実施の形態1.
先ず、本実施の形態の概要を説明する。室内機と室外機とを有する空気調和機は、据付時に現地で室内機と室外機とを延長配管で接続する必要がある。
工場出荷時、室内機の冷媒回路(室内熱交換器)には窒素ガス等が封入されている。室内機の冷媒回路の二つの開放端部は、例えば、キャップ付きのフレアナットで閉塞され、窒素ガスが外部へ漏れないようになっている。
また、室外機の冷媒回路(圧縮機、室外熱交換器、減圧装置、四方弁等)には、所定量の冷媒が充填されている。また、圧縮機には、圧縮機構を潤滑するための冷凍機油が所定量封入されている。
室外機の冷媒回路の二つの開放端部には、それぞれバルブが接続され、冷媒が漏れないようになっている。室外機のバルブには、室内機と同様のキャップ付きのフレアナットが取り付けられている。バルブで冷媒回路は閉塞されているので、キャップ付きのフレアナットは、据付時に延長配管を接続するために必要なものである。室内機と同様のキャップ付きのフレアナットを使用するのは、部品を共通化するためである。
空気調和機の据付時における室内機と室外機との接続方法について説明する。
先ず、室内機の冷媒回路における二つの開放端部を閉塞しているキャップ付きのフレアナットを工具を用いて取り外す。このとき室内機の冷媒回路に封入されていた窒素ガスは大気に放出される。
また、室外機のバルブに取り付けられているキャップ付きのフレアナットも工具を用いて取り外す。このときバルブは閉じているので、冷媒は室外機の冷媒回路に充填された状態を維持する。
次に、室内機、室外機のキャップ付きのフレアナット(計4個)からキャップを取り外す。
さらに、延長配管として用いる銅管(二本)を所定の長さに切断する。所定の長さとは、据付状態の室内機と室外機との間の距離に略一致する。
二本の延長配管に、キャップを取り外したフレアナットをそれぞれ2個挿入する。そして、二本の延長配管のそれぞれの両端を拡管する。
4個のフレアナットを室内機、室外機の元の部位に締結する。これで、延長配管の接続が完了する。
接続が完了した室内機の冷媒回路と延長配管の内部は、空気もしくは放出されずに残った窒素ガスを含む空気が残存している。
そのため、室外機のバルブに設けられている冷媒チャージポート(閉止弁を押し開いて延長配管側に連通する)に真空ポンプを接続し、室内機の冷媒回路と延長配管の内部の真空引きを行う。
室内機の冷媒回路と延長配管の内部の真空引きが完了したら、室外機の二つのバルブを開き、室外機に充填されている冷媒を冷媒回路全体に移動させて据付工事は完了する。
しかし、据付業者のミスで、室内機の冷媒回路と延長配管の内部の真空引きが完了したときに室外機の二つのバルブを開け忘れることもあり得る。二つのバルブの両方、いずれか一方のバルブを開け忘れるケースがある。
詳細は本文で後述するが、バルブを開け忘れて空気調和機を運転すると、圧縮機の運転により低圧側の冷媒は高圧側に移動する。圧縮機の運転が継続されると低圧側は略真空となる。この状態では冷媒は冷媒回路の中で移動しない。但し、圧縮機は運転を継続する。低圧側が真空又は真空に近い状態では、圧縮機の圧縮機構は冷媒を吸入しないので、圧縮仕事は略ゼロである。そのため圧縮機構で発生する熱は、圧縮機構の摺動部で発生する僅かな摩擦熱のみである。
但し、圧縮機構を駆動する電動機は低負荷状態(圧縮仕事は略ゼロであり、負荷となるのは圧縮機構の摺動部の摩擦、回転する部位の風損であり極めて小さい)ではあるが、電動機の損失(巻線のジュール熱、鉄心の鉄損等)分が熱に変わり、電動機が発熱する。
そのまま放置すると、圧縮機の温度が電動機の発熱により上昇し、電動機の絶縁部材、冷凍機油等の劣化、精密な圧縮機構に悪影響を及ぼす。
従来は、冷媒回路の低圧側に低圧検知用圧力スイッチを設置し、真空運転になると低圧検知用圧力スイッチが作動し、圧縮機の運転を停止して圧縮機を保護していた。
室外機のバルブ開け忘れだけのために、低圧検知用圧力スイッチを設けるのはコスト効率が悪い。
そこで、本実施の形態では、低圧検知用圧力スイッチに代えて、空気調和機の制御に用いられる既設の温度サーミスタ(冷凍サイクルを構成する各要素に設けられる)の情報により、室外機のバルブ開け忘れによる真空運転時の圧縮機の保護を行うものである。
図1は実施の形態1を示す図で、空気調和機100の冷媒回路図である。先ず、空気調和機の冷媒回路の一例を図1を参照しながら説明する。
空気調和機100は、室外機1と、室内機2とを備える。室外機1と室内機2とは、延長配管(接続配管)であるガス管5及び液管7で接続される。
室外機1は、ガス管5を接続するためのガス側バルブ14と、液管7を接続するための液側バルブ15とを備える。
室内機2は、ガス管5を接続するためのガス側接続部16と、液管7を接続するための液側接続部17とを備える。
ガス管5及び液管7には、所定の径・長さの銅管が使用される。空気調和機100の据付時に、ガス管5及び液管7は現地の状況に合わせて作られる。
