JP2021147322A - ステロイド系化合物及びその医薬用途 - Google Patents

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JP2021147322A
JP2021147322A JP2020045426A JP2020045426A JP2021147322A JP 2021147322 A JP2021147322 A JP 2021147322A JP 2020045426 A JP2020045426 A JP 2020045426A JP 2020045426 A JP2020045426 A JP 2020045426A JP 2021147322 A JP2021147322 A JP 2021147322A
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典保 平澤
Noriyasu Hirasawa
典保 平澤
美枝子 有澤
Mieko Arisawa
美枝子 有澤
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Abstract

【課題】TSLP産生誘導剤又は自己免疫疾患の剤の提供。【解決手段】具体的化合物として、下記式HA−7で表されるステロイド系化合物又はその塩が挙げられる。【選択図】なし

Description

本発明は、ステロイド骨格を有する新規化合物、自己免疫疾患を治療するための医薬及びアレルギーの脱感作誘導薬に関する。
自己免疫疾患等の治療には免疫を抑制することが必要であるが、現在では非選択的な医薬品しかなく、治療満足度は低い。近年では、生体が本来持つ免疫制御性T細胞を利用することが実験レベルでは注目されている。制御性T細胞を試験管内で誘導して生体に戻す方法、また制御性T細胞を誘導するサイトカインを投与する方法がとられている。制御性T細胞を調製して生体に投与するには膨大な費用がかかる。また制御性T細胞を誘導するサイトカインはタンパク質であり、その医薬品としての利用にもコストがかかる。
一方、胸腺ストローマ細胞の培養上清から単離されたIL-7様のサイト力インであるThymic stromal lymphopoietin(TSLP)について、皮膚由来のTSLPが制御性T細胞を全身的に誘導させ、自己免疫疾患を抑制することが報告されている(非特許文献1)。また、ケラチノサイトがTSLP産生を介して制御性T細胞を抑制することも報告されている(非特許文献2)
かかる状況の下、本発明者らは、すでに、化合物ライブラリーから下記構造を示す化合物(本明細書において下記化合物をコード番号02F04で示す)がin vitroでマウスのケラチノサイト細胞株からTSLP産生を誘導することを明らかにしている(非特許文献3)。
Figure 2021147322
しかし、02F04は、in vivoでTSLP産生を検出できなかった。
J. Autoimmunity 79(2017): 39-52 Nature Immunol. 18 (2017): 334-343 Int. Immnunopharmacol. 55 (2018) 28-37
本発明が解決すべき課題は、in vivoでもTSLPを産生し得る、新規TSLP産生誘導剤又は自己免疫疾患の新規剤を提供することである。
かかる状況の下、本発明者は、鋭意研究した結果、後述する式(1)で示される化合物又はその塩がin vivoでもTSLPの産生効果を示すことを見出した。本発明は、かかる新規の知見に基づくものである。
従って、本発明は以下の項を提供する:
項1.下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む、自己免疫疾患を治療するため又はアレルギーを脱感作誘導により治療するための医薬:
Figure 2021147322
[式中、lは0〜3の整数を示す。mは、0又は1を示す。nは、0〜3の整数を示す。pは、0又は1を示す。
Figure 2021147322
は単結合又は二重結合を示す。R1は水素又はアルキル基を示す。R2は水素、水酸基又はオキソ基を示す。R3は水素又はアルキル基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって、水素、水酸基又はアルキル基を示す。R6は水素又はアルキル基を示す。R7、R8、R9及びR10は、同一もしくは異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示すか、又はR7、R8、R9及びR10のうち隣り合う2個が、それらが結合する炭素原子又は窒素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成し、残りが、同一又は異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示す。
Figure 2021147322
は、
Figure 2021147322
を示す。]
項2.下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む、TSLP産生誘導剤:
Figure 2021147322
[式中、lは0〜3の整数を示す。mは、0又は1を示す。nは、0〜3の整数を示す。pは、0又は1を示す。
Figure 2021147322
は単結合又は二重結合を示す。R1は水素又はアルキル基を示す。R2は水素、水酸基又はオキソ基を示す。R3は水素又はアルキル基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって、水素、水酸基又はアルキル基を示す。R6は水素又はアルキル基を示す。R7、R8、R9及びR10は、同一もしくは異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示すか、又はR7、R8、R9及びR10のうち隣り合う2個が、それらが結合する炭素原子又は窒素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成し、残りが、同一又は異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示す。
Figure 2021147322
は、
Figure 2021147322
を示す。]
項3.nが0又は1である、項1又は2に記載の医薬又はTSLP産生誘導剤。
項4.nが1である、項1〜3のいずれか一項に記載の医薬又はTSLP産生誘導剤。
項5.R1がアルキル基であり、R2が水素であり、R3がアルキル基である、項1〜4のいずれか一項に記載の医薬又はTSLP産生誘導剤。
項6.mが1であり、R6、R7、R8、R9及びR10が全て水素である場合、R4及びR5は、同一又は異なって、水素又はアルキル基である、項1〜5のいずれか一項に記載の医薬又はTSLP産生誘導剤。
項7.下記一般式(1’)で表される化合物又はその塩:
Figure 2021147322
[式中、lは0〜3の整数を示す。mは、0又は1を示す。nは、0〜3の整数を示す。pは、0又は1を示す。
Figure 2021147322
は単結合又は二重結合を示す。R1は水素又はアルキル基を示す。R2は水素又は水酸基を示す。R3は水素又はアルキル基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって、水素、水酸基又はアルキル基を示す。R6は水素又はアルキル基を示す。R7、R8、R9及びR10は、同一もしくは異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示すか、又はR7、R8、R9及びR10のうち隣り合う2個が、それらが結合する炭素原子又は窒素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成し、残りが、同一又は異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示す。
Figure 2021147322
は、
Figure 2021147322
を示す。]
項8.nが0又は1である、項7に記載の化合物又はその塩。
項9.nが1である、項7又は8に記載の化合物又はその塩。
項10.R1がアルキル基であり、R2が水素であり、R3がアルキル基である、項7〜9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
項11.mが1であり、R6、R7、R8、R9及びR10が全て水素である場合、R4及びR5は、同一又は異なって、水素又はアルキル基である、項7〜10のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
項12.項7〜11のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含む、自己免疫疾患を治療するため又はアレルギーを脱感作誘導により治療するための医薬。
項13.項7〜11のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含む、TSLP産生誘導剤。
本発明の化合物又はその塩は、in vitroだけでなく、in vivoでもTSLPの産生誘導効果を示す。また、in vivoにおいて何らかのサイトカインを選択的に産生する物質はこれまで報告なかったため、本発明のかかる効果は予想外のものである。また、前述したように皮膚由来のTSLPが制御性T細胞を全身的に誘導させ、自己免疫疾患を抑制することが知られている。従って、本発明の化合物又はその塩は、制御性T細胞の誘導を介して自己免疫疾患を抑制し得るため非常に有用である。また、上記メカニズムから、本発明の化合物又はその塩は、アレルギーの脱感作誘導作用も期待でき、かかる点でも有用である。
