JP6863059B2 - W−Ti積層膜 - Google Patents

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Description

本発明は、W−Ti積層膜に関する。
サーマルプリンタヘッド、金属歯車、軸受、切削工具などの各種部品では、表面の耐摩耗性や摺動性を向上させるために、その物品の表面に保護膜を設けることが広く行なわれている。保護膜としては、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)や各種の合金などから形成された硬質膜が利用されている。
特許文献1には、硬質膜として、膜密度の低いDLC(ダイヤモンドライクカーボン)で形成された低密度炭素層と、膜密度の高いDLCで形成された高密度炭素層とが交互に積層されたDLC多層膜が開示されている。この特許文献1には、基材の表面とDLC多層膜との間に、基材とDLC多層膜との密着性を確保するための中間層を設けた構成が開示されている。
特許文献2には、高密度プラズマにより被覆した相と、低密度プラズマにより被覆した相との多相構造を有する硬質皮膜が開示されている。この特許文献2に開示されている硬質皮膜は、金属成分としてNb、Si、Al、Tiを含む。この特許文献2には、硬質皮膜と基体の密着性を強固にするために、基材直上にある硬質皮膜の配向面を制御することが記載されている。また、この特許文献2には、硬質皮膜と基材の密着性を向上させる中間層を設けることが好ましいと記載されている。
特許第3995900号公報 特開2006−118051号公報
サーマルプリンタヘッド、金属歯車、軸受、切削工具などの各種部品の保護膜として用いる硬質膜は、基材に対する密着性や硬度が高く、耐摩耗性や摺動性に優れていることが必要である。しかしながら、上記特許文献1、2に開示されている硬質膜では、基材との密着性や硬度の向上のため、低密度膜と高密度膜を交互に積層する必要があった。特に、密着性向上のため、中間層を設けたり、配向面を制御したりする必要があった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、特には基材との間に中間層を設けなくとも基材に対する密着性と硬度とがバランスよく向上し、基材の保護膜として有利に利用することができる膜を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の膜は、W−Ti積層膜であって、TiとWとからなる組成を有し、基材に密着させるための密着層と、前記密着層の前記基材に密着させる面とは反対側の面の上に配置される表面層とを含む2層以上の積層膜であり、前記密着層は膜密度が16.80g/cm以下であって、前記表面層は膜密度が17.00g/cm以上であることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のW−Ti積層膜によれば、基材に密着させるための密着層は、膜密度が16.80g/cm以下であり、表面層と比較して相対的に低密度であって残留応力が低いので、基材との密着性に優れ、基材との間に中間層を設けなくとも基材に対する密着性を向上させることができる。一方、密着層の基材に密着させる面とは反対側の面の上に配置される表面層は、膜密度が17.00g/cm以上であり、密着層と比較して相対的に高密度であって、膜組織が緻密であるので、硬度が高くなる。表面層の硬度が高くなるので、耐摩耗性や摺動性が向上する。従って、本発明のW−Ti積層膜は、基材に対する密着性と硬度とがバランスよく向上し、基材の保護膜として有利に利用することができる。
ここで、本発明のW−Ti積層膜においては、前記密着層の膜密度が16.55g/cm以下であることが好ましい。
この場合、密着層の膜密度が16.55g/cm以下とさらに低く設定されているので、基材との密着性をさらに向上させることができる。
また、本発明のW−Ti積層膜においては、前記表面層の膜厚が0.3μm以上10μm以下の範囲にあることが好ましい。
この場合、表面層の膜厚が上記の範囲とされているので、W−Ti積層膜全体の膜応力を過度に上昇させずに、表面層の硬度を高くすることができるので、基材に対する密着性と硬度とがよりバランスよく向上する。
さらに、本発明のW−Ti積層膜においては、前記表面層の膜厚と前記密着層の膜厚との比(表面層の膜厚/密着層の膜厚)が1.0以上6.0以下の範囲にあることが好ましい。
