JP5455279B1 - ラテックスの増産方法 - Google Patents

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Abstract

ラテックス産生植物に樹皮割れ等の損傷を与えない、若木にも適用可能なラテックスの増産方法であって、ラテックスの生産能力を向上させる方法を提供すること。
酵母又は酵母細胞壁と;リン酸及びカリウムとの混合物を水熱反応処理して得られる還元性肥料をラテックス産生植物に適用することを特徴とするラテックスの増産方法。

Description

本発明は、酵母又は酵母細胞壁を含む混合物を水熱反応処理して得られる還元性肥料を使用したラテックスの増産方法に関する。
ビール工場等の食品製造工場から排出される廃酵母は、酵母エキスや酵母製剤の原料、家畜の飼料、肥料等として用いられる他は、焼却等の廃棄処理がなされている。また、酵母エキスを抽出した後に残る酵母細胞壁は、一部が健康食品、家畜用の飼料などに利用されているものの、他は主に廃棄されている。
しかしながら、これらの酵母由来材料の廃棄処理には、処理場への輸送費や処理コストがかかる。また、従来知られている酵母由来の上記の食品、飼料、肥料等では、廃酵母の発生量に対する利用量等に限界があり、廃酵母を付加価値の高い製品として提供可能な新たな用途が求められていた。
廃酵母を利用した新たな用途としては、例えば、特許文献1に、微生物又は微生物の成分を、酸素非存在下で水熱反応処理をすることを特徴とする0mV以下の酸化還元電位を有する微生物由来還元性混合物の製造方法が開示されている。
ラテックスは主にパラゴムノキ等のラテックス産生植物から得られ、パラゴムノキはトウダイグサ科の常緑樹であり、幹を傷つけた際に傷をつけた部位から分泌される樹液が天然ゴムの原料として使用できることが知られている。
パラゴムノキ1本当たりのラテックスの産生量を増大させるため、Ethepnonなどの薬剤を塗布する方法が用いられている。
また、ラテックス産生植物の近傍にジャスミンを植え、樹液を分泌する乳管数を増大させ、樹液の収量を増大させる手法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2010/104197号公報 特開2010−143874号公報
しかしながら、従来知られた上記薬剤をパラゴムノキに長期的に適用した場合、樹皮割れ等の損傷が起こることが知られていたため、上記薬剤は、樹液の産生量が大きく低下した老木にのみ適用することが一般的であった。また、従来知られた樹液の増産方法の多くは、乳管からの樹液の流出をより円滑化する手法として利用されていたため、パラゴムノキの樹液であるラテックスの生産能力自体を向上させるものではなく、これらの薬剤や手法によるラテックスの増産には限界があることが知られていた。
よって、本発明は、樹木に樹皮割れ等の損傷を与えない、ラテックス産生植物の若木にも適用可能なラテックスの増産方法であって、ラテックスの生産能力を向上させる方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、酵母又は酵母細胞壁と、リン酸及びカリウムとの混合物を水熱反応処理して得られる還元性肥料を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、酵母又は酵母細胞壁と;リン酸及びカリウムとの混合物を水熱反応処理して得られる還元性肥料をラテックス産生植物に適用することを特徴とするラテックスの増産方法である。
ある一形態においては、前記還元性肥料をラテックス産生植物のタッピング部に塗布することにより適用するラテックスの増産方法である。
ある一形態においては、前記還元性肥料をラテックス産生植物の株元に灌水処理することにより適用するラテックスの増産方法である。
ある一形態においては、前記酵母又は酵母細胞壁が、ビール酵母及びパン酵母の少なくとも1種に由来するラテックスの増産方法である。
ある一形態においては、前記水熱反応処理が、0.9MPa以上1.9MPa以下、150℃以上210℃以下で行われるラテックスの増産方法である。
