JP6875849B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本開示は、エンジンの排気浄化装置に関し、特に、DPFの内部温度の計測技術および内部温度に基づく制御に関する。
ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる排気微粒子(PM)を捕集するためのDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を備える排気浄化装置が知られている。一般に、DPFは、セラミック等をハニカム状モノリスに成形し、隣り合う通気孔の入口側と出口側とを交互に閉じることで、通気孔を形成するろ過壁を排ガスが通過するように構成したフィルタ部を有し、このろ過壁によって排ガスに含まれるPMが除去される。触媒が担持されるものもある。DPFにPMが次第に堆積していき、堆積したPMによってろ過壁に目詰まりが発生すると、DPFのPM捕集能力が低下するだけでなく、排気圧が上昇して燃費にも悪影響を及ぼす。このため、DPFに堆積したPMを除去するための強制再生を適切なタイミングで行う必要がある。
このDPFの強制再生の実行タイミングを決める手法の一つとして、DPF内のPM堆積量を推定し、PM堆積量が予め設定した上限に達したら強制再生を行う方法が知られている。例えば、特許文献1では、DPFにおけるPM堆積量を、PM排出量およびPM再生量の各々の推定値の差分から算出している。また、このうちのPM再生量についてはDPFの温度を用いて推定しており、DPF基材の温度を直接測定することや、DPF入出口平均温度で代用するといった簡単な構成で把握可能である旨が記載されている。
また、その他のDPFの内部温度の計測技術を開示するものとして、例えば特許文献2〜3がある。特許文献2には、DPF内部の温度は温度センサ等により直接検出することができないため、DPFの内部において排ガスの流れ方向に沿って設定された複数の温度推定点における温度推定値を求めることが開示されている。また、特許文献2には、複数の温度推定点における温度推定値からDPFの最高温度を推定し、DPFの最高温度を超えないようにDPFの温度を制御することも開示されている。このように排ガスの流れ方向に沿った複数位置での温度の推定値を求めるのは、DPF内部の温度は排ガスの流れ方向に温度分布を持つと共に、DPFの内部におけるPM燃焼速度(再生速度)は温度に対して非線形な変化を示すことによる旨が記載されている。他方、特許文献3には、DPFが再生中か否かを検出するために、DPFの内部(フィルタベッド温度)、入口部および出口部の少なくとも1箇所に温度センサを設けることが開示されている。
特開2013−124631号公報 特開2006−37742号公報 特開昭60−153414号公報
特許文献1に開示されるように、DPFの内部温度を、DPFの出入口に設置された温度センサの検出温度の平均値で代用する場合は多い。しかしながら、DPFの内部温度は排ガスの流れ方向に温度分布を持つのみならず、この流れ方向に対する周方向や径方向にも温度分布を持つ。さらに、DPFの内部においては、強制再生を実行しなくても、排ガスの熱によってPMが自然に燃焼するが、その際のPM燃焼速度(再生速度)は温度に対して非線形な変化を示す(特許文献2参照)。このため、特許文献1のようにDPFの出入口の検出温度の平均値を用いてPM再生量を推定する場合には、その推定精度を高めるのには限界がある。そして、PM再生量の推定精度が悪いとPM堆積量の推定精度も悪くなり、その結果、強制再生の実行時におけるPMの過堆積によるDPFの過昇温や、必要以上に強制再生が実行されることによりオイルダイリューションが生じるリスクが高まる。
この点、特許文献2は、排ガスの流れ方向の温度分布を考慮したDPFの内部温度の推定を行ってはいるものの、その径方向や周方向の温度分布は考慮していない。さらに、特許文献2は、推定により温度分布を求めるものであり、直接計測するよりも精度が劣る。他方、特許文献3では、DPFの入口部、出口部のみならず、内部(フィルタベッド温度)の温度を計測することが開示されているものの、DPFの内部への温度センサの設置態様についての具体的な開示はない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、光ファイバセンサによってDPFの内部における複数の位置での温度を計測するエンジンの排気浄化装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るエンジンの排気浄化装置は、
エンジンの排気通路に配置される、前記エンジンの排ガス中の微粒子状物質を捕集するDPFと、
温度を計測するための複数の温度センサ部を有する光ファイバを含む光ファイバセンサと、を備え、
前記光ファイバは、前記複数の温度センサ部の各々が前記DPFの内部における複数の位置にそれぞれ設置されるように、前記DPFに設置されている。
DPFの内部(後述するフィルタ部)は排ガスの流れ方向のみならず、その径方向、周方向にも温度分布が生じる。具体的には、DPFの内部の上流側から下流側に向かうほど高温となり、外周側から中心部に向かうほど高温となる傾向がある。
上記(1)の構成によれば、DPFの内部における複数の位置での温度(内部温度)が、その各々の位置に設置された温度センサ部を通してそれぞれ計測される。このような光ファイバセンサによるDPFの内部温度の計測を通して、DPFの内部における3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
よって、DPFの内部温度を用いてPM再生量を推定し、このPM再生量を用いてPM堆積量を推定する場合には、光ファイバセンサを用いてDPFの内部における複数の位置での温度を計測することにより、PM再生量の推定精度を向上することができるので、PM堆積量の推定精度を向上することが可能となる。このため、推定したPM堆積量に基づいて実行する強制再生の実行タイミングのさらなる適正化を図ることができ、PMの過堆積によるDPFの過昇温や、必要以上に強制再生を実行することによるオイルダイリューションなどが生じるリスクを低減することができる。
また、DPFの過昇温を監視する場合には、光ファイバセンサを用いてDPFの内部における複数の位置での温度を計測することにより、DPFの内部で生じた局所的な過昇温を精度良く検出することが可能となる。このため、過昇温の検出精度を高め、DPFの損傷を防止することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記複数の温度センサ部は、前記DPFにおける前記排ガスの流れ方向の所定の位置で切った断面視において、前記DPFの内部における前記複数の位置にそれぞれ設置されている。
上記(2)の構成によれば、光ファイバの有する複数の温度センサ部は、DPFの内部における径方向や周方向で互いに異なる複数の位置にそれぞれ設置される。換言すれば、複数の温度センサ部は、DPFの内部に3次元的に分散されて設置される。これによって、複数の温度センサ部の各々によって、その各々が設置された位置(座標)における温度がそれぞれ計測されるので、DPFの内部で生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(2)の構成において、
前記複数の温度センサ部は、前記DPFの内部における前記排ガスの流れ方向における前記複数の位置にそれぞれ設置されている。
上記(3)の構成によれば、光ファイバの有する複数の温度センサ部によって、DPFの内部に生じる排ガスの流れ方向に沿った温度分布を精度良く把握することができる。また、複数の温度センサ部が、DPFの排ガスの流れ方向における複数の位置のみならず、DPFの径方向や周方向における複数の位置にそれぞれ設置されることで、DPFの内部に生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の構成において、
前記DPFは、前記排ガスの流れ方向に沿って延在する通気孔を含むフィルタ部を有し、
前記光ファイバは、前記通気孔の内部に設置された前記温度センサ部を有する内設光ファイバ部を含む。
