以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るシート供給装置1の正面一部断面図である。図2は、図1のシート供給装置1の平面図である。図3は、図1のシート供給装置1の側面図である。図4は、図1のシート供給装置1の背面図である。以下、図1における左右方向をX方向、図1における上下方向をZ方向、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向として説明する。
図1〜3を参照して、シート供給装置1は、シートが巻き付けられたロールR1及びロールR2からシートを供給するためのものである。
具体的に、シート供給装置1は、基台2と、基台2に取り付けられているとともにロールR1、R2を支持するための支持機構3と、基台2に取り付けられているとともに支持機構3に支持されたロールR1、R2のうちの一方のシートを他方のシートに接ぐための接ぎ機構4と、支持機構3及び接ぎ機構4の動作を制御するコントローラ5と、を備えている。
基台2は、予め決められた設置面上に載置される載置プレート2aと、X方向に互いに対向するように載置プレート2a上に立設された2本の支柱2bと、両支柱2bからY方向に離れた位置でX方向に互いに対向する2本の支柱2cと、両支柱2bの上端部に固定されているとともにX方向に延びる梁2dと、両支柱2cの上端部に固定されているとともにX方向に延びる梁2eと、梁2d、2e上にそれぞれ立設された軸支持部2f、2g(図3参照)と、梁2d、2e上でX方向に延びる2本のレール2h、2iと、を備えている。なお、図1は、2本の支柱2b及び梁2dの図示が省略されるように載置プレート2aの一部が切り欠かれた状態の正面一部断面図である。
軸支持部2f、2gは、梁2d、2eにおけるX方向の一方側(図1の右側)でY方向に対向する一方、レール2h、2iは、梁2d、2eにおけるX方向の他方側(図1の左側)でY方向に対向する。
支持機構3は、Y方向に延びる回転軸3aを中心として回転可能となるように基台2の軸支持部2f、2gに対して取り付けられている。
具体的に、支持機構3は、回転軸3aを中心として回転可能に基台2に取り付けられた回転部材3bと、回転部材3bに設けられているとともに前記ロールR1、R2をその中心位置でそれぞれ支持する支持軸3c、3dと、回転部材3bとともに回転軸3aを中心として回転可能に基台2に取り付けられた回転ガイド部材3eと、支持軸3c、3dのそれぞれに隣接して設けられた隣接ガイド部材3f、3gと、を備えている。なお、上述した基台2及び支持機構3は、支持軸3c、3dを支持する軸支持ユニットを構成する。
回転部材3bは、基台2の梁2d、2eの間で回転軸3aと直交する方向に延びている。なお、図3及び図4では、回転部材3bの一部を省略している。
支持軸3c、3dは、回転部材3bにおける回転軸3aから当該回転軸3aと直交する方向に離れた位置にそれぞれ設けられている。具体的に、支持軸3cは、回転部材3bにおける回転軸3aの一方側の端部に設けられている一方、支持軸3dは、回転部材3bにおける回転軸3aの他方側の端部に設けられている。また、支持軸3c、3dは、それぞれ回転部材3bからY方向の一方側(梁2d側)に延びている。このように、支持軸3c、3dは、回転部材3bに対して片持ち状に支持されている。そのため、作業員は、支持軸3c、3dの自由端がロールR1、R2の中心に挿入されるようにロールR1、R2を支持軸3c、3dの自由端の手前側から容易に装着することができる。
ここで、回転部材3bは、支持軸3c、3dの一方が装着位置に配置された状態とスプライス位置に配置された状態との間で回転可能に基台2に支持されている。以下、装着位置及びスプライス位置について説明する。
<装着位置>
支持軸3c、3dのうちの一方の支持軸(図1では支持軸3c)に支持されたロールR1からシートが供給されている状態において他方の支持軸3dに新たなロールを装着するために他方の支持軸3dが装着位置(図1に示す位置)に配置される状態に回転部材3bが回転される。
<スプライス位置>
回転部材3bは、装着位置から図1の反時計回りに回転され、支持軸3dが図10に示す位置を経由して図11に示すスプライス位置に配置される状態まで回転部材3bは回転される。この状態において、回転軸3aの中心、及び、スプライス位置に配置された支持軸3dの中心は同一の水平面上で互いに平行に配置されている。なお、図2は、支持軸3dがスプライス位置に配置された状態におけるシート供給装置1の平面図である。
スプライス位置において、後述の接ぎ機構4によりロールR1のシートがロールR2のシートに接がれると、ロールR2からのシートの供給が開始され、この状態から回転部材3bが時計回りに回転することにより、図17に示すようにロールR1を支持する支持軸3cが上述の装着位置に配置される。このように、支持軸3c、3dのそれぞれが装着位置からスプライス位置への移動を繰り返すように、回転部材3bが正逆回転することにより、支持軸3c、3dに支持されたロールR1、R2から順次シートを供給する。
また、支持機構3は、上記のように回転部材3bを回転駆動するための部材駆動機構と、支持軸3c、3dを回転駆動するための軸駆動機構と、を備えている。以下、図4及び図5を参照して部材駆動機構及び軸駆動機構を説明する。なお、図5は、支持軸3dがスプライス位置に配置された状態における支持機構3の平面断面図である。
具体的に、回転駆動機構は、回転軸3aに固定されたプーリ3hと、プーリ3hに掛けられ無端ベルト3iと、を備えている。無端ベルト3iは、基台2の柱2cに固定された回転部材駆動源(モータ)2jの回転軸に固定されたプーリに掛けられている。回転部材駆動源2jの回転軸が回転すると、回転部材駆動源2jの動力が無端ベルト3iを介して回転軸3aに伝達されて回転軸3aは回転する。
軸駆動機構は、回転軸3aに対して当該回転軸3aを中心に回転可能な状態で回転軸3aの外側に取り付けられた内側プーリ3jと、プーリ3jに対して回転軸3aを中心に回転可能な状態でプーリ3jの外側に取り付けられた外側プーリ3kと、内側プーリ3jに掛けられた第1内側無端ベルト3l及び第2内側無端ベルト3mと、外側プーリ3kに掛けられた第1外側無端ベルト3n及び第2外側無端ベルト3oと、を備えている。第1内側無端ベルト3lは、基台2の梁2eに固定された軸駆動源(モータ)4kの回転軸に固定されたプーリに掛けられ、第1外側無端ベルト3nは、基台2の梁2eに固定された軸駆動源(モータ)4lの回転軸に固定されたプーリに掛けられている。また、第2内側無端ベルト3mは、支持軸3dに固定されたプーリに掛けられ、第2外側無端ベルト3oは、支持軸3cに固定されたプーリに掛けられている。軸駆動源4k、4lの回転軸が回転すると、軸駆動源4k、4lの動力が無端ベルト3l〜3oを介して支持軸3c、3dに伝達されて支持軸3c、3dは回転する。また、内側プーリ3j及び外側プーリ3kは、回転軸3aに対して回転可能な状態で回転軸3aに取り付けられているため、回転軸3aの回転動作にかかわらず軸駆動源4k、4lの動力を支持軸3c、3dに伝達することができる。
図1〜図3を参照して、回転ガイド部材3e及び隣接ガイド部材3f、3gは、それぞれ支持軸3c、3dが装着位置(図1参照)からスプライス位置(図11参照)まで回転する際にロールR1、R2のうちのシート供給中のロール(図1ではロールR1:以下、供給中のロールを供給側ロールと呼ぶ)のシートがもう一方のロール(図1ではロールR2:以下、供給側ロール以外のロールを待機側ロールと呼ぶ)に接触するのを防止するためのものである。
具体的に、回転ガイド部材3eは、回転部材3bに交差する方向に延びるとともに回転軸3aに固定された一対の保持プレート3p、3qと、保持プレート3p、3qの長手方向の両端部にそれぞれ取り付けられた案内ローラ3r、3sと、を備えている。保持プレート3p、3qは、Y方向においてロールR1、R2のシートの両側に配置されるように互いにY方向に離間した状態(図2参照)で回転軸3aに固定されている。案内ローラ3r、3sは、それぞれ保持プレート3p、3qの間でY方向に沿った軸を中心として回転可能な状態で保持プレート3p、3qに取り付けられている。
また、隣接ガイド部材3f、3gは、回転部材3bから延びる保持部材3tと、保持部材3tの先端に取り付けられた案内ローラ3uと、をそれぞれ備えている。保持部材3tは、Y方向においてロールR1、R2の一方側(梁2e側)に設けられている。また、保持部材3tは、回転部材3bから当該回転部材3bの回転方向の一方側(反時計回り方向)に延びる基端部と、基端部から回転軸3aの径方向で外側に延びる先端部と、を有する。案内ローラ3uは、保持部材3tの先端部からY方向におけるロールR1、R2の他方側(梁2d側)の位置まで延び、Y方向に沿った軸を中心として回転可能な状態で保持部材3tに取り付けられている。
回転部材3bが回転して案内ローラ3r、3s、3uの外側面にロールR1、R2のシートが接触すると案内ローラ3r、3s、3uの回転を伴いながらシートが下流側へ案内される。
また、支持機構3は、支持軸3c、3dに装着されたロールR1、R2を支持軸3c、3dから排出するための排出機構を備えている。図6は、図5のVI−VI線断面図である。なお、図6は、支持軸3cに設けられた排出機構を示しているが、支持軸3dにも同様の排出機構が設けられており、この排出機構の説明は省略する。
図6を参照して、排出機構は、支持軸3cが貫通した状態で当該支持軸3cに取り付けられた排出部材3vと、排出部材3vを回転部材3bに対して押し引きするための押し引き機構3w(本実施形態では2つ。1つでもよい)と、を備えている。押し引き機構3wは、回転部材3bに固定された本体部と、本体部に対してY方向に変位可能な変位部材とを有し、例えば、エアシリンダ又はボールねじ機構を有するモータにより構成されている。押し引き機構3wは、基台2に設けられた排出駆動源(例えば、エア供給源又は電源:図18参照)2kからの動力又は電力を受けることにより、変位部材を実線で示す非排出位置から二点鎖線で示す排出位置へ変位させるように構成されている。この変位部材の変位により、排出部材3vが二点鎖線で示されるようにY方向に移動して、ロールR1が押されて支持軸3cから排出される。
図1及び図2を参照して、接ぎ機構4は、基台2に固定された外径検出器4aと、基台2に対してX方向に移動可能となるように基台2に取り付けられた移動ユニット(押し付け機構の一部)4bと、移動ユニット4bを駆動するユニット駆動機構4c(図4参照)と、移動ユニット4bにそれぞれ取り付けられた接着部材検出器4d、押し付けローラ(押し付け機構の一部)4e、カッター4f、第1案内ローラ4g(別の案内ローラ)、第2案内ローラ4h(案内ローラ)、第3案内ローラ4i、及び付勢機構(図8参照)4jと、上述した軸駆動源4k、4l(図5参照)と、を備えている。
