JP6878245B2 - 塗布ノズル - Google Patents

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Description

本発明は、供給された高粘度材を吐出して対象物の被塗装面に塗布する塗布ノズルに関するものである。
従来から、例えばロボットアームの先端に取り付けた塗布ノズルを用いて、ワークに対し様々な方向から高粘度材を塗布する塗装が行われているが、ワークに対して下方から塗装を行う場合には、高粘度材をワークに届かせるために吐出流速を上げる必要がある。もっとも、高粘度材は、吐出流速が上がるにつれて粘度が下がるため、吐出流速を上げるとミストになってしまい、その塗布範囲が目標塗布範囲よりも拡がるという問題がある。
そこで、例えば特許文献1には、略扇状のスリットからなる第2の流路の放射方向の長さが略扇状の両側で中央部より長く設定された塗布ノズルが開示されている。この特許文献1のものによれば、第2の流路を略扇状のスリットとしたことで、第2の流路の全域に亘って抵抗が略均一になり、高粘度材の剪断速度を全体的に低下させることで粘度の低下を抑え、高粘度材のミスト化を抑制することができるとされている。
しかしながら、特許文献1の塗布ノズルのように、ノズル先端側から見て直線型のスリットから高粘度材を吐出するものは、方向性があるため、図8(a)に示すように、スリット103と直交する方向に塗布ノズル101を移動させながら塗装を行う場合には、目標塗布範囲を塗装することが可能であるが、図8(b)に示すように、スリット103と平行な方向に塗布ノズル101を移動させながら塗装を行うと、スリット103の幅分しか塗装することができない。そのため、ワーク50のコーナー部50a(図8(c)参照)など曲がる軌道で塗装を行う場合には、例えばコーナー部50aで塗布ノズル101自体の方向転換を行うことが考えられるが、これでは、コーナー部50aで塗装厚さが厚くなるという問題があり、特に、下方から塗装を行う場合には、塗装厚さが厚くなった箇所で液ダレが生じたり、液ダレが生じた部分が固まって剥がれ易くなったりするという問題がある。
それ故、例えば直角に曲がる軌道で塗装を行う場合には、スリット103と直交する方向(X方向)に移動しながら塗装を行う塗布ノズル101を、図8(c)の破線矢印で示すように、そのままワーク50外までX方向に移動させた後、スリット103と直交する方向がX方向と直角なY方向と一致するようにワーク50外で方向転換を行い、改めてスリット103と直交する方向(Y方向)に塗布ノズル101を移動させながら塗装を行うことが多い。しかし、かかる手法には、ワーク50外での移動動作および移動時間を伴うことから、ロボットアームの動作効率が悪いという問題や、コーナー部50aが二度塗りとなり、塗装厚さが厚くなるため、上述した液ダレやそれに起因する剥がれが生じるという問題がある。
そこで、曲がる軌道で塗装を行う場合には、方向性のない吐出パターンで塗装を行える塗布ノズルを、具体的には、例えば特許文献2の塗布ノズルのように、高粘度材(シーラー剤)を円錐台のカーテン状に吐出するものを採用することが考えられる。
特開平11−10027号公報 特開2002−239421号公報
上記特許文献2のもののように、高粘度材を円錐台のカーテン状に吐出する塗布ノズルでは、どの方向に塗布ノズルを移動させながら塗装を行っても、目標塗布範囲が塗装されることから、例えば直角や鋭角に曲がる軌道で塗装を行う場合にも、塗布ノズル自体の方向転換を行う必要がないので(図7(b)参照)、動作効率の低下や二度塗り等を抑えて、効率良く塗装を行うことができる。
しかしながら、高粘度材を円錐台のカーテン状に吐出した場合には、ワークの被塗装面(例えば上面)とカーテン状の高粘度材(側面)と塗布ノズルの先端(例えば下面)とで区画された円錐台状の閉空間が形成されるところ、カーテン状の高粘度材が流速を有することから、かかる閉空間内に負圧領域が生じ、高粘度材が閉空間内に引き寄せられて乱れるため、吐出パターンが安定しないという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塗布ノズルにおいて、曲がる軌道で塗装を行う場合にも、安定した吐出パターンで効率良く塗装を行う技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る塗布ノズルでは、断面環状のスリットから円錐台のカーテン状に高粘度材を吐出するとともに、被塗装面とカーテン状の高粘度材と塗布ノズルの先端とで囲まれた閉空間を、塗布ノズル内に設けた孔を介して外気と連通させるようにしている。
