ないし図11に示したように、流体の漏れが生じてい箇所31を移動させたいときに実施する。例えば、図9に示したように、配管11を支える支持具12と配管11との接合部分121の間に流体が漏出している個所31がある場合や、配管11の表面が凹んでいるため封止具4を固定し難いような場合など、流体が漏出している個所31が凹凸に富む形状をしている場合に好適に実施することができる。図9ないし図11の例の他に、配管11の腐食によって配管11の強度が封止具4を固定するには十分でない場合にも好適に実施することができる。
流体の漏れが生じている箇所を移動させる方法は、上記(1)の流体の漏れが生じている箇所を特定する方法と併用することが可能である。すなわち、流体の漏出があるか疑われる場合は、上記のような凹凸に富む形状をしている箇所にスラリー状物21を吹き付けてみればよい。凹凸に富む形状をしている箇所に破損部が形成された場合は、封止具を固定するのに適した位置まで破損部を移動させるようにスラリー状物21を吹き続ければよい。流体の漏れが生じている箇所を移動させる方法は、上記(2)の流体の漏れが生じている箇所を集約する方法と併用することも可能であるし、上記(1)及び上記(2)の方法と併用することも可能である。
図10に示したように、支持具12と配管11との接合部分121などの凹凸に富む形状をしている場所に流体の漏出個所がある場合は、図10に示したように接合部分121に破損部211が形成される。この破損部211に対してスラリー状物21を吹き続けると、元の破損部211はスラリー状物で塞がれて、吹き付けられたスラリー状物21の強度が脆弱な部分から流体が噴き出し、新たな破損部211が生じる。この結果、図11において矢印で示したように、接合部分121から離れる方向へと移動する。スラリー状物21を配管11に対して吹き付ける際に、スラリー状物21の付着量が意図的に小さくなる部分ができるようにすることで、付着したスラリー状物21に脆弱な部分を形成することができる。漏出した流体はスラリー状物21が脆弱な部分から新たに漏出する。これを利用して、流体が噴き出す方向を制御することが可能になる。
図11の例では、支持具12と配管11との接合部分121から離れるように破損部211が形成される位置を移動させる。そして、封止具4を固定するのに適した位置に破損部211が移動したところでスラリー状物21の吹付をやめて、移動させた破損部211に対して封止具4を上記(1)の方法と同様の要領で固定して、流体の漏れを塞ぐ。これによって、流体の漏出個所が凹凸に富む形状である場合、及び流体の漏出個所が腐食により脆弱になっている場合などでも、封止具によって流体の漏出を封止することが可能になる。
スラリー状物は、配管に対して付着可能であり、視認しやすい破損部を形成することが可能な程度の粘性を備えるものを使用すればよい。そのような粘性を有するものであれば、流体の漏れが生じている箇所31を集約したり、流体の漏れが生じている箇所31を移動させたり、流体の漏れが生じている箇所31を特定することが可能になる。スラリー状物21としては、例えば、弾性を備えるセメントを使用することができる。そのようなセメントは、例えば、弾性を有する合成樹脂材料とセメントと水とを混合することにより得ることができる。
配管11に対してスラリー状物を吹き付けるには、図1及び図12に示したような吹付機5を使用することが好ましい。この吹付機5は、施工現場で、合成樹脂粉末とセメント粉末と水とを混合して、中空管の先端から弾性を備えるセメントを吹き付けることが可能である。
吹付機5は、図12に示したように、合成樹脂粉末及びセメント粉末などの原料粉末の貯留部51と、圧縮気体の供給部52と、貯留部51と圧縮気体の供給部52との接続部53と、接続部53に連結される可撓性ホース54と、可撓性ホース54に連結される中空管55と、中空管55の途中に水を供給する給水部56とを備える。接続部は、圧縮気体の供給部53によって駆動されるエゼクタなどから構成することができる。エゼクタは、負圧を生じさせることによって、貯留部51に貯留された粉末原料を吸引する。圧縮気体としては、例えば、空気を使用すればよい。
中空管55はランスと呼ばれる管状体である。中空管55の途中には、給水部56が接続されている。圧縮気体の供給部52から供給された圧縮気体と貯留部51から供給された粉末原料とは、可撓性ホース54を経て、中空管55の中を搬送される。そして、粉末原料と圧縮気体と給水部56から供給される水とは、中空管の中で混合されて、中空管55の先端から噴射される。
図1に示したように、作業者8は、中空管55の基端部551を握って、先端から噴射されるスラリー状物21を配管11に対して吹き付けることができる。スラリー状物を刷毛塗りする場合などに比べて迅速に作業を行うことが可能になる。