外径検出器4aは、スプライス位置に配置された待機側ロール(図11のロールR2)の外径を検出するものであり、例えば、レーザーセンサにより構成されている。外径検出器4aは、基台2の両梁2d、2eに跨るように当該両梁2d、2eにおける移動ユニット4bの支持機構3と反対側の位置に設けられたブラケット2nにより、移動ユニット4bの上に固定されている。また、ブラケット2nに取り付けられた外径検出器4aの検出軸D1(図11の二点鎖線参照:外径検出器4aからロールまでの間の検出範囲の中心が通る軌跡:レーザーセンサの場合の光軸)は、待機側ロール(図11の場合におけるロールR2)の幅方向(Y方向)の中央線とY方向の同じ位置に配置され、かつ、待機側ロールの中心軸(支持軸の中心軸)に垂直に配置されている(図11参照)。
図7は、移動ユニット4bをその一部を省略して示す側面一部断面図である。図7では、第2案内ローラ4h及び第3案内ローラ4iが省略されている。
移動ユニット4bは、基台2の両梁2d、2e上に設けられた移動プレート4rと、移動プレート4rのY方向の両端部に固定された一対のスライダ4sと、Y方向に対向するように移動プレート4r上に立設された一対の検出器用ブラケット4mと、両検出器用ブラケット4mに跨るように設けられた回動部材4nと、両検出器用ブラケット4mの間でY方向に対向するように移動プレート4r上に立設された一対のローラ支持部材4oと、Y方向に対向するように移動プレート4rの下面から下向きに延びる一対のブラケット4pと、を備えている。
一対のスライダ4sは、梁2d、2eのレール2h、2iにそれぞれ係合している。これにより、移動プレート4r、つまり、移動ユニット4bは、基台2に対してレール2h、2iに沿ってX方向に移動可能である。図1及び図3に示すように、基台2における軸支持部2f、2gから移動ユニット4b側に延びる部分(載置プレート2a、支柱2b、2c、梁2d、2e、レール2h、2i)は、移動ユニット4bが移動可能に取り付けられているとともに予め設定された設置面上に設置されるユニット支持部に相当する。図1に示されるように、装着位置に配置された支持軸(図1では支持軸3d)は、回転軸3aに沿って見る側面視において軸支持部2f、2g及びユニット支持部と重なる領域以外の領域に配置されている。
図4及び図7を参照して、移動プレート4rをX方向に駆動するためのユニット駆動機構4cは、基台2の梁2d及び梁2eにそれぞれ設けられている。これらユニット駆動機構4cは同様の構成を有するため、以下、梁2eに設けられたユニット駆動機構4cのみについて説明する。ユニット駆動機構4cは、移動プレート4rに固定された無端ベルト4c1と、基台2の梁2eに設けられて無端ベルト4c1が掛けられた複数のプーリ4c2と、基台2の支柱2cに設けられたユニット駆動源(サーボモータ、検出器駆動源、押し付け機構の一部)4c3と、を備えている。ユニット駆動源4c3は、プーリを介して無端ベルト4c1が掛けられた回転軸(符号省略)を有している。複数のプーリ4c2は、無端ベルト4c1の一部がX方向に沿って延びるように無端ベルト4c1を循環可能に保持しており、X方向に延びる無端ベルト4c1の一部に移動プレート4rが固定されている。ユニット駆動源4c3が一方向に回転駆動すると、無端ベルト4c1を介してユニット駆動源4c3の動力が伝達され、移動プレート4rが支持機構3に向けて前進する一方、ユニット駆動源4c3が逆方向に回転駆動すると、移動プレート4rが支持機構3から離間する方向に後退する。このようにユニット駆動機構4cにより、移動プレート4rは、X方向に前進及び後退する。
移動プレート4r上に設けられた一対のローラ支持部材4oには、ユニット駆動機構4cの駆動に応じて供給側ロール(図11ではロールR1)のシートを待機側ロール(図11ではロールR2)の外周面に押し付けるための押し付けローラ4eが取り付けられている。押し付けローラ4eは、両ローラ支持部材4oの間に配置され、Y方向に沿った軸を中心として両ローラ支持部材4oに対して回転可能に取り付けられている。
また、ロールR1、R2の一方(図14ではロールR2)がスプライス位置に配置された状態において、回転軸3aの中心、支持軸3dの中心、及び押し付けローラ4eの中心が同一の水平面上で互いに平行に配置されるように、回転軸3a、支持軸3d、及び押し付けローラ4eは基台に対して取り付けられている。この状態でユニット駆動機構4cにより移動ユニット4bが水平方向に移動(前進)することにより、回転軸3aの中心とスプライス位置に配置された支持軸(図11では支持軸3d)の中心とを通る直線上で押し付けローラ4eの中心が移動するように押し付けローラ4eがロールR2の径方向に移動し、当該押し付けローラ4eがロールR2に押し付けられる。このように、押し付けローラ4eは、ユニット駆動機構4cによってスプライス位置に配置されたロール(図14ではロールR2)の外周面における回転軸3aの中心、支持軸3dの中心、及び押し付けローラ4eの中心を結ぶ直線と交差する位置(下、押し付け位置P1という)に押し付けられる。
なお、移動ユニット4bは、上述のように押し付けローラ4eが押し付け位置P1に押し付けられた前進位置(近接位置の一例:図14参照)と、押し付けローラ4eが押し付け位置P1から離間した後退位置(図1及び図10参照)と、との間でロールの外周面に対して接離可能となるように押し付けローラ4eを支持している(基台2に取り付けられている)。なお、後退位置は、想定される最も外径の大きなロールが支持軸に支持された状態で当該支持軸がスプライス位置(図11参照)に配置されたときに、移動ユニット4b及びこれに設けられた構成がロールとの接触を避けることができる位置として予め設定された位置である。
図4及び図7を参照して、移動ユニット4b上に設けられた回動部材4nは、一対の検出器用ブラケット4mに対してY方向に延びる回転軸を中心として回動可能な状態で一対の検出器用ブラケット4mに取り付けられている。また、移動ユニット4bは、一対の検出器用ブラケット4mに設けられ、回動部材4nを回動させるための動力を当該回動部材4nに加えるための回動用駆動源(例えば、モータ)4qを備えている。
回動部材4nには、待機側ロールの外周面に設けられた接着部材H(図12参照)の待機側ロールの回転方向における位置を検出可能な、例えば、カラーセンサ(例えば、ラインセンサ又はエリアセンサ)により構成された接着部材検出器4dが取り付けられている。ここで、接着部材Hは、待機側ロールの外周面上に設けられ、シートの端末を待機側ロールの外周面に止めるとともに供給側ロールのシートの外側からの接着を許容するもの(例えば、両面テープ)である。
接着部材検出器4dは、その検出軸がスプライス位置(図11参照)にある待機側ロール(図11ではR2)のシートの幅方向(Y方向)の中央線とY方向の同じ位置に配置されるように回動部材4nに取り付けられている。検出軸とは、ラインセンサの場合は当該ラインセンサから被検出物までの間で検出ラインの中点が通る軌跡、エリアセンサの場合には当該エリアセンサから被検出物までの間の撮像範囲の中心が通る軌跡である。
さらに、回動部材4nは、図12に示すように、接着部材検出器4dの検出軸D2が支持軸3dの中心に対して垂直に配置されるように押し付けローラ4eと支持軸3dとの間に接着部材検出器4dが配置される検出位置と、図13に示すように接着部材検出器4dを押し付けローラ4eと支持軸3dとの間の位置から退避させる退避位置と、の間でローラ支持部材4oに対して回動可能である。退避位置は、押し付けローラ4eから支持軸3dの中心までの距離よりも接着部材検出器4dから支持軸3dの中心までの距離が遠くなるように設定された接着部材検出器4dの位置である。検出位置に配置された接着部材検出器4dの検出軸D2は、正面視において、回転軸3aの中心、支持軸3dの中心、及び押し付けローラ4eの中心を結ぶ直線(図14参照)と同じ位置に配置される。
図8は、押し付けローラ4e、カッター4f、第1案内ローラ4g、第2案内ローラ4h、第3案内ローラ4i、及び付勢機構4jの位置関係を示す接ぎ機構4の正面概略図である。なお、図8は、移動ユニット4bが前進位置に移動して、押し付けローラ4eがロールR2に押し付けられた状態を示している。
図7及び図8を参照して、一対のブラケット4pには、供給側ロールから引き出されたシートをスプライス位置に配置された待機側ロール(図8のロールR2)の押し付け位置P1に向けて案内するための第1案内ローラ4gが取り付けられている。第1案内ローラ4gは、両ブラケット4pの間に配置され、Y方向に沿った軸を中心として両ブラケット4pに対して回転可能に支持されている。また、第1案内ローラ4gは、押し付けローラ4eと比較してスプライス位置に配置されたロール(図8ではロールR2)からX方向に遠い位置で、かつ、押し付けローラ4eの下方に配置されている。これにより、第1案内ローラ4gは、図8に示されるように、押し付けローラ4eがロールに押し付けられたときに支持機構3の案内ローラ3sから押し付け位置に導かれるシートの途中部をロールR2側(支持機構3側)に押し付ける。その結果、シートは、押し付け位置P1におけるロールの外周面に対する接線C1に対して角度θ1をもって第1案内ローラ4gから押し付け位置P1に導かれる。
また、図7に示すローラ支持部材4oには、第2案内ローラ4h及び第3案内ローラ4iが取り付けられている。両案内ローラ4h、4iは、両ローラ支持部材4oの間にそれぞれ配置され、Y方向に沿った軸を中心として両ローラ支持部材4oに対して回転可能に支持されている。
第2案内ローラ4hは、押し付けローラ4eと比較してスプライス位置に配置されたロール(図8ではロールR2)からX方向に遠い位置で、かつ、押し付けローラの上方に配置されている。これにより、第2案内ローラ4hは、図8に示されるように、押し付けローラ4eがロールに押し付けられた状態において押し付け位置P1から第2案内ローラ4hへ斜め上向きに導かれるシートを第2案内ローラ4hにおいて下向きに方向変換させて下向きに案内する。ここで、シートは、押し付け位置P1におけるロールの外周面に対する接線C1に対して角度θ2をもって押し付け位置P1から第2案内ローラ4hに導かれる。
以下、第1案内ローラ4gと第2案内ローラ4hの配置及び機能について説明する。
第2案内ローラ4hは、押し付け位置P1に押し付けローラ4eが押し付けられた状態において接線C1を基準としてスプライス位置にあるロール(図8ではロールR2)の反対側に配置されている。また、第2案内ローラ4hは、シートが押し付けローラ4eからロールR2から離れる方向に導かれるようにシートを案内する。
第1案内ローラ4gは、押し付けローラ4eが押し付け位置P1に押し付けられた状態において、接線C1を基準としてスプライス位置にあるロール(図8ではロールR2)の反対側で、かつ、押し付け位置P1及び押し付けローラ4eの中心を含む平面を基準として第2案内ローラ4hの反対側に配置されている。また、第1案内ローラ4gは、シートが第1案内ローラ4gから押し付け位置P1へロールR2に近づく方向に導かれるようにシートを案内する。
そして、押し付け位置P1から第2案内ローラ4hへ導かれるシートと接線C1とがなす角度θ2は、第1案内ローラ4gから押し付け位置P1へ導かれるシートと接線とがなす角度θ1よりも大きい。このように角度θ1が角度θ2よりも小さく設定されているため、シートを基準として待機側ロールR2と反対側にカッター4fの配置スペースを確保することができる。また、角度θ1が角度θ2よりも小さく設定されているため、押し付け位置P1へシートを案内する案内ローラ3sを接線C1に近接させて配置することができ、シート供給装置1をコンパクトに構成することができる。
