JP6854409B2 - 光ケーブル用スロットの製造方法 - Google Patents

光ケーブル用スロットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6854409B2
JP6854409B2 JP2016234017A JP2016234017A JP6854409B2 JP 6854409 B2 JP6854409 B2 JP 6854409B2 JP 2016234017 A JP2016234017 A JP 2016234017A JP 2016234017 A JP2016234017 A JP 2016234017A JP 6854409 B2 JP6854409 B2 JP 6854409B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colored
slot
rib
optical cable
tracers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016234017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018091950A (ja
Inventor
鉄治 大石
鉄治 大石
武田 健太郎
健太郎 武田
高橋 健
高橋  健
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2016234017A priority Critical patent/JP6854409B2/ja
Publication of JP2018091950A publication Critical patent/JP2018091950A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6854409B2 publication Critical patent/JP6854409B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、光ケーブル用スロットの製造方法および光ケーブル用スロットに関する。
外周面に光ファイバ心線を収納する複数の溝を有し、溝を区画するリブに着色トレーサが設けられた光ケーブル用スロットが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2015−4898号公報
光ケーブル用スロットを製造する際には、スロット本体を形成する樹脂を円柱ダイの樹脂流路に入れて円柱状の樹脂を形成し、着色ダイの着色樹脂流路から着色樹脂をダイに入れて、円柱状の樹脂に着色トレーサ(トレーサマーク)を形成している。次に、円柱状の樹脂を溝付けダイスに通すことで、光ファイバ心線を収納する複数の溝をそれぞれ区画するように周方向に複数のリブを形成している。
光ケーブル用スロットの着色トレーサは、リブの頂上部分に形成されるが、複数のリブのうち少なくとも一つのリブには、その頂上部分に複数本の着色トレーサが形成される。そして、着色ダイでは、着色樹脂流路の位置により、着色トレーサの形成位置を調整している。
ところが、光ケーブル用スロットのリブの幅が狭くなると、リブの頂上部分の幅も狭くなる。このため、複数本の着色トレーサを形成する着色樹脂流路の位置が近づきすぎて、複数本の着色トレーサ同士がつながってしまうおそれがある。一方、着色樹脂流路の位置を、着色トレーサが複数本に見える限界まで離すと、着色樹脂が隣のリブにも移って、隣のリブの頂上端部付近が滲むように着色されてしまい、これが着色トレーサと誤認されるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、光ケーブル用スロットのリブの幅が狭くなっても、一つのリブ上に複数本の着色トレーサを形成することができる、光ケーブル用スロットの製造方法および光ケーブル用スロットを提供することにある。
本発明の一態様に係る光ケーブル用スロットの製造方法は、光ファイバ心線を収納する複数の溝をそれぞれ区画するように周方向に複数のリブが形成され、前記複数のリブのうち少なくとも一つのリブの頂上部分に、前記リブの長手方向に沿った複数本の着色トレーサが形成された光ケーブル用スロットを製造する、光ケーブル用スロットの製造方法であって、
円柱ダイに樹脂を入れて円柱状のスロット本体を形成し、
