JP6878339B2 - エンジン - Google Patents

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本開示は、エンジンに関する。
舶用のエンジンでは、クロスヘッド型が用いられることがある。例えば、特許文献1に記載のエンジンでは、クロスヘッド内に摺動部が配され、摺動部が油圧によって作動することで、ピストンの上死点位置が移動する。これにより、エンジンの幾何的な圧縮比が可変される。
また、エンジンでは、燃焼最高圧力が高くなり過ぎると、燃焼温度が上昇して排気ガス中のNOxが増加してしまう。そこで、特許文献2に記載のエンジンでは、ピストンの内部に油圧室が設けられる。燃焼室の圧力が上昇すると、作動油が油圧室から排出されることで、ピストンの冠面が押し下げられる。これにより、燃焼最高圧力の上昇が抑制される。
特開2014−020375号公報 特許第5273290号公報
上記のような圧縮比を可変する機構、および、燃焼最高圧力を抑制する機構の双方を設けると、構造が複雑化してしまう。これは、舶用やクロスヘッド型に限らず、例えば、自動車用などほかのエンジンにも生じる現象である。
本開示は、このような課題に鑑み、構造の複雑化を抑制することが可能なエンジンを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るエンジンは、シリンダと、シリンダに収容されたピストンと、ピストンに面する燃焼室と、ピストンと一体にストロークする摺動部と、摺動部のうち、燃焼室と反対側に臨む油圧面と、油圧面が面する油圧室と、油圧室に接続された油圧ポンプと、油圧ポンプを用いて、ピストンの上死点位置を変更させる圧縮比可変機構と、油圧室と連通し、油圧室内の油圧に応じて容積が変化する副油圧室と、仕切ピストンが摺動自在に設けられ、仕切ピストンによって内部が副油圧室と収容室とに仕切られる小径穴と、収容室側から副油圧室側に仕切ピストンを押圧する弾性部材と、摺動部が収容され、油圧面に対向する底面を有し、油圧面と底面との間に油圧室が形成される大径穴と、を備え、大径穴の底面に小径穴が開口し、油圧ポンプは、大径穴の底面に開口する油路を介して、油圧室に接続される
本開示のエンジンによれば、構造の複雑化を抑制することが可能となる。
エンジンの全体構成を示す説明図である。 ピストンロッドとクロスヘッドピンとの連結部分を抽出した抽出図である。 エンジンの機能ブロック図である。 図4(a)、図4(b)は、燃焼圧抑制機構を説明するための図である。 エンジンのP−V線図の一例である。 図6(a)、図6(b)は、第1変形例を説明するための図である。 図7(a)、図7(b)は、第2変形例を説明するための図である。 エンジンの機能ブロック図である。 第3変形例を説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、エンジン100の全体構成を示す説明図である。図1に示すように、エンジン100は、シリンダ110と、ピストン112と、ピストンロッド114と、クロスヘッド116と、連接棒118と、クランクシャフト120と、フライホイール122と、シリンダカバー124と、排気弁箱126と、燃焼室128と、排気弁130と、排気弁駆動装置132と、排気管134と、掃気溜136と、冷却器138と、シリンダジャケット140と、燃料噴射弁142とを含んで構成される。
シリンダ110内にピストン112が設けられる。ピストン112は、シリンダ110内を往復移動する。ピストン112には、ピストンロッド114の一端が取り付けられている。ピストンロッド114の他端には、クロスヘッド116のクロスヘッドピン150が連結される。クロスヘッド116は、ピストン112とともに往復移動する。ガイドシュー116aによって、クロスヘッド116の図1中、左右方向(ピストン112のストローク方向に垂直な方向)の移動が規制される。
クロスヘッドピン150は、連接棒118の一端に設けられたクロスヘッド軸受118aに軸支される。クロスヘッドピン150は、連接棒118の一端を支持している。ピストンロッド114の他端と連接棒118の一端は、クロスヘッド116を介して接続される。
