JP6871144B2 - 電動巻き上げ装置及び該装置を備えた移動体 - Google Patents

電動巻き上げ装置及び該装置を備えた移動体 Download PDF

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Description

本発明は、牽引部材を電動により巻き上げて(巻き取って)及び/又は繰り降ろして(繰り出して)対象物を昇降させるための電動巻き上げ装置及びこの電動巻き上げ装置を備えた移動体に関する。
電動モータの駆動力を利用して寝具、梱包類、仮設足場、建造物、漁労具等の対象物を所定位置まで巻き上げたり、降ろしたりする電動巻き上げ装置は従来から一般的に知られている。
また、魚釣用リールの技術分野でも、船釣り、特に深場の釣りにおいては、電動巻き上げ装置として電動リールが多く使用されている現状にある。
このような様々なタイプの電動巻き上げ装置は、一般に、電動モータの正回転によって牽引部材を回転体(例えば、ドラムやスプール)に巻き取るとともに、電動モータの逆回転によって牽引部材を回転体から繰り出すようになっており、例えば重機や各種建造物に装着され(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)、或いは、最近では、例えば特許文献3に開示されるように無人飛行機(ドローン)に装着して、荷物の搬送のみならず、例えば危険地帯への物資の運搬や調査等に活用しようとする試みもなされてきている。
特開2016−210607号 特開2017−88358号 特開2017−87898号
ところで、このような電動巻き上げ装置を移動体に装着する場合には、障害物に対する牽引部材の絡み(引掛かり)によって移動体が立ち往生してしまうという事態が生じ得る。
例えば、特許文献3に開示されるように電動巻き上げ装置がドローンに装着される場合には、飛行するドローンの電動巻き上げ装置から地上へと繰り降ろされた牽引部材が障害物である例えば木々や電柱等に絡まる(引掛かる)といった事態が生じる可能性があり、そのような事態が生じて、その事態を解消する手立てがない場合、ドローンはその場から移動できなくなる。その結果、ドローンが帰還できなくなり、或いは、電力供給が尽きてドローンが墜落する虞もある。
また、このような問題は、ドローンに限らず、電動巻き上げ装置が装着される移動体全般において生じ得る。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、特に移動体から繰り出す牽引部材が障害物に絡まった(引掛かった)状態となり、その状態を解消できない場合でも、その場から移動体が移動できる(離脱できる)ようにする電動巻き上げ装置及び該装置を備えた移動体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の電動巻き上げ装置は、牽引部材がその基端側から巻回される回転体と、正逆回転駆動することによって前記回転体を正逆回転させて前記回転体に対する前記牽引部材の巻き取り及び/又は繰り出しを行なう電動モータと、前記電動モータの駆動を制御する制御部とを備え、前記牽引部材は、牽引部材本体と、該牽引部材本体の基端側に接続されて前記牽引部材本体の破断張力よりも弱い張力で破断する破断部とを有し、前記制御部は、前記回転体からの前記牽引部材の繰り出しを前記牽引部材本体のみに制限するように前記電動モータの駆動を制御する第1の制御モードと、前記破断部で前記牽引部材を破断可能な操り出し量まで前記牽引部材を前記回転体から繰り出させるように前記電動モータの駆動を制御する第2の制御モードとを有することを特徴とする。
上記構成によれば、牽引部材が、牽引部材本体と、該牽引部材本体の基端側に接続されて牽引部材本体の破断張力よりも弱い張力で破断する破断部とを有して、その基端側から回転体に巻回され、また、制御部は、回転体からの牽引部材の繰り出しを牽引部材本体のみに制限する第1の制御モードと、破断部で牽引部材を破断可能な操り出し量まで牽引部材を回転体から繰り出させる第2の制御モードとを有するため、牽引部材の巻き取り及び繰り出しに支障を来さない通常の作動状態では、第1の制御モードで制御することによって牽引部材の繰り出しを牽引部材本体のみに制限することにより、牽引部材を破断させることなく正常な牽引部材の巻き取り及び/又は繰り出しを行なうことができるとともに、例えば回転体から繰り出される牽引部材が障害物に絡まった(引掛かった)状態となり、その状態を解消できない場合には、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えて、破断部で牽引部材を破断可能な操り出し量まで牽引部材を回転体から繰り出させることにより、破断部で牽引部材を破断させて、絡まった牽引部材を回転体から解放することができる。
