JP6876002B2 - 機能的要素を共有結合により係留させるための細胞透過性、細胞適合性、かつ開裂可能であるリンカー - Google Patents
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Description
本発明は、2015年6月5日に出願された米国仮特許出願第62/171,620号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が組み込まれる。
本明細書において、用語「官能基選択的」及びその派生語(例えば、「官能基選択的に」)は、特定の官能基、部分、または一組の官能基に対する、薬剤(「官能基選択性物質」)の化学的に選択的な反応性または触媒作用を指す。「官能基選択的に開裂可能な基」は、適切な条件(例えば、適切な官能基選択性物質)に曝露した場合に切断される化学部分である。本明細書において、「細胞透過性がある」という用語は、化合物または他の組成物が生細胞の細胞膜を横断する能力を指す。本明細書において、「細胞適合性がある」という用語は、化合物、または他の組成物が、実質的に、分解(decomposing)または分解(degrading)を受けることなく細胞内部に留まる能力を指す。本明細書において、「タンパク質性の環境」という用語は、タンパク質濃度が0.1mg/mlより大きい局所条件を指す。「高度にタンパク質性の環境」は、タンパク質濃度が10mg/mlより大きい局所条件を指す。本明細書において、本明細書で「Z」基として示される「細胞相互作用要素」という用語は、細胞成分(例えば、タンパク質、ペプチド、脂質、核酸(例えば、特定の配列など)など)と相互作用する(例えば、共有結合または非共有結合で結合する)、または「被験細胞相互作用要素」の場合、細胞成分(例えば、タンパク質、ペプチド、脂質、核酸(例えば、特定の配列など)など)と相互作用する可能性のある、任意の分子部分(例えば、低分子(例えば、薬物、毒素、反応性基、ペプチドなど)など)を指す。本明細書において、本明細書で「Q」基として示される「捕捉要素」という用語は、対応する「捕捉物質」と、共有結合または安定な非共有結合で相互作用する分子成分を指す。本明細書において、「機能的要素」という用語は、本明細書の組成物、方法、及び系において、官能基選択的に開裂可能なリンカーによって連結されている「細胞相互作用要素」及び「捕捉要素」を指す。本明細書に記載する実施形態に利用され得る他のさらなる機能的要素は、「位置特定要素」、「検出要素」などを含む。
「D」は、「V」と反応した場合に共有結合を形成する反応性基であり、
「E」はヘテロ原子(例えば、N、O、S、P)であり、
「G」はY基、M基、及び/またはL基であり、
「L」はリンカー部分であり、
「M」はアルキルカルバマートであり、
「Q」は捕捉要素であり、
「R」は有機官能基であり、
「V」は、「D」と反応した場合に共有結合を形成する反応性基であり、
「X」はハロゲン(例えば、Cl、Br、F、Iなど)であり、
「Y」は、適切な官能基選択性物質(例えば、アリル−ヘテロ原子(例えば、アリルカルバマート)、プロパルギル−ヘテロ原子など)との相互作用によって開裂可能な、官能基選択的に開裂可能な部分であり、
「Z」は、細胞内標的と結合することができる細胞相互作用要素である。
いくつかの実施形態では、一般分子式Z−Y−Qを含む組成物を提供し、式中、Zは細胞相互作用要素(または他の機能的要素)であり、Yは官能基選択的に開裂可能な基であり、Qは捕捉要素(または他の機能的要素)である。組成物は、1つ以上のリンカー部分(例えば、L1、L2など)をさらに含んでよく、一般分子式がZ−L−Y−Q、Z−Y−L−QまたはZ−L1−Y−L2−Qであってよい。組成物は、官能基選択的に開裂可能な部分を2つ以上含んでよい。いくつかの実施形態では、細胞相互作用要素、官能基選択的に開裂可能な基、捕捉要素、及び任意選択によるリンカー(複数可)を組み合わせたものは細胞透過性及び細胞適合性である。いくつかの実施形態では、官能基選択的に開裂可能な基は、官能基選択的な開裂物質の存在下、緩和な条件下(例えば、生理的条件、中性付近pH、室温付近など)で開裂可能である。
いくつかの実施形態では、官能基選択的に開裂可能な基は、適切な官能基選択性物質に曝露した場合に化学的に開裂することができる任意の化学部分である。いくつかの実施形態では、官能基選択的に開裂可能な基は、リンカー(例えば、直鎖リンカー)として機能して、他の2つの部分(例えば、細胞相互作用要素及び捕捉要素)をつなぐことができる。いくつかの実施形態では、官能基選択的に開裂可能な基は2つの基を連結し、かかる官能基選択的に開裂可能な基が官能基選択的に開裂されると、2つの基は互いに遊離する。例えば、官能基選択的に開裂可能な基Yによって、細胞相互作用要素Zが捕捉物質Qに係留される(例えば、Z−Y−Q)。Yが化学的に開裂されてY1とY2になると、Z及びQの係留は解除される(例えば、Z1−Y1及びY2−Q)。
本明細書に記載する組成物及び方法に利用される、官能基選択的に開裂可能な基としてアリル−ヘテロ原子基が挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、官能基選択的に開裂可能な基は下記式のものであってよく、
式中、Eは、ヘテロ原子(例えば、O、N、S(例えば、任意の好適な酸化状態)、P(例えば、任意の好適な酸化状態)、Se)であり、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6は有機部分であり、例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、ヘテロアリール、アミド、エステル、カルバマート、カーボネート、尿素、チオ尿素、スルファミド、硫酸、亜硫酸、リン酸、ホスホン酸などから選択される。EがNまたはPである実施形態では、E基は、Hまたは本明細書に記載する他の有機官能基もしくは有機ヘテロ官能基でさらに置換されてよい。いくつかの実施形態では、R6は、
を含む。
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR7は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。いくつかの実施形態では、官能基選択的に開裂可能な基はアリルスルホキシドであり、例えば、式
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR7は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R7、及びR8は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR7は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R2〜R9は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、二重結合の立体配置はEまたはZ、例えば、
である]で表されるものである。
を含む。
である。
本明細書に記載する組成物及び方法に利用される、官能基選択的に開裂可能な基にはプロパルギル−ヘテロ原子基が挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、官能基選択的に開裂可能な基は下記式のものであってよく、
式中、Eは、ヘテロ原子(例えば、O、N、S、P)であり、R1、R2、及びR3は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R4は有機部分であり、例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、ヘテロアリール、アミド、エステル、カルバマート、カーボネート、尿素、チオ尿素、スルホンアミド、硫酸、亜硫酸、リン酸、ホスホン酸などから選択される。EがNまたはPである実施形態では、E基は、Hまたは本明細書に記載する他の有機官能基もしくは有機ヘテロ官能基でさらに置換されてよい。いくつかの実施形態では、R4は、
を含む。
[式中、R1、R2、及びR3は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R4はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、及びR4は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R5はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、及びR3は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R4はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、及びR4は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R5はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R6はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、及びR3は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R4はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
[式中、R1、R2、R3、及びR4は各々、互いに独立して、H、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含み、R5はアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれより長いかもしくは分岐した型(例えば、イソプロピル))、アリール、またはヘテロアリールを含む]で表されるものである。
いくつかの実施形態では、リンカー部分(例えば、L1、L2など)、例えば、官能基選択的に開裂可能な基と細胞相互作用要素または捕捉要素とをつなぐリンカー部分は、本明細書の組成物の一部として提供される。いくつかの実施形態では、細胞相互作用要素または捕捉要素をつなぐ「リンカー」は、官能基選択的に開裂可能な部分(Y)及び0、1つ、2つ、またはそれ以上の「リンカー部分」(L1、L2など)を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、アルキル鎖、アルケニル鎖、またはアルキニル鎖の任意の組み合わせ、及び主鎖ヘテロ原子(例えば、O、S、N、Pなど)を含む、直鎖または分岐鎖である。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、−O−、−S−、−CH=CH−、=C=、炭素−炭素三重結合、C=O、NH、SH、OH、CNなどから選択される1つ以上の骨格基を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、任意の好適な有機官能基を含む、1つ以上の置換基、ペンダント、側鎖などを含む。
本明細書は、本明細書に記載する組成物及び方法において有用な2つの機能的要素(例えば、捕捉要素(Q)及び細胞相互作用要素(Z))を含む組成物を提供する。機能的要素は、自身が付着している組成物に対して機能または潜在的機能を提供する分子成分または高分子成分である。そのような機能は、本明細書に記載する組成物またはタンパク質もしくはそれに結合している融合体の単離、精製、検出、位置の特定、固定化などを行う際に有用であり得る。いくつかの実施形態では、機能的要素は、細胞成分(例えば、細胞相互作用要素)と相互作用する。いくつかの実施形態では、機能的要素は、捕捉物質(例えば、捕捉要素)と結合する。本明細書の実施形態では、捕捉物質と細胞相互作用要素とをつなぐ、官能基選択的に開裂可能なリンカーとして、最も典型的な形態を記載しているが、実施形態をそのように限定するものではない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する官能基選択的に開裂可能なリンカーは、機能的要素の他の対(例えば、検出要素、細胞内位置特定要素など)をつなぐ。
いくつかの実施形態では、組成物は、官能基選択的に開裂可能なリンカーによって別の機能的要素(例えば、捕捉要素)に連結されている細胞相互作用要素を含む。細胞相互作用要素は、1つ以上の細胞の(例えば、細胞内の)成分と相互作用する生理学的かつ/または薬理学的に活性な物質である。いくつかの実施形態では、細胞相互作用要素には、低分子(例えば、薬物、薬物様分子、毒素、被験化合物など)、アミノ酸(例えば、天然に生じるアミノ酸または非天然アミノ酸)、ペプチド、核酸(例えば、DNA、RNA)などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態では、組成物は、官能基選択的に開裂可能なリンカーによって別の機能的要素(例えば、細胞相互作用要素)に連結されている捕捉要素を含む。捕捉要素は、非共有結合型相互作用によって安定な複合体を形成するか、または特定の捕捉物質と共有結合による連結を形成する分子成分である。
本明細書に記載する組成物は、官能基選択的に開裂可能な部分によって共に係留された2つの機能的要素を含む。本明細書に記載するほとんどの実施形態では、機能的要素は細胞相互作用要素及び捕捉要素であるが、本明細書で提供する範囲の実施形態のように限定されるものではない。むしろ組成物は、細胞相互作用要素または捕捉要素に係留されるかまたは互いに係留している、異なる機能を有する他の機能要素を含んでよい。本明細書に記載する実施形態に利用され得る他の例示的な機能的要素を以下に記載する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、系において1つ以上のさらなる要素、組成物、成分、デバイスなどと共に提供される。例えば、細胞透過性/適合性のある組成物(本明細書に記載のもの)は細胞と共に提供されるかまたは細胞に投与される。同様に、組成物は固体支持体と共に提供されてよく、それに対し組成物上の機能的要素が付着してよい。さらに、酵素基質(例えば、ハロアルカン)を含む組成物は、基質と共有結合を形成する変異体タンパク質(例えば、脱ハロゲン酵素)と共に提供されてよい。本明細書の範囲内でさまざまな系に利用される要素、組成物、成分、デバイスなどのいくつかを以下に記載する。
本明細書は、官能基選択的に開裂可能なリンカーによって連結された一対の機能的要素(例えば、捕捉要素及び細胞相互作用要素)を含む細胞適合性かつ細胞透過性である組成物を利用する方法を提供する。
以下は、二重機能性、細胞透過性、細胞適合性があり、かつ官能基選択的に開裂可能な組成物質(compositor)の例示的なセットを提供するものである。官能基選択的に開裂可能な異なる基(例えば、プロパルギル基など)、捕捉要素(例えば、親和性分子)、及び/または細胞相互作用要素(Z)に代わる他の機能的要素(例えば、検出可能部分)を含む同様の組成物は、本明細書の実施形態の範囲内である。
実施例1
以下の例にて、パラジウム:TPPTS錯体によって触媒される官能基選択的な開裂を実証する。その化学構造においてアリル−カルバマート基を含有している、または欠いている、大きさが類似した複数のクロロアルカンリンカーを合成し、Cy3蛍光色素に結合させた(図6)。PBI−5696は、アリル−カルバマート基を含有し、PBI−5698及びPBI−5697はアルキル−カルバマート基を含有する。Cy3:クロロアルカン複合体を、固定化HALOTAGタンパク質(HALOTAGコートしたビーズ;Promega Corporation)と共にインキュベートし、複合体と固定化HALOTAGが共有結合した後、ビーズを2mMのパラジウム:TPPTS錯体で処理し、樹脂からのCy3色素遊離について調べた。これらの開裂条件下、アリル−カルバマート基(すなわち、PBI−5696)を含有するCy3:クロロアルカン複合体のみが開裂されて、ビーズからのCy3色素遊離が生じた(図6)。これらの結果は、パラジウム触媒による開裂はアリルカルバマート基に対して選択的であることを示している。
