JP6861624B2 - 超音波送受信装置および超音波送受信方法 - Google Patents

超音波送受信装置および超音波送受信方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波送受信装置に係り、被検体内においてせん断波を発生させ、その伝搬速度を計測することにより、生体組織の性状を評価する技術に関する。
超音波やMRI(Magnetic Resonance Imaging)、X線CT(Computed Tomography)に代表される医療用の画像表示装置は、目視できない生体内の情報を数値または画像の形態で提示する装置として広く利用されている。中でも超音波を利用して画像を表示する超音波撮像装置は、他の装置と比較して高い時間分解能を備えており、例えば拍動下の心臓を滲みなく画像化できる性能を持つ。
被検体(生体)内を伝搬する波は、主に縦波と横波に区別される。超音波撮像装置で用いられる組織形状を映像化する技術や、血流速度を計測する技術は、主に縦波(音速約1540m/s)の情報を利用している。
一方、生体内を伝搬する横波(以降、せん断波)を利用して組織の弾性率を評価する技術が近年注目されており、慢性肝疾患や癌に対する臨床利用が進められている。この技術は、計測対象となる組織内部にせん断波を発生させ、せん断波の伝搬速度から組織の弾性率等の弾性を表す評価指標を算出する。
せん断波を発生させる手法は、機械方式と放射圧方式に大別される。機械方式は、バイブレータ等を利用して体表面に1kHz程度の振動を与えてせん断波を発生させる方式で、振動源となる駆動装置が必要である。一方、放射圧方式は、超音波を組織内の局所に集中させる集束超音波を利用して生体内に音響放射圧を加え、瞬時的に発生する組織変位を利用してせん断波を発生させる。
いずれのせん断波発生方法を用いた場合も、発生したせん断波によって生じた組織変位は、超音波により計測され、せん断波の伝搬速度が算出される。算出されたせん断波の伝搬速度から、組織性状を表す弾性率等の特性値が計算によって求められる。
せん断波を利用して組織の弾性を評価する方法は、弾性率等の特性値を定量的に計測できるため、腫瘍診断において極めて重要であり、臨床価値が高い。しかしながら、超音波は、組織構造によって反射、屈折、回折、減衰の影響を受けるため、せん断波を用いて組織弾性を計測する際の計測精度や再現率に影響を与えることが知られている。
特許文献1には、被検体内に超音波を送信し、被検体内で反射して戻ってきた超音波信号を受信し、その受信信号から被検体の画像を生成する超音波診断装置において、送信時または受信時の超音波のフォーカシングを、被検体の脂肪層の境界における超音波の屈折を考慮して行う技術が開示されている。すなわち、振動子ごとの送信信号または受信信号に付与する遅延時間を、被検体の脂肪層の境界における超音波の屈折を考慮して設定する。これにより、被検体の脂肪層における超音波の屈折の影響を抑制し、被検体画像の分解能の劣化を防ぐことができる。遅延時間の設定方法としては、表在の皮下脂肪層の厚さを測定し、その他の生体組織との組織境界における屈折を考慮して、振動子から焦点までの伝搬経路を推定し、その伝搬経路の長さと、伝搬経路上の組織の音速から、音源から焦点まで音波が到達するまでの伝搬時間を算出し、これに基づき振動子ごとの遅延時間を設定する。
特許第4711583号公報
特許文献1の技術では、厚さが一様な脂肪層が存在していると想定して超音波の屈折した伝搬経路を算出する。脂肪層の厚さは、ユーザが脂肪層の上面と下面に配置したカーソル間の距離を算出することにより1か所で計測している。
しかしながら、被検体によっては、脂肪層の厚さが一様でなく複雑な形状の場合もある。また、脂肪層と他の組織が交互に複数層に積層されている場合もある。さらに、被検体内には、脂肪層以外にも種々の組織の境界が存在し、複雑な形状の組織境界を形成している。
せん断波を利用して組織の弾性を評価する方法において、精度よく組織の弾性率を計測するためには、せん断波を所望の深さの指定位置で、所望の強度で発生させることが望ましい。せん断波の発生位置が指定位置からずれた場合、せん断波の計測領域に必要な強度(振幅)のせん断波が伝搬せず、せん断波の計測が困難になる。そのため、集束超音波によりせん断波を発生させる場合には、焦点において超音波を精度よく集束させるための遅延時間を振動子ごとに正確に求める必要があるが、そのためには、体表から指定位置(焦点)までに存在する組織境界の位置および形状を把握し、それらの境界における超音波の屈折を考慮して伝搬経路を求める必要がある。
特許文献1の技術では、脂肪層の厚さをユーザが設定したカーソルにより1か所で計測するため、組織の境界形状が複雑である場合にはその形状を把握することは困難である。そのため、特許文献1の技術を応用して、複雑な形状の組織境界を通過した超音波を、所望の焦点位置に精度よく集束させることは難しい。
また、特許文献1に記載の技術をせん断波を用いた弾性評価に用いた場合、得られた弾性率の信頼性を知る術がない。
本発明の目的は、検査対象の組織境界の形状を把握し、所望の焦点に超音波を精度よく集束させることにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数の振動子が配列された探触子に対してそれぞれ送信信号を出力し、複数の振動子から検査対象に超音波を送信させる送信部と、送信後に検査対象から戻る超音波を受信した振動子がそれぞれ出力する受信信号を取得する受信部と、送信部および受信部を制御する制御部とを有する超音波送受信装置が提供される。制御部は、受信信号を用いて、検査対象内の組織境界を所定の範囲において検出する組織境界検出部と、複数の振動子から送信された超音波が組織境界において屈折する経路を求め、経路に基づいて所定の焦点に超音波を合焦させるための送信信号の遅延時間を振動子ごとに算出する遅延時間算出部とを含む。
本発明によれば、検査対象の組織境界の形状を把握することができるため、所望の焦点位置に超音波を精度よく集束させることができる。よって、せん断波を発生させてその速度を精度よく計測することができる。
本発明の実施形態1の超音波送受信装置の一構成例のブロック図である。 (a)音速の異なる組織1、組織2の組織境界において、超音波が屈折する経路を示す説明図である、(b)組織境界がない場合の超音波の経路、ならびに、超音波の焦点と計測点との適正距離を示す説明図である。 (a)は、実施形態の第1超音波の送受信を示す説明図である、(b)第2超音波の送信および第3超音波の送受信をそれぞれ示す説明である。 実施形態1の超音波送受信装置の動作を示すフローチャートである。 Bモード画像から組織境界の検出をするフローチャートである。 RF信号から組織境界の検出をするフローチャートである。 組織1と組織2の組織境界と、組織境界の傾きを示した図である。 実施形態1の超音波の屈折経路の算出動作(振動子基点方式)を示すフローチャートである。 図8の算出動作で用いる超音波屈折経路の各点の関係を示す説明図である。 実施形態1において求められる焦点付近の超音波推定強度分布を示した図である。 実施形態2の超音波の屈折経路の算出動作(焦点基点方式)を示すフローチャートである。 図11の算出動作で用いる超音波屈折経路の各点の関係を示す説明図である。 実施形態2において算出された遅延時間を用いる際、焦点位置と超音波到達点とのずれを許容する範囲を示すグラフである。 実施形態3の超音波送受信装置の動作を示すフローチャートである。 Bモード画像から複数の組織境界候補の検出をするフローチャートである。 RF信号から複数の組織境界候補の検出をするフローチャートである。 実施形態3における超音波送受信装置の表示形態の一例である。 実施形態3における超音波送受信装置の表示形態の一例である。 (a)、(b)は、実施形態3における焦点付近の超音波の推定強度分布を信頼性指標とした場合の表示形態の一例である。 実施形態3における焦点付近の超音波の推定強度分布を信頼性指標とした場合の表示形態の一例である。 (a)、(b)は、実施形態3におけるせん断波による深度方向の組織変位を、信頼性指標として用いた場合の表示形態の一例を示したものである。 実施形態3におけるせん断波による深度方向の組織変位を、信頼性指標として用いた場合の表示形態の一例を示したものである。 (a)、(b)は、せん断波の波面の左右方向への伝搬を示す説明図である、(c)は、実施形態3におけるせん断波の波面の左右方向の到達時間の差を信頼性指標として用いた場合の表示形態の一例を示したものである。 実施形態3におけるせん断波の波面の左右方向の到達時間の差を信頼性指標として用いた場合の表示形態の一例を示したものである。 (a)、(b)は、実施形態3におけるせん断波が伝搬している焦点周辺に第3超音波の超音波を照射し、その反射波を受信した受信信号の信号強度を、信頼性指標として用いた場合の表示形態の一例を示したものである。 実施形態3におけるせん断波が伝搬している焦点周辺に第3超音波の超音波を照射し、その反射波を受信した受信信号の信号強度を信頼性指標とした場合の表示形態の一例を示したものである。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
