JP6876869B2 - 超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法 - Google Patents

超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法に係り、特に、Bモード画像において血管壁の検出を行う超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法に関する。
従来から、被検体の内部の画像を得るものとして、超音波診断装置が知られている。超音波診断装置は、一般的に、複数の素子が配列された振動子アレイが備えられた超音波プローブを備えている。この超音波プローブを被検体の体表に接触させた状態において、振動子アレイから被検体内に向けて超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを振動子アレイにおいて受信して素子データが取得される。さらに、超音波診断装置は、得られた素子データを電気的に処理して、被検体の当該部位に対する超音波画像を生成する。
例えば、特許文献1には、Bモード画像上にドプラゲートを設置し、ドプラゲートの中心点を中心とする円形の探索領域を設定し、探索領域の360°の全範囲にわたって半径線に沿って中心から外向きにBモード強度データを探索することにより、血管壁を検出する超音波診断装置が開示されている。
特開2002−52026号公報
特許文献1の超音波診断装置によれば、検出した血管壁に基づいてドプラゲートの位置およびサイズを調整し、且つ最適なステアリング角を選択することができる。
しかしながら、Bモード画像上において、血管壁の近傍に多重反射に起因するBモード強度の極大点が現れることがあり、例えば図23に示されるように、このようなBモード強度の極大点Mが血管前壁W1と血管後壁W2の間に位置する場合には、この極大点を血管壁として誤検出するおそれがあった。
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたものであり、血管壁を正確に検出することができる超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、少なくとも血管領域が撮像されているBモード画像を表示する表示部と、Bモード画像上における血管領域内にドプラゲートを設定するゲート設定部と、血管勾配を取得する血管勾配取得部と、血管勾配取得部により取得された血管勾配に対して垂直な方向で且つゲート設定部により設定されたドプラゲートの外側においてBモード画像を画像解析することにより血管前壁および血管後壁を検出する血管壁検出部とを備えたことを特徴とする。
ドプラゲートは、それぞれドプラゲートの中心点を通る走査線に沿って互いに対向する上側ゲート点および下側ゲート点を有し、血管壁検出部は、上側ゲート点をドプラゲートの中心点を通り且つ血管勾配に対して垂直に延びる血流垂直線に射影した上側射影点よりも浅部方向において血管前壁を検出する前壁検出部と、下側ゲート点を血流垂直線に射影した下側射影点よりも深部方向において血管後壁を検出する後壁検出部とを有することが好ましい。
この場合、前壁検出部は、上側射影点から血流垂直線に沿って定められた距離だけ浅部方向の点までの範囲において血管前壁を検出し、後壁検出部は、下側射影点から血流垂直線に沿って定められた距離だけ深部方向の点までの範囲において血管後壁を検出するように構成することができる。
あるいは、前壁検出部は、上側射影点から血管垂直線に沿って浅部方向に延び且つ血管勾配に平行に延びる定められた範囲を有する上側検出領域を設定し、上側検出領域内において血管前壁境界線を検出し、血流垂直線と検出された血管前壁境界線との交点を血管前壁として検出し、後壁検出部は、下側射影点から血管垂直線に沿って深部方向に延び且つ血管勾配に平行に延びる定められた範囲を有する下側検出領域を設定し、下側検出領域内において血管後壁境界線を検出し、血流垂直線と検出された血管後壁境界線との交点を血管後壁として検出するように構成することもできる。
また、血管壁検出部は、血管領域が水平に延びるように、血管勾配取得部により取得された血管勾配だけBモード画像を回転する画像回転部を含み、前壁検出部および後壁検出部は、画像回転部により回転されたBモード画像上においてそれぞれ血管前壁および血管後壁を検出するようにしてもよい。
この場合、血管壁検出部は、画像回転部により回転されたBモード画像に対して水平方向に沿った平滑化処理を行う平滑化部を含み、前壁検出部および後壁検出部は、平滑化部により平滑化されたBモード画像上においてそれぞれ血管前壁および血管後壁を検出することが好ましい。
血管壁検出部により検出された血管前壁および血管後壁に基づいて血管の断面積を算出する断面積算出部をさらに備えることができる。
ドプラゲート内のドプラデータに基づいて血流速度を算出するドプラ処理部と、断面積算出部により算出された血管の断面積とドプラ処理部により算出された血流速度に基づいて血流量を計測し且つ計測結果を表示部に表示する血流量計測部とをさらに備えることもできる。
ドプラ処理部により算出された血流速度に基づいて1心拍期間の平均血流速度を算出する平均血流速度算出部を備え、血流量計測部は、断面積算出部により算出された血管の断面積と平均血流速度算出部により算出された平均血流速度とに基づいて血流量を計測することが好ましい。
ドプラ処理部は、ドプラゲート内のドプラデータに基づいてドプラ波形画像を生成し、表示部は、Bモード画像とドプラ波形画像とを表示することができる。
血管勾配取得部は、ドプラゲートの中心点を通る走査線の傾斜角度であるカーソルステア角度とドプラゲートの中心点を通る走査線に対する血管領域の傾斜角度を示す血流補正角度とに基づいて血管勾配を取得することができる。あるいは、血管勾配取得部は、Bモード画像を画像解析することにより血管領域を認識して血流補正角度を検出する血流補正角度検出部を含み、血流補正角度検出部により検出された血流補正角度を用いて血管勾配を算出してもよい。
本発明に係る超音波診断装置の制御方法は、少なくとも血管領域が撮像されているBモード画像を表示し、Bモード画像上における血管領域内にドプラゲートを設定し、血管勾配を取得し、取得された血管勾配に対して垂直な方向で且つドプラゲートの外側においてBモード画像を画像解析することにより血管前壁および血管後壁を検出することを特徴とする。
本発明によれば、Bモード画像上における血管領域内にドプラゲートを設定するゲート設定部と、血管勾配を取得する血管勾配取得部と、血管勾配に対して垂直な方向で且つゲート設定部により設定されたドプラゲートの外側においてBモード画像を画像解析することにより血管前壁および血管後壁を検出する血管壁検出部とを備えているので、血管壁を正確に検出することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における受信部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるBモード処理部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるドプラ処理部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1においてゲート設定部により設定されるドプラゲートを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1において血管勾配取得部により血管勾配を取得する方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1における血管壁検出部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1において血管壁検出部により血管壁を検出する方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の動作を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において血管壁の検出を行うBモード画像の例を示す図である。 