この場合、表面層の膜厚と密着層の膜厚との比が上記の範囲とされているので、基材に対する密着性と硬度とがさらにバランスよく向上する。
本発明によれば、特には基材との間に中間層を設けなくとも基材に対する密着性と硬度とがバランスよく向上し、基材の保護膜として有利に利用することができる膜(W−Ti積層膜)を提供することが可能となる。
本実施形態のW−Ti積層膜を保護膜として有する保護膜付基材の断面図である。 本発明例2で成膜したW−Ti積層膜の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
以下に、本発明の実施形態であるW−Ti積層膜について説明する。
本実施形態のW−Ti積層膜は、基材に対する密着性が高い密着層と、硬度が高く、耐摩耗性や摺動性に優れる表面層とを有する。このため、本実施形態のW−Ti積層膜は、例えば、サーマルプリンタヘッド、金属歯車、軸受、切削工具などの各種部品の保護膜として有利に利用することができる。
図1は、本実施形態のW−Ti積層膜を保護膜として有する保護膜付基材の断面図である。
図1において、保護膜付基材1は、基材2と、基材2の表面に備えられたW−Ti積層膜3とを含む。
基材2は、例えば、サーマルプリンタヘッド、金属歯車、軸受、切削工具などの各種部品である。基材2は、表面粗さ(Ra)が、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、特に好ましくは200nm以上である。基材2の表面粗さ(Ra)が大きい方が、W−Ti積層膜3との密着性が向上して、W−Ti積層膜3が剥がれにくくなる傾向がある。なお、基材2の表面粗さ(Ra)が大きくなりすぎると、W−Ti積層膜3の表面が粗くなり、耐摩耗性や摺動性が低下するおそれがある。このため、基材2の表面粗さ(Ra)は500nm以下であることが好ましい。
W−Ti積層膜3は、TiとWとからなる組成を有する。本実施形態では、W−Ti積層膜3は、Tiを5質量%以上20質量%以下の範囲内で含有し、残部がWおよび不可避不純物からなる組成を有する。W−Ti積層膜3は、基材2に密着させるための密着層4と、密着層4の基材2に密着させる面とは反対側(図1において上側)の面の上に配置される表面層5とを備える。密着層4は、膜密度が16.80g/cm以下とされている。表面層5は、膜密度が17.00g/cm以上とされている。また、密着層4および表面層5の厚さは、密着層4が0.1μm以上で、表面層5が0.3μm以上10μm以下とされている。また、表面層5の膜厚と密着層4の膜厚との比(表面層5の膜厚/密着層4の膜厚)は1.0以上6.0以下の範囲とされている。
以下に、W−Ti積層膜3の組成、密着層4および表面層5の膜密度と膜厚を、上述のように規定した理由について説明する。
<W−Ti積層膜の組成:Ti含有量が5質量%以上20質量%以下>
Tiの含有量が少なくなりすぎると、膜密度が低くなりにくくなり、低密度で密着性に優れる密着層4が得られにくくなるおそれがある。一方、Tiの含有量が多くなりすぎると膜密度が高くなりにくく、高密度で硬度が高い表面層5が得られにくくなるおそれがある。このため、本実施形態においては、W−Ti積層膜3におけるTiの含有量を5質量%以上20質量%以下の範囲内に設定している。
なお、Ti含有量は、W−Ti積層膜3全体に対する含有量である。Ti含有量は、密着層4と表面層5とで同じである必要はない。
<密着層の膜密度:16.80g/cm以下>
密着層4は、基材2とW−Ti積層膜3を密着させるための層である。密着層4は、表面層5と比較して相対的に低密度として、残留応力を低くすることによって、基材2との密着性を向上させる。密着層4の膜密度が16.80g/cmよりも大きいと、基材2に対する十分な密着性が得られずに、基材2からW−Ti積層膜3が剥離しやすくなるおそれがある。
このため、本実施形態においては、密着層4の膜密度を16.80g/cm以下と設定している。さらに、基材との密着性をより向上させる観点から、密着層4の膜密度は16.55g/cm以下であることが好ましい。
なお、密着層4の膜密度が低くなりすぎると、強度が低下して、形状を維持できなくなるおそれがある。このため、密着層4の膜密度は、15.80g/cm以上であることが好ましい。
<表面層の膜密度:17.00g/cm以上>
