JP6868246B2 - ブリルアン周波数シフトを測定する装置及び方法 - Google Patents

ブリルアン周波数シフトを測定する装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、ブリルアン周波数シフトを測定する装置及び方法に関する。
光ファイバや平面型光導波路(PLC)等に光が伝搬する際に生じる誘導ブリルアン散乱においては、プローブ光の周波数がポンプ光の周波数に対して、ブリルアン周波数シフトνBFSだけ小さい場合に最大のブリルアン利得が生じ、プローブ光が増幅される。ここで、ブリルアン周波数シフトνBFSは、光ファイバやPLC等への入射光の周波数と被験体中での誘導ブリルアン散乱により増幅したプローブ光の周波数との差であり、以下の(式1)で示される。
Figure 0006868246
ここで、neffは光ファイバやPLC等の被験体における実効屈折率であり、Vは被験体における音速であり、λは光の波長である。neff及びVは、被験体に加わる歪や温度によって変化するためブリルアン周波数シフトνBFSを測定することによって被験体の歪や温度のセンシングが可能になる。
特開2017−116451号公報
K. Y. Song, Z. He, and K. Hotate, "Distributed strain measurement with millimeter-order spatial resolution based on Brillouin optical correlation domain analysis," OPTICS LETTERS Vol. 31, No. 17, September 1, 2006
光ファイバや光デバイス等の被験体中を伝搬する光のブリルアン周波数シフトνBFSの分布をcm程度以下の空間分解能で測定する1つの従来技術として、ブリルアン光相関領域解析法(以下、BOCDAという)が知られている(例えば、非特許文献1参照)。BOCDAは、プローブ光と、プローブ光の周波数よりもブリルアン周波数シフトνBFSだけ大きな周波数を有するポンプ光の双方を周波数変調し、その変調位相が被験体中の特定の極めて小さい区間においてのみ一致し、その一致点においてプローブ光及びポンプ光の周波数相関が大きくなることを利用して、空間分解能に優れたブリルアン周波数シフトνBFSの測定を可能とする方法である。
しかしながら、BOCDAでは、プローブ光及びポンプ光の周波数相関は、被験体内の上記一致点などの測定したい場所以外でも完全にゼロではない。このために、BOCDAでは、ブリルアン周波数シフトνBFSを検出するための相関信号のほかに、測定したい場所以外で生じた信号が大きな割合で生じる。これを除外するため、プローブ光及びポンプ光に複雑な周波数変調を加える等の様々な手段が必要になる。この結果、BOCDAでは、装置構成が複雑になると同時に、測定時の装置の制御も複雑であり、装置価格の低廉化を妨げていた。
被験体中のブリルアン周波数シフトνBFSの分布をcm程度以下の空間分解能で測定するもう1つの従来技術として、被験体の音響フォノンの寿命よりも短い周期T=1/Δfを有する光パルス(光コム)をプローブ光及びポンプ光として用いる手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法の利点は、被験体中でのプローブ光及びポンプ光の2つの光パルスの衝突地点以外では誘導ブリルアン散乱が全く生じないため、BOCDAで必要となるプローブ光及びポンプ光に対する複雑な変調手段が不要となることである。
しかしながら、誘導ブリルアン散乱では、プローブ光及びポンプ光の輝線スペクトル成分の周波数差がブリルアン周波数シフトνBFSに一致したときに利得ピークが生じる。そのため、この方法では、誘導ブリルアン散乱によるブリルアン利得スペクトルもまた、Δfを周波数間隔とする利得の複数のピークが生じる。すなわち、被験体中を伝搬する光のブリルアン周波数シフトνBFSに対して、利得のピークが生じる周波数νは、mを整数として、以下の(式2)で示される。
ν=νBFS+mΔf (式2)
