JP6874189B2 - アクセサリ装置、撮像装置および通信制御プログラム - Google Patents

アクセサリ装置、撮像装置および通信制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、相互に通信が可能な撮像装置と交換レンズ等のアクセサリ装置に関する。
レンズ交換型カメラシステムには、カメラ本体としての撮像装置が撮像処理やレンズ制御を行い、交換レンズとしてのレンズ装置がカメラ本体からの制御命令に従ってレンズ駆動を行うシステムが知られている。こうしたカメラシステムにおいては、カメラ本体から交換レンズへの制御命令の伝達と交換レンズからカメラ本体へのレンズ情報の伝達は、相互に情報のやりとりをするための通信チャネルを介して行われる。
また、レンズ交換型カメラシステムの中でも特にデジタルカメラシステムでは、動画撮影時やライブビュー撮影時に撮像周期に合わせた滑らかなレンズ制御が求められている。このためには、カメラ本体の撮像タイミングと交換レンズの制御タイミングとの同期をとる必要があり、カメラ本体は、レンズ制御に必要なレンズ情報の取得と交換レンズへの制御命令の送信を撮像周期内で完了させる必要がある。
一方、撮像技術の高度化によってカメラ本体が交換レンズから取得するレンズ情報のデータ量が増加し、フレームレートが高速化している。これにより、従来よりも短時間に大量のデータを通信する必要が生じている。
特許文献1には、クロックチャネルと、カメラ本体から交換レンズへのデータ送信チャネルと、交換レンズからカメラ本体へのデータ送信チャネルの3つのチャネルから構成されるクロック同期式の通信システムが開示されている。この通信システムでは、まずカメラ本体が通信マスタとしてクロック信号を生成し、クロックチャネルを介して1フレームのクロック信号を交換レンズに出力する。その後、クロックチャネルの入出力が入れ替わり、カメラ本体に代わって通信マスタとなった交換レンズが同チャネルに通信待機要求を出力する。これにより、交換レンズはカメラ本体に対して通信後の処理待ち状態であることを通知することが可能となる。
特開平9−304804号公報
特許文献1にて開示された通信システムでは、同じチャネルにおいてクロック信号を出力するカメラ本体と通信待機要求を出力する交換レンズとの間で通信マスタを時間管理によって切り替える必要がある。このため、通信の衝突を防止する目的で、通信マスタを切り替える時間、すなわち通信を行うことができない通信無効時間を設ける必要があり、この結果、通信や制御の遅延を招くおそれがある。
このような問題を解決するために、交換レンズによるクロックチャネルへの通信待機要求信号の出力を止めると、交換レンズからカメラ本体への通信待機要求が一切できなくなる。通信待機要求信号を出力することなく大量のデータを通信すると、通信スレーブである交換レンズにおいて受信バッファのオーバーフローが生じたりカメラ本体に送信するデータの生成が間に合わなかったりした場合に通信が破綻するおそれがある。また、通信待機要求信号を出力するためにチャネルを新たに設けると、消費電力が増加し、カメラ本体や交換レンズの小型化が妨げられる。
本発明は、新たなチャネルを追加せずに、通信の破綻を招くことなくデータの送受信を高速に行うことができるアクセサリ装置及び撮像装置を実現することを目的とする。
撮像装置に対して着脱可能なアクセサリ装置であって、前記撮像装置との間に、前記撮像装置から前記アクセサリ装置への通知に用いられる通知チャネルと、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信に用いられるアクセサリデータ通信チャネルとを含むチャネルを設けるアクセサリ通信部、及び前記アクセサリ通信部の制御を行うアクセサリ制御部を有し、前記アクセサリ制御部は、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信を要求する送信要求信号を、前記通知チャネルを介して受信することに応じて、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して前記撮像装置に対してデータを送信し、前記アクセサリ制御部は、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して、前記撮像装置から前記アクセサリ装置に対して前記送信要求信号が送信されないようにするための通信待機要求信号を前記撮像装置に送信することを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、アクセサリ装置が取り外し可能に装着される撮像装置であって、前記アクセサリ装置との間に、前記撮像装置から前記アクセサリ装置への送信要求信号の送信に用いられる通知チャネルと、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信に用いられるアクセサリデータ通信チャネルとを含むチャネルを設ける撮像装置通信部、及び前記撮像装置通信部の制御を行う撮像装置制御部を有し、前記撮像装置制御部は、前記送信要求信号が送信されないようにするための通信待機要求信号を、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して前記アクセサリ装置から通知されている間は、前記送信要求信号を前記アクセサリ装置に送信しないことを特徴とする。
本発明によれば、新たなチャネルを追加せずに、通信の破綻を招くことなくデータの送受信を高速に行うことができるアクセサリ装置及び撮像装置が得られる。
本発明の撮像装置及びアクセサリ装置を含むカメラシステムの構成を示すブロック図である。 撮像装置とアクセサリ装置の間の通信回路を示す概略図である。 通信モードM1における通信波形を示す概略図である。 通信モードM2における通信波形を示す概略図である。 通信モードM3における通信波形を示す概略図である。 アクセサリ装置及び撮像装置において通信フォーマットを決定するフローを説明するフローチャートである。 通信モードM2におけるデータ通信フローを説明するフローチャートである。
以下、本発明のアクセサリ装置としての交換レンズ及び撮像装置としてのカメラ本体における通信制御方法について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。まず、本実施例における用語の定義について説明する。
「通信フォーマット」は、カメラ本体と交換レンズとの間の通信全体の取り決めを示す。「通信方式」はクロック同期式と調歩同期式を意味し、クロック同期式を通信方式A、調歩同期式を通信方式Bとする。「データフォーマット」は通信待機要求信号(BUSY信号)の付加の可否を示し、BUSY信号の付加を許可するデータフォーマットを「フォーマットF1」とし、BUSY信号の付加を禁止するデータフォーマットを「フォーマットF2」とする。
「通信モード」は、通信方式とデータフォーマットの組み合わせを意味し、本実施例では以下の3つの通信モードについて説明する。「通信モードM1」は通信方式AかつフォーマットF1の通信モードであり、「通信モードM2」は通信方式BかつフォーマットF1の通信モードである。また、「通信モードM3」は通信方式BかつフォーマットF2の通信モードである。
