JP6871541B2 - 輪郭形状推定装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1の実施形態に係る輪郭形状推定装置の概略構成例を示す説明図である。同図に示すように輪郭形状推定装置1は、ベルトに集約して(一体化して)実装されている。すなわち、輪郭形状推定装置1の各部がベルト本体10に搭載されている。ベルト本体10は、帯部11と、化粧ケース13とリング14とバックル15とを含んで構成される。バックル15は針部16を有する。
以下、ベルト本体10の長手方向の両端のうちバックル15のある側を頭側と称し、頭側と反対側を尾側と称する。
以下では、測定対象物が人であり、測定対象部分が腹部(胴回り)である場合を例に説明する。但し、輪郭形状推定装置1の測定対象物は人に限らず、輪郭形状推定装置1の測定対象部分は腹部に限らない。例えば、輪郭形状推定装置1が動物の腹部の周囲長を検出し、輪郭形状を推定するようにしてもよい。また、例えば、ベルト本体10が人の腕に巻かれ、輪郭形状推定装置1が腕の周囲長を検出し、輪郭形状を推定するようにしてもよい。
また、帯部11にはフレキシブル基板20が設けられている。具体的には、帯部11を構成する2枚の皮がフレキシブル基板20を挟み込んでいる。
なお、ベルト穴12の数は図1に示す6つに限らず2つ以上であればよい。
リング14は、針部16をベルト穴12に通した後の帯部11の余りの部分を通すために設けられている。帯部11の余りの部分をリング14に通すことで、余りの部分が垂れ下がるなど邪魔になることを防止する。
バックル15は、針部16をベルト穴12に通した状態で保持するための金具である。
図2に示すように、フレキシブル基板20には、フレキシブル基板20の長手方向に並んで6つの第一電極121が設けられている。フレキシブル基板20の長手方向は、フレキシブル基板20をベルト本体10に実装した状態でベルト本体10の長手方向に一致する。
以下、第一電極121を、ベルト本体10の尾側から順に第一電極121a、第一電極121b、・・・、第一電極121fと表記する。なお、フレキシブル基板20の長手方向の両端を、フレキシブル基板20をベルト本体10に実装したときのベルト本体10の頭側及び尾側で区別している。
また、フレキシブル基板20には、フレキシブル基板20の長手方向に並んで6つの穴が空けられている。以下、フレキシブル基板20の穴をベルト本体10の尾側から順に基板穴21a、基板穴21b、・・・、基板穴21fと表記する。また、基板穴21a〜12fを総称して基板穴21と表記する。
基板穴21a、基板穴21b、・・・、基板穴21fは、それぞれ、フレキシブル基板20をベルト本体10に実装した状態でベルト穴12a、ベルト穴12b、・・・、ベルト穴12fの位置に一致する位置に空けられている。
なお、図2におけるセンサの配置は一例であり、これに限らない。例えば、図2では、第1電極がベルト本体10の尾側に配置され、曲率センサ150がベルト本体10の頭側に配置されており、第1電極121の配置領域と曲率センサ150の配置領域とが分離されている。これに対し、第1電極121の配置領域と、曲率センサ150の配置領域とが帯部11の一部又は全体にわたって重なるように、第1電極121と曲率センサ150とが配置されていてもよい。多層基板技術、又は、基板を複数枚重ねる技術を用いて、かかる配置を実現することができる。
また、回路基板30にはコネクタ31が設けられている。コネクタ31は、フレキシブル基板20と回路基板30とを電気的に接続するためのコネクタである。
回路基板30は、コネクタ31をバックル15側に向けて配置されている。そして、フレキシブル基板20のバックル15側の端部が折り曲げられてコネクタ31に接続されている。ベルト本体10の外観を、日常用に用いられるベルトの外観と同様にするためである。
一方、輪郭形状推定装置1の各部がベルト本体10に実装されていることで、ユーザは、輪郭形状推定装置1を日常用のベルトと同様に使用することができ、ユーザの利便性が高い。
電源部111は、例えばボタン電池などの電源を含んで構成され、輪郭形状推定装置1の各部に電力を供給する。特に、電源部111は、第一電極121及び第二電極131に交流電圧を供給(印加)する。また、電源部111は、曲率センサ150に直流電圧を供給する。電源部111が、例えば周波数が100キロヘルツ(kHz)以上など、比較的高周波の交流電圧を供給するようにする。これにより、第一電極121と第二電極131とが対向してキャパシタとして機能するときの静電誘電効果を高めることができる。
