以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、薬剤供給装置101の外観を示す斜視図である。図1に示すように、薬剤供給装置101は、薬剤供給装置101の外郭を構成する筐体102を備えている。筐体102は、上部筐体103と、下部筐体104とを有している。上部筐体103には、複数の薬剤容器からそれぞれの薬剤を排出する薬剤収納払出装置が収納されている。下部筐体104には、薬剤を包材内に包装する包装装置が収納されている。
上部筐体103の前面には、扉105a,105bが取り付けられている。扉105aは取っ手106aを有し、扉105bは取っ手106bを有している。薬剤供給装置101を使用するユーザは、取っ手106aを持って扉105aを開閉することができ、取っ手106bを持って扉105bを開閉することができる。上部筐体103の前面には、操作部107が設けられている。操作部107は、タッチパネル機能を有するディスプレイを備えるものであってもよく、操作盤に物理的なボタンを備えるものであってもよい。
下部筐体104の前面には、扉108,109が設けられている。扉108,109は開閉可能に構成されている。薬剤供給装置101を使用するユーザは、扉108,109を開けて、薬剤が内部に収容された包装物を、下部筐体104の内部から取り出すことができる。扉108,109には、開口が形成されてもよく、この開口から、薬剤が内部に収容された包装物を取り出すことができるように構成してもよい。
図2は、実施形態に係る包装装置1の概略構成図である。包装装置1は、包装対象物を包装するために用いられる。包装対象物は、薬剤であり、具体的には固形の薬剤である。固形の薬剤としては、錠剤、丸剤およびカプセル剤などが挙げられる。固形の薬剤としては、散剤および顆粒剤であってもよい。包装対象物は、固形の薬剤に限られない。包装対象物は、半固形の薬剤であってもよく、または、液状の薬剤であってもよい。
包装装置1は、処方箋に基づいて薬剤を包装するための薬剤包装装置である。処方箋は、医師が患者に交付するものである。処方箋には、患者情報および薬剤情報が記載されている。患者情報は、患者の氏名および年齢を含む。薬剤情報は、薬名、分量、用法および用量を含む。このような処方箋に基づいて薬剤を1回の服用分ずつ包装するために、包装装置1が用いられる。
包装装置1は、包材搬送部8を備えている。包材搬送部8は、包材2に駆動力を作用し、包材2を搬送する。包材2は、長尺シート状である。包材2は、この包材2の長手方向に搬送される。包材2は、巻回体3から巻き出される。巻回体3は、中空の管体である芯管3aに包材2を巻回してロール状にしたものである。図2中の矢印は、包材2の搬送方向DRを示す。以下、包材2の搬送方向DRを単に「搬送方向DR」という。
芯管3aには、記録媒体3bが設けられている。記録媒体3bは、芯管3aに対して、直接的に設けられてもよく、または、間接的に設けられてもよい。記録媒体3bは、たとえば、包材2の巻き始めの部分に貼り付けられてもよい。記録媒体3bは、不揮発性メモリを含み、情報を記憶する。記録媒体3bが記憶する情報は、芯管3aに巻回されている包材2の残量を示す残量情報を含む。記録媒体3bは、包材2の紙質などの他の情報を併せて記憶してもよい。記録媒体3bは、たとえばICタグ(RFID(Radio Frequency Identification)タグ)であってもよい。
芯管3aおよび記録媒体3bは、再利用可能である。芯管3aおよび記録媒体3bは、先に巻回されていた包材2を使い終えた後に、再利用されてもよい。
巻回体3の製造時に、記録媒体3bに、ロット番号、製造日付、顧客情報、包材2の紙質情報、残量情報などが記録されてもよい。新品の巻回体3の場合、残量情報として、新品の巻回体3において芯管3aに巻回されている包材2の残量が記録される。巻回体3が包装装置1に装着された後、記録媒体3bに、使用開始日時、環境情報などが追記されてもよい。
包装装置1は、印刷部4と、供給部5と、収容部形成部6と、をさらに備えている。搬送方向DRの上流(巻回体3に近い側)から下流(巻回体3から離れる側)に向けて、印刷部4、供給部5、収容部形成部6の順に並んでいる。印刷部4は、包材搬送部8によって搬送される包材2に、所定の情報を印刷する。所定の情報は、薬剤に関連する情報である。供給部5は、包材搬送部8によって搬送される包材2に、薬剤を供給する。薬剤は、処方箋に基づいて1回の服用分ずつ供給される。収容部形成部6は、包材搬送部8によって搬送される包材2を用いて、収容部を形成する。収容部には、薬剤が収容される。収容部形成部6は、供給部5から薬剤が供給された後に、包材2を熱融着して、薬剤が内部に収容された包装物を形成する。
包装装置1は、ミシン目形成部7をさらに備えている。ミシン目形成部7は、収容部形成部6に設けられている。ミシン目形成部7は、包材搬送部8によって搬送される包材2に、搬送方向DRに直交する方向に延びるミシン目を形成する。ミシン目は、複数の細孔が包材2の短手方向に連続して並んだものである。
このような包装装置1では、収容部形成部6とミシン目形成部7と包材搬送部8とによって、包装部9が構成されている。包装部9において、巻回体3から巻き出された包材2を用いて、包装対象物である薬剤が順次包装される。
図3は、包装装置1の概略斜視図である。包装装置1は、包材供給部10と、方向転換バー11と、切断部12と、排出部13と、フレーム15とをさらに備えている。上述した供給部5、収容部形成部6および包材搬送部8を含む、包装装置1を構成する各機器類は、フレーム15に取り付けられている。包装装置1は、フレーム15の厚み方向に、筐体102(図1)に対して往復移動可能に構成されている。包装装置1は、下部筐体104(図1)に対して前後方向に移動可能であり、下部筐体104内に収納されている収納位置から前方へ引き出され得るように構成されている。
包材供給部10は、略箱状のケーシング20と、図2に示す巻回体3が装着される被装着部21とを有している。被装着部21は、巻回体3を支持する。巻回体3は、被装着部21に対して相対回転不能に、被装着部21に取り付けられる。ケーシング20は、平面状の外表面20aを有している。外表面20aは、箱状のケーシング20の一部表面を構成している。被装着部21は、ケーシング20の外表面20aから突出し、外表面20aに対して略垂直に延びている。
ケーシング20の外表面20aには、案内孔22が形成されている。案内孔22は、緩やかに湾曲して延びている。案内孔22の延びる方向に沿って移動可能に、ダンサーローラ23が設けられている。外表面20aには、固定ローラ24,25が取り付けられている。ダンサーローラ23と固定ローラ24,25とは、ケーシング20の外表面20aから突出し、外表面20aに対して略垂直に延びている。ダンサーローラ23と固定ローラ24,25とは、互いに平行に延びている。包材供給部10のその他の構成については後述する。
巻回体3から巻き出される包材2は、固定ローラ24、ダンサーローラ23、および固定ローラ25に、この順に巻き掛けられる。包材2はさらに、方向転換バー11に巻き掛けられる。方向転換バー11は、包材2の搬送方向DRを変更して、包材2を供給部5へ向く方向へ移動させる。包材2はさらに、供給部5を経由して、包装部9(図2)に巻き掛けられる。
供給部5が薬剤を包材2に供給する薬剤供給位置では、包材2が、この包材2の短手方向の中心線に沿って二つ折りされている。供給部5は、ホッパ151を有している。ホッパ151は、上部筐体103(図1)内に収納された薬剤収納払出装置から払い出された薬剤を、包材2に導く。ホッパ151の先端は、二つ折りされた包材2の内側に入り込むように配置されている。薬剤は、ホッパ151によって導かれることで、二つ折りされた包材2の内側に入る。
切断部12は、包装部9を構成している収容部形成部6および包材搬送部8よりも搬送方向DRの下流に、設けられている。切断部12は、薬剤が内部に収容された包材2を切断する。排出部13は、切断部12よりも搬送方向DRの下流に、設けられている。排出部13は、切断部12によって切断された包材2を搬送するための駆動力を発生して、包材2を外部に排出する。以下、巻回体3から巻き出されて排出部13にまで搬送される包材2が通る経路を、「搬送経路」という。
図4は、包材供給部10の正面図である。図4には、図3に示す矢印IV方向から見た包材供給部10が図示されている。ダンサーローラ23は、ケーシング20に形成された案内孔22に沿って、ケーシング20に対して相対移動する。ダンサーローラ23は、包材2の搬送経路に交差する方向に変位可能に構成されている。
包材供給部10は、定位置センサ28を含んでいる。定位置センサ28は、ダンサーローラ23の位置を検出する。定位置センサ28は、磁気センサである。ダンサーローラ23が取り付けられている後述するメインアームに、磁石が取り付けられている。図4の紙面垂直方向においてダンサーローラ23が定位置センサ28と重なる位置を、定位置と称する。定位置は、搬送経路上にある。定位置センサ28は、ダンサーローラ23が定位置にあるとき、磁力を検出してオン状態になる。ダンサーローラ23が定位置から離れると、定位置センサ28はオンからオフに切り換わる。これにより定位置センサ28は、ダンサーローラ23が定位置にあるか否かを検出する。定位置センサ28は、ダンサーローラ23が定位置にあることを検出する、実施形態の位置検出部を構成している。
包材供給部10は、ロック解除部26を有している。上記のメインアームは、後述するロック部によってロックされる。ロック解除部26を手動で操作することにより、ロック部によるメインアームのロックが解除される。
図5は、包材供給部10の背面を見た斜視図である。図6は、包材供給部10の背面図である。図6には、図3に示す矢印VI方向から見た包材供給部10が図示されている。包材供給部10は、上述した定位置センサ28の他に、限界位置センサ27と、退避位置センサ29とを含んでいる。限界位置センサ27、定位置センサ28および退避位置センサ29は、センサ支持部30によって支持されている。センサ支持部30は、ケーシング20の天井部に固定されている。
図4においてダンサーローラ23が配置されている位置を、限界位置と称する。限界位置は、案内孔22の一方端にある。案内孔22の他方端の位置を、退避位置と称する。限界位置センサ27および退避位置センサ29は、磁気センサである。限界位置および退避位置は、搬送経路から外れている。限界位置は、定位置よりも搬送経路から離れている。
