JP6852801B2 - ナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法、ナノカーボンの回収方法 - Google Patents

ナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法、ナノカーボンの回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法およびナノカーボンの回収方法に関する。
単層カーボンナノチューブは、高い電子移動度を持ち、その機械的特性、電気的特性、化学的特性等から様々な分野への適用が期待されている。単層カーボンナノチューブは、半導体性と金属性の異なる性質を持つ材料が2:1の割合で含まれる混合物として合成されるため、工業的に応用するためには、性質毎に高純度かつ速やかに分離を行う必要がある。
単層カーボンナノチューブの混合物を分離する方法としては、例えば、異なる複数の電荷を持つナノカーボンミセル群に分散した、ナノカーボン材料の分散溶液と、ナノカーボン材料と異なる比重を持つ保持溶液とを、電気泳動槽内に所定の方向に積層して導入配置する工程と、積層して導入配置した分散溶液と保持溶液に、直列方向に直流電圧を印加することにより、該ナノカーボンミセル群を2以上のナノカーボンミセル群に分離する工程と、を含むナノカーボン材料分離方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、単層カーボンナノチューブを非イオン性界面活性剤溶液中へ分散した単層カーボンナノチューブ含有ミセル分散溶液に対して縦型に設置された分離槽内で直流電圧を印加し、各ミセルが全体として正電荷を有する金属性単層カーボンナノチューブの濃縮されている単層カーボンナノチューブ含有ミセル分散液層と、各ミセルが全体としては極めて弱い電荷しか有しない半導体性単層カーボンナノチューブ含有ミセル分散液の層との、少なくとも2層に分離する工程を有する単層カーボンナノチューブ分離方法であって、直流電圧が、分離槽の上部に設置された陰極と、下部設置された陽極とにより印加され、電界の方向が重力方向と平行で上方に向いている単層カーボンナノチューブ分離方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第5541283号公報 特許第5717233号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載の分離方法では、一度に多量の単層カーボンナノチューブの混合物を分離するために、分離槽の直径を拡大すると、直径の拡大に伴って、分離槽内において、単層カーボンナノチューブを含む分散液の対流等による擾乱が生じて、分離に時間を要するという課題があった。
本発明は、ナノカーボンの混合物の分離において、分離効率を向上させる、または分離に要する時間を短縮する、ナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法およびナノカーボンの回収方法を提供することを目的とする。
本発明のナノカーボン分離装置は、ナノカーボンを含む分散液を収容する分離槽と、前記分離槽内の上部に設けられた第1の電極と、前記分離槽内の下部に設けられた第2の電極と、前記分離槽内にて前記第1の電極と前記第2の電極の間に設けられた区画部材と、を備え、前記区画部材は、前記分離槽を複数の領域に区画する。
本発明のナノカーボンの分離方法は、本発明のナノカーボン分離装置を用いたナノカーボンの分離方法であって、前記分離槽にナノカーボンを含む分散液を注入する工程と、前記第1の電極と前記第2の電極に直流電圧を印加し、前記分散液に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程と、を有する。
本発明のナノカーボンの回収方法は、本発明のナノカーボン分離装置を用いたナノカーボンの回収方法であって、前記ナノカーボン分離装置による分離操作が終了した後、前記分離槽から前記分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブまたは半導体型ナノカーボンを回収する。
本発明によれば、ナノカーボンの混合物の分離において、分離効率を向上させることができる。または、本発明によれば、性質の異なるナノカーボンの分離において、分離に要する時間を短縮することができる。
第1の実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。 図1のA−A線に沿う断面図の一例である。 図1のA−A線に沿う断面図の他の例である。 本発明のナノカーボンの分離方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。 第3のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。 第4の実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。 第5の実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。 第6の実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。
本発明のナノカーボン分離装置、ナノカーボンの分離方法およびナノカーボンの回収方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]
(ナノカーボン分離装置)
図1は、本実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。
本実施形態のナノカーボン分離装置10は、分離槽(電気泳動槽)11と、分離槽11内の上部に設けられた第1の電極12と、分離槽11内の下部に設けられた第2の電極13と、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた区画部材14と、を備える。
区画部材14は、分離槽11を複数の領域に区画する。区画部材14は、壁部14Aを有する。壁部14Aが分離槽11の上下方向に延在している。区画部材14は、複数の壁部14Aを有していてもよい。
第1の電極12は、分離槽11内にて、その高さ方向の上方(分離槽11内にて、その高さの半分より上の領域、分離槽11の内底面11aとは反対側の領域)に配置されている。
第2の電極13は、分離槽11内にて、その高さ方向の下方(分離槽11内にて、その高さの半分より下の領域、分離槽11の内底面11a側の領域)に配置されている。
本実施形態のナノカーボン分離装置10において、例えば、第1の電極12が陰極、第2の電極13が陽極である。この場合、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加すると、電界の向きが分離槽11の下方から上方へ向かう。
分離槽11は、ナノカーボンを含む分散液(以下、「ナノカーボンの分散液」という。)30を収容可能な空間を有する。分離槽11は、無担体電気泳動により、収容したナノカーボンの分散液30に分散した、ナノカーボンの分離を行うためのものである。分離槽11は、ナノカーボンの分散液30を収容できるものであれば、その形状や大きさは特に限定されない。
分離槽11は、中空管形状を有する容器である。分離槽11は、上端に開口を有する。分離槽11の下端は閉じられており、容器の底になっている。
分離槽11の材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。分離槽11の材質としては、例えば、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
第1の電極12および第2の電極13としては、無担体電気泳動法に用いることができ、ナノカーボンの分散液30に対して安定なものであれば特に限定されない。第1の電極12および第2の電極13としては、例えば、白金電極等が挙げられる。
第1の電極12および第2の電極13の構造は、特に限定されず、分離槽11内において、区画部材14によって区画される領域の形状や大きさに応じて適宜選択される。第1の電極12の構造は、区画部材14の上部に配置され、かつ分離槽20内において、区画部材14の上端の全域に拡がるように配置されるものであれば特に限定されない。第2の電極13の構造としては、区画部材14の下部に配置され、かつ分離槽20内において、区画部材14の下端の全域に拡がるように配置されるものであれば特に限定されない。第1の電極12および第2の電極13の構造としては、例えば、分離槽11の平面視において、円環状、円板状、棒状等が挙げられる。また、第1の電極12および第2の電極13の構造としては、多数の微細孔が均質に設けられた多孔板状が挙げられる。図1には、円板状の第1の電極12および第2の電極13を示す。
区画部材14は、分離槽11の上下方向に延在する板状部材15からなり、分離槽11内に板状部材15が複数設置されている。また、複数の板状部材15が、図1に示すように、分離槽11の水平方向に沿って並べられている。これにより、区画部材14によって、分離槽11内が複数の領域に区画されている。板状部材15は、一方の主面15aを有する。
板状部材15は、分離槽11内における第1の電極12と第2の電極13の間の領域にて、その領域の高さ方向のほぼ全域にわたって延在することが好ましい。
