JP6864499B2 - 軸力を検出するための締結ボルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、締結ボルトの軸力つまり締結力を検出するための締結ボルト装置に関する。
締結ボルトと、そのボルトの軸部にかかる力を自動的に測定する回路とを有した装置が知られている。このような締結ボルト装置は、機械や設備の状態の把握とタイムリーで的確なメンテナンスを実現するために役立つ。
特許文献1に開示された装置は、頭部と軸部をもつ締結ボルトと、そのボルトの軸部に中心軸に沿って穿たれた円筒状空洞と、その空洞の内面に接着された歪ゲージと、歪ゲージの電気抵抗から軸力を測る検出回路とを有する。
特許文献2に開示された装置は、頭部と軸部をもつ締結ボルトと、そのボルトの頭部の外表面に取り付けられた歪ゲージと、歪ゲージの電気抵抗から軸力を検出する検出器とを有する。
特許文献3に開示された装置は、頭部と軸部をもつ締結ボルトと、そのボルトの頭部に設けられた凹部と、その凹部内に取り付けられた歪センサと、歪センサの電気抵抗からボルトの緩みを検出する回路とを有する。歪センサは、凹部の底に形成された空隙の上に配置され、その中央部は凹部の底から浮いている。
特許文献4に開示された装置は、頭部と軸部をもつ締結ボルトと、そのボルトの頭部に設けられた凹部と、その凹部の内底面に接着された歪ゲージと、その歪ゲージの電気抵抗から軸力を測定する回路とを有する。
特開2010−185809号公報 特開2010−53927号公報 特開2002−236064号公報 国際公開WO 2015/075823号公報
特許文献1に記載されたような、軸部に形成した空洞内に歪ゲージを設けた構成では、軸力による軸部の変形が直接的に歪ゲージの変形に反映される。これに対し、特許文献2−4に記載されたように頭部に歪ゲージを設けた構成では、軸部の変形ではなく、頭部の変形が歪ゲージの変形に反映される。したがって、前者の構成の方が、後者の構成より、同じ軸力の下での歪ゲージの変形量がより大きいであろうと考えられ、ゆえに検出感度がより良いであろうと考えられる。
しかし、同じサイズのボルトでより大きい締結力を得るという、ボルトの締結性能の観点からは、特許文献1に記載のように軸部に空洞を設けた構成より、特許文献2−4に記載のように軸部に空洞の無い構成の方が、優れているといえる。
つぎに、特許文献2−4に記載された構成を対比すると、特許文献2に記載のように頭部の外表面に歪ゲージを配置した構成より、特許文献3または4に記載のように頭部の凹部内に歪ゲージを配置した構成の方が、外部物体との衝突、ならびに、風雨による浸食および腐食などから歪ゲージを保護する機能において優れている。
さらに、特許文献3と4にそれぞれ記載された構成を対比すると、検出の安定性と信頼性という、実用上重要な性能において、前者より後者の方が優れている。
すなわち、特許文献3の構成では、歪センサが凹部の底面から空隙を介して浮いた状態で配置される。このような構成は、おそらく、歪ゲージの変形量を大きくして検出感度を上げたいという目的から考案されたのであろうと推測される。しかし、その副作用として、ボルト頭部の変形に依らずに歪センサそれ自身が変形して、誤検出が起きるおそれがある。例えば、ボルトが振動しているときには、歪センサ自体が慣性力で振動して無用に変形してしまう。また、外気圧の変動や外部異物の接触などにより凹部の上部開口側から外力が加わったとき、その外力により歪センサ自体が変形してしまう。
これに対し、特許文献4の構成では、歪センサは頭部の凹部の底面に固着されていて、頭部の変形に依ってのみ歪センサが変形するので、検出は安定性や信頼性は高い。
しかし、特許文献4の構成では、特許文献1に記載された構成ほどの検出感度を得ることが難しい。同じ軸力の下での、頭部の凹部の底面の変形量は、軸部の変形量より小さいからである。
本発明の目的は、軸力を検出する締結ボルトにおいて、締結性能および軸力検出の安定性と信頼性をできるだけ維持しつつ、軸力の検出感度を高めることにある。
本発明の一実施形態に従う締結ボルト装置は、頭部と軸部をもつ締結ボルトと、締結ボルトの軸力の検出に用いられる、頭部に発生する応力または歪に応答する1以上の応力センサとを備える。前記頭部が、その上面から下方へ陥没した凹部と、凹部を包囲する環状の周壁とを有する。前記周壁が、その内側面に、凹部に臨みかつ軸部の中心軸に対して傾斜した傾斜面を有する。そして、1以上の応力センサが、傾斜面に配置されて、傾斜面の応力または歪に応答するように構成される。
この締結ボルト装置によると、頭部の凹部を囲む周壁の内側面に設けられた傾斜面に、応力センサが配置される。発明者らが行った締結ボルトの応力解析から、締結ボルトに軸力を負荷したとき、上記の傾斜面には比較的に大きいレベルの応力が発生することが分かった。したがって、傾斜面に応力センサを設けることは、良い検出感度を得るうえで有効である。
