JP6877370B2 - 赤外線反射シートおよび赤外線反射シートを用いた防水シート - Google Patents

赤外線反射シートおよび赤外線反射シートを用いた防水シート Download PDF

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本発明は、赤外線反射シート、および赤外線反射シートを用いた遮熱性を備えた防水シートに関する。
建築物の屋上等には、室内への雨漏り防止のために、防水シートが施工される場合がある。また、空調費用を低減し且つ空調に要するエネルギー負荷低減の点から、室温の上昇を防止するために、建築物の屋上等には、断熱材も施工される場合がある。従って、建築物の屋上等には、先ず、断熱シートが施工され、施工された断熱シート上にさらに防水シートが施工される。従って、建築物の屋上等に防水性と断熱性を付与するにあたり、施工作業が繁雑であるという問題があった。
一方で、防水層を保護する材料として、Biおよび/またはYの酸化物とMnの酸化物とを含む複合金属酸化物顔料と、樹脂とを含有する塗料組成物の層を含む塗膜を有する無機質粒子を含有する防水層保護材が提案されている(特許文献1)。特許文献1の防水層保護材では、Biおよび/またはYの酸化物とMnの酸化物とを含む複合金属酸化物顔料が太陽光などの熱線を効率よく反射することから、遮熱性も付与させている。すなわち、特許文献1では、遮熱性の付与に、特定の金属酸化物顔料を用いている。特許文献1では、防水層保護材に遮熱性も付与されていることで、防水層の温度上昇を防止している。
しかし、金属酸化物顔料は、金属酸化物種に応じて、赤外線領域の波長(一般的には、2500nm以上10000nm以下の波長領域)の反射について特異性があり、赤外線領域の一部波長に対して反射能を有する。すなわち、金属酸化物顔料の反射能は、波長依存性を有し、赤外線領域全体に亘って反射能を発揮することは難しい。
上記から、遮熱性の付与に金属酸化物顔料を用いる特許文献1では、赤外線領域の一部波長に対して反射能を発揮するのにとどまるので、遮熱性に改善の余地があり、防水層の赤外線吸収による温度上昇を十分に防止できないという問題があった。
特開2012−184652号公報
上記事情に鑑み、本発明は、赤外線領域全体に亘って反射能を発揮することで、優れた遮熱性を有する赤外線反射シート、および該赤外線反射シートを用いた防水シートを提供することを目的とする。
本発明の態様は、平均気泡径3μm以上30μm以下、発泡倍率1.5倍以上8.0倍以下、及び平均厚さ1.0mm以上であるシート状発泡体を備えた赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記シート状発泡体の2500nm以上10000nm以下の波長領域における反射率が、平均65%以上である赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記シート状発泡体の気泡数密度が、1×10個/mm以上1×1012個/mm以下である赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記シート状発泡体の400nm以上750nm以下の波長領域における反射率が、平均80%以下である赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記シート状発泡体が、熱可塑性樹脂製である赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂からなる群から選択された少なくとも1種である赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル樹脂である赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体からなる群から選択された少なくとも1種である赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記シート状発泡体の表面に、平均厚さ10μm以上の非発泡層が設けられている赤外線反射シートである。
本発明の態様は、前記シート状発泡体が、90%以上の独立気泡率である赤外線反射である。
本発明の態様は、前記赤外線反射シートが、最外層に設けられている防水シートである。
本発明の態様は、建築物の屋上防水用である防水シートである。
本発明の態様によれば、平均気泡径3μm以上30μm以下、発泡倍率1.5倍以上8.0倍以下、及び平均厚さ1.0mm以上であるシート状発泡体を備えることにより、赤外線領域全体に亘って反射能を発揮でき、結果として、優れた遮熱性を有する赤外線反射シートを得ることができる。また、本発明の態様によれば、優れた遮熱性を有する赤外線反射シートを備えた防水シートなので、断熱シートを不要にすることもでき、施工の効率が向上する。
