本発明の課題は、意匠性の高い洗面台を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の洗面台は、
平面視、正面視、及び左右側面視にて水平方向に長辺を有した長方形状に視認される天板部材と、正面視及び左右側面視にて水平方向に長辺を有した長方形状に視認される直方体状の収納ユニットと、を備え、
前記天板部材及び前記収納ユニットは、双方の間にスペーサを介在させる形で上下に隣り合って配置され、それぞれが室内の壁面から水平方向に突出した片持ち状態となるようブラケットによって壁付けされており、
前記スペーサは、上下に隣り合う前記天板部材と前記収納ユニットとの間の空間を被覆するよう、前記壁面とは逆の正面側とその左右両側とを覆うコの字状被覆部材であり、前記正面側と前記左右両側とで外部に露出するスペーサ意匠面が、それぞれに対する正面視にて水平方向に長辺を有した長方形状に視認され、
前記ブラケットは、前記壁面に対し固定されるとともに、前記天板部材あるいは前記収納ユニットの天面形成部を下支えするよう当該壁面側から突出し、その突出部において前記天面形成部に対し固定されることを特徴とする。
上記本発明によれば、正面視及び左右側面視において水平方向に長辺を有する長方形状に視認される天板部材と収納ユニットとを有した洗面台が、床面に設置されるのではなく、ブラケットによって壁面から水平に突出した形で設置され、床面から離れた壁付け形態となる。これにより、洗面台全体に水平方向に長い印象を付与できる。従来の床面に設置されるような洗面台の場合は、収納をなす各ユニットが上下に並び、かつ床面とつながって見えることによって、上下縦方向を意識させる意匠にどうしてもなりやすいが、収納ユニットが床面から切り離されて床面とのつながりが遮断されることで、水平横方向を強く印象付けることができる。さらに、収納をなす各ユニットが水平方向に横並びになる形態、あるいは収納ユニットに対し天板部材が水平方向に長く延びる形態をとったならば、水平方向・横方向に長いという印象をより強くすることもできる。これに加えて、上記本発明の洗面台では、天板部材と収納ユニットとの間に同じく水平方向に帯状に延びるスペーサが介在する。このスペーサは、洗面台全体により水平方向の印象を強く与える効果を持つ。床面に非設置の壁付け形態とされることによる水平方向の印象に加えて、実体として水平方向のラインを形成するスペーサは、水平方向の印象を強調するだけでなく、洗面台の全体の中でより注意を引く意匠的特徴部となる。そして、その意匠的特徴部が他の天板部材や収納ユニットに対し異種な意匠性を備え、かつそれら天板部材や収納ユニットに挟まれる形で配置されることは、その意匠をより際立たせる。これにより、従来よりも特徴的な意匠の洗面台を実現できる。
上記本発明における前記スペーサ意匠面は、互いに共通の意匠性を有する前記天板部材及び前記収納ユニットの意匠面とは異種の意匠性を有するようにできる。これにより、洗面台の全体の意匠的特徴部となるスペーサが、同一の意匠面に挟まれる形で視認されるから、その意匠がより一層際立つため、従来よりも特徴的な意匠の洗面台を実現できる。
上記本発明における前記天板部材及び前記収納ユニットは、それぞれの正面及び左右の端面を形成する外周端部がスペーサよりも水平方向の外側に所定幅突出し、それら双方の外周端部の間に対向空隙が形成され、前記スペーサは、それら双方の外周端部の奥側に前記対向空隙を介して視認されるようにできる。この構成によれば、手前に突出して視認される天板部材や収納ユニットの奥に、それら天板部材や収納ユニットとは意匠性の異なるスペーサが水平方向に延びる帯状に視認される。洗面台において、天板部材と収納ユニット、あるいは収納ユニットと収納ユニットとの間に凹部(対向空隙)が形成されると、その凹部は洗面台の形状的な特徴部となり、洗面台全体の中で目を引く個所となる。上記本発明では、その目を引く凹部の奥に周辺とは異種の意匠性を有したスペーサが配置されることで、水平方向に延びるスペーサがより一層強調された意匠となる。従来、こうした凹部には、その凹部幅を極力短くして視認されにくくする、あるいは隣接するユニットと同様の意匠が連続するように見せるといったように、凹部の存在を意識させにくいようにデザインされてきたが、上記本発明では、逆にこれを積極的に意識させることで、従来よりも特徴的な意匠の洗面台を実現できる。
上記本発明において、前記収納ユニットにおける正面及び左右の前記外周端部は、その上端面が内側に向かって下方に下る斜面として形成できる。洗面台の収納ユニットは人間の目線よりも下側に位置するため、凹部(対向空隙)の奥に視認されるスペーサは洗面台に近づくほど視認が難しくなる。しかしながら、上記の構成によれば、洗面台に近づいても凹部の奥にあるスペーサを視認しやすい。このため、水平方向に長いスペーサを確実に視認させることができ、水平方向のラインをより強調した意匠を確保できる。
上記本発明において、前記収納ユニットにおける正面側の前記外周端部は、その正面側端面を意匠面として有する収納前面部であり、前記収納前面部の上端部は、その上端面が後方の前記壁面側に向かって下方に下る斜面として形成され、その斜面に指を当る形で前方側に引いて前記収納前面部を前方側に動かすことにより収納ユニットの収納スペースを外部に開放する開操作が可能な持ち手部とすることができる。収納ユニットには、引き出し収納や開き戸収納等のように可動部を備えたものがあり、これらはいずれも収納前面部を前方側に動かす形でその収納スペースを外部に露出させる。例えば、引き出し収納の場合は、収納前面部をなす引き出し前板を手前に引き出すようにして引き出し本体を手前に引き出すし、開き戸収納の場合は、収納前面部をなす開き戸を手前に引いて回動させることで内部空間を開放する。ところが、従来の場合、こうした収納前面部を手前側(前方側)に動かすために、収納前面部には正面側に突出する持ち手部を設けられ、これを手にすることで引き出しや開き戸を開ける操作を容易にしていた。ところが、収納前面部から正面側に突出する構造体は、洗面台の全体的な意匠の中で特に強調される要素となるから、洗面台の意匠のバランスを乱し、意匠性を損なう要因になりやすい。例えば本発明のように、天板、収納ユニット、スペーサによって水平方向のラインを意識させる洗面台においては、そうした正面側に突出する構造体が存在することは、水平方向のラインの印象を弱める結果につながりかねない。つまり、凹部と突出部との両方が存在する形態では、突出部の方がより強調されるから、本発明のように凹部に配置されるスペーサは、突出する持ち手部が存在した場合、その印象が弱まってしまう。これに対し上記本発明の構成によれば、収納前面部の上端部を奥に向かって下る斜面として形成し、これを持ち手部としている。このため、正面視において持ち手部が視認されない。つまり、収納前面部から正面側に突出する構造体が存在しない形で持ち手部が形成されているから、持ち手部の存在が水平方向のラインへの意識を弱めるようなことは無い。
