JP6857644B2 - 直腸の炎症性変化の治療用医薬製剤 - Google Patents

直腸の炎症性変化の治療用医薬製剤 Download PDF

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Description

消化管の慢性炎症性疾患は、潰瘍性大腸炎ともクローン病とも呼ばれる。この疾患は自己免疫性であると推測されることが多いが、病因はわかっていない。「クローン病」という疾患は様々な臨床症状を含むことがあり、該疾患は、大腸や小腸の様々な部分に見出され得る。潰瘍性大腸炎は、実質的には大腸に限局した炎症性消化管疾患である。この疾患の特徴は、主として粘膜層、さらに時には結腸の粘膜下層をも侵す再発性炎症状態である。急性の炎症状態の特徴は、慢性の下痢または便秘、腸管における出血、けいれん、および腹痛である。
潰瘍性大腸炎は、その軽症型と見なされる潰瘍性直腸炎とは区別されることもある。これらの疾患の治療のためには、特別に処方された経口投与製剤を使用することができる。しかしながら、経口投与は、これらの疾患にしばしば伴う下痢により、不都合な場合がある。
従来技術において、直腸に投与することのできる製剤も知られている。Grossら(Aliment.Pharmacol.Ther.2006,23,303−312)は活動期潰瘍性直腸炎または直腸S状結腸炎の治療において、ブデソニドフォーム剤とブデソニド浣腸剤の比較を行っている。
Belluzziら(Gastroenterology,Vol.104(4,Suppl.)1993)は、5−アミノサリチル酸またはブデソニドを用いた坐剤を提案している。使用したブデソニドの坐剤は0.5mgのブデソニドを含むものであり、1日3回投与した。あるいは、500mgの5−アミノサリチル酸を含む坐剤を1日3回投与した。
US5,449,520では、直腸内投与用の医薬組成物が開示されているが、これは結腸において局所的に作用する薬物を含むものである。該文献で開示されている注腸フォーム剤は、医薬有効成分としてメサラジンまたはブデソニドを含有する。WO2015/073846には、注腸フォーム剤を用いて潰瘍性大腸炎を治療する方法が記載されている。このフォーム剤は、ブデソニド、プロピレングリコール、セチルアルコール、水および適切な添加剤を含む乳剤である。
ドイツの実用新案DE297 17 252では、胆汁うっ滞性肝疾患を治療するための、ブデソニドを含有する医薬およびウルソデオキシコール酸を含有する医薬からなる医薬キットが開示されている。処方の1例はブデソニドを含有する坐剤に関し、この坐剤は、ブデソニドが固形脂肪中に懸濁されたものである。
DE−OS 198 49 737では、固形脂肪中に懸濁された、5−ASAおよびブデソニドからなる有効成分の組合せを含む坐剤が開示されている。5−ASAの割合が高いことにより、これらの坐剤は比較的重量が重く、それに伴ってサイズも大きい。
既知の医薬製剤の短所の1つは、一方では浣腸剤や注腸フォーム剤の使用を嫌がる患者がいることである。別の要件としては、有効成分であるブデソニドを貯蔵安定性を有する形態で提供する医薬製剤が望ましいことが挙げられる。
本発明の目的は、貯蔵安定性を有し、最適な形態、硬度、および適したサイズにより無痛で挿入することができ、有効成分を局所特異的に直腸のみに投与することのできるブデソニドの直腸投与用医薬製剤を提供することである。
本発明によれば、これらの条件は坐剤とも呼ばれる挿入剤の形態での投与によって満たされる。坐剤は脂質含有調製物または水溶性調製物中に溶解(液剤)、乳化(乳剤)、懸濁(懸濁剤)することのできる医薬有効成分であるブデソニドの1回量を含む。
本発明による医薬製剤は貯蔵安定性が高い。坐剤(挿入剤)の提供に伴う問題の1つは、そのような製剤を室温あるいはそれよりもやや高い温度(20〜30℃)(夏の数ヶ月間、あるいは温暖な地域でしばしば観測される)において貯蔵した場合、薬理学的有効成分であるブデソニドが生物学的に不活性であるか活性の低い分解産物に分解されることである。本発明による製剤は、高い温度(20〜30℃)で長期間(12〜24ヶ月)にわたって貯蔵安定性を維持する。これは、25℃で24ヶ月にわたって貯蔵した後も、最初の有効成分(ブデソニド)含量の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%が、薬理学的に活性な形態で存在していることを意味する。
本発明は直腸に使用する製剤、特に坐剤に関し、該坐剤は、治療有効成分としてブデソニドまたはその薬学的に適合する塩もしくは誘導体を含み、挿入後に直腸の炎症性疾患(直腸炎)を治療するために使用される。この際、適切な基剤を選択する上で高度な要求がなされる。この基剤は、化学的に安定かつ不活性でなければならず、前記医薬有効成分との適合性が高く、かつ粘膜適合性を有する、すなわち投与時に粘膜を刺激しないことが必要である。さらに、本発明の坐剤は、使用部位に挿入された後、混合された状態にある医薬有効成分を融解または溶解によって確実に放出するものでなければならない。
