JP6860711B2 - 仮補綴システム及びその仮補綴システムの使用法 - Google Patents

仮補綴システム及びその仮補綴システムの使用法 Download PDF

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Description

優先権出願の参照による援用
本願は、2014年7月25日に提出された米国仮出願第62/029,289号の優先権の利益を主張するものであり、この仮出願の開示全体が、参照により、本明細書に援用される。
本発明は、補綴システム及び補綴方法、ならびに、より具体的には、歯科用補綴システム及び補綴方法に関する。
歯科用補綴システムを用いて、患者の顎における欠損(抜けた歯または歯並びの悪い歯)を再建できる。歯科用補綴システムは、歯科用インプラント、中間構造体(アバットメントなど)及び補綴物(クラウン、ブリッジまたは義歯など)のようなコンポーネントを含むことができる。
1つの方法では、歯科用仮補綴システムは、より恒久的な歯科用補綴システムを作製して取り付ける前に、患者の顎に取り付けることができる。これにより、患者の顎に直接取り付けられる仮補綴物を患者に提供できる。しかしながら、そのような歯科用仮補綴システム及び補綴方法には、長い加工ねじのような器具を用いる必要がある場合が多く、これにより、対合歯に対する補綴物の適切なフィット性を医師が判断及び確保する能力が妨げられる。したがって、補綴物の適切なフィット性を医師が確保する能力を高める、歯科用仮補綴システムと、仮補綴システムを取り付ける方法とを更に改善することに対するニーズが存在する。
本明細書に記載される歯科用補綴システム及び補綴方法の一態様は、対合歯に対する歯科用補綴物のフィット性を高めるニーズを認識することである。歯科用仮補綴システムには、長い加工ねじのような他の器具を用いることが原因で、制限がある場合が多く、これにより、適切なフィット性を医師が確保する能力が妨げられる。
いくつかの実施形態では、歯科用補綴物のインプラントまたはアバットメントへの連結方法は、スナップフィット連結部を用いて、コーピングをアバットメントに連結するステップを含むことができる。この方法は、補綴物をコーピングに接合するステップも含むことができる。この方法は、スナップフィット連結部によって、補綴物とコーピングをアバットメントから切り離すステップも含むことができる。この方法は、コーピングと補綴物の両方に、貫通穴を形成するステップも含むことができる。この方法は、貫通穴に挿入した固定具を用いて、コーピングと補綴物をアバットメントに連結するステップも含むことができる。
いくつかの実施形態では、下記の特長を上記の実施形態と別々にまたは併せて組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、補綴物をコーピングに連結するステップは、接着剤をコーピングと補綴物に塗布するステップ、及び/または補綴物に形成した穴を、アクリル(自然硬化性アクリルなど)もしくは光硬化性複合材で埋め戻すステップを含むことができる。このアクリルは、補綴物を形成する際に用いるのと同じ物質であることができる。いくつかの実施形態では、補綴物は、1つ以上の有底穴を含むことができ、接着剤を補綴物に塗布するステップは、接着剤を1つ以上の有底穴に投入するステップ、及び/または補綴物に形成した穴を、アクリル(自然硬化性アクリル)もしくは光硬化性複合材で埋め戻すステップを含むことができる。この方法は、仮連結機構によって、コーピングをアバットメントに一時的に連結するステップを含むこともできる。いくつかの実施形態では、仮連結機構によって、コーピングをアバットメントに一時的に連結するステップは、コーピングのスナップフィット連結機構を、アバットメントの対応するスナップフィット連結機構と嵌合するステップを含むことができる。この方法は、補綴物とコーピングとの間の位置を修正して、補綴物をコーピングに連結するステップも含むこともできる。いくつかの実施形態では、補綴物とコーピングとの間の位置を修正するステップは、咬合面を配向し、対合歯の咬合面との補綴物の高径を確立するステップを含むことができる。この方法は、補綴物とコーピングが修正位置に留まるように、補綴物とコーピングをアバットメントから外すステップを含むこともできる。この方法は、切削治具を用いて、少なくとも補綴物を通る穴を形成するステップを含むこともできる。いくつかの実施形態では、少なくとも補綴物を通る穴を形成するステップは、位置合わせ治具をコーピングに取り付けて、その位置合わせ治具を用いて、切削治具を補綴物に対して位置合わせするステップを含むことができる。この方法は、第2の連結機構によって、コーピングをアバットメントに連結するステップも含むことができ、この第2の連結機構は、仮連結機構とは異なるものである。いくつかの実施形態では、第2の連結機構によって、コーピングをアバットメントに連結するステップは、ねじ式固定具を用いて、コーピングをアバットメントに固定するステップを含むことができる。この方法は、補綴物をコーピングに取り付けるステップの前に、補綴物がコーピングに対して予備的に嵌合したことを判断するステップも含むことができる。この方法は、コーピングを修正して、補綴物のコーピングに対する嵌合状態を変更するステップも含むことができる。
いくつかの実施形態では、患者の顎内のアバットメント及びコーピングへの歯科用補綴物の取り付け及び位置合わせ方法は、仮連結機構によって、コーピングをアバットメントに連結するステップを含むことができる。この方法は、補綴物をコーピングに接合するステップも含むことができる。この方法は、補綴物をコーピングに接合しながら、補綴物とコーピングとの間の位置を修正するステップも含むことができる。この方法は、補綴物とコーピングをアバットメントから外すステップも含むことができる。
いくつかの実施形態では、下記の特長を上記の実施形態と別々にまたは併せて組み合わせることができる。この方法は、補綴物に1つ以上の有底穴を形成するステップも含むことができる。いくつかの実施形態では、補綴物をコーピングに接合するステップは、補綴物の1つ以上の有底穴の中でコーピングを接合するステップを含むことができる。この方法は、切削治具を用いて、補綴物を通る穴を形成することも含むことができる。いくつかの実施形態では、補綴物を通る穴を形成するステップは、位置合わせ治具をコーピングに取り付け、その位置合わせ治具を用いて、切削治具を補綴物に対して位置合わせするステップを含むことができる。この方法は、ねじ式固定具を用いて、コーピングをアバットメントに連結するステップも含むことできる。いくつかの実施形態では、補綴物とコーピングとの間の位置を修正するステップは、補綴物の咬合面を、対合歯の咬合面と接触させて配置するステップを含むことができる。
ある特定の実施形態では、1つ以上の歯科用コンポーネントを歯科用インプラントに連結するシステムを提供する。このシステムは、仮連結機構を備える少なくとも1つの歯科用コンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態では、この歯科用コンポーネントは、その仮連結機構によって歯科用インプラントと連結するように構成されたアバットメントを含むことができる。いくつかのそのような実施形態では、このアバットメントは、コーピングと一体化されたアバットメントを含むことができる。アバットメントの仮連結機構は、1つ以上のフィンガーを備えることができ、及び/または、ばねを備えることができる。いくつかの実施形態では、アバットメントとインプラントは、スナップフィット及び/または摩擦嵌めによって連結するように構成できる。
歯科用コンポーネントがコーピングとアバットメントを含む様々な実施形態では、コーピングを、仮連結機構によってアバットメントと連結するように構成でき、またはアバットメントを、仮連結機構によってコーピングと連結するように構成できる。いくつかの実施形態では、アバットメントは、第2の連結機構を備えることができる。いくつかのそのような実施形態では、アバットメントは、第2の連結機構によってインプラントに連結するように構成できる。様々な実施形態において、仮連結機構は、1つ以上のフィンガーを備えることができ、及び/または、ばねを備えることができる。いくつかの実施形態では、コーピングとアバットメントは、スナップフィット及び/または摩擦嵌めによって、連結するように構成できる。コーピングは、細長い部材を備えることができる。いくつかのそのような実施形態では、細長い部材は、複数の突起とスロットを備えることができる。コーピングは、フランジも備えることができる。いくつかのそのような実施形態では、フランジは、複数の溝を備えることができる。いくつかの実施形態では、本システムは、切削治具を更に含むことができる。
様々な実施形態では、歯科用コンポーネントは、仮連結機構によって歯科用インプラントと連結するように構成されたアダプターを含むことができる。様々な実施形態において、仮連結機構は、1つ以上のフィンガーを備えることができ、及び/または、ばねを備えることができる。いくつかの実施形態では、アダプターとインプラントは、スナップフィット及び/または摩擦嵌めによって連結するように構成できる。アダプターは、歯科用インプラントと反対側で、1つ以上の他の歯科用コンポーネントに連結するように構成できる。例えば、その1つ以上の他の歯科用コンポーネントは、補綴物、アバットメント、インプレッションポストまたはヒーリングキャップのうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の歯科用コンポーネントは、傾斜したねじチャネルを含むことができる。
ある特定の実施形態では、歯科用インプラントに連結するように構成された歯科用補綴物の作製方法を提供する。この方法は、1つ以上の歯科用コンポーネントをインプラントに連結することを含むことができる。少なくとも1つの歯科用コンポーネントは、仮連結機構を有することができる。この方法は、補綴物を1つ以上の歯科用コンポーネントに接合することと、仮連結機構によって、補綴物と少なくとも1つの歯科用コンポーネントをインプラントから切り離すことと、少なくとも1つの歯科用コンポーネントと補綴物の両方に、貫通穴を形成することも含むことができる。この貫通穴は、補綴物と、歯科用インプラントに対する少なくとも1つの歯科用コンポーネントと連結するように構成された固定具を受け入れるように構成できる。様々な実施形態において、貫通穴を形成することは、切削治具を用いて、少なくとも1つの歯科用コンポーネントの遠位側から、貫通穴を形成することを含むことができる。貫通穴を形成することは、上記の切削治具または別の切削治具を用いて、補綴物の咬合側から、貫通穴を形成することを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、貫通穴に挿入した固定具を用いて、少なくとも1つの歯科用コンポーネントと補綴物をインプラントに連結することを更に含むことができる。
様々な実施形態において、仮連結機構は、スナップフィット連結機構及び/または摩擦嵌め連結機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの歯科用コンポーネントは、仮連結機構によってインプラントと連結するように構成されたアバットメントを含むことができる。いくつかのそのような実施形態では、このアバットメントは、コーピングと一体化されたアバットメントを含むことができる。歯科用コンポーネントがコーピングとアバットメントを含むいくつかの実施形態では、コーピングを、仮連結機構によってアバットメントと連結するように構成でき、またはアバットメントを、仮連結機構によってコーピングと連結するように構成できる。いくつかの実施形態では、アバットメントは、第2の連結機構を備えることができる。いくつかのそのような実施形態では、アバットメントは、第2の連結機構によってインプラントに連結するように構成できる。
具体的には、本願発明は、以下の(1)〜(71)の構成を有する。
(1)歯科用コンポーネントを歯科用インプラントに連結するシステムであって、前記器具が、仮連結機構を備えるコーピングを含む、システム。
(2)仮連結機構と第2の連結機構とを備えるアバットメント
を更に含み、
前記コーピングと前記アバットメントが、前記仮連結機構によって一時的に、併せて連結するように構成されており、
前記アバットメントが、前記インプラントに連結するように構成されている、
(1)に記載のシステム。
(3)ねじ山を備える固定具を更に含み、前記ねじ山が、前記第2の連結機構と嵌合して、前記コーピングを前記アバットメントと連結するように構成されている、(2)に記載のシステム。
(4)前記コーピングが、細長い部材を更に備え、前記細長い部材が、複数の突起及びスロットを備える、(1)〜(3)のいずれかに記載のシステム。
(5)前記コーピングの前記仮連結機構が、弾性部材を備える、(1)〜(4)のいずれかに記載のシステム。
(6)前記弾性部材が、ウェーブばねを備える、(5)に記載のシステム。
(7)前記ウェーブばねが、前記仮コーピングのスロットの中に入る、(6)に記載のシステム。
(8)前記コーピングの前記仮連結機構が、1つ以上の弾性フィンガーを備える、(5)に記載のシステム。
(9)前記コーピングが、本体コンポーネントとコネクターコンポーネントを備え、前記コネクターコンポーネントが、前記コーピングの前記仮連結機構を備える、(1)〜(8)のいずれかに記載のシステム。
(10)前記本体コンポーネントが、前記細長い部材を備える、(9)に記載のシステム。
(11)前記本体コンポーネントと前記コネクターコンポーネントが、併せて連結するように構成されている、(9)または(10)のいずれかに記載のシステム。
(12)前記本体コンポーネントと前記コネクターコンポーネントが、摩擦嵌めによって連結するように構成されている、(11)に記載のシステム。
(13)前記コネクターコンポーネントが、前記本体コンポーネントの対応するねじ山と嵌合するように構成されたねじ山を備える、(11)に記載のシステム。
(14)切削治具を更に備える、(1)〜(13)のいずれかに記載のシステム。
(15)前記コーピングの前記仮連結機構によって、前記コーピングに取り外し可能な状態で連結するように構成された位置合わせ治具を更に備える、(14)に記載のシステム。
(16)前記位置合わせ治具が、前記切削治具を通すことができる位置合わせ機構を更に備える、(15)に記載のシステム。
(17)患者の顎内のインプラント及びアバットメントへの歯科用補綴物の連結方法であって、
スナップフィット連結部を用いて、コーピングを前記アバットメントに連結することと、
前記補綴物を前記コーピングに接合することと、
前記スナップフィット連結部によって、前記補綴物と前記コーピングを前記アバットメントから切り離すことと、
前記コーピングと前記補綴物の両方に、貫通穴を形成することと、
前記貫通穴に挿入した固定具を用いて、前記コーピングと前記補綴物を前記アバットメントに連結することと、
を含む方法。
(18)患者の顎内のインプラント及びアバットメントへの歯科用補綴物の連結方法であって、
仮連結機構によって、コーピングを前記アバットメントに一時的に連結することと、
前記補綴物と前記コーピングとの間の位置を修正し、前記補綴物を前記コーピングに連結することと、
前記補綴物と前記コーピングが前記修正位置に留まるようにして、前記補綴物と前記コーピングを前記アバットメントから外すことと、
を含む方法。
(19)切削治具を用いて、少なくとも前記補綴物を通る穴を形成することを更に含む、(18)に記載の方法。
(20)少なくとも前記補綴物を通る穴を形成する前記ステップが、位置合わせ治具を前記コーピングに取り付けることと、前記位置合わせ治具を用いて、前記切削治具を前記補綴物に対して位置合わせすることとを含む、(19)に記載の方法。
(21)第2の連結機構によって、前記コーピングを前記アバットメントに連結することを更に含み、前記第2の連結機構が、前記仮連結機構とは異なる、(18)または(19)のいずれかに記載の方法。
(22)第2の連結機構によって、前記コーピングを前記アバットメントに連結する前記ステップが、ねじ式固定具を用いて、前記コーピングを前記アバットメントに固定することを含む、(21)に記載の方法。
(23)仮連結機構によって、前記コーピングを前記アバットメントに一時的に連結する前記ステップが、前記コーピングのスナップフィット連結機構を、前記アバットメントの対応するスナップフィット連結機構と嵌合することを含む、(18)〜(22)のいずれかに記載の方法。
(24)前記補綴物を前記コーピングに連結する前記ステップが、接着剤を前記コーピングと前記補綴物に塗布することを含む、(18)〜(23)のいずれかに記載の方法。
(25)前記補綴物が、1つ以上の有底穴を備え、前記接着剤を前記補綴物に塗布する前記ステップが、前記接着剤を前記1つ以上の有底穴に投入することを含む、(24)に記載の方法。
(26)前記補綴物と前記コーピングとの間の位置を修正する前記ステップが、咬合面を配向し、対合歯の咬合面との前記補綴物の高径を確立することを含む、(18)〜(25)のいずれかに記載の方法。
(27)前記補綴物を前記コーピングに取り付ける前記ステップの前に、前記補綴物が前記コーピングに対して仮嵌合したことを判断することを更に含む、(18)〜(26)のいずれかに記載の方法。
(28)前記コーピングを修正して、前記補綴物の前記コーピングに対する前記嵌合を変更することを更に含む、(27)に記載の方法。
(29)患者の顎内のアバットメント及びコーピングへの歯科用補綴物の取り付け及び位置合わせ方法であって、
仮連結機構によって、前記コーピングを前記アバットメントに連結することと、
前記補綴物を前記コーピングに接合することと、
前記補綴物を前記コーピングに接合しながら、前記補綴物と前記コーピングとの間の位置を修正することと、
前記補綴物と前記コーピングを前記アバットメントから外すことと、
を含む方法。
(30)前記補綴物に1つ以上の有底穴を形成することを更に含み、前記補綴物を前記コーピングに接合する前記ステップが、前記1つ以上の有底穴の中で前記コーピングを接合することを含む、(29)に記載の方法。
(31)切削治具を用いて、前記補綴物を通る穴を形成することを更に含む、(29)に記載の方法。
(32)前記補綴物を通る穴を形成する前記ステップが、位置合わせ治具を前記コーピングに取り付けることと、前記位置合わせ治具を用いて、前記切削治具を前記補綴物に対して位置合わせすることとを含む、(31)に記載の方法。
(33)ねじ式固定具を用いて、前記コーピングを前記アバットメントに連結することを更に含む、(31)に記載の方法。
(34)前記補綴物と前記コーピングとの間の位置を修正する前記ステップが、前記補綴物の咬合面を、対合歯の咬合面と接触させて配置することを含む、(29)に記載の方法。
(35)1つ以上の歯科用コンポーネントを歯科用インプラントに連結するシステムであって、
前記1つ以上の歯科用コンポーネントの少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、仮連結機構を備えるシステム。
(36)前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記歯科用インプラントと連結するように構成されたアバットメントを含む、(35)に記載のシステム。
(37)前記アバットメントが、コーピングと一体化されたアバットメントを含む、(36)に記載のシステム。
(38)前記アバットメントの前記仮連結機構が、1つ以上のフィンガーを備える、(36)に記載のシステム。
(39)前記アバットメントの前記仮連結機構が、ばねを備える、(36)に記載のシステム。
(40)前記アバットメントと前記インプラントが、スナップフィットによって連結するように構成されている、(36)に記載のシステム。
(41)前記アバットメントと前記インプラントが、摩擦嵌めによって連結するように構成されている、(36)に記載のシステム。
(42)前記1つ以上の歯科用コンポーネントが、コーピングとアバットメントを含むか、
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記アバットメントと連結するように構成された前記コーピングを含むか、または
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記コーピングと連結するように構成された前記アバットメントを含む、
(35)に記載のシステム。
(43)前記アバットメントが、第2の連結機構を備え、前記アバットメントが、前記第2の連結機構によって前記インプラントに連結するように構成されている、(42)に記載のシステム。
(44)前記仮連結機構が、1つ以上のフィンガーを備える、(42)に記載のシステム。