第一電極121と第二電極131とには、電源部111からの電圧が印加される。特に、第一電極121a〜121fには、電源部111からの電圧が電極切替部112を介して時分割で印加される。インピーダンス指標測定部140は、第一電極121と第二電極131との間のインピーダンスを示す指標値を測定する。
同図に示すように、ユーザが輪郭形状推定装置1を装着した状態では、ベルト本体10は輪を形成している。輪郭形状推定装置1は、この状態でのベルト本体10の周長を測定対象部分の周囲長として検出する。通常、輪郭形状推定装置1(ベルト本体10)は、ユーザの腹部に巻いて使用される。この状態で、輪郭形状推定装置1は、ユーザの腹部の周囲長(腹囲)を検出する。
図6は、針部16がベルト穴12bに通された場合の例を示しており、第一電極121bと第二電極131とが対向している。
第二電極131と対向している第一電極121と、第二電極131と対向していない第一電極121とでは、交流電圧を印加した場合のインピーダンスが異なる。そこで、電極切替部112が時分割で第一電極121を切り替えて電源部111からの電圧を印加する。
第一スイッチ113a、113b、・・・、113fは、それぞれ第一電極121a、121b、・・・、121fと接続されている。電極切替部112は、ONする第一スイッチ113を時分割で切り替えて、いずれか1つの第一スイッチ113をONすることで、電圧を印加する第一電極121を時分割で切り替える。
図7では、インピーダンス指標測定部140が、第一電極121と第二電極131との間の交流電圧を測定する場合の例を示している。第二電極131と対向している第一電極121では、第一電極121と第二電極131とがコンデンサとして機能し、電源部111と第一電極121及びに第二電極131とをつないだ回路に交流電流が流れる。これにより、電源部111の電圧が降下し、インピーダンス指標測定部140が測定する電圧は比較的小さく(低く)なる。
このように、インピーダンス指標測定部140が測定する電圧により、第一電極121のいずれが第二電極131と対向しているかを判定することができる。
例えば、物理的作用検出部160は、加速度センサを含んで構成され、輪郭形状推定装置1(ベルト本体10)の加速度を検出することで輪郭形状推定装置1の動きを検出する。ユーザが輪郭形状推定装置1を動かすことで輪郭形状推定装置1に力が加わって加速度が生じ、物理的作用検出部160は、この加速度を検出する。ここでいう輪郭形状推定装置1の動きは、例えば移動すること、向きが変わること、傾きが変わること、及びこれらの組み合わせなど、物理的な動きである。
第三電極162は、おもり163の全周を囲んでいる。なお、図を見易くするため、図8では、おもり163の全周を囲む第三電極162のうち一部のみを示している。
おもり163は第四電極として機能し、第三電極162とおもり163とが接触することで第二スイッチ161がONになる。
ばね164は、おもり163を支持している。
なお、おもり163の形状は、図8に示す円筒形状である必要は無く、いろいろな形状とすることができる。また、第三電極162は、おもり163の全周に配置されている必要は無く、おもり163がいずれの向きに傾いても第三電極162と接するように配置されていればよい。
図9は、ベルト本体10の所定部分への押圧を検出するスイッチの配置例を示す説明図である。同図に示すように、第三スイッチ165は、リング14の内側に位置するように化粧ケース13の外面に配置されている。
さらに例えば、第三スイッチ165が、電源部111と電極切替部112とを結ぶ配線(電源配線)に設けられていてもよい。これにより、電極切替部112は、ユーザが輪郭形状推定装置1を装着して帯部11とリング14に通した場合に、電源部111からの電圧を第一電極121のいずれかに印加する。電極切替部112が第一電極121のいずれかに電圧を印加すると、インピーダンス指標測定部140が、第一電極121の各々と第二電極131との間のインピーダンスを示す指標値を測定する。この指標値に基づいて、開始条件判定部220が、測定対象部分の周囲長の検出及び輪郭形状の推定を開始するか否かを決定する。
図10は、曲率センサ150の構成例を示す説明図である。同図に示すように、曲率センサ150は、抵抗152−1及び152−2と歪ゲージ153−1及び153−2とを組み合わせたブリッジ(ホイートストンブリッジ)151と、アンプ156とを含んで構成される。ブリッジ151は、曲率の測定時に電源部111から直流電圧の印加を受ける。電源部111からの電流は、ブリッジ151を通ってグラウンド(ゼロ電位点)へ流れる。