<<実施形態1>>
実施形態1の超音波送受信装置1について図1を用いて説明する。
図1に示すように、実施形態1の超音波送受信装置1は、送信部(送信ビームフォーマ)21と、受信部(受信ビームフォーマ)22と、制御部30を備えて構成される。送信部20は、複数の振動子が配列された探触子10に対して、それぞれ送信信号を出力し、複数の振動子から検査対象100に超音波を送信させる。探触子10による超音波の送信後に、検査対象100から戻る超音波は、探触子10の各振動子により受信され、各振動子は、受信信号を出力する。受信部22は、振動子がそれぞれ出力する受信信号を取得する。
制御部30は、送信部21および受信部22を制御する。制御部30は、組織境界検出部32と、遅延時間算出部33とを含む。組織境界算出部32は、受信部22の受信信号を用いて、図2(a)に示すように、検査対象100内の組織境界121を所定の範囲110において検出する。遅延時間算出部33は、複数の振動子11から送信された超音波が組織境界121において屈折する経路411を求め、経路411に基づいて所定の焦点401に超音波を合焦させるための送信信号の遅延時間を振動子11ごとに算出する。
このように、実施形態1の超音波送受信装置は、受信信号を用いて検査対象100の組織境界121を検出し、検出した組織境界121において超音波が屈折することを考慮して遅延時間を算出することができるため、精度よく所望の焦点位置に超音波を集束させることができる。
以下、さらに詳しく実施形態1の超音波送受信装置について説明する。
組織境界検出部32は、組織境界121を検出するために、送信部21を制御して、検査対象100の所定の範囲110に対して第1超音波301を例えば図3(a)のように送信させる。第1超音波301が送信された後に、検査対象100の所定の範囲110から探触子100に戻る超音波(エコー等)311は、探触子100の振動子11によってそれぞれ受信される。組織境界検出部32は、振動子11がそれぞれ出力する受信信号を受信部22から受け取り、受信信号を用いて、所定の範囲110に存在する検査対象100の組織境界121を検出する。
例えば、図1のように、制御部30は、振動子11の受信信号から検査対象100の画像を生成する画像生成部31を備える構成とし、組織境界検出部32は、画像生成部31が生成した所定の範囲110の画像を画像処理することにより、組織境界121を検出する構成とすることができる。これにより、画像の範囲において組織境界121を2次元に検出することができる。
また、組織境界検出部32は、受信信号から直接、組織境界121を検出する構成としてもよい。振動子の受信信号は、検査対象100の各深度から戻った超音波(エコー等)311を時系列に受信したものであるため、時系列な受信信号の時刻は、超音波311が反射等された深度に対応している。また、組織101と組織102とで音速や散乱特性等が異なれば、受信信号の波形(振幅、周波数等)も変化するため、組織境界検出部32は、時系列な受信信号の信号波形(振幅、周波数等)の変化時点を検出することにより、検査対象100の深さ方向の組織境界101の位置を検出することができる。すなわち、組織境界検出部32は、複数の振動子11の受信信号について波形変化の位置を検出することにより、組織境界121の位置(深さ)を少なくとも振動子11(受信信号)に対応する数だけ検出することができる。必要に応じて検出した組織境界121の位置を曲線や直線にフィッティングすることにより、組織境界121を連続する線として抽出することができる。
また、制御部30は、図1のように、弾性計測処理部34や判定処理部35をさらに備えていてもよい。
弾性計測処理部34は、送信部21を制御して、遅延時間算出部33が振動子11ごとに算出した遅延時間によってそれぞれ遅延させた送信信号を探触子10の振動子11にそれぞれ出力させる。これにより、探触子10からは、図2(b)に示すように所定の位置に焦点を結ぶ集束超音波(第2超音波)302が送信され、この第2超音波302によって加えられた音響放射圧により、検査対象100にはせん断波304が生じる(図3(b))。弾性計測処理部34は、送信部21および受信部22を制御して、検査対象100の所定の計測領域(ROI:Region of Interest)300に第3超音波303を送信する。第3超音波303の送信後に、検査対象100から戻る超音波(エコー等)313は、探触子10により受信される。弾性計測処理部34は、受信部22からこの受信信号を得て、受信信号に基づいてせん断波304により生じた計測領域の変位を計測し、検査対象の弾性を求める。
判定処理部35は、弾性計測処理部34で算出された弾性の計測結果の信頼性を、その計測時のせん断波304の特性や、集束超音波の特性に基づいて判定する。例えば、焦点401で発生したせん断波304の振幅や、発生したせん断波304の伝搬の焦点401に対する左右対称性(例えば焦点401の左右に等距離に配置したラインA,Bへのせん断波の波面の到達時間の差)や、遅延時間算出部33で求めた伝搬経路から推定された焦点401を含む周辺領域での超音波の推定強度分布等を、信頼性を判断する指標(信頼性指標)として用いる。
<各部の動作>
以下、本実施形態の超音波送受信装置の各部の動作を図4等を用いて説明する。なお、以下の説明においては、超音波送受信装置の制御部30が、図1のように、組織境界検出部32および遅延時間算出部33のみならず、画像生成部31、弾性計測処理部34および判定処理部35をすべて備えた構成である場合について説明する。
制御部30の画像生成処理部31、構造分析処理部32、遅延時間算出部33、弾性計測処理部34、判定処理部35は、ソフトウェアによって実現することも可能であるし、その一部または全部をハードウェアによって実現することも可能である。
ソフトウェアによって実現する場合、制御部30をCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサにより構成し、制御部30に予め格納されたプログラムを読み込んで実効することにより、画像生成処理部31、構造分析処理部32、遅延時間算出部33、弾性計測処理部34、判定処理部35の機能を実現する。また、ハードウェアによって実現する場合には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICやFPGA(Field−Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用い、画像生成処理部31、構造分析処理部32、遅延時間算出部33、弾性計測処理部34、判定処理部35の動作を少なくとも実現するように回路設計を行なえばよい。
ここでは、制御部30の各部の機能をソフトウェアにより実現する場合を例に説明する。
図4〜図6は、装置の動作を示すフローチャートである。
<ステップ200>