実験例1の結果を示す。 実験例2の結果を示す。 実験例3の結果を示す。 実験例4の結果を示す。 実験例5の結果を示す。
本発明化合物又はその塩
本発明は、下記式(1)で表わされる化合物又はその塩(典型的には、前述の式(1’)で表される化合物又はその塩)を提供する:
Figure 2021147322
[式中、lは0〜3の整数を示す。mは、0又は1を示す。nは、0〜3の整数を示す。pは、0又は1を示す。
Figure 2021147322
は単結合又は二重結合を示す。R1は水素又はアルキル基を示す。R2は水素、水酸基又はオキソ基(=O)を示す。R3は水素又はアルキル基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって、水素、水酸基又はアルキル基を示す。R6は水素又はアルキル基を示す。R7、R8、R9及びR10は、同一もしくは異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示すか、又はR7、R8、R9及びR10のうち隣り合う2個が、それらが結合する炭素原子又は窒素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成し、残りが、同一又は異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示す。
式(1)中、基
Figure 2021147322
は、
Figure 2021147322
を示す(式中、A、l、p及びR10は前述の通り。)。を示す。]。
本発明において、Aは、N、CH又はCを示す。また基
Figure 2021147322
の示すところは前述の通りである。従って、基
Figure 2021147322
は、
Figure 2021147322
(式中、A、m、n、p、R6、R7、R8、R9及びR10は前述の通り。)と表すこともできる。
本明細書において示される各基は、具体的には次の通りである。
本発明において「アルキル基」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等のC1−C10アルキル基が挙げられ、好ましくはC1−C8アルキル基等があげられる。
本発明において「飽和炭化水素環」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の炭素数3〜8(好ましくは5〜7、より好ましくは6)の飽和炭化水素環等を挙げることができる。
本発明において「飽和含窒素複素環」とは、窒素原子を少なくとも1個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1個)有し、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも1個(好ましくは1〜3個)有してもよい、3〜8員環(好ましくは5〜7員環、より好ましくは6員環)である、飽和の複素環基を示し、例えば、アジリジン、アゼチジン、イミダゾリジン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、チアゾリジン、オキサゾリジン等の単環式の飽和含窒素複素環が挙げられ、ヘテロ原子として窒素原子のみを有する単環式の飽和複素環が好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、一般式(1)中、R1、R3、R4及びR5により表わされるアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がより好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、一般式(1)中、R6、R7、R8、R9及びR10により表されるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、炭素数5〜9のアルキル基がより好ましく、炭素数6〜8のアルキル基がより好ましい。R6、R7、R8、R9及びR10により表されるアルキル基としては直鎖アルキル基が好ましい。本発明の一実施形態においては、R6、R7、R8、R9及びR10のうち1つがアルキル基である場合、残りは水素原子であることが好ましい。
本発明において、lは0〜3の整数を示し、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。本発明において、mは0又は1を示し、好ましくは1である。本発明において、nは0〜3の整数を示し、好ましくは0又は1を示し、より好ましくは1である。
本発明において、基
Figure 2021147322
は、
Figure 2021147322
であることが好ましい(式中、A、l、p及びR10は前述の通り。)。
また、本発明において、基
Figure 2021147322
が、基
Figure 2021147322
であることが好ましく、
Figure 2021147322
であることがより好ましい(式中、A、m、n、p、R6、R7、R8、R9及びR10は前述の通り。)。
また、本発明において、基
Figure 2021147322
における
Figure 2021147322
は、単結合が好ましい。
また、本発明において、R1がアルキル基であり、R2が水素であり、R3がアルキル基であることが好ましい。
また本発明の一実施形態において、R7、R8、R9及びR10のうち隣り合う2個が、それらが結合する炭素原子又は窒素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成し、残りが、同一又は異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示してもよい。当該実施形態において形成される環としては、飽和炭化水素環が好ましい。また当該実施形態においては、R7及びR8が、それらが結合する炭素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成することが好ましい。
また本発明の別の実施形態において、mが1であり、R6、R7、R8、R9及びR10が全て水素である場合、R4及びR5は、同一又は異なって、水素又はアルキル基であることが好ましい。
前述のように、本発明の化合物は、in vitroだけでなく、in vivoでもTSLPを産生誘導効果を示す。また、上述した典型的な実施形態において、本発明の化合物は、マウス細胞株だけでなく、ヒト細胞株(ヒトケラチノサイト細胞株)でもTSLP産生を誘導することができるため、有用である。これに対し、前述する02F04は、ヒトケラチノサイト細胞株においてTSLP産生を誘導しなかった。さらに、02F04は、Liver X receptor(LXR)を刺激して、ABCA1を誘導する作用を有することが知られている(非特許文献3)。これに対し、典型的な実施形態において、本発明化合物は、LXRの刺激活性を示すことなく、TSLPを産生誘導効果を示す。従って、LXRは、糖やコレステロール・脂質の代謝に影響をあたえる受容体であることが知られているため、LXRの刺激活性を示さない本発明化合物は、副作用軽減の点から有用である。以上示したように、本発明化合物は、TSLP産生誘導をもたらし、さらには制御性T細胞を全身的に誘導することにより自己免疫疾患の抑制及びアレルギーの脱感作誘導作用が期待できるため有用である。
好ましい実施形態において、本発明化合物としては、下記表1〜2に表す化合物又はその塩を挙げることができる。本明細書において、下記化合物を、表中に示すコート番号(HA No)にて表すことがある。
Figure 2021147322
Figure 2021147322
また、参照用に、上記本発明の好ましい化合物を製造する際の中間体となり得る化合物を下記表3〜4に示す。
Figure 2021147322
Figure 2021147322
本発明化合物は、種々の方法により製造され得るが、例えば下記反応式で示される方法により製造される。
[反応式−1]
Figure 2021147322
[式中、n、m、p、R1、R3、R5、R7、R8、R9及びR10は前述の通り]
反応式−1においては、まず、化合物1とtert-ブチルジメチルクロロシラン(TBSCl)とを反応させることにより、化合物2を得ることができる。化合物1とTBSClとの使用割合は特に限定されないが、例えば、前者1モルに対し後者を約2モルで使用することができる。当該反応は、イミダゾール等の存在下で行うことができる。次に、上記ピリジン誘導体と化合物2とを反応させることにより、化合物3を得ることができる。上記ピリジン誘導体と化合物2の使用割合は特に限定されないが、例えば、前者1モルに対し後者を0.3〜1.0モルの範囲で使用することができる。当該反応は、nBuLi、sBuLi等の触媒の存在下で行うことができる。次に、化合物3とSOCl2とを反応させることにより、化合物4を得ることができる。化合物3とSOCl2の使用割合は特に限定されないが、例えば、前者1モルに対し後者を1.0モル〜過剰量の範囲で使用することができる。
次に、化合物4を脱保護することにより、化合物5を得ることができる。当該反応は、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、HF・Py、HF・NEt3等のフッ化物イオンの存在下で行うことができる。そして、化合物5を還元することにより、化合物6を得ることができる。当該反応は、PtO2、RuO2、Pd/C等の触媒の存在下で行うことができる。
また、上記反応で得られた化合物6を下記反応に供することにより、R6がメチル基である化合物を得ることもできる。
Figure 2021147322
また、本発明化合物は、例えば下記反応式−2で示される方法によって製造することもできる。
[反応式−2]
Figure 2021147322
[式中、n、m、p、R1、R3、R5、R7、R8、R9及びR10は前述の通り]
