JP6876944B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本開示は、燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池システムでは、燃料の改質に水が用いられ、冷却水を用いて燃料電池が冷却されることもある。このため、燃料電池システムを気温の低い場所に設置した場合に水が凍結してしまう可能性があり、寒冷地方に適用可能な燃料電池システムが提案されている。
例えば、特許文献1には、筐体の内部空間を加熱する加熱手段を備えた燃料電池システムが記載されている。加熱手段は筐体の底面側に配置されており、加熱手段からの熱を筐体の内部空間全体に自然対流させることができる。加熱手段は、例えばシーズヒータである。
国際公開第2009/034997号(図2)
特許文献1に記載の技術によれば、燃料電池システムの水経路に異常がある場合の凍結防止処理について何ら検討されていない。そこで、本開示は、燃料電池システムの水経路に異常がある場合に水経路の凍結を防止する観点から有利な燃料電池システムを提供する。
本開示は、
燃料電池と、
前記燃料電池で発生した熱を回収する水を貯留する第一タンクと、
前記燃料電池と前記第一タンクとの間を循環する水が流れる第一水経路と、
原料ガス及び水から前記燃料ガスを生成する改質器と、
前記改質器に供給されるべき水を貯留する第二タンクと、
前記第二タンクと前記改質器及び前記第一タンクとを接続するとともに、前記改質器に供給される水の流れと前記第一タンクに供給される水の流れとが分岐する分岐点を有する第二水経路と、
前記第二水経路において前記分岐点と前記改質器との間に配置された第一開閉弁と、
前記第一タンクからオーバーフローした水を第二タンクに導く第三水経路と、
前記第一タンクの内部に配置されたヒータと、
前記第一水経路に配置され、前記燃料電池と前記第一タンクとの間で水を循環させる第一水供給器と、
前記第二水経路に配置され、前記第二タンクに貯留された水を前記改質器及び前記第一タンクの少なくとも1つに送る第二水供給器と、
前記燃料電池、前記第一タンク、前記第一水経路、前記改質器、前記第二タンク、前記第二水経路、及び前記第三水経路を収納する筐体と、
制御器と、を備え、
前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記第一水経路及び前記第二水経路の少なくとも1つに異常があると判断したときに、前記第一水経路及び前記第二水経路が正常なときの前記第一水経路及び前記第二水経路の凍結防止のための前記ヒータの第一出力よりも高い第二出力で前記ヒータを発熱させ、前記第一タンクからの放熱により前記筐体の内部空間を暖気する、
燃料電池システムを提供する。
本開示の燃料電池システムは、水経路に異常がある場合に水経路の凍結を防止するのに有利である。
図1は、本開示の燃料電池システムの一例を示す構成図である。 図2は、本開示の燃料電池システムの凍結防止処理の一例を示すフローチャートである。 図3は、本開示の燃料電池システムの凍結防止処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、本開示の燃料電池システムの別の一例を示す構成図である。 図5は、本開示の燃料電池システムの凍結防止処理の別の一例を示すフローチャートである。 図6は、本開示の燃料電池システムのさらに別の一例を示す構成図である。 図7は、本開示の燃料電池システムの凍結防止処理のさらに別の一例を示すフローチャートである。 図8は、本開示の燃料電池システムの凍結防止処理のさらに別の一例を示すフローチャートである。 図9は、本開示の燃料電池システムのさらに別の一例を示す構成図である。 図10は、本開示の燃料電池システムの凍結防止処理のさらに別の一例を示すフローチャートである。
(本開示の基礎となった知見)
燃料電池システムにおいて水経路が凍結するおそれがあるときに、凍結防止のための処理は筐体の底面側に配置されたヒータを発熱させることだけとは限らない。例えば、水経路に配置されたポンプ等の水供給器を作動させて水経路において水を移動させ、凍結防止を実現することも考えられる。加えて、タンクに貯留された水をタンクの内部に配置されたヒータによって加熱し、水供給器を作動させてヒータによって加熱されたタンクの内部の水を水経路に流すことも考えられる。しかし、水供給器を作動させて水経路の凍結を防止する燃料電池システムでは、水供給器の故障等の理由により水経路に異常があると、水経路の凍結を適切に防止できない可能性がある。そこで、本発明者らは、水経路に異常がある場合にも水経路の凍結を防止できる技術について日夜検討を重ね、本開示の燃料電池システムを案出した。加えて、本発明者らは、タンクの内部に配置されたヒータに異常がある場合に水経路の凍結を防止できる燃料電池システムをも案出した。
本開示の第1態様に係る燃料電池システムは、
燃料電池と、
前記燃料電池で発生した熱を回収する水を貯留する第一タンクと、
前記燃料電池と前記第一タンクとの間を循環する水が流れる第一水経路と、
原料ガス及び水から前記燃料ガスを生成する改質器と、
前記改質器に供給されるべき水を貯留する第二タンクと、
前記第二タンクと前記改質器及び前記第一タンクとを連通させるとともに、前記改質器に供給される水の流れと前記第一タンクに供給される水の流れとが分岐する分岐点を有する第二水経路と、
前記第二水経路において前記分岐点と前記改質器との間に配置された第一開閉弁と、
前記第一タンクからオーバーフローした水を第二タンクに導く第三水経路と、
前記第一タンクの内部に配置されたヒータと、
前記第一水経路に配置され、前記燃料電池と前記第一タンクとの間で水を循環させる第一水供給器と、
前記第二水経路に配置され、前記第二タンクに貯留された水を前記改質器及び前記第一タンクの少なくとも1つに送る第二水供給器と、
前記燃料電池、前記第一タンク、前記第一水経路、前記改質器、前記第二タンク、前記第二水経路、及び前記第三水経路を収納する筐体と、
制御器と、を備え、
前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記第一水経路及び前記第二水経路の少なくとも1つに異常があると判断したときに、前記第一水経路及び前記第二水経路が正常なときの前記第一水経路及び前記第二水経路の凍結防止のための前記ヒータの第一出力よりも高い第二出力で前記ヒータを発熱させ、前記第一タンクからの放熱により前記筐体の内部空間を暖気するものである。
本開示の第1態様によれば、第一水経路、第二水経路、及び第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、第一水経路及び第二水経路の少なくとも1つに異常があるときに、第二出力でヒータが発熱する。ヒータが高い出力で発熱するので、ヒータによって加熱された水が貯留された第一タンクからの放熱が筐体の内部空間の広い範囲に及ぶ。これにより、第一水経路及び第二水経路の少なくとも1つに異常があったとしても、第一水経路、第二水経路、及び第三水経路の凍結を有利に防止できる。なお、特許文献1に記載の技術では、加熱手段は、タンクに貯留された水を加熱しているわけではない。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る燃料電池システムでは、前記筐体の内部若しくは前記筐体の外部の空気の温度又は前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つにおける水の温度を検出する温度センサをさらに備え、前記制御器は、前記温度センサが第一温度以下であることを検出したときに、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあると判断する。第2態様によれば、制御器は、温度センサによる検出結果に基づいて、第一水経路、第二水経路、及び第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあることを適切に判断できる。
本開示の第3態様において、例えば、第1態様又は第2態様に係る燃料電池システムでは、前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記第一水経路に異常があるとともに前記第二水経路が正常であると判断したときに、前記第二出力で前記ヒータを発熱させ、かつ、前記第一開閉弁を閉じて前記第二水供給器を作動させつつ前記第一水供給器の作動を禁止する。第3態様によれば、ヒータが高い出力で発熱するとともにヒータによって加熱された水が改質器に供給されることなく第二水経路を流れるので、筐体の内部空間の広い範囲が効率的に温まる。その結果、第一水経路に異常があったとしても、第一水経路、第二水経路、及び第三水経路の凍結を有利に防止できる。