上記本発明において、前記天板部材は、平面視にて長方形状に視認される天面形成部を有し、前記天板部材の外周端部は、前記天面形成部の正面及び左右の端部から下方に延出し、正面及び左右の外表面に対する正面視にてそれぞれが水平方向に長辺を有した長方形状に視認されるようにできる。この構成によれば、外周端部の存在によって天板部材が厚みのある重厚な印象を付与できる。一方で、天面形成部の直下で、外周端部の内側の空間には、例えば他の軽量の部材等を配置するなどしておけばよく、これにより、天板部材の重量を大きく軽減することができる。これにより、ブラケットによる支持荷重を大きく軽減できる。また、スペーサは、天板部材の外周端部の内側に下方から上方に向けて入り込む嵌合形態をとり、天面形成部を下支えするように配置することができる。この場合のスペーサは、天板部材の外周端部の内側に入り込み、かつその下側で意匠面を露出しなければならないため、上下幅が比較的長く形成されるが、その上下に長いスペーサの内側空間は、ブラケットの配置空間として有効活用できる。
上記本発明において、前記天板部材及び前記収納ユニットは、第一天板部材と、その下側で隣り合う第一収納ユニットとからなる天板・収納ペアを有し、前記スペーサは、前記天板・収納ペアをなす第一天板部材と第一収納ユニットとの間に介在する第一スペーサを有し、前記第一スペーサは、前記天板・収納ペアをなす第一収納ユニットの前記天面形成部の天面の上に、当該第一収納ユニットの前記外周端部の上端面となる正面及び左右の天面外周領域を外側に残す形で固定されるとともに、同じ天板・収納ペアをなす第一天板部材の前記外周端部の内側に下側から入り込んでその天面形成部の下面に当接して配置されることにより、前記天板・収納ペアをなす第一天板部材と第一収納ユニットとのそれぞれの外周端部の間に前記対向空隙をなす第一対向空隙が形成され、前記第一スペーサは、それら双方の外周端部の奥側に前記第一対向空隙を介して視認されるようにできる。
なお、収納ユニットの天面外周領域とは、収納ユニットの上面全領域の外縁から所定幅内側までの帯状の領域であり、例えばその上面全領域に対し収納ユニットの外周端部を上方に投影した時に重なる重なり領域のことである。
上記構成によれば、第一対向空隙を容易に形成することができる。また、本発明においては、第一天板部材と第一収納ユニットとは、それぞれがブラケットによって壁付けされることになるが、上記構成によれば、第一収納ユニットの上にスペーサが固定され、そのスペーサの上に第一天板部材が載る形態をとる。つまり、上側の第一天板部材は、自らを支えるブラケットだけでなく、第一収納ユニットを支えるブラケットによってもその荷重が支持されることになる。このため、上側の第一天板部材を確実に支持することができる。また、下側の第一収納ユニットは、人の目線からは見えにくい下側の位置にブラケットを取り付けることができるため、ブラケットの大きさや配置に意匠的な制約が少ない。これにより、下側の第一収納ユニットに対しては、確実に支持できる形状・大きさのブラケットを、確実に支持できる位置に配置することが可能になり、その結果、上側の第一天板部材と下側の第一収納ユニットとの双方の荷重を確実に支持することが可能になる。また、上側の天板部材は、下側の第一収納ユニットよりも水平方向に長く延び出すような形状をとる場合もあり、その重量が増すことが考えられるが、上述のように下側の第一収納ユニットのブラケットによっても荷重が支持されるため、そうした重量増に対しても容易に対応できる。
また、上記本発明によれば、第一スペーサは、その内側の空間をブラケットの配置スペースとして活用できるから、ブラケットが収納ユニットの収納スペースを大きく遮るようなことがない。
上記本発明において、前記天板部材及び前記収納ユニットは、第二収納ユニットと、その下側で隣り合う第二天板部材とからなる収納・天板ペアを有し、前記スペーサは、前記収納・天板ペアをなす第二収納ユニットと第二天板部材との間に介在し、前記第一スペーサよりも上下幅が短い第二のスペーサを有し、前記第二のスペーサは、前記収納・天板ペアをなす第二天板部材の前記天面形成部の天面上に、当該第二天板部材の前記外周端部の上端面となる正面及び左右の天面外周領域を外側に残す形で固定されるとともに、同じ収納・天板ペアをなす第二収納ユニットの、底面視にて長方形状に視認される底面形成部の底面の下に、当該第二収納ユニットの前記外周端部の下端面となる正面及び左右の底面外周領域を外側に残す形で当接して配置されることにより、前記収納・天板ペアをなす第二収納ユニットと第二天板部材とのそれぞれの外周端部の間に第二対向空隙が形成され、前記第二スペーサは、それら双方の外周端部の奥側に前記第二対向空隙を介して視認されるようにできる。
なお、天板部材の天面外周領域とは、天板部材の上面全領域の外縁から所定幅内側までの帯状の領域であり、例えばその上面全領域に対し天板部材の外周端部を上方に投影した時に重なる重なり領域のことである。また、収納ユニットの底面外周領域とは、ここでは収納ユニットの下面全領域の外縁から所定幅内側までの帯状の領域であり、例えばその下面全領域に対し収納ユニットの外周端部を下方に投影した重なり領域のことである。
上記構成によれば、第二対向空隙を容易に形成することができる。また、本発明においては、第二天板部材と第二収納ユニットとは、それぞれがブラケットによって壁付けされることになるが、上記構成によれば、第二天板部材の上にスペーサが固定され、そのスペーサの上に第二収納ユニットが載る形態をとる。つまり、上側の第二収納ユニットは、自らを支えるブラケットだけでなく、第二天板部材を支えるブラケットによってもその荷重が支持されることになる。このため、上側の第二収納ユニットを確実に支持することができる。また、下側の第二天板部材は、人の目線からは見えにくい下側の位置にブラケットを取り付けることができるため、ブラケットの大きさや配置に意匠的な制約が少ない。これにより、下側の第二天板部材に対しては、確実に支持できる形状・大きさのブラケットを、確実に支持できる位置に配置することが可能になり、その結果、上側の第二収納ユニットと下側の第二天板部材との双方の荷重を確実に支持することが可能になる。また、下側の第二天板部材は、上述の外周端部を有する場合は、ブラケットを隠すのに都合がよい。
上記本発明において、前記収納ユニットは、上側収納ユニットと、その下側で隣り合う下側収納ユニットとからなる収納・収納ペアを有し、前記収納・収納ペアをなす上側収納ユニットと下側収納ユニットとの間に介在する第三スペーサを有し、前記第三スペーサは、前記収納・収納ペアをなす下側収納ユニットの前記天面形成部の天面の上に、当該下側収納ユニットの前記外周端部の上端面となる正面及び左右の天面外周領域を外側に残す形で固定されるとともに、同じ収納・収納ペアをなす上側収納ユニットの、底面視にて長方形状に視認される底面形成部の底面の下に、当該上側収納ユニットの前記外周端部の下端面となる正面及び左右の底面外周領域を外側に残す形で当接して配置されることにより、前記収納・収納ペアをなす上側収納ユニットと下側収納ユニットとのそれぞれの外周端部の間に第三対向空隙が形成され、前記第三スペーサは、それら双方の外周端部の奥側に前記第三対向空隙を介して視認されるようにできる。なお、前記第三スペーサは、天板部材と収納ユニットに挟まれる第一スペーサ及び第二スペーサと同様、上下に隣り合う上側収納ユニットと下側収納ユニットとの間の空間を被覆するよう、前記壁面とは逆の正面側とその左右両側とを覆うコの字状被覆部材であり、前記正面側と前記左右両側とで外部に露出するスペーサ意匠面が、それぞれに対する正面視にて水平方向に長辺を有した長方形状に視認され、かつ互いに共通の意匠性を有する前記天板部材及び前記収納ユニットの意匠面とは異種の意匠性を有するが、前記第一スペーサよりも上下幅が短い。