本発明の態様によれば、シート状発泡体の2500nm以上10000nm以下の波長領域における反射率が平均65%以上であることにより、確実に優れた遮熱性を発揮することができる。
本発明の態様によれば、シート状発泡体が赤外線反射シートの最外層に設けられていることにより、赤外線反射シートが確実に遮熱性を発揮できる。
本発明の態様によれば、シート状発泡体の400nm以上750nm以下の波長領域における反射率が平均80%以下であることにより、赤外線反射シートによる可視光線の反射が低減されて、外部環境に対する光害を低減できる。
本発明の態様によれば、シート状発泡体の材質がポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂からなる群から選択された少なくとも1種であることにより、赤外線反射シートの耐候性が向上することで、耐久性が得られる。また、本発明の態様によれば、シート状発泡体の材質がポリ塩化ビニル樹脂であることにより、平均気泡径の調整も容易化され、赤外線反射シートの生産性が向上する。
本発明の態様によれば、シート状発泡体が90%以上の独立気泡率であることにより、気泡を介した水の浸透をより確実に防止できるので、防水性がさらに向上する。
以下に、本発明の赤外線反射シートの詳細について説明する。
本発明の赤外線反射シートは、平均気泡径3μm以上30μm以下、発泡倍率1.5倍以上8.0倍以下、及び平均厚さ1.0mm以上であるシート状発泡体を備えている。
シート状発泡体の平均気泡径が3μm以上30μm以下であることにより、2500nm以上10000nm以下である赤外線波長の領域全体に亘って、優れた反射能を発揮できる。すなわち、シート状発泡体の平均気泡径が3μm以上30μm以下であることにより、赤外線に対する反射機能に波長依存性が付与されてしまうのを防止できる。従って、優れた遮熱性を有する赤外線反射シートを得ることができる。
また、シート状発泡体は、シート状発泡体の気泡構造により赤外線に対する反射機能が付与され、金属酸化物顔料の添加の必要がないので、リサイクル性に優れる。さらに、金属酸化物顔料の添加の必要がない発泡体を用いるので、赤外線反射シート及び赤外線反射シートを備えた防水シートの軽量化に寄与し、施工性が向上する。
シート状発泡体の平均気泡径は3μm以上30μm以下であれば、特に限定されないが、例えば、その下限値は、赤外線波長の領域全体に亘ってより効率的に優れた反射能を発揮する点から4μmが好ましく、5μmが特に好ましい。一方で、例えば、平均気泡径の上限値は、赤外線波長の領域全体に亘ってより効率的に優れた反射能を発揮する点から27μmが好ましく、25μmが特に好ましい。シート状発泡体の平均気泡径が3μm未満または30μm超であると、赤外線波長の領域全体に対する反射効率が低下してしまう。
シート状発泡体の発泡倍率が1.5倍以上8.0倍以下であることにより、赤外線波長の領域全体に対する優れた反射能を損なうことなく、軽量化しつつ、赤外線反射シートとしての機械的強度が付与される。シート状発泡体の発泡倍率は1.5倍以上8.0倍以下であれば、特に限定されないが、例えば、軽量化と機械的強度のバランスをより向上させる点から2.0倍以上7.0倍以下が好ましく、3.0倍以上6.0倍以下が特に好ましい。シート状発泡体の発泡倍率が1.5倍未満であると、赤外線波長の領域全体に対する反射能と軽量性が損なわれ、8.0倍超であると赤外線反射シートとしての機械的強度が得られない場合がある。
シート状発泡体の平均厚さが1.0mm以上であることにより、赤外線に対して優れた反射能を発揮できる。シート状発泡体の平均厚さは1.0mm以上であれば、特に限定されないが、赤外線に対する優れた反射能と軽量化のバランスの点から1.0mm以上10mm以下が好ましく、2.0mm以上5.0mm以下が特に好ましい。シート状発泡体の平均厚さが1.0mm未満であると、赤外線に対して所望の反射能が得られない場合がある。なお、シート状発泡体の厚さは、マイクロメータを用いて測定することができる。
シート状発泡体の密度は、シート状発泡体の平均気泡径が3μm以上30μm以下、且つ発泡倍率が1.5倍以上8.0倍以下であれば、特に限定されない。また、シート状発泡体の密度は、シート状発泡体の材質によるが、例えば、後述する熱可塑性樹脂製の場合には、その下限値は、赤外線波長の領域全体に対する優れた反射能を損なうことなく、軽量化する点から、300Kg/mが好ましく、400Kg/mが特に好ましい。一方で、その上限値は、赤外線波長の領域全体に対する優れた反射能を損なうことなく、赤外線反射シートとしての機械的強度が付与される点から、1000Kg/mが好ましく、900Kg/mが特に好ましい。