本開示の第4態様において、例えば、第1〜第3態様のいずれか1つに係る燃料電池システムでは、前記制御器は、前記第一水供給器の異常を前記第一水経路の異常と判断する。第4態様によれば、第一水供給器を監視することによって第一水経路の異常の有無を判断できる。
本開示の第5態様において、例えば、第1態様〜第4態様のいずれか1つに係る燃料電池システムでは、前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記第二水経路に異常があるとともに前記第一水経路が正常であると判断したときに、前記第二出力で前記ヒータを発熱させ、かつ、前記第一水供給器を作動させつつ前記第二水供給器の作動を禁止する。第5態様によれば、ヒータが高い出力で発熱するとともにヒータによって加熱された水が第一水経路を流れるので、筐体の内部空間の広い範囲が効率的に温まる。その結果、第二水経路に異常があったとしても、第一水経路、第二水経路、及び第三水経路の凍結を有利に防止できる。
本開示の第6態様において、例えば、第1態様〜第5態様のいずれか1つに係る燃料電池システムでは、前記制御器は、前記第二水供給器の異常及び前記第一開閉弁の異常の少なくとも1つを前記第二水経路の異常と判断する。第6態様によれば、第二水供給器及び第一開閉弁を監視することによって第二水経路の異常の有無を判断できる。
本開示の第7態様において、例えば、第1態様〜第6態様のいずれか1つに係る燃料電池システムでは、前記第二水供給器は、前記第二タンクから前記改質器及び前記第一タンクの少なくとも1つに向かって水を供給する第一モードと、前記第二水経路において前記第二タンクに向かって水を逆流させる第二モードとを切り替えて作動可能である。加えて、第7態様において、第1態様〜第6態様のいずれか1つに係る燃料電池システムでは、前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記ヒータに異常があると判断したときに、前記第二水供給器を前記第二モードで作動させて、前記第二水経路から水を排出させる。第7態様によれば、ヒータに異常があると判断されたときに、第二水供給器が第二モードで作動して第二水経路から水が排出される。これにより、第二水経路の凍結を有利に防止できる。
本開示の第8態様において、例えば、第1態様〜第6態様のいずれか1つに係る燃料電池システムは、前記第二水経路において前記第二水供給器をバイパスするバイパス経路と、前記バイパス経路に配置された第二開閉弁と、をさらに備え、前記制御器は、前記燃料電池が発電しているときには前記第二開閉弁を閉じ、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記ヒータに異常があると判断したときには前記第二開閉弁を開いて前記第二水経路から水を排出させる。第8態様によれば、ヒータに異常があると判断されたときに、第二開閉弁が開いて第二水経路から水が排出される。これにより、第二水経路の凍結を有利に防止できる。
本開示の第9態様において、例えば、第1態様〜第8態様のいずれか1つに係る燃料電池システムは、前記筐体の内部で空気を循環させるファンをさらに備え、前記制御器は、前記第二出力で前記ヒータを発熱させるときに、前記ファンを作動させる。第9態様によれば、第一タンクから放散された熱がファンによって生じた空気の流れによって運ばれ、筐体の内部空間の広い範囲が効率的に温まる。その結果、第一水経路及び第二水経路の少なくとも1つに異常があるときに、第一水経路、第二水経路、及び第三水経路の凍結を有利に防止できる。
本開示の第10態様に係る燃料電池システムは、
燃料電池と、
原料ガス及び水から前記燃料ガスを生成する改質器と、
前記改質器に供給されるべき水を貯留するタンクと、
前記改質器に供給される水が流れる水経路と、
前記タンクの内部に配置されたヒータと、
前記水経路に配置され、前記タンクに貯留された水を前記改質器に送る水供給器と、
前記燃料電池、前記改質器、前記タンク、及び前記水経路を収納する筐体と、
制御器と、を備え、
前記制御器は、前記水経路が凍結するおそれがあり、かつ、前記水経路に異常があると判断したときに、前記水経路が正常なときの前記水経路の凍結防止のための前記ヒータの第一出力よりも高い第二出力で前記ヒータを発熱させ、前記タンクからの放熱により前記筐体の内部空間を暖気するものである。
第10態様によれば、水経路が凍結するおそれがあり、かつ、水経路に異常があるときに、第二出力でヒータが発熱する。ヒータが高い出力で発熱するので、ヒータによって加熱された水が貯留されたタンクからの放熱が筐体の内部空間の広い範囲に及ぶ。これにより、水経路に異常があったとしても、水経路の凍結を有利に防止できる。
本開示の第11態様において、例えば、第10態様に係る燃料電池システムは、前記筐体の内部若しくは前記筐体の外部の空気の温度又は前記水経路における水の温度を検出する温度センサをさらに備え、前記制御器は、前記温度センサが第一温度以下であることを検出したときに、前記水経路が凍結するおそれがあると判断する。第11態様によれば、制御器は、温度センサによる検出結果に基づいて、水経路が凍結するおそれがあることを適切に判断できる。
本開示の第12態様において、例えば、第10態様又は第11態様に係る燃料電池システムでは、前記制御器は、前記水供給器の異常を前記水経路の異常と判断する。第12態様によれば、水供給器を監視することによって水経路の異常の有無を判断できる。
本開示の第13態様において、例えば、第10態様〜第12態様のいずれか1つに係る燃料電池システムでは、前記水供給器は、前記タンクから前記改質器に向かって水を供給する第一モードと、前記水経路において前記タンクに向かって水を逆流させる第二モードとを切り替えて作動可能であり、前記制御器は、前記水経路が凍結するおそれがあり、かつ、前記ヒータに異常があると判断したときに、前記水供給器を前記第二モードで作動させて、前記水経路から水を排出させる。第13態様によれば、ヒータに異常があると判断されたときに、水供給器が第二モードで作動して水経路から水が排出される。これにより、水経路の凍結を有利に防止できる。
本開示の第14態様において、例えば、第10態様〜第13態様のいずれか1つに係る燃料電池システムは、前記水経路において前記水供給器をバイパスするバイパス経路と、前記バイパス経路に配置された開閉弁と、をさらに備え、前記制御器は、前記燃料電池が発電しているときには前記開閉弁を閉じ、前記水経路が凍結するおそれがあり、かつ、前記ヒータに異常があると判断したときには前記開閉弁を開いて前記水経路から水を排出させる。第14態様によれば、ヒータに異常があると判断されたときに、開閉弁が開いて水経路から水が排出される。これにより、水経路の凍結を有利に防止できる。
本開示の第15態様において、例えば、第10態様〜第14態様のいずれか1つに係る燃料電池システムは、前記筐体の内部で空気を循環させるファンをさらに備え、前記制御器は、前記第二出力で前記ヒータを発熱させるときに、前記ファンを作動させる。第15態様によれば、タンクから放散された熱がファンによって生じた空気の流れによって運ばれ、筐体の内部空間の広い範囲が効率的に温まる。その結果、水経路に異常があるときに、水経路の凍結を有利に防止できる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
(第1実施形態)
図1に示す通り、燃料電池システム1aは、燃料電池10と、第一タンク21と、第一水経路31と、改質器11と、第二タンク22と、第二水経路32と、第一開閉弁36と、第三水経路33とを備えている。加えて、燃料電池システム1aは、ヒータ40と、第一水供給器35と、第二水供給器37と、筐体50と、制御器60とを備えている。燃料電池10は、水素を含む燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する。第一タンク21は、燃料電池10で発生した熱を回収する水を貯留する。燃料電池10と第一タンク21との間を循環する水が第一水経路31を流れる。改質器11は、原料ガス及び水から燃料ガスを生成する。第二タンク22は、改質器11に供給されるべき水を貯留する。第二水経路32は、第二タンク22と改質器11及び第一タンク21とを接続するとともに改質器11に供給される水の流れと第一タンク21に供給される水の流れとが分岐する分岐点BPを有する。第一開閉弁36は、第二水経路32において分岐点BPと改質器11との間に配置されている。第三水経路33は、第一タンク21からオーバーフローした水を第二タンク22に導く。ヒータ40は、第一タンク21の内部に配置されている。第一水供給器35は、第一水経路31に配置され、燃料電池10と第一タンク21との間で水を循環させる。第二水供給器37は、第二水経路32に配置され、第二タンク22に貯留された水を改質器11及び第一タンク21の少なくとも1つに送る。筐体50は、燃料電池10、第一タンク21、第一水経路31、改質器11、第二タンク22、第二水経路32、及び第三水経路33を収納する。制御器60は、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、第一水経路31及び第二水経路32の少なくとも1つに異常があると判断したときに、第二出力でヒータ40を発熱させる。これにより、第一タンク21からの放熱により筐体50の内部空間が暖気される。第二出力は、第一水経路31及び第二水経路32が正常なときの第一水経路31及び第二水経路32の凍結防止のためのヒータ40の第一出力よりも高い。