上記構成によれば、第三対向空隙を容易に形成することができる。また、本発明においては、上側収納ユニットと下側収納ユニットとは、それぞれがブラケットによって壁付けされることになるが、上記構成によれば、下側収納ユニットの上にスペーサが固定され、そのスペーサの上に上側収納ユニットが載る形態をとる。つまり、上側の上側収納ユニットは、自らを支えるブラケットだけでなく、下側収納ユニットを支えるブラケットによってもその荷重が支持されることになる。このため、上側の上側収納ユニットを確実に支持することができる。また、下側の下側収納ユニットは、人の目線からは見えにくい下側の位置にブラケットを取り付けることができるため、ブラケットの大きさや配置に意匠的な制約が少ない。これにより、下側の下側収納ユニットに対しては、確実に支持できる形状・大きさのブラケットを、確実に支持できる位置に配置することが可能になり、その結果、上側の上側収納ユニットと下側の下側収納ユニットとの双方の荷重を確実に支持することが可能になる。
また、第二対向空隙は、第一対向空隙と上下幅が同一幅となるようにすることができる。これにより、第一スペーサと第二スペーサとによって同じ意匠性の水平ラインを視認させることができるから、意匠の統一性を付与できる。同様に、第三対向空隙は、第一対向空隙と上下幅が同一幅となるようにすることができる。これにより、第一スペーサと第三スペーサとによって同じ意匠性の水平ラインを視認させることができるから、意匠の統一性を付与できる。さらに、第一対向空隙と第二対向空隙と第三対向空隙を有する構成の場合、同様の理由でそれらすべての空隙を上下幅が同一幅とすることができる。
上記本発明において、収納ユニットの外周端部は、その上端面が内側に向かって下方に下る斜面として形成できる。このような場合、上記の第二スペーサは、上記の第三スペーサよりも上下幅が短いものとすることができる。また、上記第一のスペーサは、それら第二及び第三のスペーサよりも長いものとすることができる。
なお、上記本発明において、1つの収納ユニットが第一収納ユニットと第二収納ユニットとを兼ねる場合がある。また、第一収納ユニットや第二収納ユニットが、上側収納ユニットや下側収納ユニットを兼ねることもある。同様に、1つの天板部材が第一天板部材と第二天板部材とを兼ねる場合もある。例えば、1つの収納ユニットが2つの天板部材に上下から挟まれる構造の洗面台の場合、その1つの収納ユニットは、第一収納ユニットでもあり、第二収納ユニットでもある。また、1つの天板部材が2つの収納ユニットに上下から挟まれる構造を有した洗面台の場合、その1つの天板部材は、第一天板部材でもあり、第二天板部材でもある。
上記本発明における前記天板部材と前記収納ユニットは、予め用意されている複数のサイズバリエーションのものの中から選ばれたものとすることができる。つまり、上記本発明の洗面台を構成するための洗面台構成部品は、前記天板部材と前記収納ユニットと前記スペーサと前記ブラケットとを有するとともに、それらのうち前記天板部材と前記収納ユニットとは、複数のサイズバリエーションのものが予め用意され、それらの中から選ばれた1以上の前記天板部材と1以上の前記収納ユニットとが組み合わされる形で配置され、それぞれが前記片持ち状態となるよう前記ブラケットによって前記壁面に壁付けされることにより、前記洗面台として組み立てられる。これにより、天板部材と収納ユニットの組み合わせによって様々な配置形態の洗面台を簡易に形成できる。天板部材と収納ユニットの配置形態によって、全体の意匠も独特なものにすることができる。
また、この場合、予め用意される複数のサイズバリエーションの前記天板部材と前記収納ユニットとの中には、正面側と左右両側面と上面とを意匠面として有し、単独で前記片持ち状態となるよう前記ブラケットによって前記壁面に壁付け可能なものを含むようにできる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
本発明の洗面台は、図1〜図4に示す洗面台1Aや、図18及び図19に示す洗面台1Bのように、平面視、正面視及び左右側面視にて水平方向に長辺を有した長方形状に視認される天板部材2と、正面視及び左右側面視にて水平方向に長辺を有した長方形状に視認され、上下の高さ及び左右の幅のいずれか又は双方の異なる複数タイプの収納ユニット3とが洗面台構成部品として予め用意され、それらの中から少なくとも1以上の天板部材2と1以上の収納ユニット3とを選び、選び出されたそれら洗面台構成部品2、3のそれぞれが室内の壁面102から水平方向に突出した片持ち状態(図3及び図4参照)となるよう、同じく洗面台構成部品であるブラケット5(図2及び図19参照)によって壁面102に壁付けされ、床面101に非接触となる形で設置される。ただし、選び出されたそれら洗面台構成部品2、3のうち、上下に隣り合って配置されるペアについては、それら双方2、3(あるいは3、3)の間に同じく洗面台構成部品であるスペーサ4を介在させる形で配置される。
選び出される洗面台構成部品2、3は、少なくとも天板部材2が1以上と、収納ユニット3を1以上と、を含む。そして、ここでは、選び出された天板部材2と収納ユニット3の意匠が全て互いに共通の意匠性を有するものとされている。これらの条件が満たされるのであれば、天板部材2を複数、あるいは収納ユニット3を複数、あるいは天板部材2と収納ユニット3との双方を複数選んで構成されてもよい。また、天板部材2と収納ユニット3は、同じタイプのものを複数選んでもよい。
なお、天板部材2の主となる意匠面は、天面(上面)と正面と左右側面であり、収納ユニット3の意匠面は、正面と左右側面である。ただし、収納ユニット3については、上方に隣接する洗面台構成部品2、3が存在しない場合には、天面(上面)も主となる意匠面に加えられる。また、収納ユニット3については、後述する外周端部3Sの上面3Stも意匠面として形成される。
天板部材2は、左右の幅及び意匠面の意匠の少なくともいずれかが異なるタイプが予め複数用意され、これらの中から選ばれる。ここでの天板部材2には、左右の幅の異なるタイプが予め複数用意され、これらのタイプ全てに対し複数タイプ(ここでは白無地タイプと木調タイプとの2タイプ)の意匠バリエーションが用意されている。
天板部材2は、その上に洗面器7(ここでは洗面ボウル)を設置したり、水栓8を設置したりすることができる。洗面器7及び水栓8から続く配管9(図11参照)は、それらが設置される天板部材2及びその直下の収納ユニット3を通過する形で配置される。
天板部材2は、図1及び図18に示すように、平面視にて長方形状に視認される天面2tを形成する天面形成部2T(図5及び図20参照)を有する。また、天板部材2の外周端部2Sは、天面形成部2Tの正面及び左右の端部から下方に延出し、正面及び左右の外表面2s(図1及び図18参照)に対する正面視にてそれぞれが水平方向に長辺を有した長方形状に視認される。具体的にいえば、天板部材2は、図16に示すように、金属製(ここではステンレス製)の薄い板材を屈曲・溶接した形で形成され、意匠面にはその上に化粧板が固定される。天板部材2は、天面2tを形成する板材上部2Yと、板材上部2Yの正面側と左右両側とで下方に屈曲して延び出す板材側面部2Zと、板材側面部2Zの下側で内向きに折り返す板材底部2Wと、板材底部2Wの内側で上向きに折り返す板材端部2Vと、を有し、天板部材2の四隅において板材側面部2Zと板材底部2Wと板材端部2Vとを溶接により連結した形状をなす。また、板材上部2Yの天面2tの裏面には直方体をなす厚板状かつ樹脂製の軽量部材2Xが接着固定されている。
