JP6856900B2 - トール様受容体7またはトール様受容体9の活性化阻害剤 - Google Patents

トール様受容体7またはトール様受容体9の活性化阻害剤 Download PDF

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Description

本発明は、トール様受容体7またはトール様受容体9の活性化阻害剤および当該活性化阻害剤を含有するトール様受容体7またはトール様受容体9の活性化を伴う疾患の予防または治療薬に関する。
免疫系は、自然免疫系と獲得免疫系に大別される。自然免疫系は感染初期に作動する生体防御機構であり、マクロファージや樹状細胞などの貪食細胞が中心的な役割を担う。一方、獲得免疫系はリンパ球が中心的な役割を担っており、無数の抗原に対処するための後天的な生体防御機構である。獲得免疫はリンパ球の1種であるT細胞が、活性化された樹状細胞から抗原を受け取ることで開始する。すなわち獲得免疫の誘導には自然免疫の活性化が必須である。
貪食細胞の細胞膜および細胞内に発現するトール様受容体(以下「TLR」と記す)は、細菌やウイルスの構成成分を特異的に認識して、NF−κBなどの転写因子を活性化することで炎症性サイトカインの産生を誘導する。例えば、TLR7およびTLR9はB細胞や形質細胞様樹状細胞のエンドソームやリソソームに局在し、TLR7はウイルス由来の一本鎖RNAを認識し、TLR9は一本鎖DNAを認識する。リガンドを認識したTLR7およびTLR9はI型インターフェロンα(IFN−α)の産生を誘導することでウイルス感染を防御する。また、TLR7およびTLR9は障害を受けた自己の細胞や死細胞から放出される核酸(自己抗原)も認識するため、IFN−αは自己免疫疾患等の非感染性の炎症性疾患の発症・増悪に関連する因子の一つでもある。IFN−αにより単球から分化誘導された古典的樹状細胞は、死細胞を取り込んで活性化すると、抗原提示を通して自己反応性T細胞の増殖・分化を促進する。IFN−αはまた、樹状細胞におけるBAFF(B cell activating factor)またはAPRIL(a proliferation inducing ligand)を発現誘導することで、自己反応性B細胞のクラススイッチおよび形質細胞への分化を促進する。これにより、自己抗体産生が活発になり、核酸と自己抗体から成る免疫複合体が形質細胞様樹状細胞を刺激することでIFN−αの産生が促進される。このようにIFN−αの産生が慢性化することによって、病態が進行・増悪する。
自己免疫疾患は、多くの場合、自己抗原に対する抗体(抗核抗体など)の出現を主徴とし、様々な特徴的な炎症を伴う疾患群である。病態の進行に伴い、皮膚、腎臓をはじめとする多臓器、筋肉、神経、血管を含む種々の器官に重篤な障害を引き起こす。TLR7およびTLR9のシグナル異常、ならびにIFN−αの増多によって引き起こされる自己免疫疾患の代表例として全身性エリテマトーデス(SLE)が挙げられる。全身性エリテマトーデス患者数は全世界に140万人、日本国内では5万人以上と推定され(平成25年度の特定疾患医療受給者証交付件数は全身性エリテマトーデスにおいて61,528件)、特に20〜30代の女性に好発する。全身性エリテマトーデスは原因不明の免疫難病であり、厚生労働省により特定疾患に指定されている。
TLR7またはTLR9のシグナル異常が全身性エリテマトーデスを引き起こすことを報告した例はマウスおよびヒトにおいて複数ある。全身性エリテマトーデスモデルマウスであるBXSBでは、本来X染色体に局在するTLR7遺伝子を含む領域がY染色体へ転座することが病態形成の原因であることが示唆されている(非特許文献1)。TLR7トランスジェニックマウスでは、全身性エリテマトーデス様の糸球体腎炎を発症し、生後20週で約半数が死亡する(非特許文献2)。TLR7またはTLR9の小胞体からエンドソームへの輸送に関わるUnc93B1の34番目のアスパラギン酸残基がアラニン残基に変異したマウスは、TLR7の応答性が亢進することで自己免疫疾患様の症状を呈し、肝炎により1年以内に半数以上が死亡する(非特許文献3)。ヒトの全身性エリテマトーデス患者では健常人と比べて、末梢血単核球におけるTLR7の遺伝子発現量が高く、TLR7リガンド刺激により多量の炎症性サイトカインを産生する(非特許文献4)。また、自己免疫疾患モデルマウスにおけるTLR7またはTLR9の欠損は、病態を改善させることが知られている。自然発症型の自己免疫疾患モデルマウスであるMRL/Mplpr/lprマウスはヒトの全身性エリテマトーデスの代表的な動物モデルであり、抗核抗体などの自己抗体を産生し、加齢に伴って、血管炎、多発性関節炎および糸球体腎炎を発症する。MRL/Mplpr/lprマウスにおけるTLR7の欠損は、リンパ球の活性化が抑制され、腎炎の症状を軽減させる(非特許文献5)。一方、MRL/Mplpr/lprマウスにおけるTLR9の欠損は、抗DNA抗体価を低下させる。
自己免疫疾患の治療には未だ多くの課題が残されている。自己免疫疾患の中で最も患者数が多い関節リウマチは、関節滑膜を病変の主座とした炎症性疾患で、多発性関節炎が持続し、軟骨、骨が傷害され関節破壊が進行する自己免疫疾患である。炎症性サイトカインの自己免疫疾患に対する関与については、関節リウマチのモデルマウスおよび関節リウマチ患者を中心に解析が進められ、IL−1阻害療法としてIL−1受容体アンタゴニスト、TNF−α阻害療法として抗TNF−α抗体、IL−6阻害療法として抗IL−6受容体抗体が関節リウマチの治療薬として承認され診療に用いられており、いずれも従来の標準的薬物療法を上回る効果をあげている。
全身性エリテマトーデスにおいても、抗体医薬をはじめとする生物学的製剤の有用性が期待されている。実際に、B細胞活性化因子BLyS(B lymphocyte stimulator)に対する遺伝子組換えヒト型IgG1λモノクローナル抗体(商品名:ベリムマブ)が一部の全身性エリテマトーデス患者に対して治療効果が認められており、海外で販売されている(日本では第III相試験中)。ベリムマブは病態の増悪に関与する自己反応性B細胞の増殖を抑える作用がある。また、B細胞表面に特異的に発現するCD20に対するマウス−ヒトキメラ型IgG1κモノクローナル抗体(商品名:リツキシマブ)は悪性リンパ腫の治療薬として使用されており、全身性エリテマトーデスの治療薬として注目を集めたことがあるが、死亡例を含む重篤な有害事象の発生が報告され臨床試験が頓挫した。現在、IFN−αやその受容体に対する抗体を用いた臨床試験が進められており、安全性および有効性評価において良好な結果が得られているが、低頻度ながら複数の有害事象(貧血、リンパ球減少、肝機能低下など)の発生が報告されている。このように、生物学的製剤の使用は高い病態の改善効果が期待できるが、定期的、長期的な投与が要求され、患者の身体的、医療経済的な負担に関する問題を引き起こし、それによってこの治療様式の有効性が低下する恐れがある。
また、未だ有効な治療法が確立されていない多くの自己免疫疾患では、第一選択薬剤としてステロイド剤が用いられている。ステロイドは強力な抗炎症作用を持つが、免疫抑制作用も持つため、長期的な服用により副作用が生じる。そこで、ステロイド剤の代替治療薬剤の創出を目指したTLR7またはTLR9に対する阻害剤の開発が進められている。現在までに、オリゴヌクレオチドを基にしたTLR7およびTLR9の阻害剤(非特許文献6)および低分子化合物を基にしたTLR7およびTLR9の阻害剤(非特許文献7)が報告されているが、いずれも実用化には至っていない。
全身性エリテマトーデス以外の様々な疾患にもTLR7の関与が示唆されている。アルツハイマー病は進行性の認知機能喪失で、患者の大脳皮質および皮質下灰白質内には、アミロイドβおよびτ蛋白質でできている神経原線維のもつれからなる老年斑が過剰に存在している。この病気の主因は、アミロイドβ蛋白質の神経細胞への沈着によるものと考えられている。若年発症型は症例の2〜7%であるが、通常型は突然変異による遺伝性のものであり、60歳以上の高齢者に発症し、その罹患率は加齢とともに増加する。厚生労働省が2013年に発表した国内の認知症患者数は462万人であり、その大半がアルツハイマー病であるとされている。アメリカでは、500万人以上のアルツハイマー病患者がいるとされており、家庭医療、家庭介護、社会的医療、生産性喪失、早死など、年間費用は1,000億米ドル超である。近年、TLR7が神経変性疾患、脳卒中または多発性硬化症などによって引き起こされる脳疾患に関与することが示唆されている。脳内に豊富に存在するlet−7(マイクロRNA)誘発性の神経毒性がTLR7に依存していることが報告されている(非特許文献8)。let−7はアルツハイマー病患者の脳脊髄液において健常者に比べて多く存在しており、ニューロン変性に関与していると考えられている。
