JP6856842B1 - ラテックス産生植物用処理剤 - Google Patents
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Abstract
Description
項1.
ニトロフェノール化合物又はその塩を含有するラテックス産生植物用処理剤。
項2.
ラテックスを増産させるか、又は、タッピングパネルドライネスを緩和させる、項1に記載のラテックス産生植物用処理剤。
項3.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基を有する化合物又はその塩である、項1又は2に記載のラテックス産生植物用処理剤。
項4.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(1):
xは1〜5の整数を示す。
yは0〜4の整数を示す。
yが2〜4の整数の場合、2〜4個のR基は、それぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項1〜3の何れか一項に記載のラテックス産生植物用処理剤。
項5.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(2):
(式中、R1、R2、R3、R4、及びR5基は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、C2〜6アルケニル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6アルケニルオキシ基、C2〜6ハロアルケニルオキシ基、C2〜6アルキニル基、C2〜6ハロアルキニル基、C2〜6アルキニルオキシ基、又はC2〜6ハロアルキニルオキシ基を示す。
ここで、R1、R2、R3、R4、及びR5基のうち、少なくとも1個の基は、ニトロ基を示す。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項1〜4の何れか一項に記載のラテックス産生植物用処理剤。
項6.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、ラテックス産生植物に付着させる工程を有することを特徴とするラテックス産生植物への処理方法。
項7.
ラテックスを増産させるか、又は、タッピングパネルドライネスを緩和させるための、項6に記載の処理方法。
項8.
ラテックス産生植物に処理するための、ニトロフェノール化合物又はその塩の使用方法。
項9.
ラテックスを増産させるか、又は、タッピングパネルドライネスを緩和させるための、項8に記載の使用方法。
項10.
ラテックスを増産させるための、又はタッピングパネルドライネスを緩和させるための、ニトロフェノール化合物又はその塩の使用方法。
項11.
さらに、(B)植物ホルモン又はその誘導体を含有する、項1〜5の何れか一項に記載のラテックス産生植物用処理剤。
項12.
ニトロフェノール化合物又はその塩を含有するラテックス増産剤。
項13.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基を有する化合物又はその塩である、項12に記載のラテックス増産剤。
項14.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、一般式(1):
xは1〜5の整数を示す。
yは0〜4の整数を示す。
yが2〜4の整数の場合、2〜4個のR基は、それぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項12又は13に記載のラテックス増産剤。
項15.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、
下記一般式(2):
ここで、R1、R2、R3、R4、及びR5基のうち、少なくとも1個の基は、ニトロ基を示す。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項12〜14の何れか一項に記載のラテックス増産剤。
項16.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、ラテックス産生植物に付着させる工程を有することを特徴とするラテックス増産方法。
項17.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基を有する化合物又はその塩である、項16に記載のラテックス増産方法。
項18.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(1):
xは1〜5の整数を示す。
yは0〜4の整数を示す。
yが2〜4の整数の場合、2〜4個のR基は、それぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項16又は17に記載のラテックス増産方法。
項19.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(2):
ここで、R1、R2、R3、R4、及びR5基のうち、少なくとも1個の基は、ニトロ基を示す。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項16〜18の何れか一項に記載のラテックス増産方法。
項20.
前記ラテックス産生植物が、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)であることを特徴とする項16〜19の何れか一項に記載のラテックス増産方法。
項21.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、タッピングパネルに付着させることを特徴とするラテックス増産方法。
項22.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、植物又はその根圏に処理することを含む、ラテックス増産方法。
項23.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、施用することを含む、ラテックス増産方法。
項24.
ラテックスを増産させるための、ニトロフェノール化合物又はその塩の使用方法。
項25.
項12〜15の何れか一項に記載のラテックス増産剤を、植物又はその根圏に処理する方法。
項26.