具体的には、本発明は、供給された高粘度材を吐出部から吐出する塗布ノズルを対象としている。
そして、この塗布ノズルは、上記高粘度材が供給される供給孔と、当該供給孔と連通し且つ先端に向かって径が大きくなるテーパ孔と、外気を導入する空気孔と、が形成されたノズル本体部と、上記ノズル本体部に設けられ、貫通孔を有し、且つ、先端部の外周面が上記テーパ孔のテーパ面と対向するように傾斜する筒状部材と、を備え、上記吐出部が、上記テーパ孔のテーパ面と上記筒状部材の外周面との間に形成された断面環状のスリットによって構成されているとともに、上記空気孔と上記貫通孔とが連通していることを特徴とするものである。
この構成によれば、ノズル本体部の供給孔に供給された高粘度材は、当該供給孔と連通するテーパ孔へ至った後、テーパ孔のテーパ面と筒状部材の外周面との間に形成された断面環状のスリット(吐出部)を通って吐出されることから、当該高粘度材をワークの被塗装面に対して円錐台のカーテン状で吹付けることができる。このように、円錐台のカーテン状(コーン状)に、換言すると、方向性のない吐出パターンで高粘度材を吹き付けることから、例えば直角や鋭角に曲がる軌道で塗装を行う場合でも、塗布ノズル自体の方向転換を行う必要がないので、例えばロボットアーム等に無駄な動作をさせたり、二度塗りしたりすることがないので、塗装効率を向上させることができる。
ここで、円錐台のカーテン状に高粘度材を吹き付けると、被塗装面と円錐台のカーテン状の高粘度材と塗布ノズルの先端とで囲まれた閉空間に負圧領域が生じ、吐出パターンを安定させることが困難になる場合があるが、本発明では、ノズル本体部に形成された外気を導入する空気孔と、先端が閉空間に臨む筒状部材の貫通孔とが連通していることから、閉空間の内圧と外気圧とに圧力差が生じるのを抑えることができる。それ故、カーテン状の高粘度材が閉空間内に引き寄せられて乱れるのを抑えることができ、これにより、高粘度材を吹き付ける際の吐出パターンを安定させることができる。
以上説明したように、本発明に係る塗布ノズルによれば、曲がる軌道で塗装を行う場合にも、安定した吐出パターンで効率良く塗装を行うことができる。
本発明の実施形態に係る塗布ノズルを模式的に示す図である。 塗布ノズルを先端側から見た図である。 塗布ノズルを模式的に示す、図2のIII−III線の断面図である。 ボディを模式的に示す図であり、同図(a)は、ボディを基端側から見た図であり、同図(b)は、同図(a)のb−b線の断面図である。 チップを模式的に示す図であり、同図(a)は、チップの断面図であり、同図(b)は、チップを先端側から見た図である。 皿ネジを模式的に示す図である。 塗布ノズルの吐出パターンおよびコーナー部を塗装する際の塗装軌道を模式的に説明する図である。 従来の塗布ノズルの吐出パターンおよびコーナー部を塗装する際の塗装軌道を模式的に説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る塗布ノズル1を模式的に示す図であり、図2は、塗布ノズル1を先端側から見た図である。この塗布ノズル1は、ロボットアーム(図示せず)の先端部に取り付けられていて、ポンプ(図示せず)等を介してコンテナ(図示せず)から基端側に供給された高粘度材Pを(図1の白抜き矢印参照)、図2に示す断面環状のスリットによって構成される吐出部3から、図1に示すように、円錐台のカーテン状に吐出して、車体等のワーク50の被塗装面に吹付けるものである。ロボットアームは塗布ノズル1をワーク50に対して自在に移動させるように構成されており、これにより、塗布ノズル1は、図1に示すように、ワーク50に対して高粘度材Pを円錐台のカーテン状の吐出パターンで下方から吹き付けることが可能になっている。
なお、高粘度材Pとしては、例えば、下地と塗料とを密着させるシーラー剤や、防錆塗料であるアンダーコート剤や、振動および騒音を減衰させる機能を持つ制振塗料や、アドヒーシブ等を挙げることができる。
−塗布ノズルの構造−
図3は、塗布ノズル1を模式的に示す、図2のIII−III線の断面図である。この塗布ノズル1は、図3に示すように、基端部がロボットアームの先端に取り付けられるボディ(ノズル本体部)10と、ボディ10の先端部に組み付けられるチップ20と、チップ20をボディ10に固定する皿ネジ30と、を備えている。