(45)前記仮連結機構が、ばねを備える、(42)に記載のシステム。
(46)前記コーピングと前記アバットメントが、スナップフィットによって連結するように構成されている、(42)に記載のシステム。
(47)前記コーピングと前記アバットメントが、摩擦嵌めによって連結するように構成されている、(42)に記載のシステム。
(48)前記コーピングが、細長い部材を備え、前記細長い部材が、複数の突起及びスロットを備える、(42)に記載のシステム。
(49)前記コーピングが、フランジを備え、前記フランジが、複数の溝を備える、(42)に記載のシステム。
(50)切削治具を更に備える、(35)に記載のシステム。
(51)前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記歯科用インプラントと連結するように構成されたアダプターを含み、前記アダプターが、軟組織に面するように設計された少なくとも一部を備える、(35)に記載のシステム。
(52)前記仮連結機構が、1つ以上のフィンガーを備える、(51)に記載のシステム。
(53)前記仮連結機構が、ばねを備える、(51)に記載のシステム。
(54)前記アダプターと前記インプラントが、スナップフィットによって連結するように構成されている、(51)に記載のシステム。
(55)前記アダプターと前記インプラントが、摩擦嵌めによって連結するように構成されている、(51)に記載のシステム。
(56)前記アダプターが、前記歯科用インプラントと反対側の1つ以上の他の歯科用コンポーネントに連結するように構成されている、(51)に記載のシステム。
(57)前記1つ以上の他の歯科用コンポーネントが、補綴物、アバットメント、インプレッションポスト及びヒーリングキャップのうちの少なくとも1つを含む、(56)に記載のシステム。
(58)前記1つ以上の他の歯科用コンポーネントが、傾斜したねじチャネルを備える、(57)に記載のシステム。
(59)歯科用インプラントに連結するように構成された歯科用補綴物の作製方法であって、
1つ以上の歯科用コンポーネントを前記インプラントに連結することであって、前記1つ以上の歯科用コンポーネントの少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、仮連結機構を有する、前記連結することと、
前記補綴物を前記1つ以上の歯科用コンポーネントに接合することと、
前記仮連結機構によって、前記補綴物と前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントを前記インプラントから切り離すことと、
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントと前記補綴物の両方に貫通穴を形成することであって、前記貫通穴が、前記補綴物と、前記歯科用インプラントに対する前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントと連結するように構成された固定具を受け入れるように構成されている、前記形成することと
を含む方法。
(60)前記貫通穴を形成することが、切削治具を用いて、前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントの遠位側から、前記貫通穴を形成することを含む、(59)に記載の方法。
(61)前記貫通穴を形成することが、前記切削治具または別の切削治具を用いて、前記補綴物の咬合側から、前記貫通穴を形成することを更に含む、(60)に記載の方法。
(62)前記貫通穴に挿入した前記固定具を用いて、前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントと前記補綴物とを前記インプラントに連結することを更に含む、(59)に記載の方法。
(63)前記仮連結機構が、スナップフィット連結機構を含む、(59)に記載の方法。
(64)前記仮連結機構が、摩擦嵌め連結機構を含む、(59)に記載の方法。
(65)前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記インプラントと連結するように構成されたアバットメントを含む、(59)に記載の方法。
(66)前記アバットメントが、コーピングと一体化されたアバットメントを含む、(65)に記載の方法。
(67)前記1つ以上の歯科用コンポーネントが、コーピングとアバットメントを含むか、
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記アバットメントと連結するように構成された前記コーピングを含むか、または
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記コーピングと連結するように構成された前記アバットメントを含む、
(59)に記載の方法。
(68)前記アバットメントが、第2の連結機構を備え、前記アバットメントが、前記第2の連結機構によって前記インプラントに連結するように構成されている、(67)に記載の方法。
(69)歯科用修復物の作製方法であって、
c)スナップフィット及び/または摩擦嵌めによる連結を用いて、アダプターなどの第1の歯科用コンポーネントを、顎骨に取り付けた歯科用インプラントに連結して、前記第1の歯科用コンポーネントの少なくとも一部が、軟組織に面するようにすることであって、前記第1の歯科用コンポーネントが、前記歯科用インプラントから外れないように設計されている、前記連結することと、
d)少なくとも別の歯科用コンポーネントを前記第1の歯科用コンポーネントに連結することと、
を含む方法。
(70)別の歯科用コンポーネントを連結することが、ヒーリングアバットメント、印象コンポーネントまたは口腔内スキャンポストを前記第1の歯科用コンポーネントに連結することを含む、(69)に記載の方法。
(71)別の歯科用コンポーネントを連結することが、固定具を用いて、傾斜したねじチャネルを含む補綴物を、前記第1の歯科用コンポーネントに連結することを含む、(69)に記載の方法。
本開示の上記及びその他の特長は、添付の図面とともに検討すれば、下記の説明と添付の請求項から、更に十分に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、本開示の範囲を限定するものとはみなされないという理解のもと、添付の図面を用いて、更に具体的かつ詳細に、本開示について説明する。
補綴システムのアンカー部、コーピング及び補綴物の実施形態の概略図を示している。
図1のシステムの切削治具、位置合わせ治具、コーピング及び補綴物の実施形態の概略図を示している。
仮補綴システムを取り付ける第1の方法のフローチャートを示している。
仮補綴システムを取り付ける第2の方法のフローチャートを示している。
補綴システムの補綴物の別の実施形態の正面立面図を示している。
補綴システムのインプラントとアバットメントの実施形態の側面立面図を示している。
補綴システムのコーピングの実施形態の断面図を示している。
ばね要素の実施形態の上面図を示している。
ばね要素の別の実施形態の上面図を示している。
図5の補綴物、図6のアバットメント及び図7のコーピングの断面図を示している。
接着剤の付いた図8の器具の断面図を示している。
図5の補綴物と図7のコーピングとに取り付けた位置合わせ治具と切削治具の実施形態の断面図を示している。
第2の構成である図10の器具の断面図を示している。
固定具で取り付けた図9の器具の断面図を示している。
アバットメントとコーピングの別の実施形態の側面立面図を示している。
アバットメントの別の実施形態の斜視図を示している。
図14のアバットメントの側面立面図を示している。
アバットメントの別の実施形態の斜視図を示している。
図16のアバットメントの断面図を示している。
コーピングの別の実施形態の斜視図を示している。
図18のアバットメントの断面図を示している。
図16のアバットメントと図18のコーピングとを併せて取り付けた断面図を示している。
2ピースコーピングの実施形態の側面立面図を示している。
図21の2ピースコーピングの断面図を示している。
アバットメントと連結ねじの実施形態に取り付けた図21の2ピースコーピングの断面図を示している。
2ピースコーピングの別の実施形態の側面立面図を示している。
図24の2ピースコーピングの断面図を示している。
アバットメントと連結ねじの実施形態に取り付けた図24の2ピースコーピングの断面図を示している。
アバットメントの別の実施形態の斜視図を示している。
図27Aのアバットメントの断面図を示している。
アバットメントの別の実施形態の斜視図を示している。 アバットメントの別の実施形態の斜視図を示している。 アバットメントの別の実施形態の斜視図を示している。
アバットメントの別の実施形態の斜視図を示している。
図28Aのアバットメントの断面図を示している。
アバットメントの別の実施形態の斜視図を示している。
図29Aのアバットメントの断面図を示している。
コーピングの別の実施形態の斜視図を示している。
図30Aのコーピングの断面図を示している。
図30A及び30Bのコーピングと嵌合するように構成されたアバットメントの例の斜視図を示している。
仮補綴システムを連結する方法の実施形態の例を示している。 仮補綴システムを連結する方法の実施形態の例を示している。 仮補綴システムを連結する方法の実施形態の例を示している。 仮補綴システムを連結する方法の実施形態の例を示している。
アダプターの実施形態の斜視図を示している。
アダプターの別の実施形態の斜視図を示している。
アダプターに連結できるコンポーネントの例を示している。 アダプターに連結できるコンポーネントの例を示している。 アダプターに連結できるコンポーネントの例を示している。
以下では、添付の図面を参照しながら、補綴システムと補綴方法の実施形態について説明する。図面においては、全体を通じて、同様の参照番号は、同様または類似の要素を指す。いくつかの実施形態、実施例及び例示が下に開示されるが、本明細書に記載されている発明は、具体的に開示されている実施形態、実施例及び例示に限定されず、本発明の他の用途、ならびに、本発明の明らかな修正形態及び均等物を含むことができることは、当業者には分かるであろう。本明細書に示されている説明で用いられている用語は、本発明の特定の具体的な実施形態の詳細な説明との関連で用いているに過ぎないので、いかなる限定または制限的な形でも解釈されるように意図されていない。加えて、本発明の実施形態は、いくつかの新規な特長を含むことができ、1つの特長のみが、望ましい特性を単独で担ったり、本明細書に説明されている発明を実施するのに不可欠であったりすることはない。
以下の説明では、単なる参照目的である特定の用語が用いられている場合があり、すなわち、それらの用語は、限定することは意図されていない。例えば、「上」または「下」などの用語は、参照する図面における方向を指す。「近位」、「遠位」、「前」、「裏」、「後ろ」及び「側部」などの用語は、考察中のコンポーネントまたは要素を説明している文章および関連図面を参照することにより明確になる、一貫しているが任意の参照枠内でのコンポーネントまたは要素の部分の向き及び/または位置を説明している。そのような用語には、上で具体的に言及されている単語、それらの派生語、及び類似の意味の単語が含まれ得る。
本明細書で使用する場合、「近位」という用語は、器具及びシステムの部分のうち、その器具及びシステムの術者(例えば医師)に近い方に位置する部分を指し、概して、その器具及びシステムの部分のうち、その器具及びシステムの埋入位置から遠くの方に位置する部分を指すことになる。「遠位」という用語は、器具及びシステムの部分のうち、その器具及びシステムの術者(例えば医師)から遠くの方に位置する部分を指し、概して、その器具及びシステムの部分のうち、その器具及びシステムの埋入位置に近い方の部分を指すことになる。
説明するように、ある特定の実施形態は、顎顔面補綴システム及びそのシステムの使用方法に関する。より具体的には、一実施形態は、歯科用仮補綴システムと、歯科用仮補綴システムを患者に取り付ける方法に関するものである。本システム及び方法は、例えば、歯科用インプラントを患者の顎に取り付けてから数日以内、かつ恒久的な補綴物を作製して取り付ける前に、用いることができる。場合によっては、本システム及び方法は、歯科用インプラントを患者の顎に取り付けた直後に用いることができる。したがって、治癒期間中、かつインプラントが完全にオステオインテグレーションする前に、装着可能な補綴物を患者に提供できる。
しかしながら、場合によっては、本明細書における図及び説明では、上顎弓及び/または下顎弓に沿って留置するためのフルブリッジの形態の歯科用仮補綴物について言及されているが、修正実施形態においては、補綴物は、いずれのタイプの補綴物であることもでき、そのような補綴物としては、部分ブリッジ及びクラウンが挙げられるが、これらに限らない。また、場合によっては、本明細書における図及び説明では、1つの歯冠の形態の歯科用仮補綴物について言及されているが、修正実施形態においては、補綴物は、いずれのタイプの補綴物であることができることが理解されるべきであり、そのような補綴物としては、部分ブリッジ及びフルブリッジが挙げられるが、これらに限らない。換言すると、1本の歯の修復または複数の歯の修復のいずれにも、本明細書に記載されている様々な特長を用いることができる。加えて、いくつかの例では、図示されている歯科用コンポーネント(例えばコーピング)と関連付けながら、様々な特長が記載され、示されているが、修正実施形態においては、それらの特長をいずれのタイプの歯科用コンポーネント(例えば、アバットメント、インプラントなど)と関連付けることができる。さらに、本明細書に記載されているシステム及び方法は、仮着用の性質を帯びるものとして記載されている場合があるが、そのようなシステム及び方法は、恒久的な補綴物の作製及び取り付けにも適用できる。
歯科用仮補綴物及び取り付けシステム
図1を参照すると、歯科用補綴物及び取り付けシステム100の実施形態が、概略的に示されている。システム100は、患者の骨10に連結するためのアンカー部102、ならびにコーピング130と、補綴物140とを含むことができる。下で説明されるように、コーピング130は、アンカー部102に連結でき、補綴物140は、コーピング130に連結できる。いくつかの実施形態では、アンカー部102は、歯科用インプラントのような骨インプラント110と、マルチユニットアバットメントのようなアバットメント120とを含むことができる。図示されている配置では、アバットメント120は、骨インプラント110に、連結ねじ16によって、取り外し可能な状態で連結できる。いくつかの実施形態では、インプラント110とアバットメント120は、一体部分をなすことができる。さらに、アンカー部102のある特定のコンポーネントは、省くことができることが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、アバットメント120をアンカー部102から省略して、その代わりに、コーピング130を直接インプラント110に取り付けるようにできる。別の例として、いくつかの実施形態では、コーピング130とアバットメント120は、一体部分をなして、その組み合わさったコーピング130/アバットメント120を直接インプラント110に取り付けるようにできる。そのようないくつかの場合では、組み合わさったコーピング130/アバットメント120は、単にコーピング130または単にアバットメント120と称することができる場合がある。別の配置では、連結ねじ16を省くことができるとともに、アバットメント120が、インプラント110に挿入されるねじ山状端部を含むことができる。
下に更に詳しく説明するように、各種コンポーネントを併せて連結するのに用いるある特定の連結機構は、コンポーネントを互いから外しやすいように設計することができる。いくつかの実施形態では、連結機構は、「スナップフィット」式の連結部を形成し、この連結部としては、ばね、クリップ、弾性ディンプルまたはボスが挙げられるが、これらに限らず、これらを用いて、コンポーネントを互いに連結しやすくするとともに、互いから外しやすくできる。例えば、コーピング130は、「スナップフィット」式の連結部を用いて、アバットメント120に連結できる。したがって、いくつかの実施形態では、コーピング130は、まず、「スナップフィット」によってアバットメント120に連結し、その後、アバットメント120から離れる方向に、スナップフィットを上回る離脱力を加えることによって、アバットメント120から外すことができる。別の例として、「スナップフィット」式の連結部を用いて、コーピング130、アバットメント120、またはコーピング130/アバットメント120を組み合わせたものを直接、インプラント110に連結できる。したがって、いくつかの実施形態では、コーピング130、アバットメント120、またはコーピング130/アバットメント120を組み合わせたものを、まず、「スナップフィット」によってインプラント110に連結し、その後、インプラントから離れる方向に、「スナップフィット」を上回る離脱力を加えることによって、インプラント110から外すことができる。
しかしながら、別の実施形態では、例えば、押さえカラー、または締めるとコンポーネント間を摩擦嵌めできるその他の機構、2つのコンポーネント間の接着剤などを含め、他のタイプの仮連結機構も用いることができる。いくつかの実施形態では、歯科用コンポーネントの一部を別の歯科用コンポーネントの表面に押しつけて、摩擦嵌めまたは締まり嵌めをすることができる。いくつかのそのような実施形態では、第1の歯科用コンポーネントの遠位部分を第2の歯科用コンポーネントの近位部分と摩擦嵌めすることができる。第1の歯科用コンポーネントは、コーピング130を含むことができ、第2の歯科用コンポーネントは、アバットメント120を含むことができる。別の例として、第1及び第2の歯科用コンポーネントは、マルチユニットアバットメントの2つの部分を含むことができる。更に別の例として、第1の歯科用コンポーネントは、コーピング130、アバットメント120、またはコーピング130/アバットメント120を組み合わせたものを含むことができ、第2の歯科用コンポーネントは、インプラント110を含むことができる。場合によっては、第1の歯科用コンポーネントの遠位部分は、外面の部分を含むことができ、第2の歯科用コンポーネントの近位部分は、内面(例えば、凹部、穴または空洞の内壁)を含むことができる。いくつかの別の場合では、第1の歯科用コンポーネントの遠位部分は、内面(例えば、凹部、穴または空洞の内壁)の部分を含むことができ、第2の歯科用コンポーネントの近位部分は、外面を含むことができる。いくつかの実施形態では、しきい値を下回る力が加わったときには、これらの2つのコンポーネントの位置と向きが保たれるが、これらの2つのコンポーネントに、しきい離脱力が加わったときには、外せるように、摩擦嵌めまたは接着剤によって、十分な初期保持力もたらすことができる。概して、仮連結機構を解除して、コンポーネントを外すのに必要とされるしきい力は、患者の骨を損傷しないように選択する必要がある。インプラント110を外科的に埋入した直後または間もなく、補綴システムを取り付ける仮補綴システムの場合に、このことは特に重要である。
引き続き図1を参照すると、上述のように、システム100は、患者の骨10に取り付けるための1本以上のインプラント110(例えば歯科用インプラント)を含むことができる。いくつかの実施形態では、インプラント110は、患者の顎の中に配置されるとともに、患者の顎とオステオインテグレーションするように設計された遠位端112と、アバットメント120(またはコーピング130もしくはコーピング130/アバットメント120を組み合わせたもの)のような別の歯科用コンポーネントを取り付けられるように設計された近位端114とを備えるモノリシック構造を有することができる。いくつかの実施形態では、インプラント110のオステオインテグレーションが完了したら患者に取り付ける恒久的な補綴物の性質と、患者の骨の構造などの要因に基づき、1本以上のインプラント110を、患者の顎の中に、複数の埋入位置で配置できる。いくつかの実施形態では、患者にクラウン(すなわち、1本の歯を有する補綴物)を取り付けるときには、1本のインプラント110を用いることができる。別の実施形態では、患者に部分ブリッジまたはフルブリッジ(すなわち、複数の歯を有する補綴物)を取り付けるときには、2本以上のインプラント110を用いることができる。例えば、いくつかの術式においては、歯科用フルブリッジ補綴物を取り付けるのに、4本のインプラント110を用いることができる。そのような技法は、例えば、Nobel BiocareのAll−On−4(登録商標)という術式の一部として用いることができる。もちろん、いくつかの術式においては、アンカー部102は不要であるので、システム100からインプラント110を完全に除外できると医師が判断することもあることが理解されるべきである。例えば、患者の既存の歯が、補綴物を保持するのに十分であるときに、上記の判断がなされることがある。