表面層5は、密着層4の上側の面の上に配置され、外部に直接曝される層であり、W−Ti積層膜3の硬度を高くし、耐摩耗性や摺動性を向上させるための層である。表面層5は、密着層4と比較して相対的に高密度として、膜組織を緻密にすることによって硬度を高くしている。表面層5の膜密度が17.00g/cmよりも小さいと、表面層5の硬度が低くなり、耐摩耗性や摺動性が低下するおそれがある。
このため、本実施形態においては、表面層5の膜密度を17.00g/cm以上と設定している。
なお、表面層5の膜密度が高くなりすぎると、かえって脆くなり、割れやひびが発生しやすくなるおそれがある。このため、表面層5の膜密度は、18.00g/cm以下であることが好ましい。
<密着層および表面層の厚さ>
密着層4は、膜厚が0.1μmよりも薄いと、基材2に対して十分な密着性が得られないおそれがある。
このため、本実施形態においては、密着層4の膜厚を0.1μm以上と設定している。なお、密着層4の膜厚は、生産コストの低減の観点から、5μm以下であることが好ましい。
表面層5は、膜厚が0.3μmより薄いと十分な摺動性が得られないおそれがある。一方、表面層5の膜厚が10μmより厚いと、W−Ti積層膜3の全体の膜応力が過度に上昇して、密着層4が基材2から剥がれやすくなるおそれがある。
このため、本実施形態においては、表面層5の厚さを0.3μm以上10μm以下の範囲と設定している。
また、表面層5の膜厚と密着層4の膜厚との比(表面層5の膜厚/密着層4の膜厚)が1.0よりも低いと、相対的に表面層5の膜厚が薄くなりすぎて、表面層5の硬度が低くなり、耐摩耗性や摺動性が低下するおそれがある。一方、表面層5の膜厚/密着層4の膜厚が6.0を超えると、表面層5の膜厚が厚くなりすぎて、W−Ti積層膜3の全体の膜応力が過度に上昇して、密着層4が基材2から剥がれやすくなるおそれがある。
このため、本実施形態においては、表面層5の膜厚/密着層4の膜厚を、1.0以上6.0以下の範囲と設定している。
本実施形態のW−Ti積層膜3は、例えば、W−Tiスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法によって成膜することができる。本実施形態では、W−Tiスパッタリングターゲットとして、Tiを5質量%以上20質量%以下の範囲内、残部がWおよび不可避不純物からなる組成を有するターゲットを用いる。
W−Tiスパッタリングターゲットは、原料粉を所定の配合量で混合して混合粉末を得る混合工程と、混合粉末を加熱して焼結体を得る焼結工程と、得られた焼結体を加工する加工工程と、を備えている方法によって製造することができる。原料粉としては、Ti粉末とW粉末を使用できる。Ti粉末としては、純度が99.9質量%以上、平均粒径が1μm以上40μm以下とされたものを用いることが好ましい。また、W粉末としては、純度が99.9質量%以上、平均粒径が0.5μm以上20μm以下とされたものを用いることが好ましい。
混合工程では、上記の原料粉を、Tiを5質量%以上20質量%以下の範囲内、残部がWとなるように秤量し、秤量した原料粉を混合して混合粉末を得る。原料粉の混合は、ボールミル装置などの粉砕機能を有する混合装置を用いることができる。本実施形態では、原料粉を、転動ボールミル装置を用いて混合した。
焼結工程では、混合粉末を、真空又は不活性ガス雰囲気中又は還元雰囲気中で加熱して、焼結させる。焼結方法としては、常圧焼結、ホットプレス、熱間静水圧プレスを用いることができる。本実施形態では、グラファイト製モールドに混合粉末を充填し、圧力を10MPa以上60MPa以下、温度を1000℃以上1500℃以下の条件で真空ホットプレスすることによって焼結体を得た。
加工工程では、得られた焼結体に対して切削加工又は研削加工を施すことにより、所定形状のスパッタリングターゲットに加工する。
以上のような工程により得られたW−Tiスパッタリングターゲットは、例えば、Inをはんだとして、Cu又はSUS(ステンレス)又はその他の金属(例えばMo)からなるバッキングプレートにボンディングして使用される。
スパッタリング法としては、DC(直流)スパッタリング法およびRF(高周波)スパッタリング法を用いることができる。本実施形態では、マグネトロン式スパッタ装置を用いてDC(直流)スパッタリング法によりW−Ti積層膜3を成膜した。スパッタガスとしては、Arガスを使用した。
本実施形態では、先ず初めに、密着層4を基材2の上に形成する。このとき、スパッタ装置のガス圧は、2.1Pa以上3.0Pa以下と設定する。
次に、表面層5を密着層4の上に形成する。このとき、スパッタ装置のガス圧は、密着層4を形成するときよりも低くする。具体的には、0.2Pa以上1.3Pa以下と設定する。