ニトロフェノール化合物又はその塩を含有するタッピングパネルドライネス緩和剤。
項27.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基を有する化合物又はその塩である、項26に記載のタッピングパネルドライネス緩和剤。
項28.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(1):
xは1〜5の整数を示す。
yは0〜4の整数を示す。
yが2〜4の整数の場合、2〜4個のR基は、それぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項26又は27に記載のタッピングパネルドライネス緩和剤。
項29.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(2):
ここで、R1、R2、R3、R4、及びR5基のうち、少なくとも1個の基は、ニトロ基を示す。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項26〜28の何れか一項に記載のタッピングパネルドライネス緩和剤。
項30.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、ラテックス産生植物に付着させる工程を有することを特徴とするタッピングパネルドライネス緩和方法。
項31.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基を有する化合物又はその塩である、項30に記載のタッピングパネルドライネス緩和方法。
項32.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(1):
xは1〜5の整数を示す。
yは0〜4の整数を示す。
yが2〜4の整数の場合、2〜4個のR基は、それぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項30又は31に記載のタッピングパネルドライネス緩和方法。
項33.
前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(2):
ここで、R1、R2、R3、R4、及びR5基のうち、少なくとも1個の基は、ニトロ基を示す。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、項30〜32の何れか一項に記載のタッピングパネルドライネス緩和方法。
項34.
前記ラテックス産生植物が、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)であることを特徴とする項30〜33の何れか一項に記載のタッピングパネルドライネス緩和方法。
項35.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、タッピングパネルに付着させることを特徴とするタッピングパネルドライネス緩和方法。
項36.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、植物又はその根圏に処理することを含む、タッピングパネルドライネス緩和方法。
項37.
ニトロフェノール化合物又はその塩を、施用することを含む、タッピングパネルドライネス緩和方法。
項38.
タッピングパネルドライネスを緩和させるための、ニトロフェノール化合物又はその塩の使用方法。
項39.
項26〜29の何れか一項に記載のタッピングパネルドライネス緩和剤を、植物又はその根圏に処理する方法。
項40.
(A)ニトロフェノール化合物又はその塩及び(B)植物ホルモン又はその誘導体を含有する、相乗的ラテックス増産剤組成物。
項41.
(B)植物ホルモン又はその誘導体が、オーキシン類、ジベレリン類、サイトカイニン類、アブシジン酸、エチレン、エテホン、ブラシノステロイド類、フロリゲン、サリチル酸、ジャスモン酸類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、項40に記載の相乗的ラテックス増産剤組成物。
項42.
(B)植物ホルモン又はその誘導体が、エテホンである、項40又は41に記載の相乗的ラテックス増産剤組成物。
項43.
前記(A)ニトロフェノール化合物又はその塩が、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基を有する化合物又はその塩である、項40〜42の何れか一項に記載の相乗的ラテックス増産剤組成物。
項44.
(B)植物ホルモン又はその誘導体の配合割合が、(A)ニトロフェノール化合物100質量部に対して、10〜1000000質量部である、項40〜43の何れか一項に記載の相乗的ラテックス増産剤組成物。
項45.
項40〜44の何れか一項に記載の相乗的ラテックス増産剤組成物を、ラテックス産生植物に付着させる工程を有することを特徴とするラテックス増産方法。
項46.
(A)ニトロフェノール化合物又はその塩及び(B)植物ホルモン又はその誘導体を含有する、相乗的タッピングパネルドライネス緩和剤組成物。
項47.
(B)植物ホルモン又はその誘導体が、オーキシン類、ジベレリン類、サイトカイニン類、アブシジン酸、エチレン、エテホン、ブラシノステロイド類、フロリゲン、サリチル酸、ジャスモン酸類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、項46に記載の相乗的タッピングパネルドライネス緩和剤組成物。
項48.
(B)植物ホルモン又はその誘導体が、エテホンである、項46又は47に記載の相乗的タッピングパネルドライネス緩和剤組成物。
項49.
前記(A)ニトロフェノール化合物又はその塩が、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基を有する化合物又はその塩である、項46〜48の何れか一項に記載の相乗的タッピングパネルドライネス緩和剤組成物。
項50.
(B)植物ホルモン又はその誘導体の配合割合が、(A)ニトロフェノール化合物100質量部に対して、10〜1000000質量部である、項46〜49の何れか一項に記載の相乗的ラテックス増産剤組成物又は相乗的タッピングパネルドライネス緩和剤組成物。
項51.