まず、図4のように、ステップ200では、制御部30は、外部入力デバイス13を介して、ユーザからROI300と、せん断波401を発生させるための第2超音波302の焦点401と、検査対象100の組織境界121を検出すべき範囲110とを受け付ける。組織境界121を検出すべき範囲110は、焦点401を少なくとも含むように、制御部30が設定してもよい。また、制御部30は、ROI300内のせん断波304が伝搬する方向(例えばx方向)に等間隔に、複数の計測点305を設定する。
<ステップ201>
図4のように、ステップ201では、組織境界検出部31は、送信部(以下、送信ビームフォーマと呼ぶ)21に、ステップ200で受け付けた(または設定された)組織境界121を検出すべき範囲110に向けて第1超音波301を送信するように指示する。例えば図3(a)のように、所定の間隔で複数の送信走査線331を設定し、これらに沿って順次第1超音波301を送信するように指示する。その指示に基づき、送信ビームフォーマ21は、送信信号を探触子10の各振動子11に出力する。探触子10の振動子11が送信信号を超音波に変換することにより、第1超音波301が送信走査線331にそって送信される。検査対象100の内部から反射等して探触子10に戻ってきた超音波311は、探触子10の振動子11により受信される。複数の振動子11の出力する受信信号は、受信ビームフォーマ22により取得され、所定の受信走査線321(図3(a)の例では受信走査線321は、送信走査線331と平行)上に設定された複数の受信焦点にそれぞれ焦点を結ぶように、受信焦点ごとに予め定められた受信用遅延時間で遅延させることにより整相された後、加算され、整相加算後受信信号(以下、RF(Radio Frequency)信号とも呼ぶ)となる。
画像生成処理部31は、RF信号の信号強度等を受信焦点の位置に対応した画素の画素値とすることにより、画像(Bモード画像)を生成する。
なお、ここでは、複数の送信走査線331を設定し、順次第1超音波301を送信して、送信走査線331に平行な受信走査線321についてRF信号を生成したが、第1超音波301を広範囲に広がるように1回のみ送信し、その送信で得た受信信号により、複数の受信走査線321についてそれぞれ整相加算を行い複数のRF信号を得ることも可能である。
<ステップ202>
次に、図4のステップ202において、組織境界検出部32は、ステップ201で取得したRF信号や、RF信号から画像生成処理部31が生成したBモード画像(ここではxz平面の二次元画像)に基づいて、組織境界121の検出を行なう。この検出動作を図5および図6を用いて、以下詳しく説明する。
<ステップ202の組織境界検出の詳細動作例1(画像処理)>
ステップ202においてBモード画像から組織境界121の検出を行なう場合の組織境界検出部32の詳しい動作を図5のフローチャートに示す。
まず、図5のように、ステップ3001において、組織境界検出部32は、画像生成処理部31からBモード画像(xz平面)を受け取る。
次に、ステップ3002において、組織境界検出部32は、Bモード画像を画像処理することにより、画像に含まれる組織境界121の像(直線や曲線)を抽出する。画像処理としては、例えば、予め定めておいた閾値を用いて2値化する処理や、エッジ抽出処理や、テクスチャ解析等を用いることができる。
次に、ステップ3003において、組織境界検出部32は、抽出した組織境界121の形状を特定する情報を求める。例えば、抽出した組織境界121(直線や曲線)上に、図7のように離散的な点71、72、73等を設定し、これらの点71等の位置をxz平面上で示す座標(Pj)と、点71における組織境界121の傾き(水平面との角度)(αj)を求める。求めた点71等の座標と傾き(Pj、αj)は、制御部30が内蔵するメモリに格納される。
なお、ステップ3003では、抽出された組織境界121の形状が特定できる情報であれば、座標と傾きの組み合わせ以外の情報を求めてもよい。例えば、組織境界121の形状を曲線や直線にフィッティングし、それを表す関数を求めてもよい。この場合、求めた関数を制御部30が内蔵するメモリに格納する。
<ステップ202の組織境界検出の詳細動作例2(RF信号の処理)>
ステップ202の別の動作例として、受信信号から組織境界121の検出を行なう場合の組織境界検出部32の詳しい動作を図6のフローチャートに示す。
まず、ステップ4001において、組織境界検出部32は、受信ビームフォーマ22からRF信号(整相加算後の受信信号)を受け取る。
次に、ステップ4002において、組織境界検出部32は、RF信号ごとに信号処理を施し、組織に境界が存在することにより、RF信号(時系列信号)に生じている変化の時点を検出する。RF信号に生じている変化とは、2以上の組織が境界において接していることによる超音波の反射特性や散乱特性ならびに伝搬特性等の変化によってRF信号に生じている変化である。例えば、RF信号の振幅の変化や、周波数成分の変化を検出し、その変化時点を求めることにより、変化時点に対応する検査対象100の深度61(図3(a)参照)をRF信号ごとに求めることができる。これにより、それぞれ受信走査線321のライン上における組織境界121の位置61の深度を検出でき、組織境界121を示す位置61を受信走査線321の数だけ離散的に求めることができる。さらに、必要に応じて、受信走査線321ごとの組織境界121の位置61にフィッティングする直線や曲線を求め、直線や曲線として組織境界121を求めることもできる。
次に、ステップ4003において、ステップ3003と同様に、組織境界検出部32は、抽出した組織境界121の形状を特定する情報を求める。例えば、図7のように、組織境界121(直線や曲線)上の離散的な点71等の位置をxz平面上で示す座標(Pj)と、点71等における組織境界121の傾き(αj)を求める。このとき、離散的な点71等を、受信走査線321の組織境界の位置61と一致させてもよい。求めた点71等の座標と傾き(Pj、αj)は、制御部30が内蔵するメモリに格納される。
<ステップ203>
次に、図2のステップ203において、遅延時間算出部33は、上記ステップ202で求めた組織境界121に基づいて、組織境界121において超音波が屈折することを考慮して、所望の送信焦点401に焦点を結ぶように各振動子11から超音波を送信するための各振動子11の遅延時間を算出する。
遅延時間算出部33は、組織境界121における屈折を補償した遅延時間を算出するため、例えば次のような処理を行なう。
まず、組織境界検出部32によって求められた組織境界121の位置と、探触子10の各振動子11の位置と、焦点401の位置との関係から、各振動子11から送信され、組織境界121を通り、焦点401へ向かう超音波の伝搬経路を、屈折を考慮した上で算出する。組織境界121における超音波の伝搬経路の屈折角は、スネルの法則から算出する。各振動子11から焦点401までの伝搬経路を算出した後、各振動子11から焦点401までの伝搬時間を算出する。
振動子11ごとに算出された伝搬時間に基づき、各振動子11の遅延時間を算出する。このように、組織境界121における屈折を考慮して遅延時間を算出することにより、焦点401への超音波の集束効率を向上させることができる。
遅延時間算出部33の遅延時間の算出方法については後でさらに詳しく説明する。
<ステップ204>
次に、ステップ204において、弾性計測処理部34は、図3(b)のように、遅延時間算出部33から送信焦点401に焦点を結ばせるための送信時の遅延時間を受け取り、送信ビームフォーマ21に設定する。これにより、送信ビームフォーマ21は、上記遅延時間で遅延させた送信信号を振動子11ごとに生成して、各振動子11に出力する。振動子は、受け取った送信信号を超音波に変換して検査対象100に照射する。これにより、照射された第2超音波302は、焦点401の位置に集束するため、第2超音波302による音響放射圧を焦点401の位置に加えることができる。第2超音波302の照射が停止されると、圧力負荷が排除されるため復元力が働き、焦点401の位置においてせん断波が発生する。せん断波304は、第2超音波30が照射された焦点401の位置を基点に放射状に伝搬する。
<ステップ205>
次に、ステップ205において、弾性計測処理部34は、送信ビームフォーマ21および受信ビームフォーマ22に対して、ROI300に第3超音波303を照射して、そのエコーを受信することにより、組織の変位を計測するように指示する。図3(b)の図面では、焦点401から図面上の右方向に伝搬するせん断波304を計測する場合を例示している。