板状部材15の大きさ(一方の主面15aの面積)は、特に限定されないが、分離槽11内に板状部材15を配置した場合に、板状部材15の一方の側面15bおよび一方の側面15bと反対側の側面が分離槽11の内側面11b近傍に配置される程度であることが好ましい。
板状部材15の厚さは、特に限定されないが、分離槽11の大きさや分離槽11内に配置する板状部材15の数等に応じて適宜調整される。
板状部材15同士の分離槽11の水平方向における間隔は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。また、板状部材15の数は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。
板状部材15の材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。板状部材15の材質としては、例えば、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
本実施形態のナノカーボン分離装置10は、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口(図示略)を備えていてもよい。注入口は、分離槽11にて、その高さ方向の上方(分離槽11にて、その高さの半分より上の領域、分離槽11の内底面11aとは反対側の領域)に設けられていてもよい。分離槽11の上端を開口部11cとした場合、その開口部11cが、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口であってもよい。また、分離槽11の上部からナノカーボンの分散液30を吸引し、ナノカーボンの分散液30を回収する場合、分離槽11の上端を開口部11cが、分離槽11からナノカーボンの分散液30を回収する回収口を兼ねていてもよい。
また、図2に示すように、ナノカーボン分離装置10は、分離槽11の下端に、分離槽11の内底面11aに連通する注入/回収口16を備えていてもよい。注入/回収口16は、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入、および、分離槽11からナノカーボンの分散液30を回収するために用いられる。また、注入/回収口16は、すり合わせを有する回転式のコック17等の密閉構造を備えていてもよい。
分離槽11のうち、内底面11aをなし、注入/回収口16と連通する部分は、注入/回収口16側に向かうに従って次第に幅(径)が小さくなるテーパ形状をなしている。分離槽11の内底面11aがテーパ形状をなすことにより、分離槽11の内のナノカーボンの分散液30を、円滑に回収することができる。
分離槽11の底部の注入/回収口16を介して、例えば、ペリスタポンプ等を用いて静かにナノカーボンの分散液30の注入、および、回収を行うことにより、注入/回収時に、液面の変化に合わせて注入/回収口を移動させる必要がなく、分離槽11内部の液相界面を乱すことなく、注入/回収操作を行うことができる。また、分離槽11を高容量化した場合に、長い注入/回収ノズルを用意する必要もなく、非常に合理的である。
また、図3に示すように、ナノカーボン分離装置10は、分離槽11とは別に、分離槽11の上部からナノカーボンの分散液30を吸引し、ナノカーボンの分散液30を回収する吸引装置20を備えていてもよい。吸引装置20は、分離槽11内からナノカーボンの分散液30を吸引するために、マイクロシリンジ等からなる吸引管21を備えている。吸引管21は、吸引装置20の本体から分離槽11内の任意の位置まで延出している。
また、後述するナノカーボン分離装置10を用いた、ナノカーボンの分離方法において、分離槽11内に温度勾配が生じると、分離槽11内にてナノカーボンの分散液30の対流現象が生じることがある。その結果、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを安定に分離することができなくなる。そこで、ナノカーボン分離装置10は、分離槽11内のナノカーボンの分散液30の温度を一定に保つための温度調節手段を備えることが好ましい。温度調節手段としては、特に限定されず、容器内に収容された液体の温度を一定に保つことができるものであれば、例えば、水冷ジャケットの装着等、いかなる手段でも用いることができる。
本実施形態のナノカーボン分離装置10では、第1の電極12が陰極、第2の電極13が陽極である場合を例示したが、本実施形態のナノカーボン分離装置10はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボン分離装置10にあっては、第1の電極12が陽極、第2の電極13が陰極であってもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置10によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の板状部材15からなる区画部材14を設けることにより、例えば、後述するナノカーボンの分離方法を実施する、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程において、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じて、ナノカーボンの分散液30の対流等による擾乱が生じることを抑制できる。したがって、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを得ることができる。
(ナノカーボンの分離方法)
図1〜図4を用いて、ナノカーボン分離装置10を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明するとともに、ナノカーボン分離装置10の作用を説明する。
図4は、本実施形態のナノカーボンの分離方法を示すフローチャートである。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入する工程(以下、「注入工程」という。)と、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加し、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程(以下、「分離工程」という。)と、を有する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法において、ナノカーボンとは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノツイス卜、グラフェン、フラーレン等の主に炭素から構成される炭素材料を意味する。本実施形態のナノカーボンの分離方法では、ナノカーボンとして単層カーボンナノチューブが分散した分散液から、半導体型単層カーボンナノチューブと、金属型単層カーボンナノチューブと、を分離する場合について詳述する。
単層カーボンナノチューブは、チューブの直径、巻き方によって金属型と半導体型という2つの異なる性質に分かれることが知られている。従来の製造方法を用いて単層カーボンナノチューブを合成すると、金属的な性質を有する金属型単層カーボンナノチューブと半導体的な性質を有する半導体型単層カーボンナノチューブが統計的に1:2の割合で含まれる単層カーボンナノチューブの混合物が得られる。
単層カーボンナノチューブの混合物は、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブとを含むものであれば特に制限されない。また、本実施形態における単層カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ単体であってもよいし、一部の炭素が任意の官能基で置換された単層カーボンナノチューブや、任意の官能基で修飾された単層カーボンナノチューブであってもよい。
まず、単層カーボンナノチューブの混合物が、界面活性剤とともに分散媒に分散した単層カーボンナノチューブ分散液を調製する。
分散媒としては、単層カーボンナノチューブの混合物を分散させることができるものであれば特に限定されない。分散媒としては、例えば、水、重水、有機溶媒、イオン液体等が挙げられる。これらの分散媒の中でも、単層カーボンナノチューブが変質しないことから、水または重水が好適に用いられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤等が用いられる。単層カーボンナノチューブにナトリウムイオン等のイオン性の不純物が混入することを防ぐためには、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、イオン化しない親水性部位とアルキル鎖等の疎水性部位とを有する非イオン性界面活性剤が用いられる。このような非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系に代表されるポリエチレングリコール構造を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。
このような非イオン性界面活性剤としては、下記式(1)で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好適に用いられる。