反応式−2においては、まず、化合物7とtert-ブチルジメチルクロロシラン(TBSCl)とを反応させることにより、化合物8を得ることができる。化合物7とTBSClとの使用割合は特に限定されないが、例えば、前者1モルに対し後者を約2モルで使用することができる。当該反応は、イミダゾール等の存在下で行うことができる。次に、上記ピリジン誘導体と化合物2とを反応させることにより、化合物9を得ることができる。上記ピリジン誘導体と化合物2の使用割合は特に限定されないが、例えば、前者1モルに対し後者を0.3〜1.0モルの範囲で使用することができる。当該反応は、nBuLi、sBuLi等の触媒の存在下で行うことができる。次に、化合物9とSOCl2とを反応させることにより、化合物10を得ることができる。化合物9とSOCl2の使用割合は特に限定されないが、例えば、前者1モルに対し後者を1.0モル〜過剰量モルの範囲で使用することができる。次に、化合物10を脱保護することにより、化合物5を得ることができる。当該反応は、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、HF・Py、HF・NEt3等のフッ化物イオンの存在下で行うことができる。そして、化合物11を還元することにより、化合物12を得ることができる。当該反応は、PtO2、RuO2、Pd/C等の触媒の存在下で行うことができる。
また、
Figure 2021147322
に代えて、
Figure 2021147322
を用いることにより、上記ヘキサヒドロピリミジン環又はヘキサヒドロピリミジン環と別の環との縮合環を有する化合物を製造することもできる。
さらに、上記化合物7を下記反応式−3で示される反応に供し、反応生成物を原料として用いることにより、R2が水酸基又はオキソ基である本発明化合物を得ることができる。
[反応式−3]
Figure 2021147322
上記反応式−1、反応式−2及び反応式−3の各反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒、例えば、水、トリエチルアミン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、トリフルオロエタノール、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルジグライム、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸等、これらの混合溶媒の中で行われる。また、各反応の反応温度は特に限定されず、通常、室温、冷却又は加熱下で反応が行われる。好ましくは、−78〜150℃等が挙げられる。核反応の反応時間も特に限定されないが、例えば、1〜30時間反応させることができる。
また、各反応式において示された原料及び目的化合物に溶媒和物(例えば、水和物、エタノレート等)が付加された形態の化合物も、各々の一般式に含まれる。好ましい溶媒和物としては水和物が挙げられる。
上記各反応式で得られる各々の目的化合物は、反応混合物を、例えば、冷却した後、濾過、濃縮、抽出等の単離操作によって粗反応生成物を分離し、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の精製操作によって、反応混合物から単離精製することができる。
自己免疫疾患を治療するための医薬、アレルギーの脱感作誘導薬
一実施形態において、本発明は、上記本発明化合物又はその塩を含む、自己免疫疾患を治療するための医薬を提供する。本発明の医薬の治療対象となる自己免疫疾患としては、バセドウ病、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス、血管炎等が挙げられ、I型糖尿病、自己免疫性脳脊髄炎等の治療薬として用いることが好ましい。また、別の実施形態において、本発明は、上記本発明化合物又はその塩を含む、脱感作誘導によりアレルギーを治療するための医薬を提供する。アトピー性皮膚炎、アレルギー性気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎等が挙げられ、アレルギー性鼻炎の治療薬として用いることが好ましい。
本発明において、塩とは、薬学的に許容され得る塩を意図する。また、本発明化合物の塩は、酸付加塩と塩基との塩を包含する。酸付加塩の具体例として、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等の有機酸塩、及びグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等の酸性アミノ酸塩が挙げられる。塩基との塩の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム塩のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、ピリジン塩、トリエチルアミン塩のような有機塩基との塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。
本発明化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物及び溶媒和物もまた本発明の有効成分である化合物に包含される。また、本発明化合物には、幾何異性体、立体異性体、光学異性体等の異性体が存在する場合、特に明記しない限り、これらの異性体は本発明化合物に包含される。
溶媒和物を形成する溶媒としては、水、エタノール、プロパノール等のアルコール、酢酸等の有機酸、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン等のケトン類、DMSO等が例示される。
本発明においては、本発明化合物又はその塩そのものを自己免疫疾患を治療するための医薬として用いても、薬学的に許容される各種担体(例えば、例えば等張化剤、キレート剤、安定化剤、pH調節剤、防腐剤、抗酸化剤、溶解補助剤、粘稠化剤等)と組み合わせた医薬組成物として用いてもよい。
等張化剤としては、例えば、グルコース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール等の糖類、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の無機塩類等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸カルシウム等のエデト酸塩類、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸又はその塩、ヘキサメタリン酸ソーダ、クエン酸等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。
pH調節剤としては、例えば、塩酸、炭酸、酢酸、クエン酸等の酸が挙げられ、さらに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩又は炭酸水素塩、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属酢酸塩、クエン酸ナトリウム等のアルカリ金属クエン酸塩、トロメタモール等の塩基等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の第4級アンモニウム塩、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロロブタノール、ポリクォード、ポリヘキサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、濃縮混合トコフェロール等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、グリセリン、D−ソルビトール、ブドウ糖、プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、D−マンニトール等が挙げられ、
粘稠化剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
また、上記医薬組成物は、本発明化合物又はその塩以外に、自己免疫疾患の抑制作用を有することが知られている化合物をさらに含んでいてもよい。
医薬組成物の実施形態において、組成物中の本発明化合物又はその塩の含有量は特に限定されず、本発明化合物の含有量換算で、例えば、90質量%以上、70質量%以上、50質量%以上、30質量%以上、10質量%以上、5質量%以上、1質量%以上等の条件から適宜設定できる。
製剤形態は、特に限定されず、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、舌下剤等の経口投与剤; 注射剤(静脈注射、筋肉注射、局所注射等)、含嗽剤、点滴剤、外用剤(軟膏、クリーム、貼付薬、吸入薬)、座剤等の非経口投与剤等の各種製剤形態を挙げることができる。上記製剤形態のうち、好ましいものとしては、例えば、経口投与剤(舌下剤等)、外用剤等が挙げられる。本発明化合物又はその塩は、TSLPの産生誘導効果を有する。本発明の好ましい実施形態において、本発明化合物又はその塩は、主として上皮細胞に作用するため、外用剤として用いることにより、自己免疫疾患の抑制効果をもたらすことが特に期待できる。また、別の好ましい実施形態において、舌下剤として用いることによりアレルギーの脱感作誘導効果をもたらすことが特に期待できる。
製剤中の本発明の本発明化合物の含有量は、投与経路、患者の年齢、体重、症状等によって異なり一概に規定できないが、本発明化合物の1日投与量が通常10〜5000mg程度、より好ましくは100〜1000mg程度になる量とすればよい。1日1回投与する場合は、1製剤中にこの量が含まれていればよく、1日3回投与する場合は、1製剤中にこの3分の1量が含まれていればよい。
