JP2017068913A - 燃料電池システム - Google Patents

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正裕 谷川
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彰成 中村
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Kazuhiko Ito
和彦 伊藤
耕平 露口
Kohei Tsuyuguchi
耕平 露口
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Abstract

【課題】改質器に水を供給する水供給経路の凍結を防止でき、凍結を防止するのに、筐体内の配管設計の制御が従来よりも少ない燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タンク4と浄化器5との間で水が循環するように凝縮水タンク4と浄化器5とを環状に連接した循環経路6と、循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5よりも下流かつ凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8とを備える。水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、水蒸気改質により原料を改質し、生成された燃料により発電を行なう燃料電池システムに関するものである。
近年、高効率でクリーンなエネルギー源の開発が求められており、それに対する一つの候補として燃料電池が注目を浴びている。燃料電池は、水素が含有された燃料ガスと空気等の酸素含有ガスとを電気化学反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させるものである。
また、燃料電池装置と湯水を蓄える貯湯タンクとを組み合わせ、貯湯タンクの水を燃料電池の発電により生じる排ガスとの熱交換で加熱するコージェネレーションシステムとして用いられる。
燃料電池には、改質器が併設され、この改質器において、炭化水素を含有する原料を改質することにより水素を生成し、生成した水素を含有するガスを燃料ガスとして燃料電池に供給する。改質方法としては、例えば、水を蒸発させて炭化水素等の原料と反応させ、改質反応を行う水蒸気改質法を用いることができる。
ここで、水蒸気改質を行う改質器において、一般的に、改質器に供給する水は、熱交換器(凝縮器)において排ガスからその水分が凝縮されて回収された凝縮水が用いられる。凝縮水は、凝縮水タンクに蓄えられた後、浄化器を介して浄化処理した精製水として、改質器にポンプなどを用いて送られる。
改質器に供給された精製水は、蒸発部にて気化し水蒸気となり、炭化水素等の原料と合流して混合ガスを生成する。そして、水蒸気と原料の混合ガスは、改質器にて改質反応により、水素含有ガス(燃料ガス)となる。この燃料ガスが、改質器の下流に配置されている燃料電池のアノードに流入し、別途カソードに供給される酸化剤ガス(空気)と燃料電池で発電反応する。
ところで燃料電池では、該燃料電池を取り巻く環境の温度(例えば、外気温)が氷点下の場合、改質器へ水を供給するための水供給経路、浄化器、または凝縮水タンク内の水が凍結する恐れがある。そこで、燃料電池を取り巻く環境の温度(外気温)が一定温度を下回った場合、凍結を抑制するためのいくつかの方法が提案されている。
その方法の一つとして、燃料電池の熱を回収した冷却水を貯める冷却水タンクから溢れる冷却水を凝縮水タンクに排水するオーバーフロー経路と、凝縮水タンクの凝縮水を冷却水タンクに冷却水として供給する冷却水供給経路とを熱交換可能に配置する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−109988号公報
しかしながら、筐体内の配管設計の都合上、燃料電池の熱を回収した冷却水を貯める冷
却水タンクから溢れる冷却水を凝縮水タンクに排水するオーバーフロー配管に沿わせて配置できない配管については、オーバーフロー配管との熱交換による凍結予防ができないという課題を有していた。
また、改質器に水を供給する水供給経路は、燃料電池システムの停止時には、低温時であっても内部を流れる水によって経路を温めることができないため、周囲の気温が低い時には、凍結してしまう恐れがあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、改質器に水を供給する水供給経路を含む水の経路の凍結を防止でき、その凍結を防止するのに、従来よりも筐体内の配管設計の制限が少ない燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器と前記水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池とを備える燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールから排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンクと、水を浄化する浄化器と、前記凝縮水タンクと前記浄化器との間で水が循環するように前記凝縮水タンクと前記浄化器とを環状に連接した循環経路と、前記循環経路で水を循環させる循環器と、前記浄化器及び前記循環器よりも下流かつ前記凝縮水タンクよりも上流の前記循環経路から分岐し、前記改質器に水を供給する水供給経路と、を備え、前記水供給経路と前記循環経路とが熱交換する熱交換部を有するのである。
上記構成において、循環器を動作させて、凝縮水タンクの水を浄化器に供給し、浄化器で浄化された水を凝縮水タンクに戻すように循環経路で水を循環させることにより、循環経路を循環する水からの伝熱により、循環経路全体が温められるので、循環経路を構成する配管同士を互いに熱交換可能に配置しなくても、循環経路全体の凍結を防止することができる。
また、改質器に水を供給する水供給経路については、水供給経路と循環経路とが熱交換する熱交換部における循環経路から伝わる熱によって温められるので、水供給経路の凍結を防止することができる。
従って、改質器に水を供給する水供給経路と、循環器の動作時に凝縮水タンクの水が浄化器で浄化されて凝縮水タンクに戻るように水が循環する循環経路とが、熱交換する熱交換部を設けたことにより、凝縮水タンクと浄化器とを環状に連接した循環経路の凍結と、改質器に水を供給する水供給経路の凍結とを防止でき、凍結を防止するのに、筐体内の配管設計の制限が従来よりも少ない燃料電池システムを提供できることとなる。
本発明の燃料電池システムは、改質器に水を供給する水供給経路と、循環器の動作時に凝縮水タンクの水が浄化器で浄化されて凝縮水タンクに戻るように水が循環する循環経路とが、熱交換する熱交換部を設けたことにより、循環経路を構成する配管同士を互いに熱交換可能に配置しなくても、循環経路を循環する水からの伝熱により、循環経路全体の凍結を防止することができ、改質器に水を供給する水供給経路については、熱交換部における循環経路から伝わる熱によって、水供給経路の凍結を防止することができる。そして、凍結を防止するのに、筐体内の配管設計の制限を従来よりも少なくできる。
本発明の実施の形態1〜3に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図 本発明の実施の形態1〜10に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図 本発明の実施の形態1、実施の形態4、実施の形態6〜10に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態2、実施の形態5に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図 本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図 本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図 本発明の実施の形態7に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図 本発明の実施の形態8に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図 本発明の実施の形態9に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図 本発明の実施の形態10に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図
第1の発明は、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器と前記水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池とを備える燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールから排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンクと、水を浄化する浄化器と、前記凝縮水タンクと前記浄化器との間で水が循環するように前記凝縮水タンクと前記浄化器とを環状に連接した循環経路と、前記循環経路で水を循環させる循環器と、前記浄化器及び前記循環器よりも下流かつ前記凝縮水タンクよりも上流の前記循環経路から分岐し、前記改質器に水を供給する水供給経路と、を備え、前記水供給経路と前記循環経路とが熱交換する熱交換部を有する燃料電池システムである。
上記構成において、凝縮水タンクに、燃料電池モジュールから排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水が貯まっている状態において、循環器を動作させて、凝縮水タンクの水を浄化器に供給し、浄化器で浄化された水を凝縮水タンクに戻すように循環経路で水を循環させることにより、循環経路を循環する水は浄化されていく。
このとき、循環経路を循環する水からの伝熱により、循環経路全体が温められるので、循環経路を構成する配管同士を互いに熱交換可能に配置しなくても、循環経路全体の凍結を防止することができる。
また、改質器に水を供給する水供給経路については、水供給経路と循環経路とが熱交換する熱交換部における循環経路から伝わる熱によって温められるので、水供給経路の凍結を防止することができる。
なお、水供給経路は、浄化器及び循環器よりも下流かつ凝縮水タンクよりも上流の循環経路から分岐しているので、浄化器で浄化された凝縮水タンクの水を改質器に供給することができる。
また、水供給経路と循環経路の凍結防止の効果を高めるため、水供給経路への通流は、循環経路を循環する水からの伝熱により、循環経路全体を温めて、熱交換部における循環経路から伝わる熱によって水供給経路を温めてから、行うようにすることが望ましい。
従って、改質器に水を供給する水供給経路と、循環器の動作時に凝縮水タンクの水が浄化器で浄化されて凝縮水タンクに戻るように水が循環する循環経路とが、熱交換する熱交換部を設けたことにより、凝縮水タンクと浄化器とを環状に連接した循環経路の凍結と、改質器に水を供給する水供給経路の凍結とを防止でき、凍結を防止するのに、筐体内の配管設計の制限を従来よりも少なくできる。
第2の発明は、特に、第1の発明に加えて、前記燃料電池モジュール、前記凝縮水タンク、前記浄化器及び前記循環器をその内部に収容する筐体と、前記筐体内又は外気の気温を検出する気温検出器と、前記循環器を制御する制御器と、を備え、前記制御器が、前記循環器の停止中に、前記気温検出器により検出した気温が第1温度以下になった場合に、前記循環器を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器により検出した筐体内又は外気の気温が、第1温度(例えば、循環経路及び水供給経路の少なくともどちらか一方が凍結し始める時の気温より若干高く設定された温度)以下になった場合は、循環器が運転されて、循環経路を循環する水からの伝熱によって、循環経路全体が温められるので、循環経路全体の凍結を防止することができる。そして、改質器に水を供給する水供給経路は、熱交換部において循環経路から伝わる熱によって温められるので、水供給経路の凍結を防止することができる。
また、循環器(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、気温検出器により検出した筐体内又は外気の気温が、第1温度よりも高い場合(循環経路及び水供給経路が凍結しない温度である場合)は、循環器が運転されないので、循環経路が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器を運転させることができ、無駄に循環器を動作させず省エネに寄与できる。
第3の発明は、特に、第2の発明に加えて、前記循環経路の水を加熱する発熱装置を備え、前記制御器が、前記水供給経路に水が流れていない時に、前記気温検出器により検出した気温が前記第1温度以下に設定された第2温度以下になった場合に、前記発熱装置を運転するよう制御するものである。
上記構成により、水供給経路に水が流れていない時に、気温検出器により検出した筐体内又は外気の気温が、第1温度(例えば、循環経路及び水供給経路の少なくともどちらか一方が凍結し始める時の気温より若干高く設定された温度)以下に設定された第2温度以下になった場合には、循環器に加えて発熱装置が運転されて、発熱装置によって加熱された水が循環経路を循環して、循環器のみ運転している場合よりも循環経路全体が温められるので、循環器のみの運転では循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置の併用によって循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転して、循環経路及び水供給経路の凍結を防止しようとすれば、循環経路及び水供給経路の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路及び水供給経路に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転することはなく、発熱装置によって加熱された水が循環経路を循環して循環経路を温めると共に循環経路から伝わる熱で水供給経路が温められるので、循環経路及び水供給経路に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路及び水供給経路の凍結防止のために循環器を運転する条件を満たしていても、気温検出器により検出した筐体内又は外気の気温が、第2温度よりも高い場合は、発熱装置が運転されないので、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに、発熱装置によって加熱された水を循環経路で循環させる必要がある場合のみ発熱装置を運転させることができ、無駄に発熱装置を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置を運転させる基準となる第2温度を、循環器を運転させる基準となる第1温度以下にしたので、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するために、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また、第1温度と第2温度とに温度差を設けた場合は、循環器のみの運転で循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器のみを運転し、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに、発熱装置によって加熱された水を循環経路で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器に加えて発熱装置を運転するようにして、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、第1温度と第2温度とに温度差を設けない場合(循環器と発熱装置が同時に動作する場合)よりも、循環経路及び水供給経路の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
第4の発明は、特に、第2の発明に加えて、前記循環経路の水を加熱する発熱装置と、前記循環経路の水の温度を検出する水温検出器と、を備え、前記制御器が、前記循環器の停止中に前記気温検出器により検出した気温が第1温度以下になったことにより前記循環器が動作した場合で、且つ、前記水温検出器により検出した水温が第3温度以下になった場合に、前記発熱装置を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器により検出した筐体内又は外気の気温が、第1温度(例えば、循環経路及び水供給経路の少なくともどちらか一方が凍結し始める時の気温より若干高く設定された温度)以下になった上に、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が、第3温度(例えば、循環経路の水が凍結し始める温度より高く設定された温度)以下になった場合は、循環器に加えて発熱装置が運転されて、発熱装置によって加熱された水が循環経路を循環して、循環器のみ運転している場合よりも循環経路全体が温められるので、循環器のみの運転では循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置の併用によって循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転して、循環経路及び水供給経路の凍結を防止しようとすれば、循環経路及び水供給経路の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路及び水供給経路に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転することはなく、発熱装置によって加熱された水が循環経路を循環して循環経路を温めると共に循環経路から伝わる熱で水供給経路が温められるので、循環経路及び水供給経路に沿って広い範
囲に発熱装置を配置したり、筐体内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路及び水供給経路の凍結防止のために循環器を運転する条件を満たしていても、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が、第3温度よりも高い場合は、発熱装置が運転されないので、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに、発熱装置によって加熱された水を循環経路で循環させる必要がある場合のみ発熱装置を運転させることができ、無駄に発熱装置を動作させず省エネに寄与できる。
また、循環経路及び水供給経路の凍結防止のために発熱装置を運転させる条件は、循環経路及び水供給経路の凍結防止のために循環器を運転させる条件を含んでいるので、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するために、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また、循環器のみの運転で循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器のみを運転し、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに、発熱装置によって加熱された水を循環経路で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器に加えて発熱装置を運転するようにして、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、循環器と発熱装置の運転開始が同時にならないように、循環器の運転を開始してから、発熱装置の運転開始を行うことにより、循環器と発熱装置の運転開始が同時になる場合よりも、循環経路及び水供給経路の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また、循環器の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器により検出した筐体内又は外気の気温が、第1温度(例えば、循環経路及び水供給経路の少なくともどちらか一方が凍結し始める時の気温より若干高く設定された温度)以下になったが、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が、第3温度(例えば、循環経路の水が凍結し始める温度より高く設定された温度)よりも高い場合は、発熱装置が運転されず循環器のみの運転になるが、循環経路の周囲の気温が低い場合には、循環経路の水が循環経路の循環中に循環経路で冷やされて、循環経路を循環する水の温度が第3温度以下になる可能性がある。
この場合は、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が第3温度以下になった時点で、発熱装置が運転されて、発熱装置によって加熱された水が循環経路を循環するようになるので、循環器のみの運転では循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置の併用によって循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが可能になる。
第5の発明は、特に、第1の発明に加えて、前記循環経路の水の温度を検出する水温検出器と、前記循環器を制御する制御器とを備え、前記制御器が、前記循環器の停止中に、前記水温検出器により検出した水温が第4温度以下になった場合に、前記循環器を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が、第4温度(例えば、循環経路の水の温度から、循環経路及び水供給経路の少なくともどちらか一方が凍結し始める低温環境であることが予測される時の循環経路の水の温度より若干高く設定された温度)以下になった場合は、循環器が運転されて、循環経路を循環する水からの伝熱によって、循環経路全体が温められるので、循環経路全体の凍結を防止することができる。そして、改質器に水を供給する水供給経路は、熱交換部において循環経路から伝わる熱によって温められるので、水供給経路の凍結を防止することができる。
また、循環器(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が、第4温度よりも高い場合(循環経路及び水供給経路が凍結状態にならないと予測される水温である場合)は、循環器が運転されないので、循環経路が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器を運転させることができ、無駄に循環器を動作させず省エネに寄与できる。
第6の発明は、特に、第5の発明に加えて、前記循環経路の水を加熱する発熱装置を備え、前記制御器が、前記水供給経路に水が流れていない時に、前記水温検出器により検出した水温が前記第4温度以下に設定された第5温度以下になった場合に、前記発熱装置を運転するよう制御するものである。
上記構成により、水供給経路に水が流れていない時に、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が、第4温度(例えば、循環経路の水の温度から、循環経路及び水供給経路の少なくともどちらか一方が凍結し始める低温環境であることが予測される時の循環経路の水の温度より若干高く設定された温度)以下に設定された第5温度以下になった場合には、循環器に加えて発熱装置が運転されて、発熱装置によって加熱された水が循環経路を循環して、循環器のみ運転している場合よりも循環経路全体が温められるので、循環器のみの運転では循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置の併用によって、循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転して、循環経路及び水供給経路の凍結を防止しようとすれば、循環経路及び水供給経路の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路及び水供給経路に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、燃料電池モジュール、凝縮水タンク、浄化器及び循環器をその内部に収容する筐体内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転することはなく、発熱装置によって加熱された水が循環経路を循環して循環経路を温めると共に循環経路から伝わる熱で水供給経路が温められるので、循環経路及び水供給経路に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路及び水供給経路の凍結防止のために循環器を運転する条件を満たしていても、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が、第5温度よりも高い場合は、発熱装置が運転されないので、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに、発熱装置によって加熱された水を循環経路で循環させる必要がある場合のみ発熱装置を運転させることができ、無駄に発熱装置を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置を運転させる基準となる第5温度を、循環器を運転させる基準となる第4温度以下にしたので、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するために、循環器を運転しないで発熱装置のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また、第4温度と第5温度とに温度差を設けた場合は、循環器のみの運転で循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器のみを運転し、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに、発熱装置によって加熱された水を循環経路で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器に加えて発熱装置を運転するようにして、循環経路及び水供給経路の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることがで
き、第4温度と第5温度とに温度差を設けない場合(循環器と発熱装置が同時に動作する場合)よりも、循環経路及び水供給経路の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が、第4温度以下で第5温度よりも高い場合は、発熱装置が運転されず循環器のみの運転になるが、循環経路の周囲の気温が低い場合には、循環経路の水が循環経路の循環中に循環経路で冷やされて、循環経路を循環する水の温度が第5温度以下になる可能性がある。
この場合は、水温検出器により検出した循環経路の水の温度が第5温度以下になった時点で、発熱装置が運転されて、発熱装置によって加熱された水が循環経路を循環するようになるので、循環器のみの運転では循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置の併用によって循環経路及び水供給経路の凍結を防止することが可能になる。
第7の発明は、特に、第1から第6のいずれかの発明において、熱交換部では、前記水供給経路の配管と前記循環経路の配管とが接触しているものである。
上記構成において、熱交換部では、水供給経路の配管と循環経路の配管とが接触するように配置されているので、水供給経路の配管と循環経路の配管とを、直接的熱伝導によって、熱交換させることができ、結束バンド等の結束部品を用いて水供給経路の配管と循環経路の配管とが接触する状態を維持させることが可能であるので、水供給経路と循環経路とを熱交換させるための構成が簡単であるため、燃料電池システムのコスト低減に寄与できる。
第8の発明は、特に、第7の発明において、前記熱交換部の前記水供給経路の配管と前記循環経路の配管とを一緒に覆う断熱材を備えるものであり、断熱材によって、水供給経路の配管と循環経路の配管とが接触する状態を維持したままで、前記水供給経路と前記循環経路の熱が外気に放熱されるのと、前記水供給経路と前記循環経路が外気によって冷えるのを抑制でき、低コストで、より確実に水供給経路の凍結を防止することができる。
また、水供給経路と循環経路とが接触する状態で、水供給経路と循環経路とを一緒に断熱材で覆うことにより、結束バンド等の結束部品による結束を省略したり結束バンド等の結束部品による結束を一時的な仮結束にした場合であっても、断熱材によって水供給経路と循環経路とが接触する状態を維持することができる。
第9の発明は、特に、第1から第8のいずれかの発明において、前記水供給経路は、前記水供給経路が前記循環経路から分岐する分岐点よりも上流側部分の前記循環経路と熱交換するものである。
水供給経路に水が流れている時は、水供給経路に水が流れていない時よりも、水供給経路が循環経路から分岐する分岐点よりも下流側部分の循環経路を流れる水の水量が、水供給経路に流れる水の水量だけ減るので、水供給経路が、水供給経路が循環経路から分岐する分岐点よりも下流側部分の循環経路と熱交換するように構成した場合は、水供給経路に水が流れている時は、水供給経路に水が流れていない時よりも、熱交換部で循環経路の配管から水供給経路の配管に伝わる熱量が減ってしまう。
しかし、水供給経路が、水供給経路が循環経路から分岐する分岐点よりも上流側部分の循環経路と熱交換するように構成した場合は、水供給経路に水が流れている時と、水供給経路に水が流れていない時とで、熱交換部で循環経路から水供給経路に伝わる熱量は変わ
らない。
したがって、水供給経路の凍結防止のためには、水供給経路は、水供給経路が循環経路から分岐する分岐点よりも上流側部分の循環経路と熱交換するように構成することが望ましい。
以下、本発明の燃料電池システムの実施の形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明が、これら実施の形態により限定されないことは勿論である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
図1に示すように、実施の形態1に係る燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タンク4と浄化器5との間で水が循環するように凝縮水タンク4と浄化器5とを環状に連接した循環経路6と、循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5よりも下流かつ凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8と、を備える。また、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。
燃料電池モジュール3から排気される排ガスが流通する排ガス経路10は、経路の途中に排ガス熱交換器11と気液分離器12とを備える。
排ガス熱交換器11は、燃料電池モジュール3から排気され排ガス経路10を流通する排ガスと、循環器13によって排熱回収経路14を循環する貯湯槽(図示せず)の貯湯水とを熱交換させて、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分を凝縮させる。
排ガス熱交換器11からの排ガスおよびその凝縮水は、気液分離器12において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分である排ガスは、燃料電池システムの構成部品を収容する筐体15の外部に排気され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16よりも下流側の循環経路6には、循環電磁弁17を備え、水供給経路8における分岐点16よりも下流側で熱交換部9よりも上流側の部分には、改質水電磁弁18を備える。
循環電磁弁17は、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給する時に閉じて、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給せずに循環経路6で水を循環させる時に開く電磁弁である。また、改質水電磁弁18は、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給する時に開き、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給せずに循環経路6で水を循環させる時に閉じる電磁弁である。
本実施の形態では、熱交換部9において、水供給経路8は、分岐点16及び循環器7よりも上流側で浄化器5よりも下流側の循環経路6と熱交換するように構成しているが、分岐点16よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成していれば良い。
凝縮水タンク4は、電気ヒータ等で構成され凝縮水タンク4内に貯まっている水を加熱する発熱装置19と、凝縮水タンク4内に貯まっている水の温度を検出する水温検出器2
0と、フロート式水位センサ等で構成され凝縮水タンク4内に貯まっている水の水位を検出する水位検出器21と、凝縮水タンク4の水位が所定の高さを超えないように、所定の高さを超える水(凝縮水)を凝縮水タンク4から排出するオーバーフロー経路(図示せず)を備える。燃料電池システムの発電時に余剰電力が生じた場合は、その余剰電力が発熱装置19に使用される。
さらに、筐体15内には、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環器7を制御する制御器23を備える。なお、気温検出器22は外気温を検出するものであっても構わない。本実施の形態では、気温検出器22を筐体15内の底部に配置している。
凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下になると、水位検出器21が減水を検出して、制御器23が、図示しない給水手段により、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水する。また、循環器7は、水位検出器21が下限水位より高い水位を検出している場合に、制御器23によって運転される。
制御器23は、燃料電池システムを構成する各機器を制御する機器であれば、どのような形態であってもよく、例えば、マイクロプロセッサ、CPU等に例示される演算処理部と、各制御動作を実行するためのプログラムを格納した、メモリ等から構成される記憶部を備えている。
制御器23は、単独の制御器で構成される形態だけでなく、複数の制御器が協働して燃料電池システムの制御を実行する制御器群で構成される形態であっても構わない。また、制御器23は、マイクロコントローラで構成されていてもよく、MPU、PLC、論理回路等によって構成されていてもよい。
図2に示すように、熱交換部9では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触している。また、熱交換部9の水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを一緒に覆う熱交換部断熱材26を備える。また、熱交換部9以外の水供給経路配管24は、必要に応じて水供給経路断熱材27で覆われ、熱交換部9以外の循環経路配管25は、必要に応じて循環経路断熱材28で覆われている。
本実施の形態では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25に、樹脂製の配管を用いているが、熱交換部9における水供給経路配管24と循環経路配管25には、樹脂よりも熱伝導率の高い材料で構成された配管(例えば、金属製配管)を用いることが望ましい。また、水供給経路配管24と循環経路配管25は、できるだけ広い面積で接触するようにすることが望ましい。
なお、本実施の形態では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを接触させることにより、熱交換部9を構成したが、これに限らず、熱交換部9を、水供給経路8を通流する水と循環経路6を通流する水との間で熱交換する熱交換器で構成しても構わない。
改質器1は、原料及び水(改質水)を用いて水素含有ガスを生成する反応器である。改質器1では、触媒の存在下で原料が水蒸気と改質反応して、水素含有ガスを生成する。改質器1は、その触媒の適温、例えば、600〜700℃に加熱される。また、改質器1には蒸発器(図示せず)が設けられており、ここで、水供給経路8を介して供給された水(改質水)から水蒸気を生成する。
また、原料は、原料供給器(図示せず)から原料供給経路29を介して改質器1に供給
される。原料は、例えばメタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG等の少なくとも炭素および水素から構成される有機化合物を含むガスである。原料供給器は、原料ガスの流量を調整する機能を有する機器であり、例えば、昇圧器および/または流量調整弁、または、定容積型ポンプが例示される。
燃料電池2は、水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電する固体酸化物形燃料電池である。燃料電池2は、触媒の存在下で水素含有ガスが酸化剤ガスと電気化学反応して、電気および水を生成する。
燃料電池2は、セル(図示せず)、カソード流路(図示せず)およびアノード流路(図示せず)が設けられている。アノード流路には、改質器1で生成され水素含有ガス供給経路30を介して供給された水素含有ガスが流通する。カソード流路には、空気供給器(図示せず)から酸化剤ガス供給経路31を介して供給された空気が酸化剤ガスとして流通する。
この水素含有ガス及び酸化剤ガスがセルにおいて電気化学反応し、空気がセルを冷却する。そして、これらのガスは、セルから排出されて、燃焼器(図示せず)に供給される。この燃焼器により、セルおよび改質器1が加熱される。例えば、セルは、その触媒の適温である、500℃〜1000℃に加熱される。
排ガス経路10は、燃料電池2(燃料電池モジュール3)から排出された排ガスが流通する経路である。排ガス経路10は、その上流端が燃料電池2に接続され、気液分離器12で分岐した一方の下流端が筐体15の排出口(図示せず)に接続され、気液分離器12で分岐した他方の下流端が凝縮水タンク4に接続されている。
例えば、燃料電池2の燃焼器から排出されたガス(排ガス)が排ガス経路10を介して筐体15の外部へ排出される。排ガス経路10を流れる排ガスの温度は、例えば、200℃である。
循環経路6は、燃料電池2(燃料電池モジュール3)から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水が循環する経路である。循環経路6上には、凝縮水タンク4、浄化器5、熱交換部9、循環器7、循環電磁弁17が、この順で環状に接続されていて、循環器7によって、凝縮水タンク4の凝縮水が、浄化器5、熱交換部9、循環器7、分岐点16、循環電磁弁17を順に通過して、凝縮水タンク4に戻るよう循環させられる。
また、浄化器5で浄化された凝縮水は、分岐点から改質水電磁弁18を備えた水供給経路8を介して改質器1に供給される改質水としても機能する。
排ガス熱交換器11は、排ガス経路10及び排熱回収経路14に設けられ、燃料電池2(燃料電池モジュール3)から排気される排ガスと、排熱回収経路14を循環する貯湯槽の貯湯水との間で熱交換する熱交換器である。排ガス熱交換器11として、周知の熱交換器を用いることができる。例えば、700℃の高温の排ガスにより40℃の低温の貯湯水が加熱されて、70℃に貯湯水が昇温される。一方、貯湯水により排ガスが冷却される。
この排ガスは、燃料電池2の発電により生成した水分を含んでいるため、排ガスに含まれている水蒸気が凝縮して、水(凝縮水)が生成する。なお、排ガス熱交換器11の数は1つに限らず、複数であってもよい。
気液分離器12から凝縮水タンク4に向かって下方に延びる部分の排ガス経路10は、排ガス熱交換器11において排ガスが冷却されて生成した凝縮水が流通する経路であり、
この経路を流通する凝縮水は、循環経路6を構成する凝縮水タンク4に流入して循環経路6を循環して、循環経路6を凍結しない温度に加熱する水として機能すると共に、水供給経路8に流れたものは、改質水として機能する。
凝縮水タンク4は、循環経路6に設けられ、排ガス熱交換器11において排ガスが貯湯水により冷却されて生成した凝縮水を、循環経路6を凍結しない温度に加熱する水及び改質水として貯留するタンクである。凝縮水タンク4は、循環経路6の一部を構成し、排ガス経路10が接続している。
凝縮水タンク4の凝縮水の流出口は、循環経路6を循環して凝縮水タンク4に戻ってきた水の流入口および排ガス経路10の接続位置より下方の凝縮水タンク4に設けられている。この実施の形態では、凝縮水の流出口は、凝縮水タンク4の底に設けられている。なお、水の流入口および流出口の位置は特に限定されない。
オーバーフロー経路(図示せず)の上流端は、凝縮水タンク4の所定の高さに接続している。このオーバーフロー経路が接続する流出口は、凝縮水タンク4の所定の高さに設けられる。このため、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、所定の高さまで達すると、オーバーフロー経路への流出口からオーバーフロー経路へ流れる。
よって、凝縮水タンク4には、所定の高さ(所定の体積)以下の水(凝縮水)が貯留され、それを超える水(凝縮水)は凝縮水タンク4からオーバーフロー経路を介して排出される。
循環器7は、循環経路6に設けられ、凝縮水タンク4の水(凝縮水)を循環させるポンプである。この実施の形態では、循環器7は、凝縮水タンク4及び浄化器5よりも下流かつ分岐点16よりも上流の循環経路6に設けられている。凝縮水タンク4から流出した水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられて、循環経路6を循環する。
浄化器5は、イオン交換樹脂フィルタで構成され、凝縮水からイオンを除去する(脱イオン化する)機器である。この除去するイオンとしては、主に改質器1および燃料電池2の触媒を被毒するイオンが挙げられる。浄化器5は、分岐点16よりも上流かつ凝縮水タンク4よりも下流の循環経路6に設けられている。さらに、浄化器5は、凝縮水タンク4のオーバーフロー経路が接続する流出口よりも高い位置に配置されている。
排熱回収経路14の貯湯槽(図示せず)は、水(貯湯水)を貯えるタンクである。貯湯槽は、給水設備(例えば、水道)に接続しており、給水設備から貯湯槽へ水道水が貯湯水として供給される。
また、貯湯槽は、給湯設備(図示せず)に接続しており、貯湯槽から給湯設備に貯湯水が湯として供給される。また、貯湯槽は、循環経路6とは分離して(連通しないようにして)設けられ、貯湯槽の貯湯水と循環経路6の水(凝縮水)とは、それぞれ異なる水である。
水供給経路8は、循環経路6から分岐点16で分岐し、循環経路6の水(浄化器5で浄化された凝縮水)を改質水として改質器1へ流通する経路であり、分岐点16に近接する位置に改質水電磁弁18を備える。改質水電磁弁18は、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給する時に開き、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給せずに循環経路6で水を循環させる時に閉じるように制御器23によって開閉制御される電磁弁である。
分岐点16は、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ循環電磁弁17及び凝縮水タンク
4よりも上流の循環経路6に設けられている。また、水供給経路8の下流端は改質器1に接続している。循環電磁弁17は、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給する時に閉じ、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給せずに循環経路6で水を循環させる時に開くように制御器23によって開閉制御される電磁弁である。
よって循環電磁弁17が閉鎖状態で、且つ、改質水電磁弁18が開放状態で、凝縮水タンク4に水(凝縮器)が貯まっている時に、制御器23によって循環器7が動作すると、凝縮水タンク4の水(凝縮器)が、浄化器5で浄化された後、分岐点16で水供給経路8に流入して、改質器1に改質水として供給される。
このとき、改質器1における改質水と原料中の炭素とのモル比(S/C比)が、例えば2.5〜3.5になるように、循環器7は水供給経路8を流通する改質水の流量を調整する。
次に、上記構成の本実施の形態の燃料電池システムの動作について、図1を参照して説明する。
燃料電池システムにおいて、制御器23は、改質器1への給水を開始する前に、水位検出器21により凝縮水タンク4の水位を確認し、凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下であれば、制御器23が、図示しない給水手段により、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水する。そして、水位検出器21が下限水位より高い水位を検出すると、循環器7は、制御器23によって運転される。
循環器7の運転開始時には、循環電磁弁17が開放状態で、且つ改質水電磁弁18が閉鎖状態であるので、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられて、浄化器5に流入する。この浄化器5を通流する際に凝縮水または水道水に含まれる金属イオン等の不純物が除去される。
そして、浄化器5を通過した水は、分岐点16から開放状態の循環電磁弁17を通って循環経路6により凝縮水タンク4に戻される。これを繰り返すことにより、凝縮水タンク4に貯留された水を順次浄化する。
もし、循環器7の運転により凝縮水タンク4の水(凝縮水)が循環経路6を循環する前の循環経路配管25の温度が、凝縮水タンク4の水(凝縮水)の水温よりも低い場合は、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。
そして、改質器1で水素含有ガスの生成を開始するために改質器1への給水を開始する時に、制御器23は、循環電磁弁17を閉鎖すると共に、改質水電磁弁18を開放する。この場合、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられ、浄化器5で凝縮水タンク4の水(凝縮水)に含まれる金属イオン等の不純物が除去されて、分岐点16から水供給経路8を通流して改質器1に供給される。
改質器1では、水供給経路8を介して供給された水(改質水)から水蒸気を生成する。そして、原料供給器(図示せず)から原料供給経路29を介して改質器1に供給される原料(例えば、メタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG等の炭化水素を含むガス)が、触媒の存在下で、水蒸気と改質反応して、水素含有ガスを生成する。また、改質器1は、その触媒の適温、例えば、600〜700℃に加熱される。
燃料電池2のアノード流路には、改質器1で生成されて水素含有ガス供給経路30を介して供給された水素含有ガスが流通し、燃料電池2のカソード流路には、空気供給器(図示せず)から酸化剤ガス供給経路31を介して供給された空気が酸化剤ガスとして流通する。
この水素含有ガス及び酸化剤ガスが、燃料電池2のセルにおいて電気化学反応し、空気がセルを冷却する。そして、これらのガスは、セルから排出されて、燃焼器(図示せず)に供給される。この燃焼器により、セルおよび改質器1が加熱される。例えば、セルは、その触媒の適温、500℃〜1000℃に加熱される。
燃料電池2が発電すると、発電により生成した水分を含む排ガスが排ガス経路10を介して排出される。排ガス熱交換器11において、排ガス経路10の排ガスが排熱回収経路14の貯湯水により冷却されて、排ガス中の水分が凝縮して、凝縮水が生成する。
排ガス熱交換器11からの排ガスおよびその凝縮水は、気液分離器12において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分である排ガスは、燃料電池システムの構成部品を収容する筐体15の外部に排気され、凝縮水は凝縮水タンク4に流入して凝縮水タンク4に貯留される。
一方、排ガス熱交換器11において、排ガスにより排熱回収経路14の貯湯水が加熱され、昇温した貯湯水は循環器13により貯湯槽(図示せず)に流入する。
このように、凝縮水タンク4には、排ガス熱交換器11において生成した凝縮水が流入する。凝縮水が貯留されて、その水位が凝縮水タンク4の所定の高さに達すると、オーバーフロー経路(図示せず)から排出される。
また、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられて、浄化器5に流入する。この浄化器5で凝縮水タンク4の水(凝縮水)のイオンが除去されて、分岐点16から水供給経路8を通流して改質器1に供給される。この改質器1に供給される水(改質水)の流量は、循環器7によりS/C比に応じて調整される。
貯湯槽に蓄えられた貯湯水は、必要に応じて給湯設備に供給される。これにより、貯湯槽の貯湯水が減少すると、給水設備から水(水道水)が貯湯槽に供給される。
次に、本実施の形態の燃料電池システムの凍結予防動作を、図3のフローチャートを用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャートである。
制御器23は、燃料電池システム(循環器7)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により筐体15内または外気の気温を測定(検出)する(STEP1)。気温検出器22が検出した気温が予め設定される第1温度(例えば4℃)よりも高い場合は、STEP2をNO側に分岐して、循環器7の停止状態を維持し、発熱装置19を動作させない(STEP3)。
STEP1で気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第1温度(例えば4℃)以下で、第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)よりも高い場合は、STEP2をYES側に分岐して、次のSTEP4をNO側に分岐して、制御器23により循環器7は運転されるが、発熱装置19を動作させない(STEP5)。
このとき、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温め
