JP6856484B2 - 粉体吸引方法および粉体吸引溶解ポンプ - Google Patents

粉体吸引方法および粉体吸引溶解ポンプ Download PDF

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Description

本発明は、粉体吸引溶解ポンプで行われる粉体吸引方法、および粉体吸引溶解ポンプに関する。
従来より、吸引した粉体と液体とを混合して溶解させる粉体吸引溶解ポンプが用いられている。特許文献1には、粉体の吸い込みと液体の送り及び両者の混合を1つのポンプ内で行う粉体吸引溶解ポンプが開示されている。
特許第4873450号公報
特許文献1には、粉体吸引溶解ポンプへの粉体の供給方式として、袋詰めされた粉体を吸引ホースを介して供給する例が示されている。この方式は、飛散し易い粉体に好適に用いられるが、以下述べる欠点がある。吸引ホースの先端の吸引口が袋の内面に接近すると、ポンプの吸引力により、吸引口が袋の内面に吸い付く場合がある。そうすると粉体が吸引できず、作業者は吸引力に抗して吸引ホースを袋から取り外す必要があり、作業効率が低下する。また吸引力が強く吸引ホースが外れない場合は、粉体吸引溶解ポンプの運転条件を変えて、出力を低下させたり、停止させたりする必要が生じる。そうすると通常出力に戻すために時間を要し、さらに作業効率が低下する上、装置にも無用の負荷をかける事態となる。
本発明はかかる点に注目してなされたものであり、その目的は、粉体吸引溶解ポンプを用いて吸引した粉体と液体とを混合して溶解させる作業に関して、作業効率の低下や装置への負荷発生を抑制する手法を提供することにある。
〔構成1〕
上記目的を達成するための粉体吸引方法の特徴構成は、
粉体吸引溶解ポンプで行われる粉体吸引方法であって、
前記粉体吸引溶解ポンプは、遠心式の吸引ポンプ機構部と粉体吸引部とを有し、液体と、前記粉体吸引部を通じて吸引された粉体とを前記吸引ポンプ機構部で混合し、
前記吸引ポンプ機構部は、チャンバと回転翼とを有し、前記回転翼が前記チャンバの内部で回転して吸引力を発生し、
前記粉体吸引部は、前記チャンバに接続されており、
粉体を吸引する吸引口と、
前記吸引口と前記チャンバとの間に形成された吸引力調整口とを有し、
前記吸引力調整口が前記粉体吸引部の把持部に配置され、
粉体を収容した袋の内部に前記吸引口が挿入され、作業者が前記把持部を把持し且つ前記吸引力調整口を前記作業者の手指により直接閉塞した状態で、前記吸引口から粉体が吸引され、
前記吸引口が前記袋の内面に吸い付いた際に、前記作業者が前記吸引力調整口から手指を離すことにより、前記吸引力調整口の開口面積が増加されて前記吸引口からの吸引力が低減される点にある。
上記の特徴構成によれば、吸引口が袋の内面に吸い付いた際に、吸引力調整口の開口面積が増加されて吸引口からの吸引力が低減されるから、袋からの吸引口の取り外しが容易になり、作業効率の低下を抑制することができる。
また、上記の特徴構成によれば、吸引力調整口が粉体吸引部の把持部に配置されるから、粉体吸引部を把持した手元にて吸引力を調整することができ、作業効率の低下を更に抑制することができる。
〔構成2〕
本発明に係る粉体吸引方法の別の特徴構成は、前記吸引力調整口の開口面積が増加されて前記吸引口からの吸引力が低減される際に、前記回転翼の回転速度が減少されずに維持される点にある。
上記の特徴構成によれば、回転翼の回転速度が減少されずに維持されるから、粉体吸引溶解ポンプに対して回転速度変更(減少・増加)の負荷発生を抑制することができる。
〔構成3〕
上記目的を達成するための粉体吸引溶解ポンプの特徴構成は、
遠心式の吸引ポンプ機構部と粉体吸引部とを有し、液体と、前記粉体吸引部を通じて吸引された粉体とを前記吸引ポンプ機構部で混合する粉体吸引溶解ポンプであって、
前記吸引ポンプ機構部は、チャンバと回転翼とを有し、前記回転翼が前記チャンバの内部で回転して吸引力を発生し、
前記粉体吸引部は、前記チャンバに接続されており、
粉体を吸引する吸引口と、
前記吸引口と前記チャンバとの間に形成された吸引力調整口とを有し、
前記吸引力調整口が前記粉体吸引部の把持部に配置され、作業者が前記把持部を把持した状態で、前記吸引力調整口を前記作業者の手指により直接閉塞し、或いは、前記作業者の手指を前記吸引力調整口から離すことにより、前記吸引力調整口の開口面積が調整されて前記吸引口からの吸引力が調整される点にある。
上記の特徴構成によれば、吸引力調整口の開口面積が調整されて吸引口からの吸引力が調整されるから、例えば吸引口が袋の内面等に吸い付いた際には、吸引力調整口によって吸引力を低下させ、袋からの吸引口の取り外しが容易になり、作業効率の低下を抑制することができる。
また、上記の特徴構成によれば、吸引力調整口が粉体吸引部の把持部に配置されるから、粉体吸引部を把持した手元にて吸引力を調整することができ、作業効率の低下を更に抑制することができる。
〔構成4〕
本発明に係る粉体吸引溶解ポンプの別の特徴構成は、
前記回転翼の回転速度を制御する制御部を有し、
前記吸引力調整口の開口面積が増加されて前記吸引口からの吸引力が低減される際に、前記制御部は前記回転翼の回転速度を減少させずに維持する点にある。
上記の特徴構成によれば、吸引力調整口の開口面積が増加されて吸引口からの吸引力が低減される際に、制御部は回転翼の回転速度を減少させずに維持するから、粉体吸引溶解ポンプに対して回転速度変更(減少・増加)の負荷発生を抑制することができる。
〔構成