形成された前記スロット本体の外周に、周方向に連続するように着色樹脂を塗布し、
前記着色樹脂が連続する箇所が、溝付けダイスに設けられたノッチ形成用突起部に対応するように、前記着色樹脂が塗布された前記スロット本体を前記溝付けダイスに通すことにより前記スロット本体に前記複数のリブを形成すると共に、前記リブの頂上部分の前記着色樹脂が連続する箇所にノッチを形成することで前記複数本の着色トレーサを形成する。
本発明によれば、光ケーブル用スロットのリブの幅が狭くなっても、一つのリブ上に複数本の着色トレーサを形成することができる。
本実施形態に係るスロットの一例を示す断面図である。 本実施形態に係るスロットの一例を示す斜視図である。 図1,2のスロットにおいて、二本の着色トレーサを有するリブの一例を示す断面図である。 本実施形態に係る光ケーブル用スロットにおける二本の着色トレーサを有するリブの変形例1を示す断面図である。 本実施形態に係る光ケーブル用スロットにおける二本の着色トレーサを有するリブの変形例2を示す断面図である。 本実施形態に係る光ケーブル用スロットにおける二本の着色トレーサを有するリブの変形例3を示す断面図である。 本実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造に使用する樹脂押出装置の構成例を示す断面図である。 本実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造方法における製造段階の各状態を示す説明図である。 図7の樹脂押出装置における着色ダイの溝孔の構造を示す図である。 図7の樹脂押出装置における溝付けダイスを示す図である。 比較例の光ケーブル用スロットの製造方法における製造段階の各状態を示す説明図である。 比較例の光ケーブル用スロットの製造方法によって、幅が広いリブに二本の着色トレーサを形成する場合の着色ダイおよび溝付けダイスの一部を示す説明図である。 比較例の光ケーブル用スロットの製造方法によって、幅が広いリブに形成された着色トレーサを説明する図である。 比較例の光ケーブル用スロットの製造方法によって、幅が狭いリブに二本の着色トレーサを形成する場合の着色ダイおよび溝付けダイスの一部を示す説明図である。 比較例の光ケーブル用スロットの製造方法によって、幅が狭いリブに形成された着色トレーサを説明する図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。
本発明の実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造方法は、
(1) 光ファイバ心線を収納する複数の溝をそれぞれ区画するように周方向に複数のリブが形成され、前記複数のリブのうち少なくとも一つのリブの頂上部分に、前記リブの長手方向に沿った複数本の着色トレーサが形成された光ケーブル用スロットを製造する、光ケーブル用スロットの製造方法であって、
円柱ダイに樹脂を入れて円柱状のスロット本体を形成し、
形成された前記スロット本体の外周に、周方向に連続するように着色樹脂を塗布し、
前記着色樹脂が連続する箇所が、溝付けダイスに設けられたノッチ形成用突起部に対応するように、前記着色樹脂が塗布された前記スロット本体を前記溝付けダイスに通すことにより前記スロット本体に前記複数のリブを形成すると共に、前記リブの頂上部分の前記着色樹脂が連続する箇所にノッチを形成することで前記複数本の着色トレーサを形成する。
上記光ケーブル用スロットの製造方法によれば、リブの頂上部分において、着色樹脂が連続する箇所にノッチが形成されることにより、前記箇所の着色樹脂が分断され、分断されたそれぞれの部分を、複数本の着色トレーサとすることができる。これにより、光ケーブル用スロットのリブの幅が細くなっても、複数本の着色トレーサを形成することができる。
(2) 前記光ケーブル用スロットの出来上がりの寸法において、前記リブの頂上部分における前記複数本の着色トレーサの各端部のうち前記リブの頂上における二つの角部にそれぞれ近い方の端部同士の距離aと、前記リブの頂上部分の幅bとの関係が、a/b≧50%となるように、前記複数本の着色トレーサを形成する。
形成されるリブの頂上部分の幅が狭い場合であっても、識別性の高い複数本の着色トレーサを形成することができる。
