以下、実施の形態に係る照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態及びその変形例のそれぞれは、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態及び変形例で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態及び変形例における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態)
[照明装置の概要]
まず、本発明の実施の形態に係る照明装置10の概要について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る照明装置10の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明装置10の分解斜視図である。
なお、図1及び図2では、発光部120からの光が、主に上方(Z軸プラス方向)及び手前側(Y軸マイナス方向)に放出される姿勢で照明装置10が図示されている。また、説明の便宜上、上下方向とZ軸方向とが一致し、照明装置10の長手方向とX軸方向とが一致するように照明装置10が図示されている。しかし、照明装置10の使用時の姿勢は、これらの図に限定されない。例えば、照明装置10は、長手方向が水平方向に対して傾いた姿勢で照明装置10が壁または支柱等に固定されてもよい。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る照明装置10は、長尺状の筐体50と、筐体50に収容され、複数の発光素子121が配置された長尺状の基板101とを備える。
具体的には、基板101及び複数の発光素子121は、発光モジュール100の一部として筐体50の内部に配置されている。
発光モジュール100は、照明装置10の外部から供給される電力によって光を発し、発光モジュール100から発せられた光は、筐体50が有する光源カバー52を透過して外部に放出される。つまり、照明装置10から照明光が放出される。
[筐体]
本実施の形態に係る筐体50は、発光モジュール100が取り付けられる本体部51と、透光性を有する光源カバー52とを有する。
本体部51は、例えば、ポリカーボネート(PC)等の樹脂、または、アルミニウム合金等の金属で構成された、遮光部材であり、内面の一部に、発光モジュール100の基板101が配置される基板配置面58を有する。光源カバー52は、透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。光源カバー52の材料は、例えば、PC、アクリル(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニルなどである。
光源カバー52は、光拡散性(光散乱性)を有してもよい。これにより、光源カバー52に入射する光を拡散(散乱)させることができ、光源カバー52の全体から略均一に光を外部に取り出すことができる。この場合、光源カバー52は、例えば、乳白色であり、光拡散粒子を分散させた樹脂材料によって形成することができる。また、光源カバー52の内面又は外面に乳白色の光拡散膜を形成してもよく、光源カバー52に複数の光拡散ドット又は微小凹凸(シボ)を形成してもよい。
筐体50は、図1及び図2に示すように、長手方向の一端に第一開口部55を有し、長手方向の他端に第二開口部56を有する。第一開口部55には、第一端部カバー170が配置され、第二開口部56には、第二端部カバー180が配置される。なお、第一端部カバー170及び第二端部カバー180のそれぞれは、例えば、図示しない1以上のネジによって筐体50に固定される。
本実施の形態では、第一端部カバー170は、外部からの電力を受ける受電部178を有し、第二端部カバー180は、外部に電力を出力する出力部188を有する。また、第一端部カバー170は、電線210を介して発光モジュール100と電気的に接続され、第二端部カバー180は、電線220を介して発光モジュール100と電気的に接続されている。なお、受電部178及び出力部188のそれぞれはともに、電線210または220と導通する金属部材を有している。
例えば、外部からの交流電力が、第一端部カバー170の受電部178を介して発光モジュール100に与えられ、これにより発光モジュール100が光を放出する。また、受電部178が受けた交流電力は、例えば、発光モジュール100の基板101に設けられた金属配線を介して第二端部カバー180の出力部188に与えられる。これにより、例えば出力部188に接続された外部の機器は、出力部188から出力される交流電力を用いて動作することができる。
なお、本実施の形態では、第一端部カバー170のX軸マイナス側の面には、他の照明装置10が備える出力部188が挿入される孔が設けられており、これにより、複数の照明装置10を電気的及び機械的に連結することができる。
