以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本発明のいくつかの例を示すものであって、本発明の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本発明の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
[1.遊技システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態1に係る遊技システム1の全体構成を示す図である。
実施形態1に係る遊技システム1は、本発明を、パチンコ台を備える遊技システムに適用した例である。
遊技システム1は、遊技店内に設置された各機器を通信ケーブルで接続して構成され、遊技店内に設置された各機器の稼働状態を管理するためのシステムである。遊技システム1は、例えば、遊技台10と、貸出装置20と、中継装置30と、情報掲示装置40と、管理装置端末50と、管理装置60とを少なくとも備える。遊技台10、貸出装置20、中継装置30、情報掲示装置40、管理装置端末50及び管理装置60は、当該順番で直列的に接続される。なお、遊技システム1は、島端計数機や貯玉景品交換機等の、図1に示された機器以外の各種機器を備えてもよい。
遊技台10は、遊技球を遊技媒体として用いた遊技を遊技者に提供するパチンコ台である。遊技台10は、貸出装置20に接続されている。遊技台10は、遊技者の操作によって遊技球を遊技盤面に発射し、遊技盤面に設けられた入賞口に入賞させる遊技を行う。
遊技台10は、遊技球が入賞口に入賞すると、内部抽選を行う。遊技台10は、その抽選結果に基づいて、ハズレ、大当たり遊技、確変遊技及び時短遊技等の様々な遊技モードに移行しながら、入賞に応じた賞球を遊技者に払い出す。遊技台10の遊技モード及び入賞状態等の、遊技に係る遊技台10の動作状態を、遊技台10における「遊技状態」とも称する。
遊技台10は、遊技状態を示す情報である「遊技情報」を生成する。遊技情報は、遊技台の遊技状態に応じて異なる種類に割り当てられている。遊技台から出力される遊技情報は、遊技台の機種に応じて異なる。遊技情報には、例えば、遊技盤面に発射された遊技球数を示すアウト情報、遊技者に払い出した賞球数を示すセーフ情報、図柄変動が行われた回数を示す情報、大当たり遊技に当選した回数を示す情報、確変遊技に当選した回数を示す情報、及び、時短遊技に当選した回数を示す情報等が含まれる。また、遊技情報には、大当たり遊技の開始を示す情報、大当たり遊技の終了を示す情報、確変遊技の開始を示す情報、確変遊技の終了を示す情報、時短遊技の開始を示す情報、及び、時短遊技の終了を示す情報等が含まれる。また、遊技情報には、これらの情報が生成された時刻情報が含まれてもよい。
遊技台10の遊技状態は、遊技の進行に応じて変化する。遊技台10は、遊技状態が変化する毎に、遊技状態に応じた遊技情報を生成して貸出装置20に出力する。言い換えると、遊技台10は、遊技情報が変化する毎に、遊技の進行順に応じて遊技情報を貸出装置20に出力する。
なお、遊技台10は、所定個数の遊技球を遊技台10の内部に封入し、これらの遊技球を遊技台10の内部で循環させて利用する封入式の遊技台(エコ遊技機、管理遊技機)であってもよい。
貸出装置20は、遊技球を遊技台10に供給して遊技球を遊技者に貸し出す装置である。貸出装置20は、例えば、玉貸し装置であってもよい。貸出装置20は、遊技台10と1対1対応で設けられる。貸出装置20は、複数の遊技台10の間に挟まれるように設けられる。貸出装置20は、遊技台10及び中継装置30のそれぞれに接続される。
貸出装置20は、現金、プリペイドカード又は会員カード等が遊技者の操作によって所定の投入口に投入され、貸出ボタンが押圧されると、投入された金額に応じた遊技球を遊技台10に供給することで、遊技球を遊技者に貸し出す。投入された金額と貸し出された遊技球数との関係等の、遊技媒体の貸出に係る貸出装置20の動作状態を、貸出装置20における「貸出状態」とも称する。
貸出装置20は、貸出状態を示す情報である「貸出情報」を生成する。貸出情報には、投入された金額の情報、及び、貸し出された遊技球数の情報等が含まれる。また、貸出情報には、これらの情報が生成された時刻情報が含まれてもよい。
貸出装置20の貸出状態は、遊技球の貸出に係る遊技者の操作に応じて変化する。貸出装置20は、貸出状態が変化する毎に、貸出状態に応じた貸出情報を生成して中継装置30に出力する。また、貸出装置20は、遊技台10から出力された遊技情報を中継装置30に出力する。すなわち、貸出装置20は、遊技台10で生成された遊技情報を一旦取り込み、貸出装置20で生成された貸出情報と一本化して中継装置30に出力する。この際、貸出装置20は、遊技情報が変化する毎に、遊技の進行順に応じて遊技情報を中継装置30に出力する。
なお、遊技台10と貸出装置20とをまとめて「遊技機器2」とも称する。1つの遊技機器2は、1つの遊技台10と1つの貸出装置20とを含む。
また、遊技台10が封入式の遊技台である場合、貸出装置20は、遊技台10に遊技球を供給する必要は無く、投入された金額に応じて貸し出される遊技球数の情報を遊技台10に出力すればよい。また、遊技台10が封入式の遊技台である場合、貸出装置20は、遊技台10と一体的に形成されることがあり、遊技情報及び貸出情報は、遊技機器2から出力されると言える。
中継装置30は、遊技機器2と情報掲示装置40との間の通信を中継する通信モジュールである。中継装置30は、遊技機器2と1対1対応で設けられる。中継装置30は、遊技機器2の内部に一体的に形成されてもよい。中継装置30は、遊技機器2に含まれる貸出装置20の外付けオプションモジュールとして設けられてもよい。中継装置30は、貸出装置20及び情報掲示装置40のそれぞれ接続されてもよい。
中継装置30は、遊技機器2から出力された遊技情報が入力されると、当該遊技情報が出力された回数を遊技情報の種類毎に累計した累計値を算出する。中継装置30は、算出された累計値を、当該累計値の算出の基となった当該遊技情報に付加して、シリアル通信方式に適合した電文を生成する。この際、中継装置30は、当該電文を構成するデータの誤り検出符号(Error Detecting Code:EDC)を含めた上で、当該電文を生成する。更に、この際、中継装置30は、当該電文を構成するデータに暗号化処理を施した上で、当該電文を生成してもよい。中継装置30は、遊技情報が変化する毎に、すなわち累計値が変化する毎に、遊技の進行順に応じて、生成された電文をシリアル通信で情報掲示装置40に送信する。
例えば、遊技機器2から遊技情報が出力され、当該遊技情報の種類がセーフ情報であったとする。この場合、中継装置30は、遊技機器2からセーフ情報が出力された回数を累計して累計値を算出する。続いて、遊技機器2から遊技情報が出力され、当該遊技情報の種類がアウト情報であったとする。この場合、中継装置30は、遊技機器2からアウト情報が出力された回数を累計して累計値を算出する。すなわち、中継装置30は、セーフ情報の累計値とアウト情報の累計値とを別々に算出する。このように、中継装置30は、遊技機器2から遊技情報が出力された回数を遊技情報の種類毎に累計して、遊技情報の種類毎の累計値を算出する。
累計値は、遊技機器2がクリアされた直後からの遊技情報の出力回数として算出される。一般的に、遊技システム1の各機器は、少なくとも遊技店の開店前には、クリアされる。遊技店の開店後から当日の現時点までの間に遊技機器2がクリアされていない場合、累計値は、遊技店の開店後から当日の現時点までの間に遊技情報が出力された回数を示している。
また、中継装置30は、遊技機器2から出力された貸出情報が入力されると、当該貸出情報を含む電文を生成して、シリアル通信で情報掲示装置40に送信する。この際、中継装置30は、遊技情報と同様に、貸出情報の累計値を算出して情報掲示装置40に送信することができる。