インプラント110を骨10に取り付けるために、インプラント110は、少なくとも外面の一部に沿って、ねじ山または類似の機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、インプラント110は、インプラント110を埋入位置の中に配置したときに、骨10に隣接する外面に少なくとも部分的に沿って、ねじ山を含むことができる。例えば、インプラント110の遠位端112に近接する外面に少なくとも部分的に沿って、ねじ山を設けることができる。もちろん、ねじ山または類似の機構は、インプラント110の近位端114の方に延びることも、または、主に近位端114に配置することもできることが理解されるべきである。
インプラント110は、アバットメント120(またはコーピング130もしくはコーピング130/アバットメント120を組み合わせたもの)のような別の歯科用コンポーネントに取り付けるために、その別の歯科用コンポーネント上の対応する連結機構と相互作用するように設計された1つ以上の連結機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、インプラント110は、アバットメント120及び/または固定具の一部を少なくとも部分的に受け入れるサイズ及び形状の穴または空洞のような内側の連結要素を1つ以上含むことができる。例えば、図示されている実施形態に示されているように、インプラント110は、連結ねじ16のようなねじを取り付けることができるねじ穴116を含むことができる。加えて、インプラント110は、アバットメント120の外側ローブまたは外側ヘックスに対応する内側ローブまたは内側ヘックスを備えることができる位置合わせ機構115を含むことができる。インプラント110の穴116は、例えば、テイパー状連結部のような追加の要素を含むことも、または含む要素の数が少ないこともできる。別の実施形態では、インプラント110は、アバットメント120内の対応する凹部に入れることができる外側の機構(例えば、外側ローブまたは外側ヘックスなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、位置合わせ機構115は、インプラント110の近位端114に、または近位端114に近接させて配置することができる。位置合わせ機構115は、歯科用コンポーネントを位置合わせ機構115とねじ穴116に入れられるように、インプラント110の近位面に沿って配置された開口を有することができる。
いくつかの実施形態では、インプラント110は、インプラント110と歯科用コンポーネントとの連結を促進及び強化するための追加の機構を含むことができる。例えば、インプラント110は、歯科用コンポーネントとの連結を強化するために、溝、ディンプル、粗面などを含むことができる。別の例として、歯科用コンポーネントが、インプラント110に対して回転できないように、インプラント110は、他の楔留め機構を含むことができる。そのような楔留めコンポーネントとしては、穴に特殊な断面形状をもたせるか、または、歯科用コンポーネントを所定の数の向きに挿入可能にするスロット、チャネル、突起もしくはその他の構造を加えることによるものが挙げられる。さらに、インプラント110は、歯科用コンポーネントを確実に嵌合するとともに、そのコンポーネントがインプラント110から不用意に外れる可能性を低下させる他の連結機構を含むことができる。例えば、インプラント110は、歯科用コンポーネントの対応する「スナップフィット」コネクターを確実に嵌合するために、「スナップフィット」コネクターを含むことができる。そのような機構は、例えば、インプラント110の内面、外面または両方に配置できる。
引き続き図1を参照すると、上記のように、システム100は、1つ以上の別の歯科用コンポーネントに取り付けるためのアバットメント120を1つ以上含むことができる。例えば、アバットメント120は、内側の穴125を通るとともに、インプラント110のねじ穴116のねじ山と嵌合する連結ねじ16によって、インプラント110に連結するマルチユニットアバットメントであることができる。いくつかの実施形態では、アバットメント120は、インプラント110に挿入するように設計された遠位端122と、コーピング130のような別の歯科用コンポーネントに取り付けられるように設計された近位端124とを備えるモノリシック構造を有することができる。もちろん、アバットメント120は、2つ以上のサブコンポーネントから形成することもできることが理解されるべきである。例えば、アバットメント120は、インプラント110に取り付ける遠位端122を形成する遠位サブコンポーネントと、別の歯科用コンポーネントに取り付ける近位端124を形成する近位サブコンポーネントとを有することができる。近位サブコンポーネントと遠位サブコンポーネントを併せて取り付けて、アバットメント120を形成できる。
アバットメント120は、インプラント110のような歯科用コンポーネントに取り付けるために、インプラント110に取り付けるとともに、不用意に外れる可能性を低下させる対応する連結機構を1つ以上含むことができる。上記のように、いくつかの実施形態では、アバットメント120は、連結ねじ16を用いて、インプラント110に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、アバットメント120が、インプラント110の対応するねじ山と嵌合できるように、アバットメント120は、遠位端122の外面に少なくとも部分的に沿って、ねじ山を含むことができる。いくつかの実施形態では、アバットメント120は、インプラント110内の対応する連結機構に入る弾性変形可能な部材を含むことができ、これにより、有益なことに、「スナップフィット」及び/または摩擦嵌めによる連結をもたらす。バヨネット式取り付け構造のような他のタイプの連結機構も使用できる。アバットメント120に穴または空洞がある場合には、そのような連結機構は、アバットメント120の内面に沿って搭載することもできることが理解されるべきである。
インプラント110に対してアバットメント120を位置合わせしやすくするために、アバットメント120は、インプラント110の楔留め機構に対応する楔留め機構を含むことができる。例えば、アバットメント120の少なくとも一部は、インプラント110の穴の非円形断面に対応する非円形断面を有することができる。例えば、アバットメント120は、インプラント110の位置合わせ機構115と対応する位置合わせ機構121を含むことができる。例えば、位置合わせ機構115は、複数の外側ローブまたは外側ヘックス形状を有することができる。いくつかの実施形態では、固定する前に、適切に位置合わせが行われるように、アバットメント120は、インプラント110の対応するスロット、溝または突起と揃うスロット、溝またはその他の突起を含むことができる。
アバットメント120は、コーピング130のような別の歯科用コンポーネント、ならびに/または例えば、歯科用修復物もしくは歯科用修復物コンポーネント(例えば、マルチユニットブリッジ及び/もしくは修復物)のような歯科用コンポーネントに取り付けるために、いくつかの実施形態では、その別の歯科用コンポーネントの対応する仮連結機構と相互作用するように設計された仮連結機構126を1つ以上含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、アバットメント120は、外面に沿って配置されたスロットまたは突起であって、その別の歯科用コンポーネントの対応する突起またはスロットと嵌合するように構成されたスロットまたは突起を含むことができる。したがって、仮連結機構126は、アバットメント120の近位端124に、または近位端124に近接させて配置できる。上で論じたように、一実施形態では、仮連結機構126は、アバットメント120と別の歯科用コンポーネント(コーピング130など)とを「スナップフィット」及びまたは摩擦嵌めにより連結できるように設計でき、それによって、有益なことに、離脱力を加えることによって、アバットメント120と、その別の歯科用コンポーネント(例えばコーピング130)とを容易に外すことができる。本開示を通じて明らかになるように、歯科用コンポーネントをアバットメント120から容易に外せる機能により、患者の顎に最終的に取り付けるための仮補綴物システム100の調製を容易にできる。
いくつかの実施形態では、仮連結機構126は、アバットメント120の内面に搭載できることが理解されるべきである。例えば、仮連結機構126は、アバットメント120の穴(穴125など)の内面の全体または一部のいずれかに沿って配置できる。さらに、いくつかの実施形態では、仮連結機構126は、コンポーネント120に配置した接着剤コンポーネントであることができる。そのような接着剤は、しきい離脱力を加えたら剥がれるように選択できる。
いくつかの実施形態では、アバットメント120は、コーピング130のような別の歯科用コンポーネントの対応する連結機構と相互作用するように設計された連結機構を含むことができる。図示されている実施形態に示されているように、その連結機構は、雌ねじ穴128であることができる。雌ねじ穴128は、コーピング130をアバットメント120に連結するのに用いる補綴ねじと嵌合できる。いくつかの実施形態では、雌ねじ穴128は、アバットメント120の近位端124に、または近位端124に近接させて配置できる。その歯科用コンポーネント、別の固定具、または両方が穴128に入るように、この穴は、第1のアバットメント120の近位面に沿って配置された開口を有することができる。穴128の直径は、穴125の直径よりも大きいように示されているが、穴128の直径は、穴125の直径と同じであることができることが理解されるべきである。さらに、穴128は、穴125と同軸上に示されているが、2つの穴125、128は、非同軸上であることができることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、連結機構は、アバットメント120の外面に沿って配置できる。しかしながら、連結機構は、省くことができることが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、コーピング130をアバットメント120に連結するのに用いる補綴ねじは、連結ねじ16自体の雌ねじ山と、そのような雌ねじ山が搭載されている場合、嵌合できる。
引き続き図1を参照すると、システム100は、1つ以上の歯科用コンポーネントに取り付けるためのコーピング130を1つ以上含むことができる。いくつかの実施形態では、コーピング130は、アバットメント120またはインプラント110のような歯科用コンポーネントに取り付けるように設計された遠位端132と、仮補綴物140のような別の歯科用コンポーネントを取り付けられるように設計された近位端134とを備えるモノリシック構造を有することができる。
コーピング130は、アバットメント120のような歯科用コンポーネントに取り付けるために、アバットメント120の仮連結機構126のような対応する連結機構と相互作用するように設計された連結機構を1つ以上含むことができる。いくつかの実施形態では、コーピング130は、アバットメント120の一部を少なくとも部分的に受け入れるサイズ及び形状の空洞136または穴であって、仮連結機構126と嵌合するように、内面に沿って連結機構を含む空洞136または穴を含むことができる。いくつかの実施形態では、空洞136は、コーピング130の遠位端132に、または遠位端132に近接させて配置できるとともに、歯科用コンポーネントを空洞136に入れられるように、コーピング130の遠位面に沿って配置された開口を有することができる。
この連結機構は、内面(空洞136の内面など)に沿って配置された環状の突起または環状のスロットであって、アバットメント120の対応する機構(仮連結機構126など)に嵌合するように構成された突起またはスロットを含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、コーピング130とアバットメント120はいずれも、「スナップフィット」及び/または摩擦嵌めによる連結を用いて保持することができる。これにより、有益なことに、コーピング130とアバットメント120を容易に外せるようにできる。バヨネット式取り付け構造のような他のタイプの連結機構も使用できる。さらに、いくつかの実施形態では、この連結機構は、コーピング130に配置された接着剤コンポーネントであることができる。そのような接着剤は、しきい離脱力が加わると剥がれるように選択できる。この連結機構は、コーピング130の外面に沿って設けることもできることが理解されるべきである。
いくつかの実施形態では、コーピング130は、コーピング130とアバットメント120との連結を促進及び強化するための機構を含むことができる。例えば、コーピング130をアバットメント120に対して位置合わせしやすくするために、コーピング130は、アバットメント120の楔留め機構に対応する楔留め機構を含むことができる。例えば、コーピング130の空洞136の少なくとも一部は、アバットメント120の非円形断面に対応する非円形断面を有することができる。いくつかの実施形態では、コーピング130は、アバットメント120の対応するスロット、溝または突起と揃うスロット、溝またはその他の突起を含むことができる。そのような機構は、例えば、コーピング130の内面、外面または両方に配置できる。例えば、そのような機構は、空洞136の内面に沿って配置できる。
いくつかの実施形態では、コーピング130がアバットメント120から不用意に外れる可能性を低下させるために、コーピング130は、追加の連結機構を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、コーピング130とアバットメント120は、補綴ねじ138のような別個の固定具を用いて取り付けることができる。補綴ねじ138は、コーピング130の穴139を通って、アバットメント120の連結機構(ねじ穴128など)または連結ねじ16の連結機構に確実に嵌合でき、それによって、コーピング130をアバットメント120にしっかり取り付ける。これにより、有益なことに、コーピング130がアバットメントから不用意に外れる可能性を更に低下させることができる。いくつかの実施形態では、穴139は、コーピング130に事前には搭載せず、後から形成できる点に注意する必要がある。
コーピング130は、別の歯科用コンポーネントに取り付けるために、別の歯科用コンポーネントに取り付けるとともに、不用意に外れる可能性を低下させる、対応する連結機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、コーピング130は、別の歯科用コンポーネントの対応する機構に確実に嵌合するために、凸部、突起またはその他の機構を備えることができる。
引き続き図1を参照すると、システム100は、歯科用コンポーネントに取り付けるための仮補綴物140を1つ以上含むことができる。いくつかの実施形態では、仮補綴物140は、コーピング130(またはコーピング130/アバットメント120を組み合わせたものもしくはアバットメント120)などの歯科用コンポーネントに取り付けるように設計された遠位端142と、対合歯と接するように設計された近位端134とを備えるモノリシック構造を有することができる。
仮補綴物140は、コーピング130に取り付けるために、コーピング130の対応する連結機構と相互作用するように設計された連結機構を1つ以上含むことができる。いくつかの実施形態では、仮補綴物140は、コーピング130の一部を少なくとも部分的に受け入れるサイズ及び形状の空洞146または穴を含むことができる。いくつかの実施形態では、空洞146は、仮補綴物140の遠位端142に、または遠位端142に近接させて配置できる。コーピング130がその穴に入るように、空洞146は、仮補綴物140の遠位面に沿って配置された開口を有することができる。いくつかの実施形態では、空洞146は、仮補綴物140とコーピング130との連結を促進及び強化する連結機構を含むことができる。例えば、この穴は、仮補綴物140をコーピング130に接合するのに用いることができる接着剤148を含むことができる。そのような接着剤148としては、比較的低粘度の流体から高粘度の流体または固体に変換できる自然硬化性接着剤、光硬化性接着剤または他の接着剤を挙げることができる。いくつかの実施形態では、この穴は、自然硬化性アクリルまたは光硬化性複合材などのアクリルで埋め戻すことができる。このアクリルは、補綴物の形成に用いるものと同じ物質であることができる。ねじまたはボルトなどの別個の固定具、2つのコンポーネントを「スナップフィット」または摩擦嵌めするための弾性変形可能な部材、及び仮補綴物140の内面沿いにあるねじ山のようなねじ山を含む他のタイプの連結機構を使用することもできる。
続いて、図2を参照すると、切削システム150が示されており、このシステムは、切削治具160と位置合わせ治具170を含むことができる。切削システム150は、仮補綴システム100の一部をなすことができる。図示されている実施形態に示されているように、位置合わせ治具170は、コーピング130に取り付けることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、位置合わせ治具170を用いない場合がある。
切削治具160は、治具160の外面に沿って配置された切削面を有する細長い部材であることができる。いくつかの実施形態では、切削治具160を治具160の長手軸に沿って動かしたときに、長手方向の切削を容易にするために、切削治具160は、尖った先端162を有することができる。したがって、いくつかの実施形態では、切削治具160は、円形断面を有するドリルビットであることができる。切削治具160は、有益なことに、仮補綴システム100の歯科用コンポーネント(コーピング130及び仮補綴物140など)の中に穴を作るのに用いることができる。
いくつかの実施形態では、歯科用コンポーネントに穴を作りやすくするために、位置合わせ治具170を設けることができる。したがって、位置合わせ治具170は、切削治具160を通すことができる位置合わせ穴のような位置合わせ機構172を含むことができる。いくつかの実施形態では、位置合わせ穴の断面積は、切削治具160の断面積よりも少し大きいことができる。これにより、有益なことに、切削治具160が、その穴の側部と接することなく、穴を通れるようにできる。もちろん、この穴の断面積は、切削治具160の断面積とほぼ同じであることもできる。これにより、有益なことに、切削治具160と位置合わせ治具170との間の遊びの量を減らすことができ、それにより、切削治具160の位置合わせ機能が高まる。穴の断面積は、一定である必要はないことが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、穴の一部のみを、切削治具160の位置合わせに用いることができる。さらに、その穴は、位置合わせ治具170を使用しやすくするための追加の機構(切削治具160を位置合わせ穴に挿入しやすくするための、位置合わせ穴の入口沿いのテイパーなど)を備えることができる。
さらに、この穴は、必要とされる具体的な位置合わせに応じて、位置合わせ治具170内の様々な位置で、配向及び配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、位置合わせ治具は、コーピング130と仮補綴物140の中に、少なくとも連結機構(コンポーネント120のねじ穴128など)に揃うかまたは通じる穴(図示なし)を作るのに用いることができる。いくつかの実施形態では、補綴物140内の穴をコーピング130の1つの側(例えばコーピング130の遠位側)から作った後、切削治具160または別の切削治具(例えば、切削治具160の直径よりも直径が大きい切削治具)を、補綴物140の1つの側(例えば、補綴物140の近位側または咬合側)から入れることによって、穴を強化及び/または拡大することもできる。続いて、コーピング130と補綴物140の穴を用いて、固定具(ねじまたはボルトなど)を通して、アバットメント120またはインプラント110の連結機構に嵌合できるようにできる。
