JP6875863B2 - 機械式駐車場 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、乗入室内に設置されたカメラの画像をユーザーに確実に確認させ、乗入室の内部に人やペット等が居残ることを表示する機械式駐車場設備が記載されている。
機械式駐車場の乗降室に車両を進入させた後、万が一、誤って利用者が乗降室内に取り残されたままで駐車装置が作動し始めると、乗降室扉が閉まり、次には乗降室内で搬送機械や車両が旋回し昇降動作を開始する。このような状況に取り残された利用者は、搬送機械が動作し始めると、その搬送機械が迫ってくるような錯覚に襲われてパニックに陥る可能性がある。非常口や待避箇所の設置など様々な安全対策が施されている駐車場であっても、パニックに陥った利用者は、判断力や認識力が低下して、待避箇所までどのようにたどり着けばよいのか認識できないことも想定される。この場合、利用者はむしろ安全でない行動をとることも考えられる。このことから、本発明者は、誤って乗降室内に取り残された利用者が穏やかに行動できるようにする観点から、機械式駐車場に改善すべき課題があることを認識した。
実施の形態はこのような思索に基づいて案出されたもので、以下にその具体的な構成を説明する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係る機械式駐車場100の正面図である。実施の形態に係る機械式駐車場100は、乗降室12に進入した自動車などの車両20を格納棚14へ導入する。以下、XYZ直交座標系をもとに説明する。X軸方向は水平な左右方向に対応し、Z軸方向は水平な前後方向に対応し、Y軸方向は鉛直な上下方向に対応する。Y軸方向Z軸方向はそれぞれX軸方向に直交する。
乗降室12は、機械式駐車場100へ車両20を入れたり機械式駐車場100から車両20を取り出したりするために建物24内に設けられている。乗降室12は、建物24内において、例えば昇降路96の上端に設けられる。
乗降室12は、床12gと天井12cの間において前壁12fと後壁12dと第1側壁12pと第2側壁12sとで画定された略直方体空間を囲む部屋である。前壁12fに形成された出入口12bには開閉可能な乗降室扉16が設けられる。格納動作するとき、乗降室12は乗降室扉16によって閉じられる。
指示領域38は、乗降室12に取り残された利用者が乗降室12内において退避することができる領域であって、後述する指示部材10によって指し示される領域である。特に、指示領域38は、乗降室12内において車両を格納する動作中であっても、利用者が安全に通行または待機することが可能な位置に設けられる。指示部材10は、乗降室12が閉じられた状態にて利用者が視認できる光43を放出する。指示部材10は光43を放出することで指示領域38を指し示す。指示領域38は指示部材10を用いた縁取りで区画されてもよい。指示領域38は、利用者が通行可能な退避通路42と利用者が待機可能な待機区域40とを含む。待機区域40および退避通路42は、例えば乗降室12の床12gに設けられる。指示部材10は、退避通路42と待機区域40とを指し示すように光43を放出する。指示部材10および光43については後述する。
退避通路42は、乗降室12の中において指示部材10を用いた縁取りで区画される通路である。乗降室12に取り残された利用者は退避通路42を安全に通行して待機区域40に退避することができる。退避通路42は利用者が立った状態で歩行できる程度の幅を有する。退避通路42の幅W1は、例えば500mm以上にしてもよい。この場合、利用者が容易に歩行できる。退避通路42の幅W1は、例えば900mm以上にしてもよい。この場合、車椅子利用者が通行できる。退避通路42の幅W1は、例えば2000mm以下にしてもよい。この場合、乗降室12をコンパクトにすることができる。
待機区域40は、乗降室12の中において指示部材10を用いた縁取りで区画されるゾーンである。乗降室12に取り残された利用者は待機区域40内にて安全に待機することができる。図4に示すように、待機区域40には、床12gから上方に伸びる略直方体形状の待機空間40sが設けられる。待機空間40sは、例えば利用者が立った状態で待機できる程度の幅と奥行きと高さとを有する。待機区域40は、例えば矩形状を有する。待機区域40の幅W2および奥行きD2は、例えば500mm以上にしてもよい。この場合、利用者が立った状態で容易に待機できる。幅W2および奥行きD2は、例えば900mm以上にしてもよい。この場合、車椅子利用者が待機できる。幅W2および奥行きD2は、例えば2000mm以下にしてもよい。
図5は、指示領域38の配置を示す上面視の配置図である。指示部材10は、光を放出することによって指示領域38を指し示す部材である。指示部材10は、乗降室12が閉じられた状態にて利用者が視認できる光43を放出する。指示部材10が光43を放出することによって、利用者は、指示領域38を容易に認識することができる。指示部材10は、例えば乗降室12の床12g、天井12cおよび壁12wの少なくとも一つに設けられる。実施の形態では、指示部材10は、例えば退避通路42の非通路領域との境界近傍に退避通路42の伸びる方向に沿って複数配置される。実施の形態では、指示部材10は、例えば床12gの待機区域40が設けられる領域の縁に複数配置されてもよい。