なお、中継装置30及び電文の詳細な構成については、図2乃至図5を用いて後述する。
情報掲示装置40は、遊技情報を収集し遊技店内に掲示する装置である。情報掲示装置40は、例えば、呼出ランプ装置であってもよい。情報掲示装置40は、遊技情報及び貸出情報を収集して記憶することができる。情報掲示装置40は、管理装置端末50及び管理装置60等にトラブルが発生し復旧された後には、収集された情報を、これらの機器に送信することができ、情報の消失を防止することができる。情報掲示装置40は、遊技台10と1対1対応で設けられる。情報掲示装置40は、遊技台10の上部に載置されるように設けられる。情報掲示装置40は、中継装置30及び管理装置端末50のそれぞれに接続される。
情報掲示装置40は、中継装置30から送信された電文を受信すると、受信した電文を管理装置端末50にそのまま送信する。また、情報掲示装置40は、受信した電文に基づいて、当該電文にエラーが有るか否かの判定を実行する。すなわち、情報掲示装置40は、受信した電文の誤り検出処理を行う。そして、情報掲示装置40は、当該電文にエラーが有れば、当該電文の再送要求を中継装置30に送信する。なお、中継装置30から送信された電文を受信した際に行われる処理を、「電文受信処理」とも称する。
また、情報掲示装置40は、受信した電文に含まれる累計値に基づいて、当該電文に含まれる遊技情報が遊技機器2から出力された際の遊技状態を特定する。そして、情報掲示装置40は、特定された遊技状態を示す遊技情報をディスプレイに表示する。受信した電文に含まれる遊技情報が遊技機器2から出力された際の遊技状態を特定するために、当該電文に含まれる累計値を用いて当該遊技情報が出力された回数を解析する処理を、「累計値解析処理」とも称する。累計値解析処理は、電文受信処理の一環として実行される。
なお、情報掲示装置40の詳細な構成については、図2乃至図5を用いて後述する。また、情報掲示装置40の電文受信処理及び累計値解析処理については、図6乃至図8を用いて後述する。
管理装置端末50は、情報掲示装置40と管理装置60との間の通信を中継する通信モジュールである。管理装置端末50は、例えば、台コントローラ(台ユニット)であってもよい。管理装置端末50は、遊技情報及び貸出情報を収集して記憶することができる。管理装置端末50は、情報掲示装置40及び管理装置60等にトラブルが発生し復旧された後には、収集された情報を、これらの機器に送信することができ、情報の消失を防止することができる。管理装置端末50は、遊技台10と1対1対応で設けられる。管理装置端末50は、情報掲示装置40及び管理装置60のそれぞれに接続される。
管理装置端末50は、中継装置30から情報掲示装置40を介して送信された電文を受信すると、受信した電文に基づいて、当該電文にエラーが有るか否かの判定を実行する。そして、管理装置端末50は、当該電文にエラーが有れば、当該電文の再送要求を中継装置30に送信する。すなわち、管理装置端末50は、情報掲示装置40と同様に、電文受信処理を実行する。
また、管理装置端末50は、受信した電文に含まれる累計値に基づいて、当該電文に含まれる遊技情報が遊技機器2から出力された際の遊技状態を特定する。すなわち、管理装置端末50は、情報掲示装置40と同様に、累計値解析処理を実行する。そして、管理装置端末50は、電文受信処理及び累計値解析処理の結果を管理装置60に送信する。
なお、情報掲示装置40と管理装置端末50とをまとめて「情報機器3」とも称する。また、複数の遊技台10で1つの「島」が形成されている場合、複数の遊技台10のそれぞれと1対1対応で設けられた管理装置端末50は、管理装置端末50と管理装置60との間の通信を中継する「島コントローラ」を介して、管理装置60に接続されてもよい。この場合、情報機器3には、情報掲示装置40及び管理装置端末50以外に、島コントローラが含まれてもよい。すなわち、情報機器3は、中継装置30と管理装置60との間に配置され、遊技情報を通信可能な機器を含む。
なお、管理装置端末50の詳細な構成については、図2乃至図5を用いて後述する。また、管理装置端末50の電文受信処理及び累計値解析処理の詳細な内容については、図6乃至図8を用いて後述する。
管理装置60は、遊技システム1を構成する各機器を統括的に管理する装置である。管理装置60は、遊技情報及び貸出情報を収集し、遊技台10における遊技状態及び貸出装置20における貸出状態を管理する。管理装置60は、情報掲示装置40及び管理装置端末50等にトラブルが発生し復旧された後には、収集された情報を、これらの機器に送信することができ、情報の消失を防止することができる。管理装置60は、例えば、ホールコンピュータであってもよい。なお、管理装置60は、島端計数機や貯玉景品交換機等の図1に示された機器以外の機器にも接続され、遊技情報及び貸出情報以外の各種情報を収集してもよい。
[2.遊技システムの詳細構成]
図2は、本発明の実施形態1に係る遊技システム1の接続形態を示す図である。図3は、本発明の実施形態1に係る中継装置30から送信される電文の構成を示す図である。図4は、本発明の実施形態1に係る中継装置30のシリアルコネクタに含まれる信号端子から視た通信制御シーケンスを説明するための図である。
上述のように、遊技台10及び貸出装置20を含む遊技機器2は、遊技情報と貸出情報とを中継装置30に出力する。
この際、遊技台10は、遊技情報を示すパルス信号を生成し、外部出力用のコネクタから出力する。出力された遊技情報を示すパルス信号は、貸出装置20の遊技台10側のコネクタに入力される。貸出装置20は、入力された遊技情報を示すパルス信号を、中継装置30側のコネクタから出力する。出力された遊技情報を示すパルス信号は、中継装置30の貸出装置20側のコネクタ31に入力される。
貸出装置20は、貸出情報を示すパルス信号を生成し、中継装置30側のコネクタから出力する。出力された貸出情報を示すパルス信号は、中継装置30の貸出装置20側のコネクタ31に入力される。
遊技情報を示すパルス信号と貸出情報を示すパルス信号とは、遊技情報の種類と貸出情報の種類とに応じて異なる種類の信号として生成される。遊技台10及び貸出装置20の各コネクタ並びに中継装置30のコネクタ31に含まれる各信号端子は、遊技情報又は貸出情報を示すパルス信号の種類に対応付けて割り当てられている。
中継装置30のコネクタ31は、中継装置30内において、例えば容量絶縁型又はフォトカプラ絶縁型のIF(Interface)回路を介して、制御部と接続される。中継装置30の制御部は、コネクタ31から入力されたパルス信号の信号番号を特定する。信号番号は、遊技情報又は貸出情報を示すパルス信号の種類に対応付けて割り当てられている。すなわち、信号番号は、遊技情報又は貸出情報を示しており、信号番号の種類は、遊技情報又は貸出情報の種類を示している。
中継装置30の制御部は、コネクタ31から入力されたパルス信号の代わりに、当該パルス信号に対応する信号番号を送信データに用いる。そして、中継装置30の制御部は、信号番号と上述の累計値とを含むデータを作成すると共に、誤り検出符号及びコマンド等を付加して、図3に示されるようなシリアル通信方式に適合した電文を生成する。
中継装置30の制御部は、フォトカプラ絶縁型のIF回路を介して、情報掲示装置40側のコネクタ32と接続される。コネクタ32は、SPI(Serial Peripheral Interface)等のシリアル通信方式に適合したシリアルコネクタである。コネクタ32に含まれる信号端子には、例えば、CS(Chip Select)端子、CK(Clock)端子、MOSI(Master Out Slave In)端子及びMISO(Master In Slave Out)端子がある。
MOSI端子は、生成された上述の電文を、中継装置30の後続機器(情報掲示装置40及び管理装置端末50)に送信するための端子である。MISO端子は、当該電文を受信する機器からのACK(Acknowledgement)又はNAK(Negative Acknowledgement)応答を受信するための端子である。CK端子は、CK信号(クロック信号)を送信するための端子である。CS端子は、当該電文を受信する後続機器を指定するCS信号(セレクト信号)を送信するための端子である。
