JP6999589B2 - 生物活性剤の細胞標的の捕捉のための組成物および方法 - Google Patents

生物活性剤の細胞標的の捕捉のための組成物および方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月12日に出願された米国仮特許出願第61/736,426号、および2013年9月19日に出願された米国仮特許出願第61/883,313号に対する優先権を主張し、これらの両方は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明は、生物活性剤の細胞標的の捕捉および特定のための組成物および方法を提供する。具体的には、捕捉リガンドに連結した生物活性剤、細胞標的(内在的、またはレポーターで任意にタグ付けされる)、捕捉タンパク質(捕捉融合体として任意に存在する)、表面(例えば、捕捉リガンド、捕捉タンパク質、または捕捉融合体を提示する)、およびそれと共に生物活性剤の細胞標的を捕捉し、特定する方法が本明細書に提供される。
細胞に基づく表現型スクリーニングは、生物活性薬物候補の発見のためにますます使用されている。薬物候補の標的は細胞状況内で自然に機能し、それらがどのように生物活性分子(例えば、合成分子)と相互作用するかは、この状況によって優位に影響される。この理由から、生物活性分子に対する未知の標的を特定しようとする際、標的が、特定のために捕捉される前に、生細胞内で生物活性分子に結合することを可能にすることが好適である。したがって、捕捉前に、結合が細胞溶解物内で発生することを可能にする方法は、それほど好適ではない。これは、所望の生物活性を媒介する一次標的にも、および不利益または干渉につながり得る標的外にも当てはまる。そのような生物活性分子のためのタンパク質標的を発見し、確認することは、しばしば、親和性強化および質量分析法の組み合わせを使用する。そのような方法は、いくつかの困難に直面する。まず、標的分子とタンパク質標的との間のしばしば中度から弱度である結合は、標的タンパク質またはタンパク質複合体を捕捉することを困難にする、または結果を高親和性の相互作用体の方に偏倚させる。更に、親和性強化法は、典型的に候補標的分子で固定された固体支持体を使用する。固体表面上の結合の速度論は、溶液に基づく速度論と比較するとずっと遅く、標的タンパク質またはタンパク質複合体を捕捉する可能性を更に減少させる。細胞溶解物から固体支持体へのタンパク質の非特異的結合は、質量分析(MS)を使用する細胞標的の特定を更に複雑化する、高バックグラウンドにつながる。そのような方法は、しばしば多数の推定該当点につながり、二次スクリーニングを行って潜在的標的を確認することを必要とする。標的分子-タンパク質相互作用のための高速大量処理確認アッセイは、それを資源集約的な工程にする更なる開発および最適化を必要とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、(a)生物活性剤の細胞標的と、(b)第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の融合体と、(c)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤であって、第1の捕捉リガンドが、その相互作用に際して第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する、生物活性剤と、(d)第2の捕捉リガンドを提示する固体表面であって、第2の捕捉リガンドが、その相互作用に際して第2の捕捉タンパク質と共有結合を形成する、固体表面と、のうちの1つ以上(例えば、全て)を含む、組成物および系(システム(system))(例えば、細胞、反応混合物、キット、容器など)を提供する。いくつかの実施形態において、(a)は、生物活性化合物の複数の細胞標的を含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞内でレポーターとの融合体として発現する。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光レポーターである。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光タンパク質の一部、成分、またはサブユニットである。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%)を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の捕捉タンパク質の両方は、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%)を含む。いくつかの実施形態において、融合体は、ホモ二量体である。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、小分子である。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤の結合パートナーである。いくつかの実施形態において、細胞標的は、2つ以上のタンパク質、またはタンパク質および核酸の複合体などの、分子の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、第1の捕捉リガンドおよび第2の捕捉リガンドは、同一の分子構造を含む。いくつかの実施形態において、固体表面は、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)などからなるリストから選択される。いくつかの実施形態において、固体表面は、磁性である。いくつかの実施形態において、固体表面は、非磁性である。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に結合し、第1の捕捉タンパク質は第1の捕捉リガンドに結合し、第2の捕捉タンパク質は固体表面上で、第2の捕捉リガンドに結合する。
特定の実施形態において、本発明は、(a)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤を、生物活性剤の細胞標的を含む細胞に、細胞標的が生物活性剤に結合するような条件下で投与するステップと、(b)細胞を溶解させて、細胞溶解物を生成するステップと、(c)細胞溶解物を、第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の融合体と、第1の捕捉リガンドが第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する条件下で接触させるステップと、(d)細胞溶解物を、第2の捕捉リガンドを提示する固体表面と、第1の捕捉リガンドが第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する条件下で接触させるステップと、(e)固体表面を細胞溶解物から分離するステップと、を含む、細胞標的を捕捉する方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、(a)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤を、生物活性剤の細胞標的を含む細胞に、細胞標的が生物活性剤に結合するような条件下で投与するステップと、(b)細胞を溶解させて、細胞溶解物を生成するステップと、(c)細胞溶解物を、第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の融合体に結合した第2の捕捉リガンドを提示する固体表面と接触させるステップであって、第2の捕捉タンパク質および第2の捕捉リガンドが共有的に結合する、ステップと、(d)固体表面を細胞溶解物から分離するステップと、を含む、細胞標的を捕捉する方法を提供する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞に内在する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、レポーターとの融合体である。
特定の実施形態において、本発明は、(a)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤を、生物活性剤の細胞標的を含む細胞に、細胞標的が生物活性剤に結合するような条件下で投与するステップと、(b)第1の捕捉リガンドを、第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の融合体と、第1の捕捉リガンドが第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する条件下で接触させるステップと、(c)捕捉融合体を、第2の捕捉リガンドを提示する固体表面と、第1の捕捉リガンドが第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する条件下で接触させるステップと、(d)固体表面を細胞溶解物から分離するステップと、を含む、細胞標的を捕捉する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、細胞を溶解させて、溶解物を形成するステップを含む。他の実施形態において、本発明は、(a)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤を、生物活性剤の細胞標的を含む細胞に、細胞標的が生物活性剤に結合するような条件下で投与するステップと、(b)第1の捕捉リガンドを、第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の融合体に結合した第2の捕捉リガンドを提示する固体表面と接触させるステップであって、第2の捕捉タンパク質および第2の捕捉リガンドが共有的に結合する、ステップと、(c)固体表面を細胞溶解物から分離するステップと、を含む、細胞標的を捕捉する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、細胞を溶解させて、溶解物を形成するステップを含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、レポーターとの融合体である。いくつかの実施形態において、ステップ(a)および/または(b)の生成物は、細胞溶解なしで、細胞を退出する(例えば、分泌される、開口分泌、活性除去)。
いくつかの実施形態において、本発明は、(a)生物活性剤の細胞標的と、(b)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤を含む細胞の、細胞溶解物、細胞成分、または細胞画分であって、細胞溶解物は、(c)第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の融合体であって、第1の捕捉リガンドが、その相互作用に際して第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する、融合体と、(d)第2の捕捉リガンドを提示する固体表面であって、第2の捕捉リガンドが、その相互作用に際して第2の捕捉タンパク質と共有結合を形成する、固体表面と、を更に含む、細胞溶解物を提供する。いくつかの実施形態において、(a)は、生物活性化合物の複数の細胞標的を含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、レポーターとの融合体である。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光レポーターである。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光タンパク質の一部、成分、またはサブユニットである。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%)を含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の捕捉タンパク質の両方は、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%)を含む。いくつかの実施形態において、融合体は、ホモ二量体である。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、小分子である。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤の結合パートナーである。いくつかの実施形態において、細胞標的は、2つ以上のタンパク質、またはタンパク質および核酸の複合体などの、分子の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、第1の捕捉リガンドおよび第2の捕捉リガンドは、同一の分子構造を含む。いくつかの実施形態において、固体表面は、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)などからなるリストから選択される。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に結合し、第1の捕捉タンパク質は第1の捕捉リガンドに結合し、第2の捕捉タンパク質は固体表面上で、第2の捕捉リガンドに結合する。