これは、特に、電動巻き上げ装置がドローンなどの移動体に装着される場合に有益である。すなわち、移動体に装着された電動巻き上げ装置から繰り出される牽引部材が障害物である例えば木々や電柱等に絡まる(引掛かる)といった事態が生じて、その状態を解消する手立てがない場合には、移動体がその場から移動できなくなり、立ち往生することになるが、そのような場合に制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えれば、障害物に絡まった牽引部材を回転体から解放して、移動体をその場から移動させる(離脱させる)ことができるようになる。
なお、上記構成では、破断部が牽引部材の基端を形成して回転体に対して離脱可能に接続されるとともに、破断部と接続される牽引部材本体の接続部位が、牽引部材を回転体に対して摩擦力で保持するための遷移部として形成され、また、制御部が、第1の制御モードにおいて、回転体からの牽引部材の繰り出しを遷移部を除く牽引部材本体の部位のみに制限することが好ましい。このような構成によれば、回転体に対する牽引部材の巻回状態を遷移部によって確実に保持して、第1の制御モードでの牽引部材の確実な巻き取り及び/又は繰り出し動作を確保できる。
また、上記構成では、回転体から繰り出される牽引部材の部位が牽引部材本体であるか否かを検出するための検出部を更に設け、制御部は、検出部からの検出信号に基づいて各制御モードで電動モータを制御することが好ましい。このような構成によれば、第1の制御モードで繰り出しを牽引部材本体のみに正確に制限でき(通常の使用時における牽引部材の破断を回避でき)、各制御モードを正確に実行できる。
また、上記構成において、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換わる切り換えタイミングは、様々に考えられる。例えば、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるためのモード切り換え信号を入力するための入力部を設け、モード切り換え信号に基づいて制御部が第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えてもよい。この場合には、例えば入力部を操作するオペレータの状況に応じた柔軟な判断によって第1の制御モードから第2の制御モードへの切り換えを行なうことができる。また、牽引部材の張力を検知するための張力検知部を設け、張力検知部により検知される張力が所定の閾値を超えると、制御部が第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えてもよい。この場合には、制御モードの切り換えを自動化できる。更に、電動巻き上げ装置が移動体に取り付けられる場合には、移動体の挙動を監視する監視部(例えば、監視カメラを含む監視部)からのトリガ信号に基づいて制御部が第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えてもよい。この場合には、監視部によって現状を正確に把握でき、その正確な情報に基づいて第1の制御モードから第2の制御モードへの切り換えを行なうことができるため、不用意な牽引部材の破断も防止できる。
なお、上記構成の電動巻き上げ装置は、寝具、梱包類、仮設足場、建造物、漁労具等の対象物を所定位置まで巻き上げたり、降ろしたりするために使用できるほか、魚釣用の電動リールとして使用することもでき、更には、ドローンに搭載してドローンから荷物を降ろし或いは上空のドローンへと荷物を巻き上げるなど、その適用分野は限定されない。
また、本発明は、上記構成の電動巻き上げ装置を備えた移動体も提供する。
本発明によれば、特に移動体から繰り出す牽引部材が障害物に絡まった(引掛かった)状態となり、その状態を解消できない場合でも、その場から移動体が移動できる(離脱できる)ようにする電動巻き上げ装置及び該装置を備えた移動体が得られる。
本発明の一実施形態に係る電動巻き上げ装置の一例を示す概略的な斜視図である。 図1の電動巻き上げ装置のブロック図である。 図1の電動巻き上げ装置を構成する回転体及び該回転体に巻回される牽引部材を示す正面図である。 図1の電動巻き上げ装置を装着可能な移動体の一例としてのドローンの斜視図である。 図4の構成に基づく制御部による制御動作を示すフローチャートである。 ドローンから繰り降ろされる牽引部材が木に引掛かった状態を示す概略図である。 第1の変形例に係る電動巻き上げ装置のブロック図である。 図7の構成に基づく制御部による制御動作を示すフローチャートである。 第2の変形例に係る電動巻き上げ装置のブロック図である。 