Kumar KR, et al. Regulation of B cell tolerance by the lupus susceptibility gene Ly108. Science. 312:1665-1669, 2006 Deane JA, et al. Control of toll-like receptor 7 expression is essential to restrict autoimmunity and dendritic cell proliferation. Immunity. 27:801-810, 2007 Fukui R, et al. Unc93B1 restricts systemic lethal inflammation by orchestrating Toll-like receptor 7 and 9 trafficking. Immunity. 35:69-81, 2011 Komatsuda A, et al. Up-regulated expression of Toll-like receptors mRNAs in peripheral blood mononuclear cells from patients with systemic lupus erythematosus. Clin Exp Immunol. 152: 482-487, 2008 Christensen SR, et al. Toll-like receptor 7 and TLR9 dictate autoantibody specificity and have opposing inflammatory and regulatory roles in a murine model of lupus. Immunity. 25(3):417-428, 2006 Rommler F, et al. Guanine modification of inhibitory oligonucleotides potentiates their suppressive function. J. Immunol, 191:3240-3253, 2013 Lamphier M, et al. Novel small molecule inhibitors of TLR7 and TLR9: mechanism of action and efficacy in vivo. Mol. Pharmacol., 85:429-440, 2014 Lehmann SM, et al. An unconventional role for miRNA: let-7 activates Toll-like receptor 7 and causes neurodegeneration. Nat Neurosci. 15(6):827-835, 2012
本発明は、TLR7またはTLR9の活性化を選択的に阻害する作用を有する低分子化合物を見出し、TLR7またはTLR9の活性化を伴う疾患の予防または治療薬を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の各発明を包含する。
[1]シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはこれらのプロドラッグを有効成分とするトール様受容体7またはトール様受容体9の活性化阻害剤。
[2]化合物が、下記式(I)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(VI)
Figure 0006856900
で表される化合物、または
下記式(VII)
Figure 0006856900
で表される化合物であり、活性化を阻害されるトール様受容体がトール様受容体7である前記[1]に記載の活性化阻害剤。
[3]トール様受容体7の活性化に起因するIL−6、TNF−αまたはIFN−αの産生抑制作用を有する前記[2]に記載の活性化阻害剤。
[4]前記[2]または[3]に記載の活性化阻害剤を含有することを特徴とするトール様受容体7の活性化を伴う疾患の予防または治療薬。
[5]トール様受容体7の活性化を伴う疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患、血管炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎、動脈硬化症、敗血症、神経変性疾患、移植片拒絶、移植片対宿主病、歯周病、またはウイルス性免疫不全症である前記[4]に記載の予防または治療薬。
[6]トール様受容体7の活性化を伴う疾患が自己免疫疾患である前記[4]に記載の予防または治療薬。
[7]自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患、血管炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎である前記[6]に記載の予防または治療薬。
[8]下記式(I)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(VI)
Figure 0006856900
で表される化合物、または
下記式(VII)
Figure 0006856900
で表される化合物を有効成分とする自己免疫疾患の予防または治療薬。
[9]自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患、血管炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎である前記[8]に記載の予防または治療薬。
[10]化合物が、下記式(II)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(III)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(IV)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(V)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(I)
Figure 0006856900
で表される化合物、または
下記式(VII)
Figure 0006856900
で表される化合物であり、活性化を阻害されるトール様受容体がトール様受容体9である前記[1]に記載の活性化阻害剤。
[11]トール様受容体9の活性化に起因するIL−6、TNF−αまたはIFN−αの産生抑制作用を有する前記[10]に記載の活性化阻害剤。
[12]前記[10]または[11]に記載の活性化阻害剤を有効成分とするトール様受容体9の活性化を伴う疾患の予防または治療薬。
[13]トール様受容体9の活性化を伴う疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患、血管炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎、動脈硬化症、敗血症、神経変性疾患、移植片拒絶、移植片対宿主病、歯周病、またはウイルス性免疫不全症である前記[12]に記載の予防または治療薬。
[14]トール様受容体9の活性化を伴う疾患が自己免疫疾患である前記[12]に記載の予防または治療薬。
[15]自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患、血管炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎である前記[14]に記載の予防または治療薬。
[16]下記式(II)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(III)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(IV)
Figure 0006856900
で表される化合物、または
下記式(V)
Figure 0006856900
で表される化合物、
下記式(I)
Figure 0006856900
で表される化合物、または
下記式(VII)
Figure 0006856900
で表される化合物を有効成分とする自己免疫疾患の予防または治療薬。
[17]自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患、血管炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎である前記[16]に記載の予防または治療薬。
[18]下記式(VI)
Figure 0006856900
