JP6869729B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は放射線測定装置に関し、特に電離箱の構造に関する。
放射線検出方式として各種の方式が知られている。電離箱方式は電離箱を利用して放射線を検出する方式である。電離箱を備えた可搬型サーベイメータ、電離箱を備えた固定設置型のエリアモニタ及びダストモニタ等が実用化されている。γ線(X線を含む)とβ線を測定可能な電離箱も知られている。そのような電離箱においては、容器の一部がβ線透過性をもった膜状の部材で構成され、その部材がβ線入射窓として機能する。γ線測定時にはβ線入射窓が蓋によって覆われ、β線測定時にはその蓋が取り外される。電離箱においては、容器電極と集電極との間に高電圧が印加される。その内部は通常、気密空間とされている。
特開平8−146140号公報
β線入射窓を備えた電離箱の場合、内部空間の圧力(内圧)と外部空間の圧力(気圧)との間の圧力差によって、β線入射窓が変形する。これにより、β線入射窓の破損、β線入射窓の内面に形成された導電層の剥離又は破損等の問題が生じる。導電層の剥離まで至らないとしても、導電層と集電極との空間的な変化により、電離箱の電気的特性が変化してしまうという問題も生じる。
これに対し、β線入射窓を除去して開放型の構成を採用することも可能であるが、そのような構成では、異物の侵入、特に、水滴等の侵入が問題となる。電離箱を構成する容器電極と集電極との間には高電圧が印加されているので、絶縁物でのリーク電流発生等、絶縁性の低下を防止することが大切である。以上あげた問題は、β線入射窓を有する電離箱の他、筐体の全部又は一部が変形性を有する材料で構成されている電離箱においても指摘され得る。
特許文献1には、厚さ計測において利用される電離箱が開示されている。電離箱容器の一部が入射窓を構成しており、それは金属箔によって構成されている。金属箔の前方には多孔体が設けられている。それは金属箔の外側への膨らみを抑えて、金属箔の破損を防止するためのものである。多孔体に形成された各孔は液滴等が通過可能な程の大きなサイズを有している。なお、局所汚染箇所を特定可能な電離箱方式のサーベイメータの実現が要望されている。
本発明の目的は、電離箱において、絶縁性の低下を防止しつつ電離箱内外での圧力差を解消することにある。あるいは、本発明の目的は、機能性に優れた電離箱を実現することにある。
本発明に係る放射線測定装置は、中空の電離箱と、前記電離箱に設けられ、前記電離箱の内部空間と外部空間とを仕切る部材であって、空気の通過を許容し且つ水の進入を制限する選択透過部材と、を含むことを特徴とするものである。
上記構成において、電離箱には内部空間と外部空間とを仕切るように選択透過部材が設けられている。選択透過部材は空気の通過を許容するものであるから、内部空間の圧力が外部空間の圧力と同じになる。これにより内部空間を囲んでいる部材(容器)の変形及びその変形に起因する問題の発生を防止できる。選択透過部材は水の侵入を制限する防水機能を有するので、電離箱の内部に水滴や水微粒子等が侵入することにより生じる絶縁性低下を回避できる。選択透過部材は内部空間への塵等の異物の侵入も阻止する。
実施形態において、前記電離箱は前記内部空間を画定する容器を有し、前記容器は前記内部空間と前記外部空間とを連通させる通気口を有し、前記選択透過部材は前記通気口を塞ぐように設けられている多孔質部材である。多孔質部材は多数の微細孔を有し、個々の微細孔のサイズを調整することにより、所望の選択透過性が発揮される。空気を通過し且つ液体としての水を通過させないように、各微細孔のサイズが定められる。変形例として、多孔質部材に代えて通気性及び撥水性を有する部材を利用することも考えられる。容器が筐体と放射線入射窓で構成される場合、通気口は筐体及び放射線入射窓の一方又は両方に設けられる。放射線入射窓に通気口を設ける場合、柔軟性を有する多孔質膜により通気口を塞ぐのが望ましい。放射線入射窓は、例えば、β線入射窓、α線入射窓である。