以下の例で、クロロアルカンリンカーの化学構造へのアリルカルバマート基の挿入、及び、クロロアルカンリンカーの構造に対する障害を最小限にするための、この挿入の最適化について記載する。クロロアルカンリンカーを生物活性化合物に化学的に付着させ、それらが相互作用する細胞内標的タンパク質を選択的に単離できるようにすることができる。このクロロアルカンリンカーを、化合物の生物活性と細胞内透過性ならびにHALOTAGタンパク質への速やかな共有結合に対する影響が最小限になるよう最適化した。この例(図7A〜7C)では、クロロアルカンリンカーを、BIRB*に結合させ(PBI−4834)、アリルカルバマート基を3種の異なる立体配置でリンカーに組み込み、PBI−5646、PBI−5676及びPBI−5677を作製した。4つのBIRB*複合体を、細胞溶解物中の場合または生細胞内部にある場合のHALOTAGタンパク質に対する結合動態について比較した。HALOTAGに対する溶解物中での結合動態は、HALOTAG融合タンパク質を発現している細胞から最終濃度1μMで調製した溶解物にBIRB*−クロロアルカン複合体を加えることによって測定した。0〜60分のインキュベーションの後、異なる測定ポイントで採取した各反応物の一部(各々が異なるBIRB*複合体を含有)を除去し、HALGOTAG TMR蛍光リガンド(Promega Corporation)を加えて最終濃度1μMとし、HALOTAGタンパク質(未結合で残っているもの)に結合させた。各測定時点の画分をSDS−PAGEで分離し、Typhoon9400蛍光イメージ装置(GE Healthcare)で走査した。IMAGEQUANT(GE Healthcare)を使用してバンドを定量化し、各結合動態を、クロロアルキル化合物を加えていない時間ゼロに対する経時的結合率(%)として測定した。PBI−5676は、PBI−4834と同様のHALOTAG結合動態を示し、この立体配置において、HALOTAGに対するクロロアルカンの結合動態にアリルカルバマート基が与える障害は最小限であることが示された。
以下の例で、アリル−カルバマート基によって与えられる、クロロアルカンリンカーの構造と特徴(例えば、HALOTAGへの結合動態、化合物の生物活性、及び細胞内透過性に対する影響が最小限であること)に対する障害が最小限であることの一般性をさらに実証する。BIRB796をクロロアルカンリンカー(PBI−5446)に結合させ、アリル−カルバマート基を上記で決定した最適化立体配置でリンカーに挿入し、PBI−5813を作製した(図8A〜8C)。両複合体を、生細胞内部でのHALOTAG結合動態及び生物活性について比較した。HALOTAGに対する細胞内部での結合動態は、HALOTAGタンパク質を発現している生細胞を、最終濃度10μMのBIRB796クロロアルカン複合体で処理することによって測定した。0〜120分のインキュベーションの各測定ポイントの後、培地を5μMのHALOTAG TMR蛍光リガンド含有培地と交換し、細胞をさらに15分インキュベートして、TMR蛍光リガンドをHALOTAGタンパク質(未結合で残っているもの)に結合させた。培地を除去した後、界面活性剤溶解バッファーを用いて細胞を溶解させ、さまざまな測定ポイントにおける試料をSDS−PAGEで分離し、画像をTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査した。バンドを定量化し、各結合動態を、クロロアルキル化合物を加えていない時間ゼロに対する経時的結合率(%)として測定した。両複合体とも、生細胞内部で同様のHALOTAG結合動態を示し、最適化された立体配置におけるアリル−カルバマート基は、細胞内透過性及びHALOTAG結合動態に対し最小限の障害しか示さないことが示された(図8A〜8C)。
以下の例で、アリルカルバマート基の細胞安定性を実証する。これらの実験では、最適化された立体配置でアリル−カルバマートを含有しているクロロアルカンをテトラメチルローダミン(TMR)に結合させた(PBI−5741)。それぞれ普遍的な発現及び核内発現を示すHALOTAG及びHALOTAG:NLS3を安定発現しているU2OS細胞を200nMのPBI−5741で24時間処理するか、または24時間増殖させた後、2.5μMのPBI−5741で15分処理した。その後、細胞を培地で3回洗浄してからNikon共焦点レーザー顕微鏡でイメージングした。イメージング後、細胞を採取して界面活性剤溶解バッファーで溶解させ、SDS−PAGEで分離し、画像をTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査した。これらの標識処理により、TMR複合体のHALOTAGへの共有結合がもたらされた。アリルカルバマート基が細胞内開裂すれば色素の損失が伴うはずであるから、標識強度も失われるはずである。細胞イメージング及びゲル分析(図9)では、標識から24時間後と15分後で同様の標識強度が示され、アリル−カルバマート基の24時間にわたる細胞安定性を示している。
本明細書に記載する実施形態を展開する過程で行った富化実験では、競合的薬物溶出による遊離よりもパラジウム触媒による標的遊離を使用した方が、滞留時間の長い内在性標的の富化が増強されることが実証された(図10)。自身の標的に対する解離速度が遅いBIRB796を、アリル−カルバマート基を含有しているクロロアルカンに結合させた、(PBI−5813)。この例では、150mm皿に2×107のHepG2細胞を播種し、16時間後、最終濃度20μMのBIRB796複合体(PBI−5813)を3皿に加え、対照3皿は未処理のままとした。2時間のインキュベーション後、培地を除去し、PBSで細胞をすばやく洗浄して界面活性剤溶解バッファー中で10分間溶解させ、3000×gで1分間遠心分離にかけた。その後、HALOTAGコートした静置ビーズ75ulに透明な溶解物を加え、振盪しながら15分インキュベートした。結合後、未結合部分を除去し、HALOTAGコートしたビーズを3回洗浄し、競合的溶出(400μMの非複合体化BIRB797)または化学的開裂(1mMまたは2mMのモル比1:2のパラジウム:TPPTS)によって捕捉した標的をビーズから特異的に遊離させた。遊離した標的を、抗MAPK14抗体(ABCAM)、抗MAPK11抗体(Cell signaling)、抗MAPK9抗体(Cell signaling)、及び抗MAPK13抗体(Thermo Fisher)を用いたウエスタンブロット法に供した(図10)。図10の結果は、競合的薬物溶出を利用した標的遊離に対し、化学的開裂による標的遊離を利用した方がBIRB796の既知標的の富化が増強されていることを示す。これらの結果は、長い滞留時間を示す標的を富化する場合、競合的薬物溶出に対し化学的開裂の方が有利であることを実証している。
本明細書に記載する実施形態を展開する過程で行った実験で、タンパク質が豊富な環境(例えば、濃縮細胞溶解物またはタンパク質コートしたビーズ)では、パラジウム触媒による開裂の効率は有意に低下し、これはタンパク質濃度と直接相関することが実証された(図11)。溶液中でのパラジウム触媒による開裂に対してタンパク質濃度が与える影響を検討する実験では、漸増濃度のHEK293細胞溶解物に5μgのHALOTAGを添加した。HALOTAGを、4μMのPBI−5741(アリルカルバマート基含有クロロアルカンと複合体化したTMR)に30分共有結合で結合させ、その後、PdとTPPTSのモル比が1:2のPd(TPPTS)xを1mMまたは2mM用いて30分開裂させ、対照試料は未処理のままとした。試料をSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。アリルカルバマート基が開裂すれば色素の損失が伴うはずであるから、HALOTAGタンパク質の標識強度も低下するはずである。開裂効率は、Pd(TPPTS)xで処理しなかった対照に対するシグナル損失の割合として決定した。結果は、細胞溶解物の濃度が漸増する場合の開裂効率は、バッファーでの開裂効率と比較して有意に低く、タンパク質濃度と直接相関したことを示す。
この例は、特定のバッファー組成は、パラジウム触媒によるアリルカルバマート基の開裂に影響を及ぼし得ることを実証する(図12)。この例では、高濃度のHEK293細胞溶解物(150μg)にHALOTAGを添加し、その後、PBI−5741に30分共有結合で結合させた。その後、標識反応物を、異なるバッファーで調製した、PdとTPPTSのモル比が1:2のPd(TPPTS)xを2mM用いて30分処理し、対照試料は未処理のままとした。試料をSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。アリルカルバマート基が開裂すれば色素の損失が伴うはずであるから、HALOTAGタンパク質の標識強度も低下するはずである。開裂効率は、Pd(TPPTS)xで処理しなかった対照に対するシグナル損失の割合として決定した。図12の結果は、バッファーの組成が、パラジウム触媒による開裂効率において極めて重要な役割を果たすことを示している。HEPES、MOPS、及びMESの各バッファーでは開裂は効率的であったが、CAPSバッファー及びTRISバッファーでは開裂が完全に抑制された。
この例は、ホスフィンの性質及びバッファー組成がパラジウム触媒によるアリルカルバマート基の開裂に影響を及ぼし得ることを実証する(図13)。この例では、高濃度のHEK293細胞溶解物(150μg)にHALOTAGタンパク質を添加し、その後、PBI−5741に30分共有結合で結合させた。その後、標識反応物を、異なるバッファーで調製した、Pdとホスフィンのモル比が1:2のPd(ホスフィン)xを2mM用いて30分処理し、対照試料は未処理のままとした。試料をSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。アリル−カルバマート基が開裂すれば、色素の損失が伴うはずであるから、HALOTAGタンパク質の標識強度も低下するはずである。開裂効率は、Pd(ホスフィン)xで処理しなかった対照に対するシグナル損失の割合として決定した。図13の結果は、ホスフィンの性質、及びバッファー組成は、パラジウム触媒による開裂効率において極めて重要な役割を果たすことを示している。電子が不足したホスフィンであるDANPHOSはいずれの被験バッファー(HEPES、MOPS、MES)においても他のホスフィンより効率が良く、TPPTSは、MOPSバッファーにおいてMESバッファー及びHEPESバッファーよりも高い開裂効率を示したが、TXPDS(電子が豊富なホスフィン)、Cy−Amphos(正電荷と電子豊富)、及びBDSPPB(二座配位子)は有意に低い開裂効率を示した(図13)。
この例は、ホスフィンの性質及びバッファー組成が、ビーズ上でのアリルカルバマートの開裂効率に影響を及ぼし得ることを実証する(図14)。図14の実験は、2種類の異なる量のHALOTAGコートしたビーズ(固定化HALOTAGを225μgまたは450μg含有しているビーズ)で行われた。ビーズを60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照試料はビーズとインキュベートしなかった。PBI−5741を固定化HALOTAGに共有結合させた後、異なるバッファーで調製した、Pdとホスフィンのモル比が1:2、1:4、及び1:8のPd(TPPTS)xを2mMまたはPd(DANPHOS)xを2mM用いてビーズを30分処理した。アリル−カルバマート基が開裂すれば、ビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、ビーズと共にインキュベートしなかった対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。結果は、樹脂上での開裂にはPd:ホスフィンのモル比を高くする必要があることを示している。さらに、DANPHOSは、被験バッファー(HEPES、MES、MOPS)いずれにおいてもTPPTSより効率が良かった。
以下の例で、あらかじめ水で作製し、酸素欠乏条件下で保存したパラジウム:ホスフィン錯体は、バッファーで調製して直ちに使用された錯体よりも活性であることを実証する。これらの実験では(図15)、(固定化HALOTAG450μg)を含有しているHALOTAGコートしたビーズを60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照試料はビーズとインキュベートしなかった。PBI−5741を固定化HALOTAGに共有結合させた後、Pdとホスフィンのモル比が1:8のPd(TPPTS)xまたはPd(DANPHOS)xを2mM用いてビーズを60分処理した。Pd−ホスフィン錯体は、異なるバッファーで調製し直ちに使用するか、またはあらかじめ4mM溶液として水で作製してから酸素欠乏条件下で保存するかのいずれかとした。あらかじめ作製した溶液は、同一バッファーに希釈して2mMの溶液とした後、直ちに使用した。アリルカルバマート基が開裂すればビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、ビーズと共にインキュベートしなかった対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。3種のバッファーいずれにおいても、あらかじめ作製したパラジウム:ホスフィン錯体によるアリルカルバマート基の高い開裂効率が観察された。これらの結果は、あらかじめ作製したPd−ホスフィン錯体は、高い開裂効率をもたらす高濃度の活性触媒を含有していたことを示している。さらに、結果は、3種の被験バッファー(HEPES、MES、MOPS)いずれにおいても、DANPHOSはTPPTSより効率が良かった。
以下の例で、あらかじめ作製したパラジウム:TPPTS錯体(Pdとホスフィンのモル比1:8)によって触媒される官能基選択的な開裂を実証する。その化学構造においてアリル−カルバマート基を含有している、または欠いている、大きさが同様のクロロアルカンリンカーを複数合成し、TMR蛍光色素に結合させた(図16)。PBI−5741及びPBI−6045はアリル−カルバマート基を含有し、PBI−6044はアルキル−カルバマート基を含有していた。この例では、精製したHALOTAGタンパク質を、TMR−クロロアルカン複合体に30分共有結合で結合させた。その後、標識反応物を、PdとTPPTSのモル比が1:8であるPd(TPPTS)xを2mM、0.66mM、及び0.22mM用いて30分処理し、対照試料は未処理のままとした。試料をSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。アリルカルバマート基が開裂すれば色素の損失が伴うはずであるから、HALOTAGタンパク質の標識強度も低下するはずである。開裂効率は、Pd(TPPTS)xで処理しなかった対照に対するシグナル損失の割合として決定した。図16の結果は、これらの開裂条件下では、アリル−カルバマート基を含有するTMRクロロアルカン複合体(例えば、PBI−5741及びPBI−6045)のみが開裂、開裂効率は時間と濃度に依存的であったことを示している。これらの結果は、パラジウム触媒による開裂はアリルカルバマート基に対して選択的であることを示している。
以下の例で、アリルカルバマート基の細胞安定性を実証する。これらの実験では、HALOTAG:NLS3(核内発現を示す)を安定発現しているU2OS細胞を、200nMのTMRクロロアルカン複合体で24時間処理した。複合体のうち、PBI−5741及びPBI−6045の2つはアリルカルバマート基を含有し、PBI−6044はアルキル−カルバマート基を含有していた。細胞を培地で1回洗浄してからNikon共焦点レーザー顕微鏡でイメージングした。イメージング後、細胞を採取して界面活性剤溶解バッファーで溶解させ、SDS−PAGEで分離し、画像をTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査した。これらの標識処理により、TMR複合体のHALOTAGへの共有結合がもたらされた。アリルカルバマート基が細胞内開裂すれば色素の損失が伴うはずであるから、標識強度の損失も伴うはずである。細胞イメージング及びゲル分析の結果(図17A〜17B)は、3つのすべての複合体で同様の標識強度を示しており、24時間を通したアリルカルバマート基の細胞安定性を示している。