ガス管5及び液管7は、ガス側バルブ14、液側バルブ15、ガス側接続部16と、液側接続部17がそれぞれ備えるフレアナット(図示せず)によって固定される。
室外機1は、冷媒を圧縮する圧縮機3、冷媒の流れる方向を冷房運転と暖房運転とで切り替える四方弁4、熱源側熱交換器である室外熱交換器11、第1の減圧装置10(減圧装置の一例)、中圧レシーバ9、第2の減圧装置8(減圧装置の一例)を備える。室外機1の冷媒回路を室外冷媒回路とする。
冷媒を圧縮する圧縮機3には、回転式圧縮機やスクロール圧縮機等が用いられる。図示はしないが、圧縮機3は、圧縮機構(圧縮要素ともいう)と、この圧縮機構を駆動する電動機(電動要素ともいう)とを密閉容器内に収納するとともに、圧縮機構の摺動部を潤滑する冷凍機油を密閉容器内に封入している。電動機には、高効率で、トルク制御が可能なブラシレスDCモータが多く使用される。ブラシレスDCモータは、インバータにより駆動され、回転数が制御される。
冷媒の流れる方向を冷房運転と暖房運転とで切り替える四方弁4は、図1では、暖房運転時の冷媒の流路を実線で示している。また、冷房運転時の冷媒の流路を破線で示している。
熱源側熱交換器である室外熱交換器11は、冷房運転時は凝縮器として動作し、暖房運転時は蒸発器として動作する。また、室外送風機(図示せず)により室外熱交換器11に送風が行われて冷媒と空気との熱交換が促進される。
第1の減圧装置10、第2の減圧装置8には、例えば、電子膨張弁が使用される。
中圧レシーバ9では、気液二相冷媒が流入し、圧縮機3の吸入配管18と熱交換して液冷媒となって流出する。
室内機2は、利用側熱交換器である室内熱交換器6を備える。室内熱交換器6は、冷房運転時は蒸発器として動作する。また、暖房運転時は凝縮器として動作する。また、室内送風機(図示せず)により室内熱交換器6に送風が行われて冷媒と空気との熱交換が促進されるとともに、調和空気を空調空間に送出する。室内機2の冷媒回路を室内冷媒回路とする。
室外機1には、以下に示す温度センサ(温度検知サーミスタ)が設けられる。
(1)圧縮機3の密閉容器の温度を検出する第6の温度センサ13f;
(2)圧縮機3の吐出側の冷媒温度を間接的に検出する第1の温度センサ13a;
(3)室外熱交換器11の略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第4の温度センサ13d;
(4)室外熱交換器11の周囲の空気温度を検出する第5の温度センサ13e。
室内機2には、以下に示す温度センサが設けられる。
(1)室内熱交換器6の略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第2の温度センサ13b;
(2)室内機2に吸い込まれる空気温度を検出する第3の温度センサ13c。
図2は実施の形態1を示す図で、冷凍サイクルのph線図(モリエル線図)である。図2により空気調和機100の冷媒回路に動作を、暖房運転と冷房運転のそれぞれについて説明する。
暖房運転時は、圧縮機3から吐出された高圧・高温のガス冷媒(図2の点1)は、四方弁4を通りガス側バルブ14、ガス管5、ガス側接続部16を通り室内熱交換器6に流入する。
室内熱交換器6では、ガス冷媒は室内空気(ガス冷媒の温度より低い)と熱交換することにより冷却されて凝縮する。室内熱交換器6の出口付近では、高圧の液冷媒となる(図2の点2)。尚、この高圧の液冷媒は、凝縮温度よりも所定温度低く過冷却されている。
室内熱交換器6を出た高圧の液冷媒は、液側接続部17、液管7、液側バルブ15を経て第2の減圧装置8に流入する。第2の減圧装置8で、高圧の液冷媒は減圧されて中圧の気液二相冷媒になる(図2の点3)。
第2の減圧装置8を出た中圧の気液二相冷媒は、中圧レシーバ9に流入する。中圧レシーバ9に流入した中圧の気液二相冷媒は、圧縮機3の吸入配管18を流れる低圧・低温のガス冷媒と熱交換して、中圧の液冷媒となる(図2の点4)。
中圧レシーバ9を出た中圧の液冷媒は、第1の減圧装置10にて減圧されて低圧の気液二相冷媒になる(図2の点5)。
第1の減圧装置10を出た低圧の気液二相冷媒は、室外熱交換器11に流入する。室外熱交換器11では、低圧の気液二相冷媒は外気(低圧の気液二相冷媒より温度が高い)と熱交換して蒸発する。そして、低圧のガス冷媒となる(図2の点6)。
さらに、低圧のガス冷媒は、中圧レシーバ9の中圧の気液二相冷媒と熱交換することにより加熱され(図2の点7)、圧縮機3に吸入される。
冷房運転時は、圧縮機3から吐出された高圧・高温のガス冷媒(図2の点1)は、室外熱交換器11に流入する。
室外熱交換器11では、ガス冷媒は外気(ガス冷媒の温度より低い)と熱交換することにより冷却されて凝縮する。室外熱交換器11の出口付近では、高圧の液冷媒となる(図2の点2)。尚、この高圧の液冷媒は、凝縮温度よりも所定温度低く過冷却されている。
