JP5009139B2 - 作業機械周りの作業員検知方法及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は作業機械周りの作業員検知方法及びシステムに関し、とくにブームやアーム等の可動腕部材を有する作業機械とその周囲の作業員との接近を検知する方法及びシステムに関する。
ブルドーザ・油圧ショベル(バックホウ)・移動式クレーン等の建設・土木機械(以下、作業機械ということがある)を用いる建築・土木工事現場(以下、作業現場ということがある)では、現場の安全向上を図るうえで建設機械の作業に伴う事故の防止、とくに作業機械と作業員との接触事故を防止することが重要な課題となっている。作業機械はオペレータが目視により周囲に十分注意を払いながら運転操作しているが、オペレータの目視確認による安全確認のみでは所謂ヒューマンエラー(死角の作業員の安全確認不足等)が避けられず、作業機械と作業員が接触したり作業機械と既設の構造物・設備等との間に作業員が挟まれたりする事故が発生している。
従来から、オペレータの目視確認を支援・援助してヒューマンエラーを防止するため、例えば特許文献1が開示するように、作業機械と周囲の作業員との間隔距離を検出する赤外線センサ、光センサ、超音波送受信機等の検出手段を作業機械に取り付け、その検出距離に応じて作業機械を停止させ又は作業機械のオペレータに警報を通知するシステムが提案されている。ただし、赤外線センサ、光センサ、超音波送受信機等の検出手段は周囲の環境の影響(太陽光や風、電磁ノイズ等)によって誤動作が生じやすく、オペレータの目視確認を支援・援助するには信頼性に欠けるという問題点がある。
これに対し特許文献2〜4は、無線通信により非接触でID信号を読み取るRFID(Radio Frequency IDentification;無線周波数識別)通信技術を用いて作業機械周囲の作業員を検出するシステムを提案している。例えば特許文献4は、作業現場の作業員にアンテナ及びIC回路を内蔵したアクティブ型RFIDタグ(ICタグ)を携帯させると共に作業機械上にアンテナ付き受信装置を取り付け、RFIDタグから例えば0.2秒間隔で断続的にID信号を発信させ、受信装置で受信したID信号に応じた警報(ID信号に応じて異なる色又は音の警報)を作業機械のオペレータに通知する警報装置を開示している。電池を搭載したアクティブ型のRFIDタグを用いたシステムによれば、作業機械の作業範囲である5〜20m程度のID信号の通信が可能であり、タグ毎に固有のID信号を検出することで周囲環境の影響も小さく抑えることができるので、赤外線センサ、光センサ、超音波送受信機等を用いたシステムに比して作業機械周囲へ接近する作業員の検出の信頼性を高めることが期待できる。
特開平09−099807号公報 特開2003−168174号公報 特開2005−346228号公報 特開2007−120110号公報
しかし、従来のRFIDタグを用いた作業員検出システムは、ブームやアーム等の可動腕部材を有する作業機械に適用した場合に、作業機械へ近付く方向によって作業員の検出距離にバラツキが生じる問題点がある。例えば図1に示すような前方に可動腕部材3を有する作業機械(図示例ではバックホウ)1に適用した場合は、振動・揺動する可動腕部材3に受信アンテナを取り付けることは困難であり、可動腕部材3を支える本体部2(運転席4を含む)に受信アンテナを取り付けざるを得ない。特許文献2〜4の作業員検出システムでは、作業機械1の本体部2上に取り付けた単独又は複数の受信アンテナによって作業機械1の周囲のあらゆる方向の作業員を検出することを想定しているが、本発明者の実験によれば、作業機械1の前方から近付く作業員(RFIDタグ)と本体部2上の受信アンテナとの間に金属製の可動腕部材3が存在する場合は、その可動腕部材3の電波反射の影響により検出距離が低下してしまう。
