JP6857465B2 - 排紙装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像を形成した印刷用紙が排紙される排紙装置と、印刷用紙に画像を形成する画像形成装置とに関する。
画像を形成(印刷)した印刷用紙がカールすることは従来から広く知られている。カールした印刷用紙が排紙トレイに排紙されると、排紙トレイ上で印刷用紙が好適に積層されず、排紙トレイにおける印刷用紙の排紙不良(ジャム)等の原因となる。そこで、印刷用紙のカールを抑制する提案が従来から行われている。
具体的には、例えば、印刷面に浸透したインク中の水分を印刷用紙の加熱により非印刷面側から除去して印刷用紙のカールを抑制する提案がある(例えば、特許文献1)。また、定着ローラの圧接により印刷面が加熱された印刷用紙を排紙トレイ上でカールした向きとは反対向きに反らせてカールを矯正する提案もある(例えば、特許文献2)。
特開平9−30710号公報 特開平9−208110号公報
ところで、画像を形成した印刷用紙のカールは、結局の所、インクの浸透や定着ローラによる加熱によって印刷面と非印刷面との間に乾燥度の差が生じたことで生じる現象と言うことができる。
その観点から見ると、特許文献1の提案は、印刷面を強制乾燥させて乾燥度を非印刷面に近付けるものと言えるが、そのために印刷用紙を加熱する構成が必要であり、装置の消費電力が増してしまう。
一方、特許文献2の提案は、排紙トレイの形状によってカールした印刷用紙を平らに矯正するので、消費電力の増加の原因となる印刷用紙を加熱するための構成は不要である。その代わり、平らに矯正された印刷用紙の印刷面と非印刷面との乾燥度の差が、加熱された印刷面の冷却やインクが浸透した印刷面の乾燥によりなくなると、排紙トレイにより矯正する前のカールの向きとは反対の向きのカールが促進されてしまう。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、印刷面に画像が形成された印刷用紙の印刷面と非印刷面との乾燥度の差を、印刷用紙を加熱する構成を用いずに減らして印刷用紙の平坦化を図ることができる排紙装置及び画像形成装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様による排紙装置は、
印刷ジョブの実行により印刷面に画像を形成した印刷用紙を排紙トレイに排紙する排紙装置において、
前記印刷面への画像形成によりカールが生じた前記印刷用紙の前記排紙トレイへの排紙の開始に際して、該印刷用紙の排紙方向と交差する前記印刷用紙の幅方向における前記排紙トレイの中央部を両端部に対して相対的に、前記排紙の開始時点における前記印刷用紙のカールの凸側に変位させる移動手段と、
前記印刷ジョブによる画像形成後の前記印刷用紙の前記排紙トレイに対する排紙終了から所定期間の経過後に、前記中央部の前記両端部に対する、前記排紙の開始時点における前記印刷用紙のカールの凸側への相対的な変位を解消させる復帰手段と、
を備える。
また、本発明の第2の態様による排紙装置は、本発明の第1の態様による排紙装置において、前記所定期間は、前記印刷ジョブの最後に前記排紙トレイに排紙された前記印刷用紙の前記印刷面と非印刷面との間に画像形成プロセスにおいて生じた乾燥度の差が縮小し始めるタイミングを終了タイミングとする期間である。
さらに、本発明の第3の態様による排紙装置は、本発明の第1又は第2の態様による排紙装置において、前記所定期間は、前記印刷ジョブの印刷設定情報に基づいて設定される。
また、本発明の第4の態様による排紙装置は、本発明の第1、第2又は第3の態様による排紙装置において、前記印刷面への画像形成を、液体インクを用いたインクジェット方式で行う。
また、前記目的を達成するために、本発明の第5の態様による画像形成装置は、
印刷ジョブの実行により印刷面に画像を形成した印刷用紙を排紙装置により排紙トレイに排紙する画像形成装置において、
前記排紙装置として、本発明の第1の態様による排紙装置を有しており、第1の態様による排紙装置の移動手段が、前記排紙トレイに対する前記印刷用紙の排紙方向と直交する前記印刷用紙の幅方向における、前記排紙トレイの両端に設けられている。
さらに、前記目的を達成するために、本発明の第6の態様による排紙装置は、
印刷ジョブの実行により印刷面に画像を形成した印刷用紙を排紙トレイに排紙する排紙装置において、
前記印刷面への画像形成によりカールが生じた前記印刷用紙の前記排紙トレイへの排紙の開始に際して、前記排紙の開始時点における前記印刷用紙の排紙方向と交差する前記印刷用紙の幅方向のカールの凸側に、前記排紙トレイを変位させる移動手段と、
前記印刷ジョブによる画像形成後の前記印刷用紙の前記排紙トレイに対する排紙終了から所定期間の経過後に、前記凸側への変位を解消させる復帰手段と、
を備える。
本発明によれば、印刷面に画像が形成された印刷用紙の印刷面と非印刷面との乾燥度の差を、印刷用紙を加熱する構成を用いずに減らして印刷用紙の平坦化を図ることができる。
即ち、印刷ジョブの実行により印刷面に画像が形成されると、印刷面と非印刷面との間に乾燥度の差が生じる。この差は、例えば、画像形成に用いられた液体インクの水分が印刷面に偏って浸透することや、画像形成に用いたトナーを定着させるために印刷面を加熱すること等によって生じる。