つまり、ある1つの照明装置10(照明装置A)の出力部188を、他の照明装置10(照明装置B)の受電部178に挿入することで、照明装置Aと照明装置Bとを連結することができる。なお、この場合、照明装置A及びBの一方は、他方にとっての外部の機器である。この状態において、照明装置Bは、照明装置Aの出力部188から供給される交流電力を用いて照明光を放出することができる。すなわち、複数の照明装置10を連結することで、さらに長い一台の照明装置を、疑似的に構成することが可能である。
[発光モジュール]
次に、図1及び図2を参照しながら、さらに図3を用いて、実施の形態に係る発光モジュール100について説明する。図3は、実施の形態に係る発光モジュール100の構成概要を示す平面図である。
発光モジュール100は、基板101と、基板101に設けられた発光部120及び駆動回路130とを有する。本実施の形態では、発光部120は、基板101の長手方向(筐体50の長手方向と同じくX軸方向)に並べられた複数の発光素子121を含み、駆動回路130は、基板101の長手方向に並べられた複数の回路部品131を含む。
本実施の形態では、基板101は、図3に示すように、基板101の短手方向(Y軸方向)に並んで配置された発光素子領域102と回路領域103とを有する。
基板101の発光素子領域102には、複数の発光素子121が並んで配置されており、これら複数の発光素子121により発光部120が構成されている。また、回路領域103には、複数の回路部品131が並んで配置されており、これら複数の回路部品131により駆動回路130が構成されている。
複数の発光素子121のそれぞれは、例えば、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED(Light Emitting Diode)素子である。複数の発光素子121の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、例えば、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が、波長変換材として含有されている。
このように、複数の発光素子121の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB−Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして発光素子121から白色光が出射される。
駆動回路130は、本実施の形態では、外部から供給される交流電力を直流電力に変換する電源回路と、発光部120の発光状態を制御する制御回路とを含む。
具体的には、複数の回路部品131には、電源回路を構成する1以上の回路部品131(電源用回路部品)が含まれている。電源用回路部品としての回路部品131のそれぞれは、例えば、電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。
また、複数の回路部品131には、制御回路を構成する1以上の回路部品131(制御用回路部品)が含まれている。制御用回路部品としての回路部品131のそれぞれは、コンデンサ等の容量素子、抵抗素子、MOSFET等のスイッチング素子、ダイオード、または、集積回路(IC)等である。
基板101は、複数の発光素子121及び複数の回路部品131を実装するためのプリント配線基板であり、長尺矩形状に形成されている。本実施の形態では、基板101の厚み方向の両面のうちの一方の面(図2、図3における主面101a)のみに、パターン形成された金属配線(図示せず)が設けられている。複数の発光素子121及び複数の回路部品131は、この金属配線にはんだ付けされている。複数の発光素子121は、金属配線により例えば直列に接続されており、駆動回路130から出力される電流が金属配線を介して複数の発光素子121に供給される。
基板101の種類としては、例えば、CEM3(Composite epoxy material−3)基板等のガラスコンポジット基板、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板、又は紙フェノール基板等が採用される。
ここで、本実施の形態に係る基板101は、基板101の裏面(主面101aと反対側の面)が、リード線または金属配線等の導電物がなく、かつ、フラットな形状であるため、裏面を筐体50の基板配置面58と面接触させた状態で配置することができる。これにより、駆動回路130及び発光部120で発生した熱は、効率よく筐体50に伝導される。つまり、発光モジュール100で発生した熱の放熱が効率よく行われる。
なお、基板101の裏面はフラットであることは必須ではなく、例えば、基板101の裏面からリード線等が突出していてもよい。この場合、基板101は、基板配置面58に設けられた複数のボスによって、基板101の裏面と基板配置面58とを離間した状態で、基板配置面58に配置されてもよい。