上記(4)の構成によれば、温度センサ部を有する内設光ファイバ部をフィルタ部の通気孔に設置することで、内設光ファイバが設置された位置における排ガスの流れ方向の一ヶ所以上の位置における温度を計測することができる。また、複数の通気孔の少なくとも1つに内設光ファイバ部を設置することで、DPFの内部で生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記通気孔は、下流端を閉塞する第1閉塞部を有すると共に上流端が開放された複数の第1通気孔、及び上流端を閉塞する第2閉塞部を有すると共に下流端が開放された複数の第2通気孔を有し、
前記光ファイバは、前記第1通気孔の前記第1閉塞部に対面する終端部を有した前記内設光ファイバ部である第1通気孔内設光ファイバ部、または、前記第2通気孔の前記上流端の第2閉塞部に対面する終端部を有した前記内設光ファイバ部である第2通気孔内設光ファイバ部の少なくとも一方を含む複数の前記内設光ファイバ部からなる光ファイバ群を含む。
上記(5)の構成によれば、各々が終端部を有する内設光ファイバ部を、第1通気孔あるいは第2通気孔の少なくとも一方に設置してなる光ファイバ群により、フィルタ部を構成する複数の通気孔の2以上にそれぞれ内設光ファイバ部を設置することができ、DPFの内部に生ずる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(4)〜(5)の構成において、
前記通気孔は、上流端および下流端が共に開放された貫通通気孔を含み、
前記光ファイバは、前記貫通通気孔の内部にそれぞれ設置された前記内設光ファイバ部である第1の貫通内設光ファイバ部および第2の貫通内設光ファイバ部と、前記第1の貫通内設光ファイバ部および前記第2の貫通内設光ファイバ部を前記フィルタ部の外部において接続する第1の接続側光ファイバ部と、を有する列状光ファイバ部を含む。
上記(6)の構成によれば、列状光ファイバ部がフィルタ部の外部を折り返しながら、少なくとも2以上の通気孔(貫通通気孔)を跨る状態で設置される。これによって、フィルタ部の複数の位置に複数の内設光ファイバ部を設置することができ、DPFの内部における3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。また、列状光ファイバ部によって、上述した光ファイバ群よりも光ファイバの本数を減らすこともでき、光ファイバセンサのコストの抑制を図り、また、設置スペース上の制限にも適応することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記列状光ファイバ部は、さらに、
前記貫通通気孔の内部に設置された前記内設光ファイバ部である第3の貫通内設光ファイバ部と、
前記第2の貫通内設光ファイバ部および前記第3の貫通内設光ファイバ部を前記フィルタ部の外部において接続する第2の接続側光ファイバ部であって、前記第1の接続側光ファイバ部とは前記フィルタ部を挟んで反対側に位置する第2の接続側光ファイバ部と、を有する。
上記(7)の構成によれば、列状光ファイバ部がフィルタ部の外部を複数回折り返しながら、少なくとも3以上の通気孔(貫通通気孔)を貫通した状態で設置される。これによって、上記(6)と同様な効果を奏することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(4)〜(7)の構成において、
前記光ファイバは、前記フィルタ部の外周面にらせん状に設置された前記温度センサ部を有するらせん状光ファイバ部を含む。
上記(8)の構成によれば、らせん状光ファイバ部によって、フィルタ部の外周面の複数の位置における温度を計測することができる。また、内設光ファイバ部と組み合わせることで、DPFの内部に生じる3次元的な温度分布を精度よく把握することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の構成において、
前記光ファイバは、前記排気通路における前記DPFの上流側に設置された、前記DPFの上流側の温度を計測するための前記温度センサ部である外部温度センサ部を、さらに含む。
上記(9)の構成によれば、外部温度センサ部によって、排気通路におけるDPFの上流側の温度を計測することが可能となる。したがって、光ファイバセンサ以外の温度センサをエンジンの制御のために、別途、DPFの上流側に設置することなく、光ファイバセンサによって、DPFの内部温度と共に、DPFの上流側の温度を取得することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の構成において、
前記エンジンは、
前記光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、前記DPFで自然に再生された前記PMのPM再生量を推定すると共に、推定した前記PM再生量に基づいて前記DPFに堆積したPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段と、
前記PM堆積量の推定値が規定値を超える場合に前記DPFの強制再生を実行する強制再生制御手段と、を有する。
上記(10)の構成によれば、光ファイバセンサによって把握したDPFの内部の温度分布に基づいてPM再生量を算出することにより、PM再生量の推定精度を高めることができるので、例えばPM排出量とPM再生量との差分から算出されるPM堆積量の推定精度を高めることができる。したがって、推定したPM堆積量に基づいて実行する強制再生の実行タイミングをより適正化することができ、PMの過堆積によるDPF3の過昇温や、必要以上に強制再生を実行することによるオイルダイリューションなどが生じるリスクを低減することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(10)の構成において、
前記エンジンは、
前記光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、前記DPFの内部における過昇温を回避するための過昇温回避制御を実行する過昇温回避制御手段を、有する。
上記(11)の構成によれば、光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、DPFの内部で生じる過昇温をより確実に検知することができると共に、過昇温回避制御を実行することで、過昇温をより確実に回避することができ、DPFの損傷を防止することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、光ファイバセンサによってDPFの内部における複数の位置での温度を計測するエンジンの排気浄化装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るエンジンの排気浄化装置を含むエンジンの全体構成を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るDPFのフィルタ部を排ガスの流れ方向の所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバは通常の通気孔に設置された内設光ファイバを含む。 本発明の一実施形態に係るDPFのフィルタ部を排ガスの流れ方向の所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバは拡径通気孔に設置された内設光ファイバを含む。 本発明の一実施形態に係るDPFのフィルタ部を排ガスの流れ方向に沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバは光ファイバ群を含む。 本発明の一実施形態に係るDPFのフィルタ部を排ガスの流れ方向に沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバは列状光ファイバ部を含む。 本発明の一実施形態に係るDPFのフィルタ部を排ガスの流れ方向に沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバはせん状光ファイバ部を含む。 