JP6879260B2 - グリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物およびその製造方法に関する。
加水分解性シリル基と有機基を有する有機ケイ素化合物は、加水分解性シリル基の加水分解によって生成するシラノール基が無機材料表面の水酸基と共有結合を形成し、さらに有機基が有機材料と反応することで、通常では結びつきにくい有機材料と無機材料を結びつけることを可能にする。これにより、有機無機複合材料に耐熱性、耐水性、耐候性、機械的強度の向上、密着性、分散性、疎水性、防錆性等の特性を付与することができる。
これらの特性を利用し、上記有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤、樹脂添加剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤、高分子変性剤等の幅広い分野・用途に使用される。
上記有機ケイ素化合物の中でも、ウレイド基、イソシアヌレート環、グリコールウリル環等の尿素骨格を有する有機ケイ素化合物は、有機無機複合材料に優れた機械的強度と優れた密着性を付与することができるため、上述した各種用途において特に有用な化合物として知られている。
このような尿素骨格を有する有機ケイ素化合物としては、例えば、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有する有機ケイ素化合物(特許文献1)、1,3,4,6−テトラキス(ジメチルフェニルシリルトリメチレン)グリコールウリル等のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物(特許文献2)等が挙げられる。
特に、グリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物は、耐候性、耐熱性、耐光性、電気絶縁性、密着性等に優れた硬化物を与えることから、電気電子部品、自動車部品、光学部品等における、成形材料、コーティング材料、絶縁材料、封止材料、接着剤、樹脂添加剤等として有用な化合物として知られている。
特開平8−333375号公報 特開2015−59101号公報
しかし、特許文献1記載のウレイド基を有する有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤や樹脂添加剤等として用いた際に、無機材料との反応点として作用するシラノール基が多くても3つしか生成しない。しかも、1つのウレイド基に対してシラノール基を生成し得るケイ素原子が1つのみであることから、所望の効果が十分に発揮されない可能性がある。
一方、グリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物は、複素環中の4つの窒素原子を介してシラノール基を生成し得るケイ素原子を最大で4つ導入することができるため、シランカップリング剤や樹脂添加剤等として用いた際に優れた効果が期待される。
しかし、特許文献2記載のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物は、加水分解性の無いオルガノシリル基または加水分解後の安定性に乏しいオルガノシロキシ基を有するものであり、加水分解性を有するオルガノキシシリル基ではない。
すなわち、オルガノシリル基の場合、シラノール基が生成せず、無機材料表面の水酸基と共有結合を形成することができないため、シランカップリング剤や樹脂添加剤等として用いた際に所望の効果が発揮できない。また、オルガノシロキシ基の場合、シロキサン結合の機械的強度が他の有機樹脂より劣るため、硬化物にした際に引張強さ、引裂強さ、摩擦抵抗等の機械的強度が低下するおそれがある。しかも、加水分解によってシロキサン結合が切断・再結合することで、不要な低分子量の鎖状または環状のシロキサンが生成するため、硬化物の硬度が低下して耐久性が低下するおそれがあり、シランカップリング剤や樹脂添加剤等として用いた際に所望の効果が発揮できなくなるのみならず、他の特性にも悪影響をもたらす可能性がある等の問題点があった。
オルガノキシシリル基を有する有機ケイ素化合物を製造する方法としては、不飽和結合(炭素−炭素二重結合)を有するアルケニル化合物とオルガノキシシリル基を有するハイドロジェンシラン化合物とを白金触媒を用いてヒドロシリル化反応することが広く知られている。
しかしながら、グリコールウリル環を有するアルケニル化合物とオルガノキシシリル基を有するハイドロジェンシラン化合物とのヒドロシリル化反応では、複素環中のヘテロ原子が白金触媒の活性を低下させ、ヒドロシリル化反応を阻害することが知られている。したがって、複素環中の4つの窒素原子を介してシラノール基を生成し得るケイ素原子を4つ導入することは難しく、グリコールウリル環の4つの窒素原子上のすべてにオルガノシリル基を有する有機ケイ素化合物を高純度で製造することは困難であると考えられていた。
したがって、無機材料表面の水酸基と共有結合を形成することができるシラノール基を生成し得るオルガノキシシリル基を4つ有し、かつ、有機無機複合材料に優れた機械的強度と優れた密着性を付与することできるグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物の開発が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、無機材料表面の水酸基と共有結合を形成することができるシラノール基を生成し得るオルガノキシシリル基を4つ有し、かつ、有機無機複合材料に優れた機械的強度と優れた密着性を付与することのできる、グリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、グリコールウリル環を有するアルケニル化合物とオルガノキシシリル基を有するハイドロジェンシラン化合物とを酸アミド化合物の存在下、白金触媒を用いてヒドロシリル化反応させることで、グリコールウリル環の4つの窒素原子上のすべてにオルガノシリル基を有する有機ケイ素化合物を高純度で製造できることを見出すとともに、得られたグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物が、有機無機複合材料に優れた機械的強度と優れた密着性を付与することができ、シランカップリング剤、樹脂添加剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤、高分子変性剤等として用いた場合に優れた効果を発現し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 下記一般式(1)で示されるグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物、