図9(A)は、図1の可動腕部材3付き作業機械1の本体部2の前方側(腕部材側)A及び後方側(腕部材と反対側)Gにそれぞれ単独の無指向性アンテナを取り付け、通信距離7.5mに設定したRFIDタグを携帯させた作業員10を作業機械1の中心に向けて遠方から放射方向に接近させ、前方側A及び後方側Gの2つの無指向性アンテナの何れかによって最初にID信号が検知される位置(初期検知距離)を接近方向毎に計測した実験の結果(レーダーチャート)を示す。図中の符号A〜Lは作業機械1の中心に対する作業員10の接近方向を表し、図中の数値(%)は設定通信距離に対する初期検出距離の割合(=初期検出距離/設定通信距離×100)を接近方向毎に表している。図示例のレーダーチャートから分かるように、作業員10が作業機械1の後方側(腕部材と反対側)Gから接近した場合は、左右により多少のバラツキはあるもののほぼ設定通信距離7.5m(≒100%)においてID信号を検知できるが、作業員10が作業機械1の前方側(腕部材側)Aから接近した場合は、設定通信距離7.5mの50%(≒3.7m)に近付いてもID信号を検知することができず、前方側Aの腕部材3の影響によって作業員10の検出距離が著しく低下してしまう。
また図9(B)は、同図(A)と同じ作業機械1の本体部2の前方側A及び後方側Gにそれぞれ2つの無指向性アンテナを取り付け、4つの無指向性アンテナによって同図(A)と同様にRFIDタグを携帯させた作業員10の初期検知距離を接近方向毎に計測した実験結果のレーダーチャートを示す。同図のレーダーチャートは、たとえ無指向性アンテナの数を増やしても作業機械1の前方側(腕部材側)Aの初期検出距離を十分に伸ばすことはできず、作業員10の検出距離のバラツキを抑えることができないことを示している。RFIDタグの通信距離を長くして前方側(腕部材側)の検出距離を伸ばすことも考えられるが、この場合は逆に後方側(腕部材と反対側)Gの検出距離が大きくなり過ぎてしまう。RFIDタグを用いた作業員検出システムをオペレータの支援ツールとして有効に活用するためには、作業員10の接近する方向による検出距離のバラツキをできるだけ小さく抑え、作業機械1の中心に対して円形に近い受信範囲(例えば作業機械1の中心から半径5〜15mの範囲)で作業員10を検出できることが望ましい。
そこで本発明の目的は、接近方向による検出距離のバラツキを小さく抑えた腕部材付き建設機械周囲の作業員検知方法及びシステムを提供することにある。
図1の実施例を参照するに、本発明による作業機械周りの作業員検知方法は、作業現場9で稼動する可動腕部材3付き作業機械1の本体部2に無指向性アンテナ17(図3参照)と共に腕部材3側へ向けた指向性アンテナ14(図2参照)を取り付け、作業現場9内の作業員10にID信号を発信するアクティブ型RFIDタグ11(図4参照)を保持させ、無指向性アンテナ17及び指向性アンテナ14の何れかのID信号の受信により作業機械1の周囲に近付く作業員10を検知してなるものである。
また、図1の実施例及び図5のブロック図を参照するに、本発明による作業機械周りの作業員検知システムは、作業現場9で稼動する可動腕部材3付き作業機械1の本体部2に取り付ける無指向性アンテナ17(図3参照)、作業機械1の本体部2に腕部材3側へ向けて取り付ける指向性アンテナ14(図2参照)、作業現場9内の作業員10に保持させるアクティブ型RFIDタグ11(図4参照)、並びに無指向性アンテナ17及び指向性アンテナ14の何れかのID信号の受信に応じて検知信号を出力する検知装置20(図5参照)を備えてなるものである。
好ましくは、図1に示すように、作業機械1の本体部2の腕部材3の両側に、腕部材3側へ向けた一対の指向性アンテナ14a、14bを取り付ける。或いは、作業機械1の本体部2の異なる高さ部位に、腕部材3側へ向けた一対の指向性アンテナ14a、14bを取り付けてもよい。更に好ましくは、図4に示すように、作業員10に上下方向及び前後方向に向けた一対のアクティブ型RFIDタグ11a、11bを保持させる。
本発明による作業機械周りの作業員検知方法及びシステムは、作業現場9で稼動する可動腕部材3付き作業機械1の本体部2に無指向性アンテナ17と共に腕部材3側へ向けた指向性アンテナ14を取り付け、作業現場9内の作業員10に保持させたアクティブ型RFIDタグ11の発信するID信号を指向性アンテナ14及び無指向性アンテナ17の何れかで受信することによって作業機械1の周囲に近付く作業員10を検知するので、次の顕著な効果を奏する。
(イ)可動腕部材3の影響により無指向性アンテナ17の検出距離が低下する可動腕3側からのID信号を、腕部材3側へ向けた指向性アンテナ14によって検出することにより、腕部材3の影響による検出距離の低下を小さく抑えることができる。