以下、抵抗152−1と152−2とを総称して抵抗152と表記する。また、歪ゲージ153−1と153−2とを総称して歪ゲージ153と表記する。
歪ゲージ153はいずれも、歪(ひずみ)を検出する方向がベルト本体10の長手方向に一致する向きに配置されている。また、図11に示すように、歪ゲージ153−1と152−2とはフレキシブル基板20を挟んで配置されている。例えば、歪ゲージ153−1がフレキシブル基板20から見てベルト本体10の表面側に配置され、歪ゲージ153−2がフレキシブル基板20から見てベルト本体10の裏面側に配置されている。
アンプ156は、点P11と点P12との間の電圧を、歪ゲージ153の設置位置におけるベルト本体10の曲率に変換する。具体的には、点P11と点P12との間の電圧とベルト本体10の曲率との関係を示す較正曲線が予め得られており、アンプ156は、点P11と点P12との間の電圧をこの較正曲線に従って増幅するよう設定されている。
一方、図10のようにブリッジ151が1つの歪ゲージ153を備えることで、ブリッジ151が歪ゲージ153を1つだけ備える場合よりも点P11と点P12との間の電圧差が大きくなり、曲率センサ150の精度が向上する。また、ブリッジ151が1つの歪ゲージ153を備えることで、ブリッジ151が歪ゲージ153を1つだけ備える場合よりも温度変化の影響を受けにくい。
図12は、歪ゲージ153に接続する線と歪ゲージ153内の線との太さの比較例を示す説明図である。同図では、歪ゲージ153内の配線W11と、歪ゲージ153に接続されている配線W12とが示されている。
歪ゲージ153のインピーダンスが変化し易くするために、配線W11の幅を狭くする(配線W11を細くする)。これにより、歪ゲージ153が曲げられて配線W11の幅が変化したときに、元の幅からの変化の割合が大きくなる。
このように、歪ゲージ153内の配線を細くし、歪ゲージ153に接続する配線を太くすることで、曲率センサ150の精度を向上させることができる。
シリアル通信回路114は、A/D変換器157が出力するデジタル信号をシリアル通信にて回路基板30に送信する。これにより、シリアル通信回路114は、A/D変換器157が出力するデジタル信号を処理部200に送信する。シリアル通信回路114は、例えば曲率センサ150毎に設けられており、第一シリアル通信部110は、これらのシリアル通信回路114を含んで構成される。
シリアル通信回路114がシリアル通信を行うことで、曲率センサ150によるセンサ値を、3〜5本程度の少ない本数の配線で通信することができる。多数の配線が不要なことで、帯部11が幅広または厚くなるなどベルト本体10の大型化を避けることができる。
ここで、信号変換モジュール181を1つのチップに構成する、あるいは、信号変換モジュール181を1つの基板にて構成するなど、信号変換モジュール181を1つに纏めた構成にする。これにより、曲率センサ150毎(曲率センサ150のブリッジ151)毎に信号変換モジュール181を設計する必要がない。この点で、輪郭形状推定装置1を設計する際、信号変換モジュール181を比較的容易に配置することができる。
図13は、ブリッジ151と信号変換モジュール181とを多対一に接続した接続例を示す説明図である。同図の例では、4つのブリッジ151は、マルチプレクサ182を介して信号変換モジュールに接続されている。
開始条件判定部220は、測定対象部分の周囲長の検出及び輪郭形状の推定を開始するか否かを決定する。具体的には、開始条件判定部220は、測定対象部分の周囲長の検出及び輪郭形状の推定の処理の開始条件が成立しているか否かを判定する。この開始条件は、物理的作用検出部160が所定の物理的作用を検出し、かつ、第二電極131とのインピーダンスが所定のインピーダンス以下になっている第一電極121があることである。
開始条件が成立したと判定することで、開始条件判定部220は、測定対象部分の周囲長の検出及び輪郭形状の推定を開始することに決定する。
図14では、針部16がベルト穴12a、21b、21c、21d、21e、21fを通っているときのベルト本体10の周長を、それぞれ「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f」で示している。
そして、周囲長検出部230は、第一電極121と第二電極131との間のインピーダンスに基づいて、針部16が通っているベルト穴12を特定する。例えば、図7の例のようにインピーダンス指標測定部140がインピーダンスを示す指標値として第一電極121と第二電極131との間の電圧を測定する場合、インピーダンス判定部221は、インピーダンス指標測定部140の測定電圧が最も小さくなっているベルト穴12を特定する。
