JP6872686B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
機内部)に高い圧力上昇が生じるため、不均化反応発生前に不均化必要条件を回避させることが重要である。
機を使用することができ、温度センサも不要とすることができてより安価に提供することができる。
(実施の形態1)
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る冷凍サイクル装置100を示す。本実施の形態の冷凍サイクル装置100は、室内機ユニット101aと室外機ユニット101bとが冷媒配管及び制御配線等により互いに接続された、所謂セパレート型の空気調和機である。
室内機ユニット101aは、室内熱交換器103と、室内熱交換器103に送風するとともに、室内熱交換器103で熱交換した空気を室内に吹き出す貫流ファン(クロスフローファン)である室内送風ファン107aを備えている。室外機ユニット101bは、圧縮機102、減圧手段である膨張弁104、室外熱交換器105、四方弁106、室外熱交換器105に送風するプロペラファンである室外送風ファン107bを備えている。
室内機ユニット101aと室外機ユニット101bとを分離できるように、室内機ユニット101aは、配管接続部112を備えている。室外機ユニット101bは、配管接続部112、配管接続部112と四方弁106との間に設けられた三方弁108、配管接続部112と膨張弁104との間に設けられた二方弁109を備えている。また、室外機ユニット101bは、圧縮機102内に設けられた電動機を駆動する電動機駆動装置115を備えている。
そして、室内機ユニット101aの一方の配管接続部112と室外機ユニット101bの二方弁109が設けられた側の配管接続部112とは、冷媒配管の1つである液管111aで接続されている。また、室内機ユニット101aの他方の配管接続部112と室外機ユニット101bの三方弁108が設けられた側の配管接続部112とは、冷媒配管の1つであるガス管111bで接続されている。
このように、本実施の形態の冷凍サイクル装置100は、主に、圧縮機102、室内熱交換器103、膨張弁104、室外熱交換器105の順に冷媒配管で接続し、冷凍サイクル回路を構成している。冷凍サイクル回路は、圧縮機102と室内熱交換器103または室外熱交換器105との間に、圧縮機102から吐出された冷媒の流れ方向を室内熱交換器103または室外熱交換器105のいずれかに切替える四方弁106を備えている。
四方弁106を備えることで、本実施の形態の冷凍サイクル装置100は、冷房運転と、暖房運転の切り替えが可能となる。つまり、冷房運転時には、圧縮機102の吐出側と室外熱交換器105とを連通させるとともに、室内熱交換器103と圧縮機102の吸入側とを連通されるように、四方弁106を切換える。これによって、室内熱交換器103を蒸発器として作用させ、周囲大気(室内空気)から熱を吸熱し、室外熱交換器105を凝縮器として作用させ、室内で吸熱した熱を周囲大気(室外空気)へ放熱する。一方、暖房運転時には、圧縮機102の吐出側と室内熱交換器103とを連通させるとともに、室外熱交換器105と圧縮機102の吸入側とを連通されるように、四方弁106を切換える。これによって、室外熱交換器105を蒸発器として作用させ、(室外空気)から吸熱し、室内熱交換器103を凝縮器として作用させ、室外で吸熱した熱を室内空気へ放熱する。
なお、四方弁106は、制御装置(図示せず)からの電気的信号によって、冷房と暖房
と切り替える電磁弁式のものが用いられている。
また、冷凍サイクル回路は、四方弁106をバイパスし、圧縮機102の吸入側と吐出側とを連通するバイパス手段113と、バイパス手段113の冷媒の流れを開放、閉止する開閉弁113aを備えている。
また、圧縮機102の吐出側には、電子制御式の開閉弁であるリリーフ弁114が設けられている。なお、リリーフ弁114は、圧縮機102の吐出部から膨張弁104までの間、または、圧縮機102の吐出部から三方弁108までの間に設けられていればよいが、圧縮機102の圧力を急速に逃すためには、圧縮機102の吐出部から四方弁106までの間に設けられていることが望ましい。