図9の構成に基づく制御部による制御動作を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る電動巻き上げ装置の一実施形態について具体的に説明する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る電動巻き上げ装置1は、電動モータ2と、電動モータ2の正逆回転駆動によって正逆回転されて巻き上げ対象物を牽引するための牽引部材22を巻き取る及び/又は繰り出す筒状の回転体4と、回転体4を収容保持するハウジング6とを備える。この場合、回転体4は、軸受(図示せず)を介してハウジング6に回転可能に支持され、また、電動モータ2は、例えばモータハウジングに収容された状態で筒状の回転体4の内側に回転不能に支持固定されてもよく、好ましくはハウジング6に取り外し可能に装着される電源Pによって給電される。
なお、牽引部材22としては、電動巻き上げ装置1の用途に応じて、ワイヤ、チェーン、ロープ、釣糸等を挙げることができる。また、回転体4は、例えば電動巻き上げ装置1が魚釣用電動リールとして使用される場合には、釣糸が巻回されるスプールに対応する。
また、電動モータ2及び回転体4は、動力伝達機構(動力伝達経路)10によって互いに動力伝達可能に連結されている。この場合、動力伝達機構10は、電動モータ2の回転を回転体4側に伝達するが回転体4の回転を電動モータ2側に伝達しない双方向クラッチを有してもよく、また、電動モータ2からの動力を減速して回転体4に伝える減速機構を備えてもよい。
なお、本実施形態に係る電動巻き上げ装置1には、回転体4に対して牽引部材を平行に巻回するためのレベルワインド装置40が設けられる。このレベルワインド装置40は、電動モータ2が回転駆動されると、それに連動して、回転体4から繰り出される牽引部材22を挿通する案内体42が左右に往復移動するよう構成されており、牽引部材22の巻き取り動作に伴って、回転体4に対して牽引部材22を均等に巻回する機能を有する。
なお、本実施形態において、回転体4に巻回される牽引部材22は、図3に示されるように、その基端側から回転体4に巻回されるとともに、通常使用される部分である牽引部材本体22aと、該牽引部材本体22aの基端側に接続されて牽引部材本体22aの破断張力(牽引部材22が破断される際の張力;例えば60kgf)よりも弱い張力(例えば0.5kgf)で破断する破断部22bとを有する。この場合、破断部22bは、牽引部材22の基端を形成するとともに、回転体4に対して離脱可能に接続される。具体的には、例えば、破断部22bは、牽引部材本体22aの破断張力よりも弱い力で剥がれる接着テープによって回転体4に接続される、又は、牽引部材本体22aよりも直径が細い糸或いは強度の低い材質を使った糸等、牽引部材22aよりも弱い破断張力を持つ糸によって回転体4に接続される。
また、本実施形態において、破断部22bと接続される牽引部材本体22aの接続部位は、牽引部材22を回転体4に対して摩擦力で保持するための遷移部22cとして形成される。この場合、遷移部22cは、牽引部材本体22aそれ自体により形成されてもよく、又は、牽引部材本体22aと材質や強度等が異なる素材から形成されてもよく、牽引部材22を回転体4に対して摩擦力で保持するために例えば回転体4に対して少なくとも3回転以上巻回される程度の長さを有することが好ましい。
遷移部22cの必要長さは、回転体4と牽引部材22との摩擦係数μ、牽引部材本体22aの破断強度T1、及び、切断部22bの破断強度T2により変化する。牽引部材22の巻き角をθとすると、オイラーのベルト理論により、T1>T2exp(μθ)のときに、切断部22bではなく牽引部材本体22a側が破断する。仮にμを0.2、T1を10kgf、T2を1kgfとすると、切断部22b側の方が切れ易くなるのはθが1.84回以下の巻き数になったときであり、余裕を見込んで3回転以上巻いていれば、大負荷を受けたときも切断部22b側が切れることは無く、牽引部材本体22aの本来の強度を損なうことは無い。また、遷移部22cを放出させ、切断部22bが露出した状態では、移動体を移動させる等の切断部22bに張力がかかる操作を行なうことにより、弱い力で切断部22bを切断することができる。