シート状発泡体の2500nm以上10000nm以下の波長領域における反射率は、赤外線波長の領域全体に対する反射能を向上させることで優れた遮熱性を得る点から、平均65%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、75%以上が特に好ましい。また、上記反射率の上限値は、高いほど好ましい、すなわち、100%が好ましい。平均65%以上の上記反射率は、平均気泡径3μm以上30μm以下、発泡倍率1.5倍以上8.0倍以下、及び平均厚さ1.0mm以上であるシート状発泡体により得ることができる。
シート状発泡体の平均気泡径が3μm以上30μm以下であれば、シート状発泡体の気泡数密度は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、赤外線波長の領域全体に亘ってさらに優れた反射能を発揮する点から1×10個/mmが好ましく、2×10個/mmがより好ましく、5×10個/mmが特に好ましい。一方で、気泡数密度の上限値は、赤外線波長の領域全体に亘ってさらに優れた反射能を発揮する点から1×1012個/mmが好ましく、5×1011個/mmがより好ましく、2×1011個/mmが特に好ましい。シート状発泡体の気泡数密度とは、シート状発泡体に非発泡層が形成されている場合、すなわち、シート状発泡体が発泡層と非発泡層を有する場合には、非発泡層以外の部位である発泡層における気泡数密度である。
なお、気泡数密度は、以下の方法で測定した値である。まず、シート状発泡体の縦断面についてSEM写真を撮影し、このSEM写真上において発泡層中の任意の100×100μmの領域を無作為に選び、その中に存在する気泡数nを計数し、1mm当たりに存在する気泡数を算出する。次に、得られた数値を3/2乗することで1mm当たりの気泡数に換算し、該換算値を気泡数密度とする。
シート状発泡体の400nm以上750nm以下である可視光の波長領域における反射率は、特に限定されないが、赤外線反射シートによる可視光線の反射が低減されて外部環境に放出される反射光を低減できる点から平均80%以下が好ましく、平均70%以下がより好ましく、平均60%以下が特に好ましい。本発明の遮熱性を有する赤外線反射シートを備えた防水シートが、例えば、建築物の屋上に施工される場合、防水シートによる可視光線の反射が低減されることで、建築物上空を通過する飛行機の運航が防水シートからの反射光によって阻害されることを防止できる。一方で、可視光の波長領域における反射率は、可視光の吸収による遮熱性低下を防止する点から、平均30%以上が好ましく、平均40%以上が特に好ましい。なお、可視光の波長領域における反射率は、分光光度計を用いた全反射スペクトル測定により得ることができる。
可視光の波長領域における平均反射率の調整手段は、特に限定されず、公知の方法を広く用いることができ、例えば、顔料の添加等を挙げることができる。
シート状発泡体の材質は、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーンゴム等のシリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体等のフッ素樹脂等を挙げることができる。また、前記樹脂以外にも所望の耐候剤を処方した樹脂を用いることが可能であるが、分子主鎖の結合エネルギーが高い前記樹脂を用いることにより高い信頼性を確保することができる。このため、耐候性の点からポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂が好ましく、平均気泡径の調整が容易であり、赤外線反射シートの生産性が向上する点から、ポリ塩化ビニル樹脂が特に好ましい。
シート状発泡体の表面には、さらに、非発泡層が設けられていてもよい。この場合、シート状発泡体は、発泡層と該発泡層上に形成された非発泡層を有する多層構造となっている。シート状発泡体の表面に非発泡層が設けられていることにより、シート状発泡体の機械的強度が向上し、例えば、本発明の赤外線反射シート及び赤外線反射シートを備えた防水シートを施工する際の損壊を防止できる。非発泡層の平均厚さは、特に限定されず、例えば、その下限値は、機械的強度の点から10μmが好ましく、20μmが特に好ましい。一方で、その上限値は、軽量化の点から300μmが好ましく、200μmが特に好ましい。