なお、第3案内ローラ4iは、押し付けローラ4eを基準として第1案内ローラ4gと反対側(上側)で第2案内ローラ4hよりも接線C1に近い位置に配置されている。第3案内ローラ4iは、図1に示されるように、一方の支持軸(図1では支持軸3d)が装着位置に配置されたときに、一方の案内ローラ3uとの間でシートに張力を付与するために設けられている。
また、一対のブラケット4pには、第1案内ローラ4gと押し付けローラ4eとの間におけるシートを切断可能に構成されたカッター4fが取り付けられている。カッター4fは、両ブラケット4pに対してY方向に延びる軸を中心として回転可能に取り付けられた軸4f1と、軸4f1に沿ってY方向に延びるとともに軸4f1に固定された回転刃4f2と、回転軸4f1を中心として回転刃4f2を回転駆動するカッター駆動手段4f3と、カッター駆動手段4f3にエアを供給するためカッター駆動源4f4(図18参照)と、を備えている。カッター駆動手段4f3は、シリンダと、シリンダに対して伸縮可能なロッドと、を有するエアシリンダにより構成されている。また、カッター駆動源4f4は、カッター駆動手段4f3に圧縮エアを供給するコンプレッサー等により構成されている。なお、カッター駆動手段4f3は、ボールねじ機構を有するモータにより構成されていてもよく、この場合、カッター駆動源4f4は、モータに電力を供給する電源により構成されていればよい。
カッター4fは、第1案内ローラ4gと押し付けローラ4eとの間(つまり、押し付けローラ4eの下)におけるシートからX方向に離れた位置(接線C1を基準としてロールと反対側の位置)に設けられている。カッター4fは、シートから離間した非切断位置(図8の実線で示す位置)と、シートを切断するための切断位置(図8の二点鎖線で示す位置)と、の間で移動(回転)可能な状態で移動ユニット4bに取り付けられている。具体的に、非切断位置に回転した回転刃4f2は、第1案内ローラ4gと押し付けローラ4eとの間のシートからX方向に離れた位置に配置され、切断位置に回転した回転刃4f2の先端部は、第1案内ローラ4gと押し付けローラ4eとの間のシートに交差するように配置される。また、切断位置に回転した回転刃4f2は、第1案内ローラ4gと押し付けローラ4eとの間のシートと直交する方向に対して下向きに傾斜した姿勢をとる。具体的に、本実施形態では、回転刃4f2とシートとのなす角度θ3が約38°のときに回転刃4f2の先端部とシートとが接触するが、この接触位置からさらに回転刃4f2をシート側に約5°〜約15°回転したときにシートを切断し易い状態となる。特に、前記接触位置から角度θ3が約10°回転したときにシートを最も切断し易い状態となる。このようにカッター4fは、待機側ロールR2の中心(支持軸3dの中心)よりも下の位置で供給側ロールR1のシートを切断する。
図9は、回転刃4f2の刃先形状を示す概略図である。図9に示されるように、回転刃4f2は、Y方向に並ぶ複数のV字状の刃を有し、これらの刃がシートに突き刺さることによりシートが切断される。
図7、図8及び図18を参照して、付勢機構4jは、スプライス位置に配置されたロール(例えば、図8におけるロールR2)のシートにおけるカッターによる切断位置よりもシートの搬送方向の上流側の部分(以下、残存側の部分という)に対して押し付け位置P1から離れる方向の力を供給する供給状態と前記力の供給を停止する停止状態との間で切換可能に構成されている。
具体的に、付勢機構4jは、エアノズル4j1と、エアノズル4j1に対して圧縮空気を供給する付勢力発生源4j2(図18参照)と、を備えている。
エアノズル4j1は、付勢力発生源4j2から供給された圧縮空気を吹き出す吹出口を有する。エアノズル4j1の吹出口は、押し付けローラ4eがロールに押し付けられた状態においてシートにおける第1案内ローラ4gよりもシートの搬送方向の上流側に対して力を供給するように、支持機構3の案内ローラ3sに向けて下向きに配置されている。また、エアノズル4j1は、移動ユニット4bの移動プレート4rに図外のボルトにより着脱可能に取り付けられている。具体的に、エアノズル4j1は、その吹出口のY方向の中央位置がスプライス位置に配置されたローラの幅方向(Y方向)の中央位置に一致した状態で移動プレート4rに取り付けられている。ロールR1、R2には、幅寸法の異なる複数種類のものが存在し、これら複数種類のロールR1、R2毎にエアノズル4j1の取り付け位置を変更できるように移動プレート4rには複数のねじ穴(図7参照;符号省略)が設けられている。例えば、移動プレート4rにおける図7の実線で示す位置及び二点鎖線で示す2つの位置にエアノズル4j1を取り付け可能である。
このように取り付けられたエアノズル4j1の吹出口から吹き出された圧縮空気は、図8の矢印A1に示されるように、第1案内ローラ4gのカッター4fとは反対側の位置を通り、案内ローラ3sに吹き付けられる。これにより、案内ローラ3sの側方を通る空気の流れと案内ローラ3sと第1案内ローラ4gとの間を通る空気の流れが形成され、これら空気の流れによってシートの残存側の部分に対して押し付け位置P1から離れる方向(本実施形態では下向き)の力が与えられる。また、シートにおけるエアノズル4j1から力が与えられる部分から第1案内ローラ4gまでの距離は、第1案内ローラ4gからカッター4fによる切断位置までの距離よりも小さい。
ここで、第1案内ローラ4gは、シートの搬送経路における第1案内ローラ4gの搬送方向の上流側の部分に対して下流側の部分が上向きに屈曲するように押し付けローラ4eの下方に配置されている。この状態で、付勢機構4jは、シートに対して下向きの力を与えているため、重力の作用を借りてより確実にシートの残存側の部分を押し付け位置から離れる方向に付勢することができる。
なお、図8の矢印A2に示すように、シートにおける第1案内ローラ4gよりもシートの搬送方向の下流側、具体的には、第1案内ローラとカッター4fとの間の部分に圧縮空気を下向きに吹き付けるようにエアノズル4j1の吹出口を配置することもできる。この場合においても、シートの残存部分に対して押し付け位置P1から離れる方向の力が与えられる。
以下、シート供給装置1によるシートの供給動作を説明する。以下の説明では、支持軸3cに支持されたロールR1のシートが供給された状態から動作を開始するものとする。
図1に示すように、支持軸3dが装着位置に配置されるように回転部材3bが回転した状態において、支持軸3cに支持されたロールR1からシートが回転軸3aから離れる方向に搬送される。具体的に、ロールR1のシートは、支持軸3dに隣接する案内ローラ3uに向けて上向きに導かれるとともに案内ローラ3uにより下向きに方向変換され、移動ユニット4bの第3案内ローラ4iで上向きに方向変換され、さらに第2案内ローラ4hにより下向きに方向変換される。第2案内ローラ4hに導かれたシートは、基台2における移動ユニット4bの下に設けられた複数のローラ2lを介して下流側に搬送される。なお、複数のローラ2lにおける図1の一番下に示されたものは図外のモータにより駆動されるものであり、その上に配置されたものはテンションコントロール用のローラである。つまり、移動ユニット4bと駆動ローラ2lとの間にテンションコントロール用のローラ2lが設けられている。
また、図1に示す状態においては、装着位置に配置された支持軸3dに対して次の搬送対象となるシートが巻かれた待機側ロール(図ではロールR2)が装着される。
待機側ロールの装着後、作業員が所定の操作を行うことにより、回転部材3bが反時計回りに回転し、図10に示す姿勢を経由して、待機側ロールを支持する支持軸(図では支持軸3d)が図11に示すスプライス位置に配置される。この状態において、供給側ロール(図ではロールR1)のシートは、両支持軸3c、3dの下側に配置された案内ローラ3sにより供給側ロールから下向きに案内されるとともに当該案内ローラ3sにおいて上向きに方向変換されて、待機側ロールに隣接する案内ローラ3uに案内される。供給側ロールのシートは、案内ローラ3uにより上向きに方向変換されて移動ユニット4bへ導かれる。このように、供給側ロールのシートは、案内ローラ3s、3uにより、待機側ロールを下側に迂回した状態で移動ユニットへ導かれている。
具体的に、案内ローラ3uは、スプライス位置に配置された支持軸3dの押し付けローラ4eに近い側における押し付けローラ4eの下の位置で、かつ、回転部材3bの回転に応じて待機側ロールの外周面(想定される最大外径の待機側ロールの外周面)における回転軸3aから最も離れて位置する部分よって描かれる円形の軌跡C2(図11参照)の外側に配置されるように、好ましくは、押し付け位置P1における待機側ロールの外周面に対する接線c1を挟んで待機側ロールとは反対側に位置するように、回転部材3bに固定されている。この案内ローラ3uにより、供給側ロールから供給されるシートが円形の軌跡C2の外側で、好ましくは、接線c1を挟んで待機側ロールとは反対側で、方向変換して押し付けローラ4eと待機側ロールとの間の位置まで導かれる。
上述した装着位置(図1)からスプライス位置(図11)まで回転部材3bが回転するとき、移動ユニット4bは回転軸3aからX方向に最も離れた、図1及び図10に示す後退位置に配置されている。なお、移動ユニット4bの後退位置は、上述した軌跡C2(図11参照)の外側に設定されている。また、このとき、待機側ロールを支持する支持軸(図1では支持軸3d)は停止しており、接着部材検出器4dは、退避位置に配置されている。
図11に示されるように、移動ユニット4bには、シートの搬送方向における押し付けローラ4eの下流側に第2の案内ローラ4hが固定されているため、待機側ロールがスプライス位置に配置された状態で、押し付けローラ4eの周面に搬送中のシートが接触している。この結果、移動ユニット4bは、検出待機位置P2に位置する状態で、搬送中のシートにより回転することとなる、その後の接ぎ動作の途中でシートに接する場合と比べ、搬送中のシートの張力などに影響を与えるおそれがない。
また、待機側ロールがスプライス位置に配置されると、待機側ロールを回転させながら外径検出器4aにより待機側ロールの外径が検出される。この検出結果に基づいて、移動ユニット4bは、後退位置から、接着部材検出器4dにより待機側ロールの接着部材Hが検出可能な検出可能位置(検出待機位置)P2まで移動する。検出可能位置P2は、待機側ロールを支持する支持軸(図11では支持軸3d)の中心と押し付けローラ4eの回転中心とを結ぶ直線上に設定されている。移動ユニット4bが検出可能位置P2まで移動すると、接着部材検出器4dは、退避位置から検出位置に回転する。なお、検出可能位置P2は、接着部材検出器4dによる接着部材Hの検出の精度として予め設定された精度を確保することができ、かつ、待機側ロールの外周面から検出位置にある接着部材検出器4dが最も離れた位置となるように設定されている。具体的に、接着部材検出器4dが検出可能位置P2に配置された状態で、待機側ロールの外周面から検出位置にある接着部材検出器4dの先端部までの距離は、例えば、70mmである。