そして、周囲長検出部230は特定したベルト穴12に関して記憶している周長を読み出すことで、測定対象部分の周囲長を検出する。
図15は、第一電極121と第二電極131と間のインピーダンスと、ベルト本体10の周長との関係の第二例を示す説明図である。同図に示すグラフの横軸は、第1電極、及び、ベルト本体10の周長を示す。縦軸は、第一電極121と第二電極131との間のインピーダンスを示す。
そこで、周囲長検出部230は、式(1)のように周長cと周長dとを平均してベルト本体10の周長(図15の「P21」)を算出し、算出した長さを測定対象部分の周囲長として検出する。
そこで、周囲長検出部230は、式(2)のように周長cと周長dとを重み付け平均してベルト本体10の周長(図16の「P22」)を算出し、算出した長さを測定対象部分の周囲長として検出する。
ここで、図17〜図19を参照して部分形状推定部241が行う形状推定処理について説明する。
また、曲率センサ150−1の曲率がC1、曲率センサ150−2の曲率がC2、曲率センサ150−3の曲率がC3であるとする。
図18は原点Oを基準とする座標系において、曲率センサ150−1と、曲率センサ150−1を中心とする距離dの範囲の一方の端(点P0)、他方の端(点P1)を示している。距離dの値は既知の値であり、部分形状推定部241は、曲率センサ150aが測定する曲率C1を取得する。部分形状推定部241は式(3)に基づいて曲率C1より曲率半径R1を算出する。
曲率半径R1と、曲率C1とに基づいて、部分形状推定部241は、曲率センサ150−1を中心とする距離dの範囲を近似する円弧の中心角(この円弧を有する扇形状の中心角)θ1を式(4)により算出する。
当該扇形状の中心点をO1と呼ぶ。部分形状推定部241は、扇形状の中心点O1の座標と、点P0の座標と、中心角θ1とを用いて式(5)により曲率センサ150−1を中心とする距離dの範囲の点P0と異なる方の端の点P1の座標を算出する。
なお扇形状の中心点O1の座標は、座標系の原点Oと点P0と、曲率半径R1の値とから算出することができる。また曲率センサ150−i(iはi≧0の整数)に隣接する曲率センサ150−(i+1)を中心とする距離dの範囲を近似する円弧の中心点(この円弧を有する扇形状の中心点)Oi+1の座標は、式(6)により算出することができる。
曲率センサ150−iを中心とする距離dの範囲を近似する円弧の一端の点をPiとした場合、この円弧の他端の点Pi+1は式(7)により算出することができる。
図19は図18で示す処理を繰り返した場合の例を示している。上述したように、部分形状推定部241は、曲率センサ150−iが測定した曲率Ci及び距離d(円弧の長さ)に基づいて、点Pi−1の座標から点Piの座標を算出することができる。なお部分形状推定の最初の処理において点P0は座標系において任意に設定した座標であってよい。部分形状推定部241は、点P1、P2、P3、・・・の座標を順に算出する。これにより、部分形状推定部241はベルト本体10のうち曲率センサ150が配置された部分(曲率センサ150と曲率センサ150との間の部分も含む)の形状を連続する円弧で近似して推定することができる。
部分判定部242が腹部側の中央の位置と背中側の中央の位置とを推定する方法として、幾つかの方法を用いることができる。
部分判定部242は、推定した背中側の中央の位置から周囲長の半分だけ進んだ位置を腹部側の中央の位置と推定する。
具体的には、全周形状推定部243は、部分形状推定部241が推定した部分形状を、部分判定部242が推定した背中側の中央の位置で2つに分割し、範囲が広い方を複製対象の部分形状として抽出する。図2の例では、全周形状推定部243は、太線の範囲の部分形状を複製対象の部分形状をして抽出する。
そして、全周形状推定部243は抽出した部分形状を左右反転して(すなわち、線対称にして)複製する。
全周形状推定部243は複製して得られた部分形状と元の部分形状とをつなぎ合わせる。その際、バックル15に相当する部分(図21の例では、領域A11の部分及び領域A12の部分)の形状が不明であることから、つなぎ合わせ方に自由度がある。そこで、全周形状推定部243は、点P31と点P33とをつなぎ合わせ、つなぎ合わせた部分が滑らか(局部における角度が180度)になるように、複製元の部分形状と複製にて得られた部分形状とをつなぎ合わせる。
全周形状推定部243は、バックル15に相当する部分の形状を補完して測定対象部分全体の輪郭形状を推定する。