(ロ)腕部材3の影響による検出距離のバラツキを小さく抑えることで、作業機械1の中心から円形に近い受信範囲を確保し、あらゆる方向からの作業員の接近を的確に検知することが可能となる。
(ハ)必要に応じて作業機械1の腕部材3の両側に一対の指向性アンテナ14a、14bを取り付けることにより、腕部材3の影響による検出距離の低下を更に小さく抑えることができる。
(ニ)また、一対の指向性アンテナ14a、14bを作業機械1の異なる高さ部位に取り付けることにより、作業員10の身長や姿勢(立ち姿勢又はしゃがみ姿勢等)による検出距離の低下を小さく抑えることが期待できる。
(ホ)作業機械周りのあらゆる方向からの作業員の接近を的確に検知することにより、作業機械のオペレータの支援ツールとして有効活用が期待できる。
図1は、本発明の検知システムを作業現場9で稼動する可動腕部材3付き作業機械1に適用した実施例を示す。図示例の作業機械1は、駆動部8上に旋回台6を介して載置された本体部2と、その本体部2に一端が支持された可動腕部材3とを有する一般的な油圧ショベルである。可動腕部材3は、上げ下げ可能なブームとそのブームに支持された曲げ伸ばし可能なアームとを備え、そのアームの先端に取り付けたアタッチメント(図示例ではバケット)に応じて様々な作業に対応できる。また本体部2は運転席4とカウンターウェイト5とを備え、駆動部8により作業現場9の任意場所へ移動させ、旋回台6により駆動部8上で360度旋回させることができる。図示例の作業機械1は、旋回台6の中心から本体部2の後方側(腕部材と反対側)Gの端縁までの長さL2が約3.5m、本体部2の高さH1が約3.21m、ブームの先端から本体部2の後方側(腕部材と反対側)Gの端縁までの長さL1が約11.14mのものである。以下、図示例を参照して本発明の検知システムを説明するが、本発明の適用可能な作業機械1は図示例に限定されるものではなく、本発明は可動腕部材3を有する作業機械1に広く適用可能である。
本発明の検知システムは、作業機械1の本体部2に取り付ける無指向性アンテナ17及び指向性アンテナ14と、作業現場9内の作業員10に保持させるアクティブ型RFIDタグ11と、無指向性アンテナ17及び指向性アンテナ14の何れかのID信号の受信に応じて検知信号を出力する検知装置(制御ユニット)20とを有する。指向性アンテナ14は、主に前方側(腕部材3側)から接近する作業員10(RFIDタグ11)を検出できるように、作業機械1の本体部2上の前方が臨める部位(腕部材3により電波が遮蔽されない部位)に腕部材3側へ向けて取り付ける。また無指向性アンテナ17は、機体により電波が遮蔽されない本体部2上の任意部位に取り付けることができるが、主に後方側(腕部材と反対側)G及び側方側から接近する作業員10(RFIDタグ11)を検出できるように、例えば作業機械1の本体部2上の後方側の角部に取り付ける。何れのアンテナ14、17も、作業機械1の外周縁より極力はみ出さないように、且つ、作業機械1のオペレータの視界を極力遮らないように取り付けることが望ましい。
図2は、指向性アンテナ14の一例として、正面方向の指向性が強い円偏波平面アンテナを示す。図9を参照して上述したように、本体部2上に取り付けた無指向性アンテナ17だけでは可動腕部材3の影響によって前方側(腕部材側)Aから接近する作業員10(RFIDタグ11)の検出距離が低下してしまうが、腕部材3側へ向けた指向性アンテナ14を併用することにより、可動腕部材3の影響を極力小さく抑えて前方側からのID信号の感度(利得)を高め、作業機械1の中心周りにほぼ円形に近い受信範囲を形成することができる(後述の実験例1及び実験例2参照)。ただし、本発明で用いる指向性アンテナ14は平面アンテナに限定されず、上述したオペレータの障害等とならない形状であればパラボラアンテナや漏洩ケーブルアンテナを用いてもよい。図示例の指向性アンテナ14は、アンテナケーブル15及び接続端子15aを介して検知装置20に接続する。