本発明の方法によれば、ラテックス産生植物の樹木に樹皮割れ等の損傷を与えることがなく、若木にも適用できる。また、ラテックスの生産能力自体を向上させることができ、ラテックスの生産量を飛躍的に向上させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でラテックス産生植物としては、樹液にラテックスが含まれている植物でればよく、例えば、トウダイグサ科のパラゴムノキ(Havea brasiliensis)、セアラゴムノキ(Manihot glaziovii)、クワ科のインドゴムノキ(Ficus elastica)、パナゴムノキ(Castilloaelastica)、ラゴスゴムノキ(Ficus lutea Vahl)、マメ科のアラビアゴムノキ(Accacia senegal)、トラガントゴムノキ(Astragalus gummifer)、キョウチクトウ科のクワガタノキ(Dyera costulata)、ザンジバルツルゴム(Landolphia kirkii)、フンツミアエラスチカ(Funtumia elastica)、ウルセオラ(Urceola elastica)、キク科のグアユールゴムノキ(Parthenium argentatum)、ゴムタンポポ(Taraxacum kok−saghyz)、アカテツ科のガタパーチャノキ(palaguium gatta)、バラタゴムノキ(Mimusops balata)、サポジラ(Achras zapota)、ガガイモ科のオオバナアサガオ(Cryptostegia grandiflora)が挙げられる。好ましくはパラゴムノキ、セアラゴムノキ、ゴムタンポポであり、最も好ましくは、工業用天然ゴム原料として汎用されているパラゴムノキである。
本発明のラテックスの増産方法は、以下に説明する還元性肥料をラテックス産生植物の少なくとも一部に適用することを特徴とする。
還元性肥料をラテックス産生植物の少なくとも一部に適用するための具体的手法としては、特に限定されるものではなく、任意の方法を適用することができるが、例えば、植物の樹皮を剥ぎ取ったタッピング部に塗布する方法や、植物の根部に灌水する方法を挙げることができる。
植物のタッピング部に還元性肥料を塗布する方法の場合、例えば、植物のタッピング部が乾燥した状態で、還元性肥料を、週に1回から3回程度、ブラシ等の塗布器具を使用してタッピング部に塗布することにより適用することができる。また、植物の根部に還元性肥料を灌水する方法の場合、還元性肥料を通常の固体肥料の施用位置と同等の位置(株元から1mから2m程度)に、一定速度で点滴することにより適用することができる。
還元性肥料は、酵母又は酵母細胞壁が最大で40%の濃度とすることができ、それ以上の濃度であると、水熱反応を行うことが困難であり、製造することができない。
植物のタッピング部に還元性肥料を塗布する方法の場合、還元性肥料の酵母又は酵母細胞壁の濃度が0.015%〜40%になるように水等で希釈して濃度を調整する。また、植物の根部に還元性肥料を灌水する方法の場合、還元性肥料の酵母又は酵母細胞壁の濃度が0.003%〜40%になるように水等で希釈して濃度を調整する。
このようにして、還元性肥料をラテックス産生植物に適用することにより、ラテックスの分泌量が増大するのみならず、ラテックス中の固形分濃度も上昇し、ラテックスの生産能力が効果的に増大する。
還元性肥料をラテックス産生植物に適用することによるラテックスの生産量向上の効果は、樹齢10年程度の若木において観察されるのみならず、樹齢20年程度の老木においても観察される。このため、本発明のラテックスの増産方法は、樹木の状態を問わず、ラテックス産生植物に適用することができるものである。また、従来の薬剤とは異なり、植物が樹皮割れ等の損傷を受けることもない。
このような効果は、酵母又は酵母細胞壁のみを水熱反応処理した肥料や、酵母以外の微生物又は斯かる微生物の成分と、リン酸及びカリウムとの混合物を水熱反応処理した肥料においては観察されなかったため、酵母又は酵母細胞壁と、リン酸及びカリウムとの混合物を水熱反応処理して得られた還元性肥料に特異的な効果であると考えられる。
[還元性肥料]