駆動回路130は、筐体50の第一端部カバー170から電線210を介して交流電力を受け取り、受け取った交流電力を発光部120に応じた特性の直流電力に変換する。また、駆動回路130は、発光部120に供給する電流を制御することで発光部120の発光状態を制御する。本実施の形態では、駆動回路130による制御によって発光部120から放出される光量の調整(調光)がなされる。すなわち、本実施の形態に係る駆動回路130は、簡単にいうと、交流から直流への変換機能と調光機能とを有している。
なお、駆動回路130は、調光機能を有していなくてもよい。つまり、基板101に配置された複数の回路部品131の全てが、発光部120(複数の発光素子121の各々)を発光させるための電力を生成するための電源回路を構成する部品であってもよい。つまり、駆動回路130は、少なくとも当該電源回路としての機能を備えていればよい。
また、駆動回路130は調色機能を有してもよい。例えば、複数の発光素子121の中に、互いに色温度の異なる発光素子121を含む場合を想定する。この場合、駆動回路130は、例えば、色温度が高い1以上の発光素子121の光出力、及び、色温度が低い1以上の発光素子121の光出力を制御することで、発光部120の発光色を変化させてもよい。
上記構成を有する駆動回路130には、コネクタを介して電力が供給される。具体的には、本実施の形態では、基板101の、筐体50の第一開口部55側の端部に、第一コネクタ150が配置されている。また、基板101の、筐体50の第二開口部56側の端部に第二コネクタ160が配置されている。
第一コネクタ150は、第一端部カバー170を介して、電線210によって外部の機器と接続される。第二コネクタ160は、第二端部カバー180を介して、電線210によって外部の機器と接続される。
本実施の形態では、第一コネクタ150と第一端部カバー170とが電線210によって電気的に接続され、第二コネクタ160と第二端部カバー180とが電線220によって電気的に接続される。つまり、本実施の形態では、第一端部カバー170に機械的に接続された外部の機器と、第一コネクタ150とが電気的に接続される。また、第二端部カバー180に機械的に接続された外部の機器と、第二コネクタ156とが電気的に接続される。なお、電線210は第一電線の一例であり、電線220は第二電線の一例である。また、なお、これら「外部の機器」としては、他の照明装置10、電源装置、及び、その他の電力の供給元または供給先である電気機器などが例示される。
具体的には、第一コネクタ150は、電線210の端部211を保持する第一保持部152を有する。第一保持部152は、例えば、電線210の端部211を挟み込んで保持する速結端子等の導電部材を有している。第二コネクタ160も同様に、電線220の端部221を保持する第二保持部162を有している。なお、「端部211」という場合、電線210の端部211に含まれる2本の露出した芯線の少なくとも一方を指す。「端部221」についても同様であり、電線220の端部221に含まれる2本の露出した芯線の少なくとも一方を指す。
本実施の形態では、第一端部カバー170の受電部178が、外部から供給される交流電力を受け取り、受電部178から第一コネクタ150に、電線210を介して交流電力が供給される。さらに第一コネクタ150を介して駆動回路130に交流電力が供給される。なお、第一コネクタ150及び第二コネクタ160のそれぞれは、駆動回路130の一部を構成する回路部品として扱われてもよい。
また、本実施の形態では、上述のように、第一端部カバー170の受電部178が受けた交流電力は、第二コネクタ160を介して第二端部カバー180の出力部188に供給される。
ここで、第一コネクタ150は、図2及び図3に示すように、電線210によって接続される第一端部カバー170とは逆の方向から電線210の端部211が挿入される姿勢で基板101に配置されている。これにより、電線210から第一コネクタ150に、基板101からはがす方向の力が与えられる可能性が低減される。この効果について、図4〜図8を用いて説明する。
[照明装置の組み立て手順]
図4〜図6は、実施の形態に係る照明装置10の組み立て手順を示す第1〜第3の図である。図7は、実施の形態に係る照明装置10の内部における電線210の状態例を示す図である。図8は、比較例に係る照明装置の内部における電線210の状態例を示す図である。なお、図4〜図7では、本実施の形態に係る照明装置10の特徴を明確にするために、基板101に配置されている複数の発光素子121の一部及び複数の回路部品131の図示は省略されている。また、図5〜図8では、筐体50の内部の構造を表すために、筐体50は、外形が点線で図示されている。
本実施の形態に係る照明装置10の組み立て工程(製造工程)には、例えば、図4〜図6に示す手順が含まれる。
