本発明のペプチド誘導体は、以下の一般式(I)で示されることを特徴としている。
[式中、Xは、酸素原子又はNRを表し、Yは、NH
2、N(Me)H、SH、OH又は任意の一つの水素原子がNH
2若しくはOHで置換されたフェニル基を表し、Rは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。但し、Xが、NHであり、Yが、NH
2である誘導体、及び、Xが、NHであり、Yが、N(Me)Hである誘導体を除く。]
本明細書で使用する次の用語は、特に断りがない限り、下記の定義のとおりである。
「任意の一つの水素原子がNH2若しくはOHで置換されたフェニル基」とは、2−−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、4−アミノフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基又は4−ヒドロキシフェニル基を意味する。
「炭素数1〜3のアルキル基」とは、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基を意味する。
上記の一般式(I)で示されるペプチド誘導体の好ましい化合物の具体例を表1に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に記載される化合物は、その薬理学的に許容される塩も包含する。
上記の一般式(I)で示されるペプチド誘導体(以下、ペプチド誘導体(I))が、配座異性体、回転異性体、互変異性体、光学異性体、ジアステレオマー又はエピマー等を含有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物もペプチド誘導体(I)に包含される。さらに、ペプチド誘導体(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体もペプチド誘導体(I)に包含される。
ペプチド誘導体(I)の立体配置は、以下の式(II)であることが好ましい。
また、本発明は、ペプチド誘導体(I)のプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩が含まれる。ペプチド誘導体(I)のプロドラッグとは、生体内で酵素的又は化学的に、ペプチド誘導体(I)に変換される化合物である。ペプチド誘導体(I)のプロドラッグの活性本体は、ペプチド誘導体(I)であるが、ペプチド誘導体(I)のプロドラッグそのものが活性を有していてもよい。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグとしては、例えば、ペプチド誘導体(I)のヒドロキシ基が、エステル化、カルボネート化、カルバメート化、アルキル化、リン酸化又はホウ酸化された化合物が挙げられる。これらの化合物は、公知の方法に従って、ペプチド誘導体(I)又はその合成中間体から合成することができる。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグとしては、例えば、ペプチド誘導体(I)のアミノ基が、カルバメート化又はアミド化された化合物が挙げられる。これらの化合物は、公知の方法に従って、ペプチド誘導体(I)又はその合成中間体から合成することができる。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグとしては、例えば、ペプチド誘導体(I)のスルフヒドリル基が、ジスルフィド結合を形成した化合物が挙げられる。これらの化合物は、公知の方法に従って、ペプチド誘導体(I)又はその合成中間体から合成することができる。
上記のペプチド誘導体(I)のプロドラッグの具体例を表2に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表2に記載される化合物は、その塩も包含する。
表2中、Qは、公知の方法(例えば、Ellen M. Slettenら、Angewante Chimie International Edition、2009年、第48巻、p.6974―6998、Greg T.Hermanson.,「Bioconjugate Technique」、Elsevier社、Xi Chemら、Organic & Biomolecular Chemistry、2016年、第14巻、p.5417―5439)又はそれに準ずる方法で複合化可能な官能基(例えば、マレイミド基、カルボキシル基、活性化されたカルボキシル基、カルボニル基、アミノオキシ基、ヒドラジド基、ジアゾ基、アルキン基又はヒドロキシ基)を表し、Jは、存在しない又はスペーサーを表し、A1、A2及びA3はアミノ酸を表し、Zは、水素原子又はメチル基を表し、それ以外の記号は上記定義に同じである。
「スペーサー」とは、ペプチド誘導体(I)又はペプチド誘導体(I)のプロドラッグとQを繋ぐ構造を表し、例えば、直鎖若しくは分岐した炭素数1〜12のアルキル基、−C(=O)N(Z)−若しくは−N(Z)C(=O)−、PEG、ジスルフィド結合又はこれらの組み合わせで構成された構造が挙げられ、これらの組み合わせで構成された構造が好ましい。
「直鎖若しくは分岐した炭素数1〜12のアルキル基」とは、例えば、−(CH2)n−、−CH(Me)−、−C(Me)2−、−(CH2)oCH(Me)−、−CH(Me)(CH2)o−、−(CH2)pC(Me)2−又は−C(Me)2(CH2)p−が挙げられる。nは、1〜12の整数を表し、oは、1〜10の整数を表し、pは、1〜9の整数を表す。
「PEG」は、−(CH2CH2O)m−の繰返し構造で表される数平均分子量200〜2,000の直鎖のポリエチレングリコールを表し、mは、5〜45の整数を表す。
本明細書において、アミノ酸等を略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Biochemical Nomenclature による略号若しくは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特記しない限り、明示しなければL体を示すものとする(例えば、「Lys」はL体のLys)。また、「D−」と示される場合はD体を示し(例えば、「D−Lys」はD体のLys)、「DL−」と示される場合はD体及びL体のラセミ体を示すものとする(例えば、「DL−Lys」はD体のLys及びL体のLysのラセミ体)。
「アミノ酸」は、DL−Ala、DL−Arg、DL−Asn、DL−Asp、DL−Cit、DL−Cys、DL−Gln、DL−Glu、DL−Gly、DL−His、DL−Ile、DL−Leu、DL−Lys、DL−Met、DL−Phe、DL−Pro、DL−Ser、DL−Thr、DL−Trp、DL−Tyr又はDL−Valからいずれか一つが選ばれるが、A1が、Lysであり、A2及びA3は、存在しない、A1が、Cit若しくはLysであり、A2が、Val若しくはPheであり、A3は、存在しない、又は、A1が、Aspであり、A2及びA3が、Alaであることが好ましい。
表2中記載のA1は、フェニル基のNHとカルボニル末端で結合しており、A1、A2及びA3は、それぞれアミド結合を介して主鎖で結合している。
表2中の番号6に記載のペプチド誘導体(I)のプロドラッグの好ましい構造を、表3に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表3に記載される化合物は、その塩も包含する。
表3中、Alk1及びAlk2は、それぞれ独立して、直鎖又は分岐した炭素数1〜12のアルキル基を表し、Eは、存在しない又は−C(=O)N(Z)−若しくは−N(Z)C(=O)−を表し、それ以外の記号は上記定義に同じである。
表3に記載のペプチド誘導体(I)のプロドラッグは、Alk1が、−(CH2)2−であることがより好ましく、Xが、NRであり、Alk1が、−(CH2)2−であり、Eが、−N(Z)C(=O)−であり、PEGが、−(CH2CH2O)12−であり、Qが、マレイミド基であることがさらに好ましいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表2中の番号8に記載のペプチド誘導体(I)のプロドラッグは、Jが、−Alk1−E−Alk2−又は−Alk1−E−PEG−(CH2)2−E−Alk2−であることが好ましく、Jが、−(CH2)2−N(Z)C(=O)−Alk2−又は−(CH2)2−N(Z)C(=O)−(CH2CH2O)12−(CH2)2−N(Z)C(=O)−Alk2−であり、Qがマレイミド基であることがさらに好ましいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表2中の番号9〜11に記載のペプチド誘導体(I)のプロドラッグは、Jが、−C(=O)−Alk1−、−C(=O)−PEG−(CH2)2−E−Alk1−又は−C(=O)−Alk1−E−PEG−(CH2)2−E−Alk1−であることが好ましく、Jが、−C(=O)−(CH2)n−、−C(=O)−PEG−(CH2)2−E−(CH2)n−又は−C(=O)−(CH2)n−E−PEG−(CH2)2−E−(CH2)n−であり、A1が、Cit又はLysであり、A2が、Val又はPheであり、A3は、存在せず、Qがマレイミド基又はアミノオキシ基であることがより好ましいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、ペプチド誘導体(I)のプロドラッグは、公知文献(「医薬品の開発」、広川書店、1990年、第7巻、p.163〜198及びProgress in Medicine、第5巻、1985年、p.2157〜2161)に記載の生理的条件で、ペプチド誘導体(I)に変化するものであってもよい。
ペプチド誘導体(I)は、同位元素で標識されていてもよく、標識される同位元素としては、例えば、2H、3H、13C、14C、15N、15O、17O、18O及び/又は125Iが挙げられる。
ペプチド誘導体(I)の「薬理学的に許容される塩」としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩若しくはリン酸塩等の無機酸塩又はシュウ酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、グルタル酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩若しくはケイ皮酸塩等の有機酸塩が挙げられるが、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩又はメタンスルホン酸塩が好ましい。
ペプチド誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩は、無水物であってもよいし、水和物等の溶媒和物を形成していても構わない。ここで溶媒和物としては、薬理学的に許容される溶媒和物が好ましい。薬理学的に許容される溶媒和物は、水和物又は非水和物のいずれであっても構わないが、水和物が好ましい。溶媒和物を構成する溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール若しくはn−プロパノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又は水が挙げられる。
ペプチド誘導体(I)は、その基本骨格や置換基の種類に由来する特徴に基づいた適切な方法で製造することができる。なお、これらの化合物の製造に使用する出発物質と試薬は一般に購入することができるか又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法で製造することができる。
ペプチド誘導体(I)並びにその製造に使用する中間体及び出発物質は、公知の手段によって単離精製することができる。単離精製のための公知の手段としては、例えば、溶媒抽出、再結晶又はクロマトグラフィーが挙げられる。
ペプチド誘導体(I)が、光学異性体又は立体異性体を含有する場合には、公知の方法により、それぞれの異性体を単一化合物として得ることができる。公知の方法としては、例えば、結晶化、酵素分割又はキラルクロマトグラフィーが挙げられる。
以下に記載する製造方法の各反応において、原料化合物がヒドロキシ基、アミノ基、スルフヒドリル基又はカルボキシル基を有する場合、これらの基に保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて保護基を脱保護することにより目的化合物を得ることができる。
ヒドロキシ基の保護基としては、例えば、トリチル基、テトラヒドロピラニル基、炭素数7〜10のアラルキル基(例えば、ベンジル基)又は置換シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基)が挙げられる。
アミノ基の保護基としては、例えば、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基(例えば、アセチル基)、ベンゾイル基、炭素数2〜8のアルキルオキシカルボニル基(例えば、tert−ブトキシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニル基)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えば、ベンジル基)又はフタロイル基が挙げられる。
スルフヒドリル基の保護基としては、例えば、トリチル基、2−メルカプトピリジル基又は2−メルカプト−5−ニトロピリジル基が挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基又はtert−ブチル基)又は炭素数7〜10アラルキル基(例えば、ベンジル基)が挙げられる。
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
ペプチド誘導体(I)は、例えば、スキーム1に示すように、保護されたペプチド誘導体(III)の脱保護反応により得ることができる。
[式中、PGは、保護基を表し、XがNRの場合、Yは、NH
2又はSHを表し、Y’はNH又はSを表す。Xが酸素原子の場合、Yは、NH
2、SH、OH又は任意の一つの水素原子がNH
2若しくはOHで置換されたフェニル基を表し、Y’はNH、S、O又は任意の一つの水素原子がNH又はOで置換されたフェニル基を表す。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
保護されたペプチド誘導体(III)は、例えば、スキーム2に示すように、カルボン酸誘導体(IV)と求核剤(V)との縮合反応により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
縮合反応に用いる求核剤(V)の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.5〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、クロロギ酸エチル、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(IV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
求核剤(V)は、購入することができるか又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法により合成することができる。
また、ペプチド誘導体(I)は、例えば、スキーム3に示すように、カルボン酸誘導体(IV)と求核剤(VI)との縮合反応により得ることもできる。
[式中、Xは、NRを表し、Yは、OH又は任意の一つの水素原子がNH
2若しくはOHで置換されたフェニル基を表し、その他の記号は、上記定義に同じである。]
縮合反応に用いる求核剤(VI)の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.5〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート又は1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファートが挙げられるが、クロロギ酸エチル又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(IV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
求核剤(VI)は、購入することができるか又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法により合成することができる。
カルボン酸誘導体(IV)は、例えば、スキーム4に示すように、エステル誘導体(VII)の脱保護反応により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
エステル誘導体(VII)は、公知の方法又はそれに準ずる方法で合成することができる。
保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)は、例えば、スキーム5に示すように、フェノール誘導体(I−a)と求電子剤(VIII−a)又は(VIII−b)との縮合反応により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
縮合反応に用いる求電子剤(VIII−a)又は(VIII−b)の量は、フェノール誘導体(I−a)に対して0.5〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン若しくはピリジン等の有機塩基が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、フェノール誘導体(I−a)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるフェノール誘導体(I−a)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
求電子剤(VIII−a)又は(VIII−b)は、公知のアミン誘導体又はカルボン酸誘導体から公知の方法又はそれに準ずる方法により合成又は反応系中で発生させることができる。
保護されたポリエチレングリコール誘導体(XI)は、例えば、スキーム6に示すように、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)の脱保護反応とそれに続く、カルボン酸誘導体(X)との、塩基性から中性条件下でのカップリング反応(Gが、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基の場合)又は縮合反応(Gが、水素原子の場合)により得ることができる。
[式中、Gは、水素原子、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基を表し、それ以外の各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
カップリング反応又は縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(X)の量は、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)に対して0.5〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、塩基によって調整できる。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム若しくは水素化カルシウム等の水素化金属化合物、メチルリチウム若しくはブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド若しくはリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド又はそれらの混合物が挙げられるが、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
カップリング反応に用いる塩基の量は、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)に対して0.001〜10当量が好ましく、0.001〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、緩衝液によっても調整できる。用いる緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液又はトリス緩衝液が挙げられるが、pH7.0〜8.0の緩衝液が好ましい。