で表される化合物、もしくは
下記式(VII)
Figure 0006856900
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩。
本発明により、TLR7またはTLR9の活性化を選択的に阻害する作用を有する低分子化合物を有効成分とするTLR7またはTLR9の活性化阻害剤、当該活性化阻害剤を含有するTLR7またはTLR9の活性化を伴う疾患の予防または治療薬を提供することができる。有効成分として見出されたシクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体は、漢方薬として認可されている補骨脂の成分であるので、本発明の予防または治療薬は、ヒトやその他の哺乳動物に安全に投与することができる。
本願の実施例で使用したシクロバクチオールおよびその誘導体(CB1〜CB9)の構造を示す図である。 マウスTLRまたはヒトTLR発現Ba/F3細胞を用いて、TLRリガンド添加によるGFP遺伝子の発現がCB1〜CB9の添加により減弱するか否かを、フローサイトメトリーで分析した結果を示す図である。 マウスマクロファージにおいてTLR7活性化により産生誘導されるTNF−αを指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した結果を示す図である。 マウスマクロファージにおいてTLR7活性化により産生誘導されるIL−6を指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した結果を示す図である。 マウスマクロファージにおいてTLR7活性化により産生誘導されるTNF−αのmRNAレベルを指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した結果を示す図である。 マウスマクロファージにおいてTLR7活性化により産生誘導されるIL−6のmRNAレベルを指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した結果を示す図である。 マウス形質細胞様樹状細胞においてTLR7活性化により産生誘導されるTNF−αを指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した結果を示す図である。 マウスにTLR7リガンドを投与することにより産生誘導されるIFN−αを指標に、CB7投与による生体内のTLR7活性化阻害効果を評価した結果を示す図である。 ヒト末梢血単核球においてTLR7活性化により産生誘導されるIL−6を指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した結果を示す図である。 マウス形質細胞様樹状細胞においてTLR7活性化により産生誘導されるIFN−αを指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した結果を示す図である。 CB1〜CB9によるTLR活性化阻害作用の評価結果をまとめた図である。
本発明は、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはこれらのプロドラッグを有効成分とするTLR7またはTLR9の活性化阻害剤(以下、「本発明のTLR活性化阻害剤」と記す場合がある)を提供する。本発明に用いられるシクロバクチオールAおよびシクロバクチオールBは、それぞれ下記式(II)および下記式(III)で表される化合物である。
Figure 0006856900
Figure 0006856900
本発明に用いられるシクロバクチオールAの誘導体は、TLR7またはTLR9の活性化を阻害する作用を有している誘導体であれば特に限定されない。例えば上記式(II)で表されるシクロバクチオールAの水酸基の水素原子が置換基(例えばアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基などのC1−10アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基)などの脂肪族炭化水素)で置換された化合物などが挙げられるが、これに限定されない。具体的には、例えば下記式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006856900
本発明に用いられるシクロバクチオールBの誘導体としては、TLR7またはTLR9の活性化を阻害する作用を有している誘導体であれば特に限定されない。例えば上記式(III)で表されるシクロバクチオールBの水酸基の水素原子が置換基(例えばアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基などのC1−10アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基)などの脂肪族炭化水素)で置換された化合物、シクロヘキサン環の5位のメチル基の1〜3個の水素原子が置換基(例えば水酸基、アルコキシ基(メトキシ基などのC1−4アルコキシ基)、ハロゲン原子(塩素原子など))に置換された化合物などが挙げられるが、これに限定されない。具体的には、例えば下記式(I)、下記式(V)、下記式(VI)または下記式(VII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006856900
Figure 0006856900
Figure 0006856900
Figure 0006856900
上記式(VI)で表される化合物および上記式(VII)で表される化合物は、いずれも新規化合物である。したがって、本発明は、上記式(VI)で表される化合物もしくは上記式(VII)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を提供する。
シクロバクチオールAまたはシクロバクチオールBの誘導体がTLR7またはTLR9の活性化を阻害する作用を有することは、例えばTLR7またはTLR9を発現する免疫系細胞を用いて、当該誘導体の存在下でリガンドと接触させ、TLR7またはTLR9の公知の活性を測定することにより確認することができる。TLR7またはTLR9の公知の活性としては、マクロファージまたは樹状細胞におけるTNF−α、IL−6、IL−12、IFN−αまたはIFN−β等のサイトカインの産生、CCL2、CCL5、CXCL8またはCXCL10等のケモカインの産生、B細胞における細胞増殖の亢進、CD80またはCD86等の補助刺激分子の発現増強、クラススイッチの誘導または抗体産生、T細胞における免疫不応答性の誘導などが挙げられる。具体的には、例えば本願の実施例1に記載の方法で確認することができる。
上記式(I)で表される化合物および上記式(VII)で表される化合物は、TLR7およびTLR9の活性化を阻害する化合物であることが確認されており、上記式(II)、(III)、(IV)、(V)で表される化合物は、主としてTLR9の活性化を阻害する化合物であることが確認されており、上記式(VI)で表される化合物は、主としてTLR7の活性化を阻害する化合物であることが確認されている(実施例2参照)。
本発明のTLRの活性化阻害剤の有効成分となる化合物は、塩を形成していてもよく、その塩としては薬理学的に許容される塩であることが好ましい。薬理学的に許容される塩は、化合物の活性を維持し、かつ生体に対して悪影響を与えない限り特に限定されない。例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ステアリン酸、コハク酸、エチルコハク酸、マロン酸、ラクトビオン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸(トシル酸)、ラウリル硫酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アジピン酸、システイン、N−アセチルシステイン、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、ヨウ化水素酸、ニコチン酸、シュウ酸、ピクリン酸、チオシアン酸、ウンデカン酸、アクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマー等の酸との塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の無機塩基との塩、モルホリン、ピペリジン等の有機アミンとの塩、アミノ酸との塩などを挙げることができる。
プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応によりシクロバクチオールA、シクロバクチオールB、またはこれらの誘導体に変換される化合物を意味する。例えば、生体内で加水分解を受けてこれらの化合物を遊離するエステル等が挙げられる。