本明細書に記載する実施形態を展開する過程で行った実験で、タンパク質が豊富な環境(例えば、タンパク質コートしたビーズ)では、パラジウム触媒による開裂効率は有意に低下し、タンパク質濃度と直接相関することが実証された(図18)。これらの実験では、漸増量のHALOTAGコートした磁性または非磁性ビーズを20μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照試料はビーズとインキュベートしなかった。PBI−5741を固定化HALOTAGに共有結合させた後、ビーズを、PdとTPPTSのモル比1:8であらかじめ作製したPd(TPPTS)x錯体2mM、0.66mM、または0.22mMと共にHEPESバッファー中で30分処理した。アリルカルバマート基が開裂すればビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素の試料を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、ビーズと共にインキュベートしなかった対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。結果は、開裂効率は固定化したタンパク質の量と直接相関し、タンパク質コートしたビーズの量を漸増させた場合に有意に低下したことを示す。
この例は、ホスフィンの性質が、パラジウム触媒によるアリルカルバマート基の開裂に影響を及ぼし得ることを実証する(図19)。これらの実験では、HALOTAGコートした磁性ビーズ(固定化HALOTAGタンパク質400μgを含有)を、60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照試料はビーズとインキュベートしなかった。PBI−5741を固定化HALOTAGタンパク質に共有結合させた後、ビーズを、モル比1:8であらかじめ作製したPd(ホスフィン)錯体2mMまたは0.66mMを用いてHEPESバッファー中で30分処理した。アリルカルバマート基が開裂すればビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素の試料を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、ビーズと共にインキュベートしなかった対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。図19の結果は、ホスフィンの性質が、パラジウム触媒による開裂効率において極めて重要な役割を果たすことを示している。DANPHOS族由来の電子不足のホスフィン、特にDANPHOSとo−DANPHOSは他のホスフィンより効率が良かった。
この例は、求核剤の性質がパラジウム触媒によるアリルカルバマート基の開裂に影響を及ぼし得ることを実証する(図20)。これらの実験では、HALOTAGコートした磁性ビーズ(固定化HALOTAGタンパク質400μgを含有)を、60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照試料はビーズとインキュベートしなかった。PBI−5741を固定化HALOTAGタンパク質に共有結合させた後、ビーズを、Pdとホスフィンのモル比1:8であらかじめ作製したPd(DANPHOS)xまたはPd(o−DANPHOS)x錯体2mM、0.66mM、または0.22mMを用いて、複数のアミンバッファーまたは別の求核剤を含有する非アミンバッファー中で30分処理した。アリルカルバマート基が開裂すればビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素の試料を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、ビーズと共にインキュベートしなかった対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。図20の結果は、求核剤の性質がパラジウム触媒による開裂効率において極めて重要な役割を果たすことを示している。さらに、ホスフィンと求核剤の組み合わせは非常に重要である。Pd−DANPHOS錯体の場合、最高開裂効率は、ジメチルバルビツル酸5mMを添加したPBSバッファーを使用して達成された。o−DANPHOSの場合は、最高開裂効率は、MOPSバッファーを使用して達成された。さらに、o−DANPHOSは、特に濃度0.22mMにおいてDANPHOSより効率が良かった。
本明細書に記載する実施形態を展開する過程で行った実験で、パラジウム触媒による開裂効率は、あらかじめ作製したPd−ホスフィン溶液のモル比に依存することが実証された(図21)。これらの実験では、(固定化HALOTAGタンパク質400μg)を含有しているHALOTAGコートしたビーズを60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照試料はビーズとインキュベートしなかった。PBI−5741を固定化HALOTAGタンパク質に共有結合させた後、ビーズを、PdとDANPHOSのモル比が1:4、1:6、1:8、1:10、1:12及び1:15のPd−DANPHOS錯体2mM、0.6mM、または0.22mMを用いて、PBS/ジメチルバルビツル酸中で30分処理した。アリルカルバマート基が開裂すればビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、ビーズと共にインキュベートしなかった対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。PdとDANPHOSのモル比を1:6以上であらかじめ作製したPd(DANPHOS)x溶液で高い開裂効率が観察された
以下の例で、クロロアルカンリンカーの化学構造へのアリル−カルバマート基の挿入、及び、パラジウム触媒による開裂を効率的にし、クロロアルカンリンカーの特徴(例えば、HALOTAGに速やかに結合させること、及び化合物の細胞内透過性に対する障害を最小限に抑えること)に対する障害を最小限にするための、この挿入の最適化について記載する。クロロアルカンリンカーを生物活性化合物に化学的に付着させ、それらが相互作用する細胞内標的タンパク質を選択的に単離できるようにすることができる。この例では、クロロアルカンリンカーを、共有結合的キナーゼ阻害剤であるイブルチニブに結合させ、PBI−6040を作製した。アリルカルバマート基の挿入を最適化するため、立体配置が複数あるアリルカルバマート基を含有する、長さの異なるリンカーをさらに7つ作製し、イブルチニブに結合させた(図22)。これらのイブルチニブ複合体を、細胞溶解物中の場合または生細胞内部にある場合のHALOTAGタンパク質に対する結合動態(図23)、BTK:NLuc融合タンパク質(BTKはイブルチニブの標的である)の捕捉(図24A)、及びパラジウム触媒による開裂効率(図24B)について比較した。
以下の例で、パラジウム触媒による溶離が、生物活性化合物と共有結合で相互作用する標的を富化する能力を実証する。イブルチニブはその主要標的であるBTKのATP結合ポケットでシステインに共有結合で結合する。さらに、イブルチニブは、ATP結合ポケット内の対応するシステインの存在に応じて、他のチロシンキナーゼと共有結合型相互作用または可逆的相互作用をすることが報告されている。Ramos細胞を、最終濃度20μMのイブルチニブ−CA−T4Eを用いて2.5時間処理した後(対照細胞は未処理のまま)、細胞を溶解させ、クロロアルカン複合体を、それらに結合した標的とと共にHALOTAGコートした磁性ビーズ(Promega Corporation)に捕捉した。その後、6mMパラジウム触媒によって標的を遊離させ、LC−MS/MS分析に供した(図25)。質量分析法により、共有結合で相互作用すると予測されたキナーゼ(すなわち、BTK、BLK及びTEC)を含め、複数のチロシンキナーゼの富化が示された。これらの結果は、パラジウム触媒による溶離は、他の溶離法では対処できない共有結合型相互作用に適用可能であることを実証している。
以下の例(例えば、図27を参照のこと)で、ホスフィン及び求核剤の性質が、タンパク質性の環境でのパラジウム触媒によるアリル−カルバマート結合の開裂に影響を及ぼし得ることを実証する。これらの実験では、HALOTAGコートした磁性ビーズ(固定化HALOTAGタンパク質400μgを含有)を60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートした。対照色素PBI−5741は、固定化HALOTAGタンパク質をまったく含有しないビーズと共にインキュベートした。PBI−5741を固定化HALOTAGタンパク質に共有結合させた後、ビーズを、モル比1:8であらかじめ作製したPd(ホスフィン)錯体2mM、0.66mM、または0.22mMを用いてHEPESまたはMOPSバッファー中で30分処理した。アリル−カルバマート基が開裂すれば、ビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素の試料を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。結果は、ホスフィン及び求核剤の性質がパラジウム触媒による開裂効率において極めて重要な役割を果たすことを示している。DANPHOS族由来の電子不足のホスフィン、特にDANPHOS及びo−DANPHOSは、一般に使用されるホスフィンであるTPPTSより効率が良かった。
本明細書に記載する実施形態を展開する過程で行った実験で、パラジウム触媒による開裂効率はPd−ホスフィン溶液のモル比に依存することが実証された(例えば、図27を参照すると共に、DANPHOSに関する図21及び実施例16も参照のこと)。これらの実験では、HALOTAGコートしたビーズ(固定化HALOTAGタンパク質400μgを含有)を、60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照色素PBI−5741は、固定化HALOTAGタンパク質を含有しないビーズと共にインキュベートした。PBI−5741を固定化HALOTAGタンパク質に共有結合させた後、ビーズを、Pdとo−DANPHOSのモル比が1:4、1:6、1:8、1:10、1:12、及び1:15のPd−O−DANPHOS錯体2mM、0.6mM、または0.22mMを用いて30分処理した。アリル−カルバマート結合が開裂すればビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。Pdとo−DANPHOSのモル比が1:8〜1:10のPd−O−DANPHOS溶液で高い開裂効率が観察された。
この例は、活性触媒は、密封ガラスアンプルに入れた溶液としても、または凍結乾燥形態でも保存可能であることを実証する(例えば、図28を参照のこと)。凍結乾燥の場合、パラジウムを十分に還元させてから凍結乾燥することが極めて重要である。これらの実験では、HALOTAGコートした磁性ビーズ(固定化HALOTAGタンパク質400μgを含有)を、60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照色素PBI−5741は、固定化HALOTAGタンパク質を含有しないビーズと共にインキュベートした。PBI−5741を固定化HALOTAGタンパク質に共有結合させた後、溶液として、または凍結乾燥形態(調製後直ちに凍結乾燥したもの、または1時間後、3時間後、6時間後、22時間後、及び52時間後に凍結乾燥したもの)で保存した触媒から調製したPd/o−DANPHOSを0.66mM用いてビーズを30分処理した。アリル−カルバマート結合が開裂すればビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素の試料を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。結果は、溶液で保存した触媒または調製後6時間以上経ってから凍結乾燥した触媒がその活性を保持したことを示している。
・ガラスアンプルに1mL分注し、アルゴン下または真空下で火炎密封(fire seal)した。溶液を遮光して4℃で保存した;
・ガラスアンプルに1mL分注し、アンプルをセプタで密封し、溶液を液体窒素上で慎重に凍結させ、凍結乾燥時、ガラスアンプルを火炎密封(fire seal)して遮光し−80℃で保存した;
・セプタで密封したガラスバイアルに1mL分注し、溶液を液体窒素またはドライアイス上で凍結させ、凍結乾燥させた。凍結乾燥残留物を密封ガラスバイアルに入れて−80℃で保存した。
Pd(OAc)2からの触媒溶液調製の基本手順:
Pd−DANPHOS(1:8)溶液4mMの例
DANPHOS(96mg、0.16mmol、純度97%)及びPd(OAc)2(4.5mg、0.02mmol)を撹拌子を装備した密封バイアルに入れた。空気を排気し、バイアルをアルゴンで充填した(3回繰り返し)。脱気水(5mL)をカニューレを介して加えて攪拌すると、澄明な溶液が形成された。(Pd(OAc)2が反応し、緩徐に溶解する)。澄明な黄色溶液のPd−DANPHOS錯体をアルゴン下で20時間混合させてからバイアルに包装する。
以下の例で、2つの異なるパラジウム塩源から調製した触媒に同様の反応性があることを実証する(例えば、図29を参照のこと)。HALOTAGコートしたビーズ(固定化HALOTAGタンパク質400μgを含有)を、60μMのPBI−5741と共に30分インキュベートし、対照色素PBI−5741は固定化HALOTAGタンパク質を含有しないビーズと共にインキュベートした。PBI−5741を固定化HALOTAGタンパク質に共有結合させた後、ビーズを、2種のパラジウム塩源Pd(OAC)2またはNa2PdCl4から調製した、Pdとホスフィンのモル比が1:8のPd/DANPHOS触媒2mMを用いて30分処理した。Pd/DANPHOS錯体をHEPESバッファーまたはMOPSバッファーに再構成した。アリル−カルバマート基が開裂すれば、ビーズからの色素遊離が伴うはずである。遊離色素を対照色素と共にSDS−PAGEで分離してTyphoon9400蛍光イメージ装置で走査し、IMAGEQUANTを使用してバンドを定量化した。開裂効率は、対照色素に対する遊離色素の割合として決定した。いずれのパラジウム塩源から調製した触媒でも、同様のアリル−カルバマート基開裂効率が観察された。
以下の例で、クロロアルカンリンカーの化学構造へのアリル−カルバマート基の挿入、及び、パラジウム触媒による開裂を効率的にし、クロロアルカンリンカーの特徴(例えば、HALOTAGに速やかに結合させること、及び化合物の効力及び細胞内透過性に対する障害を最小限に抑えること)に対する障害を最小限にするための、この挿入の最適化について記載する。クロロアルカンリンカーを生物活性化合物に化学的に付着させ、それらが相互作用する細胞内標的を選択的に単離できるようにすることができる。この例では、クロロアルカンリンカーをBIRB796に結合させてBIRB796−CA−T1を作製した。アリルカルバマート基の挿入を最適化するため、立体配置が2種類あるアリルカルバマート基を含有する、長さの異なるリンカーをさらに7つ作製し、BIRB796に結合させた(図30)。複合体を、細胞溶解物中の場合と生細胞内部の場合のHALOTAGタンパク質に対する結合動態(図31)、BIRB796の力価に与える影響(図32)、及びパラジウム触媒によるリンカー開裂効率(図33)について比較した。
以下の例で、化合物が狙う長期滞留時間を示す標的を富化する場合、競合的溶離に対しパラジウム触媒による溶離の方が有利であることを実証する。THP−1細胞を、最終濃度20μMのBIRB796−CA−T1及びBIRB796−CA−T4Eを用いて2.5時間処理した後(対照細胞は未処理のまま)、細胞を溶解させ、クロロアルカン複合体を、それらに結合した標的と共にHALOTAGコートした磁性ビーズ(Promega Corporation)に捕捉した。その後、400μMのBIRB796または6mMのパラジウム触媒によって標的を遊離させ、LC−MS/MS分析に供した(図34)。質量分析法により、パラジウム触媒での溶離による内在性標的の高富化が示された。