項46〜50の何れか一項に記載の相乗的タッピングパネルドライネス緩和剤組成物を、ラテックス産生植物に付着させる工程を有することを特徴とするタッピングパネルドライネス緩和方法。
項52.
ニトロフェノール化合物を含有するラテックス増産活性増強剤。
項53.
ニトロフェノール化合物を含有するタッピングパネルドライネス緩和活性増強剤。
本発明のラテックス産生植物用処理剤(単に、「ラテックス産生植物用処理剤」ということもある。)は、ニトロフェノール化合物又はその塩を含有する。また、本発明のラテックス産生植物用処理剤は、下記に示すラテックス増量剤、タッピングパネルドライネス緩和剤、天然ゴム処理剤等と言い換えることもできる。
本発明のラテックス増産剤(単に、「ラテックス増産剤」ということもある。)は、ニトロフェノール化合物又はその塩を含有する。また、本発明のラテックス増産剤は、ラテックス増量剤、ラテックス量増加剤、ラテックス増収剤、ラテックス量促進剤等と言い換えることもできる。
本発明のタッピングパネルドライネス緩和剤(単に、「TPD緩和剤」ということもある。)は、ニトロフェノール化合物又はその塩を含有する。また、本発明のタッピングパネルドライネス緩和剤は、タッピングパネルドライネス症状を緩和させる剤という意味だけでなく、タッピングパネルドライネス抑制剤、タッピングパネルドライネス予防剤、タッピングパネルドライネス治療剤等と言い換えることもできる。
本明細書において、ニトロフェノール化合物は、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基(OH基)を有する化合物をいう。該ニトロフェノール化合物には、ニトロ基を1つ有しているフェノール化合物、及びニトロ基を2つ以上有しているフェノール化合物が含まれる。さらに、これらのフェノール化合物には、水酸基を1つ有するものと、水酸基を2つ以上有するものが存在する。本発明で使用するニトロフェノール化合物は、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基(OH基)を有する芳香環化合物である。よって、本明細書におけるニトロフェノール化合物には、1つのニトロ基及び1つの水酸基を有する芳香環化合物、1つのニトロ基及び2つ以上の水酸基を有する芳香環化合物、2つ以上のニトロ基及び1つの水酸基を有する芳香環化合物、及び2つ以上のニトロ基及び2つ以上の水酸基を有する芳香環化合物のいずれもが含まれる。
前記ニトロフェノール化合物を構成する芳香環としては、特に限定はなく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。
置換基としては、特に限定はなく、例えば、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、C2〜6アルケニル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6アルケニルオキシ基、C2〜6ハロアルケニルオキシ基、C2〜6アルキニル基、C2〜6ハロアルキニル基、C2〜6アルキニルオキシ基、C2〜6ハロアルキニルオキシ基等が挙げられる。
xは1〜5の整数を示す。
yは0〜4の整数を示す。
yが2〜4の整数の場合、2〜4個のR基は、それぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩等が挙げられる。
yは0〜4の整数を示す。
yが2〜4の整数の場合、2〜4個のR基は、それぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩が好ましい。
ここで、R1、R2、R3、R4、及びR5基のうち、少なくとも1個の基は、ニトロ基を示す。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩で記載することもできる。
下記一般式(2b):
下記一般式(2c):
R1が、ニトロ基、
R2が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、
R3が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、
R4が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、及び
R5が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基で表されるニトロフェノール化合物又はその塩;
R1が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、
R2が、ニトロ基、
R3が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、