生成された上述の電文をコネクタ32から送信する際、中継装置30の制御部は、図4に示されるように、CS信号をアクティブにし、当該電文を受信する後続機器を指定する。但し、後述するように、当該電文を受信する後続機器が中継装置30とバス型の通信トポロジーを構成するように接続されているため、CS信号がアクティブにされると、何れの後続機器も当該電文を受信するように指定される。
続いて、中継装置30の制御部は、CK信号を所定周期でアクティブにすると共に、CK信号に同期して当該電文をMOSI端子に書き込む。当該電文の書き込みが終了すると、中継装置30の制御部は、CS信号を非アクティブに戻す。また、MISO端子は、ハイインピーダンスに設定されている。このようにして、MOSI端子に書き込まれた当該電文は、後続機器に送信される。
中継装置30の後続機器に当該電文が送信されると、後続機器はACK又はNAK応答を中継装置30に送信する。この際、ACK又はNAK応答は、コネクタ32のMISO端子に送信され、中継装置30の制御部に読み出される。このようにして、中継装置30は、ACK又はNAK応答をMISO端子から受信する。なお、NAK応答は、上述した、中継装置30から送信された電文の再送要求に相当する。
中継装置30のコネクタ32から送信された電文は、図2に示すように、情報掲示装置40の中継装置30側のコネクタ41から受信される。情報掲示装置40のコネクタ41は、中継装置30のコネクタ32と同一形状のシリアルコネクタであり、コネクタ32と同様の信号端子を含む。コネクタ41に含まれるCS端子、CK端子、MOSI端子及びMISO端子は、コネクタ32に含まれるCS端子、CK端子、MOSI端子及びMISO端子とそれぞれ接続される。
情報掲示装置40のコネクタ41は、情報掲示装置40内において、フォトカプラ絶縁型のIF回路を介して、制御部と接続される。情報掲示装置40の制御部は、情報掲示装置40の通信を制御するプログラムのライブラリ43を保持している。ライブラリ43には、電文受信処理及び累計値解析処理を実行するプログラムのライブラリが含まれる。
情報掲示装置40の制御部は、フォトカプラ絶縁型のIF回路を介して、管理装置端末50側のコネクタ42と接続される。情報掲示装置40のコネクタ42は、コネクタ32と同一形状のシリアルコネクタであり、コネクタ32と同様に、CS端子、CK端子、MOSI端子及びMISO端子を含む。
中継装置30のコネクタ32から送信された電文を受信する際、情報掲示装置40の制御部は、ライブラリ43を用いて電文受信処理を実行し、コネクタ41に含まれるMOSI端子から電文を読み出す。そして、情報掲示装置40の制御部は、読み出した電文をコネクタ42のMOSI端子に書き込むことで、当該電文を後続機器の管理装置端末50にそのまま送信する。
また、情報掲示装置40の制御部は、電文受信処理において、読み出した電文の誤り検出処理を行った結果である上述のACK又はNAK応答を、コネクタ41のMISO端子に書き込むことで、上述のACK又はNAK応答を中継装置30に送信する。そして、情報掲示装置40の制御部は、ライブラリ43を用いて累計値解析処理を行い、後述の計数値を、情報掲示装置40の揮発性メモリに記憶する。
管理装置端末50においても、情報掲示装置40と同様の構成を備える。すなわち、管理装置端末50の情報掲示装置40側のコネクタ51は、コネクタ41と同様の構成を備える。管理装置端末50のライブラリ53も、ライブラリ43と同様の構成を備える。そして、管理装置端末50の制御部は、情報掲示装置40の制御部と同様に、ライブラリ53を用いて電文受信処理及び累計値解析処理を実行する。
管理装置端末50と管理装置60との間の通信は、中継装置30乃至管理装置端末50のそれぞれの間の通信方式であるシリアル通信方式とは異なる、独自の通信方式で行われている。管理装置端末50と管理装置60との間の通信方式は、例えば、LAN(Local Area Network)であってもよい。
管理装置端末50の管理装置60側のコネクタ52と、管理装置60の管理装置端末50側のコネクタ61とは、LAN等の当該通信方式に適合したコネクタである。管理装置端末50の制御部は、電文受信処理及び累計値解析処理の結果を、当該通信方式で管理装置60に送信する。管理装置60は、管理装置端末50から送信された、電文受信処理及び累計値解析処理の結果を受信し、記憶する。
なお、上記では、中継装置30が、遊技情報又は貸出情報を示すパルス信号からシリアル通信用の電文を生成すると説明したが、遊技台10又は貸出装置20が、遊技情報又は貸出情報を含むシリアル通信用の電文をそれぞれ生成してもよい。すなわち、貸出装置20は、中継装置30に対して、遊技情報又は貸出情報を含む電文をシリアル通信で送信してもよい。
図5は、本発明の実施形態1に係る中継装置30乃至管理装置端末50におけるシリアルコネクタに接続されたIF回路の回路構成を示す図である。
中継装置30から送信される電文を受信する後続機器(情報掲示装置40及び管理装置端末50)は、当該電文を送信する中継装置30と、バス型の通信トポロジーを構成するように接続されている。
中継装置30乃至管理装置端末50における電文送信側のシリアルコネクタ(コネクタ32及びコネクタ42)に接続された各IF回路は、フォトカプラ絶縁型のIF回路である。すなわち、当該各IF回路は、各フォトカプラからの出力が接点信号として各MOSI端子をONするように構成される。
情報掲示装置40及び管理装置端末50における電文受信側のシリアルコネクタ(コネクタ41及びコネクタ51)に接続された各IF回路では、各レシーバが電文送信側の各フォトカプラと直結されている。そして、当該各IF回路では、自己電源を用いて各接点出力点の電圧を検出し、その検出信号によって、後続する電文送信側の各フォトカプラをONするように構成される。各接点出力点の電圧は、各フォトカプラの接点出力がONすると0Vとなり、各フォトカプラの接点出力がOFFすると自己電源の電圧値となることを利用して検出される。
そして、電文を送信する際、中継装置30のコネクタ32に接続されたIF回路では、MOSI端子用のフォトカプラがONされる。すると、情報掲示装置40のコネクタ41に接続されたIF回路では、MOSI端子用のレシーバがONされる。すると、情報掲示装置40のコネクタ42に接続されたIF回路では、MOSI端子用のフォトカプラがONされる。同様に、管理装置端末50のコネクタ51に接続されたIF回路では、MOSI端子用のレシーバがONされ、コネクタ52に接続されたIF回路では、MOSI端子用のフォトカプラがONされる。管理装置端末50に後続する機器でも同様である。
すなわち、中継装置30から送信される電文信号の変化は、情報掲示装置40から送信される電文信号の状態を、論理演算的には同時に変化させる。そして、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれで受信される電文信号の信号値は、論理演算的には全て同じ値となる。
よって、実施形態1に係る遊技システム1では、中継装置30が、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して、同じ内容の電文を一斉に送信することができる。情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれが受信するべき電文の内容は、本来的に、全て同じである必要がある。このため、中継装置30から同じ内容の電文が一斉に送信されることは、好適である。
ここで、中継装置30に電力を供給する貸出装置20と、情報掲示装置40と、管理装置端末50とは、それぞれ異なるメーカで製造され、異なる電源系統を有することが多い。このため、中継装置30乃至管理装置端末50では、電文受信側の接点出力点における電圧を検出する際に共通の電源に接続するのが困難であることが多い。