上記1以上の応力センサのうち、少なくとも一つは、周壁の径方向の厚みが最小である個所に対応した角度位置θに配置されてよい。例えば、六角頭部をもつボルトの場合、その六角頭部の外側面の一頂陵を原点とした“θ=30度×奇数”±10度の角度位置θの範囲内、より望ましくは±5度の角度位置θの範囲内に、少なくとも一つの応力センサが配置されてよい。傾斜面上のそのような角度位置θには、他の角度位置θよりも大きい応力が発生するため、その位置に応力センサを配置することが有効である。
傾斜面に2つ応力センサを配置してもよい。その2つの応力センサは、中心軸に関して互いに軸対称の位置関係に配置されてよい。
上記の2つの応力センサは、ともに、傾斜面の傾斜方向の応力に応答する傾斜方向応力センサであってよい。あるいは、2つの応力センサが、ともに、傾斜面の周方向の応力に応答する周方向応力センサであってもよい。あるいは、2つの応力センサの一方が傾斜方向応力センサで、他方が周方向応力センサであってもよい。
2つの応力センサを用いる場合、その2つの応力センサの応答値の絶対値が加算されて軸力検出の出力値に反映されるように、測定回路を構成することができる。
さらには、4つの応力センサを傾斜面上に配置してもよい。4つの応力センサの応答値の絶対値が加算されて軸力検出の出力値に反映されるように、測定回路を構成することができる。
この締結ボルト装置は、さらに、応力センサと電気的に接続された電子装置と、電子装置の少なくとも一部を内部に収容した保護容器と備えることができる。そして、保護容器が頭部に結合されて、頭部の凹部の上端開口を水密に塞ぐように構成されてよい。
本発明の別の実施形態に従う締結ボルト装置は、頭部と軸部をもつ締結ボルトと、締結ボルトの軸力の検出に用いられる、頭部に発生する応力または歪に応答する1以上の応力センサとを備える。前記頭部が、その上面から下方へ陥没した凹部と、凹部を包囲する環状の周壁とを有する。周壁は、その内側面に、凹部に臨みかつ前記軸部の中心軸に対して平行な垂直面を有する。そして、1以上の応力センサが、垂直面に配置されて、垂直面の応力または歪に応答するように構成される。
発明者らが行った締結ボルトの応力解析によると、締結ボルトに軸力を負荷したとき、上記の垂直面に比較的に大きいレベルの応力(とりわけ、中心軸に平行な軸方向応力)が発生する可能性があることが分かった。したがって、垂直面に応力センサ(とりわけ、主に軸方向応力に応答する軸方向応力センサ)を設けることは、良い検出感度を得るうえで有効といえる。
本発明の第1の実施形態に係る締結ボルト装置のボルトの断面構造例と検出装置の構成例を示す分解図。 第1の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図。 第1の実施形態に係る締結ボルトにおける、2つの歪ゲージを使ったホイートストンブリッジの構成例を示す回路図。 有限要素解析ソフトウェアを用いた応力解析により得られた、第1の実施形態に係る締結ボルトの中心軸に沿った断面の諸部分に生じる応力の大きさを5段階のレベルで示した応力分布図。 同応力解析で採用したボルトの寸法条件を示す図。 同応力解析により得られた、第1の実施形態に係る締結ボルトの傾斜面に生じる周方向の応力の大きさを、角度位置θの関数として示した応力分布図。 同応力解析により得られた、第1の実施形態に係る締結ボルトの傾斜面に生じる傾斜方向の応力の大きさを、角度位置θの関数として示した応力分布図。 本発明の第2の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図。 第2の実施形態に係る締結ボルトにおける、2つの歪ゲージを使ったホイートストンブリッジの構成例を示す回路図。 本発明の第3の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図。 第3の実施形態に係る締結ボルトにおける、2つの歪ゲージを使ったホイートストンブリッジの構成例を示す回路図。 本発明の第4の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図。 第4の実施形態に係る締結ボルトにおける、4つの歪ゲージを使ったホイートストンブリッジの構成例を示す回路図。 本発明の第5の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図。 本発明の第6の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図。 有限要素解析ソフトウェアを用いた応力解析により得られた、凹部の底面の直径Dに応じて傾斜面の応力状態がどのように変化するかを解析した結果を示す図。 本発明の第7の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルトの中心軸に沿った断面図。 本発明の第8の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルトの中心軸に沿った断面図。 本発明の第9の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルトの中心軸に沿った断面図。 本発明の第10の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルトの中心軸に沿った断面図。 本発明の第11の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルトの中心軸に沿った断面図。