室外熱交換器11を出た高圧の液冷媒は、第1の減圧装置10に流入する。第1の減圧装置10で、高圧の液冷媒は減圧されて中圧の気液二相冷媒になる(図2の点3)。
第1の減圧装置10を出た中圧の気液二相冷媒は、中圧レシーバ9に流入する。中圧レシーバ9に流入した中圧の気液二相冷媒は、圧縮機3の吸入配管18を流れる低圧・低温のガス冷媒と熱交換して、中圧の液冷媒となる(図2の点4)。
中圧レシーバ9を出た中圧の液冷媒は、第2の減圧装置8にて減圧されて低圧の気液二相冷媒になる(図2の点5)。
第2の減圧装置8を出た低圧の気液二相冷媒は、液側バルブ15、液管7、液側接続部17を経て室内熱交換器6に流入する。室内熱交換器6では、低圧の気液二相冷媒は室内空気(低圧の気液二相冷媒より温度が高い)と熱交換して蒸発する。そして、低圧のガス冷媒となる(図2の点6)。
さらに、低圧のガス冷媒は、中圧レシーバ9の中圧の気液二相冷媒と熱交換することにより加熱され(図2の点7)、圧縮機3に吸入される。
本実施の形態は、空気調和機100の据付時の室外機1のガス側バルブ14又は液側バルブ15の開け忘れによる真空運転時に、第1の温度センサ13a、第2の温度センサ13b、第3の温度センサ13c、第4の温度センサ13d、第5の温度センサ13e、第6の温度センサ13fを利用して圧縮機を保護する点に特徴がある。
しかし、冷房運転又は暖房運転、ガス側バルブ14の開け忘れ、液側バルブ15の開け忘れ、ガス側バルブ14及び液側バルブ15の開け忘れを組み合わせるとモードは、六通りあるが、本実施の形態で対象とするモードは、以下に示すものである。
(1)運転モードが冷房運転で、液側バルブ15の開け忘れ;
(2)運転モードが冷房運転で、ガス側バルブ14の開け忘れ;
(3)運転モードが冷房運転で、液側バルブ15及びガス側バルブ14の開け忘れ;
(4)運転モードが暖房運転で、液側バルブ15の開け忘れ。
その他の以下に示すモードは、運転開始時に高圧が上昇して圧縮機3に過電流が流れるため、図示しない圧縮機3の過電流保護装置が作動して圧縮機3を停止するので、本実施の形態の対象外となる。
(5)運転モードが暖房運転で、ガス側バルブ14の開け忘れ;
(6)運転モードが暖房運転で、液側バルブ15及びガス側バルブ14の開け忘れ。
運転モードが暖房運転で、ガス側バルブ14の開け忘れ時は、圧縮機3とガス側バルブ14との間に四方弁4しかなく、圧縮機3の吐出側の容積は極めて小さい。そのため、圧縮機3が始動すると高圧が上昇して圧縮機3に過電流が流れ、圧縮機3の過電流保護装置が作動して圧縮機3を停止する。
運転モードが暖房運転で、液側バルブ15及びガス側バルブ14の開け忘れ時も、同様である。
上記(1)〜(4)の各モードにおいて、運転開始時の圧縮機3の吐出圧力Pd及び圧縮機3の吸入圧力Ps、圧縮機3の吐出温度Td及び圧縮機3の吸入温度Ts及び圧縮機3のシェル温度Tsh、室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度を測定した。
(1)〜(4)の順で、以下、上記測定結果を説明する。図3乃至図5は実施の形態1を示す図で、図3は冷房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時の圧縮機3の吐出圧力Pd及び圧縮機3の吸入圧力Psの変化を示す図、図4は冷房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時の圧縮機3の吐出温度Td及び圧縮機3の吸入温度Ts及び圧縮機3のシェル温度Tshの変化を示す図、図5は冷房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始直後の室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度等の変化を示す図である。
冷房運転で液側バルブ15の開け忘れ時は、主に室内熱交換器6の冷媒が圧縮機3により室外熱交換器11、中圧レシーバ9に移動する。運転を開始すると、最初の2分間程度は通常の冷房運転に近い動作をするが、その後は、低圧側の冷媒がなくなるため圧縮機3の吸入側が略真空状態となる(図3参照)。
圧縮機3の運転を開始してから4分程度経過すると、冷媒回路での冷媒の移動はなくなり、圧縮機3の電動機(図示せず)が無負荷に近い状態で回転しているだけの状態となる。
圧縮機3の電動機は、無負荷に近い状態でも損失(巻線のジュール熱、鉄心の鉄損等)があり、この損失により発熱する。
図4に示す圧縮機3の吐出温度Tdは、圧縮機3の吐出側の冷媒温度を間接的に検出する第1の温度センサ13aの情報により測定される。
また、図4に示す圧縮機3のシェル温度Tshは、圧縮機3の密閉容器の温度を検出する第6の温度センサ13fの情報により測定される。尚、シェルとは、密閉容器のことである。