本発明の実施の形態1における血管壁検出の動作を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1におけるBモード画像とドプラ画像の表示例を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例における血管勾配取得部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2における血管壁検出部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2における血管壁検出の動作を表すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において回転されたBモード画像を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2において血管壁を検出する方法を模式的に示す図である。 回転後に水平方向に平滑化したBモード画像のプロファイルを示す図である。 水平方向に平滑化した後に回転したBモード画像のプロファイルを示す図である。 本発明の実施の形態3における血管壁検出部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3において血管壁を検出する方法を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態3における血管壁検出の動作を表すフローチャートである。 多重反射に起因するBモード強度の極大点が現れたBモード画像の例を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「垂直」および「平行」とは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、「垂直」および「平行」とは、厳密な垂直あるいは平行に対して±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な垂直あるいは平行に対しての誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、「同一」、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
実施の形態1
図1に、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1の構成を示す。図1に示すように、超音波診断装置1は、振動子アレイ2を備えており、振動子アレイ2に送信部3および受信部4がそれぞれ接続されている。受信部4には、Bモード処理部5およびドプラ処理部6が並列に接続され、これらBモード処理部5およびドプラ処理部6に表示制御部7を介して表示部8が接続されている。Bモード処理部5およびドプラ処理部6は、画像生成部9を構成している。
Bモード処理部5にゲート設定部10が接続され、ゲート設定部10に、血管勾配取得部11が接続されている。また、ゲート設定部10および血管勾配取得部11のそれぞれに血管壁検出部12が接続され、血管壁検出部12に、断面積算出部13および血流量計測部14が順次直列に接続されている。さらに、ドプラ処理部6に、平均血流速度算出部15が接続され、平均血流速度算出部15に血流量計測部14が接続されている。また、ゲート設定部10は、ドプラ処理部6にも接続され、ゲート設定部10と血流量計測部14が、表示制御部7に接続されている。
また、送信部3、受信部4、表示制御部7、画像生成部9、ゲート設定部10、血管勾配取得部11、血管壁検出部12、断面積算出部13、血流量計測部14および平均血流速度算出部15に、装置制御部16が接続されており、装置制御部16に、操作部17および格納部18が接続されている。さらに、操作部17にカーソルステア角度受付部19、血流補正角度受付部20およびゲート位置受付部21が接続され、これらカーソルステア角度受付部19、血流補正角度受付部20およびゲート位置受付部21が装置制御部16に接続されている。装置制御部16と格納部18は、互いに双方向の情報の受け渡しが可能に接続されている。
また、振動子アレイ2は、超音波プローブ22に含まれており、送信部3、受信部4、表示制御部7、画像生成部9、ゲート設定部10、血管勾配取得部11、血管壁検出部12、断面積算出部13、血流量計測部14、平均血流速度算出部15、装置制御部16、カーソルステア角度受付部19、血流補正角度受付部20およびゲート位置受付部21により、プロセッサ23が構成されている。
図1に示す超音波プローブ22の振動子アレイ2は、1次元または2次元に配列された複数の振動子を有している。これらの振動子は、それぞれ送信部3から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して、超音波エコーに基づく信号を出力する。各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN−PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛−チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
プロセッサ23の送信部3は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、装置制御部16からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ2の複数の振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の振動子に供給する。このように、振動子アレイ2の振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ22の振動子アレイ2に向かって伝搬する。このように振動子アレイ2に向かって伝搬する超音波は、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子により受信される。この際に、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して電気信号を発生させ、これらの電気信号を受信部4に出力する。
プロセッサ23の受信部4は、装置制御部16からの制御信号に従って、振動子アレイ2から出力される信号の処理を行う。図2に示すように、受信部4は、増幅部24、AD(Analog Digital:アナログデジタル)変換部25およびビームフォーマ26が直列接続された構成を有している。
増幅部24は、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子から入力された信号を増幅し、増幅した信号をAD変換部25に送信する。AD変換部25は、増幅部24から送信された信号をデジタルデータに変換し、これらのデータをビームフォーマ26に送信する。ビームフォーマ26は、装置制御部16からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、AD変換部25により変換された各データに対してそれぞれの遅延を与えて加算することにより、いわゆる受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、AD変換部25により変換された各データが整相加算され且つ超音波エコーの焦点が絞り込まれた受信信号が取得される。
画像生成部9のBモード処理部5は、図3に示されるように、信号処理部27とDSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)28と画像処理部29が順次直列に接続された構成を有している。
