JP6865125B2 - データ読取装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の鍵管理システム(鍵管理装置)では、複数のICタグとの間で電磁誘導作用を用いた無線通信により非接触で当該複数のICタグのデータをそれぞれ読み取るために、複数のループアンテナ(ループコイル)を並設させている。
すなわち、使用対象であるループアンテナについては、メインループアンテナとダミーアンテナとを接続していないため、電磁波の送信に寄与する開口面積は、メインループアンテナの開口面積となり、比較的に大きい。このため、使用対象であるループアンテナからは問題なく電磁波が送信される。一方、非使用対象であるループアンテナについては、メインループアンテナとダミーアンテナとを接続するため、電磁波の送信に寄与する開口面積は、メインループアンテナとダミーアンテナとの間で形成される環形状の開口面積となり、比較的に小さい。このため、使用対象であるループアンテナにて発生した磁場により非使用対象であるループアンテナが励磁された場合であっても、当該非使用対象であるループアンテナから電磁波が送信されることを抑制することができる。
したがって、本発明に係るデータ読取装置によれば、複数のループアンテナ間の間隔を狭めて小型化を図りつつ、データの読み取り不良を抑制することができる、という効果を奏する。
〔鍵管理システムの構成〕
図1は、本実施の形態1に係る鍵管理システム1の構成を模式的に示す図である。
鍵管理システム1は、複数の鍵にそれぞれ固定されたコネクタにおけるRFIDタグを利用して、当該複数の鍵の貸し出し及び返却を管理するシステムである。
図2は、コネクタ100の構成を示す斜視図である。
コネクタ100は、全ての鍵(図示略)毎にそれぞれ設けられている。なお、全てのコネクタ100は、同一の構成を有しているため、以下では、一つのコネクタ100の構成について説明する。このコネクタ100は、プレート110と、RFIDタグ120とを備える。
プレート110は、長尺状の直方体形状を有する。そして、プレート110の一端側には、鍵を固定するための固定用孔111が形成されている。
RFIDタグ120は、回路基板121と、コネクタ側ループアンテナ122と、ICチップ123と、共振用コンデンサ124とを備える。
回路基板121は、プレート110の一つの側面に露出するように配設されている。なお、回路基板121としては、プレート110の内部に設けても構わない。
ICチップ123は、コネクタ側ループアンテナ122及び共振用コンデンサ124に導通するように回路基板121上に実装されている。このICチップ123には、RFIDタグ120(コネクタ100)固有の識別情報(全てのRFIDタグ120で互いに異なる情報)が予め記録されている。当該RFIDタグ120の識別情報は、本発明に係るデータに相当する。そして、ICチップ123は、コネクタ側ループアンテナ122を介して鍵管理システム1から受信した電磁波を動力源として動作し、コネクタ側ループアンテナ122を介してRFIDタグ120の識別情報を鍵管理システム1に送信する。
図3は、データ読取装置2の構成を示す斜視図である。
データ読取装置2は、複数のコネクタ100(鍵を含む)を保管するとともに、当該コネクタ100(RFIDタグ120)の識別情報を読み取り、複数の鍵の保管状況を確認する。このデータ読取装置2は、図1または図3に示すように、キャビネット21と、回路基板22と、複数のLED(Light Emitting Diode)23と、複数のループアンテナ24(図1)と、制御部25(図1)とを備える。
回路基板22は、図1または図3に示すように、キャビネット21内において、スロット211の上方側に配設されている。そして、スロット211にコネクタ100が挿し込まれた場合には、回路基板22は、当該コネクタ100(RFIDタグ120)に対して例えば5mm程度の間隔を空けて対向する。
複数のLED23は、キャビネット21の外面に露出するように、全てのスロット211の上方側にそれぞれ配設されている。そして、複数のLED23は、制御部25による制御の下、点灯、消灯または点滅する。
ループアンテナ24は、回路基板22の同一面上にそれぞれ設けられたメインループアンテナ241、ダミーアンテナ242、及び共振用コンデンサ243を備える(図4)。