限界位置センサ27および退避位置センサ29は、ダンサーローラ23の位置を検出する。限界位置センサ27は、ダンサーローラ23が限界位置にあるとき、磁力を検出してオン状態になる。ダンサーローラ23が限界位置から離れると、限界位置センサ27はオンからオフに切り換わる。これにより限界位置センサ27は、ダンサーローラ23が限界位置にあるか否かを検出する。退避位置センサ29は、ダンサーローラ23が退避位置にあるとき、磁力を検出してオン状態になる。ダンサーローラ23が退避位置から離れると、退避位置センサ29はオンからオフに切り換わる。これにより退避位置センサ29は、ダンサーローラ23が退避位置にあるか否かを検出する。
包材供給部10は、巻出巻取モータ35を有している。本実施の形態の巻出巻取モータ35は、ステッピングモータである。巻出巻取モータ35は、ケーシング20に支持されている。巻出巻取モータ35は、被装着部21を回転させて、巻回体3から包材2を巻き出す、または包材2を巻回体3へ巻き取るための、回転駆動力を発生する。巻出巻取モータ35の発生する駆動力は、中間ギヤ72、中間ピニオンギヤ73、ローラギヤ74を経由して、被装着部21に伝達される。中間ギヤ72と中間ピニオンギヤ73とは、中間ギヤ軸75を中心に、一体として回転可能に固定されている。
包材供給部10は、メインアーム40と、サブアーム50と、ギヤ位置決めプレート55とを有している。メインアーム40は、第一腕部41、第二腕部42および屈曲部43を有している。図6に示す第一腕部41および第二腕部42は、それぞれ略直線状の形状を有している。第一腕部41、第二腕部42および屈曲部43は、一体として回転可能に、互いに固定されている。メインアーム40は、屈曲部43において屈曲された、略L字状の形状を有している。
第一腕部41は、先端と基端とを有している。第一腕部41の先端に、上述したダンサーローラ23が固定されている。第一腕部41は、その基端において、屈曲部43とつながっている。第二腕部42は、先端と基端とを有している。第二腕部42の基端に、ギヤ位置決めプレート55が固定されている。第二腕部42は、その先端において、屈曲部43とつながっている。屈曲部43には、ロックピン47が固定されている。メインアーム40は、アーム回転軸44を回転中心として、回転可能に構成されている。メインアーム40は、アーム回転軸44を介して、ケーシング20に支持されている。
サブアーム50は、基端部51と、先端部52とを有している。基端部51は、メインアーム40の屈曲部43から第二腕部42に亘ってメインアーム40の表面に面接触し、ボルトなどの固定部材を複数用いてメインアーム40に固定されている。これによりサブアーム50は、メインアーム40と一体に回転可能に構成されている。サブアーム50の先端部52には、円筒部53が取り付けられている。
サブアーム50をメインアーム40に固定する複数の固定部材のうちの一つは、ばね掛け部45を構成している。センサ支持部30にも、ばね掛け部31が設けられている。センサ支持部30に取り付けられたボルトにより、ばね掛け部31が構成されている。ばね掛け部31に、復帰ばね46の一端が係合し、ばね掛け部45に、復帰ばね46の他端が係合している。復帰ばね46は、たとえばコイルばねである。
ギヤ位置決めプレート55は、メインアーム40の第二腕部42の基端に、ボルトなどの固定部材56を複数用いて、固定されている。ギヤ位置決めプレート55には、切欠き59が形成されている。ギヤ位置決めプレート55は、第一部分57と第二部分58とを有している。第一部分57と第二部分58とは、切欠き59によって隔てられている。第二部分58の縁部の一部は、円弧縁58aを形成している。円弧縁58aは、アーム回転軸44を中心とする円弧の形状を有している。
円弧縁58aに当接して、円筒部65が設けられている。円筒部65は、ギヤアームの第2部分63の先端部に取り付けられている。ギヤアームの第3部分64の先端部は、中間ギヤ軸75と、ベアリングを介して係合している。第3部分64には、ばね掛け部66が形成されている。図示しない復帰ばねの一端がばね掛け部38に係合し、他端がばね掛け部66に係合している。
円筒部65の外周面は、円弧縁58aに対して摺動可能である。円筒部65はまた、切欠き59内に移動可能である。円筒部65の外周面が円弧縁58aに当接することにより中間ギヤ72および中間ピニオンギヤ73が位置決めされ、また円筒部65が切欠き59内へ移動することにより中間ギヤ72および中間ピニオンギヤ73がその位置を変化するように構成されている。
包材供給部10は、ロック部78をさらに備えている。ロック部78は、ロック部材79を有している。ロック部材79は、一方側(図6中の左側)の端部に、傾斜部80と、係合部81とを有している。ロック部材79は、他方側(図6中の右側)の端部に、連結片を有している。ロック部材79はまた、突起部82を有している。
ロック部材79は、保持部材84によって保持されている。保持部材84は、ケーシング20に固定されている。保持部材84は、ロック部材79を、その延在方向(図6中の左右方向)にスライド移動可能に保持している。保持部材84は、突起部を有している。ロック部材79の突起部82と、保持部材84の突起部とは、その先端部が互いに向き合うように配置されている。ロック部材79の突起部82と保持部材84の突起部とに亘って、スプリング86が設けられている。突起部82は、スプリング86の一方端(図6中に示すスプリング86の左端)を支持している。保持部材84の突起部は、スプリング86の他方端(図6中に示すスプリング86の右端)を支持している。
ロック部78はまた、リニアソレノイドアクチュエータ87を有している。リニアソレノイドアクチュエータ87は、図示しない保持部材によって、ケーシング20に固定されている。リニアソレノイドアクチュエータ87は、本体部と、本体部から突出するステム88とを有している。ステム88は、ロック部材79の連結片に連結されている。
ロック部78は、メインアーム40に取り付けられたロックピン47と係合することにより、メインアーム40をロックするように構成されている。
包装装置1は、スプリングヒンジ90を有している。スプリングヒンジ90は、第1ヒンジプレート91と、第2ヒンジプレート92と、ヒンジ軸93と、トーションスプリング94とを有している。第1ヒンジプレート91と第2ヒンジプレート92とは、ヒンジ軸93を介して連結されている。
第1ヒンジプレート91は、下部筐体104に固定されており、移動不能である。第2ヒンジプレート92は、ヒンジ軸93を回転中心として、第1ヒンジプレート91に対して相対移動可能である。第2ヒンジプレート92は、その上端が相対的に前方(図中の右方向)にありその下端が相対的に後方(図中の左方向)にあるように、上下方向に対して傾斜して配置されている。
トーションスプリング94は、ヒンジ軸93の周りに巻回されたコイル部と、コイル部から突き出る一対のアーム部とを有している。一対のアーム部のうちの一方は、第1ヒンジプレート91に当接している。一対のアーム部のうちの他方は、第2ヒンジプレート92に当接している。
トーションスプリング94は、第1ヒンジプレート91と第2ヒンジプレート92との間に弾性反発力を作用させ、ヒンジ軸93を回転中心として第2ヒンジプレート92が第1ヒンジプレート91から離れる方向に、第2ヒンジプレート92を付勢している。トーションスプリング94の付勢力および重力以外の外力がスプリングヒンジ90に作用しない状態で、第1ヒンジプレート91と第2ヒンジプレート92とは、略直交して延びている。ヒンジ軸93の軸方向に見て、第1ヒンジプレート91と第2ヒンジプレート92とは、L字状の形状に配置されている。
包材供給部10は、スプリングヒンジ90に対して、筐体102の前後方向(図6中の左右方向)に相対移動可能である。図6に示す配置では、サブアーム50の円筒部53は、第2ヒンジプレート92から離れており、円筒部53と第2ヒンジプレート92とは非接触の状態である。円筒部53は、スプリングヒンジ90の第2ヒンジプレート92に対して摺動し、これによりサブアーム50およびメインアーム40をアーム回転軸44回りに回動させるように構成されている。
図7は、ダンサーローラ23が定位置にあるときの包材供給部10の正面図である。図7に示すダンサーローラ23は、図4と比較して、案内孔22に沿って図中の右方向へ移動している。図7に示すダンサーローラ23は、限界位置から離れて、定位置に位置している。ダンサーローラ23が、図4に示す限界位置から離れているため、図7では限界位置センサ27が図示されている。一方、図7では、ダンサーローラ23が定位置にあるため、定位置センサ28にダンサーローラ23が重なっており、定位置センサ28は図示されていない。
図7には図示しない巻回体3から巻き出される包材2は、上述した通り、固定ローラ24、ダンサーローラ23、および固定ローラ25に、この順に巻き掛けられる。ダンサーローラ23が定位置にあるとき、包材2には、予め定められた張力が付与されている。包材2に張力を付与することにより、包材2の弛みの発生が抑制されている。これにより、包材搬送部8(図2,3)が包材2を搬送するときの、包材2のずれおよび皺寄りなどが、抑制されている。
図8は、ダンサーローラ23が定位置にあるときの包材供給部10の背面を見た斜視図である。図8に示すメインアーム40およびサブアーム50は、図5と比較して、アーム回転軸44を中心として、反時計回り方向に回転している。ギヤ位置決めプレート55がメインアーム40とともに回転し、円筒部65がギヤ位置決めプレート55の円弧縁58aに沿って相対移動することにより、図8に示す円筒部65は、図5と比較して切欠き59に近い位置にある。図8に示すロックピン47は、図5と比較して、ロック部78に近づく方向に移動している。図8に示す復帰ばね46は、図5と比較して、その長さが増大している。
図9は、ダンサーローラ23が搬送時移動位置にあるときの包材供給部10の正面図である。図9に示すダンサーローラ23は、図7と比較して、案内孔22に沿って図中の右方向に移動している。図9に示すダンサーローラ23は、定位置から離れており、そのため図9では限界位置センサ27と定位置センサ28との両方が図示されている。図7においてダンサーローラ23が配置されている位置を、搬送時移動位置と称する。搬送時移動位置は、搬送経路上にある。