具体的には、例えば、弾性計測処理部34は、所定の送信走査線の位置を送信ビームフォーマ21に指示し、所定のタイミングで第3超音波105を探触子10の振動子11から2回以上送信させ、送信の都度、そのエコーを受信した振動子11の受信信号を、受信ビームフォーマ22を介して受信する。弾性計測処理部34は、ROI300内の複数の計測点305を通る複数の受信走査線について、受信ビームフォーミングを行うことにより整相加算後の受信信号(RF信号)313をそれぞれ得る。
<ステップ206>
次に、ステップ206において、判定処理部35は、ステップ204で生成されたせん断波304のROI300における信頼性を判定する。すなわち、せん断波304がROI300において十分な精度で計測できるような波形であるかどうかを判定する。例えば、実際に発生したせん断波304の振幅や、せん断波304の伝搬の左右対称性をステップ205で求めたRF信号に基づいて求めて、これらを信頼性指標として信頼性を判定処理部35が判定してもよい。また、判定処理部35は、遅延時間算出部33が後述するように算出した超音波の伝搬経路に基づいて、焦点401周辺の超音波の推定強度分布を算出し、この推定強度分布を信頼性指標としてせん断波304のROI300における信頼性を判定してもよい。なお、信頼性指標の具体的な例およびその算出方法については、実施形態3において説明する。
<ステップ207>
次に、ステップ207において、弾性計測処理部34は、ステップ205において複数の計測点304について複数回の送信についてそれぞれ得たRF信号313を用い、複数の計測点305の深さ方向(z方向)について変位を計測する。
具体的には、同一の計測点305について、異なるタイミングで得たRF信号313同士の相互相関演算により、複数の計測点305の深さ方向(z方向)の変位を求める。これにより、せん断波の伝搬方向(x方向)に設定した複数の計測点305の変位(せん断波の振幅)の時間変化が得られる。複数の計測点305についての変位の時間変化の位相差を算出することにより、せん断波304の伝搬速度を算出することができる。
<ステップ208>
次に、ステップ208において、弾性計測処理部34は、得られたせん断波の速度から、公知の数式を用いて、弾性率を算出する。
なお、ステップ207、208におけるせん断波の速度を求める処理方法、および、せん断波の速度から計測点305における弾性率を求める処理方法は広く知られているので詳細な演算方法の説明は省略する。
制御部30は、算出された弾性率を、表示部16に表示する。また、制御部30は、計測点305を2次元に設定して、それぞれについて弾性率を測定させることにより、弾性率マップを生成することも可能である。また、制御部30は、判定処理部35が算出した信頼性指標を表示部16に表示してもよい。これにより、ユーザは、信頼性指標の値により、計測結果の信頼性を把握することができる。
なお、上述のステップ204において生成したせん断波304の振幅が、ROI300において小さすぎる場合、第3超音波303の送受信により計測点305の組織変位を正確に計測することができず、せん断波304の速度算出が難しくなる。本実施形態では、ステップ202において組織境界121を検出し、組織境界121における超音波の屈折を考慮して、ステップ203において焦点401に超音波を集束させる遅延時間を正確に算出しているため、ステップ204において焦点401の位置に、振幅の大きなせん断波304を発生させることができる。よって、ROI300に振幅の大きなせん断波304を伝搬させることができ、ステップ205においてせん断波304による組織変位を正確に計測することができる。これにより、せん断波304の速度算出の精度を高めることができる。
<ステップ203の遅延時間算出部33の動作の詳細>
ここで、上述のステップ203において遅延時間算出部33が遅延時間を算出する動作について、図8のフローを用いて説明する。図8のフローの処理は、振動子11の位置を起点として、超音波経路を算出する(振動子起点方式)。
以下の説明は、集束させた第2超音波302を検査対象100に照射して、音響放射圧によりせん断波を発生させる場合であって、組織1(101)と組織2(102)が接している2層組織(音源から焦点に伝搬する際1つのみの組織境界121がある)であり、組織1(101)と組織2(102)の音速(C1、C2)は予めわかっており、制御部30の内蔵するメモリに格納されている場合を例に説明する。各振動子11の位置(S1、…、Si、…、SN)も予めメモリにテーブルとして格納されている。なお、各振動子11の位置(S1、…、Si、…、SN)は、有限幅をもつ各振動子11の例えば中心等の位置であり、Nは振動子11の数を示す。
図9は、図2のステップ202で検出された組織境界121と、振動子11の位置を示したものである。
まず、図8のステップ801において、遅延時間算出部33は、ステップ200で制御部30が受け付けた焦点401の位置(F)を、制御部30が内蔵するメモリから読み込む。
次に、ステップ802において、遅延時間算出部33は、組織1(101)と組織2(102)の音速(C1、C2)、各振動子11の位置(S1、…、Si、…、SN)、および、組織境界121上の点71等の座標(P1、…、Pj、…、PM)と傾き(α1、…αj、…αM)を、制御部30の内蔵するメモリから読み込む。
焦点の位置(F)、各振動子11の位置(S1、…、Si、…、SN)、組織境界の位置(P1、…、Pj、…、PM)、角度(α1、…αj、…αM)の位置関係の一例は、図9に示す通りである。組織境界の位置(P1、…、Pj、…、PM)は、本来連続的なものであるが、ステップ202において説明したように、M個の点71、72、73・・・に離散化されている。
ステップ803において、遅延時間算出部33は、1つの振動子Siを選択する。
次に、ステップ804では、遅延時間算出部33は、組織境界121の点Pjを選択する。
次に、ステップ805では、遅延時間算出部33は、ステップ803で選択した振動子Siから送信された超音波のうち組織境界121の点Pjを通る超音波の、組織境界121の法線に対する角θを下式(1)により求める。
Figure 0006861624
さらに、ステップ806において、遅延時間算出部33は、振動子Siから送信され、点Pjを通過し、境界121において屈折する超音波が、焦点Fの深度を通過する際の位置F'をした場合、位置F'と焦点Fとの距離FF’を式(2)および式(3)より求める。
Figure 0006861624
Figure 0006861624
次に、ステップ807にて、遅延時間算出部33は、j=Mとなるまで、すべての組織境界121上の点Pjについて、上記ステップ804−806を繰り返し、各点Pjごとの位置F'と焦点Fとの距離FF’を算出する。
つぎに、ステップ808では、遅延時間算出部33は、距離FF’が最も小さくなった点Pjを選定する。
次に、ステップ809において、遅延時間算出部33は、式(4)より、振動子Siから送信され点Pjを通過して焦点Fに到達する超音波の伝搬経路SiPjFの伝搬時間(Time Of Flight: TOF)を算出する。
Figure 0006861624
次に、ステップ810では、遅延時間算出部33は、式(5)から遅延時間tDiを算出する。
Figure 0006861624
次に、ステップ811では、振動子Siの番号i=Nであるか判定し、i=Nでなければ再びステップ803に戻ってステップ803−810を繰り返す。ステップ811において、i=Nとなったら、振動子S1…SNのそれぞれについて遅延時間tDiの算出が完了する。
上述の図8のステップ808では、各振動子Si(i=1〜N)から送信され、組織境界121上の点Pj(j=1〜M)をそれぞれ通過した音波の到達する位置(F’)が算出される。1つの振動子Siから送信されて一つの点Pjを通過する超音波の強度が、振動子Siが異なっても、また、点Pjの位置が異なっても同等であると仮定すると、上記ステップ801−811で求められた、ある位置F'に到達する伝搬経路の数によって、位置F’に到達する超音波の強度を推定することができる。したがって、図10のように横軸をF’の位置、縦軸を到達した伝搬経路の数(超音波強度)としてグラフ化すると、焦点401周辺の超音波の推定強度分布を計算により求めることができる。