また、図4に示す圧縮機3の吸入温度Tsは、参考までに示すもので、圧縮機3の吸入側の冷媒温度を間接的に検出する温度センサ(図示せず)の情報により測定される。
図4からわかるように、圧縮機3のシェル温度Tshが運転開始から約4分経過後、徐々に上昇する。その後も、さらにシェル温度Tshは上昇する。
圧縮機3の電動機は、密閉容器に焼き嵌め等により固定されるので、シェル温度Tshは圧縮機3の電動機の温度に略等しい。
一方、圧縮機3の吐出温度Tdは、図4に示すように、圧縮機3の運転開始直後は、10deg以上一旦上昇するが、その後は圧縮機3が圧縮仕事を行わないため、その後の変化は少ない。
従って、シェル温度Tshは、吐出温度Tdよりも少なくとも10deg以上高くなる。正常な冷房運転では、シェル温度Tshと吐出温度Tdは略同等である。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、圧縮機3のシェル温度Tshが吐出温度Tdよりも所定値(例えば、10deg)以上高くなる場合は、室外機1のバルブ(液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示す一つの現象である。
図5は冷房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始直後の室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度の変化を示す図であるが、図5において、「室内熱交中間温度」は、室内熱交換器6の冷媒流路における略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第2の温度センサ13bの検出する温度のことである。また、「室外熱交中間温度」は、室外熱交換器11の冷媒流路における略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第4の温度センサ13dの検出する温度のことである。
図5には、室外空気温度(35℃)、室内空気温度(27℃)も示している。
図5に示すように、運転開始直後は圧縮機3の吸入圧力Psの低下に伴う冷媒の蒸発により室内熱交中間温度も減少する。しかし、冷媒の移動により数分後には、室内空気温度と室内熱交中間温度との差は、1〜3deg程度となる。正常な冷房運転時には、室内空気温度と室内熱交中間温度との差は、5〜20deg程度ある(室内空気温度>室内熱交中間温度)。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、室内空気温度と室内熱交中間温度との差が、1〜3deg程度しかない場合は、室外機1のバルブ(液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示す他の一つの現象である。
図5に示すように、運転開始直後は圧縮機3の吐出圧力Pdの上昇に伴い室外熱交中間温度は、室外空気温度(35℃)より高い状態を数分維持するが、その後は圧縮機3が圧縮仕事を行わないため室外送風機による送風により冷却され、室外熱交中間温度と室外空気温度との差は、1〜3deg程度となる。正常な冷房運転時には、室外熱交中間温度と室外空気温度との差は、5〜20deg程度ある(室外熱交中間温度>室外空気温度)。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、室外熱交中間温度と室外空気温度との差が、1〜3deg程度しかない場合は、室外機1のバルブ(液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示すさらに他の一つの現象である。
以上をまとめると、冷房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時、冷媒回路において以下に示す現象が発生する。
(a)圧縮機3のシェル温度Tshが吐出温度Tdよりも所定値(例えば、10deg)以上高くなる;
(b)室内空気温度と室内熱交中間温度との差が、例えば、3deg以下になる;
(c)室外熱交中間温度と室外空気温度との差が、例えば、3deg以下になる。
従って、空気調和機100の運転を開始してから一定時間(例えば、5分程度)経過後、上記(a)〜(c)の現象を一定時間(例えば、3〜5分)連続して検知した場合は、室外機1のバルブの開け忘れと判断して、圧縮機3を停止する。
尚、図示はしないが、空気調和機100は、制御プログラムが組み込まれたマイクロコンピュータにより構成される制御部を備える。制御部は、第1の温度センサ13a、第2の温度センサ13b、第3の温度センサ13c、第4の温度センサ13d、第5の温度センサ13e、第6の温度センサ13fからの情報に基づいて、上記(a)〜(c)の現象を一定時間連続して検知した場合は、室外機1のバルブの開け忘れと判断して、圧縮機3を停止する。また、制御部は、圧縮機3を停止するとともに、空気調和機100の室内機2の表示部に室外機1のバルブの開け忘れを表示するようにしてもよい。