図9には、薬剤が内部に収容された包装物の一包分の長さだけ包材2が包材搬送部8によって搬送され、包材2の搬送に伴って定位置から移動した後のダンサーローラ23が、図示されている。包材搬送部8による包材2の搬送が実行されている間、巻出巻取モータ35は停止している。そのため、包材2が巻回体3から巻き出されることはない。
一方、包材搬送部8が包材2を包装物の一包分搬送することにより、巻回体3から包材搬送部8へ至るまでの搬送方向DRにおける包材2の長さが、一包分短くなる。この包材2の長さの変化を、ダンサーローラ23を移動させて、ダンサーローラ23と固定ローラ24との距離、およびダンサーローラ23と固定ローラ25との距離を短くすることにより、調節している。
つまり、図7に示す定位置にあるダンサーローラ23と固定ローラ24,25との間に巻き掛けられる包材2と、図9に示す位置にあるダンサーローラ23と固定ローラ24,25との間に巻き掛けられる包材2との長さを比較すると、図9の方が包材2の長さが短くなる。ダンサーローラ23と固定ローラ24,25との間に巻き掛けられる包材2の長さの変化を、包装物の一包分の長さに対応させることにより、包材2に予め定められた張力が付与された状態を一定に維持しつつ、包材2を搬送することができる。
搬送方向DRにおける包装物の一包分の長さは、常に一定とは限らず、包装物内に収容される薬剤の量に従って変化させてもよい。包装物の寸法に応じて、包材搬送部8による包材2の搬送量も変更可能であり、搬送時移動位置も変動する。搬送方向DRにおける包装物の一包分の長さが大きいと、搬送時移動位置は相対的に定位置から離れた位置に設定される。搬送方向DRにおける包装物の一包分の長さが小さいと、搬送時移動位置は相対的に定位置に近い位置に設定される。
包材2は、間欠的に搬送される。包材2の搬送を実行した後、包材2の搬送を停止している間に、巻出巻取モータ35が駆動される。被装着部21に巻出巻取モータ35の駆動力が伝達されて巻回体3が回転することにより、包材2が巻回体3から巻き出される。このとき包材搬送部8による包材2の搬送は停止しているので、巻回体3から巻き出された包材2は、ダンサーローラ23と固定ローラ24,25との間に巻き掛けられる包材2の長さを元に戻すために用いられる。つまり、包材2が巻回体3から巻き出されると、ダンサーローラ23は、図9に示す搬送時移動位置から、図7に示す定位置へ向けて移動する。定位置にまでダンサーローラ23が移動して、定位置センサ28がダンサーローラ23を検出すると、巻出巻取モータ35が停止される。
このように、包材搬送部8による包材2の搬送と、巻回体3からの包材2の巻き出しとを交互に繰り返すことにより、包材2に予め定められた張力が付与された状態を維持したまま、包材2を適切に搬送することができる。
図10は、ダンサーローラ23が搬送時移動位置にあるときの包材供給部10の背面を見た斜視図である。図10に示すメインアーム40およびサブアーム50は、図8と比較して、アーム回転軸44を中心として、反時計回り方向に回転している。ギヤ位置決めプレート55がメインアーム40とともに回転し、円筒部65がギヤ位置決めプレート55の円弧縁58aに沿って相対移動することにより、図10に示す円筒部65は、図8と比較して切欠き59に近い位置にある。図10に示すロックピン47は、図8と比較して、ロック部78に近づく方向に移動している。図10に示す復帰ばね46は、図8と比較して、その長さが増大している。
上述した通り、包材搬送部8による包材2を搬送しているとき、包材2に張力が付与された状態が維持され、このときダンサーローラ23が定位置と搬送時移動位置との間を往復移動する。巻回体3から全ての包材2が巻き出されると、包材2の搬送方向DRの上流側の端部が巻回体3によって支持されなくなるため、包材2に張力が付与されなくなる。張力が付与された状態の包材2によってダンサーローラ23が支持されなくなるため、復帰ばね46の弾性力によってメインアーム40が回転し、これに伴ってダンサーローラ23は限界位置へ移動する。
図11は、ダンサーローラ23が退避位置にあるときの包材供給部10の正面図である。図11に示すダンサーローラ23は、図9と比較して、案内孔22に沿って図中の右方向に移動している。図11に示すダンサーローラ23は、案内孔22の他方端の退避位置に位置している。
図7,9において、ダンサーローラ23は、固定ローラ24,25に対して、図中の左側に位置している。そのため、固定ローラ24、ダンサーローラ23および固定ローラ25にこの順に巻き掛けられた包材2は、ダンサーローラ23によって押圧され、これにより包材2に張力が付与されている。これに対し、図11では、ダンサーローラ23は、固定ローラ24,25に対して、図中の右側に位置している。巻回体3から巻き出される包材2は、図11中の左右方向におけるダンサーローラ23と固定ローラ24との間の隙間を通り、またダンサーローラ23と固定ローラ25との間の隙間を通ることが可能になっている。このとき、包材2には、張力が付与されない。
図11中の左右方向におけるダンサーローラ23と固定ローラ24,25との間の隙間に包材2を通し、その状態でダンサーローラ23を定位置へ移動させることにより、包材2に張力が付与される。
ダンサーローラ23および固定ローラ24,25は、巻回体3から巻き出された包材2に張力を付与する、張力付与部を構成している。張力付与部は、ダンサーローラ23が包材2を押圧することで、包材2に張力を付与する。ダンサーローラ23は、包材2の搬送経路に交差する方向に変位可能な、変位部材を構成している。張力付与部は、ダンサーローラ23を移動させることにより、包材2に張力を付与する付与状態と、包材2に張力を付与しない非付与状態とに、切換可能である。
図12は、ダンサーローラ23が退避位置にあるときの包材供給部10の背面を見た斜視図である。図12に示すメインアーム40およびサブアーム50は、図10と比較して、アーム回転軸44を中心として、反時計回り方向に回転している。図12に示す円筒部65は、ギヤ位置決めプレート55の円弧縁58aから離れて、切欠き59内にある。図12に示すロックピン47は、図12には図示しないロック部78と係合しており、これによりメインアーム40はロックされている。図12に示す復帰ばね46は、図10と比較して、その長さが増大しており、最大の長さをとっている。
次に、包装装置1を用いて分包動作を実行するための制御について説明する。図13は、実施形態に係る包装装置1の電気的構成を示すブロック図である。図13に示すように、包装装置1は、操作部107と、全体制御部200とを備えている。
操作部107は、包装装置1を操作する操作者によって操作される。操作者によって操作部107が操作されることで、包装装置1の包装動作に必要な情報が、全体制御部200に入力される。包装装置1の包装動作に必要な情報としては、処方箋に基づく処方データおよび種々の設定情報が挙げられる。設定情報は、薬剤が内部に収容された包装物の一包分の長さを含む。包装装置1の包装動作に必要な情報は、外部のコンピュータから全体制御部200に入力されてもよい。
全体制御部200は、包装装置1の包装動作に必要な情報に基づいて、包装装置1全体の動作を制御する。全体制御部200は、供給部5および包装部9を制御する。
全体制御部200は、供給部5に制御信号を送信し、供給部5が供給すべき薬剤の種類および数量を指令する。全体制御部200は、包装物の搬送方向DRにおける長さが所定の値となるように、包装部9に制御信号を送信する。包装物の長さは、たとえば操作部107を介して入力された値であってもよく、または、薬剤の種類および数量に基づいて全体制御部200が設定した値であってもよい。
包装部9は、包装制御部201を有している。包装制御部201は、定位置センサ28、限界位置センサ27および退避位置センサ29の検出信号を受け取り、ダンサーローラ23の現在位置を判別する。包装制御部201は、全体制御部200からの制御信号に基づいて、巻出巻取モータ35、加圧モータ6m、ヒータ6h、搬送モータ8m、読取書込部3Rを制御する。これら巻出巻取モータ35、加圧モータ6m、ヒータ6h、搬送モータ8mおよび読取書込部3Rが適宜駆動および停止することにより、包材2の包装が行なわれる。
加圧モータ6mおよびヒータ6hは、収容部形成部6(図2)に含まれている。ヒータ6hは、包材2を間に挟んで対向して配置された一対の加圧部材のうちの一方に内蔵されている。加圧モータ6mは、一対の加圧部材を駆動し、加圧部材で包材2を両側から加圧したり、加圧部材を包材2から離隔したりする。包材2を両側から加圧するときにヒータ6hが駆動して包材2を加熱することにより、包材2の一部分が熱融着されて、薬剤を内部に収容した包装物が形成される。
搬送モータ8mは、包材搬送部8に含まれている。搬送モータ8mは、包材2を間に挟んで対向して配置された一対の搬送ローラを回転駆動する。搬送モータ8mが一対の搬送ローラを回転駆動することで、包材2が搬送される。包材搬送部8は、包材2を間欠的に搬送する。包材2の搬送を停止している間に、収容部形成部6による包材2の熱融着、印刷部4(図2)による包材2への所定の情報の印刷、ミシン目形成部7(図2)による包材2へのミシン目の形成、および切断部12(図3)による包材2の切断などの、所定動作が行なわれる。
読取書込部3Rは、包装制御部201の制御により、記録媒体3b(図2)とデータ通信を行なう。詳細には、読取書込部3Rは、記録媒体3bにアクセスして、記録媒体3bに記録されている情報の読み取り、および記録媒体3bへの情報の書き込みを行なう。読取書込部3Rは、記録媒体3bに、新たに情報を追記する。また読取書込部3Rは、記録媒体3bに既に記録されている情報を、最新の情報に上書き更新する。
操作部107がディスプレイを備えており、記録媒体3bに包材2の残量情報が記録されている場合、記録媒体3bから読み取られた残量情報をディスプレイに表示するように全体制御部200から操作部107に指令信号が出力されてもよい。包装装置1を使用するユーザは、ディスプレイを見ることにより、包材2の残量情報を知得することができる。たとえば、包材2の残量が少ないことを知得したユーザは、交換用の包材2を予め手配することができる。