したがって、本発明の目的は、直腸内に投与するための、貯蔵安定性を有する医薬製剤であり、該製剤は、ブデソニドまたはその薬学的に適合する塩もしくは誘導体、および1種類の固形脂肪または複数種の固形脂肪の混合物を製剤の総重量に対して少なくとも80重量%含み、さらにこれらの成分と適合する酸化防止剤を少なくとも1種含む。
ブデソニド2mg坐剤バッチV2042の、製造直後(T0)および25℃/相対湿度60%において24ヶ月間貯蔵した後(T24)の放出プロファイルを示す。
本発明の好ましい一実施形態では、融点と凝固点との差が小さい固形脂肪組成物が選択される。融点とは、坐剤が融解する温度である。該融点は、好ましくは約33.5〜35.5℃、好ましくは34.0〜35.0℃である。凝固点とは、製造後の坐剤が凝固する温度、すなわち製造後の坐剤が固化する温度である。本発明によれば、前記凝固点は、好ましくは約32.5〜34.5℃、特に好ましくは33.0〜34.0℃である。
好ましい一実施形態では、本発明に使用される固形脂肪はトリグリセリドの割合が高く、好ましくは80重量%より多く、特に好ましくは90重量%より多く、さらに好ましくは95重量%より多いトリグリセリドを含む。
前記固形脂肪のパラメータとして、いわゆるヒドロキシル価が知られている。本発明によれば、使用される固形脂肪のヒドロキシル価は低く、1〜15、好ましくは5〜15、特に好ましくは5〜10である。
好ましい固形脂肪のさらなる特性としては、不飽和脂肪酸の割合が1重量%未満、特に好ましくは0.5重量%未満であることが挙げられる。
本発明による坐剤は経肛門投与用に設計されている。したがって、その剤形は、簡便に投与することができ、かつ投与時に苦痛を与えたり不快であったりすることなく大多数の患者に受け入れられるよう考慮して選択される。好ましい一実施形態では、坐剤はいわゆる「魚雷形」である。坐剤の総重量によって決まる坐剤のサイズも重要である。該重量は、好ましくは0.8〜1.2g、特に好ましくは0.95〜1.05gである。
好ましい一実施形態では、本発明による坐剤は、有効成分としてのブデソニドを坐剤1個当たり1.8〜2.2mg、好ましくは1.9〜2.1mg、特に好ましくは1.95〜2.05mg含む。
別の好ましい一実施形態では、本発明による坐剤は、有効成分としてのブデソニドを坐剤1個当たり3.8〜4.2mg、好ましくは3.9〜4.1mg、特に好ましくは3.95〜4.05mg含む。
本発明によれば、坐剤は、薬理学的有効成分としてブデソニドのみを含み、他の薬理学的有効成分は含まないことが好ましい。特に、本発明による坐剤は、5−ASA(5−アミノサリチル酸)を含まないことが特に好ましい。5−ASA自体が酸素の影響を受けやすいため、5−ASAを添加すると坐剤が茶色に変色する可能性があり、望ましくない。
好ましい一実施形態において、本発明による坐剤は、酸化防止剤としてアスコルビン酸パルミテートを含む。アスコルビン酸パルミテートの濃度は、好ましくは50〜200ppm、特に好ましくは125〜175ppm、さらに好ましくは150ppmである。
本発明のさらに好ましい一態様において、ブデソニドは微粉末化された形態にある。微粉末化された形態とは、有効成分の粒径が非常に小さく、粒子の100%が10μmより小さい粒径を有していることを意味する。
本発明の本質的な態様は、本発明による坐剤の貯蔵安定性である。貯蔵安定性は、製造中の様々な工程によってさらに高めることができる。一方法では、坐剤の製造は、酸素排除下で行うことができる。これは、製造中の窒素パージによって、あるいは不活性ガス雰囲気下で作業することによって達成できる。
別の方法では、坐剤の生産時に、溶融させた材料をブリスターホイルに流し込み、その中で固化させることも好ましい。好ましい一実施形態において、本発明による坐剤は、気密フィルム中に充填される。
坐剤の基剤として、脂質含有調製物または水溶性調製物を使用することが一般に知られている。脂質として、トリグリセリドが好ましく使用される。固形脂肪は飽和脂肪酸のモノ−、ジ−、トリグリセリドの半合成混合物である。パーム核油およびヤシ油を出発原料として、けん化およびグリセリンと適切な飽和脂肪酸とをモノ−、ジ−、トリグリセリドの比率を調整して再エステル化することにより、特定の溶融特性および特定のヒドロキシル価を有する所定の固形脂肪を得ることができる。このように、脂肪酸の選択およびエステル化の程度によって、固形脂肪の特性を変化させることができ、溶融温度範囲、吸水度および脆性のような特性が影響を受け得る。不飽和脂肪酸が存在しなければ、固形脂肪の安定性特性はココアバターよりも良好なものとなる。そのため、ココアバターが坐剤の基剤として果たす役割は小さい。
適切な固形脂肪を選択することは、要求される貯蔵安定性を達成する上で重要である。したがって、所望の貯蔵安定性を達成することが極めて重要な側面である本発明において、本明細書に記載の固形脂肪を使用することが好ましい。所望の貯蔵安定性を達成するためには、固形脂肪に対するブデソニド(有効成分)の比率もまた非常に重要である。