以下の例で、開裂可能なクロロアルカンリンカーの特徴に対しカルバマート基が寄与することを実証する。CA−T4Eは4つのカルバマート基を含有し、そのうちの1つはHALOTAGへの速やかな結合動態にとって必須である。2つのさらなるリンカーを作製し、1つは、他の3つのカルバマートをアミドで置換し、もう1つは、2つのアリルカルバマート基をアリルエーテル結合で置換した。3つのリンカーすべてをポナチニブに結合させ(図35)、それぞれポナチニブ−CA−T4E(6142)、ポナチニブ−トリ−アミド(S83)、及びポナチニブall−PEG(SL_0729)とした。リンカーを、HALOTAG及びABL1への結合に対するそれらの影響について生化学的アッセイ及び細胞アッセイで比較した。3つのリンカーはすべて、HALOTAGに対する溶解物中での結合動態は同様であり、精製ABL1の阻害は比較できるほどであることを示し、アミドまたはPEGへの変更は、両タンパク質への結合に対して影響を与えないことが示された(図36)。細胞アッセイでは、アミドにより、細胞内のHALOTAGに対する結合動態が低下し、ポナチニブの力価がCA−T4E及びall PEGリンカーに対して20倍減少したことから、細胞透過性に対する影響が大きいことを暗示している(図36B及び図36D)。これらの結果は、CA−T4Eが細胞透過性に対して最小限の影響しか与えないことにはカルバマートが寄与していることを示唆する。
以下は、本明細書に記載する実施形態の範囲内の例示的な組成物であり、ここで、官能基選択的に開裂可能なリンカー部分はクロロアルカン機能的要素と4−ニトロフェニル機能的要素(及び開裂不可能なリンカーを含む対照組成物(PBI4440))とを連結する。
4−ニトロフェニルカルバマート−クロロアルカン:
PBI4440の合成はACS Chem.Biol.2008,3,373−382に記載されている。
アリルカルバマートリンカー
リンカーの合成:
4−ニトロフェニルカルバマート合成の基本手順:
窒素下、ピリジン(1.35当量)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(1.05当量)を、撹拌したアルコールのDCM溶液0.25Mに加えた(反応スキームで示されるように、0℃または25℃にて)。得られる溶液/懸濁液を、25℃で放置するかまたは12時間かけて25℃まで昇温し(0℃から開始した場合)、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサンまたはMeOH/DCM)によって精製した。
SL_0157を、Nelson,B.;Hiller,W.;Pollex,A.;Hiersemann,M.Org.Lett.2011,13,4438にしたがって合成した。
窒素下、撹拌したSL_0157(710mg、3.51mmol)のDCM溶液(15mL)にピリジン(382μL、4.74mmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(743mg、3.68mmol)を0℃で加えた。得られる溶液を12時間かけて25℃まで昇温し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→10% EtOAc/ヘキサン)で精製し、1.23g(収率95%)のSL_0160を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J= 9.0 Hz, 2H), 7.38 (d, J= 9.1 Hz, 2H), 5.84 (dt, J = 11.7, 5.7 Hz, 1H), 5.66 (dt, J= 11.7, 7.0 Hz, 1H), 4.90 (d, J=7.0Hz, 2H), 4.32 (d, J= 5.7 Hz, 2H), 0.91 (s, 9H), 0.09 (s, 6H). MS (ESI+) C17H25NaNO6Si+に対する計算値[M+Na]+ 390.13,実測値390.1。
SL_0160の溶液(400mg、1.09mmol)に、2−(2−((6−クロロヘキシル)オキシ)エトキシ)エチルアミン塩酸塩(312mg、1.20mmol)を加え、次いでEt3N(290μL、20.7mmol)を加えた。得られる黄色溶液を撹拌させたまま18時間放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→30% EtOAc/ヘキサン)で精製し、395mg(収率80%)のSL_0161を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.71 (dt, J = 11.4, 5.7 Hz, 1H), 5.56 (dt, J= 11.3, 6.2 Hz, 1H), 5.19 (br. s, 1H), 4.63 (d, J= 6.2 Hz, 2H), 4.27 (d, J= 5.7 Hz, 2H), 3.67 − 3.50 (m, 8H), 3.47 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.37 (q, 5.2 Hz, 2H), 1.78 (p, J=6.8Hz, 2H), 1.60 (p, J= 6.8 Hz, 2H), 1.44 − 1.32 (m, 4H), 0.90 (s, 9H), 0.07 (s, 6H)。
SL_0161(395mg、874μmol)のMeOH溶液(20mL)に2N HCl(水溶液)3滴を滴下した。得られる澄明溶液を撹拌させたまま10分放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。溶媒を減圧留去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→5% MeOH/DCM)で精製し、263mg(収率98%)のSL_0163を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.87 (dt, J= 11.5, 6.3 Hz, 0H), 5.64 (dt, J= 10.8, 7.3 Hz, 0H), 5.24 (br. s, 1H), 4.67 (d,J = 7.3 Hz, 1H), 4.24 (d, J=6.3Hz, 1H), 3.65−3.51 (m, 8H), 3.46 (t, J=6.6 Hz, 2H), 3.36 (q, J= 5.0 Hz, 2H), 1.78 (p, J= 6.7 Hz, 2H), 1.60 (q, J= 6.9 Hz, 2H), 1.43 (m, 4H). MS (ESI+) C15H29ClNO5 +に対する計算値[M+H]+ 338.17,実測値338.1。
窒素下、撹拌したSL_0163(177mg、524μmol)のDCM溶液(15mL)にピリジン(57μL、0.7mmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(110mg、0.55mmol)を0℃で加えた。得られる溶液を16時間かけて25℃まで昇温し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→50% EtOAc/ヘキサン)で精製し、159mg(収率60%)のSL_0165を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J= 9.1 Hz, 2H), 7.39 (d,J =9.1 Hz, 2H), 5.93 − 5.75 (m, 2H), 5.23 (br. s, 1H), 4.90 (d, J= 5.8 Hz, 2H), 4.71 (d,J= 5.3 Hz, 2H), 3.65 − 3.51 (m, 8H), 3.46 (t, J= 6.4 Hz, 2H), 3.38 (q, J= 4.9 Hz, 2H), 1.78 (p, J =6.6 Hz, 2H), 1.61 (p, J = 6.6 Hz, 2H), 1.50 − 1.34 (m, 4H). MS (ESI+) C22H32ClN2O9 +に対する計算値[M+H]+ 503.18,実測値503.1。
SL_0166を、Konning,D.;Hiller,W.;Christmann,M.Org.Lett.2012,14,5258−5261にしたがって合成した。
SL_0166(230mg、1.34mmol)のトルエン溶液(2mL)に、50%水溶性NaOH(2.5mL)を加え、次いでBu4NHSO4を22℃で加えた。激しく撹拌して得られる粘性混合物に、ブロモ酢酸tert−ブチル(0.59mL、4mmol)をゆっくりと加えた。得られる溶液を20時間以上かけて22℃で激しく撹拌したまま放置し、その時点でTLC分析により出発物質の消費が示された。5mLのH2Oを加え、25mLのジエチルエーテルで水層から分離し、25mLのジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を合わせてMgSO4で乾燥させ、減圧下濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→30% EtOAc/ヘキサン)で精製し、357mg(収率93%)のSL_0203を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.76 (m, 2H), 4.62 (m, 1H), 4.27 (dd, J= 12.5, 4.4 Hz, 1H), 4.18 (d, J= 4.9 Hz, 2H), 4.09 (dd, J= 12.6, 5.4 Hz, 0H), 3.95 (s, 2H), 3.85 (m, 1H), 3.52 (m, 1H), 1.90 −1.70 (m, 2H), 1.62 − 1.51 (m, 4H), 1.48 (s, 9H)。
撹拌子が装備された火炎乾燥した50mLフラスコに、窒素下、SL_0203(357mg、1.25mmol)のTHF溶液(10mL)を加え、溶液を0℃に冷却した。LiAlH4 1MのTHF溶液(6.2mL、6.2mmol)をシリンジを介してゆっくり加え、反応混合物を一晩かけて22℃に昇温した。16時間後、TLC分析により出発物質の完全消費が示され、反応混合物を冷却して0℃に戻し、激しく撹拌しながら30%ロッシェル塩水溶液(2mL)で反応を停止させた。30分後、白色沈殿をろ去し、ろ液をTHF(100mL)で洗浄した。THF溶液を合わせ、溶媒を減圧留去した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→60% EtOAc/ヘキサン)で精製し、197mg(収率73%)のSL_0206を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.79 − 5.72 (m, 2H), 4.66 (m, 1H), 4.30 − 4.20 (m, 1H), 4.19 − 4.05 (m, 3H), 3.90 − 3.83 (m, 1H), 3.76 − 3.71 (m, 2H), 3.59 − 3.46 (m, 3H), 1.91 − 1.47 (m, 6H, H2Oとオーバーラップ). MS (ESI+) C11H20O4Li+に対する計算値 [M+Li]+ 223.15,実測値223.39。
ピリジン(147μL、1.82mmol)およびクロロギ酸4−ニトロフェニル(275mg、1.37mmol)を、窒素下、撹拌したSL_0206(197mg、911μmol)のDCM溶液(20mL)に22℃で加えた。得られる溶液を22℃で16時間以上撹拌したまま放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→30% EtOAc/ヘキサン)で精製し、307mg(収率88%)のSL_0209を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d,J= 9.2 Hz, 2H), 7.39 (d, J= 9.2 Hz, 2H), 5.76 (m, 2H), 4.63 (t, J= 3.5 Hz, 1H), 4.44 (m, 2H), 4.29 (dd, J= 12.8, 5.4 Hz, 1H), 4.17 (d, J= 5.5 Hz 2H), 4.10 (dd, J= 12.8, 5.8 Hz, 1H), 3.86 (ddd, J = 11.1, 7.6, 3.5 Hz, 1H), 3.74 (m, 2H), 3.52 (m, 1H), 1.88 − 1.66 (m, 2H), 1.61 − 1.47 (m, 4H,H2Oとオーバーラップ)。
SL_0209(307mg、805μmol)のTHF溶液(20mL)にJ1454T(230mg、886μmol)に次いで、トリエチルアミン(340μL、2.41mmol)を加えたところ、白色沈殿を形成する(NEt3・HCl)。得られる懸濁液を撹拌したまま22℃で20時間放置し、その時点でTLC分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→60% EtOAc/ヘキサン)で精製し、280mg(収率75%)のSL_0210を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.82 − 5.66 (m, 2H), 5.29 (br. s, 1H), 4.63 (m, 1H), 4.31 − 4.19 (m, 3H), 4.14 − 4.04 (m, 3H), 3.89 − 3.79 (m, 1H), 3.65 − 3.50 (m, 11H), 3.49 − 3.44 (m, 2H), 3.40 − 3.33 (m, 2H), 1.84 − 1.72 (m, 3H,),1.54 − 1.57 (m, 6H,H2Oとオーバーラップ), 1.94 − 1.31 (m, 5H,H2Oとオーバーラップ). MS (ESI+) C22H41ClNO7 +に対する計算値 [M+H]+ 466.25,実測値466.43。
撹拌子が装備された20mLマイクロウェーブバイアルに、SL_0210(280mg、600μmol)、PPTS(15.1mg、60.0μmol)及びEtOH(10mL)を加えた。得られる溶液をマイクロウェーブで50℃にて60分加熱し、その時点で分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、220mg(収率96%)のSL_0213を澄明な油として得た。MS(ESI+) C17H33ClNO6 +に対する計算値 [M+H]+382.20、実測値 382.57。
ピリジン(93μL、1.2mmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(174mg、864μmol)を、窒素下、撹拌したSL_0213(220mg、576μmol)のDCM溶液(15mL)に22℃で加えた。得られる溶液を22℃で16時間以上撹拌したまま放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→70% EtOAc/ヘキサン)で精製し、153mg(収率49%)のSL_0214を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J= 9.1 Hz, 2H), 7.39 (d,J= 9.1 Hz, 2H), 5.93 − 5.74 (m, 2H), 5.29 (br. s, 1H), 4.89 (d, J= 6.4 Hz, 2H), 4.23 (m, 2H), 4.18 (d,J= 5.7 Hz, 2H), 3.65 (m, 2H), 3.61 − 3.50 (m, 8H), 3.45 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.37 (q, J= 5.3 Hz, 2H), 1.78 (p, J= 6.7 Hz, 2H), 1.60 (dt, J= 13.6, 6.5 Hz, 2H), 3.37 (q, J= 5.3 Hz, 2H), 1.78 (p, J= 6.7 Hz, 2H), 1.60 (dt, J= 13.6, 6.5 Hz, 2H,H2Oとオーバーラップ), 1.50 − 1.33 (m, 4H). MS (ESI+) C24H36ClN2O10 +に対する計算値 [M+H]+ 547.21,実測値547.20。
SL_0226を、Konning,D.;Hiller,W.;Christmann,M.Org.Lett.2012,14,5258−5261にしたがって合成した。