連接棒118の他端は、クランクシャフト120に連結される。連接棒118に対してクランクシャフト120が回転可能である。ピストン112の往復移動に伴いクロスヘッド116が往復移動すると、クランクシャフト120が回転する。
クランクシャフト120には、フライホイール122が取り付けられる。フライホイール122の慣性によってクランクシャフト120などの回転が安定化する。シリンダカバー124は、シリンダ110の上端に設けられる。シリンダカバー124には、排気弁箱126が挿通される。
排気弁箱126の一端は、ピストン112に臨んでいる。排気弁箱126の一端には、排気ポート126aが開口する。排気ポート126aは、燃焼室128に開口する。燃焼室128は、ピストン112の冠面に面する。燃焼室128は、シリンダカバー124とシリンダ110とピストン112に囲繞されてシリンダ110の内部に形成される。
燃焼室128には、排気弁130の弁体が位置する。排気弁130のロッド部には、排気弁駆動装置132が取り付けられる。排気弁駆動装置132は、排気弁箱126に配される。排気弁駆動装置132は、排気弁130をピストン112のストローク方向に移動させる。
排気弁130がピストン112側に移動して開弁すると、シリンダ110内で生じた燃焼後の排気ガスが、排気ポート126aから排気される。排気後、排気弁130が排気弁箱126側に移動して、排気ポート126aが閉弁される。
排気管134は、排気弁箱126および過給機Cに取り付けられる。排気管134の内部は、排気ポート126aおよび過給機Cのタービンに連通する。排気ポート126aから排気された排気ガスは、排気管134を通って過給機Cのタービン(不図示)に供給された後、外部に排気される。
また、過給機Cのコンプレッサ(不図示)によって、活性ガスが加圧される。ここで、活性ガスは、例えば、空気である。加圧された活性ガスは、掃気溜136において、冷却器138によって冷却される。シリンダ110の下端は、シリンダジャケット140で囲繞される。シリンダジャケット140の内部には、掃気室140aが形成される。冷却後の活性ガスは、掃気室140aに圧入される。
シリンダ110の下端側には、掃気ポート110aが設けられる。掃気ポート110aは、シリンダ110の内周面から外周面まで貫通する孔である。掃気ポート110aは、シリンダ110の周方向に離隔して複数設けられている。
ピストン112が掃気ポート110aより下死点位置側に移動すると、掃気室140aとシリンダ110内の差圧によって、掃気ポート110aからシリンダ110内に活性ガスが吸入される。
また、シリンダカバー124には、燃料噴射弁142が設けられる。燃料噴射弁142の先端は燃焼室128側に向けられる。燃料噴射弁142は、燃焼室128に液体燃料(燃料油)を噴出する。液体燃料が燃焼し、その膨張圧によってピストン112が往復移動する。
図2は、ピストンロッド114とクロスヘッドピン150との連結部分を抽出した抽出図である。図2に示すように、クロスヘッドピン150のうち、ピストン112側の外周面には、平面部152が形成される。平面部152は、ピストン112のストローク方向に対して、大凡垂直な方向に延在する。
クロスヘッドピン150には、ピン穴154(大径穴)が形成される。ピン穴154は、平面部152に開口する。ピン穴154は、平面部152からストローク方向に沿ってクランクシャフト120側(図2中、下側)に延在する。
クロスヘッドピン150の平面部152には、カバー部材160が設けられる。カバー部材160は、締結部材162によってクロスヘッドピン150の平面部152に取り付けられる。カバー部材160は、ピン穴154を覆う。カバー部材160には、ストローク方向に貫通するカバー孔160aが設けられる。
ピストンロッド114は、大径部114a(摺動部)および小径部114bを有する。大径部114aの外径は、小径部114bの外径よりも大きい。大径部114aは、ピストンロッド114の他端に形成される。大径部114aは、クロスヘッドピン150のピン穴154に挿通(収容)される。小径部114bは、大径部114aよりピストンロッド114の一端側に形成される。小径部114bは、カバー部材160のカバー孔160aに挿通される。
