JP6860702B2

JP6860702B2 - 内視鏡

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Publication number: JP6860702B2
Application number: JP2019567925A
Authority: JP
Inventors: 原田　高志; 高志原田
Original assignee: Fujifilm Corp
Current assignee: Fujifilm Corp
Priority date: 2018-01-29
Filing date: 2018-12-20
Publication date: 2021-04-21
Anticipated expiration: 2038-12-20
Also published as: DE112018006968T5; WO2019146329A1; JPWO2019146329A1; CN111526771A; US20200315428A1; US11653823B2; CN111526771B

Description

本発明は内視鏡に係り、特に挿入部の先端部に処置具の導出方向を変更する処置具起立台を備えた内視鏡に関する。

内視鏡では、手元操作部（以下、「操作部」と言う。）に設けられた処置具導入口から各種の処置具を導入し、この処置具を、挿入部の先端部材に開口した処置具導出口から外部に導出して処置に用いている。例えば十二指腸鏡では、鉗子又は造影チューブ等の処置具が使用され、超音波内視鏡では穿刺針等の処置具が使用される。このような処置具は、被検体内の所望の位置を処置するために先端部材において導出方向を変更する必要がある。このため先端部材には処置具起立台（鉗子起上台とも言う。以下、「起立台」と言う。）が設けられ、また操作部には、起立台の姿勢を起立位置と倒伏位置との間で変更させる処置具起立機構が設けられている。

処置具起立機構としては、起立台にワイヤ（起立起上ワイヤとも言う。）の先端部を直接取り付けたワイヤ牽引式の機構が知られている（特許文献１参照）。この機構は、操作部に備えられた起立操作レバー（起立起上レバーとも言う。）に、ワイヤの基端側を連結し、起立操作レバーによってワイヤを押し引き操作することで起立台を回動軸回りに回転させて、起立位置と倒伏位置との間でその姿勢を変更させるものである。

ところで、内視鏡は、各種の検査又は処置に使用されると、起立台を備える挿入部の先端部材と、ワイヤが挿通される案内管とには体腔内液が付着するので、使用後には洗浄液及び消毒液を用いて内視鏡が洗浄消毒処理される。その際に、案内管の直径は小さく、内部にワイヤが挿通されているため、洗浄には手間がかかる。

そこで、特許文献１の内視鏡は、挿入部の先端部材を覆うカバーと起立台とワイヤとを着脱自在に設け、カバー、起立台及びワイヤを取り外してワイヤの案内管を洗浄している。

また、特許文献１には、起立台からワイヤが着脱できるようにした内視鏡の一例が開示されている。この内視鏡によれば、ワイヤの先端部にチップが設けられており、起立台にチップを収容するチップ収容部が設けられている。

特許文献１の内視鏡によれば、まず、使用後のワイヤのチップを、起立台のチップ収容部から取り外し、次に、使用後のワイヤを案内管から抜去する。次に、内視鏡の洗浄を行う。その後、新たなワイヤを案内管に挿通し、そのワイヤの先端部のチップを、起立台のチップ収容部に収容することにより、ワイヤの先端部と起立台とを手作業にて連結する。

特開平６−３１５４５８号公報

しかしながら、内視鏡の挿入部の先端部材は、挿入部の小径化に伴い小型化されているため、特許文献１に開示されたワイヤのチップも微小な大きさである。このような微小なチップを起立台のチップ収容部に手作業にて収容することは、非常に手間がかかるという問題があった。

特許文献１の内視鏡は、使用後のワイヤのみを新たなワイヤと交換可能とすることで経済的な効果を得ることができるが、新たなワイヤの先端部と起立台との連結に非常に手間がかかるという問題があった。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ワイヤの先端部と処置具起立台とを容易に連結することができる内視鏡を提供することを目的とする。

本発明の目的を達成するために、本発明に係る内視鏡は、操作部材を備えた手元操作部と、手元操作部に基端部が接続された挿入部と、挿入部の先端部に設けられた先端部材と、先端部材に回動自在に取り付けられ、起立位置から倒伏位置を超えた着脱位置までの回動範囲で回動可能な処置具起立台と、先端側が処置具起立台に連結され、基端側が操作部材に連結され、操作部材の操作に応じて押し引きされることにより、処置具起立台を起立位置と倒伏位置との間の回動範囲で回動させる起立操作ワイヤと、起立操作ワイヤの先端部に設けられた係合部と、手元操作部に設けられ、係合部を先頭にして起立操作ワイヤが導入される導入口と、先端部材に設けられ、係合部を先頭にして起立操作ワイヤが導出される導出口と、挿入部の内部に設けられ、導入口と導出口とを連通するワイヤ挿通チャンネルと、処置具起立台に設けられ、導出口から導出された係合部が当接されることで処置具起立台に倒伏方向への回動力を付与する当接部と、処置具起立台に設けられ、係合部を収容する開口が形成された収容部と、処置具起立台に隣接した位置であって、係合部が当接部に当接している状態で処置具起立台が起立位置と倒伏位置との間で移動するときの係合部の移動軌跡に対向する位置に設けられた壁部と、を備え、壁部は、係合部が当接部に当接している状態において、処置具起立台が起立位置と倒伏位置との間にある場合には係合部が開口に入り込む方向への移動を規制し、かつ倒伏位置と着脱位置との間にある場合には係合部が開口に入り込む方向への移動を許容する。

本発明の一態様は、先端部材には、導出口から導出された係合部を当接部にガイドするワイヤ誘導部が設けられていることが好ましい。

本発明の一態様は、処置具起立台には、係合部を開口にガイドする係合用誘導部が設けられていることが好ましい。

本発明の一態様は、係合用誘導部は、開口から離れる方向に係合部を誘導する誘導路を有することが好ましい。

本発明の一態様は、処置具起立台に隣接した位置であって、係合部が収容部に収容された状態で処置具起立台が起立位置と倒伏位置との間で移動するときの係合部の移動軌跡に対向する位置に設けられ、収容部と係合部との係合状態を維持する抜け止め部を備えることが好ましい。

本発明の一態様は、先端部材には、キャップ部材が着脱自在に取り付けられ、先端部材又はキャップ部材のいずれか一方には、壁部又は抜け止め部が備えられることが好ましい。

本発明の一態様は、キャップ部材には、位置規制部材が備えられ、位置規制部材は、先端部材にキャップ部材が取り付けられたときに、処置具起立台に当接されて処置具起立台が最も倒伏する位置を着脱位置に規制することが好ましい。

本発明の一態様は、収容部の開口側の内面のうち、係合部の導出方向側の内面には、開口の外側に向かって広がる離脱用傾斜面が形成されることが好ましい。

本発明の一態様は、手元操作部の外部に露出配置され、操作部材の操作に連動して動作する可動部材と、起立操作ワイヤの基端に設けられ、可動部材に着脱自在に係合する取付部材と、を備えることが好ましい。

本発明の一形態は、可動部材と取付部材とのいずれか一方には係合穴が設けられ、他方には係合穴に着脱自在に係合する係止部が設けられることが好ましい。

本発明の一形態は、係止部には、係合穴に弾性変形して係合する弾性変形部が設けられることが好ましい。

本発明の一形態は、弾性変形部には、係合穴の縁部に係止する弾性変形可能な一対の爪部が形成され、係合穴と係止部とを係合または係合解除する際に、一対の爪部を弾性変形により互いに近づける方向に変位させることが好ましい。