撹拌子が装備された炉乾燥済み250mL丸底フラスコにSL_0226(3.48g、20.5mmol)を投入した。SL_0226をトルエンで共沸乾燥した(3回)。N2下、乾燥THF(100mL)をカニューレを介して加え、撹拌溶液を氷浴で0℃に冷却した。Red−Al(7.12mL、25.6mmol、70%トルエン溶液)を撹拌溶液に15分かけて滴下した。反応混合物を撹拌したまま0℃で60分放置し、さらに60分22℃に昇温し、その時点でTLC分析により出発物質のほぼ完全な消失が示された。反応混合物を冷却して0℃に戻し、30%ロッシェル塩水溶液(50mL)で反応を停止させ、150mLのEt2Oで3回抽出してからMgSO4で乾燥させ、ろ過して濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→70% EtOAc/ヘキサン)で精製し、1.50g(収率42%)のSL_0462を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.98 − 5.79 (m, 2H), 4.65 (dd, J= 4.0, 2.8 Hz, 1H), 4.26 (ddq, J= 12.8, 4.9, 2.8 Hz, 1H), 4.19−4.16 (m, 2H), 4.00 (ddq, J= 12.0, 5.8, 1.2 Hz, 1H), 3.88 (m, 1H), 3.52 (m, 1H), 1.91 − 1.68 (m, 2H), 1.66 − 1.49 (m, 4H)。
炉乾燥した100mLフラスコにNaH(358mg、60%、鉱油分散、8.94mmol)を投入し、次いでN2下、THF(25mL)を投入した。複数口のフラスコ内で、SL_0462(1.40g、8.13mmol)をトルエンで共沸乾燥し(3回)、THF(25mL)で希釈した。あらかじめ0℃に冷却したNaH/THF懸濁液に、カニューレを介してSL_0462の溶液を加えた。この茶色混合物を0℃で30分撹拌し、その時間の経過後、tBu−ブロモアセタート(tBu−bromoacetate)(1.38mL、9.35mmol)を滴下した。得られるスラリーを22℃に温め、18時間撹拌した。水(75mL)を加え、反応物をEt2O(75mL、3回)で抽出した。有機層を乾燥(MgSO4)させてから濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0→50% EtOAc/ヘキサン)で精製し、574mg(収率25%)のSL_0464を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.99−5.76 (m, 2H), 4.68 (d, 5.7 Hz, 1H), 4.64 (t, J= 3.4 Hz, 1H), 4.31 − 4.22 (m, 1H), 4.11−4.07 (m, 1H), 4.03−3.82 (m, 4H), 3.55 − 3.47 (m, 1H), 1.92− 1.78 (m, 1H), 1.77− 1.66 (m, 1H), 1.66 − 4.51 (m, 4H), 1.48 (s, 9H). MS (ESI+) C15H26O5Na+に対する計算値 [M+Na]+309.17,実測値309.22。
SL_0464(570mg、1.99mmol)のTHF溶液(20mL)に0℃にてLiAlH4のエーテル溶液1M(10mL、10mmol)を加えた。反応混合物を22℃に昇温し、撹拌したまま22時間放置し、その時点で反応混合物を冷却して0℃に戻し、気体発生が停止するまで30%ロッシェル塩水溶性をゆっくり滴加して反応を停止させた。反応停止混合物を激しく撹拌したままさらに30分放置し、白色沈殿をセライトパッドにろ取した。セライトパッドを、別のTHF(50mL)で洗浄し、ろ液を濃縮してフラッシュクロマトグラフィー(0→100% EtOAc/ヘキサン)で精製し、195mg(収率45%)のSL_0466を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.91 − 5.97 (m, 2H), 4.64 (dd, J= 4.0, 2.9 Hz, 1H),4.30 − 4.22 (m, 1H), 4.06 − 4.03 (m, 2H), 4.03 − 3.96 (m, 1H), 3.95 − 3.83 (m, 1H), 3.77 −3.73(m, 2H), 3.58 − 3.48 (m, 3H), 1.91 − 1.50 (m, 6H,H2Oとオーバーラップ). MS (ESI+) C11H20NaO4 +に対する計算値 [M+Na]+ 239.13,実測値239.13。
ピリジン(111μL、1.38mmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(208mg、1.03mmol)を、窒素下、撹拌したSL_0466(149mg、689μmol)のDCM溶液(15mL)に22℃で加えた。得られる溶液を22℃で16時間以上撹拌したまま放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→40% EtOAc/ヘキサン)で精製し、188mg(収率72%)のSL_0469を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.32 (d, J= 9.2 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 5.82 (dd, J= 15.7, 4.0 Hz, 1H), 5.74 (dd, J= 15.7, 4.3 Hz, 1H), 4.59 (m, 1H), 4.40−4.37 (m, 2H), 4.14 (dd, J= 12.9, 3.6 Hz, 1H), 4.01 (d, J= 3.7 Hz, 2H), 3.93 (dd, J = 12.8, 3.9 Hz, 1H), 3.77 − 3.71 (m, 1H), 3.70 − 3.661 (m, 2H), 3.46 − 3.39 (m, 1H), 1.78 −1.56 (m, 2H), 1.53 − 1.40 (m, 4H). MS (ESI+) C18H23NaNO4 +に対する計算値 [M+H]+ 404.13,実測値404.1。
SL_0469(104mg、273μmol)のTHF溶液(10mL)にJ1454T(78mg、300μmol)に次いで、トリエチルアミン(190μL、1.36mmol)を加えたところ、白色沈殿を形成する(NEt3・HCl)。得られる懸濁液を撹拌したまま22℃で5時間放置し、その時点でTLC分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→100% EtOAc/ヘキサン)で精製し、94mg(収率74%)のSL_0476を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.17 (t, J= 5.6 Hz, 1H), 5.82 − 5.67 (m, 2H), 4.58 (s, 1H), 4.12 (m, 1H), 4.05 (m, 2H), 3.97 − 3.87 (m, 3H), 373 (m, 1H), 3.62 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.53 (m, 2H), 3.49 − 3.45 (m, 5H), 3.42 − 3.34 (m, 4H), 3.11 (q, J= 6.0 Hz, 2H), 1.75 − 1.57 (m, 3H), 1.54− 1.23 (m, 11H)。
撹拌子が装備された10mLマイクロウェーブバイアルに、SL_0477(94.0mg、202μmol)、PPTS(5.1mg、20μmol)及びEtOH(5mL)を加えた。得られる溶液をマイクロウェーブで50℃にて60分加熱し、その時点で分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、67mg(収率87%)のSL_0477を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.17 (t, J= 5.7 Hz, 1H), 5.80 (dtd, J= 15.7, 3.7, 0.7 Hz, 1H), 5.64 (dtt, J= 15.7, 5.6, 1.3 Hz, 1H), 4.70 (t, J= 5.4 Hz, 1H), 4.05 (m, 2H), 3.93 (d, J= 4.4 Hz, 4H), 3.62 (t, J= 6.6 Hz, 2H),3.54 − 3.49 (m, 2H), 3.49 − 3.44 (m, 4H) 3.42−3.34 (m, 4H), 3.11 (q, J= 6.0 Hz, 2H), 1.71 (p, J= 6.6 Hz, 2H), 1.49 (p, J= 6.8 Hz, 2H), 1.41 − 1.26 (m, 4H)。
ピリジン(28μL、350μmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(53mg、263μmol)を、窒素下、撹拌したSL_0477(67.0mg、175μmol)のDCM溶液(5mL)に22℃で加えた。得られる溶液を22℃で18時間以上撹拌したまま放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→100% EtOAc/ヘキサン)で精製し、63mg(収率66%)のSL_0478を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.32 (d, J= 9.1 Hz, 2H), 7.57 (d, J= 9.1 Hz, 2H), 7.18 (t,J= 5.2 Hz, 1H), 6.01 − 5.81 (m, 2H), 4.77 (d,J = 5.2 Hz, 2H), 4.07 (m, 2H), 4.00 (d, J= 4.1 Hz, 2H), 3.61 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.56 (m, 2H), 3.46 (m, 4H), 3.39 (m, 4H), 3.11 (q, J= 5.9 Hz, 2H), 1.70 (p, J= 6.7 Hz, 2H), 1.48 (p, J= 6.6 Hz, 2H), 1.41 − 1.23 (m,4H)。
SL_0160(269mg、732μmol)のMeCN溶液(10mL)に、2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エタン−1−オール(109mg、732μmol)を加え、次いでNEt3(200μL、145μmol)を加えた。得られる黄色溶液を22℃で24時間放置し、その時点でTLC分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→100% EtOAc/ヘキサン)で精製し、220mg(収率80%)のSL_0483を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.15 (t, J= 5.4 Hz, 1H), 5.62 (dt, J= 11.4, 5.7 Hz, 1H), 5.49 (dt, J = 11.4, 6.5 Hz, 1H), 4.57 − 4.51 (m, 3H), 4.24 (d, J= 5.7 Hz, 2H) 3.51 − 3.46 (m, 6H),3.42 − 3.37 (m, 4H), 3.11 (q, J= 5.9 Hz, 2H), 0.87 (s, 9H), 0.05 (s, 6H). MS (ESI+) C17H35NaNO6Si+に対する計算値[M+H]+ 400.21,実測値400.2。
ピリジン(58μL、0.7mmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(113mg、0.56mmol)を、窒素下、撹拌したSL_0483(202mg、535μmol)のDCM溶液(15mL)に0℃で加えた。得られる溶液を20時間かけて25℃まで昇温し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→40% EtOAc/ヘキサン)で精製し、147mg(収率51%)のSL_0486を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.32 (d, J= 9.2 Hz, 2H), 7.56 (d, J= 9.2 Hz, 2H), 7.16 (t, J=5.5 Hz, 1H), 5.61 (dtt, J= 11.5, 5.5, 1.3 Hz, 1H), 5.49 (dtt, J= 11.5, 6.2, 1.7 Hz, 1H), 4.52 (m, 2H), 4.36 (m, 2H), 4.23 (d, J= 5.8 Hz, 2H), 3.71 (m, 2H), 3.59 − 3.55 (m, 2H), 3.54− 3.50 (m, 2H), 3.41 (t, J= 6.0 Hz, 2H), 3.12 (q, J= 6.0 Hz, 2H), 0.86 (s, 9H), 0.04 (s, 5H)。
SL_0486(134mg、247μmol)のTHF溶液(15mL)にJ1454T(71mg、272μmol)を加え、次いでトリエチルアミン(172μL、1.23μmol)を加えたところ、濁った溶液を形成する(NEt3・HCl沈殿)。得られる懸濁液を撹拌したまま22℃で5時間放置し、その時点でTLC分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、126mg(収率81%)のSL_0492を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.16 (m, 2H), 5.62 (dt, J= 11.2, 5.8 Hz, 1H), 5.49 (dt, J= 12.6, 6.4 Hz, 1H), 4.53 (d, J= 6.3 Hz, 2H), 4.24 (d, J= 5.6 Hz, 2H), 4.04 (m, 2H), 3.62 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.55 (m, 2H), 3.52 − 3.45 (m, 8H), 3.42 − 3.34 (m, 6H), 3.11 (q, J= 5.6 Hz, 4H), 1.70 (p, J = 6.7 Hz, 2H), 1.49 (p, J= 6.8 Hz, 2H), 1.38 (m, 4H), 0.86 (s, 9H), 0.05 (s, 5H)。
SL_0494(113mg、180μmol)のMeOH溶液(10mL)に2N HCl(水溶液)2滴を滴下した。得られる澄明溶液を撹拌させたまま25分放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。溶媒を減圧留去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、85mg(収率92%)のSL_0494を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.15 (m, 2H), 5.64 (dt, J= 11.8, 6.1 Hz, 1H), 5.46 (dt, J= 11.5, 6.5 Hz, 1H), 4.72 (t, J= 5.5 Hz, 1H), 4.52 (d,J= 6.6 Hz, 2H), 4.03 (m, 4H), 3.62 (t,J= 6.6 Hz, 2H), 3.55 (t, J= 4.8 Hz, 2H), 3.51 − 3.44 (m, 8H), 3.42 − 3.32 (m, 6H), 3.11 (m, 4H), 1.71 (m, 2H), 1.49 (p, J= 6.9 Hz, 2H), 1.41 − 1.25 (m, 4H)。