具体的には、図4に示すように、基板101の第一コネクタ150に、第一端部カバー170から延設された電線210の端部211が挿入される。つまり、電線210の端部211が第一コネクタ150の第一保持部152に保持される。
その後、図5に示すように、基板101を含む発光モジュール100が、第一開口部55から、筐体50の内部に挿入される。このとき、例えば、筐体50の基板配置面58上をスライドしながら、発光モジュール100が挿入される。
ここで、基板101の第二開口部56側の第二コネクタ160に、第二端部カバー180から延設された電線220の端部221を差し込む場合、少なくとも第二コネクタ160の一部を筐体50から外部に露出させる必要がある。つまり、少なくとも第二コネクタ160の一部が筐体50の外部に露出するまで、基板101(発光モジュール100)を第二開口部56から引き出す必要がある。
そのため、第一端部カバー170と第一コネクタ150とを接続する電線210は、照明装置10の完成後における第一コネクタ150と第一端部カバー170との距離に対応する長さに加え、基板101の一部を第二開口部56から引き出すための長さ(余剰分の長さ)を有している。
その結果、図6に示すように、第二コネクタ160への電線220の端部221の差し込み作業を容易に行うことができる程度に、基板101の第二コネクタ160側の端部を、筐体50から引き出すことができる。
その後、上記差し込み作業が行われ、一部が筐体50から引き出された状態の基板101は、筐体50の基板配置面58上の正規の位置まで戻される。さらに、第二端部カバー180が、第二開口部56を覆う状態で、図示しないネジ等によって筐体50に固定される。
その結果、筐体50の内部の状態は、図7に示すような状態となる。この状態において、電線210に着目すると、電線210は、上述のように余剰分の長さを有している。そのため、電線210は、折りたたまれた(折り返された)状態で、筐体50の内部に存在することになる。
従って、例えば図8に示す比較例におけるコネクタ550のように、電線210を、筐体50の第一開口部55側(つまり、第一端部カバー170側)に突出した状態で保持している場合、コネクタ550は、電線210から、基板101から離れる方向の力を受ける(引っ張られる)可能性が高い。
具体的には、コネクタ550から見た場合、コネクタ550から突出した電線210は、コネクタ550から比較的に近い位置で逆方向(第二端部カバー180側)に折り返した後に、さらに逆方向(第一端部カバー170側)に折り返して第一端部カバー170に向かう。その結果、コネクタ550は電線210から基板101から離れる方向に引っ張られ、例えば、コネクタ550と基板101とを接続するはんだに、基板101から剥がれる方向の負荷がかかる。これにより、コネクタ550と基板101との接続不良が生じることが考えられる。
この点に関し、本実施の形態に係る照明装置10では、第一コネクタ150の第一保持部152は、図7に示すように、電線210を第一コネクタ150から第二開口部56側に突出した状態で保持している。つまり、第一コネクタ150から見た場合、第一コネクタ150から突出した電線210は、第一コネクタ150から比較的に遠い位置で逆方向に折り返して、第一端部カバー170に向かう。そのため、第一コネクタ150は、電線210から、基板101に向かう方向の力を受けやすい状態であると言える。すなわち、図8に示すような、第一コネクタ150が、電線210から、基板101から持ち上げる方向に引っ張られる状態が生じる可能性は低い。なお、電線210と第一端部カバー170とが電気的に接続されているか否かに関わらず、電線210と第一端部カバー170とが機械的に接続されていれば、上記効果は奏される。
また、電線210の一部は、筐体50の天面59に当接することで、図7に示すように、基板101に向かう方向の力を筐体50から受ける状態となる可能性が高い。その結果、第一コネクタ150は、筐体50から、電線210を介して基板101に向かう方向の力を受ける。つまり、コネクタ550と基板101との接続不良が、より生じ難い状態が形成される。
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置10は、長手方向の一端に第一開口部55を有し、長手方向の他端に第二開口部56を有する長尺状の筐体50と、第一開口部55に取り付けられた第一端部カバー170と、筐体50に収容され、複数の発光素子121が配置された長尺状の基板101と、基板101の、第一開口部55側の端部に配置された第一コネクタ150と、第一端部カバー170を介して第一コネクタ150と外部の機器とを電気的に接続する電線210とを備える。第一コネクタ150は、電線210の端部211を保持する第一保持部152であって、電線210を第一コネクタ150から第二開口部56側に突出した状態で保持する第一保持部152を有する。