また、図2に示されるように、本実施形態に係る電動巻き上げ装置1は、回転体4から繰り出される牽引部材22の部位が牽引部材本体22aであるか否かを検出するための検出部20と、牽引部材22の張力を検知するための張力検知部21と、電動モータ2の駆動を制御する制御部18とを有する制御装置15を更に備える。この場合、検出部20は、例えば、回転体4に取り付けた磁石と、その磁石に対向させるようにハウジング6に取り付けた磁気検出手段とによって構成され、その検知信号のカウント値から公知の手段により牽引部材22の放出距離を算出することによって回転体4から繰り出される牽引部材22の部位が牽引部材本体22aであるか否かを検出する。或いは、回転体4にマイクロスイッチ等の接触スイッチを設け、巻き取り状態では遷移部22cがマイクロスイッチを押す状態に、放出状態ではマイクロスイッチから離れる状態にすることでもよい。また、張力検知部21としては、例えば、張力を受ける部材のひずみを電気抵抗の変化に変換するひずみゲージを利用したものが挙げられる。その他、張力を受ける部材にかかる圧力を電圧に変換することによって検出する圧電素子を利用したものや、線形ばねと張力との釣り合いの位置を位置センサによって検出する方式、強磁性材料に張力を働かせた際に発生する磁歪効果による透磁率変化を検出する磁歪式センサを利用したもの等が考えられる。
また、制御部18は、回転体4からの牽引部材22の繰り出しを牽引部材本体22aのみに制限するように電動モータ2の駆動を制御する第1の制御モードと、破断部22bで牽引部材22を破断可能な操り出し量まで牽引部材22を回転体4から繰り出させるように電動モータ2の駆動を制御する第2の制御モードとを有しており、回転体4から繰り出される牽引部材22の部位が牽引部材本体22aであるか否かを検出する検出部20からの検出信号に基づいて各制御モードで電動モータ2を制御するとともに、張力検知部21により検知される張力が所定の閾値を超えると、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるようになっている。そして、特に本実施形態において、制御部18は、第1の制御モードにおいて、回転体4からの牽引部材22の繰り出しを遷移部22cを除く牽引部材本体22aの部位のみに制限するようになっている。
次に、図5を参照して、上記構成の電動巻き上げ装置1の特徴的な作用について説明する。特に、以下では、電動巻き上げ装置1が図4に示される移動体としてのドローン500に装着される場合に関連して、その作用を説明する。
ここで、ドローンは、図4に示される例では、中央の本体部100から放射状に延びる4つのフレーム部(筐体)200を有しており、各フレーム部200の先端には駆動部300が装着される。この場合、本体部100は、例えばバッテリ、制御部、通信部(信号送受信部)、センサ、カメラ等(全て図示せず)を備える。また、駆動部300は、駆動モータが収容されるモータハウジング51と、駆動モータにより回転駆動されるプロペラ30とを有する。
このようなドローン500の例えば本体部100に電動巻き上げ装置1が装着された状態で、ドローン500が飛行して目的場所に到達し、所定の作業、例えば荷揚げ又は荷卸し作業を行なう際には、その目的場所で、電動巻き上げ装置1により回転体4に対して牽引部材22が繰り出され及び/又は巻き取られる。この場合、制御部18は、検出部20からの検出信号により、回転体4から繰り出されている牽引部材22の部位が牽引部材本体22aであるか否かをリアルタイムで常時把握しているとともに、張力検知部21により検知される張力が所定の閾値を超えるか否かもリアルタイムで常時把握している(図5のステップS1)。そして、制御部18は、張力検知部21により検知される張力が事前に設定された所定の閾値(状況に応じてオペレータが逐次設定できるようにすることが好ましい)を超えない場合(ステップS1の判断がNOの場合)、すなわち、牽引部材22が障害なく繰り出され及び/又は巻き取られる正常な作動状態では、常に第1の制御モードで電動モータ2の駆動を制御する(図4のステップS2)。具体的には、制御部18は、回転体4からの牽引部材22の繰り出しを牽引部材本体22aのみ(本実施形態では、遷移部22cを除く牽引部材本体22aの部位のみ)に制限する。
しかしながら、図6に示されるようにドローン500に装着された電動巻き上げ装置1から繰り出される牽引部材22が木々や電柱等の障害物150に絡まり(引掛かり)、その絡まった状態を解消する手立てがなくなると、具体的には、張力検知部21により検知される張力が前述の所定の閾値を超える(ステップS1の判断がYESの場合)と、更には随意的に、閾値を超えた状態が所定時間継続すると、制御部18は、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換える(図4のステップS3)。これにより、破断部22bで牽引部材22を破断可能な操り出し量まで牽引部材22が回転体4から繰り出される。そして、遷移部22cが回転体4から繰り出され始めて、遷移部22cの巻回摩擦力により牽引部材22を回転体4に保持し得なくなると、或いは、破断部22bが回転体4から繰り出され始めると、その繰り出し時に牽引部材22に作用している張力によって破断部22bと回転体4との接続状態が解除され、破断部22bが回転体4から離脱し、障害物150に絡まった牽引部材22が回転体4から解放される(図4のステップS4)。したがって、ドローン500は、その場で立ち往生することなく、その場から移動(離脱)して、目的地に戻ることができる(図6には、牽引部材22が破断部22bで破断された状態が示されている)。
