JP6874573B2 - 静電荷像現像用白色トナー、現像剤、補給用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用白色トナー、現像剤、補給用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用白色トナー、現像剤、補給用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真の複写画像の色は一般に黒色であるが、最近はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を用いたフルカラー画像が汎用されるようになってきた。このような場合には紙等の白い基材に4色のトナーを用いて画像が形成する。しかし、基材に色がついた色紙や黒紙、もしくは透明な基材である透明フィルム等の場合は、4色のトナーでは、良好な発色を得ることができない。このため、新たに5色目のトナーとして、白色トナーを用い、背景の白色を作像することが提案されている(特許文献1参照)。
白色トナーは、黒もしくは色のついた基材である紙等に、白地のベースとして使用されたり、透明基材であるフィルム等の白地に用いられたりされる。この場合、白色トナーには、隠蔽特性が要求される。隠蔽特性とは、白色トナーが定着された白素地の先を見えなくする能力である。白色の場合、定着された白色トナーのみで、真っ白く発色させるため、入射した光をすべて散乱反射する必要があり、少しでも入射光が透過してしまうと隠蔽性が低下して不鮮明差を感じる。そのため光を吸収する黒トナーやカラートナーと比べて設計が非常に難しい。
隠蔽性を高めるために、これまで色々な提案がなされて来た(例えば、特許文献2、3参照)。しかし、十分な隠蔽性は得られていない。隠蔽性を高めるために、実際にはカラートナーとして用いるトナーよりもかなり多い量の白色トナーを付着させ、定着された白色トナー層を厚くして、隠蔽力を出す必要がある。この際、白色トナー層を厚くするため、トナー層の割れ、フィルムの場合はトナー層の剥がれが問題になる。
また、白色顔料として一般に用いられる酸化チタンは高い導電性を有しているため、隠蔽力を高めるために含有量を増やすと、トナーとしての帯電性が損なわれてしまう。さらに、電解質が存在すると凝集しやすく、単純にトナーに導入する部数を増やしても、隠蔽性が向上させるのが難しいという点も課題の一つである。
このように、現像剤としてトナーに求められる帯電性や低音定着性と、白色トナーとして求められる隠蔽性の両立は解決できていない。これらを両立させるための提案として、負の帯電性が強く、靭性・伸び性に優れる環化ブタジエンをトナー構成樹脂として用いることで、これらの課題を改善する試みがなされている(特許文献4参考)。
しかしながら、白色顔料の含有量が少ない場合、十分な隠蔽性が得られず、両立は難しい。
本発明は、低温定着性、折り曲げに対する耐性が良好で、かつ、帯電性に優れ、さらに、隠蔽性が高く、良好な白色画像を形成する静電荷像現像用白色トナーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は白色顔料及び結着樹脂を含む静電荷像現像用白色トナーであって、前記結着樹脂は、マトリックス樹脂及びドメイン樹脂を有し、前記マトリックス樹脂及び前記ドメイン樹脂からなるドメイン構造を有し、前記マトリックス樹脂及び前記ドメイン樹脂は、ポリエステル樹脂であり、Fedors法によって求められるSP値の差が0.5以上異なり、該静電荷像現像用白色トナーを150℃で30分加熱した後の断面を走査型プローブ顕微鏡で観察した際に、分散径150〜500nmのドメインが存在することを特徴とする。
本発明によれば、低温定着性、折り曲げに対する耐性が良好で、かつ、帯電性に優れ、さらに、隠蔽性が高く、良好な白色画像を形成する静電荷像現像用白色トナーを提供することができる。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る静電荷像現像用白色トナー、現像剤、補給用現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(トナー)
本発明の静電荷像現像用白色トナー(単に白色トナーと表記することがある)は白色顔料及び結着樹脂を含み、該静電荷像現像用白色トナーを150℃で30分加熱した後の断面を走査型プローブ顕微鏡で観察した際に、分散径150〜500nmのドメインが存在することを特徴とする。
本発明の白色トナーは内部にドメイン構造を有しているため、ドメイン部分とそれ以外の部分(マトリックス部分などとも称される)との界面で屈折率の差が生じる。この屈折率の差による光散乱のため、高隠蔽性が得られる。
本発明の白色トナーは、150℃で30分加熱した際に、内部にドメイン構造を有していることが重要である。通常トナーは、定着部材による加熱などにより、紙などの記録媒体に定着される。本発明の白色トナーは、定着時の加熱を経てもなお、内部にドメイン構造を有しているため、トナー層内の光散乱効果が保たれ、白色顔料の含有量が少ない場合においても白色性を高めることが可能である。
前記分散径は150nm〜500nmであることが必須であり、180〜400nmが好ましく、200〜300nmがより好ましい。150nm〜500nmから外れる場合、界面での光散乱の効果を十分に得ることができず、良好な隠蔽性が得られない。また、耐熱保存性の観点も考慮し、分散径の上限は500nm以下である。
このように、本発明によれば、低温定着性、折り曲げに対する耐性、帯電性を良好にしつつ、良好な白色性を発現させることが可能となる。また、白色顔料の含有量が少ない場合においても白色性を高めることが可能であり、定着性や帯電性を阻害する要因となる白色顔料の含有量を可能な限り削減することができる。そのため、トナーに求められる帯電性や低音定着性と、白色トナーとして求められる隠蔽性の両立を実現することができる。
白色トナーを150℃で30分加熱する方法としては、槽内を150℃に設定した送風型恒温槽に入れ、30分静置することにより行う。
<走査型プローブ顕微鏡による観察>
ここで、本実施形態における上記各種測定法の手順や条件を示す。
トナー又はトナー用樹脂の内部分散状態は、走査型プローブ顕微鏡(例えば原子間力顕微鏡(AFM))を用いたタッピングモードによる位相像によって確認する。AFMにおけるタッピングモードとは、Surface Science Letter,290,668(1993)に記載されている方法である。この方法では、例えば、Polymer,35,5778(1994)、Macromolecules,28,6773(1995)等に説明が記載されているように、カンチレバーを振動させながら、試料表面の形状を測定する。このとき、試料表面の粘弾性的性質により、カンチレバーの振動元であるドライブと実際の振動との間に位相差が生じる。この位相差をマッピングしたものが位相像である。軟質な部位は位相の遅れが大きく、硬質部分は位相の遅れが小さく観察される。
本発明の白色トナーに含まれる結着樹脂は、軟質で位相差が大きい像として観察される部位と、硬質で位相差が小さい像として観察される部位が微分散していることが好ましい。このとき、位相差が大きい部分を第一の位相差像と称し、位相差が小さい部分を第二の位相差像と称すると、第一の位相差像が内相、第二の位相差像が外相となり、第一の位相差像が第二の位相差像中に微分散された構造であることが重要である。この場合、第一の位相像は前記ドメイン部分に該当し、第二の位相差像は前記マトリックス部分に該当する。
前記位相像を得るためのサンプルは、ライカ社製ウルトラミクロトームULTRACUT UCTを用いて、以下の条件で加熱後のトナーのブロックを切断して切片を出し作製する。これを用いて光走査プローブ顕微鏡の観察を行う。
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
前記AFMによる位相像を得るための代表的な装置としては、例えば、アサイラムテクノロジー社製のMFP−3Dが挙げられる。カンチレバーとしては、例えば、OMCL−AC240TS−C3が挙げられる。測定条件は次の通りである。
・target amplitude:0.5V
・target percent:−5%
・amplitude setpoint:315mV
・scan rate:1Hz
・scan points:256×256
・scan angle:0°
本発明における前記分散径は、以下に記載する最大フェレ径の平均値で表される。前記最大フェレ径とは、位相差像におけるドメイン(ドメイン部分)を2本の平行線で挟んだ際に最大となる平行線間距離のことである。