いくつかの実施形態において、本発明は、(a)生物活性剤の細胞標的と、(b)捕捉リガンドに連結した生物活性剤と、(c)捕捉タンパク質を提示する固体表面であって、捕捉タンパク質が、その相互作用に際して捕捉リガンドと共有結合を形成する、固体表面と、のうちの1つ以上(例えば、全て)を含む組成物および系(例えば、細胞、反応混合物、キット、容器など)を提供する。いくつかの実施形態において、(a)は、生物活性化合物の複数の細胞標的を含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞に内在する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞内でレポーターとの融合体として発現する。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光レポーターである。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光タンパク質の一部、成分、またはサブユニットである。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質は、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、本発明は、更なるステップ(e)固体表面に結合する、またはそこから放出される、生物発光を測定することを含む。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、小分子である。いくつかの実施形態において、小分子は、合成分子である。いくつかの実施形態において、小分子は、酵素または受容体の阻害剤などの、タンパク質機能の阻害剤である。いくつかの実施形態において、細胞標的は、2つ以上のタンパク質、またはタンパク質および核酸の複合体などの、分子の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤の結合パートナーである。いくつかの実施形態において、細胞標的は、2つ以上のタンパク質、またはタンパク質および核酸の複合体などの、分子の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤に非共有的に結合する。いくつかの実施形態において、固体表面は、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)などからなるリストから選択される。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に結合し、捕捉タンパク質は捕捉リガンドに結合する。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に非共有的に結合し、捕捉タンパク質は捕捉リガンドに共有的に結合する。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、クロロアルカンである。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、リンカーを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、開裂可能リンカーを含む。特定の実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーおよび開裂可能リンカーを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、(a)捕捉リガンドに連結した生物活性剤と、(b)捕捉タンパク質を提示する固体表面であって、捕捉タンパク質が、その相互作用に際して捕捉リガンドと共有結合を形成する、固体表面と、を含む組成物および系(例えば、反応混合物、キット、容器など)を提供する。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、細胞標的に非共有的に結合する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞に内在する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞内でレポーターとの融合体として発現する。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光レポーターである。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質は、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、小分子である。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤の結合パートナーである。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤に非共有的に結合する。いくつかの実施形態において、固体表面は、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)などからなるリストから選択される。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に結合し、捕捉タンパク質は捕捉リガンドに結合する。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に非共有的に結合し、捕捉タンパク質は捕捉リガンドに共有的に結合する。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、クロロアルカンである。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、リンカーを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、開裂可能リンカーを含む。特定の実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーおよび開裂可能リンカーを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、(a)捕捉リガンドに連結した生物活性剤を、生物活性剤の細胞標的を含む細胞に、細胞標的が生物活性剤に結合するような条件下で投与するステップと、(b)細胞を溶解させて、細胞溶解物を生成するステップと、(c)細胞溶解物を、捕捉タンパク質を提示する固体表面と、捕捉タンパク質が捕捉リガンドと共有結合を形成する条件下で接触させるステップと、(d)固体表面を細胞溶解物から分離するステップと、を含む、細胞標的を捕捉する方法を提供する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞に内在する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞内でレポーターとの融合体として発現する。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光レポーターである。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質は、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、小分子である。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤の結合パートナーである。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤に非共有的に結合する。いくつかの実施形態において、固体表面は、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)などからなるリストから選択される。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に結合し、捕捉タンパク質は捕捉リガンドに結合する。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に非共有的に結合し、捕捉タンパク質は捕捉リガンドに共有的に結合する。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、クロロアルカンである。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、リンカーを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、開裂可能リンカーを含む。特定の実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーおよび開裂可能リンカーを含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、(e)細胞標的を検出または分析するステップを更に含む。他の実施形態において、本方法は、(e)細胞標的を固体支持体から溶出するステップと、(f)細胞標的を検出または分析するステップと、を更に含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、質量分析(MS)を使用して検出または分析される。
いくつかの実施形態において、本発明は、(a)生物活性剤の細胞標的と、(b)捕捉リガンドに連結した生物活性剤と、を含む細胞の細胞溶解物を提供する。いくつかの実施形態において、細胞溶解物は、(c)捕捉タンパク質を提示する固体表面であって、捕捉タンパク質が、その相互作用に際して捕捉リガンドと共有結合を形成する、固体表面を更に含む。いくつかの実施形態において、(a)は、生物活性化合物の複数の細胞標的を含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞に内在する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、レポーターとの融合体である。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光レポーターである。いくつかの実施形態において、レポーターは、生物発光タンパク質の一部、成分、またはサブユニットである。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質は、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を含む。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、小分子である。いくつかの実施形態において、小分子は、合成分子である。いくつかの実施形態において、小分子は、酵素または受容体の阻害剤などの、タンパク質機能の阻害剤である。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤の結合パートナーである。いくつかの実施形態において、細胞標的は、2つ以上のタンパク質、またはタンパク質および核酸の複合体などの、分子の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤に非共有的に結合する。いくつかの実施形態において、固体表面は、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)などからなるリストから選択される。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に結合し、捕捉タンパク質は捕捉リガンドに結合する。いくつかの実施形態において、細胞標的は生物活性剤に非共有的に結合し、捕捉タンパク質は捕捉リガンドに共有的に結合する。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、クロロアルカンである。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、リンカーを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、開裂可能リンカーを含む。特定の実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーおよび開裂可能リンカーを含む。
捕捉タンパク質(例えば、HALOTAG)を使用する、タンパク質またはタンパク質複合体と複合した捕捉リガンドに連結した生物活性剤(例えば、SM-HTL)の迅速かつ特異的な捕捉のための、本発明の実施形態の概略的描示を示す。 様々な方法を使用する、タンパク質複合体の迅速かつ特異的な溶出のための、本発明の実施形態の概略的描示を示す。 ビーズ容積、ならびに様々な捕捉アッセイにおける発光上のSM-HTLの存在または不在、すなわち(A)p38αおよびBIRB-クロロアルカンの効果を描写するグラフを示す。 ビーズ容積、ならびに様々な捕捉アッセイにおける発光上のSM-HTLの存在または不在、すなわち(B)HDAC6およびSAHA-クロロアルカンの効果を描写するグラフを示す。 ビーズ容積、ならびに様々な捕捉アッセイにおける発光上のSM-HTLの存在または不在、すなわち(C)過剰発現したNANOLUC-p38αでのBIRB-クロロアルカンプルダウンの効果を描写するグラフを示す。 ビーズ容積、ならびに様々な捕捉アッセイにおける発光上のSM-HTLの存在または不在、すなわち(D)過剰発現したNANOLUC-HDAC6でのSAHA-クロロアルカンプルダウンの効果を描写するグラフを示す。 p38αおよびBIRB-クロロアルカン捕捉アッセイに従う、溶解物の抗p38を使用する、ウエスタン/銀染色分析を示す。 本発明の実施形態の、薬物に短期間で結合する標的タンパク質を捕捉する能力を描写するグラフを示す。 クロロアルカン修飾小分子を使用する、標的タンパク質の細胞からのプルダウンのための、カルバメートクロロアルカンリンカーの使用を描写するグラフを示す。 クロロアルカン修飾小分子を使用する、標的タンパク質の細胞からのプルダウンのための、カルバメートクロロアルカンリンカーの使用を描写するグラフを示す。 クロロアルカン修飾小分子を使用する、標的タンパク質の細胞からのプルダウンのための、カルバメートクロロアルカンリンカーの使用を描写するグラフを示す。 バックグラウンド上信号についての、様々な放出方法の効果を描写するグラフを示す。 (A)メトトレキサート-CAでのDHFR(21kDa)の特異的なプルダウンを実証するウエスタンブロットを示す。 ((B)HEK293細胞からのメトトレキサート-CAによってプルダウンしたタンパク質質量分析を示す。 (A)BIRB-CAでのp38(41kDa)の特異的なプルダウンを実証するウエスタンブロットを示す。 (B)HEK293細胞からのBIRB-CAによってプルダウンしたタンパク質の質量分析を示す。 クロロアルカン修飾の、連結した生物活性剤、すなわちSAHAの透過性および力価に対する最小限の影響を示す。 低親和性標的(HDAC8)および低存在度標的(HDAC3)を含むSAHAの全ての既知の標的が、本発明の実施形態を使用して、細胞から特異的にプルダウンされ得ることを示す。(A)SAHA-CAを使用する、全ての既知の標的の特異的なプルダウンを実証するウエスタンブロット、および(B)HEK293細胞からのSAHA-CAによる、タンパク質プルダウンの質量分析。 ビオチン修飾と比較した、クロロアルカン修飾の、連結した生物活性剤、すなわちSAHAの透過性および力価に対する最小限の影響を示す。 HDAC6のみがSAHA-ビオチンによってプルダウンされた一方での、低親和性標的(HDAC8)および低存在度標的(HDAC3)を含む、SAHA-CAによる、K562細胞からのSAHAの全ての既知の標的の特異的なプルダウンを実証するウエスタンブロットを示す。