本発明によれば、ワイヤの先端部と処置具起立台とを容易に連結することができる。

実施形態に係る内視鏡を備えた内視鏡システムの構成図挿入部の先端部の構成を示した組立斜視図起立台が起立位置に位置された先端部の斜視図起立台が倒伏位置に位置された先端部の斜視図起立台が着脱位置に位置された先端部の斜視図先端部材を先端側から基端側に向けて見た先端部材の正面図起立台の拡大斜視図先端部材に対する起立台の取り付け構造を示した要部断面図操作部の斜視図起立位置の起立台の当接部に係合部が当接している状態の説明図倒伏位置の起立台の当接部に係合部が当接している状態の説明図着脱位置の起立台の収容部に係合部が収容されている説明図起立台と隔壁との位置関係を示した説明図倒伏位置を超えたときの起立台と隔壁との位置関係を示した説明図係合部が誘導路に沿って移動している説明図係合部が収容部に係合された説明図先端部材の斜視図係合部と抜け止め部との位置関係を示した説明図収容部から係合部を離脱させる直前の係合部と起立台の位置関係を示した説明図収容部から係合部を離脱させたときの係合部と起立台の位置関係を示した説明図起立操作機構の全体構成を示した構成図図２１の起立操作機構の側面図起立操作レバーの動作範囲を説明する説明図可動部材の動作範囲を示す説明図取付部材が装着位置と離脱位置に位置した説明図操作部の他方の側面から取付構造を見た斜視図図２６に示した取付構造を左側から見た斜視図ワイヤ組立体の斜視図取付部材９８の正面図導入口と可動部材とを有する延設部の斜視図導入口からワイヤを係合部を先頭にして導入している説明図ワイヤの先端部が起立台に連結された状態の取付部材の説明図可動部材に取付部材が連結された斜視図起立台の軸受部の内周面の形状を山型とした説明図起立台の回動軸部の外周面に複数の溝を形成した説明図

以下、添付図面に従って本発明に係る内視鏡の好ましい実施形態について詳説する。

図１は、本発明の実施形態に係る内視鏡１０を備えた内視鏡システム１２の構成図である。内視鏡システム１２は、内視鏡１０、プロセッサ装置１４、光源装置１６及びディスプレイ１８を備える。なお、図１には、内視鏡システム１２にて使用される処置具５６も図示されている。

内視鏡１０は、操作部材である起立操作レバー２０を備えた操作部２２と、操作部２２の先端側に設けられた挿入部２４と、を備える。

図２は、挿入部２４の先端部２６の構成を示した組立斜視図、図３は、起立台３０が起立位置に位置された先端部２６の斜視図であり、図４は、起立台３０が倒伏位置に位置された先端部２６の斜視図である。また、図５は、起立台３０が着脱位置に位置された先端部２６の斜視図である。着脱位置とは、起立台３０が起立位置から倒伏位置に向けて回転し、且つ倒伏位置から同方向に回転して倒伏位置を超えた位置を指す。この着脱位置については後述する。図２から図５の如く、挿入部２４の先端部２６には、先端部材２８が設けられ、先端部材２８に起立台３０が取り付けられている。

なお、以下の説明において、図１から図５のＺ（＋）方向を上方向と称し、Ｚ（−）方向を下方向と称し。また、Ｘ（＋）方向を右方向と称し、Ｘ（−）方向を左方向と称する。さらに、Ｙ（＋）方向を先端側方向と称し、Ｙ（−）方向を基端側方向と称する。

図１に戻り、操作部２２は、起立操作レバー２０が設けられた操作部本体３２と、操作部本体３２に連接された把持部３４と、把持部３４から先端側に向かって延出された延設部３６とを有し、延設部３６の先端側に挿入部２４の基端部が折れ止め管３８を介して連結されている。なお、把持部３４は、内視鏡１０の操作時に術者が把持する部分である。

延設部３６とは、起立操作機構１２０（図２１及び図２２）に連結された可動部材９６（図９参照）を設けるために、把持部３４の先端部から先端側に向けて延設された非把持領域の部分である。具体的には、把持部３４に設けられた処置具導入口４２の凸状のマウント部４４の先端部４４Ａから折れ止め管３８の基端部３８Ａまでの領域Ａが、延設部３６に相当する。この延設部３６の領域Ａには、円環状のフランジ４０が設けられている。なお、起立操作機構１２０及び可動部材９６については後述する。

操作部２２の操作部本体３２には、ユニバーサルコード４６が備えられる。ユニバーサルコード４６の先端側には、光源コネクタ５０が設けられ、この光源コネクタ５０は光源装置１６に接続される。また、光源コネクタ５０には電気コネクタ４８が分岐して設けられており、この電気コネクタ４８はプロセッサ装置１４に接続される。

挿入部２４は、先端側から基端側に向かって先端部２６、湾曲部５２及び軟性部５４が連結されて構成される。

挿入部２４の内部には、以下の内容物が設けられる。すなわち、図１の処置具５６の先端部５６Ａを、図２の先端部材２８に導く処置具チャンネル５８と、先端部材２８から導出される処置具５６の先端部５６Ａの導出方向を変更する操作を行うための起立操作ワイヤ６０（以下、ワイヤ６０と称する。）と、ワイヤ６０の先端部を先端部材２８に導く起立操作ワイヤチャンネル６２（以下、ワイヤチャンネル６２と称する。）と、図１の光源装置１６から供給される照明光を、図２の先端部材２８に導くライトガイド（不図示）と、送気送水チューブ（不図示）と、アングルワイヤ（不図示）と、信号ケーブル（不図示）等の内容物が設けられている。

図１に戻り、操作部２２は、全体として略円筒状に構成されており、Ｙ（＋）−Ｙ（−）方向に沿った円筒軸Ｂを有している。操作部２２の円筒軸Ｂを含む上下方向の断面を境として一方側の側面２２Ａには、湾曲部５２を湾曲操作する一対のアングルノブ６４、６４が配置される。一対のアングルノブ６４、６４は、同軸上で回動自在に設けられる。

湾曲部５２は、複数のアングルリング（不図示）が相互に回動可能に連結されてなる構造体を有する。湾曲部５２は、この構造体の外周に金属線で編んだ筒状の網体を被覆し、この網体の外周面にゴム製の筒状の外皮を被覆することによって構成される。このように構成された湾曲部５２からアングルノブ６４、６４にかけて、例えば４本のアングルワイヤ（不図示）が配設されており、アングルノブ６４、６４の回動操作によって、これらのアングルワイヤを押し引き操作することにより湾曲部５２が上下左右に湾曲される。

軟性部５４は、弾性を有する薄い金属製の帯状板を螺旋状に巻回してなる螺旋管（不図示）を有する。軟性部５４は、この螺旋管の外側に、金属線で編んだ筒状の網体を被覆し、この網体の外周面に樹脂からなる筒状の外皮を被覆することによって構成される。