本発明に係る粉体吸引溶解ポンプの別の特徴構成は、前記吸引口が粉体を収容した袋の内面に吸い付いた際に、前記吸引力調整口の開口面積が増加されて前記吸引口からの吸引力が低減される点にある。
上記の特徴構成によれば、吸引口が袋の内面に吸い付いた際に、吸引力調整口の開口面積が増加されて吸引口からの吸引力が低減されるから、袋からの吸引口の取り外しが容易になり、作業効率の低下を抑制することができる。
粉体吸引溶解ポンプの概要を示す正面図 ノズル部材の構造を示す斜視図 遠心式の吸引ポンプ機構部の縦断側面図 図3のIV−IV方向視での断面図 チャンバの前壁部、ステータ、区画板及びロータの組付構成を示す分解斜視図 区画板の概略構成図 ノズル部材の構造を示す斜視図
<第1実施形態>
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図1は遠心式の吸引ポンプ機構部Yを備えた粉体吸引溶解ポンプ100を示す。この粉体吸引溶解ポンプ100は、分散質として粉体Pを用い、液相分散媒として溶媒Rを用いて、粉体Pを溶媒Rに溶解させてゾルとしてのスラリーFを生成するものである。
詳しくは粉体吸引溶解ポンプ100は、図1に示すように、制御部Cと、粉体吸引部Zと、溶媒供給部50と、吸引ポンプ機構部Yと、再循環機構部70等を備えて構成されている。制御部Cは、粉体吸引溶解ポンプ100の動作を制御する。特に制御部Cは、吸引ポンプ機構部Yのチャンバ1の内部で回転する回転翼6の回転速度を制御する。粉体吸引部Zは、粉体Pを吸引して吸引ポンプ機構部Yへ供給する。溶媒供給部50は、溶媒Rを定量供給する。吸引ポンプ機構部Yは、粉体吸引部Zから供給される粉体Pと、溶媒供給部50から定量供給される溶媒Rとを負圧吸引して、分散混合する。再循環機構部70は、吸引ポンプ機構部Yから吐出されたスラリーFから、完全に溶解していない粉体Pを含む溶媒R(以下、未溶解スラリーFr)を吸引ポンプ機構部Yに循環供給する。
〔粉体吸引部〕
粉体吸引部Zは、粉体Pを吸引して吸引ポンプ機構部Yへ供給する機構である。粉体吸引部Zは、吸引ポンプ機構部Yのチャンバ1に接続されており、粉体Pを吸引する吸引口92cと、吸引口92cとチャンバ1との間に形成された吸引力調整口92dとを有し、吸引力調整口92dの開口面積が調整されて吸引口92cからの吸引力が調整される。
詳しくは粉体吸引部Zは、図2に示すように、ホース91と、ノズル部材92とを有する。ノズル部材92は、筒状部位92aと、先細部位92bと、吸引口92cと、吸引力調整口92dとを有する。
ホース91は、柔軟な筒状の部材であって、一方の端部が、粉体供給管45を経由して吸引ポンプ機構部Yのチャンバ1に接続され、他方の端部がノズル部材92に接続されている。ノズル部材92の吸引口92cから吸引された粉体Pが、ホース91および粉体供給管45の内部を通流して、吸引ポンプ機構部Yのチャンバ1へ供給される。
ノズル部材92は、全体として筒状の部材であって、一方の端部がホース91に接続され、他方の端部に吸引口92cが形成されている。吸引ポンプ機構部Yの吸引力により、吸引口92cから粉体Pが吸引され、ホース91へ送られる。
筒状部位92aは、ノズル部材92のホース91の側の部位であって、円筒状に形成された部位である。先細部位92bは、ノズル部材92のホース91と反対側の部位であって、筒状部位92aよりも細い角筒状に形成された部位である。筒状部位92aと先細部位92bとは、先細部位92bの曲面により滑らかに接続されている。
吸引口92cは、先細部位92bの先端に形成された開口である。吸引口92cは、ノズル部材92の内部の空間、およびホース91の内部の空間と連通している。
吸引力調整口92dは、筒状部位92aの側面に形成された穴である。つまり吸引力調整口92dは、吸引口92cとチャンバ1との間に形成されている。本実施形態では、4つの円形の穴が、吸引力調整口92dとして筒状部位92aに形成されている。吸引力調整口92dは、ノズル部材92の内部の空間、およびホース91の内部の空間と連通している。吸引力調整口92dが塞がれていない状態、すなわち4つの穴が全て開放された状態の、吸引力調整口92dの開口面積をSとする。
本実施形態では、図1に示すように、作業者Qがノズル部材92の筒状部位92aを把持して、手指で吸引力調整口92dを塞いだ状態(例えば、4つの穴全てを塞いだ状態)にて、粉体Pの吸引が行われる。すなわち本実施形態では、吸引力調整口92dは粉体吸引部Zの把持部である筒状部位92aに配置されている。
吸引力調整口92dが全て塞がれた状態では、吸引力調整口92dの開口面積はゼロである。この場合、粉体吸引部Zにおいて外部に開口した部位は吸引口92cのみとなるから、吸引ポンプ機構部Yが発生する吸引力は全て吸引口92cに集中し、吸引口92cからの粉体Pの吸引力は最大となる。
作業者Qが吸引力調整口92dから手指を離すと、吸引力調整口92dの開口面積が増加する。例えば、吸引力調整口92dの4つの穴のうち1つが開放されると、開口面積は増加して、0.25Sとなる。この場合、粉体吸引部Zにおいて外部に開口した部位は吸引口92cと吸引力調整口92dの両方となるから、吸引ポンプ機構部Yが発生する吸引力は吸引口92cと吸引力調整口92dとに分散することになる。従ってこの場合、吸引口92cからの粉体Pの吸引力は、吸引力調整口92dの開口面積がゼロの場合に比べて減少する。
吸引力調整口92dの穴の1つが開放される毎に、開口面積が0.25Sずつ増加する。そして開口面積が増加するにつれて、吸引力調整口92dに分配される吸引力が増加し、吸引口92cからの粉体Pの吸引力は減少する。