2n(OCHCHOH (1)
(但し、n=12〜18、m=20〜100である。)
上記式(1)で表わされるポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(商品名:Brij L23、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(商品名:Brij C20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(商品名:Brij S20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(商品名:Brij O20、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(商品名:Brij S100、シグマアルドリッチ社製)等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート(分子式:C6412626、商品名:Tween 60、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレンソルビタントリオレアート(分子式:C2444、商品名:Tween 85、シグマアルドリッチ社製)、オクチルフェノールエトキシレート(分子式:C1422O(CO)、n=1〜10、商品名:Triton X−100、シグマアルドリッチ社製)、ポリオキシエチレン(40)イソオクチルフェニルエーテル(分子式:C1740(CHCH2040H、商品名:Triton X−405、シグマアルドリッチ社製)、ポロキサマー(分子式:C10、商品名:Pluronic、シグマアルドリッチ社製)、ポリビニルピロリドン(分子式:(CNO)、n=5〜100、シグマアルドリッチ社製)等を用いることもできる。
単層カーボンナノチューブ分散液における非イオン性界面活性剤の含有量は、0.1wt%以上5wt%以下であることが好ましく、0.5wt%以上2wt%以下であることがより好ましい。
非イオン性界面活性剤の含有量が0.1wt%以上であれば、無担体電気泳動法によって、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液のpH勾配を形成することができる。一方、非イオン性界面活性剤の含有量が5wt%以下であれば、単層カーボンナノチューブ分散液の粘度が高くなり過ぎることがなく、無担体電気泳動法によって容易に、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離することができる。
単層カーボンナノチューブ分散液における単層カーボンナノチューブの含有量は、1μg/mL以上100μg/mL以下であることが好ましく、5μg/mL以上40μg/mL以下であることがより好ましい。
単層カーボンナノチューブの含有量が上記の範囲であれば、無担体電気泳動法によって容易に、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離することができる。
単層カーボンナノチューブ分散液を調製する方法としては、特に限定されず、公知の方法が用いられる。例えば、単層カーボンナノチューブの混合物と界面活性剤を含む分散媒の混合液を超音波処理して、分散媒に、単層カーボンナノチューブの混合物を分散させる方法が挙げられる。この超音波処理により、凝集していた金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブが充分に分離し、単層カーボンナノチューブ分散液は、分散媒に金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブが均一に分散したものとなる。したがって、後述する無担体電気泳動法により、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離し易くなる。なお、超音波処理により分散しなかった金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブは、超遠心分離により分離、除去することが好ましい。
次いで、注入工程にて、上述のように調製した単層カーボンナノチューブ分散液を、分離槽11に注入する(ST1)。
また、分離槽11に単層カーボンナノチューブ分散液を注入することにより、単層カーボンナノチューブ分散液に第1の電極12と第2の電極13が接する。本実施形態では、単層カーボンナノチューブ分散液に第1の電極12と第2の電極13を浸漬した。
次いで、分離工程にて、無担体電気泳動法により、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する(ST2)。
第1の電極12と第2の電極13に、所定時間(例えば、1時間〜24時間)、直流電圧を印加することにより、分離槽11内にて、電界を形成する。具体的には、電界の向きが分離槽11の下方から上方へ向かうように電界を形成する。この電界と、単層カーボンナノチューブの電荷とにより生じる電気泳動力により、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる単層カーボンナノチューブの混合物が、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブとに分離される。
非イオン性界面活性剤を含む単層カーボンナノチューブ分散液中では、金属型単層カーボンナノチューブが正電荷を有し、半導体型単層カーボンナノチューブが極めて弱い負電荷を有する。
したがって、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加すると、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる単層カーボンナノチューブの混合物のうち、金属型単層カーボンナノチューブが第1の電極12(陰極)側に移動し、半導体型単層カーボンナノチューブが第2の電極13(陽極)側に移動する。その結果として、単層カーボンナノチューブ分散液は、相対的に金属型単層カーボンナノチューブの含有量が多い分散液相(以下、「分散液相A」という。)と、相対的に半導体型単層カーボンナノチューブの含有量が多い分散液相(以下、「分散液相B」という。)と、分散液相Aと分散液相Bの間に形成され、相対的に金属型単層カーボンナノチューブおよび半導体型単層カーボンナノチューブの含有量が少ない分散液相(以下、「分散液相C」という。)との3相に相分離する。
本実施形態では、第1の電極12側に分散液相Aが形成され、第2の電極13側に分散液相Bが形成される。
第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧は、特に限定されず、第1の電極12と第2の電極13との間の距離や単層カーボンナノチューブ分散液における単層カーボンナノチューブの混合物の含有量等に応じて適宜調整される。
単層カーボンナノチューブ分散液の分散媒として、水または重水を用いた場合、第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧を、0Vより大きく、1000V以下の間の任意の値とする。
例えば、第1の電極12と第2の電極13の距離(電極間距離)が30cmである場合、第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧は、15V以上450V以下であることが好ましく、30V以上300V以下であることがより好ましい。
第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧が15V以上であれば、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液のpH勾配を形成して、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離することができる。一方、第1の電極12と第2の電極13に印加する直流電圧が450V以下であれば、水または重水の電気分解による影響を抑えられる。
また、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加したとき、第1の電極12と第2の電極13の間の電界は、0.5V/cm以上15V/cm以下であることが好ましく、1V/cm以上10V/cm以下であることがより好ましい。
第1の電極12と第2の電極13の間の電界が0.5V/cm以上であれば、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液のpH勾配を形成して、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離することができる。一方、第1の電極12と第2の電極13の間の電界が15V/cm以下であれば、水または重水の電気分解による影響を抑えられる。