(3) 前記スロット本体を前記溝付けダイスに通す前の前記着色樹脂が連続する箇所における前記着色樹脂が塗布された部分の深さCと、前記ノッチ形成用突起部の高さDとの関係を、D>Cとして、前記複数本の着色トレーサを形成する。
着色樹脂が連続する箇所が確実に分離され、リブの頂上部分に複数本の着色トレーサをより確実に形成することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造方法および光ケーブル用スロットの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施形態に係る光ケーブル用スロットの一例について図1,図2を参照しつつ説明する。
図1に示すように、光ケーブル用スロット1は、中央部に設けられているテンションメンバ2の周囲にスロット本体(樹脂層)3が形成され、スロット本体3の外周には、光ファイバ心線を収納する複数本の溝4が形成されている(本例では6本)。なお、複数の溝4の形状は、例えば図2の斜視図に示すようにSZ状の他、螺旋状、直線状などでもよい。テンションメンバ2としては、鋼線、鋼撚り線、あるいはFRP等が用いられる。
そして、光ケーブル用スロット1は、複数本の溝4をそれぞれ区画するように周方向に複数のリブ5を備えている。複数の溝4のそれぞれに収納された光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線等(以降は総称して光ファイバと記す)を迅速に識別できるようにするため、一部のリブ5は着色トレーサ6を有する。通常は、基準となるリブ5は、一本の着色トレーサ6を有し、その時計回り方向の隣のリブ5は二本の着色トレーサ6を有する。この着色トレーサ6の構成により、複数あるうちの特定のリブ5が識別できるので、複数あるうちの特定の溝4も識別できる。よって、所望の光ファイバが収納されている溝4を迅速に識別できる。
着色トレーサ6は、スロット本体3(例えば、無着色(白色等)の樹脂層)と区別できるように、着色(例えば、黒色)されており、リブ5の頂上部分に所定幅でリブ5の長手方向に沿って設けられている。そして、複数のリブ5のうち少なくとも一つのリブ5Aは、その頂上部分5Aaに所定幅でリブ5Aの長手方向に沿った複数本の着色トレーサ6A,6Bを有している。
上記着色トレーサ6A,6Bの間には、ノッチ7が設けられている。ノッチ7は、図1,図2に示す例ではV字型の溝である。そして、ノッチ7の両壁面7a,7bは、先端7cから所定深さの位置までは無着色の部分が露出しており、前記所定深さの位置より上部は、着色された着色トレーサ6A,6Bの一部が露出している。
以上のような光ケーブル用スロット1の構成によれば、複数本の着色トレーサ6A,6B同士の間にノッチ7が設けられ、そのノッチ7の壁面7a,7bにも着色トレーサ6A,6Bの少なくとも一部が露出しているので、光ケーブル用スロット1を斜めから眺めた場合であっても、ノッチ7の壁面7a,7bに露出した部分が見え、着色トレーサ6A,6Bを視認できる。このため、光ケーブル用スロット1のリブ5Aの幅が狭い場合でも、着色トレーサを視認しやすくできる。
次に、図3を参照して、リブ5A、着色トレーサ6A,6Bおよびノッチ7の関係を詳細に説明する。
図3において、リブ5Aの頂上部分5Aaに露出している着色トレーサ6A,6Bの各端部のうち、リブ5Aの頂上部分5Aaにおける二つの角部5Ab,5Acにそれぞれ近い方の端部同士の距離をaとする。また、頂上部分5Aaの幅をbとする。このように定義されたaとbの関係は、a/b≧50%であることが好ましい。例えば、図3に示す例では64%、後述の図4に示す例では78%である。
上記a/b≧50%の関係とすることにより、リブ5Aの頂上部分5Aaに設けられた着色トレーサが複数本の着色トレーサ6A,6Bであることを識別しやすい。
また、図3において、着色トレーサ6A,6Bの最も深い部分の深さをcとし、ノッチ7の先端7cまでの深さをdとする。このように定義されたcとdの関係は、d>cであることが好ましい。望ましくは、dはcの1.2倍以上がよい。
上記d>cの関係とすることにより、ノッチ7の中央部分に十分な幅の無着色の部分が存在することになるので、リブ5Aの頂上部分5Aaに設けられた着色トレーサが複数本の着色トレーサ6A,6Bであることを識別しやすい。
(変形例)
次に、本実施形態に係るスロット1における二つの着色トレーサを有するリブ5Aの変形例について、図4〜図6を参照しつつ説明する。なお、上述した実施形態と同一番号を付した部分については、同じ構成である。