操作部本体３２には、送気送水ボタン６６と吸引ボタン６８とが並設されている。送気送水ボタン６６を操作することによって、図２の先端部材２８に設けられた送気送水ノズル７０からエアと水を噴出することができる。また、図１の吸引ボタン６８を操作することによって、図２の先端部材２８に設けられた処置具導出口７２（図６参照）を兼ねる吸引口から血液等の体液を吸引することができる。図６は、先端部材２８を先端側から基端側に向けて見た先端部材２８の正面図である。

更に、図１の操作部２２の把持部３４には、処置具５６を導入する処置具導入口４２が設けられる。処置具導入口４２から先端部５６Ａを先頭にして導入された処置具５６は、挿入部２４に挿通された図２の処置具チャンネル５８に挿通されて、図６に示した処置具導出口７２から外部に導出される。

また、図１の操作部２２の一方の側面２２Ａには、アングルノブ６４、６４と同軸上に起立操作レバー２０が回転自在に設けられる。起立操作レバー２０は、把持部３４を把持する術者の手によって回転操作される。起立操作レバー２０が回転操作されると、起立操作レバー２０の回転操作に連動して動作する起立操作機構１２０（図２１及び図２２参照）によって、図２のワイヤ６０が押し引きされて、ワイヤ６０の先端部に連結された起立台３０の姿勢が、図３の起立位置と図４の倒伏位置との間で変更される。

上記の如く構成された実施形態の内視鏡１０は、十二指腸鏡として用いられる側視内視鏡であり、挿入部２４が口腔を介して被検体内に挿入される。挿入部２４は、食道から胃を経て十二指腸まで挿入されて、所定の検査又は治療等の処置が行われる。

実施形態では、処置具５６として、先端部５６Ａに生体組織を採取可能なカップを有する生検鉗子を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、他の処置具として、造影チューブ又はＥＳＴ（Endoscopic Sphincterotomy：内視鏡的乳頭切開術）用ナイフ等の処置具が使用される。

次に、先端部２６について説明する。

図２の如く、先端部２６は、先端部材２８と、先端部材２８に着脱自在に装着されるキャップ部材７６とから構成される。キャップ部材７６は、先端側が封止された略筒状に構成され、その外周面の一部には、略矩形状の開口窓７６Ａが形成されている。キャップ部材７６が先端部材２８に装着されると、キャップ部材７６の開口窓７６Ａが先端部材２８の処置具導出口７２（図６参照）に連通される。これにより、処置具導出口７２から導出された処置具５６の先端部５６Ａが開口窓７６Ａから外部に導出される。

また、キャップ部材７６の内周部には、図５に示すように、位置規制部材７７が備えられる。このキャップ部材７６は、先端部材２８にキャップ部材７６が装着された際に起立台３０に対向して配置される。この位置規制部材７７に起立台３０が当接されると、起立台３０が図５に示した着脱位置に保持される。位置規制部材７７は、キャップ部材７６と一体に形成してもよく、別体で構成してキャップ部材７６の内周部に接着してもよい。

キャップ部材７６は、弾性力のある材質、例えばフッ素ゴム又はシリコンゴム等のゴム材料、又はポリサルフォン等の樹脂材料から構成されており、その基端側には、先端部材２８に形成された溝（不図示）に係合する係合部（不図示）を有し、この係合部を先端部材２８の溝に係合することにより先端部材２８に装着される。また、キャップ部材７６は、内視鏡１０の処置が終了すると、先端部材２８から取り外されて洗浄消毒されるか、もしくはディスポーザブルとして廃棄される。

先端部材２８は、耐食性を有する金属材料で構成される。また、先端部材２８には、先端側に向けて突設された隔壁７８と、隔壁７８に対向する隔壁８０とが一体に設けられている。

図２の如く、隔壁７８と隔壁８０との間には、起立台３０を収容する起立台収容室８２が形成される。この起立台収容室８２の基端側に、処置具５６を外部に導出させる処置具導出口７２（図６参照）が形成される。この処置具導出口７２には、処置具チャンネル５８（図２参照）の先端部が接続される。

処置具チャンネル５８は、図１の挿入部２４の内部に挿通される。処置具チャンネル５８の基端部は、操作部２２の内部に設けられた分岐管２００（図２２参照）の先端管２０２に接続される。

分岐管２００は、周知な構造であり、基端部が二つの管路２０４、２０６に分岐され、一方の管路２０４の基端に処置具導入口４２が形成される。よって、処置具導入口４２から管路２０４に導入された処置具５６の先端部５６Ａは、処置具チャンネル５８に挿通されて、図６の処置具導出口７２から図２の起立台収容室８２に導出される。そして、起立台収容室８２に導出された処置具５６の先端部５６Ａは、起立台収容室８２に配置された起立台３０の起立位置と倒伏位置との間の姿勢に応じて導出方向が変更される。また、図２０に示した分岐管２００の他方の管路２０６の基端には、血液等の体液を吸引する吸引管２０８の先端が接続されている。

図７は、起立台３０の拡大斜視図である。図７の如く、起立台３０の上面にはガイド面３０Ａが備えられる。このガイド面３０Ａに沿って、図１の処置具５６の先端部５６Ａが、図２のキャップ部材７６の開口窓７６Ａから外部に導出される。

図７の如く、起立台３０は、その基部３０Ｂの両側面に回動軸部８４、８６が備えられる。これらの回動軸部８４、８６の軸方向は、起立台３０が図２の先端部材２８に取り付けられた場合に、図２のＸ（＋）−Ｘ（−）方向に設定される。また、回動軸部８４、８６は、その周面に平坦な切欠き面８４Ａ、８６Ｂが形成されている。

図８は、先端部材２８に対する起立台３０の取り付け構造を示した要部断面図である。

図８の如く、回動軸部８４、８６の軸は、起立台３０の基部３０Ｂを介して同軸上に配置される。回動軸部８４は、隔壁７８の凹状の軸受部７８Ａに回動自在に嵌合され、回動軸部８６は、隔壁８０の凹状の軸受部８０Ａに回動自在に嵌合される。また、回動軸部８４、８６は、それぞれ軸受部７８Ａ、８０Ａに対して回動軸部８４、８６の軸方向に所定のガタ量ｘをもって装着されている。このガタ量ｘを利用して回動軸部８４、８６を一方側に片寄せしたときに、軸受部７８Ａ、８０Ａのうち一方の軸受部の一部が露出される。その露出部にブラシを容易に挿入することができるので、軸受部７８Ａ、８０Ａの洗浄性が向上されている。また、図７の如く、回動軸部８４、８６は、その周面に平坦な切欠き面８４Ａ、８６Ｂが形成されているので、切欠き面８４Ａ、８６Ｂと軸受部７８Ａ、８０Ａの内周面との間の隙間からブラシを容易に挿入することが可能となっている。これにより、軸受部７８Ａ、８０Ａの洗浄性が更に向上されている。