本発明は、通信モードM2におけるカメラ本体と交換レンズの間の通信制御に関する発明である。以下の実施形態においては、通信モードM2を含む複数の通信モードを切り替えて通信可能なカメラ本体と交換レンズを有する撮像システムを示す。このように通信モードを適宜切り替えて通信を行うことで、カメラ本体と交換レンズの組み合わせや撮影モードに応じて適切な通信モードを選択することができる。
例えば、カメラ本体と交換レンズが通信モードM3に対応していて、大容量のデータを送受信する場合には、それぞれの通信モードを通信モードM3に切り替えた後に、BUSY信号の付加が禁止された高速なデータ通信が実行される。また、交換レンズにおけるデータ処理にある程度の時間を要する場合には、カメラ本体と交換レンズの通信モードをそれぞれ通信モードM2に切り替えた後に、BUSY信号の付加が許可されたデータ通信が行われる。これにより、カメラ本体と交換レンズの間で通信の破綻を招くことのないデータ通信を実行することができる。
図1には、本発明の実施例1である撮像装置としてのカメラ本体200とこれに取り外し可能に装着されたアクセサリ装置としての交換レンズ100とを含む撮像システム(以下、カメラシステムという)の構成を示している。
カメラ本体200と交換レンズ100は、それぞれが有する通信部を介して制御命令や内部情報の伝送を行う。また、それぞれの通信部は複数の通信フォーマットをサポートしており、通信データの種類や通信目的に応じて互いに同期して同一の通信フォーマットに切り替えることにより、様々な状況に対する最適な通信フォーマットを選択することが可能となっている。
まず、交換レンズ100とカメラ本体200の具体的な構成について説明する。交換レンズ100とカメラ本体200は、結合機構であるマウント300を介して機械的および電気的に接続されている。交換レンズ100は、マウント300に設けられた不図示の電源端子を介してカメラ本体200から電力の供給を受け、後述する各種アクチュエータやレンズマイクロコンピュータ(以下、レンズマイコンという)111の制御を行う。また、交換レンズ100とカメラ本体200は、マウント300に設けられた通信端子(図2に示す)を介して相互に通信を行う。
交換レンズ100は、撮像光学系を有する。撮像光学系は、被写体OBJ側から順に、フィールドレンズ101と、変倍を行う変倍レンズ102と、光量を調節する絞りユニット114と、像振れ補正レンズ103と、焦点調節を行うフォーカスレンズ104とを含む。
変倍レンズ102とフォーカスレンズ104はそれぞれ、レンズ保持枠105、106により保持されている。レンズ保持枠105、106は、不図示のガイド軸により図中に破線で示した光軸方向に移動可能にガイドされており、それぞれステッピングモータ107、108によって光軸方向に駆動される。ステッピングモータ107、108はそれぞれ、駆動パルスに同期して変倍レンズ102およびフォーカスレンズ104を移動させる。
像振れ補正レンズ103は、撮像光学系の光軸に直交する方向に移動することで、手振れ等に起因する像振れを低減する。
レンズマイコン111は、交換レンズ100内の各部の動作を制御するアクセサリ制御部である。レンズマイコン111は、アクセサリ通信部としてのレンズ通信部112を介して、カメラ本体200から送信された制御コマンドを受信し、レンズデータの送信要求を受ける。また、レンズマイコン111は、制御コマンドに対応するレンズ制御を行い、レンズ通信部112を介して送信要求に対応するレンズデータをカメラ本体200に送信する。
また、レンズマイコン111は、制御コマンドのうち変倍やフォーカシングに関するコマンドに応答してズーム駆動回路119およびフォーカス駆動回路120に駆動信号を出力してステッピングモータ107、108を駆動させる。これにより、変倍レンズ102による変倍動作を制御するズーム処理やフォーカスレンズ104による焦点調節動作を制御するオートフォーカス処理を行う。
絞りユニット114は、絞り羽根114a、114bを備えて構成される。絞り羽根114a、114bの状態は、ホール素子115により検出され、増幅回路122およびA/D変換回路123を介してレンズマイコン111に入力される。レンズマイコン111は、A/D変換回路123からの入力信号に基づいて絞り駆動回路121に駆動信号を出力して絞りアクチュエータ113を駆動させる。これにより、絞りユニット114による光量調節動作を制御する。
さらに、レンズマイコン111は、交換レンズ100内に設けられた振動ジャイロ等の不図示の振れセンサにより検出された振れに応じて、防振駆動回路125を介して防振アクチュエータ126を駆動する。これにより、像振れ補正レンズ103のシフト動作を制御する防振処理が行われる。
カメラ本体200は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子201と、A/D変換回路202と、信号処理回路203と、記録部204と、カメラマイクロコンピュータ(以下、カメラマイコンという)205と、表示部206とを有する。
撮像素子201は、交換レンズ100内の撮像光学系により形成された被写体像を光電変換して電気信号(アナログ信号)を出力する。A/D変換回路202は、撮像素子201からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理回路203は、A/D変換回路202からのデジタル信号に対して各種画像処理を行って映像信号を生成する。
また、信号処理回路203は、映像信号から被写体像のコントラスト状態、つまり撮像光学系の焦点状態を示すフォーカス情報や露出状態を表す輝度情報も生成する。信号処理回路203は、映像信号を表示部206に出力し、表示部206は映像信号を構図やピント状態等の確認に用いられるライブビュー画像として表示する。
カメラ制御部としてのカメラマイコン205は、不図示の撮像指示スイッチおよび各種設定スイッチ等のカメラ操作部材からの入力に応じてカメラ本体200の制御を行う。また、カメラマイコン205は、カメラデータ送受信部208を介して、不図示のズームスイッチの操作に応じて変倍レンズ102の変倍動作に関する制御コマンドをレンズマイコン111に送信する。さらに、カメラマイコン205は、カメラデータ送受信部208bを介して、輝度情報に応じた絞りユニット114の光量調節動作やフォーカス情報に応じたフォーカスレンズ104の焦点調節動作に関する制御コマンドをレンズマイコン111に送信する。
次に、図2を用いてカメラ本体200と交換レンズ100との間で構成される通信回路とこれらの間で行われる通信制御について説明する。カメラマイコン205は、レンズマイコン111との間での通信フォーマットを管理する機能と、レンズマイコン111に対して送信要求等の通知を行う機能とを有する。また、レンズマイコン111は、レンズデータを生成する機能と該レンズデータを送信する機能とを有する。
カメラマイコン205とレンズマイコン111は、マウント300に設けられた通信端子とそれぞれに設けられた通信インタフェース回路208a、112aを介して通信を行う。ここで、通信インタフェース回路208aとカメラデータ送受信部208bを合わせてカメラ通信部208と呼び、通信インタフェース回路112aとレンズデータ送受信部112bを合わせてレンズ通信部112と呼ぶ。
本実施例では、カメラマイコン205とレンズマイコン111は、3つのチャネルを用いた3線式の通信方式A及び通信方式Bによるシリアル通信を行う。