なお、意匠面は、例えば下地材(上記の場合は金属製の板材)の表面に化粧板を固定する形で形成することができ、化粧板には、例えばメラミン、ガラス、セラミック等の板材を用いることができる。また、他にもモザイクタイル等を用いてもよい。化粧板による意匠面の形成手法については、天板部材2に限らず、収納ユニット3やスペーサ4においても同様である。また、意匠面の形成は、化粧板による手法に限るものでもなく、例えば下地材の表面に塗料を塗るようなものでもよいし、素材の表面をそのまま見せる手法をとってもよい。
また、天板部材2は、金属製の板材を曲げて形成するのではなく、木材等の板材で形成されてもよい。この場合、天板部材2に金属製の板材を用いる上記実施例と同形状に形成される。ただし、その際に天板部材2の内部に形成される空洞部は全て充填された状態となる。
ここでの天面形成部2Tは、図16に示すように、板材上部2Yとその直下の部材2Xとからなり、外周端部2Sは、板材側面部2Zと、板材底部2Wと、板材端部2Vと、板材上部外周2STと、からなる。なお、板材上部外周2STは、板材上部2Yに対し板材底部2Wを上方向に投影した際に重なる、板材上部2Yの正面側と左右側の外周部である。板材上部外周2STの上面2Stは、外周端部2Sの上端面である。また、板材底部2Wの下面は外周端部2Sの下端面ということができる。
収納ユニット3は、上下の高さ、左右の幅、露出面の意匠のいずれか又は複数が異なるタイプが予め複数用意され、これらの中から選ばれる。ここでの収納ユニット3には、上下の高さの低い浅型収納ユニット3X(図1参照)と、上下の高さの高い深型収納ユニット3Y(図18参照)と、上下の高さの低い浅型収納ユニットで左右に連結して使用する左用浅型収納ユニット3XL及び右用浅型収納ユニット3XRからなる連結収納ユニット3L(図27(d)参照)、上下の高さの高い深型収納ユニットで左右に連結して使用する左用深型収納ユニット3YL及び右用深型収納ユニット3YR(図1参照)からなる連結収納ユニット3LLと、が用意されるとともに、これらのタイプに対し左右の幅が異なる複数タイプのバリエーションが用意され、さらにそれら全てに対し複数タイプ(ここでは白無地タイプと木調タイプとの2タイプ)の意匠バリエーションが用意されている。なお、収納ユニット3の意匠には、白無地タイプや木調タイプの意匠の他に、モザイクタイルを用いたもの等、他の意匠を用いてもよい。
天板部材2及び収納ユニット3の各タイプは全て、前後方向の奥行き幅が同一幅に定められており、壁面102に壁付けされた場合、双方の壁面102からの突出長さは同じとなる(図14及び図24参照)。
収納ユニット3における正面及び左右の外周端部3Sは、図16及び図17に示すように、それぞれの上端部3STが当該収納ユニット3における天面3tに対して上方に突出しており、それぞれの上端面3Stが内側に向かって下方に下る斜面(天面3tに向かって下る斜面)として形成されている。ただし、外周端部3Sの下端部3SBについては、収納ユニット3における底面3bに対して下方にわずかに(ここでは1mm)突出する程度であり、上端部3STの上方への突出長さほど、下方に突出していない。なお、連結収納ユニット3L、3LLにおいては、連結した状態における正面及び左右の外周端部3Sの上端部3STが上方に突出し、それらの上端面3Stが上記の斜面として形成される。
収納ユニット3では、図12に示すように、正面側の外周端部3Sを、正面側端面3sに意匠面を有する収納前面部3Fとして有し、その収納前面部3Fを前方側に動かすことにより収納ユニット3の収納スペースを外部に開放できる。これにより、収納ユニット3に形成された収納スペース内に物を配置できる。そして、収納前面部3Fを後方に戻すことにより、その収納スペースは収納ユニット3の内部に収まる。このとき、収納前面部3Fを前後に移動させるための持ち手部として、収納前面部3Fの上端部3ST(図16及び図17参照)が利用される。即ち、収納前面部3Fの上端部3STは、上述したように、その上端面3Stが後方の壁面102側に向かって下方に下る斜面として形成されるから、その斜面に指を当る形で前方側に引いて収納前面部3Fを容易に前方側に動かすことができる。なお、後方側に動かす場合は、収納前面部3Fの正面側端面3sを後方側に押せばよい。
ここでの収納ユニット3は、引き出し収納ユニットであり、図14に示すように、引き出し本体30と、引き出し本体30を収容する引き出し収容部31と、を有して構成される。収納前面部3F(3S)は引き出し本体30の前板であり、左右の外周端部3Sは引き出し収容部31の側面板である。左右の側面板をなす外周端部3S、3Sの内側には、引き出し本体30を前後方向にスライド可能にするガイドレール32(図6〜図10参照)が取り付けられている。そして、天面形成部3Tは、引き出し収容部31の天板であり、底面形成部3Bは、引き出し収容部31の底板である。
なお、収納ユニット3は、引き出し収納ユニットに限らず、例えば収納前面部3F(3S)を開き戸として有するものであってもよい。
収納ユニット3には、洗面器7及び水栓8から続く配管9を通過させるために、天面形成部3Tに、あるいは天面形成部3T及び底面形成部3Bに、上下(板厚方向)に貫通する貫通部3Vを有する配管通過型のものもある。貫通部3Vは、天面形成部3T、あるいは天面形成部3T及び底面形成部3Bの背面側を開放する形で切り欠かれた切り欠き凹部として形成される。ここでは、図14に示すように、収納ユニット3において引き出し収容部31を構成する天面形成部3Tと、引き出し本体30の後方側中央とに切り欠き凹部3Vが形成されている。一方、天板部材2にも、配管9を通過させる貫通孔2Hが形成されている。
なお、配管9には、図11(a)の破線で示すボトルトラップ9Bや、図11(b)の破線で示すPトラップ9P、図11(c)の破線で示すSトラップ9S等を採用することができる。洗面台1に用いられる収納ユニット3には、採用された配管9の形態に応じて、切り欠き凹部3Vを有する配管通過型の収納ユニット3が選択され、配管通過型でない収納ユニット3もその配管9の形態に応じて選択される。
スペーサ4は、上下に隣り合って配置される洗面台構成部品2、3の間の空間を被覆するよう、壁面102とは逆の正面側とその左右両側とを覆うコの字状被覆部材(図6、図9、図21参照)である。スペーサ4は、自身を上下で挟んで配置される洗面台構成部品2、3の間に配置されて、正面側及び左右両側にて水平方向に延びる帯状に視認される。具体的にいえば、正面側及び左右両側(壁面102側である背面側を除く)で外部に露出するスペーサ意匠面4s(図1及び図18参照)が、それぞれに対する正面視にて水平方向に長辺を有した長方形状に視認される。
スペーサ4は、挟まれる上下の洗面台構成部品2、3のペアに対応するものが予め用意されている。ここでの洗面台構成部品2、3による第一のペアは、天板部材2(第一天板部材)と、その下側で隣り合う収納ユニット3(第一収納ユニット)とからなる天板・収納ペア。第二のペアは、収納ユニット3(第二収納ユニット)と、その下側で隣り合う天板部材2(第二天板部材)とからなる収納・天板ペア。第三のペアは、上側収納ユニット3と、その下側で隣り合う下側収納ユニット3とからなる収納・収納ペア。これに対しスペーサ4は、洗面台構成部品2、3のペアに応じて選ばれる。ここでは、上記天板・収納ペアをなす天板部材2(第一天板部材)と収納ユニット3(第一収納ユニット)との間に介在させる第一スペーサ41(図1及び図18参照)と、上記収納・天板ペアをなす収納ユニット3(第二収納ユニット)と天板部材2(第二天板部材)との間に介在させる第二スペーサ42(図18参照)と、上記収納・収納ペアをなす収納ユニット3(上側収納ユニット)と収納ユニット3(下側収納ユニット)との間に介在させる第三スペーサ43(図1参照)と、を有する。