本発明の活性化阻害剤の有効成分となる化合物またはその塩は溶媒和物であってもよい。溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水との溶媒和物、アルコール性溶媒(メタノール、エタノールなど)との溶媒和物が挙げられる。
シクロバクチオールA、シクロバクチオールBは、マメ科植物のオランダビユ(Psoralea glandulosa L.)の根茎、茎、葉、種子等から公知の方法(例えば、Backhouse, N., et al. Phytochem. 40(1):325-327, 1995 に記載の方法)で抽出、精製することができる。また、シクロバクチオールA、シクロバクチオールBは、公知の化学合成方法(Kawashima, H., et al. Chem. Eur. J. 20(1):272-278, 2014)により、製造することができる。シクロバクチオールAまたはシクロバクチオールBの誘導体は、上記Kawashimaらに記載の合成方法により、または上記Kawashimaらに記載の合成方法に公知の誘導体合成手段を組み合わせることにより、製造することができる。
本発明のTLR活性化阻害剤は、TLR7またはTLR9の活性化を阻害することができる。また本発明のTLR活性化阻害剤は、TLR7またはTLR9の活性化に起因するTNF−α、IL−6またはIFN−αの産生を抑制する作用を有することが確認されている。したがって、本発明のTLR活性化阻害剤は、TLR7またはTLR9の発現、機能およびそれに関連するシグナル伝達機構の解析のための研究用試薬として有用である。
また、本発明のTLR活性化阻害剤は、TLR7またはTLR9の活性化を阻害することができるので、TLR7またはTLR9の活性化を伴う疾患の予防または治療用の医薬として有用である。すなわち本発明は、上記本発明のTLR活性化阻害剤を含有するTLR7またはTLR9の活性化を伴う疾患の予防または治療薬を提供する。TLR7またはTLR9の活性化を伴う疾患としては、例えば、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患(強直性脊椎炎、ライター症候群、乾癬性関節炎等)、血管炎症候群(リウマチ性多発筋痛症、巨細胞性血管炎、結節性多発動脈炎等)、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病、バセドー病等)、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎、動脈硬化症、敗血症、神経変性疾患、移植片拒絶、移植片対宿主病、歯周病、ウイルス性免疫不全症等が挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、本発明の予防または治療薬の対象疾患として、自己免疫疾患が好ましい。自己免疫疾患としては、例えば全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患(強直性脊椎炎、ライター症候群、乾癬性関節炎等)、血管炎症候群(リウマチ性多発筋痛症、巨細胞性血管炎、結節性多発動脈炎等)、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病、バセドー病等)、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎等が挙げられる。より好ましくは全身性エリテマトーデスである。
本発明には、上記式(I)、(VI)、(VII)で表される化合物を有効成分とする自己免疫疾患の予防または治療薬が含まれる。また、本発明には、上記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)で表される化合物を有効成分とする自己免疫疾患の予防または治療薬が含まれる。
本発明の予防または治療薬は、上記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)で表される化合物を有効成分とし、医薬製剤の製造法として公知の方法(例えば、日本薬局方に記載の方法等)に従って、薬学的に許容される担体または添加剤を適宜配合して製剤化することができる。具体的には、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例えば速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤等)、エアゾール剤、フィルム剤(例えば口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム等)、注射剤(例えば皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤等)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例えば肛門坐剤、膣坐剤等)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の経口剤または非経口剤が挙げられる。担体または添加剤の配合割合については、医薬分野において通常採用されている範囲に基づいて適宜設定することができる。配合できる担体または添加剤は特に制限されないが、例えば水、生理食塩水、その他の水性溶媒、水性または油性基剤等の各種担体;賦形剤、結合剤、pH調整剤、崩壊剤、吸収促進剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、香料等の各種添加剤が挙げられる。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は通常の製剤化手順(例えば有効成分を注射用水、天然植物油等の溶媒に溶解または懸濁させる等)に従って調製することができる。注射用の水性液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えばD−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール(エタノール等)、ポリアルコール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、非イオン性界面活性剤(ポリソルベート80TM、HCO−50等)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液等)、無痛化剤(例えば塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン等)、安定剤(例えばヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール等)、保存剤(例えばベンジルアルコール、フェノール等)、酸化防止剤などと配合してもよい。
本発明の予防または治療薬は、ヒトやヒト以外の哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して、安全に投与することができる。
本発明の予防または治療薬は、剤型、投与方法、担体等により異なるが、有効成分を製剤全量に対して通常0.01〜100%(w/w)、好ましくは0.1〜95%(w/w)の割合で添加することにより、常法に従って製造することができる。
本発明の予防または治療薬の投与量は、投与対象、症状、投与ルートなどにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、体重約60kgのヒトにおいては、1日当たり約0.01〜1000mg、好ましくは約0.1〜100mg、より好ましくは約0.5〜50mgである。非経口投与の場合は、その1回投与量は患者の状態、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば注射剤では、通常体重1kg当たり約0.01〜100mg、好ましくは約0.01〜50mg、より好ましくは約0.01〜20mgを静脈に投与する。1日当たりの総投与量は、単一投与量であっても分割投与量であってもよい。
本発明の予防または治療薬は、他の薬剤と併用して用いることができる。他の薬剤としては、例えば自己免疫疾患治療剤、高脂血症治療剤、非ステロイド性抗炎症剤、ステロイド剤などが挙げられる。なかでも自己免疫疾患治療剤と併用することが好ましい。自己免疫疾患治療剤としては、糖質コルチコイドを含むステロイド剤、非ステロイド性抗炎症剤、抗体医薬などの生物学的製剤、免疫抑制剤、抗マラリア薬などが挙げられる。
本発明には、以下の各発明が含まれる。