そこで、判定処理部35は、図2のステップ206において、焦点401周辺の超音波の推定強度分布(図10)を算出し、この推定強度分布を信頼性指標として用いて、ROI300において所定値以上の振幅のせん断波304を到達させることができるかどうかを判定することができる。
また、図2に示すように、第2超音波302によって生成されるせん断波の波源(焦点401)と、計測点305の間の距離402には、適正な範囲があり、距離402が短すぎても長すぎても、ROI300におけるせん断波304の速度の算出精度が低下する。そこで、判定処理部305は、上述のように算出した焦点401周辺の超音波の推定強度分布の振幅のピーク位置が実際の波源であるとして、波源と計測点305の距離が適正な範囲に入るように、計測点305をずらすように弾性計測処理部34に指示してもよい。これにより、弾性計測処理部34が計測点305を再設定することができるため、ROI300におけるせん断波304の計測の信頼性を向上させることが可能となる。
上述してきたように、本実施形態では、組織境界検出部32が組織境界121の形状を二次元に求め、遅延時間算出部33は、組織境界121における超音波の屈折を考慮して遅延時間を算出できる。これに対し、図2(b)に示すように、均質組織であることを想定して算出された遅延時間を用いて、第2超音波302を送信した場合には、図2(a)のように実際には存在する組織境界121において第2超音波302が屈折するために、第2超音波302が集束しなかったり、設定した焦点401とは異なる位置401aに集束する。このため、設定した焦点401に到達するエネルギーが減少し、焦点401において発生する組織変位が小さくなり、所望の振幅のせん断波を焦点401の位置において発生させることができなくなる。また、屈折した超音波が位置401aに集束する場合でも、その位置401aが設定した焦点401からずれているため、計測点305に対する距離402を適正範囲に保つことができなくなることがある。本実施形態では、これらの問題を解消することができるため、せん断波の速度の算出精度を向上させることができる。すなわち、本実施形態では、組織境界121の形状を2次元に把握できるため、組織境界の屈折に起因する焦点移動やエネルギー分散を抑制し、発生するせん断波の振幅を改善し、せん断波速度を精度よく計測することができる。これにより、計測点305における弾性率の算出精度を向上させることができる。
言い換えるならば、本実施形態では、組織境界検出部32により検出された組織境界121における屈折の影響を補償し、適応的に遅延時間を算出することにより、弾性計測処理部で用いるせん断波の振幅が改善され、せん断波の速度を精度よく求めることができる。そして、せん断波の速度を用いて、弾性等の組織性状を表す特性値を精度よく求めることができる。
なお、上述の実施形態では、組織境界121が一つだけの検査対象100について説明してきたが、3以上の組織が隣接している場合のように、複数の組織境界121が検査対象100に含まれる場合でも、それぞれの組織境界121を組織境界検出部32が検出して、それぞれの組織境界121における超音波の屈折を考慮して遅延時間を遅延時間算出部33によって算出することも可能である。その場合、上述の式(1)〜(5)に替えて、複数の組織境界121を通過する際に屈折する超音波の経路を求める数式を用いる。
また、本実施形態においては、2次元空間(x−z平面)において組織境界121の形状を組織境界検出部32が抽出したが、振動子11が2次元に配列された探触子10を用いる場合には、探触子10が取得した3次元空間におけるRF信号を用いて、組織境界検出部32は組織境界121の形状を3次元に抽出することが可能である。
<<実施形態2>>
実施形態2の超音波送受信装置について図11、図12等を用いて説明する。
実施形態2では、図4のステップ203における遅延時間の算出処理において、実施形態1(振動子基点方式)とは異なり、焦点401を基点として超音波の経路をたどることにより、超音波経路を算出する(焦点基点方式)。ステップ203以外のステップは、実施形態1と同様であるので、ここではステップ203のみを説明する。
図11は、図4のステップ203における遅延時間推定の動作を示すフローチャートである。図12は、図2のステップ203における振動子11、組織境界121、焦点401の位置を示したものである。
まず、図11のステップ1101、1102において、遅延時間算出部33は、実施形態1のステップ801、802と同様に、焦点401の位置(F)と、組織1(101)と組織2(102)の音速(C1、C2)、各振動子11の位置(S1、…、Si、…、SN)、および、組織境界121上の点71等の座標(P1、…、Pj、…、PM)と傾き(α1、…αj、…αM)を、制御部30の内蔵するメモリから読み込む。
次に、本実施形態では、ステップ1103において、遅延時間算出部33は、組織境界121上の一つの点(Pj、αj)を選択する。
次に、ステップ1104において、遅延時間算出部33は、ステップ1103で選択した組織境界121上の点(Pj、αj)を通過して焦点401の位置(F)に至る超音波経路PjFの組織境界121の法線に対する角φを下式(6)により求める。
Figure 0006861624
次に、ステップ1105において、ある振動子Siから送信され、組織境界121上の点(Pj、αj)に到達し、組織境界121で屈折することにより、上記ステップ1104で算出した角φで屈折する超音波経路S'Pjの、組織境界121の法線に対する角θを式(7)により算出する(図12参照)。さらに、組織境界121上の点(Pj、αj)を通って深度方向の直線IHと振動子列との交点Iとした場合、上記超音波経路S'Pjの振動子列との交点S’と、交点Iとの距離IS’を、式(8)から求める。
Figure 0006861624
Figure 0006861624
次に、ステップ1106にて、位置S'を含む振動子Siが、振動子列の端部の振動子S1から何番目(i番目)に位置するかを式(9)から求める。なお、式(9)においてpitchは、振動子1つあたりの幅である。
Figure 0006861624
さらに、ステップ1107にて、伝搬経路SiPjFの伝搬時間tTOFiを式(10)から求める。
Figure 0006861624
次に、ステップ1108にて、式(11)から、振動子Siの遅延時間を求める。
Figure 0006861624
次にステップ1109にて、組織境界121上の点j=Mとなるまで、すべての組織境界121上の点Pjについて、ステップ1103から1109を繰り返す。以上により、振動子ごとの遅延時間を算出することができる。
実施形態1で示した遅延時間tDiの算出法においては、計算の繰り返し回数がN×M回(ステップ804からステップ807までのM回の繰り返しと、ステップ803からステップ811のN回の繰り返しとを掛け合わせたもの)である。これに対し、上述の実施形態2の遅延時間tDiの算出方法においては、計算の繰り返し回数は、M回(繰り返し個所がステップ1103から1109までのM回のみ)である。よって、上記実施形態2の図11で示した遅延時間の算出方法は、計算の繰り返し回数がM回であり、図8で示した方式(計算の繰り返し回数がN×M回)に比べ少ないため、計算コストが低いというメリットがある。
また、実施形態2において、ステップ1103において選択したPjに対し、伝搬経路SiPjFが求まらない場合は、焦点401の位置にある程度許容範囲を設け、その許容範囲内に到達する伝搬経路を再計算して、伝搬経路SiPjFに近似した伝搬経路を求めてもよい。許容範囲は、例えば図13のように、焦点401を中心とする超音波強度のガウシアンの半値幅等で規定することが考えられる。
<<実施形態3>>
<複数の組織境界の候補が擁立される場合>
実施形態3の超音波送受信装置について図14等を用いて説明する。