カップリング反応に用いる緩衝液の濃度は、10mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カップリング反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
カップリング反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
カップリング反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
カップリング反応に用いるカルボン酸誘導体(X)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(X)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(X)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(X)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カルボン酸誘導体(X)は、購入することができるか又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法により合成することができる。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグ(XIII)は、例えば、スキーム7に示すように、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)の脱保護反応とそれに続く、カルボン酸誘導体(XII)との、塩基性から中性条件下でのカップリング反応(Gが、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基の場合)又は縮合反応(Gが、水素原子の場合)により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
カップリング反応又は縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XII)の量は、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)に対して0.5〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、塩基によって調整できる。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム若しくは水素化カルシウム等の水素化金属化合物、メチルリチウム若しくはブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド若しくはリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド又はそれらの混合物が挙げられるが、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
カップリング反応に用いる塩基の量は、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)に対して0.001〜10当量が好ましく、0.001〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、緩衝液によっても調整できる。用いる緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液又はトリス緩衝液が挙げられるが、pH7.0〜8.0の緩衝液が好ましい。
カップリング反応に用いる緩衝液の濃度は、10mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カップリング反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
カップリング反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
カップリング反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
カップリング反応に用いるカルボン酸誘導体(XII)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(XII)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(XII)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XII)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カルボン酸誘導体(XII)は、購入することができるか又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法により合成することができる。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグ(XIII)は、例えば、スキーム8に示すように、保護されたポリエチレングリコール誘導体(XI)の脱保護反応とそれに続く、カルボン酸誘導体(XIV)との、塩基性から中性条件下でのカップリング反応(Gが、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基の場合)又は縮合反応(Gが、水素原子の場合)により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
カップリング反応又は縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の量は、保護されたポリエチレングリコール誘導体(XI)に対して0.5〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、塩基によって調整できる。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム若しくは水素化カルシウム等の水素化金属化合物、メチルリチウム若しくはブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド若しくはリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド又はそれらの混合物が挙げられるが、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
カップリング反応に用いる塩基の量は、保護されたポリエチレングリコール誘導体(XI)に対して0.001〜10当量が好ましく、0.001〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、緩衝液によっても調整できる。用いる緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液又はトリス緩衝液が挙げられるが、pH7.0〜8.0の緩衝液が好ましい。
カップリング反応に用いる緩衝液の濃度は、10mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カップリング反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
カップリング反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
カップリング反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
カップリング反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(XIV)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(XIV)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カルボン酸誘導体(XIV)は、購入することができるか又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法により合成することができる。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグ(XV)は、例えば、スキーム9に示すように、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)の脱保護反応とそれに続く、カルボン酸誘導体(XIV)との、塩基性から中性条件下でのカップリング反応(Gが、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基の場合)又は縮合反応(Gが、水素原子の場合)により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
カップリング反応又は縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の量は、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)に対して0.5〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、塩基によって調整できる。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム若しくは水素化カルシウム等の水素化金属化合物、メチルリチウム若しくはブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド若しくはリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド又はそれらの混合物が挙げられるが、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
カップリング反応に用いる塩基の量は、保護されたフェノキシカルバメート誘導体(IX)に対して0.001〜10当量が好ましく、0.001〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、緩衝液によっても調整できる。用いる緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液又はトリス緩衝液が挙げられるが、pH7.0〜8.0の緩衝液が好ましい。
カップリング反応に用いる緩衝液の濃度は、10mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カップリング反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
カップリング反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
カップリング反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
カップリング反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(XIV)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(XIV)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
ジスルフィド誘導体(XVII)は、例えば、スキーム10に示すように、カルボン酸誘導体(IV)と求核剤(XVI)との縮合反応により得ることができる。
[式中、Wは、2−メルカプトピリジル基、2−メルカプト−5−ニトロピリジル基又は‐Alk
1−N(Z)(PG)を表し、その他の記号は、上記定義に同じである。]
縮合反応に用いる求核剤(XVI)の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.5〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、クロロギ酸エチル、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(IV)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(IV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
求核剤(XVI)は、購入することができるか又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法により合成することができる。
保護されたポリエチレングリコール誘導体(XVIII)は、例えば、スキーム11に示すように、ジスルフィド誘導体(XVII−a)の脱保護反応とそれに続く、カルボン酸誘導体(X)との、塩基性から中性条件下でのカップリング反応(Gが、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基の場合)又は縮合反応(Gが、水素原子の場合)により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
カップリング反応又は縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(X)の量は、ジスルフィド誘導体(XVII−a)に対して0.5〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、塩基によって調整できる。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム若しくは水素化カルシウム等の水素化金属化合物、メチルリチウム若しくはブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド若しくはリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド又はそれらの混合物が挙げられるが、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
カップリング反応に用いる塩基の量は、ジスルフィド誘導体(XVII−a)に対して0.001〜10当量が好ましく、0.001〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、緩衝液によっても調整できる。用いる緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液又はトリス緩衝液が挙げられるが、pH7.0〜8.0の緩衝液が好ましい。
カップリング反応に用いる緩衝液の濃度は、10mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カップリング反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
カップリング反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
カップリング反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
カップリング反応に用いるカルボン酸誘導体(X)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(X)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(X)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(X)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグ(XIX)は、例えば、スキーム12に示すように、ジスルフィド誘導体(XVII−a)の脱保護反応とそれに続く、カルボン酸誘導体(XII)との、塩基性から中性条件下でのカップリング反応(Gが、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基の場合)又は縮合反応(Gが、水素原子の場合)により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
カップリング反応又は縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XII)の量は、ジスルフィド誘導体(XVII−a)に対して0.5〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、塩基によって調整できる。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム若しくは水素化カルシウム等の水素化金属化合物、メチルリチウム若しくはブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド若しくはリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド又はそれらの混合物が挙げられるが、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
カップリング反応に用いる塩基の量は、ジスルフィド誘導体(XVII−a)に対して0.001〜10当量が好ましく、0.001〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、緩衝液によっても調整できる。用いる緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液又はトリス緩衝液が挙げられるが、pH7.0〜8.0の緩衝液が好ましい。
カップリング反応に用いる緩衝液の濃度は、10mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カップリング反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
カップリング反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
カップリング反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
カップリング反応に用いるカルボン酸誘導体(XII)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(XII)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(XII)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XII)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグ(XIX)は、例えば、スキーム13に示すように、保護されたポリエチレングリコール誘導体(XVIII)の脱保護反応とそれに続く、カルボン酸誘導体(XIV)との、塩基性から中性条件下でのカップリング反応(Gが、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基の場合)又は縮合反応(Gが、水素原子の場合)により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
カップリング反応又は縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の量は、保護されたポリエチレングリコール誘導体(XVIII)に対して0.5〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、塩基によって調整できる。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム若しくは水素化カルシウム等の水素化金属化合物、メチルリチウム若しくはブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド若しくはリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド又はそれらの混合物が挙げられるが、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