上記(式2)に示すように、特許文献1に記載の手法では、ブリルアン利得スペクトルにΔfの間隔で複数のピークが生じるために、これらの利得ピークのうちのどれがブリルアン周波数シフトνBFSであるかが分からないことになる。このため、この技術の適用領域は、ブリルアン周波数シフトνBFSが被験体全体を通して光コムの周波数間隔Δf以下である場合にそのブリルアン周波数シフトνBFSを観測することに限られていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブリルアン周波数シフトνBFSが被験体全体を通して光コムの周波数間隔Δfより大きい場合であっても、ブリルアン周波数シフトνBFSの測定が可能な装置及び方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る装置は、被験体中において互いに反対方向に伝搬するプローブ光及びポンプ光による誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光のブリルアン周波数シフトを測定する装置であって、被験体の音響フォノンの寿命よりも短い周期を有する光コムを発生する光コム発生部と、前記光コムをプローブ光及びポンプ光にそれぞれ分岐する分岐部と、前記プローブ光及び前記ポンプ光の少なくとも一方の光周波数をシフトする光周波数シフト部と、前記プローブ光及び前記ポンプ光の少なくとも一方の位相を遅延させる遅延部と、前記被験体において誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光の強度を測定することによりブリルアン利得スペクトルを取得する受光部と、を備え、前記光コム発生部は、第1の周波数間隔の第1の光コムと、前記第1の周波数間隔とは異なる第2の周波数間隔の第2の光コムと、をそれぞれ発生可能に構成され、前記装置は、前記第1の光コムを用いて前記受光部において取得されたブリルアン利得スペクトルと、前記第2の光コムを用いて前記受光部において取得されたブリルアン利得スペクトルとの間で利得のピークが一致する周波数をブリルアン周波数シフトとして測定するブリルアン周波数シフト測定部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る装置は、入力したポンプ光を非偏光状態にする偏波スクランブラをさらに備えたことを特徴とする。
本発明のさらに他の態様に係る装置は、前記プローブ光及び前記ポンプ光の少なくとも一方を増幅する光増幅部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の一態様に係る方法は、光コムをプローブ光及びポンプ光として用い、被験体中において互いに反対方向に伝搬する前記プローブ光及び前記ポンプ光による誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光のブリルアン周波数シフトを測定する方法であって、第1の周波数間隔の第1の光コムを用いて前記被験体中で発生した第1のブリルアン利得スペクトルを取得するステップと、前記第1の周波数間隔とは異なる第2の周波数間隔の第2の光コムを用いて前記被験体中で発生した第2のブリルアン利得スペクトルを取得するステップと、前記取得した第1のブリルアン利得スペクトルと、前記取得した第2のブリルアン利得スペクトルとの間で利得のピークが一致する周波数をブリルアン周波数シフトとして測定するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様によると、ブリルアン周波数シフトが光コムの周波数間隔Δfより大きい場合であっても、正確なブリルアン周波数シフトをcm程度以下の高い空間分解能で測定することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るブリルアン周波数シフト測定装置の構成を例示する図である。 図2(a)及び図2(b)は、本発明に係るブリルアン周波数シフト測定装置における測定原理を示す図である。 図3(a)及び図3(b)は、第1及び第2の測定においてそれぞれ観測されるブリルアン利得スペクトルを例示する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係るブリルアン周波数シフト測定装置の構成を例示する。図1には、光コム発生部10と、光分岐部20と、光周波数シフト部30と、遅延部40と、偏波スクランブラ50と、第1及び第2の光増幅部61及び62と、サーキュレータ70と、受光部80と、ブリルアン周波数シフト測定部90と、を含むブリルアン周波数シフト測定装置が示されている。