ドメイン(第一の位相差像)における最大フェレ径の平均値の具体的な測定は、タッピングモードAFMにより得られた位相像における位相差の最大値と位相差の最小値との中間値で二値化処理した二値化像を作成して行う。前記二値化像は、位相差の小さい部位が濃色、位相差の大きい部位が淡色のコントラストとなるよう位相像を撮影し、その後、位相像中の位相差の最大値と位相差の最小値の中間値を境界とした二値化処理を行うことで得られる。
二値化処理は、トナー断面の中で、300nm四方となるように位相像を10点選択し二値化を行う。選択した10点の位相像の中に存在する第一の位相差像におけるドット状の構造のフェレ径又は周期的な構造の最小幅を計測し、それらの平均値を算出する。
ただし、明らかに画像ノイズと判断されるか又は画像ノイズか位相差像かの判別が難しい微小径画像については、平均径の算出からは除外する。具体的には、観測された位相像中、最も大きい最大フェレ径をもつ前記第一の位相差像に対し、同一画像上に存在する面積比100分の1以下の前記第一の位相差像は平均径の計算には使用しないものとする。
本実施形態において、結着樹脂は2種の樹脂を含み、前記ドメイン部分はドメイン樹脂で構成され、前記マトリックス部分はマトリックス樹脂で構成されるドメイン構造を形成することが好ましい。このドメイン構造は相分離構造などとも称される。
低温定着性を発現するためには、結着樹脂のガラス転移点を下げ、塑性変形しやすくすることで可能となるが、耐熱保存性とトレードオフの関係にある。低温定着性と耐熱保存性を両立させるという観点から、ガラス転移点の高いマトリックス樹脂とガラス転移点の低いドメイン樹脂で構成されることが好ましい。
2種の樹脂は、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能であるが、例えば2種の非晶性のポリエステル樹脂が挙げられ、本発明において好ましく用いられる。
一方で、例えば、低温定着性改善のため、従来公知の結晶性ポリエステルなどの結晶性樹脂をトナー中に含有させることにより、静電荷像現像用トナー内部に、結晶性樹脂からなるドメイン構造を形成させることも考えられる。しかしながら、このようなドメイン構造は加熱によりマトリックス樹脂である結着樹脂と相溶してしまうため、好ましくない。
また、ワックスなどの離型剤も、トナー内部でドメイン構造を形成するが、離型剤は溶融粘度が低いため、ドメイン同士が合一したり、トナー表面に染み出したりするため、やはり本発明の効果を得ることは難しい。
<SP値>
ドメイン構造を形成するための簡便な手法として、前記白色トナーに含まれる結着樹脂は、Fedors法によって求められるSP値の差(ΔSP値)が0.5以上異なる2種の結着樹脂を少なくとも含有させることが好ましい。前記白色トナーに含まれる結着樹脂において、SP値の差が0.5未満となる結着樹脂しか含まない場合、樹脂同士が相溶し、ガラス転移点が一つのピークになってしまうため、ドメイン構造が得られにくくなる。ただし、樹脂の組成や組み合わせによっては、SP値の差が0.5未満であってもドメインを形成することもあるため、この限りではない。
また、前記結着樹脂におけるSP値の差は、0.5以上2以下であることがより好ましい。SP値の差が2よりも大きい場合、2種の樹脂のガラス転移点は明確に分離するが、ドメイン領域が粗大化しやすくなり、ドメインの分散径が500nmよりも大きくなることがある。
前記結着樹脂におけるSP値の差は、1以上2以下がさらに好ましい。
なお、結着樹脂を3種以上含む場合は、ΔSP値が上記を満たす2種の結着樹脂を少なくとも含む場合、上記の効果が得られる。
また、ドメイン構造がドメイン樹脂とマトリックス樹脂とから形成されている場合は、ΔSP値はマトリックス樹脂のSP値−ドメイン樹脂のSP値で表される。
ここで前記SP値(溶解性パラメータ/Solubility Parameter)について説明する。前記SP値とは、溶解性パラメータと言われるもので、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものである。前記SP値は、互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。なお、前記CEDとは、1mLのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
本発明における前記SP値の計算は、Fedors法により下記計算式(I)を用いて行うことができる。
SP値(溶解パラメータ)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・・計算式(I)
前記計算式(I)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm/mol)であり、原子団の蒸発エネルギーをΔei、モル体積をΔviとしたとき、各々下の計算式(II)、計算式(III)で表される。
E=ΣΔei ・・・計算式(II)
V=ΣΔvi ・・・計算式(III)
本計算方法、各原子団の蒸発エネルギーΔei及びモル体積Δviの諸データは、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載のデータを用いる。
また、−CF基等示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照する。
なお、参考までに、計算式(I)で示されるSP値を(J/cm1/2に換算する場合には2.046を、SI単位(J/m1/2に換算する場合には、2,046を、乗ずればよい。
通常、重合途中でモノマーを追加し樹脂骨格を変化させた樹脂などでは、仕込み組成比からのSP値の算出は困難となる。また、トナーに含まれる成分についても、一般にその組成が不明であることが多くSP値の算出は困難である。
ところが、前記Fedors法によるSP値の算出は、樹脂などを構成するモノマーの種類と比率とを特定すれば算出が可能となる。
<結着樹脂>
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂を用いることが好ましく、中でも2種の非晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリステル樹脂の組成としては、適宜変更することが可能であり、後述する顔料やワックスなどの離型剤との親和性を加味したものでもよいし、モノマーとして例えばジオール成分やジカルボン酸成分等が挙げられる。
−ジオール成分−
前記ジオール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜12の脂肪族ジオールが好ましい。
これらのジオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ジカルボン酸成分−
前記ジカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、これらの誘導体などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1〜3)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
これらのジカルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶融特性を制御する目的で、分岐成分、架橋成分を含んでもよい。
前記分岐成分、架橋成分として、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能脂肪族アルコール、トリメリット酸等の多官能カルボン酸、ヘキサメチレンジイソシアネートの3両体からなるイソシアヌレートなどがモノマー成分として挙げられる。
−結晶性ポリエステル樹脂−
前記2種類の非晶性ポリエステル樹脂以外に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。結晶性ポリエステル樹脂をトナー中に導入すること自体は、低温定着性と耐熱保存性を両立できる技術として公知である。
結晶性ポリエステル樹脂としては、上記低温定着性の観点より融点は60℃〜120℃が好ましい。また、前記結晶性ポリエステルに残存するモノマーオリゴマーが少ないことが望まれ、重量平均分子量として10,000以上が好ましい。なお、重合平均分子量の上限に制限はないが、製造しやすさ等の観点から35,000以下が好ましい。
結着樹脂の含有量は、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能であるが、例えばトナー母体中に10〜95質量%含まれることが好ましい。上記範囲であると、定着性、帯電特性等に優れる。