接着部材検出器4dが検出可能位置P2まで移動すると、図12に示されるように、待機側ロールを回転させながら接着部材検出器4dにより待機側ロールの回転方向における接着部材Hの位置が検出される。この検出結果に基づいて、接着部材Hが外径検出器4aの検出範囲内(検出軸D1と交差する範囲内)に位置するように待機側ロールが回転され、この状態で外径検出器4aにより待機側ロールの外周面における接着部材Hの部分の外径が検出される。
次いで、図13に示すように、接着部材検出器4dが退避位置に移動し、待機側ロールを支持する支持軸(図12では支持軸3d)がシートの搬送速度に合わせて回転するとともに、移動ユニット4bが待機側ロールに向けて移動を開始する。詳しくは後述するが、移動ユニット4bの移動中、図13に示す制御切換位置P3よりも待機側ロールから離れた領域に押し付けローラ4eが位置する状態においてユニット駆動源4c3が位置制御される。一方、制御切換位置P3から待機側ロールの外周面までの領域に押し付けローラ4eが位置する状態においてユニット駆動源4c3は、トルク制御される。制御切換位置P3は、押し付け位置P1から待機側ロールの径方向の歪み量だけ離れた位置よりもさらに離れた位置に設定されている。具体的に、本実施形態における制御切換位置P3は、検出可能位置P2よりも待機側ロールに近い位置であり、押し付けローラ4eから待機側ロールの外周面(接着部材H)までの距離が5mmの位置に設定されている。
なお、制御切換位置P3よりも待機側ロールから離れた領域に押し付けローラ4eが位置する状態とは、押し付けローラ4eにおける待機側ロールに押し付けられる外周部分のうち支持軸に最も近づいた部分(先端部)が制御切換位置P3よりも待機側ロールから離れた領域に位置している状態を意味する。一方、制御切換位置P3から待機側ロールの外周面までの領域に押し付けローラ4eが位置する状態とは、押し付けローラ4eの先端部が制御切換位置P3から待機側ロールの外周面までの領域に位置する状態を意味する。
図19に示すように、ユニット駆動源4c3に対するトルク制御の実行期間中に、押し付けローラ4eは、供給側ロールのシートを介して待機側ロールの押し付け位置P1に押し付けられる。これにより、接着部材Hを介して供給側ロールのシートに対して待機側ロールのシートが接がれる。
この状態において、カッター4fが図8に実線で示す非切断位置から図8で二点鎖線で示す切断位置に回転する。これにより、供給側ロールのシートが切断され、待機側ロールのシートの搬送が開始される(待機側ロールが供給側ロールとなる)。待機側ロールのシートが切断されると、カッター4fは、非切断位置に回転する。
図15に示されるように、供給側ロールであったロール(図15ではロールR1)のシートが切断されると、そのシートの残存側の部分が移動ユニット4bから下に落下する。ここで、基台2には、移動ユニット4bの下に位置するローラ2lを上から覆うカバー2mが設けられている。カバー2mによって、シートの残存側の部分がシートの搬送経路に巻き込まれるのを防止することができる。
シートの残存側の部分は、図16に示すように、供給側ロールであったロールを支持する支持軸(図16では支持軸3c)の回転により巻き取られる。
そして、図17に示すように、回転部材3bが時計回りに回転することにより、供給ロールであったロールを支持する支持軸(支持軸3c)が装着位置に配置される。この状態で、図6に示す排出部材3vが支持軸3cの先端側に向けて移動することにより、供給側ロールであったロールが排出され、作業員によって支持軸3cに対して新たな待機側ロールが装着される。
以下、図18を参照して、上述したシート供給装置の動作を実現するためのコントローラ5について説明する。図18は、コントローラ5の電気的構成を示すブロック図である。
コントローラ5は、供給側ロールのシートが供給された状態において供給側ロールのシート残量が予め設定された残量以下となった場合に供給側ロールのシートが待機側ロールのシートに接がれるように接ぎ機構4を制御する。
コントローラ5は、回転部材駆動源2j、入力操作部6、軸駆動源4k、4l、外径検出器4a、ユニット駆動源4c3、回動用駆動源4q、接着部材検出器4d、カッター駆動源4f4、付勢力発生源4j2、及び排出駆動源2kに接続されている。なお、入力操作部6は、シート供給装置1に対する設定値及び指令値を入力するためのものである。
具体的に、コントローラ5は、CPU、RAM、及びROM等を組み合わせて構成されたものであり、シート供給装置1の動作を制御するための制御領域5aと、制御領域5aに接続され、設定項目等を記憶するための記憶領域5bと、を備えている。
制御領域5aは、当該制御領域5aで利用された情報を記憶領域5bに記憶させるともに記憶領域5bに記憶された情報に基づいて各部5c〜5mによる制御を実行する。具体的に、制御領域5aは、回転部材制御部5cと、入力内容判別部5dと、軸制御部5eと、外径判定部5fと、ユニット制御部(モータ制御部)5gと、回動用制御部5hと、接着部材位置判定部5iと、残量算出部5jと、カッター制御部5kと、付勢力制御部5lと、排出制御部5mと、を備えている。
入力内容判別部5dは、入力操作部6により入力された内容を判別し、その入力に関する指令を回転部材制御部5c、軸制御部5e及び記憶領域5bに転送する。作業員は、入力操作部6を通じて、例えば、シート供給装置1の電源のON/OFF、待機側ロールの支持軸への装着完了の旨、ロールのシートの厚み、及びロールのシートの直径(又は巻き数)等を入力する。
回転部材制御部5cは、入力内容判別部5dからの指令及び記憶領域5bに記憶された設定に基づいて回転部材駆動源2jの回転を実行するとともに回転を停止させる。
軸制御部5eは、入力内容判別部5dからの指令及び記憶領域5bに記憶された設定に基づいて軸駆動源4k、4lの駆動及び駆動の停止を実行する。また、軸制御部5eは、センサを有し、センサにより得られる支持軸3c、3dの回転方向の位置及び回転速度に関する情報を接着部材位置判定部5i及び残量算出部5jに転送する。
接着部材位置判定部5iは、軸制御部5eにより待機側ロールが回転した状態における接着部材検出器4dの検出結果に基づいて接着部材Hの待機側ロールの回転方向における位置を判定する。具体的に、接着部材検出器4d及び軸制御部5eによる検出結果に基づいて接着部材Hの待機側ロールの回転方向における位置を判定する。
外径判定部5fは、外径検出器4aによる検出結果に基づいて待機側ロールの外径を特定するとともに、特定された外径が予め設定された規格範囲内にあるかどうかを判定する。また、外径判定部5fは、特定された待機側ロールの外径に関する情報を対応する制御部(例えば、回転部材制御部5c、ユニット制御部5g及び接着部材位置判定部5i)に転送する。
ここで、接着部材位置判定部5iにより検出された接着部材Hの待機側ロールの回転方向における位置は軸制御部5eに転送される。軸制御部5eは、接着部材位置判定部5iからの位置情報に基づいて外径検出器4aの検出範囲内に接着部材Hが位置するように待機側ロールを回転させる。この状態で外径検出器4aによる検出値に基づいて、外径判定部5fは、接着部材Hの位置する部分における待機側ロールの外径を判定する。
ユニット制御部5gは、外径判定部5fにより判定された待機側ロールの外径に基づいて供給側ロールのシートが待機側ロールの接着部材Hに押し付けられるようにユニット駆動源4c3を制御する。具体的に、ユニット制御部5gは、外径検出器4aによる検出結果に基づいて待機側ロールの外周面との接触を回避可能でかつ接着部材Hを検出可能な接着部材検出器4dの検出可能位置P2(図11参照)を特定する。さらに、ユニット制御部5gは、検出可能位置P2が後退位置(図10参照)よりもスプライス位置に配置された支持軸に近い場合に接着部材検出器4dが検出可能位置に移動するようにユニット駆動源4c3の駆動を制御する。
ここで、外径判定部5fは、軸駆動源4k、4lにより待機側ロールを回転させた状態における外径検出器4aによる検出結果に基づいて待機側ロールの回転方向における複数個所における待機側ロールの外径を特定し、これらの外径に基づいて待機側ロールの平均外径を特定する。そして、ユニット制御部5gは、平均外径に基づいて検出可能位置を特定する。
また、ユニット制御部5gは、軸制御部5eにより待機側ロールが回転した状態において待機側ロールの外周面から予め設定された距離だけ離間した制御切換位置P3(図13参照)よりも待機側ロールから離れた領域に押し付けローラ4eが位置する状態においてユニット駆動源(サーボモータ)4c3を位置制御する。一方、ユニット制御部5gは、制御切換位置P3から待機側ロールの外周面までの領域に押し付けローラ4eが位置する状態においてユニット駆動源4c3をトルク制御することにより供給側ロールのシートを介して押し付けローラ4eを待機側ロールの外周面に押し付ける。
ここで、位置制御とは、サーボモータの有するセンサを用いて特定される押し付けローラの現在位置と所定の目標位置との偏差を用いたフィードバック制御によって押し付けローラを所定のタイミングで目標位置に移動させるための制御である。また、トルク制御とは、サーボモータに供給する電流値によって定まるサーボモータのトルクが所定のトルクとなるようにサーボモータに供給する電流値を制御するものである。
さらに、ユニット制御部5gは、押し付けローラ4eが制御切換位置P3よりも待機側ロールから離れた領域から制御切換位置P3を超えて待機側ロールに近づくときにユニット駆動源4c3の駆動を維持した状態でユニット駆動源4c3の制御を位置制御からトルク制御に切り換える。ここで、制御切換位置P3は、待機側ロールの外周面に歪みがあっても、押し付けローラ4eが位置制御の状態で、その歪みのある待機側ロールの外周面に接することがないように、待機側ロールから離れた位置(本実施形態では5mm)に設定されている。
ここで、接着部材位置判定部5iは、外径検出器4a及び接着部材検出器4dによる検出結果と軸制御部5eから得られる待機側ロールを支持する支持軸の回転速度とに基づいて、待機側ロールの回転方向において待機側ロールの押し付け位置P1に接着部材Hが到来する押し付けタイミングを特定する。ここで、軸制御部5eは、待機側ロールの外周面の速度を供給側ロールのシートの搬送速度に合せるように待機側ロールを支持する支持軸の軸駆動源4k、4lの駆動を制御する。さらに、ユニット制御部5gは、ユニット駆動源4c3から得られる押し付けローラ4eの位置に関する情報と接着部材位置判定部5iにより特定された押し付けタイミングとに基づいて、押し付けローラ4eを押し付けタイミングにおいて押し付け位置に押し付けることができる押し付けローラ4eの移動開始のためのタイミングを特定する。具体的に、シートの接ぎ動作の直前において移動ユニット4bは、図12に示す検出可能位置P2と図13に示す制御切換位置P3との間のスプライス準備位置(図示せず)に配置されており、このスプライス準備位置からユニット駆動源4c3の位置制御及びトルク制御を行って図14に示すように押し付けローラ4eを押し付け位置P1に押し付ける。そこで、ユニット制御部5gは、スプライス準備位置から押し付け位置P1までの押し付けローラ4eの移動時間と、押し付けタイミングと、に基づいて押し付けローラ4eの移動開始のためのタイミングを特定する。また、ユニット制御部5gは、前記タイミングが到来したときに押し付けローラ4eの移動(ユニット駆動源4c3の駆動)を開始する。なお、押し付けタイミングとは、押し付け位置P1に接着部材Hが到来するタイミングだけでなく、待機側ロールの回転方向において接着部材Hよりも少し上流側に位置するシートが押し付け位置P1に到来するタイミングも含まれる。つまり、押し付けローラの移動開始のためのタイミングは、押し付けローラ4eによる押付と同時又はその直後に供給側ロールのシートを待機側ロールのシートに接ぐことを目的として設定される。