本発明において好ましく使用される固形脂肪は、C12〜C18飽和脂肪酸のグリセリドに基づくものである。そのようなグリセリドは、その大部分がトリグリセリドから成り、含有するジグリセリドは15%以下、モノグリセリドは1%以下である。本発明による固形脂肪の製造では、最初に、植物性油脂を高温の水で精製した後、脂肪酸とグリセリンとに分解する。得られた脂肪酸混合物を水素化、分留、および減圧蒸留に供し、特に短鎖脂肪酸を除去する。好ましく使用されるC12〜C18脂肪酸を、調整して適切な混合物とし、これを精製されたグリセリンでエステル化する。前記反応混合物を次いでさらに精製する。具体的には、洗浄、真空乾燥、色素除去処理、および水蒸気蒸留を行う。好ましく使用される固形脂肪は、C12〜C18脂肪酸鎖を、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%含む。さらに、固形脂肪のヒドロキシル価が好ましくは約10未満であることも重要である。このヒドロキシル価は、主として、グリセリン残基からヒドロキシル基を2個供給するモノグリセリド、および遊離ヒドロキシル基を有するジグリセリドによるものである。ヒドロキシル価は、固形脂肪のアセチル化によって消費された酢酸を中和するために必要とされるKOHの量を求めることにより測定できる。すなわち、ヒドロキシル価は、固形脂肪基剤中の遊離ヒドロキシル基の量を表す。本発明において使用される固形脂肪は、通常は精製過程においてグリセリンが分離されるため、ヒドロキシル価は、固形脂肪混合物中に存在するモノグリセリドおよび/またはジグリセリドの指標となる。もしも、遊離ヒドロキシル基を提供するさらなる添加剤が固形脂肪混合物中に存在するなら、そのような添加剤も、ヒドロキシル価に影響を及ぼす。
本発明による固形脂肪のさらなる重要な特徴は、ヨウ素価である。ヨウ素価は、100gの固形脂肪混合物によって消費されるハロゲン(ヨウ素)のグラム数を表す。ハロゲンの消費には、不飽和化合物すなわち不飽和脂肪酸が関与する。本発明によれば、不飽和脂肪酸の割合は極めて低く、使用に適した品質を得るためのヨウ素価は3未満、好ましくは2未満である。
坐剤の基剤に不可欠なパラメータとして、さらに過酸化物価が挙げられる。この値は、坐剤の基剤1000g中に存在する過酸化物の活性酸素量をミリ当量で表したものを反映する。本発明によって使用される坐剤の基剤において、meq O/kgで表される過酸化物価は、5以下、好ましくは3以下、特に好ましくは1以下である。
脂質を含有する坐剤基剤に加えて、直腸分泌液に溶解する水溶性のマクロゴールをベースとした基剤も使用される。好ましくは、マクロゴール6000または分子量の高いものと低いものとの混合物が使用される。マクロゴールベースの添加剤の割合は、完成した製剤に対して0〜20重量%、好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%である。このような成分を使用する場合、過酸化物価が5meq O/kgを超えない低い値となるよう、注意しなければならない。
ブデソニドは、局所的抗炎症効果の高いグルココルチコイドである。この物質は、実質的に水に溶けないが(0.014mg/ml,メルク・インデックス)、その親油性により、エタノール、メタノール、クロロホルム等の有機溶媒にはかなりの量が溶ける。使用する溶媒にもよるが、溶解させたブデソニドは、多少なりとも不安定になる。このような不安定性は、ブデソニドの酸化分解の結果でもある。この医薬有効成分は、脂肪含有基剤または水溶性基剤に溶解すると急速に分解するため、一般に知られたこのような基剤の適用は、さらなる方策なくしては、安定かつ適合性のあるブデソニド坐剤の製造における選択肢とはなり得ない。
実施例1に記載されているように、品質の異なる固形脂肪(ウィテップゾール(登録商標)H15,ウィテップゾール(登録商標)W45)を用いた単純なブデソニド坐剤は、25℃/相対湿度60%で3ヶ月間貯蔵することによって、約10%の含量低下が見られる。ブデソニドとマクロゴールとの混合は、この基剤に元から微量に存在するかまたはこの基剤中で形成される過酸化物により、本質的に不適合であり、この坐剤の投与後に粘膜の局所刺激が起こることにより、直腸の炎症性疾患を治療するための代替手段とはなり得ない。
対照的に、本発明によるブデソニド坐剤は、従来技術の根底にある短所を示さない。本発明は、手段を組み合わせること、すなわち以下に列記した手段を少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ組み合わせることによってのみ可能となり、個々の手段単独では、上記目的を達成するために十分でない。
したがって、本発明の目的は、以下の手段によって得ることのできる安定かつ適合性のあるブデソニド坐剤である。
(a)医薬有効成分としての、適切な粒径分布におけるブデソニドの使用、
(b)適切な固形脂肪品質の選択、
(c)前記固形脂肪基剤への、酸化防止剤としてのアスコルビン酸パルミテートの最適化された濃度での添加、
(d)前記固形脂肪基剤中に溶解しているブデソニドと懸濁しているブデソニドとの最適比率の調整、
(e)記載の投与に適した坐剤形態および坐剤サイズそれぞれの使用、ならびに
(f)包装体としての低酸素透過性キャストフィルムの使用。
前記手段を2つまたはそれ以上(すなわち3つ、4つ、5つ、または6つ)組み合わせることが好ましい。