また、前記白色トナーを150℃で30分加熱した後の断面の位相像を走査型プローブ顕微鏡のタッピングモードで観察した際に、前記結着樹脂の位相像における位相差の最大値と最小値との中間値で二値化処理して得られる二値化像において、位相差が大きい部位を第一の位相像とし、位相差が小さい部位を第二の位相像としたとき、以下となることが好ましい。すなわち、前記結着樹脂は、前記第一の位相像となるドメイン樹脂と、前記第二の位相像となるマトリックス樹脂とを含み、前記二値化像におけるマトリックス樹脂の面積/ドメイン樹脂の面積で表される面積比が70/30〜95/5であることが好ましい。この場合、トナー層内の光散乱効果が効果的に発現されやすいという利点がある。
<白色顔料>
本発明の白色トナーに用いられる白色の着色剤(白色顔料)としては、公知の着色剤を使用できる。中でも金属酸化物が好ましい。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化アルミ、硫酸バリウム、アンチモン白、硫化亜鉛、酸化ケイ素及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの中でも酸化チタンが好ましい。酸化チタンは、硫酸法、塩化法等のいずれの製造方法によっても得られる。また、アナターゼ型、ルチル型、またはブルカイト型等、いずれの結晶構造でもよい。
また、白色顔料の体積平均粒径は、0.1〜0.4μmであることが好ましく、0.2〜0.3μmであることがより好ましい。
白色顔料の含有量は、トナー母体中に3〜10質量%含まれることが好ましく、5〜8質量%がより好ましい。3質量%未満である場合は、着色度が低くなり、良好な隠蔽性が得られないことがある。また、10質量%を超える場合は、トナーとしての低温定着性や電気特性が阻害されることがある。
本発明で用いる白色顔料は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、前記結着樹脂と同じものが使用できる。また結着樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。
前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜100℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が50℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、100℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすいことがある。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60、島津製作所製)を用いて測定することができる。
まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2nd.ヒーティングにおける融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、100℃における測定値として、5mPa・sec〜100mPa・secが好ましく、5mPa・sec〜50mPa・secがより好ましく、5mPa・sec〜20mPa・secが特に好ましい。前記溶融粘度が、5mPa・sec未満であると、離型性が低下することがあり、100mPa・secを超えると、耐ホットオフセット性、及び低温での離型性が低下することがある。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがあり、20質量部を超えると、耐熱保存性、帯電性、転写性、耐ストレス性が低下することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)などが挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部が好ましく、0.02質量部〜2質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼすことがある。前記含有量が、5質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。
−外添剤−
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、脂肪酸金属塩、金属酸化物、疎水化処理された酸化チタン、フルオロポリマーなどが挙げられる。
前記脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなどが挙げられる。
前記シリカの市販品としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル社製)などが挙げられる。
前記酸化チタンの市販品としては、例えば、P−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業社製)、TAF−140(富士チタン工業社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ社製)などが挙げられる。
前記疎水化処理された酸化チタンの市販品としては、例えば、T−805(日本アエロジル社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ社製)、IT−S(石原産業社製)などが挙げられる。
疎水化処理の方法としては、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理する方法などが挙げられる。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.3質量部〜3質量部がより好ましい。
前記外添剤の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、3nm〜70nmがより好ましい。前記平均粒径が、3nm未満であると、外添剤がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、感光体表面を不均一に傷つけることがある。
<トナーの粒径>
本発明の白色トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3μm〜8μmが好ましい。前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、1.00〜1.25が好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記(Dv)及び(Dn)は、コールターカウンター法により測定できる。測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII、コールターマルチサイザーIII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行い、上記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式造粒法、粉砕法などが挙げられる。前記湿式造粒法としては、例えば、溶解懸濁法、乳化凝集法などが挙げられる。混練による分子切断、及び高分子量樹脂と低分子量樹脂との均一混練の難しさから、結着樹脂の混練を伴わない製造方法である、溶解懸濁法、乳化凝集法が好ましく、トナー粒子中の樹脂均一性の観点から溶解懸濁法がより好ましい。
また、前記トナーは、特許第4531076号公報に示されるような粒子製造方法、即ち、トナーを構成する材料を液状又は超臨界状態の二酸化炭素に溶解させた後に、この液状又は超臨界状態の二酸化炭素を除去することによりトナー粒子を得る粒子製造方法によっても製造することができる。
−溶解懸濁法−
前記溶解懸濁法としては、例えば、トナー材料相調製工程と、水系媒体相調製工程と、乳化乃至分散液調製工程と、有機溶剤除去工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む方法などが挙げられる。
−−トナー材料相(油相)調製工程−−
前記トナー材料相調製工程は、少なくとも前記結着樹脂を含有し、更に必要に応じて、前記着色剤、前記離型剤などを含有するトナー材料を有機溶剤中に溶解又は分散させてトナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相又は油相と呼ぶこともある。)を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料100質量部に対して300質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、25質量部〜70質量部が特に好ましい。
−−水系媒体相(水相)調製工程−−