ところで、無担体電気泳動法により、単層カーボンナノチューブの混合物の分離を開始すると、単層カーボンナノチューブが、分離槽11の高さ方向に沿って移動する。また、単層カーボンナノチューブは、分離槽11の高さ方向と垂直な方向(水平方向)にも移動する。この単層カーボンナノチューブの移動により、単層カーボンナノチューブ分散液に、分離槽11内に水平方向の流れが生じる。分離槽11内に水平方向の流れが生じると、単層カーボンナノチューブ分散液を分散液相Aと分散液相Bに相分離するための時間が長くなる。特に、分離槽11の容積が大きくなるに伴って、分離槽11の内径が拡大した場合、相分離に要する時間が長くなる。そこで、本実施形態のナノカーボンの分離方法では、分離槽11内に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の板状部材15からなる区画部材14を設けて、分離槽11内を複数の領域に区画している。これにより、分離工程において、無担体電気泳動法によって、分離槽11内にて、単層カーボンナノチューブ分散液を相分離する際、分離槽11内に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。その結果、内径が大きな分離槽11を用いた場合にも、単層カーボンナノチューブ分散液を分散液相Aと分散液相Bに相分離する効率や速度を向上させることができる。
本実施形態のナノカーボンの分離方法によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の板状部材15からなる区画部材14を設けることにより、分離槽11内に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。この結果、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
なお、本実施形態のナノカーボンの分離方法では、単層カーボンナノチューブの混合物を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離する場合を例示したが、本実施形態のナノカーボンの分離方法はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボンの分離方法は、例えば、分離槽11内にて、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離した後、目的の性質を有する単層カーボンナノチューブのみを回収する、単層カーボンナノチューブの精製方法として行ってもよい。
(ナノカーボンの回収方法)
本実施形態のナノカーボンの回収方法は、本実施形態のナノカーボン分離装置10を用いたナノカーボンの回収方法であって、本実施形態のナノカーボン分離装置10を用いたナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から、分離した分散液相Aと分散液相Bとをそれぞれ回収(分取)する。
回収方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
本実施形態のナノカーボンの回収方法では、回収方法としては、例えば、次のような2つの方法が用いられる。
回収方法としては、例えば、図2に示すように、ナノカーボン分離装置10に設けられた、回転式のコック17を有する注入/回収口16を用いる方法が挙げられる。
この回収方法では、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加したまま、コック17を回転させて、分離槽11と注入/回収口16を連通させ、注入/回収口16から分散液相Bの単層カーボンナノチューブ分散液を連続的に排出し、半導体型単層カーボンナノチューブの含有量が多い単層カーボンナノチューブ分散液を回収する。続いて、注入/回収口16から分散液相Cの単層カーボンナノチューブ分散液を連続的に排出した後、注入/回収口16から分散液相Aの単層カーボンナノチューブ分散液を連続的に排出し、金属型単層カーボンナノチューブの含有量が多い単層カーボンナノチューブ分散液を回収する。
回収方法としては、例えば、図3に示すように、分離槽11とは別に設けられた吸引装置20を用いる方法が挙げられる。
この回収方法では、第1の電極12と第2の電極13への直流電圧の印加を止め、分離槽11の上部から、マイクロシリンジ等からなる吸引管21により、それぞれの分散液相から、その分散液相をかき乱さないように、単層カーボンナノチューブ分散液を少量ずつ吸引する。
回収した単層カーボンナノチューブ分散液を、再び、分離槽11に収容し、上述と同様にして、無担体電気泳動法により、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する操作を繰り返し実施することにより、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
回収した分散液の分離効率は、顕微Raman分光分析法(Radial Breathing Mode(RBM)領域のRamanスペクトルの変化、Breit−Wigner−Fano(BWF)領域のRamanスペクトル形状の変化)、および紫外可視近赤外吸光光度分析法(吸収スペクトルのピーク形状の変化)等の手法により評価することができる。また、単層カーボンナノチューブの電気的特性について評価することによっても、分散液の分離効率を評価することができる。例えば、電界効果トランジスタを作製して、そのトランジスタ特性を測定することによって、分散液の分離効率を評価することができる。
本実施形態のナノカーボンの回収方法によれば、本実施形態のナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から、分離した金属型単層カーボンナノチューブまたは半導体型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができる。
[第2の実施形態]
(ナノカーボン分離装置)
図5は、本実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。
なお、図5において、図1に示した第1の実施形態のナノカーボン分離装置と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態のナノカーボン分離装置100は、分離槽(電気泳動槽)11と、分離槽11内の上部に設けられた第1の電極12と、分離槽11内の下部に設けられた第2の電極13と、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた区画部材101と、を備える。
区画部材101は、分離槽11を複数の領域に区画する。区画部材101は、壁部101Aを有する。壁部101Aが分離槽11の上下方向に延在している。区画部材101は、複数の壁部101Aを有していてもよい。
区画部材101は、図5に示すように、分離槽11の水平方向に沿って並べられ、複数の板状部材102である。板状部材102は、分離槽11の上下方向に延在する。
区画部材101は、分離槽11の高さ方向において上下に分割されている。言い換えれば、板状部材102は、分離槽11の高さ方向において上下に2分割された第1の板状部材103と第2の板状部材104とから構成されている。すなわち、第1の板状部材103と第2の板状部材104は、分離槽11の高さ方向において、同一面上に配置されている。第1の板状部材103は分離槽11内の上部に設けられ、第2の板状部材104は分離槽11内の下部に設けられている。板状部材102を分割する位置、すなわち、第1の板状部材103と第2の板状部材104における分離槽11の高さ方向の長さは、特に限定されず、無担体電気泳動法によって分離槽11内に形成される分散液相Aと分散液相Bの高さ等に応じて適宜設定される。また、第1の板状部材103と第2の板状部材104の分離槽11の高さ方向における間隔は、特に限定されず、無担体電気泳動法によって分離槽11内に形成される分散液相Aと分散液相Bの高さ等に応じて適宜設定される。
第1の板状部材103は、一方の主面103aを有する。
第2の板状部材104は、一方の主面104aを有する。
これにより、区画部材101によって、分離槽11内が複数の領域に区画されている。
板状部材102は、第1の板状部材103と第2の板状部材104を1組とすることが好ましい。板状部材102は、分離槽11内における第1の電極12と第2の電極13の間の領域にて、その領域の高さ方向のほぼ全域にわたって延在することが好ましい。
第1の板状部材103の大きさ(一方の主面103aの面積)および第2の板状部材104の大きさ(一方の主面104aの面積、一方の主面104aと反対側の主面の面積)は、特に限定されない。しかし、分離槽11内に第1の板状部材103を配置した場合に、第1の板状部材103の一方の側面103bおよび一方の側面103bと反対側の側面が、分離槽11の内側面11b近傍に配置されることが好ましい。同様に、分離槽11内に第2の板状部材104を配置した場合に、第2の板状部材104の一方の側面104bおよび一方の側面104bと反対側の側面が分離槽11の内側面11b近傍に配置される程度であることが好ましい。
第1の板状部材103および第2の板状部材104の厚さは、特に限定されないが、分離槽11の大きさや分離槽11内に配置する、第1の板状部材103および第2の板状部材104の数等に応じて適宜調整される。
板状部材102同士の分離槽11の水平方向における間隔は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。また、板状部材102の数は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。