図２の如く、隔壁７８の内部には、光学系収容室８８が備えられる。光学系収容室８８の上部には、照明窓９０と観察窓９２とが隣接して配設され、また、観察窓９２に向けられた送気送水ノズル７０が先端部材２８に設けられる。送気送水ノズル７０は、挿入部２４に挿通された送気送水チューブ（不図示）を介して不図示の送気送水装置に接続され、図１に示した操作部２２の送気送水ボタン６６を操作することによって、エア又は水が送気送水ノズル７０から観察窓９２に向けて噴射される。これにより、観察窓９２が洗浄される。

また、光学系収容室８８の内部には、照明部（不図示）と撮影部（不図示）とが収容される。照明部は、照明窓９０の内側に設置された照明レンズ（不図示）と、この照明レンズに先端面が臨むように配置されたライトガイド（不図示）とを備えている。ライトガイドは、図１の挿入部２４から操作部２２を介してユニバーサルコード４６に配設され、その基端が光源コネクタ５０を介して光源装置１６に接続される。これにより、光源装置１６からの照射光がライトガイドを介して伝達され、照明窓９０から外部に照射される。

既述の撮影部は、観察窓９２の内側に配設された撮影光学系（不図示）とＣＭＯＳ（complementary metal oxide semiconductor）型又はＣＣＤ（charge coupled device）型の撮像素子（不図示）とを備えている。撮像素子は、図１の挿入部２４に挿通された信号ケーブル（不図示）を介してプロセッサ装置１４に接続される。この撮影部によって得られた被写体像の撮像信号は、信号ケーブルを介してプロセッサ装置１４に出力されて画像処理された後、ディスプレイ１８に被写体像として表示される。

先の説明と重複するが、図２の如く、ワイヤ６０は、その先端部が導出口７４（図６参照）の外部に導出されて起立台３０に連結される。また、ワイヤ６０の基端部は、図９に示すように操作部２２に設けられた導入口９４の外側に配置されて可動部材９６に連結される。

図９は、操作部２２の斜視図であり、図１に示した操作部２２の一方の側面２２Ａに対向する他方の側面２２Ｂを図示した斜視図である。

図９によれば、導入口９４は、操作部２２の延設部３６に設けられている。導入口９４から外側に配置されたワイヤ６０の基端には、取付部材９８が設けられており、この取付部材９８が、可動部材９６の係合穴（後述）に着脱自在に装着される。これにより、ワイヤ６０の基端部が可動部材９６に連結される。

可動部材９６は、操作部２２に設けられている。可動部材９６は、操作部２２の外部に露出して配置されており、起立操作機構１２０（図２１及び図２２参照）により起立操作レバー２０の回転操作に連動して動作する。この可動部材９６は、起立操作レバー２０の回転操作に連動して回転する従動型のレバーである。

起立操作機構１２０は、操作部２２の内部に配置され、起立操作レバー２０の操作に連動して可動部材９６を動作させる機構である。したがって、起立操作レバー２０を回転操作すると、可動部材９６が起立操作機構１２０を介して動作し、可動部材９６に連結されているワイヤ６０（図２参照）が押し引きされる。

次に、ワイヤ６０の先端部を起立台３０に係脱自在に連結する連結構造について説明する。

図２に戻り、ワイヤ６０は、先端部に係合部１００が設けられている。また、図７の如く、起立台３０には、当接部１０１が設けられる。この当接部１０１には、導出口７４（図６参照）から導出された係合部１００が当接される。当接部１０１は、係合部１００が当接されることで、起立台３０に倒伏方向への回動力を付与する。

また、起立台３０には、係合部１００と係脱自在に係合される収容部１０２が設けられる。この収容部１０２には、Ｘ（＋）方向側に開口１０４が形成されている。この収容部１０２に係合部１００を、開口１０４を介して係合することにより、ワイヤ６０の先端部が起立台３０に連結される。

更に、起立台３０には、係合部１００を開口１０４にガイドする係合用誘導部１０６が設けられている。この係合用誘導部１０６は、開口１０４から離れるＸ（＋）方向に係合部１００を誘導する誘導路１０８を有している。

実施形態では、係合部１００は球体であり、収容部１０２は球体の係合部１００を収容する球面状凹部である。なお、係合部１００及び収容部１０２の形状は上記の形状に限定されるものではないが、係合部１００を球体とし、収容部１０２を球面状凹部とすることにより、ワイヤ６０の押し引き操作によって生じる係合部１００と収容部１０２との間の摺動抵抗を低減することができる。よって、ワイヤ６０の押し引き操作を円滑に行うことができる。

図６の如く、隔壁８０には、壁部８１が備えられている。この壁部８１は、図３及び図４に示す起立台３０に隣接した位置に設けられる。この壁部８１は、図１０の如く、係合部１００が当接部１０１に当接している状態で起立台３０が図１０の起立位置と図１１の倒伏位置との間で移動するときの係合部１００の移動軌跡に対向する位置に設けられている。この壁部８１は、係合部１００が当接部１０１に当接している状態において、起立台３０が図１０の起立位置と図１１の倒伏位置との間にある場合には係合部１００が開口１０４に入り込むＸ（−）方向への移動を規制し、かつ図１１の倒伏位置と図１２の着脱位置との間にある場合には係合部１００が開口１０４に入り込むＸ（−）方向への移動を許容する。

すなわち、図１３の如く、当接部１０１の面と、当接部１０１に対向する壁部８１の面との間のＸ（＋）−Ｘ（−）方向の隙間ａは、係合部１００の直径Ｄと等しく設定されている。しかしながら、係合用誘導部１０６の面と、係合用誘導部１０６に対向する壁部８１の面との間のＸ（＋）−Ｘ（−）方向の隙間ｂは、係合部１００の直径Ｄよりも小さくなるように形成されている。このため、起立台３０が起立位置と倒伏位置との間のどの位置にあったとしても、導出口７４（図６参照）から導出された係合部１００は当接部１０１に当接した状態を維持する。これにより、当接部１０１は、起立台３０に倒伏方向への回動力を付与することができる。

一方、ワイヤ６０の導入操作によって、起立台３０が起立位置から倒伏位置を超えると、係合用誘導部１０６に対向する位置には壁部８１が存在しなくなる。このため、係合部１００は、図１４の如く、当接部１０１から係合用誘導部１０６に向けて押し込まれていき、図１５の如く、誘導路１０８に沿って収容部１０２の開口１０４に向けて誘導されていく。そして、起立台３０は、係合部１００の押し込み動作に連動して図１２の着脱位置に向けて移動していく。そして、起立台３０が位置規制部材７７（図５参照）に当接した着脱位置で停止すると、係合部１００が誘導路１０８を通過し、図１５の矢印ｃで示すワイヤ６０の弾性復元力により、図１６の如く、係合部１００が開口１０４を介して収容部１０２に係合される。

これにより、実施形態の内視鏡１０によれば、起立台３０が起立位置と倒伏位置との間のどの位置にあったとしても、ワイヤ６０の導入操作のみで、ワイヤ６０の係合部１００を起立台３０の収容部１０２に係合させることができる。