上記3つのチャネルのうちの1つは、通信方式Aではクロックチャネルとなり、通信方式Bでは送信要求チャネルとなる通知チャネルである。他の2つのチャネルのうち1つは、レンズマイコン111からカメラマイコン205へのレンズデータ送信に用いられる第1のデータ通信チャネル(アクセサリデータ通信チャネル)である。もう1つのチャネルは、カメラマイコン205からレンズマイコン111へのカメラデータ送信に用いられる第2のデータ通信チャネル(撮像装置データ通信チャネル)である。
第1のデータ通信チャネルでレンズマイコン111からカメラマイコン205に信号として送信されるレンズデータを、レンズデータ信号DLCという。また、第2のデータ通信チャネルでカメラマイコン205からレンズマイコン111に信号として送信されるカメラデータを、カメラデータ信号DCLという。
まず、通信方式Aでの通信について説明する。通信方式Aでは、通信マスタとしてのカメラマイコン205から通信スレーブとしてのレンズマイコン111にクロック信号LCLKがクロックチャネルを介して出力される。カメラデータ信号DCLは、カメラマイコン205からレンズマイコン111への制御コマンドや送信要求コマンド等を含む。一方、レンズデータ信号DLCは、クロック信号LCLKに同期してレンズマイコン111からカメラマイコン205に送信される様々なデータを含む。カメラマイコン205とレンズマイコン111は、共通のクロック信号LCLKに同期して相互かつ同時に送受信を行う全二重通信方式(フルデュープレックス方式)で通信可能である。
図3(A)〜(C)には、カメラマイコン205とレンズマイコン111との間でやり取りされる信号の波形を示している。このやり取りの手順を取り決めたものを通信プロトコルと呼ぶ。
図3(A)は、最小通信単位である1フレームの信号波形を示している。まず、カメラマイコン205は、8周期のクロックパルスを1組とするクロック信号LCLKを出力するとともに、クロック信号LCLKに同期してレンズマイコン111に対してカメラデータ信号DCLを送信する。これと同時に、カメラマイコン205は、クロック信号LCLKに同期してレンズマイコン111から出力されたレンズデータ信号DLCを受信する。
このようにして、レンズマイコン111とカメラマイコン205との間で1組のクロック信号LCLKに同期して1バイト(8ビット)のデータが送受信される。この1バイトのデータ送受信の期間をデータフレームと呼ぶ。この1バイトのデータの送受信後に、レンズマイコン111がカメラマイコン205に対して通信待機要求BUSYを通知する信号(以下、BUSY信号という)を送信し、これにより通信待機期間が挿入される。この通信待機期間をBUSYフレームと呼び、BUSYフレームを受信している間、カメラマイコン205は通信待機状態となる。そして、データフレーム期間とBUSYフレーム期間とを1組とする通信単位が1フレームとなる。なお、通信状況により、BUSYフレームが付加されない場合もあるが、この場合はデータフレーム期間のみで1フレームが構成される。
図3(B)は、カメラマイコン205がレンズマイコン111に要求コマンドCMD1を送信し、これに対応する2バイトのレンズデータDT1(DT1a、DT1b)をレンズマイコン111から受信するときの信号波形を示している。図3(B)では、「通信CMD1」に応じてデータ通信が実行される例を示している。
カメラマイコン205とレンズマイコン111との間では、予め複数種類のコマンドCMDのそれぞれに対応するレンズデータDTの種類とバイト数が決められている。通信マスタであるカメラマイコン205が、特定のコマンドCMDをレンズマイコン111に送信すると、レンズマイコン111は該コマンドCMDに対応するレンズデータバイト数の情報に基づいて必要なクロック数をカメラマイコン205に送信する。また、コマンドCMD1に対するレンズマイコン111の処理には、各フレームのクロック信号LCLKにBUSY信号を重畳することが含まれており、データフレーム間には上述したBUSYフレームが挿入される。
通信CMD1では、カメラマイコン205はクロック信号LCLKをレンズマイコン111に送信し、さらにレンズデータDT1の送信を要求する要求コマンドCMD1をカメラデータ信号DCLとしてレンズマイコン111に送信する。このフレームでのレンズデータ信号DLCは無効データとして扱われる。
続いて、カメラマイコン205は、クロックチャネルでクロック信号LCLKを8周期だけ出力した後にカメラマイコン側(カメラ本体側)のクロックチャネルを出力設定から入力設定に切り替える。レンズマイコン111は、カメラマイコン側のクロックチャネルの切り替えが完了すると、レンズマイコン111側(交換レンズ側)のクロックチャネルを入力設定から出力設定に切り替える。そして、レンズマイコン111は、通信待機要求BUSYをカメラマイコン205に通知するために、クロックチャネルの電圧レベルをLowにする。これにより、クロックチャネルにBUSY信号を重畳する。カメラマイコン205は、通信待機要求BUSYが通知されている期間はクロックチャネルの入力設定を維持し、レンズマイコン111への通信を停止する。
レンズマイコン111は、通信待機要求BUSYの通知期間中に送信要求コマンドCMD1に対応するレンズデータDT1を生成する。そして、レンズデータDT1を次のフレームのレンズデータ信号DLCとして送信する準備が完了すると、レンズマイコン側のクロックチャネルの信号レベルをHighに切り替え、通信待機要求BUSYを解除する。
カメラマイコン205は、通信待機要求BUSYの解除を認識すると、1フレームのクロック信号LCLKをレンズマイコン111に送信することでレンズマイコン111からレンズデータDT1aを受信する。次のフレームでカメラマイコン205がクロック信号LCLKを再び8周期だけ出力したカメラマイコン205とレンズマイコン111が上記と同様の動作を繰り返すことで、カメラマイコン205はレンズマイコン111からレンズデータDT1bを受信する。
図3(C)は、カメラマイコン205がレンズマイコン111に要求コマンドCMD2を送信し、これに対応する3バイトのレンズデータDT2(DT2a〜DT2c)をレンズマイコン111から受信するときの信号波形を示している。図3(C)では、通信CMD2に応じてデータ通信が実行される例を示している。この通信CMD2での要求コマンドCMD2に対するレンズマイコン111の処理には、1フレーム目にのみクロックチャネルにBUSY信号を重畳することが含まれる。すなわち、レンズマイコン111は、続く2フレーム目から4フレーム目にはBUSY信号を重畳しない。
これにより、2フレーム目から4フレーム目までのフレーム間にBUSYフレームが挿入されず、フレーム間の待機期間を短くすることが可能である。ただし、BUSYフレームを挿入しない期間は、レンズマイコン111がカメラマイコン205に対して通信待機要求を送ることができない。このため、これによる通信の破綻が生じないように、送信するデータ数や送信間隔、レンズマイコン111内での通信処理の優先順位等を決定しておく必要がある。
次に、通信方式Bでの通信について説明する。ここでは通信方式Bを用いてフォーマットF1により通信を行う通信モードM2についても併せて説明する。図4には、通信モードM2においてカメラマイコン205とレンズマイコン111との間でやり取りされる通信信号の波形を示している。先に述べたように、フォーマットF1では、レンズデータ信号DLCにBUSYフレームが選択的に付加される。