〔溶媒供給部〕
図1に示すように、溶媒供給部50は、溶媒源51からの溶媒Rを、設定流量で吸引ポンプ機構部Yの供給口11に連続的に供給するように構成されている。
具体的には、溶媒供給部50は、溶媒Rを送出する溶媒源51と、溶媒源51から溶媒Rが送出される溶媒供給管52と、溶媒源51から溶媒供給管52に送出される溶媒Rの流量を設定流量に調整する流量調整バルブ(図示せず)と、設定流量に調整された溶媒Rを粉体吸引部Zから供給される粉体Pに混合して供給口11に供給するミキシング機構60とを備えて構成されている。
図3に示すように、ミキシング機構60は、粉体供給管45と溶媒供給管52とを供給口11に連通接続するミキシング部材61を備えて構成されている。
このミキシング部材61は、円筒状の供給口11よりも小径に構成されて、供給口11との間に環状のスリット63を形成すべく供給口11に挿入状態で配設される筒状部62、及び、環状のスリット63に全周にわたって連通する状態で供給口11の外周部に環状流路64を形成する環状流路形成部65を備えて構成されている。
ミキシング部材61には、粉体供給管45が筒状部62に連通する状態で接続されると共に、溶媒供給管52が環状流路64に対して溶媒Rを接線方向に供給するように接続される。
粉体供給管45、ミキシング部材61の筒状部62及び供給口11は、それらの軸心A2を供給方向が下向きとなる傾斜姿勢(水平面(図1の左右方向)に対する角度が45度程度)となるように傾斜させて配置されている。
つまり、粉体吸引部Zから粉体供給管45に排出された粉体Pは、ミキシング部材61の筒状部62を通して軸心A2に沿って供給口11に導入される。一方、溶媒Rは、環状流路64に接線方向から供給されるので、環状流路64の内周側に形成される環状のスリット63を介して、切れ目のない中空円筒状の渦流の状態で供給口11に供給される。
従って、円筒状の供給口11により、粉体Pと溶媒Rとが均等に予備混合され、その予備混合物Fpが吸引ポンプ機構部Yの供給室13内に吸引導入される。
〔吸引ポンプ機構部〕
図1、図3〜図6に基づいて、吸引ポンプ機構部Yについて説明を加える。
図3に示すように、吸引ポンプ機構部Yは、両端開口が前壁部2と後壁部3とで閉じられた円筒状の外周壁部4を備えたチャンバ1を備え、そのチャンバ1の内部に同心状で回転駆動自在に設けられたロータ5と、そのチャンバ1の内部に同心状で前壁部2に固定配設された円筒状のステータ7と、ロータ5を回転駆動するポンプ駆動モータM3等を備えて構成されている。
図4にも示すように、ロータ5の径方向の外方側には、複数の回転翼6が、前壁部2側である前方側(図3の左側)に突出し且つ周方向に等間隔で並ぶ状態でロータ5と一体的に備えられている。
円筒状のステータ7には、複数の透孔7a,7bが周方向に夫々並べて備えられ、そのステータ7が、ロータ5の前方側(図3の左側)で且つ回転翼6の径方向の内側に位置させて前壁部2に固定配設されて、そのステータ7とチャンバ1の外周壁部4との間に、回転翼6が周回する環状の翼室8が形成される。
図3〜図5に示すように、ミキシング機構60にて粉体Pと溶媒Rとが予備混合された予備混合物Fpを回転翼6の回転によりチャンバ1の内部に吸引導入する供給口11が、前壁部2の中心軸(チャンバ1の軸心A3)よりも外周側に偏移した位置に設けられている。
図3、図5に示すように、チャンバ1の前壁部2の内面に環状溝10が形成され、環状溝10と連通する状態で供給口11が設けられている。
図3及び図4に示すように、粉体Pと溶媒Rとが混合されて生成されたスラリーFを吐出する円筒状の吐出部12が、チャンバ1の円筒状の外周壁部4の周方向における1箇所に、その外周壁部4の接線方向に延びて翼室8に連通する状態で設けられている。
図1及び図3に示すように、この実施形態では、吐出部12から吐出されたスラリーFは、吐出路18を通して再循環機構部70に供給され、その再循環機構部70の円筒状容器71にて気泡が分離された未溶解スラリーFrを、循環路16を介してチャンバ1内に循環供給する導入口17がチャンバ1の前壁部2の中央部(軸心A3と同心状)に設けられている。
又、図3〜図5に示すように、ステータ7の内周側を前壁部2側の供給室13とロータ5側の導入室14とに区画する区画板15が、ロータ5の前方側に当該ロータ5と一体回転する状態で設けられると共に、区画板15の前壁部2側に掻出翼9が設けられている。掻出翼9は、同心状に、周方向において均等間隔で複数(図5では、4つ)備えられ、各掻出翼9がその先端部9Tを環状溝10内に進入した状態でロータ5と一体的に周回可能に配設されている。
供給室13及び導入室14は、ステータ7の複数の透孔7a,7bを介して翼室8と連通されるように構成され、供給口11が供給室13に連通し、導入口17が導入室14に連通するように構成されている。
具体的には、供給室13と翼室8とは、ステータ7における供給室13に臨む部分に周方向に等間隔で配設された複数の供給室側透孔7aにて連通され、導入室14と翼室8とは、ステータ7における導入室14に臨む部分に周方向に等間隔で配設された複数の導入室側透孔7bにて連通されている。
吸引ポンプ機構部Yの各部について、説明を加える。
図3に示すように、ロータ5は、その前面が概ね円錐台状に膨出する形状に構成されると共に、その外周側に、複数の回転翼6が前方に突出する状態で等間隔に並べて設けられている。なお、図4では、周方向に等間隔に10個の回転翼6が配設されている。また、この回転翼6は、内周側から外周側に向かうに連れて、回転方向後方に傾斜するようにロータ5の外周側から内周側に突出形成されており、回転翼6の先端部の内径は、ステータ7の外径よりも若干大径に形成されている。