R4が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、及び
R5が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基で表されるニトロフェノール化合物又はその塩;並びに
R1が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、
R2が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、
R3が、ニトロ基、
R4が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基、及び
R5が、水素原子、ニトロ基、又はメトキシ基で表されるニトロフェノール化合物又はその塩が挙げられる。
R1が、ニトロ基、
R2が、水素原子、又はメトキシ基、
R3が、水素原子、又はメトキシ基、
R4が、水素原子、又はメトキシ基、及び
R5が、水素原子、又はメトキシ基で表されるニトロフェノール化合物又はその塩;
R1が、水素原子、又はメトキシ基、
R2が、ニトロ基、
R3が、水素原子、又はメトキシ基、
R4が、水素原子、又はメトキシ基、及び
R5が、水素原子、又はメトキシ基で表されるニトロフェノール化合物又はその塩;並びに
R1が、水素原子、又はメトキシ基、
R2が、水素原子、又はメトキシ基、
R3が、ニトロ基、
R4が、水素原子、又はメトキシ基、及び
R5が、水素原子、又はメトキシ基で表されるニトロフェノール化合物又はその塩が挙げられる。
本発明のラテックス産生植物用処理剤には、他の成分を加えず、ニトロフェノール化合物又はその塩のみを含むものでもよいが、通常は、固体担体、液体担体、又はガス状担体(噴射剤)を混合することができる。
なお、相乗的ラテックス増産剤組成物とは、相乗的なラテックス増産効果(相乗効果)を有するラテックス増産剤組成物を意味する。また、相乗的TPD緩和剤組成物とは、相乗的なTPD緩和効果(相乗効果)を有するTPD緩和剤組成物を意味する。
本発明のラテックス産生植物への処理方法、ラテックス増産方法及びTPD緩和方法は、ニトロフェノール化合物又はその塩をラテックス産生植物に付着させる工程を有することを特徴としている。
(1)ラテックス産生植物に対して、ニトロフェノール化合物又はその塩を、施用する方法;
(2)ニトロフェノール化合物又はその塩を、植物又はその根圏に処理する方法(ここで、植物には、植物の地上部及び植物の根部(地下部)が含まれている。根圏とは、植物の根の分泌物と土壌微生物とによって影響されている土壌空間を意味している。);
(3)ニトロフェノール化合物又はその塩を、葉、幹及び/又は茎に塗布する方法;
(4)ニトロフェノール化合物又はその塩を、葉、幹及び/又は茎に噴霧する方法;
(5)ニトロフェノール化合物又はその塩を、タッピングパネルに付着させる方法。
ノゲシ(Sonchus oleraceus)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ハチジョウナ(Sonchus brachyotus)等のSonchus属;
セイタカアワダチソウ(Solidago altissima)、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea var. asiatica)、ミヤマアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leiocarpa)、キリガミネアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leiocarpa f. paludosa)、オオアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. gigantea)、オオアワダチソウ(Solidago gigantea Ait. var. leiophylla Fernald)等のSolidago属;
ヒマワリ(Helianthus annuus)、シロタエヒマワリ(Helianthus argophyllus)、ヘリアンサス・アトロルベンス(Helianthus atrorubens)、ヒメヒマワリ(Helianthus debilis)、コヒマワリ(Helianthus decapetalus)、ジャイアントサンフラワー(Helianthus giganteus)等のHelianthus属;
エゾタンポポ(Taraxacum venustum H.Koidz)、シナノタンポポ(Taraxacum hondoense Nakai)、カントウタンポポ(Taraxacum platycarpum Dahlst.)、カンサイタンポポ(Taraxacum japonicum Koidz.)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale Weber)、ロシアンタンポポ(Taraxacum kok−saghyz)等のTaraxacum属;
