JP6877157B2 - 圧着端子及び圧着接続構造体 - Google Patents

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この発明は、例えば自動車用ワイヤーハーネスのコネクタ等に使用される圧着端子及び圧着接続構造体に関する。
自動車等に装備された電装機器は、被覆電線を束ねたワイヤーハーネスを介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。この際、ワイヤーハーネスと電装機器や電源装置とは、それぞれに装着したコネクタ同士で接続されている。
これらコネクタは、その内部に、被覆電線に圧着して接続した圧着端子が装着されており、凹凸対応して接続される雌型コネクタと雄型コネクタとを嵌合させる構成である。
ところで、このようなコネクタは、様々な環境下で使用されているため、雰囲気温度の変化による結露などによって意図しない水分が被覆電線の表面に付着することがある。そして、被覆電線の表面を伝ってコネクタ内部に水分が侵入すると、被覆電線の先端より露出している電線導体の表面が腐食するという問題がある。
そこで、圧着端子で圧着された電線導体への水分の侵入を防止する様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の圧着端子は、被覆電線の電線導体を圧着する筒状の導体圧着部と、被覆電線の絶縁被覆を圧着する筒状の被覆圧着部とを連通状に一体構成した筒状の圧着部を備えたクローズバレル型の圧着端子において、圧着部の内部に被覆電線の先端部側を挿入した状態で、絶縁被覆の先端部の外周に被覆圧着部を加締めると共に絶縁被覆の先端部から露出した電線導体の外周に導体圧着部を加締めている。
このように、絶縁被覆の先端部の外周に被覆圧着部を加締めることで、被覆圧着部と絶縁被覆との間の圧力を高め、押し潰された絶縁被覆の反発力により、被覆圧着部と絶縁被覆との間から圧着部の内部に水分が侵入することを防止することで、電線導体への水分の侵入を防止している。
特開2016−46171号公報
しかしながら、特許文献1に記載の圧着端子では、加締められた被覆圧着部によって、被覆圧着部内の絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出され、この結果、被覆圧着部と絶縁被覆との間の圧力が低下して、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性が低下するという虞がある。
この発明は、上述の問題に鑑み、加締められた被覆圧着部によって被覆圧着部内の絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることを抑制することができ、防水性に優れた圧着端子及び圧着接続構造体を提供することを目的とする。
この発明は、電線導体の外周が絶縁被覆で被覆された被覆電線の一端部に圧着される圧着部を備えた圧着端子であって、前記圧着部は、筒状に形成され、内部に前記絶縁被覆の一端部が挿入された状態で前記絶縁被覆の外周に圧着される被覆圧着部と、前記被覆圧着部の内径よりも小さい内径を有する筒状に形成され、内部に前記絶縁被覆の前記一端部から露出された前記電線導体が挿入された状態で前記電線導体の外周に圧着される導体圧着部とを備え、前記被覆圧着部の内周面には、前記内周面に対して窪んだ凹部が設けられており、前記凹部が周方向に沿って互いに間隔を空けて複数並べられて形成された列が、前記圧着端子の軸方向に互いに間隔を空けて複数列設けられ、前記複数列における隣合う列のうち、前記軸方向から見て、一方の列の前記各凹部が他方の列における隣合う前記凹部の間の間隔に重なる位置に配置されるとともに、前記一方の列の前記各凹部のそれぞれが前記他方の列における前記間隔の両隣の前記凹部と重なる圧着端子であることを特徴とする。
この発明により、被覆圧着部の内周面に、内周面に対して窪んだ凹部が設けられるため、被覆圧着部の内周面の摩擦を高めることができる。これにより、被覆圧着部が被覆電線の絶縁被覆の外周に加締められたとき、内周面の凹部によって、被覆圧着部内の絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることを抑制でき、この結果、被覆圧着部と絶縁被覆との間の圧力を高めることができ、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
さらに、被覆圧着部と絶縁被覆との間の圧力が高まることで、圧着端子が外力を受けたり、雰囲気温度の高低によって被覆圧着部と絶縁被覆との間で線膨張差が生じたりしても、被覆圧着部と絶縁被覆との間の密着を維持でき、これによって、例えば雰囲気温度が大きく変化するなどの厳しい使用環境であっても、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
また、導体圧着部の内径が被覆圧着部の内径よりも小さいため、圧着部に被覆電線の一端部が挿入されたとき、被覆圧着部が被覆電線の絶縁被覆の外周に容易に位置決めでき、これにより、被覆圧着部の内周面において、上記の凹部が設けられる範囲を必要最小限度に制限することができる。
また、被覆電線の絶縁被覆を凹部に効果的に食い込ませることができ、これにより、絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることをより一層抑制することができる。そして、被覆圧着部の内周面において凹部が設けられた範囲が面状に広がるため、面状に広がった範囲で被覆電線の絶縁被覆を凹部に食い込ませることができ、被覆圧着部内の絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることをより一層抑制することができる。