本発明の一実施形態に係るDPFのフィルタ部を排ガスの流れ方向の所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、らせん状光ファイバ部を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンの排気浄化装置2を含むエンジン1の全体構成を概略的に示す図である。まず、図1に示される実施形態のエンジン1について説明すると、エンジン1は、例えば車両などに搭載されたディーゼルエンジンとなっており、エンジン本体11におけるシリンダ12とピストン13の上面とによって画定される燃焼室14内への燃料供給はコモンレールシステム7(CRS)により行われている。コモンレールシステム7では、燃料タンク(不図示)に貯留された燃料を高圧ポンプ72で高圧状態にしてコモンレール73に貯留しており、コモンレール73に貯留された高圧燃料を、エンジン本体11の燃焼室14に燃料を噴射するインジェクタ71から噴射する。このインジェクタ71からの燃料噴射量や噴射タイミングは、エンジン1を制御するエンジン制御ECU15による制御の下で行われている。より具体的には、エンジン制御ECU15は、所定の燃焼制御を実行する燃焼制御部16を備えており、この所定の燃焼制御に従って上記の燃料噴射量や噴射タイミングが決定される。エンジン制御ECU15(電子制御装置)はコンピュータで構成されており、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ(記憶装置)を備えている。そして、主記憶装置にロードされたプログラムの命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、燃焼制御部16や、後述する強制再生制御部17、PM堆積量推定部17a、過昇温回避制御部18といった各機能部を実現する。
また、エンジン本体11には、不図示の吸気ダクトを介して外部から吸入された空気(吸気)をエンジン本体11の燃焼室14に向けて導く通路である吸気通路5、および、燃焼室14での燃焼により生じた排ガスG(燃焼ガス)を外部に向けて導くための排気通路6が接続されている。吸気は、吸気通路5を通過する際には、エンジン1が備えるターボ過給機55によって圧縮されると共に、ターボ過給機55による圧縮後に、冷却により吸気密度を高めるためのインタークーラ52を通過し、その後、吸気通路5に設けられた吸気スロットル53を通過するようになっている。また、ターボ過給機55は、エンジン本体11から排出された排ガスGによって回転するタービンT及びタービンTによって回転駆動するコンプレッサCを有しており、排気通路6に設置されるタービンTが排ガスGで駆動されることにより、吸気通路5に設置されるコンプレッサCが回転し、吸気通路5を流れる吸気を下流に向けて圧縮する。なお、吸気(新気)の流量は、吸気通路5に設けられた吸気流量計51で検出されており、各種の制御に用いるためにエンジン制御ECU15に入力される。
他方、排気通路6では、タービンTの上流側(燃焼室14側)において排気通路6から分岐するようにEGR通路63の一端側が接続されており、EGR通路63の他端が吸気通路5における吸気スロットル53の下流側(燃焼室14側)に接続されることで、排気通路6を流れる排ガスGの一部を吸気通路5に還流可能になっている。このEGR通路63には、排気通路6側から順にEGRクーラ64、EGRバルブ65が設けられている。そして、目標のEGR率(吸気通路5に還流する排ガスGの量÷燃焼室14に吸入される吸気量)となるように、EGRバルブ65の開度がエンジン制御ECU15の燃焼制御部16によって制御される。
また、排気通路6において上述のタービンTを通過した排ガスGは、排気通路6に設けられた排気浄化装置2(エンジンの排気浄化装置2)を通過する。この排気浄化装置2は、上述のタービンTの下流に設置されており、上述のタービンTを通過した排ガスGが通過するようになっている。また、排気浄化装置2は、DOC31と、DOC31の下流側に配設されるDPF3とを主要な構成要素とする。DOC21(酸化触媒)は、排ガスG中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を無害化するための触媒である。また、DOC21は、DPF3に捕集されたPMを燃焼させる強制再生を実行する場合に、排ガスG中の未燃成分の酸化反応熱により排ガスG温度を上昇させる機能を有している。
他方、DPF3は、排ガスG中のPM(主に、スート)を捕集するためのフィルタ部31をその内部に有しており、エンジン1の運転によって生じる排ガスGに含まれる粒子状物質(PM)はこのフィルタ部31に堆積する。詳述すると、フィルタ部31は、排ガスGの流れ方向Z(以下、適宜、流れ方向Zという。)に沿って延在する複数の通気孔32を有している。そして、フィルタ部31は、隣り合う通気孔32が入口側と出口側で交互に閉じられることによって、各々の通気孔32を形成する壁(ろ過壁)を排ガスGが通過するように構成されており、ろ過壁の通過によって、排ガスGからPMが除去される。
より詳細には、フィルタ部31は、排ガスGの流れ方向Zにおける下流側の端(下流端)を閉塞する第1閉塞部33cを有すると共に、その上流側の端(上流端)が開放された複数の第1通気孔33と、逆に、上流端を閉塞する第2閉塞部34cを有すると共に、その下流端が開放された複数の第2通気孔34といった、複数の種類の通気孔32を有している。これらの通気孔32(33、34)は、排ガスGの流れ方向Zに沿って延在する通気孔32の側壁がろ過壁となっており、第1通気孔33と第2通気孔34とが隣り合わせになるように配列される。そして、排気通路6を流れる排ガスGは、上流端(入口)が開放された第1通気孔33からフィルタ部31の内部に侵入するものの、第1通気孔33の下流端(出口)は閉塞されているので、上記の通気孔32を形成するろ過壁を通過して隣接する通気孔32(第2通気孔34)に移動する。ろ過壁を通過後、排ガスGは、第2通気孔34の開放端となる下流端(出口)からフィルタ部31の下流に流出する。そして、上述したろ過壁の通過の際に、排ガスGに含まれるPMがろ過壁に捕捉されることで、排ガスGからPMが除去される。これによって、大気中へのPMの排出が防止される。その一方で、フィルタ部31には時間の経過に従ってPMが堆積することになる。
このようにしてDPF3のフィルタ部31に堆積したPMを燃焼により除去するために、エンジン1はDPF3の強制再生を実行する強制再生制御手段を備えており、強制再生制御手段によって、上記の強制再生が所定の実行タイミングで実行される。図1に示される実施形態では、強制再生は、エンジン制御ECU15が有する強制再生制御部17(強制再生制御手段)の制御の下で実行されるようになっており、インジェクタ71からレイトポスト噴射し、排ガスG中に未燃燃料を多く含ませることにより行っている。レイトポスト噴射とは、燃焼室14における燃焼とは関係のないタイミング(燃焼完了後ピストン膨張行程の後半といった燃焼室14での燃焼に寄与しないタイミング)で燃料を噴射することを意味する。レイトポスト噴射によって排ガスG中に供給された未燃燃料は、DPF3の前段に設置されるDOC21で燃焼する。そして、DOC21での未燃燃料の燃焼により排ガスG温度が600℃〜700℃程度まで上昇し、この高温の排ガスGによって、DOC21の下流に位置するDPF3内のPMが燃焼させられる。
また、強制再生制御部17が強制再生を実行する実行タイミングは、所定の実行条件が満たされた場合となる。上記の所定の実行条件(実行タイミング)は、エンジン1の運転時間が規定時間を超える場合、インジェクタ71から噴射されるエンジン1の燃料噴射量の累計値が規定量を超える場合、DPF3(フィルタ部31)に堆積したPMのPM堆積量(以下、単に、PM堆積量という。)の推定値が規定値を超える場合などがあり、複数の実行条件のうちの1つの実行条件が満たされた場合に強制再生が実行されても良い。
そして、上記のDPF3におけるPM堆積量の推定は、後述するように、PM排出量およびPM再生量をそれぞれ推定し、PM排出量およびPM再生量の各々の推定値の差分を算出することによって、PM堆積量の推定を行っても良い。その他、PM堆積量の推定する手法として、例えばDPF3の上流と下流とにおける差圧をDPF差圧センサ88によって検出することで推定する手法もあるが、これらの複数のPM堆積量の推定方法のうちの1つを用いていても良いし、複数の手法をそれぞれ用いても良い。