還元性肥料は、酵母又は酵母細胞壁と、リン酸及びはカリウムと、の混合物を水熱反応処理して得られるものである。
(酵母又は酵母細胞壁)
本発明において、酵母又は酵母細胞壁を使用した還元性肥料を用いることにより、ラテックス産生植物のラテックスの生産量を特に増大させることができる。なお、還元性肥料の調製に酵母以外の微生物を使用した場合、ラテックス増産効果は認められず、酵母及び酵母細胞壁を、リン酸及びカリウムとともに水熱反応した還元性肥料に、特異的にラテックス増産効果が認められる。
また、酵母又は酵母細胞壁は、肥料、飼料、飲食品、サプリメント、薬剤等の用途に用いた場合においても安全性が高く、且つ消費者等にも受け入れられやすいことが予測されることから、斯かる観点からも酵母又は酵母細胞壁を使用することが好ましい。酵母としては、還元性肥料を製造するために、特に培養されたものであってもよく、ビール酵母又はパン酵母があげられる。また廃物利用及び廃棄物の廃棄コスト低減の観点から、ビール、清酒、味噌、醤油等の醸造産業において排出される余剰廃棄物として得られる酵母を用いることが好ましい。
還元性肥料に使用する酵母としては、酵母全体を利用してもよいし、酵母抽出物や、酵母エキスを抽出した後に残る酵母細胞壁を使用してもよい。これらの酵母及び酵母細胞壁は、泥状のもの、圧搾して水分を減らしたもの、乾燥して更に水分を減らしたもの、粉状のもの、液中に懸濁させたもの等どのようなものであってもよい。具体的に、好ましい酵母又は酵母細胞壁としては、泥状ビール酵母、圧搾ビール酵母、乾燥ビール酵母、ビール酵母懸濁液、乾燥酵母細胞壁、酵母細胞壁懸濁液、及びビール酵母含有無機物等を挙げることができる。
(リン酸及びカリウム)
本発明において使用される還元性肥料は、リン酸及びカリウムを含有する。
(リン酸)
還元性肥料に使用されるリン酸としては、肥料の成分として従来公知のリン酸を用いることができる。具体的には、種々の可溶性又はク溶性肥料を用いればよく、リン鉱石を硫酸で処理してリン酸を可溶化した過リン酸石灰や、重過リン酸石灰、混合物としての熔性リン肥料や焼成リン肥等を挙げることができる。これらのリン酸成分は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
(カリウム)
還元性肥料に含まれるカリウムとしては、肥料として従来公知のカリウムを用いればよく、具体的には、塩化カリウム、硫酸カリウム、水酸化カリウム、及び硝酸カリウム等を挙げることができる。これらのカリウム成分は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
(その他の成分)
更に、本発明の還元性肥料は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の窒素;生石灰、消石灰、炭酸石灰等のカルシウム;マグネシウム;珪藻土等を含有しても良い。これらの成分を添加する場合、水熱反応処理の前の混合物に添加してもよいし、水熱反応処理後の還元性肥料に添加してもよいが、高温等の条件で変性する成分は水熱反応処理の前には添加しないほうが好ましい。
(水熱反応処理)
本発明において還元性肥料を提供する際の水熱反応処理とは、好ましくは120℃以上220℃以下、より好ましくは150℃以上210℃以下で行われる処理を指す。また、圧力は、好ましくは0.9MPa以上1.9MPa以下、より好ましくは1.2MPa以上1.8MPa以下である。特に、圧力0.9MPa以上1.9MPa以下且つ120℃以上220℃以下で行われる水熱反応処理が好ましく、0.9MPa以上1.9MPa以下且つ150℃以上210℃以下で行われる水熱反応処理がより好ましく、1.2MPa以上1.8MPa以下且つ150℃以上210℃以下で行われる水熱反応処理が更に好ましい。
(還元性肥料の特徴)
次に、還元性肥料の有する特徴について、以下に説明する。