図14は、巻出巻取モータ35の回転速度を設定する設定動作を示すフローチャートである。本実施の形態の包装装置1において、巻出巻取部とは、巻回体3からの包材2の巻き出し、または包材2の巻回体3への巻き取りを実行するための構成である。巻出巻取部は、巻出巻取モータ35、被装着部21、巻出巻取モータ35の発生する駆動力を被装着部21に伝達する動力伝達部、ダンサーローラ23、ダンサーローラ23の位置を検出する各センサ、および固定ローラ24,25を含んでいる。搬送部とは、搬送方向DRに沿って包材2を搬送するための構成である。搬送部は、包材搬送部8により構成されている。
図14に示す設定動作は、包装装置1の電源を投入した起動時、または、巻回体3を交換する際に被装着部21に巻回体3を装着したときに、実行される。設定動作が開始されると、まずステップS1において、巻回体3における包材2の残量を示す残量情報を、ICタグから取得する。読取書込部3R(図13)は、巻回体3の芯管3aに設けられているICタグ、すなわち記録媒体3b(図2)へアクセスし、記録媒体3bに記録されている残量情報を取得する。残量情報は、読取書込部3Rから包装制御部201へ入力される。
次にステップS2において、残量情報に基づいて回転速度を設定する。包装制御部201は、読取書込部3Rが記録媒体3bから読み取った残量情報に基づいて、巻出巻取モータ35の回転速度を設定する。
巻回体3における包材2の残量が多く、包材2の巻き径が大きい場合、巻回体3の慣性が大きい。そのため、巻回体3の回転速度が大きすぎると、ステッピングモータの特性上、脱調する可能性がある。また、巻回体3の慣性が大きいために包材2に緩みが生じ、この緩みが誤差となり包材2の巻き径判断の精度が低下する。そのため、包材2の残量が多い場合には、回転速度を小さくする。
巻回体3における包材2の残量が少なく、包材2の巻き径が小さい場合、巻回体3の慣性は小さいので、脱調の可能性が小さくなる。また、巻き径が大きい場合と比較して、巻き径が小さいと、同じ長さの包材2を巻き出すために巻回体3をより多く回転する必要がある。そのため、包材2の残量が少ない場合には、回転速度を大きくする。
このように包装制御部201は、巻回体3における包材2の残量に応じて、巻出巻取モータ35の回転速度を設定している。そして、設定動作を終了する(図14の「終了」)。
図15および図16は、初期動作時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作を示すフローチャートである。包装装置1の電源が投入された後に、所定のキーが操作されると、初期動作が開始される。その初期動作のひとつとして、ダンサーローラ23の定位置復帰動作が実行される。
まずステップS101において、退避位置センサ29がオンであるか否かが判断される。包装制御部201は、退避位置センサ29がオン状態であることを示す検出信号の入力の有無に基づいて、退避位置センサ29がオンであるか否かを判断する。退避位置センサ29から検出信号の入力があるとき、ダンサーローラ23が退避位置にあると判断される(ステップS101においてYES)。この場合ステップS102に進み、メインアーム40のロックを解除する。
図12を参照して説明した通り、ダンサーローラ23が退避位置にあるとき、ロックピン47がロック部78と係合しており、メインアーム40はロックされている。ダンサーローラ23を移動可能とするために、メインアーム40のロックが解除される。リニアソレノイドアクチュエータ87がロック部材79を引くことにより、ロック部78によるメインアーム40のロックが解除される。包装装置1を使用するユーザが、ロック解除部26を手動で操作することにより、ロック部78によるメインアーム40のロックが解除されてもよい。
復帰ばね46は、ダンサーローラ23が退避位置から限界位置へ向かう向きに、メインアーム40を付勢している。メインアーム40のロックが解除されると、復帰ばね46の弾性力によってメインアーム40が回転し、これに伴ってダンサーローラ23は、退避位置から限界位置へ向かう向きに移動する。メインアーム40のロックが解除された後にダンサーローラ23がどの位置まで移動するかは、そのときの巻回体3からの包材2の巻き出し量に従って、規定される。
ステップS101の判断において、退避位置センサ29から検出信号の入力がなく、退避位置センサ29がオンではないと判断されると(ステップS101においてNO)、この場合ダンサーローラ23が退避位置にないため、メインアーム40はロックされていない。メインアーム40のロックを解除する必要がないことにより、ステップS102はスキップされる。
次にステップS103において、限界位置センサ27がオンであるか否かが判断される。包装制御部201は、限界位置センサ27がオン状態であることを示す検出信号の入力の有無に基づいて、限界位置センサ27がオンであるか否かを判断する。限界位置センサ27から検出信号の入力がなく限界位置センサ27がオンではないと判断されると(ステップS103においてNO)、ダンサーローラ23が限界位置以外の位置にあることになる。この場合、ダンサーローラ23を限界位置に移動させる処理が行なわれる。
具体的には、ステップS104において、巻回体3からの包材2の巻き出しが開始される。包装制御部201は、包材2を巻回体3から巻き出す方向へ被装着部21を回転駆動させるように、巻出巻取モータ35に対し制御信号を送信する。
続いてステップS105において、限界位置センサ27がオンであるか否かが判断される。限界位置センサ27がオンではなくダンサーローラ23が限界位置にないと判断されると(ステップS105においてNO)、限界位置センサ27がオンになったことが検出されるまで、ステップS105の判断が繰り返され、その間包材2の巻き出しが継続される。限界位置センサ27がオンになったことが検出されると(ステップS105においてYES)、ステップS106に進み、巻回体3からの包材2の巻き出しを終了する。包装制御部201は、巻出巻取モータ35に対し、停止させる制御信号を送信する。
ステップS103の判断において限界位置センサ27がオンであると判断された場合(ステップS103においてYES)、ダンサーローラ23は限界位置にある。ステップS106で包材2の巻き出しが終了したとき、ダンサーローラ23は限界位置にある。ダンサーローラ23が限界位置にあることが検出されると、結合子1を介してステップS107に進み、包材2の巻回体3への巻き取りが開始される。包装制御部201は、包材2を巻回体3へ巻き取る方向へ被装着部21を回転駆動させるように、巻出巻取モータ35に対し制御信号を送信する。
続いてステップS108において、定位置センサ28がオンであるか否かが判断される。定位置センサ28がオンではなくダンサーローラ23が定位置にないと判断されると(ステップS108においてNO)、定位置センサ28がオンになったことが検出されるまで、ステップS108の判断が繰り返される。
定位置センサ28がオンになったことが検出されると(ステップS108においてYES)、次にステップS109において、定位置センサ28がオフであるか否かが判断される。定位置センサ28がオフではなくオンであり、ダンサーローラ23が定位置にあると判断されると(ステップS109においてNO)、定位置センサ28がオフになったことが検出されるまで、ステップS109の判断が繰り返される。
ステップS108およびステップS109の判断が繰り返される間、包材2の巻き取りが継続される。定位置センサ28がオフになり、ダンサーローラ23が定位置から外れたと判断されると(ステップS109においてYES)、ステップS110に進み、巻回体3への包材2の巻き取りを終了する。包装制御部201は、巻出巻取モータ35に対し、停止させる制御信号を送信する。
包材2の巻回体3への巻き取りが終了したとき、ダンサーローラ23は限界位置から定位置を超えて移動しており、定位置と退避位置との間にまでダンサーローラ23が移動している。この状態から、ダンサーローラ23を定位置に再度移動させる処理が行なわれる。
具体的には、ステップS111において、巻回体3からの包材2の巻き出しが開始される。包装制御部201は、包材2を巻回体3から巻き出す方向へ被装着部21を回転駆動させるように、巻出巻取モータ35に対し制御信号を送信する。
続いてステップS112において、定位置センサ28がオンであるか否かが判断される。定位置センサ28がオンではなくダンサーローラ23が定位置にないと判断されると(ステップS112においてNO)、定位置センサ28がオンになったことが検出されるまで、ステップS112の判断が繰り返され、その間包材2の巻き出しが継続される。定位置センサ28がオンになったことが検出されると(ステップS112においてYES)、ステップS113に進み、巻回体3からの包材2の巻き出しを終了する。包装制御部201は、巻出巻取モータ35に対し、停止させる制御信号を送信する。
このようにして、初期動作時におけるダンサーローラの定位置復帰動作が行なわれる。そして、定位置復帰動作を終了する(図16の「終了」)。
図17は、初期動作時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作を実行中の、ダンサーローラ23の移動について示す模式図である。図17において、図中の左右方向に延びる線分は、ダンサーローラ23の移動範囲を示す。3つの両矢印は、図中の左から右へ向かって順に、限界位置センサ27の検出範囲、定位置センサ28の検出範囲、退避位置センサ29の検出範囲を示す。限界位置センサ27、定位置センサ28および退避位置センサ29は、上述した通り、メインアーム40に取り付けられた磁石の磁力を検出してオン状態になる。そのため、限界位置センサ27、定位置センサ28および退避位置センサ29は、各々所定の幅の検出範囲を有している。
上述したステップS104~S106において、ダンサーローラ23は、図17中の符号Aで示される矢印のように、限界位置まで移動する。ステップS107~S110において、ダンサーローラ23は、図17中の符号Bで示される矢印のように、限界位置から定位置を超えて移動する。ステップS111~S113において、ダンサーローラ23は、図17中の符号Cで示される矢印のように、定位置まで移動する。