スペーサ4は、ここでは互いに共通の意匠性を有する天板部材2及び収納ユニット3の意匠面とは異種の意匠性を有するものが予め用意されている。さらにいえば、スペーサ4は、天板部材2及び収納ユニット3の左右の幅が異なるバリエーションに対応するように左右の幅の異なる複数のバリエーションのものが予め用意されている。ここでのスペーサ4の意匠バリエーションは1つだけ(金属調のみ)であるが、複数バリエーション用意してもよい。
なお、スペーサ4の各タイプは全て、前後方向の奥行き幅が、天板部材2及び収納ユニット3のよりも短くなるよう同一幅に定められており、壁面102に複数のスペーサ4が壁付けされた場合は、図14及び図24に示すように、それらの壁面102からの突出長さは同じとなる。このため、天板部材2及び収納ユニット3は、それぞれの正面及び左右の端面2s、3sを形成する外周端部2S、3Sが双方ともスペーサ4よりも水平方向の外側に所定幅(同一幅)だけ突出した状態となる。そして、上下に隣接する天板部材2及び収納ユニット3の外周端部2S、3Sの間、あるいは上下に隣接する収納ユニット3、3の外周端部3S、3Sの間には、対向空隙6が形成されている。スペーサ意匠面4sは、その対向空隙6の奥側に視認される。
スペーサ4は、人の目線の下側に位置するため、斜め下方に見下ろす形で視認される(図15及び図25の破線矢印が目線の一例を示している)。これに対し、スペーサ4の手前に位置する収納ユニット3の外周端部3Sの上端面3Stは内側に下る斜面として形成されているため、上から斜め下方に見下ろす人の目線に対し外周端部3Sがスペーサ4を隠すようなことが無く、視認されやすい。一方で、スペーサ4は、上下で挟む洗面台構成部品2、3のペアに応じて上下の高さが異なる複数のバリエーションが予め用意されている。ここでは、天板・収納ペアに対し第一スペーサ41が用意され(図1及び図18参照)、収納・天板ペアに対し第二スペーサ42が用意される(図18参照)。収納・収納ペアに対し第三スペーサ43(図1参照)が用意されている。そして、これらのペアが形成する外周端部2S、3S(あるいは3S、3S)は、正面(前方)側と左右側面側における上下対向幅d1、d2、d3(図16、図17、図26参照)が同じ幅(ここでは約30mm)となるように配置される。これにより、各スペーサ4(41、42、43)が上下同一幅に視認され、統一感のある意匠性を実現している。
なお、ここでのスペーサ4は、第一スペーサ41の上下幅が最も長く、第二スペーサ42の上下幅が最も短い。具体的にいえば、第一スペーサ41は、例えば図16に示すように、上側に配置される天板部材2の外周端部2Sの内側に入り込むため、上方向に一定長さが必要となる。さらに、下側に配置される収納ユニット3(3X)の外周端部3Sが天面形成部3Tに対し上方に突出しているため、空隙6(61)に一定の上下対向幅(ここでは30mm)を設けるためには、下方向にも一定長さが必要となる。その結果、第一スペーサ41は、他のスペーサ42、43よりも長い。なお、上下に長い第一スペーサ41の内側空間は、ブラケット5の配置空間として有効活用される。一方、第三スペーサ43は、例えば図17に示すように、第一スペーサ41と同様の理由で下方向に一定長さを必要とするが、上方向への長さは、収納ユニット3(3YR)の底面形成部3Bの底面3bがほぼフラットであるため、ほとんど必要ない。具体的にいえば、収納ユニット3(3YR)の外周端部3Sは、底面形成部3Bに対しわずかに(ここでは1mm)下方に突出しているため、第三スペーサ43も外周端部3Sの内側に入り込む形にはなるが、その突出量が少ない分、上方向の長さは極わずか(ここでは1mm)しか必要ない。また、第二スペーサ42は、例えば図26に示すように、第三スペーサ43と同様の理由で上方向への長さがほとんど必要ない。さらに、第二スペーサ42は、下側に配置される天板部材2の天面2tが外周側も中央も同一の平坦面をなすから、下方向の長さも必要ない。このため、第二スペーサ42は、上下幅が最も短い。
ここでのスペーサ4は、図16に示すように、薄い板材を屈曲・溶接した形で形成されている。スペーサ4は、正面側及び左右両側(壁面102側である背面側を除く)で長方形状の側面をなすスペーサ意匠面4sを形成するスペーサ側面部4Sと、スペーサ側面部4Sの上端から内側に屈曲する形で突出するスペーサ上部4Tと、スペーサ側面部4Sの下端から内側に屈曲する形で突出するスペーサ下部4Bと、左右両側のスペーサ側面部4Sの後端(背面側)から内側に屈曲する形で突出するスペーサ背面部4E(図6参照)と、を有し、スペーサ4の四隅の上下においてスペーサ上部4T同士、スペーサ下部4B同士を溶接により連結した形状をなす。スペーサ下部4Bは、締結部材10によって天板部材2あるいは収納ユニット3に締結固定されるため、内外方向の幅がスペーサ上部4Tよりも長い。
ブラケット5は、図5に示すように、天板部材2と収納ユニット3とのいずれかを壁面102に固定する取付部品であり、その基端部5Aにおいて壁面102に対し固定される。また、ブラケット5は、天板部材2あるいは収納ユニット3の天面形成部2T、3Tを下支えするよう当該壁面102側から突出する。その突出部5Bにおいて天面形成部2T、3Tに対し固定される。具体的にいえば、ブラケット5は、壁面102に対し面接触する形で固定される基端部5Aと、天板部材2あるいは収納ユニット3の天面形成部2T、3Tを下支えするよう当該壁面102側の基端部5Aの上端から正面側に突出し、天面形成部2T、3Tに対し面接触する形で固定される突出部5Bと、を有する。さらにブラケット5は、板状の基端部5A及び突出部5Bの双方の幅方向中央位置から立ち上がるようにして基端部5A側から突出部5Bの先端側へと板状に延び出し、L字状に連結する板状の基端部5A及び突出部5Bの剛性を高める補強部5Cを有する。
ここでのブラケット5は、浅型収納ユニット3X、3XL、3XRを壁面102に固定する上下幅の短い第一ブラケット51(小ブラケット)と、深型収納ユニット3Y、3YR、3YLを壁面102に固定する上下幅の長い第二ブラケット52(大ブラケット)と、が予め準備されている。天板部材2の壁面102への固定に対しても、これら2種のブラケット51、52が用いられるが、天板部材2に対しては、その下側に収納ユニット3が(スペーサ4を介して)隣接して存在する場合に第一ブラケット51を、その下側に収納ユニット3が存在しない場合に第二ブラケット52を用いるよう定められている。
<実施例1>
以下、本発明の第一実施例である洗面台1Aについて、壁面102への組み付け手順に沿って説明する。
まずは、天板部材2にブラケット5を取り付け、そのブラケット5で天板部材2を壁面102に固定する。
図5(a)に示すように、天板部材2の天面形成部2Tに対し、その背面位置にブラケット5の板状の基端部5Aの背面位置を一致させる(実際にはわずかに正面側にずらす)。そして、天面形成部2T(具体的には部材2X)の裏面(下面)にブラケット5の板状の突出部5Bを面接触させる形で配置し、締結部材10(ここではトラスタッピングネジ)によってブラケット5を天面形成部2T(部材2X)に締結固定する。なお、ここでは、ブラケット5は、天板部材2(天面形成部2T)の直下に浅型の収納ユニット3(ここでは3Xのみ)が配置される領域に第一ブラケット51が固定され、天板部材2(天面形成部2T)の直下に収納ユニット3が非配置となる領域に第二ブラケット52が固定される。