このようにして推定されるPM堆積量は、その推定精度が悪いと、次に説明するような問題が生じる。例えば、PM堆積量の推定値が実際よりも小さく算出される場合には、強制再生はPM堆積量が上記の規定値を超える場合に実行(開始)されるので、実際のPM堆積量が規定値を超えているにもかかわらず強制再生が開始されないことになる。その結果、PMが上記の規定値を超えてDPF3のフィルタ部31に過度に堆積される場合が生じると、PMの過堆積によるPM捕集能力の低下やエンジン出力の低下等が生じる。また、フィルタ部31へのPMの過堆積が原因となって、強制再生時にDPF3の過昇温が生じるリスクが高まる。DPF3の過昇温は、DPF3の損傷の原因ともなる。
逆に、PM堆積量の推定値が実際よりも大きく算出される場合には、強制再生はPM堆積量が上記の規定値を超える場合に実行されるので、実際のPM堆積量が規定値よりも小さいにもかかわらず強制再生が実行(開始)されることになる。その結果、強制再生が不必要なほど頻繁に実行される場合が生じると、オイルダイリューションが生じるリスクが高まる。なお、ここでいうオイルダイリューションは、燃焼に寄与しないタイミングで燃焼室14に噴射(レイトポスト噴射など)された燃料の一部が、不図示のシリンダライナを通じてオイルパンに浸入して、オイルが希釈されることを言う。オイルが燃料で希釈されるとオイルの潤滑性が低下する。そして、潤滑性が所定の水準よりも低下すると、エンジン本体11の損傷の原因となる。
ここで、図1に示される実施形態では、エンジン1は、PM再生量を推定すると共に、推定したPM再生量に基づいてDPF3に堆積したPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段(PM堆積量推定部17a)を備えることで、上述した、PM堆積量の推定をPM排出量およびPM再生量の各々の推定に基づいて行っている。
このPM堆積量の推定方法について説明すると、PM排出量は、エンジン本体11から排出された排ガスGに含まれるPMの量である。例えば、エンジン回転数、燃料噴射量を入力データとするマップによって推定可能である。
他方、PM再生量は、上述した強制再生を実行していない通常運転時において、エンジン本体11から排出された高温の排ガスGによって自然に燃焼したPMの量である。排ガスGはPMを燃焼可能な程度に高温であることから、エンジン本体11から排出されたPMの一部は、排気通路6を通過する際に高温の排ガスGにより燃焼し、自然に除去される。同様に、DPF3に堆積しているPMも、DPF3を通過する際の高温の排ガスGによって燃焼除去される分があり、このようにPMが燃焼されることでDPF3から燃焼除去されたPM再生量はDPF3の内部温度に基づいた推定が可能である。例えば、PM再生量は、エンジン回転数と燃料噴射量のほか、排気通路6やDPF3の温度、圧力センサ、給気流量計(エアフローメータ)等の各種センサの計測値に基づいて推定可能である。
ところが、DPF3の内部(つまり、フィルタ部31。以下同様。)の温度は、DPF3の内部における3次元的な位置に応じて異なる。つまり、エンジン本体11から排出された高温の排ガスGはDPF3の内部を上流側から下流側に向けてフィルタ部31(通気孔32)を通過しながら流れていくため、DPF3の内部には、排ガスGの流れ方向Zに沿った位置に応じた温度分布が生じる。具体的には、フィルタ部31の上流側から下流側に向かうほど高温となる傾向がある。また、この排ガスGの流れ方向Zをz軸、この流れ方向Zに垂直な断面をx軸とy軸で表すとすると、排ガスGは、フィルタ部31を通過する際に、上述した通気孔32に沿ってz軸方向に沿って流れるのみならず、x軸やy軸の方向にも流れるので、流れ方向Zに対する径方向や周方向においても、位置に応じた温度分布が生じる。具体的には、フィルタ部31の外周側から中心部に向かうほど高温となる傾向がある。さらに、DPF3の内部においてPMは排ガスGの熱によって燃焼するが、この際のPM燃焼速度(再生速度)は温度に対して非線形な変化を示す。つまり、DPF3の内部は、x軸、y軸、z軸で規定されるような3次元的な位置毎に温度が異なると共に、PMは、各位置での温度に応じたPM燃焼速度で燃焼するので、DPF3の内部の位置に応じてPMの再生量が異なることになる。
そこで、本発明では、以下に説明するように、光ファイバセンサ4を用いてDPF3の内部の複数の位置での温度を直接計測する。これによって、DPF3の内部における複数の位置の温度をそれぞれ直接的に取得できるので、各位置の温度に応じて異なるPM再生量をより正確に推定することができる。これによって、PM堆積量の推定精度を高めることができる。また、光ファイバセンサ4によって、DPF3の内部における複数の位置の温度をそれぞれ直接的に取得できるので、フィルタ部31で局所的な高温が生じた場合には、その事象をより精度良く検出することも可能となる。なお、PM堆積量推定部17a(PM堆積量推定手段)は、光ファイバセンサ4が計測した温度に基づいてPM堆積量を推定することなどが可能となる。
以下、本発明のエンジン1の排気浄化装置2(以下、単に、排気浄化装置2という。)の備える構成について、図1〜図5Bを用いて説明する。
図2Aは、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zの所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41は、通常の通気孔32に設置された内設光ファイバ部42を含む。図2Bは、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zの所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41は拡径通気孔36に設置された内設光ファイバ部42を含む。図3は、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zに沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41は光ファイバ群43を含む。図4は、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zに沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41は列状光ファイバ部44を含む。図5Aは、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zに沿って切った断面を模式的に示す図であり、光ファイバ41はらせん状光ファイバ部45を含む。また、図5Bは、本発明の一実施形態に係るDPF3のフィルタ部31を排ガスGの流れ方向Zの所定の位置で切った断面を模式的に示す図であり、らせん状光ファイバ部45を説明するための図である。
図2A〜図5Bに示されるように、エンジン1の排気浄化装置2は、エンジン1の排気通路6に配置される、エンジン1の排ガスG中の微粒子状物質を捕集するDPF3(前述)と、光ファイバセンサ4と、を備える。
光ファイバセンサ4は、温度を計測するための複数の温度センサ部41sを有する光ファイバ41を含む。より詳細には、図1に示されるように、光ファイバセンサ4は、基本的な構成として、光を発する光源47と、光源47からの光を伝送する光ファイバ41と、光ファイバ41に互いに離間して形成された複数の計測部(上述した温度センサ部41s)と、光ファイバ41から光を受光することにより検出した光(光の特性)を電気信号に変換する受光器48と、を備える。そして、光源47から発せられた光が光ファイバ41を通って計測部に到達すると、温度といった外部環境に応じて光の特性が変化し、このような光が光ファイバ41を通って受光器48に到達し、検出される。
図1に示される実施形態では、光ファイバ41が有する複数の温度センサ部41sは、光ファイバ41に回折格子(FBG:Fiber Bragg Gratings)を刻むことで、光ファイバ41上に設けられている。各々の温度センサ部41sは、それぞれ、隣接間で光ファイバ41上を距離Lだけ離間するように設けられおり、図2A〜図5Bでは距離Lが等しく、等間隔で配列されている。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、上記の距離Lは少なくとも1の隣接間において、他とは異なっていても良い。
