JP6875849B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents
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Description
エンジンの排気通路に配置される、前記エンジンの排ガス中の微粒子状物質を捕集するDPFと、
温度を計測するための複数の温度センサ部を有する光ファイバを含む光ファイバセンサと、を備え、
前記光ファイバは、前記複数の温度センサ部の各々が前記DPFの内部における複数の位置にそれぞれ設置されるように、前記DPFに設置されている。
上記(1)の構成によれば、DPFの内部における複数の位置での温度(内部温度)が、その各々の位置に設置された温度センサ部を通してそれぞれ計測される。このような光ファイバセンサによるDPFの内部温度の計測を通して、DPFの内部における3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
また、DPFの過昇温を監視する場合には、光ファイバセンサを用いてDPFの内部における複数の位置での温度を計測することにより、DPFの内部で生じた局所的な過昇温を精度良く検出することが可能となる。このため、過昇温の検出精度を高め、DPFの損傷を防止することができる。
前記複数の温度センサ部は、前記DPFにおける前記排ガスの流れ方向の所定の位置で切った断面視において、前記DPFの内部における前記複数の位置にそれぞれ設置されている。
上記(2)の構成によれば、光ファイバの有する複数の温度センサ部は、DPFの内部における径方向や周方向で互いに異なる複数の位置にそれぞれ設置される。換言すれば、複数の温度センサ部は、DPFの内部に3次元的に分散されて設置される。これによって、複数の温度センサ部の各々によって、その各々が設置された位置(座標)における温度がそれぞれ計測されるので、DPFの内部で生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
前記複数の温度センサ部は、前記DPFの内部における前記排ガスの流れ方向における前記複数の位置にそれぞれ設置されている。
上記(3)の構成によれば、光ファイバの有する複数の温度センサ部によって、DPFの内部に生じる排ガスの流れ方向に沿った温度分布を精度良く把握することができる。また、複数の温度センサ部が、DPFの排ガスの流れ方向における複数の位置のみならず、DPFの径方向や周方向における複数の位置にそれぞれ設置されることで、DPFの内部に生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
前記DPFは、前記排ガスの流れ方向に沿って延在する通気孔を含むフィルタ部を有し、
前記光ファイバは、前記通気孔の内部に設置された前記温度センサ部を有する内設光ファイバ部を含む。
上記(4)の構成によれば、温度センサ部を有する内設光ファイバ部をフィルタ部の通気孔に設置することで、内設光ファイバが設置された位置における排ガスの流れ方向の一ヶ所以上の位置における温度を計測することができる。また、複数の通気孔の少なくとも1つに内設光ファイバ部を設置することで、DPFの内部で生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
前記通気孔は、下流端を閉塞する第1閉塞部を有すると共に上流端が開放された複数の第1通気孔、及び上流端を閉塞する第2閉塞部を有すると共に下流端が開放された複数の第2通気孔を有し、
前記光ファイバは、前記第1通気孔の前記第1閉塞部に対面する終端部を有した前記内設光ファイバ部である第1通気孔内設光ファイバ部、または、前記第2通気孔の前記上流端の第2閉塞部に対面する終端部を有した前記内設光ファイバ部である第2通気孔内設光ファイバ部の少なくとも一方を含む複数の前記内設光ファイバ部からなる光ファイバ群を含む。
上記(5)の構成によれば、各々が終端部を有する内設光ファイバ部を、第1通気孔あるいは第2通気孔の少なくとも一方に設置してなる光ファイバ群により、フィルタ部を構成する複数の通気孔の2以上にそれぞれ内設光ファイバ部を設置することができ、DPFの内部に生ずる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
前記通気孔は、上流端および下流端が共に開放された貫通通気孔を含み、
前記光ファイバは、前記貫通通気孔の内部にそれぞれ設置された前記内設光ファイバ部である第1の貫通内設光ファイバ部および第2の貫通内設光ファイバ部と、前記第1の貫通内設光ファイバ部および前記第2の貫通内設光ファイバ部を前記フィルタ部の外部において接続する第1の接続側光ファイバ部と、を有する列状光ファイバ部を含む。
上記(6)の構成によれば、列状光ファイバ部がフィルタ部の外部を折り返しながら、少なくとも2以上の通気孔(貫通通気孔)を跨る状態で設置される。これによって、フィルタ部の複数の位置に複数の内設光ファイバ部を設置することができ、DPFの内部における3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。また、列状光ファイバ部によって、上述した光ファイバ群よりも光ファイバの本数を減らすこともでき、光ファイバセンサのコストの抑制を図り、また、設置スペース上の制限にも適応することができる。
前記列状光ファイバ部は、さらに、
前記貫通通気孔の内部に設置された前記内設光ファイバ部である第3の貫通内設光ファイバ部と、
前記第2の貫通内設光ファイバ部および前記第3の貫通内設光ファイバ部を前記フィルタ部の外部において接続する第2の接続側光ファイバ部であって、前記第1の接続側光ファイバ部とは前記フィルタ部を挟んで反対側に位置する第2の接続側光ファイバ部と、を有する。