全周形状推定部243が、バックル15に相当する部分を直線で近似して補間するようにしてもよい。あるいは、全周形状推定部243が、バックル15に相当する部分を円弧で近似するなど、直線以外の図形で近似して補間するようにしてもよい。
図23は、輪郭形状推定装置1が測定対象部分の周囲長を検出し輪郭形状を推定する処理手順の例を示す説明図である。
同図の処理にて、物理的作用検出部160は、所定の物理的作用を検出すると(シーケンスS101)、検出した旨の通知をインピーダンス指標測定部140へ出力する(シーケンスS102)。
物理的作用検出部160からの通知を受けたインピーダンス指標測定部140は、第一電極121の各々と第二電極131との間のインピーダンスを示す指標値を測定し(シーケンスS103)、得られた指標値を開始条件判定部220へ出力する(シーケンスS104)。
なお、開始条件判定部220が、測定対象の周囲長の検出及び輪郭形状の推定を開始しないことに決定した場合は、図23の処理を終了する。
周囲長検出部230は、取得した指標値に基づいて、測定対象部分の周囲長を検出する(シーケンスS121)。そして、周囲長検出部230は、検出した周囲長を輪郭形状推定部240へ出力する(シーケンスS122)。
輪郭形状推定部240は、シーケンスS122で得られた周囲長とシーケンスS132で得られた曲率とに基づいて測定対象部分の輪郭形状を推定する(シーケンスS141)。
図24の処理で、輪郭形状推定部240の部分形状推定部241が、測定対処部分の部分形状を推定する(ステップS201)。
次に、部分判定部242が、ステップS201で部分形状推定部241が推定した部分形状のうち、全体の輪郭形状の推定に用いる部分を決定する(ステップS202)。
そして、全周形状推定部243は、複製元の部分形状と複製にて得られた部分形状とをつなぎ合わせる(ステップS204)。
そして、全周形状推定部243は、ステップS204で得られた輪郭形状に対して不足している部分を補間する(ステップS205)。これにより、全周形状推定部243は、測定対象部分の輪郭の全体形状を推定する。
また、インピーダンス判定部221は、第一電極121のうち第二電極131とのインピーダンスが所定のインピーダンス以下になっている第一電極121の有無を判定する。
そして、輪郭形状推定部240は、物理的作用検出部160が所定の物理的作用を検出し、かつ、インピーダンス判定部221が、第二電極131とのインピーダンスが所定のインピーダンス以下になっている第一電極121ありと判定した場合、曲率センサ150のセンサ値に基づいて測定対象部分の輪郭形状を推定する。
これにより輪郭形状推定装置1は、ベルト本体10が巻かれているか否か(針部16がいずれかのベルト穴12を通っている状態にあるか否か)を判定し、ベルト本体10が巻かれていないと判定した場合には以後の処理を抑制することができる。これにより、輪郭形状推定装置1の電力消費を抑制することができる。
これにより、輪郭形状推定装置1では、周囲長検出用の第一電極121及び第二電極131を用いて、測定対象部分の周囲長の輪郭形状の推定を行うか否かを決定することができる。測定対象部分の周囲長の輪郭形状の推定を行うか否かを決定するために別途電極を設ける必要がない点で、輪郭形状推定装置1の構成を簡単にすることができる。
これにより、輪郭形状推定装置1は、ベルト本体10が巻かれているか否か(針部16がいずれかのベルト穴12を通っている状態にあるか否か)を判定し、ベルト本体10が巻かれていないと判定した場合には、測定対象部分の輪郭形状の推定に加えて、測定対象部分の周囲長の検出も抑制することができる。これにより、輪郭形状推定装置1の電力消費をさらに抑制することができる。
部分判定部242は、部分形状推定部241が推定した部分形状が測定対象部分の全周の輪郭のうちどの部分の形状かを周囲長に基づいて判定する。
そして、全周形状推定部243は、部分判定部242の判定結果と、対象部分の全周の輪郭形状が線対称であるとの仮定とに基づいて、部分形状から測定対象部分の全周の輪郭形状を推定する。
これにより、輪郭形状推定装置1は、曲率センサ150が帯部11全体に配置されていなくても、測定対象部分の全周の輪郭形状を推定することができる。この点で、曲率センサ150の数を低減させることができ、輪郭形状推定装置1の構成を比較的簡単にすることができる。