実施形態3の超音波送受信装置は、実施形態1と同様に、組織境界検出部32が組織境界121を画像処理やRF信号の処理により抽出する構成である。しかしながら、体内の組織構造は複雑であるため、2つの組織101、102の組織境界121について複数本の組織境界121の候補が抽出される場合がある。そこで、実施形態3では、判定処理部35がその複数の組織境界121の候補各々について、信頼性指標を算出し、算出された信頼性指標に基づいては最も信頼性の高いものを組織境界検出部32が選択することにより組織境界121を決定する。これよりロバスト性及び精度の高いせん断波の速度計測が可能となる。以下、実施形態3の各部の動作について図14〜図16を用いて説明する。以下の説明において、実施形態1の図4〜図6を用いて説明した動作と同様の動作については説明を省略する。
<ステップ1400〜1401>
まず、図4のように、ステップ1400では、実施形態1と同様に、制御部30は、ROI300と、焦点401と、組織境界121の検出範囲とをユーザから受け付ける。制御部30は、ROI300内に等間隔に複数の計測点305を設定する。
ステップ1401では、制御部30は送信ビームフォーマ21に第1超音波301を送信を指示する。検査対象の内部から反射等して探触子10に戻ってきた超音波の探触子10による受信信号は、受信ビームフォーマ22により受信ビームフォーミングされRF信号となる。
<ステップ1402>
次に、図14のステップ1402において、ステップ1401で取得したBモード画像やRF信号を用い、複数の組織の境界の検出を行なう。
<Bモード画像から組織の境界検出>
具体的には、Bモード画像から組織境界121の検出を行う場合には、図15のステップ1502〜1503のフローのように、組織境界検出部32は、実施形態1の図5のステップ3001〜3003と同様に、Bモード画像を受け取り、画像処理により組織境界を抽出し、組織境界の形状を特定する情報(座標Pjや傾斜角αj)をメモリに格納する。このとき、組織境界検出部32は、ステップ1502において、組織境界121の候補が複数ある場合には、複数の組織境界121の候補を抽出する。
<RF信号から組織の境界検出>
RF信号から組織境界121の検出を行う場合には、組織境界検出部32は、図16のステップ1601〜1603により、実施形態1の図6のステップ4001〜4003と同様に、RF信号を受け取って、RF信号の変化を検出することにより、組織境界121の深度を求め、組織境界121の形状を特定する情報(座標Pjや傾斜角αj)をメモリに格納する。このとき、組織境界検出部32は、ステップ1602において、組織境界121の候補が複数ある場合には、複数の組織境界121の候補をそれぞれ抽出する。
このように、実施形態3では、組織境界検出部32は、ステップ1402において複数の組織境界121の候補を検出するため、その候補の組織境界121についてそれぞれ遅延時間を推定し、せん断波を発生させて計測し、計測結果を判定することにより、最適な組織境界32を選択する。
<ステップ1403>
ステップ1403では、組織境界検出部32は、ステップ1402で検出された複数の組織境界121の候補のうち、1つを選択する。
<ステップ1404>
次に、ステップ1404では、遅延時間算出部33は、ステップ1403で選択した1つの組織境界121を用いて、焦点401に超音波を集束させるための各振動子11の遅延時間を算出する。この遅延時間算出の動作は、実施形態1のステップ203と同様に行う。
<ステップ1405>
次に、ステップ1405において、弾性計測処理部304は、ステップ1404で算出された遅延時間を、第2超音波302を送信ビームフォーマ21に設定し、第2超音波302を検査対象100に送信させる。これにより、焦点401において検査対象100にせん断波が発生する。
<ステップ1406>
次に、ステップ1406において、弾性計測処理部34は、送信ビームフォーマ21および受信ビームフォーマ22を制御して、ROI300に第3超音波303を照射させ後、そのエコーを受信させ、組織の変位を計測する。
<ステップ1407>
次に、ステップ1407は、判定処理部35は、ステップ1405で生成させたせん断波の信頼性指標を算出することにより、せん断波304のROI300における信頼性を判定する。すなわち、せん断波304がROI300において十分な精度で計測できるような波形であるかどうかを判定する。信頼性指標としては、実施形態1において図10に示した焦点401周辺の超音波の推定強度分布や、ステップ1406で計測させたせん断波の振幅、発生させたせん断波の両対称性、せん断波発生時の焦点領域のBモード画像の輝度等のうち1つか、もしくは複数を組み合わせて用いる。信頼性指標とその算出方法、ならびに、表示方法については後で詳しく説明する。
<ステップ1408>
ステップ1403からステップ1408は、全ての組織境界の候補の試行が完了するまで繰り返し行なう。
<ステップ1409>
次に、ステップ1409では、組織境界検出部32は、ステップ1407で算出された、各候補の組織境界121についてのせん断波の信頼性指標を比較し、最も大きな信頼性が大きい組織境界121を選択する。
<ステップ1410〜1411>
次に、ステップ1410において、弾性計測処理部34は、実施形態1のステップ207と同様に、ステップ1406において複数の計測点304についてそれぞれ複数回得たRF信号313を用い、複数の計測点305についてせん断波304の伝搬速度を算出する。
ステップ1411において、弾性計測処理部34は、得られたせん断波の速度から、公知の数式を用いて、弾性率を算出する。
図17は、実施形態3において超音波送受信装置が、図14の動作の結果を表示部16に表示する表示形態の一例である。図17の表示画面には、検査対象100におけるROI300を表示する領域1701と、ステップ1402で求めた組織境界121の複数(n個)の候補の画像を表示する領域1702と、それぞれの組織境界121の候補についてステップ1407で求めた信頼度(信頼性指標)を表示する領域1703と、ステップ1411で求めた計測点305ごとの弾性率等の測定結果を表示する領域1704とが含まれる。組織境界121の候補それぞれに対する信頼度1703を指標に、組織境界121の候補の選択を自動または手動で行なうことができる。
図18は、ステップ1409において、組織境界検出部32が組織境界121の複数の候補から最適な境界が選択された場合の表示画面の一例である。図18の表示画面は、ROI300を表示する領域1701と、計測点の弾性率等の測定結果の表示領域1704と、信頼度(信頼性指標)を表示する領域1703とを一つずつ含む。表示領域1704に表示される測定結果および表示領域1703に表示される信頼度は、ステップ1409により選択後の組織境界121についてそれぞれ求めたものである。したがって、使用者は、この表示画面により、測定結果の信頼性を知ることができ、信頼性指標の値が低い場合、再測定をするなどの判断をすることができる。
次に、信頼性指標の例とその算出方法、ならびに、表示画面の例を、図19から図26を用いて具体的に説明する。
<超音波の推定強度分布を信頼性指標とする例>
図19、図20は、図10で示した超音波の推定強度分布を信頼性指標とした場合の例を示したものである。超音波強度分布の算出方法は、実施形態1のステップ206で説明した通りである。超音波の推定強度分布を信頼性指標とすることにより、第2超音波302を送信する前に、組織境界121の候補の信頼性指標を算出できるため、第2超音波302の送信前に最適な組織境界121を選択することが可能になる。すなわち、図14のフローのうち第2超音波302を送信するステップ1405と第3超音波303を送受信するステップ1406を、最適な組織境界121の選択を行うステップ1409の後で行うことができる。したがって、第2および第3超音波302,303の送信を組織境界121の候補の数だけ繰り返す必要がなく、最適な組織境界121に基づいて求めた遅延時間でせん断波を精度よく発生させ、弾性率の計測を行う動作を短時間で行うことができる。