上記(7)の構成によれば、列状光ファイバ部がフィルタ部の外部を複数回折り返しながら、少なくとも3以上の通気孔(貫通通気孔)を貫通した状態で設置される。これによって、上記(6)と同様な効果を奏することができる。
前記光ファイバは、前記フィルタ部の外周面にらせん状に設置された前記温度センサ部を有するらせん状光ファイバ部を含む。
上記(8)の構成によれば、らせん状光ファイバ部によって、フィルタ部の外周面の複数の位置における温度を計測することができる。また、内設光ファイバ部と組み合わせることで、DPFの内部に生じる3次元的な温度分布を精度よく把握することができる。
前記光ファイバは、前記排気通路における前記DPFの上流側に設置された、前記DPFの上流側の温度を計測するための前記温度センサ部である外部温度センサ部を、さらに含む。
上記(9)の構成によれば、外部温度センサ部によって、排気通路におけるDPFの上流側の温度を計測することが可能となる。したがって、光ファイバセンサ以外の温度センサをエンジンの制御のために、別途、DPFの上流側に設置することなく、光ファイバセンサによって、DPFの内部温度と共に、DPFの上流側の温度を取得することができる。
前記エンジンは、
前記光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、前記DPFで自然に再生された前記PMのPM再生量を推定すると共に、推定した前記PM再生量に基づいて前記DPFに堆積したPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段と、
前記PM堆積量の推定値が規定値を超える場合に前記DPFの強制再生を実行する強制再生制御手段と、を有する。
上記(10)の構成によれば、光ファイバセンサによって把握したDPFの内部の温度分布に基づいてPM再生量を算出することにより、PM再生量の推定精度を高めることができるので、例えばPM排出量とPM再生量との差分から算出されるPM堆積量の推定精度を高めることができる。したがって、推定したPM堆積量に基づいて実行する強制再生の実行タイミングをより適正化することができ、PMの過堆積によるDPF3の過昇温や、必要以上に強制再生を実行することによるオイルダイリューションなどが生じるリスクを低減することができる。
前記エンジンは、
前記光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、前記DPFの内部における過昇温を回避するための過昇温回避制御を実行する過昇温回避制御手段を、有する。
上記(11)の構成によれば、光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、DPFの内部で生じる過昇温をより確実に検知することができると共に、過昇温回避制御を実行することで、過昇温をより確実に回避することができ、DPFの損傷を防止することができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
このPM堆積量の推定方法について説明すると、PM排出量は、エンジン本体11から排出された排ガスGに含まれるPMの量である。例えば、エンジン回転数、燃料噴射量を入力データとするマップによって推定可能である。
図2Aは、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zの所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41は、通常の通気孔32に設置された内設光ファイバ部42を含む。図2Bは、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zの所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41は拡径通気孔36に設置された内設光ファイバ部42を含む。図3は、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zに沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41は光ファイバ群43を含む。図4は、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zに沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41は列状光ファイバ部44を含む。図5Aは、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zに沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41はらせん状光ファイバ部45を含む。また、図5Bは、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zの所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、らせん状光ファイバ部45を説明するための図である。
光ファイバセンサ4は、温度を計測するための複数の温度センサ部41sを有する光ファイバ41を含む。より詳細には、図1に示されるように、光ファイバセンサ4は、基本的な構成として、光を発する光源47と、光源47からの光を伝送する光ファイバ41と、光ファイバ41に互いに離間して形成された複数の計測部(上述した温度センサ部41s)と、光ファイバ41から光を受光することにより検出した光(光の特性)を電気信号に変換する受光器48と、を備える。そして、光源47から発せられた光が光ファイバ41を通って計測部に到達すると、温度といった外部環境に応じて光の特性が変化し、このような光が光ファイバ41を通って受光器48に到達し、検出される。