(変形例1)
図4に示すように、変形例1のリブ5A1は、着色トレーサ6A,6Bの各部の寸法を変化させた例である。なお、ノッチ7の形状は実施形態と同様のV字型である。
リブ5A1は、着色トレーサ6A,6Bの深さcが、前述の実施形態(図3参照)のリブ5Aの着色トレーサ6A,6Bよりも深くなっている。また、リブ5A1の頂上部分に露出している着色トレーサ6A,6Bの幅e1、e2が、リブ5Aの着色トレーサ6A,6Bよりもそれぞれ広くなっている。また、リブ5A1の頂上部分5Aaにおいて、着色されていない部分の幅f1,f2が、リブ5Aよりもそれぞれ狭くなっている。上記の深さcを深くしたり、幅f1,f2を狭くしたり、幅e1、e2を広くすることで、着色トレーサ6A,6Bの視認性をさらに上げることができる。
(変形例2)
図5に示すように、変形例2のリブ5A2は、断面形状が角型のノッチ71が設けられている点が前述の実施形態(図3参照)のリブ5Aと異なる。このように、角型のノッチとすることで、ノッチの中央部分の無着色の部分を、さらに広げることができる。
(変形例3)
図6に示すように、変形例3のリブ5A3は、断面形状がU字型のノッチ72が設けられている点が前述の実施形態(図3参照)のリブ5Aと異なる。このように、U字型のノッチとすることで、上記同様に、ノッチの中央部分の無着色の部分を、さらに広げることができる。
上記変形例2または変形例3に示したように、ノッチ7の形状は、V字型に限らず、変えてもよい。
次に、本実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造方法について図7〜図10を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る光ケーブル用スロット1は、例えば図7に示すような樹脂押出装置10を使用して製造される。樹脂押出装置10は、図7に示すように、ニップル11と、円柱ダイ12と、着色ダイ13と、溝付けダイス14とを備えている。樹脂押出装置10は、ニップル11に対して、円柱ダイ12、着色ダイ13、溝付けダイス14の軸心を一致させ、かつ回転可能にして光ケーブル用スロット1が得られるように構成されている。上記樹脂押出装置10は、溶融された樹脂を、円柱ダイ12を介して導入し、各ダイス(円柱ダイ12、着色ダイ13、溝付けダイス14)を通すことによって所定形状の光ケーブル用スロット1(図1,図2参照)を連続的に成型するものである。
図7に示す樹脂押出装置10を使用した、光ケーブル用スロット1の製造工程を、以下に詳述する。
ニップル11の導入孔11aからテンションメンバ2が導入され、本体部樹脂流路15からHDPEなどの熱可塑性樹脂が円柱ダイ12内に注入されてテンションメンバ2の周囲を覆う。円柱ダイ12の内面は円柱孔12aで形成されているので、円柱孔12a内に注入された上記熱可塑性樹脂により、スロット本体3が円柱状に仮成型される(図8の工程1参照)。円柱ダイ12の前端部には着色ダイ13が配置され、着色樹脂流路16から着色されたポリエチレン等の着色樹脂が供給される。
着色ダイ13は、円柱ダイ12と同じ内径を有し、内側に光ケーブル用スロット1の所定のリブ5と一致する位置の一部に溝孔17が設けられている。本実施形態では、図9に示すように、リブ5上に一本の着色トレーサ6を形成する溝孔17Aと、リブ5A上に二本の着色トレーサ6を形成するための幅広の溝孔17Bが設けられている。
着色樹脂流路16から供給された着色樹脂は、溝孔17(17A,17B)を通って、円柱状に仮成型されたスロット本体3の外周にそれぞれ塗布される(工程2)。幅広の溝孔17Bを通った着色樹脂は、図8に示すように、スロット本体3の外周に幅広に塗布された着色樹脂層8Aとなる。この着色樹脂層8Aは、例えば、スロット本体3に着色樹脂が塗布された部分の深さがCとなるように形成する。
溝付けダイス14は、図10に示すように、その内部壁面に光ケーブル用スロット1の溝4を形成するための複数(本例では、6つ)の溝形成用突起部14aが設けられている。テンションメンバ2の矢印T方向への移動とともに、スロット本体3には溝付けダイス14によって、溝4およびリブ5が放射状に形成され、光ケーブル用スロット1が成型される(工程3)。なお、例えば図2で示したSZ状の溝(或いは、螺旋状の溝等)とする場合は、円柱ダイ12、着色ダイ13、溝付けダイス14を回転させて、光ケーブル用スロット1を成型する。