本発明の医薬は、哺乳動物等の患者に投与される。哺乳動物としては、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ等が挙げられる。
本発明の医薬は、TSLPの産生誘導により自己免疫疾患の症状を緩和する。従って、本発明は、本発明化合物又はその塩を含むTSLP産生誘導剤も提供する。TSLP産生誘導剤の有効成分、製剤形態、投与量等は、本発明の医薬と同様である。
以下に、以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
製造例1 HA−7の製造
Figure 2021147322
Figure 2021147322
2-メチルピリジン (10 mmol, 930.5 mg) のテトラヒドロフラン溶液 (10.0 mL) に、-78 度で n-ブチルリチウムの1.6 M ヘキサン溶液 (10 mmol, 6.25 mL) を滴下して 30 分間攪拌した。次いで、3β-ヒドロキシアンドロスト-5-エン-17-オン (3 mmol, 864.6 mg) のテトラヒドロフラン溶液 (5 mL) を添加して 1 時間かけて 0 度に昇温した。水を加えて反応を停止した後、酢酸エチル (10 mL) で 3 回抽出した後、有機層を水 (10 mL) および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルで洗浄して、HA-1 (1.03 g, 90%) を淡黄色結晶として得た。
HA-1 (2.7 mmol, 1.03 g) とイミダゾール (6.5 mmol, 442.5 mg) のジメチルホルムアミド溶液 (20 mL) に tert-ブチルジメチルクロロシラン (4.05 mmol, 610.4 mg) を加えて室温で 2 時間撹拌した。反応液に水 (50 mL) を加えて酢酸エチル (20 mL) で 4 回抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下溶媒を留去して、粗生成物 1 (2.58 mmol, 1.28 g, 96%) を淡黄色結晶として得た。
1 (247.7 mg, 0.5 mmol) のピリジン (5 mL) 溶液に 0 度で塩化チオニル (1.0 mL) 添加して 15 分間撹拌した後、メタノール (2 mL)、酢酸エチル (5 mL)、水 (10 mL) の順に添加した。2 N 塩酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液で順次抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 20:1)に付し、2 (0.25 mmol, 119.0 mg) と2' (0.12 mmol, 57.2 mg) の混合物 (2:2' = 2:1, 202.3 mg, 0.42 mmol, 85%) を白色結晶として得た。
2' (0.12 mmol, 57.2 mg) をテトラブチルアンモニウムフルオリドの 1.0 M テトラヒドロフラン溶液 (2 mL) 中室温で 7 時間撹拌した。水を加えて反応を停止した後、酢酸エチル (10 mL) で 2 回抽出した後、有機層を水 (10 mL) および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)に付し、HA-6 (36.3 mg, 0.1 mmol) を白色結晶として得た。
HA-6 (36.3 mg, 0.1 mmol) と二酸化白金 (50 mg) の酢酸溶液 (3 mL) をオートクレーブ中水素 (8 atm) 雰囲気下、室温で 17 時間撹拌した。反応溶液にイソプロパノールとエタノールの10:1 混合溶液を添加してセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物にヘキサンを添加して超音波洗浄後、析出した固体を酢酸エチル-ヘキサンから再沈殿した。得られた固体を減圧下乾燥して、HA-7 (27.6 mg, 0.07 mmol, 74%) を異性体混合物として得た。
HA-6: Colorless solid; mp 141.5-142.5℃ (hexane:ethyl acetate = 3:1); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.82 (3H, s), 0.97-1.12 (2H, m), 1.04 (3H, s), 1.24 (1H, td, J = 12.0, 5.2 Hz), 1.41 (1H, qd, J = 10.8, 6.8 Hz), 1.47-1.74 (6H, m), 1.80-1.89 (3H, m), 1.96-2.09 (2H, m), 2.24 (1H, td, J = 13.2, 2.0 Hz), 2.30 (1H, ddd, J = 13.2, 5.2, 2.0 Hz), 3.51 (2H, bs), 3.53 (1H, septet, J = 6.4 Hz), 5.11 (1H, dd, J = 3.2, 1.6 Hz), 5.36 (1H, dd, J = 3.6, 2.0 Hz), 7.12 (1H, ddd, J = 7.6, 4.8, 0.8 Hz), 7.21 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.60 (1H, td, J = 7.6, 2.0 Hz), 8.54 (1H, ddd, J = 4.8, 1.6, 0.8 Hz).; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ15.6, 19.3, 20.7, 30.5, 31.2, 31.5, 31.6, 34.5, 36.7, 37.0, 37.1, 42.3, 46.7, 50.6, 57.1, 71.7, 121.0, 121.5, 123.6, 124.7, 136.1, 141.0, 149.1, 153.7, 160.2.; IR (KBr, cm-1): 2928, 2900, 2848, 1720, 1593, 1435, 1058, ; LRMS (EI) m/z: 363 (M+, 22%), 348 (M+-15, 100%); HRMS (EI): 計算値C33H51NO2 (M+): 363.2562, 実測値 363.2576.
HA-7: Colorless solid; IR (KBr, cm-1): 3291, 2928, 2851, 1445, 1380, 1045.; LRMS (EI) m/z: 373 (M+, 1%), 84 (M+-289, 100%); HRMS (EI): 計算値C25H43NO (M+): 373.3345, 実測値 373.3371.
製造例2 HA−19の製造
Figure 2021147322
Figure 2021147322
HA-7 と同様の合成法を利用して、3β-ヒドロキシアンドロスト-5-エン-17-オンとキナルジンから、HA-18 を合成した。HA-18 (0.09 mmol, 47.5 mg) と二酸化白金 (48 mg) の酢酸溶液 (3 mL) をオートクレーブ中水素 (8 atm) 雰囲気下、室温で 17 時間撹拌した。反応溶液にイソプロパノールとエタノールの10:1 混合溶液を添加してセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物にヘキサンを添加して超音波洗浄後、析出した固体を酢酸エチルから再結晶した。得られた固体を減圧下乾燥して、HA-19 (33.1 mg, 0.078 mmol, 86%) を異性体混合物として得た。
HA-18: Pale yellow solid; mp 125.0-126.0 ℃ (hexane:ethyl acetate = 3:1); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.94 (3H, s), 1.05 (3H, s), 1.09-1.14 (2H, m), 1.42-1.62 (6H, m), 1.70-1.74 (1H, m), 1.82-1.89 (3H, m), 2.03-2.09 (3H, m), 2.24-2.29 (2H, m), 2.87 (1H, dt, J = 18.8, 7.2 Hz), 3.03 (1H, dd, J = 18.8, 9.6 Hz), 3.54 (1H, septet, J = 5.2 Hz), 5.35 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.41 (1H, s), 7.44 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.65 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.0 Hz).; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ18.6, 19.4, 21.1, 25.0, 30.1, 31.58, 31.67, 31.71, 35.8, 36.6, 37.3, 42.2, 46.0, 50.4, 53.9, 71.5, 118.5, 121.3, 121.5, 125.6, 126.1, 127.3, 129.0, 129.3, 135.6, 141.0, 148.1, 157.8, 162.5.; IR (KBr, cm-1): 3608, 2934, 1596, 910, 731; LRMS (EI) m/z: 413 (M+, 100%); HRMS (EI): 計算値C29H35NO (M+): 413.2719, 実測値 413.2706.