図19(a)、(b)は、図10と同様に、組織境界121の候補についてそれぞれ超音波の推定強度分布を算出した結果の例を示している。横軸は焦点からの距離、縦軸は超音波の推定強度である。焦点401における超音波の推定強度が大きいほど、第2超音波302によって励起されるせん断波の振幅は大きい。よって、超音波の推定強度分布のピーク値や半値幅は、最適な組織境界121の候補の選択する際の信頼性指標として用いることができる。また、超音波の推定強度分布のピーク位置と、所望の焦点401(理想焦点)との位置ずれ量も、最適な組織境界候補を選択する際の信頼性指標として用いることができる。すなわち、ピーク値が大きい、または、半値幅が狭い、または、ピーク位置が焦点401に近い方が望ましい。例えば、図19(a)、(b)の例では、図19(a)の超音波の推定強度分布の方が、図19(b)の分布に比べ、ピーク値が大きく、半値幅が狭く、かつ、ピーク位置が焦点401に近いため望ましい。よって、図14のステップ1407の判定処理においては、図19(a)の推定強度分布が算出された組織境界121が最適な組織境界であるとして選択される。
図20は、超音波の推定強度分布を信頼性指標とする場合に、図14の動作フローにおいて、ステップ1402、1407、1409等において表示部16で表示する表示画面の例である。この表示画面には、図14のステップ1402で検出された複数の組織境界121の候補の形状を示す画像をそれぞれ示す領域2001と、それぞれの候補についてステップ1407で算出した超音波の推定強度分布を表示する領域2002と、超音波推定強度分布のピーク値や半値幅等の数値を表示する領域2003が含まれている。これらの候補の組織境界121のうち、図14のステップ1409において選択された最適な組織境界121については判定結果として最適な組織境界であることを示す表示2004(ここでは枠囲み)が表示される。
<せん断波による組織変位の値を信頼性指標とする例>
図21(a)、(b)、図22は、ステップ1405において生じたせん断波304による深度方向の組織変位を、信頼性指標として用いた場合の表示画面例である。深度方向の組織変位の値は、図14のステップ1406において各計測点305について算出されるものを用いる。図21(a)、(b)はいずれも、焦点401を含むように設定されたROI300に2次元に配置された複数の計測点305についてそれぞれ求めた組織変位を、計測点305に対応する位置にある画素の画素値(カラー)として生成した組織変位の分布画像(組織変位マップ)の例である。また、組織変位マップの横には、変位の大きさとカラーとの関係を示すカラーバー2102が表示されている。
図22は、図21(a)、(b)で示した組織変位マップを示す領域2202と、その組織変位マップが得られた組織境界121の候補の形状を示す画像を示す領域2001とを対応させて示す画面例である。また、組織変位マップの近傍には、組織変位の最大値や、最大変位の位置等の数値を示す領域2203も表示されている。
組織変位を信頼性指標として用いる場合、せん断波速度の計測精度を高くするためには、組織変位が大きい方が望ましく、また、最大変位の位置が理想の焦点401位置に近いほど望ましい。例えば、図21(a)と図21(b)の組織変位マップを比較すると、図21(a)の組織変位マップの方が、図21(b)の組織変位マップよりも、最大変位の位置が理想焦点401の位置に近く、かつ、最大変位も大きいため望ましい。よって、図14のステップ1407の判定処理において、図21(a)の組織変位マップに対応する組織境界121が最適な組織境界であるとして選択される。図22の表示画面には、選択された最適な組織境界121に、最適であることを示す表示2204(ここでは枠囲み)が表示される。
<せん断波の左右対称性を信頼性指標とする例>
図23(c)、図24は、図14のステップ1405で送信された第2超音波302によって励起されるせん断波の伝搬の焦点401に対する左右対称性を信頼性指標とした場合の表示画面例を示している。図14のステップ1406において第3超音波の送受信によりせん断波の波面2303が、図23(a)、(b)のように検出される。せん断波は、設定された理想の焦点401付近の位置2304で励起され、放射状に広がるため、焦点401を中心とする左右方向2301、2302にもそれぞれ伝搬する。このとき、焦点401から左右方向に等距離にラインA、Bを設定し、ラインA、Bにせん断波が到達する時間を求めた場合、実際にせん断波が励起された位置2304が、設定された焦点401に近いほど、ラインA、Bにせん断波が到達する時間の差が少なくなり、せん断波の伝搬の焦点401に対する左右対称性が高くなる。したがって、ラインA、Bへのせん断波到達時間の差を、判定処理部35が、ステップ1407において算出することにより、せん断波の伝搬の焦点401に対する左右対称性を信頼性指標として求めることができる。
例えば、図23(a)、(b)に示したせん断波の例におけるラインA、Bへのせん断波の到達時間の差(信頼性指標)を求めた結果をグラフ化すると図23(c)の画像例のようになる。
図24は、図23(c)に示したせん断波の左右のラインA、Bへの到達時間の差(信頼性指標)として示す領域2402と、その信頼性指標が得られた組織境界121の候補の形状を示す画像を示す領域2001とを対応させて示す画面例である。また、信頼性指標を示す領域2402の近傍には、ラインA、Bへのせん断波の到達時間の差の数値等を示す領域2403も表示されている。
せん断波の左右のラインA、Bへの到達時間の差を信頼性指標として用いる場合、図23(c)から明らかなように、図23(a)に示したせん断波の方が、図23(b)よりも差が小さく、焦点401により近い位置で発生したせん断波であるため望ましい。よって、図14のステップ1407の判定処理では、図23(a)と図23(b)の信頼性指標を比較した場合、図23(a)の信頼性指標に対応する組織境界121が最適な組織境界であるとして選択される。図24の表示画面には、選択された最適な組織境界121に、それを示す表示2404(ここでは枠囲み)が表示される。
<第3超音波の反射波の受信強度を信頼性指標とする例>
図25(a)、(b)、図26は、ステップ1406において、せん断波が伝搬している焦点401およびその周辺のROI300に第3超音波の超音波を照射し、その反射波を探触子10によって受信した受信信号の信号強度(反射波の受信強度)を、信頼性指標として用いた場合の表示画面例である。受信信号の信号強度は、受信ビームフォーマ22により、計測点305の位置の受信走査線について得られた整相加算後のRF信号の所定の深さ(例えば、焦点401の深さ)の信号強度を用いてもよいし、所定の深さ範囲について求めたRF信号の信号強度の平均を用いてもよい。また、各計測点305について受信信号を得るタイミングとしては、第3超音波の送信後の同一時点でもよいし、所定の時間範囲で繰り返し得た受信信号の時間平均でもよい。
図25(a)、(b)はそれぞれ、焦点401を含むように設定されたROI300に2次元に配置された複数の計測点305についてそれぞれ求めた受信信号の信号強度を、計測点305に対応する位置にある画素の輝度として生成した画像(輝度分布)の例である。また、反射波の強度分布の横には、反射波の強度と輝度との関係を示す輝度バー2503が表示されている。
図26は、図25(a)、(b)で示した反射波の強度分布を示す領域2602と、その反射波の強度分布が得られた組織境界121の候補の形状を示す画像を示す領域2601とを対応させて示す画面例である。また、反射波の強度分布の近傍には、反射波強度の最大値や、反射波強度が最大値となる位置や、反射者強度が最大値となる位置と焦点401とのずれ量等の数値を示す領域2603も表示されている。
反射波の強度を信頼性指標として用いる場合、せん断波速度の計測精度を高くするためには、反射波の強度が大きい方が望ましく、また、反射波の強度が最大値となる位置が理想の焦点401位置に近いほど望ましい。例えば、図25(a)と図25(b)の反射波の強度分布を比較すると、図25(a)よりも図25(b)の反射強度の最大値が大きいため望ましい。そのため、図14のステップ1407の判定処理において、図25(b)の組織変位マップに対応する組織境界121が最適な組織境界であるとして選択される。図26の表示画面には、選択された最適な組織境界121に、最適であることを示す表示2604(ここでは枠囲み)が表示される。