軸制御部5eは、装着位置(図1参照)とスプライス位置(図11参照)との間で回転部材3bが回転する際における供給ロールのシートの経路長の変化に伴う当該シートに対する張力の変化に応じて供給側ロールからのシートの送り出し量を調整する制御を実行する。具体的に、軸制御部5eは、シートの経路長が短縮されたときに送り出し量を少なくし、シートの経路長が延長されたときに送り出し量を多くする。経路長は、次の3つの要素により変化する。第1の要素は、回転部材3bの回転角度であり、第2の要素は、供給側ロールの外径寸法であり、第3の要素は、移動ユニット4bの位置である。これらの3つの要素に対する送り出し量の特性を予め特定しておき、この特性を示すマップを記憶領域5bに記憶させておき、このマップと上記3つの要素の検出値とを用いることにより、送り出し量を制御することができる。回転部材3bの回転動作中、軸制御部5eは、第1の要素及び第2の要素に関するマップのみを用いることができる。また、移動ユニット4bの移動中で押し付けローラ4eが待機側ロールに押し付けられるまでの間、軸制御部5eは、第3の要素に関するマップを用いることができる。移動ユニット4bの移動中で押し付けローラ4eが待機側ロールに押し付けられた後、軸制御部5eは、第2の要素(新たな供給ロールの外径寸法)及び第3の要素に関するマップを用いることができる。なお、本実施形態の支持機構3における案内ローラ3r〜u(図1参照)の配置との関係で、回転部材3bが水平に回転した状態(一方の支持軸がスプライス位置に配置された状態)を基準として、所定の角度範囲内で最も経路長の変化が大きくなる。そのため、軸制御部5eは、回転部材3bが上記角度範囲内で回転する場合に、他の角度範囲内で回転する場合よりも速度を低下させる。
残量算出部5jは、記憶領域5bに記憶されたロールのシートの厚みtと、記憶領域5bに記憶されたシートの供給完了時におけるロールの最終直径Dfと、算出時点においてロールから供給される1回転当たりのシートの供給長さLと、軸制御部5eから得られる支持軸の回転速度vと、を利用してロールのシート残量を算出する。なお、ロールの最終直径Dfは、芯を有するロールについては芯の直径であり、芯を有しないロールについては支持軸の直径である。また、シートの供給長さLは、例えば、図1の一番下に示された、モータ駆動のローラ2lの回転速度(周速度)と支持軸の回転速度vとから算出される。
具体的に、残量算出部5jは、1回転当たりのシートの供給長さLをπで除することにより現在のロールの直径Dpを算出する。また、残量算出部5jは、図1に示されるテンションコントロール用のローラ2lによるシートの搬送経路長の変更を加味して直径Dpを算出してもよい。そして、以下の式(1)に基づいて、シート残量を算出する。
[(Dp+Df)÷2×π]×[(Dp−Df)÷2t]・・・(1)
ここで、最初の[ ]は、複数周巻き付けられたシートにおける一周分の平均直径を算出するものであり、最後の[ ]は、巻付けの回数である。この式(1)により、平均直径の周長に巻き付け回数を乗じてシートの残量を算出(推定)することができる。なお、シートの厚みtは、ロールの回転毎に減少するロールの直径Dpの、1回転当たりの減少値を2で除することで算出してもよい。また、残量算出部5jは、待機側ロールの質量を用いてシートの残量を算出(推定)することもできる。
後述するように、コントローラ5は、残量算出部5jにより算出された供給側ロールのシートの残量が予め設定されたシート残量以下となったときに待機側ロールのシートを接ぐための動作を開始する。ここで、予め設定されたシート残量は、供給ロールに対する待機側ロールのシートを接ぐための準備動作を開始する際の供給ロールにおけるシート残量であり、接ぎ動作が完了した後に残る供給側ロールにおけるシート残量に、前記準備動作に要する以下の3つの時間を加味して設定されている。第1の時間は、待機側ロールの回転を開始してからその回転速度がシートの搬送速度に達するまでの時間である。第2の時間は、押し付けローラ4eを押し付け位置P1に押し付けるための移動ユニット4bの前進の開始から押し付けローラ4eが押し付け位置P1に到達するまでの時間である。第3の時間は、シートが接がれた後に供給側ロールであったロールの回転が停止するまでの時間である。第1及び第2の時間に対してシートの搬送速度を乗じたもの、及び、第3の時間中の供給ロールであったロールの回転数に対してそのロールの周長を乗じたもの、を加えたものを用いてシート残量が設定されている。なお、待機側ロールは、前記準備動作の前から所定速度で予め回転させていてもよく、この場合は第1の時間を加味することなくシート残量を設定することができる。
カッター制御部5kは、カッター駆動源4f4に作動指令を出力することにより、図8の実線で示す非切断位置と二点鎖線で示す切断位置との間で切断刃4f2を駆動する。また、カッター制御部5kは、ユニット制御部5gにより特定される、上述した押し付けタイミングを基準として切断刃4f2を切断位置に駆動する駆動タイミングを設定する。例えば、カッター制御部5kは、押し付けタイミングの直後(例えば、60ミリ秒後)に切断刃4f2を切断位置に駆動し、所定の期間(例えば、60ミリ秒間)に亘り切断刃4f2を切断位置に保持する。
付勢力制御部5lは、付勢力発生源4j2に対して作動指令を出力することにより、カッター4fによるシートの切断タイミングに合わせてエアノズル4j1から圧縮空気を吹き出す供給状態に付勢機構4jを切り換える。具体的に、付勢力制御部5lは、シートの切断タイミングを含む所定の期間中に付勢機構4jを供給状態とする。また、付勢力制御部5lは、切断タイミングの所定時間前から所定時間経過後までの期間中に供給状態となるように付勢機構4jを制御してもよい。本実施形態において、付勢力制御部5lは、カッター制御部5kによる切断刃4f2の駆動タイミングと同時に付勢機構4jを停止状態から供給状態に切り換え、所定の期間(例えば、100秒間)に亘り供給状態を維持する。なお、付勢力制御部5lは、ユニット制御部5gにより特定される、上述した押し付けタイミングを基準として付勢機構4jの切換タイミングを設定する。
排出制御部5mは、排出駆動源2kに作動指令を出力することにより、図6の実線で示す非排出位置と二点鎖線で示す排出位置との間で排出機構を制御する。
回動用制御部5hは、接着部材検出器4dが検出位置(図12参照)と退避位置(図13参照)との間で移動するように回動用駆動源4qを制御する。
以下、図18〜図22を参照して、コントローラ5により実行される処理について説明する。なお、以下の説明では、支持軸3cにより支持されたロールR1から現在シートが供給され、支持軸3dに新たなロールR2が装着される場面、つまり、ロールR1が供給側ロールであり、ロールR2が待機側ロールである場面について説明する。また、図19に示す処理の実行前の段階において支持軸3cが回転駆動されていることにより供給側ロールR1のシートが供給されているものとする。
図19を参照して、作業員によりシート供給装置1によるシートの接ぎ作業を行うために入力操作部6が操作されると、支持軸3dが図1に示す装着位置に配置されるように回転部材3bを回転する(ステップS1)。作業員は、このように装着位置に回転された支持軸3dに対して新たな待機側ロールR2を装着する。
新たな待機側ロールR2の装着後、作業員により装着完了であることを入力するための入力操作部6が操作されると(ステップS2でYES)、支持軸3dが図11に示すスプライス位置に配置されるように回転部材3bを回転する(ステップS3)。
この状態において、待機側ロールR2を回転させる(ステップS4)。さらに、外径検出器4aにより待機側ロールR2の外径の検出を開始し、待機側ロールR2の一回転中における当該待機側ロールR2の外径を検出した時点で待機側ロールR2の回転を停止させ、外径の検出値に基づいて待機側ロールR2の外径の平均値を算出する(ステップS5)。
このように算出された待機側ロールR2の外径の平均値が予め設定された規格範囲内にあるか否かが判定され(ステップS6)、ここで規格範囲外であると判定されると(ステップS6でNO)、支持軸3dが図1に示す装着位置に配置されるように回転部材3bを回転させ(ステップS7)、当該処理は上述したステップS2に戻る。つまり、待機側ロールR2の外径が規格範囲を外れているときには、当該待機側ロールR2を使用せず、支持軸3dが装着位置に配置された後、他の待機側ロールR2へ交換(装着)される。
一方、待機側ロールR2の外径の平均値が規格範囲内にあると判定されると(ステップS6でYES)、移動ユニット4bを外径検出器4a及び接着部材検出器4dによる検出用の位置まで移動させる(ステップS8)。
具体的に、ステップS8では、ステップS5で算出された待機側ロールR2の外径の平均値に基づいて検出可能位置を算出する。さらに、この検出可能位置に相当する移動ユニット4bの位置が図1に示す後退位置よりも待機側ロールR2に近い場合に検出可能位置P2(図12)に相当する位置まで移動ユニット4bを移動させる。一方、検出可能位置に相当する移動ユニット4bの位置が後退位置又はこれよりも待機側ロールR2から遠い場合は後退位置で待機させる。
次いで、接着部材検出器4dを図10に示す退避位置から図11及び図12に示す検出位置に回転させ(ステップS9)、待機側ロールR2の回転を開始するとともに(ステップS10)、この状態で待機側ロールR2の回転方向における接着部材Hの位置を接着部材検出器4dにより検出する(ステップS11)。
このように検出された接着部材Hの回転方向における位置に基づいて、図12に二点鎖線で示すように接着部材Hが外径検出器4aの検出範囲内に配置されるように(接着部材Hが検出軸D1と交差する範囲内に位置するように)、待機側ロールR2の回転を停止させる(ステップS12)。
この状態で、外径検出器4aにより待機側ロールR2における接着部材Hの部分における外径を検出する(ステップS13)。
次いで、図13に示すように、接着部材検出器4dを退避位置に移動させ(ステップS14)、移動ユニット4bをスプライス準備位置まで前進させる(ステップS15)。ここで、スプライス準備位置は、図12に示す検出可能位置P2と図13に示す制御切換位置P3との間の位置であって待機側ロールR2の外径に回転方向のばらつきが生じていたとしても押し付けローラ4eが待機側ロールR2に接触しない位置として予め設定された位置である。例えば、スプライス準備位置は、押し付けローラ4eから待機側ロールR2の外径までの距離が50mmとなる移動ユニット4bの位置である。
次に、供給側ロールR1の残量を算出し(ステップS16)、この残量が予め設定された残量(所定量)以下となっているか否かが判定される(ステップS17)。