制御器60が上記の判断をしたときには、ヒータ40が第二出力で発熱するので、第一タンク21に貯留された水が通常の凍結防止処理がなされるときと比べてより高い温度に加熱される。このため、ヒータ40によって加熱された水が貯留された第一タンク21からの放熱が筐体50の内部空間の広い範囲に及ぶ。これにより、第一水経路31及び第二水経路32の少なくとも1つに異常があってヒータ40によって加熱された水を第一水経路31及び第二水経路32の少なくとも1つに流せなかったとしても、これらの水経路の凍結を有利に防止できる。ヒータ40の第二出力は、第一出力より高い限り特に制限されず、例えば第一タンク21に貯留された水の温度を70℃以上に保つことができるように定められている。ヒータ40は、例えば、抵抗加熱式の電気ヒータである。なお、ヒータ40の第一出力は、例えば第一タンク21に貯留された水の温度を30〜50℃に保つことができるように定められている。
図1に示す通り、燃料電池システム1aは、例えば温度センサ65をさらに備える。温度センサ65は、例えば、筐体50の内部の空気の温度を検出する。温度センサ65は、例えば、筐体50の底面の近くに配置されている。温度センサ65は、筐体50の外部の空気の温度又は第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の少なくとも一つにおける水の温度を検出するものであってもよい。制御器60は、例えば、温度センサ65が第一温度T1以下であることを検出したときに、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の少なくとも一つが凍結するおそれがあると判断する。第一温度T1は、例えば0℃である。このように、制御器60は、温度センサ65による検出結果を用いて、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の少なくとも一つが凍結するおそれがあることを適切に判断できる。温度センサ65は、例えば、サーミスタを利用した温度センサ又は熱電対を利用した温度センサである。
例えば、制御器60は、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、第一水経路31に異常があるとともに第二水経路32が正常であると判断したとする。この場合、制御器60は、第二出力でヒータ40を発熱させる。加えて、制御器60は、第一開閉弁36を閉じて第二水供給器37を作動させつつ第一水供給器35の作動を禁止する。この場合、ヒータ40が第二出力で発熱するとともにヒータ40によって加熱された水が改質器11に供給されることなく第二水経路32を流れる。これにより、筐体50の内部空間の広い範囲が効率的に温まり、第一水経路31に異常があったとしても、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の凍結を有利に防止できる。
制御器60は、例えば、第一水供給器35の異常を第一水経路31の異常と判断する。制御器60は、例えば、第一水供給器35の作動状態を示す情報を取得して第一水供給器35の異常の有無を判断する。
例えば、制御器60は、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、第二水経路32に異常があるとともに第一水経路31が正常であると判断したとする。この場合、制御器60は、第二出力でヒータを発熱させる。加えて、制御器60は、第一水供給器35を作動させつつ第二水供給器37の作動を禁止する。この場合、ヒータ40が第二出力で発熱するとともにヒータ40によって加熱された水がヒータ40によって加熱された水が第一水経路31を流れるので、筐体50の内部空間の広い範囲が効率的に温まる。その結果、第二水経路32に異常があったとしても、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の凍結を有利に防止できる。
制御器60は、例えば、第二水供給器37の異常及び第一開閉弁36の異常の少なくとも1つを第二水経路32の異常と判断する。制御器60は、例えば、第二水供給器37の作動状態を示す情報を取得して第二水供給器37の異常の有無を判断する。また、制御器60は、例えば、第一開閉弁36の異常により検出結果に影響を受ける温度センサ又は流量計の検出結果を示す情報に基づいて第一開閉弁36の異常を検出する。第一開閉弁36は、例えば電磁弁である。
第一水供給器35及び第二水供給器37のそれぞれは、例えば、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ギヤポンプ、ベーンポンプなどの容積式ポンプである。第二水供給器37は、例えば、第一モードと第二モードとを切り替えて作動可能である。第一モードは、第二タンク22から改質器11及び第一タンク21の少なくとも1つに向かって水を供給するモードである。第二モードは、第二水経路32において第二タンク22に向かって水を逆流させるモードである。この場合、第二水供給器37は、例えば、正回転及び逆回転が可能なモータによって作動されるポンプ機構を備える。モータは、例えば、ステッピングモータである。制御器60は、例えば、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、ヒータ40に異常があると判断したとする。この場合、制御器60は、第二水供給器37を第二モードで作動させて、第二水経路32から水を排出させる。これにより、ヒータ40に異常がある場合でも、第二水経路32の凍結を有利に防止できる。なお、第二水供給器37が第一モードと第二モードとを切り替えて作動可能である場合、特に説明する場合を除き、第二水供給器37は第一モードで作動する。制御器60は、例えば、ヒータ40を流れる電流値が異常であることを示す情報を取得したときにヒータ40に異常があると判断する。制御器60は、ヒータ40を発熱させる制御信号を送った後、所定期間における第一タンク21の水温の上昇温度に基づいてヒータ40が正常であるか否か判断してもよい。
図1に示す通り、燃料電池システム1aは、例えば、ファン80をさらに備える。制御器60は、例えば、第二出力でヒータ40を発熱させるときに、ファン80を作動させる。この場合、第一タンク21から放散された熱がファン80によって生じた空気の流れによって運ばれ、筐体50の内部空間の広い範囲が効率的に温まる。その結果、第一水経路31及び第二水経路32の少なくとも1つに異常があるときに、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の凍結を有利に防止できる。
ファン80は、筐体50の内部空間において、例えば、ファン80の作動により発生した空気の流れが、第一タンク21の近くを通過した後、第一水経路31の近くを通過し、かつ、第二水経路32の近くを通過するように配置されている。これにより、第一水経路31及び第二水経路32の凍結をより確実に防止できる。
改質器11は、例えば、水蒸気改質反応(CH4+H2O→CO+3H2)などの改質反応によって、水素を生成する。改質器11には、改質反応を進行させるための改質触媒が収められている。改質器11には、一酸化炭素を除去するための触媒も収められている。一酸化炭素を除去するための触媒には、CO変成触媒及びCO選択酸化除去触媒が含まれる。改質器11には、例えば、都市ガス、LPガス(液化石油ガス)などの炭化水素ガスが原料ガスとして供給される。改質器11で生成された水素を含む燃料ガスが燃料電池10に供給される。燃料電池10は、例えば、固体高分子形燃料電池又は固体酸化物形燃料電池である。