以上説明したように、本実施形態の電動巻き上げ装置1によれば、牽引部材22が、牽引部材本体22aと、該牽引部材本体22aの基端側に接続されて牽引部材本体22aの破断張力よりも弱い張力で破断する破断部22bとを有して、その基端側から回転体4に巻回され、また、制御部18は、回転体4からの牽引部材22の繰り出しを牽引部材本体22aのみに制限する第1の制御モードと、破断部22bで牽引部材22を破断可能な操り出し量まで牽引部材22を回転体4から繰り出させる第2の制御モードとを有するため、牽引部材22の巻き取り及び繰り出しに支障を来さない通常の作動状態では、第1の制御モードで制御することによって牽引部材22の繰り出しを牽引部材本体22aのみに制限することにより、牽引部材22を破断させることなく正常な牽引部材22の巻き取り及び/又は繰り出しを行なうことができるとともに、例えば回転体4から繰り出される牽引部材22が障害物150に絡まった(引掛かった)状態となり、その状態を解消できない場合には、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えて、破断部22bで牽引部材22を破断可能な操り出し量まで牽引部材22を回転体4から繰り出させることにより、破断部22bで牽引部材22を破断させて、絡まった牽引部材22を回転体4から解放することができる。したがって、本実施形態のように電動巻き上げ装置1がドローン500に装着される場合において、障害物150に牽引部材22が絡まっても、ドローン500をその場で立ち往生させることなく、絡まった牽引部材22を回転体4から解放して、ドローン500をその場から移動させる(離脱させる)ことができる。
また、本実施形態では、破断部22bが牽引部材22の基端を形成して回転体4に対して離脱可能に接続されるとともに、破断部22bと接続される牽引部材本体22aの接続部位が、牽引部材22を回転体4に対して摩擦力で保持するための遷移部22cとして形成され、また、制御部18が、第1の制御モードにおいて、回転体4からの牽引部材22の繰り出しを遷移部22cを除く牽引部材本体22aの部位のみに制限するため、回転体4に対する牽引部材22の巻回状態を遷移部22cによって確実に保持して、第1の制御モードでの牽引部材22の確実な巻き取り及び/又は繰り出し動作を確保できる。
また、本実施形態では、回転体4から繰り出される牽引部材22の部位が牽引部材本体22aであるか否かを検出するための検出部20が設けられ、制御部18は、検出部20からの検出信号に基づいて各制御モードで電動モータ2を制御するため、第1の制御モードで繰り出しを牽引部材本体22aのみに正確に制限でき(通常の使用時における牽引部材22の破断を回避でき)、各制御モードを正確に実行できる。
また、本実施形態では、牽引部材22の張力を検知するための張力検知部21が設けられ、張力検知部21により検知される張力が所定の閾値を超えると、制御部18が第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるようになっているため、制御モードの切り換えを自動化できる。すなわち、牽引部材22が障害物150に絡まった(引掛かった)状態となり、その状態を解消できない場合には、破断部22bで牽引部材22が自動的に破断されて、絡まった牽引部材22が回転体4から自動的に解放される。
なお、第1の制御モードから第2の制御モードへの切り換えは、以上のように張力検知部21により検知される張力に基づいて行なう以外に、ドローン用プロペラ駆動モーター等の移動用電動機/原動機の出力や、電動巻き上げ装置1の巻き取り操作に対する、ドローン等の移動体の実際の移動量の関係を調べても可能である。牽引部材22が障害物150に絡まった際、移動体の移動が阻害される。移動体の牽引力が牽引部材22の破断力を上回れない場合、移動体は絡まった点を中心として、牽引部材22の放出距離外への移動が不可能となる。移動体の緯度、経度、高度と、移動体の出力を検出することにより、牽引部材22の障害物150への絡まりを判断でき、このときに第2の制御モードへの切り換えを行なう。また、切り換えを自動で行なう以外に、オペレータにより手動で行なうこともできる。そのような第1の変形例が図7に示される。この変形例では、図示のように、制御装置15が、張力検知部21に代えて、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるためのモード切り換え信号を入力するためのモード入力部23を備える。このモード入力部23は、例えば、電動巻き上げ装置本体1に設けられたモード操作スイッチから成ってもよいが、電動巻き上げ装置1と別体に構成された操作部(例えばドローン500を地上でオペレータが操作するための操作部)に設けられるモード操作スイッチから成ってもよく、その場合には、操作部と電動巻き上げ装置1とが無線通信されても良い。また、スイッチ操作のみならず、音声入力やモーション入力等、公知の入力方法を利用できる。
