JP6858515B2 - 重機接触事故防止システム - Google Patents

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Description

本発明は、重機接触事故防止システムに関する。
従来から、バックホウ(油圧ショベル)、ホイールローダ、移動式クレーン、フローティングドックなどに配置されるクレーン等の建設機械(以下、重機という)を用いる土木・建築工事現場(以下、作業現場という)では、作業の安全を図るうえで重機と作業員との接触事故を防止することが重要な課題となっている。
そのため、例えば重機に赤外線センサ、光センサ等の検知手段を取り付けて周囲の作業員との距離を検出し、その検出距離に応じて重機を停止させ又は重機の操作作業員(オペレータ)に警報を発するシステムが提案されている。しかし、この方法は周囲の環境(例えば太陽光や風、電磁ノイズ等)の影響によって誤差を生じやすく、接近作業員の誤検知を生じやすい問題点がある。これに対し、無線電波又は超音波によりID信号を発信するタグを用いて重機周囲の接近作業員を検知するシステムが開発されている(特許文献1参照)。
特開2011−163835号公報
しかし、上記した技術は、近接作業員の近接情報を重機を操作するオペレータに対して警告を報知するものであり、近接作業員に対して警告を報知するものではない。したがって、重機を操作するオペレータが運転室などから近接作業員に注意喚起を行わなければならない。また、注意喚起を行う度に重機を停止させたりしなければならず作業性が悪い。
特に大型のクレーンなどの場合、ブームから牽吊される吊り具装置の振れ移動が大きく、且つ近接作業員とオペレータとの距離が大きく離れていることが多いため、オペレータからのみの警告では非常に危険である。
本発明の一つの実施形態の目的は、上記課題点を鑑みてなされたものであり、近接作業員に対して直接警告を報知して、重機と作業員との接触を効果的に防ぐことが可能な重機接触事故防止システムを提供することにある。
上記の課題は、
少なくともブームと上部旋回体を有する重機と、作業現場において前記重機に近接する近接作業員が所定の領域内に進入した際に、前記近接作業員の近接情報に基づき生成される警告情報をオペレータへ報知すると共に、前記近接作業員に前記警告情報を報知する重機接触事故防止システムであって、
前記近接作業員が携帯する少なくともタグ情報に基づく前記近接情報を発信する送信部と、前記警告情報を受信する受信部と、受信した前記警告情報を報知する報知部とを有する携帯報知手段と、
前記重機の前記ブーム又は前記上部旋回体のブーム取付位置近傍に設けられる第1アンテナと、
前記重機の前記上部旋回体の前記ブームの取付位置と反対側に設けられる第2アンテナと、
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナと電気的に接続され、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが前記携帯報知手段から受信した前記近接情報を取得すると、前記警告情報を前記重機に取付けられた報知手段へ送信すると共に、前記警告情報を前記第1アンテナ又は前記第2アンテナを介して前記携帯報知手段へ送信する制御装置と、を有し、
前記第1アンテナは、指向性を有するアンテナであり、前記ブームの直下位置における前記所定の領域内に進入した前記近接作業員の前記近接情報を前記携帯報知手段から受信し、受信した前記近接情報を前記制御装置に送信するものであり、
前記ブームは、その基端が水平方向に延在する支軸を介して前記上部旋回体に起伏可能に支持されており、
前記第1アンテナの指向性の方向が、前記上部旋回体の前方、かつ、前記ブームの下方であり、
前記第2アンテナは、無指向性で且つ前記第1アンテナより狭い受信可能領域を有するアンテナであり、
前記第2アンテナの前記受信可能領域は、前記上部旋回体の後方側に設けられ、
前記第2アンテナの前記受信可能領域の最大径は、前記第1アンテナの受信可能領域の最大距離より小さい、
ことを特徴とする重機接触事故防止システムにより解決できる。
本発明によれば、近接作業員に対して直接警告を報知して、重機と作業員との接触を効果的に防ぐことが可能な重機接触事故防止システムを提供できる。