る。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。これにより、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
STEP1で気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第2温度(例えば0℃)以下の場合には、STEP2をYES側に分岐して、次のSTEP4をYES側に分岐して、制御器23により、循環器7の運転に加えて、発熱装置19を運転させる(STEP6)。
このとき、循環器7に加えて発熱装置19が運転されることにより、発熱装置19で加熱された水が循環経路6を循環して、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。これにより、気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第2温度(例えば0℃)以下の場合でも、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
なお、温度により循環器7と発熱装置19の運転と停止が頻繁に繰り返さないように、停止から運転に切り替わった場合は、運転状態を少なくとも所定時間は維持させ、運転から停止に切り替わった場合は、停止時間を少なくとも所定時間は維持させるようにしても構わない。また、停止状態から運転状態にする基準温度と、運転状態から停止状態にする基準温度に1℃程度の僅かな温度差を設けても構わない。
以上説明したように、本実施の形態の燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タンク4と浄化器5との間で水が循環するように凝縮水タンク4と浄化器5とを環状に連接した循環経路6と、循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5よりも下流かつ凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8と、を備える。また、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。
上記構成において、凝縮水タンク4に、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水が貯まっている状態において、循環器7を動作させて、凝縮水タンク4の水を浄化器5に供給し、浄化器5で浄化された水を凝縮水タンク4に戻すように循環経路6で水を循環させることにより、循環経路6を循環する水は浄化されていく。
このとき、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体が温められるので、循環経路6を構成する配管同士を互いに熱交換可能に配置しなくても、循環経路6全体の凍結を防止することができる。
また、改質器1に水を供給する水供給経路8については、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
なお、水供給経路8は、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6から分岐しているので、浄化器5で浄化された凝縮水タンク4の水を改質器1に供給することができる。
また、水供給経路8への通流は、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体を温めて、熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって水供給経路8を温
めてから行うので、そのようにしない場合よりも、水供給経路8の凍結を防止する効果が高い。
従って、改質器1に水を供給する水供給経路8と、循環器7の動作時に凝縮水タンク4の水が浄化器5で浄化されて凝縮水タンク4に戻るように水が循環する循環経路6とが、熱交換する熱交換部9を設けたことにより、凝縮水タンク4と浄化器5とを環状に連接した循環経路6の凍結と、改質器1に水を供給する水供給経路8の凍結とを防止でき、凍結を防止するのに、筐体15内の配管設計の制限を従来よりも少なくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池モジュール3、凝縮水タンク4、浄化器5及び循環器7をその内部に収容する筐体15と、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環経路6の凝縮水タンク4の水を加熱する発熱装置19と、循環器7を制御する制御器23と、を備え、制御器23が、循環器7の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した気温が第1温度(例えば4℃)以下になった場合には、循環器7を運転するよう制御し、水供給経路8を水が通流していない時に、気温検出器22により検出した気温が第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)以下になった場合に、発熱装置19を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)以下になった場合は、循環器7が運転されて、循環経路6を循環する水からの伝熱によって、循環経路6全体が温められるので、循環経路6全体の凍結を防止することができる。そして、改質器1に水を供給する水供給経路8は、熱交換部9において循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
また循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)よりも高い場合(循環経路6及び水供給経路8が凍結しない温度である場合)は、循環器7が運転されないので、循環経路6が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器7を運転させることができ、無駄に循環器7を動作させず省エネに寄与できる。
また、水供給経路8を水が通流していない時に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)以下になった場合は、循環器7に加えて発熱装置19が運転されて、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して、循環器7のみ運転している場合よりも循環経路6全体が温められるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置19の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器7を運転せずに発熱装置19のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止しようとすれば、循環経路6及び水供給経路8の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転することはなく、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して循環経路6を温めると共に、熱交換部9では循環経路6から伝わる熱で水供給経路8が温められるので、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止のために循環器7を運転する条件を満たしていても、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第2温度(例えば0℃)よりも高い場合は、発熱装置19が運転されないので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要がある場合のみ発熱装置19を運転させることができ、無駄に発熱装置19を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置19を運転させる基準となる第2温度(例えば0℃)を、循環器7を運転させる基準となる第1温度(例えば4℃)以下にしたので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するために、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また、第1温度と第2温度とに温度差を設けたので、循環器7のみの運転で循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器7のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器7に加えて発熱装置19を運転するようにして、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、第1温度と第2温度とに温度差を設けない場合(循環器7と発熱装置19が同時に動作する場合)よりも、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触するように配置されているので、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを、直接的熱伝導によって、熱交換させることができ、結束バンド等の結束部品を用いて水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持させることが可能であるので、水供給経路8と循環経路6とを熱交換させるための構成が簡単で、燃料電池システムのコスト低減に寄与できる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9の水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを一緒に覆う熱交換部断熱材26を備えるものであり、熱交換部断熱材26によって、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持したままで、水供給経路8と循環経路6の熱が外気に放熱されることと、水供給経路8と循環経路6が外気によって冷えるのを抑制でき、低コストで、より確実に水供給経路8の凍結を防止することができる。
また、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態で、水供給経路配管24と循環経路配管25とを一緒に熱交換部断熱材26で覆うことにより、結束バンド等の結束部品による結束を省略したり結束バンド等の結束部品による結束を一時的な仮結束にした場合であっても、熱交換部断熱材26によって水供給経路配管24と循環経路配管25とが接触する状態を維持することができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、水供給経路8に水が流れている時は、循環電磁弁17が閉鎖しており、水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16よりも下流側部分の循環経路6には水が流れないが、水供給経路8は、分岐点16よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成しているので、水供給経路8に水が流れるようになった後も、水供給経路8に水が流れるようになる前と同様に、熱交換部9で循環経路6から水供給経路8に熱が伝わる。
なお、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止動作をしている時に、リモコンの表示部
に凍結防止運転中である旨の表示を行うようにしても構わない。
(実施の形態2)
図1は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
実施の形態2の燃料電池システムの構成は、図1と図2に示す実施の形態1の燃料電池システムの構成と同様であり、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
実施の形態2の燃料電池システムは、制御器23の凍結防止の動作が、実施の形態1の燃料電池システムと異なる。
本実施の形態の燃料電池システムの凍結予防動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャートである。
制御器23は、燃料電池システム(循環器7)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により筐体15内または外気の気温を測定(検出)する(STEP11)。気温検出器22が検出した気温が予め設定される第1温度(例えば4℃)よりも高い場合には、STEP12をNO側に分岐して、循環器7の停止状態を維持し、発熱装置19を動作させない(STEP13)。
STEP11で気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第1温度(例えば4℃)以下の場合は、STEP12をYES側に分岐して、次のSTEP14で、水温検出器20により凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温を測定(検出)する。
水温検出器20が検出した水温が予め設定される第3温度(例えば1℃)よりも高い場合は、STEP15をNO側に分岐して、制御器23により循環器7は運転されるが、発熱装置19を動作させない(STEP16)。
このとき、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。これにより、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
STEP14で水温検出器20が検出した水温が、予め設定される第3温度(例えば1℃)以下の場合には、STEP15をYES側に分岐して、制御器23により、循環器7の運転に加えて、発熱装置19を運転させる(STEP17)。
このとき、循環器7に加えて発熱装置19が運転されることにより、発熱装置19で加熱された水が循環経路6を循環して、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。
これにより、気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第1温度(例えば4℃)以下で、且つ、水温検出器20が検出した凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温が、予め設定される第3温度(例えば1℃)以下の場合でも、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池モジュール3、凝縮水タンク4、浄化器5及び循環器7をその内部に収容する筐体15と、凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温を検出する水温検出器20と、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環経路6の凝縮水タンク4の水を加熱する発熱装置19と、循環器7を制御する制御器23とを備える。
そして、制御器23が、循環器7の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した気温が第1温度(例えば4℃)以下になった場合には、循環器7を運転するよう制御し、水供給経路8を水が通流していない時に、水温検出器20により検出した水温が第3温度(例えば1℃)以下になった場合に、発熱装置19を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)以下になった場合は、循環器7が運転されて、循環経路6を循環する水からの伝熱によって、循環経路6全体が温められるので、循環経路6全体の凍結を防止することができる。そして、改質器1に水を供給する水供給経路8は、熱交換部9において循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
また、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)よりも高い場合(循環経路6及び水供給経路8が凍結しない温度である場合)は、循環器7が運転されないので、循環経路6が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器7を運転させることができ無駄に循環器7を動作させず省エネに寄与できる。
また、水供給経路8を水が通流していない時に、水温検出器20により検出した水温が第3温度(例えば1℃)以下になった場合には、循環器7に加えて発熱装置19が運転されて、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して、循環器7のみ運転している場合よりも循環経路6全体が温められるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置19の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器7を運転せずに発熱装置19のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止しようとすれば、循環経路6及び水供給経路8の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転することはなく、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して循環経路6を温めると共に、熱交換部9では循環経路6から伝わる熱で水供給経路8が温められるので、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止のために循環器7を運転する条件を満たしていても、水温検出器20により検出した水温が、第3温度(例えば1℃)よりも高い場合は、発熱装置19が運転されないので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要がある場合のみ発熱装置19を運転させることができ、無駄に発熱装置19を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置19を運転させる基準となる第3温度(例えば1℃)を、循環器7を運転させる基準となる第1温度(例えば4℃)以下にしたので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するために、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また、第1温度と第3温度とに温度差を設けたので、循環器7のみの運転で循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器7のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器7に加えて発熱装置19を運転するようにして、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、循環器7と発熱装置19が同時に動作する場合より、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また、循環器7の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)以下になったが、水温検出器20により検出した循環経路6の凝縮水タンク4の水の水温が、第3温度(例えば1℃)よりも高い場合には、発熱装置19が運転されず循環器7のみの運転になるが、循環経路6の周囲の気温が低い場合には、循環経路6の水が循環経路6の循環中に循環経路6で冷やされて、循環経路6を循環する水の温度が第3温度(例えば1℃)以下になる可能性がある。
この場合は、水温検出器20により検出した循環経路6の水の温度が第3温度(例えば1℃)以下になった時点で、発熱装置19が運転されて、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環するようになるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置19の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
(実施の形態3)
図1は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
実施の形態3の燃料電池システムの構成は、図1と図2に示す実施の形態1の燃料電池システムの構成と同様であり、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
実施の形態3の燃料電池システムは、制御器23の凍結防止の動作が、実施の形態1の燃料電池システムと異なる。
本実施の形態の燃料電池システムの凍結予防動作を、図5のフローチャートを用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャートである。
制御器23は、燃料電池システム(循環器7)の停止中(発電要求がない時)に、水温検出器20により凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温を測定(検出)する(STEP21)。水温検出器20が検出した水温が予め設定される第4温度(例えば7℃)よりも高い場合は、STEP22をNO側に分岐して、循環器7の停止状態を維持し、発熱装置19を動作させない(STEP23)。
STEP21で水温検出器20が検出した水温が、予め設定される第4温度(例えば7
℃)以下で、第4温度以下に設定された第5温度(例えば1℃)よりも高い場合は、STEP22をYES側に分岐して、次のSTEP24をNO側に分岐して、制御器23により循環器7は運転されるが、発熱装置19を動作させない(STEP25)。
このとき、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。これにより、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
STEP21で水温検出器20が検出した水温が、予め設定される第5温度(例えば1℃)以下の場合には、STEP22をYES側に分岐して、次のSTEP24をYES側に分岐して、制御器23により、循環器7の運転に加えて、発熱装置19を運転させる(STEP26)。
このとき、循環器7に加えて発熱装置19が運転されることにより、発熱装置19で加熱された水が循環経路6を循環して、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。これにより、水温検出器20が検出した水温が、予め設定される第5温度(例えば1℃)以下の場合でも、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態の燃料電池システムは、循環経路6の凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温を検出する水温検出器20と、循環器7を制御する制御器23とを備え、制御器23が、循環器7の停止中(発電要求がない時)に、水温検出器20により検出した水温が第4温度(例えば7℃)以下になった場合に、循環器7を運転するよう制御し、水供給経路8を水が通流していない時に、水温検出器20により検出した水温が第5温度(例えば1℃)以下になった場合に、発熱装置19を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、水温検出器20により検出した循環経路6の凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温が、第4温度(例えば7℃)以下になった場合は、循環器7が運転されて、循環経路6を循環する水からの伝熱によって、循環経路6全体が温められるので、循環経路6全体の凍結を防止することができる。そして、改質器1に水を供給する水供給経路8は、熱交換部9において循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
また、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、水温検出器20により検出した循環経路6の凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温が、第4温度(例えば7℃)よりも高い場合は、循環器7が運転されないので、循環経路6が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器7を運転させることができ、無駄に循環器7を動作させず省エネに寄与できる。