メインループアンテナ241は、両端に位置するランド2411,2412が通電ラインELの端部に位置するランドELLにそれぞれ接続可能に設けられたループアンテナである。また、メインループアンテナ241には、共振用コンデンサ243が接続されている。なお、実際には、メインループアンテナ241は、コイル状に複数回巻かれているが、図4では、説明の便宜上、1回のみ巻かれた形状としている。本実施の形態1では、メインループアンテナ241のサイズは、コネクタ側ループアンテナ122のサイズと同様に、例えば、4×10mm程度で構成されている。そして、メインループアンテナ241は、制御部25による制御の下、ランド2411,2412が通電ラインELのランドELLにそれぞれ接続され、当該通電ラインELを介して通電されることにより、電磁誘導作用により電磁波を送信する。
制御部25は、回路基板22上に実装され、LED23の動作を制御するとともに、ループアンテナ24に通電し、RFIDタグ120との間で無線通信を行う。また、制御部25は、制御装置3との間で通信を行う。この制御部25は、図5に示すように、LED制御部251と、RFIDコントローラ252と、アンテナ切替制御部253と、CPU(Central Processing Unit)254とを備える。
RFIDコントローラ252は、通電ラインELに通電し、全てのループアンテナ24のうち使用対象であるループアンテナ24T(図6)を介して、当該使用対象であるループアンテナ24Tに対向するRFIDタグ120との間で無線通信を行う。具体的には、RFIDコントローラ252は、通電ラインELに通電し、使用対象であるループアンテナ24Tを介して、ICチップ123の動力源となる電磁波を送信するとともに、RFIDタグ120の識別情報の送信指令となる電磁波を送信する。また、RFIDコントローラ252は、使用対象であるループアンテナ24Tを介してRFIDタグ120から送信された識別情報を受信する。
アンテナ切替制御部253は、図6に示すように、全てのループアンテナ24のうち、使用対象であるループアンテナ24Tと、非使用対象であるループアンテナ24Nとで異なる接続状態に設定する。
次に、上述した鍵管理システム1の動作について説明する。
なお、制御装置3には、鍵管理システム1で管理する全ての鍵の情報が予めハードディスク等のメモリに記録されている。ここで、当該鍵の情報としては、鍵を識別する鍵番号と、当該鍵に固定されたコネクタ100(RFIDタグ120)の識別情報とが関連付けられた情報である。また、鍵(コネクタ100)の保管場所(当該鍵(コネクタ100)が挿し込まれたスロット211の位置)がCPU254から制御装置3に送信された場合には、当該鍵に対応する鍵の情報に当該保管場所が関連付けられる。さらに、鍵が貸し出された場合には、当該鍵に対応する鍵の情報に関連付けられた保管場所が削除され、当該鍵の情報に貸し出し中を示す貸出中情報が関連付けられる。
以下、制御装置3に記録された全ての鍵の情報(保管場所及び貸出中情報を含む)を第1保管データと記載する。
先ず、鍵管理システム1における起動時(電源立ち上げ時)の動作について説明する。
CPU254は、RFIDコントローラ252及びアンテナ切替制御部253に制御指令を出力する。そして、RFIDコントローラ252及びアンテナ切替制御部253は、全てのループアンテナ24を使用対象であるループアンテナ24Tに順次、切り替えながら(他のループアンテナ24を非使用対象であるループアンテナ24Nに順次、切り替えながら)、スロット211に挿し込まれているコネクタ100(RFIDタグ120)の識別情報を順次、読み取る。また、CPU254は、読み取ったRFIDタグ120の識別情報と保管場所(当該コネクタ100が挿し込まれているスロット211の位置)とを関連付けた第2保管データを生成し、制御装置3に送信する。
次に、鍵管理システム1における鍵の貸し出し時の動作について説明する。
ユーザは、制御装置3におけるキーボード等の入力部を利用して、貸し出しを希望する鍵の鍵番号を入力する。
制御装置3は、メモリに記憶された第1保管データに基づいて、当該入力された鍵番号に関連付けられた保管場所及びRFIDタグ120の識別情報を抽出し、CPU254に送信する。
また、CPU254は、RFIDコントローラ252及びアンテナ切替制御部253に制御指令を出力する。そして、RFIDコントローラ252及びアンテナ切替制御部253は、全てのループアンテナ24のうち制御装置3から送信された保管場所に対応するループアンテナ24を使用対象であるループアンテナ24Tとし(他のループアンテナ24を非使用対象であるループアンテナ24Nとし)、当該保管場所に保管されているコネクタ100が抜き取られた(RFIDタグ120の識別情報を読み取ることができない)ことを確認する。また、CPU254は、当該保管場所に保管されているコネクタ100が抜き取られた旨を制御装置3に送信する。そして、制御装置3は、第1保管データを更新(対応する鍵の情報に関連付けられている保管場所を削除し、当該鍵の情報に貸出中情報を関連付ける)とともに、貸し出し完了を報知する(例えば、制御装置3における液晶ディスプレイ等の表示部に貸し出し完了のメッセージを表示する)。