哺乳動物に対して、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とするTLR7またはTLR9の活性化阻害方法。
TLR7またはTLR9の活性化阻害のための、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
TLR7またはTLR9の活性化阻害剤を製造するための、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグの使用。
哺乳動物に対して、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とするTLR7またはTLR9の活性化を伴う疾患の予防または治療方法。
TLR7またはTLR9の活性化を伴う疾患の予防または治療のための、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
TLR7またはTLR9の活性化を伴う疾患の予防または治療薬を製造するための、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグの使用。
哺乳動物に対して、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする自己免疫疾患の予防または治療方法。
自己免疫疾患の予防または治療のための、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
自己免疫疾患の予防または治療薬を製造するための、シクロバクチオールA、シクロバクチオールB、およびこれらの誘導体から選択される化合物、その薬理学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグの使用。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1:シクロバクチオールおよびその誘導体の合成]
図1に示したシクロバクチオールA(CB1)、シクロバクチオールB(CB2)、シクロバクチオールC(CB3)、シクロバクチオールA誘導体(CB4)、シクロバクチオールB誘導体(CB5、CB7、CB8、CB9)、およびシクロバクチオールC誘導体(CB6)の9種類の化合物をKawashimaらの方法(Kawashima, H., et al. Chem. Eur. J. 20(1):272-278, 2014)に従って、またはKawashimaらの方法と公知の誘導体合成手段を組み合わせて合成し、以下の実験に使用した。
(1)CB1〜CB6の合成
CB1およびCB4は上記Kawashimaらに記載の化合物1および化合物16であり、上記Kawashimaらの第274頁のスキーム3に従って合成した。CB2およびCB5は上記Kawashimaらに記載の化合物2および化合物25であり、上記Kawashimaらの第274頁のスキーム5に従って合成した。CB3およびCB6は上記Kawashimaらに記載の化合物3および化合物18であり、上記Kawashimaらの第274頁のスキーム3およびスキーム4に従って合成した。合成した化合物の確認データは、上記KawashimaらおよびそのSupporting Informationに記載されているデータと一致した。
(2)CB7の合成
CB7は、上記Kawashimaらに記載の化合物23のアルコールフォームであり(上記KawashimaらのSupporting InformationのS28頁に記載)、上記Kawashimaらの第274頁のスキーム5の化合物23から、以下に記載の方法で合成した。
Figure 0006856900
上記Kawashimaらの化合物23(256.5 mg, 0.816 mmol)のTHF(2 mL)溶液を氷冷し、この中にLiAlH(64.1 mg, 1.69 mmol)を加えた。氷浴をはずし、室温下、30分かき混ぜた。1規定塩酸をゆっくり加えて反応を止め,酢酸エチルを使って生成物を抽出した。その後抽出液を飽和重曹水洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラム精製するとCB7(((1S,3R,4R)-3-(4-methoxyphenyl)-4-(prop-1-en-2-yl)-1-vinylcyclohexyl)methanol)が220.7mg単離できた(収率94.5%)。R値0.37(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)。生成物のH NMRスペクトルは上記KawashimaらのSupporting Information(S5頁、S28頁)に記載してあるデータと一致した。
(3)CB8(Alcohol of CB-B)の合成
Figure 0006856900
CB7(35.4 mg, 0.124 mmol)とN-メチルピロリドン(2 mL)の混合物の中に炭酸カリウム(18.3 mg, 0.132 mmol)とチオフェノール(0.076 mL, 0.745 mmol)を加え、220℃に加熱して13時間かき混ぜた。この混合物を冷却し、1規定塩酸を加えた。混合物を酢酸エチル抽出した。抽出液を飽和食塩水洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物はシリカゲルTLCを用いて分取し、CB8(4-((1R,2R,5S)-5-(hydroxymethyl)-2-(prop-1-en-2-yl)-5-vinylcyclohexyl)phenol)を 29.5mg得た(収率87.6%)。R値0.38(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.37-1.54 (m, 2 H), 1.52 (s, 3 H), 1.58-1.72 (m, 3 H), 1.83-1.94 (m, 2 H), 2.19-2.28 (m, 1 H), 2.68 (dt, J = 3.2 Hz, 12.0 Hz, 1 H), 3.70 (s, 2 H), 4.55 (s, 2 H), 4.6-4.9 (br s, 1 H), 5.07 (dd, J = 17.6, 1.2 Hz, 1 H), 5.15 (dd, J = 10.8, 1.2 Hz, 1 H), 5.74 (dd, J = 17.6, 10.8 Hz, 1 H), 6.72 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 2 H).
(4)CB9(Acetate of CB7)の合成
Figure 0006856900
CB7(50.4 mg, 0.176 mmol)とピリジン(0.42 mL, 5.24 mmol)の混合物の中に無水酢酸(0.25 mL, 2.66 mmol)を加え、室温下、13時間かき混ぜた。飽和重曹水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルを使って生成物を抽出した。抽出液を飽和食塩水洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラム精製するとCB9(((1S,3R,4R)-3-(4-methoxyphenyl)-4-(prop-1-en-2-yl)-1-vinylcyclohexyl)methyl acetate)が51.4mg得られた(収率88.9%)。R値0.69(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)。H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.33-1.48 (m, 2 H), 1.44 (s, 3 H), 1.52-1.68 (m, 2 H), 1.50-1.81 (m, 2 H), 1.98 (s, 3 H), 2.13-2.23 (m, 1 H), 2.64 (dt, J = 3.2 Hz, 11.6 Hz, 1 H), 3.68 (s, 3 H), 4.13 (d, J = 11.2 Hz, 1 H), 4.14 (d, J = 11.2 Hz, 1 H), 4.47 (br s, 1 H), 4.49 (br s, 1 H), 4.91 (d, J = 17.6 Hz, 1 H), 4.92 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 5.73 (dd, J = 17.6, 11.2 Hz, 1 H), 6.72 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 6.97 (d, J = 8.4 Hz, 2 H).