また、水供給経路8に水が流れていない時に、水温検出器20により検出した循環経路6の凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温が、第4温度以下に設定された第5温度(例えば1℃)以下になった場合には、循環器7に加えて発熱装置19が運転されて、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して、循環器7のみ運転している場合よりも循環経路6全体が温められるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置19の併用によって、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止しようとすれば、循環経路6及び水供給経路8の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転することはなく、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して循環経路6を温めると共に循環経路6から伝わる熱で水供給経路8が温められるので、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止のために循環器7を運転する条件を満たしていても、水温検出器20により検出した循環経路6の凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温が、第5温度(例えば1℃)よりも高い場合には、発熱装置19が運転されないので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要がある場合のみ発熱装置19を運転させることができ、無駄に発熱装置19を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置19を運転させる基準となる第5温度(例えば1℃)を、循環器7を運転させる基準となる第4温度(例えば7℃)以下にしたので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するために、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また、第4温度と第5温度とに温度差を設けたので、循環器7のみの運転で循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能な低温環境時に、循環器7のみを運転し、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器7に加えて発熱装置19を運転するようにして、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、第4温度と第5温度とに温度差を設けない場合(循環器7と発熱装置19が同時に動作する場合)よりも、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また、水温検出器20により検出した循環経路6の水の温度が、第4温度(例えば7℃)以下で第5温度(例えば1℃)よりも高い場合は、発熱装置19が運転されず循環器7のみの運転になるが、循環経路6の周囲の気温が低い場合には、循環経路6の水が循環経路6の循環中に循環経路6で冷やされて、循環経路6を循環する水の温度が第5温度(例えば1℃)以下になる可能性がある。
この場合は、水温検出器20により検出した循環経路6の水の温度が第5温度(例えば1℃)以下になった時点で、発熱装置19が運転されて、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環するようになるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置19の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
実施の形態4の燃料電池システムの構成において、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
実施の形態4の燃料電池システムは、実施の形態1の燃料電池システムにおいて、循環電磁弁17と改質水電磁弁18を省略して、改質水電磁弁18を配置していた箇所(水供給経路8における分岐点16よりも下流側で熱交換部9よりも上流側の部分)に、水供給経路8に水(改質水)を流す時に制御器23によって、分岐点16から循環経路6の水を改質器1に供給するように動作する改質水供給器32を設け、循環器7を、循環経路6における凝縮水タンク4よりも下流で浄化器5よりも上流となる箇所に移動させたものである。
実施の形態4の燃料電池システムの制御器23の凍結防止の動作は、図3に示す動作であるが、図4に示す動作であっても、また、図5に示す動作であっても構わない。
改質水供給器32は、水供給経路8に水(改質水)を流す時に、改質器1における改質水と原料中の炭素とのモル比(S/C比)が例えば2.5〜3.5になるように、水供給経路8を流通する改質水の流量を調整する。
循環器7は、循環器7を流れる水の流量が、水供給経路8を流通する改質水の流量よりも、多くなるように運転される。
実施の形態4の燃料電池システムは、以上のように構成されているので、実施の形態1の燃料電池システムと同様に、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止する効果を有する。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、水供給経路8に水が流れている時は、水供給経路8に水が流れていない時よりも、水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点よりも下流側部分の循環経路6を流れる水の水量が、水供給経路8に流れる水の水量だけ減るが、水供給経路8は、分岐点16よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成しているので、水供給経路8に水が流れるようになった後も、水供給経路8に水が流れるようになる前と同様に、熱交換部9で循環経路6から水供給経路8に熱が伝わる。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
実施の形態5の燃料電池システムの構成において、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付している。
図7に示すように、実施の形態5に係る燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タンク4と浄化器5との間で水が循環するように凝縮水タンク4と浄化器5とを環状に連接した循環経路6と、循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5よりも下流かつ凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8と、を備える。また、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。
燃料電池モジュール3から排気される排ガスが流通する排ガス経路10は、経路の途中
に排ガス熱交換器33と気液分離器12とを備える。
排ガス熱交換器33は、燃料電池モジュール3から排気され排ガス経路10を流通する排ガスと、循環器7によって循環経路6を循環する水とを熱交換させて、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分を凝縮させる。
排ガス熱交換器33からの排ガスおよびその凝縮水は、気液分離器12において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分である排ガスは、燃料電池システムの構成部品を収容する筐体15の外部に排気され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16よりも下流側の循環経路6には、改質水供給器32を備える。また、循環経路6の分岐点16と浄化器5を迂回するバイパス経路34を備える。
バイパス経路34は、上流端が浄化器5よりも上流で熱交換部9よりも下流の循環経路6に接続し、下流端が分岐点16よりも下流で排ガス熱交換器33よりも上流の循環経路6に接続している。バイパス経路34の径は、S/C比など改質反応に必要な改質水の流量、および、浄化器5が処理に必要な流量を確保するように設定される。
本実施の形態では、熱交換部9において、水供給経路8は、分岐点16、浄化器5及びバイパス経路34よりも上流側で循環器7よりも下流側の循環経路6と熱交換するように構成している。
凝縮水タンク4は、電気ヒータ等で構成され凝縮水タンク4内に貯まっている水を加熱する発熱装置19と、凝縮水タンク4内に貯まっている水の温度を検出する水温検出器20と、凝縮水タンク4内に貯まっている水の水位を検出する水位検出器21と、凝縮水タンク4の水位が所定の高さを超えないように、所定の高さを超える水(凝縮水)を凝縮水タンク4から排出するオーバーフロー経路(図示せず)を備える。
さらに、筐体15内には、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環器7を制御する制御器23を備える。なお、気温検出器22は外気温を検出するものであっても構わない。
凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下になると、水位検出器21が減水を検出して、制御器23が、図示しない給水手段により、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水する。また、循環器7は、水位検出器21が下限水位より高い水位を検出している場合に、制御器23によって運転される。
図2に示すように、熱交換部9では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触している。また、熱交換部9の水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを一緒に覆う熱交換部断熱材26を備える。また、熱交換部9以外の水供給経路配管24は、必要に応じて水供給経路断熱材27で覆われ、熱交換部9以外の循環経路配管25は、必要に応じて循環経路断熱材28で覆われている。
本実施の形態では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25に、樹脂製の配管を用いているが、熱交換部9における水供給経路配管24と循環経路配管25には、樹脂よりも熱伝導率の高い材料で構成された配管(例えば、金属製配管)を用いることが望ましい。また、水供給経路配管24と循環経路配管25は、できるだけ広い面積で接触するようにすることが望ましい。
なお、本実施の形態では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを接触させることにより、熱交換部9を構成したが、これに限らず、熱交換部9を、水供給経路8を通流する水と循環経路6を通流する水との間で熱交換する熱交換器で構成しても構わない。
改質器1は、原料及び水(改質水)を用いて水素含有ガスを生成する反応器である。改質器1では、触媒の存在下で原料が水蒸気と改質反応して、水素含有ガスを生成する。改質器1は、その触媒の適温、例えば、600〜700℃に加熱される。また、改質器1には蒸発器(図示せず)が設けられており、ここで、水供給経路8を介して供給された水(改質水)から水蒸気を生成する。
また、原料は、原料供給器(図示せず)から原料供給経路29を介して改質器1に供給される。原料は、例えばメタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG等の少なくとも炭素および水素から構成される有機化合物を含むガスである。原料供給器は、原料ガスの流量を調整する機能を有する機器であり、例えば、昇圧器および/または流量調整弁、または、定容積型ポンプが例示される。
燃料電池2は、水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電する固体酸化物形燃料電池である。燃料電池2は、触媒の存在下で水素含有ガスが酸化剤ガスと電気化学反応して、電気および水を生成する。
燃料電池2は、セル(図示せず)、カソード流路(図示せず)およびアノード流路(図示せず)が設けられている。アノード流路には、改質器1で生成され水素含有ガス供給経路30を介して供給された水素含有ガスが流通する。カソード流路には、空気供給器(図示せず)から酸化剤ガス供給経路31を介して供給された空気が酸化剤ガスとして流通する。
この水素含有ガス及び酸化剤ガスがセルにおいて電気化学反応し、空気がセルを冷却する。そして、これらのガスは、セルから排出されて、燃焼器(図示せず)に供給される。この燃焼器により、セルおよび改質器1が加熱される。例えば、セルは、その触媒の適温である、500℃〜1000℃に加熱される。
排ガス経路10は、燃料電池2(燃料電池モジュール3)から排出された排ガスが流通する経路である。排ガス経路10は、その上流端が燃料電池2に接続され、気液分離器12で分岐した一方の下流端が筐体15の排出口(図示せず)に接続され、気液分離器12で分岐した他方の下流端が凝縮水タンク4に接続されている。
例えば、燃料電池2の燃焼器から排出されたガス(排ガス)が排ガス経路10を介して筐体15の外部へ排出される。排ガス経路10を流れる排ガスの温度は、例えば、200℃である。
循環経路6は、燃料電池2(燃料電池モジュール3)から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水が循環する経路である。循環経路6上には、凝縮水タンク4、循環器7、熱交換部9、浄化器5、排ガス熱交換器33、排熱回収熱交換器35が、この順で環状に接続されている。また、循環経路6には、バイパス経路34が、循環経路6の分岐点16と浄化器5を迂回するように接続されている。
そして、循環器7によって、凝縮水タンク4の凝縮水が、循環器7、熱交換部9、浄化器5、分岐点16、排ガス熱交換器33、排熱回収熱交換器35を順に通過して、凝縮水
タンク4に戻るよう循環させられる。なお、循環経路6を循環する一部の水は、浄化器5と分岐点16には流れずにバイパス経路34を流れる。
また、浄化器5で浄化された凝縮水は、分岐点16から水供給経路8を介して改質器1に供給される改質水としても機能する。
排ガス熱交換器33は、排ガス経路10及び循環経路6に設けられ、燃料電池2(燃料電池モジュール3)から排気される排ガスと、循環経路6を循環する水との間で熱交換する熱交換器である。排ガス熱交換器33として、周知の熱交換器を用いることができる。
例えば、700℃の高温の排ガスにより、排ガス熱交換器33に流入する循環経路6の40℃の低温の水が加熱されて、排ガス熱交換器33から流出する循環経路6の水は70℃に昇温される。一方、排ガス熱交換器33を通過する循環経路6の水により排ガスが冷却される。
この排ガスは、燃料電池2の発電により生成した水分を含んでいるため、排ガスに含まれている水蒸気が凝縮して、水(凝縮水)が生成する。なお、排ガス熱交換器33の数は1つに限らず、複数であってもよい。
排熱回収熱交換器35は、循環経路6及び排熱回収経路14に設けられ、排ガス熱交換器33から流出して排熱回収熱交換器35に流入する循環経路6の水と、循環器13によって排熱回収経路14を循環する貯湯槽の貯湯水との間で熱交換する熱交換器である。排熱回収熱交換器35として、周知の熱交換器を用いることができる。例えば、排熱回収熱交換器35に流入する循環経路6の70℃の高温の水により20℃の低温の貯湯水が加熱されて、40℃に貯湯水が昇温される。一方、貯湯水により排熱回収熱交換器35から流出する循環経路6の水は40℃に冷却される。
気液分離器12から凝縮水タンク4に向かって下方に延びる部分の排ガス経路10は、排ガス熱交換器33において排ガスが冷却されて生成した凝縮水が流通する経路であり、この経路を流通する凝縮水は、循環経路6を構成する凝縮水タンク4に流入して循環経路6を循環して、循環経路6を凍結しない温度に加熱する水として機能すると共に、水供給経路8に流れたものは、改質水として機能する。
凝縮水タンク4は、循環経路6に設けられ、排ガス熱交換器33において排ガスが循環経路6を循環する水により冷却されて生成した凝縮水を、循環経路6を凍結しない温度に加熱する水及び改質水として貯留するタンクである。凝縮水タンク4は、循環経路6の一部を構成し、排ガス経路10が接続している。
凝縮水タンク4の凝縮水の流出口は、循環経路6を循環して凝縮水タンク4に戻ってきた水の流入口および排ガス経路10の接続位置より下方の凝縮水タンク4に設けられている。この実施の形態では、凝縮水の流出口は、凝縮水タンク4の底に設けられている。なお、水の流入口および流出口の位置は特に限定されない。
オーバーフロー経路(図示せず)の上流端は、凝縮水タンク4の所定の高さに接続している。このオーバーフロー経路が接続する流出口は、凝縮水タンク4の所定の高さに設けられる。このため、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、所定の高さまで達すると、オーバーフロー経路への流出口からオーバーフロー経路へ流れる。
よって、凝縮水タンク4には、所定の高さ(所定の体積)以下の水(凝縮水)が貯留され、それを超える水(凝縮水)は凝縮水タンク4からオーバーフロー経路を介して排出さ
れる。
循環器7は、循環経路6に設けられ、凝縮水タンク4の水(凝縮水)を循環させるポンプである。循環器7には、高圧移送に適しているポンプ、例えば、プランジャーポンプなどが用いられる。この実施の形態では、循環器7は、凝縮水タンク4よりも下流かつ浄化器5、バイパス経路34及び熱交換部9よりも上流の循環経路6に設けられている。凝縮水タンク4から流出した水(凝縮水)は、循環器7により圧送されて、循環経路6を循環する。
浄化器5は、イオン交換樹脂フィルタで構成され、凝縮水からイオンを除去する(脱イオン化する)機器である。この除去するイオンとしては、主に改質器1および燃料電池2の触媒を被毒するイオンが挙げられる。浄化器5は、分岐点16よりも上流かつ循環器7及び熱交換部9よりも下流の循環経路6に設けられている。さらに、浄化器5は、凝縮水タンク4のオーバーフロー経路が接続する流出口よりも高い位置に配置されている。
排熱回収経路14の貯湯槽(図示せず)は、水(貯湯水)を貯えるタンクである。貯湯槽は、給水設備(例えば、水道)に接続しており、給水設備から貯湯槽へ水道水が貯湯水として供給される。
また、貯湯槽は、給湯設備(図示せず)に接続しており、貯湯槽から給湯設備に貯湯水が湯として供給される。また、貯湯槽は、循環経路6とは分離して(連通しないようにして)設けられ、貯湯槽の貯湯水と循環経路6の水(凝縮水)とは、それぞれ異なる水である。
水供給経路8は、循環経路6から分岐点16で分岐し、循環経路6の水(浄化器5で浄化された凝縮水)を改質水として改質器1へ流通する経路であり、分岐点16に近接する位置に改質水供給器32を備える。
改質水供給器32は、水供給経路8に設けられ、改質水の流量を調整して改質水を改質器1へ流通させるポンプである。改質水供給器32には、例えば、プランジャーポンプなど定容積型ポンプが用いられる。
改質水供給器32は、改質器1における改質水と原料中の炭素とのモル比(S/C比)が、例えば2.5〜3.5になるように、水供給経路8を流通する改質水の流量を調整する。この改質水の流量は、バイパス経路34よりも上流の熱交換部9の循環経路6を流通する水の流量の、例えば、5%と、熱交換部9の循環経路6を流通する水の流量に比べて微量である。
水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16は、熱交換部9、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ排ガス熱交換器33、排熱回収熱交換器35及び凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6に設けられている。また、水供給経路8の下流端は改質器1に接続している。
凝縮水タンク4に水(凝縮器)が貯まっている時に、制御器23によって循環器7と改質水供給器32が動作すると、凝縮水タンク4の水(凝縮器)が、浄化器5で浄化された後、分岐点16で水供給経路8に流入して、改質器1に改質水として供給される。
このとき、改質器1における改質水と原料中の炭素とのモル比(S/C比)が、例えば2.5〜3.5になるように、改質水供給器32は水供給経路8を流通する改質水の流量を調整する。
次に、上記構成の本実施の形態の燃料電池システムの動作について、図7を参照して説明する。
燃料電池システムにおいて、制御器23は、改質器1への給水を開始する前に、水位検出器21により凝縮水タンク4の水位を確認し、凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下であれば、制御器23が、図示しない給水手段により、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水する。そして、水位検出器21が下限水位より高い水位を検出すると、循環器7は、制御器23によって運転される。
循環器7の運転開始時には、改質水供給器32は停止しており、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により圧送されて、一部の水は浄化器5に流入する。この浄化器5を通流する際に凝縮水または水道水に含まれる金属イオン等の不純物が除去される。残りの水は、浄化器5よりも上流の循環経路6からバイパス経路34を通り、バイパス経路34から分岐点16よりも下流の循環経路6に戻り、排ガス熱交換器33に流入する。
循環器7の運転開始当初は、改質水供給器32は停止状態であるので、浄化器5で浄化された水もバイパス経路34を通った水と合流して、排ガス熱交換器33に流入する。排ガス熱交換器33に流入した水は、燃料電池2(燃料電池モジュール3)から排気される排ガスとの熱交換で加熱された後、排熱回収熱交換器35で貯湯水との熱交換で冷却されて、循環経路6により凝縮水タンク4に戻される。これを繰り返すことにより、凝縮水タンク4に貯留された水を順次浄化する。
もし、循環器7の運転により凝縮水タンク4の水(凝縮水)が循環経路6を循環する前の循環経路配管25の温度が、凝縮水タンク4の水(凝縮水)の水温よりも低い場合は、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。
そして、改質器1で水素含有ガスの生成を開始するために、改質器1への給水を開始する時に、制御器23は、改質水供給器32を動作させる。改質水供給器32の動作によって、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により圧送され、浄化器5で凝縮水タンク4の水(凝縮水)に含まれる金属イオン等の不純物が除去されて、分岐点16から水供給経路8を通流して改質器1に供給される。
改質水供給器32は、改質器1における改質水と原料中の炭素とのモル比(S/C比)が、例えば2.5〜3.5になるように、水供給経路8を流通する改質水の流量を調整する。
改質器1では、水供給経路8を介して供給された水(改質水)から水蒸気を生成する。そして、原料供給器(図示せず)から原料供給経路29を介して改質器1に供給される原料(例えば、メタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG等の炭化水素を含むガス)が、触媒の存在下で、水蒸気と改質反応して、水素含有ガスを生成する。また、改質器1は、その触媒の適温、例えば、600〜700℃に加熱される。
燃料電池2のアノード流路には、改質器1で生成されて水素含有ガス供給経路30を介して供給された水素含有ガスが流通し、燃料電池2のカソード流路には、空気供給器(図示せず)から酸化剤ガス供給経路31を介して供給された空気が酸化剤ガスとして流通する。
この水素含有ガス及び酸化剤ガスが、燃料電池2のセルにおいて電気化学反応し、空気がセルを冷却する。そして、これらのガスは、セルから排出されて、燃焼器(図示せず)に供給される。この燃焼器により、セルおよび改質器1が加熱される。例えば、セルは、その触媒の適温、500℃〜1000℃に加熱される。
燃料電池2が発電すると、発電により生成した水分を含む排ガスが排ガス経路10を介して排出される。排ガス熱交換器33において、排ガス経路10の排ガスが、バイパス経路34を通った循環経路6の水により冷却されて、排ガス中の水分が凝縮して、凝縮水が生成する。
排ガス熱交換器33からの排ガスおよびその凝縮水は、気液分離器12において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分である排ガスは、燃料電池システムの構成部品を収容する筐体15の外部に排気され、凝縮水は凝縮水タンク4に流入して凝縮水タンク4に貯留される。
バイパス経路34を通った循環経路6の水は、排ガス熱交換器33において、例えば、700℃の高温の排ガスとの熱交換により、循環経路6の約40℃の低温の水が約70℃に加熱され、その後、排熱回収熱交換器35において、約20℃の貯湯水との熱交換により、約40℃に冷却されて、凝縮水タンク4に戻る。
このように、凝縮水タンク4には、排ガス熱交換器33において生成した凝縮水と、バイパス経路34を通り、排ガス熱交換器33と排熱回収熱交換器35とを経由した循環経路6の水が、流入する。凝縮水が貯留されて、凝縮水タンク4の水位が凝縮水タンク4の所定の高さに達すると、オーバーフロー経路(図示せず)から排出される。
貯湯槽に蓄えられた貯湯水は、必要に応じて給湯設備に供給される。これにより、貯湯槽の貯湯水が減少すると、給水設備から水(水道水)が貯湯槽に供給される。
次に、本実施の形態の燃料電池システムの凍結予防動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャートである。