また、この第1の変形例において、制御部18は、モード入力部23からのモード切り換え信号に基づいて第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるようになっている。したがって、この第1の変形例の場合の制御動作は、図5に示されるステップS1が図8に示されるようなステップS1’に置き換えられるにすぎない。すなわち、制御部18は、モード入力部23からモード切り換え信号が入力されたか否かをチェックし(図8のステップS1’)、モード切り換え信号が入力されなければ(ステップS1’の判断がNOの場合)、常に第1の制御モードで電動モータ2の駆動を制御している。
しかしながら、図6に示されるようにドローン500に装着された電動巻き上げ装置1から繰り出される牽引部材22が木々や電柱等の障害物150に絡まり(引掛かり)、その絡まった状態を解消する手立てがないとオペレータが判断して、オペレータがモード入力部23を介してモード切り換え信号を入力する(ステップS1’の判断がYESの場合)と、制御部18は、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換える(図8のステップS3)。以降は、前述した実施形態と同様である。
このように、この第1の変形例によれば、モード切り換え信号を入力するためのモード入力部23が設けられ、モード入力部23からのモード切り換え信号に基づいて制御部18が第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるようになっているため、モード入力部23を操作するオペレータの状況に応じた柔軟な判断によって第1の制御モードから第2の制御モードへの切り換えを行なうことができる。
図9及び図10は第2の変形例を示している。図示のように、この第2の変形例では、図9に示されるように、制御装置15が、第1の変形例のモード入力部23に代えて、移動体(前述の実施形態では、ドローン500)の挙動を監視する監視部24を備え、この監視部24からのトリガ信号に基づいて制御部18が第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換えるようになっている。この場合、監視部24としては、例えば、牽引部材22の巻き取り及び/又は繰り出しの状況を常時撮影している監視カメラ等を挙げることができる。トリガ信号が入力されるタイミンとしては、例えば、糸が絡まった際に出現する特徴的な画像パターンをデータベース上に記憶させ、その画像パターンを検出した際にトリガ信号が入力されるようにする。なお、この第2の変形例において、監視部24は、電動巻き上げ装置1(制御装置15)に設けられるが、移動体(ドローン500)に設けられても構わない。その場合には、監視部24から無線通信によってトリガ信号が制御部18に入力される。
このような構成の第2の変形例の制御動作は、図8に示されるステップS1’が図10に示されるようなステップS1”に置き換えられるにすぎない。すなわち、制御部18は、監視部24からトリガ信号が入力されたか否かをチェックし(図10のステップS1“)、トリガ信号が入力されなければ(ステップS1“の判断がNOの場合)、常に第1の制御モードで電動モータ2の駆動を制御している。
しかしながら、図6に示されるようにドローン500に装着された電動巻き上げ装置1から繰り出される牽引部材22が木々や電柱等の障害物150に絡まり(引掛かり)、監視部24で監視されるその状況が所定の判断基準に照らして第2の制御モードへ移行すべき状況である場合には、監視部24から自動的にトリガ信号が制御部18に入力され(ステップS1”の判断がYESの場合)、それにより、制御部18は、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードへ切り換える(図10のステップS3)。以降は、前述した実施形態と同様である。
このように、この第2の変形例によれば、監視部24によって現状を正確に把握でき、その正確な情報に基づいて第1の制御モードから第2の制御モードへの切り換えを行なうことができるため、不用意な牽引部材の破断も防止できる。