定義
本明細書で使用される場合、「捕捉タンパク質」という用語は、その相互作用に際してその基質および/またはリガンドと安定した共有結合を形成する、タンパク質に言及する。捕捉タンパク質は、その基質と共有結合を形成する、そのリガンドまたは酵素と結合する際、共有結合を形成する受容体であり得る。本発明の実施形態における使用のために適切な捕捉タンパク質の例は、米国特許第7,425,436号(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に記載される、HALOTAGタンパク質である。
本明細書で使用される場合、「捕捉融合体」という用語は、捕捉タンパク質の2つ以上の複製の融合体に言及する。「捕捉二量体」という用語はまた、2つの捕捉タンパク質の融合体(例えば、ヘテロ二量体、ホモ二量体など)に言及するために使用され得る。捕捉タンパク質は、融合体内の各捕捉タンパク質が、基質および/またはリガンドと共有結合を形成することができるような方法で、安定して連係(例えば、共有的に)、連結、および/または融合される。捕捉タンパク質は、互いに直接的に結合されてもよく、またはリンカー(例えば、ペプチドまたは他の鎖あるいはポリマー)によって分離されてもよい。捕捉タンパク質は、(例えば、リンカーの有無に関わりなく)融合体タンパク質として発現してもよく、あるいは化学的または酵素的に連係した後発現であってもよい。
本明細書で使用される場合、「捕捉リガンド」という用語は、その相互作用に際して捕捉タンパク質と共有結合を形成するリガンド、基質などに言及する。本発明の実施形態における使用のために適切な捕捉リガンドの例は、米国特許第7,425,436号(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に記載される、HALOTAGリガンドである。
本明細書で使用される場合、「細胞標的」という用語は、タンパク質、ポリペプチド、核酸(例えば、DNAまたはRNA)、多糖類、あるいはポリペプチド(複数可)を有するこれらのうちのいずれかを含む複合体に言及する。細胞標的は、2つ以上の成分、サブユニットまたはポリペプチドで構成されてもよく、例えば、細胞標的は、タンパク質複合体である。細胞標的の例は、受容体または酵素を含み得る。
本明細書で使用される場合、「生物活性剤」という用語は、一般的に、あらゆる生理学的または薬理学的に活性な物質、または検出に適切な物質に言及する。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、潜在的な治療用化合物(例えば、小分子、ペプチド、核酸など)、または薬物様分子である。本明細書に記載される実施形態における使用のための生物活性剤は、大きさまたは構造によって限定されない。
詳細な説明
本発明は、生物活性剤の細胞標的の捕捉および特定のための組成物および方法を提供する。具体的には、捕捉リガンドに連結した生物活性剤、細胞標的(内在的、またはレポーターで任意にタグ付けされる)、捕捉タンパク質(捕捉融合体として任意に存在する)、表面(例えば、捕捉リガンド、捕捉タンパク質、または捕捉融合体を提示する)、およびそれと共に生物活性剤の細胞標的を捕捉し、特定する方法が本明細書に提供される。
特定の実施形態において、本発明は、細胞内の生物活性剤(例えば、小分子および/または薬物様分子)の細胞標的(例えば、タンパク質またはタンパク質複合体(複数可))の発見および確認のための高感度な方法を提供する(図1を参照されたい)。いくつかの実施形態において、本発明は、表現型スクリーニングアッセイの一部、またはそれと対をなすものとしての使用を見いだす。例えば、表現型スクリーンにおいて所望の表現型反応を産出する小分子の組は、化学的合成または酵素的手段によって、それぞれ捕捉リガンド(例えば、HALOTAGリガンド)に連結される。細胞は、(内在的、またはレポーターで任意に融合された)細胞標的を係合し、表現型反応(例えば、同一の反応、類似の反応(例えば、±1%…±2%…±5%…±10%…±20%…±30%…±50%など))を再生させる、小分子/捕捉リガンド共役体(例えば、小分子-HALOTAGリガンド共役体(SM-HTL))で処理される。いくつかの実施形態において、その後、細胞は溶解され、生物活性剤を通して捕捉リガンドに現在連係した細胞標的は、捕捉リガンド(例えば、HALOTAGリガンド)の、捕捉融合体(例えば、HALOTAGデハロゲナーゼ(例えば、その基質に共有的に結合するために修飾されたデハロゲナーゼ))、または捕捉タンパク質(例えば、HALOTAGデハロゲナーゼ(例えば、その基質に共有的に結合するために修飾されたデハロゲナーゼ))を提示する表面との結合によって捕捉される。いくつかの実施形態において、捕捉融合体は、溶液内にある(後続して固体表面に結合する)。他の実施形態において、捕捉タンパク質または捕捉融合体は、固体表面(例えば、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)などに結合する(例えば、捕捉融合体は、その表面上に捕捉リガンドを提示する表面に結合する)。いくつかの実施形態において、細胞が溶解すると、生物活性剤を通して捕捉リガンドに現在連係した細胞標的は、捕捉リガンド(例えば、HALOTAGリガンド)の、固体表面(例えば、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)など)上に提示される捕捉タンパク質(例えば、二量体ではない)との結合によって捕捉される(図1、下部の計画を参照されたい)。
いくつかの実施形態において、内在的標的(例えば、小分子の既知および未知の標的)の捕捉または「プルダウン」のための方法が提供される。いくつかの実施形態において、小分子/捕捉リガンド共役体(例えば、(SM-HTL)に結合する内在的タンパク質は、その後、捕捉タンパク質(例えば、表面(例えば、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)など上に提示される)によって共有的に結合(例えば、プルダウン)する。そのようなプルダウン法には、捕捉されたタンパク質を特定するための分析(例えば、内在的標的の表面からの溶出に従う)が続き得る。分析技術は、ウエスタンブロット、ゲル電気泳動、質量分析、核磁気共鳴分光法などを含み得る。本明細書に提供される系、組成物、および方法は、そのような文脈において使用される際、多数の利点を提供する。特定の実施形態において、細胞内でのクロロアルカン-薬物共役体(例えば、HTL-SM)の結合は、より高い、低親和性標的を捕捉する確率につながる特異的な相互作用を促進する。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される方法の速度および効率(例えば、内在的標的の共有結合的捕捉について<30分(例えば、<25分、<20分、<15分、<10分、<5分、<1分))は、複合体崩壊を最小化(例えば、二次標的(例えば、SM-HTLによって結合する標的と非共有結合的に相互作用するタンパク質)の特定を維持)し、低親和性相互作用を維持する。他の実施形態において、迅速な捕捉は、非特異的な捕捉を最小化する。特定の実施形態において、内在的標的の、非共役薬物との競合による放出は、低存在度標的の検出を増加させるバックグラウンドを低減する。
特定の実施形態において、表面-(捕捉リガンド)-(捕捉融合体)-(捕捉リガンド)-(生物活性剤)-(細胞標的)複合体の精製(例えば、表面を精製すること(例えば、機械的分離、洗浄など)による)後、細胞標的は、任意の適切な機構によって、固体表面(例えば、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)など)から放出または溶出する(図2、上部の計画を参照されたい)。いくつかの実施形態において、過剰な非連結生物活性剤は、細胞標的を捕捉-リガンド-連結生物活性剤から離れて競合させるために、系に添加される。他の実施形態において、捕捉融合体の2つの捕捉タンパク質間の連鎖(例えば、TEVプロテアーゼ開裂部位)は、(例えば、化学的に、酵素的に)開裂して、(捕捉タンパク質)-(捕捉リガンド)-(生物活性剤)-(細胞標的)複合体を放出する。更に他の実施形態において、捕捉リガンドと生物活性剤との間の連鎖は、(例えば、化学的に、酵素的に)開裂して、(生物活性剤)-(細胞標的)複合体を放出する。いくつかの実施形態において、リンカーの全てまたは一部は、開裂に続いて放出された1つまたは両方の成分に結合したままである。
他の実施形態において、表面-(捕捉タンパク質)-(捕捉リガンド)-(生物活性剤)-(細胞標的)複合体の精製(例えば、表面を精製すること(例えば、機械的分離、洗浄など)による)後、細胞標的は、任意の適切な機構によって、固体表面(例えば、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)など)から放出または溶出する(図2、下部の計画を参照されたい)。いくつかの実施形態において、過剰な非連結生物活性剤は、細胞標的を捕捉-リガンド-連結生物活性剤から離れて競合させるために、系に添加される。他の実施形態において、レポーターと細胞標的との間の連鎖(例えば、TEVプロテアーゼ開裂部位)は、(例えば、化学的に、酵素的に)開裂して、レポーターを放出する。他の実施形態において、捕捉リガンドと生物活性剤との間の連鎖は、(例えば、化学的に、酵素的に)開裂して、(生物活性剤)-(細胞標的)複合体を放出する。更に他の実施形態において、捕捉タンパク質は、表面から放出され、これにより(捕捉タンパク質)-(捕捉リガンド)-(生物活性剤)-(細胞標的)複合体の全体を放出する。細胞標的がレポーターに融合/連係する任意の実施形態において、別段規定されない限り(例えば、細胞標的とレポーターとの間の連係の開裂時)、レポーターは、細胞標的を含む任意の複合体に連係したままである。
細胞標的がレポーター分子(例えば、フルオロフォア、ルシフェラーゼなど)に結合/融合するいくつかの実施形態において、捕捉複合体から遊離する細胞標的は、信号を発生させる、および/またはそれをレポーターから検出することによって検出される。細胞標的がレポーター分子(例えば、フルオロフォア、ルシフェラーゼなど)に結合/融合する他の実施形態において、依然捕捉複合体に結合する細胞標的は、信号を発生させる、および/またはそれをレポーターから検出することによって検出される。(例えば、細胞標的がレポーター分子に結合/融合しない)いくつかの実施形態において、捕捉複合体から遊離した細胞標的は、(例えば、生物物理学的、および/または生化学的分析(例えば、質量分析、分光法など)によって)特徴付けられる、および/または特定される。
生物活性剤の細胞標的の捕捉は、捕捉リガンド(例えば、小分子(例えば、HALOTAGリガンド)の、捕捉タンパク質(例えば、受容体タンパク質、HALOTAGデハロゲナーゼなど)との、相互作用(例えば、共有結合的、または非共有結合的)によって促進される。特定の実施形態において、捕捉リガンド/捕捉タンパク質相互作用は、本明細書に記載される捕捉系および方法の別個のステップにおいて、2度発生する(図1を参照されたい)。まず、捕捉リガンドは、対象の生物活性剤に連結、または他の方法で結合する。生物活性剤が(例えば、インビボで)その細胞標的に結合すると、捕捉融合体(例えば、捕捉実体のホモ二量体)が添加され、捕捉リガンドは捕捉実体のうちの1つによって結合する。次に、複数の同一の捕捉リガンドを提示する固体支持体が添加され、捕捉融合体のうちの未結合の半分は、表面に結合する。細胞標的は、2つの捕捉リガンド/捕捉タンパク質相互作用によって固体支持体に現在連結する(図1を参照されたい)。代替的な実施形態において、捕捉融合体は、アッセイへの添加前(かつ、生物活性剤に連結した捕捉リガンドを結合する前)に、(例えば、捕捉リガンドを提示する表面との、その相互作用を介して)固体支持体に結合する。どちらの代替手段も、同一の捕捉構成につながる。
他の実施形態において、捕捉タンパク質は、捕捉融合体ではなく、捕捉単量体として存在する。いくつかの実施形態において、固体支持体(例えば、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)など)は、捕捉単量体(例えば、HALOTAGデハロゲナーゼ)をその表面上に提示して提供される。生物活性剤に連結した捕捉リガンドは、捕捉リガンド(例えば、HALOTAGリガンド)および捕捉タンパク質(例えば、HALOTAG)が相互作用する際、表面上に固定される。生物活性剤が、(例えば、レポーターによってタグ付けされる)細胞標的と(例えば、安定して、平衡してなど)相互作用している場合、細胞標的は、(例えば、生物活性剤、捕捉リガンド、および捕捉タンパク質を通して)固体支持体に連係するようになる。
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物、方法、および系は、生物活性剤を提供する。いくつかの実施形態において、生物活性剤および捕捉リガンドの共役体が提供される。いくつかの実施形態において、生物活性剤は、細胞の生物学と相互作用することができる、任意の小分子、マクロ分子、または分子複合体である。いくつかの実施形態において、生物活性剤および捕捉リガンド(例えば、HALOTAGリガンド)は、任意の適切な構造または機構によって、融合、連結、接続などされる(例えば、化学的に(例えば、直接的または間接的に)連係する、酵素的に連係する、リンカー(例えば、ペプチド、核酸、ポリマー、エステル連鎖、PEGリンカー、炭素鎖など)によって連係する)。連鎖の型は、限定的であると考えられるべきではない。
いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、リンカー部分を含む、および/またはそれによって生物活性剤に連結する。いくつかの実施形態において、リンカー部分は、捕捉リガンドの一部である。いくつかの実施形態において、リンカー部分は、生物活性剤への結合のためのカップリング化学を介して、捕捉リガンドに添加される。いくつかの実施形態において、リンカー部分は、捕捉リガンドへの結合のためのカップリング化学を介して、生物活性剤に添加される。本発明は、いかなる特定のリンカー部分にも限定されない。実際、様々なリンカー部分が想到され、適切なリンカーは、アルキル基、メチレン炭素鎖、エーテル、ポリエーテル、アルキルアミドリンカー、ペプチドリンカー、修飾ペプチドリンカー、ポリ(エチレングリコール)(PEG)リンカー、ストレプトアビジン-ビオチンまたはアビジン-ビオチンリンカー、ポリアミノ酸(例えば、ポリリシン)、官能化PEG、多糖類、グリコサミンオリゴグリカン、樹枝状ポリマー(それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、国際公開第93/06868号、およびTomaiia et al.in Angew.Chem.Int.Ed.Engl.29:138-175(1990))、PEG-キレートポリマー(それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、国際公開第94/08629号、国際公開第94/09056号、および国際公開第96/26754号)、オリゴヌクレオチドリンカー、リン脂質誘導体、アルケニル鎖、アルキニル鎖、二硫化物、またはこれらの組み合わせを含み得るが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、リンカーは、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、オルトエステル、アミド、アミン、イミン、イミド、アジド、アゾ、シアネート、ニトレート、亜硝酸、ニトリル、ニトロ、ニトロソ、ピリジン、チオール、硫化物、二硫化物、スルホキシド、スルホン、スリフィン酸、スルホン酸、チオシアネート、チオン、チアル、ホスフィン、ホスホン酸、ホスフェート、および/またはリン酸ジエステル基の任意の組み合わせを含む。任意の適切な官能基を利用する任意の適切なリンカーは、本発明の実施形態の範囲内である。特定の実施形態において、リンカーは、カルバメートリンカーである。いくつかの実施形態において、生物活性剤はリンカーによって捕捉リガンドに結合し、対象の実体の結合は可逆的である(例えば、開裂(例えば、光開裂可能、化学的開裂可能、酵素的開裂可能))。いくつかの実施形態において、リンカーは、細胞透過性である。いくつかの実施形態において、上記のリンカーは、本明細書に記載される他の成分(例えば、捕捉タンパク質)を結合、または連結することにおいて使用を見いだす。
いくつかの実施形態において、捕捉リガンド(およびリンカー)は、
-O(CO)NH(CH2CH2O)y-(CH2)x-ハロゲンを含む、またはこれで構成され、式中、yは1~8であり、xは2~20であり、ハロゲンはCl、Br、またはFである(例えば、-O(CO)NH(CH2CH2O)2(CH2xCl、O(CO)NH(CH2CH2O)2(CH26-ハロゲン、O(CO)NH(CH2CH2O)2(CH26-Clなど)。
特定の実施形態において、生物活性剤(例えば、>10剤、>50剤、>100剤、>500剤、>1000剤、>5000剤、>10,000剤、>50,000剤など)のライブラリが提供される。いくつかの実施形態において、系、方法、および組成物は、生物活性剤のライブラリを、表現型効果、および/または活性についてスクリーニングするために提供される。いくつかの実施形態において、本発明は、表現型効果、および/または活性を生成、誘導、誘発することなどに関与するライブラリ内の、任意の生物活性剤の細胞標的を捕捉する手段を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、生物活性剤(例えば、表現型効果、および/または活性に関与する生物活性剤)の細胞標的を捕捉、特定、特徴付けなどする手段を提供する。
いくつかの実施形態において、細胞標的は、生物活性剤(例えば、小分子、タンパク質、核酸、脂質など)のための、任意の適切な結合/相互作用パートナー(例えば、受容体、酵素)を含む。特定の実施形態において、細胞標的は、生物活性剤に結合、または他の方法で(例えば、安定して、特異的に、非共有結合的に、平衡してなど)相互作用する、タンパク質である。より特定の実施形態において、細胞標的は、小分子生物活性剤に結合、または他の方法で(例えば、安定して、特異的に、非共有結合的に、平衡してなど)相互作用する、受容体タンパク質、または酵素である。本発明は、細胞標的の同一性、型、または階級によって限定されない。特定の実施形態において、何百もの、何千もの、何万もの、より異なる細胞標的のライブラリが、本発明における使用を見いだす。
いくつかの実施形態において、細胞標的は、アッセイが実行される細胞内で発現する。いくつかの実施形態において、細胞標的は、内在的レベル(例えば、天然存在度)で、またはその付近で発現する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、それらの自然または内在的存在度で、またはその付近で細胞内に存在する細胞標的の捕捉を可能にし、これによりアッセイの生物学的関連性を最大化する。特定の実施形態において、本方法は、細胞標的の内在的レベルでの捕捉を可能にするため、本方法は、生物活性剤(例えば、過剰発現に適合しないであろうと考えられる、それら)の未知の標的の捕捉のために有用である。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞に内在する。
特定の例示的な実施形態において、捕捉タンパク質は、本明細書で「HALOTAGデハロゲナーゼ」と称される、その基質と共有結合を形成するように修飾されたデハロゲナーゼ酵素(それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、例えば、米国特許第7,425,436号、米国特許第7,429,472号、米国特許第7,867,726号、米国特許第7,888,086号、米国特許第7,935,803号、米国特許第RE42,931号、米国特許第8,168,405号、米国特許第8,202,700号、米国特許第8,257,939号、を参照されたい)であり、捕捉リガンドは、本明細書で「HALOTAGリガンド」と称される、HALOTAGデハロゲナーゼ、例えば、ハロアルカンのための基質である。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質は、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性(例えば、75%の同一性、80%の同一性、85%の同一性、90%の同一性、95%の同一性、98%の同一性、99%の同一性)を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーを含む。特定の実施形態において、捕捉リガンドは、カルバメートリンカーを有するクロロアルカンリガンド、例えば、カルバメートクロロアルカンである。
いくつかの実施形態において、レポーターは、特定の条件(例えば、エネルギー吸収の際)によって引き起こされる際、信号(例えば、蛍光、共鳴エネルギーなど)を発生、提示、および/または放出することができる実体である。特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物、方法、および系は、細胞標的およびレポーターの融合体(例えば、生物発光レポーター(例えば、ルシフェラーゼ(例えば、NANOLUC)))を提供する。いくつかの実施形態において、細胞標的およびレポーターは、適切な構造または機構によって、融合、連結、接続などされる(例えば、(例えば、(ペプチドリンカーの有無に関わりなく)融合体構造物として発現する、化学的に(例えば、直接的または間接的に)連係する、酵素的に連結する、リンカー(例えば、ペプチド、核酸、他のポリマー(例えば、エステル連鎖、PEGリンカー、炭素鎖など)によって連結する)。
いくつかの実施形態において、レポーターは、(例えば、細胞標的を有する融合体タンパク質として発現する)生物発光レポーターである。特定の実施形態において、生物発光レポーターは、ルシフェラーゼである。いくつかの実施形態において、ルシフェラーゼは、Omphalotus olearius、ホタル(例えば、Photinini)、Renilla reniformis、Aequoria、これらの突然変異体、これらの一部、これらの変異体、および本明細書に記載される系および方法に適切な任意の他のルシフェラーゼ酵素に見られるものから選択される。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、Oplophorusからの修飾、強化ルシフェラーゼ酵素(例えば、Promega CorporationからのNANOLUC酵素、配列番号3、またはそれと少なくとも70%の同一性(例えば、>70%、>80%、>90%、>95%)を有する配列)である。いくつかの実施形態において、タンパク質センサは、熱安定性Photuris pennsylvanicaルシフェラーゼである。例示的な生物発光レポーターは、例えば、米国特許出願第2010/0281552号、および米国特許出願第2012/0174242号に記載され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、NANOLUC(それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第2010/0281552号、および同第2012/0174242号を参照されたい)を含む。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、生物発光特性を保持する配列番号3と少なくとも70%の同一性(例えば、>70%、>80%、>90%、>95%)を有するポリペプチドを含む。特定の実施形態において、NANOLUC酵素、またはその変異体の使用は、(例えば、低濃度での)捕捉細胞標的の検出を可能にする特性(例えば、信号強度、明るさ、高光出力、狭スペクトルなど)を提供する。いくつかの実施形態において、NANOLUCの高光出力は、アッセイを生理学的に関連する条件下で実施するために有用な、低濃度(例えば、<1μM、<100nM、<10nm、<1nmなど)のアッセイ成分(例えば、NANOLUCの発現のためのDNA)を可能にする。いくつかの実施形態において、NANOLUCは、表現型スクリーンにおいて特定された捕捉細胞標的の検出を可能にする。
いくつかの実施形態において、生物発光レポーターのための基質が提供される。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、基質を反応生成物に変換し、光エネルギー、例えば、発光を副生成物として放出する。いくつかの実施形態において、基質は、ルシフェラーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態において、基質は、例えば、Promega CorporationからのNANOLUC酵素(例えば、配列番号3)などの、Oplophorusからの修飾、強化ルシフェラーゼ酵素の基質である。いくつかの実施形態において、基質は、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、セレンテラジンの構造的または機能的等価物、セレンテラジンに実質的に等価な分子(例えば、構造的におよび/または機能的に)、またはセレンテラジンに機能的にまたは構造的に類似の分子を含む。いくつかの実施形態において、生物発光レポーターは、セレンテラジン、セレンテラジン誘導体、セレンテラジンの構造的または機能的等価物、またはセレンテラミドに変化したセレンテラジンの実質的等価物、セレンテラミド誘導体、セレンテラミドの構造的または機能的等価物、またはセレンテラミドの実質的等価物を変換し、光エネルギーを副生成物として放出する。
いくつかの実施形態において、細胞標的は、結合したレポーターの特性に基づいて(例えば、蛍光、発光、質量(例えば、質量分析(MS))、放射活性、酵素活性などによって)検出される。いくつかの実施形態において、細胞標的は、細胞標的の特性に基づいて(例えば、蛍光、発光、質量(例えば、質量分析(MS))、放射活性などによって)検出される。
特定の実施形態において、本発明は、複数(例えば、2つ)の捕捉タンパク質の融合体を提供する。いくつかの実施形態において、両方の捕捉タンパク質は、融合される(例えば、二量体化される)際、それらの活性を保持する。いくつかの実施形態において、両方の捕捉タンパク質は、それらの対応する捕捉リガンドに共有的に結合する能力を保持する。いくつかの実施形態において、捕捉融合体は、(例えば、異なる捕捉リガンドに結合する)2つの異なる捕捉タンパク質のヘテロ二量体である。他の実施形態において、捕捉融合体は、同一の捕捉リガンドに結合する同一のアミノ酸配列を有する、2つの捕捉タンパク質のホモ二量体である。いくつかの実施形態において、2つの捕捉タンパク質は、共有的に連係する。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質は、末端間で連係する(例えば、N-C-N-C、N-C-C-N、C-N-N-C、C-N-C-N)。いくつかの実施形態において、捕捉融合体は、2つの融合タンパク質として発現する。いくつかの実施形態において、2つの捕捉タンパク質は、捕捉融合体を生成するために結合した(例えば、化学的に、酵素的になど)後発現である。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質(例えば、HALOTAGタンパク質)は、任意の適切な構造または機構によって、融合、連結、接続などされる(例えば、融合体として発現する、化学的に(例えば、直接的または間接的に)連係する、酵素的に連係する、リンカー(例えば、ペプチド、核酸、ポリマー、エステル連鎖、PEGリンカー、炭素鎖など)によって連係する)。連鎖の型は、限定的であると考えられるべきではない。いくつかの実施形態において、2つの捕捉タンパク質は、直接的に連係する。いくつかの実施形態において、2つの捕捉タンパク質は、リンカーによって分離される。任意の適切なリンカー(例えば、ペプチド(例えば、プロテアーゼ開裂部位(例えば、TEV開裂部位)を有する)、他のポリマー、アルキル鎖、置換アルキル鎖など)は、捕捉融合体の捕捉タンパク質を接続することにおいて使用を見いだす。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質のうちの1つまたは両方は、配列番号1と70%以上(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%)の配列同一性を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、捕捉タンパク質を単量体として(例えば、捕捉融合体としてではなく)提供する。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質は、固体表面(例えば、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、マイクロ流体チャネル、毛細管、ビーズ、粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子など)など)に連係する。いくつかの実施形態において、複数の捕捉タンパク質(例えば、単量体として)は、表面に結合する。いくつかの実施形態において、捕捉タンパク質(例えば、HALOTAGタンパク質)は、任意の適切な構造または機構によって、融合、連結、接続などされる(例えば、融合体として発現する、化学的に(例えば、直接的または間接的に)連係する、酵素的に連係する、リンカー(例えば、ペプチド、核酸、ポリマー、エステル連鎖、PEGリンカー、炭素鎖など)によって連係する)。連鎖の型は、限定的であると考えられるべきではない。