燃料電池システム1aは、さらに、燃料ガス供給経路12、酸化剤ガス供給経路16、アノードオフガス経路14及びカソードオフガス経路18を備えている。燃料ガス供給経路12は、改質器11から燃料電池10に燃料ガスを供給するための流路である。燃料ガス供給経路12は、改質器11と燃料電池10のアノードガス入口とを接続している。酸化剤ガス供給経路16は、燃料電池10のカソードに酸化剤ガスとしての空気を供給するための流路である。酸化剤ガス供給経路16には、空気供給器15が設けられている。空気供給器15は、燃料電池10に空気を供給するためのデバイスである。空気供給器15は、例えばファン又はブロワである。酸化剤ガス供給経路16には、加湿器、弁などの他の機器が配置されていてもよい。アノードオフガス経路14は、未反応の燃料ガス及び未反応の原料ガスを燃料電池10のアノードから排出するための流路である。アノードオフガス経路14は、燃料電池10のアノードガス出口と改質器11の内部に配置された燃焼器13とを接続している。未反応の水素及び未反応の原料ガスは、アノードオフガス経路14を通じて、燃焼器13に供給される。カソードオフガス経路18は、未反応の酸化剤ガスを燃料電池10のカソードから排出するための流路である。カソードオフガス経路18は、燃料電池10のカソードガス出口に接続されており、例えば、筐体50の外部まで延びている。
第一タンク21には、例えば、温度センサ23が設けられている。温度センサ23は、第一タンク21の内部に配置されており、第一タンク21に貯留された水の温度を検出する。温度センサ23は、例えば、サーミスタを利用した温度センサ又は熱電対を利用した温度センサである。ヒータ40は、例えば、第一タンク21の水温が所定の温度範囲に収まるように制御される。
第一水経路31は、例えば、送り経路31a及び戻し経路31bを有する。送り経路31a及び戻し経路31bは、それぞれ、燃料電池10と第一タンク21とを接続している。送り経路31aを通じて、第一タンク21に貯留された水が冷却水として燃料電池10に供給される。戻し経路31bを通じて、燃料電池10から第一タンク21に水が戻される。第一水供給器35は、例えば、送り経路31aに配置されている。第一水供給器35は、戻し経路31bに配置されていてもよい。
燃料電池システム1aは、例えば、熱回収経路70及び熱交換器75をさらに備えている。熱交換器75は、第一水経路31に配置されている。熱交換器75は、例えば、送り経路31aに配置されている。熱交換器75は、例えば、二重管式熱交換器、プレート式熱交換器などの液−液熱交換器である。
熱回収経路70は、燃料電池10の排熱を回収するための流路である。熱回収経路70は、送り経路71及び戻し経路72を含む。送り経路71及び戻し経路72は、それぞれ、熱交換器75に接続されている。送り経路71は、熱回収経路70の上流部分を構成している。戻し経路72は、熱回収経路70の下流部分を構成している。戻し経路72は、熱交換器75において加熱された水を貯湯タンク(図示せず)に導くための流路である。送り経路71は、熱交換器75において加熱されるべき水を熱交換器75に導くための流路である。熱交換器75は、熱回収経路70を流れる水と第一水経路31を流れる水とを熱交換させるように構成されている。つまり、熱交換器75は、第一水経路31の冷却水の熱によって貯湯タンク(図示省略)に貯められるべき水を加熱する役割を担っている。
熱回収経路70には、例えば、第三水供給器73が配置されている。第三水供給器73は、例えば、送り経路71に配置されている。第三水供給器73は、戻し経路72に配置されていてもよい。第三水供給器73は、例えば、先に説明した容積式ポンプの1つである。
第二タンク22には、例えば、温度センサ24が設けられている。温度センサ24は、第二タンク22の内部に配置されており、第二タンク22に貯留された水の温度を検出する。温度センサ24は、例えば、サーミスタを利用した温度センサ又は熱電対を利用した温度センサである。第二タンク22には、例えば、カソードオフガスから生じた凝縮水及び燃焼排ガスから生じた凝縮水も集められ、貯留される。余分な水は、第二タンク22から溢れ、例えば、筐体50の外部に排出される。
第二水供給器37は、例えば、第二水経路32において第二タンク22と分岐点BPとの間に配置されている。第二水経路32には、例えば、開閉弁39が配置されている。開閉弁39は、例えば電磁弁である。開閉弁39は、第二水経路32において分岐点BPと第一タンク21との間に配置されている。第一開閉弁36が閉じられ、かつ、開閉弁39が開かれると、第二タンク22に貯留された水が第一タンク21に供給される。一方、第一開閉弁36が開かれ、かつ、開閉弁39が閉じられると、第二タンク22に貯留された水が改質器11に供給される。
燃料電池システム1aは、例えば、コントロールパネル63を備えている。コントロールパネル63は、燃料電池システム1aの運転条件の入力を受け付けるとともに、燃料電池システム1aの運転状態を表示する。
制御器60は、典型的には、燃料電池システム1aの運転のためのプログラムが実行可能に格納されたデジタルコンピュータである。制御器60は、温度センサ65、温度センサ23、及び温度センサ24の検出結果を示す情報及びコントロールパネル63に入力された運転条件を示す情報を取得する。制御器60は、例えば、別の温度センサ、流量計、及びガスセンサなどの他の検出装置(図示省略)の検出結果を示す情報をさらに取得する。また、制御器60は、例えば、第一水供給器35、第二水供給器37、第三水供給器73、及びファン80の作動状態を示す情報並びにヒータ40における電流値を示す情報を取得する。制御器60は、これらの情報に基づいて、第一水供給器35、第二水供給器37、第三水供給器73、ヒータ40、第一開閉弁36、開閉弁39、及びファン80等の制御対象を制御する。また、制御器60は、燃料電池システム1aの運転状態を示す情報をコントロールパネル63に表示させる。
各経路は、少なくとも1つの配管によって構成されている。配管は、ステンレス管などの金属配管であってもよいし、樹脂配管であってもよい。
燃料電池システム1aの運転について説明する。燃料電池システム1aは、主に、起動期間、発電期間、停止期間、及び待機期間の4つの運転サイクルに従って運転されうる。「起動期間」は、燃料電池システム1aを起動させるための運転期間である。詳細には、「起動期間」は、燃料電池システム1aの出力を所定の定格出力(例えば、750W)まで徐々に上昇させるための運転期間である。起動期間において、改質器11への原料ガスの供給流量及び水の供給流量を徐々に増加させる。起動期間において、酸化剤ガスの流量及び燃料ガスの流量が徐々に増加する。「発電期間」は、所定の定格出力で燃料電池システム1aが運転される期間である。ただし、発電期間において、燃料電池システム1aが常に定格出力で運転されることは必須ではない。一定の出力で燃料電池システム1aが安定的に運転されている期間が「発電期間」である。発電期間において、改質器11への原料ガスの供給流量及び水の供給流量はそれぞれ一定に保たれる。酸化剤ガスの流量及び燃料ガスの流量もそれぞれ一定に保たれる。「停止期間」は、燃料電池システム1aを停止させるための運転期間である。詳細には、「停止期間」は、燃料電池システム1aの出力をゼロまで徐々に低下させるための運転期間である。停止期間において、改質器11への原料ガスの供給流量及び水の供給流量を徐々に減少させる。停止期間において、酸化剤ガスの流量及び燃料ガスの流量が徐々に減少する。「待機期間」は、燃料電池システム1aの出力をゼロのまま保持している期間である。待機期間において、改質器11への原料ガスの供給流量及び水の供給流量は、基本的にはゼロである。ただし、改質器11の劣化を抑制するために、改質器11を原料ガスで定期的にパージ(purge)することがある。待機期間において、改質器11における燃料ガスの生成は停止しており、酸化剤ガスの流量及び燃料ガスの流量も基本的にはゼロである。制御器60は、待機期間にも所定の電気的処理を実行し続けている。そのような電気的処理の例は、貯湯タンクの湯量を監視するための処理である。
起動期間及び停止期間において、燃料電池システム1aの出力は、例えば、連続的かつ一定のレートで上昇又は低下している。ただし、燃料電池システム1aの出力を段階的に上昇又は低下させてもよい。さらに、出力の上昇又は低下のレートを変化させてもよい。
一例において、起動期間の長さ及び停止期間の長さは、それぞれ、10分〜90分の範囲にある。燃料電池システム1aの起動又は停止に十分な時間を費やすことによって、改質器11の劣化、燃料電池10の劣化などを抑制することができる。ただし、燃焼排ガス中のCO濃度の急上昇を検出した場合などの非常時には、燃料電池システム1aを瞬時に停止させることもある。
発電期間の長さ及び待機期間の長さは、燃料電池システム1aの連続運転可能な時間、貯湯タンクの容量などに応じて変化する。例えば、貯湯タンクに十分な量の湯が貯められた場合、燃料電池システム1aは運転を自動的に停止し、待機期間に入る。貯湯タンクの湯量が閾値を下回ると、燃料電池システム1aは、自動的に運転を開始する。湯の使用量が多い場合、1回の運転サイクルの中で待機期間がゼロの場合もありうる。