イチジク(Ficus carica)、インドゴムノキ(Ficus elastica)、オオイタビ(Ficus pumila)、イヌビワ(Ficus erecta)、ホソバムクイヌビワ(Ficus ampelas Burm.f.)、コウトウイヌビワ(Ficus benguetensis)、ムクイヌビワ(Ficus irisana)、ガジュマル(Ficus microcarpa)、オオバイヌビワ(Ficus septica)、ベンガルボダイジュ(Ficus benghalensis)等のFicus属;
グアユール(Parthenium argentatum)、アメリカブクリョウサイ(Parthenium hysterophorus)等のParthenium属;
トゲシチャ(Lactuca serriola)等のLectuca属等が挙げられる。
製剤A:ニトロフェノール化合物水溶液原液
下記試験には、ニトロフェノール化合物水溶液原液として、ATONIK 6L(旭化学工業株式会社製)を用いた。なお、本原液中には、4−ニトロフェノールナトリウム塩が0.3質量部、2−ニトロフェノールナトリウム塩が0.2質量部、5−ニトログアイアコールナトリウム塩が0.1質量部、及び水が99.4質量部含有されている。これを以下「製剤A」という。
本試験は、インドネシア共和国SalatigaにあるGetasゴム研究所の試験圃場にて実施した。本圃場の内、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の5種の品種(それぞれPB217、PB260、BPM1、BPM24、及びRRIC100という品種名)を定植した区画を試験区として用いた。なお、試験区におけるゴムノキの株間は縦横4m間隔で、樹齢としては10年であった。各品種の区画より処理条件毎に無作為に5株を選抜し、試験に用いた。試験は、それぞれの処理条件につき計25株の調査株で行い、これらに対して薬剤処理及び各種調査を実施した。試験期間は、2018年11月20日より開始し、2019年4月18日までとした。
調査株については、11月26日から翌年3月27日までの期間、4日間隔を目安としてタッピング及びラテックスの採取を行った。具体的には、11月26日、11月30日、12月4日、12月10日、12月14日、12月19日、12月26日、12月31日、1月5日、1月10日、1月15日、1月19日、1月24日、1月29日、2月2日、2月8日、2月13日、2月18日、2月22日、2月27日、3月4日、3月9日、3月14日、3月19日、3月23日、及び3月27日の合計26回実施した。なお、タッピングは午前7時ごろに実施し、同日午後1時頃にラテックスの採取を行った。各試験区より試験期間中に得られた各試験区のラテックス溶出量合計(25株合計量)及び対照区との比を下記表2及び図1に示す。
その結果、いずれの処理条件(A区〜D区、実施例1〜4)においても、無処理区(対照区、比較例1)よりもラテックスの溶出量が多かった。
採取されたラテックスについては、各品種5株の合計体積を計量した後、4日間±2時間、100〜105℃の条件にて乾燥を行った。そして乾燥後におけるラテックスの質量を計測し、ラテックス中に含まれる溶解成分の含有量の確認を品種(5株)毎に行い、それらの平均値を算出した。なお、これらの体積及び質量の測定は、上記のラテックス採取毎に実施した。各試験区より試験期間中に得られたラテックスの乾燥質量合計(5株相当量)及び対照区との比を下記表3及び図2に示す。
その結果、いずれの処理条件(A区〜D区、実施例5〜8)においても、無処理区(対照区、比較例2)よりもラテックスの乾燥質量が多かった。
これらの株のタッピング箇所について、4月18日に、タッピングパネルドライネスの症状を目視にて確認した。すなわち、タッピングパネルからラテックスが溶出する様子を観察し、タッピング箇所全体の長さに対して、ラテックスが溶出しないタッピングパネルドライネス症状を呈した箇所の長さの割合を目視にて評価し、その平均値を算出した。結果を下記表4及び図3に示す。
その結果、いずれの処理条件(A区〜D区、実施例9〜12)においても、無処理区(対照区、比較例3)よりもタッピングパネルドライネスの症状が軽微であった。すなわち、本処理によってタッピングパネルドライネス症状の緩和がもたらされたといえる。
本試験は、インドネシア共和国SalatigaにあるGetasゴム研究所の試験圃場にて実施した。本圃場の内、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の品種TR3702を定植した区画を試験区として用いた。なお、試験区におけるゴムノキの株間は縦横4m間隔で、樹齢としては11年であった。処理条件毎に無作為に3株を選抜し、これらに対して薬剤処理及び各種調査を実施した。試験期間は、2019年10月17日より開始し、2020年2月1日までとした。