また、溝付けダイス14には、リブ5Aの形状を規定するダイス壁面に、ノッチ7を形成するためのノッチ形成用突起部14bが設けられている。なお、このノッチ形成用突起部14bの高さをDとする。前述の着色樹脂層8Aの深さC(図8参照)と、この高さをDとの関係を、例えば、D>Cの関係になるようにする。
着色樹脂層8は、スロット本体3と一体になって、溝付けダイス14を通過した後、リブ5の外周面に残って着色トレーサ6となる。また、着色樹脂層8Aが塗布された位置の中央付近をノッチ形成用突起部14bが通過し、これにより、リブ5Aの頂上部分5Aaにノッチ7(例えば、V字状の溝)が形成され、ノッチ7を挟んでリブ5Aの長手方向に沿った着色トレーサ6A,6Bが形成される(図1,2参照)。
ところで、近年、高密度実装ができる光ケーブル用スロットが求められている。そのためには、光ファイバを収納する溝の幅を広くして、光ファイバの収納本数を増やす必要がある。溝の幅を広くするには、リブの幅を狭くしなければならない。ところが、リブの幅を狭くすると、リブの頂上の幅も狭くなる。このため、リブの頂上に複数の着色トレーサを形成することが困難になる。
本実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造方法は、上記のようにリブの幅を狭くした場合に有用であることを、以下に挙げる光ケーブル用スロットの製造方法の比較例と比較することにより説明する。
(比較例)
始めに、従来の製造方法により、所定のリブの頂上部分に二本の着色トレーサを形成する、比較例の光ケーブル用スロットの製造方法について、図11〜図13を参照しつつ説明する。
光ケーブル用スロット30は、図7の樹脂押出装置10に準じた樹脂押出装置により、工程1〜工程3の製造工程によって、図11に示すような形状に成型される。光ケーブル用スロット30の製造に使用する樹脂押出装置は、着色ダイ43の構成が前述の樹脂押出装置10の着色ダイ13とは異なっており、図12Aに示すように、リブ上に二本の着色トレーサを形成するための二つの溝孔47A,47Bを備えている。二つの溝孔47A,47Bからそれぞれ供給された着色樹脂は、溝付けダイス44によって形成されるリブ35Aの頂上部分に、二本の着色トレーサ36A,36Bとして形成される(図12B参照)。なお、溝付けダイス44は、ノッチ形成用突起部は設けられていない。
次に、上述した比較例の光ケーブル用スロットの製造方法によって成型される光ケーブル用スロットにおいて、リブの幅が狭い場合について説明する。
図13Aに示すように、幅が狭いリブを形成するための溝付けダイス44’は、リブの頂上部分の形成位置の幅も狭い。これに合わせて、着色ダイ43の二つの溝孔の間隔を狭くすると、形成される着色トレーサ同士がつながって一本の着色トレーサとして認識されてしまう。このため、二つの溝孔の間隔は、形成される着色トレーサ同士がつながらない位置、例えば図13Aの溝孔47’Aと47’Bの位置とする必要がある。ところが、このようにすると、溝付けダイス44’を通過する際に、スロット本体を形成する樹脂の変形に伴って着色樹脂が隣のリブ35を形成する部分にも移って、図13Bに示すように、隣のリブ35の頂上端部付近が滲むように着色(着色樹脂層38)されてしまい、これが着色トレーサと誤認されるおそれがある。また、二本の着色トレーサを形成するリブ35Aに対する着色樹脂の塗布が不完全になるため、着色トレーサとして認識しにくくなるおそれもある。
上述した比較例の光ケーブル用スロットの製造方法では、二つの溝孔47A,47Bからそれぞれ供給された着色樹脂によって、二本の着色トレーサ36A,36Bを形成している。このため、比較例の光ケーブル用スロットの製造方法では、上述のように、リブの幅を狭くすると、隣のリブに着色樹脂が滲みやすく、複数本の着色トレーサを正しく形成することは困難である。
これに対して、本実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造方法によれば、幅広の溝孔17Bから供給された着色樹脂により幅広の着色樹脂層8Aがスロット本体3の外周に塗布される。この着色樹脂層8Aが連続する箇所(例えば、中央部)にスロット本体3も削るようにノッチ7(例えば、V字状の溝)が形成されることにより、着色樹脂層8が分断され、分断されたそれぞれの部分を、複数本(二本)の着色トレーサ6A,6Bとすることができる。これにより、光ケーブル用スロット1のリブ5Aの幅が狭くなっても、複数本の着色トレーサ6A,6Bを形成することができる。