また、図６及び図１７に示す先端部材２８の斜視図の如く、先端部材２８には、ワイヤ誘導部１１０が設けられている。このワイヤ誘導部１１０は、導出口７４から導出された係合部１００を当接部１０１にガイドする。ワイヤ誘導部１１０は、断面が円弧形状の溝によって構成されており、その曲率半径は係合部１００の半径と等しくなるように形成されている。これにより、図６の導出口７４から導出された係合部１００は、ワイヤ誘導部１１０に摺接しながら当接部１０１に向けて誘導されるので、係合部１００を当接部１０１に確実に当接させることができる。なお、ワイヤ誘導部１１０の形状は、上記の形状に限定されるものではなく、例えば、曲率半径が係合部１００の半径よりも大きな円弧形状の溝であってもよく、また断面が矩形状の溝であってもよい。

また、図１７の如く、隔壁８０には抜け止め部１１２が備えられている。この抜け止め部１１２は、係合部１００が収容部１０２に収容された状態で起立台３０が図３の起立位置と図４の倒伏位置との間で移動するときの係合部１００の移動軌跡に対向する位置に設けられ、収容部１０２と係合部１００との係合状態を維持する。すなわち、図１８の如く、開口１０４の開口面と、開口１０４の開口面に対向する抜け止め部１１２の面との間のＸ（＋）−Ｘ（−）方向の隙間ｄが、係合部１００の直径Ｄよりも小さくなるように形成されているので、図３の起立位置と図４の倒伏位置との間で収容部１０２と係合部１００との係合状態を維持することができる。

次に、収容部１０２に係合されたワイヤ６０の係合部１００を、収容部１０２から離脱させるための離脱構造について説明する。

図１３から図１６及び図１８に示すように、収容部１０２には、開口１０４の外側に向かって広がる離脱用傾斜面１１４が形成される。この離脱用傾斜面１１４は、収容部１０２の開口１０４側の内面のうち、係合部１００の導出方向（Ｙ（＋）方向）側の内面に形成される。離脱用傾斜面１１４は、収容部１０２に係合部１００が係合されて起立台３０が着脱位置に位置した状態で、ワイヤ６０を押し込み操作した場合に、収容部１０２から開口１０４の外へ係合部１００を誘導する面として機能する。

このように構成された離脱構造によれば、起立台３０を図１９の着脱位置に位置させた後、ワイヤ６０を押し込み操作すると、係合部１００が離脱用傾斜面１１４に誘導されて収容部１０２から開口１０４の外へ離脱する。これにより、収容部１０２に係合された係合部１００を、収容部１０２から容易に離脱させることができる。なお、図１９は、収容部１０２から係合部１００を離脱させる直前の係合部１００と起立台３０の位置関係を示した説明図である。

図２０は、収容部１０２から係合部１００を離脱させたときの係合部１００と起立台３０の位置関係を示した説明図である。係合部１００は、矢印ｅで示すように、ワイヤ６０の弾性復元力によってＹ（＋）方向と平行な方向にその向きを変える。一方、起立台３０は、矢印ｆで示すように、Ｚ（−）方向に自重により回動する。なお、先端部材２８に図５のキャップ部材７６が装着されている場合には、起立台３０は位置規制部材７７によって着脱位置に規制されているので、起立台３０は着脱位置に保持された状態となる。

次に、図２１及び図２２に示す起立操作機構１２０について説明する。

図２１は、起立操作機構１２０の全体構成を示した構成図である。また、図２２は、図２１の起立操作機構１２０の側面図である。なお、図２１及び図２２では、操作部２２の外装ケース（不図示）を省略し、操作部２２の内部を示している。

図２１及び図２２に示すように、起立操作機構１２０は、操作部２２の内部に設けられる。具体的には、操作部２２の内部において、操作部本体３２から延設部３６にかけて、起立操作機構１２０を構成する各部の構成要素が設けられている。

また、起立操作機構１２０は、起立操作レバー２０と可動部材９６とを連結し、起立操作レバー２０の回転動作を可動部材９６に伝達する動力伝達機構である。

起立操作機構１２０は、起立操作レバー２０の回転運動を直線運動に変換する第１変換機構１２４と、第１変換機構１２４によって直線運動されるワイヤ１２６と、ワイヤ１２６の直線運動を回転運動に変換して可動部材９６を回転させる第２変換機構１２８と、を備える。

第１変換機構１２４は、起立操作レバー２０に基端が連結されたクランク部材１３０と、クランク部材１３０の先端に基端が連結された第１スライダ１３２と、第１スライダ１３２の先端に基端が連結された第２スライダ１３４と、を備えている。

ワイヤ１２６は、ワイヤ１２６の基端が第２スライダ１３４の先端に接続され、ワイヤ１２６の先端が減速機構を含む第２変換機構１２８に接続されている。

上記の如く構成された第１変換機構１２４によれば、起立操作レバー２０が回転操作されると、それに連動してクランク部材１３０、第１スライダ１３２及び第２スライダ１３４が円筒軸Ｂに沿って直線運動する。これにより、ワイヤ１２６が円筒軸Ｂに沿って直線運動し、その直線運動が第２変換機構１２８に伝達される。

第２変換機構１２８は、レバー１３６と、第１ギア１３８と、第２ギア１４０と、第３ギア１４２と、第４ギア１４４と、を備える。第１ギア１３８と、第２ギア１４０と、第３ギア１４２と、第４ギア１４４とによって減速機構が構成されている。

レバー１３６は、ブラケット１４６に軸部１４８を介して回転自在に支持され、ワイヤ１２６の先端が連結されている。よって、レバー１３６は、ワイヤ１２６の直線運動によって軸部１４８を中心に回転される。

第１ギア１３８は、レバー１３６と一体に設けられ、軸部１４８を中心に回転される。第２ギア１４０は、第１ギア１３８と噛合され、軸部１５０を介してブラケット１４６に回転自在に支持されている。第３ギア１４２は、第２ギア１４０と一体に設けられ、且つ第２ギア１４０と同軸上に設けられている。第４ギア１４４は、可動部材９６の駆動軸部１５２と同軸上に設けられ、可動部材９６とともに駆動軸部１５２を介してブラケット１４６に回転自在に支持されている。この第４ギア１４４に、第３ギア１４２が噛合されている。

したがって、上記の如く構成された第２変換機構１２８によれば、ワイヤ１２６の直線運動がレバー１３６に伝達されると、レバー１３６とともに第１ギア１３８が回転操作され、第１ギア１３８の回転動作が第２ギア１４０及び第３ギア１４２を介して第４ギア１４４に伝達されて、第４ギア１４４が回転される。これにより、第４ギア１４４と一体の可動部材９６が駆動軸部１５２を中心に回転される。

よって、上記の如く構成された起立操作機構１２０によれば、起立操作レバー２０の回転操作を第１変換機構１２４と、ワイヤ１２６と、第２変換機構１２８と介して可動部材９６に伝達することができる。これによって、可動部材９６が駆動軸部１５２を中心に回転される。

次に、起立操作レバー２０と可動部材９６の位置関係について説明する。

図２３は、起立操作レバー２０の動作範囲を説明する説明図であり、図２４は、可動部材９６の動作範囲を示す説明図である。図２３の実線で示す操作領域の基端位置Ｐ１に起立操作レバー２０が位置すると、既述の起立操作機構１２０によって可動部材９６が図２４の実線で示す操作領域の先端位置Ｐ２に位置する。これにより、可動部材９６に取付部材９８を介して連結されたワイヤ６０が先端側に押し込まれ、起立台３０が図４の倒伏位置に位置する。これとは逆に、図２３の二点鎖線で示す操作領域の先端位置Ｐ３に起立操作レバー２０が位置すると、既述の起立操作機構１２０によって可動部材９６が図２４の二点鎖線で示す操作領域の基端位置Ｐ４に位置する。これにより、ワイヤ６０が基端側に引き込まれ、起立台３０が図３の起立位置に位置する。