冷凍サイクル回路は、圧縮機102の吐出側と膨張弁104の入口との間に設けられた高圧側圧力検出手段116を備えている。高圧側圧力検出手段116は、加圧されるダイヤフラムのひずみをひずみゲージなどで電気的に検出して測定する構成でもよい。さらに、機械的に圧力を検出する金属ベローズや金属ダイヤフラムで構成してもよい。そしてこの高圧側圧力検出手段116の検出値は、制御装置へ電気的に送信される。
冷凍サイクル回路内には、作動流体(冷媒)が封入されている。作動流体について説明する。本実施の形態の冷凍サイクル装置100に封入される作動流体は、(1)HFO1123(1,1,2−トリフルオロエチレン)と、(2)R32(ジフオロメタン)からなる2成分系の混合作動流体であり、特に、R32が30重量%以上60重量%以下の混合作動流体である。
HFO1123にR32を30重量%以上混合することで、HFO1123の不均化反応を抑制できる。また、R32の濃度が高いほど不均化反応をより抑制できる。これは、R32のフッ素原子への分極が小さいことによる不均化反応を緩和する作用と、HFO1123とR32は物理特性が似ていることから凝縮・蒸発など相変化時の挙動が一体となることによる不均化の反応機会を減少させる作用とにより、HFO1123の不均化反応を抑制することができる。
また、HFO1123とR32の混合冷媒は、R32が30重量%、HFO1123が70%で共沸点を持ち、温度すべりがなくなる為、単一冷媒と同様な取り扱いが可能である。つまり、R32を60重量%以上混合すると、温度すべりが大きくなり、単一冷媒と同様な取り扱いが困難となる可能性があるため、R32を60重量%以下で混合することが望ましい。特に、不均化を防止するとともに、共沸点に近づくため温度すべりをより小さくし、機器の設計が容易とするために、R32を40重量%以上50重量%以下で混合することが望ましい。
表1、表2は、HFO1123とR32の混合作動流体のうち、R32が30重量%以上60重量%以下となる混合割合での、冷凍サイクルの圧力、温度、圧縮機の押しのけ容積が同じ場合の冷凍能力およびサイクル効率(COP)を計算し、R410AとHFO1123と比較したものである。
まず、表1、表2の計算条件について説明する。近年、機器のサイクル効率を向上するため、熱交換器の高性能化が進み、実際の運転状態では、凝縮温度は低下し、蒸発温度は上昇する傾向にあり、吐出温度も低下する傾向にある。このため、実際の運転条件を考慮し、表1の冷房計算条件は、冷凍サイクル装置100の冷房運転時(室内乾球温度 27℃、湿球温度 19℃、室外乾球温度 35℃)に対応し、蒸発温度は15℃、凝縮温度は45℃、圧縮機の吸入冷媒の過熱度は5℃、凝縮器出口の過冷却度は8℃とした。
また、表2の暖房計算条件は、冷凍サイクル装置100の暖房運転時(室内乾球温度20℃、室外乾球温度 7℃、湿球温度 6℃)に対応した計算条件で、蒸発温度は2℃、凝縮温度は38℃、圧縮機の吸入冷媒の過熱度は2℃、凝縮器出口の過冷却度は12℃とした。
以上説明したように、HFO1123とR32の2成分系において、不均化の防止、温度すべりの大きさ、冷房運転時・暖房運転時の能力、COPを総合的に鑑みると(すなわち、後述する圧縮機を用いた空気調和機器に適した混合割合を特定すると)、30重量%以上60重量%以下のR32を含む混合物が望ましく、さらに望ましくは、40重量%以上50重量%以下のR32を含む混合物が望ましい。
次に、冷凍サイクル回路を構成する各構成要素について説明する。
室内熱交換器103、室外熱交換器105には、フィンアンドチューブ型熱交換器やパ
ラレルフロー形(マイクロチューブ型)熱交換器などが用いられる。なお、なお、図1に示したようなセパレート型の空気調和機ではなく、例えば、室内熱交換器103の周囲媒体としてブライン(ブラインを居住スペースの冷暖房に使用)を用いる場合や、二元式冷凍サイクルの冷媒を用いる場合には、熱交換器の形態として、二重管熱交換器やプレート式熱交換器、シェルアンドチューブ熱交換器を用いてもよい(図示せず)。この場合、室内熱交換器103は、被冷却、加熱対象(セパレート型の空気調和機の場合、室内空気)を直接、冷却、加熱はしないので、必ずしも、室内に配置されなくともよい。膨張弁104には、例えば、パルスモータ駆動方式の電子膨張弁などが使用される。
圧縮機102の詳細について、図2を用いて説明する。圧縮機102はいわゆる密閉型のロータリ式圧縮機であり、電動機を備える部分が高圧の作動流体で満たされる内部高圧型圧縮機である。