実施形態1に係る遊技システム1では、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれが、電文受信側の接点出力点における電圧を自己電源を用いて検出する。このため、実施形態1に係る遊技システム1では、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれが異なるメーカで製造されていても、中継装置30から送信された電文が、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して、同じ内容の電文として一斉に伝達される。
なお、情報掲示装置40及び管理装置端末50のIF回路では、レシーバとフォトカプラとの間にフィルタ回路を設けてノイズを除去したり、レシーバの出力を一旦制御部で受け取ってソフトウェアでノイズを除去したりすることも可能である。この場合であっても、中継装置30乃至管理装置端末50は、論理演算的には、バス型の通信トポロジーを構成する接続形態で接続されていると言える。
また、情報掲示装置40及び管理装置端末50のACK又はNAK応答送信側のシリアルコネクタ(コネクタ41及びコネクタ51)に接続された各IF回路は、各フォトカプラからの出力が接点信号として各MISO端子をONするように構成される。そして、当該各IF回路におけるMISO端子用の各フォトカプラは、中継装置30のMISO端子用のレシーバに対して、ワイヤードOR接続方式で並列に接続されている。
よって、実施形態1に係る遊技システム1では、中継装置30は、MISO端子用のレシーバの出力を監視することによって、情報掲示装置40及び管理装置端末50の少なくとも1つから送信されたNAK応答を検出し受信することができる。中継装置30は、情報掲示装置40及び管理装置端末50の何れかからNAK応答が送信された場合であっても、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して同じ内容の電文を一斉に再送する。
[3.各種処理の詳細な流れ]
図6は、本発明の実施形態1に係る電文受信処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれで実行される電文受信処理は、その主な処理内容が略同じである。このため、図6では、情報掲示装置40で実行される電文受信処理について代表して説明する。
ステップS601において、情報掲示装置40は、中継装置30から送信された電文を受信する。
ステップS602において、情報掲示装置40は、受信した電文を解析する。そして、情報掲示装置40は、電文に含まれる誤り検出符号を用いて誤り検出処理を実行する。
ステップS603において、情報掲示装置40は、誤り検出処理の結果に基づいて、受信した電文にエラーが有るか否かの判定を実行する。情報掲示装置40は、判定の結果が、受信した電文にエラーが有ることを示す場合、ステップS604に移行する。一方、情報掲示装置40は、判定の結果が、受信した電文にエラーが有ることを示していない場合、ステップS605に移行する。
ステップS604において、情報掲示装置40は、中継装置30にACK応答を送信し、ステップS606に移行する。ACK応答は、例えばACK=0の値を中継装置30に返すことであってもよい。中継装置30は、ACK応答が送信されると、電文が正常に受信されたと判定する。
ステップS605において、情報掲示装置40は、中継装置30にNAK応答を送信し、本処理を終了する。NAK応答は、例えばNAK=1の値を中継装置30に返すことであってもよい。中継装置30は、NAK応答が送信されると、所定回数を限度として、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して同じ内容の電文を一斉に再送する。すなわち、NAK応答は、電文の再送要求に相当する。
ステップS606において、情報掲示装置40は、受信した電文に含まれる累計値に基づいて、累計値解析処理を実行し、本処理を終了する。
なお、累計値解析処理の詳細な流れについては、図7及び図8を用いて後述する。
図7は、本発明の実施形態1に係る累計値解析処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれで実行される累計値解析処理は、その主な処理内容が略同じである。このため、図7では、情報掲示装置40で実行される累計値解析処理について代表して説明する。
ステップS701において、情報掲示装置40は、中継装置30から今回送信された電文を解析して、今回送信された累計値Pを記憶する。具体的には、情報掲示装置40は、今回送信された電文に含まれる信号番号を解析し、信号番号の種類すなわち遊技情報の種類毎に、今回送信された電文に含まれる累計値Pを記憶する。
ステップS702において、情報掲示装置40は、中継装置30から前回以前に送信され累計値のうちの直近の累計値であるLPが記憶されているか否かを判定する。
例えば、現時点が遊技店の開店直後等であれば、情報掲示装置40が起動直後であり、直近の累計値LPは記憶されていない。また、例えば、前回の電文送信時に通信エラーが発生し累計値Pが不達であった場合、前々回の電文送信時は正常に累計値Pが受信されたのであれば、直近の累計値LPは、前々回の電文送信時に送信された累計値Pとなる。
情報掲示装置40は、直近の累計値LPが記憶されていれば、ステップS703に移行する。一方、情報掲示装置40は、直近の累計値LPが記憶されていなければ、ステップS704に移行する。
ステップS703において、情報掲示装置40は、直近の累計値LPを読み出し、ステップS705に移行する。
ステップS704において、情報掲示装置40は、差分値ΔP=1を設定し、ステップS708に移行する。差分値ΔPは、今回送信された累計値Pと直近の累計値であるLPとの差分値である。直近の累計値LPが記憶されていなければ差分値ΔPを算出できないので、情報掲示装置40は、ステップS704において差分値ΔP=1に設定する。
ステップS705において、情報掲示装置40は、直近の累計値LPが今回送信された累計値Pより大きいか否かを判定する。
累計値Pは、遊技店の開店後から当日の現時点までの間に遊技機器2がクリアされていない場合は、基本的に増加する。このため、今回送信された累計値Pは、直近の累計値LPよりも基本的に大きくなる。直近の累計値LPが今回送信された累計値Pより大きい場合とは、情報掲示装置40がクリアされておらず、遊技機器2がクリアされた直後の場合である。すなわち、情報掲示装置40は、ステップS705の判定を実行することによって、いつ遊技機器2がクリアされたのかを把握することができる。
情報掲示装置40は、直近の累計値LPが今回送信された累計値Pより大きければ、ステップS707に移行する。一方、情報掲示装置40は、直近の累計値LPが今回送信された累計値Pより大きくなければ、ステップS706に移行する。
ステップS706において、情報掲示装置40は、次式を用いて差分値ΔPを算出し、ステップS708に移行する。
ΔP=P−LP
ステップS707において、情報掲示装置40は、差分値ΔP=Pを設定し、ステップS708に移行する。直近の累計値LPが今回送信された累計値Pより大きい場合、差分値ΔPは負の値となるので、情報掲示装置40は、ステップS704において差分値ΔP=Pに設定する。
ステップS708において、情報掲示装置40は、今回送信された累計値Pと直近の累計値LPとを用いて計数される計数値Tが記憶されているか否かを判定する。
計数値Tは、累計値Pの受取先である情報掲示装置40が、情報掲示装置40のクリア直後からの遊技情報の出力回数を計数した値である。計数値Tは、累計値Pと同様の概念である。計数値Tは、遊技情報の種類毎に計数される共に、累計値Pと対応付けられている。計数値Tは、今回送信された累計値Pと直近の累計値LPとの差分値ΔPを用いて、計数される。計数値Tは、情報掲示装置40がクリアされた直後であれば、情報掲示装置40に記憶されていない。