この構成によれば、電線210が長いために、筐体50内で電線210が折りたたまれる状態になった場合でも、上述のように、電線210が、第一コネクタ150を基板101から持ち上げる方向に引っ張る可能性は低い。
これにより、本実施の形態のように、基板101の一部を第二開口部56から露出させるために、電線210に余剰分を持たせた場合であっても、例えば、電線210が引っ張ることに起因する第一コネクタ150と基板101との接続不良の発生が抑制される。
すなわち、第一端部カバー170と第一コネクタ150とを電線210で接続した状態で、基板101の第二開口部56側の端部に対する作業(本実施の形態では、電線220の端部221の、第二コネクタ160への挿入作業)を容易化することができる。さらに、当該作業を行った後に、基板101を筐体50内の正規の位置に戻した場合に、電線210が、第一コネクタ150に不要な負荷を与える可能性が低減される。
以上のように、本実施の形態に係る照明装置10は、長尺状の筐体50と、複数の発光素子121が配置された長尺状の基板101とを備える照明装置10であって、信頼性の高い照明装置10である。
なお、仮に、筐体50の、光源カバー52を、本体部51から取り外すことで、第一コネクタ150への電線210の端部211の挿入作業、及び、第二コネクタ160への電線220の端部221の挿入作業を可能とした場合を想定する。この場合、電線210及び220は、電気的な接続のための必要最小限の長さで足り、上述の、第一コネクタ150への不要な負荷の問題は生じない。しかしながら、本実施の形態のように、本体部51の一部が、第一コネクタ150及び第二コネクタ160を覆うように存在する場合などでは、上記挿入作業が困難である。そのため、この場合、電線210を第一コネクタ150から第二開口部56側に突出した状態で保持する構造は、例えば、製造効率及び製品の信頼性の向上の観点から有利である。
また、本実施の形態に係る照明装置10では、例えば図3及び図7に示すように、第一保持部152は、電線210を第一コネクタ150から長手方向(X軸方向)に沿って、かつ、第二開口部56側に突出した状態で保持する。
この構成によれば、例えば、第一保持部152への挿入口を、基板101を、一部が第二開口部56から露出した状態から筐体50内の正規の位置に戻す場合の移動方向と真逆(すなわち第二開口部56の方向)に向けることができる。
これにより、電線210から第一コネクタ150に与えられる力が、第一コネクタ150を基板101から持ち上げる向きに作用する可能性、及び、第一コネクタ150を基板101と平行な面内で回転させる向きに作用する可能性が低減する。すなわち、電線210が筐体50内で折りたたまれることに起因する、第一コネクタ150と基板101との接続不良の発生が、より確実に抑制される。
また、本実施の形態に係る照明装置10において、電線210は、電線210の一部が、筐体50の基板101に対向する内面(本実施の形態では天面59)に当接した状態で配置されている。
この構成によれば、例えば図7に示すように、電線210は、基板101に向かう方向の力を筐体50から受け、これにより、第一コネクタ150は、電線210を介して、筐体50から基板101に向かう方向の力を受ける。つまり、構造上、第一コネクタ150は、電線210によって、基板101に向かう方向に押される状態に置かれる。これにより、例えば、第一コネクタ150と基板101との接続不良の発生が、より確実に抑制される。
また、本実施の形態に係る照明装置10は、さらに、筐体50の、第二開口部56に取り付けられた第二端部カバー180と、基板101の、第二開口部56側の端部に配置された第二コネクタ160と、第二端部カバー180を介して第二コネクタ160と外部の機器とを電気的に接続する電線220とを備える。第一端部カバー170は、受電部178を有し、複数の発光素子121は、第一コネクタ150を介して供給される、受電部178が受け取った電力を用いて発光する。第二端部カバー180は、第一端部カバー170から第一コネクタ150及び第二コネクタ160を介して供給される電力を外部に出力する出力部188を有する。
この構成によれば、照明装置10は、第一端部カバー170を介して受け取った電力を用いて照明光を放出する。本実施の形態では、駆動回路130が、第一端部カバー170を介して受け取った交流電力を直流電力に変換し、発光部120に直流電力を供給することで、発光部120に含まれる複数の発光素子121が発光する。照明装置10はさらに、第一端部カバー170を介して受け取った電力を、例えば外部の機器に供給することができる出力部188を第二端部カバー180に備えている。
つまり、本実施の形態に係る照明装置10では、上述のように、照明装置10の製造工程で、基板101の一部を筐体50から出し入れした場合において、第一コネクタ150に電線210から不要な負荷がかかる可能性を抑制する構造を有している。そのため、例えば、筐体50に挿入された基板101の、第二開口部56側の端部を引き出すことで、第二コネクタ160への電線220の端部221の挿入を容易に行うことができる。従って、第一端部カバー170で受け取った電力を、発光モジュール100の発光のために用いるとともに、第二端部カバー180を介して他の機器に供給する構造を有し、かつ、信頼性の高い照明装置10を実現することができる。