また、仮に隣合う列の凹部が圧着端子の軸方向に沿って直線状に並ぶと、それら直線状に並んだ各凹部を経由する経路に沿って水分が通り抜ける場合があるため、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性が低下する場合があるところ、隣合う列の凹部が圧着端子の軸方向に沿って直線状に並ぶことを防止することができ、これにより、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
加えて、一方の列の各凹部が他方の列における隣合う凹部の間の間隔に重なる位置に配置されるとともに、一方の列の各凹部のそれぞれが他方の列における間隔の両隣の凹部に重なるため、周方向のいずれの位置においても軸方向に必ず凹部が存在し、かつ凹部の間の間隔においては周方向にも凹部が存在することとなる。そのため、被覆圧着部内の絶縁被覆が凹部に入って食い込み、絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることを抑制できる。この結果、被覆圧着部と絶縁被覆との間の圧力を高めることができ、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
また、この発明の態様として、前記一方の列の前記各凹部の前記周方向の長さを第1長さとし、前記一方の列の前記各凹部と前記間隔の両隣の前記凹部のうちの一方及び他方との重なりの長さをそれぞれ第2長さ及び第3長さとし、前記第2長さと前記第3長さとの和が前記第1長さの50%以下であってもよい。
この発明により、第2長さと第3長さの和が第1長さの50%以下であるため、一方の列の各凹部が重なる前記間隔を、被覆圧着部と被複電線との間の防水性を確保できる間隔に設定することができる。
なお、第2長さと第3長さの和が第1長さの50%を超えると、前記間隔が狭くなり過ぎると共に上記の部分的な重なりが大きくなり過ぎ、これにより、圧着端子の軸方向に沿って水分が通り抜ける経路が形成され易くなって、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性が低下する。
この発明は、電線導体の外周が絶縁被覆で被覆された被覆電線の一端部に圧着される圧着部を備えた圧着端子であって、前記圧着部は、筒状に形成され、内部に前記絶縁被覆の一端部が挿入された状態で前記絶縁被覆の外周に圧着される被覆圧着部と、前記被覆圧着部の内径よりも小さい内径を有する筒状に形成され、内部に前記絶縁被覆の前記一端部から露出された前記電線導体が挿入された状態で前記電線導体の外周に圧着される導体圧着部とを備え、前記被覆圧着部の内周面には、前記内周面に対して窪んだ凹部が設けられており、前記凹部が周方向に沿って互いに間隔を空けて複数並べられて形成された列が、前記圧着端子の軸方向に互いに間隔を空けて複数列設けられ、前記複数列における隣合う列のうち、前記軸方向から見て、一方の列の前記各凹部が他方の列における隣合う前記凹部の間の間隔に重なる位置に配置されるとともに、前記一方の列の前記各凹部のそれぞれが前記他方の列における前記間隔の両隣の前記凹部のうちの少なくとも一方の凹部と重なり、前記一方の列の前記各凹部の前記周方向の長さを第1長さとし、前記一方の列の前記各凹部と前記間隔の両隣の前記凹部のうちの一方及び他方との重なりの長さをそれぞれ第2長さ及び第3長さとし、前記第2長さと前記第3長さとの和が前記第1長さの50%以下である圧着端子であることを特徴とする。
この発明により、被覆圧着部の内周面に、内周面に対して窪んだ凹部が設けられるため、被覆圧着部の内周面の摩擦を高めることができる。これにより、被覆圧着部が被覆電線の絶縁被覆の外周に加締められたとき、内周面の凹部によって、被覆圧着部内の絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることを抑制でき、この結果、被覆圧着部と絶縁被覆との間の圧力を高めることができ、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
さらに、被覆圧着部と絶縁被覆との間の圧力が高まることで、圧着端子が外力を受けたり、雰囲気温度の高低によって被覆圧着部と絶縁被覆との間で線膨張差が生じたりしても、被覆圧着部と絶縁被覆との間の密着を維持でき、これによって、例えば雰囲気温度が大きく変化するなどの厳しい使用環境であっても、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
また、導体圧着部の内径が被覆圧着部の内径よりも小さいため、圧着部に被覆電線の一端部が挿入されたとき、被覆圧着部が被覆電線の絶縁被覆の外周に容易に位置決めでき、これにより、被覆圧着部の内周面において、上記の凹部が設けられる範囲を必要最小限度に制限することができる。
また、被覆電線の絶縁被覆を凹部に効果的に食い込ませることができ、これにより、絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることをより一層抑制することができる。そして、被覆圧着部の内周面において凹部が設けられた範囲が面状に広がるため、面状に広がった範囲で被覆電線の絶縁被覆を凹部に食い込ませることができ、被覆圧着部内の絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることをより一層抑制することができる。
また、仮に隣合う列の凹部が圧着端子の軸方向に沿って直線状に並ぶと、それら直線状に並んだ各凹部を経由する経路に沿って水分が通り抜ける場合があるため、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性が低下する場合があるところ、隣合う列の凹部が圧着端子の軸方向に沿って直線状に並ぶことを防止することができ、これにより、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
また、第2長さと第3長さの和が第1長さの50%以下であるため、一方の列の各凹部が重なる前記間隔を、被覆圧着部と被複電線との間の防水性を確保できる間隔に設定することができる。