固定子1022eには三相の固定子巻線が施され、固定子1022e上下方向の端部でコイルエンド1023eを形成している。そして、三相の固定子巻線の端部はそれぞれリード線102iとなっている。つまり、固定子1022eは、三相の固定子巻線それぞれから延びる3本のリード線102iを備えている。3本のリード線102iの他端は、給電ターミナル102hに接続される。給電ターミナル102hは、3つの端子を備え、それぞれの端子は、電動機駆動装置115に接続されている。そして、上記三相の固定子巻線は絶縁体(図示せず)によって絶縁されている。
図2に示すように、3本のリード線102iのそれぞれは、電動機102eの水平断面において、コイルエンド1023eの離れた位置から延びている。より詳細には、3本のリード線102iのそれぞれは、固定子1022e側(後述するコイルエンド1023e側)の隣接するリード線102i同士の間隔が、給電ターミナル102h側の隣接するリード線同士の間隔より大きくなっている。また、3本のリード線102iは、電動機102eの水平断面において、回転子1021eの回転中心を中心として約120度ごとに配置されていてもよい。
図4は、電動機102eの横断面図である。電動機102eはいわゆる集中巻の電動機である。固定子1022eは、1つのティース31と、ティース31をつなぐ環状のヨーク32からなり、固定子1022eの内周部に対向して、略円筒形の回転子コア33とその外周部に配置された永久磁石34からなる回転子1021eがクランクシャフト102mを中心として回転自在に保持されている。永久磁石34は、外周をステンレス等の非磁性体の環35を外周に挿入することにより固定されている。
なお、永久磁石の固定方法は、エポキシ樹脂等の接着剤を用いて固定しても構わない。
また、永久磁石の配置方法として、上記では、永久磁石34を回転子コア33の外周部に配置する構造として説明したが、永久磁石を回転子コアの内部に配置した構造(図示せず)としてもよい。
一方、固定子1022eは、圧縮機のシェルに焼きばめされることによって密閉容器102g内部で固定されている。固定子1022eの固定方法は、これに限らず、例えば、
溶接等の方法で固定しても構わない。
ティース31には、三相の固定子巻線が施され、インバータ式の電動機駆動装置(図示せず)のスイッチング素子により、回転子1021eに回転磁界が発生するように巻線に電流を流している。回転磁界は、インバータにより可変速で発生させることが可能であり、圧縮機102の運転開始直後等には高速で、安定運転時等には低速で運転される。
固定子1022eの外周部に切り欠き、または溝、穴37を設けることにより、密閉容器102gと固定子1022eとの間または固定子1022eそのものに、固定子1022eの全長に貫通した部分があり、そこを冷凍機油が通るようになっている。
電動機102eを集中巻の電動機とすることで、巻線抵抗が低減でき、大幅に銅損が低減できると共に、モータ全長も小さくできる。
なお、電動機102eは、集中巻きの電動機であるとして説明したが、分布巻きの電動機であってもよい。
以上のようにして構成した圧縮機102において、蒸発器から流出した低圧冷媒は、四方弁106を介して、吸入管102aから吸入され、圧縮機構102cで昇圧される。昇圧され、高温高圧となった吐出冷媒は、吐出マフラー102lから吐出され、電動機102e周囲で構成される隙間(回転子1021eと固定子1022e間、固定子1022eと密閉容器102g間)を通って、吐出冷媒空間102dへと流動する。その後、吐出管102bから圧縮機102の外へと吐出され、四方弁106を介して、凝縮器へと向う。
圧縮機構102cは、電動機102eと、クランクシャフト102mを介して接続されている。電動機102eでは、外部電源から受け取った電力を電気的エネルギから機械的(回転)エネルギに変換している。圧縮機構102cでは、電動機102eからクランクシャフト102mを介して伝達される機械的エネルギを用いて、冷媒を昇圧する圧縮仕事を行っている。
ここで、既述した通り正常な運転条件下ではない状態、すなわち、凝縮器側の送風ファン停止、冷凍サイクル回路の閉塞等が生じると、作動流体の吐出圧力(冷凍サイクルの高圧側)が過度に上昇し、これに伴い作動流体の温度も過度に上昇する。