信号処理部27は、受信部4で生成された受信データに対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
DSC28は、信号処理部27で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部29は、DSC28から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部7に出力する。
画像生成部9のドプラ処理部6は、いわゆるパルスドプラ法により血流速度を算出し、且つ、ドプラ波形画像を生成するもので、図4に示されるように、直交検波部30とハイパスフィルタ31と高速フーリエ変換部(Fast Fourier Transformer)32とドプラ波形画像生成部33が順次直列に接続されると共に直交検波部30の出力端にデータメモリ34が接続された構成を有している。
直交検波部30は、受信部4で生成された受信データに参照周波数のキャリア信号を混合することで、受信データを直交検波して複素データに変換する。
ハイパスフィルタ31は、いわゆるウォールフィルタ(Wall Filter)として機能するもので、直交検波部30で生成された複素データから被検体の体内組織の運動に由来する周波数成分を除去する。
高速フーリエ変換部32は、複数のサンプル点の複素データをフーリエ変換することにより周波数解析して血流速度を求め、スペクトル信号を生成する。
ドプラ波形画像生成部33は、高速フーリエ変換部32で生成されたスペクトル信号を時間軸上に揃えつつ各周波数成分の大きさを輝度で表すことによりドプラ波形画像信号を生成する。ドプラ波形画像は、横軸に時間軸を示し、縦軸にドプラシフト周波数すなわち流速を示し、波形の輝度が各周波数成分におけるパワーを表すものである。
また、データメモリ34は、直交検波部30で受信データから変換された複素データを保存する。
プロセッサ23のゲート設定部10は、カーソルステア角度受付部19が受け付けたカーソルステア角度とゲート位置受付部21が受け付けたゲート位置に基づいて、Bモード画像上における血管領域内にドプラゲートを設定する。図5に示されるように、ドプラゲートDGは、カーソルステア角度受付部19が受け付けたカーソルステア角度を有する走査線SL上に沿って移動可能に配置される上側ゲート部G1と下側ゲート部G2を有している。上側ゲート部G1は、走査線SL上に位置する上側ゲート点G1Pと、上側ゲート点G1Pを通り且つ走査線SLに垂直な線分G1Lから形成され、下側ゲート部G2は、走査線SL上に位置する下側ゲート点G2Pと、下側ゲート点G2Pを通り且つ走査線SLに垂直な線分G2Lから形成されている。ドプラゲートDGは、上側ゲート点G1Pおよび下側ゲート点G2Pが、Bモード画像上の血管領域BRの輪郭よりも、例えば、1〜2mm程度だけ血管領域BRの内側に位置するように設定される。
なお、上側ゲート部G1の線分G1Lおよび下側ゲート部G2の線分G2Lは、ドプラゲートDGを見やすくするためのものであり、走査線SLに対して垂直ではなく、表示部8の画面の水平方向に平行に延びる線分であってもよい。ゲート位置受付部21が受け付けるゲート位置は、上側ゲート部G1および下側ゲート部G2のそれぞれの位置を含むものとすることができる。
ゲート設定部10は、例えば、初期設定されたドプラゲートを有しており、カーソルステア角度を有する走査線SL上に初期設定されたドプラゲートを形成した後、ゲート位置受付部21が受け付けたゲート位置に応じて、初期設定されたドプラゲートの上側ゲート部G1および下側ゲート部G2の位置を移動することにより、ユーザの操作に応じたドプラゲートDGの設定を行うことができる。
画像生成部9のドプラ処理部6は、ゲート設定部10により設定されたドプラゲートDG内、すなわち、上側ゲート部G1と下側ゲート部G2に挟まれた領域内におけるドプラデータに基づいて血流速度を算出し、ドプラ波形画像を生成する。
プロセッサ23の血管勾配取得部11は、カーソルステア角度受付部19が受け付けたカーソルステア角度と血流補正角度受付部20が受け付けた血流補正角度とに基づいて、血管勾配を取得する。ここで、図6に表示部8の画面の一例を示す。便宜上、表示部8の画面において、水平に延びる方向をX方向、鉛直に延びる方向をY方向とする。カーソルステア角度A1は、ドプラゲートDGの中心点Cを通る走査線SLの、表示部8の画面上における鉛直線SV、すなわち、Y方向に対する傾斜角度を表し、血流補正角度A2は、ドプラゲートDGの中心点Cを通る走査線SLに対する血管領域BRの傾斜角度を表すもので、血流補正角度受付部20が受け付けた血流補正角度A2に基づいてドプラゲートDGの中心点Cを通る血流補正角度線BLが示されている。血流補正角度A2は、走査線SLと血流補正角度線BLとの間の角度である。血管勾配A3は、表示部8の画面上における水平線SH、すなわち、X方向に対する血流補正角度線BLの角度を表すもので、血管角度とも称される。
プロセッサ23の血管壁検出部12は、Bモード画像を画像解析することにより血管前壁および血管後壁を検出する。
ここで、Bモード画像上における血管壁のうち上側の血管壁すなわち超音波プローブ22が接触している被検体の体表に近い、浅部側の血管壁のことを血管前壁と呼び、Bモード画像上における血管壁のうち下側の血管壁すなわち超音波プローブ22が接触している被検体の体表から遠い、深部側の血管壁のことを血管後壁と呼ぶ。例えば、図6に示される表示部8の画面において、Bモード画像UB上の血管領域BRの境界である血管壁のうち、上側すなわち+Y方向側に血管前壁W1が位置し、下側すなわち−Y方向側に血管後壁W2が位置している。
血管壁検出部12は、血管前壁W1および血管後壁W2の近傍に多重反射に起因するBモード強度の極大点が現れても、この極大点を血管前壁W1または血管後壁W2として誤検出することがないように、血管勾配A3に対して垂直な方向で且つドプラゲートDGの外側において血管前壁W1および血管後壁W2を探索し検出する。
図7に示されるように、血管壁検出部12は、血流垂直線取得部35と、前壁検出部36と、後壁検出部37とが、順次直列に接続された構成を有している。
血流垂直線取得部35は、図8に示されるように、ドプラゲートDGの中心点Cを通り且つ血流補正角度線BLに対して垂直に延びる血流垂直線NLを算出して取得する。
前壁検出部36は、ドプラゲートDGの上側ゲート点G1Pを血流垂直線NLに射影した上側射影点P1から血流垂直線NLに沿って定められた距離D1だけ浅部方向の点P2までの範囲において画像解析により血管前壁W1を検出する。後壁検出部37は、ドプラゲートDGの下側ゲート点G2Pを血流垂直線NLに射影した下側射影点P3から血流垂直線NLに沿って定められた距離D2だけ深部方向の点P4までの範囲において画像解析により血管後壁W2を検出する。ここで、距離D1およびD2は、互いに同一の値を有していてもよく、あるいは、互いに異なっていてもよい。上側ゲート点G1Pおよび下側ゲート点G2Pが、Bモード画像上の血管領域BRの輪郭よりも1〜2mm程度だけ血管領域BRの内側に位置するように設定されることから、距離D1およびD2は、それぞれ、3〜5mm程度に設定されることが好ましい。
また、距離D1およびD2は、それぞれ、ドプラゲートDGの上側ゲート点G1Pと下側ゲート点G2Pとの間の距離で定義されるゲート幅に対して、定められた比率の大きさを有するように設定されることもできる。
前壁検出部36および後壁検出部37は、血流垂直線NL上の各点のBモード画像信号の強度(輝度)に基づいて、または、血流垂直線NL上の各点のBモード画像信号の強度の変化量に基づいて、血管前壁W1および血管後壁W2を検出することができる。
プロセッサ23の断面積算出部13は、血管壁検出部12により検出された血流垂直線NL上における血管前壁W1および血管後壁W2の位置から、血管の直径を算出し、血管が円形の断面を有するものとして、血管の直径から、血管の断面積を算出する。
プロセッサ23の平均血流速度算出部15は、ドプラ処理部6により算出された血流速度に基づいて1心拍期間の平均血流速度を算出する。