いくつかの実施形態では、位置合わせ治具170は、コーピング130と仮補綴物140に取り付けるように設計できる。したがって、位置合わせ治具170は、別の歯科用コンポーネントの対応する連結機構と相互作用するように設計された連結機構174を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、位置合わせ治具170は、外面に沿って配置された環状のスロットまたは環状の突起であって、別の歯科用コンポーネントの対応する機構に嵌合するように構成されたスロットまたは突起を含むことができる。いくつかの実施形態では、連結機構176は、アバットメント120の仮連結機構126と同様であることができる。連結機構176は、位置合わせ治具170とコーピング130とを「スナップフィット」及び/または摩擦嵌めによって連結できるように設計できる。これにより、有益なことに、切削作業の終了後に、位置合わせ治具170と別の歯科用コンポーネントを容易に外せるようにできる。連結機構176は、本明細書に記載されているいずれかのタイプの連結機構であることができるとともに、位置合わせ治具170の外面、内面または両方に搭載できる。
システム100のコンポーネントは、多種多様な材料から製造でき、その材料としては、チタン、コバルト・クロム合金、形状記憶合金を含む金属、アクリルを含むポリマー、ジルコニアを含むセラミック、複合材、及び/または所望に応じたいずれかの他の材料が挙げられるが、これらに限らない。例えば、いくつかの実施形態では、システム100は、熱が加わったときに異なる特徴を有することができる材料から製造されたケージを含むことができる。例えば、その材料は、周囲温度においては、比較的剛性な構造を有することができる一方で、やや高い温度にさらされると、可撓性または柔らかい構造を有することができる。周囲温度では、ケージを用いて、2つの別個のコンポーネントを併せて連結できる。例えば、ケージは、アバットメント120の仮連結機構126と連結するように、コーピング130の内側に配置できる。コーピングをアバットメントから外すためには、ケージを加熱して、ケージが、比較的柔らかい構造を有するようにすることができ、それによって、コーピングをアバットメントから切り離しやすくできる。
歯科用仮補綴物システムを取り付ける方法
図3には、歯科用仮補綴システム100のような歯科用仮補綴システムを取り付ける方法300のステップを説明しているフローチャートが示されている。明確にするために、それらのステップは、医師が行うものとして説明されているが、この施術のステップのいくつかまたは全部は、医師の助手及びその他の第三者などが挙げられるが、それらに限らない、医師以外の者も行うことができる。さらに、本明細書に記載されているステップのいくつかまたは全部は、インサイチュ(すなわち患者の口内)またはエクスサイチュのいずれかで行うことができる。例えば、本明細書に記載されているステップのいくつかまたは全部は、患者の歯の模型で行うことができる。
ステップ302に示されているように、追加の歯科用コンポーネントを設置可能にするために、医師は、取り付け機構を患者の顎に取り付けることができる。したがって、このステップの最中に、医師は、アンカー部102のようなアンカー部を1つ以上、患者の顎に取り付けることができる。医師は、このステップの最中に、コーピング(コーピング130など)を含むいずれかの追加の歯科用コンポーネントを取り付けることもできる。患者の状態のような、施術の性質に応じて、方法300の残りは、このステップの直後、または間もなく経ってからのいずれかに行うことができる。
ステップ304に示されているように、続いて、医師は、アンカー部とコーピングに取り付ける補綴物(仮補綴物140など)を調製できる。いくつかの手順では、補綴物は、チェアサイドで調製できる。すなわち、医師及び/または医師の助手は、施術の過程において、補綴物を調製できる。例えば、医師及び/または医師の助手は、着脱式の部分義歯または総義歯のような患者の既存の補綴物を取って、補綴物の咬合面の反対側に、有底穴を1つ以上作ることができる。方法300の完了時に、補綴物が概ね、患者の口内で適切な向きとなるように、これらの有底穴を位置合わせすることができる。さらに、有底穴と、コーピング及び/またはアンカー部の間に、ある程度の遊びを可能にするために、有底穴は、コーピング及び/またはアンカー部の断面積よりも少し大きい断面積を持つように形成できる。既存の補綴物の使用により、有益なことに、この施術の全体的な複雑性とコストを軽減できる。既存の補綴物の修正は、短い時間で行うことができるからである。場合によっては、この施術は、1回の処置中に行うことができる。
もちろん、いくつかの手順では、既存の補綴物を用いる代わりに、新たな補綴物を作製することもできる。いくつかの手順では、新たな補綴物は、補綴物に既に組み込まれた有底穴を1つ以上有するように調製できる。有益なことに、インプラントの大まかな留置位置と向きを医師が既に把握している場合に、この方法を採用できる。例えば、医師によるインプラントの留置計画に基づき、施術より前に、新たな補綴物を作製することができる。したがって、補綴物は、施術より前に作製することができ、それによって、有益なことに、1回の処置中に、補綴物を取り付けることが可能になる。いくつかの実施形態では、新たな補綴物は、インプラントを既に患者の顎に取り付けた後に作製して、医師が、インプラントの留置に関する判断を、よりきちんと行えるようにできる。別の手順では、有底穴を有さない新たな補綴物を調製して、医師が、必要と判断した場合に、有底穴を作製できるようにできる。補綴物に有底穴を作ることについて言及されているが、補綴物には、貫通穴のような他のタイプの穴を設けることもできることが理解されるべきである。
ステップ306に示されているように、医師は、仮嵌合のために、補綴物をアンカー部、コーピングまたはこれらを組み合わせたものに設置することによって、補綴物を試すことができる。このステップの最中、医師は、補綴物をアンカー部とコーピングの上に配置して、少なくともコーピングが補綴物の1つ以上の有底穴に入るようにできる。補綴物をアンカー部とコーピング上に留置したら、患者の顎と対合歯に対して、補綴物が概ね揃っているかを調べるために、医師はチェックすることができる。例えば、咬合面が概ね揃っているか、また、患者の鼻、唇、及び顎が概ね揃っているかを医師は判断できる。
また、咬合高径(VDO)及び/または安静位高径(VDR)が適切に選択されているかも医師は判断できる。VDOは、歯が咬頭嵌合位にあるときの上顎と下顎との上下関係を示す。したがって、特に、完全及び/または部分的に無歯である患者、したがって、咬頭嵌合位における位置に歯がない患者に対しては、医師は、適切なVDO及び/またはVDRを判断するために、1つ以上の検査を行うことができる。例えば、補綴物をコーピングに設置したときの患者の全体的外観を医師は見て、患者の鼻、唇及び顎が、平均的な人の通常の形状にあるように見えるかを判断できる。医師は、患者によるある特定の単語の発音を聞くことによって、適切なVDO及び/またはVDRを判断することもできる。補綴物をコーピングに設置した状態で、適切なVDO及び/またはVDRが確立されるように、医師は、いずれの数のステップを採用することもできる。例えば、補綴物とコーピングとの距離を長くするために、医師は、コーピング及び/または補綴物のいずれかにパッドを加えることができる。補綴物とコーピングとの距離を短くするために、医師は、コーピングの最上部分を削り取るか、及び/またはドリルによって、補綴物の中の有底穴を長くすることができる。
医師は、補綴物を適切な配置で留置して、適切なVDO及び/またはVDRを得るのに必要なのは微調節のみであるか調べるために、チェックを行うことができる。好ましくは、患者の歯を中心咬合位にして、補綴物の咬合面を対合歯と咬み合わせることによって、取り付けステップ310中に行ういずれの残りの調節作業を行えるように、この調節では、十分に位置合わせを行う必要がある。
アンカー部の位置及び/または向きが原因で、補綴物が概ね揃っていないと医師が判断した場合には、医師は、ステップ308に示されているように、補綴物を外して、それに応じて、アンカー部を修正することができる。例えば、顎に対して、アンカー部の位置が高すぎる場合には、医師は、アンカー部の一部(近位端など)を取り除くことによって(例えば、コーピング130の高さを低くすることによって)、アンカー部の全体的な高さを低くすることができる。上記とは逆に、顎に対して、アンカー部の位置が低すぎる場合には、医師は、アンカー部に部分を加えることによって、またはアンカー部の他の部分を修正することによって、アンカー部の全体的な高さを高くすることもできる。アンカー部が、不適当な角度で配置されている場合には、医師は、アンカー部の角度を修正することができる。補綴物とアンカー部とが十分に嵌合するように、アンカー部に対して、いずれかの修正を行うことができることが理解されるべきである。さらに、代替的手順として、医師は、補綴物の有底穴のサイズ、位置及び/または角度を修正して、概ね揃って嵌合するようにできることが理解されるべきである。医師は、アンカー部及び/または補綴物に適切な修正を行ったら、ステップ306に戻って、補綴物と、修正済みのアンカー部との嵌合を調べることができる。医師は、概ね揃って嵌合するまで、ステップ306及び308を繰り返すことができる。
ステップ310に示されているように、十分に仮嵌合したと医師が判断した後、医師は、本明細書に論じられているように、連結機構のいずれかを用いて、補綴物をコーピングに取り付けることができる。好ましくは、医師は、補綴物とコーピングが揃って、対合歯に対して適切な向きとなるように、補綴物をコーピングに取り付ける。
例えば、いくつかの手順では、医師は、自然硬化性接着剤、光硬化性接着剤またはその他のポリマー物質などの接着剤を補綴物に塗布することができる。いくつかの手順では、医師は、補綴物に形成した穴を、自然硬化性アクリルなどのアクリルまたは光硬化性複合材で埋め戻すことができる。いくつかの手順では、医師は、補綴物をアンカー部から外して、接着剤を有底穴に投入するか、及び/または有底穴をアクリルで埋め戻し、その接着剤及び/またはアクリルを塗布した後に、補綴物をコーピングに再び設置することができる。接合プロセス中、患者の歯は、中心咬合位にして、補綴物の咬合面を対合歯と咬み合わせるようにできる。硬化前は、接着剤及び/またはアクリルの粘度は、低いことができるので、コーピングは、有底穴内で、ある程度の遊びを有することができるため、このステップ中に、コーピングに対する補綴物の向きを更に修正または変更することができる。続いて、時間を置くか、または光などの触媒を接着剤及び/またはアクリルに導入するかのいずれかによって、補綴物とコーピングを完全に硬化させて、修正または変更した向きで、補綴物とコーピングが取り付けられるようにできる。
したがって、接着剤及び/またはアクリルが硬化すると、仮補綴物と対合歯との関係が、仮嵌合時よりも適切となるように、補綴物とコーピングを配置できる。これにより、仮補綴物の快適性とフィット性を大きく高めることができる。さらに、補綴物の適切な向きと位置を推測する職務を通常負うことになる医師が行う推測作業の量をかなり減らすことができる。無歯の場合では、医師が、顎と対合歯との適切な関係を更に確立可能になるので、これは特に有益となり得る。補綴物と対合歯との他の関係を選択することもできることが理解されるべきである。例えば、中心咬合位の代わりに、患者は、咬頭嵌合位で咬合して、仮補綴物を上記の向きに、適切に揃えるようにすることができる。
いくつかの施術では、他の連結機構を用いて、補綴物をコーピングに取り付けることができる。例えば、仮補綴物は、固定具、「スナップフィット」、摩擦嵌め、カラーまたは他の連結機構によって、コーピングに取り付けることができる。
ステップ312に示されているように、補綴物が少なくともコーピングに固着するほど、接着剤及び/またはアクリルが十分に硬化したら、医師は、補綴物を患者の顎から外すことができる。硬化した接着剤及び/またはアクリルによって、コーピングが補綴物に取り付けられるとともに、コーピングは、「スナップフィット」、摩擦嵌めまたはその他の類似の仮連結機構を用いて、アンカー部に取り付けることができるので、補綴物を外すと、コーピングがアンカー部から外れるようにできる。このプロセスの際、アンカー部は、位置合わせされた構成で、補綴物に取り付けたままにできる。したがって、「スナップフィット」、摩擦嵌めまたはその他の仮連結機構を解除するしきい離脱力を選択して、補綴物とコーピングをアンカー部から外すときに、補綴物とコーピングとがずれないか、またはほとんどずれないようにできることが理解されるべきである。
ステップ314に示されているように、次に、医師は、切削治具を用いて、補綴物とコーピングに貫通孔を作ることができる。いくつかの手順では、医師は、貫通孔によって、アバットメントの連結機構につながるように、貫通孔を位置合わせできる。ステップ316に示されているように、補綴物をアンカー部に更にしっかり固定するために、医師は、固定具(例えば補綴ねじ)を用いて、補綴物とコーピングをアンカー部に固定できる。このステップの際、医師は、先ほど作った貫通穴に、ねじまたはボルトのような別個の固定具を挿入することができる。その別個の固定具は、アンカー部の連結機構(アバットメントの雌ねじ山など)に確実に嵌合して、その別の固定具によって、補綴物がアンカー部に取り付けられるようにできる。したがって、ねじ山を用いて、仮補綴システム全体を取り付けることができ、それによって、仮補綴システムのコンポーネントが、互いから不用意に外れる可能性が更に低くなる。
図4は、歯科用仮補綴システム100のような歯科用仮補綴システムを取り付ける方法400のステップを説明しているフローチャートを示している。方法400のある特定のステップは、方法300のステップと同様である。明確にするために、方法400のステップは、医師が行うものとして記載されているが、この施術のステップのいくつかまたは全部は、医師の助手及び他の第三者が挙げられるが、これらに限らない、他の者が行うことができることが理解されるべきである。さらに、本明細書に記載されているステップのいくつかまたは全部は、インサイチュ(すなわち、患者の口内)またはエクスサイチュのいずれかで行うことができる。例えば、本明細書に記載されているステップの一部または全部は、患者の歯の模型で行うことができる。
ステップ402に示されているように、医師は、追加の歯科用コンポーネントを設置可能にするために、取り付け機構を患者の顎に取り付けることができる。したがって、このステップの最中に、医師は、1本以上のインプラントを患者の顎に取り付けることができる。方法300におけるように、方法400の残りは、このステップの直後、または間もなく経ってからのいずれかに行うことができる。
ステップ404に示されているように、医師は、本明細書に記載されているようないずれかの連結機構及び技法を用いて、アバットメントをインプラントに取り付けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、アバットメントは、連結ねじを用いて、インプラントに取り付けることができる。しかしながら、アバットメントをインプラントに取り付けるには、他の連結機構及び技法も用いることができることが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、アバットメントは、「スナップフィット」による連結、摩擦嵌めによる連結、及び/または他の同様な連結機構を用いて、インプラントに取り付けることができる。
ステップ406に示されているように、医師は、本明細書に記載されているようないずれかの連結機構及び技法を用いて、コーピングをアバットメントに取り付けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、コーピングは、アバットメントとコーピングの「スナップフィット」式の連結機構を用いて、アバットメントに取り付けることができる。したがって、「スナップフィット」式の連結機構が適切に嵌合するまで、医師は、アバットメントの方に向かって、コーピングに十分な力を加えるだけであることができる。いくつかの実施形態では、「スナップフィット」式の連結機構は、その「スナップフィット」式の連結機構が適切に嵌合したことを知らせるように、何らかの形のフィードバックを医師に提供することができる。例えば、「スナップフィット」式の連結機構は、コーピングとアバットメントとの適切な嵌合を医師に知らせるように、聴覚フィードバック、触覚フィードバックまたはこの両方を組み合わせたものを医師に提供することができる。
ステップ408に示されているように、続いて、医師は、コーピングに取り付けられるように、補綴物を調製できる。方法300との関連で上で説明したように、補綴物は、患者の既存の補綴物または新たに作製した補綴物のいずれかを用いて、チェアサイドで調製できる。その補綴物には、有底穴が設けられていることができ、または、医師は、そのような有底穴を作業中に作ることができる。方法400の完了時、補綴物が、患者の口内で適切な向きを向くように、これらの有底穴を位置合わせすることができる。さらに、有底穴は、有底穴とコーピングとの間に、ある程度遊びをもたせることができるように設計できる。
ステップ410に示されているように、医師は、仮嵌合のために、補綴物をコーピングに設置することによって、補綴物を試すことができる。このステップの最中、医師は、補綴物をコーピングの上に配置して、コーピングが補綴物の1つ以上の有底穴に入るようにできる。補綴物をコーピングに留置したら、患者の顎と対合歯に対して、補綴物が概ね揃っているかを調べるために、医師はチェックすることができる。例えば、咬合面が概ね揃っているか、また、患者の鼻、唇、及び顎が概ね揃っているかを医師は判断できる。
また、咬合高径(VDO)及び/または安静位高径(VDR)が適切に選択されているかも医師は判断できる。VDOは、歯が咬頭嵌合位にあるときの上顎と下顎との上下関係を示す。したがって、特に、完全及び/または部分的に無歯である患者、すなわち、咬頭嵌合位における位置に歯がない患者に対しては、医師は、適切なVDO及び/またはVDRを判断するために、1つ以上の検査を行うことができる。例えば、補綴物をコーピングに設置したときの患者の全体的外観を医師は見て、患者の鼻、唇及び顎が、平均的な人の通常の形状にあるように見えるかを判断できる。医師は、患者によるある特定の単語の発音を聞くことによって、適切なVDO及び/またはVDRを判断することもできる。補綴物をコーピングに設置した状態で、適切なVDO及び/またはVDRが確立されるように、医師は、いずれの数のステップをも採用することもできる。例えば、補綴物とコーピングとの距離を長くするために、医師は、コーピング及び/または補綴物のいずれかにパッドを加えることができる。補綴物とコーピングとの距離を短くするために、医師は、コーピングの最上部分を削り取るか、及び/またはドリルによって、補綴物の中の有底穴を長くすることができる。
医師は、補綴物を適切な配置で留置して、適切なVDO及び/またはVDRを得るに必要なのは、微調節のみであるか調べるために、チェックを行うことができる。好ましくは、患者の歯を中心咬合位にして、補綴物の咬合面を対合歯と咬み合わせることによって、取り付けステップ416中に行ういずれの残りの調節作業を行えるように、調節は、十分に位置合わせを行う必要がある。
コーピングの位置及び/または向きが原因で、補綴物がきちんと揃っていないと医師が判断した場合には、医師は、ステップ412に示されているように、補綴物を外して、それに応じて、コーピングを修正することができる。コーピングを修正するステップは、上記のステップ308との関連で説明されている。さらに、代替的な手順として、医師は、補綴物の有底穴のサイズ、位置及び/または角度を修正して、概ね揃って嵌合するようにできることが理解されるべきである。医師は、コーピング及び/または補綴物に適切な修正を行ったら、ステップ410に戻って、補綴物と、修正済みのコーピングとの嵌合を調べることができる。医師は、概ね揃って嵌合するまで、ステップ410及び412を繰り返すことができる。
ステップ414に示されているように、十分に仮嵌合したと医師が判断した後、医師は、自然硬化性物質または光硬化性ポリマー物質のような接着剤を補綴物に塗布することができる。いくつかの施術では、医師は、補綴物に形成した穴を、自然硬化性アクリルなどのアクリルまたは光硬化性複合材で埋め戻すことができる。いくつかの手順では、医師は、補綴物をコーピングから外して、接着剤及び/またはアクリルを有底穴に投入することができる。選択する接着剤及び/またはアクリルの量は、コーピング上に補綴物を留置する際に、十分にコーピングを覆うのに十分でなければならない。これにより、コーピングと補綴物との連結を高めることができるからである。しかしながら、有底穴に充填しすぎて、接着剤及び/またはアクリルが他のコンポーネントまたは軟組織まではみ出すことにより、潜在的に、合併症を引き起こしたり、全体的な施術時間が長くなったりしないように注意しなければならない。もちろん、所望の接合強度に基づき、使用する接着剤及び/またはアクリルの量を増減させることができる。