図1に示されるように、第1の光増幅部61とサーキュレータ70との間には、例えば光ファイバやPLC等の被験体1が接続される。被験体1の一端にはプローブ光が結合し、被験体1の一端とは反対側の他端にはポンプ光が結合する。被験体中において互いに反対方向に伝搬するプローブ光及びポンプ光による誘導ブリルアン散乱によってプローブ光が増幅される。
光コム発生部10は、一定の周波数間隔Δf(=1/T)で並んだ複数の輝線スペクトル成分を有する光コムを発生することができる。光コム発生部10が発生する光コムは、被験体1において誘導ブリルアン散乱をもたらす音響フォノン寿命よりも短い周期T=1/Δfを有する。光コム発生部10は、発生する光コムの周波数間隔Δfを変更可能に構成されている。
図1に示されるように、光コム発生部10は、レーザダイオードなどの連続光を発生する光源11と、LiNbO変調器などの強度変調器12と、周期が可変のパルス信号を発生する周波数可変パルス発生器13と、を含むことができる。光コム発生部10では、周波数可変パルス発生器13で発生したパルス信号によって駆動された強度変調器12により光源11からの連続光を強度変調することにより光コムを発生することができる。周波数可変パルス発生器13で発生するパルス信号の周期を変更することにより、光コム発生部10で発生する光コムの周期Tを変更することができる。被験体1の長さをLとし、被験体1中での光コムの群速度をVとすると、光コムの周期Tは、以下の(式3)を満たすように設定される。
T/2>L (式3)
光分岐部20は、光コム発生部10から出力された光コムを2分岐することができる。光分岐部20の一方の分岐は被験体1の一端に結合し、光分岐部20の他方の分岐は被験体1の一端とは反対側に設けられた他端に結合する。
光周波数シフト部30は、入力した光の光周波数をシフトすることができる。光周波数シフト部30において入力した光の光周波数のシフト量を調整してプローブ光及びポンプ光の相対的な周波数を変更することにより、受光部80においてブリルアン利得スペクトルを取得することが可能となる。
図1に示されるように、光周波数シフト部30は、例えば、周波数が可変の正弦波信号を生成する周波数可変正弦波発生器31と、入射したプローブ光に対してブリルアン周波数シフトに相当する約11[GHz]程度のダウンシフトを与える単一側波帯変調器(SSB変調器)32と、を含むことができる。光周波数シフト部30では、周波数可変正弦波発生器31が発生する正弦波信号の周波数を調整することにより、SSB変調器32におけるダウンシフト量を調整することができる。図1に示す例では、光周波数シフト部30は、プローブ光の経路に配置されているが、プローブ光及びポンプ光の相対的な周波数を変更するものであるため、ポンプ光の経路に配置してもよく、両方の経路に配置しても構わない。
遅延部40は、入力した光の位相に対して所定の遅延を与えることができる。遅延部40における光の遅延量を調整することによりプローブ光及びポンプ光の相対的な位相を調整することができるため、被験体1内におけるプローブ光及びポンプ光の光パルスが衝突して誘導ブリルアン散乱を生じる位置を調整することが可能となる。遅延部40における入射光の遅延量を操作して、被験体1全体にわたってプローブ光及びポンプ光の衝突位置を変更することにより、被験体100全体におけるブリルアン周波数シフトの分布測定が可能となる。そしてその趣旨からして、遅延部40は、プローブ光及びポンプ光のいずれ又は両方の経路に配置されても構わないことは明らかである。
偏波スクランブラ50は、入力した光の偏光状態をランダムにすることにより、入力した光を非偏光状態にする。すなわち、偏波スクランブラ50から出力された光は、あらゆる偏光状態を均等に含むため、プローブ光の偏光状態と一致する偏光を必ず含む。そのため、被験体1におけるプローブ光及びポンプ光による誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光について、十分なビート信号強度を得ることが可能となる。
第1及び第2の光増幅部61及び62は、それぞれ、入力した光を増幅することにより、被験体1で発生するブリルアン利得の強度を制御することができる。そしてその趣旨からして、第1及び第2の光増幅部61及び62は、プローブ光及びポンプ光のいずれか一方の経路に配置されても構わないことは明らかである。
サーキュレータ70は、入力したポンプ光を被験体1に出力するとともに、被験体1におけるプローブ光及びポンプ光の光パルスの衝突位置での誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光を受光部80に出力する。