そして、このような乾燥度の差が印刷面と非印刷面との間に生じると、印刷面側と非印刷面側とで印刷用紙の繊維の伸縮状態に違いが生じ、繊維が相対的に伸長した面側が外側となり繊維が相対的に収縮した面側が内側となるカールが印刷用紙に生じる。
また、最後の印刷用紙が排紙トレイに排紙されてから所定期間が経過する頃には、排紙トレイの印刷用紙の印刷面と非印刷面との間に生じていた乾燥度の差が減少する。したがって、その頃には、印刷用紙の印刷面側における繊維の伸縮状態と非印刷面側における繊維の伸縮状態とが近づいて、印刷用紙のカールが解消するようになる。
そこで、本発明の第1の態様による排紙装置では、カールした印刷用紙に沿うように、排紙トレイの排紙方向における中央部を両端部に対してカールの凸側に相対的に変位させる。この変位は所定期間続けられ、その期間中、カールした印刷用紙は、カールを矯正する等の外力が排紙トレイから加わりにくい状態に保たれる。
また、最後の印刷用紙が排紙トレイに排紙されてから所定期間が経過したら、排紙トレイの中央部の両端部に対する相対的な変位を解消させる。これにより、カールが解消するときの印刷用紙に排紙トレイから印刷用紙を変形させる外力が排紙トレイから加わりにくい状態に保たれる。
したがって、印刷ジョブの最後の印刷用紙が排紙トレイに排紙されてから所定期間が経過するタイミングを境に排紙トレイの状態を変化させて、カールした印刷用紙にもカールが解消する過程の印刷用紙にもそれぞれ排紙トレイから外力が加わりにくいようにすることができる。よって、画像形成によりカールした印刷用紙の印刷面と非印刷面との乾燥度の差を自然に解消させて、印刷用紙をカールしない状態に復帰させることができる。
これにより、印刷面に画像が形成された印刷用紙の印刷面と非印刷面との乾燥度の差を、印刷用紙を加熱する構成を用いずに減らして印刷用紙の平坦化を図ることができる。
なお、画像形成プロセスにおいて印刷用紙の印刷面と非印刷面との間に生じた乾燥度の差が縮小する時期に合わせて、排紙トレイの両端部に対する中央部の変位を解消する場合は、本発明の第2の態様による排紙装置のように、印刷面と非印刷面との乾燥度の差が縮小し始めるタイミングを、所定期間が終了するタイミングとすることができる。
これにより、印刷用紙の印刷面と非印刷面との乾燥度の差の縮小が、排紙トレイから印刷用紙に矯正のための力が印刷用紙に加わらない状態で始まるようにして、印刷用紙をカールしない状態に自然に復帰させることができる。
また、排紙された印刷用紙のカールが自然に解消されるのにかかる時間が、印刷用紙の種類や印刷条件、印刷に使用するインクの種類、画像形成装置の印刷方式等の印刷設定条件によって変化する場合は、本発明の第3の態様による排紙装置のように、印刷ジョブの印刷設定情報から印刷設定条件を特定し、特定した印刷設定条件に応じた適切な期間に所定期間を設定することができる。
さらに、液体インクを用いたインクジェット方式で印刷面に画像を形成する場合は、液体インクの水分が印刷面に浸透して繊維が伸長し、非印刷面との間に乾燥度の差が生じて、印刷面が外側に位置するように印刷用紙がカールして排紙トレイに排紙される。
この印刷用紙の印刷面と非印刷面との乾燥度の差を、本発明の第4の態様による排紙装置では、加熱する構成を用いずに減らしてカールを抑制することができる。
また、本発明の第5の態様による画像形成装置では、本発明の第1、第2、第3又は第4の態様による排紙装置で得られる効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る印刷装置の概略構成を示す説明図である。 (a)〜(c)は、図1の印刷装置で画像を印刷した印刷用紙に生じるカールの排紙からの経過時間毎の状態を画像の印字率別に示す説明図である。 図1の印刷装置で画像の印刷に使用するインクの組成例を示す説明図である。 一般的な印刷装置に設けられる排紙トレイの一例を示す外観斜視図である。 (a),(b)は画像の印刷によりカールした印刷用紙を排紙トレイの排紙面上で所定期間放置した場合の印刷用紙の状態を示す説明図である。 (a)〜(c)は、排紙後放置した印刷用紙のカールの状態を検証するのに用いた排紙トレイの用紙幅方向の形状を示す説明図である。 インクAを用いて印刷面に画像を形成した印刷用紙を排紙トレイ上で放置した場合の印刷用紙のカールの状態を示す説明図である。 インクBを用いて印刷面に画像を形成した印刷用紙を排紙トレイ上で放置した場合の印刷用紙のカールの状態を示す説明図である。 排紙された印刷用紙を上向きに湾曲させる突起をトレイ面上に突設した排紙トレイの説明図である。 図1の印刷装置の排紙トレイの概略構成を示す説明図である。 図1の印刷装置で印刷した印刷用紙におけるうカールの発生メカニズムを段階的に示す説明図である。 図1の印刷装置の制御部が行う図10の排紙トレイの揺動片の揺動に関する処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の参考例に係る印刷装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係るプリントシステムの概略構成を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る印刷装置の概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態のプリントシステム1は、コンピュータ10と、コンピュータ10に有線または無線LAN等のネットワークを介して接続された印刷装置20(請求項中の画像形成装置に相当)とを備えている。