定位置センサ28のオンの検出で巻出巻取モータ35を停止しようとするとき、巻出巻取モータ35が停止するまでに減速する時間の分、定位置センサ28がオンになった後にもダンサーローラ23の移動が発生する。定位置センサ28が所定の検出範囲を有していることにより、巻回体3を巻き出しながらダンサーローラ23を定位置へ移動させるときにダンサーローラ23が停止する位置と、巻回体3を巻き取りながらダンサーローラ23を定位置へ移動させるときにダンサーローラ23が停止する位置とが、ずれる可能性がある。
本実施形態では、巻回体3を巻き出してダンサーローラ23を定位置に停止させるように、設定されている。ダンサーローラ23を定位置で停止させようとするときのダンサーローラ23の移動の方向を一方の方向に定めることにより、ダンサーローラ23が停止する位置を一定に揃えることができる。これにより、ダンサーローラ23の定位置復帰動作を、確実に実行することができる。
ステップS104~S106における巻回体3の巻き出し、ステップS107~S110における巻回体3の巻き取り、およびステップS111~S113における巻回体3の巻き出しの際の、巻回体3の回転速度は、図14に示されるステップS2で設定された、記録媒体3bから取得した包材2の残量情報に基づいて設定された回転速度とされる。包材2の残量情報に基づいて設定された回転速度で巻回体3を回転させるように巻出巻取モータ35を駆動して、定位置復帰動作を実行する。
これにより、定位置復帰動作のときに、巻出巻取モータ35を最低速度で回転させる必要がなく、巻出巻取モータ35を適切な回転速度で回転させることができる。また包材2の残量を判定するための処理も不要になる。したがって、定位置復帰動作を短時間で実行することができ、初期動作時の復帰動作に要する時間を短縮することができる。
初期動作時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作は、定位置センサ28および限界位置センサ27に異常があるか否かを確認するためのセンサ確認動作も兼ねている。ステップS103~S106でダンサーローラ23を限界位置へ移動させ、ステップSS107~S113でダンサーローラ23を定位置へ移動させている。このダンサーローラ23の移動を、定位置センサ28および限界位置センサ27で検出できているかどうかを確認することで、センサ確認動作を確実に実行することができる。
図18、図19および図20は、巻回体装着時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作を示すフローチャートである。巻回体3を交換する際に、被装着部21に巻回体3が装着された後に所定のキーが操作されると、ダンサーローラ23の定位置復帰動作が実行される。
まずステップS201において、退避位置センサ29がオンでいるか否かが判断される。ステップS202において、メインアーム40のロックを解除する。ステップS201,S202の処理は、図15を参照して説明したステップS101,S102の処理と同様であるので、説明を省略する。
次にステップS203において、定位置センサ28がオンであるか否かが判断される。包装制御部201は、定位置センサ28がオン状態であることを示す検出信号の有無に基づいて、定位置センサ28がオンであるか否かを判断する。定位置センサ28から検出信号の入力があり定位置センサ28がオンであると判断されると(ステップS203においてYES)、ダンサーローラ23は定位置にあることになるが、ダンサーローラ23が停止する位置をさらに一定に揃える処理が行なわれる。
具体的には、結合子2を介してステップS210に進み、巻回体3への包材2の巻き取りが開始される。ステップS210の処理は、図16を参照して説明したステップS107の処理と同様であるので、説明を省略する。
続いてステップS211において、定位置センサ28がオフであるか否かが判断される。ステップS212において、巻回体3への包材2の巻き取りを終了する。ステップS213において、巻回体3からの包材2の巻き出しが開始される。ステップS214において、定位置センサ28がオンであるか否かが判断される。ステップS215において、巻回体3からの包材2の巻き出しを終了する。ステップS211~S215の処理は、図16を参照して説明したステップS109~S113の処理と同様であるので、説明を省略する。巻回体3を巻き出してダンサーローラ23を定位置に停止させることにより、定位置センサ28の検出範囲内でダンサーローラ23が停止する位置を、一定に揃えることができる。
ステップS203の判断において定位置センサ28がオンではなくダンサーローラ23が定位置以外の位置にあると判断されると(ステップS203においてNO)、次にステップS204において、限界位置センサ27がオンであるか否かが判断される。ステップS204の処理は、図15を参照して説明したステップS103と同様であるので、説明を省略する。
限界位置センサ27がオンであると判断された場合(ステップS204においてYES)、ダンサーローラ23を、限界位置から定位置を超えて移動し、さらに定位置まで移動する処理が行なわれる。
具体的には、結合子3を介してステップS216に進み、包材2の巻回体3への巻き取りが開始される。ステップS217において、定位置センサ28がオンであるか否かが判断される。ステップS218において、定位置センサ28がオフであるか否かが判断される。ステップS219において、巻回体3への包材2の巻き取りを終了する。ステップS216~S219の処理は、図16を参照して説明したステップS107~S110の処理と同様であるので、説明を省略する。続いて結合子4を介してステップS213~S215の処理が行なわれる。
ステップS204の判断において限界位置センサ27がオンではなくダンサーローラ23が定位置および限界位置以外の位置にあると判断されると(ステップS204においてNO)、ステップS205において、巻回体3からの包材2の巻き出しが開始される。包装制御部201は、包材2を巻回体3から巻き出す方向へ被装着部21を回転駆動させるように、巻出巻取モータ35に対し制御信号を送信する。
続いてステップS206において、定位置センサ28がオンであるか否かが判断される。定位置センサ28がオンではなくダンサーローラ23が定位置にないと判断されると(ステップS206においてNO)、次にステップS208において、限界位置センサ27がオンであるか否かが判断される。限界位置センサ27がオンではなく、ダンサーローラ23が依然として定位置および限界位置以外の位置にあると判断されると、ステップS206の判断に戻る。定位置センサ28または限界位置センサ27のいずれかがオンになるまで、ステップS206およびステップS207の判断が繰り返され、その間包材の巻き出しが継続される。
ステップS206の判断において定位置センサ28がオンになったことが検出されると(ステップS206においてYES)、ステップS207に進み、巻回体3からの包材2の巻き出しを終了する。この場合、定位置復帰動作を開始したときにはダンサーローラ23が定位置と退避位置との間にあり、巻回体3を巻き出すことでダンサーローラ23を限界位置へ向かう方向に移動させてダンサーローラ23を定位置に停止させたことになる。これによりダンサーローラ23が停止する位置が揃えられているので、結合子5を介して図19に進み、限界位置までダンサーローラ23を移動させることなく、処理を終了する。
ステップS208の判断において限界位置センサ27がオンになったことが検出されると(ステップS208においてYES)、ステップS209に進み、巻回体3からの包材2の巻き出しを終了する。この場合、定位置復帰動作を開始したときにはダンサーローラ23が限界位置と定位置との間にあり、巻回体3を巻き出すことでダンサーローラ23を限界位置へ向かう方向に移動させてダンサーローラ23を限界位置に停止させたことになる。したがって、上述したステップS216~S219の処理、続いてステップS213~S215の処理が行なわれて、巻回体3を巻き出してダンサーローラ23を定位置に停止させる。
このようにして、巻回体装着時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作が行なわれる。そして、定位置復帰動作を終了する(図19の「終了」)。
図21は、巻回体装着時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作を実行中の、ダンサーローラ23の移動について示す模式図である。図21には、図17と同様に、ダンサーローラ23の移動範囲、ならびに、限界位置センサ27、定位置センサ28および退避位置センサ29の検出範囲が示されている。
上述したステップS203,S210~S215で説明した通り、定位置復帰動作の開始時にダンサーローラ23が定位置にあるとき、図21中の符号Dで示される矢印のように、ダンサーローラ23は、定位置から一旦退避位置へ向かい、再び定位置へ戻るように移動する。
ステップS204,S216~S219,S213~S215で説明した通り、定位置復帰動作の開始時にダンサーローラ23が限界位置にあるとき、図21中の符号Eで示される矢印のように、ダンサーローラ23は、限界位置から定位置を超えて移動し、再び定位置へ戻るように移動する。
ステップS205~S207で説明した通り、定位置復帰動作の開始時にダンサーローラ23が定位置と退避位置との間にあるとき、図21中の符号Fで示される矢印のように、ダンサーローラ23は定位置まで移動する。
ステップS205,S208~S209,S216~S219,S213~S215で説明した通り、定位置復帰動作の開始時にダンサーローラ23が限界位置と定位置との間にあるとき、図21中の符号Gで示される矢印のように、ダンサーローラ23は、一旦限界位置まで移動し、限界位置から定位置を超えて移動し、再び定位置へ戻るように移動する。
このように、巻回体3を巻き出してダンサーローラ23を定位置に停止させており、ダンサーローラ23を定位置で停止させようとするときのダンサーローラ23の移動の方向が一方の方向に定められている。ダンサーローラ23が停止する位置を一定に揃えることにより、ダンサーローラ23の定位置復帰動作を、確実に実行することができる。