反射部材10fは、投射デバイスから出力される光を反射して光43を放出する部材である。図7は、反射部材10fの一例を示す斜視図である。図7は、退避通路42を指し示す状態の反射部材10fを示している。実施の形態の反射部材10fは、投射デバイスである投射部10dから投射された投射光10hを反射して光43を放出する。光43を強調する観点から、反射部材10fは蛍光体を含んでもよい。投射部10dは光を出力する投射デバイスであり、光源に特別の制限はないが、例えば光源としてLEDを用いることができる。反射部材10fは、床12gの上面に設けられてもよい。投射部10dは、例えば天井12cに設けられる。
垂下部材10mは、指示領域38の上方の空間に支持され、光源デバイスから出力される光に応じて光43を放出する部材である。図8は、垂下部材10mの一例を示す斜視図である。図8は、待機区域40の上方の空間に設けられた状態の垂下部材10mを示している。実施の形態の垂下部材10mは、縦方向に伸びて、照射部10gから照射された照射光10jを反射または屈折して光43を放出する。具体的には、垂下部材10mは、待機区域40の第1区域40bの縁の鉛直上方に予め設定されたピッチP3毎に天井12cから吊下げられる。ピッチP3は利用者が指示領域を認識できる程度の間隔に設定される。一例として、ピッチP3は100mm〜300mmの範囲内に設定することができる。照射部10gは光を出力する光源デバイスであり、光源に特別の制限はないが、例えば光源としてLEDを用いることができる。照射部10gは、例えば天井12cに取りつけられる。
図1を参照する。機械式駐車場100は、移送機構55と、操作盤28と、制御装置30と、をさらに備える。移送機構55は、車両20を載せたパレット57を乗降室12と格納棚14との間で移送して格納または搬出する機構である。移送機構55は第1移載装置56と、第2移載装置58と、複数(例えば、2本または4本)のマスト90と、リフトフレーム88と、昇降装置94と、を含む。第2移載装置58は複数設けられる。1階〜3階の格納棚14はそれぞれ複数(例えば、10)の駐車スペースを含む。それら複数の駐車スペースは、平面視した場合に移載方向(図のX軸方向)に5行、移載方向と実質的に直交する交差方向(図のZ軸方向)に2列のマトリクス状に配列される。駐車スペースはパレットと共に車両20が駐車されうる格納棚内の一つの駐車領域(駐車の1単位)である。1階〜3階の格納棚14それぞれは、格納棚の床を画定するフレーム80を含む。それぞれのフレーム80には第2移載装置58が固定される。
次に操作盤28について説明する。操作盤28は、駐車場の利用者または駐車場の係員に対するユーザインタフェースとしての機能を有する。操作盤28は、操作部28cと、表示部28dと、を含む。操作部28cは、例えばタッチパネル(不図示)を介して一定の操作の入力を受け付けて制御装置30に送る。表示部28dは、制御装置30に制御されて一定の表示をなす。
次に制御装置30について説明する。図9に示す制御装置30の各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
次に、以上のように構成された機械式駐車場100の動作の一例について説明する。図10は、機械式駐車場100の動作の一例を示すフローチャートである。図10は、車両20の入庫の際における指示部材10の動作に関する処理S200を示している。まず、乗降室12に車両20を進入させ停止領域12hに停止させる(ステップS202)。ステップS202において、車両20の利用者は降車して乗降室12から退出する。この際、誤って利用者が乗降室に取り残される可能性がある。車両20を停止領域12hに停止させた利用者または係員は操作盤28を操作して車両を格納する操作を開始させる。このとき、制御装置30は、利用者または係員から格納動作開始の操作がされたか否かを判定する(ステップS204)。格納動作開始の操作がされていない場合(ステップS204のN)、制御装置30は処理をステップS204の先頭に戻す。
乗降室内に取り残された利用者が冷静に行動できることが望ましい。そこで、実施の形態の機械式駐車場100は、乗降室12に進入した車両20を格納棚14へ格納する機械式駐車場であって、乗降室12に取り残された利用者が乗降室12内において退避することができる領域であって、指示部材10によって指し示される指示領域38を備え、指示部材10は、乗降室12が閉じられた状態にて利用者が視認できる光43を放出する。この構成によれば、乗降室12が閉じられても指示部材10がその指示領域38を指し示すから、利用者は指示領域38を容易に認識することができる。指示領域38を認識できない場合と比較して、利用者は指示領域38を認識することで安心感を得て冷静に行動することができる。利用者の安全でない行動を抑制することができる。
実施の形態の説明では、機械式駐車場がパレットを用いたパレット式の駐車場である例について説明したがこれに限られない。機械式駐車場は例えば、スラットコンベア式などパレットを用いない駐車場であってもよく、櫛歯のすれ違いによって車両20をエレベータや格納棚に受け渡す方式であってもよい。