図6乃至図8は実施の形態1を示す図で、図6は冷房運転でガス側バルブ14の開け忘れ時の運転開始時の圧縮機3の吐出圧力Pd及び圧縮機3の吸入圧力Psの変化を示す図、図7は冷房運転でガス側バルブ14の開け忘れ時の運転開始時の圧縮機3の吐出温度Td及び圧縮機3の吸入温度Ts及び圧縮機3のシェル温度Tshの変化を示す図、図8は冷房運転でガス側バルブ14の開け忘れ時の運転開始直後の室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度等の変化を示す図である。
冷房運転でガス側バルブ14の開け忘れ時は、圧縮機3の吸入配管18中の僅かな量の冷媒が室外熱交換器11側に移動するだけである。
従って、図6に示すように、圧縮機3の吐出圧力Pdは、運転開始直後も変化が見られない。圧縮機3の吸入圧力Psは、運転直後から急激に下がり、圧縮機3の吸入配管18は数分で略真空状態となる。
圧縮機3の運転を開始してから2分程度経過すると、冷媒回路での冷媒の移動はなくなり、圧縮機3の電動機(図示せず)が無負荷に近い状態で回転しているだけの状態となる。
圧縮機3の電動機は、無負荷に近い状態でも損失(巻線のジュール熱、鉄心の鉄損等)があり、この損失により発熱する。
図7に示す圧縮機3の吐出温度Tdは、圧縮機3の吐出側の冷媒温度を間接的に検出する第1の温度センサ13aの情報により測定される。
また、図7に示す圧縮機3のシェル温度Tshは、圧縮機3の密閉容器の温度を検出する第6の温度センサ13fの情報により測定される。
また、図7に示す圧縮機3の吸入温度Tsは、参考までに示すもので、圧縮機3の吸入側の冷媒温度を間接的に検出する温度センサ(図示せず)の情報により測定される。
図7からわかるように、圧縮機3のシェル温度Tshが運転開始から約4分経過後、徐々に上昇する。その後も、さらにシェル温度Tshは上昇する。
圧縮機3の電動機は、密閉容器に焼き嵌め等により固定されるので、シェル温度Tshは圧縮機3の電動機の温度に略等しい。
一方、圧縮機3の吐出温度Tdは、図7に示すように、シェル温度Tshに比べ温度上昇は緩やかである。
従って、運転開始から6分程度経過後は、シェル温度Tshは吐出温度Tdよりも少なくとも10deg以上高くなる。正常な冷房運転では、シェル温度Tshと吐出温度Tdは略同等である。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、圧縮機3のシェル温度Tshが吐出温度Tdよりも所定値(例えば、10deg)以上高くなる場合は、室外機1のバルブ(ガス側バルブ14)の開け忘れの可能性があることを示す一つの現象である。
図8は冷房運転でガス側バルブ14の開け忘れ時の運転開始直後の室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度等の変化を示す図であるが、図8において、「室内熱交中間温度」は、室内熱交換器6の略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第2の温度センサ13bの検出する温度のことである。また、「室外熱交中間温度」は、室外熱交換器11の略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第4の温度センサ13dの検出する温度のことである。
図8には、室外空気温度(35℃)、室内空気温度(27℃)も示している。
図8に示すように、運転開始から数分後には、室内空気温度と室内熱交中間温度との差は、1〜3deg程度となる。正常な冷房運転時には、室内空気温度と室内熱交中間温度との差は、5〜20deg程度ある(室内空気温度>室内熱交中間温度)。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、室内空気温度と室内熱交中間温度との差が、1〜3deg程度しかない場合は、室外機1のバルブ(ガス側バルブ14)の開け忘れの可能性があることを示す他の一つの現象である。
図8に示すように、運転開始から室外熱交中間温度と室外空気温度との差は、1〜3deg程度となる。正常な冷房運転時には、室外熱交中間温度と室外空気温度との差は、5〜20deg程度ある(室外熱交中間温度>室外空気温度)。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、室外熱交中間温度と室外空気温度との差が、1〜3deg程度しかない場合は、室外機1のバルブ(ガス側バルブ14)の開け忘れの可能性があることを示すさらに他の一つの現象である。