続いて図5(b)に示すように、天板部材2とブラケット5を、天面2tの床面101からの高さが所定高さ(例えば700mm)となるように、それぞれの天面形成部2Tとブラケット5の基端部5Aの双方の背面を壁面102に面接触させる形で配置し、締結部材10(ここでは六角コーチスクリューを用い、その頭部には後にボルトキャップを取り付ける)によってブラケット5を壁面102に締結固定する。これにより、天板部材2は、図5(c)に示すように、床面101から所定高さの位置となるよう壁面102に対し固定される。具体的にいえば、天板部材2は、ブラケット5の上に載って下支えされる形で壁面102に対し固定され、その先端(前端)側が自由端をなすよう壁面102から突出した状態に設置される。
次に、収納ユニット3にスペーサ4とブラケット5を取り付け、そのブラケット5で収納ユニット3を天板部材2の直下の位置で壁面102に固定する。なお、ここでは固定前に、引き出し本体30を取り外しておく。
ここでの収納ユニット3には浅型収納ユニット3Xが用いる。図6(a)に示すように、収納ユニット3(3X)の天面形成部3Tに対し、天板部材2と同様、その背面位置にブラケット5の板状の基端部5Aの背面位置を一致させる(実際にはわずかに正面側にずらす)。そして、天面形成部3Tの裏面(下面)にブラケット5の板状の突出部5Bを面接触させる形で配置し、締結部材10(ここではトラスタッピングネジ)によってブラケット5を天面形成部3Tに締結固定する。ここで用いるブラケット5は、収納ユニット3が上下の高さの低い浅型収納ユニット3X、3XL、3XRの場合には第一ブラケット51を用い、上下の高さの高い深型収納ユニット3Y、3YL、3YRの場合には第二ブラケット52を用いる。
続いて図6(b)に示すように、収納ユニット3(3X)の天面形成部3Tの天面3tの上に、スペーサ4(ここでは第一スペーサ41)が、天面外周領域(図6(c)の符号3St参照)を外側に残す形でその内側に載置される。なお、収納ユニット3の天面外周領域とは、ここでは収納ユニット3の上面全領域(3t、3St)に対し収納ユニット3の外周端部3Sを上方に投影した時に重なる重なり領域(3St)のことであり、上面全領域(3t、3St)の外縁から所定幅内側までの帯状の領域である。具体的にいえば、ここでの天面外周領域は、収納ユニット3(3X)における正面及び左右の外周端部3S(図中における正面側の外周端部3Sは引き出し本体30が外されているため、図示が無い)の上端面3St(ここでは内側に下る斜面)によってコの字状に形成される領域である。スペーサ4(41)は、収納ユニット3(3X)の天面3t上において天面外周領域3Stよりも内側にスペーサ下部4Bを面接触させる形で配置される。具体的にいえば、スペーサ4(41)は、スペーサ下部4Bの外縁を天面外周領域3Stの内縁に近接させる形で(実際には内縁から1mm〜2mmほど内側にずらして)配置される。そして、スペーサ4(41)は、締結部材10(ここではバインドタッピングネジ)によって、収納ユニット3(3X)の天面形成部3Tの天面3t上に固定される。
続いて図7(a)に示すように、収納ユニット3(3X)に固定されたスペーサ4(41)を、天板部材2の外周端部2Sの内側に下側から入り込んでその天面形成部2Tの下面2bに当接させる形で配置する。即ち、スペーサ4(41)のスペーサ上部4Tの上に天板部材2が載置される。より具体的にいえば、スペーサ4(41)のスペーサ上部4T上には、弾性を有した弾性接着シート40(図6(b)及び図6(c)参照)が複数個所に接着固定されており、天板部材2は、これら弾性接着シート40上に載置され、接着固定される。なお、ここでは、天板部材2の左側の外周端部2S(2V)に当接させる形で配置される。そして、この載置状態・接着固定状態において、締結部材10(ここでは六角コーチスクリューを用い、後にその頭部にはボルトキャップを取り付ける)によってブラケット5を壁面102に締結固定する。これにより、収納ユニット3(3X)は、図7(b)に示すように、ブラケット5の上に載って下支えされる形で壁面102に対し固定され、その先端(前端)側が自由端をなすよう壁面102から突出した状態に設置される。さらにいえば、天板部材2はこの収納ユニット3(3X)の上に載って下支えされた状態になる。
これにより、図7(b)、さらには図15及び図16に示すように、天板部材2と収納ユニット3(3X)とのそれぞれの外周端部2S、3Sの間に対向空隙6をなす空隙61(第一対向空隙)が形成され、スペーサ4(41)は、それら双方の外周端部2S、3Sの奥側に空隙6(61)を介して視認されるようになる。
なお、このときの天板部材2は、ブラケット5(51)によって下支えされているが、当該ブラケット5(51)は、コの字状のスペーサ4(41)の内側空間内に位置している。
次に、上記とは異なる収納ユニット3にスペーサ4とブラケット5を取り付け、そのブラケット5でその収納ユニット3を、既に固定された収納ユニット3(3X)の直下の位置で壁面102に固定する。
ただし、ここで用いる収納ユニット3は、図8に示すように、上下の高さの高い左用深型収納ユニット3YL及び右用深型収納ユニット3YRを左右に連結した連結収納ユニット3LLである。なお、左用深型収納ユニット3YLの天面形成部3Tと正面及び左側の外周端部3S(収納前面部及び左側面部)には、連結収納ユニット3LLの意匠面を形成するための化粧板がそれらの表面3t、3s、3St上に取り付けられているが、右側の外周端部3SR(右側面部)の表面には化粧板が用いられていない。同様に、右用深型収納ユニット3YRの天面形成部3Tと正面及び右側の外周端部3S(収納前面部及び右側面部)とには、連結収納ユニット3LLの意匠面を形成するための化粧板がそれらの表面3t、3s、3St上に取り付けられているが、左側の外周端部3SL(左側面部)には化粧板が用いられていない。そして、左用深型収納ユニット3YLの右側面部3SRと右用深型収納ユニット3YRの左側面部3SLとの非意匠面同士を面接触させて、締結部材10(ここではナゲシネジを用い、その頭部には後にヘッドキャップカバー10kを取り付ける)によって締結固定して、連結収納ユニット3LL(ここでは深型の連結収納ユニット)を形成している。
なお、この連結方法は、左用浅型収納ユニット3XLと右用浅型収納ユニット3XRとの連結においても同様である。
そして図8(b)に示すように、連結収納ユニット3LLの天面形成部3T、3T(収納ユニット3YL、3YRのそれぞれの天面形成部)に対し、天板部材2等と同様、その背面位置にブラケット5の板状の基端部5Aの背面位置を一致させる(実際にはわずかに正面側にずらす)。そして、天面形成部3T、3Tの裏面にブラケット5の板状の突出部5Bを面接触させる形で配置し、締結部材10(ここではトラスタッピングネジ)によってブラケット5を天面形成部3T、3Tに締結固定する。ここでの連結収納ユニット3LLは、深型の収納ユニット3YL、3YRを左右に連結したものであるから、第二ブラケット52が用いられる。なお、この連結収納ユニット3LLが、通常の深型収納ユニット3Yの場合も第二ブラケット52が用いられる。この連結収納ユニット3LLが浅型収納ユニット3X、3XL、3XRであった場合には第一ブラケット51が用いられる。