起動期間、発電期間、及び停止期間においては、第一開閉弁36を開き、開閉弁39を閉じ、第二水供給器37を作動させる。これにより、第二タンク22の水が第二水経路32を通じて改質器11に供給される。改質器11には、ガス供給経路(図示せず)を通じて、原料ガスが供給される。
燃料電池システム1aにおいて、待機期間には必要に応じて凍結防止処理が実行される。図2及び図3を参照しつつ凍結防止処理の一例を説明する。図2に示す通り、制御器60は、ステップS1において、温度センサ65の検出温度Taを示す情報を取得し、Taが第一温度T1以下であるか否か判断する。ステップS1における判断結果が肯定的である場合、ステップS2に進み、制御器60は、ヒータ40が正常であるか否か判断する。制御器60は、例えば、ヒータ40を所定の出力で発熱させるための制御信号を送り、その後ヒータ40の電流値を示す情報を取得する。制御器60は、その情報が正常な電流値を示す場合にはヒータ40が正常であると判断する。
ステップS2における判断結果が肯定的である場合、ステップS3に進み、制御器60は、第一水経路31が正常であるか否かを判断する。例えば、制御器60は、第一水供給器35が正常であれば、第一水経路31が正常であると判断する。この場合、制御器60は、例えば、第一水供給器35を作動させて第一水供給器35の作動状態を示す情報を取得し、第一水供給器35の作動状態が正常であれば、第一水供給器35が正常であると判断する。
ステップS3における判断結果が肯定的である場合、ステップS4に進み、制御器60は、第二水経路32が正常であるか否かを判断する。例えば、制御器60は、第二水供給器37及び第一開閉弁36が正常であれば、第二水経路32が正常であると判断する。制御器60は、例えば、第二水供給器37を作動させて第二水供給器37の作動状態を示す情報を取得し、第二水供給器37の作動状態が正常であれば、第二水供給器37が正常であると判断する。制御器60は、例えば、第一開閉弁36を閉じるとともに開閉弁39を開いて第二水供給器37を作動させ、かつ、所定の出力でヒータ40を発熱させ、温度センサ24の検出温度から所定期間における第二タンクの水温の変化量を決定する。制御器60は、この変化量が所定の閾値以上であれば、第一開閉弁36が正常であると判断する。第一開閉弁36に異常がある場合、第一開閉弁36を閉じたとしても、第二タンク22の水が改質器11に流れ込む可能性がある。このため、第一タンク21から第二タンク22に第三水経路33を通ってオーバーフローにより供給される水の流量が低下する。その結果、第一開閉弁36に異常があると、第一開閉弁36が正常である場合に比べて、第二タンク22の水温はより緩やかに上昇する。制御器60は、例えば、この現象を利用して第一開閉弁36が正常であるか否か判断する。
ステップS4における判断結果が肯定的である場合、ステップS5に進み、制御器60は、第一開閉弁36を閉じる。次に、ステップS6に進み、制御器60は、第一水供給器35及び第二水供給器37を作動させる。これにより、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33を水が流れ、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の凍結が防止される。次に、制御器60は、ステップS7に進み、第一出力でヒータ40を発熱させ、ステップS1に戻る。これにより、ヒータ40で温められた水が第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33を流れるので、より確実に、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の凍結が防止される。なお、制御器60は、第一タンク21に貯留された水の温度が比較的高い場合には、ステップS7の処理を省略してもよい。
ステップS3における判断結果が否定的である場合、ステップS8に進み、制御器60は、第二水経路32が正常であるか否か判断する。ステップS8の処理は、ステップS4と同様になされる。ステップS8における判断結果が肯定的である場合、ステップS9に進み、制御器60は、第一開閉弁36を閉じる。次に、ステップS10に進み、制御器60は、第二水供給器37を作動させるとともに第一水供給器35の作動を禁止する。次に、ステップS11に進み、制御器60は、第二出力でヒータ40を発熱させる。次に、ステップS12に進み、制御器60は、ファン80を作動させ、ステップS1に戻る。これにより、第一タンク21からの放熱により筐体50の内部空間を適切に暖気でき、第一水経路31を水が流れなくても、第一水経路31の凍結を防止できる。
ステップS4における判断結果が否定的である場合、ステップS13に進み、制御器60は、第一水供給器35を作動させるとともに第二水供給器37の作動を禁止する。次に、ステップS14に進み、制御器60は、第二出力でヒータ40を発熱させる。次に、ステップS15に進み、制御器60は、ファン80を作動させ、ステップS1に戻る。これにより、第一タンク21からの放熱により筐体50の内部空間を適切に暖気でき、第二水経路32を水が流れなくても、第二水経路32の凍結を防止できる。
ステップS8における判断結果が否定的である場合、ステップS16に進み、制御器60は、第二出力でヒータ40を発熱させる。次に、ステップS17に進み、制御器60は、ファン80を作動させ、ステップS1に戻る。この場合、制御器60は、第一水供給器35及び第二水供給器37を作動させることなく、第二出力でヒータ40を発熱させる。これにより、第一タンク21からの放熱により筐体50の内部空間を適切に暖気でき、第一水経路31及び第二水経路32を水が流れなくても、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の凍結を防止できる。
図2及び図3に示す通り、ステップS2における判断結果が否定的である場合、ステップS20に進み、制御器60は、第二水供給器37を第二モードで作動させる。これにより、第二水経路32において第二タンク22に向かって水が逆流し、第二水経路32の水が排出される。これにより、ヒータ40に異常があっても、第二水経路32の凍結を防止できる。ステップS20の処理が完了すると、凍結防止処理が終了する。
ステップS1における判断結果が否定的である場合、ステップS18に進み、制御器60は、所定の停止処理を実行する。例えば、ステップS18において、制御器60は、第一水供給器35、第二水供給器37、又はファン80が作動中である場合にはこれらを停止させ、ヒータ40が発熱中である場合には、ヒータ40をオフにする。ステップS18の処理が完了すると、凍結防止処理が終了する。制御器60は、例えば、第一水供給器35、第二水供給器37、ファン80が作動しておらず、ヒータ40がオフである場合には、ステップS18をスキップする。なお、制御器60は、ステップS18の処理が完了した後、ステップS1に戻ってもよい。さらに、制御器60は、ステップS1における判断結果が否定的である場合、ステップS1における判断結果が肯定的になるまでステップS1を繰り返してもよい。
燃料電池システム1aは、様々な観点から変更可能である。例えば、燃料電池システム1aは、図4に示す燃料電池システム1bのように変更されてもよい。燃料電池システム1bは、特に説明する場合を除き、燃料電池システム1aと同様に構成されている。燃料電池システム1aの構成要素と同一又は対応する燃料電池システム1bの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。燃料電池システム1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、燃料電池システム1bにも当てはまる。
図4に示す通り、燃料電池システム1bは、例えば、バイパス経路32bと、第二開閉弁38とをさらに備えている。バイパス経路32bは、第二水経路32において第二水供給器37をバイパスする。第二開閉弁38は、パイパス経路32bに配置されている。第二開閉弁38は、例えば電磁弁である。制御器60は、燃料電池10が発電しているとき(換言すると、上記の起動期間、発電期間、及び停止期間)には第二開閉弁38を閉じる。一方、制御器60が、第一水経路31、第二水経路32、及び第三水経路33の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、ヒータ40に異常があると判断したとする。この場合、制御器60は、第二開閉弁38を開いて第二水経路32から水を排出させる。第二水経路32の大部分は、第二タンク22の上方にある。このため、第二開閉弁38が開くと、第二水経路32の水が第二タンク22に向かって逆流し、第二水経路32から水が排出される。これにより、第二水供給器37が第一モードでのみ作動可能である場合、又は、第二水供給器37に異常がある場合でも、第二開閉弁38が開くことによって、第二水経路32の凍結を防止できる。例えば、図2及び図5に示す通り、燃料電池システム1bにおいて、ステップS2における判断結果が否定的である場合に、制御器60は、ステップS21に進み、第二開閉弁38を開く。これにより、第二水経路32から水が排出される。ステップS21の完了後に凍結防止処理が終了する。