特定の実施形態において、本発明は、タンパク質またはタンパク質複合体が、細胞内の生物活性小分子の結合標的であるという発見および確認のための高感度な方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、所望の表現型反応を有する小分子のライブラリを選択(例えば、表現型スクリーンから決定されるように)し、捕捉リガンド(例えば、HALOTAGリガンド)を任意の適切な手段(例えば、化学的合成)によって結合することを伴う。細胞は、その後、表現型反応を再生させるために、小分子/捕捉リガンド(SM/CL)で処理される。いくつかの実施形態において、SM/CL化合物は、細胞透過性である。いくつかの実施形態において、細胞透過性は、表現型反応の再生を可能にする。いくつかの実施形態において、クロロアルカンおよびカルバメートは、細胞透過性を維持および/または強化するのに好適である。いくつかの実施形態において、その後、細胞は溶解し、タンパク質またはタンパク質複合体に結合したSM/CLが捕捉される。いくつかの実施形態において、タンパク質複合体に結合したSM/CLの捕捉は、タンパク質相互作用体の解離を最小化する、および/または他のタンパク質の非特異的結合を低減するための迅速な捕捉を可能にする、2つの捕捉タンパク質の融合体(「捕捉融合体」または「捕捉二量体」としても知られる)によって媒介される。いくつかの実施形態において、捕捉は、低い非特異的結合特性を有する固体支持体上で行われる。いくつかの実施形態において、標的タンパク質(例えば、細胞標的)は高い特異性で溶出し、バックグラウンドを更に低減する故に、より良好な標的特定を可能にする。
いくつかの実施形態において、小分子/HALOTAGリガンド共役体と連動する、捕捉融合体(例えば、HALOTAG二量体)または捕捉タンパク質(例えば、HALOTAG)は、高速大量処理形式における陽性相互作用の確認のために有用である。
いくつかの実施形態において、捕捉融合体(例えば、HALOTAG二量体)または捕捉タンパク質(例えば、HALOTAG)は、細胞標的(例えば、タンパク質またはタンパク質複合体)に結合したSM-CLの迅速な捕捉のために提供される。いくつかの実施形態において、HALOTAG二量体または捕捉タンパク質(例えば、HALOTAG)は、生物活性剤の細胞標的に結合した生物活性剤/HALOTAGリガンド共役体の捕捉のために使用される。他の捕捉系に勝る利点を提供するHALOTAG二量体および/またはHALOTAGタンパク質の特性は、例えば、a)HALOTAGのHALOTAGリガンドとの反応の迅速な速度論(例えば、リガンドが大きなタンパク質またはタンパク質複合体と複合する際でさえも)、およびb)2つの異なる形式を使用して達成される迅速な捕捉(図1)、である。いくつかの実施形態において、HALOTAG二量体(または別の捕捉融合体)またはHALOTAGタンパク質(または他の捕捉タンパク質)は、HALOTAGリガンド(または他の捕捉リガンド)の共有的な捕捉のための、HALOTAGタンパク質ビーズ(または他のタンパク質捕捉ビーズ)を作製するために使用される。HALOTAG(または他の捕捉タンパク質)は、機能的効率を維持するように配向される。更に、ビーズに結合するHALOTAG二量体は定量的であり、これによりビーズ表面でのタンパク質密度の正確な制御を可能にする。他の実施形態において、HALOTAG二量体(または別の捕捉融合体)は、小分子/HALOTAGリガンド(または他の捕捉リガンド)およびタンパク質複合体の結合のための、溶液に基づく迅速な速度論を活用するために、小分子/HALOTAGリガンド(または他の捕捉リガンド)に対する特定の化学量論的過剰において、溶液に添加される。いくつかの実施形態において、捕捉融合体、捕捉タンパク質、捕捉リガンドを提示する表面、および/または最適化されたHALOLINKビーズが、複合体の特異的な捕捉のために使用される。いくつかの実施形態において、下流検出(例えば、質量分析)のための、タンパク質複合体のビーズからの溶出は、正確な「ヒット」を特定する上で非常に重要である。いくつかの実施形態において、捕捉融合体(例えば、HALOTAG二量体)は、任意の非特異的に結合したタンパク質を残す複合体の、選択的溶出を可能にする(例えば、バックグラウンド上の信号を改良する)TEV開裂部位を含む。いくつかの実施形態において、捕捉リガンド(例えば、HALOTAGリガンド)で活性化したマルチウェル平板を使用して、アッセイは、高速大量処理形式に(例えば、確認のために)変換される。
特定の実施形態において、本発明は、捕捉タンパク質を提示する表面(例えば、HALOTAG、HALOTAG二量体など)を提供する。いくつかの実施形態において、その表面上の捕捉タンパク質のためのリガンド(例えば、HALOTAGリガンド)を提示する表面が提供される。捕捉融合体は、表面に添加され、表面上に固定される。その表面上に固定された捕捉融合体を有する表面は、その後、(捕捉リガンド)-(生物活性剤)-(細胞標的)複合体を捕捉するために使用される。他の実施形態において、捕捉タンパク質のその表面への固定を可能にする、官能基を提示する表面が提供される。任意の適切な化学が、そのような固定のために使用され得る。捕捉タンパク質は、表面に添加され、表面上に固定(例えば、化学的に、酵素的に、直接的に、リンカーを通してなど)される。その表面上に固定された捕捉タンパク質を有する表面は、その後、(捕捉リガンド)-(生物活性剤)-(細胞標的)複合体を捕捉するために使用される。
実験
実施例1
生物活性剤の細胞標的を捕捉する、捕捉リガンド/捕捉融合体法の機能性を実証するために、本発明の実施形態の開発中に実験を実施した。
HEK239T細胞を96ウェルのウェルまたは6ウェルの平板で培養した。細胞を、NANOLUC-p38アルファまたはNANOLUC-HDAC6(ヒストンデアセチラーゼ6)融合体タンパク質を発現するプラスミドDNAで一時的に遺伝子移入し、37℃、5%のCO2で一晩インキュベートした。その後、10μMのクロロアルカン-薬物共役体BIRB-クロロアルカン(p38用)またはSAHA-クロロアルカン(HDAC6用)を細胞に添加し、2時間インキュベートした。陰性対照は、クロロアルカン-薬物共役体を有さない細胞を含有した。その後、培地を除去し、細胞を1×PBS内で洗浄した。Mammalian Lysis Buffer(Promega Corp.)を含有するHALOTAGタンパク質二量体(配列番号1の二量体)およびデオキシリボヌクレアーゼIで細胞を10分間溶解させた。その後、MAGNE HALOLINKビーズ(1μl床容積)を添加して、細胞を溶解させ、15分間インキュベートした。溶解物およびビーズを、洗浄緩衝液(25mMのTris pH7.5、100mMのNaCl、0.005%のIGEPAL)に振動を与えながら、3分間で3回洗浄した。その後、150μMの非共役薬物を使用して複合体をビーズから1時間溶出し、溶出内のNANOLUCルシフェラーゼからの発光を検出するために、発光を測定した(図3A~D)。抗p38を使用する溶解物のウエスタン/銀染色分析もまた、実行した(図4)。
実施例2
表1に示すように、異なる量のHALOTAGタンパク質二量体(配列番号1の二量体)を、BIRB-クロロアルカン(例えば、生物活性-剤/捕捉-リガンド共役体)で処理されている、またはされていないNANOLUC-p38融合体タンパク質(例えば、レポーター/細胞-標的融合体)を発現する細胞溶解物に添加した。15分間のインキュベートの後、HALOTAGリガンド(HALOLINK平板、Promega Corp.)で活性化した白色、96ウェルのポリスチレン平板のウェル内に試料を定置し、更に45分間インキュベートした。その後、ウェルをPBS+0.05%のTween20(PBST)で洗浄した。その後、50ulのPBSに続けて、50ulのNANOGLOルシフェラーゼ検出試薬をウェルに添加し、発光を測定した。
表2は、NANOLUC-p38融合体タンパク質の特異的なプルダウンを示すHALOTAG二量体(例えば、配列番号1の二量体)の有無に関わりない、試料中の発光における差異を示す。
Figure 0006999589000001
Figure 0006999589000002
実施例3
クロロアルカン薬物共役体を使用する、細胞からHALOTAGタンパク質ビーズ上への、標的タンパク質のプルダウンの効率を実証するために、本発明の実施形態の開発中に実験を実施した。本実施例において、BIRB-クロロアルカン共役体(PBI-4834、下記を参照のこと)を利用して、NANOLUC-p38アルファ融合体タンパク質を生細胞からプルダウンした。
PBI4834(BIRBカルバメートクロロアルカン)
Figure 0006999589000003
96ウェルの平板のウェル内のHEK293細胞を、NANOLUC-p38融合体を符号化するプラスミドDNAを有するPEIを使用して遺伝子移入した。遺伝子移入の24時間後、細胞を10μMの最終濃度のPBI-4834でインキュベートした一方で、対照細胞は共役薬物で処理しなかった。2時間の平衡結合に続いて、培地を除去し、細胞をPBSで素早く洗浄し、洗剤に基づく溶解緩衝液内で10分間溶解させた。その後、0.5μlの安定常磁性HALOTAGタンパク質ビーズ(Promega Corp.)を含有する、96ウェルの平板のウェルに細胞溶解物を移動し、振動を与えながら、15~45分間インキュベートした。結合に続いて、未結合の画分を除去し、HALOTAGタンパク質常磁性ビーズを洗浄した。その後、150uMの非共役BIRB796を添加し、非共役BIRB796との競合によって、捕捉NANOLUC-p38アルファ融合体をビーズから60分間特異的に放出させた。放出されたNANOLUC-p38アルファ融合体タンパク質(+PBI-4834)および対照(-PBI4834)を、NANOGLOルシフェラーゼ試薬(Promega Corp.)を使用して検出した。
HALOTAGタンパク質ビーズ上への捕捉の15分以内に達成されたバックグラウンド上の高信号は、捕捉法の効率、および薬物に低~中度の親和性(図5)で結合する標的タンパク質を捕捉するためのその能力を実証する。この例において、発現した融合体のうちの1%のみが、ビーズに特異的に捕捉された。しかしながら、NANOLUCルシフェラーゼの高感度のため、捕捉のレベルは、バックグラウンド上の特異的な捕捉の検出のためには十二分である。
実施例4
クロロアルカン修飾薬物を使用する、カルバメートクロロアルカンリンカーの、標的タンパク質の細胞からHALOTAGタンパク質ビーズ上へのプルダウンのための利点を実証するために、本発明の実施形態の開発中に実験を実施した。本実施例において、メトトレキサート-クロロアルカン共役体PBI-5015(カルバメートクロロアルカンリンカー)およびPBI-4848(O2クロロアルカンリンカー)を、溶解物中のHALOTAG(登録商標)タンパク質に対するそれらの結合効率、細胞内のDHFRに対する結合効率、およびNANOLUC-DHFR融合体タンパク質を生細胞からプルダウンする能力について試験した。
PBI-5015:メトトレキサートカルバメートクロロアルカン
Figure 0006999589000004
PBI-4848:メトトレキサート-O2クロロアルカン
Figure 0006999589000005
メトトレキサート-クロロアルカン共役体(最終濃度1uM)を、HALOTAGタンパク質を発現する細胞からの溶解物に添加することによって、溶解物中のHALOTAGタンパク質に対する結合効率を測定した。0~60分間の結合に続いて、1μMの蛍光HALOTAGリガンドで反応を追跡した。未結合のHALOTAGタンパク質を、蛍光HALOTAGリガンドに対する結合を通して検出し、SDS-PAGEゲル上での分析および蛍光ゲルスキャナ上での検出を続けた。結果は、両方のリンカーが、HALOTAG(登録商標)タンパク質に対して、高速の標識化速度論を提供することを示す(図6A)。
生細胞におけるDHFRに対する結合親和性を、BRETを使用して試験した。96ウェルの平板のウェル内のHEK293細胞を、NANOLUC-DHFR融合体を符号化するプラスミドDNAを有するPEIを使用して、遺伝子移入した。DNAを、無促進因子の担体DNAプラスミド(PSI)で、1ウェルにつき80ngの全DNAの最終濃度まで、1:50に希釈した。遺伝子移入の24時間後、細胞を更に24時間血清飢餓させ、その後、1μMのPBI-4890(TOM-メトトレキサート誘導体)の存在下で、連続的に希釈したPBI-4848またはPBI-5015で処理した。2時間の平衡結合の後、フリマジン(セレンテラジン誘導体、Promega Corp.)を20μMの最終濃度で添加し、BRETをVarioskan照度器上で測定した。用量反応BRET曲線は、PBI-4848がDHFRに対してより高い親和性を有することを示す(図6B)。
NANOLUC:DHFR(Nluc:DHFR)を生細胞から特異的にプルダウンする能力を実証するために、96ウェルの平板のウェル内のHEK293細胞を、NANOLUC-DHFR融合体を符号化するプラスミドDNAを有するPEIを使用して遺伝子移入した。DNAを、無促進因子の担体DNAプラスミド(PSI)で、1ウェルにつき80ngの全DNAの最終濃度まで、1:50に希釈した。遺伝子移入の24時間後、細胞を更に24時間血清飢餓させ、その後、10μMのPBI-4848またはPBI-5015でインキュベートした一方で、対照細胞は共役薬物で処理しなかった。2時間の平衡化結合の後、培地を除去し、細胞をPBSで素早く洗浄し、洗剤に基づく溶解緩衝液内で10分間溶解させた。その後、0.5μlの安定常磁性HALOTAGタンパク質ビーズを含有する、96ウェルの平板のウェルに細胞溶解物を移動し、振動を与えながら、45分間インキュベートした。結合に続いて、未結合の画分を除去し、HALOTAGタンパク質常磁性ビーズを洗浄し、150μMの非共役メトトレキサートを添加し、捕捉されたNANOLUC:DHFRを、150uMの非共役BIRB796を添加し、非共役メトトレキサートとの競合によって、ビーズから60分間特異的に放出させた。放出されたNANOLUC:DHFR(+PBI5015または+PBI4848)および対照試料を、NANOGLOルシフェラーゼ検出試薬によって検出した。PBI-4848およびPBI-5015の両方が、HALOTAGに対する類似の結合効率を有するものの、(DHFRに対するより低い親和性を有する)PBI-5015のみが、Nluc:DHFR融合体を効率的にプルダウンしたため、プルダウン用途におけるカルバメートリンカーの利点を実証した(図6C)。