プロセッサ23の血流量計測部14は、断面積算出部13により算出された血管の断面積と、平均血流速度算出部15により算出された平均血流速度とに基づいて、血管内を流れる血液の単位時間当たりの体積を表す血流量を計測する。
なお、ゲート設定部10により設定されたドプラゲートDGおよび血流量計測部14により計測された血流量は、表示制御部7を介して表示部8に送られ、表示部8に表示される。
プロセッサ23のカーソルステア角度受付部19は、操作部17を介してユーザにより選択されたカーソルステア角度A1を受け付ける。
プロセッサ23の血流補正角度受付部20は、操作部17を介してユーザにより設定された血流補正角度A2を受け付ける。
プロセッサ23のゲート位置受付部21は、操作部17を介してユーザにより設定されたドプラゲートDGの上側ゲート部G1および下側ゲート部G2のそれぞれの位置を受け付ける。
プロセッサ23の装置制御部16は、格納部18等に予め記憶されているプログラムおよび操作部17を介したユーザによる操作に基づいて、超音波診断装置1の各部の制御を行う。
プロセッサ23の表示制御部7は、装置制御部16の制御の下、画像生成部9により生成された超音波画像に所定の処理を施して、表示部8に表示可能な画像を生成する。
表示部8は、表示制御部7により生成された画像を表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)等のディスプレイ装置を含む。
操作部17は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等を備えて構成することができる。
格納部18は、超音波診断装置1の動作プログラム等を格納するもので、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
なお、送信部3、受信部4、表示制御部7、画像生成部9、ゲート設定部10、血管勾配取得部11、血管壁検出部12、断面積算出部13、血流量計測部14、平均血流速度算出部15、装置制御部16、カーソルステア角度受付部19、血流補正角度受付部20およびゲート位置受付部21を有するプロセッサ23は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、デジタル回路を用いて構成されてもよい。また、これらの送信部3、受信部4、表示制御部7、画像生成部9、ゲート設定部10、血管勾配取得部11、血管壁検出部12、断面積算出部13、血流量計測部14、平均血流速度算出部15、装置制御部16、カーソルステア角度受付部19、血流補正角度受付部20およびゲート位置受付部21を部分的にあるいは全体的に1つのCPUに統合させて構成することもできる。
次に、図9に示すフローチャートを用いて、実施の形態1における超音波診断装置1の動作を詳細に説明する。
まず、ステップS1において、少なくとも血管領域BRが撮像されているBモード画像を取得し、表示部8に表示させる。この際に、送信部3からの駆動信号に従って振動子アレイ2の複数の振動子から超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各振動子から受信信号が受信部4に出力され、増幅部24で増幅され、AD変換部25でAD変換された後、ビームフォーマ26で整相加算されて、受信データが生成される。この受信データは、Bモード処理部5において、信号処理部27で包絡線検波処理が施されることでBモード画像信号となり、DSC28および画像処理部29を経て表示制御部7に出力され、表示制御部7によりBモード画像が表示部8に表示される。
続くステップS2において、操作部17を介したユーザの操作に基づいてカーソルステア角度A1が選択されると、選択されたカーソルステア角度A1がカーソルステア角度受付部19により受け付けられ、装置制御部16から表示制御部7に出力されて、表示部8に表示されているBモード画像上に、カーソルステア角度A1の走査線SLが重畳表示される。さらに、カーソルステア角度A1の走査線SLの上に、初期設定されたドプラゲートDGが表示される。
この状態で、ユーザが操作部17を操作して、ドプラゲートDGの上側ゲート部G1および下側ゲート部G2のそれぞれの位置を指定すると、指定された位置がゲート位置受付部21により受け付けられ、装置制御部16からゲート設定部10に出力され、ゲート設定部10により、初期設定されたドプラゲートDGの上側ゲート部G1および下側ゲート部G2が移動されて新たなドプラゲートDGが設定される。新たなドプラゲートDGは、ゲート設定部10から表示制御部7に出力され、表示部8においてBモード画像上に重畳表示される。このようにして、ドプラゲートDGが、Bモード画像上の血管領域BR内に設定される。
さらに、ゲート設定部10により設定されたドプラゲートDGの情報は、ゲート設定部10から画像生成部9のドプラ処理部6に出力され、ドプラ処理部6により、ドプラゲートDGの上側ゲート部G1と下側ゲート部G2に挟まれた領域内におけるドプラデータに基づいて血流速度が算出され、ドプラ波形画像が生成される。
ステップS3において、ユーザが、Bモード画像上の血管領域BRの傾斜角度に合わせて操作部17を操作することにより血流補正角度A2を設定すると、設定された血流補正角度A2が血流補正角度受付部20により受け付けられ、装置制御部16から表示制御部7に出力されて、表示部8に表示されているBモード画像上に、血流補正角度A2を有する線分である血流補正角度線BLが重畳表示される。
このようにして、カーソルステア角度A1の走査線SL、ドプラゲートDG、血流補正角度線BLが重畳表示されたBモード画像UBの一例を図10に示す。ドプラゲートDGが、血管領域BR内に設定されている。
血管勾配取得部11は、カーソルステア角度受付部19が受け付けたカーソルステア角度A1と血流補正角度受付部20が受け付けた血流補正角度A2とに基づいて、以下の式(1)により、血管勾配A3を算出する。
A3=90°−(A1+A2) ・・・(1)
続くステップS4において、血管壁検出部12により、Bモード画像が画像解析され、血管壁の検出が行われる。図11は、血管壁検出の動作を表すフローチャートである。
まず、ステップS11において、血管壁検出部12の血流垂直線取得部35により、図8に示されるように、ドプラゲートDGの中心点Cを通り且つ血流補正角度線BLに対して垂直に延びる血流垂直線NLが取得される。
次に、ステップS12において、血管壁検出部12の前壁検出部36により、ドプラゲートDGの上側ゲート点G1Pを血流垂直線NLに射影した上側射影点P1が設定され、さらに、上側射影点P1から血流垂直線NLに沿って定められた距離D1だけ浅部方向に位置する点P2が設定される。
そして、ステップS13において、前壁検出部36により、上側射影点P1から点P2までの範囲において、血管前壁W1が検出される。血流垂直線NL上の各点のBモード画像信号の強度(輝度)が最大となる点、または、各点のBモード画像信号の強度の変化量が極大となる点を検出することにより、血管前壁W1を検出することができる。
同様に、ステップS14において、血管壁検出部12の後壁検出部37により、ドプラゲートDGの下側ゲート点G2Pを血流垂直線NLに射影した下側射影点P3が設定され、さらに、下側射影点P3から血流垂直線NLに沿って定められた距離D2だけ深部方向に位置する点P4が設定される。
そして、ステップS15において、後壁検出部37により、下側射影点P3から点P4までの範囲において、血管後壁W2が検出される。血流垂直線NL上の各点のBモード画像信号の強度(輝度)が最大となる点、または、各点のBモード画像信号の強度の変化量が極大となる点を検出することにより、血管後壁W2を検出することができる。