油圧室154aは、ピン穴154の内部に形成される。ピン穴154は、大径部114aによってストローク方向に仕切られる。大径部114aは、油圧室154aのうち、ピストン112の上死点位置側に位置する。油圧室154aは、大径部114aで仕切られたピン穴154の底面154b側の空間である。大径部114aのうち、燃焼室128と反対側に臨む(図2中、下側の)油圧面114aは、油圧室154aおよびピン穴154の底面154bに面する。油圧室154aは、油圧面114aと底面154bとの間に形成される。
油圧室154aの側壁(すなわち、ピン穴154の側壁154c)は、ストローク方向に延在する。ピン穴154の底面154bには、油路156の一端が開口する。油路156の他端は、クロスヘッドピン150の外部に開口する。油路156の他端には、油圧配管170が接続される。
油圧配管170には、油圧ポンプ172が連通する。すなわち、油圧ポンプ172は、油圧室154aに接続される。油圧ポンプ172と油路156との間に逆止弁174が設けられる。逆止弁174によって油路156側から油圧ポンプ172側への作動油の流れが抑制される。油圧ポンプ172から油路156を介して油圧室154aに作動油が圧入(送出)される。
また、油圧配管170のうち、油路156と逆止弁174の間には分岐配管176が接続される。分岐配管176には、切換弁178が設けられる。切換弁178は、例えば、電磁弁である。油圧ポンプ172の作動中、切換弁178は閉弁される。油圧ポンプ172の停止中、切換弁178が開弁すると、油圧室154aから分岐配管176側に作動油が排出される。切換弁178のうち、油路156と反対側は、不図示のオイルタンクに連通する。排出された作動油は、オイルタンクに貯留される。オイルタンクは、油圧ポンプ172に作動油を供給する。
油圧室154aの作動油の油量に応じて、大径部114aがストローク方向にピン穴154の内周面を摺動する。大径部114aは、油圧室154aの作動油の量に応じて側壁154cに対して摺動する。その結果、ピストンロッド114がストローク方向に移動する。ピストン112は、ピストンロッド114(大径部114a)と一体に移動(ストローク)する。油圧室154aの内部の作動油が増量されるとピストン112の上死点位置が燃焼室128側に移動する。油圧室154aの内部の作動油が減量されるとピストン112の上死点位置が下死点位置側に移動する。こうして、ピストン112の上死点位置が可変となる。
すなわち、エンジン100は、圧縮比可変機構Vを備える。圧縮比可変機構Vは、上記の油圧室154a、および、ピストンロッド114の大径部114aを含んで構成される。圧縮比可変機構Vは、ピストン112の上死点位置を移動させることで、圧縮比を可変とする。
ここでは、一つの油圧室154aが設けられる場合について説明した。しかし、大径部114aで仕切られたピン穴154のうち、カバー部材160側の空間154dも油圧室としてもよい。この油圧室は、油圧室154aと併用されても単独で用いられてもよい。
図3は、エンジン100の機能ブロック図である。図3では、主に圧縮比可変機構Vの制御に関する構成を示す。図3に示すように、エンジン100は、制御装置180を備える。制御装置180は、例えば、ECU(Engine Control Unit)で構成される。制御装置180は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等で構成され、エンジン100全体を制御する。また、制御装置180は、圧縮比制御部182として機能する。
圧縮比制御部182は、油圧ポンプ172および切換弁178を制御して、ピストン112の上死点位置を変更(移動)させる。こうして、圧縮比制御部182は、エンジン100の幾何的な圧縮比を制御する。
図4(a)、図4(b)は、燃焼圧抑制機構Pを説明するための図である。図4(a)、図4(b)は、図2と同じ箇所の抽出図である。図4(a)に示すように、エンジン100は、燃焼圧抑制機構Pを備える。燃焼圧抑制機構Pは、上記の油圧室154aと、小径穴158と、仕切ピストン164と、弾性部材166とを含んで構成される。
小径穴158は、ピン穴154の底面154bに開口する。小径穴158は、ピン穴154の油圧室154aから連続してストローク方向に延在する。すなわち、小径穴158の側壁158aは、ストローク方向に延在する。小径穴158の内径は、ピン穴154(油圧室154a)の内径よりも小さい。