HA-19: Colorless solid; IR (KBr, cm-1): 3335, 2926, 2851, 1725, 1448, 1379, 1040, 907, 733; LRMS (EI) m/z: 427 (M+, 2%), 138 (M+-289, 100%); HRMS (EI): 計算値C29H49NO (M+): 427.3814, 実測値 427.3797.
製造例3 HA−20の製造
Figure 2021147322
Figure 2021147322
HA-1 と同様の合成法を利用して、3β-ヒドロキシプレグン-5-エン-20-オンと2-ブロモピリジンから、HA-24 を合成した。HA-24 (47.4 mg, 0.12 mmol) と二酸化白金 (48 mg) の酢酸溶液 (2 mL) をオートクレーブ中水素 (8 atm) 雰囲気下、室温で 24 時間撹拌した。反応溶液にイソプロパノールとエタノールの10:1 混合溶液を添加してセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物にヘキサンを添加して超音波洗浄後、析出した固体をクロロホルム-ヘキサンから再沈殿した。得られた固体を減圧下乾燥して、HA-20 (30.2 mg, 0.075 mmol, 63%) を単一生成物として得た。
HA-20 Colorless solid; mp 205.0-206.0 ℃ (Reprecipitation from chloroform-hexane); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.61 (1H, td, J = 12.0, 4.0 Hz), 0.80 (3H, s), 0.82 (3H, s), 0.85-0.88 (1H, m), 0.95-1.03 (2H, m), 1.08-1.21 (4H, m), 1.24-1.32 (5H, m), 1.34 (3H, s), 1.36-1.42 (3H, m), 1.44-1.58 (3H, m), 1.61-1.72 (6H, m), 1.77-1.82 (2H, m), 1.91 (2H, bd, J = 9.6 Hz), 2.60 (1H, bd, J = 9.6 Hz), 2.66 (1H, dd, J = 12.4, 2.4 Hz), 3.34 (1H, bd, J = 12.8 Hz), 3.59 (1H, septet, J = 6.4 Hz).; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ12.3, 13.8, 21.1, 22.7, 24.0, 24.1, 24.3, 25.1, 25.8, 28.6, 31.5, 31.9, 34.8, 35.4, 37.0, 38.1, 40.2, 43.2, 44.8, 47.0, 54.2, 54.5, 56.3, 67.2, 71.3, 74.9.; IR (KBr, cm-1): 3253, 2928, 2852, 1559, 1405, 1046; LRMS (EI) m/z: 402 ([M-H]+, 1%), 84 (M+-318, 100%); HRMS (EI): 計算値C26H44NO2 + ([M-H]+): 402.3372, 実測値 402.3370.
製造例4 HA−22の製造
Figure 2021147322
Figure 2021147322
HA-6 と同様の合成法を利用して、HA-24 からHA-26 を合成した。HA-26 (49.0 mg, 0.13 mmol) と二酸化白金 (50 mg) の酢酸溶液 (2 mL) をオートクレーブ中水素 (10 atm) 雰囲気下、室温で 17 時間撹拌した。反応溶液にイソプロパノールとエタノールの10:1 混合溶液を添加してセライトを使用して濾過した後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物にヘキサンを添加して超音波洗浄後、析出した固体をクロロホルム-ヘキサンから再沈殿した。得られた固体を減圧下乾燥して、HA-22 (27.4 mg, 0.071 mmol, 55%) を単一生成物として得た。
HA-22: Colorless solid; mp 175.0-176.0 ℃ (Reprecipitation from chloroform-hexane); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.61-0.67 (1H, m), 0.66 (3H, s), 0.79 (3H, s), 0.87-0.99 (2H, m), 1.03 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.06-1.15 (3H, m), 1.18-1.35 (7H, m), 1.39-1.54 (7H, m), 1.61-1.74 (6H, m), 1.78-1.82 (1H, m), 1.87-1.94 (3H, m), 1.97 (3H, s), 2.61-2.68 (1H, m), 2.78 (1H, bd, J = 11.6 Hz), 3.38 (1H, bd, J = 12.4 Hz), 3.60 (1H, septet, J = 6.4 Hz), 4.75 (1H, bs).; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ11.7, 13.3, 21.2, 23.8, 24.06, 24.11, 27.9, 28.6, 29.0, 31.4, 31.8, 35.39, 35.41, 37.0, 38.1, 39.9, 40.5, 42.6, 44.78, 44.82, 46.3, 52.0, 54.4, 56.4, 60.3, 71.2.; IR (KBr, cm-1): 3328, 2931, 2853, 1623, 1557, 1403, 1045, 752; LRMS (EI) m/z: 387 (M+, 0.3%), 386 ([M-H]+, 1%), 84 (M+-303, 100%); HRMS (EI): 計算値C26H44NO+ ([M-H]+): 386.3423, 実測値 386.3439.
製造例5 HA−21の製造
Figure 2021147322
Figure 2021147322
HA-1 と同様の合成法を利用して、3β-ヒドロキシプレグン-5-エン-20-オンと3-ブロモピリジンから、HA-25 を合成した。HA-25 (39.5 mg, 0.1 mmol) と二酸化白金 (40 mg) の酢酸溶液 (2 mL) をオートクレーブ中水素 (8 atm) 雰囲気下、室温で 22 時間撹拌した。反応溶液にイソプロパノールとエタノールの10:1 混合溶液を添加してセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物にヘキサンを添加して超音波洗浄後、析出した固体をクロロホルムから再結晶た。得られた固体を減圧下乾燥して、HA-21 (32.0 mg, 0.08 mmol, 80%) を異性体混合物として得た。
HA-25: Colorless solid; mp 258.0-259.0 ℃ (hexane:ethyl acetate = 3:1); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.78-0.89 (1H, m), 0.95 (3H, s), 1.03 (3H, s), 1.04-1.14 (2H, m), 1.32-1.39 (1H, m), 1.43-1.62 (7H, m), 1.60 (3H, s), 1.70 (1H, bs), 1.79 (2H, t, J = 9.2 Hz), 1.81-1.89 (2H, m), 1.94 (1H, ddd, J = 12.8, 5.6, 2.8 Hz), 2.21-2.31 (3H, m), 3.52 (1H, septet, J = 5.6 Hz), 5.33 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.55 (1H, s), 7.16 (1H, ddd, J = 7.6, 4.8, 0.8 Hz), 7.34 (1H, d, J =8.0 Hz), 7.68 (1H, td, J = 7.6, 1.6 Hz), 8.46 (1H, ddd, J = 4.8, 1.6, 0.8 Hz); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ13.6, 19.4, 20.9, 22.7, 23.4, 29.8, 31.3, 31.59, 31.64, 36.5, 37.2, 40.1, 42.2, 43.0, 50.0, 56.8, 60.7, 71.7, 75.5, 121.5, 122.8, 132.4, 140.7, 144.8, 146.8, 147.5; IR (KBr, cm-1): 3200, 2930, 2858, 1453, 1063, 754; LRMS (EI) m/z: 395 (M+, 2%), 122 (M+-273, 100%); HRMS (EI): 計算値C26H37NO2 (M+): 395.2824, 実測値 395.2823.