実施形態において、前記電離箱は前記容器の内面に形成された導電層を有し、前記多孔質部材の内面の全部又は一部が前記内部空間に露出している。電離箱の筐体が絶縁部材で構成される場合、筐体の内面に導電層が形成され、その導電層が集電極を囲む周囲電極として機能する。導電層が塗膜として構成されてもよい。多孔質部材の内面における全部又は一部が内部空間へ露出した領域であり、つまり導電層が形成されていない領域である。その露出領域において多孔質部材の本来的機能が発揮される。
実施形態において、当該放射線測定装置はγ線及びβ線を測定可能な装置であり、前記容器はβ線入射窓を含み、前記β線入射窓は、窓部材及びその内面に形成された導電層を有する通常感度領域と、前記通気口及び前記多孔質部材を有する高感度領域と、を有し、前記通常感度領域におけるβ線減弱作用よりも前記高感度領域におけるβ線減弱作用の方が小さい。この構成によれば、例えば、対象物表面上に点汚染源が存在している場合、β入射窓を対象物表面に近付けながら電離箱を走査すると、点汚染源の正面に高感度領域が近接した時点で測定値が極大となる。測定値の変化から点汚染源の位置を特定することが可能となる。実施形態において、前記窓部材の中央に前記通気口が形成されている。
実施形態において、前記β線入射窓の外面には前記高感度領域を識別するための手段が設けられている。この構成によれば、高感度領域を視覚的に特定することが可能となる。識別するための処理として、マーカー印刷、着色処理、等があげられる。窓部材を構成する材料と多孔質部材を構成する材料とが異なる色を有する場合、その色の違いが識別手段として機能する。
実施形態に係る放射線測定装置は、更に、前記電離箱に隣接して設けられた構造体と、前記構造体の内部に配置され、前記電離箱に対して高電圧を供給する電源回路と、前記構造体の内部に配置され、前記電離箱からの電離電流を観測するエレクトロメータ回路と、を含み、前記構造体の内部の全部又は一部が前記電源回路及び前記エレクトロメータ回路を有する気密空間である。電源回路には、電源を構成する電子回路、配線、電極端等の少なくとも1つが含まれる。気密空間内に更に他の構成が収容されてもよい。気密空間によれば水は侵入せず、低湿度状態又は乾燥状態を維持して結露を防止できる。上記放射線測定装置はサーベイメータ等の可搬型装置又はエリアモニタ、ダストモニタ等の固定設置型装置として構成され得る。
本発明によれば、電離箱において、絶縁性の低下を防止しつつ電離箱内外での圧力差を解消できるので、圧力差を原因とする容器破損等の問題が生じない。あるいは、本発明によれば、機能性に優れた実用性の高い電離箱が提供できる。
本発明に係る放射線測定装置の第1実施形態を示す第1の斜視図である。 第1実施形態を示す第2の斜視図である。 第1実施形態を示す第3の斜視図である。 第1実施形態の概略的な断面図である。 圧力差に起因して生じるβ線入射窓の変形を示す図である。 第1実施形態の断面図である。 多孔質膜の機能を示す図である。 第2実施形態を示す図である。 第3実施形態を示す図である。 第4実施形態を示す図である。 第5実施形態を示す図である。 第6実施形態を示す図である。 第7実施形態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る放射線測定装置の第1実施形態が示されている。この放射線測定装置は、環境中の放射線、対象物からの放射線等を検出する可搬型放射線測定装置であり、具体的には、電離箱方式のサーベイメータである。検出対象となる放射線はγ線(X線を含む)及びβ線である。他の放射線が検出されてもよい。
図1において、サーベイメータは、電離箱としての検出部10と、それに連なる計測部12と、を有している。計測部12は、検出部10の一方端に連なった肥大部である。計測部12は表示部及び操作部を備えている。視認性及び操作性の観点から、計測部12の表示面(及び操作面)は、検出部10の中心軸(円筒軸)に対して直交しておらず、斜面として構成されている。計測部12の内部には、演算回路、表示回路、制御回路、電源回路、バッテリ(電池)等が設けられている。