この状態下において、圧縮機102への電力供給を続けていると、圧縮機102を構成する電動機102eへ電力が過剰に供給され、電動機102eが異常に発熱し、電動機102eの固定子巻線40の絶縁が破損して、巻線の導線同士が直接接触し、レイヤーショートを引き起こしかねない状態となる。すなわち、不均化反応が生じ難い作動流体、例えばHFO1123に対するR32の混合比率が30重量%以上60重量%以下となるような作動流体を用いていても、冷媒が過度に高温高圧になって、そのような高温高圧下の冷媒雰囲気下にて、高エネルギ源が付加されると、不均化反応が発生し、圧縮機102内の圧力が急激に上昇する可能性がある。
くなると元の状態に復帰する可逆動作タイプのものであってもよいが、一旦作動すると元の状態には復帰せず連通管120aを開成したままとする不可逆動作タイプのものとするのが好ましい。
図5は実施の形態2の冷凍サイクル装置における圧縮機102の要部を拡大して示すもので、 この実施の形態2では、圧縮機102の密閉容器102gとアキュームレータ119の容器1190にそれぞれ透孔120bを設け、この透孔120bを筒状カシメピン120cもしくは孔縁部を溶接で接合して前記透孔を連通路120としたものである。そして、前記連通路120を温度検知開閉手段121、この例では可溶栓で閉塞状態としたものである。
応が生じてもこの不均化反応の進行を抑制するようにしてもよく、この場合も冷凍サイクル装置の安全性を図ることはできる。
上述したように本発明は、HFO1123を含む作動流体を用いた冷凍サイクル装置の信頼性を向上させることができ、住居及び業務用の各エアコン、カーエアコン、給湯器、冷凍冷蔵庫、ショーケース、除湿機等の用途に幅広く適用することができる。
101a 室内機ユニット
101b 室外機ユニット
102 圧縮機
102a 吸入管
102b 吐出管
102c 圧縮機構
102e 電動機
102g 密閉容器
1021e 回転子
1022e 固定子
103 室内熱交換器
105 室外熱交換器
106 四方弁
107a 室内送風ファン
107b 室外送風ファン
119 アキュームレータ
1190 容器
1191 冷媒ガス導入管
1192 冷媒ガス導出管
120 連通路
120a 連通管
120b 透孔
120c 筒状カシメピン
121 温度検知開閉手段
Claims (7)
- 圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを環状に接続して冷凍サイクル回路を構成し、前記冷凍サイクル回路に、1,1,2−トリフルオロエチレンもしくはジフルオロメタンを含む作動流体を封入して構成した冷凍サイクル装置であって、前記圧縮機の吐出作動流体が存する空間を当該空間の温度が所定温度以上になると前記圧縮機の吸入管もしくはアキュームレータに連通させて前記吐出作動流体を前記吸入管もしくはアキュームレータに放出する構成とし、前記所定温度は、前記圧縮機の電動機の固定子巻線の絶縁体の溶融温度の−10%の温度である冷凍サイクル装置。
- 圧縮機の吐出作動流体が存する空間と当該圧縮機の吸入管もしくはアキュームレータとを連通路によって連結するとともに、前記連通路を通常は閉塞状態とする温度検知開閉手段を備え、前記圧縮機内の吐出作動流体が存する空間温度が所定温度以上になると前記温度検知開閉手段が前記連通路を連通状態として前記圧縮機内の吐出作動流体を前記吸入管もしくはアキュームレータに放出する構成とした請求項1記載の冷凍サイクル装置。
- 前記温度検知開閉手段は温度検知機能と通路開閉機能を併せ持つ温度感知開閉体で構成した請求項2記載の冷凍サイクル装置。
- 前記温度検知開閉手段は不可逆動作タイプのものとした請求項2記載の冷凍サイクル装置。
- 冷凍サイクル装置は圧縮機の吐出作動流体が存する空間温度が所定温度以上になって当該吐出作動流体を吸入管もしくはアキュームレータに放出した時、さらに前記圧縮機を駆動する電動機への電気入力を遮断する構成とした請求項1〜4のいずれか1項記載の冷凍サイクル装置。
- 圧縮機を駆動する電動機への電気入力遮断は温度センサによって行う構成とした請求項5記載の冷凍サイクル装置。
- 圧縮機を駆動する電動機への電気入力遮断はサーマルプロテクタによって行う構成とした請求項5記載の冷凍サイクル装置。
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