仕切ピストン164は、小径穴158に摺動自在に設けられる。仕切ピストン164は、小径穴158を副油圧室158bと収容室158cとに仕切る。副油圧室158bは、仕切ピストン164よりも油圧室154a側に位置する。収容室158cは、仕切ピストン164よりも油圧室154aから離隔する側に位置する。
副油圧室158bは、油圧室154aに連続する。副油圧室158bには、油圧室154aに供給された作動油の一部が流入する。仕切ピストン164は、作動油の油圧によって収容室158c側に押圧される。
収容室158cには、弾性部材166が配される。弾性部材166は、例えば、弾性バネで構成される。弾性部材166は、仕切ピストン164を、作動油の油圧に抗して、収容室158c側から副油圧室158b側(油圧室154a側、ピストンロッド114側)に押圧する。
燃焼室128の燃焼圧によってピストン112が下死点位置側に押圧されると、大径部114aが油圧室154a側に押圧され、油圧室154aの油圧が上昇する。油圧室154aの油圧が上昇すると、仕切ピストン164が収容室158c側に押圧される。そのため、図4(b)に示すように、仕切ピストン164が収容室158c側に移動する。その結果、弾性部材166が圧縮され、仕切ピストン164を押圧する弾性力が上昇する。仕切ピストン164は、油圧による押圧力と、弾性力による押圧力が釣り合ったところで停止する。
その結果、副油圧室158bの容積が大きくなる。このように、副油圧室158bは、内部の油圧に応じて容積が変化する。その分、作動油が油圧室154aから副油圧室158bに流入する。油圧室154aの作動油の油量が減少した分、大径部114aが底面154b側に移動する。そのため、ピストン112が下死点位置側に移動する。その結果、燃焼室128が拡大し、燃焼室128の燃焼最高圧力が抑制される。
ピストン112が下死点位置側に移動し、燃焼室128の圧力が下がると、油圧室154aの油圧が下がる。仕切ピストン164を押圧する油圧による押圧力が、弾性力による押圧力より小さくなり、仕切ピストン164が油圧室154a側に移動する。作動油が副油圧室158bから油圧室154aに流入する。このように、燃焼圧抑制機構Pは、作動油のアキュームレータとして機能する。
図5は、エンジン100のP−V線図の一例である。図5に示す例では、圧縮比可変機構Vの切換弁178は閉弁、油圧ポンプ172は停止しているものとする。図5に一点鎖線で示すように、エンジン100の理論的な燃焼サイクルは、定容燃焼と定圧燃焼が組み合わさったサバテサイクル(複合サイクル)である。しかし、実際には、図5に破線で示す比較例のように、定容燃焼と定圧燃焼が完全には実現されない。具体的には、サバテサイクルの燃焼最高圧力Pに対して、比較例の燃焼最高圧力Pの方が高くなってしまう。そのため、燃焼温度が上昇して排気ガス中のNOxが増加してしまう。
エンジン100では、上記のように、燃焼圧抑制機構Pによって燃焼最高圧力Pは、比較例の燃焼最高圧力Pよりも低く抑えられる。すなわち、燃焼最高圧力Pがサバテサイクルの燃焼最高圧力Pに近づく。燃焼室128の圧力に応じて副油圧室158bに作動油が逃げることで、燃焼サイクルの一部を定圧燃焼に近づけることが可能となる。
このように、エンジン100では、燃焼圧抑制機構Pによって燃焼温度の上昇が抑えられ、排気ガス中のNOxが抑制される。また、燃焼最高圧力Pが抑えられることから、比較例の燃焼最高圧力Pに耐え得るほどの部材強度が要求されない。また、上記のように、油圧室154aは、圧縮比可変機構Vおよび燃焼圧抑制機構Pで共用される。そのため、圧縮比可変機構Vのための油圧室154aと、燃焼圧抑制機構Pのための油圧室154aを個別に設ける場合に比べ、構造の複雑化が抑えられる。
また、圧縮比可変機構Vによって圧縮比が高められる場合、燃焼最高圧力も高くなる。燃焼圧抑制機構Pでは、弾性部材166の変形量は、燃焼室128の圧力に比例する。そのため、圧縮比可変機構Vによって高圧縮比となったときに、弾性部材166が大きく変形し、燃焼最高圧力の上昇が抑制され易い。一方、低圧縮比のときは、弾性部材166の変形量が小さく、燃焼最高圧力への影響が抑えられる。