Figure 0006879260
〔式中、R1、R2、R3およびR4は、下記一般式(2)
Figure 0006879260
(式中、R7は、置換または非置換の炭素数3〜6の2価炭化水素基を表し、R8およびR9は、それぞれ独立して非置換または置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表し、nは、0〜2の整数を表す。)
で示される基を表し、
5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表す。〕
2. 下記一般式(3)
Figure 0006879260
(式中、R10は、置換または非置換の炭素数1〜4の2価炭化水素基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表す。)
で示されるグリコールウリル環を有するアルケニル化合物と、下記一般式(4)
Figure 0006879260
(式中、R13およびR14は、それぞれ独立して、非置換または置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表し、nは、0〜2の整数を表す。)
で示されるオルガノキシシリル基を有するハイドロジェンシラン化合物とを、酸アミド化合物の存在下、白金触媒を用いてヒドロシリル化反応させる1のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物の製造方法、
3. 前記酸アミド化合物が、下記一般式(5)
Figure 0006879260
(式中、R15は、水素原子または炭素数1〜30のk価の炭化水素基を表し、R16は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜30の1価炭化水素基を表し、kは、1または2の整数である。)
で示されるカルボン酸アミド化合物、または下記一般式(6)
Figure 0006879260
(式中、R17は、水素原子または炭素数1〜30の1価炭化水素基を表す。)
で示される第1級酸アミド化合物である2のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物の製造方法
を提供する。
本発明の製造方法によれば、グリコールウリル環中の4つの窒素原子を介してシラノール基を生成し得るケイ素原子を4つ導入することが可能になり、無機材料表面の水酸基と共有結合を形成することができるシラノール基を生成し得るオルガノキシシリル基を4つ有し、かつ、有機無機複合材料に優れた機械的強度と優れた密着性を付与することのできるグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物を高純度で得ることができる。
また、本発明のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤、樹脂添加剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤、高分子変性剤等として用いた場合に優れた効果を発現する。
実施例1で得られた化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1で得られた化合物のIRスペクトル図である。 実施例2で得られた化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例2で得られた化合物のIRスペクトル図である。 実施例3で得られた化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例3で得られた化合物のIRスペクトル図である。 実施例4で得られた化合物の1H−NMRスペクトル図である。 実施例4で得られた化合物のIRスペクトル図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係るグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)で示される。
Figure 0006879260
上記一般式(1)において、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表し、R1、R2、R3およびR4は、下記一般式(2)で示される加水分解性のオルガノキシシリル基を表す。
Figure 0006879260
上記一般式(2)において、R7は、置換または非置換の炭素数3〜6の2価炭化水素基を表し、R8およびR9は、それぞれ独立して非置換または置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表し、nは、0〜2の整数を表す。
上記各一般式において、炭素数1〜10の1価炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル基等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、イソヘプチル、イソオクチル、tert−オクチル、イソノニル、イソデシル基等の分岐状のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基;ビニル、アリル、ブテニル、メタリル基等のアルケニル基;フェニル、トリル、キシリル基等のアリール基等が挙げられる。
なお、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部または全部は、その他の置換基で置換されていてもよく、この置換基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;フェニル基等の芳香族炭化水素基;シアノ基、アミノ基、エステル基、エーテル基、カルボニル基、アシル基、スルフィド基等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの置換基の置換位置は特に限定されず、置換基数も限定されない。
炭素数3〜6の2価炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、イソブチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
なお、これらの2価炭化水素基は、その分子鎖中に、エーテル基、エステル基、カルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基等の1種または2種以上が介在していてもよい。
これらの中でも、一般式(1)のR5およびR6としては、特に前駆原料の入手容易性の観点から、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、トリル基、キシリル基がより好ましい。