板状部材102の材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。板状部材102の材質としては、例えば、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
本実施形態のナノカーボン分離装置100は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口(図示略)を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置100は、第1の実施形態と同様に、図2に示すように、分離槽11の下端に分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入、および、分離槽11からナノカーボンの分散液30を回収するための注入/回収口16を備えていてもよい。注入/回収口16は、すり合わせを有する回転式のコック17を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置100は、第1の実施形態と同様に、図3に示すように、分離槽11とは別に、分離槽11の上部からナノカーボンの分散液30を吸引する吸引装置20を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置100は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内のナノカーボンの分散液30の温度を一定に保つための温度調節手段を備えることが好ましい。
本実施形態のナノカーボン分離装置100によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の板状部材102からなる区画部材101を設けることにより、例えば、後述するナノカーボンの分離方法を実施する、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程において、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じて、ナノカーボンの分散液30の対流等による擾乱が生じることを抑制できる。したがって、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。この結果、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを得ることができる。
(ナノカーボンの分離方法)
図5を用いて、ナノカーボン分離装置100を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明するとともに、ナノカーボン分離装置100の作用を説明する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、第1の実施形態と同様に、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入する工程(注入工程)と、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加し、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程(分離工程)と、を有する。
注入工程にて、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入することにより、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13が接する。本実施形態では、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13を浸漬した。
本実施形態のナノカーボンの分離方法では、分離槽11内にて、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の板状部材102からなる区画部材101を設けて、分離槽11内を複数の領域に区画している。これにより、分離工程において、無担体電気泳動法によって、ナノカーボンの分散液30を相分離する際、分離槽11内に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。その結果、内径が大きな分離槽11を用いた場合にも、ナノカーボンの分散液30を分散液相Aと分散液相Bに相分離する速度または効率を向上させることができる。
本実施形態のナノカーボン分離装置100を用いたナノカーボンの分離方法によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の板状部材102からなる区画部材101を設けることにより、分離槽11内に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。この結果、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、分離槽11内にて、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離した後、目的の性質を有する単層カーボンナノチューブのみを回収する、単層カーボンナノチューブの精製方法として行ってもよい。
(ナノカーボンの回収方法)
本実施形態のナノカーボンの回収方法は、本実施形態のナノカーボン分離装置100を用いたナノカーボンの回収方法であって、本実施形態のナノカーボン分離装置100を用いたナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から、分離した分散液相Aと分散液相Bとをそれぞれ回収(分取)する。
回収方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
本実施形態のナノカーボンの回収方法では、回収方法としては、例えば、第1の実施形態と同様の方法が用いられる。
また、回収方法としては、例えば、第1の部材103と第2の部材104の間に仕切り板等を挿入して、第1の部材103側の分散液相Aと、第2の部材104側の分散液相Bとをそれぞれ回収する方法を用いてもよい。
また、第1の実施形態と同様にして、回収した分散液を、再び、分離槽11に収容し、無担体電気泳動法により、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する操作を繰り返し実施してもよい。
回収した分散液の分離効率は、第1の実施形態と同様にして、評価することができる。
本実施形態のナノカーボンの回収方法によれば、本実施形態のナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から、分離した金属型単層カーボンナノチューブまたは半導体型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができる。
[第3の実施形態]
(ナノカーボン分離装置)
図6は、本実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。
なお、図6において、図1に示した第1の実施形態のナノカーボン分離装置と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態のナノカーボン分離装置200は、分離槽(電気泳動槽)11と、分離槽11内の上部に設けられた第1の電極12と、分離槽11内の下部に設けられた第2の電極13と、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた区画部材201と、を備える。
区画部材201は、分離槽11を複数の領域に区画する。区画部材201は、壁部201Aを有する。壁部201Aが分離槽11の上下方向に延在している。区画部材201は、複数の壁部201Aを有していてもよい。
区画部材201は、図6に示すように、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の第1の板状部材202からなる第1の板状部材群203と、第1の板状部材群203に垂直に交わり、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の第2の板状部材204からなる第2の板状部材群205とを有する。これにより、区画部材201によって、分離槽11内が複数の領域に区画されている。言い換えれば、分離槽11は、平面視した場合に格子状をなす空間に区画されている。また、第1の板状部材202および第2の板状部材204は、分離槽11の上下方向に延在する。
第1の板状部材202は、一方の主面202aを有する。第1の板状部材202の一方の主面202aは、区画部材201の壁部201Aである。
第2の板状部材204は、一方の主面204aを有する。第2の板状部材204の一方の主面204aは、区画部材201の壁部201Aである。
第1の板状部材202および第2の板状部材204は、分離槽11内における第1の電極12と第2の電極13の間の領域にて、その空間の高さ方向のほぼ全域にわたって延在することが好ましい。