416に示されているように、医師は、接着剤を補綴物に塗布するか、及び/または有底穴をアクリルで埋め戻した後、補綴物をコーピングに接合することができる。接着剤及び/またはアクリルを有底穴に塗布した施術においては、ステップ410で行ったのと同じ方法で、補綴物を設置するだけで、この接合を行うことができる。接合プロセスの間、患者の歯は、中心咬合位にして、補綴物の咬合面を対合歯と咬み合わせることができる。したがって、補綴物は、有益なことに、対合歯と更に適切な関係で配置できる。補綴物と対合歯との他の関係を選択することもできる。例えば、代わりに、患者は、咬頭嵌合位で咬合して、補綴物を上記の向きに、適切に揃えるようにすることができる。
ステップ418に示されているように、補綴物がコーピングに固着するほど、接着剤及び/またはアクリルが十分に硬化したら、医師は、補綴物をアバットメントから外すことができる。硬化した接着剤及び/またはアクリルによって、コーピングが補綴物に取り付けられるとともに、コーピングは、「スナップフィット」、摩擦嵌めまたはその他の類似の仮連結機構のみによって、アバットメントに取り付けるので、補綴物を外すと、コーピングが補綴物とともに外れるようにすることができる。さらに、コーピングは、硬化した接着剤及び/またはアクリルによって固着されたままであるので、コーピングは、位置合わせされた構成で、補綴物に取り付けたままにできる。したがって、「スナップフィット」、摩擦嵌めまたはその他の仮連結機構を解除するしきい離脱力を選択して、補綴物とコーピングをアバットメントから外すときに、補綴物とコーピングとがずれないか、またはほとんどずれないようにできることが理解されるべきである。
ステップ420及び422に示されているように、ねじまたはボルトのような固定具が補綴物とコーピングを貫通できるように、補綴物とコーピングに貫通穴を作ることができる。これらのステップの最中、医師は、切削治具160のような切削治具を用いて、貫通穴を調製することができる。
ステップ420に示されているように、貫通穴の適切な留置と位置合わせを補助するために、医師は、まず、位置合わせ治具170と同様の位置合わせ治具をコーピングに取り付けることができる。いくつかの手順では、位置合わせ治具は、「スナップフィット」、摩擦嵌めまたは他の仮連結機構を用いて、コーピングに取り付けることができる。いくつかの施術では、位置合わせ治具が、コーピングに対して適切な向きを向くように、位置合わせ治具は、楔留めすることができる。位置合わせ治具をコーピングに取り付けたら、医師は、ステップ422に示されているように、位置合わせ穴172のような位置合わせ機構を通じて、切削治具を挿入して、コーピングと補綴物に貫通孔を作ることができる。いくつかの実施形態では、位置合わせ治具170は使用しなくてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ422には、咬合面からコーピングに向かって、補綴物を通る追加の孔を作る追加のステップを含めることができる。この追加の孔の直径は、元の貫通穴よりも大きいことができ、元の貫通穴と概ね同軸上であることができる。このステップは、用いる固定具が元の貫通穴よりも大きいときに行うことができる。
ステップ424に示されているように、補綴物をアバットメントに更にしっかり固定するために、医師は、補綴物をアバットメントに固定するのに、固定具を用いることができる。このステップの最中、医師は、ねじまたはボルトのような別個の固定具を、先ほど作った貫通穴に挿入することができる。その別個の固定具は、アバットメントの連結機構(雌ねじ山など)に確実に嵌合して、その別の固定具によって、補綴物とコーピングがアバットメントに取り付けられるようにできる。したがって、ねじ山を用いて、仮補綴システム全体を取り付けることができ、それによって、仮補綴システムのコンポーネントが不用意に外れる可能性が低くなる。
ステップ426に示されているように、続いて、医師は、貫通穴をシール剤でふさいで、補綴物の外観を高めるとともに、貫通孔の中に異物が溜まるのを防ぐか、または少なくともその可能性を低下させることができる。恒久的補綴システムを取り付ける前などの場合のように、補綴物を外す際には、医師は、シール剤を除去して、別個の固定具が再び通るようにするとともに、補綴物とコーピングをアバットメントから外すことができる。
歯科用仮補綴物及び取り付けシステム
図5を参照すると、本明細書に記載されている歯科用仮補綴物システムで用いることができる仮補綴物の実施形態510が示されている。仮補綴物510は、1本以上の補綴歯514が取り付けられている床512を含むことができる。床512は、歯514が取り付けられている第1の側と、第1の側と反対の第2の側であって、患者の顎骨に隣接する軟組織と接した状態で配置するように構成された第2の側とを含むことができる。図示されている実施形態に示されているように、仮補綴物510によって、上顎弓及び/または下顎弓のいずれか沿いの一連の歯の全てを補うように、仮補綴物510はフルブリッジであることができる。上述のように、仮補綴物510は、上顎弓及び/または下顎弓沿いの一連の歯の全てよりも少ない歯を補う部分ブリッジであることもできる。さらに、上述のように、仮補綴物510は、1本の歯を補うためのクラウンであることもできる。いくつかの実施形態では、仮補綴物510は、患者の既存の補綴物(総義歯または部分義歯など)であることができる。
図6は、アンカー部600のコンポーネントを示しており、アンカー部600は、歯科用インプラント610とアバットメント650を含むことができる。図示されている実施形態では、インプラント610は、インプラント610の外面の周囲に、ねじ山612とフランジ614を含むことができる。ねじ山612を用いて、インプラント610を患者の顎の骨に固定でき、フランジ614は、その骨の上に置かれるように設計して、インプラント610が、その骨の周辺の軟組織よりも上に留まるようにできる。図示されている実施形態に示されているように、ねじ山612は、フランジ614から、インプラント610の遠位端616の方に向かって、部分的に延びていることができる。そのようなねじ山612は、インプラント610のねじ山接触面を増大させるために、フランジ614の方に更に延びていることができる。さらに、ねじ山612は、フランジ614よりも下の位置を始点とすることができる。本明細書に記載されているようないずれかの連結機構及び技法を用いて、インプラント610の近位端618に、アバットメント650を取り付けることができる。例えば、インプラント610は、アバットメント650のねじ軸に嵌合するように構成された雌ねじ穴(図示なし)を含むことができる。当然のことながら、いくつかの実施形態では、フランジ614は、省くことができ、ねじ山612は、インプラントの近位縁の方に延びていることができる。
アバットメント650は、アバットメント650の近位部分654を取り囲む環状スロット652を備えることができる。この環状スロット652は、アバットメント650とコーピング700との間で仮連結機構として機能することができる。他の形状及び設計を用いることもできる。例えば、いくつかの実施形態では、スロット652は、アバットメント650の一部のみを取り囲むことができる。さらに、アバットメント650は、アバットメント650を取り囲む環状の突起もしくはリブ、ディンプル、またはこれらのいずれかを組み合わせたものを含むことができる。いくつかの実施形態では、アバットメント650は、垂直に向いたスロットまたは突起を含むことができ、このスロットまたは突起は、いずれも、アバットメント650を、コーピング700(図7Aに示されている)のような別のコンポーネントと位置合わせしやすくできる。アバットメント650は、連結機構として、ピンもしくはダウエルピン、または取り付けられるコンポーネント上のピンもしくはダウエルピンを受け入れるように構成された穴を含むことができる。いくつかの実施形態では、アバットメント650では、スロット652を省くことができる。
図示されている実施形態に示されているように、アバットメント650の近位部分は、その近位端に向かって細くなる円すい台形状を有することができる。しかしながら、アバットメント650の近位部分は、いずれの他のタイプの形状をも有することができ、回転対称性を示す必要はないことが理解されるべきである。上記のように、アバットメント650の近位部分及び/または遠位部分(図示なし)を楔留めして、アバットメント650に取り付けられるコンポーネントが、ある特定の向きのみを向くようにできる。
次に、図7Aを参照すると、コーピング700は、アバットメント650の近位部分の少なくともある部分を受け入れるサイズ及び形状の空洞704を有する遠位部分702を含むことができる。空洞704は、アバットメント650の形状と同様の円すい台形状またはいずれの他の形状をも有することができる。好ましくは、空洞704は、アバットメント650の形状と密に嵌合する形にすることができる。いくつかの実施形態では、取り付け前に、アバットメント650とコーピング700が適切に位置合わせ及び配向されるように更にするために、空洞704は、アバットメント650の楔留め機構を受け入れるサイズ及び形状にできる。この空洞は、空洞704の内面に沿って配置された環状凹部706も含むことができる。凹部706は、弾性ばね要素708を受け入れるサイズにすることができ、それによって、アバットメント650の環状スロット652に確実に嵌合するように設計された仮連結機構が形成される。弾性ばね要素708は、ばね要素708がスロット652に嵌合したときに、聴覚及び/または触覚フィードバックを医師に提供するように設計できる。別個の弾性ばね要素708を用いると、有益なことに、弾性が小さく、潜在的に耐久性に優れる物質であって、より変形しにくくできる物質から、コーピング700を製造可能にできることが理解されるべきである。この耐久性の向上により、図4と関連させて説明したように、コーピング700をアバットメント650から外す際に、コーピング700が変形する可能性を低下させることができる。いくつかの実施形態では、ばね要素708は、アバットメント650の環状スロット652に確実に嵌合できるように、半径方向内側に、凹部706を越えて突出する環状のリングばね730(図7B)であることができる。いくつかの実施形態では、環状のリングばね730は、半径方向内側に、凹部706を越えて突出する弾性変形可能なフィンガー(図示なし)を含むことができる。いくつかの実施形態では、半径方向内側に、凹部706を越えて突出する部分を有するウェーブばね732(図7C)を用いることができる。ウェーブばね732は、所望に応じて、フラットワイヤーウェーブばね、1回巻きのウェーブばね、マルセルエキスパンダーまたは他のタイプのウェーブばねであることができる。ばね要素708は、扁平、または円形断面を含む非扁平断面を有することができる。皿ばね座金、湾曲した皿ばね、ウェーブワッシャー、割り座金、内歯及び/または外歯ロックワッシャー、内側及び/または内側が鋸歯状のワッシャーのような他のタイプの設計を用いることができる。上記の施術中、ばね要素708によって、アバットメント650とコーピング700の位置と向きを保持できるうえに、大きな力を加えずに外せるように、ばね要素708の特徴を選択できる。図示されている実施形態では、ウェーブばね732は、半径方向内側の突起を4つ含む。修正実施形態では、ウェーブばねは、4つよりも多いかまたは少ない突起、例えば、1個、2個、3個、5個のまたは6個の突起を備えることができる。図示されているウェーブばねの配列の利点の1つは、半径方向内側の突起の一部が、環状スロット652の開口(例えば図14とスロット910を参照のこと)と接触しても、その配列によって、内向きの力をもたらすことができる点である。
いくつかの実施形態では、他の構造を用いて、仮連結機構を作製できる。例えば、コーピング700は、環状スロット652と相互作用するように、環状のリブ、突起、ディンプルまたは類似の弾性機構を含むことができる。さらに、空洞704の内面に沿って、垂直に向いたスロットまたは突起も搭載できる。コーピング700は、遠位部分702の外面沿いに、フランジ710を含むことができる。
コーピング700の近位部分712は、長手方向に延びる細長い部材714を備えることができる。細長い部材714は、細長い部材714から半径方向外側に突出する多数の環状の突起716またはリブを含むことができる。環状の突起716は、環状スロット718を形成するように、間隔をあけて配置することができる。下で更に詳細に説明するように、細長い部材714に沿って突起716とスロット718を設けることによって、有益なことに、接着剤及び/またはアクリルを用いるときに、コーピング700と補綴物510との連結を高めることができる。いくつかの実施形態では、突起716は、細長い部材714の周囲において、部分的にのみ延びていることができるとともに、細長い部材716の長さ沿いにおいて、部分的にのみ延びていることができる。他の構造を用いて、同様の利点をもたらすこともできる。例えば、突起716及びスロット718とともに、または突起716及びスロット718なしで、ディンプルまたはボスを用いることもできる。さらに、コーピング700の表面を粗面化することができる。いくつかの実施形態では、これらの突起716、スロット718、ディンプル及び/またはボスは、細長い部材714の内面に含めることもでき、すなわち、穴720の中に配置することができる。コーピングのフランジ710の外面に、同様の構造、例えば溝を用いることもできる。
図示されている実施形態に示されているように、細長い部材714は、細長い部材714の少なくとも一部を通る長手穴720を含むことができる。下で更に詳細に説明するように、この穴720は、固定具が通るサイズ及び形状にすることができる。穴720の近位端には、異物が穴720に入る可能性を低下させることができるプラグ722を設けることができる。プラグ722は、コーピング700と同じ物質から製造することも、別の物質から製造することもできる。いくつかの実施形態では、プラグ722の切削または穿孔を容易にするために、プラグ722を柔らかめの物質から製造するのが好ましいことがある。コーピング700は、穴720の反対側の端部に、開口724と縁726を含むことができる。
次に、図8を参照すると、コーピング700の空洞704に挿入されたアバットメント650が示されているとともに、補綴物510の穴516に挿入されたコーピング700の細長い部材714が示されており、補綴物510は、細長い部材714上に設置されている。図示されている実施形態に示されているように、コーピング700を部分的に修正して、細長い部材714の全体的な高さを低くしてある。図3及び4との関連で上で説明したように、この修正は、補綴物510とコーピング700とが更に十分に嵌合するように、医師が行うことができる。さらに、図示されている実施形態に示されているように、アバットメント650とコーピング700は、保持ばね708によって取り付けることができる。いくつかの実施形態では、開口724は、アバットメント650の近位端の少なくとも一部と隣接するとともに、接する縁726によって、アバットメント650の穴654と位置合わせすることができる。図示されている実施形態に示されているように、穴654は、部分的または全体的に雌ねじを有することも、連結機構を含むこともできる。さらに、アバットメントをインプラント600に連結するために、連結ねじ656が穴654に通っていることができる。
次に、図9を参照すると、自然硬化性物質もしくは光硬化性ポリマー物質のような接着剤518及び/またはアクリルを補綴物510の穴516に投入できる。接着剤518及び/またはアクリルを硬化させると、補綴物510とコーピング700をしっかり固着することができる。この固着性は、突起716及びスロット718のような表面機構を用いることによって高めることができる。さらに、この固着性は、穴516の内面の表面粗さを向上させることによって更に高めることができる。プラグ722の存在により、接着剤518及び/またはアクリルは、穴720に入り込まないことが理解されるべきである。これにより、有益なことに、切削または穿孔作業中に、硬化した接着剤518及び/またはアクリル(切削治具の切削面を潜在的にべとつかせて動きを悪くさせることがある)により、切削または穿孔に伴う困難が生じる可能性が低下する。いくつかの実施形態では、接着剤518及び/またはアクリルが穴720の中に入るように、プラグを外すことができる。そのような実施形態は、補綴物510とコーピング700を更にしっかり接合するのが望ましいときに有益であり得る。
接合を更に高めるために、コンポーネントの金属面を表面処理することができる。いくつかの実施形態では、コーピング700などの、歯科用仮補綴物システムのコンポーネントの表面に、プライマーを塗布することができる。例えば、コンポーネントの金属面と接着剤518及び/またはアクリルとの接合を高めるために、コンポーネントの金属面に、金属プライマーを塗布することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、有益なことに、そのコンポーネントの金属面と接着剤518及び/またはアクリルとの接合を高めることができる。医師が施術中にプライマーを塗布する必要がないように、プライマーは、そのような表面に事前に塗布することができる。いくつかの実施形態では、コンポーネントの表面と接着剤518及び/またはアクリルとの接合を更に高めるために、コンポーネントの表面に、他の表面処理を施すことができる。例えば、金属コンポーネントのようなコンポーネントの表面を粗面化して、そのコンポーネントと接着剤518及び/またはアクリルとの接合を更に高めることができる。この粗面化は、サンドブラストまたは表面を粗面化する他の手段によって行うことができる。
次に、図10及び11を参照すると、コーピング700の空洞704に挿入された位置合わせ治具800が示されているとともに、補綴物510の穴516に挿入されたコーピング700の細長い部材714が示されており、補綴物510は、細長い部材714上に設置されている。さらに、位置合わせ治具800と、コーピング700の穴720とに挿入されたドリルビット850が示されている。図示されている実施形態に示されているように、位置合わせ治具800は、アバットメント650の形状と同様の形状を有することができ、保持ばね708を受け入れるために、環状スロット802の形状の同様の連結機構を備えることができる。位置合わせ治具800とコーピング700との間の他の連結機構も企図される。例えば、位置合わせ治具800は、本明細書に記載されているような他の「スナップフィット」連結部、摩擦嵌めによる連結、クランプ、固定具などを用いて、コーピング700に取り付けることができる。例えば、位置合わせ治具800をコーピング700の空洞に、摩擦嵌めによる連結部で挿入でき、または、コーピング700の遠位部分を位置合わせ治具800の空洞(例えばドリルガイド)に、摩擦嵌めによる連結部で挿入できる。ドリルビット850が位置合わせ治具800を貫通する際に、ドリルビット850を受け入れて位置合わせするための位置合わせ穴804を位置合わせ治具800は含むことができる。図示されている実施形態に示されているように、ドリルビット850が開口724を通るように、位置合わせ穴804は、コーピング700の開口724と位置合わせすることができる。続いて、ドリルビット850を用いて、図9に示されているようなプラグ722、接着剤518及び/またはアクリルの一部、ならびに補綴物510に穴519を作ることができる。本明細書に記載されているように、いくつかの実施形態では、位置合わせ治具800を用いなくてもよい。また、本明細書に記載されているように、いくつかの実施形態では、コーピング700または仮クラウンの側から補綴物510に穴を作った後、ドリルビット850または別のドリルビットは、補綴物510側から入ることによって、その穴を拡充及び/または拡大できる。
次に、図12を参照すると、コーピング700の空洞704に挿入されたアバットメント650が示されているとともに、補綴物510の穴516に挿入されたコーピング700の細長い部材714が示されており、補綴物510は、細長い部材714上に設置されている。さらに、固定具750が穴519と穴720に挿入されていて、固定具750のヘッド752が、縁726に隣接するとともに、縁726の上に乗るようになっているとともに、シャフト754が、開口724と、アバットメント650の穴654に挿入されている。いくつかの実施形態では、シャフト754には、外面に沿ってねじ山を設けて、穴654の中の対応するねじ山と嵌合するようにできる。したがって、このねじを用いて、コーピング700と補綴物510をアバットメント650にしっかり取り付けることができる。異物が穴519に入る可能性を低下させるために、シール520を穴519に投入することができる。