PBI-4890メトトレキサート-TOM
Figure 0006999589000006
実施例5
NANOLUC融合体タンパク質の、HALOTAGタンパク質ビーズからの特異的な放出のための方法は、例えば、
1.非共役生物活性剤との競合と、
2.捕捉リガンドに連結した生物活性剤(例えば、クロロアルカンリガンド)の使用であって、捕捉リガンドが、NANOLUC融合体タンパク質の高速の放出を可能にするために、化学的に開裂可能リンカー(例えば、クロロアルカンリンカー)を含有する、使用と、
3.捕捉リガンド固体支持体(例えば、HALOLINK HALOTAG樹脂)の使用であって、捕捉リガンド(HALOTAGリガンド)を固体支持体に結合するリンカーが、化学的に開裂され、捕捉タンパク質-捕捉リガンド-生物活性剤-細胞標的複合体(例えば、HALOTAG-クロロアルカン-薬物共役体-NANOLUC融合体タンパク質複合体)の高速の放出を可能にし得る使用と、
4.レポーターからの、細胞標的のタンパク質分解開裂、例えば、NANOLUCタンパク質を放出したNANOLUC融合体タンパク質、と、を含む。
NANOLUC融合体タンパク質の、HALOTAGタンパク質ビーズからの特異的な放出のための、そのような方法を実証するために、本発明の実施形態の開発中に実験を実施した。本実施例において、BIRB-クロロアルカン共役体(PBI-4834)、および開裂可能リンカー(PBI-5131)を含有するBIRBクロロアルカン共役体を利用して、NANOLUC-p38アルファ融合体タンパク質を、HEK293細胞溶解物からプルダウンした。NANOLUC-p38融合体を発現する細胞の溶解物を、1μMのPBI-4834またはPBI-5131(最終濃度)でインキュベートした一方で、対照溶解物は共役薬物で処理しなかった。2時間の平衡化結合の後、0.5μlの安定常磁性HALOTAGタンパク質ビーズを含有する、96ウェルの平板のウェルに細胞溶解物を移動し、振動を与えながら、45分間インキュベートした。結合に続いて、未結合の画分を除去し、HALOTAGタンパク質常磁性ビーズを3回洗浄し、捕捉されたNANLUC-p38アルファ融合体を、2つの方法のうちの1つによって、ビーズから60分間特異的に放出させた。
1.150μMの非共役BIRB796を使用して、NANOLUC-p38アルファ融合体上で共役BIRB796との結合を60分間競合させた。
2.NANOLUC-p38アルファ融合体を、クロロアルカンリンカーの、10mMのヒドロ亜硫酸ナトリウムでの10分間の化学的開裂を通して迅速に放出させた(PBI-5131は、クロロアルカン開裂可能リンカーである)。
放出されたNANOLUC-p38アルファ(+PBI4834/+PBI5131)および対照(-薬物)を、NANOGLOルシフェラーゼ検出試薬で検出した。PBI-4834(カルバメートリンカー)でのプルダウン効率は、PBI-5131と比較してより有意に高いものの、本実施例は、特異的な捕捉における有意な増加につながるバックグラウンドを最小化するための、化学的開裂を使用する迅速な放出の利益を実証する(図7)。
実施例6
以下は、本発明の実施形態において使用を見いだす例示的な化合物のための、合成計画を提供する。
PBI-4848:メトトレキサート-O2クロロアルカン
Figure 0006999589000007
50mgのメトトレキサート水和物を、3mLのDMF中で撹拌し、EDAC(63mg、330umol)およびトリエチルアミン(77uL、550umol)で処理した。10分後、12-クロロ-3,6-ジオキソ-ドデシルアミンハイドロコライド(21.5mg、83umol)を添加した。3時間後、生成物を、調製HPLC(0.1%の水性ギ酸中の2->50%のMeCN)によって単離した。適切な画分を、濃縮し、凍結乾燥して、橙色固体を産出した。M+Hに対する計算値:660.3、実測値660.7。
メトトレキサートペンチルアミン中間体
2mLのDMF中のメトトレキサート水和物(50mg、110umol)、EDAC(63mg、330umol)およびトリエチルアミン(77uL、550umol)混合物に対して、N-Bocカダベリン(22mg、110umol)を添加した。反応を、90分間撹拌し、その後、水で希釈した2mLの1NのHClで急冷し、調製HPLC(0.1%の水性ギ酸中の20->50%MeCN)に供した。適切な画分を濃縮し、凍結乾燥して、所望の生成物を産出した。M+Hに対する計算値:639.3、実測値639.5。
メトトレキサートN-Boc-カダベリン付加物(24mg、38umol)を、ジオキサン(0.5mL)中の4MのHClで、室温で処理した。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去し、結果として生じる残留物を、ジエチルエーテルで撹拌して、黄色沈殿物を形成し、これを遠心分離によって単離した。塩酸塩を更なる特性化なしで使用した。
PBI-5015メトトレキサートカルバメートクロロアルカン
Figure 0006999589000008
メトトレキサート水和物ペンチルアミンHCl塩(8mg、14umol)を、2mLのDMF中で、2-(2-(2-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)エトキシ)エチル、(2-(2-((6-クロロヘキシル)オキシ)エトキシ)エチルカルバメート(12mg、21umol)およびトリエチルアミンと化合した。2時間後、反応を1NのHClの添加によって急冷し、生成物を、水性の0.1%のギ酸中の10->50%のMeCNで溶出する調製HPLCによって単離した。濃縮の後、結果として生じる黄色固体を、DCM中に吸収し、飽和NaHCO3で洗浄した。有機層の蒸発は、1.9mgの黄色固体を産出した。M+Hに対する計算値:964.5、実測値964.5。
PBI-4890メトトレキサート-TOM
Figure 0006999589000009
メトトレキサート水和物ペンチルアミン塩酸塩(6mg、10umol)を、1mLのDMF中の5.4mgのTOMスクシンイミジルエステル(8.2umol)と化合し、5滴のTEAを添加した。45分後、反応をH2OおよびMeCNで希釈し、調製HPLC(0.1%の水性ギ酸中の25->75%のMeCN)に供し、凍結乾燥を続けて、6mgの青色固体を産出した。M+Hに対する計算値:1083.5、実測値1083.5。
BIRB開裂可能リンカークロロアルカンPBI5131
Figure 0006999589000010
レゾルシノール(3.31g、30mmol)を、10mLのDMF中で溶解させ、K2CO3(3.32g、24mmol)を添加した。混合物を、全ての固体が溶解するまで撹拌し、反応は暗褐色に変化した。6-ブロモヘキサン酸エチルエステル(4.69g、21mmol)を一度に添加し、反応を一晩撹拌し、その後、1MのHClに注入し、3×50mLのEtOAcで抽出した。化合有機層を食塩水で洗浄し、その後、セライト上に吸着させ、ヘプタン中の0->50%のEtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィーに供した。M+Hに対する計算値:254.1、実測値253.8。
エチル6-(3-ヒドロキシフェノキシ)ヘキサノエート(0.96g、3.8mmol)を、MeOHおよびH2Oの混合物中で溶解させ、LiOH水和物(639mg、15.2mmol)を添加した。2時間後、反応を減圧下で濃縮し、その後1MのHClで酸性化し、白色沈殿物を生じさせ、これは濾過および真空下での乾燥の後、550mgの白色固体を産出した。M+Hに対する計算値:225.1、実測値225.2、エチル4-アミノ安息香酸(405mg、2.45mmol)を、氷浴中の7.7mLのアセトン/2N HClの混合物中で撹拌した。8mLのH2O中に溶解した硝酸ナトリウム(215mg、3.12mmol)の溶液を、10分間かけて滴下で添加し、反応を更に20分間撹拌した。その後、氷浴中の18mLの1NのNaOH中の6-(3-ヒドロキシフェノキシ)ヘキサノエートの撹拌した溶液に、反応を20分間かけて滴下で添加し、暗赤色を発生させた。撹拌および冷却を40分間継続し、その後、反応を1NのHClで中和し、水で希釈した。結果として生じる褐色沈殿物を、濾過によって回収し、次のステップを直接継続させた。
DMF(4mL)中の前ステップからのカルボン酸の溶液(50mg、0.12mmol)、1-(1-(4-(アミノメチル)フェニル)-3-tertブチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(ナフタレン-1-イル)尿素(50mg、0.14mmol)、エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDAC、30mg、0.16mmol)、および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、22mg、0.16mmol)を添加した。40分間の撹拌の後、反応をEtOAcとNaHCO3(飽和水溶液)との間で隔絶し、層を分離し、有機層を水およびNaCl(飽和水溶液)で洗浄し、乾燥、濃縮した。結果として生じる赤色固体を、調製HPLC(0.1%の水性TFA中の10%->100%のACN)によって精製し、後続濃縮物は44mgの橙色固体を産出した。M+Hに対する計算値:745、実測値745。
THF(3mL)中の前反応からのエステルの溶液(44mg、0.06mmol)に対して、NaOH(1N、1mL)を添加した。8日間の撹拌の後、反応を酸性化し、調製HPLC(0.1%の水性TFA中の10%->100%ACN)によって精製し、後続して濃縮して、25mgの橙色固体を産出した。M+Hに対する計算値:717、実測値717。
DMF(2mL)中の前反応からのカルボン酸(14mg、0.02mmol)溶液に対して、N,N,N′,N′-テトラメチル-O-(N-スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボレート(TSTU、12mg、0.04mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(17μL、0.1mmol)を添加した。30分間の撹拌の後、2-[2-(6-クロロ-ヘキシルオキシ)-エトキシ]-エチルアンモニウム塩酸塩(Promega、10mg、0.04mmol)を添加した。36時間の撹拌の後、反応を酸性化し、調製HPLC(0.1%水性TFA中の10%->100%ACN)によって精製し、後続して濃縮して、25mgのPBI5131を橙色固体として産出した。M+Hに対する計算値:923、実測値923。
BIRBカルバメートクロロアルカンPBI4834
Figure 0006999589000011
1-(1-(4-(2-アミノアセトアミド)メチル)フェニル)-3-tert-ブチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-フェニル尿素(10mg、18umol)を、2mLのDMF中の2-(2-(2-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)エトキシ)エチル(2-(2-((6-クロロヘキシル)オキシ)エトキシ)エチルカルバメート(12mg、21umol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.01mL、0.06mmol)と化合した。2時間後、反応を1NのHClの添加によって急冷し、生成物を、水性の0.1%のトリフルオロ酢酸中の10->100%のMeCNで溶出する調製HPLCによって単離した。有機層の蒸発は、1.9mgの黄色固体を産出した。M+に対する計算値:846、実測値846。
Boc保護SAHAアミン
7-トリチルオキシカルバモイルヘプタン酸(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Schaefer et al.Med Chem Lett2008,16,2011-2033.)(200mg、463umol)を、3mLのDMF中の4-[(N-Boc)アミノメチル]アニリン(113mg、510umol)、HBTU(352mg、927umol)およびトリエチルアミン(194uL、1.4mmol)と化合した。反応を一晩撹拌し、その後、セライト上に吸着させ、ヘプタン中の0->100%のEtOAcの勾配で溶出するカラムクロマトグラフィーによって生成物を取得した。M+Hに対する計算値:635.3、実測値635.9。
SAHAアミン
スベロイル(4-[(N-Boc)アミノメチル]アニリド)ヒドロキサム酸(286mg、450mmol)を、0.25mLのTISが添加された2mLのDCM中で溶解させた。その後、トリフルオロ酢酸(0.9mL)を添加し、反応を30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗反応生成物は、調製HPLCによって精製してもよく、または更なる精製なしで使用してもよい。
SAHA-カルバメート(SAHA-クロロアルカン)PBI5040
Figure 0006999589000012
スベロイル[4-(アミノメチル)アニリド]ヒドロキサム酸TFA塩(9mg、22umol)を、1滴のTEAを有する1mLのDMF中で撹拌した。その後、0.5mLのDMF中の2-(2-(2-(((4-ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)エトキシ)エトキシ)エチル(2-(2-((6-クロロヘキシル)オキシ)エトキシ)エチルカルバメート(23umol)の13mg部分を添加した。90分後、反応をH2Oの添加によって急冷し、少量のTFAで酸性化し、所望の生成物を、0.1%の水性TFA中の5->60%のMeCNで溶出する調製HPLCによって単離した。M+Hに対する計算値:719.4、実測値719。
SAHA-ビオチンPBI5474
Figure 0006999589000013