カップリング反応に用いる塩基の量は、保護されたポリエチレングリコール誘導体(XVII)に対して0.001〜10当量が好ましく、0.001〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、緩衝液によっても調整できる。用いる緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液又はトリス緩衝液が挙げられるが、pH7.0〜8.0の緩衝液が好ましい。
カップリング反応に用いる緩衝液の濃度は、10mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カップリング反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
カップリング反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
カップリング反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
カップリング反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(XIV)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(XIV)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
ペプチド誘導体(I)のプロドラッグ(XX)は、例えば、スキーム14に示すように、ジスルフィド誘導体(XVII−a)の脱保護反応とそれに続く、カルボン酸誘導体(XIV)との、塩基性から中性条件下でのカップリング反応(Gが、スクシンイミジル基又はp−ニトロフェニル基の場合)又は縮合反応(Gが、水素原子の場合)により得ることができる。
[式中、各記号は、上記定義に同じである。]
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
カップリング反応又は縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の量は、ジスルフィド誘導体(XVII−a)に対して0.5〜10当量が好ましく、0.5〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、塩基によって調整できる。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム若しくは水素化カルシウム等の水素化金属化合物、メチルリチウム若しくはブチルリチウム等のアルキルリチウム、リチウムヘキサメチルジシラジド若しくはリチウムジイソプロピルアミド等のリチウムアミド又はそれらの混合物が挙げられるが、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン若しくはジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
カップリング反応に用いる塩基の量は、ジスルフィド誘導体(XVII−a)に対して0.001〜10当量が好ましく、0.001〜4当量がより好ましい。
カップリング反応のpHは、緩衝液によっても調整できる。用いる緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液又はトリス緩衝液が挙げられるが、pH7.0〜8.0の緩衝液が好ましい。
カップリング反応に用いる緩衝液の濃度は、10mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
カップリング反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
カップリング反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
カップリング反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
カップリング反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド、クロロギ酸エチル、オキサリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート又は2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物が挙げられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド若しくは塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミド又はヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムが好ましい。
縮合反応に用いる縮合剤の量は、カルボン酸誘導体(XIV)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.3〜30当量がより好ましい。
縮合反応に用いる反応溶媒としては、用いる試薬の種類に応じて適宜選択されるが、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン若しくは1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル若しくは酢酸プロピル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリル等のニトリル系溶媒又はそれらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン若しくはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。
縮合反応は、所望により塩基を用いてもよい。用いる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が挙げられるが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン若しくはピリジン等の有機塩基又はそれらの混合物が好ましい。
縮合反応に用いる塩基の量は、カルボン酸誘導体(XIV)に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
縮合反応の反応温度は、−40℃〜200℃が好ましく、−20℃〜150℃がより好ましい。
縮合反応の反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、30分間〜30時間が好ましい。
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(XIV)の反応開始時の濃度は、1mmol/L〜1mol/Lが好ましい。
また、本発明の複合体は、ペプチド誘導体(I)と、ターゲッティングリガンド又はポリマーと、を含有することを特徴としている。
「ターゲッティングリガンド」とは、ペプチド誘導体(I)を含む生理活性化合物を特定の細胞へと輸送するための物質のことであり、例えば、抗原結合性タンパク質、サイトカイン又は低分子リガンドが挙げられる。
「抗原結合性タンパク質」とは、細胞表面に存在する特定のタンパク質に結合する性質を有するタンパク質のことであり、例えば、免疫グロブリン分子、単鎖抗体、scFv、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、Diabody、Tribody、Affibody、Affilin、Anticalins、Atrimer、Avimer、Bicyclie peptide、Cys−knot、DARPin、FN3、Fynomer、Kunitz domain又はOBodyが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「サイトカイン」とは、インターロイキン、ケモカイン、インターフェロン、細胞増殖因子、細胞傷害因子又はそれらの改変タンパク質等のことであり、例えば、インターロイキン−2、インターロイキン−2融合タンパク質、インターロイキン−3、インターロイキン−4,インターロイキン−6、インターロイキン−8,インターロイキン−12、インターロイキン−17、CCL1から28、CXCL1から17、XCL1、XCL2、CX3CL1インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンω、インターフェロンτ、コンセンサスインターフェロン、顆粒求コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、CD−40リガンド、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、インスリン様成長因子(IGF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、神経成長因子(NGF)、血小板誘導成長因子、組織成長因子、形質転換成長因子−1、血管内皮細胞増殖因子、白血病阻害因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、単球化学誘引タンパク質−1又は内皮細胞増殖因子が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「低分子リガンド」とは、細胞表面に存在する特定のタンパク質に結合する性質を有する分子量が1000未満の有機化合物又はペプチド誘導体のことであり、例えば、ビオチン、葉酸、インテグリン阻害薬、cRGD、RGD、PSMA阻害剤又はVEGF阻害剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「ポリマー」とは、一定の繰返し構造で構成された数平均分子量が1000〜1000000の高分子有機化合物のことであり、例えば、ポリエチレングリコール、ポリグルタミン酸、ポリアミノ酸又は多糖類が挙げられ、ポリエチレングリコール又はポリグルタミン酸であることが好ましく、数平均分子量が20000〜100000であるポリエチレングリコール又は数平均分子量が20000〜100000であるポリグルタミン酸がより好ましい。
上記の抗原結合性タンパク質、サイトカイン及びペプチド誘導体は、例えば、それらの化学合成体、それらの組換え体、それらの天然物、それらのグリコシル化された又は非グリコシル化された形態、それらに非天然アミノ酸が導入された形態、それらに酸化若しくは還元等の化学反応又は酵素反応により官能基(例えば、アルデヒド基又はスルフヒドリル基)が導入された形態及びそれらの生物活性断片も包含する。
「非天然アミノ酸」とは、天然に存在し、タンパク質を構成するアミノ酸(天然アミノ酸)には含まれないアミノ酸であって、天然に存在するか又は化学合成によって製造されたアミノ酸、すなわち、天然に存在し、タンパク質を構成しないアミノ酸、天然アミノ酸を化学修飾したアミノ酸又は天然アミノ酸には含まれないアミノ酸であって、化学合成によって製造されたアミノ酸等を意味する。具体例としては、D−アミノ酸、シトルリン、オルニチン、(S)−2−アミノ−3−(3−メチル−3H−ジアジリン−3−イル)プロパン酸((S)−2−amino−3−(3−methyl−3H−diazirin−3−yl)propanoic acid、フォト−L−ロイシンとも言う)、(S)−2−アミノ−4−(3−メチル−3H−ジアジリン−3−イル)ブタン酸((S)−2−amino−4−(3−methyl−3H−diazirin−3−yl)butanoic acid、フォト−L−メチオニンとも言う)、(S)−3−(4−アセチルフェニル)−2−アミノプロパン酸((S)−3−(4−acetylphenyl)−2−aminopropanoic acid、4−アセチル−L−フェニルアラニンとも言う)又は(S)−2−アミノ−3−(4−アジドフェニル)プロパン酸((S)−2−amino−3−(4−azidophenyl)propanoic acid、4−アジド−L−フェニルアラニンとも言う)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記の低分子リガンドは、適宜、その類似物、その誘導体、そのアゴニスト、そのアンタゴニスト、その阻害物質、その異性体等も包含する。
「複合体」とは、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグと、上記ターゲッティングリガンドと、を含む物質、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグと、上記ポリマーと、を含む物質、又は、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグと、上記ターゲッティングリガンド及び上記ポリマーと、を含む物質(以下、総称してペプチド誘導体(I)を含む複合体)のことであり、それぞれが直接結合しているか又は他の物質(以下、リンカー)を介して間接的に結合している。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体としては、例えば、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグと免疫グロブリン分子とが直接結合しているか又はリンカーを介して間接的に結合している抗体医薬複合体が挙げられる。
また、ペプチド誘導体(I)を含む複合体としては、例えば、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグと低分子リガンドとが直接結合しているか又はリンカーを介して間接的に結合している低分子医薬複合体が挙げられる。
また、ペプチド誘導体(I)を含む複合体としては、例えば、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグと上記ポリマーとが直接結合しているか又はリンカーを介して間接的に結合しているポリマー医薬複合体が挙げられる。
また、ペプチド誘導体(I)を含む複合体としては、例えば、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグに、それぞれが独立して、上記ポリマーと上記ターゲッティングリガンドとが直接結合しているか又はリンカーを介して間接的に結合している物質が挙げられる。
また、ペプチド誘導体(I)を含む複合体としては、例えば、上記ポリマーに、それぞれが独立して、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグと上記ターゲッティングリガンドとが直接結合しているか又はリンカーを介して間接的に結合している物質が挙げられる。
また、ペプチド誘導体(I)を含む複合体としては、例えば、上記ターゲッティングリガンドに、それぞれが独立して、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグと上記ポリマーとが直接結合しているか又はリンカーを介して間接的に結合している物質が挙げられる。
「ペプチド誘導体(I)を含む」とは、ペプチド誘導体(I)又はそのプロドラッグが、公知の方法(例えば、Ellen M. Slettenら、Angewante Chimie International Edition、2009年、第48巻、p.6974―6998、Greg T.Hermanson.,「Bioconjugate Technique」、Elsevier社、Xi Chemら、Organic & Biomolecular Chemistry、2016年、第14巻、p.5417―5439)又はそれに準ずる方法によって、上記ターゲッティングリガンド及び/又は上記ポリマーと共有結合によって直接結合しているか又はリンカーを介して間接的に結合していることを意味する。当該共有結合の具体例としては、例えば、マレイミド基へのスルフヒドリル基の付加による結合、ジスルフィド結合、アミノ基若しくはヒドロキシ基とカルボキシル基との縮合による結合、アルキン基とアジド基のクリック反応による結合、アミノオキシ基とカルボニル基の縮合による結合又はジアゾ基とフェノール基のエン型反応による結合が挙げられ、マレイミド基へのスルフヒドリル基の付加による結合、ジスルフィド結合、アミノ基若しくはヒドロキシ基とカルボキシル基との縮合による結合又はアミノオキシ基とカルボニル基の縮合による結合が好ましいが、これらに限定されるものではない。
「リンカー」とは、ペプチド誘導体(I)又はそのプロドラッグ、上記ターゲッティングリガンド及び上記ポリマーと官能基(例えば、マレイミド基、カルボキシル基、活性化されたカルボキシル基、カルボニル基、アミノオキシ基、ヒドラジド基、ジアゾ基、アルキン基又はヒドロキシ基)を有する化合物との反応によって得られた構造のことを意味する。それらの官能基を有する化合物としては、例えば、N−スクシンイミジル4−(マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(SMCC)、スルホスクシイミジル−4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(Sulfo−SMCC)、N−スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシ−(6−アミドカプロエート)(LC−SMCC)、κ−マレイミドウンデカン酸N−スクシンイミジルエステル(KMUA)、γ−マレイミド酪酸N−スクシンイミジルエステル(GMBS)、ε−マレイミドカプロン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(EMCS)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、N−(α−マレイミドアセトキシ)−スクシンイミドエステル(AMAS)、スクシンイミジル−6−(β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH)、N−スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)−ブチレート(SMPB)、およびN−(p−マレイミドフェニル)イソシアネート(PMPI)、N−スクシンイミジル4(2−ピリジルチオ)ペンタノエート(SPP)、N−スクシンイミジル(4−イオド−アセチル)アミノ安息香酸エステル(SIAB)、6−マレイミドカプロイル(MC)、マレイミドプロパノイル(MP)、p−アミノベンジルオキシカルボンイル(PAB)及びN−スクシンイミジル4(2−ピリジルチオ)ブタノエート(SPDB)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、上記に挙げたリンカーをそれぞれ適時組み合わせて使用してもよい。
「細胞表面に存在する特定のタンパク質」とは、がん、自己免疫疾患又は感染症において、細胞表面での発現が増加するタンパク質のことであり、例えば、CD19、CD22、CD30、CD33、CD37、CD56、CD66e、CD70、CD74、CD79b、DLL−3、PSMA、GPNMB、Her2、CA6、CA9、Mesothelin、Nectin−4、SLC44A4、Cripto、葉酸受容体、STEAP−1、MUC16、NaPi2b、GCC、EGFRviii、5T4、TROP−2、LIV−1、SLITRK6、Tissue Factor、Guanylyl Cyclase C、CEACAM5、インテグリン受容体、インターロイキン受容体、PSMA、ケモカイン受容体、インターフェロン受容体、細胞増殖因子受容体又は細胞傷害因子受容体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体の薬理学的に許容される塩としては、例えば、上記のペプチド誘導体(I)の薬理学的に許容される塩と同様の塩が挙げられる。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体又はその薬理学的に許容される塩は、無水物であってもよいし、水和物等の溶媒和物を形成していても構わない。ここで溶媒和物としては、薬理学的に許容される溶媒和物が好ましい。薬理学的に許容される溶媒和物は、水和物又は非水和物のいずれであっても構わないが、水和物が好ましい。溶媒和物を構成する溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール若しくはn−プロパノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又は水が挙げられる。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体の具体例を表4に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表4に記載される化合物は、その薬理学的に許容される塩も包含する。