このロータ5が、チャンバ1内においてチャンバ1と同心状に位置する状態で、後壁部3を貫通してチャンバ1内に挿入されたポンプ駆動モータM3の駆動軸19に連結されて、そのポンプ駆動モータM3により回転駆動される。
このロータ5が、その軸心方向視(図4に示すような図3のIV−IV方向視)において回転翼6の先端部が前側となる向きに回転駆動されることにより、回転翼6の回転方向の後側となる面(背面)6aには、いわゆる局所沸騰(キャビテーション)が発生するように構成されている。
図3、図5及び図6に示すように、区画板15は、ステータ7の内径よりも僅かに小さい外径を有する概ね漏斗状に構成されている。この漏斗状の区画板15は、具体的には、その中央部に、頂部が円筒状に突出する筒状摺接部15aにて開口された漏斗状部15bを備えると共に、その漏斗状部15bの外周部に、前面及び後面共にチャンバ1の軸心A3に直交する状態となる環状平板部15cを備える形状に構成されている。
そして、図3及び図4に示すように、この区画板15が、頂部の筒状摺接部15aがチャンバ1の前壁部2側を向く姿勢で、周方向に等間隔を隔てた複数箇所(この実施形態では、4箇所)に配設された間隔保持部材20を介して、ロータ5の前面の取付部5aに取り付けられる。
図4及び図6(c)に示すように、区画板15を複数箇所夫々で間隔保持部材20を介してロータ5に取り付ける際には、攪拌羽根21が、チャンバ1の後壁部3側に向く姿勢で区画板15に一体的に組み付けられ、ロータ5が回転駆動されると、4枚の攪拌羽根21がロータ5と一体的に回転するように構成されている。
図3及び図5に示すように、この実施形態では、円筒状の導入口17が、チャンバ1と同心状で、そのチャンバ1の前壁部2の中心部に設けられている。この導入口17には、循環路16の内径よりも小径で、区画板15の筒状摺接部15aよりも小径となり流路面積が小さな絞り部14aが形成されている。ロータ5の回転翼6が回転することにより、吐出部12を介してスラリーFが吐出され、導入口17の絞り部14aを介して未溶解スラリーFrが導入されることになるので、吸引ポンプ機構部Y内が減圧される。
図3〜図5に示すように、供給口11は、そのチャンバ1内に開口する開口部(入口部)が、環状溝10における周方向の一部を内部に含む状態で、チャンバ1内に対する導入口17の開口部の横側方に位置するように、前壁部2に設けられている。又、供給口11は、平面視(図1及び図3の上下方向視)において軸心A2がチャンバ1の軸心A3と平行となり、且つ、チャンバ1の軸心A3に直交する水平方向視(図1及び図3の紙面表裏方向視)において、軸心A2がチャンバ1の前壁部2に近付くほどチャンバ1の軸心A3に近づく下向きの傾斜姿勢で、チャンバ1の前壁部2に設けられている。ちなみに、供給口11の水平方向(図1及び図3の左右方向)に対する下向きの傾斜角度は、上述したように45度程度である。
図3及び図5に示すように、ステータ7は、チャンバ1の前壁部2の内面(ロータ5に対向する面)に取り付けられて、チャンバ1の前壁部2とステータ7とが一体となるように固定されている。ステータ7において、供給室13に臨む部分に配設された複数の供給室側透孔7aは、概略円形状に形成され、供給室13の流路面積よりも複数の供給室側透孔7aの合計流路面積が小さくなるように設定されており、また、導入室14に臨む部分に配設された複数の導入室側透孔7bは、概略楕円形状に形成され、導入室14の流路面積よりも複数の供給室側透孔7aの合計流路面積が小さくなるように設定されている。ロータ5の回転翼6が回転することにより、吐出部12を介してスラリーFが吐出され、供給室13の供給室側透孔7aを介して予備混合物Fpが供給されるとともに、導入口17を介して未溶解スラリーFrが導入されることになるので、吸引ポンプ機構部Y内が減圧される。
図5及び図6に示すように、この実施形態では、各掻出翼9が棒状に形成され、ロータ5の径方向視(図6(b)の紙面表裏方向視)で、当該棒状の掻出翼9の先端側ほど前壁部2側に位置し、且つ、ロータ5の軸心方向視(図6(a)の紙面表裏方向視)で、当該棒状の掻出翼9の先端側ほどロータ5の径方向内方側に位置する傾斜姿勢で、当該棒状の掻出翼9の基端部9Bがロータ5と一体回転するように固定され、ロータ5が、その軸心方向視(図6(a)の紙面表裏方向視)において掻出翼9の先端が前側となる向き(図3〜図6において矢印にて示す向き)に回転駆動される。
図4〜図6に基づいて、掻出翼9について説明を加える。
掻出翼9は、区画板15に固定される基端部9B、供給室13に露呈する状態となる中間部9M、環状溝10に嵌め込まれる(即ち、進入する)状態となる先端部9Tを基端から先端に向けて一連に備えた棒状に構成されている。
図4、図5、図6(b)に示すように、掻出翼9の基端部9Bは、概ね矩形板状に構成されている。
図4、図5、図6(a)及び(b)に示すように、掻出翼9の中間部9Mは、横断面形状が概ね三角形状になる概ね三角柱状に構成されている(特に、図4参照)。そして、掻出翼9が上述の如き傾斜姿勢で設けられることにより、三角柱状の中間部9Mの三側面のうちのロータ5の回転方向前側を向く一側面9m(以下、放散面と記載する場合がある)は、ロータ5の回転方向前側に向けて傾斜する前下がり状で、しかも、ロータ5の径方向に対して径方向外方側に向く(以下、斜め外向きと記載する場合がある)ように構成されている(特に、図5、図6参照)。