本発明の実施形態に係る重機接触事故防止システムの概略構成を示した図である。 図1の重機接触事故防止システムの機能ブロック図である。 本実施形態に係る重機接触事故防止システムの処理流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る重機接触事故防止システムの異なる実施形態を説明する図である。
以下、本発明に係る重機接触事故防止システムの実施形態を説明する。各図面中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜簡略化ないし省略する。図面は、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。したがって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
図1は、実施形態に係る重機接触事故防止システム1の概略構成を示した立面図である。図1は、実施形態に係る重機接触事故防止システム1をフローティングドックFDに配置される大型のクレーン10に実施した場合を示している。しかし、本発明はこの限りではなく、バックホウ(油圧ショベル)、ホイールローダ、クローラ式クレーン等の重機(建設機械)全般に実施することができる。更に云うと、ブームを有する重機に適用可能である。
図1に示すフローティングドックFDは、作業員Kが作業する底部FDTと、底部FDTから鉛直方向に立設する壁部FDHと、クレーン10を支持する支柱FDSを有している。なお、上記した作業員Kは、以下の説明において所定の領域内に進入した場合には近接作業員K'と表記する。
クレーン10は、支柱FDSに対して旋回可能に接続された上部旋回体11と、上部旋回体11の前側(矢印X1側)に設けられたブーム12を含んで構成される。
上部旋回体11には操作室11aが設けられ、操作室11aには、上部旋回体11の旋回、荷役用ロープ(荷役用ワイヤロープ)13の巻取り、繰り出し、ブーム12の起伏などを操作するための操作装置(不図示)が設置されている。また、操作室11a内には、近接作業員K'が所定の領域内に進入したことを報知する報知手段50が搭載されている。
また、上部旋回体11には、荷役用ロープ13の巻取り、繰り出しと、ブーム起伏用ロープ(ブーム起伏用ワイヤロープ)14の巻取り、繰り出しを行なうウインチ11bが設けられている。
ブーム12は、その基端が水平方向に延在する支軸を介して上部旋回体11に起伏可能(揺動可能)に支持されている。
ブーム12の先端には、ウインチ11bから繰り出されたブーム起伏用ロープ14の先部が取着されている。したがって、ウインチ11bによってブーム起伏用ロープ14の巻取り、繰り出しがなされることによりブーム12が起伏される。
ブーム12の先端には、ブーム側滑車12aが回転可能に支持されている。
ブーム側滑車12aには、ウインチ11bから繰り出された荷役用ロープ13が掛け渡されている。
荷役用ロープ13の先部は、フックブロック12bの滑車に掛け回されたのちブーム12の先端の箇所に取着されている。したがって、ウインチ11bによって荷役用ロープ13の巻取り、繰り出しがなされることによりフックブロック12bの上下方向への移動がなされる。
本実施形態の重機接触事故防止システム1は、上記構成のクレーン10に搭載される第1アンテナ20、第2アンテナ30、制御装置40、報知手段50と、作業者Kが携帯する携帯報知手段60を含む構成とされている。
以下、本実施形態の重機接触事故防止システム1の構成を図1、図2に基づいて詳細に説明する。図2は本実施形態に係る重機接触事故防止システム1の機能構成を説明する機能ブロック図である。なお、特許請求の範囲に記載された「所定の領域」とは、作業者Kが進入すると危険であると判断される危険領域を指し、更に云うと本実施形態においては第1アンテナ20と第2アンテナ30の受信可能領域を指す。つまり第1アンテナ20の受信可能領域Nは、危険領域Nと同じに設定され、以下、所定の領域Nと記載する。また、第2アンテナ30の受信可能領域Mは、危険領域Mと同じに設定され、以下、所定の領域Mと記載する。
先ず作業員Kが携帯する携帯報知手段60を説明する。
携帯報知手段60は、樹脂などから成る筐体の内部に送信部61、受信部62、報知部63、記憶部64を有する構成とされている。携帯報知手段60は、必要な通信距離が確保できるパッシブ型又はアクティブ型のものを任意に選択して使用できるが、望ましくは電源(電池)を内蔵したアクティブ型が好ましい。また筐体は、携帯可能な程度に小型のものである。