表4中、rは、1〜50の整数を表し、Lは、ターゲッティングリガンド、ポリマー、又は、ポリマー及びターゲッティングリガンドを表し、それ以外の記号は上記定義に同じである。
表4中の番号6に記載の複合体の好ましい例を以下の一般式(XXI)で示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
[式中、A
4はアミノ酸を表し、それ以外の記号は上記定義に同じである。]
A4は、左側(アミノ基と結合する側)がカルボニル末端であり、右側(カルボニル基と結合する側)がアミノ末端である。また、A4がLys,Glu及びAspである場合は、側鎖のアミノ基やカルボキシル基から結合していてもよい。
上記の一般式(XXI)で示される複合体は、Xが、NRであり、Alk1が、−(CH2)2−であり、PEGが、−(CH2CH2O)12−であり、A4が、主鎖で結合したGluであることがより好ましく、Xが、NRであり、R及びZが、メチル基であり、Alk1及びAlk2が、−(CH2)2−であり、PEGが、−(CH2CH2O)12−であり、A4が、主鎖で結合したGluであることがさらに好ましい。
表4中の番号8に記載の複合体の好ましい例を以下の一般式(XXII)で示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
[式中、各記号は上記定義に同じである。]
上記の一般式(XXII)で示される複合体は、Xが、N(Me)であり、Alk1が、−(CH2)2−であり、PEGが、−(CH2CH2O)12−であり、A4が、主鎖で結合したGluであることがより好ましく、Xが、N(Me)であり、Zが、メチル基であり、Alk1及びAlk2が、−(CH2)2−であり、PEGが、−(CH2CH2O)12−であり、A4が、主鎖で結合したGluであることがより好ましい。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体は、その基本骨格や置換基の種類に由来する特徴に基づいた適切な方法で製造することができる。なお、これらの化合物の製造に使用する出発物質と試薬は一般に購入することができるか又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法で製造することができる。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体並びにその製造に使用する中間体及び出発物質は、公知の手段によって単離精製することができる。単離精製のための公知の手段としては、例えば、溶媒抽出、再結晶又はクロマトグラフィーが挙げられる。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体が、光学異性体又は立体異性体を含有する場合には、公知の方法により、それぞれの異性体を単一化合物として得ることができる。公知の方法としては、例えば、結晶化、酵素分割又はキラルクロマトグラフィーが挙げられる。
上記の一般式(XXI)で示される複合体の立体配置は、以下の式(XXIII)であることが好ましい。
上記の一般式(XXII)で示される複合体の立体配置は、以下の式(XXIV)であることが好ましい。
以下に記載する製造方法において、原料化合物がヒドロキシ基、アミノ基、スルフヒドリル基又はカルボキシル基を有する場合、これらの基に保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて保護基を脱保護することにより目的化合物を得ることができる。
ヒドロキシ基の保護基としては、例えば、トリチル基、テトラヒドロピラニル基、炭素数7〜10のアラルキル基(例えば、ベンジル基)又は置換シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基)が挙げられる。
アミノ基の保護基としては、例えば、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基(例えば、アセチル基)、ベンゾイル基、炭素数2〜8のアルキルオキシカルボニル基(例えば、tert−ブトキシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニル基)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えば、ベンジル基)又はフタロイル基が挙げられる。
スルフヒドリル基の保護基としては、例えば、トリチル基、2−メルカプトピリジル基又は2−メルカプト−5−ニトロピリジル基が挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基又はtert−ブチル基)又は炭素数7〜10アラルキル基(例えば、ベンジル基)が挙げられる。
保護基の脱保護は、保護基の種類によって異なるが、公知の方法(例えば、Greene,T.W.,「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience社)又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体は、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグ又はそれらの塩と、上記のターゲッティングリガンド及び/若しくは上記のポリマー又はそれらの塩と、を公知の方法(例えば、Ellen M. Slettenら、Angewante Chimie International Edition、2009年、第48巻、p.6974―6998、Greg T.Hermanson.,「Bioconjugate Technique」、Elsevier社、Xi Chemら、Organic & Biomolecular Chemistry、2016年、第14巻、p.5417―5439)又はそれに準ずる方法で、直接的に又はリンカーを介して間接的に複合化することにより得ることができる。
ペプチド誘導体(I)を含む複合体は、同位元素で標識されていてもよく、標識される同位元素としては、例えば、2H、3H、13C、14C、15N、15O、17O、18O及び/又は125Iが挙げられる。
上記の複合化に用いる、ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグ、上記ターゲッティングリガンド又は上記ポリマーの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩若しくはリン酸塩等の無機酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、グルタル酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩若しくはケイ皮酸塩等の有機酸塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルエチルアミン塩、エタノールアミン塩、モルホリン塩、ピペリジン塩若しくはジシクロヘキシルアミン塩等の有機塩基との塩、アルギニン若しくはリジン等の塩基性アミノ酸との塩又はリチウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩若しくは亜鉛塩等の無機塩基との塩が挙げられる。
ペプチド誘導体(I)若しくはそのプロドラッグ、上記ターゲッティングリガンド又は上記ポリマーの塩は、無水物であってもよいし、水和物等の溶媒和物を形成していても構わない。溶媒和物を構成する溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール若しくはn−プロパノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又は水等が挙げられる。
また、本発明の細胞毒性剤は、ペプチド誘導体(I)若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ペプチド誘導体(I)を含む複合体若しくはその薬理学的に許容される塩、を有効成分として含有することを特徴としている。
「細胞毒性剤」とは、細胞機能を障害する若しくは細胞増殖を阻害することによって細胞死を引き起こす化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する組成物を意味する。
また、「細胞毒性剤」には、細胞機能を障害する若しくは細胞増殖を阻害することによって細胞死を引き起こす化合物又はそのプロドラッグと、上記のターゲッティングリガンド又は上記のポリマーと、を含む複合体又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する組成物も含まれる。
ペプチド誘導体(I)若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ペプチド誘導体(I)を含む複合体若しくはその薬理学的に許容される塩は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ウシ、ヒツジ又はヒト)、特にヒトに対して投与した場合に、有用な細胞毒性剤として用いることができる。
ペプチド誘導体(I)若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ペプチド誘導体(I)を含む複合体若しくはその薬理学的に許容される塩は、そのままあるいは薬理学的に許容される担体を配合し、細胞毒性剤として上記の哺乳動物に経口的又は非経口的に投与することができる。
「非経口的な投与」としては、例えば、注射投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与、舌下投与又は直腸投与が挙げられ、注射投与が好ましい。
「注射投与」とは、注射又は点滴によって細胞毒性剤を全身又は局部的に投与することであり、投与する部位としては、例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下が挙げられる。
ペプチド誘導体(I)若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ペプチド誘導体(I)を含む複合体若しくはその薬理学的に許容される塩、を有効成分とする細胞毒性剤は、製剤技術分野で一般的に用いられている公知の方法(例えば、Remington’s Pharmaceutical Science, latest edition, Mark Publishing Company, Easton, U.S.A)により製造することができる。また、本発明の細胞毒性剤は、必要に応じて、製剤分野において通常用いられている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤、緩衝剤、等張化剤、流動性促進剤等の添加剤を適宜、適量含有させることができる。薬理学的に許容される担体としては、これらの添加剤が挙げられる。
ペプチド誘導体(I)若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ペプチド誘導体(I)を含む複合体若しくはその薬理学的に許容される塩、を有効成分とする細胞毒性剤は、当該作用メカニズムに基づき病態の改善又は症状の寛解が期待できる疾患、例えば、がん、自己免疫疾患又は感染症に対する治療薬として利用できる。
「がん」とは、制御されない異常な増殖を行なう細胞集団によって引き起こされる疾患であり、例えば、咽頭癌、喉頭癌、舌癌、非小細胞肺癌、乳癌、食道癌、胃癌、大腸癌、子宮癌、子宮内膜癌、卵巣癌、肝臓癌、膵臓癌、胆嚢癌、胆管癌、腎臓癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、悪性黒色腫、甲状腺癌、神経骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、繊維肉腫、神経膠腫、白血病や悪性リンパ腫、神経芽細胞種、骨髄腫又は脳腫瘍が挙げられる。
「自己免疫疾患」とは、生体内の物質又は細胞に対する異常な免疫応答によって引き起こされる疾患であり、例えば、活動性慢性肝炎、アディソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質症候群、関節炎、アトピー性アレルギー、ベーチェット病、心筋症、セリアック病、コーガン症候群、寒冷凝血素症、クローン病、クッシング症候群、皮膚筋炎、円板状エリテマトーデス、紅斑、線維筋痛、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病、グレーブス病、ギラン-バレー症候群、橋本病、特発性副腎萎縮、特発性肺線維症、IgA腎症、炎症性腸疾患、インスリン依存性糖尿病、若年性関節炎、Lambert−Eaton筋無力症候群、扁平苔癬、ルポイド肝炎、狼瘡、リンパ球減少症、メニエール病、混合結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、悪性貧血、多内分泌腺機能低下症候群、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー現象、ライター症候群、関節リウマチ、シュミット症候群、強皮症、シェーグレン症候群、スティフマン症候群、交感性眼炎、全身性エリテマトーデス、高安動脈炎、側頭動脈炎、甲状腺亢進、B型インスリン抵抗性、I型糖尿病、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、白斑又はウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
「感染症」とは、細菌、真菌、病原性原虫、酵母又はウィルス等による感染によって引き起こされる疾患であり、その原因としては、例えば、ブドウ球菌、レンサ球菌、腸球菌、コリネバクテリウム、バシラス、リステリア、ペプトコッカス、ペプトストレプトコッカス、クロストリジウム、ユーバクテリウム、プロピオニバクテリウム、乳酸桿菌、ナイセリア、ブランハメラ、ヘモフィルス、ボルデテラ、大腸菌、シトロバクター、サルモネラ、赤痢菌、クレブシエラ菌、エンテロバクター、セラチア、ハフニア、プロテウス、モルガネラ、プロビデンシア、エルシニア、キャンピロバクター、ビブリオ、エロモナス、シュードモナス、キサントモナス、アシネトバクター、フラボバクテリウム、ブルセラ、レジオネラ、ベイロネラ、バクテロイデス、フゾバクテリウム、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、アスペルギルス、ワリプトコッカス、カンジダ、ムコール、スポロトリクム、皮膚糸状菌、マラリア原虫、赤痢アメーバ、膣トリコモナス、ニューモチスカリニ、エキノコックス、肺炎双球菌、インフルエンザ菌、結核菌、破傷風菌、アデノウィルス、ヘルペスウィルス、パピローマウィルス、エイズウィルス、フィロウィルス、日本脳炎ウィルス、狂犬病ウィルス、ポリオウィルス、ライノウィルス、インフルエンザウィルス、B型肝炎ウィルス又はC型肝炎ウィルスが挙げられる。
ペプチド誘導体(I)若しくはその薬理学的に許容される塩、又は、ペプチド誘導体(I)を含む複合体若しくはその薬理学的に許容される塩が細胞毒性を有することは、in vitro試験を用いて評価することができる。in vitro試験としては、例えば、化合物処置後の死細胞数又は生存細胞数を測定する、トリパンブルー色素排除法、乳酸脱水素酵素(LDH)活性法、[3H]チミジン取り込み法、プロピジウムイオダイド核染色法、MTT,MTS及びWST等の色素を用いる方法(Current Protocol in Toxicology, 2000年,2.6.1−2.6.27)又はCellTiter−Glow(Promega社製品)等を用いてATP量を測定する方法等が挙げられるが、化合物処置後の生細胞数をMTS法を用いて測定し、その時の細胞毒性の値を50%作用濃度(EC50)によって求める方法が好ましい。また、ペプチド誘導体(I)を含む複合体又はその薬理学的に許容される塩の細胞毒性の評価においては、一定時間化合物を含んだ培地で細胞を処置した後に、化合物を含まない培地へと変更し、更に一定時間培養を行なった後の生細胞数を測定する方法が好ましい(Bioconjugate Chemistry. 2014年, 第25巻, p.560?568)。in vitro試験には、ヒト卵巣がん細胞SKOV−3細胞、ヒト肺胞基底上皮腺がん細胞A549細胞、マウスリンパ球性白血球L1210細胞等が用いられる。
ペプチド誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の細胞膜の透過性は、in vitro細胞膜透過性評価方法を用いて測定することができる。in vitro細胞膜透過性評価方法としては、例えば、Caco−2やMadin−Darby canine kidney(MDCK)等の単層細胞膜系を用いる方法やフィルターに脂質等を保持した人工脂質膜を用いるParallel Artificial Membrane Permeation Assay(PAMPA)(特開2007−118003)等が挙げられる。より具体的には、ペプチド誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩の細胞膜の透過性を評価する方法としては、例えば、Pre−coated PAMPA PlateSystem(Corning)のDonor側からAcceptor側に透過した化合物量を定量し、計算により求める方法が挙げられる。透過した化合物量は、例えば、液体クロマトグラフ質量分析計(以下、LC/MS)、吸光度又は蛍光標識により定量する事ができる。
以下、実施例及び参考例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例化合物の合成に使用される化合物で合成法の記載のないものについては、市販又は公知の方法若しくはそれに準ずる方法で合成した化合物を使用した。NMRデータ中に示される溶媒名は、測定に使用した溶媒を示す。また、400MHzNMRスペクトルは、JNM−AL400型核磁気共鳴装置(日本電子社製)又はJNM−ECS400型核磁気共鳴装置(日本電子社製)を用いて測定した。ケミカルシフトは、テトラメチルシランを基準として、δ(単位:ppm)で表し、シグナルはそれぞれs(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(幅広)、dd(二重二重線)、dt(二重三重線)、ddd(二重二重二重線)、dq(二重四重線)又はtt(三重三重線)で表した。プロトンNMRスペクトルで、OHやNHプロトン等ブロードで確認できないものについてはデータに記載していない。分子量は、Agilent Technologies 1200 Series、6130A(アジレント・テクノロジー社製)(以下、LC/MS−1)又はAgilent Technologies 1260 Infinity II Series、6130B(アジレント・テクノロジー社製)(以下、LC/MS−2)を用いて、エレクトロスプレーイオン化(以下、ESI)法により測定した。精密質量分析(HRMS)は、NexeraX2、LCMS−IT−TOF質量分析計(島津製作所製)を用いて、ESIにより行なった。保持時間(以下、tR)は、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLC)により測定した。溶媒は全て市販のものを用いた。精製は、YFLC W−prep2XY(山善社製)を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、ハイフラッシュカラム シリカゲル(山善社製)を用い、アミンシリカゲルカラムクロマトグラフィーには、ハイフラッシュカラム アミノ(山善社製)を用い、ODSカラムには、ハイフラッシュカラム オクタデシルC18スタンダード(山善社製)を用いた。LC/MS−1、LC/MS−2及びHPLCの分析条件並びにODSカラムによる精製条件は後段に記す。以下の実施例及び参考例の記載中、以下の略号を用いる。
Trt:トリフェニルメチル基; Boc:tert−ブトキシカルボニル基; THP:テトラヒドロピラニル基。
(参考例1)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボン酸の合成:
2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボン酸エチル(15mg,0.017mmol)のエタノール(1.0mL)溶液に、1.0N水酸化ナトリウム(19μL、0.019mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。得られた反応液に1.0N塩酸(19μL)を加えた後、水で希釈してクロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮し、表題化合物(以下、参考例1の化合物)を白色固体(14mg,収率99%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.97(1H,s),7.70−7.42(1H,m),7.30−7.15(5H,m),7.13−7.09(1H,m),5.62−5.55(1H,m),4.87−4.67(2H,m),4.11−3.10(7H,m),3.32(3H×2,s),3.04(3H,s),2.70−2.28(4H,m),2.53(6H,s),2.19−2.06(2H,m),1.98−1.55(4H,m),1.40−1.20(1H,m),1.18−0.69(23H,m).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:829.(LC/MS−1)
(参考例2)2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(2−(トリチルチオ)エチル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成:
参考例1の化合物(25mg,0.030mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)溶液(0.5mL)にヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(以下、HATU)(17mg,0.045mmol)と2−(トリチルチオ)エタンアミン(15mg,0.045mmol)のDMF溶液(0.50mL)及びジイソプロピルエチルアミン(13μL,0.075mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/19)にて精製し、表題化合物(以下、参考例2の化合物)を白色固体(23mg,収率88%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.92(1H,s),7.45−7.13(20H,m),6.89(1H,d,J=9.1Hz),5.54−5.47(1H,m),4.87−4.73(2H,m),4.16−4.09(1H,m),4.08−4.03(1H,m),3.87(1H,d,J=8.6Hz),3.46−3.18(6H,m),3.33(3H,s),3.31(3H,s),3.03(3H,s),2.51(2H,t,J=6.6Hz),2.45−2.30(4H,m),2.25(6H,s),2.10−1.90(2H,m),1.81−1.55(4H,m),1.27−1.19(1H,m),1.10(3H,d,J=6.8Hz),1.07−0.89(17H,m),0.81(3H,t,J=7.5Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:1130.(LC/MS−1)
(実施例1)2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(2−メルカプトエチル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成:
参考例2の化合物(25mg,0.022mmol)に0.02Mトリエチルシラン含有トリフルオロ酢酸(以下、TFA)/ジクロロメタン(体積比1:1)溶液(4.5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液の溶媒を減圧下留去し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/9)にて精製し、表題化合物(以下、実施例1の化合物)を白色固体(18mg,収率92%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.97(1H,s),7.70(1H,t,J=6.1Hz),7.49(1H,brs),7.29−7.12(5H,m),6.90(1H,d,J=8.2Hz),5.54−5.48(1H,m),4.82−4.74(2H,m),4.14−4.03(2H,m),3.86(1H,d,J=7.7Hz),3.63(2H,q,J=6.5Hz),3.51−3.16(4H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.04(3H,s),2.81−2.74(2H,m),2.48−2.33(4H,m),2.25(6H,s),2.11−1.92(2H,m),1.85−1.60(4H,m),1.46(1H,t,J=8.6Hz),1.40−1.22(1H,m),1.10(3H,d,J=7.2Hz),1.05−0.90(17H,m),0.81(3H,t,J=7.5Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:888.(LC/MS−1)
(参考例3)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボン酸 2−(トリチルチオ)エチルの合成:
参考例1の化合物(39mg,0.047mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(以下、DMAP)(1.2mg,9.4μmol)、トリエチルアミン(14μL,0.10mmol)と2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(19mg,0.056mmol)を加え、室温で10分間撹拌した後、2−(トリチルチオ)エタノール(18mg,0.056mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。得られた反応液に水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→2/25)にて精製し、表題化合物(以下、参考例3の化合物)を白色固体(49mg,収率92%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:8.00(1H,s),7.44−7.40(6H,m),7.37(1H,d,J=7.8Hz),7.30−7.10(14H,m),6.90(1H,d,J=9.6Hz),5.55−5.46(1H,m),4.79(2H,t,J=48.0Hz),4.15−4.07(1H,m),4.11(2H,t,J=6.9Hz),4.05−4.00(1H,m),3.87(1H,d,J=7.8Hz),3.80−3.15(4H,m),3.32(3H,s),3.31(3H,s),3.02(3H,s),2.61(2H,t,J=6.9Hz),2.45−2.28(4H,m),2.24(6H,s),2.12−1.96(2H,m),1.90−1.50(4H,m),1.40−1.30(1H,m),1.09(3H,d,J=6.9Hz),1.03−0.89(17H,m),0.81(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:1131.(LC/MS−1)
(実施例2)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボン酸 2−メルカプトエチルの合成:
参考例2の化合物の代わりに参考例3の化合物を用いて、それ以外は実施例1と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、実施例2の化合物)を白色固体(32mg,収率83%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:8.07(1H,s),7.41(1H,brs),7.30−7.11(5H,m),6.90(1H,d,J=9.1Hz),5.55−5.49(1H,m),4.83−4.74(2H,m),4.47(2H,t,J=6.9Hz),4.13−3.11(7H,m),3.32(6H,s),3.03(3H,s),2.88(2H,t,J=6.9Hz),2.47−2.28(4H,m),2.24(6H,s),2.11−1.98(2H,m),1.98−1.55(4H,m),1.41−1.30(1H,m),1.10(3H,d,J=6.9Hz),1.05−0.91(17H,m),0.81(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:889.(LC/MS−1)
(参考例4)メチル(2−(トリチルチオ)エチル)カルバミン酸 tert−ブチルの合成:
(2−(トリチルチオ)エチル)カルバミン酸 tert−ブチル(550mg,1.3mmol)のDMF溶液(10ml)を氷冷し、水素化ナトリウム(55重量%鉱油分散物)(63mg,1.4mmol)を複数回に分けて加えた。15分間攪拌した後に、ヨウ素化メチル(0.087ml,1.4mmol)を加えて、室温に戻しながら一晩攪拌した。過剰量の酢酸エチルを加えた後に、飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0→4/1)にて精製し、表題化合物(以下、参考例4の化合物)を白色固体(420mg,収率96%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.42(d,J=8.2Hz,6H),7.29(t,J=7.5Hz,6H),7.21(t,J=7.3Hz,3H),3.03(t,J=7.5Hz,2H),2.60(brs,3H),2.33(brs,2H),1.40(s,9H).
MS m/z (ESI)[M+Na]
+:456.(LC/MS−1)
(参考例5)N−メチル−2−(トリチルチオ)エタン−1−アミンの合成:
参考例4(150mg,0.35mmol)のジクロロメタン溶液(4.0ml)に4Nの塩化水素−ジオキサン(3.0ml)を加え、室温で4時間撹拌した。反応溶液に過剰量の5体積%メタノール含有ジクロロメタンを加え、飽和炭酸水素ナトリウムを加えて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。表題化合物(以下、参考例5の化合物)を油状物質(15mg,収率40%)として得た。得られた油状物質を精製することなく次反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.44(dd,J=10.7,4.8Hz,6H),7.32−7.26(m,6H),7.24−7.19(m,3H),3.71(t,J=1.8Hz,1H),3.07(t,J=2.3Hz,1H),2.51(t,J=6.6Hz,1H),2.36(dd,J=11.2,4.8Hz,1H),2.29(t,J=1.8Hz,3H),1.50(s,2H).
MS m/z (ESI)[Trt]
+:243.(LC/MS−1)
(参考例6)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−メチル−N−(2−(トリチルチオ)エチル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりに参考例5の化合物を用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例6の化合物)を白色アモルファス(45mg,収率85%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.84(1H,s),7.82−7.76(1H,m),7.30−7.00(5H,m),6.92(1H,d,J=9.1Hz),5.56−5.48(1H,m),5.07(1H,brs),4.87−4.70(2H,m),4.18−3.20(17H,m),3.10(3H,s),3.02(3H,s),2.45−2.20(4H,m),2.23(6H,s),2.11−1.89(2H,m),1.87−1.47(4H,m),1.40−1.30(1H,m),1.09(3H,d,J=6.9Hz),1.05−0.86(17H,m),0.80(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:1144.(LC/MS−1)
(実施例3)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(2−メルカプトエチル)−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミドの合成:
参考例2の化合物の代わりに参考例6の化合物を用いて、それ以外は実施例1と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、実施例3の化合物)を白色アモルファス(27mg,収率77%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.90(1H,s),7.60−7.45(1H,m),7.28−7.02(5H,m),6.90(1H,d,J=9.1Hz),5.58−5.51(1H,m),4.82−4.74(2H,m),4.20−3.20(9H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.11(3H,s),3.03(3H,s),2.91−2.77(2H,m),2.45−2.31(4H,m),2.24(6H,s),2.10−1.89(2H,m),1.86−1.60(4H,m),1.43−1.20(1H,m),1.11(3H,d,J=6.9Hz),1.05−0.90(17H,m),0.81(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:902.(LC/MS−1)
(参考例7)2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボン酸 2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)エチルの合成:
参考例1の化合物(38mg,0.046mmol)のDMF溶液(0.50mL)にHATU(21mg,0.055mmol)と(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸 tert−ブチル(8.9mg,0.055mmol)のDMF溶液(0.50mL)及びジイソプロピルエチルアミン(7.5μL,0.069mmol)を室温で加え、同温度で26時間撹拌した。得られた反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→7/93)にて精製し、表題化合物(以下、参考例7の化合物)を白色固体(14mg,収率32%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:8.07(1H,s),7.44(1H,brs),7.30−7.12(5H,m),6.90(1H,d,J=9.1Hz),5.55−5.49(1H,m),5.02(1H,brs),4.82−4.70(2H,m),4.41(2H,t,J=4.6Hz),4.18−4.08(1H,m),4.05−4.00(1H,m),3.87(1H,d,J=7.3Hz),3.70−3.14(6H,m),3.32(3H,s),3.31(3H,s),3.03(3H,s),2.48−2.33(4H,m),2.24(6H,s),2.13−1.87(2H,m),1.80−1.60(4H,m),1.43(9H,s),1.35−1.16(1H,m),1.10(3H,d,J=7.3Hz),1.05−0.87(17H,m),0.81(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:972.(LC/MS−1)
(実施例4)2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボン酸 2−アミノエチルの合成:
参考例7の化合物(14mg,0.014mmol)のメタノール(1.0mL)溶液に、4Nの塩化水素−ジオキサン溶液(54μL,0.22mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。得られた反応液の溶媒を減圧下留去し、酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。残渣をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/19)にて精製し、表題化合物(以下、実施例4の化合物)を白色固体(6.8mg,収率50%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.98(1H,s),7.78(2H,brs),7.54(1H,brs),7.32−7.00(5H,m),6.90(1H,d,J=9.1Hz),5.51−5.45(1H,m),4.80−4.70(2H,m),4.18−4.00(2H,m),3.82(2H,t,J=4.8Hz),3.80−3.10(7H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.05(3H,s),2.52−2.30(4H,m),2.24(6H,s),2.14−1.92(2H,m),1.86−1.60(4H,m),1.40−1.19(1H,m),1.15−0.91(20H,m),0.82(3H,t,J=6.4Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:872.(LC/MS−1)
(参考例8)(2−(2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド)エチル)カルバミン酸 tert−ブチルの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりに(2−(メチルアミノ)エチル)カルバミン酸 tert−ブチルを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例8の化合物)を白色固体(33mg,収率96%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.88−7.75(1H,m),7.70−7.60(1H,m),7.34−7.00(5H,m),6.90(1H,d,J=8.7Hz),6.42−6.35(1H,m),5.63−5.48(1H,m),4.86−4.70(2H,m),4.18−4.00(2H,m),3.90−3.17(9H,m),3.32(3H,s),3.31(3H,s),3.09(3H,s),3.02(3H,s),2.45−2.30(4H,m),2.23(6H,s),2.17−1.85(2H,m),1.80−1.60(4H,m),1.35(9H,s),1.30−1.15(1H,m),1.10−0.86(20H,m),0.80(3H,t,J=7.5Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:985.(LC/MS−1)
(実施例5)N−(2−アミノエチル)−2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド 二塩酸塩の合成:
参考例8の化合物(33mg,0.033mmol)のメタノール溶液(1.0mL)に、4Nの塩化水素−ジオキサン溶液(126μL,0.50mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。得られた反応液の溶媒を減圧下留去して、表題化合物(以下、実施例5の化合物)を白色固体(29mg,収率90%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ:8.98−8.60(1H,m),8.14−7.92(1H,m),7.37−7.18(5H,m),5.66−5.57(1H,m),4.85−4.63(2H,m),4.20−3.07(20H,m),3.16(3H,s),2.92(3H,s),2.91(3H,s),2.48−1.39(10H,m),1.30−0.98(21H,m),0.87(3H,t,J=7.1Hz).