つまり、棒状の掻出翼9が、上述の如き傾斜姿勢で設けられることにより、掻出翼9のうち供給室13に露呈する中間部9Mが環状溝10に嵌め込まれる先端部9Tよりもロータ5の径方向外方に位置し、しかも、その中間部9Mの回転方向前側を向く放散面9mが、ロータ5の回転方向前側に向けて傾斜する前下がり状で、しかも、ロータ5の径方向に対して斜め外向きに傾斜している。これにより、掻出翼9の先端部9Tにより環状溝10から掻き出された予備混合物Fpは、掻出翼9の中間部9Mの放散面9mにより、供給室13内においてロータ5の径方向外方側に向けて流動するように案内される。
図5、図6(a)及び(b)に示すように、掻出翼9の先端部9Tは、横断面形状が概ね矩形状になる概ね四角柱状であり、ロータ5の軸心方向視(図6(a)の紙面表裏方向視)において、四側面のうちのロータ5の径方向外方側に向く外向き側面9oが環状溝10の内面における径方向内方側を向く内向き内面に沿い、且つ、四側面のうちのロータ5の径方向内方側に内向き側面9iが環状溝10の内面における径方向外方側を向く外向き内面に沿う状態となる弧状に構成されている。
又、四角柱状の先端部9Tの四側面のうちの、ロータ5の回転方向前側を向く掻き出し面9fは、ロータ5の回転方向前側に向けて傾斜する前下がり状で、しかも、ロータ5の径方向に対して径方向外方側に向く(以下、斜め外向きと記載する場合がある)になるように構成されている。
これにより、掻出翼9の先端部9Tにより環状溝10から掻き出された予備混合物Fpは、掻出翼9の先端部9Tの掻き出し面9fにより、ロータ5の径方向外方側に向けて供給室13内に放出されることになる。
更に、掻出翼9の先端部9Tの先端面9tは、その先端部9Tが環状溝10に嵌め込まれた状態で環状溝10の底面と平行になるように構成されている。
また、ロータ5が、その軸心方向視(図6(a)の紙面表裏方向視)において掻出翼9の先端が前側となる向きに回転駆動されると、掻出翼9の基端部9B、中間部9M、先端部9Tそれぞれに、回転方向の後側となる面(背面)9aが形成される。この背面9aには、掻出翼9が回転することにより、いわゆる局所沸騰(キャビテーション)が発生するように構成されている。
上述のような形状に構成された4個の掻出翼9が、上述の如き傾斜姿勢で、中心角で90度ずつ間隔を隔てて周方向に並べた形態で、夫々、基端部9Bを区画板15の環状平板部15cに固定して設けられている。
図3に示すように、掻出翼9が設けられた区画板15が、間隔保持部材20によりロータ5の前面と間隔を隔てた状態でロータ5の前面の取付部5aに取り付けられ、このロータ5が、区画板15の筒状摺接部15aが導入口17に摺接回転可能に嵌めこまれた状態で、チャンバ1内に配設される。
すると、ロータ5の膨出状の前面と区画板15の後面との間に、チャンバ1の前壁部2側ほど小径となる先細り状の導入室14が形成され、導入口17が区画板15の筒状摺接部15aを介して導入室14に連通するように構成されている。
又、チャンバ1の前壁部2と区画板15の前面との間に、供給口11に連通する環状の供給室13が形成される。
そして、ロータ5が回転駆動されると、筒状摺接部15aが導入口17に摺接する状態で、区画板15がロータ5と一体的に回転することになり、ロータ5及び区画板15が回転する状態でも、導入口17が区画板15の筒状摺接部15aを介して導入室14に連通する状態が維持されるように構成されている。
〔再循環機構部〕
再循環機構部(分離部の一例)70は、円筒状容器71内において比重によって溶解液を分離するように構成され、図1に示すように、吸引ポンプ機構部Yの吐出部12から吐出路18を通して供給されるスラリーFから、完全に溶解していない粉体Pを含む可能性がある状態の未溶解スラリーFrを循環路16に、粉体Pが略完全に溶解した状態のスラリーFを排出路22にそれぞれ分離するように構成されている。吐出路18及び循環路16は、夫々、円筒状容器71の下部に接続され、排出路22は、円筒状容器71の上部とスラリーFの供給先80とに接続される。
ここで、再循環機構部70は、図示しないが、吐出路18が接続される導入パイプを円筒状容器71の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器71の上部に排出路22に接続される排出部を備えるとともに、下部に循環路16に接続される循環部を備え、導入パイプの吐出上端に、導入パイプから吐出されるスラリーFの流れを旋回させる捻り板を配設して構成されている。これにより、スラリーF内から溶媒Rの気泡を分離して、循環路16に循環供給される未溶解スラリーFrから溶媒Rの気泡を分離した状態で導入室14内に供給することができる。
〔制御部〕
粉体吸引溶解ポンプ100に備えられる制御部Cは、CPUや記憶部等を備えた公知の演算処理装置からなり、粉体吸引溶解ポンプ100を構成する吸引ポンプ機構部Y、溶媒供給部50等の各機器の運転を制御可能に構成されている。
特に、制御部Cは、ロータ5(回転翼6)の回転数を制御可能に構成され、ステータ7の供給室側透孔7a及び導入室側透孔7b(絞り透孔)の出口領域の圧力が当該出口領域の全周に亘って溶媒Rの飽和蒸気圧(25℃の水の場合、3.169kPa)以下となるように回転翼6の回転数を設定し、当該設定された回転数で回転翼6を回転することで、少なくともステータ7の供給室側透孔7a及び導入室側透孔7bを通過した直後の翼室8内の領域を、翼室8内の全周に亘って連続して、溶媒Rの微細気泡(マイクロバブル)が多数発生した微細気泡領域として形成させることができるように構成されている。