ビス-カルバメートの溶液に対して、ジクロロメタン(5mL)中の「PBI J1902T」(50.0mg、104μmol)、およびジクロロメタン(5mL)中の4-(アミノメチル)アニリン(3.8mg、31μmol)の溶液を、ゆっくりと(10分間かけて)添加した。添加の完了後、結果として生じる黄色溶液を、22℃で12時間放置した。反応混合物を、シリカゲルクロマトグラフィー(0→5%のMeOH/DCM)によって精製して、8.0mg(55%収率)のカルバメートSL_1337_39を黄色油としてもたらした。1H NMR(300MHz、CDCl3)8.26(d、J=9.1、2H)、7.36(d、J=9.1、2H)、7.05(d、J=8.3、2H)、6.64(d、J=8.3、2H)、5.06(s、1H)、4.51-4.35(m、2H)、4.27-4.20(m、4H)、3.87-3.74(m、2H)、3.74-3.53(m、6H)1;C212639 +[M+H]+に対して計算されたHRMS(SI)464.17、実測値464.35。
ジクロロメタン(5mL)中のSL_1337-39(8.0mg、17μmol)の溶液に対して、DMF(5mL)中の「熱EZ-連係アミン-PEG2-ビオチン」の溶液(7.1mg、19μmol)を添加した。透明な黄色反応を、22℃で20時間撹拌し、この時点でLCMS分析は、開始材料の完全な消費を示した。反応を、真空下で濃縮し、残留物を5mLのDCM中に溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→30%のMeOH/DCM)によって精製し、12.0mg(99%収率)のアニリンSL_1337-49を透明の油としてもたらした。C3151610+[M+H]+に対して計算されたHRMS(SI)699.34、実測値699.48。
DMF(2mL)中のSL_1337-49(12.0mg、17μmol)の溶液の溶液に対して、DMF(1mL)中の8-オキソ-8-(トリチロキシ)アミノ)オクタン酸(7.4mg、17μmol)、HATU(8.0mg、21μmol)およびNEt3(8.7mg、86μmol)の溶液を添加した。透明な黄色反応を、22℃で17時間撹拌し、この時点でLCMS分析は、開始材料の完全な消費を示した。反応を、真空下で濃縮し、残留物を5mLのDCM中に溶解させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0→30%のMeOH/DCM)によって精製し、11.5mg(60%収率)のアニリドSL_1337-53を透明の油としてもたらした。C5878713+[M+H]+に対して計算されたHRMS(SI)1112.54、実測値1112.61。
DCM(1mL)中のSL_1337-53(11.5mg、10μmol)の溶液に対して、トリイソプロピルシラン(81.9mg、517μmol)、続いてTFA(25μl)を添加した。反応を、22℃で20分間撹拌し、この時点でTLC分析は、開始材料の完全な消費を示した。反応を、真空下で濃縮し、残留物を調製HPLC(0.1%のTFAを有する、3→95%のMeCN/H2O、45分間かけて)によって精製し、凍結乾燥後に9mg(100%収率)のヒドロキサム酸SL_1337-57を白色固体としてもたらした。C3964713+[M+H]+に対して計算されたHRMS(SI)870.43、実測値870.48。
以下の参照は、上記の合成計画のうちの1つ以上に関し、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。Hong et al.Am J Transl Res2011,3,392.、Murakata et al.米国特許第5,344,926号(1994年9月6日)、Tecle et al.J.M.Chem Biol Drug Des2009,74,547-549.、Hong et al.Am J Transl Res2011,3,392、J.Med.Chem.2002,45,3296-3309。
実施例7
内在的標的プルダウン(PBI-5015)
以下の実施例は、内在的標的を細胞から単離する、例えば、プルダウンする、クロロアルカン-薬物共役体の能力を実証する。
HEK293細胞を、6ウェルの平板のウェル(2.5×105細胞/ウェル)に平板培養した。平板培養の48時間後、10uMの最終濃度のメトトレキサートクロロアルカン(PBI-5015)を2つのウェルに添加した一方で、対照細胞は薬物共役体で処理しなかった。2時間の平衡結合に続いて、培地を除去し、細胞をPBSで素早く洗浄し、洗剤に基づく溶解緩衝液内で10分間溶解させた。その後、12.5ulの安定常磁性HALOTAG(登録商標)タンパク質ビーズを含有するEppendorf(登録商標)チューブに細胞溶解物を移動し、振動を与えながら、15分間インキュベートした。結合に続いて、未結合の画分を除去し、HALOTAG常磁性ビーズを3回洗浄し、捕捉された標的を、150μMの非共役メトトレキサートとの競合によって、ビーズから60分間特異的に放出させた。放出された標的を、抗DHFR抗体(Sigma)を使用して、質量分析およびウエスタンブロット分析に供した。図1Aの結果は、メトトレキサートの既知の標的であるDHFRが、細胞から特異的に単離、例えば、プルダウンされ得ることを実証する。更に、細胞内のDHFRの発現レベルは非常に低い(ウエスタンブロット分析による溶解物中には検出されなかった)ものの、ウエスタンブロット分析(図8A)および質量分析(図8B)によって示されるように、それは依然効率的に捕捉された。更に、質量分析データは、本方法は非常に低いバックグラウンドを有することを示す。
実施例8
内在的標的プルダウン(PBI-4834)
以下の実施例は、内在的標的を細胞から単離する、例えば、プルダウンする、クロロアルカン-薬物共役体の能力を実証する。
HEK293細胞を、6ウェルの平板(2.5×105細胞)に平板培養した。平板培養の48時間後、10uMの最終濃度のBIRB-クロロアルカン(PBI-4834)を2つのウェルに添加した一方で、対照細胞は薬物共役体で処理しなかった。2時間の平衡結合に続いて、培地を除去し、細胞をPBSで素早く洗浄し、洗剤に基づく溶解緩衝液内で10分間溶解させた。その後、12.5ulの安定常磁性HALOTAG(登録商標)タンパク質ビーズを含有するEppendorf(登録商標)チューブに細胞溶解物を移動し、振動を与えながら、15分間インキュベートした。結合に続いて、未結合の画分を除去し、HALOTAG(登録商標)タンパク質常磁性ビーズを3回洗浄し、捕捉された標的を、150μMの非共役BIRB796との競合によって、ビーズから60分間特異的に放出させた。放出された標的を、抗p38アルファ抗体(Abcam)を使用して、質量分析およびウエスタンブロット分析に供した。図9Aの結果は、ウエスタンブロット分析(図2A)および質量分析(図9B)によって示されるように、BIRB796の既知の標的であるp38アルファが、t細胞から特異的に単離、例えば、プルダウンされ得ることを実証する。更に、質量分析データは、本方法は非常に低いバックグラウンドを有することを示す。
実施例9
HALOTAGタンパク質の常磁性ビーズに対するカップリング
A.ステップ4の常磁性樹脂の合成
Figure 0006999589000014
4-((2-シアノベンゾ[d]チアゾール-6-イル)アミノ)-4-オキソ酪酸(1)。6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-カルボニトリル(2.0g、11.4mmol)、無水コハク酸(1.3g、13mmol)、およびTHF(15mL)を、25mLの容器中に定置し、マイクロ波合成器内で、110℃で90分間加熱した。冷却時、反応混合物をEt2Oで粉砕、濾過し、乾燥、蒸発させて、3.1gの生成物を明黄色固体(99%)としてもたらした。1H-NMR(d6-DMSO、300MHz):δ12.15(s、1H)、10.45(s、1H)、8.71(s、1H)、8.16(d、1H、J=8.2Hz)、7.70(d、1H、J=8.2Hz)、2.62(m、2H)、2.55(m、2H).ESI-MS:計算値C12H10N3O3S+:m/z276.3、実測値m/z276。

tert-ブチル(18-((2-シアノベンゾ[d]チアゾール-6-イル)アミノ)-15,18-ジオキソ-4,7,10-トリオキサ-14-アザオクタデシル)カルバメート(2)。化合物1(4.93g、17.9mmol)、tert-ブチル(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)カルバメート(7.40g、23.1mmol)、およびDCM:DMF(10:1、100mL)を、250mLの丸底フラスコ内で、室温で共に撹拌した。EDAC(4.0g、20.9mmol)を添加し、反応を20時間撹拌した。DCM/MeOHを溶媒として有する順相クロマトグラフィーによって、溶媒を蒸発、精製して、6.62gの白色固体(64%)をもたらした。1H-NMR(d3-ACN、300MHz):δ9.21(s、NH)、8.62(d、1H、J=2.0Hz)、8.09(d、1H、J=8.4Hz)、7.63(d、1H、J=8.4Hz)、6.65(bs、NH)、5.40(bs、NH)、3.5(m、12H)、3.28(m、2h)、3.06(m、2h)、2.65(m、2h)、2.51(m、2h)、2.70(m、4h)、1.40(s、9H)。ESI-MS:計算値C27H40N5O7S+:m/z578.7、実測値m/z578.4。

N1-(3-(2-(2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ)エトキシ)プロピル)-N4-(2-シアノベンゾ[d]チアゾール-6-イル)サクシナミド塩酸塩(3)。化合物2(6.62g、11.5mmol)を、DCM(200mL)およびトリイソプロピルシラン(1mL)と共に、500mLの丸底フラスコ内で撹拌した。ジオキサン(30mL、120mmol)中のHClの4.0Mの溶液を、添加し、室温で3時間かけて撹拌した。溶媒を蒸発させ、6.4gの黄色吸湿性固体(98%)をもたらした。1H-NMR(d6-DMSO,300MHz):δ10.62(s、1H)、8.74(d、1H、J=2.0Hz)、8.15(d、1H、J=8.4Hz)、7.77(d、1H、J=8.4Hz)、3.4(m、16H)、3.28(m、2H)、3.08(m、2H)、2.80(m、2H)、2.61(m、2H)、2.41(m、2H)、1.80、(m、2H)、1.60(m、2H)。ESI-MS:計算値C22H32N5O5S+:m/z478.59、実測値m/z478.2。

固定したシアノベンゾチアゾール-磁性セルロース(4)。カルボキシメチル磁性セルロース(7.24g、30~50μM、Iontosorb MG CM)を、DMF(100mL)中の化合物3(800mg、1.53mmol)と共に、250mLの丸底フラスコ中に吸収した。EDAC(387mg、2.01mmol)を添加し、反応を室温で20時間撹拌した。粒子をフリット上で濾過し、まずDMF(200mL)で、その後25%のEtOH(300mL)で濯ぎ、50%の懸濁液として4℃で保管した。
B.HALOTAG(登録商標)タンパク質常磁性ビーズの合成
HALOTAG(登録商標)タンパク質常磁性ビーズを作製するために、HALOTAG(登録商標)タンパク質を、N末端システインを通して常磁性STEP4樹脂上に固定した。HALOTAG(登録商標)タンパク質を、HALOTAG(登録商標)タンパク質とminiGroEL配列との間のTEVプロテアーゼ認識部位(EDLYFQC)を有するHisタグ-miniGroE-HALOTAG(登録商標)融合体として大腸菌内で発現させた。融合体を、Hisタグを使用して精製し、その後、2mMのTCEPの存在下で、TEVプロテアーゼで開裂させて、N末端低減システインを曝した。STEP4樹脂上の反応性シアノ基は、低減N末端システインと反応して、HALOTAG(登録商標)タンパク質ビーズに由来する非常に安定した結合を形成する。
実施例10
以下の実施例は、クロロアルカン修飾の、連結した生物活性剤の透過性および力価に対する最小限の影響を実証する。
HEK293細胞を、DMEM+10%の血清中で、1×105細胞/mlで、96ウェルの平板に平板培養し、24時間後、培地を無血清DMEM培地と交換した。K562細胞を、2×105細胞/mlで、96ウェルの平板のウェルに、無血清RPMI1640培地中で平板培養した。細胞を、SAHAまたはPBI-5040(SAHA-クロロアルカン)の連続希釈で2時間処理し、その後、製造業者の指示に従って、非溶解HDAC-Glo(商標)I/IIアッセイ(Promega Corporation)を使用して細胞内HDAC活性について試験した。図10の結果は、SAHAおよびPBI-5040によるHDAC活性の阻害と類似の阻害を示す。クロロアルカン修飾による、SAHA力価における約2倍の低減は、クロロアルカンの、細胞透過性または力価に対する最小限の影響を示す。
実施例11
以下の実施例は、低存在度および低親和性標的を含む内在的標的を細胞からプルダウンする、クロロアルカン-共役薬物の能力を実証する。
HEK293細胞を、2×105細胞/mlで、100mmの皿に平板培養した。平板培養の48時間、20nMの最終濃度のSAHA-クロロアルカン(PBI-5040)を、皿のうちの3つに添加(1×107細胞/皿)した一方で、他の3つの皿は共役薬物で処理しなかった(対照)。2時間の平衡結合に続いて、培地を除去し、細胞をPBSで素早く洗浄し、洗剤に基づく溶解緩衝液内で10分間溶解させ、3000×gで1分間遠心分離した。除去された溶解物を、その後、75ulの安定常磁性HALOTAGビーズに添加し、振動を与えながら、15分間インキュベートした。結合に続いて、未結合の画分を除去し、HALOTAG常磁性ビーズを3回洗浄(洗浄緩衝液は、50mM、pH7.5のHEPES、150mMのNaCl、および0.01%のIGEPAL)し、捕捉された標的を、400μMの非共役SAHAとの競合によって、ビーズから60分間特異的に放出させた。放出された標的を、抗HDAC1抗体(ABCAM)、抗HDAC2抗体(ABCAM)、抗HDAC6抗体(Millipore)、抗HDAC3抗体(Thermo Fisher)、および抗HDAC8抗体(Rockland/Promega)で、質量分析(図11B)およびウエスタンブロット分析(図1-A)に供した。図11の結果は、低親和性標的(HDAC8)および低存在度標的(HDAC3)を含むSAHAの全ての既知の標的が、本発明の実施形態を使用して、細胞から特異的にプルダウンされ得ることを示す。
実施例12
以下の実施例は、連鎖法(クロロアルカンまたはビオチン)の薬物力価に対する効果を実証する。