このように、ドプラゲートDGの上側ゲート点G1Pを血流垂直線NLに射影した上側射影点P1から血流垂直線NLに沿って定められた距離D1だけ浅部方向に位置する点P2までの範囲において血管前壁W1が検出され、ドプラゲートDGの下側ゲート点G2Pを血流垂直線NLに射影した下側射影点P3から血流垂直線NLに沿って定められた距離D2だけ深部方向に位置する点P4までの範囲において血管後壁W2が検出されるため、ドプラゲートDGの内部に多重反射に起因するBモード強度の極大点が現れたとしても、この極大点を誤って検出することなく、血管前壁W1および血管後壁W2を正確に検出することができる。
さらに、上側ゲート点G1Pおよび下側ゲート点G2Pが、Bモード画像上の血管領域BRの輪郭よりも1〜2mm程度だけ血管領域BRの内側に位置するように設定されるため、血管前壁W1および血管後壁W2の近傍に多重反射に起因するBモード強度の極大点が現れた場合であっても、血管前壁W1および血管後壁W2を正確に検出することが可能となる。
このようにして、血管前壁W1および血管後壁W2が検出されると、ステップS5において、断面積算出部13により、血流垂直線NL上における血管前壁W1および血管後壁W2の位置から、血管の直径が算出され、血管が円形の断面を有するものとして、血管の直径から、血管の断面積が算出される。
さらに、ステップS6において、ドプラ処理部6により算出された血流速度に基づいて1心拍期間の平均血流速度が平均血流速度算出部15により算出される。
続くステップS7において、断面積算出部13により算出された血管の断面積と、平均血流速度算出部15により算出された平均血流速度とに基づき、血流量計測部14により、血管内を流れる血液の単位時間当たりの体積を表す血流量が計測される。
具体的には、血管の断面積をCSA(cm)、平均血流速度をMNV(m/s)とすると、血流量VF(ml/min)は、次の式(2)により算出することができる。
VF=CSA×MNV×60(s/min)×100(cm/m) ・・・(2)
図12に示されるように、表示部8に、ドプラ処理部6により生成されたドプラ波形画像UDを、Bモード画像UBと並べて表示することができる。さらに、血流量計測部14により計測された血流量が、表示制御部7を介して表示部8に送られ、表示部8に表示される。
ユーザは、表示部8に表示されたBモード画像UBおよびドプラ波形画像UDを観察しながら、血流量計測部14により計測された血流量を確認することができる。
なお、上記の実施の形態1においては、操作部17に接続された血流補正角度受付部20を有し、ユーザが操作部17を操作することにより設定された血流補正角度A2が血流補正角度受付部20により受け付けられるが、これに限るものではなく、血流補正角度A2を自動的に検出するように構成することもできる。
図13に、実施の形態1の変形例における血管勾配取得部11Aの内部構成を示す。血管勾配取得部11Aは、血流補正角度検出部38と血管勾配算出部39が直列に接続された構成を有している。実施の形態1の変形例に係る超音波診断装置は、図1に示した実施の形態1の超音波診断装置1において、血管勾配取得部11の代わりに血管勾配取得部11Aを用いたものであり、血管勾配取得部11A以外は実施の形態1の超音波診断装置1と同様の構成を有している。
血流補正角度検出部38は、Bモード処理部5により生成されたBモード画像を画像解析することにより血管領域BRを認識し、カーソルステア角度A1の走査線SLに対する血管領域BRの傾斜角度を血流補正角度A2として検出する。
具体的には、血流補正角度検出部38は、
(1)ドプラゲートDGの近傍のBモード画像を抜き出し、
(2)抜き出したBモード画像の全体にぼかしを施してボケ画像を作成し、
(3)エッジ検出を行うことによりドプラゲートDGの上側および下側に血管前壁および血管後壁をそれぞれ検出し、
(4)検出された血管前壁および血管後壁をそれぞれ直線で近似し、これらの近似直線の平均角度を求めて血流補正角度A2とすることができる。
あるいは、血流補正角度検出部38は、
(1)ドプラゲートDGの近傍のBモード画像を抜き出し、
(2)抜き出したBモード画像の全体にぼかしを施してボケ画像を作成し、
(3)ドプラゲートDGの中心点Cの輝度に対して定められた階調以下の小さな輝度差を有する領域を検出し、この領域の上側の境界線および下側の境界線をそれぞれ血管前壁および血管後壁として検出し、
(4)検出された血管前壁および血管後壁をそれぞれ直線で近似し、これらの近似直線の平均角度を求めて血流補正角度A2とすることもできる。
血管勾配算出部39は、血流補正角度検出部38により検出された血流補正角度A2と、カーソルステア角度受付部19により受け付けられたカーソルステア角度A1とに基づいて、上記の式(1)により、血管勾配A3を算出する。
このような血管勾配取得部11Aを用いることにより、ユーザが操作部17を操作することにより血流補正角度A2を設定することなく、自動的に血流補正角度A2を検出して、血管壁検出部12により血管前壁W1および血管後壁W2を検出することができる。
なお、血管勾配取得部11Aを用いた実施の形態1の変形例に係る超音波診断装置においては、血流補正角度検出部38により血流補正角度A2を自動的に検出するので、血流補正角度受付部20を備えていなくてもよいが、ユーザが操作部17を操作することにより、血流補正角度検出部38が自動的に検出した血流補正角度A2を微調整するように構成することもできる。
微調整された血流補正角度A2は、血流補正角度受付部20により受け付けられ、微調整された血流補正角度A2に基づいて、血管壁検出部12による血管前壁W1および血管後壁W2の検出、断面積算出部13による血管の断面積の算出、血流量計測部14による血流量の計測を再度行うことができる。
また、微調整された血流補正角度A2に基づいて、ドプラ処理部6におけるパルスドプラのスケールを変更して平均血流速度算出部15により平均血流速度を算出し直し、この平均血流速度と、血流補正角度A2を微調整する前に断面積算出部13により算出された血管の断面積とを用いて血流量計測部14が血流量の計測を再度行うこともできる。
このようにして、微調整された血流補正角度A2を反映させた血流量の計測を行うことが可能となる。
実施の形態2
図14に、実施の形態2に係る超音波診断装置において用いられる血管壁検出部12Aの内部構成を示す。血管壁検出部12Aは、画像回転部40と、平滑化部41と、前壁検出部36と、後壁検出部37と、座標取得部42とが、直列に接続された構成を有している。実施の形態2に係る超音波診断装置は、図1に示した実施の形態1の超音波診断装置1において、血管壁検出部12の代わりに血管壁検出部12Aを用いたものであり、血管壁検出部12A以外は実施の形態1の超音波診断装置1と同様の構成を有している。
血管壁検出部12Aの画像回転部40は、血管領域BRが表示部8の画面上において水平に延びるように、血管勾配取得部11により取得された血管勾配A3だけBモード画像UBを回転させて、Bモード画像UB1を取得する。
血管壁検出部12Aの平滑化部41は、画像回転部40により取得されたBモード画像UB1に対して水平方向に沿った平滑化処理を行う。
血管壁検出部12Aの前壁検出部36および後壁検出部37は、それぞれ、実施の形態1の超音波診断装置1における血管壁検出部12の前壁検出部36および後壁検出部37と同様のものであり、血管勾配A3だけ回転したBモード画像UB1において血管前壁W1および血管後壁W2を検出する。
血管壁検出部12Aの座標取得部42は、Bモード画像UB1を血管勾配A3だけ逆回転させて当初のBモード画像UBに戻した場合における、前壁検出部36および後壁検出部37により検出された血管前壁W1および血管後壁W2のBモード画像UB上の座標を取得する。
次に、実施の形態2に係る超音波診断装置の動作について説明する。
実施の形態1の超音波診断装置1と同様に、図9に示すフローチャートのステップS1において、少なくとも血管領域BRが撮像されているBモード画像UBを取得し、表示部8に表示させる。
続くステップS2において、ユーザの操作に基づいてカーソルステア角度A1がカーソルステア角度受付部19により受け付けられ、且つ、ドプラゲートDGの上側ゲート部G1および下側ゲート部G2のそれぞれの位置がゲート位置受付部21により受け付けられて、ゲート設定部10によりドプラゲートDGが、Bモード画像上の血管領域BR内に設定される。