また、図1に示される実施形態では、光源47および受光器48は、光サーキュレータ41cを介して、光ファイバ41に形成された温度センサ部41sと接続されている。より詳細には、光サーキュレータ41cには、光源47と、受光器48と、温度センサ部41sとが、それぞれ光ファイバ41を介して接続されている。そして、光源47から入射された光は、光サーキュレータ41cによって温度センサ部41sの方向へ送られる。他方、温度センサ部41sを透過した光、あるいは、温度センサ部41sにおいて反射あるいは散乱して戻ってきた光は、光サーキュレータ41cによって受光器48に送られるようになっている。
また、光ファイバセンサ4は、図1に示されるように、信号処理器49を備えており、受光器48からの電気信号を処理して、複数の温度センサ部41sの各々において計測されたセンサ情報(温度情報)をエンジン制御ECU15に入力するように構成されている。信号処理器49では、光の到達する時間差や周波数、波長などの外部環境に影響されない情報をもとに受光器48からの電気信号を処理することによって上述したセンサ情報(温度情報)を取得し、エンジン制御ECU15の強制再生制御部17(前述)や過昇温回避制御部18(後述)に入力するように構成されている。
そして、図2A〜図5Bに示されるように、上述した光ファイバ41は、複数の温度センサ部41sの各々がDPF3の内部における複数の位置にそれぞれ設置されるように、DPF3に設置される。上述したように、DPF3の内部では、排ガスGの流れ方向Zのみならず、その径方向、周方向にも温度分布が生じる。このため、図2A〜図5Bに示されるように、DPF3の内部において、x軸、y軸、z軸の3次元で表した際の各々の座標に複数の温度センサ部41sを分散させるように設置することで、DPF3の内部に生じた温度分布を3次元的に把握することが可能となる。なお、複数の温度センサ部41sの数は多いほど、DPF3の内部に生じた温度分布をより正確に把握可能である。また、温度センサ部41s同士の間(例えば、上記の距離Lの部分や、後述する距離rx、距離ry)における温度は、近接する温度センサ部41sの計測温度に基づいて補完されることになるが、複数の温度センサ部41sがDPF3に設置されるので、補完精度を高めることが可能となる。
上記の構成によれば、DPF3の内部における複数の位置での温度(内部温度)を、その各々の位置に設置された温度センサ部41sを通して光ファイバセンサ4によってそれぞれ計測することができ、DPF3の内部における3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
したがって、DPF3の内部温度を用いてPM再生量を推定し、このPM再生量を用いてPM堆積量を推定する場合には、光ファイバセンサ4を用いてDPF3の内部における複数の位置での温度を計測することにより、PM再生量の推定精度を向上することができるので、PM堆積量の推定精度を向上することが可能となる。このため、推定したPM堆積量に基づいて実行する強制再生の実行タイミングのさらなる適正化を図ることができ、PMの過堆積によるDPF3の過昇温や、必要以上に強制再生を実行することによるオイルダイリューションなどが生じるリスクを低減することができる。
また、DPF3の過昇温を監視する場合には、光ファイバセンサ4を用いてDPF3の内部における複数の位置での温度を計測することにより、DPF3の内部で生じた局所的な過昇温を精度良く検出することが可能となる。このため、過昇温の検出精度を高め、DPF3の損傷を防止することもできる。
幾つかの実施形態では、図2A〜図2B、図5Bに示されるように、光ファイバ41が有する複数の温度センサ部41sは、DPF3における排ガスGの流れ方向Zの所定の位置で切った断面視において、DPF3の内部における複数の位置にそれぞれ設置されている。図2A〜図2B、図5Bに示される実施形態では、図示されるように、フィルタ部31の有する複数の通気孔32における1以上のいくつかの位置に光ファイバ41(後述する内設光ファイバ部42)が設置されている。図2A〜図2Bでは、複数の光ファイバ41は碁盤目状に配置されており、隣接する光ファイバ41の間には、x軸に沿った方向では距離rxが設けられ、y軸に沿った方向では距離ryが設けられている。距離rxと距離ryとは同じであっても良いし(rx=ry)、異なっていても良い(rx≠ry)。また、図5Bに示される実施形態では、さらに、フィルタ部31の外周面に、周方向に沿って光ファイバ41(後述する、らせん状光ファイバ部45)が設置されている。
そして、後述するように、上述した複数の通気孔32の各々に設置された光ファイバ41の各々やフィルタ部31の外周面に設置された光ファイバ41は、それぞれ1以上の温度センサ部41sを有しているが、図2A〜図2B、図5Bには、それらの温度センサ部41sが見える特定の断面が示されている。換言すれば、DPF3(フィルタ部31)は、排ガスGの流れ方向Zの所定の位置で流れ方向Zに垂直な方向などに沿って切った際に、DPF3における複数の位置に温度センサ部41sがそれぞれ見えるような断面を有する。図2A〜図2B、図5Bでは、図示された光ファイバ41の部分(後述する内設光ファイバ部42の各々やらせん状光ファイバ部45)の全てにおいて温度センサ部41sが見えているが、この実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、図示された温度センサ部41sの少なくとも1つが、例えば、z軸、x軸、y軸の少なくとも一方向にずれることで、図に現れないような位置にあっても良い。
上記の構成によれば、光ファイバ41の有する複数の温度センサ部41sは、DPF3の内部における径方向や周方向で互いに異なる複数の位置にそれぞれ設置される。換言すれば、複数の温度センサ部41sは、DPF3の内部に3次元的に分散されて設置される。これによって、複数の温度センサ部41sの各々によって、その各々が設置された位置(座標)における温度がそれぞれ計測されるので、DPF3の内部で生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
また、幾つかの実施形態では、図3〜図5Aに示されるように、光ファイバ41が有する複数の温度センサ部41sは、DPF3の内部における排ガスGの流れ方向Zの複数の位置にそれぞれ設置されている。図3〜図5Aに示される実施形態では、複数の通気孔32のいくつかに設置された光ファイバ41(後述する内設光ファイバ部42)の各々には、その通気孔32に設置された部分毎(後述する内設光ファイバ部42)に、複数の温度センサ部41sが設けられている。これによって、DPF3の内部における排ガスGの流れ方向Zの複数の位置のそれぞれに温度センサ部41sがそれぞれ設置されている。
ただし、この実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、通気孔32に設置された光ファイバ41の部分(後述する内設光ファイバ部42)の各々が、例えば1つなどの1以上の温度センサ部41sを有しており、その各々の温度センサ部41sの少なくとも一部が、z軸の位置でずらされることで、排ガスGの流れ方向Zの複数の位置に温度センサ部41sがそれぞれ設置されていても良い。あるいは、その他の幾つかの実施形態では、図5Aにおいて、フィルタ部31の外周面に周方向に沿って設置された光ファイバ41(後述する、らせん状光ファイバ部45)が有する複数の温度センサ部41sのみによって、排ガスGの流れ方向Zの複数の位置に温度センサ部41sがそれぞれ設置されていても良い。
上記の構成によれば、光ファイバ41の有する複数の温度センサ部41sによって、DPF3の内部に生じる排ガスGの流れ方向Zに沿った温度分布を精度良く把握することができる。また、複数の温度センサ部41sが、DPF3の排ガスGの流れ方向Zにおける複数の位置のみならず、DPF3の径方向や周方向における複数の位置にそれぞれ設置されることで、DPF3の内部に生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