図6(a)、図6(b)は、第1変形例を説明するための図である。図6(a)に示すように、第1変形例のエンジン200の燃焼圧抑制機構Paでは、小径穴158が蓋部材210によって封止される。蓋部材210は、ピン穴154と小径穴158を仕切る。具体的に、小径穴158のうち、ピン穴154側の端部の内周面にフランジ溝158dが形成される。蓋部材210は、段差部210aを有する。段差部210aは、フランジ溝158dに嵌合する。
連通路220は、クロスヘッドピン150に設けられる。連通路220の一端は、ピン穴154の側壁154cに開口する。副油圧室158bは、仕切ピストン164と蓋部材210によって挟まれる。連通路220の他端は、副油圧室158bの側壁158aのうち、蓋部材210側に開口する。
図6(b)に示すように、連通路220の一端は、大径部114aの位置によっては、大径部114aによって閉じられる。また、図6(a)に示すように、連通路220の一端は、大径部114aの位置によっては、大径部114aによって閉じられずに開口する。換言すれば、大径部114aは、ピン穴154の側壁154cに形成される連通路220の開口に対して、ストローク方向に直交する方向に対向する場合と、ストローク方向に直交する方向に非対向となる場合とがある。
すなわち、連通路220の一端からカバー部材160までの長さは、大径部114aのストローク方向の厚さよりも長い。連通路220は、大径部114aが所定範囲内にあるとき、油圧室154aに一端を開口させる。大径部114aが所定範囲よりも燃焼室128から離隔する側(副油圧室158b側)にあるとき、連通路220の一端が閉じられる。
所定範囲は、例えば、図6(b)に示す所定位置、および、所定位置よりも燃焼室128側の範囲である。ただし、所定位置は、図示の位置よりもピストン112側(図中、上側)であってもよいし、副油圧室158b側であってもよい。少なくとも、連通路220の一端を、大径部114aによって閉じることが可能な位置であればよい。
このように、大径部114aが所定範囲内にあるとき、連通路220は、油圧室154aと副油圧室158bとを連通させる。そのため、大径部114aが所定範囲内にあるとき、油圧室154aの油圧は、副油圧室158b側の仕切ピストン164に作用する。
また、大径部114aが所定範囲よりも副油圧室158b側にあるとき、油圧室154aと副油圧室158bは連通しない。そのため、大径部114aが所定範囲よりも副油圧室158b側にあるとき、油圧室154aの油圧は、副油圧室158b側の仕切ピストン164に作用しない。すなわち、燃焼圧抑制機構Paは機能しない。
ここで、大径部114aが所定位置にあるときの圧縮比を所定圧縮比とする。そうすると、以下のように言い換えられる。すなわち、圧縮比可変機構Vにより、圧縮比が所定圧縮比以上に制御されるとき、燃焼圧抑制機構Paが機能する。圧縮比可変機構Vにより、圧縮比が所定圧縮比未満に制御されるとき、燃焼圧抑制機構Paは機能しない。
上記のように、圧縮比可変機構Vによって圧縮比が高められる場合、燃焼最高圧力も高くなる。圧縮比可変機構Vによって所定圧縮比以上となったときに、弾性部材166が大きく変形し、燃焼最高圧力の上昇が抑制される。所定圧縮比未満のときは、燃焼最高圧力が下がらないため、熱効率の低下が回避される。
図7(a)、図7(b)は、第2変形例を説明するための図である。図7(a)に示すように、第2変形例のエンジン300の燃焼圧抑制機構Pbでは、第1変形例と同様、小径穴158が蓋部材210によって封止される。副油圧室158bは、仕切ピストン164と蓋部材210によって挟まれる。副油圧室158bの側壁158aのうち、蓋部材210側には、連通路220の一端が開口する。連通路220は、クロスヘッドピン150に設けられる。
第1変形例と異なり、第2変形例では、連通路220の一端は、ピン穴154の底面154bに開口する。ただし、連通路220の一端は、第1変形例と同様の位置に開口してもよい。
連通路220には、制御弁330が設けられる。制御弁330は、例えば、電磁弁である。連通路220は、制御弁330によって開閉される。図7(a)に示すように、制御弁330が閉弁すると、油圧室154aと副油圧室158bは連通しない。図7(b)に示すように、制御弁330が開弁すると、油圧室154aと副油圧室158bは連通する。