上述してきたように、実施形態3では、組織境界121の候補を複数抽出し、それぞれの候補について信頼性指標を算出することにより、最適な組織境界121を求めることができる。よって、選択した組織境界121に基づいて算出された遅延時間を用い、所望の強度のせん断波をROI300に発生させることができる。また、使用者は、信頼性指標を表示画面で目視で確認できるため、選択されている組織境界121による遅延時間の補正効果を数値的、視覚的に確認することが可能となる。
10:探触子
13:外部入力デバイス
16:表示部
20:送受信制御部
21:送信部(送信ビームフォーマ)
22:受信部(受信ビームフォーマ)
30:制御部
31:画像生成処理部
32:構造分析処理部
33:遅延時間算出部
34:弾性計測処理部
35:判定処理部
100:検査対象
300:ROI
301:第1超音波
302:第2超音波
303:第3超音波
304:せん断波
305:計測点
101:組織1
102:組織2
121:組織境界
401:焦点
402:適正距離
1701:ROIの表示領域
1702:組織境界の候補の表示領域
1703:信頼性指標の表示領域
1704:測定結果の表示領域
2001:組織境界の候補の表示領域
2002:信頼性指標(超音波の推定強度分布)の表示領域
2003:信頼性指標の数値の表示領域
2004:最適な組織境界であることを示す表示
2102:変位の大きさを表すカラーバー
2202:信頼性指標(組織変位マップ)の表示領域
2203:信頼性指標の数値の表示領域
2204:最適な組織境界であることを示す表示
2301、2302:せん断波の伝搬方向(左右方向)
2303:せん断波の波面
2304:せん断波が励起される位置
2402:信頼性指標(せん断波の到達時間の差)の表示領域
2403:信頼性指標の数値の表示領域
2404:最適な組織境界であることを示す表示
2503:反射波の強度の大きさを表す輝度バー
2603:信頼性指標の数値の表示領域
2604:最適な組織境界であることを示す表示

Claims (15)

  1. 複数の振動子が配列された探触子に対してそれぞれ送信信号を出力し、前記複数の振動子から検査対象に超音波を送信させる送信部と、送信後に前記検査対象から戻る超音波を受信した前記振動子がそれぞれ出力する受信信号を取得する受信部と、前記送信部および前記受信部を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記受信信号を用いて、前記検査対象内の組織境界を所定の範囲において検出する組織境界検出部と、複数の前記振動子から送信された超音波が前記組織境界において屈折する経路を求め、前記経路に基づいて所定の焦点に超音波を合焦させるための前記送信信号の遅延時間を前記振動子ごとに算出する遅延時間算出部とを含むことを特徴とする超音波送受信装置。
  2. 請求項1に記載の超音波送受信装置であって、
    前記組織境界検出部は、前記送信部を制御して、前記検査対象の前記所定の範囲に対して第1超音波を送信させ、当該送信後に前記所定の範囲から戻った超音波を受信した前記振動子がそれぞれ出力する受信信号を前記受信部から受け取り、前記受信信号を用いて、前記所定の範囲に存在する前記検査対象の組織境界を検出することを特徴とする超音波送受信装置。
  3. 請求項1に記載の超音波送受信装置であって、前記制御部は、前記受信信号から前記検査対象の画像を生成する画像生成部をさらに有し、
    前記組織境界検出部は、前記画像生成部が生成した、前記所定の範囲の画像を処理することにより、前記組織境界を検出することを特徴とする超音波送受信装置。
  4. 請求項1に記載の超音波送受信装置であって、前記組織境界検出部は、複数の前記振動子の時系列な前記受信信号の信号波形の変化時点を検出することにより、前記検査対象の深さ方向の前記組織境界の位置を検出することを特徴とする超音波送受信装置。
  5. 請求項1に記載の超音波送受信装置であって、前記制御部は、弾性計測処理部をさらに含み、
    前記弾性計測処理部は、前記送信部を制御して、前記遅延時間算出部が前記振動子ごとに算出した遅延時間によってそれぞれ遅延させた前記送信信号を前記振動子にそれぞれ出力させることにより、前記所定の焦点に焦点を結ぶ集束超音波を送信してせん断波を生じさせた後、前記送信部および受信部を制御して、前記検査対象の所定の計測領域に超音波を送信し、前記検査対象から戻る超音波を受信した受信信号を得て、この受信信号に基づいて前記せん断波により生じた前記計測領域の変位を計測し、前記検査対象の弾性を求めることを特徴とする超音波送受信装置。
  6. 請求項5に記載の超音波送受信装置であって、前記制御部は、判定処理部をさらに有し、前記判定処理部は、前記弾性計測処理部が求めた弾性の信頼性を、前記せん断波の特性または前記集束超音波の特性に基づいて判定することを特徴とする超音波送受信装置。
  7. 請求項6に記載の超音波送受信装置であって、前記判定処理部が判定に用いる前記せん断波の特性は、せん断波の振幅、前記焦点を中心に左右に配置した点へのせん断波の波面の到達時間の差、せん断による前記計測領域の変位であることを特徴とする超音波送受信装置。
  8. 請求項6に記載の超音波送受信装置であって、前記判定処理部が判定に用いる前記集束超音波の特性は、前記焦点周辺における超音波の推定強度分布であることを特徴とする超音波送受信装置。
  9. 請求項6に記載の超音波送受信装置であって、前記判定処理部が判定に用いる前記集束超音波の特性は、前記焦点周辺に超音波を照射し、その反射波の受信強度であることを特徴とする超音波送受信装置。
  10. 請求項1に記載の超音波送受信装置であって、前記遅延時間算出部は、前記振動子を基点として前記焦点に到達する前記屈折する経路を算出することを特徴とする超音波送受信装置。
  11. 請求項1に記載の超音波送受信装置であって、前記遅延時間算出部は、前記焦点を基点として前記振動子に到達する前記屈折する経路を算出することを特徴とする超音波送受信装置。
  12. 請求項5に記載の超音波送受信装置であって、前記制御部は、前記せん断波の特性または前記集束超音波の特性を示す予め定めた信頼性指標の値を算出する判定処理部をさらに有し、
    前記組織境界検出部は、前記組織境界の複数の候補を検出し、
    前記判定処理部は、前記組織境界の複数の候補についてそれぞれ前記遅延時間算出部が求めた遅延時間を用いて送信される超音波に基づいて前記信頼性指標の値を算出し、算出した信頼性指標の値が最も信頼性が高いことを示す前記組織境界の候補を選択することを特徴とする超音波送受信装置。
  13. 請求項12に記載の超音波送受信装置であって、前記制御部は、前記複数の組織境界の候補ごとの信頼性指標を、前記組織境界の候補と対応させて表示させることを特徴とする超音波送受信装置。
  14. 複数の振動子が配列された探触子から検査対象に超音波を送信し、送信後に前記検査対象から戻る超音波を前記振動子がそれぞれ受信した受信信号を用いて、前記検査対象内の組織境界を検出するステップと、
    検出した前記組織境界において、超音波が屈折する経路を求め、前記経路に基づいて所定の焦点に超音波を合焦させるための前記振動子ごとの送信する超音波の遅延時間を前記振動子ごとに算出するステップと、
    前記振動子ごとの遅延時間により遅延させた超音波を前記各振動子から送信して前記焦点に超音波を集束させるステップと
    を含むことを特徴とする超音波送受信方法。
  15. 請求項14に記載の超音波送受信方法であって、前記組織境界を検出するステップは、前記受信信号から生成した画像を画像処理するか、もしくは、時系列な前記受信信号の信号波形の変化時点を検出することにより、前記組織境界の位置を所定の範囲において検出することを特徴とする超音波送受信方法。

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