次に、光ファイバ41のDPF3への設置形態に関する幾つかの実施形態について、図2A〜図5Bを用いて説明する。なお、光ファイバ41は、後述するような、内設光ファイバ部42(図2A〜図5B参照)、列状光ファイバ部44(図4参照)、らせん状光ファイバ部45(図5A〜図5B参照)と呼ばれる部分のうちの少なくとも1つを有する。
幾つかの実施形態では、図2A〜図5Bに示されるように、光ファイバ41は、通気孔32の内部に設置された温度センサ部41sを有する内設光ファイバ部42を含む。つまり、内設光ファイバ部42は、光ファイバセンサ4の備える光源47や受光器48に接続された光ファイバ41のうちの、フィルタ部31の通気孔32に設置された部分である。図2Aに示される実施形態では、内設光ファイバ部42は、排ガスGが本来的には通過する通常の通気孔32に挿入された状態で設置されている。他方、図2Bに示される実施形態では、内設光ファイバ部42は、比較的大径の光ファイバ41でも設置が可能ように、上述した通常の通気孔32よりも断面の径が拡大された拡径通気孔36に挿入された状態で設置されている。図2Bに示される実施形態では、拡径通気孔36は、通常の通気孔32の4つで占められる範囲を置き換えるように設けられている。このようにフィルタ部31が拡径通気孔36を備えることで、フィルタ部31に対する光ファイバ41の設置の容易化を図ることができる。
また、内設光ファイバ部42と通気孔32(上述した第1通気孔33、第2通気孔34、拡径通気孔36や、後述する貫通通気孔35など)との間に隙間が生じる場合には、例えば、通気孔32上流端を含む部分などの少なくとも一部において、不図示のシール材が設置されても良い。つまり、内設光ファイバ部42と通気孔32との間に排ガスGやPMなどが侵入することの防止を図ることで、温度センサ部41sに対する影響の抑制を図っても良い。また、内設光ファイバ部42が設置される通気孔32の側壁が例えばろ過壁で形成されていない、あるいは、その通気孔32の側壁の内周側を覆うことが可能な板材が設置されているなどして、隣接した通気孔32からの側壁を介した排ガスGの侵入が防止されるようになっていても良い。この板材は、熱伝導性に優れた材料により形成されていても良い。これによって、上記と同様な温度センサ部41sに対する排ガスGなどの影響の抑制が図られていても良い。
また、図3〜図5Aに示されるように、温度センサ部41sは、フィルタ部31の通気孔32の各々に設置された内設光ファイバ部42毎に少なくとも1つ設置される。例えば、図2A〜図5Bに示される実施形態では、図3〜図5Aに示されるように、通気孔32にそれぞれ設置された各々の内設光ファイバ部42は、それぞれ複数の温度センサ部41sを有している。より具体的には、図3〜図5Aには3つの内設光ファイバ部42が図示されている。そして、3つの内設光ファイバ部42がそれぞれ5つの温度センサ部41sを有しており、通気孔32の上流端付近および下流端付近の2つと、その間に等間隔で設置された3つで、合計が5つとなっている。このように、光ファイバ41が複数の内設光ファイバ部42を有するように、光ファイバ41をDPF3に設置すると共に、各々の内設光ファイバ部42が複数の温度センサ部41sを有することで、DPF3の内部に生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することが可能となる。
なお、他の幾つかの実施形態では、複数の内設光ファイバ部42において、その各々が有する温度センサ部41sの数や、温度センサ部41sのz軸上(流れ方向Z)の位置は、図3〜図5Aに示されるように全て一致していなくても良い。さらに、温度センサ部41s間の距離Lを短くするほど、その間の温度を補完する際の精度が高められるので、DPF3の内部に生じる温度分布をより精度良く把握することが可能となる。また、複数の内設光ファイバ部42にそれぞれ設置される温度センサ部41sの数は異なっていても良い。
上記の構成によれば、温度センサ部41sを有する内設光ファイバ部42をフィルタ部31の通気孔32に設置することで、内設光ファイバ部42が設置された位置における排ガスGの流れ方向Zの一ヶ所以上の位置における温度を計測することができる。また、複数の通気孔32の少なくとも1つに内設光ファイバ部42を設置することで、DPF3の内部で生じる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
より具体的には、幾つかの実施形態では、図3に示されるように、光ファイバ41は、後述する第1通気孔内設光ファイバ部43a、または、第2通気孔内設光ファイバ部43bの少なくとも一方を含む複数の内設光ファイバ部42からなる光ファイバ群43を含む。上記の第1通気孔内設光ファイバ部43aは、第1通気孔33の第1閉塞部33c(下流端側)に対面する終端部43eを有した内設光ファイバ部42である。また、上記の第2通気孔内設光ファイバ部43bは、第2通気孔34の上流端の第2閉塞部34c(上流端側)に対面する終端部43eを有した内設光ファイバ部42である。つまり、光ファイバ群43は、例えば光サーキュレータ41cよりも光源47や受光器48から遠い位置などから不図示の光分岐器などにより分岐された、その各々が受光器48といった他の機器などに接続されない終端部を有する複数の光ファイバ41の集合であり、かつ、その各々がそれぞれ通気孔32に設置された内設光ファイバ部42である複数の光ファイバ41の集合である。
図3に示される実施形態では、光ファイバ群43は、複数の第2通気孔内設光ファイバ部43bからなっている。つまり、第2通気孔内設光ファイバ部43bである内設光ファイバ部42は、下流端が開放された第2通気孔34に設置されている。換言すれば、第2通気孔内設光ファイバ部43bを含む光ファイバ41は、フィルタ部31の下流側を通って光源47や受光器48に伸びている。図1に示される実施形態では、DPF3の上流側には、エンジン1の他の各種制御に用いるためのセンサが設置されている。例えば、DPF3の入口(DOC21の出口)における温度を検出するための温度センサ83や、その圧力を検出するための圧力センサ86が設置されている。上記の構成によれば、これらのセンサの計測に対する影響を防止しつつ、光ファイバ群43をフィルタ部31に設置することが可能となる。
他の幾つかの実施形態では、光ファイバ群43は、複数の第1通気孔内設光ファイバ部43aからなっていても良い。その他の幾つかの実施形態では、1以上の第1通気孔内設光ファイバ部43a、および、1以上の第2通気孔内設光ファイバ部43bからなっていても良い。
上記の構成によれば、各々が終端部43eを有する内設光ファイバ部42を、第1通気孔33あるいは第2通気孔34の少なくとも一方に設置してなる光ファイバ群43により、フィルタ部31を構成する複数の通気孔32の2以上にそれぞれ内設光ファイバ部42を設置することができ、DPF3の内部に生ずる3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。
他の幾つかの実施形態では、図4に示されるように、フィルタ部31が有する通気孔32は、上述した複数の第1通気孔33および第2通気孔34に加えて、上流端および下流端が共に開放された貫通通気孔35を含んでいる。また、光ファイバ41は列状光ファイバ部44を含む。この列状光ファイバ部44は、貫通通気孔35の内部にそれぞれ設置された内設光ファイバ部42である第1の貫通内設光ファイバ部42aおよび第2の貫通内設光ファイバ部42bと、第1の貫通内設光ファイバ部42aおよび第2の貫通内設光ファイバ部42bをフィルタ部31の外部において接続する第1の接続側光ファイバ部44aと、を有する。つまり、本実施形態では、列状光ファイバ部44は少なくとも2以上の貫通内設光ファイバ部を有している。
さらに、その他の幾つかの実施形態では、図4に示されるように、列状光ファイバ部44は、貫通通気孔35の内部に設置された内設光ファイバ部42である第3の貫通内設光ファイバ部42cと、第2の貫通内設光ファイバ部42bおよび第3の貫通内設光ファイバ部42cをフィルタ部31の外部において接続する第2の接続側光ファイバ部44bであって、第1の接続側光ファイバ部44aとはフィルタ部31を挟んで反対側に位置する第2の接続側光ファイバ部44bと、を有しても良い。つまり、本実施形態では、列状光ファイバ部44は少なくとも3以上の貫通内設光ファイバ部を有している。