HA-21: Colorless solid; IR (KBr, cm-1): 3366, 2926, 2842, 1702, 1629, 1567, 1405, 1046.; LRMS (EI) m/z: 403 (M+, 2%), 85 (M+-318, 100%); HRMS (EI): 計算値C26H45NO2 (M+): 403.3450, 実測値 403.3462.
製造例6 HA−23の製造
Figure 2021147322
Figure 2021147322
HA-6 と同様の合成法を利用して、HA-21 から、HA-27 を合成した。HA-27 (0.13 mmol, 49.0 mg) と二酸化白金 (50 mg) の酢酸溶液 (2 mL) をオートクレーブ中水素 (8 atm) 雰囲気下、室温で 18 時間撹拌した。反応溶液にイソプロパノールとエタノールの10:1 混合溶液を添加してセライトを使用して濾過した後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物にヘキサンを添加して超音波洗浄後、析出した固体をクロロホルムから再結晶した。得られた固体を減圧下乾燥して、HA-23 (31.2 mg, 0.08 mmol, 62%) を異性体混合物として得た。
HA-27: Colorless solid; mp 178.5-179.5 ℃ (hexane:ethyl acetate = 3:1); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.57 (3H, s), 0.78-0.84 (2H, m), 0.86-0.92 (1H, m), 0.94 (3H, s), 0.98-1.04 (1H, m), 1.13-1.34 (3H, m), 1.38-1.47 (2H, m), 1.50-1.59 (1H, m), 1.70-1.78 (4H, m), 1.83-1.93 (2H, m), 1.95-2.04 (1H, m), 2.21 (1H, tq, J = 14.0, 2.8 Hz), 2.29 (1H, ddd, J = 13.2, 5.2, 2.8 Hz), 2.69 (1H, t, J = 9.2 Hz), 3.49 (1H, septet, J = 6.4 Hz), 5.19 (1H, s), 5.23 (1H, s), 5.34 (1H, dd, J = 5.2, 2.4 Hz), 7.23 (1H, dd, J = 8.0, 4.8 Hz), 7.60 (1H, dt, J = 8.0, 2.0 Hz), 8.49 (1H, d, J = 3.6 Hz), 8.55 (1H, s).; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ12.7, 19.3, 21.0, 24.0, 25.4, 31.6, 31.7, 32.3, 36.4, 37.1, 38.9, 42.2, 43.3, 50.1, 54.7, 56.6, 71.6, 115.2, 121.4, 122.9, 134.4, 140.4, 140.8, 146.7, 148.0, 148.1.; IR (KBr, cm-1): 3200, 2930, 2858, 1453, 1063, 754; LRMS (EI) m/z: 377 (M+, 75%), 362 (M+-15, 73%), 344 (M+-33, 100%); HRMS (EI): 計算値C26H35NO (M+): 377.2719, 実測値 377.2704.
HA-23: Colorless solid; IR (KBr, cm-1): 3419, 2928, 1700, 1574, 1415, 1046; LRMS (EI) m/z: 387 (M+, 9%), 85 (M+-302, 100%); HRMS (EI): 計算値C26H45NO (M+): 387.3501, 実測値 387.3516.
製造例7 HA−40の製造
Figure 2021147322
Figure 2021147322
HA-1 と同様の合成法を利用して、3β-ヒドロキシプレグン-5-エン-20-オンと2-ブロモ-5-ヘプチルピリジンから、HA-41 を合成した。HA-41 (49.3 mg, 0.1 mmol) と二酸化白金 (50 mg) の酢酸溶液 (2 mL) をオートクレーブ中水素 (8 atm) 雰囲気下、室温で 17 時間撹拌した。反応溶液にイソプロパノールとエタノールの10:1 混合溶液を添加してセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物にヘキサンを添加して超音波洗浄後析出した固体を減圧下乾燥して、HA-40 (32.1 mg, 0.064 mmol, 64%) を異性体混合物として得た。
HA-41: Colorless solid; mp 138.5-140.0 ℃ (hexane:ethyl acetate = 3:1); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.88 (3H, t, J = 6.8 Hz), 0.93 (3H, s), 1.02 (3H, s), 1.09 (2H, td, J = 12.8, 4.0 Hz), 1.27-1.31 (9H, m), 1.42-1.64 (11H, m), 1.58 (3H, s), 1.77 (2H, m), 1.82-188 (2H, m), 1.94 (1H, ddd, J = 12.4, 4.0, 2.4 Hz), 2.20-2.32 (3H, m), 2.59 (2H, t, J = 7.6 Hz), 3.53 (1H, septet, J = 5.6 Hz), 5.34 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.57 (1H, bs), 7.23 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.49 (1H, dd, J = 8.0, 2.0 Hz), 8.27 (1H, d, J = 1.2 Hz).; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ13.2, 14.1, 19.4, 21.0, 22.5, 22.6, 23.7, 28.7, 29.06, 29.09, 31.1, 31.3, 31.6, 31.7, 31.8, 32.5, 36.5, 37.2, 40.3, 42.2, 43.2, 50.1, 57.0, 60.4, 71.7, 74.7, 118.8, 121.6, 135.8, 137.0, 140.8, 146.2, 163.4.; IR (KBr, cm-1): 3450, 2929, 1387, 1059.; LRMS (EI) m/z: 493 (M+, 1%), 220 (M+-273, 100%); HRMS (EI): 計算値C33H51NO2 (M+): 493.3920, 実測値 493.3906.
HA-40: Pale yellow solid; IR (KBr, cm-1): 2926, 2854, 1703, 1564, 1453, 907.; LRMS (EI) m/z: 501 (M+, 1%), 182 (M+-319, 100%); HRMS (EI): 計算値C33H59NO2 (M+): 501.4546, 実測値 501.4500.