記憶部64には、各携帯報知手段60毎に付与されているタグ情報としてのIDタグデータや諸データ及びプログラムなどを記憶している。IDタグデータは、例えば予め作業員情報と関連付けが行われたタグ情報である。
送信部61は、IDタグデータを発信する機能を有している。本実施形態の送信部61の電波送信範囲は最大10〜15m程度のものとしてよい。送信部61は、IDタグデータを例えば0.2秒以上の間隔を空けて断続的に、かつ自動的に発信されるように設定されている。本実施形態において送信部61が発信するIDタグデータは、近接情報として処理される。また、送信された近接情報は、後述の制御装置40において位置情報としても処理できる。
受信部62は、第1アンテナ20又は第2アンテナ30から送信される警告情報を受信する機能を有する。なお受信部62が受信する警告情報は、後述するが所定の領域(N又はM)内における携帯報知手段60と第1アンテナ又は第2アンテナとの距離、又は携帯報知手段60の所定の領域(N又はM)内における滞在時間に応じて変化される。
報知部63は、受信部62が警告情報を受信すると、近接作業員K'に警告を報知する音及び/又は振動を発生させる機能を有する。警告を報知する音データ又は振動データは、例えば記憶部64などに記憶されていてよい。記憶部64に記憶される音データとは、例えば「ピーピー」などの複数の警告音パターンや、「危険領域に進入しています。」などの複数の音声データのパターンを含んでいる。また記憶部64に記憶される振動データは、振動の強弱や間隔などを変化させた複数の振動パターンを含んでいる。したがって、報知部63は、携帯報知手段60を振動させる振動手段を有している。本実施形態の報知部63は、基本的に音と振動の両方により警告を報知することが好ましいが、いずれか一方のみの報知であってよい。
報知部63は、携帯報知手段60の位置から第1アンテナ又は第2アンテナまでの距離、又は携帯報知手段60の所定の領域(N又はM)内における滞在時間に応じて変化される警告情報に基づいて、報知方法のパターンを変化させてよい。例えば、警告音の音量や間隔を変えたり、避難を促す音声データなどを報知させてよい。また、振動による報知においては、振動の強弱、間隔などを変化させることも可能である。なお、報知部63は、警告情報を光などによって報知する発光部を有していてよく、音と振動と光を組み合わせて報知してよい。したがって記憶部64には、光の強弱、間隔などの複数の点灯パターンが記憶されていることが好ましい。
また、詳しくは後述するが、本実施形態の重機接触事故防止システム1は、作業員Kが携帯する携帯報知手段60がIDタグデータを常時送信することで、作業員Kが所定の領域(N又はM)内に入らないかを常に監視できる。また、所定の領域(N又はM)内に進入した場合には、携帯報知手段60により近接作業員K'に直接、警告を報知できるため、重機との接触事故を未然に回避できる。
なお、本実施形態の携帯報知手段60は、設定変更などを行うタッチパネル式の入力表示部などが具備されていてよい。
次に、重機接触事故防止システム1を構成するクレーン10に搭載される各部材と機能について説明する。
第1アンテナ20は、指向性を有するアンテナであり、ブーム12の直下位置における所定の領域Nに進入した近接作業員K'の携帯する携帯報知手段60が発信するIDタグデータに基づいた近接情報を受信する。第1アンテナ20は、上部旋回体11のブーム取付位置近傍に設けられている。本実施形態の場合、第1アンテナ20は、作業員Kの作業領域がクレーン10より下方位置にあるため、下側に向けて配置されることが好ましい。また、図示例の第1アンテナ20は、八木アンテナとしているが、この限りではない。
第1アンテナ20の設置は、図示例の限りではなく、ブーム12の先端部に設けてもよい。その際、第1アンテナ20の先端は垂直下方に向けられることが好ましい。また、第1アンテナ20は、ブーム12の延在方向の何れの箇所に設けられていてもよい。
なお、第1アンテナ20の受信可能領域N(所定の領域N)の最大距離は、30〜50mである。受信可能領域Nの電波角度は、例えば90〜120度である。
第1アンテナ20は、受信部21と送信部22を有している。
受信部21は、所定の領域N内において携帯報知手段60の送信部61から送信されるIDタグデータを近接情報として受信する機能を有する。また、受信部21は、後述する制御装置40から送信される警告情報を受信する機能を有している。