前記水系媒体相調製工程としては、水系媒体相を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。この工程においては、水系媒体中に樹脂微粒子を含む水系媒体相を調製することが好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水系媒体相の調製は、例えば、界面活性剤の存在下で前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行う。前記水系媒体中に前記界面活性剤、前記樹脂微粒子などを適宜加えるのは、前記トナー材料の分散を良好にするためである。
前記界面活性剤と前記樹脂微粒子の前記水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、それぞれ、前記水系媒体に対して0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセリールボレイト脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。前記樹脂微粒子の材質としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
前記ビニル系樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。
前記樹脂微粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜200nmが好ましく、20nm〜300nmがより好ましい。
前記水系媒体相の調製においては、分散剤としてセルロースを用いてもよい。前記セルロースとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
−−乳化乃至分散液調製工程−−
前記乳化乃至分散液調製工程としては、前記トナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相)と前記水系媒体相とを混合して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
乳化乃至分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。前記分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。
前記トナー材料相100質量部に対する前記水系媒体相の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部未満であると、トナー材料相の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがある。前記使用量が、2,000質量部を超えると、経済的でない。
−−有機溶剤除去工程−−
前記有機溶剤除去工程としては、前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去し脱溶剤スラリーを得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記乳化乃至分散液の油滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)前記乳化乃至分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、前記乳化乃至分散液の油滴中の有機溶剤を完全に除去する方法などが挙げられる。有機溶剤の除去が行われるとトナー粒子が形成される。
−−その他の工程−−
前記その他の工程としては、例えば、洗浄工程、乾燥工程などが挙げられる。
−−−洗浄工程−−−
前記洗浄工程としては、前記有機溶剤除去工程の後に、前記脱溶剤スラリーを水で洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記水としては、例えば、イオン交換水などが挙げられる。
−−−乾燥工程−−−
前記乾燥工程としては、前記洗浄工程で得られたトナー粒子を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−粉砕法−
前記粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂を含有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練は、前記トナー材料を混合して得られた混合物を溶融混練機に仕込んで行う。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機などが挙げられる。具体的には、例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダーなどが挙げられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕は、前記溶融混練で得られた混練物を粉砕する工程である。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を所定粒径の粒子に調整する工程である。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器などにより、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有する。前記現像剤は、一成分現像剤として使用してもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。中でも、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
また、本発明の現像剤は補給用現像剤として使用することも可能である。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
<<芯材>>
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケルが好ましい。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合、前記フェライトとしては、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライトが好ましい。
<<樹脂層>>
前記樹脂層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性した変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性シリコーン樹脂)、KR5208(アクリル変性シリコーン樹脂)、ES1001N(エポキシ変性シリコーン樹脂)、KR305(ウレタン変性シリコーン樹脂);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性シリコーン樹脂)、SR2110(アルキド変性シリコーン樹脂)などが挙げられる。
なお、前記シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層を形成する成分の前記キャリアにおける含有量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合の前記トナーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記キャリア100質量部に対して、2.0質量部〜12.0質量部が好ましく、2.5質量部〜10.0質量部がより好ましい。
(画像形成装置及び画像形成方法)
次に、本発明の画像形成装置及び本発明の白色トナーを使用する画像形成方法について説明する。
前記画像形成方法は、電子写真方式により、透明フィルム上に、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーを含むフルカラー画像を形成し、該フルカラー画像の作像面とは逆の面側から画像を見るために、作像面の最上面に(即ち、前記形成されたフルカラー画像上に)本発明の白色トナーを用いて白色トナーのベタ画像を形成する画像形成方法である。
上記画像形成は、透明フィルム上に、最初にフルカラー画像を形成し、その後、該フルカラー画像上に、白色トナーのベタ画像を形成してもよいし、フィルム上に、最初に白色トナーのベタ画像を形成し、その後、該ベタ画像上にフルカラー画像を形成してもよい。
本発明の白色トナーを用いて画像を形成することにより、フルカラー画像の記録媒体として透明フィルムなどが用いられてもコントラストがある画像とすることができる。