次に、図13を参照すると、別の実施形態のアバットメント800(例えばマルチユニットアバットメント)の上部とコーピング850が示されている。アバットメント800は、インプラントに取り付ける遠位部分802と、コーピング850のようなコーピング、及び/または例えば、歯科用修復物もしくは歯科用修復物コンポーネント(例えばマルチユニットブリッジ及び/もしくは修復物など)のような歯科用コンポーネントに取り付ける近位部分804とを有することができる。図示されている実施形態に示されているように、アバットメント800は、アバットメント800の近位部分804の周囲に、環状スロットのような凹部スロット806を備えることができる。環状スロット652と同様に、スロット806は、アバットメント800とコーピング850及び/または上記のコーピング構成物との仮連結機構として機能できる。他の形状及び設計を用いることもできる。例えば、いくつかの実施形態では、スロット806は、アバットメント800の一部のみを取り囲むことができる。さらに、アバットメント800は、アバットメント800を取り囲む環状の突起もしくはリブ、ディンプル、または上記のいずれかを組み合わせたものを含むことができる。いくつかの実施形態では、アバットメント800は、アバットメント800と、コーピング850のような別のコンポーネントとの位置合わせをいずれも容易にできる垂直に向いたスロットまたは突起を含むことができる。アバットメント800は、ピンもしくはダウエルピン、または取り付けられるコンポーネントのピンもしくはダウエルピン受け入れるように構成された穴を連結機構として含むことができる。いくつかの実施形態では、アバットメント800では、スロット806を省くことができる。
近位部分804は、近位端に向かって細くなる円すい台形状を有することができる。テイパー部分807は、アバットメント800のスロット806に確実に嵌合するように設計された、コーピング850の仮連結機構(ばね要素708など)に対する誘導用の傾斜をもたらすことによって、コーピングをアバットメント800の上に留置しやすくするように設計できる。もちろん、アバットメント800の近位部分は、所望に応じて、いずれの他のタイプの形状をも有することができることが理解されるべきである。さらに、図示されている実施形態に示されているように、アバットメント800に取り付けられるコンポーネント(コーピング850など)が、アバットメント800と連結前に、適切に位置合わせされるように、アバットメント800は、楔留め機構808を含むことができる。この楔留め機構808は、例えば、コーピング内の対応する六角形凹部に嵌合するように設計された六角形断面を有することができる。楔留め機構808には、所望に応じて、他のタイプの多角形、小葉形状(三葉形状及び六葉形状など)、楕円形状、ならびに他のいずれかの形状のように、他の形状を用いることができる。
いくつかの実施形態では、近位部分804は、シート810を形成するフランジを備えることができる。シート810は、コーピング850を仮連結機構、補綴ねじまたは両方によって連結したときに、コーピング850の一部(遠位端面856など)と接するように設計できる。シート810は、有益なことに、医師がコーピングをアバットメント800の上に挿入しすぎるのを防ぐか、またはその可能性を低下させることができるコーピング制止要素として機能できる。シート810を用いて、最終的または一時的な修復物(例えば、マルチユニットアバットメント、ブリッジ及び/または修復物など)を支えることもできる。
引き続き、図13を参照すると、コーピング850は、コーピング700の設計と同様の設計を有することができる。簡略化のために、コーピング850の内部構造に関する詳細については、コーピング700に関する考察を参照されたい。図13に示されているように、コーピング850は、より少ない突起852及びスロット854を含むことができる。上記のように、接合を更に高めるために、コンポーネントの表面を表面処理することができる。いくつかの実施形態では、コーピング850などの、歯科用仮補綴物システムのコンポーネントの表面に、プライマーを塗布することができる。例えば、コンポーネントの金属面と接着剤518及び/またはアクリルとの接合を高めるために、コンポーネントの金属面に、金属プライマーを塗布することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、有益なことに、コンポーネントの金属面とアクリル接着剤518及び/またはアクリルとの接合を高めることができる。医師が施術中にプライマーを塗布する必要がないように、プライマーは、そのような表面に事前に塗布することができる。いくつかの実施形態では、コンポーネントの表面と接着剤518及び/またはアクリルとの接合を更に高めるために、コンポーネントの表面に、他の表面処理を施すことができる。例えば、金属コンポーネントのようなコンポーネントの表面を粗面化して、そのコンポーネントと接着剤518及び/またはアクリルとの接合を更に高めることができる。この粗面化は、サンドブラストまたは表面を粗面化する他の手段によって行うことができる。
次に、図14及び15を参照すると、別の実施形態のアバットメント900の上部が示されている。アバットメント900は、インプラントに取り付ける遠位部分902と、コーピング850のようなコーピング、及び/または例えば、歯科用修復物もしくは歯科用修復物コンポーネント(例えば、マルチユニットブリッジ及び/もしくは修復物など)のような歯科用コンポーネントに取り付ける近位部分904とを備えることができる。図示されている実施形態に示されているように、遠位部分902の長手軸906が、近位部分904の長手軸908と角度をなすように、アバットメント900は傾斜されている。したがって、アバットメント900をインプラントとコーピングに取り付けると、コーピングは、インプラントと角度をなすことになる。例えば、インプラントが、咬合面に概ね直交することがないように、インプラントを顎に取り付ける場合、そのような角度が望ましいことがある。いくつかの実施形態では、連結ねじ16と同様の第1のねじを用いて、アバットメント900をインプラントに連結できる。いくつかの実施形態では、この第1のねじは、軸906に対して平行に配向させることができる。もちろん、第1のねじは、別の軸沿いに配向させることができる。補綴ねじ138と同様の第2のねじを用いて、コーピング850のようなコーピングをアバットメント900に連結することができる。いくつかの実施形態では、第2のねじは、軸908に対して平行に配向させることができる。第1のねじのように、第2のねじは、別の軸沿いに配向させることができる。いくつかの実施形態では、第1のねじと第2のねじは、異なる軸に対して平行に配向させることができる。したがって、アバットメント900は、これらのねじを受け入れる1つ以上の穴を含むことができることが理解されるべきである。
図示されている実施形態に示されているように、アバットメント900は、アバットメント900の近位部分904の周囲に、環状スロットのようなスロット910を含むことができる。環状スロット652と同様に、スロット910は、アバットメント900とコーピング850との間の仮連結機構として機能できる。アバットメント800との関連で説明した他の形状、設計及び機構をアバットメント900とともに用いることもできる。簡略化のために、そのような機構に関する詳細については、アバットメント800に関する考察を参照されたい。いくつかの実施形態では、アバットメント900では、スロット910を省くことができる。
図示されている実施形態に示されているように、アバットメント900の近位部分は、近位端に向かって細くなる円すい台形状を有することができる。しかしながら、アバットメント900の近位部分は、いずれの他のタイプの形状をも有することができ、回転対称性を示す必要はないことが理解されるべきである。さらに、アバットメント900に取り付けられるコンポーネント(コーピング850など)が、アバットメント900と連結前に、適切に位置合わせされるように、アバットメント900は、楔留め機構(図示なし)を含むことができる。
次に、図16及び17を参照すると、アバットメント1000の実施形態が示されている。アバットメント1000は、アバットメント650、800、900の機構と同様の機構を有することができる。図示されている実施形態に示されているように、アバットメント1000は、インプラントに取り付ける遠位部分1002と、本明細書に記載されているようなコーピングに取り付ける近位部分1004を含むことができる。アバットメント1000は、遠位部分1002に沿って、ねじ山部分1006を含むことができ、このねじ山部分は、その長さ沿いに少なくとも部分的に(全体的でない場合があるが)雄ねじを備えるシャフト1008を有する。ねじ山部分1006のねじ山は、インプラントの対応する雌ねじ部分と連結するように設計できる。図示されている実施形態に示されているように、ねじ山部分1006は、アバットメント1000と一体形成することができる。したがって、医師は、アバットメント1000の全体を回転させることによって、アバットメント1000をインプラントに取り付けることができる。このモノリシック構造によって、2ピース構造よりも、構造的一体性を高めることができる。いくつかの実施形態では、アバットメント1000では、代わりに、内側の穴125と同様の、アバットメント1000の内側の穴(図示なし)を通る、連結ねじ16と同様の連結ねじを用いることができる。そして、医師は、アバットメント1000の全体を回転させなくても、アバットメント1000をインプラントに取り付けることができる。アバットメント1000を回転させるのが困難である場合に、これは特に有益であり得る。
図示されている実施形態に示されているように、アバットメント1000は、アバットメント1000の近位部分1004の周囲に、凹部またはスロット1010(環状スロットなど)を含むことができる。環状スロット652と同様に、スロット1010は、アバットメント1000とコーピング(図18及び19との関連で説明されているコーピング1050など)との間の仮連結機構として機能できる。アバットメント800との関連で説明した他の形状、設計及び機構をアバットメント1000とともに用いることもできる。簡略化のために、そのような構造に関する詳細については、アバットメント800に関する考察を参照されたい。いくつかの実施形態では、アバットメント1000では、スロット1010を省くことができる。
近位部分1004は、近位端に向かって細くなる円すい台形状を有することができる。テイパー部分1012は、アバットメント1000のスロット1010に確実に嵌合するように設計された、コーピングの仮連結機構(ばね要素708または他の弾性要素など)に対する誘導用の傾斜をもたらすことによって、コーピングをアバットメント1000の上に留置しやすくするように設計できる。もちろん、アバットメント1000の近位部分は、所望に応じて、いずれの他のタイプの形状をも有することができることが理解されるべきである。さらに、図示されている実施形態に示されているように、アバットメント1000は、楔留め機構1014を含むことができる。楔留め機構1014に取り付けられるコンポーネント(コーピングなど)が、アバットメント1000と連結前に、適切に位置合わせされるように、楔留め機構1014は、設計できる。この楔留め機構1014は、例えば、コーピング内の対応する六角形凹部に嵌合するように設計された六角形断面を有することができる。楔留め機構1014には、所望に応じて、他のタイプの多角形、小葉形状(三葉形状及び六葉形状など)、楕円形状、ならびに他のいずれかの形状のように、他の形状を用いることができる。楔留め機構1014を用いて、アバットメント1000をインプラントに連結するためにアバットメント1000を回転させるドライバーツールを嵌合することもできる。いくつかの実施形態では、楔留め機構1014は、面取りしたかまたは傾斜させた近位縁を備えることができ、この近位縁により、コンポーネントを楔留め機構1014に留置しやすくできる。
いくつかの実施形態では、近位部分1004は、シート1016を形成するフランジを含むことができる。シート1016は、コーピングを仮連結機構、補綴ねじまたは両方によって連結したときに、コーピングの一部と接するように設計できる。シート1016は、有益なことに、医師がコーピングをアバットメント1000の上に挿入しすぎるのを防ぐか、またはその可能性を低下させることができるコーピング制止要素(またはその他の嵌合コンポーネント制止要素)として機能できる。
次に、図18及び19を参照すると、コーピング130、700、850に関して説明した機構と同様の機構を有し、本明細書に記載されている様々なアバットメントとともに用いることができるコーピング1100の実施形態が示されている。図示されている実施形態に示されているように、コーピング1100は、アバットメント1000のようなアバットメントの近位部分の少なくともある部分を受け入れるサイズ及び形状の空洞1104を有する遠位部分1102を含むことができる。空洞1104は、所望に応じて、円柱形状または他のいずれの形状をも有することができる。いくつかの実施形態では、取り付け前に、アバットメント1000とコーピング1100が適切に位置合わせ及び配向されるように更にするために、空洞1104は、アバットメント1000の楔留め機構(楔留め機構1014など)を受け入れるサイズ及び形状にできる。
図示されている実施形態に示されているように、コーピング1100は、コーピング1100に一体形成された仮連結機構1106を備えることができる。図示されている実施形態に示されているように、仮連結機構1106は、1つ以上の細長い弾性フィンガー1108の形態であることができる。フィンガー1108は、半径方向外側の力が加わると、半径方向外側に弾性変形するように設計できる。フィンガー1108は、アバットメント1000の凹部またはスロット(スロット1010など)に入るサイズ及び形状の嵌合突起1110を含むことができる。フィンガー1108は、テイパー部分1112を有することもできる。このテイパー部分1112は、アバットメント1000のテイパー部分1012と接するように設計でき、それによって、アバットメント1000に対するコーピング1100の安定性が高まる。もちろん、フィンガー1108には、他の形状及びサイズを用いることができる。例えば、コーピング1100は、スロット1010と相互作用する環状のリブ、突起、ディンプルまたは類似の弾性機構を備えることができる。さらに、空洞1104の内面に沿って、垂直に向いたスロットまたは突起も搭載できる。いくつかの実施形態では、仮連結機構1106は、図21〜26の実施形態に示されているように、コーピング1100の残部とは別であることができる。仮連結機構1106は、コーピング1100とは別に、コーピング1100の残部に後で取り付けられる1つ以上の部品として製造できる。いくつかの実施形態では、仮連結機構1106は、取り外し可能な状態で取り付けることができる。別の実施形態では、仮連結機構1106は、恒久的に取り付けることができる。
コーピング1100の遠位部分1102は、遠位面1114を含むことができる。例えば、図示されている実施形態に示されているように、遠位面1114は、環状の縁を形成することができる。コーピング1100がアバットメント1000に嵌合されているときに、遠位面1114は、アバットメント1000のシート1016と接することができる。いくつかの実施形態では、シート1016と表面1114とが接すると、異物が空洞1104に入るのを防ぐか、その可能性を低下させるシールを形成させることができる。
コーピング1100の近位部分1116は、コーピング130、700及び850と同様の設計を有することができる。いくつかの実施形態では、コーピング1100は、長手方向に延びている細長い部材1118を含むことができる。細長い部材1118は、細長い部材1118から半径方向外側に突出する多数の突起1120またはリブを含むことができる。突起1120は、環状スロット1122を形成するように、間隔をあけて配置することができる。図示されている実施形態に示されているように、突起1120は、細長い部材1118の周囲において、部分的にのみ延びていることができるとともに、細長い部材1118の長さ沿いにおいて、部分的にのみ延びていることができる。本明細書に記載されているような他の構造を用いて、同様の利点をもたらすこともできる。例えば、突起1120及びスロット1122とともに、または突起1120及びスロット1122なしで、ディンプルまたはボスを用いることもできる。さらに、コーピング1100の表面を粗面化することができる。いくつかの実施形態では、これらの突起1120、スロット1122、ディンプル及び/またはボスは、細長い部材1118の内面に設けることもでき、すなわち、穴1124の中に配置することができる。
図示されている実施形態に示されているように、細長い部材1118は、細長い部材1118の少なくとも一部を通る長手穴1124を含むことができる。下で更に詳細に説明するように、この穴1124は、穴139、720と同様に、固定具が通るサイズ及び形状にすることができる。穴1124は、細長い部材1118の近位端に、開口1126を形成することができる。もちろん、本明細書に記載されている別の実施形態と同様に、開口1126を初期に覆うプラグ722のようなプラグ。コーピング1100は、穴1124の反対側の端部に、開口724と縁726と同様に、図20に示されているように、固定具1132を通すとともに、コーピング1100をアバットメント(アバットメント1000など)に連結するように設計された開口1128と縁1130を含むことができる。
次に、図21〜23を参照すると、コーピング130、700、850、1100に関して説明した機構と同様の機構を有し、本明細書に記載されている様々なアバットメントとともに用いることができるコーピング1200の実施形態が示されている。図示されている実施形態に示されているように、コーピング1200は、本体コンポーネント1202とコネクターコンポーネント1204を含むことができる。図示されている実施形態に示されているように、本体コンポーネント1202とコネクターコンポーネント1204は、2つの別個の部品であることができ、これにより、有益なことに、コーピング1200を製造しやすくできる。コネクター部分1204は、本体コンポーネント1202に取り外し可能な状態で取り付けられるように設計でき、または、取り付けたら、コネクター部分1204を外しにくくできるように設計できる。
引き続き、図21〜23を参照すると、コネクターコンポーネント1204は、ヘッド部分1206と足部分1208を含むことができる。足部分1208は、コーピング1100と同様の仮連結機構(弾性フィンガー1209など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、足部分1208は、ばね要素(環状のリングばね730、ウェーブばね732など)及び他のいずれの仮連結機構をも含むいずれか他の仮連結機構をも含むことができる。弾性フィンガー1209を用いて、コーピング1200をアバットメント1250または他のいずれかのアバットメント(アバットメント120、650、800、900など)のようなアバットメントに連結できる。連結ねじ1260を用いて、コーピング1200をアバットメント1250に連結できる。
ヘッド部分1206は、本体コンポーネント1202の空洞1210の中に入るサイズにすることができる。いくつかの実施形態では、ヘッド部分1206は、空洞1210の1つ以上の断面寸法と同じであるか、またはそれよりも大きい1つ以上の断面寸法を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ヘッド部分1206及び/または空洞1210の断面は円形であり、ヘッド部分1206の直径は、空洞1210の直径と同じであるか、またはそれよりも大きいことができる。このようにして、ヘッド部分1206と空洞1210は、摩擦嵌めまたは締まり嵌めによって連結できる。この摩擦嵌めを促すために、ヘッド部分1206の上端縁を傾斜させるか、またはテイパー状にすることができる。いくつかの実施形態では、ヘッド部分1206は、空洞1210よりも小さい断面を有することができる。そのような実施形態、及び本明細書に記載されているいずれかの別の実施形態では、接着剤または固定具のような別の固定機構を用いて、本体コンポーネント1202とコネクターコンポーネント1204を併せて連結できる。ヘッド部分1206は、空洞1210の楔留め機構に対応する楔留め機構を含むことができ、それにより、本体コンポーネント1202とコネクターコンポーネント1204との適切な向きが1つ以上存在する実施形態において、本体コンポーネント1202とコネクターコンポーネント1204との適切な配向を促すことができる。2つのコンポーネント1202、1204を分離するのに必要な力が、コーピング1200を、コーピング1200に取り付けられたアバットメント(アバットメント1250など)から分離する力を上回るように、本体コンポーネント1202とコネクターコンポーネント1204との嵌合を選択できる。