ステップS17において残量が所定量以下ではないと判定されると、繰り返し支持軸3cの回転速度vとシートの搬送速度から供給側ロールR1の残量を算出し(ステップS16)、この残量が所定量以下であるかどうかが判定される(ステップS17)。
ここで、残量が所定量以下であると判定されると、供給側ロールR1のシートの搬送速度と同速度となるように待機側ロールR2の回転を開始する(ステップS18)。
ステップS19では、移動ユニット4b、カッター4f、及び付勢機構4jの駆動タイミングを設定する。具体的に、ユニット制御部5gは、押し付けローラ4eを接着部材Hを介して押し付け位置P1へ押し付けるための移動ユニットの駆動タイミングを設定する。カッター制御部5kは、押し付けローラ4eの押し付けタイミングに合わせて切断刃4f2を切断位置に駆動する駆動タイミングを設定する。さらに、付勢力制御部5lは、シートの切断タイミングに合わせて圧縮空気を吹き出す付勢機構4jの駆動タイミングを設定する。
次いで、移動ユニット4bの駆動タイミングが到来したか否かが判定され(ステップS20)、駆動タイミングが到来したと判定されると、スプライス待機位置(図示省略)から位置制御で移動ユニット4bを前進させる(ステップS21)。
ステップS21において移動ユニット4bの前進が開始されると、移動ユニット4bが図13に示す制御切換位置P3に到達したか否かが判定される(ステップS22)。
ここで、移動ユニット4bが制御切換位置P3に到達していないと判定されると、位置制御による移動ユニット4bの前進を継続する一方、移動ユニット4bが制御切換位置P3に到達したと判定されると、トルク制御による移動ユニット4bの前進に切り換える(ステップS23)。
ステップS20〜S23と並行して、カッター4fの駆動時期が到来したか否かが判定される(ステップS24)。
ここで、カッター4fの駆動時期が到来したと判定されると、カッター4fを切断位置へ駆動する(ステップS25)。これにより、供給側ロールR1のシートが切断され、待機側ロールR2のシートの供給が開始される。
ステップS20〜S23及びステップS24〜S25と並行して、付勢機構4jの駆動時期が到来したか否か判定される(ステップS26)。
付勢機構4jの駆動時期が到来したと判定されると、付勢機構4jによる付勢力の供給が実行される(ステップS27)。これにより、カッター4fにより供給側ロールR1のシートが切断された後、当該シートの残存側の部分を押し付けローラ4eから離れる方向(下向き)に付勢することによりシートの供給経路に巻き込まれるのを防止することができる。
ステップS20〜S23、ステップS24〜S25、及びステップS26〜S27に関する処理の実行後、移動ユニット4bの押し付け位置までの移動、カッター4fの切断位置への駆動、及び付勢機構4jによる付勢力の供給が完了したか否か、つまり、接ぎ動作が完了したか否かが判定される(ステップS28)。
ステップS28において接ぎ動作が未完了であると判定されると、ステップS20〜S27の全ての処理の完了を待機する一方、接ぎ動作が完了したと判定されると、ロールの設定を変更する(ステップS29)。具体的に、ステップS29では、ロールR1を次の待機側ロールとして設定し、ロールR2を次の供給側ロールとして設定する。
次いで、移動ユニット4bをトルク制御にて後退させ(ステップS30)、制御切換位置P3(図13参照)まで到達すると(ステップS31でYES)、移動ユニット4bを一旦停止させる(ステップS32)。
そして、移動ユニット4bを位置制御にて後退させて(ステップS33)、移動ユニット4bが後退位置(図1参照)まで到達すると(ステップS34でYES)、移動ユニット4bを停止させる(ステップS35)。
また、上記ステップS30〜S35とそれぞれ並行して、カッター4fを非切断位置に駆動し(ステップS36)、支持軸3cの回転を停止させ(ステップS37)、付勢力の供給を停止する(ステップS38)する。
そして、上述したステップS30〜S38の全ての処理が完了したか否かが判定される(ステップS39)。ここで、ステップS30〜S38の一部の処理が未完了であると判定されると、ステップS30〜S38の全ての処理が完了するのを待機する。
一方、ステップS39において、ステップS30〜S38の全ての処理が完了したと判定されると、支持軸3cを所定角度だけ逆転させる(ステップS40)。これにより、カッター4fにより切断されたシートの残存側の部分が図15に示す状態から図16に示すように支持軸3cに巻き取られる。
次いで、図16の状態にある回転部材3bを回転軸3aを中心として図16の時計回りに回転させることにより、支持軸3dが装着位置(図1参照)へ配置される(ステップS41)。
この状態で、図6に示されるように、排出機構を実線で示す非排出位置から二点鎖線で示す排出位置へ駆動する(ステップS42)。これにより、装着位置へ配置された支持軸3cからロールR1が排出され、その後、作業員による新たなロールの取り付けが許容される。そして、当該処理は、ステップS2へリターンする。
以上説明したように、待機側ロールR2の外周面における供給側ロールR1のシートが接がれる位置、つまり、接着部材Hの位置する部分における待機側ロールR2の外径を検出し、この外径に基づいて供給側ロールR1のシートを待機側ロールR2の接着部材Hに押し付けることができる。
そのため、待機側ロールR2がその回転方向の位置ごとに異なる外径を有していても(待機側ロールR2が歪んでいても)、供給側ロールR1のシートの押し付け量(距離)を接着部材Hの径方向の位置に適した押し付け量に設定することができる。
したがって、待機側ロールR2が歪んでいる場合であっても、供給側ロールR1のシートを待機側ロールR2のシートに確実に接ぐことができる。
前記実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
想定される最大外径を有する待機側ロールR2が支持軸3dに保持された場合に接着部材検出器4d(移動ユニット4b)を後退位置に配置することで待機側ロールR2に対する接触を回避することができる。しかも、最大外径を有する待機側ロールR2よりも外径の小さい待機側ロールR2が支持軸3dに保持されている場合に、後退位置よりも支持軸3dに近い位置(検出可能位置P2:図12参照)に接着部材検出器4dを配置することで、後退位置に接着部材検出器4dが固定されている場合と比較して、接着部材検出器4dの検出性能が低くても接着部材Hの待機側ロールR2の回転方向における位置を正確に検出することができる。これにより、コストの低減を図ることができる。
待機側ロールR2の平均外径に基づいて検出可能位置P2が特定される。そのため、接着部材Hの位置における待機側ロールR2の外径のみに基づいて検出可能位置P2を特定する場合と比較してより確実に外径検出器4dの待機側ロールR2に対する接触を回避可能な検出可能位置P2を特定することができる。
移動ユニット4bを押し付けローラ4eの支持部材として兼用することができるとともに、接着部材検出器4dを移動可能なユニット駆動源4c3を待機側ロールR2に対して押し付けローラ4eを移動させるための駆動源として兼用することができる。したがって、これら支持部材及び駆動源を別々に設ける場合と比較してシート供給装置1のコストを低減することができる。
後退位置とこれよりも待機側ロールR2に近い前進位置(図14参照:近接位置)との間で常に検出軸D2(図12参照)を待機側ロールR2の外周面に対して垂直に維持することができるため、待機側ロールR2の外径の変化にかかわらず一定の検出精度を維持することができる。
また、回動部材4nを検出位置とすることにより接着部材検出器4dを支持軸3dと押し付けローラ4eとの間に配置して待機側ロールR2の外径を検出することができる。さらに、回動部材4nを退避位置に回動することにより押し付けローラ4e(供給側ロールR1のシート)を待機側ロールR2に押し付けることができる。
なお、前記実施形態では、付勢機構4jとして、圧縮空気を吹き出す構成を採用しているが、付勢機構4jは、前記実施形態の構成に限定されない。例えば、付勢機構4jとして、図23に示すように、シートを機械的に押し付ける付勢機構7を採用することもできる。
具体的に、付勢機構7は、移動ユニット4bに取り付けられたエアシリンダ7aと、シートを押し付けるための押し付けプレート7bとを備えている。
エアシリンダ7aは、移動ユニット4bに固定されたシリンダ本体7cと、シリンダ本体7cに対して変位可能なロッド7dと、を有し、図外の付勢力発生源からの圧縮空気を供給することによりシリンダ本体7cに対するロッド7dの伸縮動作が可能である。
押し付けプレート7bは、ロッド7dの伸縮動作に追従するように当該ロッド7dに固定されている。
このように付勢機構7は、図外の付勢力発生源からの圧縮空気の給排を制御することにより、シートに対して押し付け位置P1(図8参照)から離れる方向の力を供給する供給状態(図23で二点鎖線で示す状態)と、前記力の供給を停止する停止状態との間で切換可能に構成されている。
以下、上述したシート供給装置1を用いたシート供給方法について説明する。以下、図1におけるロールR1を供給側ロール、ロールR2を待機側ロールとした場合について説明する。
シート供給方法は、装着工程と、供給工程と、スプライス準備工程と、接ぎ工程と、を含む。
装着工程では、図1に示す装着位置に装着された支持軸3dに待機側ロールR2を装着する。
供給工程では、装着工程に先立って軸駆動源4lの駆動によって支持軸3cにより中心位置で支持された供給側ロールR1のシートを供給する。
スプライス準備工程では、供給側ロールR1のシートの残量が予め設定された残量以下となった場合に、図11に示すように支持軸3dがスプライス位置に配置されるように回転部材3bを回転させる。
接ぎ工程では、スプライス準備工程が行われた後の状態において、図14に示すように、接ぎ機構4を用いて回転軸3aの中心とスプライス位置に配置された支持軸3dの中心とを通る直線上で押し付けローラ4eの中心が移動するように押し付けローラ4eを移動させる(図21のステップS20〜S23)。これにより、待機側ロールR2の外周面に対して供給側ロールR1のシートが押し付けられて供給側ロールR1のシートに対して待機側ロールR2のシートが接がれる。そして、接ぎ工程では、図8の二点鎖線で示すように、供給側ロールR1のシートが待機側ロールR2のシートに接がれた後、供給側ロールR1のシートをカッター4fにより切断する。
また、接ぎ工程では、軸駆動源(第2軸駆動源)4kにより待機側ロールR2が回転した状態において待機側ロールR2の外周面から予め設定された距離だけ離間した制御切換位置P3(図13参照)よりも待機側ロールR2から離れた領域において押し付けローラ4eが位置する状態においてユニット駆動源4c3を位置制御する。一方、接ぎ工程では、制御切換位置P3から待機側ロールR2の外周面までの領域に押し付けローラ4eが位置する状態においてユニット駆動源4c3をトルク制御することにより供給側ロールR1のシートを介して押し付けローラ4eを待機側ロールR2の外周面に押し付ける。