例えば図1に示すように、指向性アンテナ14を、本体部2の運転席4の天井に設けた取り付け台16上に鉛直方向に対して角度θ(例えば15度程度)だけ下方に向けて取り付けることにより、設定通信距離(例えば7.5m程度)だけ離れた前方の作業員10(RFIDタグ11)に視準させる。或いは、本体部2の異なる高さ部位にそれぞれ指向性アンテナ14a、14bを取り付け、作業員10の身長や姿勢(立ち姿勢又はしゃがみ姿勢等)に応じて、一対の指向性アンテナ14a、14bを異なる高さに視準させてもよい。なお、本発明では作業機械1の前方側全体がカバーできる単独の指向性アンテナ14を用いれば足りるが、図1のように本体部2の中央に可動腕部材3が配置されている場合は、腕部材3の両側に取り付けた一対の指向性アンテナ14a、14bによって腕部材3の両側前方をカバーすることができる。またこの場合は、一対の指向性アンテナ14a、14bを異なる高さ部位に取り付けることが望ましい。
図3は、無指向性アンテナ17の一例として、本体部2に鉛直向きに取り付けるダイポールアンテナを示す。図9(A)及び(B)の比較から分かるように単独の無指向性アンテナ17では作業機械1の左右における検知距離にバラツキが生じうるため、例えば図1に示すように、作業機械1の本体部2の後方側(腕部材と反対側)Gの左右角部に設けた取り付け台座19上にそれぞれ鉛直向きに無指向性アンテナ17a、17bを取り付け、一対の無指向性アンテナ17a、17bによって後方側(腕部材と反対側)G及び左右両側から接近する作業員10(RFIDタグ11)の検出距離のバラツキをなくすことが望ましい。図示例の無指向性アンテナ17も、アンテナケーブル18及び接続端子18aを介して検知装置20に接続する。
図5は、指向性アンテナ14及び無指向性アンテナ17に接続する検知装置20の一例のブロック図を示す。図示例の検知装置20は、電源スイッチ24aを投入することにより、例えば作業機械1のバッテリー7から電力が供給されて電源ランプ24を点灯し、コンバータ23を介して受信回路(レシーバ)21、22、リレー25a、26a、28に電力が供給される。通常は電源スイッチ24aをON状態とし、検知装置20を作業機械1のエンジンと連動させることができる。受信回路21は、一対の入力端子15bを介して指向性アンテナ14a、14bと接続され、指向性アンテナ14a、14bの何れかによるID信号の受信に応じてリレー28を駆動して検知信号を出力させると共にリレー25aを駆動して作動ランプ25を点灯させる。また受信回路22は、一対の入力端子18bを介して無指向性アンテナ17a、17bと接続され、無指向性アンテナ17a、17bの何れかによるID信号の受信に応じてリレー28を駆動して検知信号を出力させると共にリレー26aを駆動して作動ランプ26を点灯させる。指向性アンテナ14及び無指向性アンテナ17は、それぞれ複数であっても単独であってもよい。
図示例の検知装置20によれば、指向性アンテナ14及び無指向性アンテナ17によって作業機械1の中心周りに形成された受信範囲に作業員10(RFIDタグ11)が進入したときに、リレー28を駆動して検知信号を出力することができる。また、アンテナ14、17の何れか一方のアンテナによるID信号の受信が消滅しても、他方のアンテナによりID信号が受信されていれば、検知信号の出力を継続することができる。図1の実施例では、検知装置20を作業機械1の運転席4に設置すると共に、検知装置20の検知信号出力端子に接続された警報装置30を運転席4の視認しやすい場所に設置し、警報装置30によって運転席4のオペレータに作業機械1周りへの作業員10の接近を感知させている。警報装置30は、従来技術に属する適当な装置を使用することができるが、作業中でも容易に警報を確認できるように、例えば特許文献4と同様に検知信号に応じて発音及び発光する警報装置(パトライト等)とすることができる。
[実験例1]
本発明の検知システムによる検出距離のバラツキを確認するため、図1に示す可動腕部材3付き作業機械1の本体部2の前方側A(運転席4の天井)に単独の指向性アンテナ14aを取り付けると共に、本体部2の後方側G(運転席4の後方)に単独の無指向性アンテナ17aを取り付け、図9の実験と同様に通信距離7.5mに設定したRFIDタグ11を携帯させた作業員10を作業機械1の中心に向けて遠方から放射方向に接近させ、前方側Aの指向性アンテナ14及び後方側Gの無指向性アンテナ17の何れかによって最初にID信号が検知される位置(初期検知距離)を接近方向毎に計測する実験を行なった。RFIDタグ11は、作業機械1に向けて近付く作業員10のヘルメットの上部に取り付けた。この実験結果を図6のレーダーチャートに示す。