コンピュータ10は、印刷用紙Pに印刷される画像データを編集可能に構成されたものであり、この画像データを含む封書作成用の印刷ジョブデータを生成し、その印刷ジョブデータを印刷装置20に出力するものである。
印刷ジョブデータには、上述した画像データの他に印刷設定情報が含まれている。この印刷設定情報には、印刷に使用する印刷装置20の情報や、印刷用紙Pの用紙種類の情報、印刷装置20において印刷に使用されるインクの情報、両面印刷または片面印刷を示す情報等が含まれている。
印刷装置20は、印刷用紙Pに対してインクを吐出するインクヘッド部21を備えている。インクヘッド部21は、コンピュータ10から出力された印刷ジョブデータに含まれる画像データに基づいて、印刷用紙Pに対してインクを吐出して印刷処理を施すものである。本実施形態のインクヘッド部21は、ブラックK、シアンC、マゼンダM、イエローYの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッドを備えるものである。
また、印刷装置20は、印刷用紙Pがセットされる給紙トレイ22及びストレート給紙台23とを備えている。給紙トレイ22は、第1給紙トレイ22aと第2給紙トレイ22bと第3給紙トレイ22cとを備えており、これらの給紙トレイに種々の用紙種類、用紙サイズの印刷用紙Pがセットされる。また、ストレート給紙台23にも、印刷用紙Pがセットされる。
そして、印刷を行う際には、印刷ジョブで指定された印刷用紙Pがストレート給紙台23や給紙トレイ22から選択されて、不図示の給紙ローラ等によってピックアップされて給紙される。
また、印刷装置20は、印刷用紙Pを搬送する循環搬送路24を備えている。循環搬送路24は、給紙トレイ22やストレート給紙台23から給紙された印刷用紙Pをインクヘッド部21の上流側から下流側に向けて搬送するものである。
循環搬送路24は、片面印刷の際には、インクヘッド部21において印刷処理の施された印刷用紙Pをそのまま排紙トレイ25(請求項中の排紙トレイに相当)に排紙するものである。また、循環搬送路24は、両面印刷の際には、片面の印刷処理が終了した印刷用紙Pを排紙トレイ25の下面に形成された反転部26まで搬送し、反転部26において表裏反転された片面印刷済の印刷用紙Pを再びインクヘッド部21の上流側から下流側へ搬送する。その後、循環搬送路24は、インクヘッド部21において再び印刷処理の施された両面印刷済の印刷用紙Pをそのまま排紙トレイ25に排紙する。
なお、循環搬送路24は、片面印刷及び両面印刷の印刷用紙Pを、印刷処理後に連絡搬送路27に受け渡す。連絡搬送路27は、印刷装置20に接続される不図示の後処理装置の用紙受入口に接続される。
印刷装置20は、印刷装置20全体を制御する制御部28を備えている。この制御部28は、例えば、CPU、ROM及びRAM(いずれも図示せず)を有するコンピュータによって構成することができる。そして、制御部28には、ディスプレイ29が接続されている。このディスプレイ29は、印刷装置20の上部に配置されている。ディスプレイ29は、印刷装置20の各種動作に関連する入力デバイスと情報出力デバイスとして利用することができる。
制御部28には、コンピュータ10からの印刷ジョブデータが入力される。コンピュータ10からの印刷ジョブデータを受け取ると制御部28は、受け取った印刷ジョブデータの画像データによる画像を、印刷設定情報において指定された条件で、インクヘッド部21の印刷処理により印刷用紙Pに印刷させる。
制御部28は、印刷用紙Pの用紙種類や印刷条件、印刷に使用するインクの種類や、印刷装置20の印刷方式、後処理の有無やその内容等を、コンピュータ10から受け取った印刷ジョブデータの印刷設定情報から特定することができる。
ところで、コンピュータ10からの印刷ジョブの実行等により、印刷装置20で印刷用紙Pに画像が印刷されると、印刷直後の印刷用紙Pが、印刷面側が外側に位置するようにカールする。
即ち、印刷装置20のように、液体インクを用いたインクジェット方式で印刷面に画像を形成すると、液体インクの水分が印刷用紙Pの印刷面に浸透して繊維が伸長し、印刷用紙Pの非印刷面との間に乾燥度の差が生じるので、印刷面が外側に位置するように印刷用紙Pがカールして排紙トレイ25に排紙される。
ここで、印刷用紙Pに生じるカールは、図2(a)の説明図に示す縁なしの印字率が高い画像Mを印刷面P1の全面に印刷したときには、排紙直後よりも3秒後、5秒後の方が強くなる。また、印刷用紙Pに生じるカールは、図2(b),(c)の説明図に示すように、印刷面P1に印刷する画像Mの印字率が下がるほど少なくなる。さらに、印刷面P1に印刷する画像の印字率が低い場合は、排紙から時間が経過しても印刷用紙Pのカールが図2(a)のように強くなることはない。
このような傾向は、印刷に使用するインクの種類が異なっても基本的には同じである。例えば、図3の説明図に示すインクA、インクBのどちらを画像Mの印刷に用いても、印刷用紙Pのカールは印字率が高いほど強く、また、印字率が高い場合は、排紙直後よりも排紙5秒後の方がカールが強くなった。