なお、第2長さと第3長さの和が第1長さの50%を超えると、前記間隔が狭くなり過ぎると共に上記の部分的な重なりが大きくなり過ぎ、これにより、圧着端子の軸方向に沿って水分が通り抜ける経路が形成され易くなって、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性が低下する。
また、この発明の態様として、前記被覆圧着部の前記内周面に設けられた前記各凹部の占有面積の総和は、前記内周面の面積の50%未満であってもよい。
この発明により、被覆電線の絶縁被覆の外周面と被覆圧着部の内周面との接触面積を十分に確保することができ、これにより、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を高めることができる。また、被覆圧着部が歪むことを抑制することもできる。
また、この発明の態様として、前記被覆圧着部の前記内周面には、周方向において、少なくとも所定の区間に、前記凹部が設けられ、前記凹部が設けられた前記所定の区間は、前記被覆圧着部の前記内周面のうち、他の領域と比べて前記絶縁被覆を相対的に低い圧縮率で圧縮して前記絶縁被覆の外周に圧着される領域に設けられてもよい。
なお、前記領域は、例えば、圧着金型で圧着部を加締める場合、被覆圧着部の内周面のうち、圧着金型の合わせ目に対応する領域である。
この発明により、凹部によって所定の区間での絶縁被覆と被覆圧着部との間の摩擦抵抗を高めることができ、これにより、絶縁被覆が被覆圧着部から押し出されることを抑制でき、相対的に低い圧縮率で(弱く)圧縮された領域においても絶縁被覆と被覆圧着部との間の防水性を高めることができる。
なお、仮に圧着金型で圧着部を加締める場合、圧着金型の内面には、圧着金型の合わせ目において隙間が形成されるため、合わせ目では、圧着金型による圧着部への加圧が弱くなる。このようなに、圧着金型による圧着部への圧力が弱い部分(即ち合わせ目)では、圧着部と絶縁被覆との間の摩擦抵抗が低下して、絶縁被覆が被覆圧着部から押し出され、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性が低下する場合がある。
この発明により、前記領域に凹部を設けることができ、この凹部によって絶縁被覆が被覆圧着部から押し出されることが抑制でき、これにより、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を高めることができる。
より詳細には、圧着金型で圧着部を加締める場合、前記所定の区間を、被覆圧着部の内周面のうち、圧着金型の合わせ目に対応する領域(即ち被覆電線の絶縁被覆を相対的に低い圧縮率で圧縮して絶縁被覆の外周に圧着される領域)に設けることで、圧着金型による圧着時、被覆圧着部の内周面における圧着金型の合わせ目に対応する領域に凹部を配置でき、この凹部によって絶縁被覆が被覆圧着部から押し出されることを抑制でき、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
また、この発明の態様として、前記所定の区間に設けられた前記凹部は、前記所定の区間以外の区間に設けられた前記凹部よりも、前記周方向の長さが長く形成されてもよい。
この発明により、凹部を確実に圧着金型の合わせ目に重なるように形成することができる。
また、この発明は、電線導体の外周が絶縁被覆で被覆された被覆電線と、上記の圧着端子であって前記被覆電線の一端部に圧着された圧着端子とを備えた圧着接続構造体であることを特徴とする。
この発明により、上記の圧着部を有する圧着接続構造体を得ることができる。
また、この発明の態様として、前記絶縁被覆において前記被覆圧着部によって加締められた部分の厚さは、前記凹部の深さよりも大きくてもよい。
なお、絶縁被覆において被覆圧着部によって加締められた部分の厚さは、被複電線の外周面と電線導体との間隔のうち最小の部分の厚さである。
この発明により、被覆電線が圧着端子から引っ張られた際、絶縁被覆のうちの凹部に食い込んだ部分が引き千切られることを抑制することができる。また、絶縁被覆のうちの凹部に食い込んだ部分が凹部の内面(内周面及び底面)全体に十分強く押し付けられるため、凹部と絶縁被覆との間の密着度が高まって、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を向上させることができる。
また、この発明の態様として、前記被覆圧着部の外周面には、前記圧着端子の軸方向に沿って凸部が形成され、前記被覆圧着部の前記内周面のうち、少なくとも前記凸部に対応する箇所に、前記凹部が設けられてもよい。
この発明により、被覆圧着部の外周面設けられた凸部に対応する箇所に凹部を設けることができ、これにより、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を高めることができる。
この発明により、加締められた被覆圧着部によって被覆圧着部内の絶縁被覆が被覆圧着部の外側に押し出されることを抑制することで、被覆圧着部と絶縁被覆との間の防水性を高めることができる圧着端子及び圧着接続構造体を提供することができる。
被覆電線及び圧着端子における上方からの外観を示す外観斜視図。 図1のA−A矢視断面図。 圧着部の内周面を展開した展開図。 (a)は圧着金型を用いて圧着部を被覆電線に圧着する圧着工程を説明する断面図、(b)は(a)のB−B矢視断面図。 (a)は圧着接続構造体の断面形状を示す断面図、(b)は(a)の範囲U1の拡大図、(c)は(a)の範囲U2の拡大図。 凹部の配列及び形状の変形例を示す展開図。 凹部の配列及び形状の他の変形例を示す展開図。 凹部の配列及び形状の他の変形例を示す展開図。 被覆圧着部の内周面と凹部の占有面積の総和との関係を説明する展開図。 被覆圧着部の内周面において所定の区間だけに凹部が設けられた場合の展開図。 圧着金型を用いて被覆電線の外周に圧着部が圧着された状態を示す断面図。 被覆圧着部の内周面において所定の区間と該区間以外の区間とに凹部が設けられた場合の展開図。 (a)は被覆電線において圧着部によって加締められた部分の断面を示す断面図、(b)被覆電線において圧着部によって加締められていない部分の断面を示す断面図。