密着層4を形成する際は、ガス圧を高く設定することによって、形成されるW−Ti膜の膜密度を低くする。W−Ti膜は、膜密度が低くなると、硬度は低くなるが基材との密着性が高くなる。一方、表面層5を形成する際は、ガス圧を低くすることによって、形成されるW−Ti膜の膜密度を高くする。表面層5は、膜密度が高くなることによって基材との密着性は低下するが、直下の密着層4が同じ組成のW−Ti層であるため、表面層5は、密着層4との密着性が高く、密着層4から剥がれにくい。
以上のような構成とされた本実施形態であるW−Ti積層膜3によれば、基材に密着させるための密着層4は、膜密度が16.80g/cm以下、好ましくは16.55g/cm以下であり、表面層5と比較して相対的に低密度であって、残留応力が低いので、基材2との密着性に優れ、基材2との間に中間層を設けなくとも基材2に対する密着性を向上させることができる。一方、密着層4の基材2に密着させる側とは反対側の表面上に配置される表面層5は、膜密度が17.00g/cm以上であり、密着層4と比較して相対的に高密度であって、膜組織が緻密であるので、硬度が高くなる。従って、本実施形態のW−Ti積層膜3は、基材2に対する密着性と硬度とがバランスよく向上し、基材2の保護膜として有利に利用することができる。
また、本実施形態のW−Ti積層膜3においては、表面層5の膜厚が0.3μm以上10μm以下の範囲とされているので、W−Ti積層膜3全体の膜応力を過度に上昇させずに、表面層5の硬度を高くすることができるので、基材2に対する密着性と硬度とがよりバランスよく向上する。
さらに、本実施形態のW−Ti積層膜においては、表面層5の膜厚と密着層4の膜厚との比(表面層5の膜厚/密着層4の膜厚)が1.0以上6.0以下の範囲とされているので、基材2に対する密着性と硬度とがさらにバランスよく向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、W−Ti積層膜3を、Tiを5質量%以上20質量%以下の範囲内で含有し、残部がWおよび不可避不純物からなる組成を有するものとして説明したが、これに限定されることなく、密着層4と表面層5の膜密度が本発明の範囲にあれば、Tiの含有量は5質量%未満であってもよいし、20質量%を超えていてもよい。
また、本実施形態では、W−Ti積層膜3は、表面層5が密着層4の上側の面の上に直接配置された2層構造とされているが、これに限定されることなく、表面層5が密着層4の上側の面に中間層を介して配置された構造としていてもよい。中間層は、膜密度が16.80g/cmよりも高く、17.21g/cm 以下であることが好ましい。また、中間層は、膜厚が0.1μm以上5μm以下の範囲にあることが好ましい。さらに、中間層は2層以上であってもよい。2層以上の中間層を設ける場合は、密着層4側から表面層5に向けて、順に膜密度を高くすることが好ましい。
以下に、本発明に係るW−Ti積層膜の作用効果について評価した評価試験の結果を説明する。
[本発明例1〜11、比較例1〜6]
<W−Tiスパッタリングターゲット>
原料粉末として、純度が99.9質量%、平均粒径が15μmとされたTi粉末と、純度が99.9質量%、平均粒径が1μmとされたW粉末を用意した。用意したTi粉末とW粉末を、表1に示す配合組成となるように秤量した。秤量したTi粉末とW粉末とを、転動ボールミル装置を用いて混合して混合粉末を得た。
得られた混合粉末をグラファイト製モールドに充填し、圧力:15MPa、温度:1200℃、3時間保持の条件で真空ホットプレスすることにより焼結体を作製した。得られた焼結体を機械加工して直径:152.4mm、厚さ:6mmを有するW−Tiスパッタリングターゲットを作製した。
<基材>
表1に記載の材質で、表面粗さ(Ra)を有する基板(10mm×10mm)を用意した。
<W−Ti積層膜の成膜>
上記のW−Tiスパッタリングターゲットを無酸素銅製のバッキングプレートにはんだ付けした。バッキングプレート付のW−Tiスパッタリングターゲットと、上記の基材とをマグネトロンスパッタ装置(株式会社アルバック製SIH−450H)に装着した。そして、以下の条件にてスパッタリング法によって、基材の上に、密着層と表面層をこの順で成形してW−Ti積層膜を成膜した。なお、本発明例4では、基材の上に、密着層と中間層と表面層をこの順で成形した。
(スパッタリングの条件)