また、本実施の形態に係る照明装置10において、第二コネクタ160は、例えば図3及び図7に示すように、電線220の端部221を保持する第二保持部162を有する。第二保持部162は、電線220を第二コネクタ160から第一開口部55側に突出した状態で保持する。
つまり、本実施の形態では、第一コネクタ150及び第二コネクタ160のそれぞれは、内向きに電線(210または220)を保持する構造を有している。
ここで、図4〜図6に示す手順で照明装置10を組み立てる場合、第二コネクタ160は、電線220の端部221の挿入口(第二保持部162への挿入口)を、第二端部カバー180の側に向けていた方が、電線220の必要長さが短くなる、と言うことができる。また、このような姿勢で第二コネクタ160を配置した場合であっても、上述の第一コネクタ150に関する効果は奏される。つまり、第二コネクタ160の第二保持部162は、電線220を第二コネクタ160から第二開口部56側に突出した状態で保持してもよい。
しかしながら、この場合、第二コネクタ160への電線220の端部221の挿入の作業性を考慮すると、電線220は、第二端部カバー180と第二コネクタ160との直線距離に対して余裕を持った長さが必要である。従って、第二コネクタ160に電線220の端部221を挿入した後に、基板101を、筐体50内の正規の位置に戻し、かつ、第二端部カバー180を、第二開口部56を覆う状態で筐体50に固定した場合、電線220には撓み(湾曲)が生じる。その結果、例えば図8を用いて説明したように、電線220が、第二コネクタ160に、基板101から持ち上げる方向の力を与える可能性がある。
この点に関し、本実施の形態では、例えば図7に示すように、電線220が第二コネクタ160から第一開口部55側に突出した状態で保持されるように第二コネクタ160を配置する。これにより、電線220が、第二コネクタ160を基板101から持ち上げる方向に引っ張る可能性は低い。従って、第二コネクタ160と基板101との接続不良の発生が抑制される。
また、本実施の形態における組み立て手順とは逆に、第二端部カバー180と基板101とを電線220で接続した後に、第一端部カバー170と基板101とを電線210で接続する場合を想定する。この場合、基板101の一部を第一開口部55から露出させて、第一コネクタ150に電線210の端部211を挿入する必要がある。そのため、電線220は、第一コネクタ150が第一開口部55から露出する程度の長さが必要である。その結果、組み立ての完了後には、電線220は、例えば図7に示す電線210のような折りたたまれた状態となる。この場合、電線220が第二コネクタ160から第一開口部55側に突出した状態で保持されていることで、電線220が、第二コネクタ160を基板101から離れる方向に引っ張る可能性は低くなる。さらに、例えば、電線220の一部が筐体50の天面59に当接することで、第二コネクタ160は、筐体50から、電線220を介して、基板101に向かう方向に押される状態に置かれる。これにより、例えば、第二コネクタ160と基板101との接続不良の発生が、より確実に抑制される。
また、本実施の形態では、基板101は、短手方向(Y軸方向)に並んで配置された発光素子領域102と回路領域103とを有しており、第一コネクタ150は、回路領域103における、第一開口部55側の端部に配置されている。また、第二コネクタ160は、回路領域103における、第二開口部56側の端部に配置されている。
この構成によれば、基板101の長手方向に沿って設けられた発光素子領域102を消費せずに、第一コネクタ150及び第二コネクタ160が基板101に配置される。そのため、例えば、基板101の長手方向の端縁に近い位置に発光素子121を配置することができる。つまり、発光モジュール100における発光部120の存在範囲を大きくすることができる。また、第一コネクタ150から電線210が内向きに突出している場合であっても、発光素子領域102と回路領域103とは、基板101の短手方向に並んでいるため、電線210に阻害されずに、発光部120からの光を照明装置10の外部に放出させることができる。また、第二コネクタ160についても同じであり、電線220に阻害されずに、発光部120からの光を照明装置10の外部に放出させることができる。
なお、本実施の形態に係る照明装置10において、電線210は、一端が第一コネクタ150の第一保持部152に保持されており、他端が、第一端部カバー170から外部に露出していてもよい。