(実施形態)
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態における被覆電線200及び圧着端子100の構成について、図1から図3を用いて詳しく説明する。
なお、図1は被覆電線200及び圧着端子100における上方からの外観斜視図を示し、図2は図1のA−A矢視断面図を示し、図3は圧着部130の内周面を展開した展開図を示している。
また、図1中において、矢印Xは圧着端子100の軸方向を示し(以下「端子軸方向X」とする)、矢印Yは圧着端子100の幅方向を示している(以下、「幅方向Y」とする)。さらに、端子軸方向Xにおいて、後述するボックス部110側(図中の左側)を前方とし、ボックス部110に対して後述する被覆電線200側(図中の右側)を後方とする。
図1及び図2に示すように、被覆電線200は、複数のアルミニウム素線またはアルミニウム合金素線を束ねて構成された電線導体201の外周を、絶縁樹脂で形成された絶縁被覆202で被覆されて構成されている。詳しくは、電線導体201は、断面が、例えば0.75mmとなるように、複数のアルミニウム素線を撚って構成されている。さらに、被覆電線200は、絶縁被覆202の先端から所定の長さ電線導体201を露出させている。
圧着端子100は、例えばメス型端子であり、端子軸方向Xの前方から後方に向かって、図示省略するオス型端子のオスタブが挿入されるボックス部110と、ボックス部110の後側においてトランジション部120を介して設けられ、被覆電線200の一端部の外周に圧着される圧着部130とで一体的に構成されている。なお、圧着端子100は、メス型端子に限られず、ボックス部110の代わりにオスタブを有するオス型端子や、丸型端子などの端子でもよい。
この圧着端子100は、表面が錫メッキされた黄銅等の銅合金条(図示せず)を、平面展開した端子形状の板材に打ち抜いた後、四角筒状のボックス部110と段付き円筒状の圧着部130とからなる立体的な端子形状に曲げ加工するとともに、圧着部130の前端開口部を閉塞したクローズバレル型の圧着端子である。なお、上記の銅合金条は、錫以外の金属でメッキされてもよく、またメッキされていなくてもよい。また、銅合金条の代わりに、銅以外の金属で形成された金属条が用いられてもよい。
ボックス部110は、底面部111の端子軸方向Xと直交する幅方向Yの両側部に連設された側面部112の一方を、他方の上端部に重なり合うように折り曲げて、端子軸方向Xの前方側から見て略矩形の中空四角柱体で構成されている。
さらに、ボックス部110の内部には、その内部に挿入されるオス型端子の挿入タブ(図示省略)に接触する弾性接触片113が設けられている。弾性接触片113は、底面部111の端子軸方向Xの前端部が延設されて、端子軸方向Xの後方に向かって折り曲げて形成されている。
圧着部130は、被覆電線200の絶縁被覆202の一端部の外周に圧着される筒状の被覆圧着部131と、被覆圧着部131の前側に連通状に連結され、絶縁被覆202の一端部から露出された電線導体201の外周に圧着される筒状の導体圧着部132と、導体圧着部132の前側に連通状に連結され、上下方向に圧潰されて導体圧着部132の前端開口部を閉塞する圧潰筒状の封止部133とを備えている。
導体圧着部132の内径は、被覆圧着部131の内径よりも小さく且つ絶縁被覆202の外径よりも小さく形成されている。導体圧着部132は、段差部Dを介して被覆圧着部131の前端開口部に連通状に連結されている。段差部Dは、被覆圧着部131の内周面131aと導体圧着部132の内周面132aとの境界に沿って環状に設けられており、被覆圧着部131の内周面131aよりも内側に張り出すと共に導体圧着部132の内周面132aよりも外側に張り出している。
被覆圧着部131の内周面131aには、図3に示すように、内周面131aの摩擦を高めるための凹部135が、内周面131aに対して窪んだ状態で設けられている。凹部135は、例えば、内周面131aの周方向Qに沿って連続的に延びた列を形成すると共に、端子軸方向Xに沿って互いに間隔を空けて複数列(例えば4列)設けられている。なお、図3では、凹部135は、端子軸方向Xに沿って複数列設けられているが、1列だけ設けられてもよい。
また、導体圧着部132の内周面132aには、図3に示すように、電線導体201が食い込むための凹部136が、内周面132aに対して窪んだ状態で設けられている。凹部136は、内周面132aにおいて、端子軸方向X及び周方向Qに局在的に制限された局在的形状(例えば平面視矩形状)に形成され、周方向Qに沿って互いに間隔を空けて複数並べられて列を形成すると共に、端子軸方向Xに沿って互いに間隔を空けて複数列設けられている。
この圧着部130は、図1及び図2に示すように、平面展開した端子形状に打ち抜いた板材(即ち銅合金条)における圧着部130になる部分を、以下のように曲げ加工して形成される。即ち、圧着部130の被覆圧着部131は、平面展開した端子形状の板材における被覆圧着部131になる部分が、被覆電線200の一端部の外周を包囲する直径の円筒状になるように丸められて形成され、圧着部130の導体圧着部132は、平面展開した端子形状の板材における導体圧着部132になる部分が、電線導体201の外周を包囲する直径の円筒状になるように丸められて形成され、圧着部130の封止部133は、平面展開した端子形状の板材における封止部133になる部分が、その前半が平坦状でその後半が曲面状になるように重ね合わされて形成される。そして、このように曲げ加工された圧着部130になる部分の周方向Qの両端部が、互いに突き合わせた状態で端子軸方向Xに延びた溶接個所W1に沿って溶接され、封止部133において端子軸方向Xと交差する方向に沿った溶接箇所W2に沿って溶接されることで、圧着部130は形成されている。