制御器23は、燃料電池システム(循環器7)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により筐体15内または外気の気温を測定(検出)する(STEP11)。気温検出器22が検出した気温が予め設定される第1温度(例えば4℃)よりも高い場合には、STEP12をNO側に分岐して、循環器7の停止状態を維持し、発熱装置19を動作させない(STEP13)。
STEP11で気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第1温度(例えば4℃)以下の場合は、STEP12をYES側に分岐して、次のSTEP14で、水温検出器20により凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温を測定(検出)する。
水温検出器20が検出した水温が予め設定される第3温度(例えば1℃)よりも高い場合は、STEP15をNO側に分岐して、制御器23により循環器7は運転されるが、発熱装置19を動作させない(STEP16)。
このとき、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。これにより、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
STEP14で水温検出器20が検出した水温が、予め設定される第3温度(例えば1℃)以下の場合には、STEP15をYES側に分岐して、制御器23により、循環器7の運転に加えて、発熱装置19を運転させる(STEP17)。
このとき、循環器7に加えて発熱装置19が運転されることにより、発熱装置19で加熱された水が循環経路6を循環して、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。
これにより、気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第1温度(例えば4℃)以下で、且つ、水温検出器20が検出した凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温が、予め設定される第3温度(例えば1℃)以下の場合でも、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
実施の形態5の燃料電池システムの制御器23の凍結防止の動作を、図4に示す動作にしたが、図3に示す動作であっても、また、図5に示す動作であっても構わない。
以上説明したように、本実施の形態の燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タンク4と浄化器5との間で水が循環するように凝縮水タンク4と浄化器5とを環状に連接した循環経路6と、循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5よりも下流かつ凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8と、を備える。また、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。また、循環経路6には、バイパス経路34が、循環経路6の分岐点16と浄化器5を迂回するように接続されている。
上記構成において、凝縮水タンク4に、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水が貯まっている状態において、循環器7を動作させて、凝縮水タンク4の水の一部を浄化器5に供給し、浄化器5で一部が浄化された水を凝縮水タンク4に戻すように循環経路6で水を循環させることにより、循環経路6を循環する水は浄化されていく。
このとき、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体が温められるので、循環経路6を構成する配管同士を互いに熱交換可能に配置しなくても、循環経路6全体の凍結を防止することができる。
また、改質器1に水を供給する水供給経路8については、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
なお、水供給経路8は、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6から分岐しているので、浄化器5で浄化された凝縮水タンク4の水を改質器1に供給することができる。
また、水供給経路8への通流は、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体を温めて、熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって水供給経路8を温めてから行うので、そのようにしない場合よりも、水供給経路8の凍結を防止する効果が
高い。
したがって、改質器1に水を供給する水供給経路8と、循環器7の動作時に凝縮水タンク4の水が、浄化器5で浄化されて凝縮水タンク4に戻るように水が循環する循環経路6とが、熱交換する熱交換部9を設けたことにより、凝縮水タンク4と浄化器5とを環状に連接した循環経路6の凍結と改質器1に水を供給する水供給経路8の凍結とを防止でき、凍結を防止するのに、筐体15内の配管設計の制限を従来よりも少なくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池モジュール3、凝縮水タンク4、浄化器5及び循環器7をその内部に収容する筐体15と、凝縮水タンク4内の水(凝縮水)の水温を検出する水温検出器20と、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環経路6の凝縮水タンク4の水を加熱する発熱装置19と、循環器7を制御する制御器23と、を備え、制御器23が、循環器7の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した気温が第1温度(例えば4℃)以下になった場合には、循環器7を運転するよう制御し、水供給経路8を水が通流していない時に、水温検出器20により検出した水温が第3温度(例えば1℃)以下になった場合に、発熱装置19を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)以下になった場合は、循環器7が運転されて、循環経路6を循環する水からの伝熱によって、循環経路6全体が温められるので、循環経路6全体の凍結を防止することができる。そして、改質器1に水を供給する水供給経路8は、熱交換部9において循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
また循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)よりも高い場合(循環経路6及び水供給経路8が凍結しない温度である場合)は、循環器7が運転されないので、循環経路6が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器7を運転させることができ、無駄に循環器7を動作させず省エネに寄与できる。
また、水供給経路8を水が通流していない時に、水温検出器20により検出した水温が第3温度(例えば1℃)以下になった場合には、循環器7に加えて発熱装置19が運転されて、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して、循環器7のみ運転している場合よりも循環経路6全体が温められるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置19の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器7を運転せずに発熱装置19のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止しようとすれば、循環経路6及び水供給経路8の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転することはなく、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して循環経路6を温めると共に、熱交換部9では循環経路6から伝わる熱で水供給経路8が温められるので、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止のために循環器7を運転する条件を満た
していても、水温検出器20により検出した水温が、第3温度(例えば1℃)よりも高い場合は、発熱装置19が運転されないので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要がある場合のみ発熱装置19を運転させることができ、無駄に発熱装置19を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置19を運転させる基準となる第3温度(例えば1℃)を、循環器7を運転させる基準となる第1温度(例えば4℃)以下にしたので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するために、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また第1温度と第3温度とに温度差を設けたので、循環器7のみの運転で循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器7のみを運転し、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器7に加えて発熱装置19を運転するようにして、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、循環器7と発熱装置19が同時に動作する場合よりも、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また循環器7の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)以下になったが、水温検出器20により検出した循環経路6の凝縮水タンク4の水の水温が、第3温度(例えば1℃)よりも高い場合は、発熱装置19が運転されず循環器7のみの運転になるが、循環経路6の周囲の気温が低い場合には、循環経路6の水が循環経路6の循環中に循環経路6で冷やされて、循環経路6を循環する水の温度が第3温度(例えば1℃)以下になる可能性がある。
この場合は、水温検出器20により検出した循環経路6の水の温度が第3温度(例えば1℃)以下になった時点で、発熱装置19が運転されて、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環するようになるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置19の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触するように配置されているので、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを、直接的熱伝導によって、熱交換させることができ、結束バンド等の結束部品を用いて水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持させることが可能であるので、水供給経路8と循環経路6とを熱交換させるための構成が簡単で、燃料電池システムのコスト低減に寄与できる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9の水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを一緒に覆う熱交換部断熱材26を備えるものであり、熱交換部断熱材26によって、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持したままで、水供給経路8と循環経路6の熱が外気に放熱されることと、水供給経路8と循環経路6が外気によって冷えるのを抑制でき、低コストで、より確実に水供給経路8の凍結を防止することができる。
また、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態で、水供給経路配管24と循環経路配管25とを一緒に熱交換部断熱材26で覆うことにより、結束バンド等の結束部品による結束を省略したり結束バンド等の結束部品に
よる結束を一時的な仮結束にした場合であっても、熱交換部断熱材26によって水供給経路配管24と循環経路配管25とが接触する状態を維持することができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、水供給経路8に水が流れている時は、水供給経路8に水が流れていない時よりも、バイパス経路34の下流端36よりも下流側部分の循環経路6を流れる水の水量が、水供給経路8に流れる水の水量だけ減る。
そのため、水供給経路8が、バイパス経路34の下流端36よりも下流側部分の循環経路6と熱交換するように構成した場合は、水供給経路8に水が流れている時は、水供給経路8に水が流れていない時よりも、熱交換部9で循環経路6の配管から水供給経路8の配管に伝わる熱量が減ってしまう。
しかし、本実施の形態の燃料電池システムは、水供給経路8が、バイパス経路34の上流端37よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成しているので、水供給経路8に水が流れている時と、水供給経路8に水が流れていない時とで、熱交換部9で循環経路6から水供給経路8に伝わる熱量は変わらない。
従って、水供給経路8の凍結防止のためには、水供給経路8は、バイパス経路34の上流端37よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成することが望ましい。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、浄化器5及び分岐点16を迂回するバイパス経路34を設けたので、浄化器5より上流においてバイパス経路34を流通する水と、循環経路6を介して浄化器5に流入する水とに分かれる。よって、浄化器5で処理される水の流量を減少させ、処理負荷を低減させることができる。
なお、浄化器5を流通しない水(バイパス経路34を流通する水)が、水供給経路8に流れないように、水供給経路8に水が流れている時に閉鎖状態になり水供給経路8に水が流れていない時に開放状態になる開閉弁を、分岐点16とバイパス経路34の下流端36との間の循環経路6に設けても構わない。
また、水供給経路8に水を流さない(改質器1に改質水を供給しない)が循環経路6で水を循環させる時に、循環経路6を循環する水を浄化器5で浄化させる必要がなければ、水供給経路8に水を流さない(改質器1に改質水を供給しない)が循環経路6で水を循環させる時に閉鎖状態になり水供給経路8に水が流れている時に開放状態になる開閉弁を、バイパス経路34の上流端37と浄化器5との間の循環経路6に設けると、浄化器5で処理される水の量を減少させ、浄化器5の処理負荷を低減させることができる。
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
図8に示すように、実施の形態6に係る燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タンク4と浄化器5との間で水が循環するように凝縮水タンク4と浄化器5とを環状に連接した循環経路6と、循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5よりも下流かつ凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8と、を備える。また、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。
改質器1は、メタンやプロパン等の炭化水素系の原料と水(水蒸気)とを、可燃性ガスを燃焼する燃焼器38の燃焼排ガスの熱で600℃〜700℃程度の温度に加熱された改質触媒によって、水蒸気改質反応させて、燃料ガス(水素含有ガス)を生成する。
燃料電池2は、改質器1で生成されてアノード極に供給された燃料ガス(水素含有ガス)及びカソード極に供給された酸化剤ガス(空気)を電気化学的に反応(発熱反応)させて、発電および発熱する固体高分子形の燃料電池2である。
本実施の形態では、改質器1で生成される水素含有ガスが、そのまま燃料電池2に供給されるよう構成されているが、改質器1の下流に、改質器1で生成された水素含有ガスに含まれる一酸化炭素をシフト反応により低減する変成器や酸化反応により低減するCO除去器を備える形態を採用しても構わない。
固体高分子形の燃料電池2は、燃料電池2の発電中の運転温度が、その反応に適した温度(例えば、70℃〜80℃程度)に維持されるよう、燃料電池2の内部を冷却水経路39の冷却水が循環する。
貯湯槽(図示せず)からの湯水は、循環器13により、排熱回収経路14を循環し、燃焼排ガス熱交換器40と、アノードオフガス熱交換器41と、カソードオフガス熱交換器42と、冷却水熱交換器43とにおいて、燃料電池モジュール3の排熱を回収して、貯湯槽(図示せず)に戻る。
冷却水経路39の冷却水は、自給能力を持たない遠心式ポンプで構成された循環器44により、燃料電池2の冷却部、冷却水熱交換器43、浄化器5で浄化された循環経路6の水を冷却水経路39の冷却水として貯留する冷却水タンク45、循環器44の順に冷却水経路39を流れる。冷却水タンク45は、冷却水経路39に溜まっていた空気が冷却水タンク45の上部に抜けるように冷却水経路39の再高部に設置している。
本実施の形態では、冷却水タンク45の流出口と燃料電池2の流入口との間の冷却水経路39に循環器44を配置したが、燃料電池2の流出口と冷却水タンク45の流入口との間の冷却水経路39に循環器44を配置しても良く、その場合は、循環器44に溜まった空気が冷却水タンク45に抜けるように、循環器44の流出口を上向きにするのが好ましい。
燃焼器38から排気された燃焼排ガスは、燃焼排ガス熱交換器40で、燃焼排ガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水との間で熱交換する。燃焼排ガスに含まれる水分は、燃焼排ガス熱交換器40で凝縮される。燃焼排ガス熱交換器40からの燃焼排ガスおよびその凝縮水は、気液分離器46において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分である燃焼排ガスは筐体15の外部に排気され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
燃料電池2のアノード極に供給された燃料ガス(水素含有ガス)の内で、発電に使用されずにアノード極から排出されるアノードオフガス(水素含有ガス)は、アノードオフガス熱交換器41で、アノードオフガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水との間で熱交換する。アノードオフガスに含まれる水分は、アノードオフガス熱交換器41で凝縮される。
アノードオフガス熱交換器41からのアノードオフガスおよびその凝縮水は、気液分離器47において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分であるアノードオフガスは燃焼器38で燃焼され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
燃料電池2のカソード極から排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス熱交換器42で、カソードオフガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水との間で熱交換し、カソードオフガスに含まれる水分は、カソードオフガス熱交換器42で凝縮される。
カソードオフガス熱交換器42からのカソードオフガスおよびその凝縮水は、凝縮水タンク4に送られ、ガス成分であるカソードオフガスは凝縮水タンク4から排出され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
循環電磁弁17が開状態で改質水電磁弁18が閉状態の時に、凝縮水タンク4に貯留された凝縮水と、給水部(図示せず)によって凝縮水タンク4または冷却水タンク45に給水された市水(水道水)は、循環器7によって浄化器5を通流し、冷却水タンク45に汲み上げられる。
このとき、浄化器5を通流する際に金属イオン等の不純物を浄化し燃料電池2の冷却部を循環させるのに好適な水質へと浄化する。冷却水タンク45は凝縮水タンク4及び燃料電池2よりも高い位置に配置されており、冷却水タンク45の上限水位を超えた水は凝縮水タンク4に戻される。これを繰り返すことにより、凝縮水タンク4に貯留された水(冷却水タンク45に市水を給水する場合は、冷却水タンク45と凝縮水タンク4に貯留された水)を順次浄化する。
改質器1で燃料ガス(水素含有ガス)を生成する時には、改質水電磁弁18が開状態になっており、浄化器5で浄化された循環経路6の水は、改質水電磁弁18を備えた水供給経路8から改質器1に供給される。
改質器1では、メタンやプロパン等の炭化水素系の原料と水(水蒸気)とを、可燃性ガスを燃焼する燃焼器38の燃焼排ガスの熱で600℃〜700℃程度の温度に加熱された改質触媒によって、水蒸気改質反応させて、燃料ガス(水素含有ガス)を生成する。
また、このとき冷却水経路39の循環器44を動作させることにより、冷却水タンク45の内部を撹拌しながら、浄化を行うことで浄化済の水と未浄化の水が特定の場所、例えば冷却水タンク45の底部に偏ることを防止する。
水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16よりも下流側で冷却水タンク45よりも上流側の循環経路6には、循環電磁弁17を備え、水供給経路8における分岐点16よりも下流側で熱交換部9よりも上流側の部分には、改質水電磁弁18を備える。
循環電磁弁17は、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給する時に閉じ、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給せずに循環経路6で水を循環させる時に開く電磁弁である。
また、改質水電磁弁18は、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給する時に開き、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給せずに循環経路6で水を循環させる時に閉じる電磁弁である。
本実施の形態では、熱交換部9において、水供給経路8は、分岐点16及び循環器7よりも上流側で浄化器5よりも下流側の循環経路6と熱交換するように構成しているが、分岐点16よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成していれば良い。
凝縮水タンク4は、凝縮水タンク4内に貯まっている水の温度を検出する水温検出器2
0と、凝縮水タンク4内に貯まっている水の水位を検出する水位検出器21と、凝縮水タンク4の水位が所定の高さを超えないように、所定の高さを超える水(凝縮水)を凝縮水タンク4から排出するオーバーフロー経路(図示せず)を備える。
冷却水タンク45は、電気ヒータ等で構成され冷却水タンク45内に貯まっている水を加熱する発熱装置48と、冷却水タンク45内に貯まっている水の水位を検出する水位検出器49を備える。冷却水タンク45において所定の高さを超える水(冷却水)は、冷却水タンク45のオーバーフロー経路として機能する循環経路6を介して凝縮水タンク4に排出される。
さらに、筐体15内には、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環器7を制御する制御器23を備える。なお、気温検出器22は外気温を検出するものであっても構わない。
凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下になると、水位検出器21が減水を検出して、制御器23が、図示しない給水手段により、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水する。また、循環器7は、水位検出器21が下限水位より高い水位を検出している場合に、制御器23によって運転される。
図2に示すように、熱交換部9では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触している。また、熱交換部9の水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを一緒に覆う熱交換部断熱材26を備える。また、熱交換部9以外の水供給経路配管24は、必要に応じて水供給経路断熱材27で覆われ、熱交換部9以外の循環経路配管25は、必要に応じて循環経路断熱材28で覆われている。
本実施の形態では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25に、樹脂製の配管を用いているが、熱交換部9における水供給経路配管24と循環経路配管25には、樹脂よりも熱伝導率の高い材料で構成された配管(例えば、金属製配管)を用いることが望ましい。また、水供給経路配管24と循環経路配管25は、できるだけ広い面積で接触するようにすることが望ましい。
なお、本実施の形態では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを接触させることにより、熱交換部9を構成したが、これに限らず、熱交換部9を、水供給経路8を通流する水と循環経路6を通流する水との間で熱交換する熱交換器で構成しても構わない。