なお、画像形成は透明フィルム上に行ってもよいし、その他にも普通紙や色紙等に行ってもよい。以下、透明フィルム上に画像形成する例を挙げて説明するが、これに限られるものではない。
フルカラー画像の形成は、透明フィルム上に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーを用いて、静電荷像形成工程、現像工程、転写工程、定着工程、及びクリーニング工程を少なくとも有し、必要に応じて、その他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を有するフルカラー画像形成装置を用いて形成する。
次に、得られたフルカラー画像の形成された透明フィルムの画像形成面の全面に、別の画像形成装置を用いて、本発明の白色トナーを用いて白色トナーのベタ画像を形成する。
これに対して、転写ベルト上の画像を透明フィルム上に転写する場合は、例えば、後述のように5色の現像機ユニットを備えている画像形成装置を使用し、転写ベルト上に最初に白色トナーのベタ画像を形成し、該ベタ画像上に順次ブラック、シアン、マゼンタ、イエロートナーによるフルカラー画像を形成した後、透明フィルム上にフルカラー画像形成面のほうから転写するという方法である。
このように形成することにより、フルカラー画像の作像面とは逆の面側から画像を見ることによりコントラストのよいフルカラー画像を見ることができる。
本発明の画像形成装置の一実施形態について、図1等を参照しつつ説明する。図1に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10(静電潜像担持体)と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置による露光30と、現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニング手段としてのクリーニングブレード60と、除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレード90が配置されており、また、記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー画像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像器40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が感光体ドラム10と接触している。
図1に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置が感光体ドラム10上に像様に露光30を行い、静電潜像を形成する。感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像してトナー像を形成する。該トナー像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に記録媒体95上に転写(二次転写)される。その結果、記録媒体95上には転写像が形成される。なお、感光体ドラム10上の残存トナーは、クリーニングブレード60により除去され、感光体ドラム10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
次に、本発明の画像形成装置の他の実施形態について、図2の画像形成装置を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置100は、図1に示す画像形成装置100において、現像剤担持体としての現像ベルト41を備えておらず、静電潜像担持体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図1に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図2においては、図1におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置の他の実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3に示すタンデム画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置120は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング手段17が配置されている。
支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光手段21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写手段22が配置されている。
二次転写手段22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写手段22の近傍には定着手段25が配置されている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写手段22及び定着手段25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるための反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。
即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図4に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静潜像担持体10C)を備える。さらに、該静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電器と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図4中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像器61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング手段63と、除電器64とを備えている。そして、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。
こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上の記録媒体を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写手段22との間に記録媒体を送出させ、二次転写手段22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。
なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング手段17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、二次転写手段22により搬送されて、定着手段25へと送出され、定着手段25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。その後、該記録媒体は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
次に、フルカラー画像の背面に白色トナーによる画像を形成する場合について説明すると、例えば5色の現像機ユニットを備えた画像形成装置を使用して行うことができる。
図5に5色現像機ユニットを備えた画像形成装置の概略を示す。現像ユニット35は白色トナー、現像ユニット36はブラックトナー、現像ユニット37はシアントナー、現像ユニット38はマゼンタトナー、現像ユニット39はイエロートナーにより、それぞれ作像を行い、中間転写ベルト40に転写し、作像を行う。中間転写ベルト40に作像された画像は、転写装置41により透明フィルム等に転写され、定着装置43により定着される。
図5の場合は、作像面最上面に白色トナーの層ができるので、作像されていないフィルム面から、フルカラー画像を見ることができる。一方、黒紙や色紙等の場合には、ベースに白色トナーの層を設けたいので、現像ユニットの位置を変更する必要がある。白色の現像ユニット35を、イエローの現像ユニット39の場所に設置し、その他の現像ユニットは、白色の現像ユニット35があった場所方向へ移動する。
本発明の画像形成は、上記のように5色の現像ユニットを備えた画像形成装置でも可能であるが、フルカラー画像の作像と白色画像の作像を、それぞれ分けた機械で行ってもかまわない。例えば、現在市販されているフルカラーMFPなどによりカラー画像を作像し、現在市販されているモノクロMFPにより、本発明の白色トナーを作像してもかまわない。この場合は、既存の機種を改造するので、開発経費の面で有利となる。