MS m/z (ESI)[M+Na]
+:907.(LC/MS−1)
(参考例9)(2−(2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド)エチル)(メチル)カルバミン酸 tert−ブチルの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりにメチル(2−(メチルアミノ)エチル)カルバミン酸 tert−ブチルを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例9の化合物)を白色アモルファス(38mg,収率90%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.78(1H,s),7.70−7.40(1H,brm),7.30−7.11(5H,m),6.90(1H,d,J=8.7Hz),5.57−5.48(1H,m),4.85−4.73(2H,m),4.18−4.00(2H,m),3.90−2.62(12H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.13(3H,s),3.03(3H,s),2.45−2.30(4H,m),2.24(6H,s),2.13−1.90(2H,m),1.80−1.60(4H,m),1.45(9H,s),1.38−1.30(1H,m),1.16−0.91(20H,m),0.81(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:999.(LC/MS−1)
(実施例6)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−メチル−N−(2−(メチルアミノ)エチル)チアゾール−4−カルボキサミド 二塩酸塩の合成:
参考例8の化合物の代わりに参考例9の化合物を用いて、それ以外は実施例5と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、実施例6の化合物)を白色固体(34mg,収率92%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ:8.15−8.02(1H,m),7.37−7.18(5H,m),5.66−5.57(1H,m),4.85−4.63(2H,m),4.20−3.07(20H,m),3.27(3H,s),3.15(3H,s),2.91(3H,s),2.89(3H,s),2.51−1.39(10H,m),1.30−0.87(21H,m),0.86(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:899.(LC/MS−1)
(実施例7)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりに2−アミノエタノールを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、実施例7の化合物)を白色固体(26mg,収率,定量的)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.96(1H,s),7.85−7.75(1H,m),7.60(1H,brs),7.30−7.07(5H,m),6.91(1H,d,J=8.7Hz),5.50−5.43(1H,m),4.83−4.72(2H,m),4.16−4.09(1H,m),4.05−4.01(1H,m),3.84−3.78(3H,m),3.65−3.20(6H,m),3.32(3H,s),3.31(3H,s),3.04(3H,s),2.48−2.32(4H,m),2.23(6H,s),2.16−1.63(6H,m),1.40−1.25(1H,m),1.08(3H,d,J=6.9Hz),1.04−0.88(17H,m),0.80(3H,t,J=6.4Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:872.(LC/MS−1)
(参考例10)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボン酸 2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチルの合成:
2−(トリチルチオ)エタノールの代わりに2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エタノールを用いて、それ以外は参考例3と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例10の化合物)を白色固体(36mg,収率73%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:8.05(1H,s),7.36(1H,d,J=6.9Hz),7.30−7.11(5H,m),6.89(1H,d,J=9.6Hz),5.55−5.48(1H,m),4.83−4.75(2H,m),4.69(1H,t,J=3.4Hz),4.60−4.46(2H,m),4.18−4.08(1H,m),4.07−4.00(2H,m),3.91−3.84(2H,m),3.82−3.75(1H,m),3.55−3.25(5H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.02(3H,s),2.46−2.30(4H,m),2.24(6H,s),2.13−1.97(2H,m),1.93−1.51(10H,m),1.42−1.30(1H,m),1.10(3H,d,J=6.9Hz),1.05−0.87(17H,m),0.81(3H,t,J=7.5Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:957.(LC/MS−1)
(実施例8)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボン酸 2−ヒドロキシエチルの合成:
参考例10の化合物(36mg,0.038mmol)のエタノール溶液(1.0mL)にp−トルエンスルホン酸一水和物(7.2mg)を加え、室温で18時間撹拌した。得られた反応液の溶媒を減圧下留去し、ジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/9)にて精製し、表題化合物(以下、実施例8の化合物)を白色固体(31mg,収率95%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:8.10(1H,s),7.49−7.44(1H,m),7.30−7.13(5H,m),6.90(1H,d,J=9.1Hz),5.55−5.48(1H,m),4.82−4.74(2H,m),4.50(2H,t,J=4.6Hz),4.20−3.26(9H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.02(3H,s),2.46−2.34(4H,m),2.24(6H,s),2.11−1.90(2H,m),1.84−1.60(4H,m),1.43−1.30(1H,m),1.09(3H,d,J=7.3Hz),1.03−0.89(17H,m),0.81(3H,t,J=7.5Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:873.(LC/MS−1)
(実施例9)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミドの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりに2−(メチルアミノ)エタン−1−オールを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、実施例9の化合物)を白色アモルファス(31mg,収率85%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.84(1H,s),7.82−7.76(1H,m),7.30−7.00(5H,m),6.92(1H,d,J=9.1Hz),5.56−5.48(1H,m),5.07(1H,brs),4.87−4.70(2H,m),4.18−3.20(17H,m),3.10(3H,s),3.02(3H,s),2.45−2.20(4H,m),2.23(6H,s),2.11−1.89(2H,m),1.87−1.47(4H,m),1.40−1.30(1H,m),1.09(3H,d,J=6.9Hz),1.05−0.86(17H,m),0.80(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:886.(LC/MS−1)
(実施例10)N−(4−アミノフェネチル)−2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりに4−(2−アミノエチル)アニリンを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、実施例10の化合物)を白色固体(37mg,収率74%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.95(1H,s),7.43−7.36(2H,m),7.30−7.17(5H,m),7.04(2H,d,J=8.2Hz),6.89(1H,d,J=9.1Hz),6.65(2H,d,J=8.2Hz),5.53−5.46(1H,m),4.83−4.72(2H,m),4.15−4.09(1H,m),4.08−4.03(1H,m),3.87(1H,d,J=8.2Hz),3.70−3.18(6H,m),3.33(3H,s),3.31(3H,s),3.03(3H,s),2.82(2H,t,J=7.1Hz),2.45−2.35(4H,m),2.24(6H,s),2.18−1.89(2H,m),1.84−1.64(4H,m),1.40−1.20(1H,m),1.10(3H,d,J=7.3Hz),1.03−0.90(17H,m),0.81(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:947.(LC/MS−1)
(実施例11)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(4−ヒドロキシフェネチル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりに4−(2−アミノエチル)フェノールを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、実施例11の化合物)を白色固体(33mg,収率,定量的)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.93(1H,s),7.41−7.30(2H,m),7.27−7.10(5H,m),7.04(2H,d,J=8.2Hz),6.95−6.85(1H,m),6.82(2H,d,J=8.2Hz),5.49−5.44(1H,m),4.85−4.72(2H,m),4.14−3.15(9H,m),3.33(3H,s),3.26(3H,s),3.03(3H,s),2.82(2H,t,J=6.9Hz),2.51−2.30(4H,m),2.23(6H,s),2.17−1.94(2H,m),1.90−1.60(4H,m),1.40−1.20(1H,m),1.15−0.88(20H,m),0.80(3H,t,J=7.3Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:949.(LC/MS−1)
(参考例11)tert−ブチル (2−(2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメイルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボキサミド)エチル)カーバメートの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりに(2−アミノエチル)カルバミン酸 tert−ブチルを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例11の化合物)を白色固体(55mg,収率98%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm):7.96(1H,s),7.69(1H,brs),7.50(1H,brs),7.34−7.09(5H,m),6.90(1H,d,J=9.1Hz),5.55−5.44(1H,m),5.03(1H,brs),4.89−4.67(2H,m),4.20−3.20(11H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.04(3H,s),2.50−2.33(4H,m),2.25(6H,s),2.10−1.92(2H,m),1.85−1.66(4H,m),1.42(9H,s),1.40−1.20(1H,m),1.15−0.79(23H,m).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:971.(LC/MS−1)
(参考例12)N−(2−アミノエチル)−2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボキサミド 二塩酸塩の合成:
参考例8の化合物の代わりに参考例11の化合物を用いて、それ以外は実施例5と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例12の化合物)を白色固体(41mg,収率96%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ:8.65(1H,brs),[8.19(0.5H,s),8.16(0.5H,s)],7.32−7.16(5H,m),5.69−5.56(1H,m),4.80−4.63(2H,m),4.15−3.05(14H,m),3.33(6H,s),2.91(6H,s),2.51−1.38(10H,m),1.30−0.91(21H,m),0.85(3H,t,J=7.1Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:871.(LC/MS−1)
(参考例13)(2−(2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボキサミド)エチル)(メチル)カルバミン酸 tert−ブチルの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりに(2−アミノエチル)(メチル)カルバミン酸 tert−ブチルを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例13の化合物)を白色固体(32mg,収率40%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.94(1H,s),7.79(1H,brs),7.47(1H,brs),7.26−7.09(5H,m),6.89(1H,d,J=9.1Hz),5.53−5.46(1H,m),4.82−4.74(2H,m),4.15−3.11(11H,m),3.33(3H,s),3.31(3H,s),3.03(3H,s),2.92(3H,s),2.47−2.34(4H,m),2.24(6H,s),2.12−1.94(2H,m),1.77−1.65(4H,m),1.43(9H,s),1.40−1.20(1H,m),1.12−0.78(23H,m).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:985.(LC/MS−1)
(参考例14)2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(2−(メチルアミノ)エチル)チアゾール−4−カルボキサミド 二塩酸塩の合成:
参考例8の化合物の代わりに参考例13の化合物を用いて、それ以外は実施例5と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例14の化合物)を白色固体(25mg,収率88%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ:8.63(1H,brs),8.22−8.14(1H,m),7.35−7.15(5H,m),5.70−5.52(1H,m),4.83−4.63(2H,m),4.17−3.04(20H,m),2.91(3H,s),2.90(3H,s),2.74(3H,s),2.51−1.98(6H,m),1.91−1.50(4H,m),1.42−0.80(24H,m).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:885.(LC/MS−1)
(参考例15)2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(2−(3−(トリチルチオ)プロパンアミド)エチル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成:
3−(トリチルチオ)プロパン酸(12mg,0.032mmol)のDMF溶液(0.50mL)に、HATU(12mg,0.032mmol)、参考例12の化合物(20mg,0.021mmol)のDMF溶液(0.50mL)及びジイソプロピルエチルアミン(13μL,0.074mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/9)にて精製し、表題化合物(以下、参考例15の化合物)を白色固体(20mg,収率77%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.91(1H,s),7.69(1H,t,J=6.1Hz),7.46(1H,brs),7.42−7.10(20H,m),6.92(1H,d,J=9.5Hz),6.16(1H,brs),5.51−5.45(1H,m),4.88−4.74(2H,m),4.13−4.09(1H,m),4.07−4.02(1H,m),3.87(1H,d,J=7.7Hz),3.60−3.18(8H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.04(3H,s),2.50−2.32(6H,m),2.25(6H,s),2.09−1.96(4H,m),1.90−1.63(4H,m),1.40−1.20(1H,m),1.10(3H,d,J=7.2Hz),1.05−0.88(17H,m),0.81(3H,t,J=7.2Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:1201.(LC/MS−1)
(参考例16)2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(2−(3−メルカプトプロパンアミド)エチル)チアゾール−4−カルボキサミドの合成:
参考例2の化合物の代わりに参考例15の化合物を用いて、それ以外は実施例1と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例16の化合物)を白色固体(7.3mg,収率89%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.97(1H,s),7.78(1H,brs),7.51(1H,brs),7.32−7.10(5H,m),7.00−6.85(1H,m),6.58(1H,brs),5.53−5.45(1H,m),4.82−4.74(2H,m),4.15−4.08(1H,m),4.06−4.00(1H,m),3.86(1H,d,J=7.7Hz),3.64−3.18(8H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.04(3H,s),2.82−2.75(2H,m),2.50(2H,t,J=6.8Hz),2.48−2.37(4H,m),2.26(6H,s),2.12−1.92(2H,m),1.83−1.57(4H,m),1.27−1.19(1H,m),1.11−0.86(20H,m),0.81(3H,t,J=7.2Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:959.(LC/MS−1)
(参考例17)tert−ブチル N2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−N5−((S)−5−(tert−ブトキシ)−1,5−ジオキソ−1−((2−(トリチルチオ)エチル)アミノ)ペンタン−2−イル)−L−グルタミナートの合成:
(S)−4−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−5−オキソ−5−((2−(トリチルチオ)エチル)アミノ)ペンタン酸 tert−ブチル(1.5g,2.1mmol)を20体積%ジエチルアミン−テトラヒドロフラン(以下、THF)溶液(20ml)に溶かし、室温で一晩攪拌した後に、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣、HATU(942mg,2.5mmol)とN−α−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−L−グルタミン酸 α−t−ブチル エステル(878mg,2.1mmol)のDMF溶液(30ml)に、ジイソプロピルエチルアミン(320mg,2.5mmol)を添加し、室温で一晩攪拌した。過剰量の酢酸エチルを加えた後に、飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1→2/1)にて精製し、表題化合物(以下、参考例17の化合物)を白色アモルファス(1.81g,収率96%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.76(d,J=7.3Hz,2H),7.61(d,J=7.8Hz,2H),7.40(td,J=4.9,2.9Hz,7H),7.30(ddt,J=19.7,8.5,3.3Hz,9H),7.22−7.18(m,2H),6.65(d,J=6.4Hz,1H),6.41(s,1H),5.59(d,J=8.2Hz,1H),4.36(dt,J=16.6,6.1Hz,2H),4.21(t,J=6.9Hz,2H),3.04(dd,J=9.8,6.2Hz,2H),2.39(dt,J=18.8,6.6Hz,3H),2.25(dt,J=23.0,6.6Hz,3H),2.01(t,J=6.9Hz,1H),1.87(t,J=6.6Hz,1H),1.46(s,9H),1.42(s,9H),1.13(dt,J=13.3,5.7Hz,2H).
MS m/z (ESI)[M+Na]
+:934.(LC/MS−2)
(参考例18)tert−ブチル N5−((S)−5−(tert−ブトキシ)−1,5−ジオキソ−1−((2−(トリチルチオ)エチル)アミノ)ペンタン−2−イル)−L−グルタミナートの合成:
参考例17(480mg,0.53mmol)を20体積%ジエチルアミン−THF溶液(5.0ml)に溶かし、室温で一晩攪拌した後に、反応溶液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/9)にて精製し、表題化合物(以下、参考例18の化合物)を白色アモルファス(284mg,収率78%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.41(t,J=4.5Hz,6H),7.29(dd,J=10.4,5.0Hz,7H),7.21(dd,J=8.4,6.1Hz,3H),6.91(s,1H),6.85(d,J=7.2Hz,1H),4.36−4.31(m,1H),3.31−3.26(m,1H),3.12−3.06(m,1H),2.95(dd,J=13.6,6.3Hz,1H),2.45−2.22(m,7H),2.10−2.01(m,3H),1.95−1.87(m,7H),1.46(s,9H),1.43(d,J=3.6Hz,12H),1.30−1.24(m,2H),1.16(t,J=7.0Hz,1H),1.11(t,J=7.2 Hz,1H).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:690.(LC/MS−1)
(参考例19)tert−ブチル N2−(4−(N−((2−アミノ−4−オキソ−4,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)メチル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ベンゾイル)−N5−((S)−5−(tert−ブトキシ)−1,5−ジオキソ−1−((2−(トリチルチオ)エチル)アミノ)ペンタン−2−イル)−L−グルタミナートの合成:
4−(N−((2−アミノ−4−オキソ−4,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)メチル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド)安息香酸(177mg,0.43mmol)とHATU(188mg,0.50mmol)のDMF/ジメチルスルホキシド(以下、DMSO)溶液(10ml/1.0ml)にジイソプロピルエチルアミン(75mg,0.58mmol)を添加し、室温で5分攪拌した。得られた反応溶液に参考例18(285mg,0.41mmol)のDMF溶液(5.0ml)を加えて、室温で一晩攪拌した。過剰量の1体積%メタノール−クロロホルムを加えた後に、飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で2回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/5)にて精製し、表題化合物(以下、参考例19の化合物)を黄色固体(270mg,収率61%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ:8.67(s,1H),7.89(d,J=8.6Hz,3H),7.55(d,J=8.6Hz,2H),7.35(dd,J=5.2,3.4Hz,6H),7.27−7.23(m,6H),7.18(td,J=5.7,2.9Hz,3H),4.40(dd,J=9.5,4.5Hz,1H),4.28(dd,J=8.4,5.7Hz,1H),3.08(dd,J=13.4,6.6Hz,1H),2.99(q,J=6.9Hz,1H),2.40(dd,J=10.9,4.5Hz,2H),2.28(dt,J=17.2,5.0Hz,4H),2.05−1.98(m,2H),1.82(dd,J=13.8,8.4Hz,1H),1.46(s,9H),1.39(s,9H),1.28(s,1H).
MS m/z (ESI)[M−H]
−:1079.(LC/MS−1)
(参考例20)N2−(4−(((2−アミノ−4−オキソ−4,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)−N5−((S)−4−カルボキシ−1−((2−メルカプトエチル)アミノ)−1−オキソブタン−2−イル)−L−グルタミンの合成:
参考例19(120mg,0.11mmol)のジクロロメタン懸濁溶液(5.0ml)に7Nのアンモニア−メタノール溶液(5.0ml)を加えて均一な溶液として、室温で一晩攪拌した。減圧下で溶媒を留去して得られた固体に過剰量のジエチルエーテルを加えて洗浄し、沈殿した固体をろ過によって回収した(中間体1、105mg)。中間体1(105mg)に、TFA/トリイソプロピルシラン/H
2O/エタンジチオール(92.5/2.5/2.5/2.5体積%)(10ml)を加えて、室温で一晩攪拌した。減圧下で溶媒を留去して得られた残渣に過剰量のジエチルエーテルを加えて攪拌し、生じた沈殿をろ過によって回収、得られた固体をジクロロメタンで洗浄し、表題化合物(以下、参考例20の化合物)を緑黄色固体(65mg,収率92%,純度80%)として得た。
1H−NMR(DMSO−d
6)δ:8.66(s,1H),8.23(d,J=7.7Hz,1H),8.05(q,J=6.2Hz,2H),7.66(d,J=8.6Hz,2H),6.64(d,J=8.6Hz,2H),4.50(s,2H),4.28(t,J=10.9Hz,1H),4.18(dd,J=13.1,8.2Hz,1H),3.23−3.13(m,2H),2.35(t,J=8.2Hz,1H),2.22(dd,J=16.5,7.5Hz,5H),2.04(d,J=6.8Hz,2H),1.90(dd,J=24.7,10.2Hz,3H),1.70(t,J=7.2Hz,1H),1.25(s,1H).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:630.(LC/MS−2)
t
R=12.21 min.(HPLC)
(参考例21)(2−((2−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)エチル)ジスルファネイル)エチル)(メチル)カルバミン酸 4−(2−(2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボキサミド)エチル)フェニルの合成:
トリホスゲン(17mg,0.06mmol)のジクロロメタン溶液(1.0ml)を氷冷し、脱水ピリジン(25mg,0.31mmol)を添加後、20分攪拌した。その溶液に、メチル(2−((2−(メチルアミノ)エチル)ジスルファネイル)エチル)カルバミン酸 tert−ブチル(15mg,0.05mmol)のジクロロメタン溶液(2.0ml)をゆっくりと滴下して、室温に戻して1時間攪拌した。過剰量のジクロロメタンを加えて、水で3回洗浄した後に、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。得られた残渣(7.5mg)を脱水ピリジン(1.0ml)に溶解させ氷冷した後に、実施例11の化合物(25mg,0.03mmol)の脱水ピリジン溶液(3.0ml)を加えて、室温に戻しながら一晩攪拌した。過剰量の酢酸エチルを加えた後に、水で3回、飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で一回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後に、減圧下濃縮した。得られた残渣をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/20)にて精製し、表題化合物(以下、参考例21の化合物)を白色アモルファス(25mg,収率76%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:7.96(1H,s),7.41−7.30(2H,m),7.27−7.10(5H,m),7.06(2H,d,J=8.2Hz),5.49−5.44(1H,m),4.85−4.77(2H,m),4.13−3.64(9H,m),3.60−3.29(15H,m),3.13(3H,s),3.03(3H,s),2.51−2.30(4H,m),2.25(6H,s),2.17−1.98(2H,m),1.78(12H,s),1.11−0.88(24H,m),0.82(5H,m).
MS m/z (ESI)[M−Boc]
2+:577.(LC/MS−1)
(参考例22)(50−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−7−メチル−8,48−ジオキソ−11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44−ドデカオキサ−3,4−ジチア−7,47−ジアザペンタコンチル)(メチル)カルバミン酸 4−(2−(2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4R,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボキサミド)エチル)フェニルの合成:
参考例21(20mg,0.02mmol)のジクロロメタン溶液(1.0ml)に、4Nの塩化水素−ジオキサン溶液(0.5ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮した後に、減圧乾燥した。得られた残渣に、HATU(7.3mg,0.02mmol)とDMF(0.5ml)を加え、その反応溶液に1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3−オキソ−7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40−ドデカオキサ−4−アザトリテトラコンタン−43−酸(12mg,0.02mmol)のジクロロメタン溶液(1.0ml)とジイソプロピルエチルアミン(10μl)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=0/1→1/5)にて精製し、表題化合物(以下、参考例22の化合物)を油状物質(15mg,収率40%)として得た。
MS m/z (ESI)[M+H]
3+:635.(LC/MS−1)
t
R=17.11 min.(HPLC)
(実施例12)N2−(4−(((2−アミノ−4−オキソ−4,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)−N5−((2S)−4−カルボキシ−1−((2−((1−(1−(4−(2−(2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4R,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−カルボキサミド)エチル)フェノキシ)−2,9−ジメチル−1,10,50−トリオキソ−13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43,46−ドデカオキサ−5,6−ジチア−2,9,49−トリアザドペンタコンタン−52−イル)−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)チオ)エチル)アミノ)−1−オキソブタン−2−イル)−L−グルタミンの合成:
参考例22(6.8mg,0.003mmol)のアセトニトリル/メタノール溶液(1.0ml/0.5ml)に、参考例20(3.0mg,0.005mmol)のDMSO溶液(1.0ml)とpH7.2のリン酸バッファー(以下、PBS)(50mM,1.0ml)を加えて、室温で一晩攪拌した。得られた反応混合物をODSカラムによる逆相精製を行ない、表題化合物(以下、実施例12の化合物)を油状物質(6.0mg,収率67%)として得た。
MS m/z (ESI)[M−H]
2−:1266.(LC/MS−1)
HRMS m/z (ESI)[M−H]
−:2532.1754.