次に、このような構成の圧着端子100の圧着部130を被覆電線200の外周に加締めて圧着する工程、及び圧着後の圧着接続構造体1について、図4及び図5を用いて詳しく説明する。
なお、図4(a)は圧着金型10を用いて圧着部130を被覆電線200の一端部に圧着する圧着工程を示す断面図を示し、図4(b)は図4(a)のB−B矢視断面図を示し、図5(a)は圧着接続構造体1の断面形状の断面図を示し、図5(b)及び図5(c)はそれぞれ図5(a)の範囲U1及びU2の拡大図を示している。
図4(a)に示すように、上述した圧着端子100の圧着部130の内部に、後方から、電線導体201が露出された被覆電線200を、絶縁被覆202の一端部が圧着部130の内側に張り出した段差部Dに突き当たるまで挿入する。絶縁被覆202の一端部が段差部Dに突き当たった状態では、絶縁被覆202の一端部側が被覆圧着部131の内部に配置されると共に、絶縁被覆202の一端部から露出された電線導体201が導体圧着部132の内部に配置される。
その後、図4(a)及び図4(b)に示すように、被覆電線200が挿入された圧着部130を、アンビルとクリンパで構成された1組の圧着金型10で挟み込むことで、被覆電線200の一端部の外周に圧着する。
この1組の圧着金型10は、アンビルとなる第1圧着型11と、クリンパとなる第2圧着型12とで構成されている。第1圧着型11の上面11aは、圧着後の圧着部130の外周面の下側部分に応じた形状(例えば凹曲面形状)に形成されている。第2圧着型12の下面には、断面逆U字状の溝12aが設けられ、溝12aの底面12bは、圧着後の圧着部130の外周面の上側半分に応じた形状(例えば凹曲面形状)に形成されている。
このような1組の圧着金型10によって、被覆電線200が挿入された圧着部130を挟み込んで加締めることで、圧着部130が被覆電線200の一端部の外周に圧着された圧着接続構造体1が構成される。
具体的には、圧着接続構造体1は、図5に示すように、圧着金型10で導体圧着部132が加締められることで、導体圧着部132と電線導体201とが圧着して導通可能に接続されている。その圧着状態では、導体圧着部132の凹部136が電線導体201の外周に押し付けられて電線導体201が凹部136内に食い込み、凹部136のエッジ(角部)でアルミニウム素線の酸化被膜が破られて、導体圧着部132と電線導体201との導通が確保されている。
さらに、圧着金型10で被覆圧着部131が加締められることで、被覆圧着部131と絶縁被覆202とが圧着されている。その圧着状態では、被覆圧着部131によって、被覆電線200が径方向に弾性圧縮されて被覆圧着部131の内周面と絶縁被覆202の外周面とが密着し、これにより、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性が確保される。
さらに、上記の被覆圧着部131と絶縁被覆202との圧着状態では、被覆圧着部131の凹部135が絶縁被覆202の外周面に押し付けられて絶縁被覆202の外周が凹部135に食い込むことで、被覆圧着部131内の絶縁被覆202が被覆圧着部131の外側に押し出されることが抑制され、この結果、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の圧力が高められて、導体圧着部132と電線導体201との間の防水性が確保される。
以上、この実施形態の圧着端子100及び圧着接続構造体1によれば、加締められた被覆圧着部131によって被覆圧着部131内の絶縁被覆202が被覆圧着部131の外側に押し出されることを抑制することで、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を高めることができる。
具体的には、被覆圧着部131の内周面131aに、内周面131aに対して窪んだ凹部135が設けられるため、被覆圧着部131の内周面131aの摩擦を高めることができる。これにより、被覆圧着部131が被覆電線200の絶縁被覆202の外周に加締められたとき、凹部135によって、被覆圧着部131内の絶縁被覆202が被覆圧着部131の外側に押し出されることを抑制でき、この結果、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の圧力を高めることができ、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を向上させることができる。
さらに、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の圧力が高まることで、圧着端子100が外力を受けたり、雰囲気温度の高低によって被覆圧着部131と絶縁被覆202との間で線膨張差が生じたりしても、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の密着を維持でき、これによっても、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を向上させることができる。
また、導体圧着部132の内径が被覆圧着部131の内径よりも小さいため、圧着部130に被覆電線200の一端部が挿入されたとき、被覆圧着部131が絶縁被覆202の外周に容易に位置決めでき、これにより、凹部135による上述の効果を確実は発揮できると共に、被覆圧着部131の内周面において、凹部135が設けられる範囲を必要最小限度に制限することができる。
また、圧着接続構造体1は、電線導体201の外周が絶縁被覆202で被覆された被覆電線200と、上述の圧着端子100であって被覆電線200の一端部に圧着された圧着端子100とを備えているため、上述の圧着部130を有する接続構造体を得ることができる。
以下、この実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