また、白色トナーの作像を別の機械で実施するため、カラー画像の上に作像する場合は、定着した画像へ白色トナーを転写するので、トナーの混じりがない。また逆の場合の白色画像上に作像する場合は、定着した白色トナー上に、カラートナーを転写するので、この場合もトナーの混じりが生じない。
一方、図5の場合では、未定着トナーを重ねて転写するため、トナーが混ざらないように、転写と定着で注意を要する。特に白色トナーは、隠蔽性が高いので、トナーが混ざった場合は発色に与える影響が大きい。なお、上記MFPは、複写機に、FAX及びプリンター機能を追加した複合機のことである。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成することができる現像手段とを少なくとも有し、トナーとして本発明の白色トナーを用いる。更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記プロセスカートリッジは、前記静電潜像担持体と現像手段とが、一体に支持されており、前記画像形成装置本体に着脱可能である。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図6に示すように、静電潜像担持体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図6中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
図6に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。以下、実施例12とあるのは、本発明に含まれない参考例12とする。
(製造例1)
<マトリックス樹脂M−1の製造>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル及びアジピン酸ジメチルとを、テレフタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルとのモル比(テレフタル酸ジメチル/アジピン酸ジメチル)が90/10であり、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が1.2になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドとともにメタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にてMwが15,000になるまで反応させた。続けて反応温度を180℃まで下げて、無水トリメリット酸を加えることによって、末端にカルボン酸を付与させた非晶性ポリエステル樹脂である[マトリックス樹脂M−1]を得た。
得られた樹脂は、重量平均分子量(Mw)15,000、酸価(AV)18mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)58℃であった。仕込み比で計算したSP値は11.80であった。
<マトリックス樹脂M−2の製造>
[マトリックス樹脂M−1]の製造において、ジカルボン酸とジオールを表1に示す通りに変更した以外は同様にして、[マトリックス樹脂M−2]の製造を行った。
Figure 0006874573
(製造例2)
<ドメイン樹脂D−1の製造>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして3−メチル1,5−ペンタンジオールと、ビスフェノールAのエチレンオキシド2mol付加物を、3−メチル1,5−ペンタンジオールとビスフェノールAのエチレンオキシド2mol付加物のモル比が80/20であり、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルを、テレフタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルとのモル比が10/90であり、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が1.1となるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドとともにメタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg〜30mmHgの減圧下にて重量平均分子量(Mw)が20,000になるまで反応させ、線状の非晶性ポリエステル樹脂である[ドメイン樹脂D−1]を得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)0.35mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)−40℃であった。仕込み比で計算したSP値は10.36であった。
<ドメイン樹脂D−2〜D−6の製造>
[ドメイン樹脂D−1]の製造において、ジカルボン酸とジオールを表2に示す通りに変更した以外は同様にして、[ドメイン樹脂D−2〜D−6]の製造を行った。
Figure 0006874573
(製造例3)
<結晶性ポリエステル樹脂C1の製造>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,9−ノナンジオールとドデカン二酸とを、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が1.1となるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドとともに水を流出させながら反応させ、最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、10mmHg以下の減圧下で6時間反応させ、[結晶性ポリエステル樹脂C1]を得た。
得られた樹脂は、酸価(AV)0.45mgKOH/g、融点(Tm)70℃であった。
(製造例4)
<着色剤マスターバッチP1の製造>
[マトリックス樹脂M−1]100部、酸化チタン顔料(タイペークCR−50−2、石原産業社製)100部、及びイオン交換水30部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス/三井鉱山社製)により混練した。混練温度は、90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却し、樹脂と顔料の比率(質量比)が1:1である[着色剤マスターバッチP1]を製造した。
<着色剤マスターバッチP2〜P3の製造>
[着色剤マスターバッチP1]の製造において、酸化チタン顔料を表3に示す通りに変更した以外は同様にして、[着色剤マスターバッチP2〜P3]の製造を行った。[着色剤マスターバッチP2]ではCR−60−2(石原産業社製)を用い、[着色剤マスターバッチP3]ではR−780(石原産業社製)を用いた。
Figure 0006874573
(製造例5)
<ワックス分散液の製造>
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス(HNP−9(融点75℃)、日本精蝋社製)20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間かけて30℃まで冷却した。次いで、ウルトラビスコミル(アイメックス社製)により、送液速度1.0Kg/時間、ディスク周速度:10m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液]を製造した。
(実施例1)
<トナー1の製造>
温度計及び攪拌機を装備した容器に、[マトリックス樹脂M−1]80部、[ドメイン樹脂D−1]9部、[結晶性ポリエステル樹脂C1]5部、及び酢酸エチル94部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ワックス分散液]25部、及び[着色剤マスターバッチP1]10部を加え、50℃でTK式ホモミキサー(特殊機化社製)により、回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させ、[油相1]を得た。
次に、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、イオン交換水75部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25%分散液(三洋化成工業社製)3部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)16部、及び酢酸エチル5部を混合撹拌して水相溶液を作製した。