以下、本発明のいくつかの実施形態を図面を参照して説明する。
なお、以下に紹介されるいずれの実施形態では、締結ボルトに発生した応力(または歪)を検出するための応力センサとして、その応力(または歪)に応じて電気抵抗が変化する抵抗歪ゲージ(以下、“歪ゲージ”という)が用いられるが、それは説明のための例示にすぎず、他の種類の応力センサを用いること制限する趣旨ではない。また、いずれの実施形態でも、締結ボルトとして、六角頭部をもち、かつ座金部が頭部と一体化されたネジボルトが用いられるが、それは説明のための例示にすぎず、他の種類の締結ボルトを用いることを制限する趣旨ではない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る締結ボルト装置の構造例を示す。
図1に示すように、締結ボルト装置1は、締結ボルト3(以下、“ボルト”という)と検出装置5を備える。検出装置5は、例えばある種の合成樹脂のような十分な強度非導電材料製で、下端に開口をもつ中空の保護容器7と、保護容器7内に収容された電子装置9とを備える。図示のように電子装置9の一部が保護容器7の下端開口から外に出ていてもよいし、あるいは、電子装置9の全部が保護容器7内に収容されてもよい。電子装置9を収容した保護容器7は、ボルト3の頭部21に、例えば螺合により、結合される。
保護容器7内の電子装置9と保護容器7の内面との間の隙間は、例えばシリコンゴムのような振動吸収性能を持つ柔軟な材料で充填または架橋され、それにより、電子装置9が保護容器7の外部から加わる機械的衝撃または振動から保護される。
電子装置9は、ボルト3の軸力を測定するための測定回路(図示省略)と、測定された軸力のデータを記憶する記憶回路(図示省略)と、記憶回路に記憶された軸力データを外部に送信する通信回路(図示省略)と、外部から電力を得て上記の各回路に給電する電源回路(図示省略)を有する。上述の測定回路は、後述するボルト3に取り付けられた2つの歪ゲージ47と、例えば電線49により、電気的に接続される。
保護容器7は、その下端部の開口の周囲に、ボルト3の頭部21と結合するための円筒形の結合筒11を有する。結合筒11は、その外周面に雄ネジをもち、この雄ネジは後述するボルト3の頭部21の結合面33の雌ネジと螺合して結合する。結合筒11の外周にはOリング13が嵌っている。Oリング13は、ボルト3と保護容器7とが結合されたときに、両者間の境界を水密に封止する。
ボルト3は、ほぼ正六角柱形の頭部(いわゆる“六角頭部”)21と、頭部21から下方へ延びる長い円柱形の軸部23を有する。また、円鍔状の座金部25が、頭部21の下端部に一体的に形成される。座金部25と軸部23が繋がる個所を、本明細書では首部27と呼ぶ。
ボルト3の頭部21は、その上面から下方に陥没してなる凹部31を有する。凹部31は例えば鍛造または切削により形成され得る。
凹部31は、頭部21の環状の周壁44により包囲される。周壁44の凹部31に臨む内側面は、上端開口近傍の結合面33と、結合面33の下方の傾斜面35を有する。本明細書では、周壁44のうち、結合面33を有する壁を結合壁41、そして、傾斜面37を有する壁を傾斜壁43と、それぞれ呼ぶ。
凹部31の下端は、頭部21の壁45により閉じられている。壁45は、凹部31に臨む底面35を有する。
結合面33は、保護容器7の結合筒11と密接に結合するための面である。結合面33は、例えば、円環面であって、そこに雌ネジが形成され、その雌ネジが、保護容器7の結合筒11の雄ネジと螺合する。それにより、凹部31と保護容器7の内側空間が水密に密閉され、その内側空間を画成する面35、37とその内側空間に収容された物9、47が、外の大気や風雨や異物から隔離され保護される。
傾斜面37は、中心軸39に対して0度より大きく90度より小さい角度で傾斜した、例えば円環状の面である。底面35は、例えば中心軸39に対して垂直な円形平面である。
頭部21の傾斜面37の表面に、例えば2つの歪ゲージ47が、密接して固着される。各歪ゲージ47として、絶縁性の基板フィルム上とそのフィルム上に設けられた抵抗金属パターンとを有する、市販の一般的な薄板状の歪ゲージを採用することができる。この場合、歪ゲージ47は、その片面の全面にて、例えば接着剤により、傾斜面37に密接に固着される。
あるいは、各歪ゲージ47として、例えば印刷の方法によって傾斜面37の表面に直接的に形成された(つまり、密接に固着された)、絶縁層と抵抗金属パターン層とを有するものを採用してもよい。その場合、各層の形成過程で高温処理が必要なときには、例えばレーザビームを用いて各層だけを選択的に高温処理することで、ボルト3の金属結晶への熱の影響を抑制することができる。
2つの歪ゲージ47の各々は、傾斜面37の傾斜方向(つまり平面視での径方向)の応力(つまり歪)に主として応答してその電気抵抗が変化するように構成される。これは、各歪ゲージ47の金属パターンの向きを傾斜面37の傾斜方向の向きに合わせることで実現できる。