次に、カールした印刷用紙Pが一般的な印刷装置の排紙トレイに排紙された場合について説明する。図4は一般的な印刷装置に設けられる排紙トレイの一例を示す外観斜視図である。図4に示す一般的な排紙トレイ150は、印刷装置の排紙口140から排紙された印刷後の印刷用紙Pを積層させるものである。
排紙トレイ150は、傾斜面151aを有するトレイ本体151と、一対のサイドフェンス152,152と、突き当てカバー153と、突起部材155とを備えている。
排紙トレイ150は、排紙口140から排紙される印刷用紙Pの落下位置に設けられ、印刷用紙Pの排紙方向(図中Y方向)に上昇する所定角度の傾斜面151aを有するトレイ本体151を備えている。トレイ本体151は、傾斜面151a上に印刷用紙Pを積層する受台である。傾斜面151a上には排紙口140から順次排紙された印刷用紙Pが積層状態で載置される。
一対のサイドフェンス152,152は、トレイ本体151の傾斜面151a上に排紙される印刷用紙Pの幅方向Xの両外側に配置され、トレイ本体151に対して幅方向Xに相対移動自在に設けられている。
これらのサイドフェンス152,152の間隔は、印刷用紙Pのサイズに合わせて設定することができ、通常は排紙される印刷用紙Pの幅より僅かに広い程度となっている。そして、一対のサイドフェンス152,152は、これらの間に排出された印刷用紙Pが入り込むことでこの印刷用紙Pの幅方向Xを規制して紙揃えをする。
また、一対のサイドフェンス152,152の最下部には、突き当てカバー153が設けられている。突き当てカバー153は、排紙口140から排紙される印刷用紙Pがトレイ本体151の傾斜面151aを滑りながら排紙方向Yの後方まで戻り、突き当てカバー153に印刷用紙Pの排紙方向Yの後端部が突き当たることで印刷用紙Pの排紙方向Yを紙揃えするものである。
突起部材155は、トレイ本体151の傾斜面151aに設けられている。この突起部材155は、幅方向Xから見て三角形の側面を有する三角柱状を呈しており、傾斜面151aの幅方向Xの中央部に形成した凹溝151bに、排紙方向Yに沿ってスライド可能に支持されている。この突起部材155は、排紙口140側に、傾斜面151aよりも傾斜が大きい誘導面155aを有している。
上述した突起部材155は、排紙口140から排紙された印刷用紙Pが排紙の勢いで傾斜面151aの先端からトレイ本体151の外に印刷用紙Pが滑り落ちるのを防ぐ。
このような排紙トレイ150のトレイ本体151の傾斜面151a上に、例えば、図2(a)〜(c)に示すような印刷面P1を外側にしてカールした印刷用紙Pが、印刷面P1を上にして(フェイスアップで)排紙された場合を想定する。この場合は、傾斜面151aに排紙された印刷用紙Pが、平面の傾斜面151aから、カールを矯正して印刷用紙Pを平らにするような外力を受ける。
ところで、印刷用紙Pのカールは、印刷面P1に浸透したインクの水分が蒸発して印刷面P1と非印刷面P2との乾燥度の差がなくなれば、放置しておいても自然に解消される。しかし、カールした印刷用紙Pが図4の排紙トレイ150の平らな傾斜面151a上に排紙されると、印刷用紙Pを平らに矯正する力が傾斜面151aから加えられた状態のまま印刷用紙Pが放置されることになる。
印刷用紙Pを平らに矯正した状態で、印刷用紙Pの印刷面P1に浸透したインクの水分が蒸発すると、印刷用紙Pの印刷面P1側の繊維が収縮し、図5(a)の説明図に示すように、印刷用紙Pが今度は、画像Mを形成した印刷面P1を内側にし、非印刷面P2を外側にしてカールしてしまう。
そこで、幅方向Xにおける中央部を両端部よりも持ち上げた傾斜面を有する排紙トレイ(図示せず)上に印刷用紙Pを排紙し、図2(a)〜(c)に示すようにカールした排紙直後の印刷用紙Pに沿って排紙トレイのトレイ面を配置させて、暫く放置することを試みた。その結果、図5(b)の説明図に示すように、排紙トレイ上の平らな傾斜面に印刷用紙Pを排紙して放置した図5(a)の状態よりは、印刷面を内側にした印刷用紙Pのカールが弱くなった。
この結果を受けて、図6(a)〜(c)の説明図に示す、トレイ本体252のトレイ面251aの形状が異なる排紙トレイ250を用いて、排紙後放置した印刷用紙Pのカールの傾向を検証することにした。図6(a)〜(c)において、一対のサイドフェンス252が間隔をおいて配置された図中の水平方向が、印刷用紙Pの幅方向Xであり、図中の紙面表裏方向が、図中不図示の排紙方向Yである。
そして、図6(a)の排紙トレイ250のトレイ本体251は、幅方向Xにおけるトレイ面251aの中央部が両端部に対して、排紙直後の印刷用紙Pのカールの凸の向きと同じく上向きに湾曲している。
また、図6(b)の排紙トレイ250のトレイ本体251は、トレイ面251aが平らであり、幅方向Xにおけるトレイ面251aの中央部と両端部との高さが同じである。さらに、図6(c)の排紙トレイ250のトレイ本体251は、幅方向Xにおけるトレイ面251aの中央部が両端部に対して、排紙直後の印刷用紙Pのカールの凸の向きとは反対の下向きに湾曲している。