製造例8 HA−48の製造
Figure 2021147322
Figure 2021147322
HA-1 と同様の合成法を利用して、リチウムジイソプロピルアミド存在下、3β-ヒドロキシプレグン-5-エン-20-オンと2-メチル-1,5-ナフチリジンから、HA-45 を合成した。HA-45 (44.8 mg, 0.10 mmol) と二酸化白金 (50 mg) の酢酸溶液 (2 mL) をオートクレーブ中水素 (8 atm) 雰囲気下、室温で 17 時間撹拌した。反応溶液にイソプロパノールとエタノールの10:1 混合溶液を添加してセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物にヘキサンを添加して超音波洗浄後、析出した固体を酢酸エチル-ヘキサンから再沈殿して、HA-48 (22.6 mg, 0.048 mmol, 48%) を異性体混合物として得た。
HA-45: Pale yellow solid; mp 236.0-236.5 ℃ (hexane:ethyl acetate = 3:1); 1H-NMR (400 MHz, CDCl3):δ0.95 (3H, s), 1.00 (3H, s), 1.02-1.13 (1H, m), 1.18-1.26 (1H, m), 1.22 (3H, s), 1.47-1.59 (7H, m), 1.61-1.78 (4H, m), 1.83-1.87 (2H, m), 1.98-2.10 (2H, m), 2.18 (1H, dt, J = 12.4, 3.2 Hz), 2.24-2.30 (2H, m), 2.92 (1H, d, J = 14.4 Hz), 3.31 (1H, d, J = 14.4 Hz), 3.53 (1H, septet, J = 6.4 Hz), 5.36 (1H, d, J = 5.6 Hz), 5.56 (1H, bs), 7.50 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.63 (1H, dd, J = 8.4, 4.0 Hz), 8.31 (1H, dt, J = 8.4, 0.8 Hz), 8.34 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.94 (1H, dd, J = 4.0, 2.0 Hz).; 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ13.4, 19.4, 21.0, 23.1, 24.0, 26.9, 31.4, 31.6, 31.8, 36.5, 37.2, 40.3, 42.3, 43.0, 48.7, 50.0, 57.1, 60.4, 71.8, 75.4, 121.6, 124.6, 126.7, 136.6, 137.8, 140.8, 142.4, 142.6, 150.6, 162.2.; IR (KBr, cm-1): 3343, 2933, 1591, 1496, 822, 752.; LRMS (EI) m/z: 460 (M+, 1%), 144 (M+-316, 100%); HRMS (EI): 計算値C30H40N2O2 (M+): 460.3090, 実測値 460.3080.
HA-48: Colorless solid.; IR (KBr, cm-1): 3323, 2930, 2864, 1702, 1560, 1466, 1293, 909.; LRMS (EI) m/z: 472 (M+, 2%), 139 (M+-333, 100%); HRMS (EI): 計算値C30H52N2O2 (M+): 472.4029, 実測値 472.4037.
実験例1 HA-7、HA-19及び09A11のTSLPの産生誘導作用(PAM212細胞、マウスケラチノサイト細胞株)
マウスケラチノサイト細胞株PAM212を10%FBS α-MEMに懸濁して、細胞数を1.0×105cells/mLとなるように懸濁し、24-well plate (Nunclon(登録商標), Thermo Scientific)の各wellに500μlずつ播種し、37℃、飽湿、5% CO2存在下で細胞がwellを8-9割占めるまで培養した。培養液をのぞき、37℃に温めたPBSで1回washした後、02F04(3, 10 又は30μM)、HA-7(3, 10 又は30μM)、HA-19 (1、3, 10 又は30μM)、又は09A11(3又は10μg/ml)を含む10% FBS-α-MEM 0.5 mlを加え、さらに37℃、飽湿、5%CO2存在下24時間培養した。各群のDMSOの最終濃度は0.1%とした。培養後、培養液中のTSLPをMouse TSLP DuoSet(登録商標) ELISA (R&D Systems)を用いて付属のプロトコールに準じて測定した。
結果を図1に示す。図1(A)に示すように、HA-7は、in vitroでマウスケラチノサイト細胞株において02F04と同様に、TSLP産生を誘導した。図1(B)に示すように、HA-19 もin vitroでマウスケラチノサイト細胞株において02F04と同様にTSLP産生誘導効果を示した。図1(C)に示すように09A11も同様にTSLP産生誘導効果を示した。
実験例2 HA-41及びHA-40のTSLPの産生誘導作用(PAM212細胞、マウスケラチノサイト細胞株)
マウスケラチノサイト細胞株PAM212を10%FBS α-MEMに懸濁して、細胞数を1.0×105cells/mLとなるように懸濁し、24-well plate (Nunclon(登録商標), Thermo Scientific)の各wellに500μlずつ播種し、37℃、飽湿、5% CO2存在下で細胞がwellを8-9割占めるまで培養した。培養液をのぞき、37℃に温めたPBSで1回washした後、02F04 (10μM)、あるいはHA-40 (10 および30μM)を含む10% FBS-α-MEM 0.5 mlを加え、さらに37℃、飽湿、5%CO2存在下24時間培養した。各群のDMSOの最終濃度は0.1%とした。培養後、培養液中のTSLPをMouse TSLP DuoSet(登録商標) ELISA (R&D Systems)を用いて付属のプロトコールに準じて測定した。
結果を図2に示す。図2に示すように、HA-40は、 in vitroでマウスケラチノサイト細胞株において30 μMにおいて強いTSLP産生誘導効果を示した。
実験例3 HA-7及びHA-19はin vivo でもTSLP産生を誘導する
ICRマウス(6週令、雄、SLC)の耳介に HA-7あるいはHA-19 (10, 100 mM エタノール溶液) 10μlを塗布した。その24時間後に、マウスを麻酔下、頸動脈切断により脱血死させたのち、直径 5 mmの耳介組織を摘出し、重量を測定した。得られた耳介組織は、リン酸緩衝生理食塩水(1/200量のProtease Inhibitor Cocktail for General Use (ナカライテスク)を含む) 500 μl中で、ビーズ式ホモジナイザー(Precellys 24, Bertin Instrument社)でホモジナイズした。21,600 xg、 4℃で20分間遠心して、その上清を回収し、TSLP濃度をMouse TSLP DuoSet(登録商標) ELISA (R&D Systems)を用いて付属のプロトコールに準じて測定した。得られたTSLP量を組織重量で補正した。
結果を図3に示す。図3に示すように、HA-7及びHA-19はin vivo でもTSLP産生を誘導した。これに対し、02F04は、in vivo でもTSLP産生誘導効果を示さなかった。
実験例4 HA-19はヒトケラチノサイト細胞株で、TNF-αよりもゆっくりとTSLPの産生を誘導する
ヒトケラチノサイト細胞株HaCaT細胞を10%FBS含有ダルベッコMEMに懸濁して、細胞数を1.0×105cells/mLとなるように懸濁し、12-well plate(Nunclon(登録商標), Thermo Scientific)の各wellに1000μlずつ播種し、37℃、飽湿、5% CO2存在下で細胞がwellを8-9割占めるまで培養した。培養液をのぞき、37℃に温めたPBSで1回washした後、HA-19 (10μM)あるいは TNF-α (100 ng/ml)を含む10% FBS-DMEM 1mlを加え、さらに37℃、飽湿、5%CO2存在下2時間あるいは6時間培養した。各群のDMSOの最終濃度は0.1%とした。培養後、培養液をのぞき、PBSで2回洗浄後、RNAiso Plus(タカラバイオ)を用いてtotal RNAを抽出した。PrimeScript(登録商標) RT Master Mix (Perfect Real Time)を用いて付属のプロトコールに準じて逆転写反応を行った。Real-time PCR反応は、SYBR(登録商標) Premix EX TaqTM II (Tli RNaseH Plus)を用いて付属のプロトコールに準じて行った。なお、以下のプライマーを用いた。Human TSLP (long) Forward: 5'-GAT TAC ATA TAT GAG TGG GAC-3' Reverse: 5'-TTC ATT GCC TGA GTA GCA T-3', GAPDH Forward: 5'-TGT GTC CGT CGT GGA TCT GA-3', Reverse: 5'-TTG CTG TTG AAG TCG CAG GAG-3'。各サンプルの threshold cycle(Ct)値は2nd derivative maximum法により算出し、相対的検量線を作成して各遺伝子のPCR反応条件は増幅効率が100%に近いことを確認した後、Ct法によりRNA相対量に換算した。GAPDH mRNAの発現量に対するTSLP mRNAの発現量を計算し、相対的な発現量とした。