検出部10は、内部空間を取り囲むつまり内部空間を画定する容器14を有している。容器14は内部空間と外部空間とを仕切る隔壁として機能する。容器14は円筒形状を有しており、それは筐体16とβ線入射窓18とからなる。γ線の透過力は大きく、γ線は容器14を容易に透過し、内部空間へ到達する。一方、β線の透過力は小さい。β線検出時には後に示すキャップが取り外され、β線入射窓18が露出した状態が形成される。β線入射窓18が対象物表面に近付けられ、その状態でβ線が検出される。
第1実施形態においては、β線入射窓18の中央に通気口が形成されており、その通気口が選択透過部材としての多孔質膜20によって塞がれている。多孔質膜20は、空気の通過を許容し且つ水分の通過を阻止する材料により構成されたシート状の部材である。つまり、多孔質膜20は通気性と防水性とを兼ね備えている。これにより、容器14の内部空間への雨滴等の侵入を防止しつつ、内部空間の圧力を外部空間の圧力と自然に均衡させることが可能となっている。これにより、圧力差に起因するβ線検出窓の変形及びその変形に伴う各種の問題が解消される。
図2には、γ線測定時の状態が示されている。検出部10におけるβ線入射窓はキャップ22により覆われている。キャップ22はβ線を遮蔽する樹脂等からなり、例えば筐体と同じ材料且つ同じ厚みで構成される。
図3には、計測部12が示されている。計測部12は、操作部24と表示部26とを有する。操作部24は複数のボタンを有する。表示部26はLCD等により構成されている。表示部26には、測定結果として、線量当量率(Sv/h)、積算線量(Sv)等が表示される。
図4は、サーベイメータの概略的な断面図である。既に説明したように、サーベイメータは、電離箱を構成する検出部10と、計測部12と、からなる。検出部10は筒状の容器14を有し、容器14は筐体16とβ線入射窓18とからなる。筐体16は絶縁性をもった樹脂により構成され、それは筒状壁16Aと底壁16Bとからなる。その樹脂としてABS樹脂等があげられる。その厚みは例えば3mmである。容器14の内部には棒状の集電極28が配置されている。集電極28は絶縁部材36を介して底壁16Bに固定されている。
β線入射窓18は窓部材32を有し、その中央には通気口34が形成されている。窓部材32は、例えば、ポリカーボネートシートにより構成され、その直径は例えば8cmであり、その厚みは例えば0.1mmである。導電層30は、筒状壁16Aの内面に形成された部分30Aと、底壁16Bの内面に形成された部分30Bと、窓部材32の内面に形成された部分30C(以下「導電層30C」ともいう。)と、により構成される。導電層30の厚みは、例えば5μmである。実施形態において、導電層30は塗膜であり、それは接着剤及びカーボンを含む材料で構成されている。導電層30が内部空間の全体を囲っており、それが周囲電極として機能する。導電層30と集電極28との間に高電圧が印加される。符号38は導電層30への電気的な接続を行うための端子部材を表している。
通気口34は選択透過部材としての多孔質膜20によって覆われている。通気口34は例えば円形であり、その直径は数mmから数cmの範囲内において定められ、例えば5mmである。多孔質膜20は円形であり、その直径は通気口34の直径よりもやや大きい。例えば、通気口34の直径が5mmであり、その周囲のリング状接着領域の幅を2mmとした場合、多孔質膜20の直径は9mmとなる。接着領域では気密性が確保される。このように、多孔質膜20は窓部材32の外側において接着剤によって固定されている。多孔質膜20の内面、具体的には通気口34内に臨む部分には接着層及び導電層が形成されておらず、その部分は露出領域であり、内部空間に臨んでいる。
多孔質膜20は多孔性をもった樹脂により構成され、例えば、四ふっ化エチレン樹脂により構成される。その厚みは例えば0.1mmである。多孔質膜20には多数の微細孔が形成されている。個々の孔の直径は例えば0.1〜10μmの範囲内にあり、望ましくは0.6μmである。酸素分子や窒素分子を通過させ、且つ、水微粒子を通過させないように、孔のサイズが定められる。ちなみに、液体としての水微粒子のサイズは例えば100から3000μmである。