また、一般式(2)のR7としては、炭素数3または4の2価炭化水素基が好ましく、特に前駆原料の入手容易性の観点から、トリメチレン基がより好ましい。
8およびR9としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、特に前駆原料の入手容易性の観点から、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基がより一層好ましい。
nは、0〜2の整数であるが、特にシランカップリング剤や樹脂添加剤等として用いた際における、加水分解後の経時安定性、樹脂や溶媒との相溶性の観点から、1または2の整数が好ましい。
一般式(2)の加水分解性のオルガノキシシリル基の具体例としては、ジメチルメトキシシリルプロピル、メチルジメトキシシリルプロピル、トリメトキシシリルプロピル、ジメチルエトキシシリルプロピル、メチルジエトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル基等が挙げられる。
特にシランカップリング剤や樹脂添加剤等として用いた際、加水分解後の経時安定性、樹脂や溶媒との相溶性の観点から、ジメチルメトキシシリルプロピル基、メチルジメトキシシリルプロピル基、ジメチルエトキシシリルプロピル基、メチルジエトキシシリルプロピル基が好ましい。
一般式(1)のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物の具体例としては、1,3,4,6−テトラキス(ジメチルメトキシシリルプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(トリメトキシシリルプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ジメチルエトキシシリルプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジエトキシシリルプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(トリエトキシシリルプロピル)グリコールウリル等が挙げられる。
特にシランカップリング剤や樹脂添加剤等として用いた際、加水分解後の経時安定性、樹脂や溶媒との相溶性の観点から、1,3,4,6−テトラキス(ジメチルメトキシシリルプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ジメチルエトキシシリルプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジエトキシシリルプロピル)グリコールウリルが好ましい。
本発明のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物の用途は特に限定されるものではないが、具体的には、シランカップリング剤、樹脂添加剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤、高分子変性剤等が挙げられる。
特に、本発明のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物を用いることで、有機無機複合材料に優れた機械的強度と優れた密着性を付与することできる。
無機材料としては、金属板、ガラス板、金属繊維、ガラス繊維、粉末シリカ、粉末アルミナ、粉末タルク、粉末炭酸カルシウム等が挙げられる。
有機材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルファイド等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
本発明のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物を各種用途に用いる場合、そのまま使用しても問題ないが、溶媒に希釈して用いた方が簡便で好ましい。
溶媒としては、水;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が挙げられ、特に水、アルコール系溶媒が好ましい。
用いる濃度としては、特に限定されるものではないが、有機ケイ素化合物が、0.001〜50質量%となるように希釈して用いるとよい。
本発明のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、顔料、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、pH調節剤、フィルム形成剤、帯電防止剤、抗菌剤、界面活性剤、染料等から選択される他の添加剤の1種以上を含む組成物として用いることもできる。
次に、一般式(1)のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物の製造方法について説明する。
本発明では、下記一般式(3)で示されるグリコールウリル環を有するアルケニル化合物(以下、「化合物(3)」という。)と、下記一般式(4)で示されるオルガノキシシリル基を有するハイドロジェンシラン化合物(以下、「化合物(4)」という。)とを、酸アミド化合物の存在下、白金触媒を用いてヒドロシリル化反応させて一般式(1)のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物を製造する。
Figure 0006879260
一般式(3)において、R10は、置換または非置換の炭素数1〜4の2価炭化水素基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表す。
一般式(4)において、R13およびR14は、それぞれ独立して、非置換または置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表し、nは、0〜2の整数を表す。
上記R10の炭素数1〜4、好ましくは炭素数1または2の置換もしくは非置換の2価炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、例えば、メチレン、エチレン基等のアルキレン基が挙げられる。これらの炭化水素基は、その分子鎖中に、エーテル基、エステル基、カルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基等の1種または2種以上が介在していてもよい。
11およびR12の炭素数1〜10の1価炭化水素基としては、上記R8およびR9で例示した基と同様のものが挙げられるが、特に水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基が好ましい。