図25は、本発明の第2の実施形態に係る輪郭形状推定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、輪郭形状推定装置2は、センサ部101と、処理部200とを備える。センサ部101は、第一シリアル通信部110と、電源部111と、電極切替部112と、第一電極121と、第一シールド部122と、第二電極131と、第二シールド部132と、インピーダンス指標測定部140と、曲率センサ150と、物理的作用検出部160とを備える。処理部200は、第二シリアル通信部210と、開始条件判定部220と、周囲長検出部230と、輪郭形状推定部240とを備える。開始条件判定部220は、インピーダンス判定部221を備える。輪郭形状推定部240は、部分形状推定部241と、部分判定部242と、全周形状推定部243とを備える。
輪郭形状推定装置2は、第一シールド部122と第二シールド部132とを備える点で輪郭形状推定装置1と異なる。
輪郭形状推定装置2におけるベルト本体10の構成、ベルト本体10におけるフレキシブル基板20と回路基板30との配置、第一電極121と第二電極131と曲率センサ150とコネクタ31との配置は、図1〜4を参照して説明したのと同様であり、ここでは図示及び説明を省略する。
具体的には、図26に示すように、第一電極121と第二電極131とが対向している場合に、第一シールド部122と第二シールド部132とで第一電極121および第二電極131を挟み込む位置に配置されている。図26のようにユーザから見て第一電極121の内側に第二電極131が位置する場合、各第一電極121の外側に第一電極121と対向して第一シールド部122が配置され、第二電極131の内側に第二電極131と対向して第二シールド部132が配置されている。
なお、ユーザから見て第一電極121の外側に第二電極131が位置する場合は、各第一電極121の内側に第一電極121と対向して第一シールド部122を配置し、第二電極131の外側に第二電極131と対向して第二シールド部132を配置する。
図27の例では、図7の場合と同様、電源部111からの交流電圧が第一電極121および第二電極131に印加されており、インピーダンス指標測定部140が、第一電極121の各々と第二電極131との間のインピーダンスを示す指標値を測定している。
なお、図27では、複数の第一電極121のうち、第二電極131と対向している第一電極121が示されている。他の第一電極121についても、図27に示すのと同様に、オペアンプ183と第一シールド部122とが設けられている。
第一シールド部122に第一電極121と同じ位相の電圧が印加されることで、第一シールド部122は第一電極121からの電磁場の流れを制限するアクティブシールドとして動作する。これにより、第一電極121からの電磁場は、第二電極131側(第一シールド部122と反対側)に流れるようになる。同様に、第二シールド部132に第二電極131と同じ位相の電圧が印加されることで、第二シールド部132は第二電極131からの電磁場の流れを制限するアクティブシールドとして動作する。これにより、第二電極131からの電磁場は、第一電極121側(第二シールド部132と反対側)に流れるようになる。
これにより、第一電極121及び第二電極131へのノイズの混入を低減させることができ、インピーダンス判定部221の判定精度の向上が期待される。また、周囲長検出部230による周囲長の検出精度の向上も期待される。
これにより、インピーダンス判定部221の判定精度の向上が期待される。また、周囲長検出部230による周囲長の検出精度の向上も期待される。特に、電源の電圧が比較的低い場合でも、インピーダンス判定部221は高精度に判定を行うことができる。また、電源の電圧が比較的低い場合でも、周囲長検出部230は、高精度に周囲長を検出することができる。
把握した検出電圧の変化をアンプ156にオフセットとして加えておくことで、曲率センサ150がより高精度に曲率を測定することができる。
これにより、想定している検出電圧と実際の検出電圧との相違を把握することができる。把握した検出電圧の変化をアンプ156にオフセットとして加えておくことで、曲率センサ150がより高精度に曲率を測定することができる。
図28は、針部16を第二電極131として用いる場合の電極の配置の例を示す説明図である。
図1〜図4を参照して説明したのと同様、図28の例でも、ベルト本体10は、帯部11と、化粧ケース13とリング14とバックル15とを含んで構成され、バックル15は針部16を有する。また、ベルト穴12の配置、フレキシブル基板20の配置、回路基板30の配置、及び、曲率センサ150の配置も、図1〜図4の場合と同様である。