第1の板状部材202の大きさ(一方の主面202aの面積、一方の主面202aとは反対側の主面の面積)は、特に限定されないが、分離槽11内に第1の板状部材202を配置した場合に、第1の板状部材202の一方の側面202bおよび一方の側面202bと反対側の側面が分離槽11の内側面11b近傍に配置される程度であることが好ましい。
第1の板状部材202の厚さは、特に限定されないが、分離槽11の大きさや分離槽11内に配置する第1の板状部材202の数等に応じて適宜調整される。
また、第2の板状部材204の大きさ(一方の主面204aの面積、一方の主面204aとは反対側の主面の面積)は、特に限定されないが、分離槽11内に第2の板状部材204を配置した場合に、第2の板状部材204の一方の側面204bおよび一方の側面204bと反対側の側面が分離槽11の内側面11b近傍に配置される程度であることが好ましい。
第2の板状部材204の厚さは、特に限定されないが、分離槽11の大きさや分離槽11内に配置する第2の板状部材204の数等に応じて適宜調整される。
第1の板状部材202同士の分離槽11の水平方向における間隔、および第2の板状部材204同士の分離槽11の水平方向における間隔は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。また、第1の板状部材202および第2の板状部材204の数は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。
第1の板状部材202および第2の板状部材204の材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。第1の板状部材202および第2の板状部材204の材質としては、例えば、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
本実施形態のナノカーボン分離装置200は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口(図示略)を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置200は、第1の実施形態と同様に、図2に示すように、分離槽11の下端に分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入、および、分離槽11からナノカーボンの分散液30を回収するための注入/回収口16を備えていてもよい。注入/回収口16は、すり合わせを有する回転式のコック17を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置200は、第1の実施形態と同様に、図3に示すように、分離槽11とは別に、分離槽11の上部からナノカーボンの分散液30を吸引する吸引装置20を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置200は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内のナノカーボンの分散液30の温度を一定に保つための温度調節手段を備えることが好ましい。
本実施形態のナノカーボン分離装置200において、区画部材201は、第2の実施形態と同様に、分離槽11の高さ方向において上下に分割されていてもよい。言い換えれば、第1の板状部材202および第2の板状部材204は、分離槽11の高さ方向において上下に2分割されていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置200では、第1の板状部材202と第2の板状部材204が垂直に交わる場合を例示したが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態のナノカーボン分離装置200では、第1の板状部材202と第2の板状部材204が斜めに交わっていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置200によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の第1の板状部材202と複数の第2の板状部材204からなる区画部材201を設けることにより、例えば、後述するナノカーボンの分離方法を実施する、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程において、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じて、ナノカーボンの分散液30の対流等による擾乱が生じることを抑制できる。したがって、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。この結果、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを得ることができる。
(ナノカーボンの分離方法)
図6を用いて、ナノカーボン分離装置200を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明するとともに、ナノカーボン分離装置200の作用を説明する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、第1の実施形態と同様に、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入する工程(注入工程)と、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加し、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程(分離工程)と、を有する。
注入工程にて、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入することにより、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13が接する。本実施形態では、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13を浸漬した。
本実施形態のナノカーボンの分離方法では、分離槽11内にて、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の第1の板状部材202からなる第1の板状部材群203と、第1の板状部材群203に垂直に交わり、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の第2の板状部材204からなる第2の板状部材群205とからなる区画部材201を設けて、分離槽11内を複数の領域に区画している。これにより、分離工程において、無担体電気泳動法によって、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30を相分離する際、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。その結果、内径が大きな分離槽11を用いた場合にも、迅速かつ効率的に、ナノカーボンの分散液30を分散液相Aと分散液相Bに相分離する速度または効率を向上させることができる。
本実施形態のナノカーボン分離装置200を用いたナノカーボンの分離方法によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の第1の板状部材202からなる第1の板状部材群203と、第1の板状部材群203に垂直に交わり、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の第2の板状部材204からなる第2の板状部材群205とを有する区画部材201を設けることにより、分離槽11内に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。この結果、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、分離槽11内にて、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離した後、目的の性質を有する単層カーボンナノチューブのみを回収する、単層カーボンナノチューブの精製方法として行ってもよい。
(ナノカーボンの回収方法)
本実施形態のナノカーボンの回収方法は、本実施形態のナノカーボン分離装置200を用いたナノカーボンの回収方法であって、本実施形態のナノカーボン分離装置200を用いたナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から、分離した分散液相Aと分散液相Bとをそれぞれ回収(分取)する。
回収方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
本実施形態のナノカーボンの回収方法では、回収方法としては、例えば、第1の実施形態と同様の方法が用いられる。
また、区画部材201が、第2の実施形態と同様に、分離槽11の高さ方向において上下に分割されている場合、回収方法としては、例えば、上下に分割された区画部材201の間に仕切り板等を挿入して、分離槽11内の上部に配置された区画部材201側の分散液相Aと、分離槽11内の下部に配置された区画部材201側の分散液相Bとをそれぞれ回収する方法を用いてもよい。