図6のレーダーチャートは、指向性アンテナ14aから見て腕部材3の反対側前方の初期検出距離にバラツキが残っているものの、図9のレーダーチャートとの比較から分かるように、指向性アンテナ14aの前方側から接近する作業員10のID信号をほぼ設定通信距離7.5m(≒100%)において検知できることを示している。すなわち、作業機械1の本体部2に腕部材3側へ向けた指向性アンテナ1を取り付けることにより、可動腕部材3の影響を小さく抑えて前方側からのID信号の感度(利得)を高め、検出距離のバラツキを小さく抑えられることが確認できた。なお、作業機械1の後方における検出距離のバラツキは、本体部2の後方側Gに一対の無指向性アンテナ17a、17bを取り付けることで抑えることが期待できる(後述の実験例2参照)。
こうして本発明の目的である「接近方向による検出距離のバラツキを小さく抑えた腕部材付き建設機械周囲の作業員検知方法及びシステム」の提供を達成できる。
図4は、作業員10に上下方向及び前後方向の一対のアクティブ型RFIDタグ11a、11bを保持させる実施例を示す。図9のレーダーチャートに示すように、作業機械1への接近方向による検出距離のバラツキは、腕部材3の影響のある作業機械1の前方だけでなく、腕部材3の影響の小さい作業機械1の後方においても生じている。この作業機械1の後方における検出距離のバラツキは、無指向性アンテナ17として使用したダイポールアンテナが垂直偏波であるため、RFIDタグ11の向きによって無指向性アンテナ17との偏波のズレが生じて受信しにくい方向が生じたことが原因と考えられる。作業員10に方向の異なる一対のRFIDタグ11a、11bを保持させ、無指向性アンテナ17に対応できる面を増やすことにより、RFIDタグ11と無指向性アンテナ17との偏波のズレによる検出距離のバラツキを減らすことが期待できる。
図示例では、作業員10の装着するヘルメット12の正面及び右側面に、それぞれ上下方向及び前後方向のアクティブ型RFIDタグ11a、11bを取り付けている。図示例のようにヘルメット12にRFIDタグ11a、11bを取り付ければ、たとえ作業員10及びヘルメット12が作業機械1に対して左右上下に動いたときでも、RFIDタグ11の偏波の偏りを小さく抑えることができる。各RFIDタグ11の設定通信距離は作業機械1の旋回範囲等を考慮して適当に設定できるが、あまり大きくすると接近検知の信頼性が損なわれるので、例えば5〜15m、好ましくは5〜10m程度とすることが望ましい。
[実験例2]
図4のように一対のRFIDタグ11a、11bを取り付けたヘルメット12を作業員10に装着した場合の検出距離のバラツキを確認するため、実験例1と同様にヘルメット12を装着した作業員10を作業機械1の中心に向けて遠方から放射方向に接近させ、作業機械1上の前方側Aの指向性アンテナ14及び後方側Gの無指向性アンテナ17の何れかによる初期検知距離を接近方向毎に計測する実験を行なった。本実験では、図1に示すように可動腕部材3付き作業機械1の本体部2の前方側A(運転席4の天井及び本体部2の前方側ステップ2a)に一対の指向性アンテナ14a、14bを取り付けると共に、本体部2の後方側G(本体部2の後方の左右角部)に一対の無指向性アンテナ17a、17bを取り付け、一対の指向性アンテナ14a、14b及び一対の無指向性アンテナ17a、17bによりヘルメット12から発信されるID信号を検出した。指向性アンテナ14a、14bは、図1(C)に示すように、作業員10の姿勢に応じた異なる高さ(地面から約170cm及び約80cm上方)を視準するように取り付けられている。RFIDタグ11a、11bの通信距離はそれぞれ7.5mに設定した。この実験結果を図7及び図8のレーダーチャートに示す。