上記の実施形態では、凹部135は、被覆圧着部131の内周面131aにおいて、周方向Qに沿って連続的に延びた列状に形成されたが(図3参照)、図6に示すように、凹部135は、内周面131aにおいて、端子軸方向X及び周方向Qに局在的に制限された局在的形状(例えば平面視円形、平面視矩形又は平面視星形)に形成され、周方向Qに沿って互いに間隔を空けて複数並べられてもよい。
図6では、凹部135として、異なる局在的形状の凹部(例えば平面視円形の凹部、平面視矩形の凹部及び平面視星形の凹部)が組み合わせて並べられているが、同じ局在的形状の凹部(例えば平面視矩形の凹部)が複数並べられてもよい。
以上、この変形例によれば、被覆電線200の絶縁被覆202を凹部135に効果的に食い込ませることができ、これにより、被覆圧着部131内の絶縁被覆202が被覆圧着部131の外側に押し出されることをより一層抑制することができる。
(変形例2)
変形例1では、被覆圧着部131の内周面131aにおいて、凹部135が周方向Qに沿って互いに間隔を空けて複数並べられて形成された列が、端子軸方向Xに1列だけ設けられたが、図7に示すように、その列Rが、端子軸方向Xに沿って互いに間隔を空けて複数列(例えば2列)設けられてもよい。
図7では、各列Rの各凹部135は同じ局在的形状(例えば平面視菱形)に形成されているが、各列Rの各凹部135は異なる局在的形状であってもよい。
以上、この変形例によれば、被覆圧着部131の内周面131aにおいて、凹部135が設けられた範囲が周方向Q及び端子軸方向Xに展開された面状に広がるため、面状に広がった範囲で被覆電線200の絶縁被覆202を凹部135に食い込ませることができ、被覆圧着部131内の絶縁被覆202が被覆圧着部131の外側に押し出されることを一層抑制することができる。
(変形例3)
変形例2では、隣合う列Rのうち、一方の列Rの各凹部135はそれぞれ、他方の列Rの各凹部135の真横に配置されたが、図8に示すように、各列Rの各凹部135は、千鳥配列で配置されてもよい。換言すれば、隣合う列Rのうち、一方の列Rの各凹部135は、端子軸方向Xから見て、他方の列Rにおける隣合う凹部135の間の間隔Lに重なった状態で設けられてもよい。
図8では、一方の列Rの各凹部135はそれぞれ、端子軸方向Xから見て、それ自身が重なる間隔Lの両隣の凹部135のうちの少なくとも一方(図8では両隣)の凹部135に部分的に重なった状態で設けられている。
より詳細には、一方の列Rの各凹部135の周方向Qの長さを第1長さT1とし、一方の列Rの各凹部135とそれ自身が重なる間隔Lの両隣の凹部135のうちの一方及び他方との重なりの周方向Qの長さをそれぞれ第2長さT2及び第3長さT3とすると、第2長さT2と第3長さT3との和は、第1長さT1の50%以下になるように(即ち、T2+T3≦0.5×T1 となるように)設定されている。
なお、一方の列Rの各凹部135とそれ自身が重なる間隔Lの両隣の凹部135のうちの一方及び他方との重なりが無い場合は、第2長さT2及び第3長さT3はそれぞれ値0である。
以上、この変形例によれば、仮に隣合う列Rの凹部135が端子軸方向Xに沿って直線状に並ぶと、それら直線状に並んだ各凹部135を経由する経路に沿って水分が通り抜け易くなるため、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性が低下するが、この変形例では、隣合う列Rの凹部135が端子軸方向Xに沿って直線状に並ぶことを防止することができ、これにより、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を維持した上で、絶縁被覆202のずれによる防水性低下を抑制することができる。
また、第2長さT2と第3長さT3の和が第1長さT1の50%以下であるため、一方の列Rの各凹部135が重なる間隔Lを、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を確保できる程度の間隔に設定することができる。
なお、第2長さT2と第3長さT3の和が第1長さT1の50%を超えると、上述の効果が得られなくなる。即ち、間隔Lが狭くなり過ぎると共に上記の部分的な重なりが大きくなり過ぎ、これにより、端子軸方向Xに沿って水分が通り抜ける経路が形成され易くなって、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性が低下する。
(変形例4)
上記の実施形態において、被覆圧着部131の内周面131aに設けられた各凹部135の占有面積S1の総和は、図9に示すように、内周面131aの面積S2の50%未満になるように設定されてもよい。図9では、各凹部135は同じ局在的形状(例えば平面視偏平六角形状)に形成されると共に千鳥配列で配置されるが、このような形状及び配置に限定されない。
以上、この変形例によれば、被覆電線200の絶縁被覆202の外周面と被覆圧着部131の内周面との接触面積を十分に確保することができ、これにより、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性が高めることができる。また、被覆圧着部131が歪むことも抑制することができる。
また、被覆圧着部131の内周面131aに設けられた各凹部135の間隔は、導体圧着部132の内周面132aに設けられた各凹部136の間隔より広く形成される。導体圧着部132の各凹部136は、アルミニウム素線の酸化被膜を破って確実に電気的接続をとるために、エッジとなる凹部136の総周長を大きくするべく、間隔を狭く配置するのに対し、被覆圧着部131の各凹部135は、凹部135における圧縮応力が低下して防水性が低下しないよう所定の間隔をあけて配置することが好ましい。
また、被覆圧着部131の内周面131aに設けられた各凹部135の端子軸方向Xにおける長さは、導体圧着部132の内周面132aに設けられた各凹部136の端子軸方向Xにおける長さより長く形成される。導体圧着部132の各凹部136はアルミニウム素線の酸化被膜を破って確実に電気的接続を取るために、電線に対しせん断する力が働くよう凹部136の端子軸方向長さを短く形成するのに対し、被覆圧着部131の各凹部135は、絶縁被覆202をせん断することなく凹部135の中に食い込ませるために、端子軸方向長さを所定の長さより長く形成することが好ましい。