つまり、列状光ファイバ部44は、光ファイバ41のうちの一部分であって、光ファイバセンサ4の備える光源47などからフィルタ部31まで光ファイバ41を辿った際に、最初に通気孔32に設置されたところから、受光器48に向かうために最初のものとは異なる他の通気孔32から出る位置までの一続きの部分である。なお、光ファイバ41は、少なくとも1本の列状光ファイバ部44を有していれば良い。例えば、光ファイバ41が複数の列状光ファイバ部44を有している場合には、不図示の光分岐器によって、その複数の列状光ファイバ部44の各々が光ファイバ41から分岐され、また、結合されていても良い。
また、上述したように、列状光ファイバ部44は、少なくとも2つの貫通内設光ファイバ部(例えば42a、42b)を有し、2つの貫通内設光ファイバ部(42a、42b)の同一側の端部が1つの接続側光ファイバ部(44aまたは44b)で接続される。そして、図4に示される実施形態では、接続側光ファイバ部によって接続される2つの貫通内設光ファイバ部は、互いに隣接する2つとなっている(42aと42b、42bと42c)。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、接続側光ファイバ部によって接続される2つの貫通内設光ファイバ部は、互いに隣接する2つ(距離が最小となる2つ)でなくても良いし、接続側光ファイバ部によって接続される2つの貫通内設光ファイバ部の間に1以上の他の貫通内設光ファイバ部が存在しても良い。例えば、図4において、第1の貫通内設光ファイバ部42aの下流側と第3の貫通内設光ファイバ部42cの下流側が第2の接続側光ファイバ部44bで接続されていても良い。なお、この場合において、さらに、第3の貫通内設光ファイバ部42cの上流側と第2の貫通内設光ファイバ部42bの上流側が第1の接続側光ファイバ部44aで接続されていても良い。
これによって、光ファイバ41の最小曲げ半径以上の大きな曲げ半径での光ファイバ41のDPF3への設置が可能となる。つまり、図4に示されるように、接続側光ファイバ部(44a、44b)は、接続する2つの貫通内設光ファイバ部(例えば42a、42b)の距離に応じた大きさの曲率で曲げられることになる。しかし、通常、光ファイバ41には最小曲げ半径があり、それを超えて曲げると、伝送損失の増加や断線するおそれがある。このため、接続側光ファイバ部(44a、44b)が、光ファイバ41の最小曲げ半径を超えて曲げることがないような2つの貫通内設光ファイバ部(42a、42b)を接続した状態となるように、列状光ファイバ部44はDPF3に設置される。
上記の構成によれば、列状光ファイバ部44がフィルタ部31の外部を1回以上折り返しながら、複数の通気孔(貫通通気孔)を跨る状態で設置される。これによって、フィルタ部31の複数の位置に複数の内設光ファイバ部42を設置することができ、DPF3の内部における3次元的な温度分布を精度良く把握することができる。また、列状光ファイバ部44によって、光ファイバ群43よりも光ファイバ41の分岐数を抑制することもでき、光ファイバセンサ4のコストの抑制を図り、また、設置スペース上の制限にも適応することができる。
また、幾つかの実施形態では、図5A〜図5Bに示されるように、光ファイバ41は、フィルタ部31の外周面にらせん状に設置された温度センサ部41sを有するらせん状光ファイバ部45を含む。つまり、らせん状光ファイバ部45は、光ファイバセンサ4の備える光源47や受光器48に接続された光ファイバ41のうちの、フィルタ部31の外周面にらせん状に設置された部分である。らせん状光ファイバ部45は、幾つかの実施形態では終端部(前述)を有する光ファイバ41の一部分であっても良い。
例えば、らせん状光ファイバ部45は、光サーキュレータ41cからDPF3まで延びる光ファイバ41や、不図示の光分岐器によって分岐された光ファイバ41の部分などの終端部を含む一部分や、これらの終端部よりも光サーキュレータ41cに近い光ファイバ41の一部分に設けられていても良い。この場合には、図4に示されたらせん状光ファイバ部45の一方の端部が終端部あるいは終端部につながることになる。
あるいは、他の幾つかの実施形態では、らせん状光ファイバ部45は、光源47からの光がらせん状光ファイバ部45を通って受光器48に直接向かうように構成された光ファイバ41の一部分に設けられていても良い。この場合には、図4に示されたらせん状光ファイバ部45の一方の端部が光源47まで伸び、他方の端部が受光器48まで伸びている状態になる。
また、図5A〜図5Bに示される実施形態では、らせん状光ファイバ部45は、フィルタ部31の外周面において排ガスGの流れ方向Zに沿った間隔Wが等しくなるように巻かれている。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、らせん状光ファイバ部45は、フィルタ部31の外周面において排ガスGの流れ方向に沿った間隔Wが等しくない部分を含むように巻かれていても良い。例えば、フィルタ部31における排ガスGの流れ方向Zに沿った温度分布に応じて、温度変化が急激になる可能性の高い位置付近や過昇温が生じやすい位置付近の光ファイバの密度が、そうでない位置よりも高くなるように、らせん状光ファイバ部45がフィルタ部31の外周面に設置されていても良い。また、らせん状光ファイバ部45における複数の温度センサ部41s同士の間隔は等間隔(距離L)であっても良いし、そうでなくても良い。例えば、フィルタ部31における排ガスGの流れ方向Zの温度分布に応じて、温度変化が急激になる可能性の高い位置付近や過昇温が生じやすい位置付近における温度センサ部41sの密度(数)が、そうでない位置付近よりも高く(多く)なっていても良い。
上記の構成によれば、らせん状光ファイバ部45によって、フィルタ部31の外周面の複数の位置における温度を計測することができる。また、内設光ファイバ部42と組み合わせることで、DPF3の内部に生じる3次元的な温度分布を精度よく把握することができる。
また、幾つかの実施形態では、図4に示されるように、光ファイバ41は排気通路6におけるDPF3の上流側に設置された、DPF3の上流側の温度を計測するための温度センサ部41sである外部温度センサ部46を、さらに含む。図4に示される実施形態では、外部温度センサ部46は、上述した列状光ファイバ部44の接続側光ファイバ部(44a)に形成された温度センサ部41sとなっている。他の幾つかの実施形態では、外部温度センサ部46は、排気通路6におけるDPF3の上流側に位置する光ファイバ41の一部分であって、列状光ファイバ部44に接続する一部分に設けられていても良い。
その他の幾つかの実施形態では、図3に示される光ファイバ群43が、少なくとも1つが、上流端が開放された第1通気孔33に設置される第1通気孔内設光ファイバ部43aを有し、この第1通気孔内設光ファイバ部43aに接続された光ファイバ41おける、第1通気孔33の上流端と排気通路6の内壁との間の部分に外部温度センサ部46を設けても良い。同様に、図5A〜図5Bに示される内設光ファイバ部42に接続された光ファイバ41における、第1通気孔33の上流端と排気通路6の内壁との間の部分に外部温度センサ部46を設けても良い。なお、外部温度センサ部46は、フィルタ部31の下流側に存在していても良く、光ファイバ41のうちの、排気通路6におけるフィルタ部31の下流側に位置する部分に外部温度センサ部46が設けられる。
上記の構成によれば、外部温度センサ部46によって、排気通路6におけるDPF3の上流側の温度を計測することが可能となる。したがって、光ファイバセンサ4以外の温度センサをエンジン1の制御のために、別途、DPF3の上流側に設置することなく、光ファイバセンサ4によって、DPF3の内部温度と共に、DPF3の上流側の温度を取得することができる。
次に、上述したように光ファイバセンサ4によって把握したDPF3の内部の3次元的な温度分布を利用して、局所的な過昇温を検知する実施形態について、図1を用いて説明する。なお、エンジン1は、上述した強制再生制御部17あるいは過昇温回避制御部18(過昇温回避手段)の少なくとも一方を備えていても良い。
