JP6865874B2 - プレストレストコンクリート床版およびプレストレストコンクリート床版を用いた床版の施工方法 - Google Patents
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架け替え工事に使用する床版が軽量であれば、既存の橋脚への負担を軽減することが可能となり、ひいては、橋梁全体の耐震性の向上を図ることができる。
また、プレキャスト床版の軽量化により施工性の向上を図ることもできる。
プレストレストコンクリート床版では、PC鋼材と鉄筋とを配置するのが一般的である。PC鋼材および鉄筋の配置を考慮すると、プレストレストコンクリート床版の基本的な形状としては、平板構造とするのが効率的であった(例えば、特許文献1参照)。
このような観点から、本発明は、軽量化による橋梁全体の耐震性の向上を図ることが可能なプレストレストコンクリート床版およびプレストレストコンクリート床版を用いた床版の施工方法を提案することを課題とする。
かかるプレストレストコンクリート床版によれば、隣り合う前記プレストレストコンクリート床版を当接させたときに前記切り欠き部同士および前記貫通孔同士が連通していても良い。
前記橋軸方向リブに前記緊張材を挿通し、ポストテンション方式によってプレストレスを導入し、当接した前記接合リブを跨ぐように前記貫通孔に鋼棒を挿通し、前記鋼棒の端部をナットで螺着することを特徴としている。
また、本発明のプレストレストコンクリート床版を用いた床版の施工方法は、前記プレストレストコンクリート床版を橋軸方向に複数配置し、当接した前記接合リブを跨ぐように前記貫通孔に鋼棒を挿通し、前記鋼棒の端部をナットで螺着し、前記橋軸方向リブに前記緊張材を挿通してプレストレスを導入することを特徴としている。
そして、PC鋼材を格子状リブに配置することで、板部の薄肉化を可能としている。そのため、板部は、例えば最小部材厚を40mm以下としてもよい。
前記橋軸直角方向リブや横リブにプレテンション方式によってプレストレスが導入されており、前記橋軸方向リブや縦リブにポストテンション方式によってプレストレスが導入されるため、プレストレスをむらなく導入することが可能となる。
なお、前記橋軸方向リブや縦リブと前記橋軸直角方向リブや横リブとの交差部において、少なくとも一対のプレテンション用のPC鋼材が、ポストテンション用のPC鋼材を挟んで対向する位置に配設されているのが望ましい。
板部2の板厚は、想定される上載荷重や自重等に応じて適宜設定すればよいが、本実施形態では、最小部材板厚tminを40mm以下とする(図2の(a)参照)。なお、板部2の最小部材板厚tminは40mm以下に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
増厚部の高さ(肉厚)は、新設の床版1を利用して構築された橋梁の路面高さが、改修前の路面高さと同じとなるように設定する。
なお、増厚部の断面形状は限定されるものではなく、例えば、断面視矩形や台形状に形成すればよい。
縦リブ31および横リブ32には、緊張材(PC鋼材)4によってプレストレスが導入されている。
接合部5には、管材40の位置に対応して、ボルトボックス(切り欠き部)50が形成されている。
鋼棒41の両端部は、ボルトボックス50内に突出しており、ボルトボックス50内においてナット43を螺合することで、接合部5に固定する。
PC鋼より線42は、横リブ32の断面内に埋設されており、横リブ32内において定着している。
なお、PC鋼より線42の配置や本数は限定されるものではない。また、横リブ32に埋設される緊張材4はPC鋼より線に限定されるものではなく、例えばPC鋼棒であってもよい。
接合部PC鋼棒52の一方の端部は一方の床版1の接合部5の端面から突出し、他方の端部は他方の床版1の接合部5の端面から突出している。この接合部PC鋼棒52の両端部(突出部分)にナット53を螺着と、床版1同士が連結される。