起立操作レバー２０の動作範囲は、起立操作レバー２０が操作部本体３２に当接することにより既述の基端位置Ｐ１と先端位置Ｐ３との間に規制されている。これにより、可動部材９６の動作範囲も既述の先端位置Ｐ２と基端位置Ｐ４との間に規制される。以上が、起立操作レバー２０と可動部材９６の位置関係である。

このように、起立操作レバー２０を基端位置Ｐ１に位置させれば、起立台３０を図４の倒伏位置に位置させることができる。しかしながら、起立操作レバー２０の回転操作では、図５及び図１２に示した着脱位置に起立台３０を位置させることはできない。

このため、起立台３０を着脱位置に位置させるためには、以下の操作を行う。まず、可動部材９６から取付部材９８を取り外す。次に、取付部材９８を先端位置Ｐ２から更に先端側に位置する装着位置に向けて押し込む。図２５には、装着位置Ｐ５に位置した取付部材９８が実線で示されている。この操作により、ワイヤ６０を更に先端側に押し込むことができるので、起立台３０を図５及び図１２の着脱位置に位置させることができ、この着脱位置で係合部１００を収容部１０２に係合させることができる。

一方、係合部１００を収容部１０２から離脱させる場合には、取付部材９８を図２５の実線で示す装着位置Ｐ５から更に先端側に位置する離脱位置であって、図２５の二点鎖線で示す離脱位置Ｐ６に向けて押し込む。これにより、ワイヤ６０を更に先端側に押し込むことができるので、既述の離脱用傾斜面１１４によって係合部１００を収容部１０２から離脱させることができる。

次に、可動部材９６について説明する。

可動部材９６は、後述の図３０及び図３１に示すように、平板状の梁部１６０と、梁部１６０の両端に設けられた脚部１６２、１６４とを備え、全体としてＵ字形状に構成されている。そして、図２１及び図２２の如く、脚部１６２側に設けられた駆動軸部１５２がＯリング１６６を介して操作部２２の外装ケース（不図示）に回動自在に支持され、脚部１６４側に設けられた従動軸部１６８がＯリング（不図示）を介して外装ケース（不図示）に回動自在に支持されている。これらのＯリング１６６によって操作部２２は水密性が保持されている。

また、可動部材９６の駆動軸部１５２及び従動軸部１６８の回転軸は、ワイヤ６０の軸線方向に垂直な方向（Ｘ（＋）−Ｘ（−）方向）に設定されている。つまり、可動部材９６は、ワイヤ６０の軸線方向に垂直な方向を回転軸として回転自在に設けられているので、ワイヤ６０を円滑に押し引きすることができる。

次に、図２６から図３０を参照して、ワイヤ６０の基端と可動部材９６とを取り付ける実施形態の取付構造１７０について説明する。

図２６は、操作部２２の他方の側面２２Ｂから取付構造１７０を見た斜視図である。また、図２７は、図２６に示した取付構造１７０を左側から見た斜視図である。また、図２８は、ワイヤ６０とワイヤ６０の基端に設けられた取付部材９８とを備えたワイヤ組立体１７２の斜視図である。図２９は、取付部材９８の正面図であり、図３０は、導入口９４と可動部材９６とを有する延設部３６の斜視図である。

図３０に示すように、可動部材９６には、取付部材９８（図２９参照）が着脱自在に係合される係合穴１７４が備えられる。係合穴１７４は、可動部材９６の梁部１６０の長手方向に沿って形成されており、梁部１６０の表裏面を貫通した貫通穴によって構成される。この係合穴１７４に取付部材９８の一対の係止部１７６、１７６（図２９参照）が着脱自在に係合される。

図２９に示す取付部材９８は、略三角形状の板状体であり、中央部の芯部１７８にワイヤ６０の基端が連結される穴部１８０が形成される。取付部材９８の一対の係止部１７６、１７６は、芯部１７８の両側にスリット状の切欠き１８２を介して設けられている。また、一対の係止部１７６、１７６には、係合穴１７４に弾性変形して係合する弾性変形部１８４がそれぞれ形成されている。また、弾性変形部１８４、１８４には、係合穴１７４の長手方向の両側の縁部１７５、１７５（図３０参照）に係止する爪部１８６がそれぞれ形成される。これら爪部１８６、１８６は、係合穴１７４と係止部１７６、１７６とを係合又は係合解除する際に、弾性変形部１８４、１８４の弾性変形により互いに近づく方向に変位される。

次に、実施形態の取付構造１７０によって、ワイヤ６０の基端部を可動部材９６に取り付ける取付手順について説明する。

まず、ワイヤ６０の基端部を可動部材９６に取り付ける前に、ワイヤ６０の先端部を起立台３０に係合する作業を行う。

図３１には、導入口９４からワイヤ６０を、係合部１００（図２８参照）を先頭にして導入している図が示されている。また、ワイヤ６０の導入に先立って、図２に示したキャップ部材７６が先端部材２８に取り付けられている。

図３１の如く、導入口９４からワイヤ６０を、係合部１００を先頭に導入していくと、係合部１００は図２のワイヤチャンネル６２を介して図６の導出口７４から外部に導出される。そして、係合部１００は、継続するワイヤ６０の導入操作によって、図６のワイヤ誘導部１１０により起立台３０の当接部１０１に向けて誘導され、図１０の如く当接部１０１に当接する。なお、図１０には、起立位置にある起立台３０の当接部１０１に係合部１００が当接している状態が示されているが、起立台３０の位置は起立位置に限定されず、起立位置と着脱位置との間のどの位置にあったとしても、その起立台３０の当接部１０１に係合部１００が当接する。

この後、ワイヤ６０を更に導入操作すると、図１３の如く、当接部１０１と当接部１０１に対向する壁部８１との間の隙間ａが、係合部１００の直径Ｄと等しく設定され、係合用誘導部１０６と係合用誘導部１０６に対向する壁部８１との間の隙間ｂが係合部１００の直径Ｄよりも小さく設定されているため、係合部１００は当接部１０１に当接した状態を維持する。これによって、起立台３０が倒伏方向へ回転していく。そして、継続するワイヤ６０の導入操作によって、起立台３０が起立位置から図１１の倒伏位置に到達し、更に倒伏位置を超えたとき、係合用誘導部１０６に対向する位置には壁部８１が存在しなくなる。このため、図１４の如く、係合部１００は、当接部１０１から係合用誘導部１０６に向けて移動していくとともに、図１５の如く、誘導路１０８に沿って収容部１０２の開口１０４に向けて誘導されていく。このとき、起立台３０は、ワイヤ６０の押し込み動作に連動して図１２の着脱位置に向けて移動していく。そして、位置規制部材７７（図５参照）によって起立台３０の位置が着脱位置に規制されたところで、ワイヤ６０の弾性復元力により係合部１００が図１６の如く、開口１０４を介して収容部１０２に係合される。これにより、ワイヤ６０の先端部を起立台３０に係合することができる。