ステップS3において、ユーザの操作に基づいて血流補正角度A2が血流補正角度受付部20により受け付けられ、血管勾配取得部11により血管勾配A3が算出される。
続くステップS4において、血管壁の検出が行われるが、この実施の形態2の超音波診断装置の血管壁検出部12Aにおける血管壁検出の動作を、図15のフローチャートに示す。
まず、ステップS21において、血管壁検出部12Aの画像回転部40により、血管領域BRが表示部8の画面上において水平に延びるようにBモード画像UBを血管勾配A3だけ回転して、Bモード画像UB1が取得される。例えば、図6に示されるように、Bモード画像UBにおいては、血管領域BRは、表示部8の画面上の水平方向、すなわち、X方向に対して血管勾配A3だけ傾斜した方向に延びている。このため、図6に示されるBモード画像UBを、時計回りに血管勾配A3だけ回転させると、図16に示されるように、血管領域BRが表示部8の画面上において水平方向、すなわち、X方向に延びるBモード画像UB1が取得される。
Bモード画像UB1が取得されると、ステップS22において、Bモード画像UB1に対し、平滑化部41により、水平方向に沿った平滑化処理が行われる。ここで、平滑化処理とは、Bモード画像UB1の各点における輝度値を滑らかにすることにより、Bモード画像UB1中のノイズを除去するための処理であり、例えば、移動平均フィルタ、ガウシアン平滑フィルタ、メディアンフィルタ等の平滑化フィルタを使用することにより実施することができる。
Bモード画像UB1においては、血管領域BRが水平方向に延び、血管前壁W1および血管後壁W2も水平方向に延びており、また、血管は層構造を有しているため、水平方向に沿った平滑化処理により、効果的に且つ容易にノイズの除去を行うことが可能となる。
平滑化処理が終了すると、続くステップS12〜S15において、実施の形態1と同様にして、血管壁検出部12Aの前壁検出部36および後壁検出部37により、Bモード画像UB1上において、血管前壁W1および血管後壁W2が検出される。
すなわち、ステップS12において、図17に示されるように、血管壁検出部12Aの前壁検出部36により、ドプラゲートDGの上側ゲート点G1Pを血流垂直線NLに射影した上側射影点P1が設定され、さらに、上側射影点P1から血流垂直線NLに沿って定められた距離D1だけ浅部方向に位置する点P2が設定される。ここで、Bモード画像UB1においては、血流補正角度線BLは、水平方向であるX方向に延びており、血流垂直線NLは、ドプラゲートDGの中心点Cを通り且つ鉛直方向であるY方向に延びる線分となる。
ステップS13において、前壁検出部36により、上側射影点P1から点P2までの範囲において、血管前壁W1が検出される。
同様に、ステップS14において、後壁検出部37により、ドプラゲートDGの下側ゲート点G2Pを血流垂直線NLに射影した下側射影点P3が設定され、下側射影点P3から血流垂直線NLに沿って定められた距離D2だけ深部方向に位置する点P4が設定される。さらに、ステップS15において、後壁検出部37により、下側射影点P3から点P4までの範囲において、血管後壁W2が検出される。
このようにして、Bモード画像UB1において血管前壁W1および血管後壁W2が検出されると、ステップS23において、血管壁検出部12Aの座標取得部42により、回転前のBモード画像UB、すなわち、血管領域BRが水平方向に対して血管勾配A3だけ傾斜した方向に延びているBモード画像UBにおける血管前壁W1および血管後壁W2の座標が取得される。
座標取得部42は、例えば、Bモード画像UB1における血管前壁W1および血管後壁W2の座標に対して座標変換演算を行うことにより、Bモード画像UB1を血管勾配A3だけ逆回転させて当初のBモード画像UBに戻した場合における血管前壁W1および血管後壁W2の座標を算出することができる。
血管壁検出部12Aの座標取得部42により血管前壁W1および血管後壁W2の座標が取得されると、図9のフローチャートのステップS5において、断面積算出部13により、血管の断面積が算出され、続くステップS6において、平均血流速度算出部15により1心拍期間の平均血流速度が算出され、さらに、ステップS7において、断面積算出部13により算出された血管の断面積と、平均血流速度算出部15により算出された平均血流速度とに基づき、血流量計測部14により、血管内を流れる血液の単位時間当たりの体積を表す血流量が計測される。
ここで、実施の形態2の超音波診断装置を用い、Bモード画像UBを血管勾配A3だけ回転させ且つ水平方向に沿って平滑化処理を施したBモード画像UB1における、血流垂直線NL上の輝度プロファイルおよび血流垂直線NL上の隣接する各点の輝度の差分(変化量)のプロファイルの一例を図18に示す。輝度の差分に基づいて、血管前壁W1および血管後壁W2が検出されている。検出された血管前壁W1および血管後壁W2から、血管の直径が、3.67mmとして算出された。
これに対して、同一のBモード画像UBに対して水平方向に沿って平滑化処理を施した後に、血管勾配A3だけ回転させた場合の、同一の血流垂直線NL上の輝度プロファイルおよび血流垂直線NL上の隣接する各点の輝度の差分(変化量)のプロファイルの一例を図19に示す。輝度の差分に基づいて、血管前壁W1および血管後壁W2が検出され、検出された血管前壁W1および血管後壁W2から、血管の直径が、3.39mmとして算出された。
また、図18に示される輝度プロファイルは、図19に示される輝度プロファイルよりも、鋭い形状を有することがわかる。
このように、血管領域BRが水平方向に対して血管勾配A3だけ傾斜した方向に延びているBモード画像UBに対して、水平方向に沿った平滑化処理を施してから、Bモード画像UBを回転させた場合には、実施の形態2のように、回転後のBモード画像UB1に対して、水平方向に沿った平滑化処理を施す場合に比べて、血管の直径が小さく算出されている。その結果、血管の断面積も小さく算出され、血流量計測部14により計測される血流量が約15%も低下したものとなった。
上述した実施の形態2のように、Bモード画像UBを血管勾配A3だけ回転させて取得されたBモード画像UB1に対して、水平方向の平滑化処理を施すことにより、血管前壁W1および血管後壁W2を正確に検出し、正確な血流量を計測することが可能となる。
なお、実施の形態2では、座標取得部42が、Bモード画像UB1上の血管前壁W1および血管後壁W2の座標に対して座標変換を行うことにより、Bモード画像UB1を当初の血管勾配A3だけ逆回転させた場合の血管前壁W1および血管後壁W2の座標を算出する例を説明したが、血管前壁W1および血管後壁W2の座標を算出する方法は、これに限定されない。例えば、Bモード画像UB1を当初の血管勾配A3だけ逆回転させてBモード画像UBに戻し、Bモード画像UB上において血管前壁W1および血管後壁W2の座標を取得することもできる。
実施の形態3
図20に、実施の形態3に係る超音波診断装置において用いられる血管壁検出部12Bの内部構成を示す。血管壁検出部12Bは、血流垂直線取得部35と、上側検出領域設定部43と、下側検出領域設定部44と、前壁検出部45と、後壁検出部46とが、順次直列に接続された構成を有している。実施の形態3に係る超音波診断装置は、図1に示した実施の形態1の超音波診断装置1において、血管壁検出部12の代わりに血管壁検出部12Bを用いたものであり、血管壁検出部12B以外は実施の形態1の超音波診断装置1と同様の構成を有している。
血管壁検出部12Bの血流垂直線取得部35は、実施の形態1の超音波診断装置1における血管壁検出部12の血流垂直線取得部35と同様のものであり、ドプラゲートDGの中心点Cを通り且つ血流補正角度線BLに対して垂直に延びる血流垂直線NLを算出して取得する。