ステップS205~S207およびステップS205~S209における巻回体3の巻き出し、ステップS210~S212における巻回体3の巻き取り、ステップS213~S215における巻回体3の巻き出し、およびステップS216~S219における巻回体3の巻き取りの際の、巻回体3の回転速度は、図14に示されるステップS2で設定された、記録媒体3bから取得した包材2の残量情報に基づいて設定された回転速度とされる。包材2の残量情報に基づいて設定された回転速度で巻回体3を回転させるように巻出巻取モータ35を駆動して、定位置復帰動作を実行する。
これにより、定位置復帰動作のときに、巻出巻取モータ35を最低速度で回転させる必要がなく、巻出巻取モータ35を適切な回転速度で回転させることができる。また包材2の残量を判定するための処理も不要になる。したがって、定位置復帰動作を短時間で実行することができ、巻回体装着時の復帰動作に要する時間を短縮することができる。
巻回体装着時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作は、初期動作時と異なり、センサ確認動作を兼ねていない。ステップS203,S206において、定位置センサ28がオンの場合は、限界位置までダンサーローラ23を移動させることなく、復帰動作を終了する。ダンサーローラ23の移動を少なくすることにより、定位置復帰動作に要する時間を確実に短縮することができる。
図22は、分包動作における巻出巻取部および搬送部による動作を示すフローチャートである。図22に示すように、包装装置1による包装対象物の分包動作が開始されると、まずステップS301において、巻回体3における包材2の残量を示す残量情報を、ICタグから取得する。ステップS302において、残量情報に基づいて回転速度を設定する。ステップS301~S302の処理は、図14を参照して説明したステップS1~S2の処理と同様であるので、説明を省略する。
次にステップS303において、包装装置1が包装開始後現時点までに包装した包装物の数が指定包数に到達したかどうかを判断する。指定包数に到達していないと判断されると(ステップS303においてNO)、次にステップS304において、搬送部による包材2の搬送動作を開始する。包装制御部201は、搬送モータ8mを駆動する制御信号を、搬送モータ8mに送信する。包材2の搬送動作中、包装制御部201は、巻出巻取モータ35の停止を維持する制御信号を、巻出巻取モータ35に送信する。そのため、巻回体3からの包材2の巻き出しは行なわれない。
続いてステップS305において、搬送動作が終了したか否かが判断される。包装制御部201は、搬送モータ8mの駆動量に基づいて、包材2の搬送距離を算出する。包材2が、包装物の一包分の長さだけ搬送されると、包材2の搬送動作を終了する。包装制御部201は、搬送モータ8mを停止する制御信号を、搬送モータ8mに送信する。包材2の搬送動作が終了した時点で、ダンサーローラ23は、定位置から搬送時移動位置へ移動している。次にステップS306において、巻出巻取部による巻き出し動作が開始される。
図23は、巻出巻取部による巻き出し動作の第一の例を示すフローチャートである。図23には、ステップS306で行なわれる巻き出し動作のサブルーチンの一例を示すフローチャートが、図示されている。
図23を参照して、まずステップS401において、巻回体3からの包材2の巻き出しが開始される。包装制御部201は、包材2を巻回体3から巻き出す方向へ被装着部21を回転駆動させるように、巻出巻取モータ35に対し制御信号を送信する。このとき、包装制御部201は、ステップS302で設定された包材2の残量情報に基づく回転速度で、巻出巻取モータ35を回転駆動している。
続いてステップS402において、定位置センサ28がオンであるか否かが判断される。定位置センサ28がオンではなくダンサーローラ23が定位置にないと判断されると(ステップS402においてNO)、ダンサーローラ23が定位置にあることが検出されるまで、ステップS402の判断が繰り返され、その間包材2の巻き出しが継続される。ダンサーローラ23が定位置にあると判断されると(ステップS402においてYES)、ステップS403に進み、巻回体3からの包材2の巻き出しを終了する。包装制御部201は、巻出巻取モータ35に対し、停止させる制御信号を送信する。
巻き出し動作において、ダンサーローラ23は、搬送時移動位置から定位置まで移動する。搬送時移動位置は、搬送方向DRにおける包装物の一包分の長さに応じて変化する。包装物の一包分の長さと搬送時移動位置との関係は、予め包装制御部201に記憶されている。包装制御部201は、包装物の一包分の長さに応じて、巻き出し動作におけるダンサーローラ23の移動距離を導出する。
巻き出し動作が終了すると、次にステップS404において、巻回体3における包材2の残量の判定が行なわれる。ステップS401において巻出巻取モータ35による巻回体3の駆動を開始してから、ステップS402においてダンサーローラ23が定位置にあることが検出されるまでの間の、ステッピングモータのステップ数をカウントする。ダンサーローラ23が搬送時移動位置から定位置まで移動する間のステッピングモータのステップ数をカウントすることにより、巻回体3における包材2の巻き径が判定される。巻出巻取モータ35のステップ数に基づいて包材2の巻き径を求めることによって、巻回体3における包材2の残量を判定することができる。
包材2の巻き径が小さいと、ダンサーローラ23を一定距離移動させるまでに必要な包材2の回転数が大きくなり、このときステッピングモータのステップ数が大きくなる。包材2の巻き径が大きいと、ダンサーローラ23を一定距離移動させるまでに必要な包材2の回転数が小さくなり、このときステッピングモータのステップ数が小さくなる。したがって、ステッピングモータのステップ数と包材2の残量との関係を予め包装制御部201に記憶させておくことで、巻出巻取モータ35のステップ数に基づいて、巻回体3における包材2の残量を判定することができる。
次にステップS405において、ステップS404で判定された包材2の残量の判定結果を、残量情報としてICタグに書き込む。読取書込部3R(図13)は、巻回体3の芯管3aに設けられているICタグ、すなわち記録媒体3b(図2)へアクセスし、記録媒体3bに残量情報を書き込む。これにより、記録媒体3bに記録されている残量情報が更新される。
図23に示される第一の例では、一包分の巻き出し動作を実行するたびに、ICタグに残量情報を書き込む。そして、巻き出し処理を終了する(図23の「終了」)。
図24は、巻出巻取部による巻き出し動作の第二の例を示すフローチャートである。図24には、ステップS306で行なわれる巻き出し動作のサブルーチンの他の例を示すフローチャートが、図示されている。
図24を参照して、まずステップS501において、巻回体3からの包材2の巻き出しが開始される。包装制御部201は、包材2を巻回体3から巻き出す方向へ被装着部21を回転駆動させるように、巻出巻取モータ35に対し制御信号を送信する。このとき、包装制御部201は、ステップS302で設定された包材2の残量情報に基づく回転速度で、巻出巻取モータ35を回転駆動している。
続いてステップS502において、定位置センサ28がオンであるか否かが判断される。定位置センサ28がオンではなくダンサーローラ23が定位置にないと判断されると(ステップS502においてNO)、ダンサーローラ23が定位置にあることが検出されるまで、ステップS502の判断が繰り返され、その間包材2の巻き出しが継続される。ダンサーローラ23が定位置にあると判断されると(ステップS502においてYES)、ステップS503に進み、巻回体3からの包材2の巻き出しを終了する。包装制御部201は、巻出巻取モータ35に対し、停止させる制御信号を送信する。
巻き出し動作が終了すると、次にステップS504において、巻回体3における包材2の残量の算出が行なわれる。ステップS501において巻出巻取モータ35による巻回体3の駆動を開始してから、ステップS502においてダンサーローラ23が定位置にあることが検出されるまでの間の、ステッピングモータのステップ数をカウントする。ダンサーローラ23が搬送時移動位置から定位置まで移動する間のステッピングモータのステップ数に基づいて、巻回体3における包材2の残量を算出することができる。
次に、ステップS505において、ステップS504で算出された包材2の残量の算出結果と、現在の残量情報とを比較して、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいかどうかを判断する。つまり、ステップS301において記録媒体3bから取得した、この時点で記録媒体3bに記録されている包材2の残量よりも、今回算出した包材2の残量の方が、小さくなっているか否かを判断する。
包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断されれば(ステップS405においてYES)、次にステップS506において、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断した回数に1を加算する。より具体的には、ステップS405の時点で包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断した回数がN(Nはゼロ以上の整数)回であれば、ステップS506において回数を(N+1)回とする。たとえば、ステップS505の時点で包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断した回数が2回であれば、ステップS506において回数を3回とする。
次にステップS507において、ステップS506で加算した後の回数が、閾値以上であるかどうかを判断する。回数が閾値以上であると判断されると(ステップS507においてYES)、ステップS508に進み、ステップS504で判定された包材2の残量の判定結果を、残量情報としてICタグに書き込む。たとえば、ステップS507の判断に用いられる閾値が5である場合、5回連続して包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断できたときに、記録媒体3bに残量情報を書き込み、記録媒体3bに記録されている残量情報を更新する。
ステップS504で算出された包材2の残量の最新の算出結果を残量判定結果とすることで、残量情報を更新してもよい。たとえば、ステップS507の判断に用いられる閾値が5である場合、5回連続して包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断できたときに、5回目の算出結果を新たな残量情報として記録媒体3bに記録してもよい。