図7は、作業員10が立ち姿勢で作業機械1に接近したときの接近方向毎の初期検知距離を表したレーダーチャートを示し、図8は作業員10が座り姿勢で作業機械1に接近したときの接近方向毎の初期検知距離を表したレーダーチャートを示している。両図から分かるように、作業員10が立ち姿勢又は座り姿勢の何れであっても、前方側Aの指向性アンテナ14a、14b及び後方側Gの無指向性アンテナ17a、17bの何れかによって設定通信距離7.5m(≒100%)においてID信号を検知することができ、作業機械1の中心周りに円形に近い受信範囲が形成されることを確認できた。すなわち、本実験例のように、一対のRFIDタグ11a、11bを作業員10に保持させると共に、作業機械1に前方側Aの指向性アンテナ14a、14b及び後方側Gの無指向性アンテナ17a、17bを取り付けることにより、作業機械周りのあらゆる方向からの作業員の接近をバラツキなく検知することが可能となり、オペレータの支援ツールとして有効に活用できる作業員検出システムを実現できる。
本発明による検知システムの一実施例の説明図である。 本発明で用いる指向性アンテナの一例の説明図である。 本発明で用いる無指向性アンテナの一例の説明図である。 作業員に保持させるアクティブ型RFIDタグの一例の説明図である。 本発明で用いる検知装置の一例の説明図である。 本発明の検知システムによる接近方向毎の作業員検出距離を示す実験結果の一例である。 本発明の検知システムによる接近方向毎の作業員検出距離を示す実験結果の他の一例である。 本発明の検知システムによる接近方向毎の作業員検出距離を示す実験結果の更に他の一例である。 従来のRFIDタグを用いた検知システムによる接近方向毎の作業員検出距離を示す実験結果の一例である。
符号の説明
1…作業機械 2…本体部
2a…ステップ 3…可動腕部材
3a…アタッチメント 4…運転席
5…カウンターウェイト 6…旋回台
7…バッテリー 8…駆動部
9…作業現場
10…作業員 11…RFIDタグ
12…ヘルメット 14…指向性アンテナ
15…アンテナケーブル 16…取り付け台
17…無指向性アンテナ 18…アンテナケーブル
19…取り付け台座
20…検知装置 21…受信回路(レシーバー)
22…受信回路(レシーバー) 23…コンバータ
24…電源ランプ 24a…スイッチ
25…作動ランプ 25a…リレー
26…作動ランプ 26a…リレー
27…フューズ 28…リレー
30…警報装置

Claims (8)

  1. 作業現場で稼動する可動腕部材付き作業機械の本体部に無指向性アンテナと共に腕部材側へ向けた指向性アンテナを取り付け、前記作業現場内の作業員にID信号を発信するアクティブ型RFIDタグを保持させ、前記無指向性アンテナ及び指向性アンテナの何れかのID信号の受信により作業機械の周囲に近付く作業員を検知してなる作業機械周りの作業員検知方法。
  2. 請求項1の検知方法において、前記作業機械の本体部の腕部材両側部位に腕部材側へ向けた一対の指向性アンテナを取り付けてなる作業機械周りの作業員検知方法。
  3. 請求項1又は2の検知方法において、前記作業機械の本体部の異なる高さ部位に腕部材側へ向けた一対の指向性アンテナを取り付けてなる作業機械周りの作業員検知方法。
  4. 請求項1から3の何れかの検知方法において、前記作業員に上下方向及び前後方向に向けた一対のアクティブ型RFIDタグを保持させてなる作業機械周りの作業員検知方法。
  5. 作業現場で稼動する可動腕部材付き作業機械の本体部に取り付ける無指向性アンテナ、前記作業機械の本体部に腕部材側へ向けて取り付ける指向性アンテナ、前記作業現場内の作業員に保持させるアクティブ型RFIDタグ、並びに前記無指向性アンテナ及び指向性アンテナの何れかのID信号の受信に応じて検知信号を出力する検知装置を備えてなる作業機械周りの作業員検知システム。
  6. 請求項5の検知システムにおいて、前記指向性アンテナを、前記作業機械の本体部の腕部材両側部位に腕部材側へ向けて取り付ける一対のアンテナとしてなる作業機械周りの作業員検知システム。
  7. 請求項5又は6の検知システムにおいて、前記指向性アンテナを、前記作業機械の本体部の異なる高さ部位に腕部材側へ向けて取り付ける一対のアンテナとしてなる作業機械周りの作業員検知システム。
  8. 請求項5から7の何れかの検知システムにおいて、前記アクティブ型RFIDタグを、前記作業員のヘルメットに上下方向及び前後方向に向けて取り付ける一対のタグとしてなる作業機械周りの作業員検知システム。
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