図4は、ボディ10を模式的に示す図であり、同図(a)は、ボディ10を基端側から見た図であり、同図(b)は、同図(a)のb−b線の断面図である。ボディ10は、金属製であり、外形略円柱状に形成されている。なお、以下では、外形略円柱状のボディ10の長手方向を軸方向といい、図4(b)の右側を基端側といい、図4(b)の左側を先端側という。
ボディ10の基端側には、図4(a)および(b)に示すように、基端側に開口して軸方向に延びる断面円形の導入孔11が形成されている。この導入孔11には、ポンプ等を介してコンテナから高粘度材Pが供給(導入)される。
一方、ボディ10の先端側には、図4(b)に示すように、先端側に開口して軸方向に延びる断面円形のテーパ孔14が形成されている。このテーパ孔14は、先端側に向かって径が大きくなる(基端側に向かって窄む)ように形成されており、それ故、当該テーパ孔14を区画するテーパ面14aは末広がりに傾斜している。
テーパ孔14の基端側には、テーパ孔14と連通して軸方向に延びる断面円形の集合孔13が形成されている。集合孔13は、導入孔11と同じ直径で形成されていて、図4(b)に示すように、4つの供給通路12を介して導入孔11と連通している。各供給通路12は、断面円形に形成されていて、導入孔11と集合孔13との間で、軸方向に延びている。4つの供給通路12は、図4(a)に示すように、周方向に90°間隔で形成されている。
これらにより、導入孔11に供給された高粘度材Pは、4つの供給通路12を通って集合孔13に集まった後、テーパ孔14に至るようになっている。それ故、本実施形態では、導入孔11、4つの供給通路12および集合孔13が、本発明で言うところの、高粘度材Pが供給されるとともにテーパ孔14と連通する「供給孔」に相当する。
また、集合孔13の基端側には、4つの供給通路12の径方向内側で軸方向に延びる断面円形の嵌合孔15が形成されている。さらに、この嵌合孔15の基端側には、4つの供給通路12の径方向内側で軸方向に延びるネジ孔16が形成されている。
ネジ孔16の基端側には、軸方向に延びる断面円形の空気集合部17が、ボディ10の径方向の中央に形成されている。さらに、ボディ10には、この中央に形成された空気集合部17から径方向外側(軸直角方向)に延びる断面円形の空気孔18が貫通形成されている。空気孔18は、4つの供給通路12と交わらないように、周方向に90°間隔で4つ形成されている。換言すると、ボディ10には、軸方向に延びる4つの供給通路12と軸直角方向に延びる空気孔18とが、周方向に45°間隔で交互に形成されている。このように、空気孔18を設けることで、空気集合部17に外気が導入されるようになっている。
図5は、チップ20を模式的に示す図であり、同図(a)は、チップ20の断面図であり、同図(b)は、チップ20を先端側から見た図である。チップ20は、金属製であり、円形筒状の基端部21と、円錐台筒状の先端部23とから構成されていて、全体として筒状をなしている。基端部21には、軸方向に延びる断面円形のネジ孔22が形成されている。また、基端部21は、その外周面21aが円形に形成されていて、ボディ10の嵌合孔15に嵌るようになっている。一方、先端部23には、軸方向に延びる断面円形のテーパ孔24が形成されている。また、先端部23は、その外周面23aが、ボディ10のテーパ孔14のテーパ面14aと同じ角度で傾斜する傾斜面として形成されている。
このチップ20は、基端部21が嵌合孔15に嵌められるとともに、ボディ10に対し皿ネジ30で固定されることによって、先端部23の外周面23aがテーパ孔14のテーパ面14aと対向するように、ボディ10の先端部に組み付けられる。つまり、基端部21が嵌合孔15に嵌るような大きさに形成されているのに対し、先端部23は、チップ20がボディ10に組み付けられた状態で、外周面23aとテーパ面14aとの間に隙間(スリット)が形成されるような大きさに形成されている。
図6は、皿ネジ30を模式的に示す図である。なお、図6では、皿ネジ30の下半分のみを断面で示している。この皿ネジ30は、金属製であり、チップ20のネジ孔22とボディ10のネジ孔16とに螺合するネジ部31と、チップ20のテーパ孔24に嵌合する皿状(円錐台状)のヘッド部32と、を有している。この皿ネジ30には、図6に示すように、軸方向に延びて、当該皿ネジ30をその全長に亘って貫通する貫通孔33が形成されている。