化合物(3)の具体例としては、1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラアリル−3a−メチルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラアリル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラアリル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル等が挙げられる。
上記R13およびR14の炭素数1〜10の1価炭化水素基としては、上記R8およびR9で例示した基と同様のものが挙げられるが、特にメチル基、エチル基等の炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
化合物(4)の具体例としては、ジメチルメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、トリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明の製造方法において、化合物(3)と化合物(4)の配合比は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、化合物(3)1モルに対し、好ましくは化合物(4)4〜20モル、より好ましくは4〜10モル、より一層好ましくは4〜5モルの範囲である。
本発明の製造方法で使用される白金触媒は、公知の白金(Pt)および白金を中心金属とする錯体化合物から適宜選択して用いることができる。その具体例としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエンまたはキシレン溶液、ジクロロビスアセトニトリル白金、ジクロロビスベンゾニトリル白金、ジクロロシクロオクタジエン白金等が挙げられる。
また、白金黒等をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させて使用することもできる。
特に反応性の高さの観点から、塩化白金酸のアルコール溶液、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエンまたはキシレン溶液が好ましい。
白金触媒の使用量は、ヒドロシリル化反応の触媒効果が発現する量であれば特に限定されないが、反応性、生産性の点から、化合物(3)1モルに対し、白金金属として、好ましくは0.000001〜1モル、より好ましくは0.00001〜0.1モル、より一層好ましくは0.0001〜0.01モルの範囲である。
白金触媒の使用量が0.000001モル未満であると触媒の効果が十分に発現しない可能性があり、1モルを超えると生産性の点から好ましくなく、また、触媒の量に見合うだけの反応促進効果が見られない可能性がある。
本発明の製造方法では、上記白金触媒と共に、ヒドロシリル化反応助剤として酸アミド化合物を用いる。
この酸アミド化合物としては、下記一般式(5)で示されるカルボン酸とアミンから得られるカルボン酸アミド化合物であれば特に限定されないが、使用量対効果の観点から、下記一般式(6)で示される第1級酸アミド化合物が好ましい。
Figure 0006879260
上記一般式(5)中、R15は、水素原子または炭素数1〜30、好ましくは1〜20のk価の炭化水素基を表し、R16は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜30、好ましくは1〜6の1価炭化水素基を表し、kは、1または2の整数である。
15が1価炭化水素基の場合の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、ペンタデシル、ヘプタデシル、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基;ビニル基等のアルケニル基等が挙げられ、R15が2価炭化水素基の場合の具体例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン基等のアルキレン基;ビニレン基等のアルケニレン基;フェニレン基等のアリーレン基等が挙げられる。
16の1価炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基等が挙げられる。
上記一般式(6)中、R17は、水素原子または炭素数1〜30、好ましくは1〜20の1価炭化水素基を表し、この1価炭化水素基の具体例としては、上記一般式(5)のR15と同様のものが挙げられる。
一般式(5)または一般式(6)で示される酸アミド化合物の具体例としては、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、フタルアミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられる。これらは試薬として市販されており、特に入手の容易さと助剤効果の観点から、ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、ステアリン酸アミドが好ましい。
本発明の製造方法において、酸アミド化合物の使用量は、助剤効果(反応促進効果)が発現する量であれば特に限定されないが、反応性、生産性の点から、化合物(3)1モルに対し、好ましくは0.00001〜10モル、より好ましくは0.0001〜1モル、より一層好ましくは0.001〜0.1モルの範囲である。酸アミド化合物の使用量が0.00001モル未満だと助剤の十分な効果が発現しない可能性があり、10モルを超えると生産性の点から好ましくなく、また、助剤が逆に白金触媒の活性を低減させるおそれが生じる。
上記ヒドロシリル化反応の反応温度は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、好ましくは50〜200℃、より好ましくは50〜150℃、より一層好ましくは50〜100℃であり、反応時間も特に限定されないが、好ましくは1〜30時間、より好ましくは1〜20時間、より一層好ましくは1〜10時間である。
なお、上記ヒドロシリル化反応は、無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