送信部22は、所定の領域N内において受信部21が受信した近接情報を後述の制御装置40へ送信する機能を有する。また送信部22は、受信部21が制御装置40から受信した警告情報を所定の領域N内に存在する携帯報知手段60へ送信する機能を有する。
第2アンテナ30は、無指向性で且つ第1アンテナ20より狭い受信可能領域Mを有している。本実施形態ではヘリカルアンテナであり、上部旋回体11のブーム12と反対側(矢印X2側)における所定の領域Mに進入した近接作業員K'の携帯する携帯報知手段60が発信するIDタグデータに基づいた近接情報を受信する。第2アンテナ30は、上部旋回体11のブーム取付位置と反対側(後方側)に設けられている。第2アンテナ30の受信可能領域M(所定の領域M)の最大径は、10〜25mである。
第2アンテナ30は、受信部31と送信部32を有している。
受信部31は、所定の領域M内において携帯報知手段60の送信部61から送信されるIDタグデータを近接情報として受信する機能を有する。また、受信部31は、後述する制御装置40から送信される警告情報を受信する機能を有している。
送信部32は、所定の領域M内において受信部31が受信した近接情報を後述の制御装置40へ送信する機能を有する。また送信部32は、受信部31が制御装置40から受信した警告情報を所定の領域N内に存在する携帯報知手段60へ送信する機能を有する。
制御装置40は、樹脂などから成る筐体の内部に受信部41、送信部42、入力部43、処理部44、記憶部45を含む構成である。
受信部41は、第1アンテナ20又は第2アンテナ30から送信される近接情報(IDタグデータ)を受信する機能を有する。受信部41は、受信した近接情報を処理部44に出力してよい。
送信部42は、警告情報を報知手段50と、第1アンテナ20及び第2アンテナ30へ送信する機能を有する。また送信部42は、クレーン10の動作を制御させる信号(以下、「動作制御信号」と云う。)をクレーン10に搭載された重機制御システム11cへ送信する機能を有している。なお、送信部42が送信する警告情報及びクレーン10の動作を制御させる動作制御信号は、後述の処理部44から取得してよい。
入力部43は、IDタグ情報などを記憶部45に記憶させたり、設計情報、作業情報、制御情報などを入力する機能を有する。入力部43は外部インターフェースを含む。
処理部44は、受信部41から出力された近接情報を取得すると、警告情報を生成し送信部42へ出力する。また取得した近接情報と記憶部45内の各データから、携帯報知手段60の位置から第1アンテナ又は第2アンテナまでの距離、又は携帯報知手段60の所定の領域(N又はM)内における滞在時間を算出する。そして上記した距離又は滞在時間に応じて変化させた警告情報を生成し送信部42へ出力してよい。
また本実施形態の処理部44は、算出した距離又は滞在時間から、クレーン10の動作(ブーム12の昇降、上部旋回体11の旋回など)を遅くする又は停止する動作制御を行うべきかを判断する。クレーン10の動作制御を行う必要がある場合には、動作制御信号を生成し、送信部42へ出力する。なお処理部44は、マイコンであってよい。
記憶部45は、各携帯報知手段60のIDタグ一覧情報や設計情報、作業情報、制御情報、第1アンテナ20と第2アンテナ30に関するデータを含む諸データ及びプログラムなどを記憶している。また記憶部45は、制御装置40に付与されたIDタグデータが記憶され、作業員Kが携帯する各携帯報知手段60と関連付けが行われている。したがって、1台のクレーン10に搭載された制御装置40と、該制御装置40と関連付けが行われた携帯報知手段60との間で情報の授受が成立する。
報知手段50は、受信部51と報知部52、記憶部53を有している。
受信部51は、制御装置40の送信部42から送信された警告情報を受信する機能を有する。
報知部52は、受信部51が警告情報を受信すると、警告をオペレータに報知する機能を有している。具体的には表示灯や点滅灯及び/又はスピーカなどであってよい。表示灯や点滅灯は1色であっても複数色有する構成であってもよい。スピーカは警告音や音声メッセージなどを出力する。
記憶部53は、表示灯や点滅灯などの点灯パターンやスピーカが出力する警告音のパターンや音声メッセージのパターンを記憶してよい。