このように、接ぎ工程では、移動ユニット4bを待機側ロールR2に近づく方向に移動させる。これにより、図8に示すように、移動ユニット4bに固定された第2の案内ローラ4hが押し付け位置P1における待機側ロールR2の外周面に対する接線C1を基準として待機側ロールR2の反対側に配置される。これにより、シートが押し付けローラ4eから待機側ロールR2から離れる方向に導かれるようにシートが案内される。
さらに、接ぎ工程では、図8に示されるように、移動ユニット4bを待機側ロールR2に近づく方向に移動させることにより、押し付けローラ4eを押し付け位置に押し付けるとともにシートの搬送方向における押し付け位置P1の上流側で供給側ロールR1から引き出されたシートを第1の案内ローラ4gにより押し付け位置P1に案内する。また、カッター4fによるシートの切断タイミングに合わせて供給側ロールR1のシートにおけるカッター4fによる切断位置よりも搬送方向の上流側の部分に対して押し付け位置P1から離れる方向の力を与える。
なお、供給工程が装着工程に先立って行われている例について説明したが、例えば、シート供給装置1の始動時等には、供給工程の前に装着工程が行われていてもよい。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の態様を採用することもできる。
前記実施形態では、接着部材Hとして両面テープを例示したが、接着部材Hは両面テープに限定されず、待機側ロールの外周面上に設けられ、シートの端末を待機側ロールの外周面に止めるとともに供給側ロールのシートの外側からの接着を許容するものであればよい。例えば、接着部材Hは、テープのような基材を有するものではなく、接着剤のようなものでもよい。また、複数の層が剥離可能に積層されているとともに表裏両面に粘着材を有する層間剥離構造を有するテープを採用することもできる。具体的に、層間剥離構造のテープが待機側ロールの外周面上に貼付されているとともにテープの外面の一部が露出されるように当該テープの外面にシートの端部が接着されている。この状態で、テープの露出部分に供給側ロールのシートを押し付けることにより、層間剥離構造のテープの最外層がそれよりも内側の層から剥離されてシートを接ぐことができる。
前記実施形態では、回転部材3bに対して回転軸3aを中心とする180°ごとに支持軸3c、3dを設けた構成について説明したが、回転部材3bに対する支持軸の取付数量は2つに限定されず、複数個であればよい。例えば、回転軸3aを中心とする120°毎に3つの支持軸を設けた回転部材3bを適用することも可能である。
移動ユニット4bが水平方向に移動する構成について説明したが、移動ユニット4bの移動方向は水平方向に限定されない。例えば、移動ユニット4bは、鉛直方向、又は、水平方向及び鉛直方向に対して傾斜する方向に移動するように構成することもできる。ただし、カッター4fにより切断されたシートの残存側の部分が落下するためのスペースを移動ユニット4bの下に形成できるように移動ユニット4bの移動経路を設定することが好ましい。
回転部材3bに対して片持ち状に支持されている(回転部材3bからY方向に延びている)支持軸3c、3dについて説明したが、支持軸3c、3dの両端が支持されていてもよい。ただし、前記実施形態のように、支持軸3c、3dの一端が自由端とされていることにより、当該自由端側からロールR1、R2を容易に装着することが可能となる。
圧縮空気を吹き付ける付勢機構4j(図8)及び押し付けプレート7bを押し付ける付勢機構7(図23)について説明したが、付勢機構はこれらの構成に限定されない。例えば、シートの搬送経路におけるカッター4fよりも上流に設けられた案内ローラ(例えば、図8の第1案内ローラ4g)をシートの搬送方向とは逆向きに回転駆動させる駆動源を付勢機構として適用することもできる。
押し付けローラ4eの押し付け位置P1への押し付けタイミングの直後にカッター4fを切断位置に駆動する構成について説明したが、カッター4fを切断位置に駆動するタイミングはこれに限定されない。例えば、押し付けタイミングと同時にカッター4fを切断位置に駆動することもできる。これにより、接ぎ動作後に、供給側ロールのシートにおける待機側ロールのシートに追従する部分の長さを短くすることができる。
待機側ロールを一周回転させている間における外径検出器4aによる検出結果に基づいて外径の平均値を算出する構成について説明したが、待機側ロールの外径の算出方法はこれに限定されない。例えば、待機側ロールの回転を停止させた状態で、外径検出器4aによる検出結果に基づいて待機側ロールの周方向の一カ所における外径を算出してもよい。また、外径の平均値を算出する際の待機側ロールの回転範囲を一周ではなく、それよりも短く(例えば、半周に短縮)してもよい。
押し付けローラ4eと接着部材検出器4dとがそれぞれ共通の移動ユニット4bに取り付けられた構成について説明したが、押し付けローラ4eと接着部材検出器4dとが待機側ロールに接離可能な別々の構成に取り付けられていてもよい。
接着部材検出器4dの検出軸D2(図12参照)が待機側ロールの外周面に垂直(支持軸3c、3dに対して垂直)に配置された例について説明したが、検出軸D2は、待機側ロールに垂直に配置されていなくてもよい。
さらに、接着部材検出器4dが回動部材4nにより検出位置(図12参照)と退避位置(図13参照)との間で回動可能な例について説明したが、接着部材検出器4dの取付方法はこれに限定されない。例えば、接着部材検出器4dは、押し付けローラ4eの移動経路から外れた位置に配置されていることを前提として検出軸D2が待機側ロールの外周面に交差する位置で固定されていてもよい。
前記実施形態では、移動ユニット4bが制御切換位置P3まで移動したときに移動ユニット4bを停止させることなく位置制御からトルク制御への切り換えを行っているが(図21のステップS21〜S23)、移動ユニット4bの制御はこれに限定されない。例えば、制御切換位置P3において移動ユニット4bを停止させ、その後、位置制御からトルク制御へ切り換えることもできる。
前記実施形態では、スプライス準備位置(図示せず)に移動ユニット4bを待機させた状態で位置制御からトルク制御への切り換えタイミングを算出しているが(図20のステップS15及び図21のステップS19)、切り換えタイミングの算出時期はこれに限定されない。例えば、押し付けローラ4eが制御切換位置P3に到達した段階で一旦停止することを前提として、押し付けローラ4eが制御切換位置P3に到達したときにトルク制御の開始タイミングを決定してもよい。
前記実施形態では、供給側ロール(図11ではロールR1)のシートを待機側ロール(図11ではロールR2)の下を通して待機側ロールと押し付けローラ4eとの間に導く構成について説明したが、シートを押し付け位置P1に案内する経路はこれに限定されない。例えば、供給側ロールのシートを待機側ロールの上を通して待機側ロールと押し付けローラ4eとの間に導く構成とすることもできる。
前記実施形態では、図8に示されるように、移動ユニット4bにおけるシートの搬送方向の押し付け位置P1の上流側に第1の案内ローラ4gが、押し付け位置P1の下流側に第2の案内ローラ4hが、設けられている。そして、第1の案内ローラ4gから押し付け位置P1までのシートと接線C1とがなす角度θ1は、押し付け位置P1から第2の案内ローラ4hまでのシートと接線C1とがなす角度θ2よりも小さい。しかし、角度θ1は、角度θ2と同等又はこれよりも大きくてもよい。
切断刃4f2の駆動タイミングと同時に付勢機構4jを停止状態から供給状態に切り換える点(ステップS24〜S27)について説明した。しかし、切断刃4f2の駆動タイミングに合わせて付勢機構4jを停止状態から供給状態に切り換えるとは、切断刃4f2の駆動タイミングを含む所定の期間中に付勢機構4jを供給状態とすること、及び、切断刃4f2の駆動後、供給側ロールのシートの残存側の部分が待機側ロールのシートに追従して搬送経路に巻き込まれる前のタイミングから所定の期間中に付勢機構4jを供給状態とすることを含む。
シートにおける第1の案内ローラ4gを挟んでカッター4fと反対側の部分に付勢機構4jによる力が供給される構成について説明したが、付勢機構4jによる力が加えられる位置はシートにおけるカッター4fによる切断位置よりも搬送方向の上流側の部分であればよい。例えば、図23に示すように、カッター4fによる切断位置よりも搬送方向の上流側で、かつ、第1の案内ローラ4gの下流側の位置に付勢機構4j、7による力を供給することができる。
シートにおける付勢機構4jから力が加えられる部分から第1の案内ローラ4gまでの距離が第1の案内ローラ4gからカッター4fによる切断位置までの距離よりも小さく設定された構成について説明したが、前記距離は特に限定されない。
シートに対して下向きの力を加える付勢機構4jについて説明したが、付勢機構による力の向きは押し付け位置P1から離れる方向であればよい。
なお、前記実施形態では、シートにおける付勢機構4jから力が与えられる部分から第1の案内ローラ4gまでの距離が、第1の案内ローラ4gからカッター4fによる切断位置までの距離よりも小さい。しかし、シートにおける付勢機構4jから力が与えられる部分は、第1の案内ローラ4gから離れた上流側でもよい。例えば、シートにおける案内ロール3sよりもさらに上流側の部分に付勢機構4jから力を作用させてもよい。
接着部材位置判定部5iにより判定された接着部材Hの位置が外径検出器4aの検出範囲内に位置する状態における外径検出器4aの検出結果を得るために、前記実施形態では、以下の処理が実行されている。
接着部材位置判定部5iにより判定された接着部材Hの位置に基づいて、接着部材Hが外径検出器4aの検出範囲内に位置するように軸制御部5eにより軸駆動源4k、4lの駆動を制御し、この状態における外径検出器4aの結果を用いて外径判定部5fがロールにおける接着部材Hの位置における直径を特定している。
これに代えて次の処理を行うこともできる。予め軸制御部5eにより駆動源4k、4lの駆動を制御して外径検出器4aによりロールの回転角度位置毎の外径を検出して記憶領域5bに記憶しておく(以下、記憶された外径を外径データという)。外径判定部5fは、外径データと接着部材位置判定部5iにより判定された接着部材Hの位置に対応するロールの回転角度位置とに基づいてロールの外径を特定し、この外径を接着部材Hが外径検出器4aの検出範囲内に位置する状態における外径検出器4aの検出結果として用いて、ロールにおける接着部材Hの部分外径を特定することができる。
また、カッター4fの移動は、回転による移動に限られず、シートに対して所定の角度を維持した姿勢での移動(例えば、直線移動)であってもよい。
付勢機構4jは、移動ユニット4bに設けられていなくてもよい。例えば、付勢機構4jは、基台2又は支持機構3に設けられていてもよい。この場合、支持軸がスプライス位置に配置された状態おいて、案内ロール3sを基準としてシートにおける搬送方向の上流側の部分に力を与えることができる位置に付勢機構4jを配置することもできる。
また、押し付けローラ4eの押し付け方向(検出軸D2に沿った方向)が待機側ロールの外周面に垂直に配置された例について説明したが、押し付け方向は、待機側ロールの外周面に対して垂直に配置されていなくてもよい(図12に示す正面視において支持軸を通過しない直線に沿った方向でもよい)。具体的に、押し付けローラ4eを上下方向に移動させることもできる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