血管壁検出部12Bの上側検出領域設定部43は、図21に示されるように、ドプラゲートDGの上側ゲート点G1Pを血流垂直線NLに射影した上側射影点P1を基準として、上側検出領域R1を設定する。上側検出領域R1は、血管前壁W1を探索するための領域であり、上側射影点P1から血流垂直線NLに沿って長さH1だけ浅部方向に延び、且つ、上側射影点P1が中央となるように長さL1だけ血流補正角度線BLに平行(血管勾配A3に平行)に延びる、定められた範囲を有する矩形の形状を有している。
血管壁検出部12Bの下側検出領域設定部44は、ドプラゲートDGの下側ゲート点G2Pを血流垂直線NLに射影した下側射影点P3を基準として、下側検出領域R2を設定する。下側検出領域R2は、血管後壁W2を探索するための領域であり、下側射影点P3から血流垂直線NLに沿って長さH2だけ深部方向に延び、且つ、下側射影点P3が中央となるように長さL2だけ血流補正角度線BLに平行(血管勾配A3に平行)に延びる、定められた範囲を有する矩形の形状を有している。
血管壁検出部12Bの前壁検出部45は、上側検出領域R1内において血管前壁W1を検出するもので、上側検出領域R1内を探索することにより血管前壁境界線を検出し、血流垂直線NLと検出された血管前壁境界線との交点を血管前壁W1として検出する。
血管壁検出部12Bの後壁検出部46は、下側検出領域R2内において血管後壁W2を検出するもので、下側検出領域R2内を探索することにより血管後壁境界線を検出し、血流垂直線NLと検出された血管後壁境界線との交点を血管後壁W2として検出する。
前壁検出部45および後壁検出部46は、それぞれ、上側検出領域R1内および下側検出領域R2内の各点のBモード画像信号の強度(輝度)、各点のBモード画像信号の強度の変化量に基づいて血管前壁境界線および血管後壁境界線を検出することができる。例えば、図示しないが、前壁検出部45は、上側検出領域R1内において、血流垂直線NLに平行な探索線を想定し、探索線を血流補正角度線BLに平行な方向に移動させながら、この探索線上を浅部方向に探索することにより、Bモード強度の変化量が極大となる箇所を血管前壁W1として検出することができる。同様に、後壁検出部46は、下側検出領域R2内において、血流垂直線NLに平行な探索線を、血流補正角度線BLに平行な方向に移動させながら、この探索線上を深部方向に探索することにより、Bモード強度の変化量が極大となる箇所を血管後壁W2として検出することができる。
また、各点のBモード画像信号の強度、各点のBモード画像信号の強度の変化量を含む評価関数をもとに、動的計画法を用いて血管前壁境界線および血管後壁境界線を検出することもできる。さらに、国際公開2011/099102A1に開示されているように、血管壁の基準パターンを示すテンプレートに基づくパターン類似度を利用して血管前壁境界線および血管後壁境界線を検出することもできる。
また、上側検出領域R1内および下側検出領域R2内に血流垂直線NLと平行に延びる複数の探索線を想定し、例えば、特許第5844325号に開示されているように、各探索線上において血管壁境界候補点を決定し、輝度情報、特に強度情報、エッジ情報を用いて、決定された血管壁境界候補点の血管壁境界点としての確度を表す第1の評価値を算出し、決定された血管壁境界候補点を含み且つ隣接する探索線との類似度を表す第2の評価値を算出し、第1の評価値と第2の評価値とに基づいて血管壁境界候補点の中から血管壁境界点を決定するための第3の評価値を算出して、血管前壁境界線および血管後壁境界線を検出することもできる。
ここで、上記の「第2の評価値」として、類似度の代わりに、決定された血管壁境界候補点の探索線間の深さ方向の飛び量を用いることもできる。すなわち、各探索線上において血管壁境界候補点を決定し、決定された血管壁境界候補点の血管壁境界点としての確度を表す第1の評価値を算出し、決定された血管壁境界候補点の探索線間の深さ方向の飛び量に基づく第2の評価値を算出し、第1の評価値と第2の評価値とに基づいて血管壁境界候補点の中から血管壁境界点を決定するための第3の評価値を算出して、血管前壁境界線および血管後壁境界線を検出することもできる。
次に、実施の形態3に係る超音波診断装置の動作について説明する。
実施の形態1の超音波診断装置1と同様に、図9に示すフローチャートのステップS1において、少なくとも血管領域BRが撮像されているBモード画像UBを取得し、表示部8に表示させる。
続くステップS2において、ユーザの操作に基づいてカーソルステア角度A1がカーソルステア角度受付部19により受け付けられ、且つ、ドプラゲートDGの上側ゲート部G1および下側ゲート部G2のそれぞれの位置がゲート位置受付部21により受け付けられて、ゲート設定部10によりドプラゲートDGが、Bモード画像上の血管領域BR内に設定される。
ステップS3において、ユーザの操作に基づいて血流補正角度A2が血流補正角度受付部20により受け付けられ、血管勾配取得部11により血管勾配A3が算出される。
続くステップS4において、血管壁の検出が行われるが、実施の形態2の超音波診断装置の血管壁検出部12Bにおける血管壁検出の動作を、図22のフローチャートに示す。
まず、ステップS11において、血管壁検出部12Bの血流垂直線取得部35により、ドプラゲートDGの中心点Cを通り且つ血流補正角度線BLに対して垂直に延びる血流垂直線NLが取得される。
ステップS31において、血管壁検出部12Bの上側検出領域設定部43により、ドプラゲートDGの上側ゲート点G1Pを血流垂直線NLに射影した上側射影点P1を基準として、上側検出領域R1が設定され、ステップS32において、血管壁検出部12Bの前壁検出部45により、上側検出領域R1内において血管前壁境界線が検出され、検出された血管前壁境界線と血流垂直線NLとの交点が、血管前壁W1として検出される。
同様に、ステップS33において、血管壁検出部12Bの下側検出領域設定部44により、ドプラゲートDGの下側ゲート点G2Pを血流垂直線NLに射影した下側射影点P3を基準として、下側検出領域R2が設定され、ステップS34において、血管壁検出部12Bの後壁検出部46により、下側検出領域R2内において血管後壁境界線が検出され、検出された血管後壁境界線と血流垂直線NLとの交点が、血管後壁W2として検出される。
このようにして、血管前壁W1および血管後壁W2が検出されると、図9のフローチャートのステップS5において、断面積算出部13により、血管の断面積が算出され、続くステップS6において、平均血流速度算出部15により1心拍期間の平均血流速度が算出され、さらに、ステップS7において、断面積算出部13により算出された血管の断面積と、平均血流速度算出部15により算出された平均血流速度とに基づき、血流量計測部14により、血管内を流れる血液の単位時間当たりの体積を表す血流量が計測される。
この実施の形態3によれば、血流垂直線NL上のみでなく、上側検出領域R1内および下側検出領域R2内を探索することにより、それぞれ、血管前壁W1および血管後壁W2を検出するため、血管前壁W1および血管後壁W2の検出精度が向上し、血流量をより正確に計測することが可能となる。
なお、上側検出領域R1の長さH1および長さL1と、下側検出領域R2の長さH2および長さL2は、互いに同一の値を有していてもよく、あるいは、互いに異なっていてもよい。また、血流垂直線NLに沿った上側検出領域R1の長さH1および下側検出領域R2の長さH2は、実施の形態1における距離D1および距離D2と同じ値にすることもでき、異なる値であってもよい。長さH1およびH2は、それぞれ、ドプラゲートDGの上側ゲート点G1Pと下側ゲート点G2Pとの間の距離で定義されるゲート幅に対して、定められた比率の大きさを有するように設定されることもできる。
さらに、上側検出領域R1および下側検出領域R2は、矩形形状に限るものではなく、上側検出領域R1および下側検出領域R2の形状には限定されない。
また、実施の形態3においても、上述した実施の形態2と同様に、Bモード画像UBを血管勾配A3だけ回転させて取得されたBモード画像UB1に対して、水平方向の平滑化処理を施した後に、上側検出領域R1および下側検出領域R2内を探索して血管前壁W1および血管後壁W2を検出することもできる。このようにすれば、血管前壁W1および血管後壁W2をより正確に検出し、正確な血流量を計測することが可能となる。