撹拌機、還流器、滴下ロートおよび温度計を備えたフラスコに、1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル15.12g(0.050モル)、ホルムアミド0.045g(0.0010モル)、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子として0.000010モル)を仕込み、60℃に加熱した。内温が安定した後、メチルジメトキシシラン21.24g(0.20モル)を1時間かけて滴下し、その温度で1時間撹拌した。得られた溶液を濾過し、減圧下、100℃で1時間乾燥して無色透明な液状の化合物35.90g(0.049モル、収率98.73%)を得た。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(メチルジメトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(メチルジメトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、0:0:0:0:100であることが確認された。
さらに、得られた化合物について1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)およびIRスペクトルを測定した。それらの結果を図1,2にそれぞれ示す。
以上の結果より、得られた化合物はグリコールウリル環の4つの窒素原子を介してオルガノキシシリル基を4つ有する1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルであることが確認された。
[実施例2]1,3,4,6−テトラキス(トリメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
メチルジメトキシシランの代わりにトリメトキシシラン24.44g(0.20モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。得られた溶液を濾過し、減圧下、100℃で1時間乾燥して無色透明な液状の化合物39.10g(0.049モル、収率98.84%)を得た。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(トリメトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(トリメトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(トリメトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(トリメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、0:0:0:0:100であることが確認された。
さらに、得られた化合物について1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)およびIRスペクトルを測定した。それらの結果を図3,4にそれぞれ示す。
以上の結果より、得られた化合物はグリコールウリル環の4つの窒素原子を介してオルガノキシシリル基を4つ有する1,3,4,6−テトラキス(トリメトキシシリルプロピル)グリコールウリルであることが確認された。
[実施例3]1,3,4,6−テトラキス(メチルジエトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
メチルジメトキシシランの代わりにメチルジエトキシシラン26.85g(0.20モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。得られた溶液を濾過し、減圧下、100℃で1時間乾燥して無色透明な液状の化合物41.30g(0.049モル、収率98.40%)を得た。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(メチルジエトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(メチルジエトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジエトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、0:0:0:0:100であることが確認された。
さらに、得られた化合物について1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)およびIRスペクトルを測定した。それらの結果を図5,6にそれぞれ示す。
以上の結果より、得られた化合物はグリコールウリル環の4つの窒素原子を介してオルガノキシシリル基を4つ有する1,3,4,6−テトラキス(メチルジエトキシシリルプロピル)グリコールウリルであることが確認された。
[実施例4]1,3,4,6−テトラキス(トリエトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
メチルジメトキシシランの代わりにトリエトキシシラン32.86g(0.20モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。得られた溶液を濾過し、減圧下、100℃で1時間乾燥して無色透明な液状の化合物47.30g(0.049モル、収率98.58%)を得た。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(トリエトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(トリエトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(トリエトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(トリエトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、0:0:0:0:100であることが確認された。
さらに、得られた化合物について1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)およびIRスペクトルを測定した。それらの結果を図7,8にそれぞれ示す。
以上の結果より、得られた化合物はグリコールウリル環の4つの窒素原子を介してオルガノキシシリル基を4つ有する1,3,4,6−テトラキス(トリエトキシシリルプロピル)グリコールウリルであることが確認された。
[実施例5]1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
ホルムアミドの代わりにアセトアミド0.059g(0.0010モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。得られた溶液を濾過し、減圧下、100℃で1時間乾燥して無色透明な液状の化合物35.91g(0.049モル、収率98.76%)を得た。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(メチルジメトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(メチルジメトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、0:0:0:0:100であることが確認された。