(変形例5)
上記の実施形態において、図10に示すように、被覆圧着部131の内周面131aにおいて、周方向Qにおける所定の区間Wに、凹部135が設けられてもよい。区間Wは、内周面131aにおいて、周方向Qに沿って部分的に拡がると共に端子軸方向Xに沿って内周面131aの一端から他端まで拡がった領域である。凹部135は、周方向Qに沿って区間Wの一端から他端まで延設され、端子軸方向Xに間隔を空けて複数(図10では3つ)設けられている。
図11に示すように、区間Wは、圧着金型10による圧着時に、圧着金型10の合わせ目(即ち第1圧着型11と第2圧着型12との合わせ目)Mに対応する箇所(例えば合わせ目Mに重なる箇所)に設けられている。
より詳細には、第1圧着型11と第2圧着型12とを上下方向(即ち対向方向)に圧着する場合、第1圧着型11と第2圧着型12との合わせ目Mの周辺では、圧着金型10による圧着部130の径方向への加圧が弱くなる。このようなに、圧着金型10による圧着部130への圧力が弱い部分(即ち合わせ目M)では、圧着部130と絶縁被覆202との間の摩擦抵抗が低下して、絶縁被覆202が被覆圧着部131から押し出され、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性が低下する場合がある。このため、凹部135が設けられた区間Wは、上述のように、被覆圧着部131の内周面131aにおける圧着金型10の合わせ目Mに対応する箇所に設けられている。凹部135は、周方向Qにそって区間Wの一端から他端まで延設されることで、確実に合わせ目Mに重なるように形成されている。
なお、上述のように、圧着金型10による圧着時、被覆圧着部131の外周面131bのうち、合わせ目Mに対応する部分には、その他の部分(即ち合わせ目Mに対応しない部分)と比べて相対的に弱い圧力が圧着金型10から加えられる。このため、被覆圧着部131の外周面131bのうち、合わせ目Mに対応する部分は、その他の部分よりも外側に突出した形状になる。即ち、被覆圧着部131の外周面131bのうち、合わせ目Mに対応する部分には、外側に突出する凸部131cが端子軸方向Xに沿って形成される。従って、区間Wは、換言すれば、被覆圧着部131の内周面131aにおいて、被覆圧着部131の外周面131bの凸部131cに対応する箇所に設けられている。即ち、被覆圧着部131の内周面131aのうち、凸部131cに対応する箇所に、凹部135が設けられる。
また、被覆圧着部131は、絶縁被覆202を厚さ方向に圧縮して絶縁被覆202の外周に圧着されるが、被覆圧着部131のうち、凸部131c(即ち圧着金型10による圧着時に合わせ目Mに対応する部分)では、凸部131cが外側に突出する分、他の部位と比べて、絶縁被覆202を厚さ方向に圧縮する圧縮率が相対的に低くなる。即ち、絶縁被覆202が潰される量が相対的に小さく、押し潰された絶縁被覆202の被覆圧着部131の内面側への反発力も小さくなる。従って、区間Wは、更に換言すれば、被覆圧着部131の内周面131aのうち、他の領域と比べて絶縁被覆202を厚さ方向に相対的に低い圧縮率で圧縮して絶縁被覆202の外周に圧着される領域に設けられている。即ち、そのような領域に凹部135が設けられる。
以上、この変形例によれば、被覆圧着部131の内周面131aにおいて、周方向Qにおける所定の区間Wに、凹部135が設けられるため、所定の区間Wでの絶縁被覆202と被覆圧着部131との間の摩擦抵抗を高めることができ、これにより、絶縁被覆202が被覆圧着部131から押し出されることが抑制でき、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を高めることができる。
また、区間Wが、被覆圧着部131の内周面131aにおいて圧着金型10の合わせ目Mに対応する箇所に設けられるため、圧着金型10による圧着時、内周面131aにおける合わせ目Mに対応する箇所(即ち防水性が低下し易い箇所)に凹部135を配置でき、これにより、効果的に、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を向上させることができる。
また、区間Wは、被覆圧着部131の内周面131aのうち、他の領域と比べて絶縁被覆202を相対的に低い圧縮率で圧縮して絶縁被覆202の外周に圧着される領域(即ち防水性が低下し易い領域)に設けられているため、防水性が低下し易い領域に凹部135を設けることができ、効果的に、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を高めることができる。
また、被覆圧着部131の外周面には、端子軸方向Xに沿って凸部131cが形成され、被覆圧着部131の内周面のうち、少なくとも凸部131cに対応する箇所(即ち防止性が低下し易い箇所)に凹部135が設けられるため、効果的に、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を高めることができる。
なお、この変形例では、所定の区間Wだけに凹部135が設けられたが、図12に示すように、所定の区間W以外の区間にも凹部135が設けられてもよい。この場合、区間Wに設けられた凹部135Xは、区間W以外の区間に設けられた凹部135Yよりも、周方向Qの長さが長く形成されている。即ち、区間Wにおける周方向Qの長さは、区間W以外に設けられた凹部135Yにおける周方向Qの長さよりも長く形成されている。これにより、凹部135Xが確実に合わせ目Mに重なるように形成される。
(変形例6)
図13に示すように、上記の実施形態において、絶縁被覆202において被覆圧着部131によって加締められた区間202sの厚さd1は、凹部135の深さd2よりも大きく形成されてもよい。絶縁被覆202の区間202sの厚さd1は、絶縁被覆202において被覆圧着部131によって加締められていない区間202tの厚さd3よりも小さくなっている。