以上あげた各数値はいずれも例示である。多孔質膜20における孔径、面積、厚み等の調整により、その選択透過性を調整できる。なお、多孔質膜20を酸素分子、窒素分子等と同様に水蒸気が通過してしまい、容器14内における結露が問題となる場合、除湿剤の導入等の手段を採用してもよい。
容器14に通気口34を形成し、それを多孔質膜20で塞いだので、つまり、内部空間と外部空間とを仕切るように多孔質膜20を設けたので、その通気性から、電離箱内外で圧力差が生じることを防止できる。つまり、内部空間の圧力P1が常に自然に外部空間の圧力P0と同じになる。圧力差に起因するβ線入射窓18の変形が防止されるので、従来において生じていたβ線入射窓の破損、その裏面に形成された導電層の破損や剥がれ、導電層の歪みに伴う電気的特性変化等の問題が生じなくなる。
多孔質膜20は防水性を有するので、内部空間への雨滴、霧粒子等の侵入が防止される。これにより絶縁性低下等の問題が生じることを防止できる。更に、多孔質膜20によって異物侵入を阻止できる。通気口34が設けられている領域においは、他の領域に比べてβ線減弱が小さくなる。つまり、その領域におけるβ線感度は他の領域におけるβ線感度よりも高くなる。外部から多孔質膜20の存在又は感度の高い領域の位置を特定できるように、β線入射窓18における中央部にマークを付すようにしてもよい。あるいは、窓部材32の外面の色と多孔質膜20の外面の色とが異なる場合には2つの領域の境界線が識別手段として機能する。
β線入射窓18の領域全体が符号50で示されている。領域全体50は、通常感度領域54と高感度領域52とからなる。高感度領域52は例えば円形の領域であり、通常感度領域54は高感度領域52の周囲に存在する環状領域である。ここでは、幅の狭い接着領域を無視している。厳密に言えば当該領域は相対的に見て低感度領域となる。通常感度領域54は、窓部材32と導電層30Cとが設けられている領域である。それらはいずれもβ線を減弱させる。高感度領域52は、通気口34が存在している領域であって、多孔質膜20だけが設けられている領域である。そこでもβ線は減弱するが、その度合いは通常感度領域よりも小さい。
γ線測定時においては、β線入射窓18がキャップにより覆われた状態において、検出部10の内部に飛来してくるγ線が検出される。具体的には、飛来したγ線により気体分子が電離し、電子とイオンが生じる。集電極28と周囲電極(導電層30)との間における電界により、通常、電子が集電極28に引き寄せられて捕集され、それが電荷として検出される。β線検出時においては、キャップが取り外されてβ線入射窓18の露出状態が形成され、そこを通過して内部空間に到達したβ線が上記同様のメカニズムによって検出される。β線検出時においてはγ線も検出されるが、検出値から、キャップ装着状態で求められたγ線検出値をバックグラウンド値として減算することにより、正味のβ線検出値を求めることが可能である。
高感度領域52におけるβ線減衰度合いは、通常感度領域54におけるβ線減衰度合いよりも小さい。よって、対象物表面上に点状のβ線源(汚染箇所)が存在している場合、対象物表面に対してβ線入射窓を近接させつつサーベイメータを走査する過程での検出値ピークから、β線源の位置を特定することが可能である。
検出部10の一方側端には中空構造体として計測部12が設けられている。計測部12は表示部26を備えている。その内部には電子回路基板44が設けられている。また、その内部にはバッテリを収容するバッテリ室が設けられている。集電極28の基端と端子38の基端との間に高電圧を印加するために、計測部12の内部には、端子、配線及び電源部品からなる高電圧回路が設けられている。また、その内部には、電離箱からの微小な電離電流を測定、観測するためのエレクトロメータ回路が設けられている。高電圧回路及びエレクトロメータ回路での絶縁性の低下を防止するためには、それらの回路への水の侵入や回路部品での結露を防止する必要があり、このため、計測部12の内部は気密空間として構成されている。内部空間の全体を気密空間として構成してよいし、上記回路群又はそれらの主要部を含む一部分42Aを気密空間として構成してもよい。計測部12の内部と検出部10の内部は連通しておらず、それらの間には気密性をもった隔壁が存在している。気密空間の形成に際しては、必要に応じて、部材接合部分にOリング等のシール部材が設けられる。電子回路基板44には演算回路、制御回路等が設けられている。そこに電源部品が搭載されてもよい。