また、シート状発泡体の気泡構造は、独立気泡構造であることが好ましい。独立気泡構造であることにより、気泡を介した雨水の浸透をより確実に防止できるので、防水性がさらに向上する。独立気泡率は、高いほど好ましく、具体的には90%以上が好ましく、95%以上が特に好ましい。なお、独立気泡率はASTM D−2856に基づき空気比較式比重計を用いて測定する。
本発明の赤外線反射シート及び赤外線反射シートを備えた防水シートの構造は、上記したシート状発泡体を備えていればよく、また、必要に応じて、シート状に成形された繊維部材の上に上記したシート状発泡体が設けられた積層構造としてもよい。遮熱性を有する赤外線反射シート及び赤外線反射シートを備えた防水シートが、シート状発泡体とシート状に成形された繊維部材とを備えた積層構造であることにより、引き裂き強度が向上して、赤外線反射シート及び赤外線反射シートを備えた防水シートを施工する際の損壊を防止でき、また耐久性が向上する。
赤外線反射シート及び赤外線反射シートを備えた防水シートが上記した積層構造である場合、シート状発泡体は、積層構造の最外層に設けられる。また、シート状発泡体の表面に非発泡層が設けられていている場合には、非発泡層が外側に露出するように設けられる。シート状に成形された繊維部材としては、特に限定されず、一般に使用できるものであれば、いずれも使用可能であり、例えば、セルロース繊維等を用いた不織布を挙げることができる。
次に、赤外線反射シート及び赤外線反射シートを備えた防水シートに用いられるシート状発泡体の製造方法例を説明する。ここでは、熱可塑性樹脂を用いてシート状発泡体を製造する方法例について説明する。
シート状発泡体の製造方法例としては、気泡構造の制御の観点から所望の気泡核材を樹脂中に分散させることで製造することができる。気泡核材として特に使用材質の制限はないが、タルク等の無機系粒子、熱可塑性エラストマー、溶融型結晶核材等が一般的に用いられる。これらの気泡核材の中から適切な分散性を有するものを適宜選択し使用する。ポリ塩化ビニル樹脂においては可塑剤が気泡核材として良好に機能し、例えば、DOP、DOTP、DINP、DEHP等を適宜使用することが可能である。
不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられ、熱可塑性樹脂へのガス浸透性の点から、二酸化炭素が好ましい。
シート状発泡体の平均気泡径、発泡倍率は、上記したシート状発泡体の製造方法例における気泡核剤の種類、加圧条件、加熱温度等を選択することにより、調整することができる。
次に、本発明の遮熱性を有する赤外線反射シートを備えた防水シートについて、その使用方法例を説明する。本発明の防水シートは、例えば、建築物の屋上に敷設することで、建築物の屋上防水シートとして使用することができる。また、本発明の防水シートは、遮熱性を有するので、建築物の屋上に敷設することで、室温の上昇を防止でき、結果、空調費用を低減し且つ空調に要するエネルギー負荷を低減できる。また、本発明の防水シートは、優れた遮熱性を有するので、断熱シートを不要にすることもでき、施工の効率が向上する。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例における評価項目及び評価方法は以下の通りである。
(1)平均気泡径
ASTMD3576−77に準じて求めた。シート状発泡体の断面のSEM写真を撮影し、SEM写真上に水平方向と垂直方向に直線を引き、直線が横切る気泡の弦の長さtを平均した。写真の倍率をMとして、下記式に代入して平均気泡径dを求めた。
d=t/(0.616×M)
(2)発泡倍率
水中置換法により測定されたシート状発泡体の比重(ρf)と発泡前の樹脂の比重(ρs)との比ρs/ρfとして算出した。
(3)平均厚さ
サンプルの4角、4辺及びシートの中心における厚みをマイクロメータにより測定し、合計9点の平均値を平均厚さとした。
(4)赤外線反射率
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)による拡散反射法によって測定した。
(5)耐候性
サンシャインウェザーメーター(スガ試験機製)での3ヶ月の照射試験後における赤外線反射率の変化とシート状発泡体表面のひび割れの程度で評価した。
◎:表面にひび割れ等がなく、赤外領域において70%以上の反射率を維持していた。
○:表面にひび割れ等がなく、赤外領域において60%以上の反射率を維持していた。
×:表面にひび割れ等が発生、もしくは赤外領域の反射率が60%を下回っていた。
実施例1