通常、呼吸を行う真核生物の酸化還元電位は、−180mV前後である。本発明において使用する還元性肥料は、低い酸化還元電位を有する成分を多く含むので、植物等を構成する細胞との親和性に優れ、リン酸及びカリウム等の成分や、これまで有効性が確認されている酵母由来成分を植物等に対して有効に作用させることができる。また、本発明において使用する還元性肥料においては、水熱反応処理を行った酵母又は酵母細胞壁と、リン酸及びカリウムを単に混合したものと比較しても、より低い酸化還元電位を有するため、これらの成分の有効性をより向上させることができる。
更に、本発明において使用する還元性肥料は、好ましくはビール酵母等を原料としているため、原料の品質安定性が確保できると共に、ビール酵母由来の廃棄物の高付加価値商品への転換が期待できる。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<製造例1;酵母細胞壁の水熱反応処理物>
磁力撹拌型水熱反応釜に蒸留水170gを投入後、酵母細胞壁を30g投入した。蓋を閉めて撹拌混合後、気相部を窒素ガスで置換し、昇温を開始した。圧力1.6MPa以上及び温度180℃の条件下で10分間処理して肥料1を得た。
<製造例2;酵母細胞壁とリン酸との混合物の水熱反応処理物>
水熱反応処理を行う材料として、酵母細胞壁27.6gに加えて、蒸留水156.2g、リン酸として85%リン酸16.2gを混合して使用した点以外は、製造例1と同様にして肥料2を得た。
<製造例3;酵母細胞壁とカリウムとの混合物の水熱反応処理物>
水熱反応処理を行う材料として、酵母細胞壁27.8gに加えて、蒸留水157.4g、カリウムとして硫酸カリウム14.8gを混合して使用した点以外は、製造例1と同様にして肥料3を得た。
<製造例4;酵母細胞壁とリン酸及びカリウムとの混合物の水熱反応処理物>
水熱反応処理を行う材料として、酵母細胞壁25.4gに加えて、蒸留水143.6g、リン酸として85%リン酸16.2g、カリウムとして硫酸カリウム14.8g混合して使用した点以外は、製造例1と同様にして還元性肥料4を得た。
<<試験例1>>
以下の試料について、肥料の酸化還元電位を測定した。
試料1:肥料1
試料2:85%リン酸 8.1質量部、蒸留水 91.9質量部の水溶液
試料3:85%リン酸 8.1質量部、及び肥料1 91.9質量部の混合物
試料4:肥料2
試料5:硫酸カリウム 7.4質量部、蒸留水 92.6質量部の水溶液
試料6:硫酸カリウム 7.4質量部、及び肥料1 92.6質量部の混合物
試料7:肥料3
試料8:85%リン酸 8.1質量部、及び硫酸カリウム 7.4質量部、蒸留水 84.5質量部の水溶液
試料9:85%リン酸 8.1質量部、硫酸カリウム 7.4質量部、及び肥料1 84.5質量部の混合物
試料10:還元性肥料4
結果を表1に示す。
表1
Figure 0005455279
<<試験例2>>
酵母細胞壁15%溶液と、PK液肥(リン:カリウム=8:7)85%を混合し、上記製造例4に準じて水熱反応処理を行って、還元性肥料Aを得た。
この還元性肥料Aを2倍に希釈した液を1週間に1回、2mLずつ、樹齢10年及び20年のパラゴムノキのタッピング部(幅2mmから10mm、長さ10cmから60cm)に歯ブラシで塗布した。還元性肥料Aの塗布処理前、還元性肥料Aの塗布処理中の4週間、及び還元性肥料Aの塗布処理後の2週間のそれぞれの期間において、2、3日に一度の樹液回収時の樹液の重量を測定した(試験区:n=5、無処理区:n=2)。各樹木について、処理前の樹液の量を1とし、規格化した樹液量の平均値を樹齢10年のパラゴムノキについて表2に、樹齢20年のパラゴムノキについて表3に示す。
更に、酵母細胞壁15%溶液を、上記製造例1に準じて水熱反応処理を行って、肥料Bを得た(比較例)。
この肥料Bを2倍に希釈した液を1週間に1回、2mLずつ、樹齢10年のパラゴムノキのタッピング部(幅2mmから10mm、長さ10cmから60cm)に歯ブラシで塗布した。肥料Bの塗布処理前、及び塗布処理中の2週間のそれぞれの期間において、2、3日に一度程度の樹液回収時の樹液の重量を測定した(試験区;n=5、無処理区n=2)。各樹木について、処理前の樹液の量を1とし、規格化した樹液の量の平均値を表4に示す。
表2 樹齢10年のパラゴムノキの樹液量の推移
Figure 0005455279
表3 樹齢20年のパラゴムノキの樹液量の推移