通信方式Bにおいて、送信要求チャネルは、通信マスタであるカメラマイコン205から通信スレーブとしてのレンズマイコン111へのレンズデータの送信要求等の通知に用いられる。送信要求チャネルでの通知は該送信要求チャネルでの信号のレベル(電圧レベル)をHigh(第1のレベル)とLow(第2のレベル)との間で切り替えることで行う。以下の説明では、通信方式Bにおいて送信要求チャネルに供給される信号を送信要求信号RTSという。
第1のデータ通信チャネルは、通信方式Aと同様に、レンズマイコン111からカメラマイコン205への各種データを含むレンズデータ信号DLCの送信に用いられる。第2のデータ通信チャネルも、通信方式Aと同様に、カメラマイコン205からレンズマイコン111への制御コマンドや送信要求コマンド等を含むカメラデータ信号DCLの送信に用いられる。
通信方式Bでは、通信方式Aと異なり、カメラマイコン205とレンズマイコン111は、共通のクロック信号に同期してデータの送受信を行うのではなく、予め通信速度を設定し、この設定に基づいた通信ビットレートで送受信を行う。通信ビットレートとは、1秒間に転送することができるデータ量を示し、単位はbps(bit per second)で表される。
なお、本実施例では、この通信方式Bにおいても、通信方式Aと同様に、カメラマイコン205とレンズマイコン111は相互に送受信を行う全二重通信方式(フルデュープレックス方式)で通信を行う。
図4は最小通信単位である1フレームの信号波形を示している。1フレームのデータフォーマットの内訳は、カメラデータ信号DCLとレンズデータ信号DLCでは一部異なる部分がある。
まずレンズデータ信号DLCのデータフォーマットについて説明する。1フレームのレンズデータ信号DLCは、前半のデータフレームとこれに続くBUSYフレームとにより構成されている。レンズデータ信号DLCは、データ送信を行っていない状態では信号レベルはHighに維持されている。
レンズマイコン111は、レンズデータ信号DLCの1フレームの送信開始をカメラマイコン205に通知するため、レンズデータ信号DLCの電圧レベルを1ビット期間の間LOWとする。この1ビット期間をスタートビットSTと呼び、スタートビットSTからデータフレームが開始される。続いて、レンズマイコン111は、スタートビットSTに続く2ビット目から9ビット目までの8ビット期間で1バイトのレンズデータを送信する。
データのビット配列はMSB(Most Significant Bit)ファーストフォーマットとして、最上位のデータD7から始まり、順にデータD6、データD5と続き、最下位のデータD0で終了する。そして、レンズマイコン111は、10ビット目に1ビットのパリティー情報(PA)を付加し、1フレームの最後を示すストップビットSPの期間、レンズデータ信号DLCの電圧レベルをHIGHとする。これにより、スタートビットSTから開始されたデータフレーム期間が終了する。なお、パリティー情報は1ビットである必要はなく、複数のビットのパリティー情報が付加されても良い。また、パリティー情報は必須ではなく、パリティー情報が付加されないフォーマットとしても良い。
続いて、図中の「DLC(BUSY有)」に示すように、レンズマイコン111は、ストップビットSPの後にBUSYフレームを付加する。BUSYフレームは、通信方式Aと同様に、レンズマイコン111からカメラマイコン205に通知する通信待機要求BUSYの期間を表す。レンズマイコン111は、通信待機要求BUSYを解除するまでレンズデータ信号DLCの信号レベルをLowに保持する。
一方、レンズマイコン111からカメラマイコン205への通信待機要求BUSYの通知が不要な場合がある。この場合のために、図中の「DLC(BUSY無)」に示すように、BUSYフレーム(以下、BUSY通知ともいう)を付加せずに1フレームを構成するデータフォーマットも設けられている。つまり、レンズデータ信号DLCのデータフォーマットとしては、レンズマイコン側の処理状況に応じてBUSY通知を付加したものと付加しないものとを選択することができる。
カメラマイコン205が行うBUSY通知の有無の識別方法について説明する。図4の「DLC(BUSY無)」に示す信号波形および図4の「DLC(BUSY有)」に示す信号波形には、B1とB2というビット位置が含まれている。カメラマイコン205は、これらB1とB2のいずれかのビット位置をBUSY通知の有無を識別するBUSY識別位置Pとして選択する。このように本実施例では、BUSY識別位置PをB1とB2のビット位置から選択するデータフォーマットを採用する。これにより、レンズマイコン111の処理性能によってレンズデータ信号DLCのデータフレーム送信後にBUSY通知(DLCのLow)が確定するまでの処理時間が異なる課題に対処することができる。
BUSY識別位置PをB1のビット位置とするかB2のビット位置とするかは、通信方式Bでの通信を行う前にカメラマイコン205とレンズマイコン111との間で通信により決定する。なお、BUSY識別位置PをB1とB2のビット位置のいずれかに固定する必要はなく、カメラマイコン205、レンズマイコン111の処理能力に応じて変更してもよい。なお、BUSY識別位置Pは、B1やB2に限らず、ストップビットSPよりも後の所定位置に設定することができる。
ここで、通信方式Aにおいてクロック信号LCLKに付加されたBUSYフレームが、通信方式Bではレンズデータ信号DLCに付加されるデータフォーマットとした理由について説明する。
通信方式Aでは、通信マスタであるカメラマイコン205が出力するクロック信号LCLKと通信スレーブであるレンズマイコン111が出力するBUSY信号とを同一のクロックチャネルでやり取りする必要がある。このため、カメラマイコン205とレンズマイコン111の出力同士の衝突を時分割方式で防止している。つまり、クロックチャネルにおけるカメラマイコン205とレンズマイコン111の出力可能期間を適宜割り当てることで出力同士の衝突を防ぐことができる。
ただし、この時分割方式では、カメラマイコン205とレンズマイコン111の出力同士の衝突を確実に防ぐ必要がある。このため、カメラマイコン205が8パルスのクロック信号LCLKの出力を完了した時点からレンズマイコン111がBUSY信号の出力を許容される時点までの間に、両マイコン205、111の出力が禁止される一定の出力禁止期間が挿入される。この出力禁止期間はカメラマイコン205とレンズマイコン111が通信できない通信無効期間となるため、実効的な通信速度を低下させる原因となる。
このような課題を解決するために、通信方式Bでは、レンズマイコン111の専用出力チャネルである第1のデータ通信チャネルでのレンズデータ信号DLCにレンズマイコン111からのBUSYフレームを付加するデータフォーマットを採用している。
次に、カメラデータ信号DCLのデータフォーマットについて説明する。1フレームのデータフレームの仕様はレンズデータ信号DLCと共通である。ただし、カメラデータ信号DCLは、レンズデータ信号DLCとは異なり、BUSYフレームの付加が禁止されている。
次に、カメラマイコン205とレンズマイコン111との間での通信方式Bでの通信の手順について説明する。まず、カメラマイコン205は、レンズマイコン111との通信を開始するイベントが発生すると、送信要求信号RTSの電圧レベルをLowにする(以下、送信要求信号RTSをアサートするという)ことで、レンズマイコン111に対して通信要求を通知する。