なお本実施形態において、受信部51が受信する警告情報は、上記した距離又は滞在時間に応じて変化されている場合がある。そのため、報知部52は、変化された警告情報に基づいて報知方法を変化させることが好ましい。例えば表示灯や点滅灯は3色(赤・黄・緑)のものを使用し、距離又は滞在時間の長さに応じて点灯する色や点灯間隔を変化させて警告を報知してよい。また音声メッセージの内容を距離又は滞在時間の長さに応じて変えることが好ましい。
<処理>
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係る重機接触事故防止システムの処理流れを簡潔に説明する。図3は、本実施形態に係る重機接触事故防止システムの処理流れを説明するフローチャートである。
先ず、ステップ(以下、STと略す)1で、クレーン10が作動する。
すると第1アンテナ20と第2アンテナ30は、ST2で作業員Kが各所定の領域(N又はM)内に進入していないか監視する。具体的に第1アンテナ20と第2アンテナ30は、携帯報知手段60の送信部61から発信されるIDタグデータ(近接情報)を検知したかを監視する。
第1アンテナ20及び第2アンテナ30は、携帯報知手段60の送信部61から発信されるIDタグデータ(近接情報)を検知した場合(YES)、直ちに制御装置40へ送信する(ST3)。ST2で、携帯報知手段60の送信部61からIDタグデータ(近接情報)を検知していない場合(NO)、作業員Kが所定の領域(N又はM)内に進入していないためステップ12へ進む。
次に、制御装置40の受信部41が近接情報を受信すると、ST4で処理部44は、受信部41から近接情報を取得して警告情報を生成する。このとき処理部44は、上記したように取得した近接情報と記憶部45内の各データから、携帯報知手段60の位置から第1アンテナ又は第2アンテナまでの距離、又は携帯報知手段60の所定の領域(N又はM)内における滞在時間を算出する。そして上記した距離又は滞在時間に応じた警告情報を生成する。
更に処理部44は、ST5でクレーン10の動作を遅くする又は停止するなどの動作制御を行う必要があるかを判断する。この判断処理は、算出した上記距離又は滞在時間と、予め設定した距離閾値又は時間閾値などと比較して判断してよい。
ST5で、処理部44がクレーン10の動作制御を行う必要があると判断した場合(YES)には、動作制御信号を生成し、送信部42へ送信する。送信部42は、動作制御信号をクレーン10に搭載された重機制御システム11cへ送信する(ST6)。重機制御システム11cは、動作制御信号を取得すると、例えば上部旋回体11やブーム12などに供給される作動油の量やパイロット圧、又は電気系統などを制御して、クレーン10の動作を制御させる。
ST5で、処理部44がクレーン10の動作制御を行う必要が無いと判断した場合(NO)には、ST7へ進む。
ST7で処理部44は、生成した警告情報を報知手段50と近接作業員K'の携帯する携帯報知手段60へ送信する。
すると報知手段50は、報知部52により表示灯や点滅灯の点灯及び/又は音声メッセージなどにより警告をオペレータに報知する。また携帯報知手段60は、報知部63により音及び振動により警告を近接作業員K'に報知する(ST8)。
ST9で、制御装置40は、第1アンテナ20と第2アンテナ30が携帯報知手段60の送信部61からIDタグデータ(近接情報)を検知しているかを判別する。近接情報を検知している場合(YES)、制御装置40は近接作業員K'が所定の領域(N又はM)内に存在していると判断し、報知手段50及び携帯報知手段60による警告の報知を続ける。
ST9で、近接情報を検知していない場合(NO)、制御装置40は近接作業員K'が所定の領域(N又はM)を立ち退いたと判断し、直ちに報知手段50及び携帯報知手段60による警告の報知を停止する(ST10)。
そして、ST11で、制御装置40は、動作制御信号を停止させる信号を重機制御システム11cへ送信して、クレーン10を通常のモードで動作可能にする。
そしてST12で制御装置40は、クレーン10による作業が終了したかを判断する。これは、クレーン10の電源がオフになったかを検知すればよい。ST12で制御装置40が、クレーン10による作業が終了したと判断した場合(YES)、処理を終了する。ST12で制御装置40が、クレーン10による作業が終了していないと判断した場合(NO)、ST2に戻り、上記した各処理ステップを繰り返す。