図5には、比較例(従来例)が示されている。容器内は気密空間とされており、窓部材53には通気口が設けられていない。外部空間の圧力P0と内部空間の圧力P1との間に差が生じた場合、符号53A,53Bで示すように、窓部材53が変形してしまう。但し、図5においては、変形が誇張して描かれている。この変形により、窓部材53の端部に破損が生じ、あるいは、その内面に形成された導電層の剥がれ等が生じる。
図6には、第1実施形態におけるβ線入射窓が示されている。図示されるように、窓部材32は、実際には非常に薄く、変形し易いものである。窓部材32には通気口が形成され、それが多孔質膜20で塞がれている。符号56が通気口の形成範囲を示しており、符号55が多孔質膜20の形成範囲を示している。多孔質膜20が圧力平衡作用を発揮するので、窓部材32の変形は生じない。
図7には、第1実施形態における多孔質膜20の作用が模式的に示されている。既に説明したように、窓部材32の内面には導電層30が形成されている。窓部材32の中央には通気口34が形成されており、それが多孔質膜20によって覆われている。多孔質膜20は、双方向に空気を通過させるが、外部からの水の侵入を阻止する。つまり、選択透過性を有する。また、多孔質膜20はβ線を透過させる材料で構成されている。多孔質膜20の構成材料として、窓部材32の構成材料が有するβ線減弱係数よりも小さなβ線減弱係数を有する材料を用いるのが望ましい。
図8には、第2実施形態が示されている。第2実施形態では、多孔質膜60が窓部材32の内側に接着固定されている。多孔質膜60の周囲に導電層62が形成されている。このような構成でも、第1実施形態と同様の作用効果を得られる。通気口58を埋めるように多孔質部材を配置することも可能である。
図9には、第3実施形態が示されている。第3実施形態では、窓部材が多孔質膜64で構成されている。その内面の中央部66以外において電極層68が設けられている。中央部66には電極層は設けられていない。その中央部66が事実上、通気口として機能する。この第3実施形態においては、中央部を外部から視認することができないので、それを識別する手段として、環状のマーク70が多孔質膜64の外面に設けられている。マーク70は例えば塗膜として構成される。多孔質膜64の外面の中央部に着色処理を施すようにしてもよい。あるいは、着色処理に伴う通気性低下を回避するためには中央部以外を着色処理してもよい。
図10には、第4実施形態が示されている。図10はβ線入射窓72の内面を示している。窓部材には複数の通気口74が形成されており、複数の通気口74は複数の多孔質膜76によって塞がれている。第4実施形態によれば、汚染源特定を行うことは困難になるが、β線検出感度を高められる。
図11には、第5実施形態が示されている。図11はβ線入射窓78の内面を示している。窓部材の全体が多孔質膜で構成されている。その窓部材の内面には格子状パターンを有する電極層80が形成されている。この第5実施形態によれば更にβ線の検出感度を高められる。
図12には、第6実施形態が示されている。検出部81は容器82を有し、それはβ線入射窓86と筐体84とからなる。β線入射窓86に通気構造は設けられておらず、筐体84に通気構造が設けられている。具体的には、筐体84の下側に通気口88が形成されており、その通気口88が筐体84の内面側において多孔質膜90で塞がれている。この第6実施形態においても、圧力差を解消して、β線入射窓86の変形を防止できる。また、第6実施形態によれば、β線入射窓86の全体において感度が均一化される。通気口88はβ線についての高感度領域となり、しかもその周囲がβ線についての遮蔽体となるから、容器82の下側に検出視野の小さな第2のβ線検出構造が実現されている。それを機能させたくない場合にはそれを非気密性を有するキャップ等で覆えばよい。