情報掲示装置40は、計数値Tが記憶されていれば、ステップS709に移行する。一方、情報掲示装置40は、計数値Tが記憶されていなければ、ステップS710に移行する。
ステップS709において、情報掲示装置40は、計数値Tを読み出し、ステップS711に移行する。
ステップS710において、情報掲示装置40は、計数値T=0を設定し、ステップS711に移行する。計数値Tが記憶されていなければ、情報掲示装置40がクリアされた直後であるので、情報掲示装置40は、ステップS710において初期値として計数値T=0に設定する。
ステップS711において、情報掲示装置40は、次式を用いて計数値Tを計数し、ステップS712に移行する。
T=T+ΔP
ステップS712において、情報掲示装置40は、ステップS711で計数された計数値Tを記憶し、本処理を終了する。
図8は、図7に示された累計値解析処理の内容の具体例を説明するための図である。
図8のt1は、遊技店の開店直後であるとする。t1の時は、遊技機器2のクリア後に初めて遊技情報が出力される時であり、今回送信された累計値Pは、「P=1」である。t1の時、直近の累計値LPは、記憶されていないため、「LP=?」である。t1の時、直近の累計値LPは記憶されていないため、図7のステップS702においてNoと判定され、差分値ΔPは、「ΔP=1」となる(図7のステップS704)。t1の時、計数値Tは記憶されていないため、図7のステップS708においてNoと判定され、計数値Tには初期値の「T=0」が設定される(図7のステップS710)。
よって、計数値Tは、図7のステップS711を用いて「T=0+1=1」と計数され、記憶される(図7のステップS712)。
図8のt2は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から2回目に出力された時であるとする。t2の時、今回送信されるべき累計値Pが「P=2」であるが、通信エラーによって累計値Pが情報掲示装置40に不達であった場合を示している。
図8のt3は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から3回目に出力された時であるとする。t3の時、今回送信された累計値Pは、「P=3」である。t3の時、直近の累計値LPには、t1の時の累計値P=1が記憶されており(図7のステップS702おいてYes)、「LP=1」となる。t3の時、直近の累計値LPが累計値Pより大きくないため(図7のステップS705おいてYes)、差分値ΔPは、「ΔP=3−1=2」となる(図7のステップS706)。t3の時、計数値Tには、t1の時の計数値T=1が記憶されている(図7のステップS708においてYes)。
よって、計数値Tは、図7のステップS711を用いて「T=1+2=3」と計数され、記憶される(図7のステップS712)。
図8のt4は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から5回目に出力された時であって、情報掲示装置40に記憶された直近の累計値LPが蒸発した直後であるとする。t4の時、今回送信された累計値Pは、「P=5」である。t4の時、直近の累計値LPは、記憶されていないため、「LP=?」である。t4の時、直近の累計値LPは記憶されていないため、図7のステップS702においてNoと判定され、差分値ΔPは、「ΔP=1」となる(図7のステップS704)。t4の時、計数値Tには、前回計数された計数値T=4が記憶されているとする(図7のステップS708においてYes)。
よって、計数値Tは、図7のステップS711を用いて「T=4+1=5」と計数され、記憶される(図7のステップS712)。
図8のt5は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から7回目に出力された時であって、情報掲示装置40がクリアされた直後であるとする。t5の時、今回送信された累計値Pは、「P=7」である。t5の時、直近の累計値LPには、前回送信された累計値P=6が記憶されており(図7のステップS702おいてYes)、「LP=6」となる。t5の時、直近の累計値LPが累計値Pより大きくないため(図7のステップS705おいてYes)、差分値ΔPは、「ΔP=7−6=1」となる(図7のステップS706)。t5の時、計数値Tは記憶されていないため、図7のステップS708においてNoと判定され、計数値Tには初期値の「T=0」が設定される(図7のステップS710)。
よって、計数値Tは、図7のステップS711を用いて「T=0+1=1」と計数され、記憶される(図7のステップS712)。
図8のt6は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から9回目に出力された後に、遊技機器2がクリアされた直後であるとする。t6の時は、遊技機器2のクリア後に初めて遊技情報が出力される時であり、今回送信された累計値Pは、「P=1」である。t6の時、直近の累計値LPには、前回送信された累計値P=9が記憶されており(図7のステップS702おいてYes)、「LP=9」となる。t6の時、直近の累計値LPが累計値Pより大きいため(図7のステップS705おいてNo)、差分値ΔPは、「ΔP=P=1」となる(図7のステップS707)。t6の時、計数値Tには、前回計数された計数値T=3が記憶されている(図7のステップS708においてYes)。
よって、計数値Tは、図7のステップS711を用いて「T=3+1=4」と計数され、記憶される(図7のステップS712)。
このように、実施形態1に係る累計値解析処理では、累計値の受取先である情報掲示装置40において、前回以前に計数され記憶された直近の計数値Tを、累計値Pと直近の累計値LPとの差分値ΔPで更新することによって、現在の計数値Tが計数される。すなわち、実施形態1に係る累計値解析処理では、累計値の受取先である情報掲示装置40において、今回送信された累計値Pそのものに依存せずに、現在の計数値Tが計数される。よって、情報掲示装置40は、通信エラーによって累計値Pが不達であった場合でも、情報掲示装置40がクリアされた直後からの遊技情報の出力回数(計数値T)を正確に計数することができる。
ここで、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、計数値Tを不揮発性メモリに記憶しておくことができ、自身の停電やリブート等が発生しても、計数値Tの消失を防止することができる。また、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれが交換された場合でも、それまでに管理装置60に送信した計数値Tを管理装置60から取得することができる。それにより、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、今回送信された電文に含まれる遊技情報が遊技機器2から出力された際の正規な遊技状態を特定することができる。
なお、情報掲示装置40は、上述のように、遊技機器2がいつクリアされたのかを把握することができる。また、遊技機器2がクリアされた直後において、情報掲示装置40には、クリア直前の累計値Pが、直近の累計値LPとして記憶されている。クリア直前の累計値Pと、クリア直後の現在の累計値Pとの加算値は、現在の正規な累計値Pに相当する。よって、情報掲示装置40は、遊技機器2がクリアされた直後においても、今回送信された電文に含まれる遊技情報が遊技機器2から出力された際の正規な遊技状態を特定することができる。