[実施例2:TLR活性化阻害の評価」
2−1 CB1〜CB7によるTLR活性化阻害の評価
<実験材料および方法>
(1)化合物
実施例1で合成したCB1〜CB7を使用した。
(2)使用細胞
マウスまたはヒトの各種TLRを発現するBa/F3細胞を使用した。これらの細胞は、三宅健介教授(東京大学医科学研究所感染遺伝学分野)から供与された。例えば、マウスTLR4/MD−2/CD14発現Ba/F3細胞の作製方法はHondaら(Honda, H., et al. J. Leukoc. Biol. 91(6):967-976, 2012)に記載されている。これらの細胞には、NF−κBのプロモーター領域の下流にGFP遺伝子をつないだレポーター遺伝子が導入されている。したがって、細胞が発現するTLRのリガンドを添加することによりGFPの発現が増強されるので、このGFPの蛍光強度がCB1〜CB7の添加により減弱することを指標に、CB1〜CB7のTLR活性化阻害を評価した。
(3)TLRリガンド
マウスTLR7のリガンドにはロキソリビン(Loxoribine、Alexis Biochemicals社製)を使用した。マウスTLR9のリガンドにはODN1668(Invivogen社製)を使用した。ヒトTLR7のリガンドにはガーディキモド(Gardiquimod、Invivogen社製)を使用した。ヒトTLR9のリガンドにはODN2006(Invivogen社製)を使用した。他のTLRについては、公知のリガンドを購入して使用した。
(4)実験方法
10%(v/v)ウシ胎仔血清(FCS)、50U/mL ペニシリン、50μg/mL ストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、50μM 2−メルカプトエタノール、1ng/mL インターロイキン−3を含むRPMI1640培地で培養したBa/F3細胞を、1ウェルあたりの細胞数が1.0×10個/100μLになるように96ウェルプレートに分注し、CB1〜CB7をそれぞれ終濃度25〜50μMになるように50μL加え、5%CO存在下37℃で30分間インキュベートした。次に各TLRリガンドを以下の濃度で添加し、18時間培養した。ロキソリビン:250μg/mL、ODN1668:200nM、ガーディキモド:5.0μg/mL、ODN2006:100nM。培養終了後、2.5%(v/v)FCSを含むPBS(FACSバッファー)で細胞を洗浄し、25μg/mLの7−アクチノマイシンDを200μL含むFACSバッファーでそれぞれの細胞を懸濁した。細胞のGFP蛍光強度を、フローサイトメトリーで分析した。フローサイトメトリーの測定は、FACSCantoTMII(Becton Dickinson社製)で行い、データをFlowJoソフトフェア(Tree Star社製)で解析した。
2−2 CB7〜CB9によるTLR活性化阻害の評価
化合物として実施例1で合成したCB7〜CB9を使用し、上記2−1(2)〜(4)と同じ方法で、TLR活性化阻害の評価を行った。
<結果>
2−1および2−2の結果をまとめて図2に示した。CB1、CB2、CB4、CB5は、マウスおよびヒトのTLR9依存的なNF−κBの活性化を阻害し、CB7は、マウスおよびヒトのTLR7依存的なNF−κBの活性化、ならびにヒトのTLR9依存的なNF−κBの活性化を阻害した。CB8は、マウスおよびヒトのTLR7依存的なNF−κBの活性化を阻害した。CB9は、マウスおよびヒトのTLR7依存的なNF−κBの活性化、ならびにヒトのTLR9依存的なNF−κBの活性化を阻害した。また、CB3とCB6は、TLR7およびTLR9依存的なNF−κBの活性化のどちらも阻害しなかった。
[実施例3:CB7によるTLR7活性化阻害の評価(1)]
マウスマクロファージにおいてTLR7活性化により産生誘導されるTNF−αを指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した。
<実験材料および方法>
定法に従いマウス骨髄細胞を採取した。得られたマウス骨髄細胞を10μg/mL M−CSF(R&D Systems社製)、10%(v/v)ウシ胎仔血清(FCS)、50U/mL ペニシリン、50μg/mL ストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、50μM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI1640培地で7日間、5%CO存在下37℃で培養し、マクロファージへ分化誘導させた。1ウェルあたりの細胞数が1.0×10個/100μLになるように96ウェルプレートに分注し、CB7を終濃度50μMになるように50μL加え、またはCB7を加えずに、5%CO存在下37℃で30分間インキュベートした。TLR7の合成リガンドであるロキソリビン(Loxoribine、Alexis Biochemicals社製)、イミキモド(imiquimod、Invivogen社製)またはガーディキモド(Gardiquimod、Invivogen社製)を、それぞれ終濃度が100μg/mL、3.0μg/mL、1.0μg/mLになるように培養液に加え、24時間培養した。コントロールとして、リガンドを加えないウェルを設けた。1群あたり3ウェルを使用した。培養終了後、全ての培養液をそれぞれ回収し、培養液中のTNF−α濃度をELISA法(使用キット:Mouse TNF-alpha DuoSet ELISA(商品名)、R&D Systems社製)により定量した。
<結果>
結果を図3に示した。図3から明らかなように、TLR7リガンドを添加して活性化されたTLR7により産生誘導されるTNF−αは、CB7の前処理により減弱することが示された。
[実施例4:CB7によるTLR7活性化阻害の評価(2)]
マウスマクロファージにおいてTLR7活性化により産生誘導されるIL−6を指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した。
<実験材料および方法>
TLR7リガンドとしてR848(Invivogen社製)を、終濃度が10ng/mLまたは100ng/mLで使用したこと、および培養液中のIL−6濃度をELISA法(使用キット:Mouse IL-6 DuoSet ELISA(商品名)、R&D Systems社製)により定量した以外は、実施例3と同じ方法で実施した。
<結果>
結果を図4に示した。図4から明らかなように、TLR7リガンドを添加して活性化されたTLR7により産生誘導されるIL−6は、CB7の前処理により減弱することが示された。
[実施例5:CB7によるTLR7活性化阻害の評価(3)]
マウスマクロファージにおいてTLR7活性化により産生誘導されるTNF−αおよびIL−6のmRNAレベルを指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した。
<実験材料および方法>