以上をまとめると、冷房運転でガス側バルブ14の開け忘れ時の運転開始時、冷媒回路において以下に示す現象が発生する。
(a)圧縮機3のシェル温度Tshが吐出温度Tdよりも所定値(例えば、10deg)以上高くなる;
(b)室内空気温度と室内熱交中間温度との差が、1〜3deg程度になる;
(c)室外熱交中間温度と室外空気温度との差が、1〜3deg程度になる。
従って、空気調和機100の運転を開始してから一定時間(例えば、6分程度)経過後、上記(a)〜(c)の現象を一定時間連続して検知した場合は、室外機1のバルブの開け忘れと判断して、圧縮機3を停止する。
尚、図示はしないが、空気調和機100は、制御プログラムが組み込まれたマイクロコンピュータにより構成される制御部を備える。制御部は、第1の温度センサ13a、第2の温度センサ13b、第3の温度センサ13c、第4の温度センサ13d、第5の温度センサ13e、第6の温度センサ13fからの情報に基づいて、上記(a)〜(c)の現象を一定時間連続して検知した場合は、室外機1のバルブの開け忘れと判断して、圧縮機3を停止する。また、制御部は、圧縮機3を停止するとともに、空気調和機100の室内機2の表示部に室外機1のバルブの開け忘れを表示するようにしてもよい。
図9乃至図11は実施の形態1を示す図で、図9は冷房運転でガス側バルブ14及び液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時の圧縮機3の吐出圧力Pd及び圧縮機3の吸入圧力Psの変化を示す図、図10は冷房運転でガス側バルブ14及び液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時の圧縮機3の吐出温度Td及び圧縮機3の吸入温度Ts及び圧縮機3のシェル温度Tshの変化を示す図、図11は冷房運転でガス側バルブ14及び液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始直後の室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度等の変化を示す図である。
冷房運転でガス側バルブ14及び液側バルブ15の開け忘れ時は、ガス側バルブ14の開け忘れ時と同様、圧縮機3の吸入配管18中の僅かな量の冷媒が室外熱交換器11側に移動するだけである。
従って、図9に示すように、圧縮機3の吐出圧力Pdは、運転開始直後も変化が見られない。圧縮機3の吸入圧力Psは、運転直後から急激に下がり、圧縮機3の吸入配管18は1分程度で略真空状態となる。
圧縮機3の運転を開始してから1分程度経過すると、冷媒回路での冷媒の移動はなくなり、圧縮機3の電動機(図示せず)が無負荷に近い状態で回転しているだけの状態となる。
圧縮機3の電動機は、無負荷に近い状態でも損失(巻線のジュール熱、鉄心の鉄損等)があり、この損失により発熱する。
図10に示す圧縮機3の吐出温度Tdは、圧縮機3の吐出側の冷媒温度を間接的に検出する第1の温度センサ13aの情報により測定される。
また、図10に示す圧縮機3のシェル温度Tshは、圧縮機3の密閉容器の温度を検出する第6の温度センサ13fの情報により測定される。
また、図10に示す圧縮機3の吸入温度Tsは、参考までに示すもので、圧縮機3の吸入側の冷媒温度を間接的に検出する温度センサ(図示せず)の情報により測定される。
図10からわかるように、圧縮機3のシェル温度Tshが運転開始から約4分経過後、徐々に上昇する。その後も、さらにシェル温度Tshは上昇する。
圧縮機3の電動機は、密閉容器に焼き嵌め等により固定されるので、シェル温度Tshは圧縮機3の電動機の温度に略等しい。
一方、圧縮機3の吐出温度Tdは、図10に示すように、シェル温度Tshに比べ温度上昇は緩やかである。
従って、運転開始から5分程度経過後は、シェル温度Tshは吐出温度Tdよりも少なくとも10deg以上高くなる。正常な冷房運転では、シェル温度Tshと吐出温度Tdは略同等である。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、圧縮機3のシェル温度Tshが吐出温度Tdよりも所定値(例えば、10deg)以上高くなる場合は、室外機1のバルブ(ガス側バルブ14及び液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示す一つの現象である。
図11は冷房運転でガス側バルブ14及び液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始直後の室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度等の変化を示す図であるが、図11において、「室内熱交中間温度」は、室内熱交換器6の略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第2の温度センサ13bの検出する温度のことである。また、「室外熱交中間温度」は、室外熱交換器11の略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第4の温度センサ13dの検出する温度のことである。