ピリジン(37μL、460μmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(47mg、230μmol)を、窒素下、撹拌したSL_0494(79mg、150μmol)のDCM溶液(10mL)に22℃で加えた。得られる溶液を22℃で16時間以上撹拌したまま放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→5% MeOH/DCM)で精製し、46mg(収率44%)のSL_0496を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.32 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 7.57 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 7.19 (m, 2H), 5.78 (m, 2H), 4.89 (d, J= 4.4 Hz, 2H), 4.60 (d, J= 4.3 Hz, 2H), 4.03 (t, J= 4.7 Hz, 2H), 3.61 (t, J= 6.8 Hz, 2H), 3.55 (t, J= 4.8 Hz, 2H), 3.52 − 3.44 (m, 8H), 3.42 − 3.32 (m, 6H), 3.12 (p, J= 5.8 Hz, 4H), 1.70 (p, J= 6.7 Hz, 2H), 1.48 (p, J= 6.8 Hz, 2H), 1.41 − 1.22 (m, 4H)。
SL_0496(40mg、59μmol)のMeCN溶液(15mL)に、2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エタン−1−オール(8.8mg、59μmol)を加え、次いでNEt3(25μL、177μmol)を加えた。得られる黄色溶液を22℃で16時間放置し、その時点でTLC分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→30% MeOH/DCM)で精製し、37mg(収率91%)のSL_0501を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.22 − 7.15 (m, 3H), 5.65 − 5.61 (m, 2H), 4.60 − 4.50 (m, 5H), 3.62 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.55 (dd, J= 4.0, 5.5 Hz, 2H), 3.52 − 3.45 (m, 14H), 3.43 −3.36 (m, 10 H), 3.15 − 3.07 (m, 6H), 1.70 (p, J= 6.5 Hz, 2H), 1.48 (p, J= 6.8 Hz, 2H),1.42 − 1.25 (m, 4H). MS (ESI+) C29H55ClN3O13 +に対する計算値[M+H]+ 688.34,実測値688.3。
ピリジン(21μL、250μmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(21mg、100μmol)を、窒素下、撹拌したSL_0504(35mg、51μmol)のDCM溶液(10mL)に22℃で加えた。得られる溶液を22℃で16時間以上撹拌したまま放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→5% MeOH/DCM)で精製し、29mg(収率67%)のSL_0504を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.32 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 7.56 (d,J = 8.7 Hz, 2H), 7.21 − 7.13 (m, 3H), 5.65 − 5.60 (m, 2H), 4.57 − 4.53 (m, 4H), 4.38 − 4.35 (m, 2H), 4.05 − 4.01 (m, 2H), 3.72 − 3.69 (m, 2H), 3.62 (t, J= 6.5 Hz, 2H), 3.58 − 3.52 (m, 5H), 3.51 − 3.44 (m, 7H), 3.45 − 3.36 (m, 6H), 3.17 − 3.07 (m, 10H), 1.70 (p,J= 6.7 Hz, 2H), 1.48 (p, J= 6.8 Hz, 2H), 1.41 − 1.22 (m, 4H)。
窒素下、撹拌したSL_0462(550mg、3.19mmol)のDCM溶液(15mL)に、ピリジン(348μL、4.31mmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(676mg、3.35mmol)を0℃で加えた。得られる溶液を16時間かけて25℃まで昇温し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→30% EtOAc/ヘキサン)で精製し、0.72g(収率67%)のSL_0484を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.32 (d,J= 9.2 Hz, 2H), 7.57 (d, J= 9.2 Hz, 2H), 5.99 (dt, J= 15.6, 4.9 Hz, 1H), 5.87 (dt, J = 15.6, 5.8 Hz, 1H), 4.78 (m, 2H), 4.61 (s, 1H), 4.18 (ddd, J= 13.8, 4.6, 1.2 Hz, 1H), 3.98 (m, 1H), 3.74 (ddd, J= 11.4, 8.0, 3.3 Hz, 1H), 3.44 (dt, J= 10.7, 4.7 Hz, 1H), 1.80− 1.61 (m, 2H), 1.54 − 1.37 (m, 4H).MS(ESI+) C16H19NaNO7 +に対する計算値[M+Na]+360.4、実測値 360.0。
SL_0212(512mg、1.52mmol)のMeCN溶液(20mL)に、2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エタン−1−オール(226mg、1.52mmol)を加え、次いでNEt3(424μL、3.04mmol)を加えた。得られる黄色溶液を22℃で22時間放置し、その時点でTLC分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、376mg(収率71%)のSL_0485を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.17 (t, J =5.7 Hz, 1H), 5.79 (m, 2H), 4.56 (m, 2H), 4.45 (d, J= 4.2 Hz, 2H), 4.13 (dd, J= 13.0, 3.9 Hz, 1H), 3.92 (dd, J= 13.0, 4.3 Hz, 1H), 3.72 (td, J= 9.5, 7.9, 3.4 Hz, 1H), 3.52 − 3.49 (m, 4H), 3.49 − 3.44 (m, 2H), 3.43 − 3.37 (m, 5H), 3.12 (q, J = 5.9 Hz, 2H), 1.75 − 1.57 (m, 2H), 1.55 − 1.1 (m, 2H)。
ピリジン(57μL、0.7mmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(111mg、0.55mmol)を、窒素下、撹拌したSL_0485(182mg、524μmol)のDCM溶液(10mL)に0℃で加えた。得られる溶液を22時間かけて25℃まで昇温し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→100% EtOAc/ヘキサン)で精製し、240mg(収率89%)のSL_0493を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.32 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.56 (d, J= 9.2 Hz, 2H), 7.18 (t, J=5.5 Hz, 1H), 5.81 (dd, J= 15.3, 4.3 Hz, 1H), 5.73 (dd, J = 15.3, 4.9 Hz, 1H), 4.57 (m, 1H), 4.45 (d, J=4.0Hz, 2H), 4.36 (m, 2H), 4.13 (m, 1H), 3.91 (dd, J= 13.0, 4.3 Hz, 1H), 3.71 (m, 3H), 3.58 (m, 2H), 3.53 (m, 2H), 3.42 (t, J= 5.9 Hz, 3H), 3.13 (q, J= 5.9 Hz, 2H), 1.77− 1.56 (m, 2H), 1.53 − 1.41 (m, 4H). MS (ESI+) C23H32NaN2O11 +に対する計算値[M+Na]+ 535.2,実測値535.2。
SL_0493(220mg、429μmol)のTHF溶液(15mL)にJ1454T(117mg、451μmol)を加えてからトリエチルアミン(120μL、859μmol)を加えたところ、濁った溶液を形成する(NEt3・HCl沈殿)。得られる懸濁液を22℃で撹拌したまま2時間放置し、その時点でTLC分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→100% EtOAc/ヘプタン)で精製し、164mg(収率64%)のSL_0495を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.17 (t,J= 5.6 Hz, 2H), 5.78 (m, 2H), 4.58 (m, 1H), 4.45 (m, 2H), 4.13 (dd, J= 13.1, 3.8 Hz, 1H), 4.04 (m, 2H), 3.91 (dd, J= 13.0, 4.3 Hz, 1H), 3.72 (ddd, J= 11.4,
7.9, 3.4 Hz, 1H), 3.62 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.55 (dd, J=5.6, 3.9 Hz, 2H), 3.52 − 3.44 (m, 8H), 3.43 − 3.34 (m, 7H), 3.12 (m, 4H), 1.78 − 1.58 (m, 4H), 1.55 − 1.42 (m, 6H), 1.42 − 1.25 (m, 4H). MS (ESI+) C22H42ClN2O9 +に対する計算値[M − THP + H]+ 513.26,実測値513.2。
撹拌子が装備された20mLマイクロウェーブバイアルに、SL_0495(150.0mg、251μmol)、PPTS(6.3mg、25μmol)及びEtOH(15mL)を加えた。得られる溶液をマイクロウェーブで50℃にて60分加熱し、その時点で分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、120mg(収率93%)のSL_0497を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.17 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 7.12 (d, J= 5.7 Hz, 1H), 5.80 (dt, J= 15.6, 4.5 Hz, 1H), 5.68 (dt, J= 15.6, 5.7 Hz, 1H), 4.74 (t, J= 5.5 Hz, 1H), 4.44 (d, J= 5.2 Hz, 2H), 4.04 (m, 2H), 3.94 (m, 2H), 3.62 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.55 (m, 2H), 3.52 − 3.43 (m, 8H), 3.43 − 3.34 (m, 6H), 3.11 (m, 4H), 1.70 (m, 2H), 1.49 (p, J= 6.8 Hz, 2H), 1.43 − 1.24 (m, 4H). MS (ESI+) C22H42ClN2O9 +に対する計算値[M+H]+ 513.26,実測値513.2。
ピリジン(87μL、1.1mmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(86mg、429μmol)を、窒素下、撹拌したSL_0497(110mg、214μmol)のDCM溶液(10mL)に22℃で加えた。得られる溶液を22℃で1時間以上撹拌したまま放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→5% MeOH/DCM)で精製し、141mg(収率97%)のSL_0498を淡黄色の油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.31 (m, 2H), 7.56 (m, 2H), 7.27 − 7.07 (m, 2H), 6.03 − 5.82 (m, 2H), 4.76 (m, 2H), 4.50 (m, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.70 − 3.25 (m, 18H), 3.11 (q, J= 7.8 Hz, 4H), 1.76 − 1.61 (m, 2H), 1.54 − 1.43 (m, 2H), 1.42 − 1.26 (m, 2H). MS (ESI+) C29H45ClN3O13 +に対する計算値[M+H]+ 678.26,実測値678.2。
SL_0498(120mg、177μmol)のMeCN溶液(15mL)に、2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エタン−1−オール(26mg、177μmol)を加え、次いでNEt3(74μL、531μmol)を加えた。得られる黄色溶液を22℃で16時間放置し、その時点でTLC分析により出発物質の完全消費が示された。溶媒を減圧留去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、106mg(収率87%)のSL_0503を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.22 − 7.12 (m, 3H), 5.79 (m, 2H), 4.55 (t, J= 5.5, 1H), 4.47 − 4.43 (m, 4H), 4.04 (t, J= 4.8 Hz, 2H), 3.62 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.55 (t, J= 4.8 Hz, 2H), 3.52 − 3.45 (m, 14H), 3.44 − 3.36 (m, 10H), 3.16 − 3.06 (m, 6H), 1.70 (p, J= 6.7 Hz, 2H), 1.49 (p, J=6.9 Hz, 2H), 1.42 − 1.25 (m, 4H). MS (ESI+) C29H55ClN3O13 +に対する計算値[M+H]+ 688.34,実測値688.3。
ピリジン(59μL、727μmol)及びクロロギ酸4−ニトロフェニル(59mg、291μmol)を、窒素下、撹拌したSL_0503(100mg、145μmol)のDCM溶液(10mL)に22℃で加えた。得られる溶液を22℃で16時間以上撹拌したまま放置し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。反応混合物をシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、93mg(収率75%)のSL_0505を帯黄色の油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.32 (d, J= 9.2 Hz, 2H), 7.56 (d,J= 9.2 Hz, 2H), 7.18 (m, 3H), 5.78 (s, 2H), 4.45 (s, 4H), 4.38 − 4.34 (m, 2H), 4.06 − 4.00 (m, 2H), 3.72 − 3.68 (m, 2H), 3.62 (t, J= 6.6 Hz, 2H), 3.58 − 3.52 (m, 6H), 3.52 − 3.45 (m, 8H), 3.44−3.33 (m, 8H), 3.17−3.07 (m, 6H), 1.70 (p, J=6.6Hz, 2H), 1.48 (p, J=6.9Hz, 2H), 1.42 − 1.25 (m, 4H). MS (ESI+) C36H58ClN4O17 +に対する計算値[M+H]+ 853.35,実測値853.30。