これにより、実施形態の内視鏡１０によれば、起立台３０が起立位置と倒伏位置との間のどの位置にあったとしても、ワイヤ６０の導入操作のみで、ワイヤ６０の先端部を起立台３０に連結することができる。

図３２は、ワイヤ６０の先端部が起立台３０に連結された状態における取付部材９８の姿勢が示されている。このとき取付部材９８は、図２５に示した装着位置Ｐ５に位置している。この装着位置Ｐ５から取付部材９８を矢印ｇで示すように可動部材９６側に移動させて、図３１の係合穴１７４の両側の縁部１７５、１７５に、図２９の爪部１８６、１８６の下部のテーパ部１８７、１８７を当接して取付部材９８を係合穴１７４に押し込む。この押し込み動作によって、爪部１８６、１８６の間の間隔が狭くなり、爪部１８６、１８６が係合穴１７４の両側の縁部１７５、１７５に係止する。これにより、図３３に示す連結図の如く、可動部材９６に取付部材９８が連結される。よって、実施形態の取付構造１７０によれば、可動部材９６の係合穴１７４に取付部材９８の爪部１８６、１８６を押し込む作業だけで、ワイヤ６０の基端を可動部材９６にワンタッチで取り付けることができる。

この後、図２３の起立操作レバー２０を操作すると、図２４の如く、可動部材９６が先端位置Ｐ２と基端位置Ｐ４との間で動作する。そして、可動部材９６の動作に連動して、ワイヤ６０が取付部材９８を介して可動部材９６に押し引き操作される。これにより、起立台３０が起立位置と倒伏位置との間で回動される。

起立位置と倒伏位置との間での起立台３０の回動時において、係合部１００は、図１７に示した隔壁８０の抜け止め部１１２によって、図３の起立位置と図４の倒伏位置との間で収容部１０２に係合された状態が保持されている。これにより、収容部１０２からの不用意な抜けが防止されている。よって、実施形態の内視鏡１０によれば、起立操作レバー２０の操作によって起立台３０を確実に動作させることができる。

ところで、内視鏡１０は、各種の検査又は処置に使用される。その後において、内視鏡１０を洗浄する場合には、以下の作業を実施する。

まず、取付部材９８の係止部１７６、１７６を手指で摘まみ、爪部１８６、１８６の間の間隔を係合穴１７４の長手方向の寸法より小さくなるように狭めた後、係合穴１７４から爪部１８６、１８６を引き抜く。

次に、取付部材９８を図２５の二点鎖線で示す離脱位置Ｐ６に向けて押し込む。これにより、ワイヤ６０が先端側に押し込まれるので、既述の離脱用傾斜面１１４により係合部１００が収容部１０２から離脱する。よって、実施形態の内視鏡１０によれば、ワイヤ６０の先端部を起立台３０から容易に取り外すことができる。

次に、ワイヤ６０を導入口９４から引き出してワイヤチャンネル６２を空にした後、図２に示したキャップ部材７６を先端部材２８から取り外す。なお、キャップ部材７６を先端部材２８から取り外した後、ワイヤ６０を導入口９４から引き出してワイヤチャンネル６２を空にしてもよい。その後、先端部材２８、起立台３０、及びワイヤチャンネル６２の洗浄を実施する。

以上の如く、実施形態の内視鏡１０によれば、ワイヤ６０を導入して係合部１００が当接部１０１に当接すると、起立台３０が倒伏位置に向けて回転し始める。そして、起立台３０が倒伏位置に向けて回転しているときには、係合部１００が開口１０４に入り込む方向への移動を壁部８１が規制する。そして、起立台３０が倒伏位置から着脱位置に向けて回転しているときには、係合部１００が開口１０４に入り込む方向への移動を壁部８１が許容する。そして、起立台３０が着脱位置に到達したときに、係合部１００が収容部１０２に収容される。

実施形態の内視鏡１０によれば、このような当接部１０１及び壁部８１を備えているので、起立台３０が起立位置と倒伏位置との間のどの位置にあったとしても、ワイヤ６０の導入操作のみで、ワイヤ６０の先端部を起立台３０に連結することができる。よって、実施形態の内視鏡１０によれば、ワイヤ６０の先端部と起立台３０とを容易に連結することができる。

なお、実施形態では、隔壁８０に壁部８１と抜け止め部１１２を設けたが、キャップ部材７６側に壁部８１と抜け止め部１１２を設けてもよい。また、壁部８１と抜け止め部１１２のうち一方を隔壁８０に設け、壁部８１と抜け止め部１１２のうち他方をキャップ部材７６に設けてもよい。

また、実施形態では、位置規制部材７７（図５参照）をキャップ部材７６側に設けたが、先端部材２８側に位置規制部材７７を設けてもよい。また、係合部１００は起立台３０が着脱位置に位置したところで収容部１０２に収容されるので、位置規制部材７７は、必ずしも必要とする部材ではない。

また、実施形態の取付構造１７０では、可動部材９６に係合穴１７４を形成し、取付部材９８に係止部１７６を形成したが、可動部材９６に係止部１７６を形成し、取付部材９８に係合穴１７４を形成してもよい。すなわち、可動部材９６と取付部材９８とのいずれか一方には係合穴１７４が設けられ、他方には係合穴１７４に着脱自在に係合する係止部１７６が設けられていればよい。更に、爪部１８６は、可動部材９６の梁部１６０の長手方向側でなく、短手方向側に設けてもよい。更にまた、係合穴１７４は、梁部１６０の長手方向に互いに離間して形成された二つの係合穴であってもよい。また、係合穴１７４は、梁部１６０の表裏面を貫通していない凹状の非貫通穴でもよい。

また、前述の例では、ワイヤチャンネル６２を空にするために、ワイヤ６０を導入口９４から引き出すとしたが、これに限定されない。たとえば、ワイヤチャンネル６２からのワイヤ６０の引き出しに先立って、ワイヤ６０の基端を取付部材９８から取り外せば、ワイヤ６０を導出口７４から引き出すことができる。

また、既述の例では、図７に示したように起立台３０の回動軸部８４、８６に切欠き面８４Ａ、８６Ａを形成することで、軸受部７８Ａ、８０Ａの洗浄性を向上させたが、以下の形態であっても同様の効果を得ることができる。

すなわち、図３４に示すように、軸受部７８Ａ、８０Ａの内周面の形状を山型として、回動軸部８４、８６との間に大きな隙間ｈを形成することにより、その隙間ｈにブラシが挿通し易くなるので、軸受部７８Ａ、８０Ａの洗浄性を向上させることができる。

また、図３５に示すように、回動軸部８４、８６の外周面に複数の溝８５を形成することにより、溝８５と軸受部７８Ａ、８０Ａとの間の隙間ｊにブラシが挿通し易くなるので、軸受部７８Ａ、８０Ａの洗浄性を向上させることができる。