この水相溶液に、[油相1]50部を加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)により、回転数12,000rpmで1分間混合して、[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、50℃で2時間脱溶剤して、トナー母粒子の[スラリー1]を得た。
この[スラリー1]100部を減圧濾過し濾過ケーキを得た。その濾過ケーキについて、以下の(1)〜(4)の洗浄処理を行い[濾過ケーキ1]を得た。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過する操作を2回行った。
得られた[濾過ケーキ1]を循風乾燥機により45℃で48時間乾燥させた。その後、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を作製した。
次に、[トナー母体粒子1]100部に疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部、酸化チタン(MT−150AI、テイカ社製)0.3部を、ヘンシェルミキサーにより混合して、[トナー1]を製造した。
(実施例2)
実施例1のトナーの製造工程において、[着色剤マスターバッチP1]10部を6部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー2]を得た。
(実施例3)
実施例1のトナーの製造工程において、[着色剤マスターバッチP1]10部を20部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー3]を得た。
(実施例4)
実施例1のトナーの製造工程において、[ドメイン樹脂D−1]9部を[ドメイン樹脂D−2]9部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー4]を得た。
(実施例5)
実施例1のトナーの製造工程において、[ドメイン樹脂D−1]9部を[ドメイン樹脂D−3]9部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー5]を得た。
(実施例6)
実施例1のトナーの製造工程において、[ドメイン樹脂D−1]9部を[ドメイン樹脂D−4]9部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー6]を得た。
(実施例7)
実施例1のトナーの製造工程において、[ドメイン樹脂D−1]9部を[ドメイン樹脂D−5]9部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー7]を得た。
(実施例8)
実施例1のトナーの製造工程において、[着色剤マスターバッチP1]10部を[着色剤マスターバッチP2]10部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー8]を得た。
(実施例9)
実施例1のトナーの製造工程において、[着色剤マスターバッチP1]10部を[着色剤マスターバッチP3]10部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー9]を得た。
(実施例10)
実施例1のトナーの製造工程において、[着色剤マスターバッチP1]10部を60部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー10]を得た。
(実施例11)
実施例1のトナーの製造工程において、[着色剤マスターバッチP1]10部を2部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー11]を得た。
(実施例12)
実施例1のトナーの製造工程において、[マトリックス樹脂M−1]80部を[マトリックス樹脂M−2]80部に、[ドメイン樹脂D−1]9部を[ドメイン樹脂D−6]9部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー12]を得た。
(比較例1)
実施例1のトナーの製造工程において、[マトリックス樹脂M−1]80部を[マトリックス樹脂M−2]80部に、[ドメイン樹脂D−1]9部を[ドメイン樹脂D−3]9部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー13]を得た。
(比較例2)
実施例1のトナーの製造工程において、[マトリックス樹脂M−1]80部を[マトリックス樹脂M−2]80部に、[ドメイン樹脂D−1]9部を[ドメイン樹脂D−4]9部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー14]を得た。
(比較例3)
実施例1のトナーの製造工程において、[マトリックス樹脂M−1]80部を[マトリックス樹脂M−2]80部に、[ドメイン樹脂D−1]9部を[ドメイン樹脂D−5]9部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー15]を得た。
(比較例4)
実施例1のトナーの製造工程において、[着色剤マスターバッチP1]を用いなかった以外は実施例1と同様にして[トナー16]を得た。
(比較例5)
実施例1のトナーの製造工程において、[ドメイン樹脂D−1]を用いなかった以外は実施例1と同様にして[トナー17]を得た。
上記得られたトナーについて、用いた樹脂と顔料の種類、顔料含有量、ΔSP値を表4〜表6に示す。表中、顔料含有量はトナー母体粒子に対する割合を表す。
Figure 0006874573
Figure 0006874573
Figure 0006874573
<キャリア1の製造>
芯材には、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5,000部を用いた。
被覆材には、トルエン300部、ブチルセロソルブ300部、アクリル樹脂溶液(組成比はメタクリル酸:メタクリル酸メチル:2−ヒドロキシエチルアクリレート=5:9:3、固形分50%トルエン溶液、Tg38℃)60部、N−テトラメトキシメチルベンゾグアナミン樹脂溶液(重合度1.5、固形分77%トルエン溶液)15部、及びアルミナ粒子(平均一次粒子径0.30μm)15部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いた。
前記芯材と、前記コート液とを、流動床内で回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入し、前記コート液を前記芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で220℃、2時間の条件で焼成し、[キャリア1]を得た。
<現像剤1の製造>
[キャリア1]100部に対し、[トナー1]7部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて、48rpmで5分間均一混合し、二成分現像剤である[現像剤1]を得た。
(評価)
作像試験は、次のように行った。
<作像装置>
実施例及び比較例の白色トナーを評価するに当り、デジタルフルカラー複写機とデジタルモノクロ複写を連結した試作機を作製した。デジタルフルカラー複写機はリコー社製imagio MPC4500(評価機A)を、デジタルモノクロ複写機はリコー社製imagio Neo453(評価機B)を改造して用いた。デジタルフルカラー複写機は、標準のフルカラートナーをそのまま使用し、定着部から出てくる用紙やOHPが、デジタルモノクロ複写機に、給紙されるようにした。なお、リコー社製imagio MPC4500のフルカラートナーは重合法により製造されたカラートナーである。デジタルモノクロ複写機には、実施例と比較例の白色トナー(現像剤)を入れて、それぞれ評価を行った。白色トナーの作像は、付着量が約1.0mg/cmとなるように調整し、ベタ画像を出すように、デジタルモノクロ複写機を設定した。
<作像サンプル>
作像サンプルは、OHPフィルムにフルカラー画像を作像し、更にその上に白色トナーを一面に作像した。すなわち、白色トナーが形成された画像側とは逆の方向(フィルム側)からフルカラー画像を見るサンプルを作成した。OHPフィルムは、3M社製CG3700を使用した。フルカラー画像は、高精細カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCIDサンプル N5 自転車)を印字した。
<評価項目及び評価方法>
−白色度−