本発明の投与に応じて組成され調製されたブデソニド坐剤は十分な安定性を有し、25℃/相対湿度60%の環境条件において少なくとも24ヶ月間の貯蔵およびそれに次ぐ投与ができる。同時に、本発明により、本発明に記載の適応症の治療のために坐剤を投与する際、坐剤のサイズおよび形態により痛みのない挿入ができること、ならびに、坐剤の挿入後、懸濁している医薬有効成分が融解した基剤から粘膜の患部に急速に広がって沈殿する一方、溶解している医薬有効成分が基剤から拡散することが保証される。これによって、患者のコンプライアンスおよびブデソニドの効能を、いずれも十分に長い期間保証することが可能となる。
安定したブデソニド坐剤を調製するためには、固形脂肪としての脂質親和性基剤が特に適している。トリグリセリドの割合の高い(少なくとも約85%)、したがってヒドロキシル価の低い(5〜15)固形脂肪が特に好ましいことがわかった。固形脂肪は、基本的には、様々なモノ−、ジ−、トリグリセリドの混合物から成る。固形脂肪の組成によって、遊離OH基の数が異なることになり、結果的に特性が異なることとなる。固形脂肪の特性の1つはヒドロキシル価である。ヒドロキシル価が15よりも低い固形脂肪であることが最も重要である。遊離OH基の数が少ないことにより、そのような坐剤基剤中の加水分解されやすい物質や遊離酸基を有する物質との不適合がほとんど生じない。対照的に、一般に、ヒドロキシル価の高い固形脂肪は、乳化性が良好であり、凝固中にクラッキングを起こすことがほとんどない。しかしながら、後硬化を起こす傾向が観察され、また、有効成分との不適合が生じ得る。しかしながら、ヒドロキシル価が15よりも低い固形脂肪は乳化性が低く、凝固中にしばしばクラッキングが見られるものの、後硬化が起こる傾向は低い。
本発明によれば、不飽和脂肪酸を可能な限り少量しか含まないか、あるいはまったく含まない固形脂肪を使用することが好ましい。これは、不飽和化合物が酸化されて変敗し易いことによる。脂質中の不飽和結合の数はヨウ素価(Ph.Eur.2.5.4)によって確認することができる。
固形脂肪は、モノ−、ジ−、トリグリセリドの混合物から成る。組成およびエステル化される脂肪酸を変化させることによって、固形脂肪の融点を変えることができる。
好ましく使用される慣用タイプとして、ウィテップゾールH15が挙げられる。前記した特に好ましい品質としては、主として飽和脂肪酸(ヨウ素価≦3)を含むこと、融点(33.5〜35.5℃)と凝固点(32.5〜34.5℃)との差が小さいこと、型に流し込んだ後に後硬化する傾向が低いこと等がある。この基剤を使用することにより、ブデソニド坐剤は体温で確実に融解して有効成分を放出する。
驚くべきことに、前記した特に好ましい固形脂肪品質において、溶解して分散している有効成分分子と懸濁して分散している有効成分分子とをある組合せで用いるだけで、貯蔵安定性を有するブデソニド坐剤の製造が可能となることが示された。坐剤において、溶体と懸濁体とがこの最適化された組合せで調製物を成す場合、安定化のためのさらなる方策に課される制限は、溶解する有効成分の割合を考慮することのみである。実施例2に記載されているように、前記特に好ましい固形脂肪品質を有するウィテップゾールH15に対するブデソニドの溶解度は1.5mg/gである。この飽和濃度を用いて、基剤中の有効成分の用量溶解度を計算し、安定化に必要な酸化防止剤の量を選択することができる。
ブデソニドの用量がそれぞれ2mgまたは4mgであり、坐剤の質量が1.8gである場合、2mg形態では用量の100%のブデソニドが溶解して分子が分散した状態で存在するが(純粋な溶体坐剤)、4mg形態では溶解している割合は67.5%(溶体と懸濁体とを組み合わせた坐剤)である。
したがって、坐剤の質量(合計)に対するブデソニドの重量比は、好ましくは1000に対して1〜10であり、特に好ましくは1000に対して1〜5である。
坐剤の質量を、1.8gから、本発明において好ましい1gまで低減させるだけで、2〜4mgという所望の用量範囲のための複合坐剤を実現することができる。ブデソニド2mgの坐剤の場合、用量の75%が溶解状態で、25%が懸濁状態で存在する。ブデソニド4mgの坐剤の場合、この比率は37.5%(溶解している割合)対62.5%(懸濁している割合)である。この比率であれば、酸化防止剤を最適濃度で添加することができ、添加された酸化防止剤は、37.5〜75.0%の割合で含まれている溶解状態の有効成分にのみ安定化効果を発揮する。調製物の物理的・化学的安定化をもたらすというこの複雑な驚くべき相互作用のみによって、環境条件においてブデソニド坐剤が長期にわたって安定に維持されるため、冷蔵庫で貯蔵する必要はなくなる。
質量を1.8gから約1gまで低減させることにより、ブデソニド坐剤は、投与のために特に好ましいサイズおよび形状を得ることとなり、痛みのない挿入が保証される。
本発明による坐剤の重量は、約0.8〜1.2g、好ましくは0.9〜1.1g、特に好ましくは0.95〜1.05gである。
実施例1に記載されているように、固形脂肪基剤に溶解して分子が分散した状態にある有効成分は、酸化防止剤として作用する添加剤の添加によって安定化させる必要がある。酸化防止剤は、フリーラジカル捕捉剤として、または容易に酸化される物質として作用する添加剤の一群であり、有効成分を酸化から保護することができる。