Figure 0005455279
表4 樹齢10年のパラゴムノキの樹液量の推移(比較例)
Figure 0005455279
本発明の還元性肥料Aを塗布したパラゴムノキでは、塗布開始後樹液の重量は増加傾向にあり、樹齢10年のパラゴムノキでは処理後2週間目及び4週間目に、樹齢20年のパラゴムノキでは処理後3週目及び4週目に無処理区との有意な差が見られた。
このような樹液量の増加は、比較例のリン酸及びカリウムを含まない、比較例の肥料を使用した場合には観察されなかった。
<<試験例3>>
試験例2で使用した還元性肥料Aを1000倍に希釈した液をポリタンクに入れ、樹齢10年及び20年のパラゴムノキの株元から1mから2mの根の位置に常時点滴を行うことにより灌水処理を行った。2、3日に1回の樹液採取時の樹液の重量を測定し、樹齢20年のパラゴムノキについては、樹液中の固形分濃度の測定も行った。各樹木について、処理前の樹液の量を1とし、規格化した樹液の量の平均値を樹齢10年のパラゴムノキについて表5に、樹齢20年のパラゴムノキについて表6に、樹齢20年のパラゴムノキの樹液中の固形分濃度について表7に示す。
表5 樹齢10年のパラゴムノキの樹液量の推移
Figure 0005455279
表6 樹齢20年のパラゴムノキの樹液量の推移
Figure 0005455279
表7 樹齢20年のパラゴムノキの樹液中の固形分量の推移
Figure 0005455279
本発明の還元性肥料Aで灌水処理したパラゴムノキでは、点滴灌水開始後樹液の重量は増加傾向にあり、樹齢10年のパラゴムノキでは灌水開始後4週目及び6週目に、樹齢20年のパラゴムノキでは灌水開始後2週目から6週目に有意な差が見られた。
また、樹齢20年のパラゴムノキについて、点滴灌水開始3週目以降、樹液中の固形分量は増加傾向にあり、灌水開始後3週目から5週目において処理前と比較して有意な差が見られた。
<<試験例4>>
試験例2で使用した還元性肥料Aに代えて、海藻15%溶液と、PK液肥(リン:カリウム=8:7)85%を混合し、上記製造例4に準じて水熱反応処理を行って得られた肥料C、及び枯草菌15質量%溶液と、PK液肥(リン:カリウム=8:7)85%を混合し、上記製造例4に準じて水熱反応処理を行って得られた肥料Dを得て、これをパラゴムノキに使用した。
この肥料C及びDのそれぞれを2倍に希釈した液を1週間に1回、2mLずつ、樹齢10年のパラゴムノキのタッピング部(幅2mmから10mm、長さ10cmから60cm)に歯ブラシで塗布した。肥料の塗布処理前、及び肥料の塗布処理中の2週間のそれぞれの期間において、2、3日に一度の樹液回収時の樹液の重量を測定した(試験区:n=5、無処理区:n=5)。各樹木について、処理前の樹液の量を1とし、規格化した樹液の量の平均値を肥料Cについて表8に、肥料Dについて表9に示す。
表8 樹齢10年のパラゴムノキの樹液量の推移(肥料C)
Figure 0005455279
表9 樹齢10年のパラゴムノキの樹液量の推移(肥料D)
Figure 0005455279
本発明の還元性肥料Aで見られた樹液量の増加は、酵母又は酵母細胞壁を含まない肥料C及びDを使用した場合には観察されなかった。

Claims (5)

  1. 酵母又は酵母細胞壁と;リン酸及びカリウムとの混合物を水熱反応処理して得られる還元性肥料をラテックス産生植物に適用することを特徴とするラテックスの増産方法。
  2. 前記還元性肥料をラテックス産生植物のタッピング部に塗布することにより適用する請求項1に記載のラテックスの増産方法。
  3. 前記還元性肥料をラテックス産生植物の根部に灌水することにより適用する請求項1に記載のラテックスの増産方法。
  4. 前記酵母又は酵母細胞壁が、ビール酵母及びパン酵母の少なくとも1種に由来する、請求項1から3のいずれかに記載のラテックスの増産方法。
  5. 前記水熱反応処理が、0.9MPa以上1.9MPa以下、150℃以上210℃以下で行われる、請求項1から4のいずれかに記載のラテックスの増産方法。
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