また、DPF3の過昇温を監視する場合には、光ファイバセンサ4を用いてDPF3の内部における複数の位置での温度を計測することにより、DPF3の内部で生じた局所的な過昇温を精度良く検出することが可能となる。このため、過昇温の検出精度を高め、DPF3の損傷を防止することもできる。
あるいは、他の幾つかの実施形態では、らせん状光ファイバ部45は、光源47からの光がらせん状光ファイバ部45を通って受光器48に直接向かうように構成された光ファイバ41の一部分に設けられていても良い。この場合には、図4に示されたらせん状光ファイバ部45の一方の端部が光源47まで伸び、他方の端部が受光器48まで伸びている状態になる。
11 エンジン本体
12 シリンダ
13 ピストン
14 燃焼室
15 エンジン制御ECU
16 燃焼制御部
17 強制再生制御部(強制再生制御手段)
17a PM堆積量推定部(PM堆積量推定手段)
18 過昇温回避制御部(過昇温回避制御手段)
18a 検知部
18b 制御実行部
2 排気浄化装置
3 DPF
31 フィルタ部
32 通気孔
33 第1通気孔
33c 第1閉塞部
34 第2通気孔
34c 第2閉塞部
35 貫通通気孔
36 拡径通気孔
4 光ファイバセンサ
41 光ファイバ
41c 光サーキュレータ
41s 温度センサ部
42 内設光ファイバ部
42a 第1の内設光ファイバ部
42b 第2の内設光ファイバ部
42c 第3の内設光ファイバ部
43 光ファイバ群
43a 第1通気孔内設光ファイバ部
43b 第2通気孔内設光ファイバ部
43e 終端部
44 列状光ファイバ部
44a 第1の接続側光ファイバ部
44b 第2の接続側光ファイバ部
45 らせん状光ファイバ部
46 外部温度センサ部
47 光源
48 受光器
49 信号処理器
5 吸気通路
51 吸気流量計
52 インタークーラ
53 吸気スロットル
55 過給機
6 排気通路
63 EGR通路
64 EGRクーラ
65 EGRバルブ
7 コモンレールシステム
71 インジェクタ
72 高圧ポンプ
73 コモンレール
83 温度センサ
86 圧力センサ
88 差圧センサ
C コンプレッサ
T タービン
G 排ガス
Z 流れ方向
L 距離(光ファイバ上の隣接する温度センサ部の距離)
rx 距離(隣接する内設光ファイバ部間のx軸での距離)
ry 距離(隣接する内設光ファイバ部間のy軸での距離)
W 間隔(らせん状光ファイバ部のフィルタ部の外周面での間隔)
Claims (4)
- エンジンの排気通路に配置される、前記エンジンの排ガス中の微粒子状物質を捕集するDPFと、
温度を計測するための複数の温度センサ部を有する光ファイバを含む光ファイバセンサと、を備え、
前記光ファイバは、前記複数の温度センサ部の各々が前記DPFの内部における複数の位置にそれぞれ設置されるように、前記DPFに設置されており、
前記DPFは、前記排ガスの流れ方向に沿って延在する通気孔を含むフィルタ部を有し、
前記光ファイバは、前記通気孔の内部に設置された前記温度センサ部を有する内設光ファイバ部を含み、
前記通気孔は、下流端を閉塞する第1閉塞部を有すると共に上流端が開放された複数の第1通気孔、及び上流端を閉塞する第2閉塞部を有すると共に下流端が開放された複数の第2通気孔を有し、
前記光ファイバは、前記第2通気孔の前記第2閉塞部に対面する終端部を有した前記内設光ファイバ部である第2通気孔内設光ファイバ部のみを含む複数の前記内設光ファイバ部からなる光ファイバ群を含むことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。 - エンジンの排気通路に配置される、前記エンジンの排ガス中の微粒子状物質を捕集するDPFと、
温度を計測するための複数の温度センサ部を有する光ファイバを含む光ファイバセンサと、を備え、
前記光ファイバは、前記複数の温度センサ部の各々が前記DPFの内部における複数の位置にそれぞれ設置されるように、前記DPFに設置されており、
前記DPFは、前記排ガスの流れ方向に沿って延在する通気孔を含むフィルタ部を有し、
前記光ファイバは、前記通気孔の内部に設置された前記温度センサ部を有する内設光ファイバ部を含み、
前記通気孔は、上流端および下流端が共に開放された貫通通気孔を含み、
前記光ファイバは、前記貫通通気孔の内部にそれぞれ設置された前記内設光ファイバ部である第1の貫通内設光ファイバ部および第2の貫通内設光ファイバ部と、前記第1の貫通内設光ファイバ部および前記第2の貫通内設光ファイバ部を前記フィルタ部の外部において接続する第1の接続側光ファイバ部と、を有する列状光ファイバ部を含むことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。 - 前記エンジンは、
前記光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、前記DPFで自然に再生された前記PMのPM再生量を推定すると共に、推定した前記PM再生量に基づいて前記DPFに堆積したPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段と、
前記PM堆積量の推定値が規定値を超える場合に前記DPFの強制再生を実行する強制再生制御手段と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの排気浄化装置。 - 前記エンジンは、
前記光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、前記DPFの内部における過昇温を回避するための過昇温回避制御を実行する過昇温回避制御手段を、有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの排気浄化装置。
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