また、本実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造方法では、例えば、光ケーブル用スロット1の出来上がり寸法において、リブ5Aの頂上部分5Aaに露出している複数本の着色トレーサ6A,6Bの各端部のうち、リブ5Aの二つの角部5Ab,5Acにそれぞれ近い方の端部同士の距離aと、頂上部分5Aaの幅bとの関係が、a/b≧50%となるように、複数本の着色トレーサ6A,6Bを形成する。このようにすることで、リブ5Aの頂上部分5Aaの幅が狭い場合であっても、識別性の高い複数本の着色トレーサ6A,6Bを形成することができる。
また、本実施形態に係る光ケーブル用スロットの製造方法において、例えば、スロット本体を溝付けダイス14に通す前の着色樹脂層8Aが連続する箇所における着色樹脂が塗布された部分の深さC(図8参照)と、ノッチ形成用突起部14bの高さD(図10参照)との関係を、D>Cとして、複数本の着色トレーサ6A,6Bを形成する。このようにすることで、着色樹脂層8Aが連続する箇所が確実に分離され、リブ5Aの頂上部分5Aaに複数本の着色トレーサ6A,6Bをより確実に形成することができる。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
1 光ケーブル用スロット
2 テンションメンバ
3 スロット本体(樹脂層)
4 溝
5,5A, リブ
5Aa リブの頂上部分
6,6A,6B 着色トレーサ
7,71,72 ノッチ
7a,7b ノッチの壁面
8,8A 着色樹脂層
10 樹脂押出装置
11 ニップル
11a 導入孔
12 円柱ダイ
12a 円柱孔
13 着色ダイ
14 溝付けダイス
14a 溝形成用突起部
14b ノッチ形成用突起部
15 本体部樹脂流路
16 着色樹脂流路
17,17A,17B 溝孔
30 比較例の光ケーブル用スロット
32 比較例のテンションメンバ
33 比較例の樹脂層
34 比較例の溝
35,35A 比較例のリブ
36,36A,36B 比較例の着色トレーサ
38 比較例の着色樹脂層
43 比較例の着色ダイ
44 比較例の溝付けダイス
47,47A,47B,47’A,47’B 比較例の溝孔

Claims (3)

  1. 光ファイバ心線を収納する複数の溝をそれぞれ区画するように周方向に複数のリブが形成され、前記複数のリブのうち少なくとも一つのリブの頂上部分に、前記リブの長手方向に沿った複数本の着色トレーサが形成された光ケーブル用スロットを製造する、光ケーブル用スロットの製造方法であって、
    円柱ダイに樹脂を入れて円柱状のスロット本体を形成し、
    形成された前記スロット本体の外周に、周方向に連続するように着色樹脂を塗布し、
    前記着色樹脂が連続する箇所が、溝付けダイスに設けられたノッチ形成用突起部に対応するように、前記着色樹脂が塗布された前記スロット本体を前記溝付けダイスに通すことにより前記スロット本体に前記複数のリブを形成すると共に、前記リブの頂上部分の前記着色樹脂が連続する箇所にノッチを形成することで前記複数本の着色トレーサを形成する、光ケーブル用スロットの製造方法。
  2. 前記光ケーブル用スロットの出来上がりの寸法において、前記リブの頂上部分における前記複数本の着色トレーサの各端部のうち前記リブの頂上における二つの角部にそれぞれ近い方の端部同士の距離aと、前記リブの頂上部分の幅bとの関係が、a/b≧50%となるように、前記複数本の着色トレーサを形成する、請求項1に記載の光ケーブル用スロットの製造方法。
  3. 前記スロット本体を前記溝付けダイスに通す前の前記着色樹脂が連続する箇所における前記着色樹脂が塗布された部分の深さCと、前記ノッチ形成用突起部の高さDとの関係を、D>Cとして、前記複数本の着色トレーサを形成する、請求項1または請求項2に記載の光ケーブル用スロットの製造方法。