受光部80は、サーキュレータ70から出力された、被験体1におけるプローブ光及びポンプ光の光パルスの衝突位置での誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光を受光し、その光強度を測定する。上述したように、光周波数シフト部30において入力した光の光周波数のシフト量を調整してプローブ光及びポンプ光の相対的な周波数を変更することにより、受光部80においてブリルアン利得スペクトルを取得することができる。
ブリルアン周波数シフト測定部90は、周波数間隔Δf1の第1の光コムを用いて得られたブリルアン利得スペクトルと周波数間隔Δf2の第2の光コムを用いて得られたブリルアン利得スペクトルとの間で利得のピークが一致する周波数をブリルアン周波数シフトとして測定する。
以下、図1に示す構成を例に、本発明の一実施形態に係るブリルアン周波数シフト測定装置における光信号処理を説明する。
光コム発生部10で発生した周波数間隔Δfの光コムは、光分岐部20において2分岐され、一方はプローブ光として光周波数シフト部30に入力され、他方はポンプ光として遅延部40に入力される。
光周波数シフト部30に入力されたプローブ光は、光周波数シフト部30において光周波数がブリルアン周波数シフトに相当する約11[GHz]程度ダウンシフトされて第1の光増幅部61に入力され、第1の光増幅部61において増幅されて被験体1の一端に入力される。
遅延部40に入力されたポンプ光は、遅延部40において所定の遅延が与えられて偏波スクランブラ50に入力される。偏波スクランブラ50に入力されたポンプ光は、偏波スクランブラ50において非偏光状態にされて第2の光増幅部62に入力され、第2の光増幅部62において増幅されて、サーキュレータ70を介して被験体1の他端に入力される。
被験体1の一端に入力されたプローブ光は、被験体1内で、被験体1の他端から入力されたポンプ光と衝突して誘導ブリルアン散乱によって増幅される。当該誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光は、サーキュレータ70を介して受光部80に入力され、受光部80においてその光強度が測定される。
図2は、本発明に係るブリルアン周波数シフト測定装置における測定原理を示す。図2(a)に示す第1の測定では、光コム発生部10で発生した周波数間隔Δf(=1/T)を有する光コムをプローブ光及びポンプ光として用いてブリルアン利得スペクトルの測定を行う。ブリルアン利得スペクトルもまた、周波数間隔Δf(=1/T)とする複数のピークを持つ。このとき、ブリルアン利得スペクトルにおいて利得のピークが生じる周波数は、mを任意の整数として、以下の(式4)で与えられる。
ν=νBFS+mΔf (式4)
本発明では、図2(b)に示すように、第1の測定において用いた周波数間隔Δf(=1/T)とは異なる周波数間隔Δf(=1/T)を有する光コムをプローブ光及びポンプ光として用いた第2の測定を行う。第1の測定と同様に、このとき得られるブリルアン利得スペクトルの利得ピークの周波数は、以下の(式5)で与えられる。
ν=νBFS+mΔf (式5)
上記(式4)及び(式5)から明らかなように、m=0のときにのみ両者の利得ピークは一致し、このときの周波数がブリルアン周波数シフトνBFSを与えることは明らかである。したがって、周波数間隔Δf及びΔfの光コムをそれぞれ用いて第1及び第2の測定を行うことによって各ブリルアン利得スペクトルを求め、両者で周波数が一致する利得ピークを見つけることによって、複数の利得ピークの周波数の中からブリルアン周波数シフトνBFSを見出すことができる。すなわち、受光部80で測定された2つのブリルアン利得スペクトルの各々における複数のピークのうち、2つのブリルアン利得スペクトル間でピークが一致する周波数をブリルアン周波数シフトνBFSとして測定する。
このように、本発明によると、ブリルアン利得スペクトルにおける複数のピークの中からブリルアン周波数シフトνBFSを明確に見出すことが可能であるため、ブリルアン周波数シフトνBFSが被験体1全体を通して光コムの周波数間隔Δfより大きい場合であっても、ブリルアン周波数シフトνBFSの測定が可能となる。
以下、被験体1として光ファイバを用いた場合を例に、本発明の一実施形態に係るブリルアン周波数シフトの測定方法を説明する。