また制御部Cは、吸引力調整口92dの開口面積が増加されて吸引口92cからの吸引力が低減される際に、回転翼6の回転速度を減少させずに維持する。
〔粉体吸引溶解ポンプの動作〕
次に、この粉体吸引溶解ポンプ100の動作、および粉体吸引溶解ポンプ100にて行われる粉体吸引方法について説明する。
まず作業者Qが粉体吸引部Zのノズル部材92を袋Uに挿入する。すなわち、作業者Qによって、粉体Pを収容した袋Uの内部に吸引口92cが配置される。吸引力調整口92dは、作業者Qによって塞がれて、開口面積がゼロとされる。
吸引ポンプ機構部Yが作動されて、チャンバ1に生じる負圧吸引力により、粉体吸引部Zの吸引口92cから粉体Pが吸引される。そして粉体Pがミキシング機構60のミキシング部材61へ供給される。
作業者Qは、袋Uの内部の粉体Pを全て吸引するために、粉体Pの減少に伴ってノズル部材92を移動させる。吸引口92cが袋Uの内面の近くに位置する際、負圧吸引力により、吸引口92cが袋Uの内面に吸い付く場合がある。その際には作業者Qは、吸引力調整口92dを塞いでいる手指を動かして、開口面積を増加させ、吸引口92cの吸引力を減少させる。そして作業者Qは、袋Uの内面の吸い付いた部分から、吸引口92cを取り外し、粉体Pの吸引の作業を続行する。袋Uの粉体Pの量が少なくなった際には、吸引力調整口92dを開放(全てまたは一部)したまま、粉体Pの吸引作業を行ってもよい。
上述した粉体Pの吸引に並行して、溶媒供給部50が作動され、吸引ポンプ機構部Yの負圧吸引力により、溶媒Rがミキシング機構60のミキシング部材61に供給される。
ミキシング機構60のミキシング部材61からは、粉体Pがミキシング部材61の筒状部62を通して供給口11に供給されると共に、溶媒Rが、環状のスリット63を通して切れ目のない中空円筒状の渦流の状態で供給口11に供給され、供給口11により、粉体Pと溶媒Rとが予備混合され、その予備混合物Fpが環状溝10に導入される。
ロータ5が回転駆動されて、そのロータ5と一体的に区画板15が回転すると、その区画板15に同心状に設けられた掻出翼9が、環状溝10に先端部9Tが嵌め込まれた状態で周回する。
すると、図3及び図4において実線矢印にて示すように、供給口11を流動して環状溝10に導入された予備混合物Fpは、環状溝10に嵌め込まれて周回する掻出翼9の先端部9Tにより掻き出され、その掻き出された予備混合物Fpは、概略的には、供給室13内を区画板15における漏斗状部15bの前面と環状平板部15cの前面とに沿いながらロータ5の回転方向に流動し、更に、ステータ7の供給室側透孔7aを通過して翼室8に流入し、その翼室8内をロータ5の回転方向に流動して、吐出部12から吐出される。
環状溝10に導入された予備混合物Fpは、掻出翼9の先端部9Tにより掻き出されるときに、せん断作用を受ける。この場合、掻出翼9の先端部9Tの外向き側面9oと内側の環状溝10の内向き内面との間、及び、掻出翼9の先端部9Tの内向き側面9iと内側の環状溝10の外向き内面との間においてせん断作用が働く。同時に、掻出翼9の回転方向背面側の背面9aにおいては、掻出翼9が回転することにより、いわゆる局所沸騰(キャビテーション)が発生する。また、ステータ7の供給室側透孔7aを通過する際に、せん断作用が働く。
つまり、供給室13内の予備混合物Fpにせん断力を作用させるとともに、局所沸騰を発生させることができるので、掻き出される予備混合物Fpは、掻出翼9及び供給室側透孔7aからせん断作用を受けて混合されるとともに、掻出翼9の背面9aに発生する局所沸騰(キャビテーション)により、溶媒Rに対する粉体Pの分散がより良好に行われることとなる。よって、このような予備混合物Fpを供給することができ、翼室8内において溶媒Rに対する粉体Pの良好な分散を期待することができる。
吐出部12から吐出されたスラリーFは、吐出路18を通して再循環機構部70に供給され、再循環機構部70において、完全に溶解していない粉体Pを含む状態の未溶解スラリーFrと、粉体Pが略完全に溶解した状態のスラリーFとに分離されるとともに、溶媒Rの気泡が分離されて、未溶解スラリーFrは循環路16を通して再び吸引ポンプ機構部Yの導入口17に供給され、スラリーFは排出路22を通して供給先80に供給される。
未溶解スラリーFrは、導入口17の絞り部14aを介して流量が制限された状態で導入室14内に導入される。その導入室14内においては、回転する複数の攪拌羽根21によりせん断作用を受けて、更に細かく解砕され、更に、導入室側透孔7bの通過の際にもせん断作用を受けて解砕される。この際には、導入室側透孔7bを介して流量が制限された状態で翼室8に導入される。そして、翼室8内において、高速で回転する回転翼6によりせん断作用を受けて解砕され、粉体Pの凝集物(ダマ)が更に少なくなったスラリーFが供給室13からのスラリーFと混合されて吐出部12から吐出される。
ここで、制御部により、ステータ7の供給室側透孔7a及び導入室側透孔7bの出口領域である翼室8内の圧力がその全周に亘って溶媒Rの飽和蒸気圧以下となるように回転翼6の回転数が設定され、当該設定された回転数で回転翼6を回転させる。
これにより、回転翼6の回転数設定により、当該出口領域である翼室8内の圧力は、その全周に亘って溶媒Rの飽和蒸気圧(25℃の水の場合、3.169kPa)以下となるから、少なくともステータ7の供給室側透孔7a及び導入室側透孔7bを通過した直後の翼室8内の領域では、溶媒Rの気化による微細気泡(マイクロバブル)の発生が促進され、当該領域が、翼室8内の全周に亘って連続して微細気泡が多数発生した微細気泡領域として形成される状態となる。