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、エンジン1は、光ファイバセンサ4が計測した温度に基づいて、DPF3の内部における過昇温を回避するための過昇温回避制御を実行する過昇温回避制御手段(過昇温回避制御部18)を、備えていても良い。図1に示される実施形態では、過昇温回避制御手段は、エンジン制御ECU15が備える機能部である過昇温回避制御部18となっている。この過昇温回避制御部18は、光ファイバセンサ4により計測した温度に基づいて、DPF3の内部に過昇温あるいは過昇温のおそれが生じているか否かを判定する検知部18aと、検知部18aによって過昇温が生じていると判定された場合に、上記の過昇温回避制御を実行する制御実行部18bと、を有している。
より詳細には、検知部18aは、光ファイバセンサ4(図1では信号処理器49)に接続されており、光ファイバセンサ4が備える複数の温度センサ部41sで計測された温度の各々を取得するように構成されている。そして、検知部18aは、入力された温度に基づいてDPF3の内部で過昇温が生じている箇所があるか否かを判定する。例えば、検知部18aは、過昇温あるいは過昇温の恐れを判定可能な過昇温判定閾値と、光ファイバセンサ4が計測した複数の位置の温度をそれぞれ比較することによって、これらの温度が過昇温判定閾値を超えているか否かで判定しても良い。あるいは、光ファイバセンサ4により取得したDPF3の複数の位置での温度に基づいて、実際には測定していない温度センサ部41s間の温度を補完しつつ、DPF3の内部で生じる温度分布を把握し、これらの温度分布と過昇温判定閾値との比較に基づいて、局所的な過昇温の発生の有無を判定しても良い。
他方、制御実行部18bは、上記の検知部18aに接続されており、検知部18aによる判定結果が入力されるようになっている。そして、検知部18aから過昇温が発生しているとの判定結果が入力された場合には、上記の過昇温回避制御を実行することにより、過昇温の回避を実行する。この過昇温回避制御は様々な方法がある。例えば、昇温回避制御は、エンジン1の停止であっても良い。あるいは、昇温回避制御は、燃料噴射量の上限値の制限による出力低減や、燃料噴射量の変化率の制限による出力変化率の制限、吸気スロットル53のバルブ開度を開くことによる吸入空気量の増大であっても良い。これらの過昇温回避制御は、過昇温回避制御部18が、そのための指令を燃焼制御部16に送信することで実行可能である。また、昇温回避制御は、DPF3の強制再生の実行時であれば、レイトポスト噴射の停止による強制再生の中断であっても良く、この場合には、過昇温回避制御部18が、そのための指令を強制再生制御部17に送信することで実行可能である。
上記の構成によれば、光ファイバセンサ4が計測した温度に基づいて、DPF3の内部で生じる過昇温をより確実に検知することができると共に、過昇温回避制御を実行することで、過昇温をより確実に回避することができ、DPF3の損傷を防止することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 エンジン
11 エンジン本体
12 シリンダ
13 ピストン
14 燃焼室
15 エンジン制御ECU
16 燃焼制御部
17 強制再生制御部(強制再生制御手段)
17a PM堆積量推定部(PM堆積量推定手段)
18 過昇温回避制御部(過昇温回避制御手段)
18a 検知部
18b 制御実行部
2 排気浄化装置
3 DPF
31 フィルタ部
32 通気孔
33 第1通気孔
33c 第1閉塞部
34 第2通気孔
34c 第2閉塞部
35 貫通通気孔
36 拡径通気孔
4 光ファイバセンサ
41 光ファイバ
41c 光サーキュレータ
41s 温度センサ部
42 内設光ファイバ部
42a 第1の内設光ファイバ部
42b 第2の内設光ファイバ部
42c 第3の内設光ファイバ部
43 光ファイバ群
43a 第1通気孔内設光ファイバ部
43b 第2通気孔内設光ファイバ部
43e 終端部
44 列状光ファイバ部
44a 第1の接続側光ファイバ部
44b 第2の接続側光ファイバ部
45 らせん状光ファイバ部
46 外部温度センサ部
47 光源
48 受光器
49 信号処理器
5 吸気通路
51 吸気流量計
52 インタークーラ
53 吸気スロットル
55 過給機
6 排気通路
63 EGR通路
64 EGRクーラ
65 EGRバルブ
7 コモンレールシステム
71 インジェクタ
72 高圧ポンプ
73 コモンレール
83 温度センサ
86 圧力センサ
88 差圧センサ
C コンプレッサ
T タービン
G 排ガス
Z 流れ方向
L 距離(光ファイバ上の隣接する温度センサ部の距離)
rx 距離(隣接する内設光ファイバ部間のx軸での距離)
ry 距離(隣接する内設光ファイバ部間のy軸での距離)
W 間隔(らせん状光ファイバ部のフィルタ部の外周面での間隔)

Claims (4)

  1. エンジンの排気通路に配置される、前記エンジンの排ガス中の微粒子状物質を捕集するDPFと、
    温度を計測するための複数の温度センサ部を有する光ファイバを含む光ファイバセンサと、を備え、
    前記光ファイバは、前記複数の温度センサ部の各々が前記DPFの内部における複数の位置にそれぞれ設置されるように、前記DPFに設置されており、
    前記DPFは、前記排ガスの流れ方向に沿って延在する通気孔を含むフィルタ部を有し、
    前記光ファイバは、前記通気孔の内部に設置された前記温度センサ部を有する内設光ファイバ部を含み、
    前記通気孔は、下流端を閉塞する第1閉塞部を有すると共に上流端が開放された複数の第1通気孔、及び上流端を閉塞する第2閉塞部を有すると共に下流端が開放された複数の第2通気孔を有し、
    前記光ファイバは、前記第2通気孔の前記第2閉塞部に対面する終端部を有した前記内設光ファイバ部である第2通気孔内設光ファイバ部のみを含む複数の前記内設光ファイバ部からなる光ファイバ群を含むことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. エンジンの排気通路に配置される、前記エンジンの排ガス中の微粒子状物質を捕集するDPFと、
    温度を計測するための複数の温度センサ部を有する光ファイバを含む光ファイバセンサと、を備え、
    前記光ファイバは、前記複数の温度センサ部の各々が前記DPFの内部における複数の位置にそれぞれ設置されるように、前記DPFに設置されており、
    前記DPFは、前記排ガスの流れ方向に沿って延在する通気孔を含むフィルタ部を有し、
    前記光ファイバは、前記通気孔の内部に設置された前記温度センサ部を有する内設光ファイバ部を含み、
    前記通気孔は、上流端および下流端が共に開放された貫通通気孔を含み、
    前記光ファイバは、前記貫通通気孔の内部にそれぞれ設置された前記内設光ファイバ部である第1の貫通内設光ファイバ部および第2の貫通内設光ファイバ部と、前記第1の貫通内設光ファイバ部および前記第2の貫通内設光ファイバ部を前記フィルタ部の外部において接続する第1の接続側光ファイバ部と、を有する列状光ファイバ部を含むことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記エンジンは、
    前記光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、前記DPFで自然に再生された前記PMのPM再生量を推定すると共に、推定した前記PM再生量に基づいて前記DPFに堆積したPM堆積量を推定するPM堆積量推定手段と、
    前記PM堆積量の推定値が規定値を超える場合に前記DPFの強制再生を実行する強制再生制御手段と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 前記エンジンは、
    前記光ファイバセンサが計測した温度に基づいて、前記DPFの内部における過昇温を回避するための過昇温回避制御を実行する過昇温回避制御手段を、有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの排気浄化装置。
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