まず、図3に示すインクAを用いて印刷面P1に画像Mを印刷した印刷用紙Pを、上向きに湾曲した凸形状のトレイ面251aを有する図6(a)の排紙トレイ250と、平らなトレイ面251aを有する図6(b)の排紙トレイ250とに、印刷面P1を上向きにしてそれぞれ排紙し、そのまま放置した場合の印刷用紙Pの傾向を検証した。
なお、下向きに湾曲した凹形状のトレイ面251aを有する図6(c)の排紙トレイ250を用いた検証は、インクAを用いて印刷面に画像を印刷した印刷用紙Pについては行わなかった。
そして、検証の結果、図7(a)の上段に示すトレイ面251aが凸形状の図6(a)の排紙トレイ250に排紙して放置した場合の印刷用紙Pの、印刷面P1を内側にしたカールは、図7(a)の下段に示すように、相対的に小さかった。
これに対し、図7(b)の上段に示す、トレイ面251aが平らな図6(b)の排紙トレイ250に排紙して放置した場合の印刷用紙Pの、印刷面P1を内側にしたカールは、図7(b)の下段に示すように、トレイ面251aが凸形状の図7(a)の上段の排紙トレイ250に排紙して放置した場合よりも、放置後の印刷面P1を内側にしたカールが強かった。
したがって、インクAを用いて印刷面P1に画像Mを印刷した印刷用紙Pが排紙されて回収までの間積載される排紙トレイ250としては、少なくとも、トレイ面251aが平らな図6(b)の排紙トレイ250よりも、トレイ面251aが凸形状の図6(a)の排紙トレイ250の方が好適であることが分かった。
続いて、図3に示すインクBを用いて印刷面P1に画像Mを印刷した印刷用紙Pを、トレイ面251aが凸形状の図6(a)の排紙トレイ250と、トレイ面251aが平らな図6(b)の排紙トレイ250と、トレイ面251aが凹形状の図6(c)の排紙トレイ250とに、印刷面P1を上向きにしてそれぞれ排紙し、そのまま放置した場合の印刷用紙Pの傾向を検証した。
そして、検証の結果、図8(a)の上段に示す、トレイ面251aが凸形状の図6(a)の排紙トレイ250に排紙して放置した場合の印刷用紙Pの、印刷面P1を内側にしたカールは、図8(a)の下段に示すように、相対的に小さかった。
これに対し、図8(b)の上段に示す、トレイ面251aが平らな図6(b)の排紙トレイ250に排紙して放置した場合の印刷用紙Pの、印刷面P1を内側にしたカールは、図8(b)の下段に示すように、トレイ面251aが凸形状の図8(a)の上段の排紙トレイ250に排紙して放置した場合よりも、放置後の印刷面P1を内側にしたカールが強かった。
また、図8(c)の上段に示す、トレイ面251aが凹形状の図6(c)の排紙トレイ250に排紙して放置した場合の印刷用紙Pの、印刷面P1を内側にしたカールは、図8(c)の下段に示すように、トレイ面251aが凸形状の図8(a)の上段の排紙トレイ250や、トレイ面251aが平らな図8(b)の上段の排紙トレイ250に排紙して放置した場合よりも、放置後の印刷面P1を内側にしたカールが強かった。
したがって、インクBを用いて印刷面P1に画像Mを印刷した印刷用紙Pが排紙されて回収までの間積載される排紙トレイ250としては、トレイ面251aが凹形状の図6(c)の排紙トレイ250よりも、トレイ面251aが平らな図6(b)の排紙トレイ250の方が好適であることが分かった。かつ、トレイ面251aが平らな図6(b)の排紙トレイ250よりも、トレイ面251aが凸形状の図6(a)の排紙トレイ250の方がさらに好適であることが分かった。
以上の検証結果から、排紙トレイ250に排紙して放置した場合の印刷用紙Pの印刷面P1を内側にしたカールの状態は、印刷に使用するインクの種類(インクA、インクB)を問わず、トレイ面251aが凸形状の図6(a)の排紙トレイ250に排紙して放置した場合が最も好適であることが分かった。
なお、排紙トレイ250のトレイ本体251は、トレイ面251aが凸形状に湾曲している図6(a)の形状の他、例えば、図9の説明図に示すように、平らなトレイ面251aの中央部にリブ251bを立設して、トレイ本体251に排紙された印刷用紙Pの幅方向Xの中央部を非印刷面P2側から上方に持ち上げる形状等であっても良い。
このように、印刷面P1に画像Mを印刷した印刷用紙Pが排紙される排紙トレイ250として、図6(a)の排紙トレイ250を用いれば、印刷面P1を外側に向けてカールした状態で印刷用紙Pが排紙トレイ250に排紙されても、トレイ本体251の凸形状のトレイ面251aによって、カールした印刷用紙Pを排紙トレイ250上に好適に積層させることができる。
但し、図6(a)の排紙トレイ250に印刷用紙Pを排紙しても、そのままトレイ面251a上に放置しておくと、印刷用紙Pには、図7(a)の下段や図8(a)の下段に示すような、印刷面P1を内側にしたカールが残る。
即ち、図6(a)の排紙トレイ250上の印刷用紙Pには、トレイ面251aが平らな図6(b)の排紙トレイ250よりも、印刷用紙Pを平らに矯正する力が強く作用する。よって、この状態で、印刷用紙Pの印刷面P1に浸透したインクの水分が蒸発し、印刷用紙Pの印刷面P1側の繊維が収縮すると、図6(b)の排紙トレイ250上で放置した場合よりは弱いものの、印刷面P1を内側にしたカールが残ってしまう。
そこで、図1に示す本実施形態の印刷装置20では、排紙トレイ25のトレイ本体25aを、図10の説明図に示すように、印刷用紙Pの幅方向Xの中央部で分割した2つの揺動片25b,25bで構成し、幅方向Xにおけるトレイ本体25aの両端のヒンジ部25cを中心に、各揺動片25bをモータ25dの動力で揺動できるように構成している。