つまり、電線210は、第一端部カバー170と電気的に接続しておらず、第一端部カバー170を貫通した状態で配置されていてもよい。この場合、例えば、電線210の他端(筐体50の外に出された端部)に、外部の機器と電気的に接続するための外部コネクタが備えられていてもよい。例えば、電力の供給元の機器から延設されたメス型のコネクタに挿入可能なオス型の外部コネクタが、電線210の他端に備えられていてもよい。また、外部コネクタの種類及び形状等に特に限定はなく、例えば、速結端子が外部コネクタとして採用されてもよい。また、電線220についても同様であり、電線220は、一端が第二コネクタ160の第二保持部162に保持されており、他端が、第二端部カバー180から外部に露出していてもよい。電線210の他端(筐体50の外に出された端部)には、外部の機器と電気的に接続するための外部コネクタが備えられていてもよい。
このように、電線210及び電線220の少なくとも一方の端部が、筐体50から外に出されていることで、例えば、隣り合う2つの照明装置10の距離を開けた状態で、複数の照明装置10を電気的に直列に接続することができる。また、例えば、複数の照明装置10を、電気的に直列に接続し、かつ、環状に並べることもできる。
また、実施の形態に係る照明装置10の構造は、図1〜図7によって示される構造に限定されない。例えば、照明装置10が備える第一コネクタ150及び第二コネクタ160の構成または姿勢は、図2〜図7に示される構成または姿勢に限定されない。そこで、第一コネクタ150についての変形例を、実施の形態との差分を中心に、図9及び図10を用いて説明する。なお、以下に示す第一コネクタ150についての変形例は、第二コネクタ160にも適用可能である。
(変形例1)
図9は、実施の形態の変形例1に係る照明装置10aの一部の構成を示す図である。具体的には、図9では、照明装置10の、筐体50の第一開口部55側の端部が図示されている。
図9に示す照明装置10aは、基板101の、第一開口部55側の端部に、第一コネクタ250を有している。第一コネクタ250は、電線210の端部211を保持する第一保持部252であって、電線210を第一コネクタ250から第二開口部56側(図9における左側)に突出した状態で保持する第一保持部252を有する。この構成において、本変形例に係る照明装置10aは、実施の形態に係る照明装置10と共通する。
しかし、本変形例に係る第一コネクタ250は、実施の形態に係る第一コネクタ150とは異なり、電線210を、基板101の長手方向(X軸方向)と平行ではなく、基板101から離れる向きに傾けて保持している。
このような姿勢で電線210が第一コネクタ250の第一保持部252に保持されている場合であっても、上記実施の形態と共通する構成を有するため、電線210が、第一コネクタ250を基板101から離れる方向に引っ張る可能性は低い。つまり、第一コネクタ250と基板101との接続不良の発生は抑制される。さらに、図9に示すように、電線210の一部が筐体50の天面59に当接することで、第一コネクタ250は、筐体50から、電線210を介して、基板101に向かう方向に押される状態に置かれる。これにより、例えば、第一コネクタ250と基板101との接続不良の発生が、より確実に抑制される。
また、例えば、第一コネクタ250に比較的に近い位置に回路部品131が存在している場合であっても、電線210の端部211を、第一コネクタ250に対して斜め上方から挿入することができるため、回路部品131が挿入の邪魔になる可能性が低減される。
(変形例2)
図10は、実施の形態の変形例2に係る照明装置10bが備える発光モジュール100の構成概要を示す平面図である。具体的には、図10では、変形例2に係る発光モジュール100の、第一コネクタ350が配置されている側の端部が図示されている。また、図10における右側が、照明装置10bが備える筐体50の第一開口部55側(例えば図2参照)に対応する。
図10に示す照明装置10bは、基板101の、第一開口部55側(図10における右側)の端部に、第一コネクタ350を有している。第一コネクタ350は、電線210の端部211を保持する第一保持部352であって、電線210を第一コネクタ350から第二開口部56側(図9における左側)に突出した状態で保持する第一保持部352を有する。この構成において、本変形例に係る照明装置10bは、実施の形態に係る照明装置10と共通する。
しかし、本変形例に係る第一コネクタ350は、実施の形態に係る第一コネクタ150とは異なり、電線210を、基板101の長手方向(X軸方向)と平行ではなく、平面視において長手方向から離れる向きに傾けて保持している。
このような姿勢で電線210が第一コネクタ350の第一保持部352に保持されている場合であっても、上記実施の形態と共通する構成を有するため、電線210が、第一コネクタ350を基板101から離れる方向に引っ張る可能性は低い。つまり、第一コネクタ350と基板101との接続不良の発生は抑制される。