C
118H
180N
20O
33S
4の計算精密質量:2532.1832.
t
R=16.40 min.(HPLC)
(参考例23)(2−((2−(2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド)エチル)ジスルファネイル)エチル)(メチル)カルバミン酸 tert−ブチルの合成:
2−(トリチルチオ)エタンアミンの代わりにメチル(2−((2−(メチルアミノ)エチル)ジスルファネイル)エチル)カルバミン酸 tert−ブチルを用いて、それ以外は参考例2と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例23の化合物)を白色固体(26mg,収率92%)として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ:8.01(1H,s),7.87(1H,brs),7.46(1H,brs),7.26−7.15(5H,m),6.90(1H,d,J=8.2Hz),5.56(1H,brs),4.81−4.77(2H,m),4.12(1H,brs),4.05(1H,brs),3.97(1H,brs),3.88(1H,d,J=7.7Hz),3.80(2H,m),3.51−3.16(4H,m),3.33(3H,s),3.32(3H,s),3.13(3H,s),3.04(3H,s),2.96(3H,s),2.81−2.74(2H,m),2.89(3H,s),2.46−2.34(3H,m),2.25(6H,s),2.12−1.97(2H,m),1.66(15H,d,J=8.8Hz),1.45(9H,t,J=8.6Hz),1.10(2H,d,J=7.2Hz),1.05−0.90(12H,m),0.82(3H,t,J=7.5Hz).
MS m/z (ESI)[M+H]
+:1092.(LC/MS−1)
(参考例24)2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4R,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−(50−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−7−メチル−8,48−ジオキソ−11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44−ドデカオキサ−3,4−ジチア−7,47−ジアザペンタコンチル)−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミドの合成:
参考例21の代わりに参考例23を用いて、それ以外は参考例22と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、参考例24の化合物)を油状物質(17mg,収率31%)として得た。
MS m/z (ESI)[M+H]
2+:871.(LC/MS−1)
t
R=16.66 min.(HPLC)
(実施例13)N2−(4−(((2−アミノ−4−オキソ−4,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)メチル)アミノ)ベンゾイル)−N5−((2S)−4−カルボキシ−1−((2−((1−(1−(2−((S)−1−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4R,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)チアゾール−4−イル)−2,9−ジメチル−1,10,50−トリオキソ−13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43,46−ドデカオキサ−5,6−ジチア−2,9,49−トリアザドペンタコンタン−52−イル)−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)チオ)エチル)アミノ)−1−オキソブタン−2−イル)−L−グルタミンの合成:
参考例22の代わりに参考例24を用いて、それ以外は実施例12と同様の方法にて合成を行い、表題化合物(以下、実施例13の化合物)を油状物質(8.4mg,収率71%)として得た。
MS m/z (ESI)[M−H]
2−:1184.(LC/MS−1)
HRMS m/z (ESI)[M−H]
−:2369.1162.
C
109H
171N
19O
31S
4の計算精密質量:2369.1198.
t
R=15.85 min.(HPLC)
LC/MS−1の分析条件は以下の通りである。
(LC/MS−1)
液体クロマトグラフシステム:LC1200(アジレント・テクノロジー社製)
質量分析計:6130A(アジレント・テクノロジー社製)
分析条件
カラム:ラピッドレゾリューションHTカートリッジ
移動相A:0.1体積%ギ酸−蒸留水、HPLC用
移動相B:0.1体積%ギ酸−アセトニトリル、HPLC用
グラジエント条件:移動層B体積%
0−1.5 min:20%−95%
1.5−3.0 min:95%
流速:0.5 mL/min
注入量:2.0μL
カラム温度:40℃
LC/MS−2の分析条件は以下の通りである。
(LC/MS−2)
液体クロマトグラフシステム:LC1260 Infinity II(アジレント・テクノロジー社製)
質量分析計:6130B(アジレント・テクノロジー社製)
分析条件
カラム:ラピッドレゾリューションHTカートリッジ
移動相A:0.1体積%ギ酸−蒸留水、HPLC用
移動相B:0.1体積%ギ酸−アセトニトリル、HPLC用
グラジエント条件:移動層B体積%
0−1.5 min:20%−95%
1.5−3.0 min:95%
流速:0.5 mL/min
注入量:2.0μL
カラム温度:40℃
HRMSの分析条件は以下の通りである。
液体クロマトグラフシステム:NexeraX2(島津製作所製)
質量分析計:LCMS−IT−TOF質量分析計(島津製作所製)
分析条件
移動相:メタノール
流速:0.1 mL/min
注入量:2.0μL
ODSカラムでの精製条件は以下の通りである。
ODSカラム精製条件
カラム:山善ハイフラッシュカラム ODS サイズM
流速:10 ml/min
カラム温度:室温
検出波長:254 nm
移動層A:0.05体積%TFA in H2O
移動層B:0.05体積%TFA in CH3CN
グラジエント:移動層B体積%
0−5 min:5.0%
5−20 min:5%から95%まで上昇
20−25 min:95%
HPLCでの分析条件は以下の通りである。
(HPLC)
カラム:COSMOSIL 5C18−AR−IIl, 4.6mmI.D. x 150mm
流速:1.0 ml/min
カラム温度:40℃
検出波長:254 nm
移動層A:0.05体積%TFA in H2O
移動層B:0.05体積%TFA in CH3CN
グラジエント:移動層B体積%
0−5min:5.0%
5−20min:5%から95%まで上昇
20−25min:95%
(実施例14)ペプチド誘導体(I)のin vitro細胞毒性評価:
実施例1〜11の化合物、参考例1の化合物、参考例12の化合物、参考例14の化合物、参考例16の化合物及び2−((S)−1−(((2S,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−2−フェニルエチル)−N−エチルチアゾール−4−カルボキサミド(以下、比較例化合物)のSKOV−3細胞、A549細胞及びL1210細胞に対する細胞毒性をMTS法を用いて測定した。
各被験物質の細胞毒性を表5に示す。表5中、EC50は、50%効果濃度を意味し、薬物が示す薬理作用の最低値からの最大反応の50%を示す濃度を表し、SKOV−3は、SKOV−3細胞を表し、A549は、A549細胞を表し、L1210は、L1210細胞を表す。
表5の結果から明らかな通り、ペプチド誘導体(I)又はその薬理学的に許容される塩は、複数のがん細胞に対して高い細胞毒性を有することが示された。
(実施例15)ペプチド誘導体(I)の人工膜透過性試験(PAMPA):
実施例1〜11の化合物、参考例1の化合物、参考例12の化合物、参考例14の化合物、参考例16の化合物及び比較例化合物の人工膜透過性をPre−coated PAMPA PlateSystem(Corning)を使用し、評価した。
被験物質は10mmol/LになるようDMSOに溶解した後、20%メタノールを含むPBSで200μmol/Lになるよう希釈したものを標準溶液とした。冷凍保存したPre−coated PAMPA Plate Systemを30分間以上室温に放置した。次いで、Pre−coated PAMPA Plate SystemのDonor側のプレートに標準溶液320μLを添加し、Acceptor側のプレートに20%メタノール含むPBS200μLを添加して、両プレートをセットし、室温で5時間静置した。Donor側及びAcceptor側のプレートの各ウェルの反応液を、LC/MS分析(以下、LC/MS−3)に供し、各ウェルの化合物濃度を算出した。
LC/MS−3の分析条件は以下の通りである。
液体クロマトグラフシステム:Waters Acquity UPLC(Waters社製)
質量分析計:Waters SQD Detector(Waters社製)
カラム:Ascentis Express C18,2.7 μm,2.1 mm ID×20mm(Sigma−Aldrich社)
移動相A:0.1体積% ギ酸水溶液
移動相B:アセトニトリル
流速:0.6 mL/min
グラジエント:移動層B体積%
0.0〜2.0 min:3.0→100%
2.0〜2.4 min:100%
2.4〜2.5 min:100→3.0%
得られた各ウェルの反応液の化合物濃度を用いて、膜透過係数(Pe)(cm/s)を以下の式より算出した 。
Cequilibrium=(CD×VD−CA×VA)/(VD−VA)
Pe=[−ln(1−CA/Cequilibrium)]/S×(1/VD+1/VA)×t
Cequilibrium:Donor側及びAcceptor側プレートウェルの平衡濃度
CD:Donor側プレートウェルの5時間後の濃度(mmol/L)
VD:Donor側プレートウェルに添加した標準溶液の容積(0.32 mL)
CA:Acceptor側プレートウェルの5時間後の濃度(mmol/L)
VA:Acceptor側プレートウェルに添加した20%メタノール含むPBSの容積(0.2 mL)
S:膜表面積(0.3 cm2)
t:静置時間18,000 s(=5 hr)
各被験物質の人工膜透過性を表6に示す。
表6中、N.D.は、Acceptor側のプレートウェルの濃度が定量下限未満であったため、膜透過係数を算出できなかったことを意味する。
(実施例16)ペプチド誘導体(I)を含む複合体のin vitro細胞毒性評価:
実施例12の化合物及び実施例13の化合物のSKOV−3細胞、A549細胞及びL1210細胞に対する細胞毒性をMTS法を用いて測定した。
実施例12の化合物は、葉酸をターゲッティングリガンドとして実施例11の化合物のプロドラッグと適切な方法で複合化する事で得られた複合体である。
実施例12の化合物の評価方法は、次の通りである。葉酸を含有しない培地で培養している各細胞に、実施例12の化合物を2時間処置した後に、化合物を含まない新しい培地へと変更し、そのまま継続して48時間培養した。48時間後の生細胞数をMTS法を用いて測定した。
実施例13の化合物は、葉酸をターゲッティングリガンドとして実施例3の化合物のプロドラッグと適切な方法で複合化する事で得られた複合体である。
実施例13の化合物の評価方法は、次の通りである。葉酸を含有しない培地で培養している各細胞に、実施例13の化合物を6時間処置した後に、化合物を含まない新しい培地へと変更し、そのまま継続して48時間培養した。48時間後の生細胞数をMTS法を用いて測定した。
SKOV−3細胞とL1210細胞は細胞表面に葉酸受容体が中〜高発現していることが報告されている。A549細胞は細胞表面に葉酸受容体が低発現若しくは検出されない程度に発現していることが報告されている(Analytical Biochemistry、2005年、第338巻、p.284-293、Molecular Cancer Therapeutics、2015年、第14巻、p.1605-13)。
各被験物質の細胞毒性を表7に示す。表7中、EC50は、50%効果濃度を意味し、薬物が示す薬理作用の最低値からの最大反応の50%を示す濃度を表し、SKOV−3は、SKOV−3細胞を表し、A549は、A549細胞を表し、L1210は、L1210細胞を表す。
表7の結果から明らかな通り、ペプチド誘導体(I)を含む複合体又はその薬理学的に許容される塩は、葉酸受容体が細胞表面に発現しているがん細胞に対して選択的に高い細胞毒性を有することが示された。
ペプチド誘導体(I)は、C末端に種々の官能基を有するため、ペプチド誘導体(I)又はそのプロドラッグと、ターゲッティングリガンド又はポリマーと、を適切な方法で複合化することで複合体へと変換できることが示された。
また、ペプチド誘導体(I)又はそのプロドラッグと、ターゲッティングリガンドと、を適切な方法で複合化することで得られた複合体は、ターゲッティングリガンドによる作用で特定の細胞に対して選択的に高い細胞毒性を有することが示された。