したがって、モータ25dにより各揺動片25bを上方に揺動させると、トレイ本体25aの幅方向Xにおける中央部に位置する揺動片25bの先端の位置が、幅方向の両端のヒンジ部25cに対して相対的に上方に変位する。反対に、モータ25dにより各揺動片25bを下方に揺動させると、トレイ本体25aの幅方向Xにおける中央部に位置する揺動片25bの先端の位置が、幅方向の両端のヒンジ部25cに対して相対的に下方に変位する。
ここで、印刷面P1への印刷に伴う印刷用紙Pの変形(カール)の発生に関する基本的なメカニズムについて、図11を参照して説明する。まず、印刷用紙Pの印刷面P1(表面)にインクが付着して画像が形成(印刷)される(step1)。
すると、印刷から5秒くらいの間に、印刷用紙Pの印刷面P1(印刷物表面)の繊維がインクの付着により伸びる。このとき、インクが付着していない非印刷面P2の繊維は伸びない。これにより、印刷用紙P(印刷物)は10分ほどの間、印刷面P1(表面)を上にして凸カールする(step2)。
その後、印刷用紙Pの印刷面P1(印刷物表面)から徐々にインクの水分が蒸発して、印刷面P1の繊維が徐々に縮み、印刷後に1時間経過する頃までに、印刷面P1(表面)を上にして凸カールした印刷用紙Pが次第に平らに戻る(step3)。
なお、その後も印刷面P1(表面)の水分の蒸発が進むと、印刷用紙Pの印刷面P1がさらに乾燥し、印刷面P1の繊維がさらに縮んで、印刷用紙Pが印刷面P1を内側にして凹カールする(step4)。
以上のstep1〜4のような経緯を経て印刷後の印刷用紙Pが変形するので、印刷面P1(表面)を上にして印刷用紙Pが凸カールするstep1,2の期間は、排紙トレイ25の各揺動片25bを図10に示すように上方に揺動させて、凸カールした印刷用紙Pを、トレイ本体25a上でそのままの形状に保持することが望ましい。
このとき、上述した図3のインクA、インクBを用いて印刷用紙Pの印刷面P1に画像Mを印刷した場合は、印刷用紙Pの凸カール量に応じて、トレイ本体25aの幅方向Xの中央部を両端部よりも30mm以上高くすることが望ましい。
また、凸カールした印刷用紙Pが印刷面P1の乾燥により平らに戻るstep3の期間のうちに、排紙トレイ25の各揺動片25bを下方に揺動させて平らな状態に復帰させ、印刷面P1の乾燥により平らに戻った印刷用紙Pを、トレイ本体25a上でそのままの形状に保持することが好ましい。
なお、印刷面P1に画像Mを印刷した場合の印刷用紙Pの凸カールは、インクの水分含有量や保湿剤の含有量が多いほど、水分が蒸発しにくいので長く持続する。湿度が高い環境で印刷装置20を使用する場合も、インクの水分が蒸発しにくいので印刷用紙Pの凸カールが長く持続する。
また、印刷用紙Pの凸カールは、印刷面P1の単位面積当たりに付着するインクの量が多いほど強くなる。具体的には、1滴当たりのインク量、画像Mの印刷解像度、印刷面P1に対する印字率のいずれかが、他の印刷後の印刷用紙Pよりも多い印刷用紙Pは、残りが他の印刷用紙Pと同じ場合、他の印刷用紙Pよりも凸カールが強くなる。
さらに、填料(フィラー)の含有量が少ない印刷用紙Pほど、印刷用紙Pの繊維の割合が高くてインクの付着による伸び縮みの度合いが大きく、かつ、填料による補強が少ない分コシが弱いので、印刷用紙Pの凸カールが強くなる。
また、印刷用紙Pの坪量については、高過ぎるとコシが強くて変形しにくく、反対に低過ぎるとコシが弱くて変形した形状を維持しにくいので、印刷用紙の凸カールが弱くなる。言い換えると、坪量が中間程度の印刷用紙Pほど凸カールが強くなる。
さらに、水分量の少ない印刷用紙Pも、非印刷面P2に対する印刷面P1のインク付着時における繊維の伸びの度合いが大きいので、印刷用紙Pの凸カールが強くなる。湿度が低い環境で印刷装置20を使用する場合も、インクが付着せず繊維が伸びない非印刷面P2に対する、インクが付着して繊維が伸びる印刷面P1の繊維の伸びの度合いが、湿度の高い環境よりも大きくなるので、印刷用紙Pの凸カールが強くなる。
したがって、凸カールした印刷用紙Pに合わせて、排紙トレイ25の各揺動片25bを図10に示すように上方に揺動させる際に、トレイ本体25aの幅方向Xの中央部を両端部よりも高くする寸法は、上述した凸カールの強さを左右する要素の内容を考慮して、適宜調整することが好ましい。
また、上方に揺動させた排紙トレイ25の各揺動片25bを元の平らな位置に戻すタイミングも、上述した凸カールの持続時間を左右する要素の内容を考慮して、適宜調整することが望ましい。
なお、排紙トレイ25に印刷用紙Pが印刷面P1を下にして(非印刷面P2を上にして)排紙される(フェイスダウン排紙)場合は、上述したように、排紙トレイ25に印刷用紙Pが印刷面P1を上にして排紙される(フェイスアップ排紙)場合とは逆に、印刷後の印刷用紙Pは、幅方向Xにおける中央部よりも両端部が上に位置するように凹カールする。
したがって、この場合は、印刷直後の印刷用紙Pが凹カールする図11のstep1,2の段階で、図10に示す排紙トレイ25の各揺動片25bを、図10に示す方向とは逆に下方に揺動させて、凹カールした印刷用紙Pを、トレイ本体25a上でそのままの形状に保持することが好ましい。