イブルチニブ−クロロアルカンの合成:
SL_0460を、Turetsky,A.,Kim,E.,Kohler,R.H.,Miller,M.A.,Weissleder,R.Sci Rep.2014,4,4782にしたがって、市販の後半段階中間体である((R)−3−(4−フェノキシフェニル)−L−(ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン)から合成した。
イブルチニブ−CA合成の基本手順:
SL_0460(10μmol)のDMF溶液(5mL)に、適切なクロロアルカンの4−ニトロフェニルカルバマート(10μmol)を加え、次いでEt3N(50μmol)を22℃で加えた。得られる黄色溶液を22℃で16時間放置し、その時点で溶媒を減圧留去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→20% MeOH/DCM)で精製し、イブルチニブ−CA複合体を澄明な油として得た。
HPLC純度(254nm)96%超。MS (ESI+) C44H60ClN8O10 +に対する計算値[M+H]+ 895.41,実測値895.52。
HPLC純度(254nm)99%超。MS (ESI+) C42H54ClN8O8 +に対する計算値[M+H]+ 833.38,実測値833.28。
HPLC純度(254nm)99%超。MS (ESI+) C44H58ClN8O9 +に対する計算値[M+H]+ 877.40,実測値877.40。
HPLC純度(254nm)99%超。MS (ESI+) C44H58ClN8O9 +に対する計算値[M+H]+ 877.40,実測値877.64。
HPLC純度(254nm)99%超。MS (ESI+) C49H67ClN9O12 +に対する計算値[M+H]+ 1008.46,実測値1008.50。
HPLC純度(254nm)99%超。MS (ESI+) C49H67ClN9O12 +に対する計算値[M+H]+ 1008.46,実測値1008.50。
HPLC純度(254nm)96%超。MS (ESI+) C56H80ClN10O16 +に対する計算値[M+H]+ 1183.54,実測値1183.50。
HPLC純度(254nm)99%超。MS (ESI+) C56H80ClN10O16 +に対する計算値[M+H]+ 1183.54,実測値1183.97。
操作はすべてアルゴン雰囲気下で実施する。液体窒素での凍結脱気を3サイクル行って水を脱気した。
Pd−oDANPHOS(1:8)溶液4mMの例
o−DANPHOS(188mg、0.32mmol、純度97%)を密封バイアルに入れ、撹拌子を装備した。空気を排気し、バイアルにアルゴンを充填した(3回繰り返し)。脱気水(9mL)をカニューレを介して加えたところ、澄明溶液が生成された。別の密封バイアルにNa2PdCl4(11.8mg、0.04mmol)を入れて空気を排気し、バイアルにアルゴンを充填した(3回繰り返し)。脱気水(1mL)を固体Na2PdCl4に加えたところ、茶色の溶液が生成された。茶色の水溶液のNa2PdCl4(1mL、11.8mg/mL)溶液を、撹拌したホスフィン溶液に加えたところ、澄明な黄色溶液が生成された。澄明な黄色溶液のPd−o−DANPHOS錯体を30分混合し、アルゴン下、密封バイアルに(1mLずつ)移した。原液を遮光し室温で保存した。
BIRB796複合体
S31(Chem.Biol.Drug.Des.2009,74,547−559)(900mg、3.75mmol)のDCM溶液(100mL)と、水溶性飽和NaHCO3(100mL)との二相性混合物を激しく撹拌し、そこにホスゲン溶液(10.7mL、トルエン中15wt%、15.0mmol)を0℃で加えた。25分後、有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。得られる黄色油をTHF(50mL)に溶解させ、S33(J Med.Chem.2002,45,2994−3008)(1.26g、4.09mmol)とDIPEA(1.94mL、11.2mmol)とのTHF溶液(100mL)に22℃で加えた。窒素下、得られる溶液を22時間撹拌した。真空下で溶媒を除去し、粗反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(0→20% MeOH/DCM)で精製し、1.41g(収率70%)のS34を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.73 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.15 (dd, J= 7.0, 1.9 Hz, 1H), 8.06 (t, J= 1.8 Hz, 1H), 7.93 (ddd, J= 8.1, 2.3, 1.2 Hz, 1H) 7.87 (m, 1H), 7.84 (q, J = 1.4 Hz, 1H), 7.72 (t,J= 7.9 Hz, 1H), 7.58 − 7.48 (m, 2H), 7.48 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J =8.4 Hz, 1H), 6.37 (s, 1H), 4.24 (t, J= 5.6 Hz, 2H), 3.65− 3.50 (m, 4H), 2.83 (t, .J=5.6 Hz, 2H), 2.53 (dd, J= 5.6, 3.7 Hz, 4H), 1.27 (s, 9H); 13C NMR (75 MHz, CD3OD) δ 164.3, 156.9, 154.5, 141.0, 138.7, 132.1, 132.0, 131.6, 130.2, 128.8, 128.1, 127.4, 126.9, 126.5, 125.25, 123.5, 123.1, 119.0, 114.3, 105.5, 100.3, 67.6, 67.2, 58.7, 55.2, 33.4, 30.6; MS (ESI+) C31H35N6O3 +に対する計算値[M+H]+ 539.28,実測値539.29。
S35(10μmol)のDMF溶液(5mL)に、適切なクロロアルカンの炭酸4−ニトロフェニル(10μmol)を加え、次いでEt3N(50μmol)を22℃で加えた。得られる黄色溶液を22℃で16時間放置し、その時点で溶媒を真空下で除去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→30% MeOH/DCM)で精製し、BIRB−CA複合体を澄明または(帯)黄色の油として得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.29 − 8.25 (m, 1H), 7.86 − 7.70 (m, 1H), 7.60 − 7.25 (m, 7H), 6.89 (d, J= 8.3 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 4.36 (s, 2H), 4.33 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 4.17 − 4.07 (m, 4H), 3.76 − 3.70 (m, 4H), 3.66 − 3.58 (m, 4H), 3.58 − 3.49 (m, 10H), 3.49 − 3.39 (m, 3H), 3.24 (t, J= 5.5 Hz, 2H), 2.97 (t, J= 5.4 Hz, 2H), 2.74 − 2.55 (m, 4H), 1.74 (dq, J = 7.9, 6.5 Hz, 2H), 1.65 − 1.50 (m, 2H), 1.50 − 1.36 (m, 4H), 1.33 (s, 9H); 13C NMR (75 MHz, CD3OD) δ 163.6, 159.1, 158.9, 159.0, 154.2, 142.5, 139.7, 139.0, 131.6, 130.7, 128.3, 128.0, 127.3, 127.0, 126.5, 125.5, 125.4, 124.4, 123.5, 123.0, 105.6, 97.1, 72.2, 71.5, 71.2, 71.2, 70.9, 70.5, 67.7, 67.3, 65.3, 65.1, 58.7, 55.2, 45.7, 45.1, 41.7, 33.7, 33.7, 30.8, 30.5, 27.7, 26.5; MS (ESI+) C49H71ClN7O11 +に対する計算値[M+H]+ 968.49,実測値968.74。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.31 − 8.25 (m, 1H), 7.81 − 7.76 (m, 1H), 7.57 − 7.51 (m, 1H), 7.51 − 7.47 (m, 2H), 7.47 − 7.36 (m, 4H), 6.90 (d, J= 8.3 Hz, 1H), 6.40 (s, 1H), 5.69 − 5.58 (m, 2H), 4.62 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 4.56 (d, J = 4.2 Hz, 2H), 4.41 − 4.25 (m, 4H), 3.77 −3.70 (m, 4H), 3.62−3.52 (m, 5H), 3.51 − 3.41 (m, 5H), 3.24 (t, J= 5.5 Hz, 2H), 3.00 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.81−2.64 (m, 4H), 1.74 (dq, J=8.1, 6.6 Hz, 2H), 1.65−1.51 (m, 2H), 1.49− 1.35 (m, 4H), 1.33 (s, 9H); 13C NMR (75 MHz, CD3OD) δ 163.7, 158.9, 158.6, 156.1, 154.2, 142.5, 139.7, 139.0, 131.6, 130.7, 129.4, 129.2, 128.3, 128.0, 127.3, 127.1, 126.5, 125.6, 125.4, 124.5, 123.5, 123.0, 105.6, 97.3, 72.2, 71.2, 71.2, 70.9, 67.6, 67.2, 61.7, 61.5, 58.7, 55.2, 45.7, 45.2, 41.7, 33.7, 33.4, 30.8, 30.5, 27.7, 26.5; MS (ESI+) C47H65ClN7O9 +に対する計算値[M+H]+ 906.45,実測値906.59。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.31 − 8.24 (m, 1H), 7.83 − 7.77 (m, 1H), 7.57 − 7.31 (m, 7H), 6.90 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 5.63 (m, 2H), 4.59 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 4.36 (s, 2H), 4.34 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 4.09 (t, J = 4.7 Hz, 2H), 4.01 (d, J = 3.9 Hz, 2H), 3.82 − 3.66 (m, 4H), 3.61 − 3.35 (m, 12H), 3.25 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.98 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.77 − 2.59 (m, 4H), 1.74 (dq, J = 8.0, 6.6 Hz, 2H), 1.66 − 1.51 (m, 2H), 1.51 − 1.35 (m, 4H), 1.33 (s, 9H); MS (ESI+) C49H69ClN7O10 +に対する計算値[M+H]+ 950.48,実測値950.64。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.30 − 8.25 (m, 1H), 7.89 − 7.70 (m, 1H), 7.61 − 7.30 (m, 7H), 6.90 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 5.82 − 5.67 (m, 2H), 4.54 − 4.45 (m, 2H), 4.37 (s, 2H), 4.33 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 4.16 − 4.09 (m, 2H), 3.96 − 3.90 (m, 2H), 3.75 − 3.67 (m, 4H), 3.60 − 3.52 (m, 7H), 3.53 − 3.38 (m, 5H), 3.25 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.98 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.77− 2.49 (m, 4H), 1.74 (dq, J = 7.9, 6.5 Hz, 2H), 1.56 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.51 − 1.36 (m, 4H), 1.33 (s, 9H); MS (ESI+) C49H69ClN7O10 +に対する計算値[M+H]+ 950.48,実測値950.88。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.30 − 8.25 (m, 1H), 7.81 − 7.73 (m, 1H), 7.54 − 7.34 (m, 7H), 6.89 (d, J= 8.3 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 5.68 − 5.59 (m, 2H), 4.65 − 4.58 (m, 2H), 4.58 −4.51 (m, 2H), 4.35 (s, 2H), 4.32 (t, J= 5.4 Hz, 2H), 4.16 − 4.12 (m, 2H), 3.75 − 3.70 (m, 4H), 3.67 − 3.62 (m, 2H), 3.61 − 3.53 ’(m, 9H), 3.53 − 3.46 (m, 5H), 3.44 (d, J= 6.5 Hz, 2H), 3.29 − 3.20 (m, 4H), 2.97 (t, J= 5.4 Hz, 2H), 2.71 − 2.63 (m, 4H), 1.74 (dq, J= 8.0, 6.6 Hz, 2H), 1.57 (p, J= 6.9 Hz, 2H), 1.50 − 1.36 (m, 4H), 1.33 (s, 9H); MS (ESI+) C54H78ClN8O13 +に対する計算値[M+H]+ 1081.54,実測値1081.71。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.30 − 8.23 (m, 1H), 7.87 − 7.71 (m, 1H), 7.59 − 7.33 (m, 7H), 6.89 (d, J= 8.3 Hz, 1H), 6.41 (s, 1H), 5.84 − 5.72 (m, 2H), 4.53 − 4.45 (m, 4H), 4.36 (s, 2H), 4.32 (t, J= 5.4 Hz, 2H), 4.14 (t, J= 4.8 Hz, 2H), 3.79 − 3.69 (m, 4H), 3.64 (t, J= 4.8 Hz, 2H), 3.61 − 3.53 ’(m, 9H), 3.53 − 3.46 (m, 5H), 3.44 (d, J= 6.5 Hz, 2H), 3.25 (td, J= 5.6, 2.2 Hz, 4H), 2.97 (t, J= 5.4 Hz, 2H), 2.78 − 2.56 (m, 4H), 1.74 (dq, J= 8.0, 6.6 Hz, 2H), 1.57 (p,J = 6.9 Hz, 2H), 1.50 − 1.36 (m, 4H), 1.33 (s, 9H); MS (ESI+) C54H78ClN8O13 +に対する計算値[M+H]+ 1081.54,実測値1081.80。