よって、翼室8内の全周に亘って、粉体Pの凝集物(いわゆるダマ)に浸透した溶媒Rが発泡することで当該凝集物の解砕が促進され、さらに、その発生した微細気泡が翼室8において加圧され消滅する際の衝撃力によりさらに粉体Pの分散が促進されることになり、結果、翼室8内の全周に存在するスラリーFのほぼ全体に亘って、溶媒R中での粉体Pの分散が良好な高品質のスラリーFを生成することができる。
以上述べた通り、粉体吸引溶解ポンプ100では、吸引力調整口92dの開口面積が調整可能となっているが、その目的・効果は次の通りである。
吸引口92cが袋Uの内面に吸い付く強さは、袋Uの種類・性状、粉体Pの種類・性状、粉体吸引溶解ポンプ100の運転条件(液体の温度、液体と粉体Pとの混合比率、流量など)に応じて変化する。吸引力調整口92dの開口面積が調整可能であると、吸引口92cが袋Uの内面に吸い付く強さの変化に応じて吸引力を柔軟に調整することができ、粉体吸引溶解ポンプ100の作業性を向上させることができる。
そして吸引力調整口92dの開口面積が調整可能であることにより、吸引口92cが袋Uの内面に吸い付いた際の吸引力調整口92dの開口面積の増加を必要最小限とし、吸引力の低下を最小限として、素早く吸引口92cを取り外し、その後すぐに吸引力を元に戻すことができる。従って作業効率を高めることができる。
また、作業中に吸引ポンプ機構部Yの吸引力が変動することがあっても、吸引力調整口92dの開口面積が調整可能であれば、吸引口92cの取り外しの際には、変動した吸引力に応じて吸引力調整口92dの開口面積を適切に調整して、作業効率を高めることができる。
さらに、吸引ポンプ機構部Yの仕様や大きさが異なれば吸引力は変化するが、吸引力調整口92dの開口面積が調整可能であれば、それら様々な吸引ポンプ機構部Yに対してノズル部材92を共通に使用することができ、好適である。
加えて、吸引力調整口92dを4つの独立した丸穴とすることで、吸引力調整口92dの開口面積を段階的に調整することが容易になり、操作性を高めることができ好適である。
<第2実施形態>
以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
上述の第1実施形態では、吸引力調整口92dは作業者Qの手指によって塞がれて、作業者Qが吸引力調整口92dから手指を離すことにより、吸引力調整口92dの開口面積が増加された。第2実施形態に係るノズル部材92は、図7に示すように、筒状部位92aと、先細部位92bと、吸引口92cと、吸引力調整口92dと、閉塞部材92eとを有する。
本実施形態では吸引力調整口92dは、筒状部位92aの側面に形成された穴であって、筒状部位92aの中心軸に沿う方向に延びる長穴である。
閉塞部材92eは、筒状部位92aの中心軸に沿う方向に延びる板状の部材であって、筒状部位92aの中心軸に沿う方向に移動可能な状態で、筒状部位92aの表面上に配置されている。
閉塞部材92eが移動可能範囲における吸引口92cの側の端に位置すると、閉塞部材92eが吸引力調整口92dの全体を塞ぐ状態となる。閉塞部材92eがホース91の側へ移動するにつれて、吸引力調整口92dの開口面積が徐々に増加する。閉塞部材92eが移動可能範囲におけるホース91の側の端に位置すると、吸引力調整口92dの開口面積が最大となる。閉塞部材92eの位置は、作業者Qにより調節される。
本実施形態に係る粉体吸引溶解ポンプ100では、粉体吸引方法は次の様に行われる。まず作業者Qが粉体吸引部Zのノズル部材92を袋Uに挿入する。すなわち、作業者Qによって、粉体Pを収容した袋Uの内部に吸引口92cが配置される。閉塞部材92eは予め、移動可能範囲における吸引口92cの側の端に位置されている。つまり吸引力調整口92dは予め、開口面積がゼロとされている。
吸引ポンプ機構部Yが作動されて、チャンバ1に生じる負圧吸引力により、粉体吸引部Zの吸引口92cから粉体Pが吸引される。そして粉体Pがミキシング機構60のミキシング部材61へ供給される。
吸引口92cが袋Uの内面に吸い付いた際には、作業者Qは、閉塞部材92eをホース91の側へ移動させて、吸引力調整口92dの開口面積を増加させる。そうすると、吸引口92cからの吸引力が低減される。作業者Qは、袋Uの内面に吸い付いた部分から、吸引口92cを取り外して、粉体Pの吸引を続行する。このとき回転翼6の回転速度は、制御部Cにより制御されて、減少されずに維持される。
第1実施形態では、作業者Qが自分の手指で吸引力調整口92dを塞ぎ、その塞ぎ具合によって吸引力調整口92dの開口面積を調整する。つまり、吸引力調整口92dの開口面積を一定(あるいはゼロ)に維持するためには、作業者Qが吸引力調整口92dの塞ぎ具合を一定に維持する必要がある。一方、第2実施形態では、吸引力調整口92dは閉塞部材92eによって塞がれて、閉塞部材92eの位置に応じて吸引力調整口92dの開口面積が調整される。すなわち第2実施形態に係る粉体吸引部Zでは、作業者Qが吸引力調整口92dの開口面積を調整、あるいは一定に維持するための労力が軽減され、作業性が向上する。
<他の実施形態>
<1>上述の実施形態では、吸引力調整口92dはノズル部材92の筒状部位92a(把持部)に設けられた。吸引力調整口92dをホース91に設けることも可能である。特に、ホース91において、作業者Qが袋Uからの粉体Pの吸引を行う際に持ち易い部位(把持部)に、吸引力調整口92dを設けると好適である。その際、吸引力調整口92dに閉塞部材92eを設けてもよい。