図11には、室外空気温度(35℃)、室内空気温度(27℃)も示している。
図11に示すように、運転開始から数分後には、室内空気温度と室内熱交中間温度との差は、1〜3deg程度となる。正常な冷房運転時には、室内空気温度と室内熱交中間温度との差は、5〜20deg程度ある(室内空気温度>室内熱交中間温度)。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、室内空気温度と室内熱交中間温度との差が、1〜3deg程度しかない場合は、室外機1のバルブ(ガス側バルブ14及び液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示す他の一つの現象である。
図11に示すように、運転開始から室外熱交中間温度と室外空気温度との差は、1〜3deg程度となる。正常な冷房運転時には、室外熱交中間温度と室外空気温度との差は、5〜20deg程度ある(室外熱交中間温度>室外空気温度)。
空気調和機100の運転開始後(冷房運転)、室外熱交中間温度と室外空気温度との差が、1〜3deg程度しかない場合は、室外機1のバルブ(ガス側バルブ14及び液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示すさらに他の一つの現象である。
以上をまとめると、冷房運転でガス側バルブ14及び液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時、冷媒回路において以下に示す現象が発生する。
(a)圧縮機3のシェル温度Tshが吐出温度Tdよりも所定値(例えば、10deg)以上高くなる;
(b)室内空気温度と室内熱交中間温度との差が、1〜3deg程度になる;
(c)室外熱交中間温度と室外空気温度との差が、1〜3deg程度になる。
従って、空気調和機100の運転を開始してから一定時間(例えば、6分程度)経過後、上記(a)〜(c)の現象を一定時間連続して検知した場合は、室外機1のバルブの開け忘れと判断して、圧縮機3を停止する。
尚、図示はしないが、空気調和機100は、制御プログラムが組み込まれたマイクロコンピュータにより構成される制御部を備える。制御部は、第1の温度センサ13a、第2の温度センサ13b、第3の温度センサ13c、第4の温度センサ13d、第5の温度センサ13e、第6の温度センサ13fからの情報に基づいて、上記(a)〜(c)の現象を一定時間連続して検知した場合は、室外機1のバルブの開け忘れと判断して、圧縮機3を停止する。また、制御部は、圧縮機3を停止するとともに、空気調和機100の室内機2の表示部に室外機1のバルブの開け忘れを表示するようにしてもよい。
図12乃至図13は実施の形態1を示す図で、図12は暖房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時の圧縮機3の吐出圧力Pd及び圧縮機3の吸入圧力Psの変化を示す図、図13は暖房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時の圧縮機3の吐出温度Td及び圧縮機3の吸入温度Ts及び圧縮機3のシェル温度Tshの変化を示す図、図14は暖房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始直後の室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度等の変化を示す図である。
暖房運転で液側バルブ15の開け忘れ時は、主に室内熱交換器6及び中圧レシーバ9の冷媒が圧縮機3により室内熱交換器6に移動する。運転を開始すると、最初の1分間程度は通常の暖房運転に近い動作をするが、その後は、低圧側の冷媒がなくなるため圧縮機3の吸入側が略真空状態となる(図12参照)。
圧縮機3の運転を開始してから34分程度経過すると、冷媒回路での冷媒の移動はなくなり、圧縮機3の電動機(図示せず)が無負荷に近い状態で回転しているだけの状態となる。
圧縮機3の電動機は、無負荷に近い状態でも損失(巻線のジュール熱、鉄心の鉄損等)があり、この損失により発熱する。
図13に示す圧縮機3の吐出温度Tdは、圧縮機3の吐出側の冷媒温度を間接的に検出する第1の温度センサ13aの情報により測定される。
また、図13に示す圧縮機3のシェル温度Tshは、圧縮機3の密閉容器の温度を検出する第6の温度センサ13fの情報により測定される。尚、シェルとは、密閉容器のことである。