また、凹カールした印刷用紙Pが印刷面P1の乾燥により平らに戻るstep3の期間のうちに、排紙トレイ25の各揺動片25bを上方に揺動させて平らな状態に復帰させ、印刷面P1の乾燥により平らに戻った印刷用紙Pを、トレイ本体25a上でそのままの形状に保持することが好ましい。
次に、本実施形態の印刷装置20がコンピュータ10からの印刷ジョブに基づいて印刷用紙Pの印刷面P1に画像Mを印刷し排紙トレイ25に排紙する際の、制御部28が行う排紙トレイ25のトレイ本体25aの揺動片25bの揺動に関する処理の手順について、図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、制御部28は、コンピュータ10からの印刷ジョブデータの入力を待ち受ける(ステップS1)。印刷ジョブデータが入力したら(ステップS1でYES)、制御部28は、入力した印刷ジョブデータ中の印刷設定情報を取得する(ステップS3)。
そして、制御部28は、取得した印刷設定情報から特定される印刷に使用するインクや印刷用紙Pの種類、排紙方法(フェイスアップ排紙、フェイスダウン排紙)に基づいて、排紙トレイ25の動作パターン(トレイ本体25aの各揺動片25bの揺動方向、揺動角度、揺動片25bの復帰タイミング等)を決定する(ステップS5)。
続いて、制御部28は、決定した動作パターンにしたがって排紙トレイ25(のトレイ本体25aの各揺動片25b)を変位(揺動)させて、印刷用紙Pに対する印刷を開始する(ステップS9)。
次に、制御部28は、印刷ジョブの全ての印刷が終了したか否かを確認し(ステップS11)、終了した場合は(ステップS11でYES)、排紙トレイ25(のトレイ本体25aの各揺動片25b)を元の平らな位置に復帰させるタイミングが到来したか否かを確認する(ステップS13)。
そして、復帰タイミングが到来したら(ステップS13でYES)、制御部28は、排紙トレイ25(のトレイ本体25aの各揺動片25b)を元の平らな位置に復帰させて(ステップS15)、一連の処理を終了する。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図12のフローチャートにおけるステップS7が、請求項中の移動手段に対応する処理となっている。また、本実施形態では、図12中のステップS15が、請求項中の復帰手段に対応する処理となっている。
さらに、本実施形態では、図12のフローチャートにおけるステップS13の復帰タイミングが、請求項中の所定期間の終了タイミングに対応している。この復帰タイミングは、図11のstep3の期間中に設定することができる。
そして、本実施形態の印刷装置20では、排紙トレイ25と制御部28とで、請求項中の排紙装置が構成されている。
以上に説明した本実施形態の印刷装置20によれば、トレイ本体25aの揺動片25bを印刷開始時に揺動させ、印刷面P1に画像Mを印刷したことで凸カールや凹カールが発生した印刷用紙Pに、排紙トレイ25のトレイ本体25aを沿わせるようにした。また、凸カールや凹カールが自然に解消して印刷用紙Pが平らに戻るタイミングに合わせて、排紙トレイ25のトレイ本体25aの揺動片25bを、元の平らな状態に復帰させるようにした。
このため、凸カールや凹カールした状態から平らに戻る前の印刷用紙Pに、排紙トレイ25のトレイ本体25aから印刷用紙Pを平らに矯正する力が加わって、印刷用紙Pが水分の乾燥等により自力で凸カールや凹カールを解消した際に、凸カールや凹カールとは反対の方向にカールしてしまうのを、抑制することができる。
よって、印刷後の印刷用紙Pを加熱し乾燥させる構成を印刷装置20に設けることなく、印刷用紙Pの平坦化を図ることができる。
なお、上述したインクジェット方式の印刷装置20では、印刷面P1に対するインクの付着によって印刷面P1と非印刷面P2との間に乾燥度の差が生じ、印刷後の印刷用紙Pが変形(カール)した場合を例に取って説明した。
しかし、本発明は、インクジェット以外の方式で印刷を行う印刷装置にも適用可能である。
例えば、図13の説明図に示す、本発明の参考例に係る電子写真方式の印刷装置20a(請求項中の画像形成装置に相当)では、印刷部21aにおいて、帯電ローラ212により帯電させた感光体ドラム211に書き込みユニット213のレーザビームにより潜像を形成し、現像ローラ214により潜像にトナーを吸着させて顕像化させ、顕像化させたトナー像を転写ローラ215により印刷用紙Pの印刷面P1上に転写する工程が、CKMYの各色についてそれぞれ行われる。
そして、トナー像の転写の際に印刷用紙Pの印刷面P1だけが加熱されるので、印刷後の印刷用紙Pは、印刷面P1側の繊維が過熱により乾燥して非印刷面P2側の繊維よりも縮み、印刷面P1を内側にして凹カールした状態となる。この状態は、加熱された印刷面P1が元の温度に戻れば自然と解消する。但し、凹カールした状態の印刷用紙Pを排紙トレイ25の平らなトレイ本体25a上に排紙して放置すると、インクジェット方式の印刷装置20で画像を印刷面P1に印刷した印刷用紙Pと同じようなことが発生する。
このため、電子写真方式の印刷装置20aでも、印刷後の印刷用紙Pに発生するカールの状態に合わせて、図12のフローチャートに示すような手順の処理を実行することで、印刷装置20と同様の効果を得ることができる。