実施の形態の説明では、車両20を入出庫する乗降室が共用される例について説明したがこれに限定されない。例えば、入庫用の乗降室と出庫用の乗降室とが別々に設けられてもよい。また、乗降室の入口と出口が出入口として共用される例について説明したがこれに限定されない。入口と出口とが別々に設けられてもよい。
実施の形態の説明では、待機区域40が第1区域40bと第2区域40cとを含む例について説明したがこれに限定されない。例えば、待機区域40は第1区域40bと第2区域40cの一方のみを含むようにしてもよい。複数の区域を含む場合と比較して乗降室をコンパクトにすることができる。
実施の形態の説明では、退避通路42に、第1通路42b、第2通路42c、第3通路42dの三つの形態の通路を含む例について説明したがこれに限定されない。例えば、退避通路42は、これらの三つの形態の通路のうちから一または二つの形態の通路を選択して含むようにしてもよい。すべての通路を含む場合と比較して乗降室をコンパクトにすることができる。
実施の形態の説明では、指示部材10として、発光部材10e、反射部材10f、垂下部材10mの三つの形態の部材を用いる例について説明したがこれに限定されない。指示部材10として、これらの三つの形態の部材のうちから一または二つの形態の部材を選択して用いるようにしてもよい。
実施の形態の説明では、投射部10dは、部分的に設けられた反射部材10fに投射光10hを出力する例について説明したがこれに限定されない。例えば、投射部10dは床面にパターンを投影して一定の模様を表示させるように構成してもよい。つまり、床面を反射部材として所定のパターンを投射することによって指示領域を指し示すようにしてもよい。床面に反射部材10fを設ける手間を省くことができる。
Claims (12)
- 乗降室に進入した車両を格納棚へ格納する機械式駐車場であって、
前記乗降室に取り残された利用者が前記乗降室内において退避することができる領域であり、指示部材によって指し示される指示領域を備え、
前記指示領域は、利用者が通行可能な退避通路と、利用者が待機可能な待機区域と、を含み、
前記指示部材は、前記乗降室が閉じられた状態にて、前記退避通路と前記待機区域とを指し示すように利用者が視認できる光を放出することを特徴とする機械式駐車場。 - 前記指示部材は、前記待機区域を立体的に指し示すように前記光を放出することを特徴とする請求項1に記載の機械式駐車場。
- 前記乗降室の一方の壁には非常口が設けられ、
前記待機区域は、前記退避通路と前記一方の壁との間に設けられる区域を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の機械式駐車場。 - 前記待機区域は、前記退避通路の前記一方の壁と反対側に設けられる区域を含むことを特徴とする請求項3に記載の機械式駐車場。
- 前記指示部材は、発光することによって前記光を放出する発光部材を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の機械式駐車場。
- 前記指示部材は、投射光を出力する投射デバイスと、前記投射デバイスから出力される投射光を反射して前記光を放出する反射部材と、を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の機械式駐車場。
- 前記指示部材は、照射光を出力する光源デバイスと、前記指示領域の上方の空間に支持され、前記光源デバイスから出力される前記照射光に応じて前記光を放出する部材と、を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の機械式駐車場。
- 前記指示部材は、進入した車両を前記格納棚へ格納するための操作が行われたとき、前記光の放出を開始するように構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の機械式駐車場。
- 前記指示部材は、予め設定された時間が経過するたびに間欠的に前記光を放出するように構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の機械式駐車場。
- 前記指示部材は、前記乗降室が閉じられてから予め設定された時間が経過したときに前記光の放出を停止するように構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の機械式駐車場。
- 前記指示部材が前記光を放出するとき、利用者に前記指示領域への待避を促す音声メッセージと映像メッセージの少なくとも一方を出力する装置を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の機械式駐車場。
- 前記退避通路は、前記待機区域に接続される通路を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の機械式駐車場。
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