被験体1としての光ファイバ中での音響フォノン寿命はおおよそ20nsであるため、光コム発生部10で発生する光コムの周波数間隔Δfはおおむね50MHzよりも大きく設定する必要がある。光ファイバを伝搬するパルスの群速度Vは約2×10m/sであるため、上記(式3)より被験体1としての光ファイバの長さLは2m程度以下に制限される。
図3は、第1及び第2の測定においてそれぞれ観測されるブリルアン利得スペクトルを例示する。2つのパルスの周波数Δf=1/TおよびΔf=1/Tを選択する際には、被験体1としての光ファイバ中を伝搬する光におけるブリルアン利得スペクトルの広がりΔνに注意する必要がある。すなわち、ブリルアン利得スペクトルの波形は、図3に示すようにΔνの広がりを持つが、Δνは被験体1としての光ファイバ中での音響フォノンの寿命の逆数によって決まり、典型的には30MHz程度である。第1及び第2の測定の間でどのピークが一致し、どのピークが不一致であるかを明瞭に区別するためには、ΔfとΔfはおおむねΔν程度以上異なっている必要がある。以上の条件を考慮すると、被験体1として光ファイバを用いた場合の一例として、Δf=50MHz、Δf=80MHzはこれら諸条件をすべて満足するものである。
本発明の趣旨は、上記のように2m程度の被験体1の長さの範囲においてcm程度以下という極めて高い空間分解能をもってブリルアン周波数シフトνBFSの分布を測定することにある。そのため、本発明によると、例えば光集積回路や精密機器など、比較的小さい寸法のデバイスや構造物におけるドーパントや歪などの分布を高分解能に測定できるなどのメリットをもたらす。本発明は、例えば構造物のヘルスモニタリング等に応用可能である。

Claims (4)

  1. 被験体中において互いに反対方向に伝搬するプローブ光及びポンプ光による誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光のブリルアン周波数シフトを測定する装置であって、
    被験体の音響フォノンの寿命よりも短い周期を有する光コムを発生する光コム発生部と、
    前記光コムをプローブ光及びポンプ光にそれぞれ分岐する分岐部と、
    前記プローブ光及び前記ポンプ光の少なくとも一方の光周波数をシフトする光周波数シフト部と、
    前記プローブ光及び前記ポンプ光の少なくとも一方の位相を遅延させる遅延部と、
    前記被験体において誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光の強度を測定することによりブリルアン利得スペクトルを取得する受光部と、を備え、
    前記光コム発生部は、第1の周波数間隔の第1の光コムと、前記第1の周波数間隔とは異なる第2の周波数間隔の第2の光コムと、をそれぞれ発生可能に構成され、
    前記装置は、
    前記第1の光コムを用いて前記受光部において取得されたブリルアン利得スペクトルと、前記第2の光コムを用いて前記受光部において取得されたブリルアン利得スペクトルとの間で利得のピークが一致する周波数をブリルアン周波数シフトとして測定するブリルアン周波数シフト測定部をさらに備えたことを特徴とする装置。
  2. 入力したポンプ光を非偏光状態にする偏波スクランブラをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記プローブ光及び前記ポンプ光の少なくとも一方を増幅する光増幅部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 光コムをプローブ光及びポンプ光として用い、被験体中において互いに反対方向に伝搬する前記プローブ光及び前記ポンプ光による誘導ブリルアン散乱によって増幅されたプローブ光のブリルアン周波数シフトを測定する方法であって、
    第1の周波数間隔の第1の光コムを用いて前記被験体中で発生した第1のブリルアン利得スペクトルを取得するステップと、
    前記第1の周波数間隔とは異なる第2の周波数間隔の第2の光コムを用いて前記被験体中で発生した第2のブリルアン利得スペクトルを取得するステップと、
    前記取得した第1のブリルアン利得スペクトルと、前記取得した第2のブリルアン利得スペクトルとの間で利得のピークが一致する周波数をブリルアン周波数シフトとして測定するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
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