驚くべきことに、アスコルビン酸パルミテート、DL−α−トコフェロール、およびブチルヒドロキシアニソールのような、非水性の親油系で通常使用される酸化防止剤のうち、アスコルビン酸パルミテートのみが安定化に適していることがわかった。実施例3に、選択を試みた結果を示す。特筆すべきは、添加剤DL−α−トコフェロールおよびブチルヒドロキシアニソールが、所望の抗酸化効果とは逆に、固形脂肪基剤中のブデソニドの分解を促進してしまうことである。
アスコルビン酸パルミテートの50〜250ppmという濃度範囲での使用は、特に適していることが示された。実施例4に、ブデソニド2mg坐剤を25℃/相対湿度60%で24ヶ月間貯蔵した際の、不純物プロファイルに対するアスコルビン酸パルミテートの濃度依存的な効果を示す。実施例1における安定化されていないブデソニド坐剤とは対照的に、この方策のみで、固形脂肪に溶解している有効成分を長期にわたって安定化させることができ、アスコルビン酸パルミテートを好ましくは100〜200ppmの濃度範囲で用いることが有効である。坐剤の質量を上記したように1gまで低減させ、最適化された100ppmのアスコルビン酸パルミテートの添加を行うことにより、25℃/相対湿度60%で少なくとも24ヶ月間安定状態を維持し、冷蔵庫で貯蔵する必要のないブデソニド坐剤を調製することができる。
実施例5には、ブデソニド2mg坐剤およびブデソニド4mg坐剤の好ましい実施形態である組成物が記載されている。ここでは、融解した坐剤材料がプラスチック製の成形型に流し込まれ、急速に固化する。個々の坐剤の用量は体積で表される。
融解物を受容するために使用されるラミネートフィルムは、好ましくは、ポリ塩化ビニリデン(40g/m)および低密度ポリエチレン(40μm)でコーティングされた、厚さ100μmのポリ塩化ビニルフィルム(LDPE/PVC/PVdC)から成る。この成形型は酸素に対するバリア機能が強化された包装体であり、製剤のためのさらなる保護メカニズムとして機能する。ブデソニド坐剤用に、アルミホイルの成形型を選択することにより、保護バリアをさらに強化することができる。
好ましい一実施形態において、本発明による坐剤は、完全な窒素雰囲気下で調製される。これは、最終的な医薬製剤の各成分を合わせた後、空気を抜き、次いで窒素または不活性ガスを供給することにより、酸化反応を防ぐことを意味する。次いで、融解状態にある、有効成分を含む坐剤材料を、準備した気密ラミネートフィルムに直接入れ、固化させる。ここで、該ラミネートフィルムは、最終的な坐剤の形状を規定するように、また充填後に閉鎖することで坐剤材料と酸素との接触がほぼ避けられるように設計されている。
本発明の方策によれば、室温で安定して貯蔵できるブデソニド坐剤を調製することができる。実施例6の有効期間試験の結果は、安定化の方策と保護メカニズムを選択して組み合わせることによって、安定したブデソニド坐剤の提供が可能になることを、見事に証明している。
有効成分ブデソニドの粒径は、可能な限り小さくすべきである。そのために、ブデソニドは適切なミル(例えばジェットミル)で微粉化される。本発明によれば、微粉化は、粒子の100%が10μmよりも小さくなるように行われる。微粉化されたブデソニドは、インラインホモジナイザーの粉体供給ステーションを通って、融解状態にある固形脂肪に混合される。ここで、粒子の凝集体は粉砕され、溶解していない有効成分の、基剤中での均一な分布が達成される。粒径を小さくすることは、有効成分が最初から沈降することを防止するためにも適した手段である。粒子が凝集しないこともまた重要である。一般に、粒子が小さくなるほど、粒子が凝集するリスクは高まるが、これは、粒子が小さくなるほど、個々の粒子の表面積が増し、表面エネルギーが増加することによる。少量(典型的には、微粉化されたブデソニドに対して0.5重量%未満)の界面活性剤を加えることによって、粒子成長のリスクは防止できる。界面活性剤の添加はさらに、直腸分泌液中での有効成分の拡がりおよび溶解を改善する結果をもたらす。しかしながら、界面活性剤の選択は、坐剤の投与において望ましくない副作用を引き起こすことのないように行われることが重要である。
治療での使用において、医薬有効成分であるブデソニドは、2〜4mgの用量で使用される。ここで、有効成分は微粉化された形態で使用され、粒子の100%が10μmよりも小さい粒径を有し、少なくとも95%は5μmよりも小さく、また少なくとも80%は3μmよりも小さい。ブデソニドの粒径分布の測定は、レーザー回折分析(レーザー回折法)によって行われる。ここで、ブデソニドは、水性溶媒中に湿式分散される。粒子に単波長レーザー光線を照射した後、回折パターンを測定し、そこから粒径分布を計算することができる。微粉化したものを使用することで、溶融状態の坐剤材料中に懸濁されたブデソニドの製造中の沈降が防止され、成形型への注入および固化において有効成分が均一に分布することとなる。同時に、微粉化により、坐剤が挿入されて融解した後に、粘膜に沈殿したブデソニドが直腸分泌液に溶解する速度が増す。実施例7に、ブデソニド2mg坐剤の2時間にわたるインビトロ放出試験の結果を示す。この時間内に、懸濁している有効成分および固形脂肪基剤に溶解している有効成分のいずれもが放出される。したがって、本発明による製剤を用いれば、確実にブデソニドの用量全体が製剤から放出され、直腸粘膜上で十分に長い時間にわたって利用されるため、治療効果が達成される。