または、ステップS504で算出された包材2の残量の複数の算出結果のうち、最大の算出結果を残量情報とすることで、残量情報を更新してもよい。たとえば、ステップS507の判断に用いられる閾値が5である場合、5回連続して包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断できたときに、5つの算出結果のうち最も大きい算出結果を、新たな残量情報として記録媒体3bに記録してもよい。
または、ステップS504で算出された包材2の残量の複数の算出結果のうち、もっとも頻度の高い算出結果を残量情報とすることで、残量情報を更新してもよい。たとえば、ステップS507の判断に用いられる閾値が5であり、5回連続して包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断できた場合に、5つの算出結果のうち4つは同じ値であるが他の1つは異なるとき、値の異なる1つの算出結果を除いた4つの算出結果と同じ値を、新たな残量情報として記録媒体3bに記録してもよい。
または、包材2の残量に複数の段階が設定されている場合、残量を一段階小さくすることで、残量情報を更新してもよい。たとえば、ステップS507の判断に用いられる閾値が5である場合、5回連続して包材2の残量の算出結果が現在の段階の残量よりも小さいと判断できたときに、5つの算出結果とは無関係に、残量を一段階小さくし、新たな残量情報として記録媒体3bに記録してもよい。
このようにして、記録媒体3bに記録される残量情報を更新する。ステップS509において、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断した回数を初期化する。つまり、回数をゼロにする。そして、巻き出し動作を終了する。
ステップS507の判断において、回数が閾値未満であると判断されると(ステップS507においてNO)、残量情報を更新することなく、巻き出し動作を終了する。
ステップS505の判断において、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報以上であると判断されれば(ステップS505においてNO)、ステップS510に進み、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断した回数を初期化する。つまり、回数をゼロにする。そして、残量情報を更新することなく、巻き出し動作を終了する。
代替的には、ステップS505の判断において包材2の残量の算出結果が現在の残量情報以上であると判断された場合、何も行なわずにそのまま巻き出し動作を終了してもよい。つまり、ステップS505においてNOの場合、図24に示すステップS510をスキップして、そのまま巻き出し動作を終了してもよい。この場合は、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報以上であると判断されても、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断した回数が初期化されない。その結果、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断した回数を累積して閾値以上となった場合に、残量情報が更新される。
たとえば、ステップS507の判断に用いられる閾値が5である場合、4回連続して包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断され、5回目の判断で包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも大きいと判断され、6回目の判断で包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断されれば、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報よりも小さいと判断した回数を累積して閾値以上となるので、記録媒体3bに記録されている残量情報を更新する。
図24に示される第二の例では、残量の判定結果が変化したときにのみ、ICタグに残量情報を書き込む。そして、巻き出し処理を終了する(図24の「終了」)。
図25は、巻出巻取部による巻き出し動作の第三の例を示すフローチャートである。図25には、ステップS306で行なわれる巻き出し動作のサブルーチンのさらに他の例を示すフローチャートが、図示されている。
図25に示すステップS601~S604では、図24を参照して説明したステップS501~S504と、同じ処理が行なわれる。
巻回体3における包材2の残量を算出した後、ステップS605において、ステップS604で算出された包材2の残量の算出結果と、現在の残量情報とを比較して、包材2の残量の算出結果が現在の残量とは異なるかどうかを判断する。つまり、ステップS301において記録媒体3bから取得した、この時点で記録媒体3bに記録されている包材2の残量が、今回算出した包材2の残量とは異なっているか否かを判断する。
包材2の残量の算出結果が現在の残量情報と異なっていると判断されれば(ステップS605においてYES)、次にステップS606において、ステップS604で算出された包材2の残量の算出結果が、前回の巻き出し動作において算出された包材2の残量の算出結果と一致しているかどうかを判断する。
包材2の残量の算出結果が前回の算出結果と一致していると判断されれば(ステップS606においてYES)、次にステップS607において、包材2の残量の算出結果が前回の算出結果と一致していると判断した回数に1を加算する。より具体的には、ステップS606の時点で包材2の残量の算出結果が前回の算出結果と一致していると判断した回数がN(Nはゼロ以上の整数)回であれば、ステップS607において当該回数を(N+1)回とする。たとえば、ステップS606の時点で包材2の残量の算出結果が前回の算出結果と一致していると判断した回数が2回であれば、ステップS607において回数を3回とする。
ステップS606の判断において、包材2の残量の算出結果が前回の算出結果と一致していないと判断された場合(ステップS606においてNO)、ステップS607の回数を加算する処理はスキップされる。
次にステップS608において、ステップS607で加算した後の回数が、閾値以上であるかどうかを判断する。回数が閾値以上であると判断されると(ステップS608においてYES)、ステップS609に進み、ステップS504で算出された包材2の残量の算出結果を、新たな残量情報として記録媒体3bに記録する。たとえば、ステップS608の判断に用いられる閾値が5である場合、5回連続して包材2の残量の算出結果が前回の算出結果と一致していると判断できたときに、5回目の算出結果を新たな残量情報として記録媒体3bに書き込み、記録媒体3bに記録されている残量情報を更新する。
ステップS610において、包材2の残量の算出結果が前回の算出結果と一致していると判断した回数を初期化する。つまり、回数をゼロにする。そして、巻き出し動作を終了する。
ステップS608の判断において、回数が閾値未満であると判断されると(ステップS608においてNO)、包材2の残量の算出結果を残量判定結果に反映することなく、巻き出し動作を終了する。
ステップS605の判断において、包材2の残量の算出結果が現在の残量情報と同じであると判断された場合(ステップS605においてNO)、ステップS611に進み、包材2の残量の算出結果が前回の算出結果と一致していると判断した回数を初期化する。つまり、回数をゼロにする。そして、包材2の残量の算出結果を残量情報に反映することなく、巻き出し動作を終了する。
図25に示される第三の例においても、残量の判定結果が変化したときにのみ、ICタグに残量情報を書き込む。そして、巻き出し処理を終了する(図25の「終了」)。
図22に戻って、ステップS306における巻き出し動作が終了すると、次にステップS307において、搬送部による包材2の停止中に行なわれるべき、上述した熱融着、印刷、ミシン目の形成および切断などの所定動作が、全て終了したか否かが判断される。所定動作が全て終了するまで、ステップS307の判断が繰り返される。
所定動作が全て終了すると(ステップS307においてYES)、ステップS301の処理に戻る。ステップS301の包材2の残量情報を取得する処理、ステップS302の回転速度を設定する処理の後、ステップS303の現時点までに包装した包装物の数が指定包数に到達したかどうかの判断が再び行なわれる。包装装置1が包装した包装物の数が指定包数に到達するまで、ステップS304~ステップS307に従って、包材2の搬送と巻回体3からの包材2の巻き出しとが繰り返される。指定包数に到達したと判断されると(ステップS303においてYES)、巻出巻取部および搬送部による一連の分包動作を終了する(図22の「終了」)。
ステップS301,S302における、包材2の残量情報に基づく回転速度の設定は、分包動作の最初のみに行なわれてもよい。つまり、ステップS307において所定動作が全て終了したと判断されたとき、ステップS303の判断に戻るように、分包動作に係る一連の処理が行なわれてもよい。
本実施の形態の包装装置1は、位置検出部による検出結果に基づいてダンサーローラ23の移動距離を算出し、また、ステッピングモータである巻出巻取モータ35のステップ数をカウントすることによりダンサーローラ23の移動中の巻出巻取モータ35の駆動量を計測している。ダンサーローラ23の移動量に対する巻出巻取モータ35の駆動量から、巻回体3における包材2の残量を算出する。
ダンサーローラ23が定位置または限界位置にあることを検出するために設けられた位置検出部と、巻回体3を回転させて包材2を巻回体3から巻き出すための駆動力を発生する巻出巻取モータ35とを用いて、包材2の残量が算出される。他に用途のある部品のみを用いて、換言すると包材2の残量を算出するための専用の部品を追加する必要なく、巻回体3における包材2の残量を算出できる。したがって、包装装置1の構成を簡略化することができる。