ポリ塩化ビニル樹脂(商品名:太陽塩ビ製TH1000)100質量部に対しDOTPを2質量部添加しシート化した材料に対し17℃、5.0MPaにて、48時間の二酸化炭素ガス含浸を行った。その後、80℃に設定した熱風循環式発泡炉で1分間の加熱発泡を行って、サンプルであるシート状発泡体を得た。得られたシート状発泡体の平均気泡径は10μm、発泡倍率は4.0倍、平均厚さは1.0mmであった。
実施例2
ポリ塩化ビニル樹脂に代えて、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂、商品名:ソルベイ製ソレフ460)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状発泡体を得た。得られたシート状発泡体の平均気泡径は10μm、発泡倍率は4.0倍、平均厚さは1.0mmであった。
実施例3
ポリ塩化ビニル樹脂に代えて、シリコーンゴムを用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状発泡体を得た。得られたシート状発泡体の平均気泡径は10μm、発泡倍率は4.0倍、平均厚さは1.0mmであった。
比較例1
ポリ塩化ビニル製防水シート(ロンシール工業製ベストプルーフナンネン)を1.0mm厚×100mm幅×100mm長に切り出しサンプルとなる樹脂シートを得た。
比較例2
古河電気工業製MCPOLYCA YNグレード(発泡倍率3.0倍、平均気泡径1.0μm以下、1.0mm厚)を100mm幅×100mm長に切り出しサンプルとなる樹脂シートを得た。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 0006877370
表1から、平均気泡径10μm、発泡倍率4.0倍、平均厚さ1.0mmのシート状発泡体である実施例1〜3では、2500nm以上10000nm以下の波長領域における反射率が、平均78%以上と赤外線領域全体に亘って優れた反射能を有し、結果として、優れた遮熱性を発揮することが判明した。また、実施例1〜3では、優れた耐候性を有するので耐久性が向上し、重量も軽く施工性に優れるので、防水シートとしての特性にも優れていた。
一方で、金属酸化物顔料をポリ塩化ビニル樹脂に配合することで赤外線に対する反射機能を付与した比較例1では、2500nm以上10000nm以下の波長領域における反射率が、平均50%と赤外線領域全体に亘った反射機能が十分には得られず、結果として、優れた遮熱性を発揮することができないことが判明した。また、比較例1では、金属酸化物顔料を配合しているので、重量化してしまい、良好な施工性が得られなかった。また、シート状発泡体の平均気泡径が1.0μm以下と微細であった比較例2では、2500nm以上10000nm以下の波長領域における反射率が、平均60%と赤外線領域全体に亘った反射機能が十分には得られず、結果として、優れた遮熱性を発揮することができないことが判明した。また、ポリカーボネート樹脂を使用した比較例2では、優れた耐候性を得ることはできなかった。

Claims (8)

  1. 平均気泡径3μm以上30μm以下、発泡倍率1.5倍以上8.0倍以下、及び平均厚さ1.0mm以上であるシート状発泡体を備え、
    前記シート状発泡体が、熱可塑性樹脂製であり、前記熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル樹脂及びシリコーン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種である赤外線反射シート。
  2. 前記シート状発泡体の2500nm以上10000nm以下の波長領域における反射率が、平均65%以上である請求項1に記載の赤外線反射シート。
  3. 前記シート状発泡体の気泡数密度が、1×10個/mm以上1×1012個/mm以下である請求項1または2に記載の赤外線反射シート。
  4. 前記シート状発泡体の400nm以上750nm以下の波長領域における反射率が、平均80%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の赤外線反射シート。
  5. 前記シート状発泡体の表面に、平均厚さ10μm以上の非発泡層が設けられている請求項1乃至のいずれか1項に記載の赤外線反射シート。
  6. 前記シート状発泡体が、90%以上の独立気泡率である請求項1乃至のいずれか1項に記載の赤外線反射シート。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の赤外線反射シートが、最外層に設けられている防水シート。
  8. 建築物の屋上防水用である請求項に記載の防水シート。
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