なお、厚さd1は、絶縁被覆202の区間202sの外周面と電線導体201との間隔のうちの最小の間隔での厚さであり、深さd2は、絶縁被覆202の区間202tの外周面と電線導体201との間隔のうちの最小の間隔での深さである。
以上、この変形例によれば、絶縁被覆202の区間202sの厚さd1が凹部135の深さd2よりも大きいため、被覆電線200が圧着端子100から引っ張られた際、絶縁被覆202のうちの凹部135に食い込んだ部分が引き千切られることを抑制することができる。
また、絶縁被覆202のうちの凹部135に食い込んだ部分が凹部135の内面(内周面及び底面)全体に十分強く押し付けられるため、凹部135と絶縁被覆202との間の密着度が高まって、被覆圧着部131と絶縁被覆202との間の防水性を向上させることができる。
この発明は、上述の実施形態及び変形例の構成のみに限定されるものではなく、上述の実施形態及び変形例の組み合わせも含み、多くの実施の形態を得ることができる。
1…圧着接続構造体
100…圧着端子
130…圧着部
131…被覆圧着部
132…導体圧着部
135…凹部
200…被覆電線
201…電線導体
202…絶縁被覆
d1…絶縁被覆において被覆圧着部によって加締められた区間の厚さ
d2…凹部の深さ
X…軸方向
Q…周方向
R…列
S1…凹部の占有面積
S2…被覆圧着部の内周面の面積
L1…第1長さ
L2…第2長さ
L3…第3長さ
W…区間

Claims (9)

  1. 電線導体の外周が絶縁被覆で被覆された被覆電線の一端部に圧着される圧着部を備えた圧着端子であって、
    前記圧着部は、
    筒状に形成され、内部に前記絶縁被覆の一端部が挿入された状態で前記絶縁被覆の外周に圧着される被覆圧着部と、
    前記被覆圧着部の内径よりも小さい内径を有する筒状に形成され、内部に前記絶縁被覆の前記一端部から露出された前記電線導体が挿入された状態で前記電線導体の外周に圧着される導体圧着部とを備え、
    前記被覆圧着部の内周面には、前記内周面に対して窪んだ凹部が設けられており、
    前記凹部が周方向に沿って互いに間隔を空けて複数並べられて形成された列が、前記圧着端子の軸方向に互いに間隔を空けて複数列設けられ、
    前記複数列における隣合う列のうち、前記軸方向から見て、一方の列の前記各凹部が他方の列における隣合う前記凹部の間の間隔に重なる位置に配置されるとともに、前記一方の列の前記各凹部のそれぞれが前記他方の列における前記間隔の両隣の前記凹部と重なる
    圧着端子。
  2. 記一方の列の前記各凹部の前記周方向の長さを第1長さとし、
    前記一方の列の前記各凹部と前記間隔の両隣の前記凹部のうちの一方及び他方との重なりの長さをそれぞれ第2長さ及び第3長さとし、
    前記第2長さと前記第3長さとの和が前記第1長さの50%以下である
    請求項に記載の圧着端子。
  3. 電線導体の外周が絶縁被覆で被覆された被覆電線の一端部に圧着される圧着部を備えた圧着端子であって、
    前記圧着部は、
    筒状に形成され、内部に前記絶縁被覆の一端部が挿入された状態で前記絶縁被覆の外周に圧着される被覆圧着部と、
    前記被覆圧着部の内径よりも小さい内径を有する筒状に形成され、内部に前記絶縁被覆の前記一端部から露出された前記電線導体が挿入された状態で前記電線導体の外周に圧着される導体圧着部とを備え、
    前記被覆圧着部の内周面には、前記内周面に対して窪んだ凹部が設けられており、
    前記凹部が周方向に沿って互いに間隔を空けて複数並べられて形成された列が、前記圧着端子の軸方向に互いに間隔を空けて複数列設けられ、
    前記複数列における隣合う列のうち、前記軸方向から見て、一方の列の前記各凹部が他方の列における隣合う前記凹部の間の間隔に重なる位置に配置されるとともに、前記一方の列の前記各凹部のそれぞれが前記他方の列における前記間隔の両隣の前記凹部のうちの少なくとも一方の凹部と重なり、
    前記一方の列の前記各凹部の前記周方向の長さを第1長さとし、
    前記一方の列の前記各凹部と前記間隔の両隣の前記凹部のうちの一方及び他方との重なりの長さをそれぞれ第2長さ及び第3長さとし、
    前記第2長さと前記第3長さとの和が前記第1長さの50%以下である
    圧着端子。
  4. 前記被覆圧着部の前記内周面に設けられた前記各凹部の占有面積の総和は、前記内周面の面積の50%未満である
    請求項1から請求項のうちの一項に記載の圧着端子。
  5. 前記被覆圧着部の前記内周面には、周方向において、少なくとも所定の区間に、前記凹部が設けられ、
    前記凹部が設けられた前記所定の区間は、前記被覆圧着部の前記内周面のうち、他の領域と比べて前記絶縁被覆を相対的に低い圧縮率で圧縮して前記絶縁被覆の外周に圧着される領域に設けられた
    請求項1から請求項のうちの一項に記載の圧着端子。
  6. 前記所定の区間に設けられた前記凹部は、前記所定の区間以外の区間に設けられた前記凹部よりも、前記周方向の長さが長く形成された
    請求項に記載の圧着端子。
  7. 電線導体の外周が絶縁被覆で被覆された被覆電線と、
    請求項1から請求項のうちの一項に記載の圧着端子であって前記被覆電線の一端部に圧着された圧着端子とを備えた
    圧着接続構造体。
  8. 前記絶縁被覆において前記被覆圧着部によって加締められた部分の厚さは、前記凹部の深さよりも大きい
    請求項に記載の圧着接続構造体。
  9. 前記被覆圧着部の外周面には、前記圧着端子の軸方向に沿って凸部が形成され、
    前記被覆圧着部の前記内周面のうち、少なくとも前記凸部に対応する箇所に、前記凹部が設けられた
    請求項又は請求項に記載の圧着接続構造体。
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