静電気などが原因で巻回体3に包材2が貼り付いて、巻回体3を回転させても包材2が巻き出されない場合がある。巻回体3から巻き出される包材2の量が本来の量よりも少ないと、ダンサーローラ23を所定距離移動させるための巻出巻取モータ35の駆動量が大きくなり、包材2の残量の算出結果が実際の残量よりも少なくなる。実際の包材2の残量よりも少ない算出結果に基づいて、包材2の残量が少なくなったと判断して巻出巻取モータ35の回転速度を増大すると、過大な速度で巻回体3が回転して、ステッピングモータの脱調、包材2の緩みなどが生じる可能性がある。
そこで、本実施の形態の包装装置1では、複数の算出結果に基づいて、残量判定結果を更新する。包材2の残量を算出するときの巻出巻取モータ35の回転数が大きく包材2の残量が少なくなったと一回検出されたとしても、そのときの包材2の残量の算出結果を残量判定結果とするのではなく、包材2の残量が少なくなったことを複数回判断できた時点で、残量判定結果を更新する。このようにすれば、包材2の残量の算出結果の一時的な変動が残量判定結果に反映されることがなくなり、包材2の残量の検出精度を向上することができる。したがって、実際の包材2の残量に対して過大な速度で巻回体3を回転させる事象の発生を、抑制することができる。
巻回体3への包材2の貼り付きなどが原因で巻回体3から巻き出される包材2の量が少なかったとしても、包材2の貼り付きが解消されれば、巻回体3の回転に従った本来の巻き出しに復帰し、本来の包材2の残量が算出される。
包材2の残量情報の更新においては、巻回体3における包材2の残量が減るような更新がなされる。分包動作が実行されるにつれて巻回体3から包材2が巻き出されていくので、記録媒体3bに既に記録されている包材2の残量よりも、新たに書き込まれる包材2の残量のほうが、常に小さい。
図26は、初期動作時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作の他の例を示すフローチャートである。図27は、初期動作時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作の他の例を実行中の、ダンサーローラ23の移動について示す模式図である。
図26,27に示される初期動作時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作の他の例は、ダンサーローラ23を定位置に停止させるときのダンサーローラ23の移動において、図15~17に示される例と異なっている。ステップS701~S708においては、図15,16に示されるステップS101~S108と同じ処理が行なわれる。
ステップS708において定位置センサ28がオンになったことが検出されると(ステップS108においてYES)、次にステップS709において、巻回体3への包材2の巻き取りを終了する。図16に示す例のようにダンサーローラ23を定位置を超えて移動させるのではなく、包材2を巻き取ってダンサーローラ23を定位置に停止させるように、設定されている。
図26に示される例では、図16に示されるステップS109,S111~S113の処理が省略されている。図17と比較して、図27では、符号Bで示される矢印のように、限界位置から定位置に到達した時点でダンサーローラ23が停止しており、図17の符号Cで示される矢印に相当するダンサーローラ23の移動はない。このように、ダンサーローラ23の移動距離が短縮されていることにより、定位置復帰動作をより短時間で完了することができる。
図28は、巻回体装着時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作の他の例を示すフローチャートである。図29は、巻回体装着時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作の他の例を実行中の、ダンサーローラ23の移動について示す模式図である。
図28,29に示される巻回体装着時におけるダンサーローラ23の定位置復帰動作の他の例は、ダンサーローラ23を定位置に停止させるときのダンサーローラ23の移動において、図18~21に示される例と異なっている。ステップS801~S809においては、図18に示されるステップS201~S209と同じ処理が行なわれる。
ステップS803において定位置センサ28がオンであることが検出されると(ステップS803においてYES)、包材2の巻き取りおよび巻き出しを行なうことなく、そのまま復帰動作を終了する。
ステップS804において限界位置センサ27がオンであることが検出されると(ステップS804においてYES)、ステップS810に進み、図20に示されるステップS216と同様に、包材2の巻回体3への巻き取りが開始される。ステップS811において、定位置センサ28がオンになったことが検出されるまで、定位置センサ28がオンであるか否かの判断が繰り返される。
定位置センサ28がオンになったことが検出されると(ステップS811においてYES)、次にステップS812において、巻回体3への包材2の巻き取りを終了する。図20に示す例のようにダンサーローラ23を定位置を超えて移動させるのではなく、包材2を巻き取ってダンサーローラ23を定位置に停止させるように、設定されている。
ステップS809において巻回体3からの包材2の巻き出しが終了すると、ステップS810~S812の、ダンサーローラ23が定位置に到達するまで包材2を巻き取る処理が行なわれて、復帰動作を終了する。
図28に示される例では、図19,20に示されるステップS210~S215,S218の処理が省略されている。図21と比較して、図29では、符号Dにおいてダンサーローラ23の移動はなく定位置に停止したままとされ、符号E,Gに示される矢印のように限界位置から定位置に到達した時点でダンサーローラ23が停止して、復帰動作を終了している。このように、復帰動作中のダンサーローラ23の移動距離が短縮されていることにより、定位置復帰動作をより短時間で完了することができる。
次に、巻回体3の製造方法について説明する。図30は、巻回体3の製造方法の第一のを示すフローチャートである。図31は、巻回体3の製造方法の第一の例を模式的に示す図である。
巻回体3の製造方法においては、図30に示されるように、まず、芯管3aを準備する(ステップS1001)。図31に示されるように、図2を参照して説明した記録媒体3bを有する芯管3aが準備される。または、記録媒体3bが包材2の巻き始めの部分に貼り付けられている例の場合など、記録媒体3bを有していない芯管3aが準備されてもよい。
次に、芯管3aに包材2を巻回する(ステップS1002)。図31に示されるように、芯管3aに包材2が巻回されることにより、巻回体3が作成される。
最後に、ステップS1002で芯管3aに巻回される包材2の量を、巻回体3における包材2の残量を示す残量情報として、記録媒体3bに書き込む(ステップS1003)。これにより、作成された巻回体3を包装装置1に装着したときに、記録媒体3bに記録された包材2の残量情報に基づいて設定された適切な回転速度で巻回体3を回転させることが可能になる。したがって、巻回体装着時の復帰動作に要する時間を短縮することができる。そして、巻回体3の製造に係る処理を終了する(図30の「終了」)。
ステップS1001では、先に巻回されていた包材2を使い終えた後の芯管3aを準備し、ステップS1002で、その芯管3aに、新しい包材2を巻回してもよい。この場合、ステップS1003では、ステップS1002で芯管3aに巻回される包材2の量を、巻回体3における包材2の残量を示す残量情報として、記録媒体3bに書き込むことで、記録媒体3bに既に記録されている残量情報を上書き更新する。
また、芯管3aに巻回される包材2の量が予め決まっている場合は、ステップS1002とステップS1003との順序を入れ替えてもよい。
図32は、巻回体3の製造方法の第二の例を示すフローチャートである。図33は、巻回体3の製造方法の第二の例を模式的に示す図である。
巻回体3の製造方法の第二の例においては、図32に示されるように、まず、芯管3aを準備する(ステップS1101)。図33に示されるように、図2を参照して説明した記録媒体3bを有する芯管3aが準備される。または、記録媒体3bが包材2の巻き始めの部分に貼り付けられている例の場合など、記録媒体3bを有していない芯管3aが準備されてもよい。
一方、中空円筒状の筒部3cを準備する(ステップS1102)。筒部3cは、芯管3aの外径よりもわずかに大きい内径を有している。続いて筒部3cに包材2を巻回して(ステップS1103)、巻回物3Xを形成する(ステップS1104)。ステップS1101における芯管3aの準備と、ステップS1102~S1104における巻回物3Xの準備とは、平行して行なわれてもよく、いずれか一方の処理の後にいずれか他方の処理が行なわれてもよい。巻回体3の製造設備の設置場所とは異なる場所で巻回物3Xが形成されてもよい。
次に、芯管3aを筒部3cに挿入して、巻回物3Xと芯管3aとを一体化する(ステップS1105)。たとえば、中空円筒状の筒部3cの中空部分に、芯管3aを輪ゴムを巻いた状態で挿入することにより、巻回物3Xと芯管3aとを一体化することができる。このようにして、巻回体3が作成される。
最後に、ステップS1103で筒部3cに巻回された包材2の量を、巻回体3における包材2の残量を示す残量情報として、記録媒体3bに書き込む(ステップS1106)。これにより、作成された巻回体3を包装装置1に装着したときに、記録媒体3bに記録された包材2の残量情報に基づいて設定された適切な回転速度で巻回体3を回転させることが可能になる。したがって、巻回体装着時の復帰動作に要する時間を短縮することができる。そして、巻回体3の製造に係る処理を終了する(図32の「終了」)。
ステップS1101では、先に巻回されていた包材2を使い終えた後の芯管3aを準備し、ステップS1105で、その芯管3aと巻回物3Xとを一体化してもよい。この場合、ステップS1106では、ステップS1103で筒部3cに巻回された包材2の量を、巻回体3における包材2の残量を示す残量情報として、記録媒体3bに書き込むことで、記録媒体3bに既に記録されている残量情報を上書き更新する。
また、筒部3cに巻回される包材2の量が予め決まっている場合は、ステップS1105とステップS1106との順序を入れ替えてもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。