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.30 − 8.24 (m, 1H), 7.83 − 7.74 (m, 1H), 7.61 − 7.25 (m, 7H), 6.89 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.68 (s, 2H), 5.74 − 5.65 (m, 2H), 4.68 − 4.56 (m, 4H), 4.37 (s, 2H), 4.32 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 4.23 − 4.03 (m, 4H), 3.78 − 3.68 (m, 4H), 3.68 − 3.39 (m, 27H),3.30 − 3.15 (m, 7H), 2.97 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.74 − 2.56 (m, 4H), 1.75 (dq, J = 8.1, 6.6 Hz, 2H), 1.65 − 1.51 (m, 2H), 1.51 − 1.35 (m, 4H), 1.33 (s, 9H); MS (ESI+) C61H91ClN9O17 +に対する計算値[M+H]+ 1256.82,実測値1256.96。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.31 − 8.25 (m, 1H), 7.84 − 7.77 (m, 1H), 7.61 − 7.23 (m, 7H), 6.91 (d, J = 8.4 Hz), 6.41 (s, 1H), 5.82 (s, 2H), 4.50 (s, 4H), 4.38 (s, 2H), 4.34 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 4.15 (t, J = 4.7 Hz, 4H), 3.81 − 3.70 (m, 4H), 3.70 − 3.37 (m, 27H), 3.29 − 3.16 (m, 6H), 2.98 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 2.77 − 2.50 (m, 4H), 1.74 (dt, J = 7.9, 6.6 Hz, 2H), 1.57 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.52 − 1.36 (m, 4H), 1.33 (s, 9H); MS (ESI+) C61H91ClN9O17 +に対する計算値[M+H]+ 1256.82,実測値1256.96。
修飾ポナチニブの合成(J.Med.Chem.2010,53,4701−4719から一部を修正した手順)。
臭化塩(S55)8(685mg、2.41mmol)とS56(880mg、3.62mmol)のDCM溶液(25mL)を撹拌し、そこに炭酸カリウム(333mg、2.41mmol)を22℃で加えた。得られる懸濁液を22℃で60時間撹拌し、その時点でTLCにより出発物質の消費が示された。溶液を約20mLに濃縮してシリカに吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→10% MeOH/DCM)で精製し、915mg(収率85%)のS57を帯黄色の油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.52 (dd, J= 8.6, 2.4 Hz, 1H), 8.41 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.08 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 6.79 (s, 1H), 3.74 (m, 2H), 2.94 (m, 2H), 2.46 − 2.35 (m, 8H), 2.27 (m, 2H), 1.53 (m, 2H), 1.37 (s, 9H); MS (ESI+) C20H30F3N4O4 +に対する計算値[M+H]+ 447.22,実測値447.25。
S63(10μmol)のDMF溶液(5mL)に、適切なクロロアルカンの炭酸4−ニトロフェニル(CA−T1炭酸4−ニトロフェニル(S87)合成)3(10μmol)を加え、次いでEt3N(50μmol)を22℃で加えた。得られる黄色溶液を22℃で16時間放置し、その時点で溶媒を真空下で除去し、粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0→30% MeOH/DCM)で精製し、ポナチニブ−CA複合体を澄明または(帯)黄色の油として得た。
トリ−アミド−クロロアルカンリンカーの合成
tert−ブチル3−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロパノアート(1.00g、4.27mmol)のDCM溶液(100mL)を撹拌し、そこにクロロギ酸4−ニトロフェニル(1.29g、6.40mmol)に次いでピリジン(1.72mL、21.3mmol)を加えた。得られる濁った溶液を22℃で20時間撹拌し、その時点でTLC分析により出発物質の完全な消費が示された。真空下、反応混合物を約20mLに濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0→40% EtOAc/ヘプタン)で精製し、1.35g(収率79%)のS72を澄明な油として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.47 − 8.18 (m, 2H), 7.68 − 7.44 (m, 2H), 4.54 − 4.16 (m, 2H), 3.76 − 3.65 (m, 2H), 3.60 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.58 − 3.46 (m, 4H), 2.42 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 1.39 (s, 9H); 13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 170.4, 155.3, 152.0, 145.1, 125.4, 122.5, 79.7, 69.7, 69.6, 68.3, 67.9, 66.2, 35.8, 27.7; MS (ESI+) C18H25NNaO9 +に対する計算値[M+Na]+ 422.1,実測値422.1。
all−PEGクロロアルカンリンカー(最適化していない)の合成
N2下、撹拌子が装備された炉乾燥済み500mLフラスコに、NaH(988mg、60%、鉱油分散、24.7mmol)に次いでTHF(100mL)を0℃で投入した。未希釈の2,2’−((オキシビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン−1−オール)(4.0g、21mmol)を10分かけて滴下した後、(E)−1,4−ジブロモ−2−ブテン(2.20g、10.3mmol)含有THF(10mL)を1度に加えた。反応混合物を20時間かけて22℃に昇温し、1mLのAcOHを加えて反応混合物の反応を停止させた。反応混合物をセライトに吸着させ、溶媒を真空下で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(0→30% MeOH/DCM)による精製を実施した。ビス−アルキル化生成物(m/z=441.26 [M+H]+)で富化した画分を合わせて濃縮し、開始ジオール、モノアルキル化生成物及びビス−アルキル化生成物の混合物(SL_0718)として360mgの黄色油を得た。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕二重機能性、細胞透過性、細胞適合性のある、官能基選択的に開裂可能な組成物であって、
(a)細胞相互作用要素と、
(b)捕捉要素と、
(c)前記細胞相互作用要素を前記捕捉要素に共有結合により係留させるリンカーとを含み、ここで、前記リンカーは、官能基選択的に開裂可能な部分を含む、前記組成物。
〔2〕前記細胞相互作用要素は、低分子またはペプチドである、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記捕捉要素は、酵素に対する共有結合性基質である、前記〔1〕に記載の組成物。
〔4〕前記捕捉要素はハロアルカン基を含む、前記〔3〕に記載の組成物。
〔5〕前記捕捉要素は親和性要素である、前記〔1〕に記載の組成物。
〔6〕前記官能基選択的に開裂可能な部分は、アリル−ヘテロ原子基、プロパルギル−ヘテロ原子基からなる群から選択される、前記〔1〕に記載の組成物。
〔7〕前記官能基選択的に開裂可能な部分は、アリルエーテル、アリルアミン、アリルエステル、アリルアミド、アリル尿素、アリルカルボナート、及びアリルカルバマートからなる群から選択されるアリル−ヘテロ原子基を含む、前記〔6〕に記載の組成物。
〔8〕前記官能基選択的に開裂可能な部分は、アリルカルバマート基を含む、前記〔7〕に記載の組成物。
〔9〕前記官能基選択的に開裂可能な部分は、プロパルギルエーテル、プロパルギルアミン、プロパルギルエステル、プロパルギルアミド、プロパルギル尿素、プロパルギルカルボナート、及びプロパルギルカルバマートからなる群から選択されるプロパルギル−ヘテロ原子基を含む、前記〔6〕に記載の組成物。
〔10〕式
Z−L 1 −Y−L 2 −Q、
[式中、Zは細胞相互作用要素であり、Qは捕捉要素であり、ここで、L 1 とL 2 は、互いに独立して任意選択で存在する独立リンカー部分であり、Yは官能基選択的に開裂可能な部分である]を含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔11〕(a)前記〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の二重機能性、細胞透過性、細胞適合性のある、官能基選択的に開裂可能な組成物を細胞に投与すること、
(b)細胞相互作用要素を、対応する細胞内の細胞内標的に結合させること、
(c)前記細胞を溶解させて細胞溶解物を作製すること、及び
(d)前記捕捉要素を、表面に固定化された捕捉物質と接触させること
を含む、方法。
〔12〕(e)前記官能基選択的に開裂可能なリンカーを対応する官能基選択性物質と接触させ、これにより、前記細胞相互作用要素と前記結合した細胞内標的を、前記表面から遊離させることをさらに含む、前記〔10〕に記載の方法。
〔13〕(a)前記〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の二重機能性、細胞透過性、細胞適合性のある、官能基選択的に開裂可能な組成物と、
(b)(i)細胞、
(ii)細胞内標的、
(iii)表面に提示された捕捉物質、及び
(iv)官能基選択性物質の4つのうち1つ以上
とを含む、系。
〔14〕遷移金属で開裂可能なリンカーによって第2の分子成分に連結された第1の分子成分を含む、官能基選択的に開裂可能な組成物と、遷移金属イオン、または遷移金属イオンを放出できる官能基選択性物質とを、前記遷移金属イオンによって前記開裂可能なリンカーが開裂される条件下で接触させ、前記第1の分子成分を前記第2の分子成分から遊離させること
を含む、方法。
〔15〕前記官能基選択的に開裂可能な部分は、アリル−ヘテロ原子基及びプロパルギル−ヘテロ原子基からなる群から選択される、前記〔14〕に記載の方法。
〔16〕前記アリル−ヘテロ原子基は、アリルエーテル、アリルアミン、アリルエステル、アリルアミド、アリル尿素、アリルカルボナート、及びアリルカルバマートからなる群から選択される、前記〔15〕に記載の方法。
〔17〕前記アリル−ヘテロ原子基はアリルカルバマート基を含む、前記〔16〕に記載の方法。
〔18〕前記官能基選択的に開裂可能な部分は、プロパルギルエーテル、プロパルギルアミン、プロパルギルエステル、プロパルギルアミド、プロパルギル尿素、プロパルギルカルボナート、及びプロパルギルカルバマートからなる群から選択されるプロパルギル−ヘテロ原子基を含む、前記〔15〕に記載の方法。
〔19〕前記遷移金属はPdまたはRuである、前記〔14〕に記載の方法。
〔20〕前記条件はタンパク質性の環境を含む、前記〔14〕に記載の方法。
〔21〕前記タンパク質性の環境は細胞または細胞溶解物である、前記〔20〕に記載の方法。
〔22〕前記第1の分子成分は細胞相互作用要素であり、細胞内標的に結合している、前記〔14〕に記載の方法。
〔23〕前記第2の分子成分は捕捉要素であり、捕捉物質に結合している、前記〔14〕に記載の方法。
〔24〕前記捕捉物質は表面に結合している、前記〔23〕に記載の方法。
〔25〕(a)(i)相互作用要素と、
(ii)捕捉要素と、
(iii)官能基選択的に開裂可能な部分を含んでいる、前記相互作用要素を前記捕捉要素に共有結合で係留させるリンカーと
を含む組成物を、細胞溶解物または生化学組成物に投与すること、
(b)前記相互作用要素と対応する標的とが結合できるようにすること、
(c)前記捕捉要素を、表面に固定化された捕捉物質と接触させること
を含む、方法。
〔26〕(d)前記官能基選択的に開裂可能なリンカーを対応する官能基選択性物質と接触させ、これにより、前記相互作用要素と前記結合した標的を前記表面から遊離させることをさらに含む、前記〔10〕に記載の方法。
Claims (5)
- (a)二重機能性、細胞透過性、細胞適合性のある、官能基選択的に開裂可能な組成物を細胞に投与する工程、ここで、前記組成物は
(i)細胞標的タンパク質と非共有結合することができる相互作用要素と、
(ii)ハロアルカン基を含む捕捉要素と、
(iii)アリル−ヘテロ原子基、プロパルギル−ヘテロ原子基からなる群から選択される官能基選択的に開裂可能な部分を含む、前記相互作用要素を前記捕捉要素に共有結合により係留させるリンカーとを含む、
(b)前記相互作用要素を、対応する細胞標的タンパク質に結合させる工程、
(c)前記細胞を溶解させて細胞溶解物を作製する工程、及び
(d)前記捕捉要素を、表面に固定化された捕捉物質と接触させる工程
を含む、方法。 - (e)前記官能基選択的に開裂可能なリンカーを対応する官能基選択性物質と接触させ、これにより、前記相互作用要素と前記結合した細胞標的タンパク質を、前記表面から遊離させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- (a)(i)細胞標的タンパク質と非共有結合することができる相互作用要素と、
(ii)ハロアルカン基を含む捕捉要素と、
(iii)アリル−ヘテロ原子基、プロパルギル−ヘテロ原子基からなる群から選択される官能基選択的に開裂可能な部分を含む、前記相互作用要素を前記捕捉要素に共有結合で係留させるリンカーとを含む組成物を、細胞又は細胞溶解物に投与する工程、
(b)前記相互作用要素を、対応する標的に結合させる工程、及び
(c)前記捕捉要素を、表面に固定化された捕捉物質と接触させる工程
を含む、方法。 - (d)前記官能基選択的に開裂可能なリンカーを対応する官能基選択性物質と接触させ、これにより、前記相互作用要素と前記結合した標的を前記表面から遊離させる工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
- 前記官能基選択的に開裂可能な部分は、アリルカルバマート基を含む、請求項1又は3に記載の方法。
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