[実施例6]1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
ホルムアミドの代わりにベンズアミド0.12g(0.0010モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。得られた溶液を濾過し、減圧下、100℃で1時間乾燥して無色透明な液状の化合物35.89g(0.049モル、収率98.71%)を得た。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(メチルジメトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(メチルジメトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、0:0:0:0:100であることが確認された。
[実施例7]1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
ホルムアミドの代わりにステアリン酸アミド0.28g(0.0010モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。得られた溶液を濾過し、減圧下、100℃で1時間乾燥して無色透明な液状の化合物35.92g(0.049モル、収率98.79%)を得た。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(メチルジメトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(メチルジメトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、0:0:0:0:100であることが確認された。
[比較例1]1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
ホルムアミドを用いない以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(メチルジメトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(メチルジメトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、17:37:32:12:2であることが確認された。
[比較例2]1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの合成
比較例1の白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液の使用量(白金原子として0.000010モル)を白金原子として0.010モルに変更した以外は、比較例1と同様にして反応を行った。
得られた化合物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することにより、原料である1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、生成物である1−(メチルジメトキシシリルプロピル)−3,4,6−トリアリルグリコールウリル、1,3−ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)−4,6−ジアリルグリコールウリル、1,3,4−トリス(メチルジメトキシシリルプロピル)−6−モノアリルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メチルジメトキシシリルプロピル)グリコールウリルの面積%の比は、0:2:8:38:52であることが確認された。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示されるグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物。
    Figure 0006879260
    〔式中、R1、R2、R3およびR4は、下記一般式(2)
    Figure 0006879260
    (式中、R7は、置換または非置換の炭素数3〜6の2価炭化水素基を表し、R8およびR9は、それぞれ独立して非置換または置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表し、nは、0〜2の整数を表す。)
    で示される基を表し、
    5およびR6は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表す。〕
  2. 下記一般式(3)
    Figure 0006879260
    (式中、R10は、置換または非置換の炭素数1〜4の2価炭化水素基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表す。)
    で示されるグリコールウリル環を有するアルケニル化合物と、下記一般式(4)
    Figure 0006879260
    (式中、R13およびR14は、それぞれ独立して、非置換または置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基を表し、nは、0〜2の整数を表す。)
    で示されるオルガノキシシリル基を有するハイドロジェンシラン化合物とを、酸アミド化合物の存在下、白金触媒を用いてヒドロシリル化反応させる請求項1記載のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物の製造方法。
  3. 前記酸アミド化合物が、下記一般式(5)
    Figure 0006879260
    (式中、R15は、水素原子または炭素数1〜30のk価の炭化水素基を表し、R16は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜30の1価炭化水素基を表し、kは、1または2の整数である。)
    で示されるカルボン酸アミド化合物、または下記一般式(6)
    Figure 0006879260
    (式中、R17は、水素原子または炭素数1〜30の1価炭化水素基を表す。)
    で示される第1級酸アミド化合物である請求項2記載のグリコールウリル環を有する有機ケイ素化合物の製造方法。
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