続いて図9(a)に示すように、連結収納ユニット3LLの天面形成部3T、3Tの天面3t、3t(収納ユニット3YLの天面と収納ユニット3YRの天面)の上に、スペーサ4(第三スペーサ43)が、当該連結収納ユニット3LLの天面外周領域(図9(b)の符号3St参照)を外側に残す形でその内側にスペーサ下部4Bを面接触させる形で載置される。そして、スペーサ4(43)は、締結部材10(ここではバインドタッピングネジ)によって、収納ユニット3YRの天面形成部3Tの天面3t上に固定される。
なお、ここでの連結収納ユニット3LLの天面外周領域とは、左用深型収納ユニット3YLの左側の外周端部3Sと、右用深型収納ユニット3YRの右側の外周端部3Sと、左用深型収納ユニット3YL及び右用深型収納ユニット3YRの正面側の外周端部3S、3Sの上端面3Stによって形成されるコの字状の領域である。これは連結収納ユニット3Lでも同様である。
ここでのスペーサ4(43)は、その連結収納ユニット3LLにおける上記の天面外周領域を除くだけでなく、左用深型収納ユニット3YLの天面3tも除いて配置されている。つまり、左用深型収納ユニット3YLの上には、スペーサ4が配置されない。具体的にいえば、ここでのスペーサ4(ここでは第三スペーサ43)は、右用深型収納ユニット3YRの天面3t上においてその右側の外周端部3Sの上端面3Stに寄せる形で配置されている。
さらにいえば、連結収納ユニット3LLにおいて、意匠面ではなく連結面をなす左用深型収納ユニット3YLの右側面部3SR(右側の側面板)と右用深型収納ユニット3YRの左側面部3SL(左側の側面板)は、図13に示すように、上端がそれぞれの天面形成部3Tに下側から突き当たる形で設けられている。その結果、連結収納ユニット3LLは、左用深型収納ユニット3YL及び右用深型収納ユニット3YRの双方の天面形成部3T、3Tが左右に突き当てられた形で配置され、双方の天面3t、3tが同一平坦面を形成している。このため、スペーサ4(43)は、左用深型収納ユニット3YL上に、あるいは右用深型収納ユニット3YR上に配置することが可能であるだけでなく、連結された左用深型収納ユニット3YL及び右用深型収納ユニット3YRにまたがる形で配置することも可能である。これは連結収納ユニット3Lであっても同様である。
続いて図10(b)に示すように、スペーサ4(43)は、既に壁面102に固定されている収納ユニット3(3X)の、底面視にて長方形状に視認される底面3bを形成する底面形成部3Bのその底面3bの下に、底面外周領域を外側に残す形で当接・面接触して配置される。なお、収納ユニット3の底面外周領域とは、ここでは収納ユニット3の下面全領域(3b、3Sb)に対し収納ユニットの外周端部3Sを下方に投影した重なり領域(3Sb)のことであり、下面全領域(3b、3Sb)の外縁から所定幅内側までの帯状の領域である。具体的にいえば、ここでの底面外周領域は、収納ユニット3(3X)において正面及び左右の外周端部3Sの下端面3Sb(図7(a)参照:引き出し本体30(収納前板部3F)が無いため正面側の下端面3Sbは図示されていない)となる領域である。そして、スペーサ4(43)のスペーサ上部4T上には、弾性を有した弾性接着シート40が複数個所に接着固定されており、収納ユニット3(3X)は、これら弾性接着シート40上に載置され、接着固定される。この載置状態・接着固定状態において、締結部材10(ここでは六角コーチスクリューを用い、その頭部にはボルトキャップを取り付ける)によってブラケット5を壁面102に締結固定する。これにより、連結収納ユニット3LLは、図10(b)に示すように、ブラケット5の上に載って下支えされる形で壁面102に対し固定され、その先端(前端)側が自由端をなすよう壁面102から突出した状態に設置される。さらにいえば、天板部材2及び収納ユニット3(3X)は、この連結収納ユニット3LLの上に載って下支えされた状態になる。
これにより、上側の収納ユニット3(3X)と、下側の連結収納ユニット3LLの右用深型収納ユニット3YRとのそれぞれの外周端部3S、3Sの間に対向空隙63が形成され、スペーサ4(43)は、それら双方の外周端部3S、3Sの奥側に空隙6(63)を介して視認されるようになる。
最後に、天板部材2上に設けられた上下に貫通する貫通孔2H(図5参照)に配管9を挿通させ、天板部材2上に洗面器7(ここでは洗面ボウル)及び水栓8を設置して、これらを接続する。また、天板部材2と壁面102との接続部分にはシーリング材(図示無し)を塗布・固化する。
このようにして形成された洗面台1Aでは、図16及び図17に示すように、空隙61(第一対向空隙)と空隙63(第三対向空隙)との少なくとも外側端縁位置における上下対向幅d1、d3が同一幅(ここでは30mm)とされる。これにより、スペーサ41、43は、上下に同一幅を有した帯状のラインとして視認される。さらに、2つの収納ユニット3YL、3YRが横並びする連結収納ユニット3LLが左右横方向への印象を与え、さらに、連結収納ユニット3Lとは逆側に延びる天板部材2も左右横方向への印象を与えている。一方で、上下方向に並ぶ天板部材2及び収納ユニット3X、3YLが床面101に対し非設置とされて床面101から切り離されていることで、上下縦方向への印象が弱められている。その上で、他とは異なる金属調のスペーサ4(41)、4(43)が、空隙6(61)、6(63)の奥で横方向に延びる形状で強調的に配置されている。このように、本実施例の洗面台1Aでは、水平横方向により強い印象を与える特徴的な意匠を実現している(図30参照)。
なお、第一実施例における天板部材2は、本発明の第一天板部材であり、収納ユニット3(3X)は本発明の第一収納ユニットであり、これらが本発明の天板・収納ペアを形成している。他方、収納ユニット3(3X)は、本発明の上側収納ユニットでもあり、連結収納ユニット3LLは本発明の下側収納ユニットであり、これらが本発明の収納・収納ペアを形成している。
以上、本発明の第一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。例えば上記実施例において一部の構成要件を省略する、さらには他の構成要件を追加する等、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
以下、上記実施例とは異なる別の実施例や変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と下記例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
<実施例2>
第二実施例の洗面台1Bは、図18及び図19に示すように、収納ユニット3の直上及び直下に、スペーサ4(第一スペーサ41、第二スペーサ42)を介在させる形で天板部材2(上側天板部材21と下側天板部材22)が配置される洗面台である。
なお、ここでの天板部材2(21)は、本発明の第一天板部材であり、その直下の収納ユニット3(3Y)は本発明の第一収納ユニットであり、これらが本発明の天板・収納ペアを形成している。他方、収納ユニット3(3Y)は、本発明の第二収納ユニットでもあり、天板部材2(22)は、本発明の第二天板部材であり、これらが本発明の収納・天板ペアを形成している。
以下、本発明の第二実施例である洗面台1Bについて、壁面102への組み付け手順に沿って説明する。