(第2実施形態)
次に、別の実施形態に係る燃料電池システム300aを説明する。図6に示す通り、燃料電池システム300aは、燃料電池310と、改質器311と、タンク321と、水経路331と、ヒータ340と、水供給器335と、筐体350と、制御器360とを備えている。燃料電池310は、水素を含む燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する。改質器311は、原料ガス及び水から燃料ガスを生成する。タンク321は、改質器311に供給されるべき水を貯留する。改質器311に供給される水が水経路331を流れる。ヒータ340は、タンク321の内部に配置されている。水供給器335は、水経路331に配置され、タンク321に貯留された水を改質器311に送る。筐体350は、燃料電池310、改質器311、タンク321、及び水経路331を収納する。制御器360は、水経路331が凍結するおそれがあり、かつ、水経路331に異常があると判断したときに、第二出力でヒータ340を発熱させ、タンク321からの放熱により筐体350の内部空間を暖気する。ヒータ340の第二出力は、水経路331が正常なときの水経路331の凍結防止のためのヒータ340の第一出力よりも高い。
制御器360が上記の判断をしたときには、ヒータ340が第二出力で発熱するので、タンク321に貯留された水が通常の凍結防止処理がなされるときと比べてより高い温度に加熱される。このため、ヒータ340によって加熱された水が貯留されたタンク321からの放熱が筐体350の内部空間の広い範囲に及ぶ。これにより水経路331に異常があってヒータ340によって加熱された水を水経路331に流せなかったとしても、水経路331の凍結を有利に防止できる。ヒータ340の第二出力は、第一出力より高い限り特に制限されず、例えばタンク321に貯留された水の温度を70℃以上に保つことができるように定められている。ヒータ340は、例えば、抵抗加熱式の電気ヒータである。なお、ヒータ340の第一出力は、例えばタンク321に貯留された水の温度を30〜50℃に保つことができるように定められている。
図5に示す通り、燃料電池システム300aは、例えば温度センサ365をさらに備える。温度センサ365は、例えば、筐体350の内部の空気の温度を検出する。温度センサ365は、例えば、筐体350の底面の近くに配置されている。温度センサ365は、筐体350の外部の空気の温度又は水経路331における水の温度を検出するものであってもよい。制御器360は、例えば、温度センサ365が第一温度T1以下であることを検出したときに、水経路331が凍結するおそれがあると判断する。第一温度T1は、例えば0℃である。温度センサ365は、例えば、サーミスタを利用した温度センサ又は熱電対を利用した温度センサである。
例えば、制御器360は、水経路331が凍結するおそれがあり、かつ、水経路331に異常があると判断したとき、水供給器335の作動を禁止する。
制御器360は、例えば、水供給器335の異常を水経路331の異常と判断する。制御器360は、例えば、水供給器335の作動状態を示す情報を取得して水供給器335の異常の有無を判断する。
水供給器335は、例えば、先に説明した容積式ポンプの1つである。水供給器335は、例えば、第一モードと第二モードとを切り替えて作動可能である。第一モードは、タンク321から改質器311に向かって水を供給するモードである。第二モードは、水経路331においてタンク321に向かって水を逆流させるモードである。この場合、水供給器335は、例えば、正回転及び逆回転が可能なモータによって作動されるポンプ機構を備える。制御器360は、例えば、水経路331が凍結するおそれがあり、かつ、ヒータ340に異常があると判断したとする。この場合、制御器360は、水供給器335を第二モードで作動させて、水経路331から水を排出させる。なお、水供給器335が第一モードと第二モードとを切り替えて作動可能である場合、特に説明する場合を除き、水供給器335は第一モードで作動する。制御器360は、例えば、ヒータ340を流れる電流値が異常であることを示す情報を取得したときにヒータ340に異常があると判断する。制御器360は、ヒータ340を発熱させる制御信号を送った後、所定期間におけるタンク321の水温の上昇温度に基づいてヒータ340が正常であるか否か判断してもよい。
図1に示す通り、燃料電池システム300aは、例えば、ファン380をさらに備える。制御器360は、例えば、第二出力でヒータ340を発熱させるときに、ファン380を作動させる。この場合、タンク321から放散された熱がファン380によって生じた空気の流れによって運ばれ、筐体350の内部空間の広い範囲が効率的に温まる。
改質器311は、例えば、水蒸気改質反応(CH4+H2O→CO+3H2)などの改質反応によって、水素を生成する。改質器311には、改質反応を進行させるための触媒が収められている。改質器311には、例えば、都市ガス、LPガス(液化石油ガス)などの炭化水素ガスが原料ガスとして供給される。改質器311で生成された水素を含む燃料ガスが燃料電池310に供給される。
燃料電池システム300aは、さらに、燃料ガス供給経路312、酸化剤ガス供給経路316、アノードオフガス経路314、カソードオフガス経路317、及び燃焼排ガス経路318、及び凝縮水経路319を備えている。燃料ガス供給経路312は、改質器311から燃料電池310に燃料ガスを供給するための流路である。燃料ガス供給経路312は、改質器311と燃料電池310のアノードガス入口とを接続している。酸化剤ガス供給経路316は、燃料電池310のカソードに酸化剤ガスとしての空気を供給するための流路である。酸化剤ガス供給経路316には、空気供給器315が設けられている。空気供給器315は、燃料電池310に空気を供給するためのデバイスである。空気供給器315は、例えばファン又はブロワである。酸化剤ガス供給経路316には、加湿器、弁などの他の機器が配置されていてもよい。アノードオフガス経路314は、未反応の燃料ガス及び未反応の原料ガスを燃料電池310のアノードから排出するための流路である。未反応の燃料ガス及び未反応の原料ガスは、アノードオフガス経路314を通じて、燃焼器313に供給される。カソードオフガス経路317は、未反応の酸化剤ガスを燃料電池310のカソードから排出するための流路である。未反応の酸化剤ガスは、カソードオフガス経路317を通じて、燃焼器313に供給される。燃焼器313において、未反応の燃料ガス及び未反応の原料ガスが燃焼して改質器311が加熱され、燃焼排ガスが生成される。燃焼器313における未反応の燃料ガス及び未反応の原料ガスの燃焼により、改質反応に必要な熱が供給される。燃焼排ガス経路318は、燃焼排ガスを筐体350の外部に排出するための流路である。凝縮水経路319は、燃焼排ガス経路318から分岐してタンク321まで延びている。凝縮水経路319は、燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮して生成された凝縮水をタンク321に導くための流路である。
燃料電池システム300aは、例えば、熱回収経路370及び熱交換器375をさらに備えている。熱交換器375は、燃焼排ガス経路318に配置されている。熱交換器375は、例えば、二重管式熱交換器、プレート式熱交換器などの熱交換器である。
熱回収経路370は、燃焼排ガスが有する熱を回収するための流路である。熱回収経路370は、送り経路371及び戻し経路372を含む。送り経路371及び戻し経路372は、それぞれ、熱交換器375に接続されている。送り経路371は、熱回収経路370の上流部分を構成している。戻し経路72は、熱回収経路370の下流部分を構成している。戻し経路372は、熱交換器375において加熱された水を貯湯タンク(図示せず)に導くための流路である。送り経路371は、熱交換器375において加熱されるべき水を熱交換器375に導くための流路である。熱交換器375は、熱回収経路370を流れる水と燃焼排ガス経路318を流れる燃焼排ガスとを熱交換させるように構成されている。これにより、燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮して凝縮水が発生する。凝縮水経路319は、燃焼排ガス経路318において熱交換器375よりも下流に位置する分岐点において燃焼排ガス経路318から分岐している。凝縮水は、凝縮水経路319を通ってタンク321に導かれる。