また、第1の実施形態と同様にして、回収した分散液を、再び、分離槽11に収容し、無担体電気泳動法により、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する操作を繰り返し実施してもよい。
回収した分散液の分離効率は、第1の実施形態と同様にして、評価することができる。
本実施形態のナノカーボンの回収方法によれば、本実施形態のナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から、分離した金属型単層カーボンナノチューブまたは半導体型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができる。
[第4の実施形態]
(ナノカーボン分離装置)
図7は、本実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。
なお、図7において、図1に示した第1の実施形態のナノカーボン分離装置と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態のナノカーボン分離装置300は、分離槽(電気泳動槽)11と、分離槽11内の上部に設けられた第1の電極12と、分離槽11内の下部に設けられた第2の電極13と、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた区画部材301と、を備える。
区画部材301は、分離槽11を複数の領域に区画する。区画部材301は、複数の壁部301Aを有する。壁部301Aが分離槽11の上下方向に延在している。区画部材301は、複数の壁部301Aを有していてもよい。
区画部材301は、図7に示すように、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の筒状部材302である。これにより、区画部材301によって、分離槽11内が複数の領域に区画されている。詳細には、分離槽11内が、複数の筒状部材302と分離槽11によって形成される領域と、筒状部材302内の領域とにより、複数の領域に区画されている。また、筒状部材302は、分離槽11の上下方向に延在する。
筒状部材302は、表面302aを有する。筒状部材302の表面302aは、区画部材301の壁部301Aである。
筒状部材302は、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間の空間にて、その空間の高さ方向のほぼ全域にわたって延在することが好ましい。
筒状部材302の外径(筒状部材302の長手方向と垂直な断面における最大長さ)は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。
筒状部材302同士の分離槽11の水平方向における間隔は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。筒状部材302は、分離槽11内にて、等間隔に配置されていることが好ましい。
また、筒状部材302の数は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。
筒状部材302の構造は、特に限定されない。筒状部材302の構造としては、例えば、円筒状、三角形筒状、四角形筒状、五角以上の多角形筒状等が挙げられる。
筒状部材302の材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。筒状部材302の材質としては、例えば、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
本実施形態のナノカーボン分離装置300は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口(図示略)を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置300は、第1の実施形態と同様に、図2に示すように、分離槽11の下端に分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入、および、分離槽11からナノカーボンの分散液30を回収するための注入/回収口16を備えていてもよい。注入/回収口16は、すり合わせを有する回転式のコック17を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置300は、第1の実施形態と同様に、図3に示すように、分離槽11とは別に、分離槽11の上部からナノカーボンの分散液30を吸引する吸引装置20を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置300は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内のナノカーボンの分散液30の温度を一定に保つための温度調節手段を備えることが好ましい。
本実施形態のナノカーボン分離装置300において、区画部材301は、第2の実施形態と同様に、分離槽11の高さ方向において上下に分割されていてもよい。言い換えれば、筒状部材302は、分離槽11の高さ方向において上下に2分割されていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置300によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の筒状部材302を設けることにより、例えば、後述するナノカーボンの分離方法を実施する、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程において、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じて、ナノカーボンの分散液30の対流等による擾乱が生じることを抑制できる。したがって、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。この結果、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを得ることができる。
(ナノカーボンの分離方法)
図7を用いて、ナノカーボン分離装置300を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明するとともに、ナノカーボン分離装置300の作用を説明する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、第1の実施形態と同様に、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入する工程(注入工程)と、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加し、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程(分離工程)と、を有する。
注入工程にて、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入することにより、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13が接する。本実施形態では、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13を浸漬した。
本実施形態のナノカーボンの分離方法では、分離槽11内にて、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の筒状部材302からなる区画部材301を設けて、分離槽11内を複数の領域に区画している。これにより、分離工程において、無担体電気泳動法によって、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30を相分離する際、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。その結果、内径が大きな分離槽11を用いた場合にも、迅速かつ効率的に、ナノカーボンの分散液30を分散液相Aと分散液相Bに相分離する速度または効率を向上させることができる。
本実施形態のナノカーボン分離装置300を用いたナノカーボンの分離方法によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の筒状部材302からなる区画部材301を設けることにより、分離槽11内に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。この結果、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、分離槽11内にて、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離した後、目的の性質を有する単層カーボンナノチューブのみを回収する、単層カーボンナノチューブの精製方法として行ってもよい。
(ナノカーボンの回収方法)
本実施形態のナノカーボンの回収方法は、本実施形態のナノカーボン分離装置300を用いたナノカーボンの回収方法であって、本実施形態のナノカーボン分離装置300を用いたナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から、分離した分散液相Aと分散液相Bとをそれぞれ回収(分取)する。