まずは天板部材2(21)にブラケット5を取り付け、そのブラケット5で天板部材2(21)を壁面102に固定する。この点は第一実施例と同様であるため、説明を省略する。なお、ここで用いるブラケット5は、直下にスペーサ4が配置される領域では第一ブラケット51であり、その他では全て第二ブラケット52である。
次に収納ユニット3にスペーサ4(41)とブラケット5を取り付け、そのブラケット5で収納ユニット3を、天板部材2の直下の位置で壁面102(図示なし)に固定する。この点も第一実施例と同様であるため、説明を省略する。なお、収納ユニット3が深型収納ユニット3Yである点において、第一実施例と異なる。
次に、上記とは異なる天板部材2(22)にスペーサ4(42)とブラケット5を取り付け、そのブラケット5によってその天板部材2(22)を、既に固定された収納ユニット3(3Y)の直下の位置となるよう壁面102に固定する。
これにより、図25に示すように、天板部材2(21)と収納ユニット3(3Y)とのそれぞれの外周端部2S、3Sの間に対向空隙6をなす空隙61(第一対向空隙)が形成され、スペーサ4(41)は、それら双方の外周端部2S、3Sの奥側に空隙6(61)を介して視認されるようになる。
なお、ここで用いる天板部材2(22)は、既に固定された天板部材2(21)と同様の天板部材である。天板部材2には、左右幅の異なるバリエーションも用意されているが、ここでは左右幅の一致したものが選ばれている。また、天板部材2(22)で用いるブラケット5は、全て第二ブラケット52であり、この点は第一実施例と異なる。
このもう1つの天板部材2(22)に対し、まずは図20に示すように、ブラケット5を固定する。この点は、既に固定された天板部材2(21)と同様であるから、説明を省略する。
続いてこのもう1つの天板部材2(22)に対し、スペーサ4(ここでは第二スペーサ42)を固定する。図21に示すように、スペーサ4(42)は、天板部材2(22)の天面形成部2Tの天面2t上に、天面外周領域(図21の符号2St参照)を外側に残す形で配置される。そして、スペーサ4(42)は、締結部材10(ここではバインドタッピングネジ)によって、天板部材2(22)の天面形成部2Tの天面2t上に固定される。なお、天板部材2の天面外周領域とは、ここでは天板部材2の上面全領域(2t、2St)に対し天板部材2の外周端部2Sを上方に投影した時に重なる重なり領域(2St)のことであり、上面全領域(2t、2St)の外縁から所定幅内側までの帯状の領域である。具体的にいえば、ここでの天面外周領域は、天板部材2(22)における正面及び左右の外周端部2Sの上端面2Stとなる正面及び左右の領域である。さらにいえば、ここでの天面外周領域は、天板部材2(22)の天面2tに対し外周端部2Sをなす板材底部2W(図16参照)を上方に投影させた際に重なる領域であり、図21にて符号2Stが示す領域である。なお、ここでのスペーサ4(42)は、右側の外周端部2Sの上端面2Stに寄せて配置され、上記天面外周領域を残すだけでなく、左側に広大な天面領域を残す形で、天面2t上に固定される。
天板部材2(22)に固定されたスペーサ4(42)は、図22に示すように、収納ユニット3(3Y)の、底面視にて長方形状に視認される底面3b(底面形成部3Bの底面)の下に、底面外周領域を外側に残す形で当接・面接触して配置される。なお、底面外周領域とは、収納ユニット3(3Y)における正面及び左右の外周端部3Sの下端面3Sbによって形成されるコの字状の領域である。なお、図22においては、引き出し本体30が取り外されているため、左右の外周端部3Sの下端面3Sbの図示されている。スペーサ4(42)のスペーサ上部4T上には、弾性を有した弾性接着シート40(図21参照)が複数個所に接着固定されており、収納ユニット3(3Y)は、これら弾性接着シート40上に載置され、接着固定される。
そして、この載置状態・接着固定状態において、図23に示すように、締結部材10(ここでは六角コーチスクリューを用い、その頭部には後にボルトキャップを取り付ける)によって、天板部材2(22)に固定されたブラケット5を壁面102に締結固定する。これにより、天板部材2(22)は、ブラケット5の上に載って下支えされる形で壁面102に対し固定され、その先端(前端)側が自由端をなすよう壁面102から突出した状態に設置される。さらにいえば、天板部材2(21)及び収納ユニット3(3Y)は、この天板部材2(22)の上に載って下支えされた状態になる。
これにより、図25及び図26に示すように、収納ユニット3(3Y)と天板部材2(22)の外周端部3S、2Sの間に対向空隙62が形成され、スペーサ4(42)は、それら双方の外周端部3S、2Sの奥側に空隙6(62)を介して視認されるようになる。
最後に、洗面器7(ここでは洗面ボウル)及び水栓8(図18及び図19参照)、さらには配管9(図示なし)を配置して、その後にシーリングして仕上げる点は第一実施例と同様である。
このようにして形成された洗面台1Bでは、空隙61(第一対向空隙)と空隙62(第二対向空隙)との少なくとも外側端縁位置における上下対向幅d1、d2が同一幅である。これにより、スペーサ41、42は、上下に同一幅を有した帯状のラインとして視認される。
<他の実施例>
図27〜図29には、上述の第一実施例と第二実施例とは異なる実施例が簡易に示されている。これらの実施例の洗面台1も、第一実施例と第二実施例と同様、予め複数のバリエーションが用意された天板部材2、収納ユニット3(3X、3Y、3L(3XL、3XR)、3LL(3YL、3YR))、スペーサ4(41、42、43)、ブラケット5(51、52)から洗面台構成部品が選び出され、既に述べた条件に従い組み上げられている。
上記実施例において、天板部材2と収納ユニット3を、互いに異なる意匠のもので選んで組み立てられてもよい。さらにいえば、天板部材2と収納ユニット3とスペーサ4とを、互いに異なる意匠のもので選んで組み立てられてもよい。
上記実施例における天板部材2と収納ユニット3は、既に述べているように、予め用意されている複数のサイズバリエーションのものの中から選ばれたものとすることができる。つまり、上記実施例明の洗面台1A、1B、1を構成するための洗面台構成部品には、天板部材2と収納ユニット3とスペーサ4とブラケット5とが含まれるとともに、それらのうち天板部材2と収納ユニット3とには少なくとも複数のサイズバリエーションのものが予め用意され、それらの中から選ばれた1以上の天板部材2と1以上の収納ユニット3とが組み合わされる形で配置される。そして、それぞれが片持ち状態となるようブラケット5によって壁面102に壁付けされ、洗面台(例えば符号1A、1B、1)として組み立てられる。これにより、天板部材2と収納ユニット3の組み合わせによって様々な配置形態の洗面台を簡易に形成できる。また、天板部材2と収納ユニット3の配置形態次第では、図27〜図29に示すような様々な形態の洗面台1を形成することもでき、全体形状を独特なものにすることができる。
また、この場合、予め用意される複数のサイズバリエーションの天板部材2と収納ユニット3との中には、正面側と左右両側面と上面とを意匠面として有し、単独で片持ち状態となるようブラケット5によって壁面102に壁付け可能なものを含む。これにより、天板部材2や収納ユニット3は、単独で使用することも可能になり、用途が増える。また、図27(a)のように、天板部材2及び収納ユニット3を有して形成された洗面台1に対し、天板部材2や収納ユニット3(ここでは天板部材2のみ)を単独で隣接配置してもよい。