基材とターゲットの距離:70mm
到達真空度:5×10−4Pa
電力:直流700W
スパッタガス:Arガス
ガス圧:表1に記載
膜厚:表1に記載
<W−Ti積層膜の評価>
得られたW−Ti積層膜の断面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した。図2に、本発明例2で成膜したW−Ti積層膜のSEM写真を示す。図2のSEM写真からW−Ti積層膜は、密着層と表面層とがそれぞれ柱状の結晶から構成されていることがわかる。なお、本発明例1〜11で成膜したW−Ti積層膜は、SEM観察の結果、全て密着層と表面層とがそれぞれ柱状の結晶から構成されていることが確認された。
また、得られたW−Ti積層膜の組成、W−Ti積層膜の各層の膜密度、密着性、硬度を下記の方法により評価した。その結果を、表2に示す。なお、表2に、W−Ti積層膜の各層の膜厚を合せて記載した。
(W−Ti積層膜の組成)
得られたW−Ti積層膜を酸で溶解した。得られた溶液中のTiとWの量をICP発光分析により測定して、W−Ti積層膜の組成を分析した。
(W−Ti積層膜の各層の膜密度)
W−Ti積層膜の各層の膜密度は、X線反射率法(XRR法)により測定した。測定装置は、Rigaku社製smartlabを用いた。
(W−Ti積層膜の密着性)
W−Ti積層膜の密着性は、クロスカット試験により評価した。試験は、JIS K 5400に規定された方法に準拠して行った。すなわち、W−Ti積層膜に、カッターガイドとカッターナイフを用いて、幅1mmの等間隔の切れ込みを11本入れ、その後カッターガイドの向きを90°変えて、同様に幅1mmの等間隔の切れ込みを11本入れた。この切れ込みにより1mm×1mmの大きさのマスを10×10=100個形成した。切り込みを入れたW−Ti積層膜表面にセロハン粘着テープを貼り付け、上部からこすって膜にテープを付着させた。セロハン粘着テープを付着させてから1〜2分後にテープの端を持ってW−Ti積層膜面に直角に保ち、瞬間的に引き剥がして、100個のマスの中から剥がれたマスの個数を数えた。
(W−Ti積層膜の硬度)
W−Ti積層膜の硬度は、マイクロスクラッチテスターを用いて評価した。W−Ti積層膜表面にダイヤモンド圧子(頂角120°、曲率半径0.05mm)を押付け、荷重を0.1mNから徐々に増加させながら、そのダイヤモンド圧子を一方向に引っ掻き、W−Ti積層膜の剥離が生じたときの荷重値(臨界荷重値)を計測した。
Figure 0006863059
Figure 0006863059
表2の結果から、密着層と表面層のそれぞれの膜密度が本発明の範囲にある本発明例1〜11のW−Ti積層膜は、密着性と硬度の両者においてバランスよく向上していることが確認された。
これに対して、密着層の膜密度が本発明の範囲よりも大きい比較例1、3、4、5については、密着性が低下した。特に、密着層の膜密度が表面層の膜密度よりも大きい比較例1、4については、自然剥離が起こり、密着性と硬度の評価試験を実施できなかった。
一方、表面層の膜密度が本発明の範囲よりも小さい比較例2、6については、硬度が低下した。特に、表面層の膜密度が密着層の膜密度よりも大きい比較例2については、硬度が大幅に低下した。
1 保護膜付基材
2 基材
3 W−Ti積層膜
4 密着層
5 表面層

Claims (4)

  1. TiとWとからなる組成を有し、
    基材に密着させるための密着層と、前記密着層の前記基材に密着させる面とは反対側の面の上に配置される表面層とを含む2層以上の積層膜であり、
    前記密着層は膜密度が16.80g/cm以下であって、前記表面層は膜密度が17.00g/cm以上であることを特徴とするW−Ti積層膜。
  2. 前記密着層の膜密度が16.55g/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載のW−Ti積層膜。
  3. 前記表面層の膜厚が0.3μm以上10μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のW−Ti積層膜。
  4. 前記表面層の膜厚と前記密着層の膜厚との比(表面層の膜厚/密着層の膜厚)が1.0以上6.0以下の範囲にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のW−Ti積層膜。
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