本発明による坐剤は、直腸の炎症性疾患の治療に好ましく使用される。そのような疾患としては、症状の迅速な軽減が所望される急性疾患が好適である。
本発明による坐剤は、活動期潰瘍性直腸炎を有する患者の治療に好ましく使用される。好ましい一実施形態において、2mgのブデソニドを含有する坐剤または4mgのブデソニドを含有する坐剤が、朝に1回と夜に1回投与される。したがって、本発明によるブデソニド坐剤は、活動期潰瘍性直腸炎の治療に特に適している。
急性潰瘍性直腸炎の患者についての臨床研究を行い、本発明の実施形態単独、または従来のメサラジン坐剤との併用療法を検討し、従来のメサラジン坐剤と比較した。本発明によるブデソニド坐剤の使用により、臨床症状が消失するまでの時間が顕著に短縮されることを実証できた。この臨床研究のエンドポイントは、直腸出血および排便頻度のスコアが3日連続で0となった最初の日と定義された。
臨床的寛解および内視鏡的寛解を示したか、あるいは症状の改善が見られた患者の率は、ブデソニド坐剤による治療を受けた患者のほうが高かった。臨床的寛解および内視鏡的寛解は、患者の改良DAI−UC(Disease Activity Index−Ulcerative Colitis)スコアが1以下となった時点で達成されたものとしたが、直腸出血および排便頻度のカテゴリーにおいて0であること、および「粘膜の外観」のサブカテゴリーにおいて少なくとも1ポイント低減されることを必須とした。症状の改善は、合計スコアが少なくとも3ポイント以上低減されるものとした。
比較製剤として試験したメサラジン坐剤と比べて、坐剤自体の質量が減じられた本発明によるブデソニド坐剤は、患者への使用においてもより高い受容性を達成した。
本発明の特別な一実施形態において、本発明によるブデソニド坐剤は、メサラジン坐剤との併用療法において使用される。そのような併用療法では、朝にブデソニド坐剤を投与して夜にメサラジン坐剤を投与すること、または朝にメサラジン坐剤を投与して夜にブデソニド坐剤を投与することが好ましい。
坐剤の効能の評価には、Kammら(2007,Gastroenterology,132,p.66−75)によるもののような、改良UC−DAI評価基準を使用する。
この評価基準および関連するパラメータの定義は、該文献の表1に開示されている。
本発明の好ましい実施形態を、以下の実施例によって説明する。
実施例1:安定化を行わない場合の、品質の異なる固形脂肪中のブデソニドの分解に対する該固形脂肪の影響
Figure 0006857644
安定化手段を何ら講じない場合、固形脂肪を用いたブデソニド2mg坐剤は不安定であり、また、使用される固形脂肪の性質によって、安定性は影響を受ける。3ヶ月の貯蔵期間の後、25℃/相対湿度60%において、既に10%以上の含量の低下が見られた。ここで、固形脂肪ウィテップゾールW45とともに用いたブデソニドの安定性は、ウィテップゾールH15とともに用いたものよりも明らかに劣っていた。モノグリセリドおよびジグリセリドの割合が低いことにより、ウィテップゾールH15のヒドロキシル価は低いが、一方W45におけるモノグリセリドおよびジグリセリドの割合は高い。したがって、ウィテップゾールH15に関しては、固形脂肪の遊離ヒドロキシル基と有効成分分子の官能基との間で相互作用が起こる可能性は低い。
実施例2:固形脂肪ウィテップゾールH15に対するブデソニドの飽和溶解度
溶融状態にある40℃のウィテップゾールH15に対するブデソニドの溶解度を求めた。ここでは、ブデソニドの量を増しながら、固形脂肪基剤中に懸濁させた。未溶解のブデソニドを分離し、坐剤を固化させた後、HPLC/UVを用いて、溶解した割合および溶解しなかった割合をそれぞれ求めた。結果を以下に示す。
Figure 0006857644
表に示したように、40℃で求めたウィテップゾールH15中のブデソニドの飽和溶解度は、約1.5mg/gである。用量2mgのブデソニドを有する1gの坐剤では、該有効成分の75%が固形脂肪基剤に溶解して分子が分散した状態にあり、用量が4mgの場合には、これが55%となる。したがって、本発明によるブデソニド坐剤は、溶体と懸濁体との混合製剤である。溶解しているブデソニドのみ、酸化防止剤の添加によって安定化させる必要がある。
ウィテップゾールH15中のブデソニドの飽和溶解度を求めるために、ブデソニドの用量を変えて1gの坐剤を調製し、40℃で24時間置いた。次いで、溶解していないブデソニドを沈殿させるため、遠心分離(4000rpmにて10分間)を行った。これらの坐剤を冷蔵庫(2〜8℃)に2時間入れて、固化させた。ブデソニド濃度を求めるために、坐剤を異なる比率で2つ(坐剤の先端を有する下部と上部)に分けた。分割した2つの部分は、個別にHPLC分析のための処理を行い、分析に供した。各部分の重量および得られた含量値から、ブデソニドの濃度をmg/gで計算した。溶解したブデソニドは坐剤基剤中に均一に分配され、一方溶解しなかったブデソニドは坐剤の先端部に集まる。したがって、坐剤の上部におけるブデソニド分析の結果は、溶解したブデソニドの割合を表す。これらの値を上の表に示す。