また、孔版から印刷用紙Pの印刷面P1に画像Mを転写する孔版印刷方式の印刷装置でも、水分を含んだインクが印刷面P1に付着することで、インクジェット方式の印刷装置20で画像Mを印刷する場合と同じようなカールが印刷用紙Pに発生する。
このため、孔版印刷方式の印刷装置20aでも、印刷後の印刷用紙Pに発生するカールの状態に合わせて、図12のフローチャートに示すような手順の処理を実行することで、印刷装置20と同様の効果を得ることができる。
さらに、例えば、図14の説明図に示すプリントシステム1のように、上述した各種の方式による印刷装置20で画像Mを印刷面P1に印刷した印刷用紙に後処理(例えば、パンチ孔穿設等)を施して排紙トレイ31(請求項中の排紙トレイに相当)に排紙する後処理装置30を用いる場合に、上述した図10の排紙トレイ25の構造を後処理装置30の排紙トレイ31に適用して、後処理装置30の制御部32により図12のフローチャートに準じた手順の処理を行わせるようにしても良い。
その場合は、後処理装置30の制御部32と排紙トレイ31とで、請求項中の排紙装置が構成される。
即ち、本発明は、インクジェット方式や孔版印刷方式等の各種方式による印刷装置の排紙トレイや、各種方式の印刷装置と組み合わせて使用する後処理装置の排紙トレイに、広く適用可能である。
1 プリントシステム
10 コンピュータ
20,20a 印刷装置(画像形成装置)
21 インクヘッド部
21a 印刷部
22 給紙トレイ
22a 第1給紙トレイ
22b 第2給紙トレイ
22c 第3給紙トレイ
23 ストレート給紙台
24 循環搬送路
25,31 排紙トレイ(排紙装置、請求項中の排紙トレイ)
25a トレイ本体
25b 揺動片
25c ヒンジ部
25d モータ
26 反転部
27 連絡搬送路
28,32 制御部(排紙装置)
29 ディスプレイ
30 後処理装置
140 排紙口
150,250 排紙トレイ
151,251 トレイ本体
151a 傾斜面
151b 凹溝
152,252 サイドフェンス
153 カバー
155 突起部材
155a 誘導面
211 感光体ドラム
212 帯電ローラ
213 書き込みユニット
214 現像ローラ
215 転写ローラ
251a トレイ面
251b リブ
M 画像
P 印刷用紙
P1 印刷面
P2 非印刷面
X 幅方向
Y 排紙方向

Claims (6)

  1. 印刷ジョブの実行により印刷面に画像を形成した印刷用紙を排紙トレイに排紙する排紙装置において、
    前記印刷面への画像形成によりカールが生じた前記印刷用紙の前記排紙トレイへの排紙の開始に際して、該印刷用紙の排紙方向と交差する前記印刷用紙の幅方向における前記排紙トレイの中央部を両端部に対して相対的に、前記排紙の開始時点における前記印刷用紙のカールの凸側に変位させる移動手段と、
    前記印刷ジョブによる画像形成後の前記印刷用紙の前記排紙トレイに対する排紙終了から所定期間の経過後に、前記中央部の前記両端部に対する、前記排紙の開始時点における前記印刷用紙のカールの凸側への相対的な変位を解消させる復帰手段と、
    を備える排紙装置。
  2. 前記排紙の開始時点における前記印刷用紙のカールは、重力方向における前記印刷面が配置された下側を凸側とするものである請求項1記載の排紙装置。
  3. 前記所定期間は、前記印刷ジョブの最後に前記排紙トレイに排紙された前記印刷用紙の前記印刷面と非印刷面との間に画像形成プロセスにおいて生じた乾燥度の差が縮小し始めるタイミングを終了タイミングとする期間である請求項1又は2記載の排紙装置。
  4. 前記所定期間は、前記印刷ジョブの印刷設定情報に基づいて設定される請求項1、2又は3記載の排紙装置。
  5. 印刷ジョブの実行により印刷面に画像を形成した印刷用紙を排紙装置により排紙トレイに排紙する画像形成装置において、
    前記排紙装置が、
    前記印刷面への画像形成によりカールが生じた前記印刷用紙の前記排紙トレイへの排紙の開始に際して、該印刷用紙の排紙方向と交差する前記印刷用紙の幅方向における前記排紙トレイの中央部を両端部に対して相対的に、前記排紙の開始時点における前記印刷用紙のカールの凸側に変位させる移動手段と、
    前記印刷ジョブによる画像形成後の前記印刷用紙の前記排紙トレイに対する排紙終了から所定期間の経過後に、前記中央部の前記両端部に対する、前記排紙の開始時点における前記印刷用紙のカールの凸側への相対的な変位を解消させる復帰手段と、
    を備えており、
    前記移動手段が、前記排紙トレイに対する前記印刷用紙の排紙方向と直交する前記印刷用紙の幅方向における、前記排紙トレイの両端に設けられている、
    像形成装置。
  6. 印刷ジョブの実行により印刷面に画像を形成した印刷用紙を排紙トレイに排紙する排紙装置において、
    前記印刷面への画像形成によりカールが生じた前記印刷用紙の前記排紙トレイへの排紙の開始に際して、前記排紙の開始時点における前記印刷用紙の排紙方向と交差する前記印刷用紙の幅方向のカールの凸側に、前記排紙トレイを変位させる移動手段と、
    前記印刷ジョブによる画像形成後の前記印刷用紙の前記排紙トレイに対する排紙終了から所定期間の経過後に、前記凸側への変位を解消させる復帰手段と、
    を備える排紙装置。
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