上記課題を解決するために、本発明は、シートが巻き付けられた第1ロール及び第2ロールから前記シートを供給するためのシート供給装置であって、前記第1ロールをその中心位置で支持する第1支持軸と、前記第2ロールをその中心位置で支持する第2支持軸と、前記第2ロールのシートを前記第1ロールのシートに接ぐための接ぎ機構と、前記第1ロールのシートが供給された状態において前記第1ロールのシートの残量が予め設定された残量以下となった場合に前記第1ロールのシートが前記第2ロールのシートに接がれるように前記接ぎ機構の駆動を制御するコントローラと、を備え、前記接ぎ機構は、前記第2支持軸を回転駆動する第2軸駆動源と、前記第2ロールの外周面に設けられた接着部材の前記第2ロールの回転方向における位置を検出する接着部材検出器と、前記第2ロールの外径を検出する外径検出器と、前記第1ロールのシートを前記第2ロールの接着部材に押し付ける押し付け機構と、を備え、前記コントローラは、前記第2ロールが回転するように前記第2軸駆動源の駆動を制御する軸制御部と、前記軸制御部により前記第2ロールが回転した状態における前記接着部材検出器の検出結果に基づいて前記接着部材の前記第2ロールの回転方向における位置を判定する接着部材位置判定部と、前記接着部材位置判定部により判定された前記接着部材の位置が前記外径検出器の検出範囲内に位置する状態における前記外径検出器の検出結果に基づいて前記接着部材の位置する部分における前記第2ロールの外径を判定する外径判定部と、を有し、前記外径判定部により判定された前記第2ロールの外径に基づいて前記第1ロールのシートが前記第2ロールの接着部材に押し付けられるように前記押し付け機構の駆動を制御する、シート供給装置を提供する。
また、本発明は、シートが巻き付けられた第1ロール及び第2ロールから前記シートを供給するためのシート供給方法であって、第1支持軸により中心位置で支持された前記第1ロールのシートを供給する第1供給工程と、前記第2ロールのシートを前記第1ロールのシートに接ぐための接ぎ機構を用いて、前記第1ロールのシートが供給された状態において前記第1ロールのシートの残量が予め設定された残量以下となった場合に前記第1ロールのシートに対して前記第2ロールのシートを接ぐ接ぎ工程と、を含み、前記接ぎ機構は、前記第2支持軸を回転駆動する第2軸駆動源と、前記第2ロールの外周面に設けられた接着部材の前記第2ロールの回転方向における位置を検出する接着部材検出器と、前記第2ロールの外径を検出する外径検出器と、前記第1ロールのシートを前記第2ロールの接着部材に押し付ける押し付け機構と、を備え、前記接ぎ工程では、前記第2軸駆動源により前記第2ロールが回転した状態において前記接着部材検出器の検出結果に基づいて前記接着部材の前記第2ロールの回転方向における位置を判定し、判定された前記接着部材の位置が前記外径検出器の検出範囲内に位置する状態における前記外径検出器の検出結果に基づいて前記接着部材の位置する部分における前記第2ロールの外径を判定し、判定された前記第2ロールの外径に基づいて前記押し付け機構により前記第1ロールのシートを前記第2ロールの接着部材に押し付ける、シート供給方法を提供する。
特許文献1に記載の供給装置では、第2支持軸の回転前に、接着テープの位置とは無関係に第2ロールの外径を測定しており、第1ロールのシートの押し付け位置、すなわち接着テープの位置での第2ロールの径方向の位置を正確に特定できない。
これに対し、本発明によれば、第2ロールの外周面における第1ロールのシートが接がれる位置、つまり、接着部材の位置する部分における第2ロールの外径を検出し、この外径に基づいて第1ロールのシートを第2ロールの接着部材に押し付けることができる。
そのため、第2ロールがその回転方向の位置ごとに異なる外径を有していても(第2ロールが歪んでいても)、第1ロールのシートの押し付け量(距離)を接着部材の径方向の位置に適した押し付け量に設定することができる。
したがって、本発明によれば、第2ロールが歪んでいる場合であっても、第1ロールのシートを第2ロールのシートに確実に接ぐことができる。
なお、『接着部材』は、基材と接着層とを有するテープのようなものだけでなく、基材を有さずにシートに直接塗布された接着剤も含む。
ここで、第2ロールには、それに巻き付けられたシートの長さの違いに応じて外径の異なる複数種類のものが存在するのが通常である。この場合、想定される最も大きな第2ロールに接触しない位置に接着部材検出器を固定することが考えられる。しかし、実際に使用される第2ロールとして比較的に外径の小さい種類のものが選択された場合に、最も大きな第2ロールが選択された場合と比較して第2ロールに対する接着部材検出器の距離が遠くなってしまう。そのため、このような場合でも確実に接着部材を検出するために、接着部材検出器に高い検出性能が要求され、コストが増大するという問題がある。
そこで、前記シート供給装置は、前記第2支持軸を支持する軸支持ユニットと、前記接着部材検出器を支持する移動ユニットであって、前記第2ロールの径方向において前記第2支持軸から最も離れた位置として予め設定された後退位置と、前記径方向において前記後退位置よりも前記第2支持軸に近い近接位置との間で前記接着部材検出器が移動可能となるように前記軸支持ユニットに取り付けられた移動ユニットと、前記軸支持ユニットに対して前記接着部材検出器が相対的に移動するための動力を前記移動ユニットに与える検出器駆動源と、をさらに備え、前記コントローラは、前記外径検出器による検出結果に基づいて前記第2ロールの外周面との接触を回避可能でかつ前記接着部材を検出可能な検出可能位置を特定し、前記検出可能位置が前記後退位置よりも前記第2支持軸に近い場合に前記接着部材検出器が前記検出可能位置に移動するように前記検出器駆動源の駆動を制御することが好ましい。
この態様によれば、想定される最大外径を有する第2ロールが第2支持軸に保持された場合に接着部材検出器を後退位置に配置することで第2ロールに対する接触を回避することができる。しかも、最大外径を有する第2ロールよりも外径の小さい第2ロールが第2支持軸に保持されている場合に、後退位置よりも第2支持軸に近い位置(検出可能位置)に接着部材検出器を配置することで、後退位置に接着部材検出器が固定されている場合と比較して、接着部材検出器の検出性能が低くても接着部材の第2ロールの回転方向における位置を正確に検出することができる。これにより、コストの低減を図ることができる。
ここで、コントローラは、例えば、外径検出器による検出結果に基づいて判定される接着部材の位置における第2ロールの外径により特定されるものでもよい。しかし、この場合、第2ロールの歪みが大きく、接着部材の位置における第2ロールの外径よりも大きな外径部分が存在する場合に外径検出器の第2ロールに対する接触を確実に回避することが困難である。
そこで、前記シート供給装置において、前記コントローラは、前記軸制御部により前記第2ロールを回転させた状態における前記外径検出器による検出結果に基づいて前記第2ロールの回転方向における複数個所における前記第2ロールの外径を特定し、これらの外径に基づいて前記第2ロールの平均外径を特定し、さらに前記平均外径に基づいて前記検出可能位置を特定することが好ましい。
この態様によれば、第2ロールの平均外径に基づいて検出可能位置が特定される。そのため、接着部材の位置における第2ロールの外径のみに基づいて検出可能位置を特定する場合と比較してより確実に外径検出器の第2ロールに対する接触を回避可能な検出可能位置を特定することができる。
ここで、前記押し付け機構が第1ロールのシートを第2ロールに押し付けるための押し付けローラを有する場合、押し付けローラと接着部材検出器とが別々の機構により支持されていてもよいが、この場合には構成が複雑となりコストが増大する。
そこで、前記シート供給装置において、前記押し付け機構は、前記第1ロールのシートを前記第2ロールに押し付けるための押し付けローラと、前記押し付けローラ及び前記接着部材検出器を支持する前記移動ユニットと、前記検出器駆動源と、を有することが好ましい。
この態様によれば、移動ユニットを押し付けローラの支持部材として兼用することができるとともに検出器駆動源を第2ローラに対して押し付けローラを移動させるための駆動源として兼用することができる。したがって、これら支持部材及び駆動源を別々に設ける場合と比較してシート供給装置のコストを低減することができる。
ここで、接着部材検出器の検出軸(例えば、ラインセンサの場合は当該ラインセンサから被検出物までの間で検出ラインの中点が通る軌跡、エリアセンサの場合には当該エリアセンサから被検出物までの間の撮像範囲の中心が通る軌跡)が第2ロールの外周面に垂直でなくても接着部材の検出は可能である。しかし、この場合には、第2ロールの外径が異なると接着部材検出器の検出軸と第2ロールの外周面の交差角が変化するため、第2ロールの外径の違いによる検出精度の変化を避けることができない。
また、押し付けローラの押し付け方向は第2ロールの外周面に垂直でなくても第1ロールのシートを第2ロールの外周面に押し付けることができる。しかし、この場合には、第2ロールの外径の違いに応じて第2ロールに対する押し付けローラの押し付け方向が異なるため、外径の変化に伴うシートの接ぎの精度を一定にすることが難しい。そこで、押し付けローラの押し付け方向及び接着部材検出器の検出軸を第2ロールの外周面に対して垂直に設定し、共通の駆動源により検出軸に沿って接着部材検出器及び押し付けローラを移動させることが考えられる。
しかし、この場合、第2ロールの中心に垂直な線上に接着部材検出器及び押し付けローラを配置しなければならず接着部材の検出精度の向上とシートの接ぎの精度との両立を図ることができない。
そこで、前記シート供給装置において、前記移動ユニットは、前記押し付けローラを支持するローラ支持部材と、前記接着部材検出器を支持する回動部材であって、前記検出軸が前記第2支持軸の中心に対して垂直に配置されるように前記押し付けローラと前記第2支持軸との間に前記接着部材検出器が配置される検出位置と、前記押し付けローラから前記第2支持軸の中心までの距離よりも前記接着部材検出器から前記第2支持軸の中心までの距離が遠くなるように前記接着部材検出器が配置される退避位置と、の間で前記第2支持軸と平行な回転軸を中心として前記ローラ支持部材に対して回動可能に取り付けられた回動部材と、を有し、前記移動ユニットは、前記検出位置に配置されたときの前記接着部材検出器の検出軸に沿った方向に前記押し付けローラの中心が移動可能となるように前記軸支持ユニットに取り付けられていることが好ましい。
この態様によれば、後退位置と近接位置との間で常に検出軸を第2ロールの外周面に対して垂直に維持することができるため、第2ロールの外径の変化にかかわらず一定の検出精度を維持することができる。
また、回動部材を検出位置とすることにより接着部材検出器を第2支持軸と押し付けローラとの間に配置して第2ロールの外径を検出することができる。さらに、回動部材を退避位置に回動することにより押し付けローラ(第1ロールのシート)を第2ロールに押し付けることができる。
したがって、接着部材の検出の精度向上とシートの接ぎの精度向上との両立を図ることができる。