2つの歪ゲージ47は、電子装置9内の測定回路(図示省略)に、例えば電線49により電気的に接続されて、後述するホイートストンブリッジ回路を構成する。そのブリッジ回路は、傾斜面37の主に径方向の応力(歪)に応じた値をもつ出力電圧を発生する。その出力電圧から、ボルト3の軸力が測定される。
上述した検出装置5とボルト3との結合により、締結ボルト装置1が構成される。締結ボルト装置1は、外部装置(図示省略)から、例えば非接触給電法により、駆動電力を得て作動して、ボルト3の軸力を測定し、そして、測定された軸力データを、例えば無線通信により、外部装置に送信する。
図2は、第1の実施形態における歪ゲージ47の配置例を示すボルト頭部の平面図である。
図2に示されるように、2つの歪ゲージ47は、軸部23の中心軸39について互いに軸対称の関係にある傾斜面37上の2つの位置にそれぞれ配置される。
さらに、図2に示されるように、多角柱(例えば六角柱)形の頭部21の外側面の一頂稜51を原点とした中心軸39回りの角度位置θを用いて、各歪ゲージ47の位置を表現すると、各歪ゲージ47の角度位置(とくにその中心線の位置)は、“θ=30度×奇数”に相当する。つまり、θ=30度、90度、150度180度、210度、270度、または330度の位置に、各歪ゲージ47(その中心線)が配置される。図示の例では、2つの歪ゲージ47の角度位置は、軸対称関係にあるθ=30度と210度の位置である。
このような各歪ゲージ47の角度位置θは、頭部21の外側面のいずれかの直平面53の中央に相当する位置ということができる。あるいは、各歪ゲージ47の角度位置θは、頭部21の凹部31を囲む周壁44(41、43)の径方向の厚みが最小(最も薄い)の位置に相当する、ということもできる。このような歪ゲージ47の角度位置の選択は、後述するように、できるだけ高い検出感度を得るために有効である。
図3は、第1の実施形態における2つの歪ゲージ47を使ったホイートストンブリッジの構成例を示す回路図である。
図3に示される例は、対辺2アクティブゲージ法と一般に呼ばれる。すなわち、2つの歪ゲージ47が、ブリッジの相対する2つの辺に配線される。他方の相対する2つの辺に、2つの固定抵抗61が配線される。各歪ゲージ47の抵抗値をRg1、各固定抵抗61の抵抗値をRとした場合、出力電圧Voutは次のようになる。
Vout=(Vin・Ks・ε1)/2
ここで、Vinは入力電圧、Ksはゲージ率、ε1は各歪ゲージ47の歪に対する応答値(金属パターンの長さ(抵抗値Rg1)の変化率)である。
この回路例では、ボルト3の軸部23が頭部21から若干右か左に傾いて締結された場合(例えば、被締結部材の上面と下面が平行でない場合)、その軸部23の傾きによる頭部21の傾斜面37の応力の不均衡を、2つの歪ゲージ47間の抵抗値の差で補償することができる。
また、傾斜方向の応力に応答する2つの歪ゲージ47をブリッジの対辺に配線することで、それら2つの歪ゲージ47の応答値の絶対値が加算され合って出力電圧Voutに反映される。それにより、次に述べる1つの歪ゲージのみを用いる場合に比較して、より良い検出感度が得られる。
上述の第1の実施形態では、2つの歪ゲージ47を用いたが、その中の1つを省略して、1つの歪ゲージ47だけを用いることも可能である。その場合には、図3に示されたブリッジ回路内の2つの歪ゲージ47のうちの一つは、固定抵抗に置き換えられる。この場合、出力電圧Voutは例えば次のようになる。
Vout=(Vin・Ks・ε1)/4
したがって、感度は図3に示した2つの歪ゲージ47を用いる回路例より落ちるが、一つの歪ゲージ47だけ用いれば良いというメリットがある。
図4は、図1に示した構成のボルト3の中心軸に沿った断面の諸領域に生じる応力の大きさの分布を5段階のレベルで示す(レベル番号が大きいほど応力が大きい)。
図4に示された応力分布は、有限要素解析ソフトウェア“ABAQUS”を用いた応力解析により得られたものである。図5は、その応力解析で使用したボルト3の具体的な寸法条件を示し、図中の数字はミリメートル単位の寸法値である。
この応力解析では、図5に示された寸法条件の下で、図4に示されるように、ボルト3の軸部23を被締結部材(直方体ブロック)63の垂直穴に挿通し、軸部23の先端に引っ張り軸力120kNを負荷した。ボルト3の材料特性として、ヤング率を206kN/mm2、およびポアソン比を0.29に設定した。ボルトの頭部の傾斜面に、図5に示すような応力評価用の薄板シェル要素(ハッチング部分(図5では、見やすくするために、その厚みが拡大して示されている))を貼りつけた。
図4に示されるように、ボルト3の軸部23のうち、上部の径太部23Aには中程度のレベル3の応力が生じ、その下方のネジ下径部23Aには、より大きいレベル4の応力が生じる。そして、頭部21の傾斜面37にも、ネジ下径部23Aとほぼ同程度かそれに近い応力、つまりレベル4の応力が生じる。因みに、最も大きいレベル5の応力が生じる部分は首部27の外側面近傍領域である。
これに対し、頭部21の結合壁41、傾斜壁43の外周寄りの領域、壁45、座金部25、および首部27の中心軸寄りの領域に発生する応力は、比較的に小さいレベル2またはレベル1であることが分かった。