なお、ST8、ST9において、携帯報知手段60により近接作業員K'に対して警告を報知したにもかかわらず、近接作業員K'が所定の領域(N又はM)から一定時間経過しても立ち退かない場合には、報知部63は記憶部64に記憶されている音及び振動パターンの最大レベルによる報知を行うようにしてもよい。
上記してきたように本実施形態の重機接触事故防止システム1は、所定の領域(N又はM)に進入した近接作業員K'には、自身が携帯する携帯報知手段60に直接警告を報知する構成としたので、重機との接触事故を未然に且つ効果的に防ぐことができる。また、所定の領域(N又はM)内における近接作業員K'とアンテナとの距離や滞在時間に応じて、近接作業員K'に対する警告方法が変化するため、近接作業員K'に危険度を素早く且つ確実に認識させることができる。
また、従来のように近接作業員K'を検知したオペレータが直接注意を喚起することが必要なくなるため、重機と作業員との距離が大きく離れるような大型の重機などにも積極的に実施できる。
加えて、所定の領域(N又はM)内における近接作業員K'とアンテナとの距離や滞在時間に応じて、重機(クレーン10)の動作を制御させるか否かを判断し、動作制御が必要な場合に、適切な動作制御が自動的に行われるようにしたので、近接作業員K'と重機との接触事故を確実に防止できる。
(変形例)
図4に、本発明の実施形態に係る重機接触事故防止システム1の異なる実施形態を示した。図4は、複数のクレーン10を有するフローティングドックFDに実施した重機接触事故防止システム1'を示した。
図示例では2基のクレーン10が配置されているが、2基以上であってもよい。ここでは図示上右側に配置されたクレーンを10Rと記載し、左側に配置されたクレーンを10Lと記載する。クレーン10Rには、図1、図2と同様の第1アンテナ20R、第2アンテナ30R、制御装置40R、報知手段50Rが搭載されている。クレーン10Lにも、同様に第1アンテナ20L、第2アンテナ30L、制御装置40L、報知手段50Lが搭載されている。
したがって、クレーン10Rには危険領域である所定の領域NR又はMRが設定され、クレーン10Lには危険領域である所定の領域NL又はMLが設定されており、互いに異なるエリアの所定の領域を有している。
また、2基のクレーン10R、10Lが動作するエリア内で作業する作業員Kは、それぞれ上記した携帯報知手段60を携帯している。
上記のような構成の場合、制御装置40Rは、各作業員Kがクレーン10Rの所定の領域NR又はMR内に進入した際に、また制御装置40Lは、各作業員Kがクレーン10Lの所定の領域NL又はMLに進入した際に、それぞれ警告情報を送信して近接作業員K'へ警告を報知させることが望ましい。つまり、作業員Kは、制御装置40Rと制御装置40Lの双方から共通の監視対象として認識されていることが望ましい。これは、予め各作業員KのIDタグデータ(作業員データを含む)と、制御装置40Rと制御装置40Lの各IDタグデータとをそれぞれ関連付けしたデータを各記憶部64R、64Lへ記憶させておくことにより実現できる。なお、近接作業員K'の近接情報を取得した制御装置40が、自身と同じクレーン10に搭載されている報知手段50に警告情報を送信させるが、他のクレーン10に搭載された報知手段50に無線などにより警告情報を送信させることがあってよい。
上記したように、本実施形態の重機接触事故防止システム1'は、複数の重機が並設される大きな作業現場であっても、重機毎に設定される所定の領域内に進入した近接作業員K'に確実に警告を報知させて、重機との接触事故を未然に防ぐことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
1、1'重機接触事故防止システム
10 クレーン
11 上部旋回体
12 ブーム
13 荷役用ロープ
14 ブーム起伏用ロープ
20 第1アンテナ
21 受信部
22 送信部
30 第2アンテナ
31 受信部
32 送信部
40 制御部
41 受信部
42 送信部
43 入力部
44 処理部
45 記憶部
50 報知手段
51 受信部
52 報知部
53 記憶部
60 携帯報知手段
61 送信部
62 受信部
63 報知部
64 記憶部
K 作業員
K' 近接作業員
FD フローティングドック

Claims (7)

  1. 少なくともブームと上部旋回体を有する重機と、作業現場において前記重機に近接する近接作業員が所定の領域内に進入した際に、前記近接作業員の近接情報に基づき生成される警告情報をオペレータへ報知すると共に、前記近接作業員に前記警告情報を報知する重機接触事故防止システムであって、