<2>上述の第1実施形態では、吸引力調整口92dは4つの丸い穴として形成された。穴の数は1つ、2〜3つ、5つ以上も可能である。また吸引力調整口92dを多数の穴が空いたメッシュ状の領域として形成することも可能である。
<3>上述の第2実施形態では、吸引力調整口92dは長穴として形成された。吸引力調整口92dの形状、大きさは任意に変更可能である。また閉塞部材92eの移動方向も、筒状部位92aの中心軸に沿う方向の他、任意の方向に変更可能である。
<4>粉体吸引部Zが、ホース91およびノズル部材92の他に、内部を粉体Pが通流するパイプ等の部材を含んでいてもよい。
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
上述の粉体吸引溶解ポンプ100および粉体吸引方法は、例えば、食品製造分野、化学工業分野、医療工業分野等で用いることができる。その中でも、飛散し易い粉体(粒子が小さい粉体や、比重の軽い粉体)を水等に溶解して溶解液を製造する際に有効に利用することができる。粉末の例としては、抹茶、ココアパウダー、二酸化ケイ素等が挙げられる。
1 :チャンバ
2 :前壁部
3 :後壁部
4 :外周壁部
5 :ロータ
5a :取付部
6 :回転翼
7 :ステータ
7a :供給室側透孔
7b :導入室側透孔
8 :翼室
9 :掻出翼
9B :基端部
9M :中間部
9T :先端部
9a :背面
9f :掻き出し面
9i :内向き側面
9m :放散面
9o :外向き側面
9t :先端面
10 :環状溝
11 :供給口
12 :吐出部
13 :供給室
14 :導入室
14a :絞り部
15 :区画板
15a :筒状摺接部
15b :漏斗状部
15c :環状平板部
16 :循環路
17 :導入口
18 :吐出路
19 :駆動軸
20 :間隔保持部材
21 :攪拌羽根
22 :排出路
45 :粉体供給管
50 :溶媒供給部
51 :溶媒源
52 :溶媒供給管
60 :ミキシング機構
61 :ミキシング部材
62 :筒状部
63 :スリット
64 :環状流路
65 :環状流路形成部
70 :再循環機構部
71 :円筒状容器
80 :供給先
91 :ホース
92 :ノズル部材
92a :筒状部位(把持部)
92b :先細部位
92c :吸引口
92d :吸引力調整口
92e :閉塞部材
100 :粉体吸引溶解ポンプ
A2 :軸心
A3 :軸心
C :制御部
F :スラリー
Fp :予備混合物
Fr :未溶解スラリー
M3 :ポンプ駆動モータ
P :粉体
Q :作業者
R :溶媒
U :袋
Y :吸引ポンプ機構部
Z :粉体吸引部

Claims (5)

  1. 粉体吸引溶解ポンプで行われる粉体吸引方法であって、
    前記粉体吸引溶解ポンプは、遠心式の吸引ポンプ機構部と粉体吸引部とを有し、液体と、前記粉体吸引部を通じて吸引された粉体とを前記吸引ポンプ機構部で混合し、
    前記吸引ポンプ機構部は、チャンバと回転翼とを有し、前記回転翼が前記チャンバの内部で回転して吸引力を発生し、
    前記粉体吸引部は、前記チャンバに接続されており、
    粉体を吸引する吸引口と、
    前記吸引口と前記チャンバとの間に形成された吸引力調整口とを有し、
    前記吸引力調整口が前記粉体吸引部の把持部に配置され、
    粉体を収容した袋の内部に前記吸引口が挿入され、作業者が前記把持部を把持し且つ前記吸引力調整口を前記作業者の手指により直接閉塞した状態で、前記吸引口から粉体が吸引され、
    前記吸引口が前記袋の内面に吸い付いた際に、前記作業者が前記吸引力調整口から手指を離すことにより、前記吸引力調整口の開口面積が増加されて前記吸引口からの吸引力が低減される粉体吸引方法。
  2. 前記吸引力調整口の開口面積が増加されて前記吸引口からの吸引力が低減される際に、前記回転翼の回転速度が減少されずに維持される請求項1に記載の粉体吸引方法。
  3. 遠心式の吸引ポンプ機構部と粉体吸引部とを有し、液体と、前記粉体吸引部を通じて吸引された粉体とを前記吸引ポンプ機構部で混合する粉体吸引溶解ポンプであって、
    前記吸引ポンプ機構部は、チャンバと回転翼とを有し、前記回転翼が前記チャンバの内部で回転して吸引力を発生し、
    前記粉体吸引部は、前記チャンバに接続されており、
    粉体を吸引する吸引口と、
    前記吸引口と前記チャンバとの間に形成された吸引力調整口とを有し、
    前記吸引力調整口が前記粉体吸引部の把持部に配置され、
    作業者が前記把持部を把持した状態で、前記吸引力調整口を前記作業者の手指により直接閉塞し、或いは、前記作業者の手指を前記吸引力調整口から離すことにより、前記吸引力調整口の開口面積が調整されて前記吸引口からの吸引力が調整される粉体吸引溶解ポンプ。
  4. 前記回転翼の回転速度を制御する制御部を有し、
    前記吸引力調整口の開口面積が増加されて前記吸引口からの吸引力が低減される際に、前記制御部は前記回転翼の回転速度を減少させずに維持する請求項に記載の粉体吸引溶解ポンプ。
  5. 前記吸引口が粉体を収容した袋の内面に吸い付いた際に、前記吸引力調整口の開口面積が増加されて前記吸引口からの吸引力が低減される請求項3又は4に記載の粉体吸引溶解ポンプ。
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