改質器1は、原料及び水(改質水)を用いて水素含有ガスを生成する反応器である。改質器1では、触媒の存在下で原料が水蒸気と改質反応して、水素含有ガスを生成する。改質器1は、その触媒の適温、例えば、600〜700℃に加熱される。また、改質器1には蒸発器(図示せず)が設けられており、ここで、水供給経路8を介して供給された水(改質水)から水蒸気を生成する。
また、原料は、原料供給器(図示せず)から原料供給経路29を介して改質器1に供給される。原料は、例えば、メタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG等の少なくとも炭素および水素から構成される有機化合物を含むガスである。原料供給器は、原料ガスの流量を調整する機能を有する機器であり、例えば、昇圧器および/または流量調整弁または定容積型ポンプが例示される。
燃料電池2は、水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電する固体高分子形の燃料電池
である。燃料電池2は、触媒の存在下で水素含有ガスが酸化剤ガスと電気化学反応して、電気および水を生成する。
燃料電池2は、セル(図示せず)、カソード流路(図示せず)およびアノード流路(図示せず)が設けられている。アノード流路には、改質器1で生成され水素含有ガス供給経路30を介して供給された水素含有ガスが流通する。カソード流路には、空気供給器(図示せず)から酸化剤ガス供給経路31を介して供給された空気が酸化剤ガスとして流通する。
燃料電池2のアノード極に供給された燃料ガス(水素含有ガス)の内で、発電に使用されずにアノード極から排出されるアノードオフガス(水素含有ガス)は、燃焼器38で燃焼され、燃焼器38の燃焼排ガスの熱で改質器1の改質触媒は600℃〜700℃程度の温度に加熱される。
循環経路6は、燃料電池モジュール3から排気される排ガス(燃焼器38から排出される燃焼排ガス、燃料電池2のアノード極から排出されるアノードオフガス、燃料電池2のカソード極から排出されるカソードオフガス)中の水分が凝縮した凝縮水が循環する経路である。
循環経路6上には、凝縮水タンク4、浄化器5、熱交換部9、循環器7、循環電磁弁17、冷却水タンク45が、この順で環状に接続されていて、循環器7によって、凝縮水タンク4の凝縮水が、浄化器5、熱交換部9、循環器7、分岐点16、循環電磁弁17、冷却水タンク45を順に通過して、凝縮水タンク4に戻るよう循環させられる。
また、浄化器5で浄化された凝縮水は、分岐点から改質水電磁弁18を備えた水供給経路8を介して改質器1に供給される改質水としても機能する。
燃焼排ガス熱交換器40は、燃焼排ガス経路50及び排熱回収経路14に設けられ、燃料電池モジュール3の燃焼器38から排気される燃焼排ガスと、排熱回収経路14を循環する貯湯槽の貯湯水との間で熱交換する熱交換器である。燃焼排ガス熱交換器40には、周知の熱交換器を用いることができる。高温の燃焼排ガスにより低温の貯湯水が加熱されて、貯湯水が昇温される。一方、貯湯水により燃焼排ガスが冷却される。
アノードオフガス熱交換器41は、アノード出口配管51及び排熱回収経路14に設けられ、燃料電池2のアノード極から排気されるアノードオフガスと、排熱回収経路14を循環する貯湯槽の貯湯水との間で熱交換する熱交換器である。アノードオフガス熱交換器41として、周知の熱交換器を用いることができる。高温のアノードオフガスにより貯湯水が加熱され、貯湯水によりアノードオフガスが冷却される。
カソードオフガス熱交換器42は、カソード出口配管52及び排熱回収経路14に設けられ、燃料電池2のカソード極から排気されるカソードオフガスと、排熱回収経路14を循環する貯湯槽の貯湯水との間で熱交換する熱交換器である。カソードオフガス熱交換器42として、周知の熱交換器を用いることができる。高温のカソードオフガスにより貯湯水が加熱され、貯湯水によりカソードオフガスが冷却される。
燃料電池モジュール3の排ガス(燃焼器38から排出される燃焼排ガス、燃料電池2のアノード極から排出されるアノードオフガス、燃料電池2のカソード極から排出されるカソードオフガス)は、水分を含んでいるため、貯湯水との熱交換で、排ガスに含まれている水蒸気が凝縮して、水(凝縮水)が生成する。
そして、この凝縮水は、循環経路6を構成する凝縮水タンク4に流入して循環経路6を循環して、循環経路6を凍結しない温度に加熱する水として機能すると共に、水供給経路8に流れたものは、改質水として機能する。
凝縮水タンク4は、循環経路6に設けられて、燃料電池モジュール3の排ガス(燃焼排ガス、アノードオフガス、カソードオフガス)が貯湯水により冷却されて生成した凝縮水を、循環経路6を凍結しない温度に加熱する水及び改質水として貯留するタンクである。凝縮水タンク4は、循環経路6の一部を構成し、燃焼排ガス経路50とアノード出口配管51とカソード出口配管52が接続している。
凝縮水タンク4の凝縮水の流出口は、循環経路6を循環して凝縮水タンク4に戻ってきた水の流入口および燃焼排ガス経路50とアノード出口配管51とカソード出口配管52の接続位置より下方の凝縮水タンク4に設けられている。この実施の形態では、凝縮水の流出口は、凝縮水タンク4の底に設けられている。なお、水の流入口および流出口の位置は特に限定されない。
凝縮水タンク4のオーバーフロー経路(図示せず)の上流端は、凝縮水タンク4の所定の高さに接続している。このオーバーフロー経路が接続する流出口は、凝縮水タンク4の所定の高さに設けられる。このため、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、所定の高さまで達すると、オーバーフロー経路への流出口からオーバーフロー経路へ流れる。
よって、凝縮水タンク4には、所定の高さ(所定の体積)以下の水(凝縮水)が貯留され、それを超える水(凝縮水)は凝縮水タンク4からオーバーフロー経路を介して排出される。
循環器7は、循環経路6に設けられ、凝縮水タンク4の水(凝縮水)を循環させるポンプである。この実施の形態では、循環器7は、凝縮水タンク4及び浄化器5よりも下流かつ分岐点16よりも上流の循環経路6に設けられている。凝縮水タンク4から流出した水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられて、循環経路6を循環する。
浄化器5は、イオン交換樹脂フィルタで構成され、凝縮水からイオンを除去する(脱イオン化する)機器である。この除去するイオンとしては、主に改質器1および燃料電池2の触媒を被毒するイオンが挙げられる。浄化器5は、分岐点16よりも上流かつ凝縮水タンク4よりも下流の循環経路6に設けられている。さらに、浄化器5は、凝縮水タンク4のオーバーフロー経路が接続する流出口よりも高い位置に配置されている。
冷却水タンク45は、循環経路6に設けられて、浄化器5で浄化された循環経路6の水を燃料電池2の冷却水として貯留する。冷却水タンク45の冷却水は、循環器44によって、冷却水タンク45から、循環器44、燃料電池2、冷却水熱交換器43の順に流れた後で、冷却水タンク45に戻るように、冷却水経路39を循環し、燃料電池2の温度を、発電の反応に適した温度(例えば、70℃〜80℃程度)に維持する。
燃料電池2から流出する冷却水の温度が、例えば70℃になるように、循環器44の能力が制御器23によって制御される
冷却水タンク45から出た冷却水は、燃料電池2を通流して、その間に燃料電池2から排熱を回収して昇温し、その昇温した冷却水が冷却水熱交換器43で貯湯水に排熱を伝達して冷却されて冷却水タンク45に戻る。燃料電池2の発電中は、冷却水タンク45内の水(冷却水)の温度は、50℃〜60℃になる。
排熱を伝達された貯湯水は昇温して貯湯槽に貯えられる。その結果、燃料電池2は冷却
水で冷却され、燃料電池2から回収された排熱が貯湯槽に高温の貯湯水として蓄えられ、給湯等によりユーザに利用される。
冷却水タンク45の発熱装置48は、発電前に燃料電池2を、発電に適した温度に温める時と、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な場合に、通電されて発熱し、冷却水タンク45の冷却水を加熱する。
水位検出器49は、冷却水タンク45の水位が下限水位以下に低下している状態と、冷却水タンク45の上限水位を超えた水が凝縮水タンク4に排出されている状態とを、検知可能なように設置されている。なお、冷却水タンク45の下限水位は、冷却水タンク45の発熱装置48の設置高さよりも高い位置に設定される。
排熱回収経路14の貯湯槽(図示せず)は、水(貯湯水)を貯えるタンクである。貯湯槽は、給水設備(例えば、水道)に接続しており、給水設備から貯湯槽へ水道水が貯湯水として供給される。
また、貯湯槽は、給湯設備(図示せず)に接続しており、貯湯槽から給湯設備に貯湯水が湯として供給される。また、貯湯槽は、循環経路6とは分離して(連通しないようにして)設けられ、貯湯槽の貯湯水と循環経路6の水(凝縮水)とは、それぞれ異なる水である。
水供給経路8は、循環経路6から分岐点16で分岐し、循環経路6の水(浄化器5で浄化された凝縮水)を改質水として改質器1へ流通する経路であり、分岐点16に近接する位置に改質水電磁弁18を備える。改質水電磁弁18は、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給する時に開き、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給せずに循環経路6で水を循環させる時に閉じるように制御器23によって開閉制御される電磁弁である。
分岐点16は、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ循環電磁弁17、冷却水タンク45及び凝縮水タンク4よりも上流の循環経路6に設けられている。また、水供給経路8の下流端は改質器1に接続している。循環電磁弁17は、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給する時に閉じ、水供給経路8を用いて改質器1に水を供給せずに循環経路6で水を循環させる時に開くように制御器23によって開閉制御される電磁弁である。
よって循環電磁弁17が閉鎖状態で、且つ、改質水電磁弁18が開放状態で、凝縮水タンク4に水(凝縮器)が貯まっている時に、制御器23によって循環器7が動作すると、凝縮水タンク4の水(凝縮器)が、浄化器5で浄化された後、分岐点16で水供給経路8に流入して、改質器1に改質水として供給される。
このとき、改質器1における改質水と原料中の炭素とのモル比(S/C比)が、例えば2.5〜3.5になるように、循環器7は水供給経路8を流通する改質水の流量を調整する。
次に、上記構成の本実施の形態の燃料電池システムの動作について、図8を参照して説明する。
燃料電池システムにおいて、制御器23は、改質器1への給水を開始する前に、水位検出器21により凝縮水タンク4の水位を確認し、凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下であれば、制御器23が、図示しない給水手段により、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水する。そして、水位検出器21が下限水位より高い水位を検出すると、循環器7は、制御器23によって運転される。
循環器7の運転開始時には、循環電磁弁17が開放状態で、且つ改質水電磁弁18が閉鎖状態であるので、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられて、浄化器5に流入する。この浄化器5を通流する際に凝縮水または水道水に含まれる金属イオン等の不純物が除去される。
そして、浄化器5を通過した水は、分岐点16から開放状態の循環電磁弁17を通って冷却水タンク45に貯められ、冷却水タンク45において所定の高さを超える水が、冷却水タンク45のオーバーフロー経路として機能する循環経路6を介して凝縮水タンク4に排出される。
循環器7によって、凝縮水タンク4の凝縮水が、浄化器5、熱交換部9、循環器7、分岐点16、循環電磁弁17、冷却水タンク45を順に通過して、凝縮水タンク4に戻される。これを繰り返すことにより、凝縮水タンク4に貯留された水を順次浄化する。
もし、循環器7の運転により凝縮水タンク4の水(凝縮水)が循環経路6を循環する前の循環経路配管25の温度が、凝縮水タンク4の水(凝縮水)の水温よりも低い場合は、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。
そして、制御器23が、冷却水タンク45の水位検出器49によって、凝縮水タンク4の水(凝縮水)が循環経路6を循環している状態を検出した後において、改質器1で水素含有ガスの生成を開始するために、改質器1への給水を開始する時に、制御器23は、循環電磁弁17を閉鎖すると共に、改質水電磁弁18を開放する。
この場合、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられ、浄化器5で凝縮水タンク4の水(凝縮水)に含まれる金属イオン等の不純物が除去されて、分岐点16から水供給経路8を通流して改質器1に供給される。
改質器1では、燃焼器38の燃焼排ガスの熱を利用して水供給経路8を介して供給された水(改質水)から水蒸気を生成する。そして、原料供給器(図示せず)から原料供給経路29を介して改質器1に供給される原料(例えば、メタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG等の炭化水素を含むガス)が、触媒の存在下で、水蒸気と改質反応して、水素含有ガスを生成する。また、改質器1は、燃焼器38の燃焼排ガスの熱によって、その触媒の適温、例えば、600〜700℃に加熱される。
燃焼器38から排気された燃焼排ガスは、燃焼排ガス熱交換器40で、燃焼排ガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水(貯湯水)との間で熱交換する。燃焼排ガスに含まれる水分は、燃焼排ガス熱交換器40で凝縮される。
燃焼排ガス熱交換器40からの燃焼排ガスおよびその凝縮水は、気液分離器46において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分である燃焼排ガスは筐体15の外部に排気され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
燃料電池2のアノード流路には、改質器1で生成されて水素含有ガス供給経路30を介して供給された水素含有ガスが流通し、燃料電池2のカソード流路には、空気供給器(図示せず)から酸化剤ガス供給経路31を介して供給された空気が酸化剤ガスとして流通する。この水素含有ガス及び酸化剤ガスが、燃料電池2のセルにおいて電気化学反応する。
燃料電池2のアノード極に供給された燃料ガス(水素含有ガス)の内で、発電に使用されずにアノード極から排出されるアノードオフガス(水素含有ガス)は、アノードオフガス熱交換器41で、アノードオフガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水との間で熱交換する。アノードオフガスに含まれる水分は、アノードオフガス熱交換器41で凝縮される。
アノードオフガス熱交換器41からのアノードオフガスおよびその凝縮水は、気液分離器47において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分であるアノードオフガスは燃焼器38で燃焼され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
燃料電池2のカソード極から排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス熱交換器42で、カソードオフガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水との間で熱交換し、カソードオフガスに含まれる水分は、カソードオフガス熱交換器42で凝縮される。
カソードオフガス熱交換器42からのカソードオフガスおよびその凝縮水は、凝縮水タンク4に送られ、ガス成分であるカソードオフガスは凝縮水タンク4から排出され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
一方、貯湯槽(図示せず)からの貯湯水は、循環器13により、排熱回収経路14を循環し、燃焼排ガス熱交換器40と、アノードオフガス熱交換器41と、カソードオフガス熱交換器42と、冷却水熱交換器43とにおいて、燃料電池モジュール3の排熱を回収して70℃程度の温度になって、貯湯槽(図示せず)に戻る。
このように、凝縮水タンク4には、燃焼排ガス熱交換器40と、アノードオフガス熱交換器41と、カソードオフガス熱交換器42において生成した凝縮水が流入する。凝縮水が貯留されて、その水位が凝縮水タンク4の所定の高さに達すると、オーバーフロー経路(図示せず)から排出される。
また、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられて、浄化器5に流入する。この浄化器5で凝縮水タンク4の水(凝縮水)のイオンが除去されて、分岐点16から水供給経路8を通流して改質器1に供給される。この改質器1に供給される水(改質水)の流量は、循環器7によりS/C比に応じて調整される。
貯湯槽に蓄えられた貯湯水は、必要に応じて給湯設備に供給される。これにより、貯湯槽の貯湯水が減少すると、給水設備から水(水道水)が貯湯槽に供給される。
冷却水タンク45の冷却水は、循環器44によって、冷却水経路39を循環し、燃料電池2の温度を、発電の反応に適した温度(例えば、70℃〜80℃程度)に維持する。
次に、本実施の形態の燃料電池システムの凍結予防動作を、図3のフローチャートを用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャートである。
制御器23は、燃料電池システム(循環器7)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により筐体15内または外気の気温を測定(検出)する(STEP1)。気温検出器22が検出した気温が予め設定される第1温度(例えば4℃)よりも高い場合は、STEP2をNO側に分岐して、循環器7の停止状態を維持し、発熱装置48を動作させない(STEP3)。
STEP1で気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第1温度(例えば4℃
)以下で、第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)よりも高い場合は、STEP2をYES側に分岐して、次のSTEP4をNO側に分岐して、制御器23により循環器7は運転されるが、発熱装置48を動作させない(STEP5)。
このとき、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。これにより、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
STEP1で気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第2温度(例えば0℃)以下の場合には、STEP2をYES側に分岐して、次のSTEP4をYES側に分岐して、制御器23により、循環器7の運転に加えて、発熱装置48を運転させる(STEP6)。
このとき、循環器7に加えて発熱装置48が運転されることにより、発熱装置48で加熱され冷却水タンク45の上限水位を超えた水が凝縮水タンク4に排出された後に、循環経路6を循環して、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。
これにより、気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第2温度(例えば0℃)以下の場合でも、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態の燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タンク4と浄化器5と冷却水タンク45とを順次環状に連接した循環経路6と、凝縮水タンク4、浄化器5、冷却水タンク45の順に循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ凝縮水タンク4及び冷却水タンク45よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8と、を備える。また、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。
上記構成において、凝縮水タンク4に、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水が貯まっている状態において、循環器7を動作させて、凝縮水タンク4の水を浄化器5に供給し、浄化器5で浄化された水を冷却水タンク45に冷却水として所定水位まで貯めてから、所定水位を超える分の冷却水を凝縮水タンク4に戻すように循環経路6で水を循環させることにより、循環経路6を循環する水は浄化されていく。
このとき、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体が温められるので、循環経路6を構成する配管同士を互いに熱交換可能に配置しなくても、循環経路6全体の凍結を防止することができる。
また、改質器1に水を供給する水供給経路8については、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
なお、水供給経路8は、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ凝縮水タンク4及び冷却水タンク45よりも上流の循環経路6から分岐しているので、浄化器5で浄化された凝縮水タンク4の水を改質器1に供給することができる。
また、水供給経路8への通流は、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体を温めて、熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって水供給経路8を温めてから行うので、そのようにしない場合よりも、水供給経路8の凍結を防止する効果が高い。
従って、改質器1に水を供給する水供給経路8と、循環器7の動作時に凝縮水タンク4の水が浄化器5で浄化されて冷却水タンク45を経由して凝縮水タンク4に戻るように水が循環する循環経路6とが、熱交換する熱交換部9を設けたことにより、凝縮水タンク4と浄化器5と冷却水タンク45とを環状に連接した循環経路6の凍結と、改質器1に水を供給する水供給経路8の凍結とを防止でき、凍結を防止するのに、筐体15内の配管設計の制限を従来よりも少なくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池モジュール3、凝縮水タンク4、浄化器5、循環器7及び冷却水タンク45をその内部に収容する筐体15と、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環経路6の冷却水タンク45の水を加熱する発熱装置48と、循環器7を制御する制御器23と、を備え、制御器23が、循環器7の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した気温が第1温度(例えば4℃)以下になった場合には、循環器7を運転するよう制御し、水供給経路8を水が通流していない時に、気温検出器22により検出した気温が第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)以下になった場合に、発熱装置48を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)以下になった場合は、循環器7が運転されて、循環経路6を循環する水からの伝熱によって、循環経路6全体が温められるので、循環経路6全体の凍結を防止することができる。そして、改質器1に水を供給する水供給経路8は、熱交換部9において循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
また循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)よりも高い場合(循環経路6及び水供給経路8が凍結しない温度である場合)は、循環器7が運転されないので、循環経路6が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器7を運転させることができ、無駄に循環器7を動作させず省エネに寄与できる。
また水供給経路8を水が通流していない時に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)以下になった場合には、循環器7に加えて発熱装置48が運転されて、発熱装置48によって加熱された水が循環経路6を循環して、循環器7のみ運転している場合よりも循環経路6全体が温められるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置48の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器7を運転せずに発熱装置48のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止しようとすれば、循環経路6及び水供給経路8の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器7を運転しないで発熱装置48のみを運転することはなく、発熱装置48によって加熱された水が循環経路6を循環して循環経路6を温め