図13には、第7実施形態が示されている。この第7実施形態においては、検出部92において、複数の通気構造94,96が設けられている。通気構造94は、比較的に大きな通気口98と、それを塞ぐ比較的に大きな多孔質膜100と、からなる。通気構造96は、比較的に小さな通気口102と、それを塞ぐ比較的に小さな多孔質部材104と、からなる。個々の通気構造94,96はβ線検出構造として機能する。2つのβ線検出構造においては、検出視野の大きさが異なっており、状況に応じて、対象物表面に近接させるβ線検出構造を選択することが可能である。不使用となるβ線検出構造についてはキャップを取り付けるようにしてもよい。3つ以上の開口構造を設けるようにしてもよい。
第1実施形態乃至第7実施形態は、いずれも、β線入射窓の変形を防止できるものであり、また、電離箱内部への水や異物の侵入を防止できるものである。また、第1実施形態乃至第7実施形態はいずれもβ線検出の観点から見て高機能化されている。
多孔質膜に代えて硬質の多孔質部材を利用してもよい。また、多孔質膜に代えて通気性及び防水性を備えた他の部材(撥水性シート等)を利用してもよい。いずれにしても電離箱容器の一部に選択透過部材を設けることにより気圧差の発生を防止できる。サーベイメータとは異なる電離箱装置に上記通気構造を適用してもよい。
10 検出部(電離箱)、12 計測部、14 容器、16 筐体、18 β線入射窓、20 多孔質膜(選択透過部材)、28 集電極、30 導電層、34 通気口。

Claims (7)

  1. 中空の電離箱と、
    前記電離箱に設けられ、前記電離箱の内部空間と外部空間とを仕切る部材であって、空気の通過を許容し且つ水の進入を制限する選択透過部材と、
    を含み、
    前記電離箱は前記内部空間を画定する容器を有し、
    前記容器はβ線入射窓を有し、
    前記β線入射窓は前記内部空間と前記外部空間とを連通させる通気口を有し、
    前記選択透過部材は前記通気口を塞ぐように設けられている、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記選択透過部材は前記通気口を塞ぐように設けられている多孔質部材である、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記電離箱は前記容器の内面に形成された導電層を有し、
    前記多孔質部材の内面の全部又は一部が前記内部空間に露出している、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  4. 請求項記載の装置において、
    当該放射線測定装置はγ線及びβ線を測定可能な装置であり、
    前記β線入射窓は、
    窓部材及びその内面に形成された導電層を有する通常感度領域と、
    前記通気口及び前記多孔質部材を有する高感度領域と、
    を有し、
    前記通常感度領域におけるβ線減弱作用よりも前記高感度領域におけるβ線減弱作用の方が小さい、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  5. 請求項記載の装置において、
    前記窓部材の中央に前記通気口が形成されている、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  6. 請求項4記載の装置において、
    前記β線入射窓の外面には前記高感度領域を識別するための手段が設けられている、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  7. 請求項1記載の装置において、
    前記電離箱に隣接して設けられた構造体と、
    前記構造体の内部に配置され、前記電離箱に対して高電圧を供給する電源回路と、
    前記構造体の内部に配置され、前記電離箱からの電離電流を観測するエレクトロメータ回路と、
    を含み、
    前記構造体の内部の全部又は一部が前記電源回路及び前記エレクトロメータ回路を含む気密空間である、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
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