上述のように、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれで実行される累計値解析処理の主な処理内容は、互いに略同じである。このため、図7及び図8で説明された内容は、管理装置端末50で実行される累計値解析処理にも当てはまる。また、上述のように、累計値が貸出情報に基づいて生成された場合の累計値解析処理の主な処理内容も、累計値が遊技情報に基づいて生成された場合と同様である。このため、図7及び図8で説明された内容は、累計値が貸出情報に基づいて生成された場合の累計値解析処理にも当てはまる。
[4.作用効果]
したがって、実施形態1に係る遊技システム1は、通信エラーによって累計値が不達であった場合であっても、今回送信された電文に含まれる遊技情報又は貸出情報が遊技機器2から出力された際の正規な遊技状態又は貸出状態を特定することができる。言い換えると、実施形態1に係る遊技システム1は、通信エラーが発生しても遊技状態及び貸出情報を適切に把握することができる。
更に、実施形態1に係る遊技システム1は、遊技機器2(特に貸出装置20)や情報掲示装置40や管理装置端末50等がクリアされた場合であっても、今回送信された電文に含まれる遊技情報又は貸出情報が遊技機器2から出力された際の正規な遊技状態又は貸出状態を特定することができる。よって、実施形態1に係る遊技システム1は、遊技システム1の各機器を全て連動させ同期してクリアしたり、全て一斉に交換したりしなくても、遊技機器2の正規な遊技状態又は貸出状態を特定することができる。
特に、実施形態1に係る遊技システム1は、異なるメーカで製造された各機器を部分的に交換したり、当該各機器の一部だけにトラブルが発生してリブートした場合であっても、遊技機器2の正規な遊技状態又は貸出状態を特定することができる。よって、実施形態1に係る遊技システム1は、複雑な接続作業及び設定作業を伴わなくても、異なるメーカで製造された各機器を部分的に交換することができる。
また、実施形態1に係る遊技システム1は、上述のように、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して同じ内容の電文が一斉に伝達される。加えて、情報掲示装置40及び管理装置端末50の何れかから再送要求が送信された場合であっても、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して同じ内容の電文が一斉に再送される。このとき、実施形態1に係る遊技システム1は、遊技台10から管理装置端末50までが短距離に設置されるため、これらを接続するケーブル上にノイズが混入する確率が低く、殆ど通信エラーが発生しない。このため、実施形態1に係る遊技システム1では、電文の再送が殆ど発生しない。
したがって、実施形態1に係る遊技システム1は、同じ内容の電文を1対1で個別に情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに送信する場合に比べて、再送を含む電文の送信回数を低減させることができる。具体的には、実施形態1に係る遊技システム1は、電文の送信回数を、電文を受信する機器が1台である場合と同程度まで、低減させることができる。このため、実施形態1に係る遊技システム1は、中継装置30に後続する機器をカスケード接続で容易に増加することができ、後続する機器が増加しても通信時間が増加することもない。よって、実施形態1に係る遊技システム1は、中継装置30の負荷を低減することができると共に、中継装置30の後続機器における電文受信タイミングの遅延を抑制することができる。
また、実施形態1に係る遊技システム1は、上述のように、遊技情報又は貸出情報をパルス信号として出力する既存の遊技機器2に適用可能である。また、実施形態1に係る遊技システム1は、遊技情報又は貸出情報をシリアル通信用の電文として出力する遊技機器2にも適用可能である。そして、実施形態1に係る遊技システム1は、遊技情報又は貸出情報をパルス信号として出力する遊技機器2とシリアル通信用の電文として出力する遊技機器2とを併存させることも可能である。
したがって、実施形態1に係る遊技システム1は、異なるメーカで製造されたり、異なる時期に導入された機器が混在する既存の遊技店に容易に導入することができ、次世代の通信方式に自然な流れで移行させることができる。
[5.他の実施形態]
図9は、本発明の実施形態2に係る累計値解析処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
実施形態2に係る累計値解析処理においても、情報掲示装置40乃至管理装置60のそれぞれでの主な処理内容が略同じである。このため、図9では、情報掲示装置40で実行される累計値解析処理について代表して説明する。
実施形態2に係る累計値解析処理では、クリア累計値CPとクリア計数値CTとが用いられる。クリア累計値CPは、情報掲示装置40又は遊技機器2がクリアされた直後の累計値Pである。クリア計数値CTは、情報掲示装置40又は遊技機器2がクリアされた直後の計数値Tである。クリア累計値CPは、情報掲示装置40がクリアされた直後であればCP=Pとされ、遊技機器2がクリアされた直後であればCP=(P−1)とされる。クリア計数値CTは、情報掲示装置40がクリアされた直後であればCT=1とされ、遊技機器2がクリアされた直後であればCT=Tとされる。そして、実施形態2の情報掲示装置40は、直近の累計値LP、クリア累計値CP及びクリア計数値CTを不揮発性メモリに記憶する。
ステップS901において、情報掲示装置40は、図7のステップS701と同様に、中継装置30から今回送信された電文を解析して、今回送信された累計値Pを記憶する。
ステップS902において、情報掲示装置40は、図7のステップS702と同様に、直近の累計値LPが記憶されているか否かを判定する。
情報掲示装置40は、直近の累計値LPが記憶されていれば、ステップS903に移行する。一方、情報掲示装置40は、直近の累計値LPが記憶されていなければ、ステップS904に移行する。
ステップS903において、情報掲示装置40は、情報掲示装置40がクリアされた直後か否かを判定する。情報掲示装置40は、情報掲示装置40がクリアされた直後であれば、ステップS906に移行する。一方、情報掲示装置40は、情報掲示装置40がクリアされた直後でなければ、ステップS905に移行する。
ステップS904において、情報掲示装置40は、クリア累計値CP=0及びクリア計数値CT=0を設定し、ステップS910に移行する。直近の累計値LPが記憶されていなければ、遊技店の開店直後であり、クリア累計値CP及びクリア計数値CTは記憶されていない。このため、情報掲示装置40は、ステップS904において初期値としてクリア累計値CP=0及びクリア計数値CT=0に設定する。
ステップS905において、情報掲示装置40は、図7のステップS703と同様に、直近の累計値LPを読み出し、ステップS907に移行する。
ステップS906において、情報掲示装置40は、クリア累計値CP=P及びクリア計数値CT=1を設定し、ステップS910に移行する。情報掲示装置40がクリアされた直後であるので、情報掲示装置40は、ステップS906においてクリア累計値CP=P及びクリア計数値CT=1に設定する。
ステップS907において、情報掲示装置40は、図7のステップS705と同様に、直近の累計値LPが今回送信された累計値Pより大きいか否かを判定する。情報掲示装置40は、直近の累計値LPが今回送信された累計値Pより大きければ、ステップS909に移行する。一方、情報掲示装置40は、直近の累計値LPが今回送信された累計値Pより大きくなければ、ステップS908に移行する。
ステップS908において、情報掲示装置40は、クリア累計値CPが今回送信された累計値Pより大きいか否かを判定する。
クリア累計値CPが今回送信された累計値Pより大きい場合とは、遊技機器2がクリアされた直後の場合である。すなわち、情報掲示装置40は、ステップS908の判定を実行することによって、いつ遊技機器2がクリアされたのかを把握することができる。