レンズマイコン111は、送信要求信号RTSの電圧レベルがLowに変化したことにより通信要求を検出すると、カメラマイコン205に送信するレンズデータ信号DLCの生成処理を行う。そして、該レンズデータ信号DLCの送信準備が整うと、第1のデータ通信チャネルを介して1フレームのレンズデータ信号DLCの送信を開始する。ここで、レンズマイコン111は、通信要求信号RTSの電圧レベルがLowとなった時点から、カメラマイコン205とレンズマイコン111との間で相互に設定した設定時間内にレンズデータ信号DLCの送信を開始する。
すなわち、通信方式Bでは、通信要求信号RTSの電圧レベルがLowとなった時点からレンズデータ信号DLCの送信が開始されるまでの間に、送信するレンズデータを確定させればよい。通信方式Aのように、最初のクロックパルスが入力される時点までに送信するレンズデータを確定させておく必要があるといった厳しい制約がないため、レンズデータ信号DLCの送信を開始するタイミングに自由度を持たせることができる。
次にカメラマイコン205は、レンズマイコン111から受信したレンズデータ信号DLCのデータフレームの先頭に付加されたスタートビットSTの検出に応じて、送信要求信号RTSの電圧レベルをHighに戻す。以下、送信要求信号RTSをネゲートするという。これにより、送信要求を解除するとともに第2の通信チャネルでのカメラデータ信号DCLの送信を開始する。なお、送信要求信号RTSのネゲートとカメラデータ信号DCLの送信開始はどちらが先であってもよく、レンズデータ信号DLCのデータフレームの受信が完了するまでにこれらを行えばよい。
レンズデータ信号DLCのデータフレームを送信したレンズマイコン111は、カメラマイコン205に通信待機要求BUSYを通知する必要がある場合には、レンズデータ信号DLCにBUSYフレームを付加する。カメラマイコン205は、通信待機要求BUSYの通知の有無を監視しており、通信待機要求BUSYが通知されている間は次の送信要求のために送信要求信号RTSをアサートすることが禁止される。
レンズマイコン111は、通信待機要求BUSYによりカメラマイコン205からの通信を待機させている期間に必要な処理を実行し、次の通信準備が整った後に通信待機要求BUSYを解除する。カメラマイコン205は、通信待機要求BUSYが解除され、かつカメラデータ信号DCLのデータフレームの送信が完了したことを条件に、次の送信要求のために送信要求信号RTSをアサートすることが許可される。
このように、本実施例では、カメラマイコン205での通信開始イベントがトリガとなって送信要求信号RTSがアサートされたことに応じて、レンズマイコン111がカメラマイコン205にレンズデータ信号DLCのデータフレームの送信を開始する。そして、カメラマイコン205は、レンズデータ信号DLCのスタートビットSTを検出することに応じて、カメラデータ信号DCLのデータフレームのレンズマイコン111への送信を開始する。
ここでレンズマイコン111は、必要に応じて通信待機要求BUSYのためにレンズデータ信号DLCのデータフレームの後にBUSYフレームを付加し、その後、通信待機要求BUSYを解除することで1フレームの通信処理が完了する。この通信処理により、カメラマイコン205とレンズマイコン111との間で相互に1バイトの通信データが送受信される。
次に、通信方式Bを用いてフォーマットF2により通信を行う通信モードM3について説明する。図5(A)には、通信モードM3においてカメラマイコン205とレンズマイコン111との間でやり取りされる通信信号の波形を示している。図5(A)では、連続的に3フレームのデータを送信するときにおける通信信号の波形を示している。先に述べたように、フォーマットF2では、レンズデータ信号DLCに通信待機要求BUSYを付加することは禁止される。
通信モードM3におけるレンズデータ信号DLCのデータフォーマットでは、データフレームのみで1フレームが構成され、BUSYフレームは存在しない。このため、通信モードM3では、レンズマイコン111からカメラマイコン205への通信待機要求BUSYを通知することができない。
このようなフォーマットF2は、比較的大きな容量のデータをカメラマイコン205とレンズマイコン111との間で転送する際に、フレーム間の間隔を短くした連続通信を行う用途に用いられる。すなわち、フォーマットF2により、大容量データの高速通信が可能となる。
次に、本実施例が特徴とするカメラマイコン205とレンズマイコン111との間の通信制御処理について説明する。図5(B)は、カメラマイコン205とレンズマイコン111がそれぞれ、nフレームのカメラデータ信号DCLおよびレンズデータ信号DLCを連続的に送受信するときにおける通信信号の波形を示している。カメラマイコン205は、レンズマイコン111との通信を開始するイベントが発生すると、送信要求信号RTSをアサートする。フォーマットF2では、フォーマットF1と異なり、カメラマイコン205は送信要求信号RTSを1フレームごとにネゲートする必要はない。そのため、連続的にデータ送受信が可能な状態である間は、送信要求信号RTSのアサート状態を維持する。
レンズマイコン111は、送信要求信号RTSのアサートにより通信要求を検出すると、カメラマイコン205に送信するレンズデータ信号DLCの生成処理を行う。そして、該レンズデータ信号DLCの送信準備が整うと、第1のデータ通信チャネルでの1フレーム目のレンズデータ信号DLC(DL1)の送信を開始する。
1フレーム目のレンズデータ信号DLCのデータフレームを送信したレンズマイコン111は、再び送信要求信号RTSを確認する。このとき、送信要求信号RTSがアサート状態であった場合には、レンズマイコン111は送信が完了した1フレーム目に続けて次の2フレーム目のレンズデータ信号DLC(DL2)をカメラマイコン205に送信する。このようにして送信要求信号RTSのアサート状態が維持されている間はレンズマイコン111からのレンズデータ信号DLC(DL1〜DLn)がカメラマイコン205に連続的に送信される。そして、予め決められたフレーム数nの送信が完了すると、レンズデータ信号DLCの送信が停止される。
カメラマイコン205からは、レンズマイコン111からのレンズデータ信号DCLのフレームごとのスタートビットSTを検出することに応じて、nフレームのカメラデータ信号DCL(DC1〜DCn)の第2の通信チャネルでの送信が開始される。
図5(C)には、図5(B)で示した連続データ送受信の通信中にカメラマイコン205から又はレンズマイコン111から一時的な通信待機が指示された場合の通信信号の波形を示している。ここでも、カメラマイコン205から通信要求信号RTSがアサートされることでレンズマイコン111がレンズデータ信号DLCの送信を開始し、そのスタートビットSTの検出に応じてカメラマイコン205がカメラデータ信号DCLの送信を開始する。
T2w1は、カメラマイコン205から通信待機が指示された期間である通信待機期間を示し、該指示は送信要求信号RTSを一時的にネゲートすることでレンズマイコン111に通知される。レンズマイコン111は、送信要求信号RTSがネゲートされたことを検出すると、その検出時点で送信途中のレンズデータ信号DLCのフレーム(図ではDL6:以下、休止フレームという)の送信を完了した後、送信を休止する。
このレンズデータ信号DLCの送信休止を受けて、カメラマイコン205も、カメラデータ信号DCLのうち上記休止フレームに対応するフレーム(DC6)を送信した後にカメラデータ信号DCLの送信を休止する。このような通信制御により、連続データ送受信の通信中に通信待機指示が発生した場合でもレンズデータ信号DLCとカメラデータ信号DCLの送信済みフレーム数を同数にするように管理することができる。
