JP6854182B2 - 口腔用組成物 - Google Patents
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Description
ピロリドンカルボン酸又はその塩は、一般的に、皮膚化粧品において使用される保湿成分である。ピロリドンカルボン酸は、皮膚の抽出物の一つであり、皮膚を保湿する効果があることで知られている。しかしながら、ピロリドンカルボン酸又はその塩単独での口腔内における保湿効果は決して高いものではない。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔3〕を提供する。
〔1〕(A)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩(以下、単に「(A)成分」ともいう)と、(B)成分:硫酸ナトリウム(以下、単に「(B)成分」ともいう)と、を含有する口腔用組成物。
〔2〕前記(A)成分の含有量が0.1〜10質量%である、上記〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕前記(B)成分の含有量が0.05〜3質量%である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の口腔用組成物。
本発明の口腔用組成物は、(A)成分と、(B)成分と、を含有するものである。(A)成分に、皮膚を保湿する効果があることは知られている。しかしながら、例えば、ドライマウス症候群の改善技術として、(A)成分を口腔内に用いる場合、保湿効果とその持続性が十分ではないことは上記した通りである。
本発明者等は(A)成分を含有する口腔用組成物に対して、保湿効果とその持続性を向上することを目的として鋭意検討している中、(B)成分を併用すると目的を達成できることを見出した。なお、(B)成分を含有する口腔用組成物には、口腔内における保湿効果とその持続性を向上する作用がなかった。
従って、本発明の口腔用組成物は、単独では全く効果を奏しない(B)成分を(A)成分と組み合わせることで、保湿効果とその持続性の向上という課題を達成し得ることを見出し完成するに至ったものである。
(A)成分は、ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩である。ピロリドンカルボン酸の構造式を下記式(1)に示す。
(B)成分は、硫酸ナトリウムである。硫酸ナトリウムは、水和物であってもよく、無水和物であってもよい。硫酸ナトリウムとしては、例えば、富田製薬社製の無水硫酸ナトリウム等の市販品を使用することができる。
本発明の口腔用組成物には、上記各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、口腔用組成物に使用し得る公知の添加成分を含有してもよい。かかる添加成分としては、例えば、研磨剤、粘結剤、粘稠剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、香料、酸味料、滑沢剤、着色剤、光沢剤、流動化剤、結合剤、崩壊剤、薬用成分、pH調整剤、溶剤、賦形剤が挙げられる。これらは、口腔用組成物の剤型に応じて適宜選択し得る。以下に添加成分の具体例を示すが、本発明の口腔用組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。
なお、吸液量は、以下の方法により測定した値である。即ち、試料1gをガラス板上に量りとり、ビュレットを用いて42.5質量%グリセリン水溶液を滴下しながらヘラで液が均一になるように混合する。試料が1つの塊となり、ヘラでガラス板よりきれいにはがれるようになったときを終点とし、試料1.0gに対して要したグリセリン水溶液量を吸液量(mL/g)として表す。
無機系粘結剤としては、例えば、無水ケイ酸(以下、粘結剤としての無水ケイ酸を「増粘性シリカ」又は「無水ケイ酸(増粘性)」ともいう)、ベントナイトが挙げられる。中でも、増粘性シリカが好ましい。
粘稠剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。口腔用組成物が粘稠剤を含有する場合、その含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で定めることができ、口腔用組成物全体に対して、通常、1〜60質量%である。
甘味剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。甘味剤を用いる場合、含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
防腐剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。防腐剤を用いる場合、含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
口腔用組成物が着色剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して0.00001〜3質量%が好ましい。
口腔用組成物が光沢剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して0.01〜5質量%が好ましい。
口腔用組成物が流動化剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して0.01〜5質量%が好ましい。
結合剤を含有する場合、含有量は製剤により異なり一律に規定することはできない。例えばフィルムの場合には、通常、組成物全体に対し0.01〜90質量%が好ましい。フィルム以外の場合には、通常、組成物全体に対して0.01〜10質量%が好ましい。