次に、鍵管理システム1における鍵の返却時の動作について説明する。
ユーザは、制御装置3におけるキーボード等の入力部を利用して、鍵の返却を希望する旨を入力する。
制御装置3は、第1保管データに基づいて、全てのスロット211のうち、コネクタ100が挿し込まれていないスロット211(以下、空き保管場所と記載)を抽出し、CPU254に送信する。
CPU254は、LED制御部251に制御指令を出力する。そして、LED制御部251は、空き保管場所に対応する全てのLED23を点灯または点滅させる。これにより、ユーザは、鍵の返却を可能とする空き保管場所を認識し、いずれかの空き保管場所に返却を希望する鍵に固定されたコネクタ100を挿し込む。
本実施の形態1に係るデータ読取装置2では、メインループアンテナ241の開口面積は、メインループアンテナ241とダミーアンテナ242とを接続した場合でのメインループアンテナ241とダミーアンテナ242との間で形成される環形状の開口面積よりも大きい。そして、データ読取装置2は、使用対象であるループアンテナ24Tに対してはメインループアンテナ241とダミーアンテナ242とを接続せずにメインループアンテナ241にのみ通電する。また、データ読取装置2は、非使用対象であるループアンテナ24Nに対しては通電せずにメインループアンテナ241とダミーアンテナ242とを接続する。
すなわち、使用対象であるループアンテナ24Tについては、メインループアンテナ241とダミーアンテナ242とを接続していないため、電磁波の送信に寄与する開口面積は、メインループアンテナ241の開口面積となり、比較的に大きい。このため、使用対象であるループアンテナ24Tからは問題なく電磁波が送信される。一方、非使用対象であるループアンテナ24Nについては、メインループアンテナ241とダミーアンテナ242とを接続するため、電磁波の送信に寄与する開口面積は、メインループアンテナ241とダミーアンテナ242との間で形成される環形状の開口面積となり、比較的に小さい。このため、使用対象であるループアンテナ24Tにて発生した磁場(例えば、図7に示した磁場H1)により非使用対象であるループアンテナ24Nが励磁された場合であっても、当該非使用対象であるループアンテナ24Nから電磁波が送信されることを抑制することができる。
したがって、本実施の形態1に係るデータ読取装置2によれば、複数のループアンテナ24間の間隔を狭めて(例えば、15mm程度のピッチ)小型化を図りつつ、RFIDタグ120の識別情報の読み取り不良を抑制することができる、という効果を奏する。
このため、全てのループアンテナ24を回路基板22の片面上にのみ回路パターンとして形成すればよいため、容易に製造することができる。
このため、例えば、ダミーアンテナ242をメインループアンテナ241の外側に形成した構成と比較して、個々のループアンテナ24を小型化することができ(例えば、4×10mm程度のサイズ)、データ読取装置2をさらに小型化することができる。
このため、メインループアンテナ241とダミーアンテナ242とを接続した場合でのメインループアンテナ241とダミーアンテナ242との間で形成される環形状の開口面積を非常に小さく設定することができる。このため、使用対象であるループアンテナ24Tにて発生した磁場により非使用対象であるループアンテナ24Tが励磁された場合であっても、当該非使用対象であるループアンテナ24から電磁波が送信されることをさらに抑制することができる。
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図9及び図10は、本実施の形態2に係るループアンテナ24Aの構成を模式的に示す図である。具体的に、図9は、回路基板22の面内方向に沿ってループアンテナ24Aを見た側面図である。図10は、回路基板22の厚み方向に沿ってループアンテナ24Aを見た平面図である。なお、図9及び図10では、説明の便宜上、メインループアンテナ241及びダミーアンテナ242Aに線幅を持たせて図示している。また、図9及び図10では、通電ラインELと、メインループアンテナ241に接続された共振用コンデンサ243との図示を省略している。
これに対して本実施の形態2に係るループアンテナ24Aでは、メインループアンテナ241とダミーアンテナ242Aとは、図9または図10に示すように、回路基板22の異なる面上にそれぞれ設けられている。すなわち、本実施の形態2に係るループアンテナ24Aでは、上述した実施の形態1に係るループアンテナ24に対して、ダミーアンテナ242とは異なるダミーアンテナ242Aを採用している。