カメラマイコン205は、通信待機の要求イベントがなくなると、送信要求信号RTSを再びアサートすることでレンズマイコン111に対して通信再開を指示することができる。通信再開指示に応じて、レンズマイコン111は休止フレームの次のフレーム(DL7:以下、再開フレームという)からレンズデータ信号DLCの送信を再開する。そして、再開フレームのスタートビットSTの検出に応じて、カメラマイコン205はカメラデータ信号DCLの上記再開フレームに対応するフレーム(DC7)からの送信を再開する。
一方、T2w2はレンズマイコン111から通信待機が指示された期間である通信待機期間を表している。図では、通信待機期間T2w1の終了後はカメラマイコン205およびレンズマイコン111とも通信待機を指示しておらず、上述した再開フレームDL7,DC7およびそれに続くフレームDL8、DC8〜DL9、DC9の順で連続データ送受信を行っている。
そして、レンズマイコン111内でフレームDL9の送信(カメラマイコン205でのフレームDC9の受信)が完了したときに通信待機要求イベントが発生することで、レンズマイコン111はカメラマイコン205に対して通信待機指示を通知する。
送信要求信号RTSがアサート状態であるときに、レンズマイコン111がレンズデータ信号DLCを送信しないことで、レンズマイコン111からカメラマイコン205へ通信を休止することが通知される。
カメラマイコン205は、レンズデータ信号DLCのフレームごとのスタートビットSTを常時監視しており、スタートビットSTを検出しない場合には、次のカメラデータ信号DCLのフレームの送信を停止するよう取り決めている。カメラマイコン205は、送信要求信号RTSをアサートしていてもレンズマイコン111からのレンズデータ信号DLC(図ではDL10)を受信しない場合は、カメラデータ信号DCL(DC10)を送信することなく通信を休止する。なお、カメラマイコン205は、レンズマイコン111からの指示による通信待機期間T2w2中は送信要求信号RTSをアサート状態に維持する。
その後、レンズマイコン111内で通信待機要求イベントがなくなってレンズマイコン111がレンズデータ信号DLCの再開フレームDL10の送信を再開する。カメラマイコン205は、該再開フレームDL10のスタートビットSTを検出することに応じてカメラデータ信号DCLにおける対応フレームDC10の送信を再開する。
次に、図6を用いて、カメラマイコン205とレンズマイコン111の間で行われる通信フォーマットの決定手順について説明する。カメラマイコン205及びレンズマイコン111は、コンピュータプログラムである通信制御プログラムに従って、図6、図7のフローチャートに示す通信制御を行う。なお図6、7において「S」はステップ意味する。
まず、カメラ本体200に交換レンズ100が装着されると、ステップS100、ステップS200において、カメラマイコン205及びレンズマイコン111は、通信フォーマットを、通信の成立が保障された初期通信フォーマットに設定する。ここで、初期通信フォーマットは、本実施例で開示した通信方式とデータフォーマットの組み合わせでもよいし、それ以外の通信フォーマットでもよい。なお、初期通信フォーマットとして調歩同期式の通信フォーマットが選択されるときには、どのようなカメラと交換レンズが組み合わされても通信が実行できるようにBUSY識別位置Pを設定することが好ましい。
続いて、ステップS101において、カメラマイコン205は、カメラ本体200において対応可能な通信フォーマットを表すカメラ識別情報をレンズマイコン111に送信する。また、ステップS202において、レンズマイコン111は、交換レンズ100において対応可能な通信フォーマットを表すレンズ識別情報をカメラマイコン205に送信する。
ここで、「識別情報」には、クロック同期式と調歩同期式のいずれの通信方式に対応しているのかを示す情報や、対応可能な通信ビットレートの範囲を示す情報が含まれる。BUSY識別位置Pを示す情報も識別情報に含まれる。
カメラマイコン205は、ステップS102においてレンズ識別情報を受信する。レンズマイコン111は、ステップS201においてカメラ識別情報を受信する。ここで、図6のフローチャートでは、カメラ識別情報が送信された後にレンズ識別情報が送信されているが、カメラ識別情報の送信とレンズ識別情報の送信は同時であってもよい。また、レンズ識別情報が送信された後にカメラ識別情報が送信されるようにしてもよい。
続いて、ステップS103、ステップS203において、以降の通信における通信フォーマットの設定が行われる。具体的には、カメラマイコン205とレンズマイコン111は、互いに対応可能な通信ビットレートのうち最速レートを通信ビットレートとして決定する。また、互いに対応可能なBUSY識別位置のうちストップビットSPから最も近い位置をBUSY識別位置に設定する。
次に、図7を用いて、調歩同期式の通信方式におけるデータ通信フローについて説明する。図7では、BUSY信号の付加が許可されたデータフォーマットにおける通信フローについて説明する。
カメラマイコン205は、レンズマイコン111との通信を開始する通信イベントが発生したか否かを監視しており、ステップS110において通信イベントが発生したときにステップS111に進む。ステップS111では、これまでに説明したように、通信要求信号RTSをアサートすることで、レンズマイコン111に対して通信要求を行う。
レンズマイコン111は、通信要求信号RTSがアサートされたか否かを監視しており、ステップS210において通信要求信号RTSがアサートされたことを認識するとステップS211に進む。ステップS211において、レンズマイコン111は、第1のデータ通信チャネルを介してレンズデータ信号DLCをカメラマイコン205に送信する。
カメラマイコン205は、レンズマイコン111からレンズデータ信号DLCを受信すると(ステップS112のYES)、ステップS113に進み、通信要求信号RTSをネゲートする。そして、ステップS114に進み、第2のデータ通信チャネルを介してカメラデータ信号DCLをレンズマイコン111に送信する。
レンズマイコン111は、ステップS212でカメラデータ信号DCLの受信開始を検出すると、ステップS213に進み、カメラデータ信号DCLの受信処理を行う。ステップS213の処理と並行してステップS214において、カメラマイコン205に通信待機要求BUSYを通知する必要があるか否かの判定を行う。通信待機要求BUSYを通知する必要がない場合は、ステップS218に進み、カメラデータ信号DCLの受信が完了するまで待機する。
一方、レンズマイコン111からカメラマイコン205に対して通信待機要求BUSYを通知する必要があるときは、ステップS215に進み、レンズデータ信号DLCにBUSYフレームを付加する。レンズマイコン111は、通信待機要求BUSYを通知している間に必要な処理を実行し、次の通信準備が整った後に(ステップS216のYes)、通信待機要求BUSYを解除する(ステップS217)。通信待機要求BUSYを解除した後は、ステップS218に進み、カメラデータ信号DCLの受信が完了するまで待機する。カメラデータ信号DCLの受信が完了すると(ステップS218のYes)、ステップS210に戻り、通信要求信号RTSがアサートされたか否かの監視を継続する。