評価機Bで白色トナーをOHPフィルムの一面に印字した画像を黒紙の上に置き、画像の白色度を確認した。なお、測定は国際的なISO白色度(ISO 2470)に倣って行った。
〔評価基準〕
◎:白色度が85%以上である。
○:白色度が80%以上、85%未満である。
△:白色度が75%以上、80%未満である。
×:白色度が75%未満である。
−折り曲げ耐性−
評価機Bで、OHPフィルムに白色トナーを一面に印字した画像の強度を評価した。折り曲げ試験として、トナー定着面が外側になるようにOHPを折り曲げていき、トナーが剥がれる時のOHPの曲率Rmmを測定した。
〔評価基準〕
◎:曲率Rmmが2mm未満である。
○:曲率Rmmが2mm以上、3mm未満である。
△:曲率Rmmが3mm以上、4mm未満である。
×:曲率Rmmが4mm以上である。
−帯電性−
評価機Bで、5%画像面積の画像チャートを画像1000枚出力後の、白色トナーの現像剤の帯電量(Q/M)をブローオフ装置によって測定した。
〔評価基準〕
◎:Q/Mが−25μC未満である。
○:Q/Mが−25μC以上、−20μC未満である。
△:Q/Mが−20μC以上、−15μC未満である。
×:Q/Mが−15μC以上である。
−低温定着性−
評価機Bを用い、転写紙(リコービジネスエキスパート社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナーの付着量が0.85±0.10mg/cmの紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260〜320μm、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度を定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。
〔評価基準〕
◎:定着下限温度が120℃未満である。
○:定着下限温度が120℃以上、130℃未満である。
△:定着下限温度が130℃以上、140℃未満である。
×:定着下限温度が140℃以上である。
−分散径の測定−
得られたトナーサンプル3gを、槽内を150℃に設定した送風型恒温槽に入れ、30分静置した。その後、サンプルを23℃/50%RHの環境に移し、12時間静置したものを、以下の方法にて切断して切片を出し、AFM観察用のサンプルとした。これについて以下の方法にてAFM観察を行った。
−−切片の作製−−
ライカ社製ウルトラミクロトームULTRACUT UCTを用いて、以下の条件で加熱後のトナーのブロックを切断して切片を作製した。
・切削厚み:60nm
・切削速度:0.4mm/sec
・ダイヤモンドナイフ(Ultra Sonic 35°)使用
−−AFM観察−−
AFM位相像を得るための装置としては、アサイラムテクノロジー社製のMFP−3Dを用い、カンチレバーとしては、OMCL−AC240TS−C3を用いた。測定条件は次の通りである。
・target amplitude:0.5V
・target percent:−5%
・amplitude setpoint:315mV
・scan rate:1Hz
・scan points:256×256
・scan angle:0°
タッピングモードAFMにより得られた位相像における位相差の最大値と位相差の最小値との中間値で二値化処理して二値化像を得た。位相差の小さい部位が濃色(第二の位相像)、位相差の大きい部位が淡色(第一の位相像)のコントラストとなるようにした。トナー断面の中で、300nm四方となるように位相像を10点選択し二値化を行い、選択した10点の位相像の中に存在する第一の位相差像におけるドット状の構造のフェレ径を計測し、それらの平均値を算出した。
また、上記二値化像において、第一の位相像(ドメイン樹脂)と第二の位相像(マトリックス樹脂)の面積比(マトリックス樹脂の面積/ドメイン樹脂の面積)を求めた。
得られた結果を表7〜表9に示す。
Figure 0006874573
Figure 0006874573
Figure 0006874573
(図1〜図4について)
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング手段
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写手段
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着手段
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
30 露光
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像器
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニングブレード
61 現像器
62 転写帯電器
63 クリーニング手段
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニングブレード
95 記録媒体
100 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図5について)
1 給紙部
5,11,17,23,29 感光体
8,14,20,26,32 現像器
9,15,21,27,33 クリーニング装置
35 白色トナー現像ユニット
36 ブラックトナー現像ユニット
37 シアントナー現像ユニット
38 マゼンタトナー現像ユニット
39 イエロートナー現像ユニット
40 中間転写ベルト
41 転写装置
43 定着装置
(図6について)
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
特開2006−220694号公報 特開平1−105962号公報 特開2000−056514号公報 特開2010−8816号公報

Claims (9)

  1. 白色顔料及び結着樹脂を含む静電荷像現像用白色トナーであって、
    前記結着樹脂は、マトリックス樹脂及びドメイン樹脂を有し、前記マトリックス樹脂及び前記ドメイン樹脂からなるドメイン構造を有し、
    前記マトリックス樹脂及び前記ドメイン樹脂は、ポリエステル樹脂であり、Fedors法によって求められるSP値の差が0.5以上異なり、
    該静電荷像現像用白色トナーを150℃で30分加熱した後の断面を走査型プローブ顕微鏡で観察した際に、分散径150〜500nmのドメインが存在することを特徴とする静電荷像現像用白色トナー。
  2. 前記静電荷像現像用白色トナーは、トナー母体と、外添剤とからなり、
    前記白色顔料は、前記トナー母体中に3〜10質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用白色トナー。
  3. 前記白色顔料は、金属酸化物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用白色トナー。
  4. 前記ドメイン樹脂のガラス転移温度は、−40℃以上−27℃以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の静電荷像現像用白色トナー。
  5. 前記静電荷像現像用白色トナーを150℃で30分加熱した後の断面の位相像を走査型プローブ顕微鏡のタッピングモードで観察した際に、前記結着樹脂の位相像における位相差の最大値と最小値との中間値で二値化処理して得られる二値化像において、位相差が大きい部位を第一の位相像とし、位相差が小さい部位を第二の位相像としたとき、
    前記結着樹脂は、前記第一の位相像となるドメイン樹脂と、前記第二の位相像となるマトリックス樹脂とを含み、前記二値化像におけるマトリックス樹脂の面積/ドメイン樹脂の面積で表される面積比が70/30〜95/5であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の静電荷像現像用白色トナー。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の静電荷像現像用白色トナーを含むことを特徴とする現像剤。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の静電荷像現像用白色トナーを含むことを特徴とする補給用現像剤。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の静電荷像現像用白色トナーを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の静電荷像現像用白色トナーを有することを特徴とする画像形成装置。
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