    前記近接作業員が携帯する少なくともタグ情報に基づく前記近接情報を発信する送信部と、前記警告情報を受信する受信部と、受信した前記警告情報を報知する報知部とを有する携帯報知手段と、
    前記重機の前記ブーム又は前記上部旋回体のブーム取付位置近傍に設けられる第1アンテナと、
    前記重機の前記上部旋回体の前記ブームの取付位置と反対側に設けられる第2アンテナと、
    前記第1アンテナ及び前記第2アンテナと電気的に接続され、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが前記携帯報知手段から受信した前記近接情報を取得すると、前記警告情報を前記重機に取付けられた報知手段へ送信すると共に、前記警告情報を前記第1アンテナ又は前記第2アンテナを介して前記携帯報知手段へ送信する制御装置と、を有し、
    前記第1アンテナは、指向性を有するアンテナであり、前記ブームの直下位置における前記所定の領域内に進入した前記近接作業員の前記近接情報を前記携帯報知手段から受信し、受信した前記近接情報を前記制御装置に送信するものであり、
    前記ブームは、その基端が水平方向に延在する支軸を介して前記上部旋回体に起伏可能に支持されており、
    前記第1アンテナの指向性の方向が、前記上部旋回体の前方、かつ、前記ブームの下方であり、
    前記第2アンテナは、無指向性で且つ前記第1アンテナより狭い受信可能領域を有するアンテナであり、
    前記第2アンテナの前記受信可能領域は、前記上部旋回体の後方側に設けられ、
    前記第2アンテナの前記受信可能領域の最大径は、前記第1アンテナの受信可能領域の最大距離より小さい、
    ことを特徴とする重機接触事故防止システム。
  2. 前記重機は、フローティングドックに配置されるクレーンであり、
    前記フローティングドックでは、前記近接作業員が作業する底部が、前記クレーンの設置位置より低い、
    請求項1に記載の重機接触事故防止システム。
  3. 前記制御装置は、
    前記所定の領域内における前記携帯報知手段の位置から前記第1アンテナ又は前記第2アンテナまでの距離、及び前記携帯報知手段の前記所定の領域内における滞在時間を算出し、
    送信する前記警告情報を、前記距離又は前記滞在時間に応じて変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の重機接触事故防止システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記第1アンテナ及び前記第2アンテナから前記近接情報を取得すると、前記距離又は前記滞在時間から前記重機の動作を制御させるか否かを判断し、
    前記重機の動作を制御させる必要がある場合には、動作制御信号を前記重機に搭載された重機制御システムへ送信することを特徴とする請求項に記載の重機接触事故防止システム。
  5. 前記携帯報知手段は、
    前記警告情報を音と振動と光、又は音と振動と光の何れか二又は何れか一により前記近接作業員に報知することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の重機接触事故防止システム。
  6. 前記携帯報知手段は、
    前記距離又は前記滞在時間により変化された前記警告情報に基づいて、音と振動と光、又は音と振動と光の何れか二又は何れか一の報知パターンを変化させて前記近接作業員に報知することを特徴とする請求項に記載の重機接触事故防止システム。
  7. 前記第1アンテナ、前記第2アンテナ、前記制御装置、及び前記報知手段が複数の前記重機に対してそれぞれ設置され、
    複数の前記制御装置と前記携帯報知手段とが送受信可能に関連付けがなされており、
    複数の前記制御装置は、
    複数の前記重機に亘って前記近接作業員の前記近接情報を取得し、前記警告情報を前記所定の領域内に進入された前記重機の前記報知手段へ送信すると共に、前記警告情報を該当する前記近接作業員の前記携帯報知手段へ送信することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の重機接触事故防止システム。
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