カメラマイコン205は、ステップS115において通信待機要求BUSYの通知を受けると、通信待機要求BUSYが解除されるまで待機する。通信待機要求BUSYが解除される(ステップS116のYES)と、ステップS117に進み、カメラデータ信号DCLの送信が完了したか否かの判定を行う。また、ステップS115において通信待機要求BUSYの通知を受けていないときにもステップS117に進み、カメラデータ信号DCLの送信が完了したか否かの判定を行う。ステップS117において、カメラデータ信号DCLの送信が完了したと判定されると、ステップS110に戻り、通信イベントが発生したか否かの監視を継続する。
以上説明したように、本実施例は、3つのチャネルから構成される調歩同期式(通信方式B)の通信における通信制御に関するものである。レンズマイコン111の専用出力チャネルである第1のデータ通信チャネルを介して、レンズマイコン111からカメラマイコン205に通信待機要求BUSYが送信される。一方、カメラマイコン205からの送信要求信号RTSは、カメラマイコン205の専用出力チャネルとしての通知チャネルを介して、カメラマイコン205からレンズマイコン111へ送信される。
このように、レンズマイコン111からの通信待機要求BUSYは、レンズマイコン111の専用出力チャネルを介して送受信し、カメラマイコン205からの送信要求信号RTSは、カメラマイコン205の専用出力チャネルを介して送受信される。これにより、カメラマイコン205とレンズマイコン111の間の通信無効期間を短縮することができ、結果として実行的な通信速度を高速化させることができる。
また、通信の開始タイミングに関しては、レンズマイコン111からカメラマイコン205へのデータ送信が先に開始される。カメラマイコン205は、レンズマイコン111から送信されるデータフレームのスタートビットSTを検出することに応じてデータ送信を開始する。通信の開始タイミングをこのように設定することで、送信要求信号RTSを受けたレンズマイコン111がカメラマイコン205に対してのデータ送信を開始するタイミングに自由度を持たせることができる。
例えば、レンズマイコン111の情報処理能力に応じてデータ送信の開始タイミングを変化させることができる。これにより、通信の破綻を招くことなく、カメラ本体200と交換レンズ100の間の通信速度を向上させることができる。
以上説明した実施例は代表的な例に過ぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。例えば、上記実施例では、アクセサリ装置として交換レンズを用いた例を示したが、撮像装置との通信機能を有するものであればストロボ等を用いてもよい。
100 交換レンズ
111 レンズマイコン
112a、112b レンズ通信部
200 カメラ本体
205 カメラマイコン
208a、208b カメラ通信部

Claims (25)

  1. 撮像装置に対して着脱可能なアクセサリ装置であって、
    前記撮像装置との間に、前記撮像装置から前記アクセサリ装置への通知に用いられる通知チャネルと、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信に用いられるアクセサリデータ通信チャネルをと含むチャネルを設けるアクセサリ通信部、及び前記アクセサリ通信部の制御を行うアクセサリ制御部を有し、
    前記アクセサリ制御部は、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信を要求する送信要求信号を受信することに応じて、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して前記撮像装置に対してデータを送信し、
    前記アクセサリ制御部は、前記撮像装置から前記アクセサリ装置に対して前記送信要求信号が送信されないようにするための通信待機要求信号を前記撮像装置に送信することを特徴とするアクセサリ装置。
  2. 前記撮像装置と前記アクセサリ装置との間に設けられるチャネルは、前記通知チャネルと、前記アクセサリデータ通信チャネルと、前記撮像装置から前記アクセサリ装置へのデータ送信に用いられる撮像装置データ通信チャネルから構成されることを特徴とする請求項1に記載のアクセサリ装置。
  3. 前記通信待機要求信号の送信開始は、前記アクセサリデータ通信チャネルの電圧レベルを第1のレベルから該第1のレベルよりも低い第2のレベルに変更することで表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクセサリ装置。
  4. 前記アクセサリ制御部は、前記アクセサリデータ通信チャネルの電圧レベルを前記第2のレベルから前記第1のレベルに変更することにより、前記通信待機要求信号の送信を終了することを特徴とする請求項3に記載のアクセサリ装置。
  5. 前記撮像装置と調歩同期式の通信を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  6. 前記アクセサリ制御部は、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して送信するデータフレームに前記通信待機要求信号を付加することにより、前記通信待機要求信号を前記撮像装置に送信することを特徴とする請求項5に記載のアクセサリ装置。
  7. 前記アクセサリ装置は、通信待機期間を設けることなくデータフレームを連続的に送信するデータフォーマットと、通信待機期間を設けてデータフレームを間欠的に送信するデータフォーマットを切り替えて前記撮像装置と通信を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載のアクセサリ装置。
  8. 前記アクセサリ装置は、クロック信号と同期したクロック同期式の通信方式と、調歩同期式の通信方式の間で通信方式を切り替えて前記撮像装置と通信可能であり、
    前記アクセサリ制御部は、前記クロック同期式の通信において、前記通知チャネルを介して前記撮像装置から送信される前記クロック信号を受信し、前記調歩同期式の通信において、前記通知チャネルを介して前記送信要求信号を受信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  9. 前記アクセサリ制御部は、前記クロック同期式の通信方式が設定されている間は、前記通知チャネルを介して前記通信待機要求信号を前記撮像装置に送信することを特徴とする請求項8に記載のアクセサリ装置。
  10. 前記送信要求信号は、前記通知チャネルの電圧を変更することにより表されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  11. 前記撮像装置が有する撮像素子に対して被写体像を形成可能な撮影光学系を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアクセサリ装置。
  12. アクセサリ装置が取り外し可能に装着される撮像装置であって、
    前記アクセサリ装置との間に、前記撮像装置から前記アクセサリ装置への通知に用いられる通知チャネルと、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信に用いられるアクセサリデータ通信チャネルとを含むチャネルを設ける撮像装置通信部、及び前記撮像装置通信部の制御を行う撮像装置制御部を有し、