ると共に、熱交換部9では循環経路6から伝わる熱で水供給経路8が温められるので、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止のために循環器7を運転する条件を満たしていても、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第2温度(例えば0℃)よりも高い場合は、発熱装置48が運転されないので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置48によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要がある場合のみ発熱装置48を運転させることができ、無駄に発熱装置48を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置48を運転させる基準となる第2温度(例えば0℃)を、循環器7を運転させる基準となる第1温度(例えば4℃)以下にしたので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するために、循環器7を運転しないで発熱装置48のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また第1温度と第2温度とに温度差を設けたので、循環器7のみの運転で循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器7のみを運転し、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置48によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器7に加えて発熱装置48を運転するようにして、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、第1温度と第2温度とに温度差を設けない場合(循環器7と発熱装置48が同時に動作する場合)よりも、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触するように配置されているので、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを、直接的熱伝導によって、熱交換させることができ、結束バンド等の結束部品を用いて水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持させることが可能であるので、水供給経路8と循環経路6とを熱交換させるための構成が簡単で、燃料電池システムのコスト低減に寄与できる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9の水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを一緒に覆う熱交換部断熱材26を備えるものであり、熱交換部断熱材26によって、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持したままで、水供給経路8と循環経路6の熱が外気に放熱されることと、水供給経路8と循環経路6が外気によって冷えるのを抑制でき、低コストで、より確実に水供給経路8の凍結を防止することができる。
また、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態で、水供給経路配管24と循環経路配管25とを一緒に熱交換部断熱材26で覆うことにより、結束バンド等の結束部品による結束を省略したり結束バンド等の結束部品による結束を一時的な仮結束にした場合であっても、熱交換部断熱材26によって水供給経路配管24と循環経路配管25とが接触する状態を維持することができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、水供給経路8に水が流れている時は、循環電磁弁17が閉鎖しており、水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16よりも下流側部分の循環経路6には水が流れないが、水供給経路8は、分岐点16よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成しているので、水供給経路8に水が流れるように
なった後も、水供給経路8に水が流れるようになる前と同様に、熱交換部9で循環経路6から水供給経路8に熱が伝わる。
なお、本実施の形態は、改質器1への給水を開始する前に、凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下であれば、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水するものであるが、貯湯槽の貯湯水または水道水を、冷却水タンク45を介して凝縮水タンク4に給水するようにしても構わない。
貯湯槽の貯湯水または水道水を、冷却水タンク45を介して凝縮水タンク4に給水した場合は、冷却水タンク45内の水が、燃料電池2に悪影響を与えない程度に浄化器5によって浄化されるまで、循環器7によって循環経路6で水を循環させることが望ましい。
本実施の形態では、アノードオフガス熱交換器41を用いて、アノードオフガスから水分と排熱を回収し、カソードオフガス熱交換器42を用いて、カソードオフガスから水分と排熱を回収したが、アノードオフガス熱交換器41とカソードオフガス熱交換器42のうちの片方または両方を省略しても構わない。
実施の形態6の燃料電池システムの制御器23の凍結防止の動作は、図3に示す動作であるが、図4に示す動作であっても、また、図5に示す動作であっても構わない。
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態7に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
実施の形態7の燃料電池システムの構成において、実施の形態6と同様の構成要素については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
先に説明した実施の形態6の燃料電池システムでは、図8に示すように、冷却水経路39の冷却水は、循環器44により、燃料電池2の冷却部、冷却水熱交換器43、冷却水タンク45、循環器44の順に冷却水経路39を流れているのに対し、実施の形態7の燃料電池システムでは、図9に示すように、冷却水経路39の冷却水は、循環器44により、冷却水タンク45、冷却水熱交換器43、燃料電池2の冷却部、循環器44の順に冷却水経路39を流れている。その他の構成は、実施の形態6の燃料電池システムの構成と同様である。
本実施の形態では、循環器44に溜まった空気が冷却水タンク45に抜けるように、循環器44の流出口を上向きにしている。
実施の形態7の燃料電池システムの制御器23の凍結防止の動作は、図3に示す動作であるが、図4に示す動作であっても、また、図5に示す動作であっても構わない。
次に、上記構成の本実施の形態の燃料電池システムの動作について、実施の形態6の燃料電池システムと異なる点について、図9を参照して説明する。
冷却水タンク45の冷却水は、循環器44によって、冷却水タンク45から、冷却水熱交換器43、燃料電池2、循環器44の順に流れた後で、冷却水タンク45に戻るように冷却水経路39を循環し、燃料電池2の温度を、発電の反応に適した温度(例えば、70℃〜80℃程度)に維持する。
燃料電池2から排熱を回収して昇温した冷却水は、循環器44と冷却水タンク45を経由して冷却水熱交換器43で貯湯水に排熱を伝達して冷却されから、再び燃料電池2に流れる。冷却水タンク45内には、燃料電池2から排熱を回収して昇温した後で、冷却水熱交換器43で貯湯水に排熱を伝達する前の冷却水が流入するので、実施の形態6の燃料電池システムよりも冷却水タンク45内の水(冷却水)の温度が高く、70℃近い水温になる。
以上説明したように、本実施の形態の燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タンク4と浄化器5と冷却水タンク45とを順次環状に連接した循環経路6と、凝縮水タンク4、浄化器5、冷却水タンク45の順に循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ凝縮水タンク4及び冷却水タンク45よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8と、を備える。また、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。
上記構成において、凝縮水タンク4に、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水が貯まっている状態において、循環器7を動作させて、凝縮水タンク4の水を浄化器5に供給し、浄化器5で浄化された水を冷却水タンク45に冷却水として所定水位まで貯めてから、所定水位を超える分の冷却水を凝縮水タンク4に戻すように循環経路6で水を循環させることにより、循環経路6を循環する水は浄化されていく。
このとき、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体が温められるので、循環経路6を構成する配管同士を互いに熱交換可能に配置しなくても、循環経路6全体の凍結を防止することができる。
また、改質器1に水を供給する水供給経路8については、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
なお、水供給経路8は、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ凝縮水タンク4及び冷却水タンク45よりも上流の循環経路6から分岐しているので、浄化器5で浄化された凝縮水タンク4の水を改質器1に供給することができる。
また、水供給経路8への通流は、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体を温めて、熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって水供給経路8を温めてから行うので、そのようにしない場合よりも、水供給経路8の凍結を防止する効果が高い。
従って、改質器1に水を供給する水供給経路8と、循環器7の動作時に凝縮水タンク4の水が浄化器5で浄化されて冷却水タンク45を経由して凝縮水タンク4に戻るように水が循環する循環経路6とが、熱交換する熱交換部9を設けたことにより、凝縮水タンク4と浄化器5と冷却水タンク45とを環状に連接した循環経路6の凍結と、改質器1に水を供給する水供給経路8の凍結とを防止でき、凍結を防止するのに、筐体15内の配管設計の制限を従来よりも少なくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池モジュール3、凝縮水タンク4、浄化器5、循環器7及び冷却水タンク45をその内部に収容する筐体15と、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環経路6の冷却水タンク45の水を加熱する発熱
装置48と、循環器7を制御する制御器23と、を備え、制御器23が、循環器7の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した気温が第1温度(例えば4℃)以下になった場合には、循環器7を運転するよう制御し、水供給経路8を水が通流していない時に、気温検出器22により検出した気温が第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)以下になった場合に、発熱装置48を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)以下になった場合は、循環器7が運転されて、循環経路6を循環する水からの伝熱によって、循環経路6全体が温められるので、循環経路6全体の凍結を防止することができる。そして、改質器1に水を供給する水供給経路8は、熱交換部9において循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
また循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)よりも高い場合(循環経路6及び水供給経路8が凍結しない温度である場合)は、循環器7が運転されないので、循環経路6が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器7を運転させることができ、無駄に循環器7を動作させず省エネに寄与できる。
また水供給経路8を水が通流していない時に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)以下になった場合には、循環器7に加えて発熱装置48が運転されて、発熱装置48によって加熱された水が循環経路6を循環して、循環器7のみ運転している場合よりも循環経路6全体が温められるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置48の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器7を運転せずに発熱装置48のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止しようとすれば、循環経路6及び水供給経路8の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器7を運転しないで発熱装置48のみを運転することはなく、発熱装置48によって加熱された水が循環経路6を循環して循環経路6を温めると共に、熱交換部9では循環経路6から伝わる熱で水供給経路8が温められるので、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止のために循環器7を運転する条件を満たしていても、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第2温度(例えば0℃)よりも高い場合は、発熱装置48が運転されないので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置48によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要がある場合のみ発熱装置48を運転させることができ、無駄に発熱装置48を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置48を運転させる基準となる第2温度(例えば0℃)を、循環器7を運転させる基準となる第1温度(例えば4℃)以下にしたので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するために、循環器7を運転しないで発熱装置48のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また第1温度と第2温度とに温度差を設けたので、循環器7のみの運転で循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器7のみを運転し、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置48によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器7に加えて発熱装置48を運転するようにして、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、第1温度と第2温度とに温度差を設けない場合(循環器7と発熱装置48が同時に動作する場合)よりも、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触するように配置されているので、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを、直接的熱伝導によって、熱交換させることができ、結束バンド等の結束部品を用いて水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持させることが可能であるので、水供給経路8と循環経路6とを熱交換させるための構成が簡単で、燃料電池システムのコスト低減に寄与できる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9の水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを一緒に覆う熱交換部断熱材26を備えるものであり、熱交換部断熱材26によって、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持したままで、水供給経路8と循環経路6の熱が外気に放熱されることと、水供給経路8と循環経路6が外気によって冷えるのを抑制でき、低コストで、より確実に水供給経路8の凍結を防止することができる。
また、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態で、水供給経路配管24と循環経路配管25とを一緒に熱交換部断熱材26で覆うことにより、結束バンド等の結束部品による結束を省略したり結束バンド等の結束部品による結束を一時的な仮結束にした場合であっても、熱交換部断熱材26によって水供給経路配管24と循環経路配管25とが接触する状態を維持することができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、水供給経路8に水が流れている時は、循環電磁弁17が閉鎖しており、水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16よりも下流側部分の循環経路6には水が流れないが、水供給経路8は、分岐点16よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成しているので、水供給経路8に水が流れるようになった後も、水供給経路8に水が流れるようになる前と同様に、熱交換部9で循環経路6から水供給経路8に熱が伝わる。
本実施の形態では、アノードオフガス熱交換器41を用いて、アノードオフガスから水分と排熱を回収し、カソードオフガス熱交換器42を用いて、カソードオフガスから水分と排熱を回収したが、アノードオフガス熱交換器41とカソードオフガス熱交換器42のうちの片方または両方を省略しても構わない。
(実施の形態8)
図10は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態8に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
実施の形態8の燃料電池システムの構成において、実施の形態6と同様の構成要素については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
先に説明した実施の形態6の燃料電池システムでは、図8に示すように、冷却水タンク45内に配置された発熱装置48が、発電前に燃料電池2を、発電に適した温度に温める時と、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な場合に、通電されて発熱し、冷却水タンク45の冷却水を加熱していた。
これに対し、実施の形態8の燃料電池システムでは、図10に示すように、冷却水タンク45内には発熱装置48を配置せず、凝縮水タンク4内に配置された発熱装置19が、発電前に燃料電池2を、発電に適した温度に温める時と、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な場合に、通電されて発熱し、凝縮水タンク4の水(凝縮水)を加熱する。その他の構成は、実施の形態6の燃料電池システムの構成と同様である。
実施の形態8の燃料電池システムの制御器23の凍結防止の動作は、図3に示す動作であるが、図4に示す動作であっても、また、図5に示す動作であっても構わない。
次に、上記構成の本実施の形態の燃料電池システムの動作について、図10を参照して説明する。
燃料電池システムにおいて、制御器23は、改質器1への給水を開始する前に、水位検出器21により凝縮水タンク4の水位を確認し、凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下であれば、制御器23が、図示しない給水手段により、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水する。そして、水位検出器21が下限水位より高い水位を検出すると、循環器7は、制御器23によって運転される。
循環器7の運転開始時には、循環電磁弁17が開放状態で、且つ改質水電磁弁18が閉鎖状態であるので、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられて、浄化器5に流入する。この浄化器5を通流する際に凝縮水または水道水に含まれる金属イオン等の不純物が除去される。
そして、浄化器5を通過した水は、分岐点16から開放状態の循環電磁弁17を通って冷却水タンク45に貯められ、冷却水タンク45において所定の高さを超える水が、冷却水タンク45のオーバーフロー経路として機能する循環経路6を介して凝縮水タンク4に排出される。
循環器7によって、凝縮水タンク4の凝縮水が、浄化器5、熱交換部9、循環器7、分岐点16、循環電磁弁17、冷却水タンク45を順に通過して、凝縮水タンク4に戻される。これを繰り返すことにより、凝縮水タンク4に貯留された水を順次浄化する。
もし、循環器7の運転により凝縮水タンク4の水(凝縮水)が循環経路6を循環する前の循環経路配管25の温度が、凝縮水タンク4の水(凝縮水)の水温よりも低い場合は、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。
そして、制御器23が、冷却水タンク45の水位検出器49によって、凝縮水タンク4の水(凝縮水)が循環経路6を循環している状態を検出した後において、改質器1で水素含有ガスの生成を開始するために、改質器1への給水を開始する時に、制御器23は、循環電磁弁17を閉鎖すると共に、改質水電磁弁18を開放する。
この場合、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられ、浄化器5
で凝縮水タンク4の水(凝縮水)に含まれる金属イオン等の不純物が除去されて、分岐点16から水供給経路8を通流して改質器1に供給される。
改質器1では、燃焼器38の燃焼排ガスの熱を利用して水供給経路8を介して供給された水(改質水)から水蒸気を生成する。そして、原料供給器(図示せず)から原料供給経路29を介して改質器1に供給される原料(例えば、メタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG等の炭化水素を含むガス)が、触媒の存在下で、水蒸気と改質反応して、水素含有ガスを生成する。また、改質器1は、燃焼器38の燃焼排ガスの熱によって、その触媒の適温、例えば、600〜700℃に加熱される。
燃焼器38から排気された燃焼排ガスは、燃焼排ガス熱交換器40で、燃焼排ガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水(貯湯水)との間で熱交換する。燃焼排ガスに含まれる水分は、燃焼排ガス熱交換器40で凝縮される。
燃焼排ガス熱交換器40からの燃焼排ガスおよびその凝縮水は、気液分離器46において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分である燃焼排ガスは筐体15の外部に排気され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
燃料電池2のアノード流路には、改質器1で生成されて水素含有ガス供給経路30を介して供給された水素含有ガスが流通し、燃料電池2のカソード流路には、空気供給器(図示せず)から酸化剤ガス供給経路31を介して供給された空気が酸化剤ガスとして流通する。この水素含有ガス及び酸化剤ガスが、燃料電池2のセルにおいて電気化学反応する。
燃料電池2のアノード極に供給された燃料ガス(水素含有ガス)の内で、発電に使用されずにアノード極から排出されるアノードオフガス(水素含有ガス)は、アノードオフガス熱交換器41で、アノードオフガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水との間で熱交換する。アノードオフガスに含まれる水分は、アノードオフガス熱交換器41で凝縮される。
アノードオフガス熱交換器41からのアノードオフガスおよびその凝縮水は、気液分離器47において、凝縮水成分とガス成分とに分離され、ガス成分であるアノードオフガスは燃焼器38で燃焼され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
燃料電池2のカソード極から排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス熱交換器42で、カソードオフガスと排熱回収経路14を流れる排熱回収水との間で熱交換し、カソードオフガスに含まれる水分は、カソードオフガス熱交換器42で凝縮される。