調査株については、10月19日から翌年2月1日までの期間、2から4日間隔を目安としてタッピング及びラテックスの採取を行った。具体的には、10月19日、10月23日、10月26日、10月30日、11月2日、11月6日、11月9日、11月13日、11月16日、11月20日、11月23日、11月27日、11月30日、12月4日、12月7日、12月11日、12月14日、12月18日、12月21日、12月23日、12月28日、12月31日、1月4日、1月8日、1月11日、1月15日、1月18日、1月22日、1月24日、1月29日、及び2月1日の合計31回実施した。なお、タッピングは午前6時ごろに実施し、3から4日後の午前11時頃にラテックスの採取を行った。各試験区より試験期間中に得られた各試験区の株あたりのラテックス溶出量平均値の合計及び対照区との比を下記表6及び図4に示す。
その結果、いずれの処理条件(E区〜F区)においても、無処理区(対照区、比較例4)よりもラテックスの溶出量が多く、かつ、ニトロフェノールとエテホンとの混用を行った条件(G区、実施例14)が最も溶出量が多く、理論上の対照区比(100×(1.246 × 1.682)=209.6%)を上回る結果となった。これより、ニトロフェノールとエテホンとを組み合わせて用いることで、ラテックスの溶出量が相乗的に増加したといえる(ニトロフェノールとエテホンとの混用による相乗効果が認められた)。
採取されたラテックスについては、合計体積を計量した後、4日間±2時間、100〜105℃の条件にて乾燥を行った。そして乾燥後におけるラテックスの質量を計測し、ラテックス中に含まれる溶解成分の含有量の確認を行った。なお、これらの体積及び質量の測定は、上記のラテックス採取毎に実施した。各試験区より試験期間中に得られたラテックスの乾燥質量合計及び対照区との比を下記表7及び図5に示す。
その結果、いずれの処理条件(E区〜F区)においても、無処理区(対照区、比較例4)よりもラテックスの乾燥質量が多く、かつ、ニトロフェノールとエテホンとの混用を行った条件(G区、実施例14)が最も乾燥質量が多く、理論上の対照区比(100×(1.330 × 1.530)=203.5%)を上回る結果となった。これより、ニトロフェノールとエテホンとを組み合わせて用いることで、ラテックスの乾燥質量が相乗的に増加したといえる(ニトロフェノールとエテホンとの混用による相乗効果が認められた)。
Claims (10)
- ニトロフェノール化合物又はその塩を含有し、ラテックス産生植物のタッピング箇所に付着されて用いられる、ラテックス産生植物用付着処理剤。
- ラテックスを増産させるか、又は、タッピングパネルドライネスを緩和させる、請求項1に記載のラテックス産生植物用付着処理剤。
- 前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、1つ以上のニトロ基及び1つ以上の水酸基を有する化合物又はその塩である、請求項1又は2に記載のラテックス産生植物用付着処理剤。
- 前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(1):
xは1〜5の整数を示す。
yは0〜4の整数を示す。
yが2〜4の整数の場合、2〜4個のR基は、それぞれ同一又は異なっていてもよい。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、請求項1〜3の何れか一項に記載のラテックス産生植物用付着処理剤。 - 前記ニトロフェノール化合物又はその塩が、下記一般式(2):
ここで、R1、R2、R3、R4、及びR5基のうち、少なくとも1個の基は、ニトロ基を示す。)
で表されるニトロフェノール化合物又はその塩である、請求項1〜4の何れか一項に記載のラテックス産生植物用付着処理剤。 - ニトロフェノール化合物又はその塩を、ラテックス産生植物のタッピング箇所に付着させる工程を有することを特徴とするラテックス産生植物への付着処理方法。
- ラテックスを増産させるか、又は、タッピングパネルドライネスを緩和させるための、請求項6に記載の付着処理方法。
- ラテックス産生植物のタッピング箇所に付着処理するための、ニトロフェノール化合物又はその塩の使用方法。
- ラテックスを増産させるため、又はタッピングパネルドライネスを緩和させるために、ニトロフェノール化合物又はその塩を、ラテックス産生植物のタッピング箇所に付着させる、ニトロフェノール化合物又はその塩の使用方法。
- さらに、植物ホルモン又はその誘導体を含有する、請求項1〜5の何れか一項に記載のラテックス産生植物用付着処理剤。
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