熱回収経路370には、例えば、水供給器377が配置されている。水供給器377は、例えば、送り経路371に配置されている。水供給器377は、戻し経路372に配置されていてもよい。水供給器377は、例えば、先に説明した容積式ポンプの1つである。
タンク321には、例えば、温度センサ322が設けられている。温度センサ322は、タンク321の内部に配置されており、タンク321に貯留された水の温度を検出する。温度センサ322は、例えば、サーミスタを利用した温度センサ又は熱電対を利用した温度センサである。余分な水は、タンク321から溢れ、例えば、筐体350の外部に排出される。
燃料電池システム300aは、例えば、コントロールパネル363を備えている。コントロールパネル363は、燃料電池システム300aの運転条件の入力を受け付けるとともに、燃料電池システム300aの運転状態を表示する。
制御器360は、典型的には、燃料電池システム300aの運転のためのプログラムが実行可能に格納されたデジタルコンピュータである。制御器360は、温度センサ365及び温度センサ322の検出結果を示す情報及びコントロールパネル363に入力された運転条件を示す情報を取得する。制御器360は、例えば、別の温度センサ、流量計、及びガスセンサなどの他の検出装置(図示省略)の検出結果を示す情報をさらに取得する。また、制御器360は、例えば、水供給器335、水供給器377、及びファン380の作動状態を示す情報並びにヒータ340における電流値を示す情報を取得する。制御器360は、これらの情報に基づいて、水供給器335、水供給器377、ヒータ340、及びファン380等の制御対象を制御する。また、制御器360は、燃料電池システム300aの運転状態を示す情報をコントロールパネル363に表示させる。
燃料電池システム300aにおいて、必要に応じて凍結防止処理が実行される。図7及び図8を参照しつつ凍結防止処理の一例を説明する。図7に示す通り、制御器360は、ステップS301において、温度センサ365の検出温度Taを示す情報を取得し、Taが第一温度T1以下であるか否か判断する。ステップS301における判断結果が肯定的である場合、ステップS302に進み、制御器360は、ヒータ340が正常であるか否か判断する。
ステップS302における判断結果が肯定的である場合、ステップS303に進み、制御器360は、水経路331が正常であるか否かを判断する。例えば、制御器360は、水供給器335が正常であれば、水経路331が正常であると判断する。
ステップS303における判断結果が肯定的である場合、ステップS304に進み、制御器360は、水供給器335を作動させる。これにより、水経路331を水が流れ、水経路331の凍結が防止される。次に、制御器360は、ステップS305に進み、第一出力でヒータ340を発熱させ、ステップS301に戻る。これにより、ヒータ340で温められた水が水経路331を流れるので、より確実に、水経路331の凍結が防止される。なお、制御器360は、タンク321に貯留された水の温度が比較的高い場合には、ステップS305の処理を省略してもよい。
ステップS303における判断結果が否定的である場合、ステップS306に進み、制御器360は、第二出力でヒータ340を発熱させる。次に、ステップS307に進み、制御器360は、ファン380を作動させ、ステップS301に戻る。これにより、タンク321からの放熱により筐体350の内部空間を適切に暖気でき、水経路331を水が流れなくても、水経路331の凍結を防止できる。
図7及び図8に示す通り、ステップS302における判断結果が否定的である場合、ステップS310に進み、制御器360は、水供給器335を第二モードで作動させる。これにより、水経路331においてタンク321に向かって水が逆流し、水経路331の水が排出される。これにより、ヒータ340に異常があっても、水経路331の凍結を防止できる。ステップS310の処理が完了すると、凍結防止処理が終了する。
ステップS301における判断結果が否定的である場合、ステップS308に進み、制御器360は、所定の停止処理を実行する。例えば、ステップS308において、制御器360は、水供給器335又はファン380が作動中である場合にはこれらを停止させ、ヒータ340が発熱中である場合には、ヒータ340をオフにする。ステップS308の処理が完了すると、凍結防止処理が終了する。制御器360は、例えば、水供給器335又はファン380が作動しておらず、ヒータ340がオフである場合には、ステップS308をスキップする。なお、制御器360は、ステップS308の処理が完了した後、ステップS301に戻ってもよい。さらに、制御器360は、ステップS301における判断結果が否定的である場合、ステップS301における判断結果が肯定的になるまでステップS301を繰り返してもよい。
燃料電池システム300aは、様々な観点から変更可能である。例えば、燃料電池システム300bは、図9に示す燃料電池システム300bのように変更されてもよい。燃料電池システム300bは、特に説明する場合を除き、燃料電池システム300aと同様に構成されている。燃料電池システム300aの構成要素と同一又は対応する燃料電池システム300bの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。燃料電池システム300aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、燃料電池システム300bにも当てはまる。
図9に示す通り、燃料電池システム300bは、バイパス経路332と、開閉弁338とをさらに備えている。バイパス経路332は、水経路331において水供給器335をバイパスする。開閉弁338は、パイパス経路332に配置されている。開閉弁338は、例えば電磁弁である。制御器360は、燃料電池310が発電しているときには開閉弁338を閉じる。一方、制御器360が、水経路331が凍結するおそれがあり、かつ、ヒータ340に異常があると判断したとする。この場合、制御器360は、開閉弁338を開いて水経路331から水を排出させる。水経路331の大部分は、タンク321の上方にある。このため、開閉弁338が開くと、水経路331の水がタンク321に向かって逆流し、水経路331から水が排出される。これにより、水供給器335が第一モードでのみ作動可能である場合、又は、水供給器335に異常がある場合でも、開閉弁338が開くことによって、水経路331の凍結を防止できる。例えば、図7及び図10に示す通り、燃料電池システム300bにおいて、ステップS302における判断結果が否定的である場合に、制御器360は、ステップS311に進み、開閉弁338を開く。これにより、水経路331から水が排出される。ステップS311の完了後に凍結防止処理が終了する。
本開示の技術は、燃料電池システムにおいて、水経路に異常がある場合の凍結防止に有用である。
1a、1b 燃料電池システム
10 燃料電池
11 改質器
21 第一タンク
22 第二タンク
31 第一水経路
32 第二水経路
32b バイパス経路
33 第三水経路
35 第一水供給器
36 第一開閉弁
37 第二水供給器
38 第二開閉弁
40 ヒータ
50 筐体
60 制御器
65 温度センサ
80 ファン
BP 分岐点

Claims (13)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池で発生した熱を回収する水を貯留する第一タンクと、
    前記燃料電池と前記第一タンクとの間を循環する水が流れる第一水経路と、
    原料ガス及び水から燃料ガスを生成する改質器と、
    前記改質器に供給されるべき水を貯留する第二タンクと、
    前記第二タンクと前記改質器及び前記第一タンクとを接続するとともに、前記改質器に供給される水の流れと前記第一タンクに供給される水の流れとが分岐する分岐点を有する第二水経路と、
    前記第二水経路において前記分岐点と前記改質器との間に配置された第一開閉弁と、
    前記第一タンクからオーバーフローした水を第二タンクに導く第三水経路と、
    前記第一タンクの内部に配置されたヒータと、
    前記第一水経路に配置され、前記燃料電池と前記第一タンクとの間で水を循環させる第一水供給器と、
    前記第二水経路に配置され、前記第二タンクに貯留された水を前記改質器及び前記第一タンクの少なくとも1つに送る第二水供給器と、