また、図13に示す圧縮機3の吸入温度Tsは、参考までに示すもので、圧縮機3の吸入側の冷媒温度を間接的に検出する温度センサ(図示せず)の情報により測定される。
図13からわかるように、圧縮機3のシェル温度Tshが運転開始から数分経過後、徐々に上昇する。その後も、さらにシェル温度Tshは上昇する。
圧縮機3の電動機は、密閉容器に焼き嵌め等により固定されるので、シェル温度Tshは圧縮機3の電動機の温度に略等しい。
一方、圧縮機3の吐出温度Tdは、図13に示すように、圧縮機3の運転開始直後は、20deg以上一旦上昇するが、その後は圧縮機3が圧縮仕事を行わないため、その後の変化は少ない。
従って、シェル温度Tshは、吐出温度Tdよりも少なくとも10deg以上高くなる。正常な暖房運転では、シェル温度Tshと吐出温度Tdは略同等である。
空気調和機100の運転開始後(暖房運転)、圧縮機3のシェル温度Tshが吐出温度Tdよりも所定値(例えば、10deg)以上高くなる場合は、室外機1のバルブ(液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示す一つの現象である。
図14は暖房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始直後の室内熱交換器6の温度及び室外熱交換器11の温度等の変化を示す図であるが、図14において、「室内熱交中間温度」は、室内熱交換器6の略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第2の温度センサ13bの検出する温度のことである。また、「室外熱交中間温度」は、室外熱交換器11の略中間部に設置され、冷媒の温度を間接的に検出する第4の温度センサ13dの検出する温度のことである。
図14には、室外空気温度(7℃)、室内空気温度(20℃)も示している。
図14に示すように、運転開始直後は圧縮機3の吸入圧力Psの低下に伴う冷媒の蒸発により室外熱交中間温度も減少する。しかし、冷媒の移動により数分後には、室外空気温度と室外熱交中間温度との差は、1〜3deg程度となる。正常な暖房運転時には、室外空気温度と室外熱交中間温度との差は、5〜20deg程度ある(室外空気温度>室外熱交中間温度)。
空気調和機100の運転開始後(暖房運転)、室外空気温度と室外熱交中間温度との差が、1〜3deg程度しかない場合は、室外機1のバルブ(液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示す他の一つの現象である。
図14に示すように、運転開始直後は圧縮機3の吐出圧力Pdの上昇に伴い室内熱交中間温度は、室内空気温度(20℃)より若干高い状態を数分維持するが、その後は圧縮機3が圧縮仕事を行わないため室内送風機による送風により冷却され、室内熱交中間温度と室内空気温度との差は、1〜3deg程度となる。正常な暖房運転時には、室内熱交中間温度と室内空気温度との差は、5〜20deg程度ある(室内熱交中間温度>室内空気温度)。
空気調和機100の運転開始後(暖房運転)、室内熱交中間温度と室内空気温度との差が、1〜3deg程度しかない場合は、室外機1のバルブ(液側バルブ15)の開け忘れの可能性があることを示すさらに他の一つの現象である。
以上をまとめると、暖房運転で液側バルブ15の開け忘れ時の運転開始時、冷媒回路において以下に示す現象が発生する。
(a)圧縮機3のシェル温度Tshが吐出温度Tdよりも所定値(例えば、10deg)以上高くなる;
(b)室内空気温度と室内熱交中間温度との差が、1〜3deg程度になる;
(c)室外熱交中間温度と室外空気温度との差が、1〜3deg程度になる。
従って、空気調和機100の運転を開始してから一定時間(例えば、5分程度)経過後、上記(a)〜(c)の現象を一定時間連続して検知した場合は、室外機1のバルブの開け忘れと判断して、圧縮機3を停止する。
尚、図示はしないが、空気調和機100は、制御プログラムが組み込まれたマイクロコンピュータにより構成される制御部を備える。制御部は、第1の温度センサ13a、第2の温度センサ13b、第3の温度センサ13c、第4の温度センサ13d、第5の温度センサ13e、第6の温度センサ13fからの情報に基づいて、上記(a)〜(c)の現象を一定時間連続して検知した場合は、室外機1のバルブの開け忘れと判断して、圧縮機3を停止する。また、制御部は、圧縮機3を停止するとともに、空気調和機100の室内機2の表示部に室外機1のバルブの開け忘れを表示するようにしてもよい。
以上の説明では、室外機1の冷媒回路に中圧レシーバ9を備えるものを示したが、これは一例であり、中圧レシーバ9はなくてもよい。中圧レシーバ9を使用しない場合は、減圧装置も一つでよい。
また、四方弁4も必須の構成要件ではなく、冷房専用の場合には、四方弁4は不要である。