したがって、図1に示されたような構成で傾斜面37の応力(歪)を計測することは、軸部23(とりわけネジ下径部23A)の応力(歪)を計測するのと同程度またはそれに近い検出感度を得ることを可能にする。
図6と図7は、それぞれ、ボルト3の傾斜面37に生じる周方向と傾斜方向の応力の大きさを、角度位置θの関数として示す。図6と図7の結果も、図5を参照して上述した条件下で上記の応力解析を行なった結果、応力評価用のシェル要素(ハッチング部分)にて得られた応力の値である。図6と図7における角度位置θは、図2に示したように、頭部21の外側面の一頂点51を原点とした中心軸39回りの角度位置である。
図6に示されるように、傾斜面37の周方向には極性がマイナスの応力、つまり、圧縮応力が発生する。他方、図7に示されるように、傾斜面37の傾斜方向には極性がプラスの応力、つまり、引っ張り応力が発生する。
周方向の応力も径方向の応力も共に、角度位置θに応じて変動する。そして、周方向の応力も径方向の応力もともに、“θ=30度×奇数”に該当する角度位置θで極大になり、“θ=30度×偶数”に該当する角度位置θで極小になる。
したがって、図1に示されたように、“θ=30度×奇数”に該当する角度位置θに各歪ゲージ47(その中心線)を配置することは、高い検出感度を得るために効果的である。
さらに、図6および図7から分かるように、周方向応力も傾斜方向応力も、“θ=30度×奇数”の角度位置θを中心にした±10度の角度位置範囲では、その変動幅のうちの極大値近傍約30%に入る応力を得ることができ、また、同じく±5度の角度位置範囲では、その変動値のうちの極大値近傍約10%に入る応力を得ることができる。
したがって、歪ゲージ47の配置(それを厳密に“θ=30度×奇数”とすることは実際上難しい)を“θ=30度×奇数”の角度位置θを中心にした±10度の角度位置範囲内にすることが望ましく、同じく±5度の角度位置範囲内にすることがいっそう望ましい。
以上の知見に基づけば、歪ゲージ47の配置には、図2に示した配置の他に、さまざまなバリエーションがあり得る。それらのバリエーションのいくつかを、以下、第2から第6の実施形態として説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図である。
図8に示された第2の実施形態における、図1に示された第1の実施形態からの主たる違いは、傾斜面37の主に周方向の応力に応答する2つの周方向歪ゲージ71が使われる点である。すなわち、2つの周方向歪ゲージ71が、その金属パターンの向きが傾斜面37の周方向に沿う姿勢で、傾斜面37上に配置される。
2つの周方向歪ゲージ71のそれぞれの角度位置θは、“θ=30度×奇数”に該当し(例えば、“θ=30度×奇数”を中心にした±5度の範囲内)、かつ、より望ましくは、軸部23の中心軸39(図1参照)に関して互いに軸対称の位置関係にある。
その他の構成に関しては、次に述べるホイーストンブリッジの構成を除き、第2の実施形態は第1の実施形態と基本的に同じである。
図9は、第2の実施形態におけるホイーストンブリッジの構成例を示す。
図9に示されるように、2つの周方向歪ゲージ71が、ブリッジの相対する2つの辺に配線される。他方の相対する2つの辺に、2つの固定抵抗61が配線される。各歪ゲージ71の抵抗値をRg2、各固定抵抗61の抵抗値をRとした場合、出力電圧Voutは次のようになる。
Vout=(Vin・Ks・ε2)/2
ここで、Vinは入力電圧、Ksはゲージ率、ε2は各歪ゲージ71の歪に対する応答値(金属パターンの長さ(抵抗値Rg2)の変化率)である。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図である。
図10に示された第3の実施形態における、図1に示された第1の実施形態からの主たる違いは、傾斜面37の主に傾斜方向の応力に応答する傾斜方向歪ゲージ47と、傾斜面37の主に周方向の応力に応答する周方向歪ゲージ71が組み合わされて使われる点である。傾斜方向歪ゲージ47は、その金属パターンの向きが傾斜面37の傾斜方向に沿う姿勢で、傾斜面37上に配置される。他方、周方向歪ゲージ71は、その金属パターンの向きが傾斜面37の周方向に沿う姿勢で、傾斜面37上に配置される。
歪ゲージ47、71のそれぞれの角度位置θは、“θ=30度×奇数”に該当し(例えば、“θ=30度×奇数”を中心にした±5度の範囲内であり)、かつ、望ましくは、軸部23の中心軸39(図1参照)に関して互いに軸対称の位置関係にある。
その他の構成に関しては、次に述べるホイーストンブリッジの構成を除き、第3の実施形態は第1の実施形態と基本的に同じである。
図11は、第3の実施形態におけるホイーストンブリッジの構成例を示す。
図11に示されるように、歪ゲージ47、71が、ブリッジの一つの出力点を共有する隣接の2つの辺に配線される。他の2つの辺に、2つの固定抵抗61が配線される。傾斜方向歪ゲージ47の抵抗値をRg1、周方向歪ゲージ71の抵抗値をRg2、各固定抵抗61の抵抗値をRとした場合、出力電圧Voutは次のようになる。
Vout=(Vin・Ks・(ε1 + ε2))/4