実施例3:固形脂肪ウィテップゾールH15中に溶解したブデソニドの安定化に適した酸化防止剤の選択
適切な酸化防止剤を選択するために、従来技術に記載のある、種類の異なる酸化防止剤について試験した。ここでは、質量1.8gのブデソニド2mg坐剤を使用したが、該坐剤中の有効成分は、固形脂肪基剤中に完全に溶解した状態で含まれていた。酸化防止剤は濃度が100ppmとなるように、製剤に添加された。対照バッチは、酸化防止剤を含まないものとした。成形型として、低密度ポリエチレン(LDPE)でコーティングされたポリ塩化ビニルフィルム(PVC)から成るラミネートフィルムを使用した。このフィルムは、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)でできたさらなるバリア層は含まないものであった。各坐剤は、30℃/相対湿度65%で30日間貯蔵した。調製および貯蔵の後、ブデソニド坐剤の不純物プロファイルをHPLC/UVを用いて測定した。以下2つの表は、試験した製剤および試験結果をまとめたものである。
Figure 0006857644
Figure 0006857644
酸化防止剤の添加を行わない場合(対照バッチ:バッチV1917)、30℃/相対湿度65%における30日間の貯蔵後に観察され得るブデソニド分解物の割合は、約5%である(実施例1も参照のこと)。DL−α−トコフェロールまたはブチルヒドロキシアニソールを100ppmで添加しても、坐剤の安定化にはつながらない(バッチV1915およびV1916を参照のこと)。驚くべきことに、これらの酸化防止剤が存在すると、有効成分の分解は、逆に著しく増加する。したがってDL−α−トコフェロールおよびブチルヒドロキシアニソールは、ブデソニド坐剤を安定化するための選択肢とはなり得ない。対照的に、アスコルビン酸パルミテートは顕著な抗酸化効果を示す。貯蔵期間中、ブデソニドの分解は見られない。アスコルビン酸パルミテートの抗酸化効果を示すために、実験は、ブデソニドが固形脂肪中に完全に溶解するような、また酸素バリアを持たないキャストフィルムを使用するような、ブデソニドの安定性には不利な条件下で実施される。
実施例4:固形脂肪ウィテップゾールH15に溶解したブデソニドを安定化するための酸化防止剤としてのアスコルビン酸パルミテートの最適濃度
ブデソニドを安定化するための酸化防止剤としてのアスコルビン酸パルミテートの効果を、以下の処方のブデソニド2mg坐剤を用いて試験した。
Figure 0006857644
いずれの坐剤においても、固形脂肪基剤に溶解し、安定化する必要のあるブデソニドの割合は75%である。成形型としては、LDPE/PVC/PVdCのラミネートフィルムを使用した。製造直後および25℃/相対湿度60%における24ヶ月間の貯蔵の後に、ブデソニド坐剤の不純物プロファイルをHPLC/UVで測定した。得られた結果は以下の通りであった。
Figure 0006857644
アスコルビン酸パルミテートは、固形脂肪基剤に溶解して分子が分散しているブデソニドを、濃度依存的に安定化する。ブデソニド2mg坐剤および4mg坐剤の好ましい実施形態において、含有されるアスコルビン酸パルミテートの濃度域は100〜150ppmである。
実施例5:ブデソニド2mg坐剤および4mg坐剤の好ましい実施形態の成分と組成
Figure 0006857644
実施例6:ブデソニド2mg坐剤および4mg坐剤の好ましい実施形態の有効期間試験
好ましい実施形態において、100ppmのアスコルビン酸パルミテートを用いてブデソニド2mg坐剤および4mg坐剤を調製し、有効期間試験のために25℃/相対湿度60%で貯蔵した。製造直後、および貯蔵中に一定の間隔を置いて、坐剤中の含量および純度をHPLC/UVで測定した。以下2つの表は、ブデソニド2mg坐剤およびブデソニド4mg坐剤の結果をまとめたものである。
Figure 0006857644
Figure 0006857644
ブデソニドの含量および分解産物の総和は、貯蔵中、ごくわずかしか変化しなかった。意外にも見出されたこの物理的・化学的安定化の組合せを用いることにより、ブデソニド2mg坐剤および4mg坐剤の有効期間は、25℃/相対湿度60%において少なくとも24ヶ月間保証される。
実施例7:ブデソニド2mg坐剤のインビトロ放出試験
本発明によって組成され調製されたブデソニド坐剤は、2時間にわたって有効成分を放出する。この間に、微粉化状態で懸濁されている有効成分および固形脂肪基剤に溶解して分子が分散している有効成分のいずれもが放出される。これによって、十分に長い時間にわたって有効成分を直腸粘膜上で利用できることになり、治療効果を確実に発揮させることができる。図1に、ブデソニド2mg坐剤バッチV2042の、製造直後(T0)および25℃/相対湿度60%において24ヶ月間貯蔵した後(T24)の放出プロファイルを示す。測定は37℃で実施し、好ましくはヨーロッパ薬局方に記載のフローセル(装置4)を使用し、流速16ml/分の閉鎖系とする。媒体として、0.5%のドデシル硫酸ナトリウムを添加したpH6.8のクエン酸リン酸緩衝液を使用する。放出動態を明らかにするために、15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、および120分後にサンプリングを行う。放出媒体に溶解しているブデソニドは、HPLC/UVで測定する。