塗布ノズル1は、チップ20の基端部21をボディ10の嵌合孔15に嵌めた後、皿ネジ30のヘッド部32がチップ20のテーパ孔24に嵌合するように、皿ネジ30のネジ部31をチップ20のネジ孔22とボディ10のネジ孔16とに螺合させて、チップ20をボディ10の先端部に組み付けることで形成されている。このような構成により、テーパ孔14のテーパ面14aと先端部23の外周面23aとの間に、高粘度材Pを吐出する吐出部3を構成する断面環状のスリットが形成される。また、チップ20のネジ孔22とボディ10のネジ孔16とに螺合したネジ部31の先端が、ボディ10の空気集合部17に臨むことによって、空気集合部17を介して皿ネジ30の貫通孔33とボディ10の空気孔18とが連通している。それ故、本実施形態では、チップ20と皿ネジ30とが、本発明で言うところの、ノズル本体部(ボディ10)に設けられ、貫通孔33を有し、且つ、先端部23の外周面23aがテーパ孔14のテーパ面14aと対向するように傾斜する「筒状部材」に相当する。
なお、吐出部3を構成するスリットの幅W(図2参照)は、高粘度材Pを目詰まり等なく吐出するべく、0.3(mm)以上が好ましい。また、高粘度材Pは、自身の表面張力のために中央に収束する性質があるため、かかる表面張力による狭まりを抑えるべく、スリットの内径ID(図2参照)、換言すると、チップ20の先端の直径は、4.0(mm)〜7.0(mm)が好ましく、且つ、テーパ面14aの傾斜角度θ(図1参照)は、20°〜45°が好ましい。さらに、この場合には、空気孔18の内径は0.5(mm)〜2.0(mm)が好ましい。
−塗布ノズルの作用−
次に、塗布ノズル1の作用について説明するが、それに先立ち、従来の塗布ノズル101の問題点について説明する。
図8は、従来の塗布ノズル101の吐出パターンおよびコーナー部50aを塗装する際の塗装軌道を模式的に説明する図である。直線型のスリットからなる吐出部103から高粘度材Pを吐出する従来の塗布ノズル101は、方向性があるため、吐出部103と直交する方向に塗布ノズル101を移動させながら塗装を行えば、図8(a)に示すように、吐出部103の長さに応じた高粘度材Pが吐出されるが、吐出部103と平行な方向に塗布ノズル101を移動させながら塗装を行うと、図8(b)に示すように、吐出部103の幅分しか高粘度材Pが吐出されない。そのため、ワーク50のコーナー部50aなど直角(または鋭角)に曲がる軌道で塗装を行う場合には、例えばコーナー部50aで塗布ノズル101自体の方向転換を行うことが考えられるが、これでは、コーナー部50aで塗装厚さが厚くなるという問題があり、特に、下方から塗装を行う場合には、塗装厚さが厚くなった箇所で液ダレが生じたり、液ダレが生じた部分が固まって剥がれ易くなったりするという問題がある。
それ故、例えば直角に曲がる軌道で塗装を行う場合には、吐出部103と直交する方向(X方向)に移動しながら塗装を行う塗布ノズル101を、図8(c)の破線矢印で示すように、そのままワーク50外までX方向に移動させた後、吐出部103と直交する方向がX方向と直角なY方向と一致するようにワーク50外で方向転換を行い、改めて吐出部103と直交する方向(Y方向)に塗布ノズル101を移動させながら塗装を行うことが多い。しかし、かかる手法には、ワーク50外での移動動作および移動時間を伴うことから、ロボットアームの動作効率が悪いという問題や、コーナー部50aが二度塗りとなり、塗装厚さが厚くなるため、上述した液ダレやそれに起因する剥がれが生じるという問題がある。
このため、例えば直角(または鋭角)に曲がる軌道で塗装を行う場合には、方向性のない吐出パターンで塗装を行うことが、具体的には、本実施形態と同様に、高粘度材Pを円錐台のカーテン状に吐出する塗布ノズルを採用することが考えられる。しかしながら、高粘度材Pを円錐台のカーテン状に吐出した場合には、ワーク50の被塗装面(上面)とカーテン状の高粘度材P(側面)と塗布ノズルの先端(下面)とで区画された円錐台状の閉空間が形成されるところ、カーテン状の高粘度材Pが流速を有することから、かかる閉空間内に負圧領域が生じ、高粘度材Pが閉空間内に引き寄せられて乱れるため、吐出パターンが安定しないという問題がある。
そこで、本実施形態では、上述の如く、断面環状のスリットによって構成される吐出部3から高粘度材Pを円錐台のカーテン状に吐出することで、方向性のない吐出パターンで塗装を行うとともに、ワーク50の被塗装面とカーテン状の高粘度材Pと塗布ノズル1の先端とで区画された円錐台状の閉空間S(図1参照)を、貫通孔33、空気集合部17および空気孔18を介して外気と連通させるようにしている。