上記の実施形態では、ワイヤ６０の基端側を、取付部材９８と可動部材９６と起立操作機構１２０とを介して起立操作レバー２０に連結した内視鏡１０を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、ワイヤ６０の基端を起立操作機構１２０に直接連結することにより、ワイヤ６０の基端側を起立操作レバー２０に連結した形態の内視鏡でも適用することができる。

また、上記の実施形態では、内視鏡１０として十二指腸鏡を例示して説明したが、挿入部の先端部に処置具の導出方向を調整する起立台を備える内視鏡であれば、超音波内視鏡等の各種内視鏡に本発明を適用することができる。

１０内視鏡
１２内視鏡システム
１４プロセッサ装置
１６光源装置
１８ディスプレイ
２０起立操作レバー
２２操作部
２２Ａ一方の側面
２２Ｂ他方の側面
２４挿入部
２６先端部
２８先端部材
２８Ａ周面
３０起立台
３０Ａガイド面
３０Ｂ基部
３２操作部本体
３４把持部
３６延設部
３８折れ止め管
３８Ａ基端部
４０フランジ
４２処置具導入口
４４マウント部
４４Ａ先端部
４６ユニバーサルコード
４８電気コネクタ
５０光源コネクタ
５２湾曲部
５４軟性部
５６処置具
５６Ａ先端部
５８処置具チャンネル
６０ワイヤ
６２ワイヤチャンネル
６４アングルノブ
６６送気送水ボタン
６８吸引ボタン
７０送気送水ノズル
７２処置具導出口
７４導出口
７６キャップ部材
７６Ａ開口窓
７７位置規制部材
７８隔壁
７８Ａ軸受部
８０隔壁
８１壁部
８０Ａ軸受部
８２起立台収容室
８４回動軸部
８５溝
８４Ａ切欠き面
８６回動軸部
８６Ａ切欠き面
８８光学系収容室
９０照明窓
９２観察窓
９４導入口
９５弁体
９６可動部材
９８取付部材
９８Ａ取付部材
１００係合部
１０１当接部
１０２収容部
１０４開口
１０６係合用誘導部
１０８誘導路
１１０ワイヤ誘導部
１１２抜け止め部
１１４離脱用傾斜面
１２０起立操作機構
１２４第１変換機構
１２６ワイヤ
１２８第２変換機構
１３０クランク部材
１３２第１スライダ
１３４第２スライダ
１３６レバー
１３８第１ギア
１４０第２ギア
１４２第３ギア
１４４第４ギア
１４６ブラケット
１４８軸部
１５０軸部
１５２駆動軸部
１６０梁部
１６０Ａ裏面
１６２脚部
１６４脚部
１６６Ｏリング
１６８従動軸部
１７０取付構造
１７２ワイヤ組立体
１７４係合穴
１７４Ａ係合穴
１７５縁部
１７６係止部
１７８芯部
１８０穴部
１８２切欠き
１８４弾性変形部
１８６爪部
１８７テーパ部
２００分岐管
２０２先端管
２０４管路
２０６管路
２０８吸引管

Claims

操作部材を備えた手元操作部と、
前記手元操作部に基端部が接続された挿入部と、
前記挿入部の先端部に設けられた先端部材と、
前記先端部材に回動自在に取り付けられ、起立位置から倒伏位置を超えた着脱位置までの回動範囲で回動可能な処置具起立台と、
先端側が前記処置具起立台に連結され、基端側が前記操作部材に連結され、前記操作部材の操作に応じて押し引きされることにより、前記処置具起立台を前記起立位置と前記倒伏位置との間の回動範囲で回動させる起立操作ワイヤと、
前記起立操作ワイヤの先端部に設けられた係合部と、
前記手元操作部に設けられ、前記係合部を先頭にして前記起立操作ワイヤが導入される導入口と、
前記先端部材に設けられ、前記係合部を先頭にして前記起立操作ワイヤが導出される導出口と、
前記挿入部の内部に設けられ、前記導入口と前記導出口とを連通するワイヤ挿通チャンネルと、
前記処置具起立台に設けられ、前記導出口から導出された前記係合部が当接されることで前記処置具起立台に倒伏方向への回動力を付与する当接部と、
前記処置具起立台に設けられ、前記係合部を収容する開口が形成された収容部と、
前記処置具起立台に隣接した位置であって、前記係合部が前記当接部に当接している状態で前記処置具起立台が前記起立位置と前記倒伏位置との間で移動するときの前記係合部の移動軌跡に対向する位置に設けられた壁部と、を備え、
前記壁部は、前記係合部が前記当接部に当接している状態において、前記処置具起立台が前記起立位置と前記倒伏位置との間にある場合には前記係合部が前記開口に入り込む方向への移動を規制し、かつ前記倒伏位置と前記着脱位置との間にある場合には前記係合部が前記開口に入り込む方向への移動を許容する、
内視鏡。
前記先端部材には、前記導出口から導出された前記係合部を前記当接部にガイドするワイヤ誘導部が設けられている、
請求項１に記載の内視鏡。
前記処置具起立台には、前記係合部を前記開口にガイドする係合用誘導部が設けられている、
請求項１又は２に記載の内視鏡。
前記係合用誘導部は、前記開口から離れる方向に前記係合部を誘導する誘導路を有する、
請求項３に記載の内視鏡。
前記処置具起立台に隣接した位置であって、前記係合部が前記収容部に収容された状態で前記処置具起立台が前記起立位置と前記倒伏位置との間で移動するときの前記係合部の移動軌跡に対向する位置に設けられ、前記収容部と前記係合部との係合状態を維持する抜け止め部を備える、
請求項１から４のいずれか１項に記載の内視鏡。
前記先端部材には、キャップ部材が着脱自在に取り付けられ、
前記先端部材又は前記キャップ部材のいずれか一方には、前記壁部又は前記抜け止め部が備えられる、
請求項５に記載の内視鏡。
前記キャップ部材には、位置規制部材が備えられ、
前記位置規制部材は、前記先端部材に前記キャップ部材が取り付けられたときに、前記処置具起立台に当接されて前記処置具起立台が最も倒伏する位置を前記着脱位置に規制する、
請求項６に記載の内視鏡。
前記収容部の前記開口側の内面のうち、前記係合部の導出方向側の内面には、前記開口の外側に向かって広がる離脱用傾斜面が形成される、
請求項１から７のいずれか１項に記載の内視鏡。
前記手元操作部の外部に露出配置され、前記操作部材の操作に連動して動作する可動部材と、
前記起立操作ワイヤの基端に設けられ、前記可動部材に着脱自在に係合する取付部材と、
を備える請求項１から８のいずれか１項に記載の内視鏡。
前記可動部材と前記取付部材とのいずれか一方には係合穴が設けられ、他方には前記係合穴に着脱自在に係合する係止部が設けられる、
請求項９に記載の内視鏡。
前記係止部には、前記係合穴に弾性変形して係合する弾性変形部が設けられる、
請求項１０に記載の内視鏡。
前記弾性変形部には、前記係合穴の縁部に係止する弾性変形可能な一対の爪部が形成され、前記係合穴と前記係止部とを係合または係合解除する際に、前記一対の爪部を弾性変形により互いに近づける方向に変位させる、
請求項１１に記載の内視鏡。