カソードオフガス熱交換器42からのカソードオフガスおよびその凝縮水は、凝縮水タンク4に送られ、ガス成分であるカソードオフガスは凝縮水タンク4から排出され、凝縮水は凝縮水タンク4に貯留される。
一方、貯湯槽(図示せず)からの貯湯水は、循環器13により、排熱回収経路14を循環し、燃焼排ガス熱交換器40と、アノードオフガス熱交換器41と、カソードオフガス熱交換器42と、冷却水熱交換器43とにおいて、燃料電池モジュール3の排熱を回収して70℃程度の温度になって、貯湯槽(図示せず)に戻る。
このように、凝縮水タンク4には、燃焼排ガス熱交換器40と、アノードオフガス熱交換器41と、カソードオフガス熱交換器42において生成した凝縮水が流入する。凝縮水が貯留されて、その水位が凝縮水タンク4の所定の高さに達すると、オーバーフロー経路(図示せず)から排出される。
また、凝縮水タンク4の水(凝縮水)は、循環器7により汲み上げられて、浄化器5に流入する。この浄化器5で凝縮水タンク4の水(凝縮水)のイオンが除去されて、分岐点16から水供給経路8を通流して改質器1に供給される。この改質器1に供給される水(改質水)の流量は、循環器7によりS/C比に応じて調整される。
貯湯槽に蓄えられた貯湯水は、必要に応じて給湯設備に供給される。これにより、貯湯槽の貯湯水が減少すると、給水設備から水(水道水)が貯湯槽に供給される。
冷却水タンク45の冷却水は、循環器44によって、冷却水経路39を循環し、燃料電池2の温度を、発電の反応に適した温度(例えば、70℃〜80℃程度)に維持する。
次に、本実施の形態の燃料電池システムの凍結予防動作を、図3のフローチャートを用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムの制御器の動作を示すフローチャートである。
制御器23は、燃料電池システム(循環器7)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により筐体15内または外気の気温を測定(検出)する(STEP1)。気温検出器22が検出した気温が予め設定される第1温度(例えば4℃)よりも高い場合は、STEP2をNO側に分岐して、循環器7の停止状態を維持し、発熱装置19を動作させない(STEP3)。
STEP1で気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第1温度(例えば4℃)以下で、第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)よりも高い場合は、STEP2をYES側に分岐して、次のSTEP4をNO側に分岐して、制御器23により循環器7は運転されるが、発熱装置19を動作させない(STEP5)。
このとき、循環器7の運転により循環経路6を循環する水が、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。これにより、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
STEP1で気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第2温度(例えば0℃)以下の場合には、STEP2をYES側に分岐して、次のSTEP4をYES側に分岐して、制御器23により、循環器7の運転に加えて、発熱装置19を運転させる(STEP6)。
このとき、循環器7に加えて発熱装置19が運転されることにより、発熱装置19で加熱された凝縮水タンク4の水が、循環経路6を循環して、循環経路配管25を温める。そして、熱交換部9において、循環経路配管25から水供給経路配管24に熱が伝わり、水供給経路配管24の温度が上昇する。
これにより、気温検出器22が検出した気温が、予め設定される第2温度(例えば0℃)以下の場合でも、循環経路配管25と水供給経路配管24の凍結を防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態の燃料電池システムは、原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器1と水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池2とを備える燃料電池モジュール3と、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンク4と、水を浄化する浄化器5と、凝縮水タ
ンク4と浄化器5と冷却水タンク45とを順次環状に連接した循環経路6と、凝縮水タンク4、浄化器5、冷却水タンク45の順に循環経路6で水を循環させる循環器7と、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ凝縮水タンク4及び冷却水タンク45よりも上流の循環経路6から分岐し、改質器1に水を供給する水供給経路8と、を備える。また、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9を有する。
上記構成において、凝縮水タンク4に、燃料電池モジュール3から排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水が貯まっている状態において、循環器7を動作させて、凝縮水タンク4の水を浄化器5に供給し、浄化器5で浄化された水を冷却水タンク45に冷却水として所定水位まで貯めてから、所定水位を超える分の冷却水を凝縮水タンク4に戻すように循環経路6で水を循環させることにより、循環経路6を循環する水は浄化されていく。
このとき、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体が温められるので、循環経路6を構成する配管同士を互いに熱交換可能に配置しなくても、循環経路6全体の凍結を防止することができる。
また、改質器1に水を供給する水供給経路8については、水供給経路8と循環経路6とが熱交換する熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
なお、水供給経路8は、浄化器5及び循環器7よりも下流かつ凝縮水タンク4及び冷却水タンク45よりも上流の循環経路6から分岐しているので、浄化器5で浄化された凝縮水タンク4の水を改質器1に供給することができる。
また、水供給経路8への通流は、循環経路6を循環する水からの伝熱により、循環経路6全体を温めて、熱交換部9における循環経路6から伝わる熱によって水供給経路8を温めてから行うので、そのようにしない場合よりも、水供給経路8の凍結を防止する効果が高い。
従って、改質器1に水を供給する水供給経路8と、循環器7の動作時に凝縮水タンク4の水が浄化器5で浄化されて冷却水タンク45を経由して凝縮水タンク4に戻るように水が循環する循環経路6とが、熱交換する熱交換部9を設けたことにより、凝縮水タンク4と浄化器5と冷却水タンク45とを環状に連接した循環経路6の凍結と、改質器1に水を供給する水供給経路8の凍結とを防止でき、凍結を防止するのに、筐体15内の配管設計の制限を従来よりも少なくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池モジュール3、凝縮水タンク4、浄化器5、循環器7及び冷却水タンク45をその内部に収容する筐体15と、筐体15内の気温を検出する気温検出器22と、循環経路6の凝縮水タンク4の水を加熱する発熱装置19と、循環器7を制御する制御器23と、を備え、制御器23が、循環器7の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した気温が第1温度(例えば4℃)以下になった場合には、循環器7を運転するよう制御し、水供給経路8を水が通流していない時に、気温検出器22により検出した気温が第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)以下になった場合に、発熱装置19を運転するよう制御するものである。
上記構成により、循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)以下になった場合は、循環器7が運転されて、循環経路6を循環する水からの伝熱によって、循環経路6全体が温められるので、循環経路6全体の凍結を防止することができる。そして、改質器1に水を供給する水供給経路8は、熱交換部9において循環経路6から伝わる熱によっ
て温められるので、水供給経路8の凍結を防止することができる。
また循環器7(燃料電池システム)の停止中(発電要求がない時)で、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度(例えば4℃)よりも高い場合(循環経路6及び水供給経路8が凍結しない温度である場合)は、循環器7が運転されないので、循環経路6が凍結するのを防止する必要がある場合のみ循環器7を運転させることができ、無駄に循環器7を動作させず省エネに寄与できる。
また水供給経路8を水が通流していない時に、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第1温度以下に設定された第2温度(例えば0℃)以下になった場合には、循環器7に加えて発熱装置19が運転されて、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して、循環器7のみ運転している場合よりも循環経路6全体が温められるので、循環器7のみの運転では循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが困難な低温環境であっても、発熱装置19の併用によって循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能になる。
なお、循環器7を運転せずに発熱装置19のみを運転して、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止しようとすれば、循環経路6及び水供給経路8の全体に凍結防止に充分な熱か伝わるように、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要がある。
しかしながら、上記構成では、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転することはなく、発熱装置19によって加熱された水が循環経路6を循環して循環経路6を温めると共に、熱交換部9では循環経路6から伝わる熱で水供給経路8が温められるので、循環経路6及び水供給経路8に沿って広い範囲に発熱装置を配置したり、筐体15内の気温を充分に高くできるような発熱装置を用いたりする必要はない。
また、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止のために循環器7を運転する条件を満たしていても、気温検出器22により検出した筐体15内の気温が、第2温度(例えば0℃)よりも高い場合は、発熱装置19が運転されないので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要がある場合のみ発熱装置19を運転させることができ、無駄に発熱装置19を動作させず省エネに寄与できる。
また、発熱装置19を運転させる基準となる第2温度(例えば0℃)を、循環器7を運転させる基準となる第1温度(例えば4℃)以下にしたので、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するために、循環器7を運転しないで発熱装置19のみを運転する状態が起こらず、非効率な凍結防止動作をするのを防止できる。
また第1温度と第2温度とに温度差を設けたので、循環器7のみの運転で循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止することが可能な低温環境時には、循環器7のみを運転し、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに、発熱装置19によって加熱された水を循環経路6で循環させる必要があるような低温環境時には、循環器7に加えて発熱装置19を運転するようにして、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止するのに必要な電力消費量を抑えることができ、第1温度と第2温度とに温度差を設けない場合(循環器7と発熱装置19が同時に動作する場合)よりも、循環経路6及び水供給経路8の凍結防止動作による電力消費量の変動幅を小さくできる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9では、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触するように配置されているので、水
供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを、直接的熱伝導によって、熱交換させることができ、結束バンド等の結束部品を用いて水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持させることが可能であるので、水供給経路8と循環経路6とを熱交換させるための構成が簡単で、燃料電池システムのコスト低減に寄与できる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、熱交換部9の水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とを一緒に覆う熱交換部断熱材26を備えるものであり、熱交換部断熱材26によって、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態を維持したままで、水供給経路8と循環経路6の熱が外気に放熱されることと、水供給経路8と循環経路6が外気によって冷えるのを抑制でき、低コストで、より確実に水供給経路8の凍結を防止することができる。
また、水供給経路8の水供給経路配管24と循環経路6の循環経路配管25とが接触する状態で、水供給経路配管24と循環経路配管25とを一緒に熱交換部断熱材26で覆うことにより、結束バンド等の結束部品による結束を省略したり結束バンド等の結束部品による結束を一時的な仮結束にした場合であっても、熱交換部断熱材26によって水供給経路配管24と循環経路配管25とが接触する状態を維持することができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、水供給経路8に水が流れている時は、循環電磁弁17が閉鎖しており、水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16よりも下流側部分の循環経路6には水が流れないが、水供給経路8は、分岐点16よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成しているので、水供給経路8に水が流れるようになった後も、水供給経路8に水が流れるようになる前と同様に、熱交換部9で循環経路6から水供給経路8に熱が伝わる。
なお、本実施の形態は、改質器1への給水を開始する前に、凝縮水タンク4内の水位が下限水位以下であれば、貯湯槽の貯湯水または水道水を、凝縮水タンク4に給水するものであるが、貯湯槽の貯湯水または水道水を、冷却水タンク45を介して凝縮水タンク4に給水するようにしても構わない。
貯湯槽の貯湯水または水道水を、冷却水タンク45を介して凝縮水タンク4に給水した場合は、冷却水タンク45内の水が、燃料電池2に悪影響を与えない程度に浄化器5によって浄化されるまで、循環器7によって循環経路6で水を循環させることが望ましい。
本実施の形態では、アノードオフガス熱交換器41を用いて、アノードオフガスから水分と排熱を回収し、カソードオフガス熱交換器42を用いて、カソードオフガスから水分と排熱を回収したが、アノードオフガス熱交換器41とカソードオフガス熱交換器42のうちの片方または両方を省略しても構わない。
(実施の形態9)
図11は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態9に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
実施の形態9の燃料電池システムの構成において、実施の形態6と同様の構成要素については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
実施の形態9の燃料電池システムは、実施の形態6の燃料電池システムにおいて、循環電磁弁17と改質水電磁弁18を省いて、改質水電磁弁18を配置していた箇所(水供給
経路8における分岐点16よりも下流側で熱交換部9よりも上流側の部分)に、水供給経路8に水(改質水)を流す時に制御器23によって、分岐点16から循環経路6の水を改質器1に供給するように動作する改質水供給器32を設けて、循環器7を、循環経路6における凝縮水タンク4よりも下流で浄化器5よりも上流となる箇所に移動させたものである。
循環器7は、遠心式ポンプ等で構成され、循環経路6における凝縮水タンク4よりも下方になる箇所に設置される。
実施の形態9の燃料電池システムの制御器23の凍結防止の動作は、図3に示す動作であるが、図4に示す動作であっても、また、図5に示す動作であっても構わない。
改質水供給器32は、水供給経路8に水(改質水)を流す時に、改質器1における改質水と原料中の炭素とのモル比(S/C比)が例えば2.5〜3.5になるように、水供給経路8を流通する改質水の流量を調整する。
循環器7は、循環器7を流れる水の流量が、水供給経路8を流通する改質水の流量よりも、多くなるように運転される。
実施の形態9の燃料電池システムは、以上のように構成されているので、実施の形態6の燃料電池システムと同様に、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止する効果を有する。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、水供給経路8に水が流れている時は、水供給経路8に水が流れていない時よりも、水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点よりも下流側部分の循環経路6を流れる水の水量が、水供給経路8に流れる水の水量だけ減るが、水供給経路8は、分岐点16よりも上流側部分の循環経路6と熱交換するように構成しているので、水供給経路8に水が流れるようになった後も、水供給経路8に水が流れるようになる前と同様に、熱交換部9で循環経路6から水供給経路8に熱が伝わる。
本実施の形態では、アノードオフガス熱交換器41を用いて、アノードオフガスから水分と排熱を回収し、カソードオフガス熱交換器42を用いて、カソードオフガスから水分と排熱を回収したが、アノードオフガス熱交換器41とカソードオフガス熱交換器42のうちの片方または両方を省略しても構わない。
(実施の形態10)
図12は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態10に係る燃料電池システムにおける熱交換部の構成の一例を示す概略図である。
実施の形態10の燃料電池システムの構成において、実施の形態9と同様の構成要素については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
実施の形態9の燃料電池システムでは、分岐点16が、循環経路6における熱交換部9よりも下流側で冷却水タンク45よりも上流側となる箇所に配置されていたが、実施の形態10の燃料電池システムでは、水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16が、冷却水タンク45の底部に配置されている。その他の構成は、実施の形態9の燃料電池システムと同様である。
実施の形態10の燃料電池システムの制御器23の凍結防止の動作は、図3に示す動作
であるが、図4に示す動作であっても、また、図5に示す動作であっても構わない。
実施の形態10の燃料電池システムは、以上のように構成されているので、実施の形態9の燃料電池システムと同様に、循環経路6及び水供給経路8の凍結を防止する効果を有する。
また、本実施の形態では、水供給経路8が循環経路6から分岐する分岐点16が、冷却水タンク45の底部に配置されているので、改質水供給器32を動作させて、水供給経路8を用いて改質器1に水(改質水)を流し始めた後は、冷却水タンク45内に貯まっている水の水位を検出する水位検出器49が下限水位以下を検出した場合に、水位検出器49が上限水位を検出するまで、制御器23が循環器7を動作させる。
本実施の形態では、アノードオフガス熱交換器41を用いて、アノードオフガスから水分と排熱を回収し、カソードオフガス熱交換器42を用いて、カソードオフガスから水分と排熱を回収したが、アノードオフガス熱交換器41とカソードオフガス熱交換器42のうちの片方または両方を省略しても構わない。
上記の説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の燃料電池システムは、循環経路と水供給経路が凍結するのを防止できるので、家庭用コージェネレーションシステムに好適である。
1 改質器
2 燃料電池
3 燃料電池モジュール
4 凝縮水タンク
5 浄化器
6 循環経路
7 循環器
8 水供給経路
9 熱交換部
15 筐体
16 分岐点
19 発熱装置
20 水温検出器
22 気温検出器
23 制御器
24 水供給経路配管
25 循環経路配管
26 熱交換部断熱材
48 発熱装置

Claims (9)

  1. 原料及び水を反応させて水素含有ガスを生成する改質器と前記水素含有ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行う燃料電池とを備える燃料電池モジュールと、
    前記燃料電池モジュールから排気される排ガス中の水分が凝縮した凝縮水を貯める凝縮水タンクと、
    水を浄化する浄化器と、
    前記凝縮水タンクと前記浄化器との間で水が循環するように前記凝縮水タンクと前記浄化器とを環状に連接した循環経路と、
    前記循環経路で水を循環させる循環器と、
    前記浄化器及び前記循環器よりも下流かつ前記凝縮水タンクよりも上流の前記循環経路から分岐し、前記改質器に水を供給する水供給経路と、
    を備え、
    前記水供給経路と前記循環経路とが熱交換する熱交換部を有する、
    燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池モジュール、前記凝縮水タンク、前記浄化器及び前記循環器を、その内部に収容する筐体と、
    前記筐体内又は外気の気温を検出する気温検出器と、
    前記循環器を制御する制御器と、
    を備え、
    前記制御器は、前記循環器の停止中に、前記気温検出器により検出した気温が第1温度以下になった場合に、前記循環器を運転するよう制御する、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記循環経路の水を加熱する発熱装置を備え、
    前記制御器は、前記水供給経路に水が流れていない時に、前記気温検出器により検出した気温が前記第1温度以下に設定された第2温度以下になった場合に、前記発熱装置を運転するよう制御する、
    請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記循環経路の水を加熱する発熱装置と、
    前記循環経路の水の温度を検出する水温検出器と、
    を備え、
    前記制御器は、前記循環器の停止中に前記気温検出器により検出した気温が第1温度以下になったことにより前記循環器が動作した場合で、且つ、前記水温検出器により検出した水温が第3温度以下になった場合に、前記発熱装置を運転するよう制御する、
    請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記循環経路の水の温度を検出する水温検出器と、
    前記循環器を制御する制御器と、
    を備え、
    前記制御器は、前記循環器の停止中に、前記水温検出器により検出した水温が第4温度以下になった場合に、前記循環器を運転するよう制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記循環経路の水を加熱する発熱装置を備え、
    前記制御器は、前記水供給経路に水が流れていない時に、前記水温検出器により検出した水温が前記第4温度以下に設定された第5温度以下になった場合に、前記発熱装置を運転するよう制御する、
    請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記熱交換部では、前記水供給経路の配管と前記循環経路の配管とが接触している、請求項1から6のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記熱交換部の前記水供給経路の配管と前記循環経路の配管とを一緒に覆う断熱材を備える、請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記水供給経路は、前記水供給経路が前記循環経路から分岐する分岐点よりも上流側部分の前記循環経路と熱交換する、請求項1から8のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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