    前記燃料電池、前記第一タンク、前記第一水経路、前記改質器、前記第二タンク、前記第二水経路、及び前記第三水経路を収納する筐体と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記第一水経路及び前記第二水経路の少なくとも1つに異常があると判断したときに、前記第一水経路及び前記第二水経路が正常なときの前記第一水経路及び前記第二水経路の凍結防止のための前記ヒータの第一出力よりも高い第二出力で前記ヒータを発熱させ、前記第一タンクからの放熱により前記筐体の内部空間を暖気し、
    前記第二水供給器は、前記第二タンクから前記改質器及び前記第一タンクの少なくとも1つに向かって水を供給する第一モードと、前記第二水経路において前記第二タンクに向かって水を逆流させる第二モードとを切り替えて作動可能であり、
    前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記ヒータに異常があると判断したときに、前記第二水供給器を前記第二モードで作動させて、前記第二水経路から水を排出させる、
    燃料電池システム。
  2. 前記筐体の内部若しくは前記筐体の外部の空気の温度又は前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つにおける水の温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記制御器は、前記温度センサが第一温度以下であることを検出したときに、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあると判断する、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記第一水経路に異常があるとともに前記第二水経路が正常であると判断したときに、前記第二出力で前記ヒータを発熱させ、かつ、前記第一開閉弁を閉じて前記第二水供給器を作動させつつ前記第一水供給器の作動を禁止する、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御器は、前記第一水供給器の異常を前記第一水経路の異常と判断する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記第二水経路に異常があるとともに前記第一水経路が正常であると判断したときに、前記第二出力で前記ヒータを発熱させ、かつ、前記第一水供給器を作動させつつ前記第二水供給器の作動を禁止する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御器は、前記第二水供給器の異常及び前記第一開閉弁の異常の少なくとも1つを前記第二水経路の異常と判断する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 燃料電池と、
    前記燃料電池で発生した熱を回収する水を貯留する第一タンクと、
    前記燃料電池と前記第一タンクとの間を循環する水が流れる第一水経路と、
    原料ガス及び水から燃料ガスを生成する改質器と、
    前記改質器に供給されるべき水を貯留する第二タンクと、
    前記第二タンクと前記改質器及び前記第一タンクとを接続するとともに、前記改質器に供給される水の流れと前記第一タンクに供給される水の流れとが分岐する分岐点を有する第二水経路と、
    前記第二水経路において前記分岐点と前記改質器との間に配置された第一開閉弁と、
    前記第一タンクからオーバーフローした水を第二タンクに導く第三水経路と、
    前記第一タンクの内部に配置されたヒータと、
    前記第一水経路に配置され、前記燃料電池と前記第一タンクとの間で水を循環させる第一水供給器と、
    前記第二水経路に配置され、前記第二タンクに貯留された水を前記改質器及び前記第一タンクの少なくとも1つに送る第二水供給器と、
    前記燃料電池、前記第一タンク、前記第一水経路、前記改質器、前記第二タンク、前記第二水経路、及び前記第三水経路を収納する筐体と、
    前記第二水経路において前記第二水供給器をバイパスするバイパス経路と、
    前記バイパス経路に配置された第二開閉弁と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記第一水経路及び前記第二水経路の少なくとも1つに異常があると判断したときに、前記第一水経路及び前記第二水経路が正常なときの前記第一水経路及び前記第二水経路の凍結防止のための前記ヒータの第一出力よりも高い第二出力で前記ヒータを発熱させ、前記第一タンクからの放熱により前記筐体の内部空間を暖気し、
    前記制御器は、前記燃料電池が発電しているときには前記第二開閉弁を閉じ、前記第一水経路、前記第二水経路、及び前記第三水経路の少なくとも一つが凍結するおそれがあり、かつ、前記ヒータに異常があると判断したときには前記第二開閉弁を開いて前記第二水経路から水を排出させる、
    料電池システム。
  8. 前記筐体の内部で空気を循環させるファンをさらに備え、
    前記制御器は、前記第二出力で前記ヒータを発熱させるときに、前記ファンを作動させる、請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 燃料電池と、
    原料ガス及び水から燃料ガスを生成する改質器と、
    前記改質器に供給されるべき水を貯留するタンクと、
    前記改質器に供給される水が流れる水経路と、
    前記タンクの内部に配置されたヒータと、
    前記水経路に配置され、前記タンクに貯留された水を前記改質器に送る水供給器と、
    前記燃料電池、前記改質器、前記タンク、及び前記水経路を収納する筐体と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記水経路が凍結するおそれがあり、かつ、前記水経路に異常があると判断したときに、前記水経路が正常なときの前記水経路の凍結防止のための前記ヒータの第一出力よりも高い第二出力で前記ヒータを発熱させ、前記タンクからの放熱により前記筐体の内部空間を暖気し、
    前記水供給器は、前記タンクから前記改質器に向かって水を供給する第一モードと、前記水経路において前記タンクに向かって水を逆流させる第二モードとを切り替えて作動可能であり、
    前記制御器は、前記水経路が凍結するおそれがあり、かつ、前記ヒータに異常があると判断したときに、前記水供給器を前記第二モードで作動させて、前記水経路から水を排出させる、
    燃料電池システム。
  10. 前記筐体の内部若しくは前記筐体の外部の空気の温度又は前記水経路における水の温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記制御器は、前記温度センサが第一温度以下であることを検出したときに、前記水経路が凍結するおそれがあると判断する、
    請求項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記制御器は、前記水供給器の異常を前記水経路の異常と判断する、請求項又は10に記載の燃料電池システム。
  12. 燃料電池と、
    原料ガス及び水から燃料ガスを生成する改質器と、
    前記改質器に供給されるべき水を貯留するタンクと、
    前記改質器に供給される水が流れる水経路と、
    前記タンクの内部に配置されたヒータと、
    前記水経路に配置され、前記タンクに貯留された水を前記改質器に送る水供給器と、
    前記燃料電池、前記改質器、前記タンク、及び前記水経路を収納する筐体と、
    前記水経路において前記水供給器をバイパスするバイパス経路と、
    前記バイパス経路に配置された開閉弁と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記水経路が凍結するおそれがあり、かつ、前記水経路に異常があると判断したときに、前記水経路が正常なときの前記水経路の凍結防止のための前記ヒータの第一出力よりも高い第二出力で前記ヒータを発熱させ、前記タンクからの放熱により前記筐体の内部空間を暖気し、
    前記制御器は、前記燃料電池が発電しているときには前記開閉弁を閉じ、前記水経路が凍結するおそれがあり、かつ、前記ヒータに異常があると判断したときには前記開閉弁を開いて前記水経路から水を排出させる、
    料電池システム。
  13. 前記筐体の内部で空気を循環させるファンをさらに備え、
    前記制御器は、前記第二出力で前記ヒータを発熱させるときに、前記ファンを作動させる、請求項12のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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