    前記撮像装置制御部は、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信を要求する送信要求信号が送信されないようにするための通信待機要求信号を、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して前記アクセサリ装置から受信している間は、前記送信要求信号を前記アクセサリ装置に送信しないことを特徴とする撮像装置。
  13. 前記撮像装置と前記アクセサリ装置との間に設けられるチャネルは、前記通知チャネルと、前記アクセサリデータ通信チャネルと、前記撮像装置から前記アクセサリ装置へのデータ送信に用いられる撮像装置データ通信チャネルから構成されることを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  14. 前記撮像装置制御部は、前記送信要求信号に応じて前記アクセサリ装置から送信されたデータを受信した後に、前記アクセサリ装置へのデータ送信を開始することを特徴とする請求項12又は13に記載の撮像装置。
  15. 前記通信待機要求信号の受信開始は、前記アクセサリデータ通信チャネルの電圧レベルを第1のレベルから該第1のレベルよりも低い第2のレベルに変更することで表されることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の撮像装置。
  16. 前記撮像装置制御部は、前記アクセサリデータ通信チャネルの電圧レベルが前記第2のレベルから前記第1のレベルに変更されたことに応じて、前記送信要求信号の送信をしない通信待機状態を解除することを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
  17. 前記撮像装置制御部は、前記アクセサリ装置と調歩同期式の通信を行うことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の撮像装置。
  18. 前記通信待機要求信号は、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して前記アクセサリ装置から受信するデータフレームに付加されることを特徴とする請求項17に記載の撮像装置。
  19. 前記撮像装置は、通信待機期間を設けることなくデータフレームを連続的に送信するデータフォーマットと、通信待機期間を設けてデータフレームを間欠的に送信するデータフォーマットを切り替えて前記アクセサリ装置と通信を行うことを特徴とする請求項17又は18に記載の撮像装置。
  20. 前記撮像装置は、クロック信号と同期したクロック同期式の通信方式と、調歩同期式の通信方式の間で通信方式を切り替えて前記アクセサリ装置と通信可能であり、
    前記撮像装置制御部は、前記クロック同期式の通信において、前記通知チャネルを介して前記クロック信号を前記アクセサリ装置に送信し、前記調歩同期式の通信において、前記通知チャネルを介して前記送信要求信号を前記アクセサリ装置に送信することを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の撮像装置。
  21. 前記クロック同期式の通信方式が設定されている間は、前記通知チャネルを介して前記通信待機要求信号を前記撮像装置に受信することを特徴とする請求項20に記載の撮像装置。
  22. 前記撮像装置制御部は、前記通知チャネルの電圧を変更することにより前記送信要求信号を前記アクセサリ装置に送信することを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の撮像装置。
  23. 撮像装置に対して着脱可なアクセサリ装置であって、前記撮像装置との間に、前記撮像装置から前記アクセサリ装置への通知に用いられる通知チャネルと、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信に用いられるアクセサリデータ通信チャネルとを含むチャネルを設け、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信を要求する送信要求信号を、前記通知チャネルを介して前記撮像装置から受信することに応じて、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して前記撮像装置に対してデータを送信するアクセサリ装置のコンピュータに、
    前記アクセサリデータ通信チャネルを介して、前記撮像装置から前記アクセサリ装置に対して前記送信要求信号が送信されないようにするための通信待機要求信号を前記撮像装置に送信する制御を実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
  24. アクセサリ装置が取り外し可能に装着される撮像装置であって、前記アクセサリ装置との間に、前記撮像装置から前記アクセサリ装置への通知に用いられる通知チャネルと、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信に用いられるアクセサリデータ通信チャネルとを含むチャネルを設け、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信を要求する送信要求信号を、前記通知チャネルを介して前記アクセサリ装置に送信する撮像装置のコンピュータに、
    前記送信要求信号が送信されないようにするための通信待機要求信号を、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して前記アクセサリ装置から通知されている間は、前記送信要求信号を前記アクセサリ装置に送信しない制御を実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
  25. 撮像装置と、該撮像装置に対して着脱可能なアクセサリ装置を含む撮像システムであって、
    前記アクセサリ装置は、前記撮像装置との間に、前記撮像装置から前記アクセサリ装置への通知に用いられる通知チャネルと、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信に用いられるアクセサリデータ通信チャネルとを含むチャネルを設けるアクセサリ通信部、及び前記アクセサリ通信部の制御を行うアクセサリ制御部とを有し、
    前記撮像装置は、前記アクセサリ装置との間に、前記通知チャネルと、前記アクセサリデータ通信チャネルとを含むチャネルを設ける撮像装置通信部、及び前記撮像装置通信部の制御を行う撮像装置制御部とを有し、
    前記撮像装置制御部は、前記アクセサリ装置から前記撮像装置へのデータ送信を要求する送信要求信号を、前記通知チャネルを介して前記アクセサリ装置に送信し、
    前記アクセサリ制御部は、前記送信要求信号を受信することに応じて、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して前記撮像装置に対してデータを送信し、
    前記アクセサリ制御部は、前記アクセサリデータ通信チャネルを介して、前記撮像装置から前記アクセサリ装置に対して前記送信要求信号が送信されないようにするための通信待機要求信号を前記撮像装置制御部に送信することを特徴とする撮像システム。
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