実施例8:坐剤の臨床的有効性および患者の受容性についての試験
二重盲検試験として、直腸炎の患者に対するブデソニド坐剤の試験を行った。合計79名の患者に対する治療により、異なる有効成分を含む様々な坐剤についての試験を行ったが、どの坐剤が投与されているのか、患者には知らされなかった。
試験では、どのくらいの期間で臨床的寛解が得られるかを調べ、1日の排便回数が3回以下となり、かつ血便が見られなくなった日を「第1日」と定義した。本発明による坐剤を用いた場合、この期間の中央値は8日であった。
さらなるパラメータとして、粘膜の治癒が見られた患者のパーセンテージを求めた。このために、直腸における患部の内視鏡検査を行い、疾患活動指数(改良UC−DAI:Ulcerative Colitis−Disease Activity Index)に準じて判定した。求めた値は81%であった。有効成分4mgを含む本発明によるブデソニド坐剤(総重量1g)を用いて得られた結果を、以下の表10にまとめて示す。
Figure 0006857644
坐剤において重要な役割を果たすさらなる本質的な特徴として、本発明の坐剤の、患者による受容性を調べた。この調査は、質問表によってデータを集めるものであり、坐剤を朝に使用することおよびそれによる支障について質問した。第1の質問「坐剤を朝に使用することをどのように評価しますか」に対して、患者は「容易/さほど困難ではない/困難」で回答することができた。第2の質問「坐剤を朝に使用することは、あなたの日常生活にどの程度支障をきたしますか」に対して、患者は「かなり支障がある/大した支障はない/ほとんど支障はない」で回答することができた。
患者に対する調査の結果を、以下の表11にまとめて示す。
Figure 0006857644
要約すると、大多数の患者(78.5%)が坐剤を朝に使用することは容易と判断したと結論付けることができる。さらに、大多数の患者(58.2%)にとって、坐剤を朝に使用することは、日常生活にほとんど支障をきたさなかった。
これらのデータから、本発明による坐剤は、貯蔵安定性を有するのみならず、臨床的有効性が非常に良好であり、同時に患者による受容性も高いことがわかる。

Claims (11)

  1. 直腸内に投与するための医薬製剤であって、ブデソニドまたはその薬学的に適合する塩、および1種類の固形脂肪または複数種の固形脂肪の混合物を製剤の総重量に対して少なくとも80重量%含み、さらにこれらの成分と適合する酸化防止剤を少なくとも1種含み、該酸化防止剤がアスコルビン酸パルミテートであり、固形脂肪のトリグリセリド含有率が80重量%以上であり、固形脂肪のヒドロキシル価が1〜15であり、固形脂肪の不飽和脂肪酸含有率が1重量%未満であり、経肛門投与用の坐剤であり、坐剤1個当たり1.8〜4.2mgのブデソニドを含み、坐剤1個当たりの重量が0.8〜1.2gであることを特徴とする、医薬製剤。
  2. 融点と凝固点との差が小さく、融点が33.5〜35.5℃、凝固点が32.5〜34.5℃であることを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
  3. 坐剤1個当たり1.8〜2.2mgのブデソニドを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の製剤。
  4. 坐剤1個当たりのブデソニドの重量が3.8〜4.2mgであることを特徴とする、請求項1または2に記載の製剤。
  5. アスコルビン酸パルミテートの濃度が50〜200ppmであることを特徴とする、請求項1に記載の製剤。
  6. ブデソニドが微粉化された形態にあり、ブデソニド粒子の100%が10μmよりも小さいことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の製剤。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の製剤であって、該医薬製剤が坐剤の形態で気密キャストフィルム内に包装されていることを特徴とする製剤。
  8. 腸の炎症性疾患の治療に使用するためのものである、請求項1〜のいずれかに記載の医薬製剤。
  9. 性潰瘍性直腸炎の治療に使用するためのものである、請求項1〜のいずれかに記載の医薬製剤。
  10. メサラジン坐剤と併用されることを特徴とする、請求項またはに記載の医薬製剤。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の製剤の製造方法であって、医薬製剤の調製が酸素排除下で行われる工程を含み、該医薬製剤は貯蔵安定性を有することを特徴とする製造方法。
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