本実施の形態2に係るループアンテナ24Aでは、メインループアンテナ241とダミーアンテナ242Aとは、回路基板22の異なる面221,222上にそれぞれ形成されている。そして、ダミーアンテナ242Aは、メインループアンテナ241と同一形状を有する。
このため、メインループアンテナ241とダミーアンテナ242Aとを接続した場合でのメインループアンテナ241とダミーアンテナ242Aとの間で形成される環形状の開口面積は、回路基板22の厚み寸法に依存する。すなわち、回路基板22の厚み寸法を小さくすることにより、当該開口面積を非常に小さく設定することができる。このため、使用対象であるループアンテナ24Aにて発生した磁場により非使用対象であるループアンテナ24Aが励磁された場合であっても、当該非使用対象であるループアンテナ24Aから電磁波が送信されることをさらに抑制することができる。
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1,2によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1,2では、本発明に係るデータ読取装置2を鍵管理システム1に搭載していたが、鍵以外の例えば医薬品等を管理する管理システムに搭載してもよい。
上述した実施の形態1,2において、ループアンテナ24,24Aは、開口方向が上下方向となる姿勢で設けられていたが、これに限らず、その他の方向となる姿勢で設けても構わない。また、全てのループアンテナ24,24Aの開口方向を同一方向としなくても構わない。
2 データ読取装置
3 制御装置
21 キャビネット
22 回路基板
23 LED
24,24A,24N,24T ループアンテナ
25 制御部
100 コネクタ
110 プレート
120 RFIDタグ
121 回路基板
122 コネクタ側ループアンテナ
123 ICチップ
211 スロット
221,222 面
223,224 スルーホール
241 メインループアンテナ
242,242A ダミーアンテナ
242A1,242A2 ランド
251 LED制御部
252 RFIDコントローラ
253 アンテナ切替制御部
254 CPU
2411,2412 ランド
2421,2422 ランド
2531〜2534 切替部
Ar1,Ar2,Ar2A 領域
EL 通電ライン
ELL ランド
H1〜H4 磁場
Claims (6)
- ICタグのデータを読み取るデータ読取装置であって、
複数の前記ICタグとの間で電磁誘導作用を用いた無線通信により非接触で当該複数のICタグのデータをそれぞれ読み取るための複数のループアンテナと、
前記ループアンテナに通電し、前記ICタグとの間で無線通信を行う制御部とを備え、
前記ループアンテナは、
前記ICタグのデータを読み取るためのメインループアンテナと、
前記メインループアンテナとの間で環形状を形成するように当該メインループアンテナに接続可能に設けられたダミーアンテナとを備え、
前記メインループアンテナの開口面積は、
当該メインループアンテナと前記ダミーアンテナとを接続した場合での当該メインループアンテナと当該ダミーアンテナとの間で形成される環形状の開口面積よりも大きく、
前記制御部は、
前記複数のループアンテナのうち使用対象であるループアンテナに対しては前記メインループアンテナと前記ダミーアンテナとを接続せずに前記メインループアンテナにのみ通電し、非使用対象であるループアンテナに対しては通電せずに前記メインループアンテナと前記ダミーアンテナとを接続する
ことを特徴とするデータ読取装置。 - 前記メインループアンテナ及び前記ダミーアンテナは、
回路基板における同一面上にそれぞれ形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ読取装置。 - 前記ダミーアンテナは、
前記メインループアンテナの内側に形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ読取装置。 - 前記ダミーアンテナは、
前記メインループアンテナの形状に倣うループ状に形成されている
ことを特徴とする請求項2または3に記載のデータ読取装置。 - 前記メインループアンテナ及び前記ダミーアンテナは、
回路基板における異なる面上にそれぞれ形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ読取装置。 - 前記ダミーアンテナは、
前記メインループアンテナと同一形状を有する
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ読取装置。
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