また、例えば、第一コネクタ350に比較的に近い位置に回路部品131が存在している場合であっても、電線210の端部211を、第一コネクタ350に対して斜め側方から挿入することができるため、回路部品131が挿入の邪魔になる可能性が低減される。
上記の変形例1及び2で説明したように、基板101の端部の第一コネクタは、電線210を、第一コネクタから第二開口部56側に突出した状態で保持していればよく、突出の向きは長手方向と平行でなくてもよい。すなわち、筐体50内において折りたたまれる(折り返される)状態となった電線210が、第一コネクタを基板101から離す方向に引っ張る可能性が低下するように、第一コネクタが配置されればよい。具体的には、第一コネクタからの電線210の突出方向が、第二開口部56側(基板101の、第一コネクタが配置された端部とは反対の端部側)に向かう成分(実施の形態におけるX軸方向プラス向きの成分)を持つ姿勢で第一コネクタが配置されていればよい。第一コネクタがこの条件を満たすように配置されていることで、例えば、第一コネクタが、電線210を第一開口部55側に突出した状態で保持する場合よりも、電線210が、第一コネクタを基板101から離す方向に引っ張る可能性は低くなる。
(その他)
以上、本発明に係る照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態および変形例1、2では、電線210の端部211に含まれる2本の芯線は、互いに平行な姿勢で第一保持部152(252、352)に保持されているが、これら2本の芯線は平行である必要はない。例えば、図10において、端部211の2本の芯線の一方が、第一保持部350に対して斜め上から挿入され、かつ、2本の芯線の他方が斜め下から挿入されてもよい。この場合、第一保持部350が、2本の芯線を、上記のように非平行な姿勢で保持するよう構成されていればよい。
また、例えば第一コネクタ150(252、352)が、2本の芯線のそれぞれに対応する別体のコネクタとして基板101に配置されていてもよい。つまり、例えば、第一コネクタ150が、接地側の芯線が接続されるコネクタと、非接地側の芯線が接続されるコネクタとで構成されてもよい。この場合、例えば、2つの芯線のそれぞれの、第一コネクタ150に保持された状態における姿勢の自由度が高くなる。
また、例えば、筐体50は、全体として角筒状の形状を有しているが、筐体50の形状はこれに限られず、例えば丸筒状であってもよい。また、筐体50は、本体部51と光源カバー52とで構成されているが、筐体50は、筒状の単一の部材であってもよい。
また、照明装置10は、第二端部カバー180を介して外部からの電力を受け取り、かつ、第一端部カバー170を介して外部に電力を供給してもよい。また、照明装置10が外部に電力を供給することは必須ではなく、第一端部カバー170及び第二端部カバー180の一方が、外部からの電力を受け取るための機能(受電機能)を有していればよい。例えば、第一端部カバー170のみが受電機能を有する場合、第二端部カバー180の他方は、主として筐体50の第二開口部56を塞ぐための部材として用いられてもよい。
また、照明装置10は、第一端部カバー170及び第二端部カバー180の両方を介して交流電力を受け取ってもよい。つまり、接地側電線を第一端部カバー170及び第二端部カバー180の一方に接続し、非接地側電線を第一端部カバー170及び第二端部カバー180の他方に接続することで、照明装置10に交流電力が供給されてもよい。
また、照明装置10は、第一端部カバー170及び第二端部カバー180の少なくとも一方を介して直流電力を受け取ってもよい。この場合、駆動回路130は、交流電力を直流電力に変換する機能を有しなくてもよい。駆動回路130は、第一端部カバー170及び第二端部カバー180の少なくとも一方を介して受け取った直流電力を、複数の発光素子121(発光部120)の点灯に適した特性の直流電力に変換する機能のみを有してもよい。
また、例えば、発光モジュール100が有する発光素子121は、SMD型LED素子であるとしたが、これに限らない。例えば、ベアチップが基板上に直接実装されたCOB(Chip On Board)型の発光モジュールが照明装置10に備えられてもよい。
この場合、例えば、複数のLEDチップを一括または個別に封止する封止部材であって、上述の黄色蛍光体等の波長変換材を含む封止部材を配置することで、複数のLEDチップからの光の波長を所定の波長に変換させてもよい。
また、発光モジュール100が発光素子121として採用とする固体発光素子はLEDに限定されず、半導体レーザ、有機EL(Electro Luminescence)、または無機EL等の固体発光素子が発光素子121として採用されてもよい。
その他、実施の形態または変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態または変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。