JP2016234017A 2016-12-01 2016-12-01 光ケーブル用スロットの製造方法 Active JP6854409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016234017A JP6854409B2 (ja) 2016-12-01 2016-12-01 光ケーブル用スロットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016234017A JP6854409B2 (ja) 2016-12-01 2016-12-01 光ケーブル用スロットの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018091950A JP2018091950A (ja) 2018-06-14
JP6854409B2 true JP6854409B2 (ja) 2021-04-07

Family

ID=62565898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016234017A Active JP6854409B2 (ja) 2016-12-01 2016-12-01 光ケーブル用スロットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6854409B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018091950A (ja) 2018-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3553578B1 (en) Intermittent connection type optical fiber tape core, method for manufacturing same, optical fiber cable, and optical fiber cord
TWI725125B (zh) 間歇連結型光纖帶心線、間歇連結型光纖帶心線之製造方法、光纖纜線及光纖軟線
WO2011126011A1 (ja) 光ファイバテープ心線、光ファイバケーブル及び配線形態
WO2014181730A1 (ja) 光ファイバテープ心線及び光ファイバケーブル
CN109642999A (zh) 光纤缆线
JP5802309B2 (ja) 光ファイバテープ心線及びその光ファイバテープ心線を収納した光ファイバケーブル
JP2017134360A (ja) 光ファイバテープ心線および光ケーブル
WO2017122665A1 (ja) 間欠連結型光ファイバテープ心線および光ケーブル
KR20170007251A (ko) 테이프 심선 및 광 케이블
JP6854409B2 (ja) 光ケーブル用スロットの製造方法
WO2011132610A1 (ja) 光ファイバテープ心線、光ファイバケーブル及び配線形態
JP6196838B2 (ja) 光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの中間後分岐方法
JP5947967B2 (ja) 光ファイバテープ心線及び光ファイバケーブル
JP2009142100A (ja) コルゲートチューブ
US11249272B2 (en) Optical fiber cable and manufacturing method of optical fiber cable
JP6323411B2 (ja) 光ファイバテープ心線および光ファイバケーブル
JP2015004898A (ja) 光ケーブルおよび光ケーブル用スロットの製造装置
JP4910330B2 (ja) フラットケーブルおよびフラットケーブルの製造方法
JPWO2019172214A1 (ja) 光ファイバテープ心線、光ユニット、光ファイバケーブル
KR102291386B1 (ko) 광섬유 유닛 및 광섬유 케이블
JP2015121642A (ja) マルチコアファイバの製造方法
JPWO2018066596A1 (ja) スロットロッドおよび光ファイバケーブル
JP3007051B2 (ja) 光ファイバケーブルおよびその製造方法
JP2005181654A (ja) 光ファイバケーブル用スロット及び光ファイバケーブル
JP2005176561A (ja) コルゲートチューブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6854409

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250