また、油圧配管170には、油圧センサSaが設けられる。油圧センサSaによって油圧配管170に連通する油圧室154aの油圧が検出される。
図8は、エンジン300の機能ブロック図である。図8では、主に圧縮比可変機構Vおよび連通機構CMaの制御に関する構成を示す。図8に示すように、エンジン300は、連通機構CMaを備える。連通機構CMaは、上記の連通路220、油圧センサSa、制御弁330、弁制御部340を含んで構成される。
制御装置180は、上記の圧縮比制御部182の他に、弁制御部340として機能する。弁制御部340は、油圧センサSaが検出した油圧が予め設定された第1閾値(閾値)を超えると、制御弁330を開弁させる。弁制御部340は、油圧センサSaが検出した油圧が第1閾値以下となると、制御弁330を閉弁させる。
すなわち、連通機構CMaは、油圧室154aの油圧が第1閾値を超えると、油圧室154aと副油圧室158bとを連通させる。すなわち、油圧室154aの油圧が第1閾値を超えると、燃焼圧抑制機構Pbは機能する。連通機構CMaは、油圧室154aの油圧が第1閾値以下のとき、油圧室154aと副油圧室158bとを非連通とする。すなわち、油圧室154aの油圧が第1閾値以下となると、燃焼圧抑制機構Pbは機能しない。
上記のように、油圧室154aの油圧が第1閾値を超えるとき燃焼最高圧力も高くなっている。このとき、制御弁330を開弁させることで、弾性部材166が大きく変形し、燃焼最高圧力の上昇が抑制される。油圧室154aの油圧が第1閾値以下のときは、燃焼最高圧力が下がらないため、熱効率の低下が回避される。油圧室154aの油圧は、燃焼圧に直接的に連動し易いため、燃焼圧抑制機構Pbは、燃焼最高圧力が高いときに適切に機能する。
ここでは、制御弁330が弁制御部340によって制御される場合について説明した。しかし、油圧室154aの油圧が第1閾値を超えるとき、連通路220が開弁し、油圧室154aの油圧が第1閾値以下のとき、連通路220が閉弁すればよい。例えば、このように動作する油圧回路が用いられてもよい。
図9は、第3変形例を説明するための図である。図9に示すように、第3変形例のエンジン400では、連通機構CMbは、圧力センサSb、制御弁330、弁制御部440を含んで構成される。圧力センサSbは、燃焼室128内の圧力を検出する。
制御装置180は、上記の圧縮比制御部182の他に、弁制御部440として機能する。弁制御部440は、圧力センサSbが検出した燃焼室128内の圧力が予め設定された第2閾値(閾値)を超えると、制御弁330を開弁させる。弁制御部440は、圧力センサSbが検出した燃焼室128内の圧力が第2閾値以下となると、制御弁330を閉弁させる。
燃焼室128内の圧力が第2閾値を超えるとき燃焼最高圧力が高くなっている。上記の第2変形例と同様、制御弁330を開弁させることで、弾性部材166が大きく変形し、燃焼最高圧力の上昇が抑制される。燃焼室128内の圧力が第2閾値以下のときは、燃焼最高圧力が下がらないため、熱効率の低下が回避される。燃焼室128内の圧力が測定されるため、燃焼圧抑制機構Pbは、燃焼最高圧力が高いときに適切に機能する。
ここでは、制御弁330が弁制御部440によって制御される場合について説明した。しかし、上記の第2変形例と同様、燃焼室128内の圧力が第2閾値を超えるとき、連通路220が開弁し、燃焼室128内の圧力が第2閾値以下のとき、連通路220が閉弁すればよい。例えば、このように動作する油圧回路が用いられてもよい。
第2変形例、第3変形例に記載のように、油圧室154aの油圧、または、燃焼室128内の圧力は、油圧室154aと副油圧室158bの連通、非連通を決定するための指標値として用いられる。
第1変形例、第2変形例、第3変形例においても、上述した実施形態と同様、燃焼サイクルの一部を定圧燃焼に近づけることが可能となる。その結果、燃焼温度の上昇が抑えられ、排気ガス中のNOxが抑制される。また、燃焼最高圧力が抑えられるため高い部材強度が要求されない。圧縮比可変機構Vのための油圧室154aと、燃焼圧抑制機構Pa、Pbのための油圧室154aを個別に設ける場合に比べ、構造の複雑化が抑えられる。