まず、予めPC鋼より線42により橋軸方向LGと直交する方向にプレストレスが導入された床版1を橋桁上に載置する。床版1は、先行して橋桁上に載置された他の床版1と、接合部5同士を突き合わせた状態で設置する。
なお、鋼棒41は、予め管材40に挿通しておいてもよいし、橋桁上に床版1を載置してから、管材40に挿通してもよい。
床版1の軽量化により、死荷重を低減し、ひいては、橋脚ならびにフーチング等の基礎の耐震性能の向上も図ることができる。
また、プレストレスは格子状リブ3を介して導入されるため、従来の平板構造の床版に比べて、プレストレスの導入効率が良い。
例えば、前記実施形態では、本発明のプレストレストコンクリート床版を、既設の橋梁の床版の架け替えに使用する場合について説明したが、プレストレストコンクリート床版の使用目的はこれに限定されるものではなく、例えば、新設の橋梁に使用してもよい。
2 板部
3 格子状リブ
31 縦リブ(橋軸方向リブ)
32 横リブ(橋軸直角方向リブ)
4 緊張材(PC鋼材)
41 PC鋼棒(ポストテンション用のPC鋼材)
42 PC鋼より線(プレテンション用のPC鋼材)
Claims (6)
- 橋梁の橋軸方向に複数配置することで床版を形成することが可能な繊維補強コンクリートを用いたプレストレストコンクリート床版であって、
前記プレストレストコンクリート床版は平面視矩形形状を成し、板部と、
前記板部の下面に形成された橋軸方向リブおよび橋軸直角方向リブとからなる格子状リブと、
前記橋軸直角方向リブと平行に間隔をあけて前記板部の下面および端部に前記橋軸方向リブと接合するように形成され、隣接するプレストレストコンクリート床版と当接可能に配置された接合リブと、を備え、
前記橋軸方向リブにはポストテンション方式による緊張材を挿通可能に形成されていて、前記橋軸直角方向リブにプレテンション方式によってプレストレスが導入されており、
前記接合リブの前記橋軸方向リブの延長する端部には前記緊張材の端部を固定可能な切り欠き部が形成されており、
前記接合リブの隣接する前記切り欠き部の間には貫通孔が形成されていることを特徴とする、プレストレストコンクリート床版。 - 隣り合う前記プレストレストコンクリート床版同士を当接させたときに前記切り欠き部同士および前記貫通孔同士が連通することを特徴とする、請求項1に記載のプレストレストコンクリート床版。
- 請求項2に係るプレストレストコンクリート床版を橋軸方向に複数配置し、
前記プレストレストコンクリート床版の前記橋軸方向リブに前記緊張材を挿通し、ポストテンション方式によってプレストレスを導入し、
当接した前記接合リブを跨ぐように前記貫通孔に鋼棒を挿通し、
前記鋼棒の端部をナットで螺着することを特徴とするプレストレストコンクリート床版を用いた床版の施工方法。 - 請求項2に係るプレストレストコンクリート床版を橋軸方向に複数配置し、
当接した前記接合リブを跨ぐように前記貫通孔に鋼棒を挿通し、
前記鋼棒の端部をナットで螺着し、
前記橋軸方向リブに前記緊張材を挿通してプレストレスを導入することを特徴とするプレストレストコンクリート床版を用いた床版の施工方法。 - 繊維補強コンクリートを用いたプレストレストコンクリート床版であって、
板部と、前記板部の下面に形成された縦リブおよび横リブとからなる格子状リブと、を備え、
前記縦リブにポストテンション方式によってプレストレスが導入されていて、前記横リブにプレテンション方式によってプレストレスが導入されており、
前記縦リブの端部には、緊張材の端部を固定可能なボルトボックスが形成されていることを特徴とする、プレストレストコンクリート床版。 - 前記縦リブと前記横リブとの交差部において、
少なくとも一対のプレテンション用のPC鋼材が、ポストテンション用のPC鋼材を挟んで対向する位置に配設されていることを特徴とする、請求項5に記載のプレストレストコンクリート床版。
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