上記の実施形態に係る方法では、本体41と蓋体42とを備える封止具4を使用し、蓋体42の操作部422をレンチなどの工具を利用して本体41に螺合させる。この場合は、作業者8が配管に接近して操作部422を回さなければならない。しかしながら、配管の中には作業員8にとって有害な流体が流れていることもある。例えば、製鉄所の配管であれば、高温の蒸気、一酸化炭素、亜硫酸ガスなどの流体が配管内を流れていることがある。そのような場合に、配管の漏出個所に作業員8が近づくのは危険である。
そのような場合は、図13及び図14に示したように、配管11から離れた場所から、配管11に対して封止具5を破損部211に対して取り付けることができるようにすることが好ましい。図14に示した例では、棹状の把持具91を利用して、封止具5を配管11に対して固定することができる。棹状の把持具91は、先端部に把持部を有しており、作業員8の手元で操作部を操作することによって封止具5を把持することができる。
図4に示した封止具4の場合、把持具91を使用して、蓋体42を本体41に対して螺合させるのは煩雑である。そこで、図15に示したように、蓋体52を取り付けた状態では本体51に設けられた弁体512が開いた状態となり、蓋体42を取り外した状態では本体41に設けられた弁体512が閉じた状態となる封止具5を利用することが好ましい。
図16に示した封止具5は、本体51と、蓋体52とを備える。本体51の基端部が配管に対する固定部511となっている。固定部511は、上述と同様に、磁石で構成してもよい。固定部511を接着剤で配管11に対して固定してもよい。
蓋体52は、本体51に設けられる永久磁石523によって本体51に対して吸着可能に構成されている。蓋体52は作動部521を備えている。蓋体52を本体51に取り付けた状態では、蓋体52の作動部521によって本体51に内蔵された弁体512が弁座513に対して押し下げられて弁体512が開いた状態となる。弁体512が開くと本体51に設けられた複数の通気孔514から配管11内の流体が排気される。
弁体512は、弾性体515によって弁座513に対して付勢されている。したがって、蓋体52を本体51から取り外すことにより、封止具5の弁体512を閉じて流体の漏出を封止することが可能になる。蓋体52は、上記の把持具91で把持することで離れた場所からでも簡単に取り外すことが可能である。
封止具は上記の例に限定されず、配管11からの流体の漏出を止めることができるものであればよい。例えば、封止具は、配管11の漏出個所にあてがうことができる板状のものであってもよいし、弁を使用してもよい。弁を使用する場合は、手動で弁の開閉を切り替えることができるものであれば、小型であるので好ましい。弁としては、例えば、切り替えハンドルと管と管に内蔵されるボール状の弁とを含むボールバルブを使用することができる。

Claims (7)

  1. 流体を搬送する配管に対してスラリー状物を吹き付ける工程を含み、
    配管に付着したスラリー状物の表面に流体の漏れに起因する破損部を生じさせて、
    生じた破損部に対して流体の漏れを止める封止具を固定する流体漏出個所の補修方法。
  2. 流体を搬送する配管において流体の漏れが生じている個所を特定する方法であって、
    流体を搬送する配管に対してスラリー状物を吹き付ける工程は、流体の漏れが疑われる個所に対してスラリー状物を吹き付けて、配管に付着したスラリー状物の表面に流体の漏れに起因する破損部が生じるか否かを確認するものであり、
    生じた破損部に対して流体の漏れを止める封止具を固定する請求項1に記載の流体漏出箇所の補修方法。
  3. 流体を搬送する配管において流体の漏れが生じている個所を移動させる方法であって、
    流体を搬送する配管に対してスラリー状物を吹き付ける工程は、流体の漏れが生じている個所から離れた位置に破損部が移動するまでスラリー状物を吹き付けるものである請求項1又は2に記載の流体漏出個所の補修方法。
  4. 流体を搬送する配管において流体の漏れが生じている個所を集約する方法であって、
    流体を搬送する配管に対してスラリー状物を配管に対して吹き付ける工程は、流体の漏れが生じている複数の個所に対してスラリー状物を吹き付けることにより破損部を生じさせて、流体の漏れを破損部に集約させるものである請求項1ないし3のいずれかに記載の流体漏出個所の補修方法。
  5. 封止具は、配管に対する固定部と、配管内部の流体を放出する放出部を有する管状の部材である請求項1ないし4のいずれかに記載の流体漏出個所の補修方法。
  6. 固定部は、配管に対して吸着可能な磁石で構成される請求項5に記載の流体漏出個所の補修方法。
  7. スラリー状物は、弾性を備えるセメントを含有する請求項1ないし6のいずれかに記載の流体漏出個所の補修方法。
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