K562細胞を、2×105細胞/mlで、96ウェルの平板のウェルに無血清RPMI1640培地中で平板培養した。その後、細胞を、SAHA、PBI-5040(SAHA-クロロアルカン)、またはPBI5475(SAHA-ビオチン)の連続希釈で2時間処理し、その後、製造業者の指示に従って、非溶解HDAC-Glo(商標)I/IIアッセイ(Promega Corporation)を使用して細胞内HDAC活性について試験した。図12の結果は、ビオチン修飾の力価における約16倍の低減と比較して、クロロアルカン修飾の力価における約2倍の低減を示す。これらの結果は、生物活性剤と共に使用される際の、クロロアルカン連鎖の、細胞透過性または力価に対する最小限の影響を更に実証する。
実施例13
以下の実施例は、本発明の実施形態におけるビオチン連鎖と比較して、クロロアルカン連鎖によって媒介される高効率プルダウンを実証する。
K562細胞を、5×107細胞/皿で、150mmの皿に平板培養した。20nMの最終濃度のSAHAクロロアルカン(PBI-5040)またはPBI-5475(SAHA-ビオチン)を、2つの細胞の皿に添加した一方で、他の2つの細胞の皿は共役薬物で処理しなかった(対照)。2時間の平衡結合に続いて、培地を除去し、細胞をPBSで素早く洗浄し、洗剤に基づく溶解緩衝液内で10分間溶解させ、3000×gで1分間遠心分離した。PBI-5040で処理した除去された溶解物、および対照細胞の除去された溶解物を、75ulの安定常磁性HALTOGビーズに添加した。PBI-5475で処理した細胞の除去された溶解物、および対照細胞の除去された溶解物を、75ulの安定常磁性ストレプトアビジンビーズ(GE)に添加した。15分間の結合に続いて、未結合の画分を除去し、ビーズを3回洗浄し、捕捉された標的を、400μMの非共役SAHAとの競合によって、ビーズから60分間特異的に放出させた。放出された標的を、抗HDAC1抗体(ABCAM)、抗HDAC2抗体(ABCAM)、抗HDAC6抗体(Millipore)、抗HDAC3抗体(Thermo Fisher)、および抗HDAC8抗体(Rockland/Promega)で、ウエスタンブロット分析(図13)に供した。図13の結果は、低親和性標的(HDAC8)および低存在度標的(HDAC3)を含むSAHAの全ての既知の標的が、SAHA-クロロアルカンによって特異的にプルダウンされ、HDAC6のみがSAHA-ビオチンによってプルダウンされたことを示す。これらの結果は、クロロアルカン連鎖の、本発明の実施形態における内在的標的のプルダウンについての利点を更に実証する。
本開示において言及される全ての出版物および特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。本発明の記載される方法および組成物の様々な変更および変形形態が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明は、特定の好適な実施形態に関連して記載されているものの、主張される本発明は、そのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際、本発明を実施するための、関連分野における当業者に明白な記載された態様の様々な変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕(a)生物活性剤の細胞標的と、
(b)第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の二量体と、
(c)第1の捕捉リガンドに連結した前記生物活性剤であって、前記第1の捕捉リガンドが、その相互作用に際して前記第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する、前記生物活性剤と、
(d)第2の捕捉リガンドを提示する固体表面であって、前記第2の捕捉リガンドが、その相互作用に際して前記第2の捕捉タンパク質と共有結合を形成する、固体表面と、
を含む、システム。
〔2〕前記細胞標的が、細胞内でレポーターとの融合体として発現する、前記〔1〕に記載のシステム。
〔3〕前記レポーターが、生物発光レポーターである、前記〔2〕に記載のシステム。
〔4〕前記生物発光レポーターが、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含む、前記〔3〕に記載のシステム。
〔5〕前記第1および第2の捕捉タンパク質の両方が、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を含む、前記〔1〕に記載のシステム。
〔6〕前記二量体が、ホモ二量体である、前記〔5〕に記載のシステム。
〔7〕前記生物活性剤が、小分子である、前記〔1〕に記載のシステム。
〔8〕前記細胞標的が、前記生物活性剤の結合パートナーである、前記〔1〕に記載のシステム。
〔9〕前記第1の捕捉リガンドおよび第2の捕捉リガンドが、同一の分子構造を含む、前記〔1〕に記載のシステム。
〔10〕前記固体表面が、ウェル、チューブ、スライド、平板、樹脂、またはビーズからなるリストから選択される、前記〔1〕に記載のシステム。
〔11〕前記固体表面が、磁性または常磁性である、前記〔10〕に記載のシステム。
〔12〕前記細胞標的が前記生物活性剤に結合し、前記第1の捕捉タンパク質が前記第1の捕捉リガンドに結合し、前記第2の捕捉タンパク質が前記固体表面上で、前記第2の捕捉リガンドに結合する、前記〔1〕に記載のシステム。
〔13〕細胞標的を捕捉する方法であって、
(a)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤を、前記生物活性剤の細胞標的を含む細胞に、前記細胞標的が前記生物活性剤に結合するような条件下で投与するステップと、
(b)前記細胞を溶解させて、細胞溶解物を生成するステップと、
(c)前記細胞溶解物を、第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の二量体と、前記第1の捕捉リガンドが前記第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する条件下で接触させるステップと、
(d)前記細胞溶解物を、第2の捕捉リガンドを提示する固体表面と、前記第1の捕捉リガンドが前記第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する条件下で接触させるステップと、
(e)前記固体表面を前記細胞溶解物から分離するステップと、
を含む、方法。
〔14〕細胞標的を捕捉する方法であって、
(a)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤を、前記生物活性剤の細胞標的を含む細胞に、前記細胞標的が前記生物活性剤に結合するような条件下で投与するステップと、
(b)前記細胞を溶解させて、細胞溶解物を生成するステップと、
(c)前記細胞溶解物を、第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の二量体に結合した第2の捕捉リガンドを提示する固体表面と接触させるステップであって、前記第2の捕捉タンパク質および前記第2の捕捉リガンドが共有的に結合する、ステップと、
(d)前記固体表面を前記細胞溶解物から分離するステップと、
を含む、方法。
〔15〕前記細胞標的が、レポータータンパク質との融合体である、前記〔13〕および〔14〕のいずれか一項に記載の方法。
〔16〕(a)生物活性剤の細胞標的と、
(b)第1の捕捉リガンドに連結した生物活性剤と、
を含む細胞の、細胞溶解物であって、
前記細胞溶解物が、
(c)第1の捕捉タンパク質および第2の捕捉タンパク質の二量体であって、前記第1の捕捉リガンドが、その相互作用に際して前記第1の捕捉タンパク質と共有結合を形成する、二量体と、
(d)第2の捕捉リガンドを提示する固体表面であって、前記第2の捕捉リガンドが、その相互作用に際して前記第2の捕捉タンパク質と共有結合を形成する、固体表面と、
を更に含む、細胞溶解物。
〔17〕前記細胞標的が、レポータータンパク質との融合体である、前記〔16〕に記載の細胞溶解物。
〔18〕前記レポータータンパク質が、生物発光レポーターである、前記〔17〕に記載の細胞溶解物。
〔19〕前記生物発光レポーターが、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含む、前記〔18〕に記載の細胞溶解物。
〔20〕前記第1および第2の捕捉タンパク質の両方が、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を含む、前記〔16〕に記載の細胞溶解物。
〔21〕前記二量体が、ホモ二量体である、前記〔16〕に記載の細胞溶解物。
〔22〕前記生物活性剤が、小分子である、前記〔16〕に記載の細胞溶解物。
〔23〕前記細胞標的が、前記生物活性剤の結合パートナーである、前記〔16〕に記載の細胞溶解物。
〔24〕前記第1の捕捉リガンドおよび第2の捕捉リガンドが、同一の分子構造を含む、前記〔16〕に記載の細胞溶解物。
〔25〕前記固体表面が、ウェル、チューブ、スライド、平板、樹脂、またはビーズからなるリストから選択される、前記〔16〕に記載の細胞溶解物。
〔26〕前記固体表面が、磁性または常磁性である、前記〔25〕に記載の細胞溶解物。
〔27〕前記細胞標的が前記生物活性剤に結合し、前記第1の捕捉タンパク質が前記第1の捕捉リガンドに結合し、前記第2の捕捉タンパク質が前記固体表面上で、前記第2の捕捉リガンドに結合する、前記〔16〕に記載の細胞溶解物。
〔28〕(a)生物活性剤の細胞標的と、
(b)捕捉リガンドに連結した前記生物活性剤と、
(c)捕捉タンパク質を提示する固体表面であって、前記捕捉タンパク質が、その相互作用に際して前記捕捉リガンドと共有結合を形成する、固体表面と、
を含むシステム。
〔29〕前記細胞標的が、細胞内でレポーターとの融合体として発現する、前記〔28〕に記載のシステム。
〔30〕前記レポーターが、生物発光レポーターである、前記〔29〕に記載のシステム。
〔31〕前記生物発光レポーターが、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含む、前記〔30〕に記載のシステム。
〔32〕前記捕捉タンパク質が、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を含む、前記〔28〕に記載のシステム。
〔33〕前記生物活性剤が、小分子である、前記〔28〕に記載のシステム。
〔34〕前記細胞標的が、前記生物活性剤の結合パートナーである、前記〔28〕に記載のシステム。
〔35〕前記固体表面が、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、またはビーズからなるリストから選択される、前記〔28〕に記載のシステム。
〔36〕前記固体表面が、磁性または常磁性である、前記〔35〕に記載のシステム。
〔37〕前記細胞標的が前記生物活性剤に結合し、前記捕捉タンパク質が前記捕捉リガンドに結合する、前記〔28〕に記載のシステム。
〔38〕細胞標的を捕捉する方法であって、
(a)捕捉リガンドに連結した生物活性剤を、前記生物活性剤の細胞標的を含む細胞に、前記細胞標的が前記生物活性剤に結合するような条件下で投与するステップと、
(b)前記細胞を溶解させて、細胞溶解物を生成するステップと、
(c)前記細胞溶解物を、捕捉タンパク質を提示する固体表面と、前記捕捉タンパク質が前記捕捉リガンドと共有結合を形成する条件下で接触させるステップと、
(d)前記固体表面を前記細胞溶解物から分離するステップと、
を含む、方法。
〔39〕前記細胞標的が、レポータータンパク質との融合体である、前記〔38〕に記載の方法。
〔40〕(a)生物活性剤の細胞標的と、
(b)捕捉リガンドに連結した生物活性剤と、
を含む細胞の細胞溶解物であって、
前記細胞溶解物が、
(c)捕捉タンパク質を提示する固体表面であって、前記捕捉タンパク質が、その相互作用に際して前記捕捉リガンドと共有結合を形成する、固体表面と、
を更に含む、細胞溶解物。
〔41〕前記細胞標的が、レポータータンパク質との融合体である、前記〔40〕に記載の細胞溶解物。
〔42〕前記レポータータンパク質が、生物発光レポーターである、前記〔41〕に記載の細胞溶解物。
〔43〕前記生物発光レポーターが、配列番号3と少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチドを含む、前記〔42〕に記載の細胞溶解物。
〔44〕前記捕捉タンパク質が、配列番号1と少なくとも70%の配列同一性を含む、前記〔40〕に記載の細胞溶解物。
〔45〕前記生物活性剤が、小分子である、前記〔40〕に記載の細胞溶解物。
〔46〕前記細胞標的が、前記生物活性剤の結合パートナーである、前記〔40〕に記載の細胞溶解物。
〔47〕前記固体表面が、ウェル、チューブ、スライド、平板、マトリックス、樹脂、またはビーズからなるリストから選択される、前記〔40〕に記載の細胞溶解物。
〔48〕前記固体表面が、磁性または常磁性である、前記〔47〕に記載の細胞溶解物。
〔49〕前記細胞標的が前記生物活性剤に結合し、前記捕捉タンパク質が前記捕捉リガンドに結合する、前記〔40〕に記載の細胞溶解物。
〔50〕カルバメートリンカーを含む、捕捉リガンド。
〔51〕クロロアルカンを更に含む、前記〔50〕に記載の捕捉リガンド。

Claims (5)

  1. 細胞の溶解物であって、
    (a)(i)生物活性剤の結合パートナーである生物活性剤の細胞標的と(ii)生物発光レポーターとの融合体であって、前記細胞内で発現した、融合体、及び
    (b)ハロアルカン捕捉リガンドに連結した生物活性剤であって、前記ハロアルカン捕捉リガンドに連結した前記生物活性剤が、細胞透過性であり、細胞内条件下でその相互作用に際して前記細胞標的と結合することができ、前記細胞を溶解する前に前記細胞外に添加された、前記ハロアルカン捕捉リガンドに連結した生物活性剤、
    を含む、細胞の溶解物。
  2. 前記生物発光レポーターが、配列番号3と90%を超える配列同一性を有するポリペプチドを含む、請求項1に記載の細胞の溶解物。
  3. 前記ハロアルカン捕捉リガンドが、クロロアルカン基である、請求項に記載の細胞の溶解物。
  4. 前記ハロアルカン捕捉リガンドと、その相互作用により共有結合を形成することができるデハロゲナーゼ捕捉タンパク質を更に含む、請求項に記載の細胞の溶解物。
  5. 前記デハロゲナーゼ捕捉タンパク質が、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を含む、請求項に記載の細胞の溶解物。
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