なお、他の変形例として、監視部24と共に第1の変形例のモード入力部23を設け、監視部24を通じて監視するオペレータがモード入力部23からモード切り換え信号を入力してもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は、前述した実施形態に限定される、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施形態において、張力検知部、モード入力部、監視部の構造形態は任意に設定でき、また、制御装置15は、電動巻き上げ装置1と一体であっても或いは別体であってもよい。また、前述した実施形態では、電動巻き上げ装置1がドローン500に適用されたが、本発明の電動巻き上げ装置1は、移動体を含む様々な物体に装着して適用でき、例えば、寝具、梱包類、仮設足場、建造物、漁労具等の対象物を所定位置まで巻き上げたり、降ろしたりするために使用できるほか、魚釣用の電動リールとして使用することもできる。また、前述した実施形態では、破断部が牽引部材の基端を形成しているが、破断部が牽引部材の基端を形成せず途中部分を形成しても構わない。要は、第2の制御モードで牽引部材を破断部で破断できれば、牽引部材における破断部の位置は基端に限定されない。
1 電動巻き上げ装置
2 電動モータ
4 回転体
15 制御装置
18 制御部
20 検出部
21 張力検知部
22 牽引部材
22a 牽引部材本体
22b 破断部
22c 遷移部
23 モード入力部(入力部)
24 監視部
500 ドローン(移動体)

Claims (7)

  1. 牽引部材がその基端側から巻回される回転体と、
    正逆回転駆動することによって前記回転体を正逆回転させて前記回転体に対する前記牽引部材の巻き取り及び/又は繰り出しを行なう電動モータと、
    前記電動モータの駆動を制御する制御部と、
    を備え、
    前記牽引部材は、牽引部材本体と、該牽引部材本体の基端側に接続されて前記牽引部材本体の破断張力よりも弱い張力で破断する破断部とを有し、
    前記制御部は、前記回転体からの前記牽引部材の繰り出しを前記牽引部材本体のみに制限するように前記電動モータの駆動を制御する第1の制御モードと、前記破断部で前記牽引部材を破断可能な操り出し量まで前記牽引部材を前記回転体から繰り出させるように前記電動モータの駆動を制御する第2の制御モードとを有することを特徴とする電動巻き上げ装置。
  2. 前記破断部が前記牽引部材の基端を形成するとともに前記回転体に対して離脱可能に接続され、
    前記破断部と接続される前記牽引部材本体の接続部位は、前記牽引部材を前記回転体に対して摩擦力で保持するための遷移部として形成され、
    前記制御部は、前記第1の制御モードにおいて、前記回転体からの前記牽引部材の繰り出しを前記遷移部を除く前記牽引部材本体の部位のみに制限することを特徴とする請求項1に記載の電動巻き上げ装置。
  3. 前記回転体から繰り出される前記牽引部材の部位が前記牽引部材本体であるか否かを検出するための検出部を更に有し、前記制御部は、前記検出部からの検出信号に基づいて前記各制御モードで前記電動モータを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動巻き上げ装置。
  4. 前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへ切り換えるためのモード切り換え信号を入力するための入力部を更に備え、前記制御部は、前記モード切り換え信号に基づいて前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへ切り換えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動巻き上げ装置。
  5. 前記牽引部材の張力を検知するための張力検知部を有し、前記制御部は、前記張力検知部により検知される張力が所定の閾値を超えると、前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへ切り換えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動巻き上げ装置。
  6. 電動巻き上げ装置が移動体に取り付けられ、前記制御部は、前記移動体の挙動を監視する監視部からのトリガ信号に基づいて前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへ切り換えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動巻き上げ装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の電動巻き上げ装置を備えた移動体。
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