ここで、Vinは入力電圧、Ksはゲージ率、ε1は傾斜方向歪ゲージ47の歪に対する応答値(金属パターンの長さ(抵抗値Rg1)の変化率)、ε2は周方向歪ゲージ71の歪に対する応答値(金属パターンの長さ(抵抗値Rg1)の変化率)である。
傾斜方向歪ゲージ47と周方向歪ゲージ71をブリッジの出力点を共有する隣接辺に配線することで、それら2つの歪ゲージ47、71の応答値(一方がプラス、他方がマイナス)の絶対値が加算され合って出力電圧Voutに反映される。それにより、1つの歪ゲージのみを用いる場合に比較して、より良い検出感度が得られる。
図12は、本発明の第4の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図である。
図12に示された第4の実施形態における、図1に示された第1の実施形態からの主たる違いは、傾斜面37の主に傾斜方向の応力に応答する2つの傾斜方向歪ゲージ47と、傾斜面37の主に周方向の応力に応答する2つの周方向歪ゲージ71の合計4つの歪ゲージが組み合わされて使われる点である。2つの傾斜方向歪ゲージ47は、その金属パターンの向きが傾斜面37の傾斜方向に沿う姿勢で、傾斜面37上に配置される。他方、2つの周方向歪ゲージ71は、その金属パターンの向きが傾斜面37の周方向に沿う姿勢で、傾斜面37上に配置される。
これらの4つの歪ゲージ47、71のそれぞれの角度位置θは、“θ=30度×奇数”に該当する(例えば、“θ=30度×奇数”を中心にした±5度の範囲内である)。そして、より望ましくは、2つの傾斜方向歪ゲージ47は、軸部23の中心軸39(図1参照)に関して互いに軸対称の位置関係にあり、また、2つの周方向歪ゲージ71も、中心軸39に関して互いに軸対称の位置関係にある。
その他の構成に関しては、次に述べるホイーストンブリッジの構成を除き、第4の実施形態は第1の実施形態と基本的に同じである。
図13は、第4の実施形態におけるホイーストンブリッジの構成例を示す。
図13に示されるように、2つの傾斜方向歪ゲージ47が、ブリッジの相対する2つの辺に配線され、また、2つの周方向歪ゲージ71が、別の相対する2つの辺に配線される。傾斜方向歪ゲージ47の抵抗値をRg1、周方向歪ゲージ71の抵抗値をRg2とした場合、出力電圧Voutは次のようになる。
Vout=(Vin・Ks・(ε1 + ε2))/2
ここで、Vinは入力電圧、Ksはゲージ率、ε1は傾斜方向歪ゲージ47の歪に対する応答値(金属パターンの長さ(抵抗値Rg1)の変化率)、ε2は周方向歪ゲージ71の歪に対する応答値(金属パターンの長さ(抵抗値Rg1)の変化率)である。
この第4の実施形態によれば、2つの傾斜方向歪ゲージと2つの周方向歪ゲージを組み合わせて、それら4つの歪ゲージの応答値が加算され合って出力電圧Voutに反映されるように使うことで、第1から第3の実施形態のように2つ歪ゲージを使う場合に比べて、より高い検出感度を得ることが可能である。
図14は、本発明の第5の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図である。
図14に示された第5の実施形態における、図12に示された第4の実施形態からの主たる違いは、一つの傾斜方向歪ゲージ47と一つの周方向歪ゲージ71が、傾斜面37上の同じ角度位置θ(例えば同じ角度位置θ±5度の範囲内)に、傾斜方向に並んで配置される点である。もう一つの傾斜方向歪ゲージ47ともう一つの周方向歪ゲージ71も、傾斜面37上のもう一つの同じ角度位置θ(例えば同じ角度位置θ±5度の範囲内)に、傾斜方向に並んで配置される。
他の構成に関しては、第5の実施形態は、第4の実施形態と同じである。
図15は、本発明の第6の実施形態に係る締結ボルト装置における、歪ゲージの配置例を示すボルト頭部の平面図である。
図15に示された第6の実施形態における、図14に示された第5の実施形態からの主たる違いは、同じ角度位置θ(例えば同じ角度位置θ±5度の範囲内)に配置された一つの傾斜方向歪ゲージ47と一つの周方向の歪ゲージ71が、周方向に並んで配置される点である。もう一つの同じ角度位置θ(例えば同じ角度位置θ±5度の範囲内)に配置されたもう一つの傾斜方向の歪ゲージ47ともう一つの第2方向の歪ゲージ71も、周方向に並んで配置される。
他の構成に関しては、第6の実施形態は、第5の実施形態と同じである。
図16は、凹部31の底面35の直径Dに応じて、傾斜面37の応力状態がどのように変化するかを示す。
すなわち、図16は、図5に示された寸法条件の下で、底面35の直径Dのみを増減させた場合に、傾斜面37上の応力評価用シェル要素で得られる周方向応力S1と傾斜方向応力S2(いずれも“θ=30度×奇数”で得られる極大値)がどのように変化するかを示す。これは、上述した応力解析により得られた結果である。
図16から分かるように、底面35の直径Dを増やすと、周方向応力S1(極大値)は低下するが、傾斜方向応力S2(極大値)はより急激に増大する。そして、直径Dがある程度の寸法(図示の例では約8.5mm)以上の場合、周方向応力S1(極大値)よりも傾斜方向応力S2(極大値)の方が大きく、以下の場合、周方向応力S1(極大値)の方が傾斜方向応力S2(極大値)より方が大きい。