上述した実施の形態1〜3に係る超音波診断装置は、表示部8にタッチセンサを組み合わせて、タッチセンサを操作部17として使用する可搬型の超音波診断装置に適用することもできる。このような可搬型の超音波診断装置とすれば、緊急治療等の際に、屋外における診断にも有効なものとなる。
1 超音波診断装置、2 振動子アレイ、3 送信部、4 受信部、5 Bモード処理部、6 ドプラ処理部、7 表示制御部、8 表示部、9 画像生成部、10 ゲート設定部、11,11A 血管勾配取得部、12,12A,12B 血管壁検出部、13 断面積算出部、14 血流量計測部、15 平均血流速度算出部、16 装置制御部、17 操作部、18 格納部、19 カーソルステア角度受付部、20 血流補正角度受付部、21 ゲート位置受付部、22 超音波プローブ、23 プロセッサ、24 増幅部、25 AD変換部、26 ビームフォーマ、27 信号処理部、28 DSC、29 画像処理部、30 直交検波部、31 ハイパスフィルタ、32 高速フーリエ変換部、33
ドプラ波形画像生成部、34 データメモリ、35 血流垂直線取得部、36,45 前壁検出部、37,46 後壁検出部、38 血流補正角度検出部、39 血管勾配算出部、40 画像回転部、41 平滑化部、42 座標取得部、43 上側検出領域設定部、44 下側検出領域設定部、BR 血管領域、SL 走査線、DG ドプラゲート、G1 上側ゲート部、G1P 上側ゲート点、G1L,G2L 線分、G2 下側ゲート部、G2P 下側ゲート点、BL 血流補正角度線、C 中心点、A1 カーソルステア角度、A2 血流補正角度、A3 血管勾配、SV 鉛直線、SH 水平線、W1 血管前壁、W2 血管後壁、NL 血流垂直線、P1 上側射影点、P2,P4 点、P3 下側射影点、D1,D2 距離、UB Bモード画像,UB1 回転されたBモード画像、UD ドプラ波形画像、R1 上側検出領域、R2 下側検出領域、H1,H2,L1,L2 長さ、M 極大点。

Claims (13)

  1. 少なくとも血管領域が撮像されているBモード画像を表示する表示部と、
    前記Bモード画像上における前記血管領域内にドプラゲートを設定するゲート設定部と、
    血管勾配を取得する血管勾配取得部と、
    前記血管勾配取得部により取得された前記血管勾配に対して垂直な方向で且つ前記ゲート設定部により設定された前記ドプラゲートの外側に血管壁検出範囲を設定し、前記血管壁検出範囲において前記Bモード画像を画像解析することにより血管前壁および血管後壁を検出する血管壁検出部と
    を備えた超音波診断装置。
  2. 前記ドプラゲートは、それぞれ前記ドプラゲートの中心点を通る走査線に沿って互いに対向する上側ゲート点および下側ゲート点を有し、
    前記血管壁検出部は、
    前記上側ゲート点を前記ドプラゲートの中心点を通り且つ前記血管勾配に対して垂直に延びる血流垂直線に射影した上側射影点よりも浅部方向において前記血管前壁を検出する前壁検出部と、
    前記下側ゲート点を前記血流垂直線に射影した下側射影点よりも深部方向において前記血管後壁を検出する後壁検出部とを有する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記前壁検出部は、前記上側射影点から前記血流垂直線に沿って定められた距離だけ前記浅部方向の点までの範囲において前記血管前壁を検出し、
    前記後壁検出部は、前記下側射影点から前記血流垂直線に沿って前記定められた距離だけ前記深部方向の点までの範囲において前記血管後壁を検出する請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記前壁検出部は、前記上側射影点から前記血管垂直線に沿って前記浅部方向に延び且つ前記血管勾配に平行に延びる定められた範囲を有する上側検出領域を設定し、前記上側検出領域内において血管前壁境界線を検出し、前記血流垂直線と検出された前記血管前壁境界線との交点を前記血管前壁として検出し、
    前記後壁検出部は、前記下側射影点から前記血管垂直線に沿って前記深部方向に延び且つ前記血管勾配に平行に延びる定められた範囲を有する下側検出領域を設定し、前記下側検出領域内において血管後壁境界線を検出し、前記血流垂直線と検出された前記血管後壁境界線との交点を前記血管後壁として検出する請求項2に記載の超音波診断装置。
  5. 前記血管壁検出部は、前記血管領域が水平に延びるように、前記血管勾配取得部により取得された前記血管勾配だけ前記Bモード画像を回転する画像回転部を含み、
    前記前壁検出部および前記後壁検出部は、前記画像回転部により回転された前記Bモード画像上においてそれぞれ前記血管前壁および前記血管後壁を検出する請求項2〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記血管壁検出部は、前記画像回転部により回転された前記Bモード画像に対して水平方向に沿った平滑化処理を行う平滑化部を含み、
    前記前壁検出部および前記後壁検出部は、前記平滑化部により平滑化された前記Bモード画像上においてそれぞれ前記血管前壁および前記血管後壁を検出する請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記血管壁検出部により検出された前記血管前壁および前記血管後壁に基づいて血管の断面積を算出する断面積算出部をさらに備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記ドプラゲート内のドプラデータに基づいて血流速度を算出するドプラ処理部と、
    前記断面積算出部により算出された前記血管の断面積と前記ドプラ処理部により算出された前記血流速度に基づいて血流量を計測し且つ計測結果を前記表示部に表示する血流量計測部とをさらに備える請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記ドプラ処理部により算出された前記血流速度に基づいて1心拍期間の平均血流速度を算出する平均血流速度算出部を備え、
    前記血流量計測部は、前記断面積算出部により算出された前記血管の断面積と前記平均血流速度算出部により算出された前記平均血流速度とに基づいて血流量を計測する請求項8に記載の超音波診断装置。
  10. 前記ドプラ処理部は、前記ドプラゲート内のドプラデータに基づいてドプラ波形画像を生成し、
    前記表示部は、前記Bモード画像と前記ドプラ波形画像とを表示する請求項8または9に記載の超音波診断装置。
  11. 前記血管勾配取得部は、前記ドプラゲートの中心点を通る走査線の傾斜角度であるカーソルステア角度と前記ドプラゲートの中心点を通る走査線に対する前記血管領域の傾斜角度を示す血流補正角度とに基づいて前記血管勾配を取得する請求項1〜10のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  12. 前記血管勾配取得部は、前記Bモード画像を画像解析することにより前記血管領域を認識して前記血流補正角度を検出する血流補正角度検出部を含み、前記血流補正角度検出部により検出された前記血流補正角度を用いて前記血管勾配を算出する請求項1〜10のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  13. 少なくとも血管領域が撮像されているBモード画像を表示し、
    前記Bモード画像上における前記血管領域内にドプラゲートを設定し、
    血管勾配を取得し、
    取得された前記血管勾配に対して垂直な方向で且つ前記ドプラゲートの外側に血管壁検出範囲を設定し、前記血管壁検出範囲において前記Bモード画像を画像解析することにより血管前壁および血管後壁を検出する
    超音波診断装置の制御方法。
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