情報掲示装置40は、クリア累計値CPが今回送信された累計値Pより大きければ、ステップS909に移行する。一方、情報掲示装置40は、クリア累計値CPが今回送信された累計値Pより大きくなければ、ステップS910に移行する。
ステップS909において、情報掲示装置40は、クリア累計値CP=(P−1)及びクリア計数値CT=Tを設定し、ステップS910に移行する。遊技機器2がクリアされた直後であるので、情報掲示装置40は、ステップS909においてクリア累計値CP=(P−1)及びクリア計数値CT=Tに設定する。
ステップS910において、情報掲示装置40は、次式を用いて計数値Tを計数し、ステップS911に移行する。
T=CT+P−CP
累計値Pとクリア累計値CPとの差分値(P−CP)は、情報掲示装置40又は遊技機器2がクリアされた直後からの累計値の増加量を示す。クリア計数値CTは、情報掲示装置40又は遊技機器2がクリアされた直後の計数値Tを示す。
ステップS911において、情報掲示装置40は、図7のステップS712と同様に、ステップS910で計数された計数値Tを記憶し、本処理を終了する。
図10は、図9に示された累計値解析処理の内容の具体例を説明するための図である。
図10のt11は、遊技店の開店直後であるとする。t11の時は、遊技機器2のクリア後に初めて遊技情報が出力される時であり、今回送信された累計値Pは、「P=1」である。t11の時、直近の累計値LPは、記憶されていないため、「LP=?」である。t11の時、遊技店の開店直後であり、クリア累計値CP及びクリア計数値CTは記憶されていないため、図9のステップS902でNoと判定され、クリア累計値CP及びクリア計数値CTには、初期値の「CP=0」及び「CT=0」が設定される(図9のステップS904)。
よって、計数値Tは、図9のステップS910を用いて「T=0+1−0=1」と計数され、記憶される(図9のステップS911)。
図10のt12は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から2回目に出力された時であるとする。t12の時、今回送信されるべき累計値Pが「P=2」であるが、通信エラーによって累計値Pが情報掲示装置40に不達であった場合を示している。
図10のt13は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から3回目に出力された時であるとする。t13の時、今回送信された累計値Pは、「P=3」である。t13の時、直近の累計値LPには、t11の時の累計値P=1が記憶されており(図9のステップS902おいてYes)、「LP=1」となる。t13の時、情報掲示装置40がクリアされた直後でなく(図9のステップS903においてNo)、直近の累計値LPが累計値Pより大きくなく(図9のステップS907においてNo)、クリア累計値CPが累計値Pより大きくない(図9のステップS908においてNo)。このため、t13の時、クリア累計値CP及びクリア計数値CTは、t11の時のクリア累計値CP=0及びクリア計数値CT=0のままであり、「CP=0」及び「CT=0」となる。
よって、計数値Tは、図9のステップS910を用いて「T=0+3−0=3」と計数され、記憶される(図9のステップS911)。
図10のt14は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から5回目に出力された時であって、情報掲示装置40がリブートされた直後であるとする。t14の時、今回送信された累計値Pは、「P=5」である。t14の時、情報掲示装置40がリブートされた直後であっても、直近の累計値LP、クリア累計値CP及びクリア計数値CTは、不揮発性メモリに保持されている。t14の時、直近の累計値LPには、前回送信された累計値P=4が記憶されており(図9のステップS902おいてYes)、「LP=4」となる。t14の時、情報掲示装置40がクリアされた直後でなく(図9のステップS903においてNo)、直近の累計値LPが累計値Pより大きくなく(図9のステップS907においてNo)、クリア累計値CPが累計値Pより大きくない(図9のステップS908においてNo)。このため、t14の時、クリア累計値CP及びクリア計数値CTは、t11の時のクリア累計値CP=0及びクリア計数値CT=0のままであり、「CP=0」及び「CT=0」となる。
よって、計数値Tは、図9のステップS910を用いて「T=0+5−0=5」と計数され、記憶される(図9のステップS911)。
図10のt15は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から7回目に出力された時であって、情報掲示装置40がクリアされた直後であるとする。t15の時、今回送信された累計値Pは、「P=7」である。t15の時、直近の累計値LPには、前回送信された累計値P=6が記憶されており(図9のステップS902おいてYes)、「LP=6」となる。t15の時、情報掲示装置40がクリアされた直後であるため(図9のステップS903においてYes)、クリア累計値CP及びクリア計数値CTには、CP=P及びCT=1が設定され、「CP=7」及び「CT=1」となる(図9のステップS906)。
よって、計数値Tは、図9のステップS910を用いて「T=1+7−7=1」と計数され、記憶される(図9のステップS911)。
図10のt16は、特定の種類の遊技情報が、遊技機器2から9回目に出力された後に、遊技機器2がクリアされた直後であるとする。t16の時、遊技機器2のクリア後に初めて遊技情報が出力される時であり、今回送信された累計値Pは、「P=1」である。t16の時、直近の累計値LPには、前回送信された累計値P=9が記憶されており(図9のステップS902おいてYes)、「LP=9」となる。t15の時、情報掲示装置40がクリアされた直後ではなく(図9のステップS903においてNo)、直近の累計値LPが累計値Pより大きいため(図9のステップS907においてYes)、クリア累計値CP及びクリア計数値CTには、CP=(P−1)及びCT=Tが設定され、「CP=1−1=0」及び「CT=3」となる(図9のステップS909)。
よって、計数値Tは、図9のステップS910を用いて「T=3+1−0=4」と計数され、記憶される(図9のステップS911)。
このように、実施形態2に係る累計値解析処理では、直近の累計値LP、クリア累計値CP及びクリア計数値CTが不揮発性メモリに記憶されており、これらを用いて、現在の計数値Tが正確に計数される。すなわち、実施形態2に係る累計値解析処理では、直近の計数値Tが記憶されていなくても、クリアされた直後の計数値(クリア計数値CT)を、クリアされた直後からの累計値の増加量(P−CP)で更新することによって、現在の計数値Tが正確に計数される。それにより、情報掲示装置40は、今回送信された電文に含まれる遊技情報が遊技機器2から出力された際の正規な遊技状態を特定することができる。
なお、上述のように、実施形態2に係る累計値解析処理においても、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれでの主な処理内容が略同じである。このため、図9及び図10で説明された内容は、管理装置端末50で実行される累計値解析処理にも当てはまる。また、上述のように、累計値が貸出情報に基づいて生成された場合の累計値解析処理の主な処理内容も、累計値が遊技情報に基づいて生成された場合と同様である。このため、図9及び図10で説明された内容は、累計値が貸出情報に基づいて生成された場合の累計値解析処理にも当てはまる。
したがって、実施形態2に係る遊技システム1では、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれが、自身の停止直前に不揮発性メモリに記憶した直近の累計値LP、クリア累計値CP及びクリア計数値CTと、復旧後に送信された累計値Pとを用いて、現在の計数値Tを正確に計数することができる。それにより、実施形態2に係る遊技システム1では、情報掲示装置40又は管理装置端末50の停止中における遊技状態又は貸出状態の変化分の情報を消失することなく、今回送信された電文に含まれる遊技機器2の正規な遊技状態又は貸出状態を特定することができる。