結果を図4に示す。図4に示すように、TNF-α添加群では刺激2時間後にTSLP産生誘導効果が認められたのに対し、HA-19添加群では刺激2時間後ではまだTSLP産生誘導効果が現れず、6時間後にTSLP産生誘導効果が認められた。
実験例5 LXR刺激活性の測定
マウスケラチノサイト細胞株PAM212を10%FBS α-MEMに懸濁して、細胞数を1.0×105cells/mLとなるように懸濁し、12-well plate (Nunclon(登録商標), Thermo Scientific)の各wellに1000μlずつ播種し、37℃、飽湿、5% CO2存在下で細胞がwellを8-9割占めるまで培養した。培養液をのぞき、37℃に温めたPBSで1回washした後、LXRアンタゴニスト GSK2033 (0 あるいは3μM) および、HA-7 (10μM) 、HA-19 (10μM)あるいはLXR アゴニストである T0901317 (10μM)を含む10% FBS-α-MEM 1 mlを加え、さらに37℃、飽湿、5%CO2存在下4時間培養した。各群のDMSOの最終濃度は0.1%とした。培養後、培養液をのぞき、PBSで2回洗浄後、RNAiso Plus(タカラバイオ)を用いてtotal RNAを抽出した。PrimeScript(登録商標) RT Master Mix (Perfect Real Time)を用いて付属のプロトコールに準じて逆転写反応を行った。Real-time PCR反応は、SYBR(登録商標) Premix EX TaqTM II (Tli RNaseH Plus)を用いて付属のプロトコールに準じて行った。なお、以下のプライマーを用いた。ABCA1 Forward: 5'-GCA GAT CAA GCA TCC CAA CT-3' Reverse: 5'-CCA GAG AAT GTT TCA TTG TCC A-3', GAPDH Forward: 5'-TGT GTC CGT CGT GGA TCT GA-3', Reverse: 5'-TTG CTG TTG AAG TCG CAG GAG-3'。各サンプルの threshold cycle(Ct)値は2nd derivative maximum法により算出し、相対的検量線を作成して各遺伝子のPCR反応条件は増幅効率が100%に近いことを確認した後、Ct法によりRNA相対量に換算した。GAPDH mRNAの発現量に対するTSLP mRNAの発現量を計算し、相対的な発現量とした。
結果を図5に示す。図5に示すように、HA-7及びHA-19共に、LXR刺激活性は認められなかった。これに対し、02F04はLXR刺激活性を有することが知られている(非特許文献3)。従って、HA-7及びHA-19は、LXR刺激活性を示さない点からも自己免疫疾患の治療薬又はアレルギーの脱感作誘導薬候補として有用であることが分かる。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む、自己免疫疾患を治療するため又はアレルギーを脱感作誘導により治療するための医薬:
    Figure 2021147322
    [式中、lは0〜3の整数を示す。mは、0又は1を示す。nは、0〜3の整数を示す。pは、0又は1を示す。
    Figure 2021147322
    は単結合又は二重結合を示す。R1は水素又はアルキル基を示す。R2は水素、水酸基又はオキソ基を示す。R3は水素又はアルキル基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって、水素、水酸基又はアルキル基を示す。R6は水素又はアルキル基を示す。R7、R8、R9及びR10は、同一もしくは異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示すか、又はR7、R8、R9及びR10のうち隣り合う2個が、それらが結合する炭素原子又は窒素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成し、残りが、同一又は異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示す。

    Figure 2021147322
    は、
    Figure 2021147322
    を示す。]
  2. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む、TSLP産生誘導剤:
    Figure 2021147322
    [式中、lは0〜3の整数を示す。mは、0又は1を示す。nは、0〜3の整数を示す。pは、0又は1を示す。
    Figure 2021147322
    は単結合又は二重結合を示す。R1は水素又はアルキル基を示す。R2は水素、水酸基又はオキソ基を示す。R3は水素又はアルキル基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって、水素、水酸基又はアルキル基を示す。R6は水素又はアルキル基を示す。R7、R8、R9及びR10は、同一もしくは異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示すか、又はR7、R8、R9及びR10のうち隣り合う2個が、それらが結合する炭素原子又は窒素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成し、残りが、同一又は異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示す。

    Figure 2021147322
    は、
    Figure 2021147322
    を示す。]
  3. nが0又は1である、請求項1又は2に記載の医薬又はTSLP産生誘導剤。
  4. nが1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬又はTSLP産生誘導剤。
  5. 1がアルキル基であり、R2が水素であり、R3がアルキル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬又はTSLP産生誘導剤。
  6. mが1であり、R6、R7、R8、R9及びR10が全て水素である場合、R4及びR5は、同一又は異なって、水素又はアルキル基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬又はTSLP産生誘導剤。
  7. 下記一般式(1’)で表される化合物又はその塩:
    Figure 2021147322
    [式中、lは0〜3の整数を示す。mは、0又は1を示す。nは、0〜3の整数を示す。pは、0又は1を示す。
    Figure 2021147322
    は単結合又は二重結合を示す。R1は水素又はアルキル基を示す。R2は水素又は水酸基を示す。R3は水素又はアルキル基を示す。R4及びR5は、同一又は異なって、水素、水酸基又はアルキル基を示す。R6は水素又はアルキル基を示す。R7、R8、R9及びR10は、同一もしくは異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示すか、又はR7、R8、R9及びR10のうち隣り合う2個が、それらが結合する炭素原子又は窒素原子と共に、飽和炭化水素環又は飽和含窒素複素環を形成し、残りが、同一又は異なって、水素、水酸基もしくはアルキル基を示す。

    Figure 2021147322
    は、
    Figure 2021147322
    を示す。]
  8. nが0又は1である、請求項7に記載の化合物又はその塩。
  9. nが1である、請求項7又は8に記載の化合物又はその塩。
  10. 1がアルキル基であり、R2が水素であり、R3がアルキル基である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
  11. mが1であり、R6、R7、R8、R9及びR10が全て水素である場合、R4及びR5は、同一又は異なって、水素又はアルキル基である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
  12. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含む、自己免疫疾患を治療するため又はアレルギーを脱感作誘導により治療するための医薬。
  13. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を含む、TSLP産生誘導剤。
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