図28の構成によれば、針部16を第二電極131として用いるので、第二電極131を別途設ける必要がない。図28の構成でも、第1の実施形態で上述したのと同様の効果を得られる。具体的には、上述したのと同様、針部16がベルト穴12を通っているか否かを判定することができる。また、針部16がベルト穴12のいずれかを通っている場合は、上述したのと同様、針部16がどのベルト穴12を通っているかを検出することができる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
10 ベルト本体
11 帯部
13 化粧ケース
14 リング
15 バックル
16 針部
20 フレキシブル基板
30 回路基板
31 コネクタ
100、101 センサ部
110 第一シリアル通信部
111 電源部
112 電極切替部
113 第一スイッチ
121 第一電極
122 第一シールド部
131 第二電極
132 第二シールド部
140 インピーダンス指標測定部
150 曲率センサ
160 物理的作用検出部
200 処理部
210 第二シリアル通信部
220 開始条件判定部
221 インピーダンス判定部
230 周囲長検出部
240 輪郭形状推定部
241 部分形状推定部
242 部分判定部
243 全周形状推定部
Claims (5)
- 測定対象物の測定対象部分に巻かれるベルト本体であって、帯部と、前記帯部のうち前記測定対象部分に巻かれた余りの部分を通すことで当該余りの部分が垂れ下がって邪魔になることを防止するためのリングとを備えるベルト本体と、
前記ベルト本体の長手方向に並んで複数設けられた第一電極と、
前記ベルト本体に設けられた第二電極と、
前記ベルト本体の長手方向に並んで複数設けられた曲率センサと、
前記帯部が前記リングに通されることによって、前記リングの内側に位置するスイッチが前記帯部に押されてONになることで、前記リングの内側の位置における押圧を検出する物理的作用検出部と、
前記第一電極のうち前記第二電極とのインピーダンスが所定のインピーダンス以下になっている第一電極の有無を判定するインピーダンス判定部と、
前記物理的作用検出部が前記押圧を検出し、かつ、前記インピーダンス判定部が、前記第二電極とのインピーダンスが所定のインピーダンス以下になっている前記第一電極ありと判定した場合、前記曲率センサのセンサ値に基づいて前記測定対象部分の輪郭形状を推定する輪郭形状推定部と、
前記第一電極と前記第二電極との間のインピーダンスが、2つの前記第二電極について、前記第二電極が前記第一電極から十分に離れている場合のインピーダンスよりも小さい場合、当該第二電極が前記第一電極から十分に離れている場合のインピーダンスから、前記第一電極と当該第二電極との間のインピーダンスを減算した差に、当該第二電極における周囲長を乗算した値の、当該2つの第二電極についての平均に基づいて前記測定対象部分の周囲長を検出する周囲長検出部と、
を備える輪郭形状推定装置。 - 前記周囲長検出部は、前記物理的作用検出部が前記押圧を検出し、かつ、前記インピーダンス判定部が、前記第二電極とのインピーダンスが所定のインピーダンス以下になっている前記第一電極ありと判定した場合、前記測定対象部分の周囲長を検出する、請求項1に記載の輪郭形状推定装置。
- 前記ベルト本体はバックルを備え、
前記輪郭形状推定部は、
前記測定対象部分の全周の輪郭のうち一部の形状を前記曲率センサのセンサ値に基づいて推定する部分形状推定部と、
前記一部の形状における前記バックルの位置と、前記バックルの位置から前記周囲長の半分だけ進んだ位置とを検出する部分判定部と、
前記一部の形状のうち前記バックルの位置から前記周囲長の半分だけ進んだ位置までの部分形状と、その部分形状を反転させた部分形状とをつなぎ合わせて、前記測定対象部分の全周の輪郭形状を推定する全周形状推定部と、
を備える請求項1または請求項2に記載の輪郭形状推定装置。 - 前記ベルト本体の表裏面側のうち、前記ベルト本体を基準にして複数の前記第一電極の各々の一方側に配置されて電磁波の流れを制限する第一シールド部と、
前記ベルト本体を基準にして前記第二電極の他方側に配置されて電磁波の流れを制限する第二シールド部と、
を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の輪郭形状推定装置。 - 複数の前記第一電極のうち少なくとも1つと前記第一シールド部とに同相の交流電圧を印加し、前記第二電極と前記第二シールド部とに同相の交流電圧を印加する電圧印加部を備える請求項4に記載の輪郭形状推定装置。
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