次に、図24〜26を参照すると、コーピング130、700、850、1100、1200に関して説明した機構と同様の機構を有し、本明細書に記載されている様々なアバットメントとともに用いることができるコーピング1300の実施形態が示されている。コーピング1200と同様に、コーピング1300は、本体コンポーネント1302とコネクターコンポーネント1304を含むことができる。コネクターコンポーネント1304は、ヘッド部分1306と足部分1308を含むことができる。足部分1308は、コーピング1100、1200と同様の仮連結機構(弾性フィンガー1309など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、足部分1308は、ばね要素(環状のリングばね730、ウェーブばね732など)及び他のいずれかの仮連結機構を含むいずれの他の仮連結機構をも含むことができる。弾性フィンガー1309を用いて、コーピング1300をアバットメント1250または他のいずれかのアバットメント(アバットメント120、650、800、900など)のようなアバットメントに連結できる。連結ねじ1260を用いて、コーピング1300をアバットメント1250に連結できる。図示されている実施形態に示されているように、ヘッド部分1306は、本体コンポーネント1302の対応する雌ねじ山1312に嵌合できる雄ねじ山1310を含むことができる。いくつかの実施形態では、ヘッド部分1306は、雌ねじ山を含むことができ、本体コンポーネント1302は、雌ねじ山を含むことができる。
次に、図27A及び27Bを参照すると、他の実施形態に関して本明細書に記載されている機構のいずれかの1つ以上を有することができるアバットメント1400(例えば、アバットメントとコーピングを組み合わせたもの)の実施形態が示されている。図示されている実施形態に示されているように、アバットメント1400は、インプラントの近位部分の凹部、穴または空洞に挿入されるサイズ及び形状の遠位部分1402を含むことができる。遠位部分1402は、環状面1414を備えることができ、所望に応じて、円柱形状、テイパー形状またはいずれの他の形状をも有することができる。
図示されている実施形態に示されているように、アバットメント1400は、仮連結機構1406を含むことができる。仮連結機構1406は、1つ以上の細長いフィンガー1408の形態であることができる。フィンガー1408は、本明細書に記載されている他のフィンガーと同様であることができる。例えば、フィンガー1408は、弾性フィンガーであることができる。図示されている実施形態に示されているように、フィンガー1408は、直線部分1409と嵌合突起1410を含むことができる。もちろん、仮連結機構1406には、他の形状、サイズ及び要素を用いることができる。
様々な実施形態において、アバットメント1400の遠位部分1402を用いて、インプラントの近位部分と嵌合できる。いくつかのそのような実施形態では、アバットメント1400は、仮連結機構1406によって、インプラントとスナップフィット連結を形成できる。例えば、1つ以上のフィンガー1408は、弾性であることができる。1つ以上のフィンガー1408の1つ以上の嵌合突起1410は、インプラントの溝または類似の機構にスナップフィットできる。いくつかの別の実施形態では、アバットメント1400は、仮連結機構1406によって、インプラントと摩擦嵌めによる連結を形成できる。例えば、1つ以上のフィンガー1408の1つ以上の嵌合突起1410をインプラントの内面(例えば、凹部、穴または空洞の内面)に押しつけることができる。
様々な実施形態において、アバットメント1400の近位部分1416は、他の実施形態に関して本明細書に記載されているような、長手方向に延びている細長い部材1418を含むことができる。例えば、細長い部材1418は、環状スロット1422を形成するように間隔をあけて配置された多数の突起1420を含むことができる。近位部分1416と遠位部分1402は、一体形成することも、別々に製造することもできる。いくつかの実施形態では、近位部分1416と遠位部分1402は、同じ物質(単一または複数)で作られているが、別の実施形態では、異なる物質で作られている。一例では、フィンガー1408を含む遠位部分1402は、金属(例えばチタン)で作られており、細長い部材1418を含む近位部分1416は、ポリマー(例えばPEEK材)で作られている。別の例では、遠位1402及び近位1416の部分はいずれも、金属(例えば同じ金属)で作られている。別の例では、遠位1402及び近位1416の部分はいずれも、ポリマー(例えば同じポリマー)で作られている。いくつかの実施形態では、遠位部分1402の一部は、遠位部分1402の別の部分とは異なる物質で作ることができる。いくつかの実施形態では、近位部分1416の一部は、近位部分1402の別の部分とは異なる物質で作ることができる。
本明細書に記載されているように、機構は、サイズ、形状及び要素が様々であることができる。例えば、図27C〜27Eには、様々な遠位部分を有するアバットメント(例えば、アバットメントとコーピングを組み合わせたもの)の別の実施形態が示されている。具体的には、図27A及び27Bに示されている実施形態と比べると、アバットメント1460のフィンガー1468、アバットメント1470のフィンガー1478、アバットメント1480のフィンガー1488は、それぞれサイズ、形状及び位置が異なる。他の例も可能である。図28A及び28Bには、様々な近位部分を有するアバットメント(例えばアバットメントとコーピングを組み合わせたもの)の別の実施形態が示されている。例えば、細長い部材は、個々の患者に応じて、高さ、材料及び色が様々であることができる。一例として、図28A及び28Bに示されているアバットメントの例1500の細長い部材1518は、図27A及び27Bに示されているアバットメントの例1400の細長い部材1418よりも短い。いくつかの実施形態では、細長い部材は、約30〜50%短いことができる。様々な実施形態において、細長い部材は、個々の患者に適合するように、細長い部材から材料を取り除くことによって調節可能であることができる。事前に短くした細長い部材を有することによって、口内での調節時間を短縮できる。
次に、図29A及び29Bを参照すると、別の実施形態のアバットメント1600(例えばアバットメントとコーピングを組み合わせたもの)が示されている。本明細書に記載されているように、アバットメント1600は、サイズ、形状及び要素が様々であることができる。図示されている実施形態に示されているように、アバットメント1600は、間隔をあけて配置された複数の細長い要素1608であって、円周縁1614によって連結されている細長い要素1608を備える仮連結機構1606を含むことができる。いくつかの実施形態では、細長い要素1608及び/または円周縁1614は、弾性物質で作ることができる。別の例として、円周縁1614は、他の実施形態に関して本明細書に記載されているようなばね要素(図示なし)を備えることができる。様々な実施形態において、アバットメント1600は、仮連結機構1606によって、インプラントと摩擦嵌めによる連結を形成できる。例えば、アバットメント1600の仮連結機構1606の細長い要素1608及び/または円周縁1614は、インプラントの内面(例えば、凹部、穴または空洞の内面)に押しつけることができる。
次に、図30A及び30Bを参照すると、コーピングの例1700が示されている。コーピング1700は、他の実施形態に関して本明細書に記載されているいずれかの1つ以上の機構を備えることができる。一例として、コーピング1700は、図18及び19に示されているコーピングの例1100と類似の機構を備えることができる。図30A及び30Bに示されているように、コーピング1700は、フランジまたはカラーのような遠位面1710を有することができる。しかしながら、図18及び19に示されているコーピング1100と比べて、コーピング1700の遠位面1710は、溝1715(または突起及び/もしくはスロット)のような機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、そのような機構は、(口腔内または口腔外で)クラウンまたは他の修復物をコーピング1700に取り付けるときに用いる接着剤またはセメントを保持しやすくできる。さらに、コーピング1700は、他の実施形態(例えば図18及び19)に関して本明細書で記載されているようなフィンガー1708を含むことができる。フィンガー1708は、アバットメントの凹部またはスロットの中に入るサイズ及び形状の嵌合突起1709を含むことができる。例えば、図31には、図30A及び30Bに示されているコーピング1700の嵌合突起1709を受け入れるように構成されたスロット1809を含むアバットメントの例1800が示されている。上記の実施形態(例えば図7A及び18)と組み合わせて、または別個の独立した機構として、溝1715を用いることができる。
次に、図32A〜32Cを参照すると、歯科用補綴物2510を歯科用インプラント2110に連結する方法2000の実施形態が示されている。方法2000は、図3を参照しながら説明した方法300の例である。例えば、歯科用インプラント2110は、患者の骨(図示なし)に連結でき、または、場合によっては、患者の骨に連結しなくてもよい(例えば、製造所で調製する)。もちろん、図32Aに示されている歯科用インプラント2110は、例示するためのものであり、他のタイプの歯科用インプラントを使用できることが理解される。例えば、インプラントの例2110は、近位端に凹部2120を有するものとして示されているが、外側のボスを備えるインプラントも企図することができる。
図32Aに示されているように、方法2000は、歯科用コンポーネント2700をインプラント2110に連結することを含むことができる。例示目的で、図32Aには、図27A〜27Bに示されているアバットメントの例1400として、歯科用コンポーネント2700が示されている。しかしながら、歯科用コンポーネント2700は、他の実施形態に関して本明細書に記載されている様々な機構(例えば仮連結機構)のいずれかを有するいずれの歯科用コンポーネントをも含むことができる。例えば、歯科用コンポーネント2700は、いずれかの1つ以上のコーピング、アバットメント、コーピング/アバットメントを組み合わせたもの、またはこれらを組み合わせたものを含むことができる。多数の歯科用コンポーネントを用いる場合(例えば、マルチユニットアバットメント、またはアバットメントとともに用いるコーピング)では、それらの歯科用コンポーネントの少なくとも1つは、他の実施形態に関して本明細書で記載されているような仮連結機構を含むことができる。
歯科用コンポーネント2700の遠位部分は、インプラント2110の近位部分に連結できる。図32Aでは、歯科用コンポーネント2700は、インプラント2110の凹部2120に挿入でき、歯科用コンポーネント2700の仮連結機構2706によって、併せて連結できる。例えば、仮連結機構2706は、本明細書に記載されているようなスナップフィット、摩擦嵌めまたは他の仮連結機構を含むことができる。
方法2000は、補綴物2510を歯科用コンポーネント2700に接合することを含むことができる。補綴物2510は、1つの歯冠として示されている。別の実施形態では、補綴物2510は、部分ブリッジまたはフルブリッジのような複数歯の修復物であることができる。本明細書に記載されているように、接着剤を歯科用コンポーネント2700及び補綴物2510に塗布することができ、ならびに/または、補綴物2510に形成した穴を、アクリル(自然硬化性アクリルなど)または光硬化性複合材で埋め戻すことができる。
図32Bに示されているように、接合した補綴物2510と歯科用コンポーネント2700は、仮連結機構2706によって、インプラント2110から外すことができる。複数の歯科用コンポーネント(例えば、マルチユニットアバットメント、またはコーピング及びアバットメント)を用いる場合では、それらの歯科用コンポーネントの少なくとも1つをインプラント2110から外すことができる。例えば、図8〜12に示されているように、コーピング700は、仮連結機構(例えば保持ばね708)によって、インプラントから外すことができるが、アバットメント650は、インプラントに連結したままである。
引き続き図32Bを参照すると、方法2000は、外した歯科用コンポーネント2700と補綴物2510の両方に、貫通穴(図示なし)を形成することも含むことができる。例えば、他の実施形態に関して本明細書で記載されているように、切削治具2850(例えばドリルビット)を用いて、歯科用コンポーネント2700の遠位側から、貫通穴を作ることができる。場合によっては、位置合わせ治具(例えばドリルガイド)を用いて、切削治具2850との位置合わせを容易にできる。例えば、いくつかの実施形態では、歯科用コンポーネント2700の遠位部分を位置合わせ治具2800の少なくとも近位部分に連結できる。場合によっては、歯科用コンポーネント2700を位置合わせ治具2800の空洞2820に挿入して、歯科用コンポーネント2700の仮連結機構2706(例えばスナップフィット、摩擦嵌めまたは他の仮連結機構)によって、併せて連結できる。しかしながら、様々な実施形態において、位置合わせ治具は必要でないこともある。例えば、仮連結機構2706及び/または外した歯科用コンポーネント2700の穴が、いくつかの実施形態では、位置合わせ治具として機能できる。いくつかのそのような実施形態では、位置合わせ治具を連結及び切り離すステップを除外することにより、施術を簡略化して、患者が診察台に横になっている時間を短縮することができる。ある特定の実施形態では、遠位側から(例えば、歯根尖から咬合面に向かって)、補綴物2510に貫通穴を作った後、切削治具2850によって、補綴物2510の近位側から(例えば、咬合面から歯根尖に向かって)、貫通穴を強化できる。いくつかの実施形態では、図32Cに示されているように、遠位側から(例えば、歯根尖から咬合面に向かって)、補綴物2510に貫通穴を作った後、別の切削治具2855(例えば、元の貫通穴を作った切削治具2850の直径と、直径が異なる(直径が大きいなど)切削治具)によって、補綴物2510の近位側から(例えば、咬合面から歯根尖に向かって)、貫通穴を拡大できる。本明細書に記載されているように、この孔の直径は、元の貫通穴よりも大きいことができる。例えば、元の貫通穴を作る切削治具2850の切削径は、約1.5mmであることができるが、別の切削治具2855の切削径は、約2.0mmであることができる。切削径は、補綴物、歯科用コンポーネント、インプラント及び/または固定具のサイズに基づくことができ、特に限定されない。用いる固定具が、元の貫通穴よりも大きいときに、このステップを行うことができる。方法2000は、歯科用コンポーネント2700と補綴物2510をインプラント2110に再連結することを更に含むことができる。図32Dに示されているように、固定具(例えばねじ)2900を貫通穴に挿入して、補綴物2510をインプラント2110に連結できる。
ある特定の実施形態のシステム及び方法は、施術後のワークフロー実行を効率的にでき、それにより、部位の汚染及び組織の重度腫脹のリスクを軽減できるので、治癒期間が短縮される。例えば、本明細書に記載されているような仮連結機構を用いるシステム及び方法によって、診察台に横になった患者において、ねじ式及び非ねじ式コンポーネントの使用を抑える(例えば実質的に排除する)ことができる。加えて、本明細書に記載されているある特定の実施形態は、配置しやすいが、大きすぎないねじ進入穴をもたらすことができる。
本明細書に記載されているように、例えば図1を参照すると、様々な実施形態において、歯科用インプラント110は、患者の顎の中に配置されるように設計された遠位端112と、アバットメント120、コーピング130またはコーピング130/アバットメント120を組み合わせたもののような別の歯科用コンポーネントを取り付けられるように設計された近位端114を有することができる。この歯科用コンポーネントは、特に限定されない。例えば、歯科用コンポーネントは、アダプターを含むことができる。
次に、図33Aを参照すると、他の実施形態に関して本明細書に記載されている機構のいずれかの1つ以上を有することができるアダプター3000の実施形態が示されている。例えば、アダプター3000は、仮連結機構を有する遠位部分3002、近位部分3004、または遠位部分3002と近位部分3004の両方を有することができる。図示されている実施形態では、アダプター3000は、仮連結機構3006を有する遠位部分3002を有する。仮連結機構3006は、本明細書に記載されている仮連結機構のいずれかの形態であることができる。図示されている実施形態では、仮連結機構3006は、本明細書に記載されている他のフィンガーと同様の細長いフィンガー3008を備える。もちろん、本明細書に記載されているように、仮連結機構3008には、他の形状、サイズ及び要素(例えば、ばね)を用いることができる。さらに、アダプター3000の材料(1つまたは複数)は、特に限定されず、他のコンポーネントに関して、本明細書に記載されている材料を挙げることができる。例えば、アダプター3000は、金属で作ることができる。
様々な実施形態において、アダプター3000の遠位部分3002を用いて、インプラントの近位部分と嵌合できる。いくつかのそのような実施形態では、アダプター3000は、(他の実施形態に関して本明細書で記載されているように、)仮連結機構3006によって、インプラントとスナップフィット及び/または摩擦嵌めによる連結を形成できる。このインプラントは、特に限定されず、円錐状の連結部、三葉形状の連結部、六角形の連結部などを含むことができる。有益なことに、仮連結機構3006を有するアダプター3000のある特定の実施形態は、比較的使用が容易なシステム(例えば、ねじなどの部品がより少ないシステム)をもたらすことができる。
様々な実施形態において、アダプター3000は、例えばインプラントと反対側の1つ以上の他の歯科用コンポーネントに連結するように構成できる。例えば、アダプター3000は、様々なコンポーネント(例えば、補綴物(1歯または複数歯の修復物など)、アバットメント、印象コンポーネント(インプレッションポストなど)、ヒーリングキャップ、スキャンボディなど)に連結するように構成された近位部分3004(例えば、円錐状の連結部、三葉形状の連結部、六角形の連結部など)を有するように設計できる。使用できるコンポーネントは、特に限定されず、標準的、一時的、またはカスタムメイドな(CAD/CAM)コンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態では、上記のコンポーネントは、スナップフィット及び/または摩擦嵌めによる連結によって、アダプター3000と嵌合するように構成された仮連結機構を有することができる。いくつかの実施形態では、上記のコンポーネントは、傾斜したねじチャネルを有することができる。いくつかの実施形態では、アダプターの少なくとも一部は、アダプターを歯科用インプラントと連結したときに軟組織に面するように設計されている。治癒段階中に、軟組織は、アダプターの前記部分に付着できる。いくつかの実施形態では、軟組織に面する部分の幅「w」(アダプターの縦軸に沿って測定される)は、少なくとも4mmである(図36を参照されたい)。有益なことに、ある特定のアダプター3000は、軟組織をより的確に管理するために、例えば、印象期間及び/または治癒期間中、インプラントと結合したままであることができるとともに、様々なコンポーネントの使用を可能にできる。換言すると、このアダプターは、インプラントに連結したままであり、他の歯科用コンポーネントを連結できる軟組織と少なくとも部分的に接したままであるプラットフォームとして機能してよい。これにより、軟組織の治癒中に発生する、アダプターと軟組織との付着が解除されるのが回避され、軟組織が、より的確に管理される。