この知見に基づけば、底面35の直径Dを凹部31の最大径まで拡大した実施形態(例えば、後述の第7の実施形態)、あるいは、底面35の直径Dをゼロにした実施形態(例えば、後述の第8の実施形態)も採用可能である。
図17は、本発明の第7の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルト3の中心軸に沿った断面構造を示す。
図17に示された第7の実施形態における、図1に示された第1の実施形態からの主要な違いは、凹部31の底面35の直径Dが凹部31の最大径と同じであり、ボルト3の凹部31が、中心軸39に垂直な平らな底面35と、中心軸39に平行な円筒状の垂直面81により画成されている点である。そして、この垂直面81に、2つの歪ゲージ(例えば、主に軸方向応力に応答する2つの軸方向歪ゲージ)83が密接して固着されている。各軸方向歪ゲージ83は、その金属パターンが中心軸39に沿った方向を向く姿勢で、垂直面81に取り付けられている。2つの軸方向歪ゲージ83は、望ましくは、“θ=30度×奇数”に該当する角度位置θに配置され、さらに望ましくは、互いに中心軸39について軸対称の位置に配置される。ホイートストンブリッジとして、図3に示されたブリッジの斜面方向歪ゲージ47を、軸方向歪ゲージ81に置き換えたものが採用できる。
その他の構成については、第7の実施形態は第1の実施形態と基本的に同じである。
この第7の実施形態に関しても、他の実施形態で採用可能な変形を適宜に選択して採用し得る。例えば、1つの軸方向歪ゲージ83のみを用いる構成、あるいは、1つまたは2つの軸方向歪ゲージ81だけでなく1つまたは2つの周方向歪ゲージ71も垂直面81に固着する構成、などが採用できる。また、別の変形として、図17中で破線で示すような底面35上にも歪ゲージを配置して(望ましくは、“θ=30度×奇数”に相当する角度位置θに配置して)、それらの歪ゲージと垂直面81上の歪ゲージ83とを組み合わせてホイートストンブリッジを構成してもよい。
図18は、本発明の第8の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルト3の中心軸に沿った断面構造を示す。
図18に示された第8の実施形態における、図1に示された第1の実施形態からの主要な違いは、凹部31の底面35の直径Dがゼロである、つまり、底面35が傾斜面37に置き換わった点である。そして、この傾斜面37上に、2つの歪ゲージ(例えば、周方向歪ゲージ)71が密接に固着されている。2つの周方向歪ゲージ71は、望ましくは、“θ=30度×奇数”に該当する角度位置θに配置され、さらに望ましくは、互いに中心軸39について軸対称の位置に配置される。ホイートストンブリッジとして、図9に示されたブリッジが採用できる。
その他の構成については、第8の実施形態は第1の実施形態と基本的に同じである。
この第8の実施形態に関しても、他の実施形態で採用可能な変形を適宜に選択して採用し得る。
図19は、本発明の第9の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルト3の中心軸に沿った断面構造を示す。
図19に示された第9の実施形態における、図1に示された第1の実施形態からの主要な違いは、凸部31を囲む周壁44の内側面のすべてが傾斜面37となっている点である。ボルト頭部21の保護容器7との結合は、頭部21のいずれかの面にて螺合以外の方法、例えば、接着、圧接、あるいは係合などによりなされるように構成することができる。その場合、凹部31の横断面形状は円形以外の形状(例えば六角形のような多角形)であってもよい。
そして、1以上の傾斜方向歪ゲージ(図示省略)および/または周方向歪ゲージ(図示省略)が、他のいずれかの実施形態に関して説明された配置で、傾斜面37上に固着され、そして、ホイートストンブリッジに組み込まれる。
その他の構成については、第9の実施形態は第1の実施形態と基本的に同じである。
この第9の実施形態に関しても、他の実施形態で採用可能な変形を適宜に選択して採用し得る。
図20と図21は、それぞれ、本発明の第10と第11の実施形態に係る締結ボルト装置における、ボルト3の中心軸に沿った断面構造を示す。
第10と第11の実施形態における、図1に示された第1の実施形態からの主要な違いは、凸部31を囲む傾斜面37が、中心軸39に対する角度が異なる複数(例えば、2つ)の傾斜角をそれぞれもつサブ傾斜面37A、37Bを有する点である。図20に示される第10の実施形態では、凹部31の開口により近い第1のサブ傾斜面37Aの傾斜が、底面35により近い第2のサブ傾斜面37Bより急である。図21に示される第11の実施形態では、第1のサブ傾斜面37Aの傾斜が、第2のサブ傾斜面37Bより緩やかである。
そして、1以上の傾斜方向歪ゲージ(図示省略)および/または周方向歪ゲージ(図示省略)が、他のいずれかの実施形態に関して説明された配置で、第1の傾斜面37A上および/または第2の傾斜面37B上に固着されてホイートストンブリッジに組み込まれる。