実施例3と同じ手順でCB7を加えて30分間インキュベートした後、TLR7リガンドとしてイミキモド(imiquimod、Invivogen社製)を、終濃度が0.3μg/mLまたは1.0μg/mLになるようにマウスマクロファージの培養液に加え、2時間培養した。コントロールとして、リガンドを加えないウェルを設けた。培養終了後、培養液を除去し、細胞からRNAを調製し(使用キット:RNeasy Mini Kit(商品名)、QIAGEN社製)、cDNAを合成して(使用キット:PrimeScript RT reagent Kit(商品名)、タカラバイオ社製)、TNF−αおよびIL−6のmRNA量をリアルタイムPCR法により定量した(使用機器:CFX96TM Real-Time System(商品名)、Bio-Rad社製)。プライマーとして、Watanabe, Y., et al. Diabetes. 61(5):1199-1209, 2012 に記載のプライマーを用いた。
<結果>
TNF−αの結果を図5に、IL−6の結果を図6にそれぞれ示した。図5および図6から明らかなように、TLR7リガンドを添加して活性化されたTLR7により産生量が増加したTNF−αおよびIL−6のmRNA量は、CB7の前処理により抑制されることが示された。
[実施例6:CB7によるTLR7活性化阻害の評価(4)]
マウス形質細胞様樹状細胞においてTLR7活性化により産生誘導されるTNF−αを指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した。
<実験材料および方法>
定法に従いマウス骨髄細胞を採取し、150mM NHCl、10mM KHCO、0.1mM NaEDTAを含む水溶液に懸濁して3分間室温で静置することにより溶血処理を行った。溶血処理したマウス骨髄細胞を25ng/mL Flt3リガンド(R&D Systems社製)、10%(v/v)ウシ胎仔血清(FCS)、50U/mL ペニシリン、50μg/mL ストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、50μM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI1640培地で8日間、5%CO存在下37℃で培養し、形質細胞様樹状細胞へ分化誘導させた。1ウェルあたりの細胞数が1.0×10個/100μLになるように96ウェルプレートに分注し、CB7を終濃度50μMになるように50μL加え、5%CO存在下37℃で30分間インキュベートした。TLR7の合成リガンドであるロキソリビン(Loxoribine、Alexis Biochemicals社製)、イミキモド(imiquimod、Invivogen社製)またはガーディキモド(Gardiquimod、Invivogen社製)を、それぞれ終濃度が100μg/mL、1.0μg/mL、1.0μg/mLになるように培養液に加え、24時間培養した。コントロールとして、リガンドを加えないウェルを設けた。1群あたり3ウェルを使用した。培養終了後、全ての培養液をそれぞれ回収し、培養液中のTNF−α濃度をELISA法(使用キット:Mouse TNF-alpha DuoSet ELISA(商品名)、R&D Systems社製)により定量した。
<結果>
結果を図7に示した。図7から明らかなように、TLR7リガンドを添加して活性化されたTLR7により産生誘導されるTNF−αは、CB7の前処理により減弱することが示された。
[実施例7:CB7によるTLR7活性化阻害の評価(5)]
マウスにTLR7リガンドを投与することにより産生誘導されるIFN−αを指標に、CB7投与による生体内のTLR7活性化阻害効果を評価した。
<実験材料および方法>
(1)使用動物
8〜12週齢のC57/BL6N雌マウスを使用した。CB7投与群とコントロール群(PBS投与)の2群を設け、1群当たり10匹のマウスを用いた。
(2)CB7溶液およびTLR7リガンド溶液の調製
CB7溶液として、200μgのCB7(DMSO溶液)を200μLのPBSで懸濁したものを使用した。TLR7リガンド溶液として3.5μgのR848(滅菌水溶液、Invivogen社製)を200μLのPBSで懸濁したものを使用した。
(3)実験方法
マウスに200μg/200μLのCB7溶液または200μLの10%DMSOを腹腔内投与した。4時間後に3.5μg/200μLのR848溶液を腹腔内投与した。R848投与の1時間後に採血し、血清中のIFN−α濃度をELISA法(使用キット:Mouse IFN alpha Platinum ELISA(商品名)、eBioscience社製)により定量した。
<結果>
結果を図8に示した。図8において、点は各個体の測定結果、線は各群における平均値を表している。図8から明らかなように、マウスにおいてTLR7リガンドであるR848投与により産生誘導されたIFN−αは、CB7の前処置により減弱することが示された。
[実施例8:CB7によるTLR7活性化阻害の評価(6)]
ヒト末梢血単核球においてTLR7活性化により産生誘導されるIL−6を指標に、CB7によるTLR7活性化阻害効果を評価した。
<実験材料および方法>
定法に従い健常人の血液から末梢血単核球を採取し、10%(v/v)ウシ胎仔血清(FCS)、50U/mL ペニシリン、50μg/mL ストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、50μM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI1640培地で懸濁した。1ウェルあたりの細胞数が1.0×10個/100μLになるように96ウェルプレートに分注し、CB7を終濃度50μMになるように50μL加え、5%CO存在下37℃で30分間インキュベートした。TLR7の合成リガンドであるガーディキモド(Gardiquimod、Invivogen社製)を終濃度が3.0μg/mL、10μg/mLになるように、CL264(Invivogen社製)を終濃度が10μg/mL、30μg/mLになるように培養液に加え、24時間培養した。コントロールとして、リガンドを加えないウェルを設けた。1群あたり3ウェルを使用した。培養終了後、全ての培養液をそれぞれ回収し、培養液中のIL−6濃度をELISA法(使用キット:human IL-6 DuoSet ELISA(商品名)、R&D Systems社製)により定量した。
<結果>
結果を図9に示した。図9から明らかなように、TLR7リガンドを添加して活性化されたTLR7により産生誘導されるIL−6は、CB7の前処理により減弱することが示された。なお、リガンドを加えないコントロール(-CB7)群およびコントロール(+50μM CB7)群のIL−6濃度は検出限界以下であった。
[実施例9:CB7によるTLR7またはTLR9活性化阻害の評価]
マウス形質細胞様樹状細胞においてTLR7またはTLR9活性化により産生誘導されるIFN−αを指標に、CB7によるTLR7またはTLR9活性化阻害効果を評価した。
<実験材料および方法>