図33Bには、1つ以上の歯科用コンポーネントと嵌合するように構成された仮連結機構3010を有する近位部分3104を含むアダプター3100の実施形態が示されている。図示されている仮連結機構3010は、例えば、対応するスナップフィット要素と嵌合するように構成されたスロットを備える。しかしながら、もちろん、本明細書に記載されているように、他の仮連結機構を用いることができる。
図34、35及び36には、アダプターに連結できるコンポーネントの例が示されている。例えば、図34に示されているように、インプラント(図示なし)を患者の顎の中に配置した後、印象コンポーネント3300(例えば、オープンまたはクローズドトレイ用インプレッションポスト)と連結したアダプター3200は、インプラントに取り付けることができる。インプレッションポストの上部は、印象材の中に留まることができ、インプラントレプリカ用の連結部材として機能できる。あるいは、インプレッションポストは、口腔内スキャンポストとして機能できる。別の例として、ヒーリングキャップ3400と連結したアダプター3200をインプラントに取り付けることができる。ヒーリングキャップ3400の上で印象を取り、デスクトップスキャナーまたは口腔内スキャナーで、ヒーリングキャップ3400の上を走査することができる。他の例が可能であり、例えば、アダプターをインプラントに取り付けることができ、一時的、標準的またはカスタムメイド(CAD/CAM)のアバットメントをアダプターと連結することができる。図35及び36には、更に別の例の実施形態が示されている。アダプター3500は、インプラント3501の上に取り付けることができる。補綴物3510(図36には一部のみが示されている)を固定具3590によってアダプター3500に連結できる。いくつかの実施形態では、補綴物3510は、固定具3590を受け入れるように、傾斜した(例えば、インプラント3501の軸から最大で約25度傾斜した)ねじチャネル4000を含むことができる。アダプターは、様々な設計の歯科用コンポーネントと様々な材料の歯科用コンポーネント(例えば、チタン、チタン合金、PEEK、ジルコニア、金、CoCrなどで作られた歯科用コンポーネント)と連結するように構成できる。ある特定の実施形態では、このアダプターを用いて、「組織レベルのインプラント」を作ることができる。配置したら、通常、アダプターは外さないので、他の歯科用コンポーネントをアダプターに、その近位(冠状)端で連結できる。これは、例えば、アダプターを通り、インプラントのソケットの中に入るねじを用いることによって行うことができる。したがって、アダプターをインプラントに連結できるようにするが、必要な場合に、アダプターをインプラントから外せるようにもする摩擦嵌め保持連結部をアダプターは備える。
本明細書に記載されている実施形態に対して、多くの変形及び修正を行ってよいことを強調すべきであり、それらの実施形態の要素は、他の許容可能な例のうちの1つであると理解すべきである。そのような修正形態及び変形形態はいずれも、本明細書においては、本開示の範囲内に含まれるように意図されており、下記の請求項によって保護される。さらに、本明細書に記載されているステップのいずれをも、同時に、または本明細書に記載されているステップとは異なる順序で行うことができる。さらに、当然のことながら、本明細書に開示されている具体的な実施形態の特長及び特質を異なる形で組み合わせて、追加の実施形態を形成してもよく、そのような実施形態はいずれも、本開示の範囲内である。
本明細書で使用されている条件的な用語、特に「can」、「could」、「might」、「may」「e.g.」などは、別段の具体的な定めのない限り、または、用いられる文脈内で別段に理解されない限り、ある特定の機構、要素及び/または状態が、特定の実施形態には含まれるが、別の実施形態には含まれないことを伝えるように概ね意図されている。したがって、機構、要素及び/もしくは状態が、何らかの形で、1つ以上の実施形態に必須であること、または、著者の考えの表示もしくは暗示の有無を問わず、いずれかの特定の実施形態において、それらの機構、要素及び/または状態を含めるか、もしくは実行するかを判断する論理を1つ以上の実施形態が必ず含むことを示すようには、そのような条件的な用語は概ね意図していない。
実施形態のリスト
1.歯科用コンポーネントを歯科用インプラントに連結するシステムであって、前記器具が、
仮連結機構を備えるコーピング
を含む前記システム。
2.仮連結機構と第2の連結機構とを備えるアバットメント
を更に含み、
前記コーピングと前記アバットメントが、前記仮連結機構によって、一時的に、併せて連結するように構成されており、
前記アバットメントが、前記インプラントに連結するように構成されている、
実施形態1に記載のシステム。
3.ねじ山を備える固定具を更に備え、前記ねじ山が、前記第2の連結機構と嵌合して、前記コーピングを前記アバットメントと連結するように構成されている、実施形態2に記載のシステム。
4.前記コーピングが、細長い部材を更に備え、前記細長い部材が、複数の突起及びスロットを備える、実施形態1〜3のいずれかに記載のシステム。
5.前記コーピングの前記仮連結機構が、弾性部材を備える、実施形態1〜4のいずれかに記載のシステム。
6.前記弾性部材が、ウェーブばねを備える、実施形態5に記載のシステム。
7.前記ウェーブばねが、前記仮コーピングのスロットの中に入る、実施形態6に記載のシステム。
8.前記コーピングの前記仮連結機構が、1つ以上の弾性フィンガーを備える、実施形態5に記載のシステム。
9.前記コーピングが、本体コンポーネントとコネクターコンポーネントを備え、前記コネクターコンポーネントが、前記コーピングの前記仮連結機構を備える、実施形態1〜8のいずれかに記載のシステム。
10.前記本体コンポーネントが、前記細長い部材を備える、実施形態9に記載のシステム。
11.前記本体コンポーネントと前記コネクターコンポーネントが、併せて連結するように構成されている、実施形態9または10のいずれかに記載のシステム。
12.前記本体コンポーネントと前記コネクターコンポーネントが、摩擦嵌めによって連結するように構成されている、実施形態11に記載のシステム。
13.前記コネクターコンポーネントが、前記本体コンポーネントの対応するねじ山と嵌合するように構成されたねじ山を備える、実施形態11に記載のシステム。
14.切削治具を更に備える、実施形態1〜13のいずれかに記載のシステム。
15.前記コーピングの前記仮連結機構によって、前記コーピングに取り外し可能な状態で連結するように構成された位置合わせ治具を更に備える、実施形態14に記載のシステム。
16.前記位置合わせ治具が、前記切削治具を通すことができる位置合わせ機構を更に備える、実施形態15に記載のシステム。
17.患者の顎内のインプラント及びアバットメントへの歯科用補綴物の連結方法であって、
スナップフィット連結を用いて、コーピングを前記アバットメントに連結することと、
前記補綴物を前記コーピングに接合することと、
前記スナップフィット連結部によって、前記補綴物と前記コーピングを前記アバットメントから切り離すことと、
前記コーピングと前記補綴物の両方に、貫通穴を形成することと、
前記貫通穴に挿入した固定具を用いて、前記コーピングと前記補綴物を前記アバットメントに連結することと、
を含む前記方法。
18.患者の顎内のインプラント及びアバットメントへの歯科用補綴物の連結方法であって、
仮連結機構によって、コーピングを前記アバットメントに一時的に連結することと、
前記補綴物と前記コーピングとの間の位置を修正し、前記補綴物を前記コーピングに連結することと、
前記補綴物と前記コーピングが前記修正位置に留まるようにして、前記補綴物と前記コーピングを前記アバットメントから外すことと、
を含む前記方法。
19.切削治具を用いて、少なくとも前記補綴物を通る穴を形成することを更に含む、実施形態18に記載の方法。
20.少なくとも前記補綴物を通る穴を形成する前記ステップが、位置合わせ治具を前記コーピングに取り付けることと、前記位置合わせ治具を用いて、前記切削治具を前記補綴物に対して位置合わせすることとを含む、実施形態19に記載の方法。
21.第2の連結機構によって、前記コーピングを前記アバットメントに連結することを更に含み、前記第2の連結機構が、前記仮連結機構とは異なる、実施形態18または19のいずれかに記載の方法。
22.第2の連結機構によって、前記コーピングを前記アバットメントに連結する前記ステップが、ねじ式固定具を用いて、前記コーピングを前記アバットメントに固定することを含む、実施形態21に記載の方法。
23.仮連結機構によって、前記コーピングを前記アバットメントに一時的に連結する前記ステップが、前記コーピングのスナップフィット連結機構を、前記アバットメントの対応するスナップフィット連結機構と嵌合することを含む、実施形態18〜22のいずれかに記載の方法。
24.前記補綴物を前記コーピングに連結する前記ステップが、接着剤を前記コーピングと前記補綴物に塗布することを含む、実施形態18〜23のいずれかに記載の方法。
25.前記補綴物が、1つ以上の有底穴を備え、前記接着剤を前記補綴物に塗布する前記ステップが、前記接着剤を前記1つ以上の有底穴に投入することを含む、実施形態24に記載の方法。
26.前記補綴物と前記コーピングとの間の位置を修正する前記ステップが、咬合面を配向し、対合歯の咬合面との前記補綴物の高径を確立することを含む、実施形態18〜25のいずれかに記載の方法。
27.前記補綴物を前記コーピングに取り付ける前記ステップの前に、前記補綴物が前記コーピングに対して仮嵌合したことを判断することを更に含む、実施形態18〜26のいずれかに記載の方法。
28.前記コーピングを修正して、前記補綴物の前記コーピングに対する前記嵌合を変更することを更に含む、実施形態27に記載の方法。
29.患者の顎内のアバットメント及びコーピングへの歯科用補綴物の取り付け及び位置合わせ方法であって、
仮連結機構によって、前記コーピングを前記アバットメントに連結することと、
前記補綴物を前記コーピングに接合することと、
前記補綴物を前記コーピングに接合しながら、前記補綴物と前記コーピングとの間の位置を修正することと、
前記補綴物と前記コーピングを前記アバットメントから外すことと、
を含む前記方法。
30.前記補綴物に1つ以上の有底穴を形成することを更に含み、前記補綴物を前記コーピングに接合する前記ステップが、前記1つ以上の有底穴の中で前記コーピングを接合することを含む、実施形態29に記載の方法。
31.切削治具を用いて、前記補綴物を通る穴を形成することを更に含む、実施形態29に記載の方法。
32.前記補綴物を通る穴を形成する前記ステップが、位置合わせ治具を前記コーピングに取り付けることと、前記位置合わせ治具を用いて、前記切削治具を前記補綴物に対して位置合わせすることとを含む、実施形態31に記載の方法。
33.ねじ式固定具を用いて、前記コーピングを前記アバットメントに連結することを更に含む、実施形態31に記載の方法。
34.前記補綴物と前記コーピングとの間の位置を修正する前記ステップが、前記補綴物の咬合面を、対合歯の咬合面と接触させて配置することを含む、実施形態29に記載の方法。
35.1つ以上の歯科用コンポーネントを歯科用インプラントに連結するシステムであって、
仮連結機構を備える、前記1つ以上の歯科用コンポーネントの少なくとも1つの歯科用コンポーネント
を含む前記システム。
36.前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記歯科用インプラントと連結するように構成されたアバットメントを含む、実施形態35に記載のシステム。
37.前記アバットメントが、コーピングと一体化されたアバットメントを含む、実施形態36に記載のシステム。
38.前記アバットメントの前記仮連結機構が、1つ以上のフィンガーを備える、実施形態36に記載のシステム。
39.前記アバットメントの前記仮連結機構が、ばねを備える、実施形態36に記載のシステム。
40.前記アバットメントと前記インプラントが、スナップフィットによって連結するように構成されている、実施形態36に記載のシステム。
41.前記アバットメントと前記インプラントが、摩擦嵌めによって連結するように構成されている、実施形態36に記載のシステム。
42.前記1つ以上の歯科用コンポーネントが、コーピングとアバットメントを含むか、
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記アバットメントと連結するように構成された前記コーピングを含むか、または
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記コーピングと連結するように構成された前記アバットメントを含む、
実施形態35に記載のシステム。
43.前記アバットメントが、第2の連結機構を備え、前記アバットメントが、前記第2の連結機構によって前記インプラントに連結するように構成されている、実施形態42に記載のシステム。
44.前記仮連結機構が、1つ以上のフィンガーを備える、実施形態42に記載のシステム。
45.前記仮連結機構が、ばねを備える、実施形態42に記載のシステム。
46.前記コーピングと前記アバットメントが、スナップフィットによって連結するように構成されている、実施形態42に記載のシステム。
47.前記コーピングと前記アバットメントが、摩擦嵌めによって連結するように構成されている、実施形態42に記載のシステム。
48.前記コーピングが、細長い部材を備え、前記細長い部材が、複数の突起及びスロットを備える、実施形態42に記載のシステム。
49.前記コーピングが、フランジを備え、前記フランジが、複数の溝を備える、実施形態42に記載のシステム。
50.切削治具を更に備える、実施形態35に記載のシステム。
51.前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記歯科用インプラントと連結するように構成されたアダプターを含む、実施形態35に記載のシステム。
52.前記仮連結機構が、1つ以上のフィンガーを備える、実施形態51に記載のシステム。
53.前記仮連結機構が、ばねを備える、実施形態51に記載のシステム。
54.前記アダプターと前記インプラントが、スナップフィットによって連結するように構成されている、実施形態51に記載のシステム。
55.前記アダプターと前記インプラントが、摩擦嵌めによって連結するように構成されている、実施形態51に記載のシステム。
56.前記アダプターが、前記歯科用インプラントと反対側の1つ以上の他の歯科用コンポーネントに連結するように構成されている、実施形態51に記載のシステム。
57.前記1つ以上の他の歯科用コンポーネントが、補綴物、アバットメント、インプレッションポスト及びヒーリングキャップのうちの少なくとも1つを含む、実施形態56に記載のシステム。
58.前記1つ以上の他の歯科用コンポーネントが、傾斜したねじチャネルを備える、実施形態57に記載のシステム。
59.歯科用インプラントに連結するように構成された歯科用補綴物の作製方法であって、
1つ以上の歯科用コンポーネントを前記インプラントに連結することであって、前記1つ以上の歯科用コンポーネントの少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、仮連結機構を有する、前記連結することと、
前記補綴物を前記1つ以上の歯科用コンポーネントに接合することと、
前記仮連結機構によって、前記補綴物と前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントを前記インプラントから切り離すことと、
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントと前記補綴物の両方に貫通穴を形成することであって、前記貫通穴が、前記補綴物と、前記歯科用インプラントに対する前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントと連結するように構成された固定具を受け入れるように構成されている、前記連結することと、
を含む前記方法。
60.前記貫通穴を形成することが、切削治具を用いて、前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントの遠位側から、前記貫通穴を形成することを含む、実施形態59に記載の方法。
61.前記貫通穴を形成することが、前記切削治具または別の切削治具を用いて、前記補綴物の咬合側から、前記貫通穴を形成することを更に含む、実施形態60に記載の方法。
62.前記貫通穴に挿入した前記固定具を用いて、前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントと前記補綴物とを前記インプラントに連結することを更に含む、実施形態59に記載の方法。
63.前記仮連結機構が、スナップフィット連結機構を含む、実施形態59に記載の方法。
64.前記仮連結機構が、摩擦嵌め連結機構を含む、実施形態59に記載の方法。
65.前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記インプラントと連結するように構成されたアバットメントを含む、実施形態59に記載の方法。
66.前記アバットメントが、コーピングと一体化されたアバットメントを含む、実施形態65に記載の方法。
67.前記1つ以上の歯科用コンポーネントが、コーピングとアバットメントを含むか、
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記アバットメントと連結するように構成された前記コーピングを含むか、または
前記少なくとも1つの歯科用コンポーネントが、前記仮連結機構によって前記コーピングと連結するように構成された前記アバットメントを含む、
実施形態59に記載の方法。
68.前記アバットメントが、第2の連結機構を備え、前記アバットメントが、前記第2の連結機構によって前記インプラントに連結するように構成されている、実施形態67に記載の方法。
69.歯科用修復物の作製方法であって、
a)スナップフィット及び/または摩擦嵌めによる連結を用いて、アダプターなどの第1の歯科用コンポーネントを、顎骨に取り付けた歯科用インプラントに連結して、前記第1の歯科用コンポーネントの少なくとも一部が、軟組織に面するようにすることであって、前記第1の歯科用コンポーネントが、前記歯科用インプラントから外れないように設計されている、前記連結することと、
b)少なくとも別の歯科用コンポーネントを前記第1の歯科用コンポーネントに連結することと、
を含む前記方法。
70.別の歯科用コンポーネントを連結することが、ヒーリングアバットメント、印象コンポーネントまたは口腔内スキャンポストを前記第1の歯科用コンポーネントに連結することを含む、実施形態69に記載の方法。
71.別の歯科用コンポーネントを連結することが、固定具を用いて、傾斜したねじチャネルを含む補綴物を、前記第1の歯科用コンポーネントに連結することを含む、実施形態69に記載の方法。

Claims (5)

  1. 補綴システムであって、前記システムが、歯科用コンポーネントに接合されることができるコーピングと、固定具と、位置合わせ治具と、切削治具とを含み、前記コーピングが仮連結機構を備え、前記固定具が、ねじ山を備え、前記位置合わせ治具が、前記切削治具を通すことができる位置合わせ機構を備え、前記位置合わせ治具が前記コーピングに連結された状態で、前記位置合わせ機構に前記切削治具を通すことによって、前記コーピングと、前記コーピングに接合された前記歯科用コンポーネントの両方に貫通穴が形成されるように、前記位置合わせ治具が、前記コーピングの前記仮連結機構によって、前記コーピングに取り外し可能な状態で連結するように構成されていることを特徴とする、システム。
  2. 前記コーピングが、細長い部材を更に備え、前記細長い部材が、複数の突起及びスロットを備える、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記コーピングの前記仮連結機構が、弾性部材を備える、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記コーピングが、本体コンポーネントとコネクターコンポーネントを備え、前記コネクターコンポーネントが、前記コーピングの前記仮連結機構を備える、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
  5. 前記切削治具が、その外面に沿って配置された切削面を有する細長い部材である請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
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