なお、実施形態2の遊技システム1における他の構成、動作及び作用効果については、実施形態1の遊技システム1と同様であるため、その説明を省略する。
図11は、本発明の実施形態3に係る中継装置30から送信される電文の構成を示す図である。
実施形態3に係る中継装置30から送信される電文には、複数の累計値を加算したハッシュ値が含まれてもよい。当該複数の累計値のそれぞれは、異なる種類の遊技情報から算出された累計値であってもよい。
実施形態3に係る中継装置30は、上述の実施形態1及び2と同様に、遊技情報の種類に応じた複数種類の累計値Pを、それぞれP1、・・・、Pnとして算出し、記憶している。
実施形態3に係る中継装置30は、特定の種類の遊技情報が入力されると、当該特定の種類の累計値P1を算出し、記憶する。中継装置30は、現在記憶されている、当該特定の種類以外の種類の累計値P2、P3、・・・、Pnを読み出す。中継装置30は、次式に示されるように、現在記憶された全累計値P1乃至Pnを加算して、ハッシュ値Hを算出する。
H=P1+P2+・・・・+Pn
実施形態3に係る中継装置30は、入力された特定の種類の遊技情報に対応する信号番号と、当該特定の種類の累計値P1と、ハッシュ値Hとを含むデータを作成すると共に、誤り検出符号及びコマンド等を付加して、図11に示されるような電文を生成する。そして、中継装置30は、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して、生成された電文を一斉に送信する。
実施形態3に係る情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、上述の実施形態1及び2と同様に、遊技情報の種類に応じた複数種類の計数値Tを、それぞれT1、T2、・・・、Tnとして算出し、記憶している。また、実施形態3に係る情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、上述の実施形態1及び2と同様に、遊技情報の種類に応じた複数種類の累計値LPを、それぞれLP1、LP2、・・・、LPnとして記憶している。
実施形態3に係る情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、上述の実施形態1又は2に係る累計値解析処理と同様の処理を行って、今回送信された当該特定の種類の累計値P1に対応する計数値T1を計数し、記憶する。また、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、現在記憶されている、複数種類の累計値LP1、LP2、・・・、LPnを読み出す。情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、次式に示されるように、現在記憶された全累計値LP1乃至LPnを加算して、ハッシュ値H’を算出する。
H’=LP1+LP2+・・・・+LPn
そして、実施形態3に係る情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、今回送信されたハッシュ値Hと、算出されたハッシュ値H’とを比較する。情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、今回送信されたハッシュ値Hと、算出されたハッシュ値H’とが同じ値であれば、累計値解析処理を終了する。一方、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、今回送信されたハッシュ値Hと、算出されたハッシュ値H’とが異なる値であれば、中継装置30に対して「全電文再送要求」を送信する。全電文再送要求は、全累計値P1乃至Pnをそれぞれ含む全電文を中継装置30に再送させるための要求である。
実施形態3に係る中継装置30は、情報掲示装置40及び管理装置端末50の何れかから全電文再送要求が送信されると、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して、全電文のそれぞれを順次再送する。この際、実施形態3に係る中継装置30は、上述の実施形態1及び2と同様に、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれに対して同じ内容の電文を一斉に再送する。
実施形態3に係る情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、再送された各電文に含まれる累計値P1乃至Pnのそれぞれを用いて、計数値T1乃至Tnのそれぞれを再計数し、記憶する。また、実施形態3に係る情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、累計値LP1乃至LPnを用いてハッシュ値H’を算出する。なお、ハッシュ値H’を算出する場合、情報掲示装置40及び管理装置端末50のそれぞれは、全電文を受信した後に算出する。
ここで、実施形態3に係る情報掲示装置40及び管理装置端末50の何れかがリブートした場合、リブートした直後に送信されるハッシュ値Hと、算出されるハッシュ値H’とは、必ず異なる値となるため、中継装置30には全電文再送要求が送信される。また、通信エラーが発生し、情報掲示装置40及び管理装置端末50に累計値が不達となる期間が発生した場合、通信エラーが復旧した直後に送信されるハッシュ値Hと、算出されるハッシュ値H’とは、必ず異なる値となるため、中継装置30には全電文再送要求が送信される。
したがって、実施形態3に係る遊技システム1では、情報掲示装置40及び管理装置端末50の何れかがリブートしたり、通信エラーが発生した場合であっても、全累計値P1乃至Pnをそれぞれ含む全電文が中継装置30から直ちに再送される。それにより、実施形態3に係る遊技システム1では、直ちに全計数値T1乃至Tnを計数することができ、遊技機器2の正規な遊技状態又は貸出状態を迅速に特定可能とすることができる。
なお、実施形態3の遊技システム1における他の構成、動作及び作用効果については、実施形態1及び2の遊技システム1と同様であるため、その説明を省略する。
[6.その他]
上述の実施形態は、本発明を、パチンコ台を備える遊技システムに適用した例であるが、遊技メダルを遊技媒体として用いた遊技を遊技者に提供する遊技台10であるスロット台を備える遊技システムにも適用することができる。
上述の実施形態において、遊技システム1は、特許請求の範囲に記載された「遊技システム」の一例に該当する。遊技機器2は、特許請求の範囲に記載された「遊技機器」の一例に該当する。情報機器3は、特許請求の範囲に記載された「情報機器」の一例に該当する。遊技台10は、特許請求の範囲に記載された「遊技台」の一例に該当する。貸出装置20は、特許請求の範囲に記載された「貸出装置」の一例に該当する。中継装置30は、特許請求の範囲に記載された「中継装置」の一例に該当する。情報掲示装置40は、特許請求の範囲に記載された「第1情報機器」の一例に該当する。管理装置端末50は、特許請求の範囲に記載された「第2情報機器」の一例に該当する。管理装置60は、特許請求の範囲に記載された「管理装置」の一例に該当する。
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用し得ることは、当業者には明らかであろう。
上述の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、特許請求の範囲を逸脱することなく本発明の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」及び「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。