より詳しくは、図1の白抜き矢印で示すように、ボディ10の導入孔11に供給された高粘度材Pは、4つの供給通路12に分岐して先端側へ流れ、集合孔13に集まり、テーパ孔14へ至る。テーパ孔14へ至った高粘度材Pは、テーパ孔14のテーパ面14aとチップ20の先端部23の外周面23aとの間に形成された断面環状のスリット(吐出部3)を通って吐出される。吐出部3から吐出された高粘度材Pは、円環状を維持しながら、テーパ面14a(および外周面23a)の傾斜角度θに従って、ワーク50に近付く(塗布ノズル1から離れる)につれて拡径し、図1に示すように、円錐台のカーテン状をなしながらワーク50の被塗装面に対して吹付けられる。
図7は、塗布ノズル1の吐出パターンおよびコーナー部50aを塗装する際の塗装軌道を模式的に説明する図である。塗布ノズル1は、図7(a)に示すように、円錐台のカーテン状(コーン状)に、換言すると、方向性のない吐出パターンで高粘度材Pを吹き付けることから、直角や鋭角に曲がる軌道で塗装を行う場合でも、塗布ノズル1自体の方向転換を行う必要がない。それ故、図7(b)の破線矢印に示すように、ロボットアーム等に無駄な動作をさせたり、二度塗りしたりすることなく、最小限の動作で塗装を行うことができ、これにより、塗装効率を向上させることができる。
また、上述の如く、円錐台のカーテン状に高粘度材Pを吹き付けると、閉空間Sに負圧領域が生じ、吐出パターンを安定させることが困難になるが、本実施形態の塗布ノズル1では、ボディ10に形成された空気孔18と、先端が閉空間Sに臨む皿ネジ30の貫通孔33とが空気集合部17を介して連通していることから、閉空間Sの内圧と外気圧とに圧力差が生じるのを抑えることができる。それ故、カーテン状の高粘度材Pが閉空間S内に引き寄せられて乱れるのを抑えることができ、これにより、高粘度材Pを吹き付ける際の吐出パターンを安定させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、チップ20と皿ネジ30とを別体としたが、これに限らず、チップ20と皿ネジ30とを一体に形成した筒状部材としてもよい。
また、上記実施形態では、ボディ10とチップ20と皿ネジ30とを別体としたが、これに限らず、これらボディ10、チップ20および皿ネジ30を一体に形成した塗布ノズル1としてもよい。
さらに、上記実施形態では、チップ20の先端部23の外周面23aを、ボディ10のテーパ孔14のテーパ面14aと同じ角度で傾斜する傾斜面としたが、先端部23の外周面23aが、テーパ孔14のテーパ面14aと対向するように傾斜して、当該テーパ面14aとともに高粘度材Pを円錐台のカーテン状に吐出するスリットを構成するのであれば、これに限らず、外周面23aの傾斜角度とテーパ面14aの傾斜角度θとが僅かに異なっていてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、曲がる軌道で塗装を行う場合にも、安定した吐出パターンで効率良く塗装を行うことができるので、供給された高粘度材を吐出部から吐出する塗布ノズルに適用して極めて有益である。
1 塗布ノズル
3 吐出部
10 ボディ(ノズル本体部)
11 導入孔(供給孔)
12 供給通路(供給孔)
13 集合孔(供給孔)
14 テーパ孔
14a テーパ面
18 空気孔
20 チップ(筒状部材)
23 先端部
23a 外周面
30 皿ネジ(筒状部材)
33 貫通孔
P 高粘度材

Claims (1)

  1. 供給された高粘度材を吐出部から吐出する塗布ノズルであって、
    上記高粘度材が供給される供給孔と、当該供給孔と連通し且つ先端に向かって径が大きくなるテーパ孔と、外気を導入する空気孔と、が形成されたノズル本体部と、
    上記ノズル本体部に設けられ、貫通孔を有し、且つ、先端部の外周面が上記テーパ孔のテーパ面と対向するように傾斜する筒状部材と、を備え、
    上記吐出部が、上記テーパ孔のテーパ面と上記筒状部材の外周面との間に形成された断面環状のスリットによって構成されているとともに、上記空気孔と上記貫通孔とが連通していることを特徴とする塗布ノズル。
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