薬用成分は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。薬用成分を使用する場合の含有量は、それぞれの薬用成分について薬剤学的に許容できる範囲で適宜設定することができる。
本発明の口腔用組成物の形状、剤形は特に限定されない。例えば、液体系(液体、液状、ペースト状)、固体系(固体、固形状)等の各種形状に調製できる。剤形の例としては、練歯磨剤、液体歯磨剤、液状歯磨剤、粉歯磨剤等の歯磨剤組成物、洗口剤組成物、塗布剤組成物、口腔用パスタ、口中清涼剤組成物、食品形態(チューインガム、錠菓、キャンディ、グミ、フィルム、トローチ等)が挙げられる。
10名の被験者において、歯磨剤組成物を使用して歯磨きを行った際の口腔内の湿潤効果の実感の程度についてアンケートを行った。下記スコア基準に基づいてスコア(1〜4点)をつけて平均点を算出した。算出したスコアの平均値から下記評価基準に基づき口腔内の湿潤効果を評価した。
なお、歯磨きは、各被験者において、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間ブラッシングすることにより実施した。
4点:口腔内の潤いを強く感じた
3点:口腔内の潤いを感じた
2点:口腔内の潤いをほとんど感じない
1点:口腔内の潤いを感じない
[評価基準]
A:平均点3.5点以上
B:平均点3.0点以上3.5点未満
C:平均点2.0点以上3.0点未満
D:平均点2.0点未満
10名の被験者において、歯磨剤組成物を使用して歯磨きを行った際の口腔粘膜の水分量を口腔水分計(ライブ社製「ムーカス」)により測定した。測定は、(1)右頬、(2)左頬の部位について行い、(1)と(2)の部位の平均値を各被験者について算出した。さらに、10名の被験者についての平均値を算出し、当該平均値から下記評価基準に基づき口腔内の水分量を評価した。
なお、歯磨きは、各被験者において、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間ブラッシングすることにより実施した。歯磨きの後、2回ゆすいだ直後に、1回目の測定を実施した(「直後」)。15分間経過の後、2回目の測定を実施した(「15分後」)。
A:29%以上
B:27%以上29%未満
C:25%以上27%未満
D:25%未満
<(A)成分>
ピロリドンカルボン酸ナトリウム(味の素社製、「AJIDEW N―50(登録商標)」)
<(B)成分>
無水硫酸ナトリウム(富田製薬社製)
<任意成分>
プロピレングリコール(粘調剤)(中央化成社製)、70質量%ソルビット液(ソルビトール)(70質量%水溶液品、粘調剤)(ロケット社製)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(粘結剤)、サッカリンナトリウム(甘味剤)、ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(界面活性剤)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(界面活性剤)、無水ケイ酸(研磨性、吸液量1.0mL/g)(多木化学社製)、無水ケイ酸(増粘性、吸液量2.5mL/g)(DSLジャパン社製、商品名「カープレックス」)、酸化チタン(着色剤)、香料(香料)。
なお、任意成分は、医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
精製水中に、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、サッカリンナトリウム、無水ケイ酸(増粘性)及び70質量%ソルビット液を加え、常温で混合溶解してX液を調製した。
別途、プロピレングリコール中に、カルボキシメチルセルロースナトリウムを分散させてY液を調製した。
撹拌中のX液に、Y液及び酸化チタンを加えて撹拌した後、香料、無水ケイ酸(研磨性)、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加え、更に減圧下で撹拌し、歯磨剤組成物を調製した。なお、製造には、1.5Lニーダー(石山工作所社製)を用いた。調製した歯磨剤組成物を用いて、湿潤効果及び口腔内水分量を調査した。結果を表1に記す。
(A)成分と(B)成分の含有量を表1に記載した数値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして歯磨剤組成物を調製した。調製した歯磨剤組成物を用いて、湿潤効果及び口腔内水分量を調査した。結果を表1に記す。
これに対し、本発明の口腔用組成物に該当する歯磨剤組成物は、湿潤効果が良好又は優れるものであり、口腔内水分量を向上するとともに、その持続性も良好であった(実施例1〜10参照)。即ち、湿潤効果や口腔内水分量を向上させる作用が観測されなかった硫酸ナトリウムが、ピロリンドンカルボン酸ナトリウムとの併用により、湿潤効果を向上するとともに、口腔内水分量の持続性も向上するという予想されない効果が発現した。
Claims (3)
- (A)成分:ピロリドンカルボン酸及び/又はその塩と、
(B)成分:硫酸ナトリウムと、を含有する口腔用組成物。 - 前記(A)成分の含有量が0.1〜10質量%である、請求項1に記載の口腔用組成物。
- 前記(B)成分の含有量が0.05〜3質量%である、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
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