定法に従いマウス骨髄細胞を採取し、150mM NHCl、10mM KHCO、0.1mM NaEDTAを含む水溶液に懸濁して3分間室温で静置することにより溶血処理を行った。溶血処理したマウス骨髄細胞を25ng/mL Flt3リガンド(R&D Systems社製)、10%(v/v)ウシ胎仔血清(FCS)、50U/mL ペニシリン、50μg/mL ストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、50μM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI1640培地で8日間、5%CO存在下37℃で培養し、形質細胞様樹状細胞へ分化誘導させた。1ウェルあたりの細胞数が1.0×10個/100μLになるように96ウェルプレートに分注し、CB7を終濃度50μMになるように50μL加え、5%CO存在下37℃で30分間インキュベートした。TLR7の合成リガンドであるssPoly U(Invivogen社製)またはTLR9の合成リガンドであるODN1585(Invivogen社製)を、それぞれ終濃度が0.5〜1.0μg/mLまたは0.5〜1.0μMになるように培養液に加え、24時間培養した。コントロールとして、リガンドを加えないウェルを設けた。1群あたり3ウェルを使用した。培養終了後、全ての培養液をそれぞれ回収し、培養液中のIFN−α濃度をELISA法(使用キット:Mouse IFN alpha Platinum ELISA(商品名)、eBioscience社製)により定量した。
<結果>
結果を図10に示した。図10から明らかなように、TLR7またはTLR9リガンドを添加して活性化されたTLR7またはTLR9により産生誘導されるIFN−αは、CB7の前処理により減弱することが示された。なお、リガンドを加えないコントロール(-CB7)群、コントロール(+50μM CB7)群、ならびにリガンドとCB7の両方を加えた各群のIFN-α濃度は、いずれも検出限界以下であった。
[CB1〜9によるTLR7またはTLR9活性化阻害評価のまとめ]
実施例2〜9で得られた結果をまとめて、図11に示した。評価は◎、○および×で示した。◎はTLR依存的なNF−κBの活性化を強く抑制したことを表す。○はTLR依存的なNF−κBの活性化を抑制したことを表す。×はTLR依存的なNF−κBの活性化を抑制しなかったことを表す。図11に示したとおり、CB1、CB2、CB4、CB5は、マウスおよびヒトのTLR9依存的なNF−κBの活性化を阻害し、CB7は、マウスおよびヒトのTLR7依存的なNF−κBの活性化、ならびにヒトのTLR9依存的なNF−κBの活性化を阻害することが示された。CB8は、マウスおよびヒトのTLR7依存的なNF−κBの活性化を阻害することが示された。CB9は、マウスおよびヒトのTLR7依存的なNF−κBの活性化、ならびにヒトのTLR9依存的なNF−κBの活性化を阻害することが示された。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
全身性エリテマトーデスをはじめとする自己免疫疾患は、症状が重い慢性疾患である。自己免疫疾患患者は世界中で年々増加している。2005年のアメリカ国立衛生研究所の報告では、アメリカでは2,230万人(アメリカ国民の12人に1人の割合)が自己免疫疾患に罹患していることが明らかにされている(Progress in Autoimmune Diseases Research, NIH, 2005)。この増加の背景には、診断技術の向上も考えられるが、生活環境や食習慣などの変化による環境的要因の指摘もある。世界における自己免疫疾患治療市場の規模は、2010年には302億米ドルに達したが、2017年には614億米ドルに達するとの予測がされている(Autoimmune Disorders Therapeutics Market to 2017, GBI Research, 2012)。特に、全身性エリテマトーデスにおいては、これまでに承認を受けた治療薬は少なく、医薬産業の面でも重要な領域であると言える。実際に、全身性エリテマトーデス治療薬の世界市場における売上高は、2013年の9億5,200万米ドルから2018年には26億米ドルに達すると予想されており(Drugs for Treating Systemic Lupus Erythematosus: Global Markets, BCC Research, 2014)、今後益々の世界市場における成長が期待される。日本では、シクロバクチオール類化合物の含有が認められるオランダビユの成熟種子である補骨脂は漢方薬(適応;遺尿、頻尿、失精、インポテンツ、腰痛、倦怠感)として認可されており、安全性は確保されているので、自己免疫疾患治療における適応の可能性を小規模臨床試験で実証することが必要であると考えられる。その他、炎症性サイトカインおよびI型インターフェロンに起因する疾患で有効性を治験することが考えられる。

Claims (8)

  1. 下記式(I)〜(VII)で表される化合物から選択される化合物、またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とするトール様受容体7またはトール様受容体9の活性化阻害剤。
    Figure 0006856900
  2. 化合物が、下記式(I)
    Figure 0006856900
    で表される化合物、
    下記式(VI)
    Figure 0006856900
    で表される化合物、および
    下記式(VII)
    Figure 0006856900
    で表される化合物である請求項1に記載の活性化阻害剤。
  3. トール様受容体7またはトール様受容体9の活性化に起因するIL−6、TNF−αまたはIFN−αの産生抑制作用を有する請求項2に記載の活性化阻害剤。
  4. 請求項2または3に記載の活性化阻害剤を含有することを特徴とするトール様受容体7またはトール様受容体9の活性化を伴う疾患の予防または治療薬。
  5. トール様受容体7またはトール様受容体9の活性化を伴う疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患、血管炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎、動脈硬化症、敗血症、神経変性疾患、移植片拒絶、移植片対宿主病、歯周病、またはウイルス性免疫不全症である請求項4に記載の予防または治療薬。
  6. トール様受容体7またはトール様受容体9の活性化を伴う疾患が自己免疫疾患である請求項に記載の予防または治療薬。
  7. 自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、混合性結合組織病、重複症候群、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、成人スティル病、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、HLA−B27関連リウマチ疾患、血管炎症候群、ウェゲナー肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎、多発性硬化症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症紫斑病、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、尋常性天疱瘡、自己免疫性膵炎である請求項6に記載の予防または治療薬。
  8. 下記式(VI)
    Figure 0006856900
    で表される化合物、もしくは
    下記式(VII)
    Figure 0006856900
    で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩。
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