例えば、図20に示される第10の実施形態では、より傾斜が急な第1のサブ傾斜面37A上に1以上の傾斜方向歪ゲージ(図示省略)が配置され、より傾斜が緩い第2のサブ傾斜面37B上に周方向歪ゲージ(図示省略)が配置される構成が採用できる。
また、例えば、図21に示される第11の実施形態では、より傾斜が緩い第1のサブ傾斜面37A上に1以上の周方向歪ゲージ(図示省略)が配置され、より傾斜が急な第2のサブ傾斜面37B上に傾斜方向歪ゲージ(図示省略)が配置される構成が採用できる。
その他の構成については、第10と第11の実施形態は第1の実施形態と基本的に同じである。
これら第10と第11の実施形態に関しても、他の実施形態で採用可能な変形を適宜に選択して採用し得る。
以上説明した本発明の幾つかの実施の形態は、説明のための単なる例示であり、本発明の範囲をそれらの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、上記の実施の形態とは違うさまざまな形態で、実施することができる。
例えば、ボルト3の頭部21は六角頭部以外の形状であってもよい。その場合であっても、歪ゲージの配置される角度位置は、凹部31を囲む周壁44の径方向の厚さが最も小さい個所に対応する角度位置(ボルト頭部21と凹部31の横断面形状により、その角度位置は変わる)であることが望ましい。
また、例えば、頭部21の周壁44の内側面に、1以上の傾斜面と1以上の垂直面を設けて、傾斜面と垂直面のそれぞれに歪ゲージを取り付けた実施形態、あるいは、軸方向又は径方向の位置の異なる複数の垂直面を設けて、それぞれの垂直面に歪ゲージを取り付けた実施形態、あるいは、傾斜面又は垂直面に歪ゲージを取り付けるとともに底面にも歪ゲージを取り付けた実施形態、なども採用できる。
1 締結ボルト装置
3 締結ボルト
5 検出装置
7 保護容器
9 電子装置
21 締結ボルト3の頭部
23 締結ボルト3の軸部
31 頭部21の凹部
37 凹部31の底面
37 凹部31の傾斜面
37A、37B サブ傾斜面
39 軸部23の中心軸
44 頭部21の周壁
45 頭部21の底壁
47 歪ゲージ(傾斜方向歪ゲージ)
51 頭部21の外側面の一頂稜
53 頭部21の外側面の直平面
71 歪ゲージ(周方向歪ゲージ)
81 凹31の垂直面
83 歪ゲージ(軸方向歪ゲージ)
θ 一頂稜51を原点とした中心軸39回りの角度位置

Claims (7)

  1. 頭部と軸部をもつ締結ボルトと、
    前記締結ボルトの軸力の検出に用いられる、前記頭部に発生する応力または歪に応答する1以上の応力センサと、
    を備え、
    前記頭部が、
    前記頭部の上面から下方へ陥没した凹部と、
    前記凹部を包囲する環状の周壁と
    前記凹部の下端を閉じる底壁と、
    を有し、
    前記周壁が、その内側面に、前記凹部に臨みかつ前記軸部の中心軸に対して傾斜した傾斜面を有し、
    前記底壁が、前記凹部に臨みかつ前記中心軸に対して垂直な底面を有し、
    前記1以上の応力センサが、前記傾斜面に配置されて、前記傾斜面の傾斜方向の応力または歪に応答するように構成された、
    軸力を検出するための締結ボルト装置。
  2. 前記1以上の応力センサの少なくとも一つが、前記周壁の径方向の厚みが最小である個所に対応した、前記軸部の中心軸回りの角度位置θに配置された
    請求項1記載の締結ボルト装置。
  3. 前記頭部が六角頭部であり、
    前記少なくとも一つの応力センサが、前記六角頭部の外側面の一頂陵を原点とした“θ=30度×奇数”±10度の角度位置θの範囲内に配置された
    請求項2に記載の締結ボルト装置。
  4. 前記傾斜面に配置された2つの前記応力センサを備え、
    前記2つの応力センサが、前記中心軸に関して互いに軸対称の位置関係にある、前記軸部の中心軸回りの角度位置θに配置された
    請求項1乃至3のいずれか一項記載の締結ボルト装置。
  5. 前記傾斜面に配置された2つの前記応力センサを備え、
    前記2つの応力センサがともに、前記傾斜面の傾斜方向の応力に応答するものであり、
    前記2つの応力センサの応答値の絶対値が加算されて軸力検出の出力値に反映されるように構成された測定回路をさらに備えた
    請求項1乃至4のいずれか一項記載の締結ボルト。
  6. 前記傾斜面に配置された2つの前記応力センサを備え、
    前記2つの応力センサの一方が、前記傾斜面の主に傾斜方向の応力に応答する傾斜方向応力センサであり、
    前記2つの応力センサの他方が、前記傾斜面の主に周方向の応力に応答する周方向応力センサであり、
    前記2つの応力センサの応答値の絶対値が加算されて軸力検出の出力値に反映されるように構成された測定回路をさらに備えた
    請求項1乃至4のいずれか一項記載の締結ボルト。
  7. 前記応力センサと電気的に接続された電子装置と、
    前記電子装置の少なくとも一部を内部に収容した保護容器と
    をさらに備え、
    前記保護容器が前記頭部に結合されて、前記凹部の上端開口を水密に塞ぐ
    請求項1乃至6のいずれか一項記載の締結ボルト。
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