以上、添付図面を参照しながら一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態および変形例では、2サイクル型、ユニフロー掃気式、クロスヘッド型のエンジン100、200、300、400を例に挙げて説明した。しかし、エンジンの種類は、2サイクル型、ユニフロー掃気式、クロスヘッド型に限られない。少なくともエンジンであればよい。また、エンジン100は、舶用に限らず、例えば、自動車用であってもよい。
また、上述した実施形態および変形例では、液体燃料が用いられる場合について説明した。しかし、例えば、気体燃料が用いられてもよい。この場合、燃料噴射弁142に加えて、気体燃料噴射弁が、掃気ポート110a近傍、または、シリンダ110のうち、掃気ポート110aからシリンダカバー124までの部位に設けられる。燃料ガスは、気体燃料噴射弁から噴射された後、シリンダ110内に流入する。燃料噴射弁142から少量の液体燃料が噴射されると、その燃焼熱によって、燃料ガスおよび活性ガスの混合気が着火されて燃焼する。この場合、P−V線図は、図5に示すサバテサイクルの代わりに、オットーサイクルに近いものとなる。ここで、燃料ガスは、LNG、LPG(液化石油ガス)、軽油、重油等をガス化したものである。また、エンジン100は、例えば、気体燃料と液体燃料を使い分けるデュアルフューエル型であってもよい。
また、上述した実施形態および変形例では、仕切ピストン164および弾性部材166が設けられる場合について説明した。しかし、仕切ピストン164および弾性部材166は、必須構成ではない。少なくとも、副油圧室158bの内部の油圧に応じて、副油圧室158bの容積が変わる機構があればよい。
また、上述した実施形態および変形例では、ピン穴154に連続する小径穴158に副油圧室158bが形成される場合について説明した。この場合、副油圧室158bを形成する加工が容易となる。しかし、副油圧室158bは、小径穴158に形成される構成に限られない。副油圧室158bは、少なくとも油圧室154aと連通していればよい。
また、上述した実施形態および変形例では、油圧室154aがクロスヘッド116のクロスヘッドピン150に設けられる場合について説明した。ただし、油圧室は、ピストン112、ピストンピン、および、クロスヘッド116のいずれに設けられてもよい。少なくとも、ピストン112と一体にストロークする摺動部の油圧面が油圧室に面していればよい。
本開示は、エンジンに利用することができる。
100 エンジン
110 シリンダ
112 ピストン
114a 大径部(摺動部)
114a 油圧面
128 燃焼室
154 ピン穴(大径穴)
154a 油圧室
154b 底面
158 小径穴
158b 副油圧室
158c 収容室
164 仕切ピストン
166 弾性部材
172 油圧ポンプ
200 エンジン
300 エンジン
400 エンジン

Claims (1)

  1. シリンダと、
    前記シリンダに収容されたピストンと、
    前記ピストンに面する燃焼室と、
    前記ピストンと一体にストロークする摺動部と、
    前記摺動部のうち、前記燃焼室と反対側に臨む油圧面と、
    前記油圧面が面する油圧室と、
    前記油圧室に接続された油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプを用いて、前記ピストンの上死点位置を変更させる圧縮比可変機構と、
    前記油圧室と連通し、前記油圧室内の油圧に応じて容積が変化する副油圧室と、
    仕切ピストンが摺動自在に設けられ、前記仕切ピストンによって内部が前記副油圧室と収容室とに仕切られる小径穴と、
    前記収容室側から前記副油圧室側に前記仕切ピストンを押圧する弾性部材と、
    前記摺動部が収容され、前記油圧面に対向する底面を有し、前記油圧面と前記底面との間に前記油圧室が形成される大径穴と、を備え、
    前記大径穴の前記底面に前記小径穴が開口し、
    前記油圧ポンプは、前記大径穴の前記底面に開口する油路を介して、前記油圧室に接続される、エンジン。
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