回収方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
本実施形態のナノカーボンの回収方法では、回収方法としては、例えば、第1の実施形態と同様の方法が用いられる。
また、区画部材301が、第2の実施形態と同様に、分離槽11の高さ方向において上下に分割されている場合、回収方法としては、例えば、上下に分割された区画部材301の間に仕切り板等を挿入して、分離槽11内の上部に配置された区画部材301側の分散液相Aと、分離槽11内の下部に配置された区画部材301側の分散液相Bとをそれぞれ回収する方法を用いてもよい。
また、第1の実施形態と同様にして、回収した分散液を、再び、分離槽11に収容し、無担体電気泳動法により、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する操作を繰り返し実施してもよい。
回収した分散液の分離効率は、第1の実施形態と同様にして、評価することができる。
本実施形態のナノカーボンの回収方法によれば、本実施形態のナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から分離した金属型単層カーボンナノチューブまたは半導体型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができる。
[第5の実施形態]
(ナノカーボン分離装置)
図8は、本実施形態のナノカーボン分離装置を示す斜視図である。
なお、図8において、図1に示した第1の実施形態のナノカーボン分離装置と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態のナノカーボン分離装置400は、分離槽(電気泳動槽)11と、分離槽11内の上部に設けられた第1の電極12と、分離槽11内の下部に設けられた第2の電極13と、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の高さ方向に沿って延在するように設けられた区画部材401と、を備える。
区画部材401は、分離槽11を複数の領域に区画する。区画部材401は、複数の壁部401Aを有する。壁部401Aが分離槽11の上下方向に延在している。区画部材401は、複数の壁部401Aを有していてもよい。
区画部材401は、図8に示すように、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の柱状部材402である。これにより、区画部材401によって、分離槽11内が複数の空間に区画されている。また、柱状部材402は、分離槽11の上下方向に延在する。
柱状部材402は、表面402aを有する。柱状部材402の表面402aは、区画部材401の壁部401Aである。
柱状部材402は、分離槽11内にて第1の電極12と第2の電極13の間の空間にて、その空間の高さ方向のほぼ全域にわたって延在することが好ましい。
柱状部材402の外径(柱状部材402の長手方向と垂直な断面における最大長さ)は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。
柱状部材402同士の分離槽11の水平方向における間隔は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。柱状部材402は、分離槽11内にて、等間隔に配置されていることが好ましい。
また、柱状部材402の数は、特に限定されず、分離槽11内に収容されるナノカーボンの分散液30の量(体積)に応じて適宜設定される。
柱状部材402の構造は、特に限定されない。柱状部材402の構造としては、例えば、円柱状、三角柱状、四角柱状、五角以上の多角柱状等が挙げられる。
柱状部材402の材質は、ナノカーボンの分散液30に対して安定であり、かつ絶縁性の材質であれば特に限定されない。柱状部材402の材質としては、例えば、ガラス、石英、アクリル樹脂等が挙げられる。
本実施形態のナノカーボン分離装置400は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内にナノカーボンの分散液30を注入する注入口(図示略)を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置400は、第1の実施形態と同様に、図2に示すように、分離槽11の下端に分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入、および、分離槽11からナノカーボンの分散液30を回収するための注入/回収口16を備えていてもよい。注入/回収口16は、すり合わせを有する回転式のコック17を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置400は、第1の実施形態と同様に、図3に示すように、分離槽11とは別に、分離槽11の上部からナノカーボンの分散液30を吸引する吸引装置20を備えていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置400は、第1の実施形態と同様に、分離槽11内のナノカーボンの分散液30の温度を一定に保つための温度調節手段を備えることが好ましい。
本実施形態のナノカーボン分離装置400において、区画部材401は、第2の実施形態と同様に、分離槽11の高さ方向において上下に分割されていてもよい。言い換えれば、柱状部材402は、分離槽11の高さ方向において上下に2分割されていてもよい。
本実施形態のナノカーボン分離装置400によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の柱状部材402を設けることにより、例えば、後述するナノカーボンの分離方法を実施する、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程において、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じて、ナノカーボンの分散液30の対流等による擾乱が生じることを抑制できる。したがって、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。この結果、金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを得ることができる。
(ナノカーボンの分離方法)
図8を用いて、ナノカーボン分離装置400を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明するとともに、ナノカーボン分離装置400の作用を説明する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、第1の実施形態と同様に、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入する工程(注入工程)と、第1の電極12と第2の電極13に直流電圧を印加し、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程(分離工程)と、を有する。
注入工程にて、分離槽11にナノカーボンの分散液30を注入することにより、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13が接する。本実施形態では、ナノカーボンの分散液30に第1の電極12と第2の電極13を浸漬した。
本実施形態のナノカーボンの分離方法では、分離槽11内にて、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の柱状部材402からなる区画部材401を設けて、分離槽11内を複数の空間に区画している。これにより、分離工程において、無担体電気泳動法によって、分離槽11内にて、ナノカーボンの分散液30を相分離する際、ナノカーボンの分散液30に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。その結果、内径が大きな分離槽11を用いた場合にも、迅速かつ効率的に、ナノカーボンの分散液30を分散液相Aと分散液相Bに相分離する速度または効率を向上させることができる。
本実施形態のナノカーボン分離装置400を用いたナノカーボンの分離方法によれば、第1の電極12と第2の電極13の間に、分離槽11の水平方向に沿って並べられた複数の柱状部材402からなる区画部材401を設けることにより、分離槽11内に水平方向の流れが生じるのを抑制することができる。この結果、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを迅速かつ効率的に分離することができる。よって、純度が高い金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを得ることができる。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、分離槽11内にて、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離した後、目的の性質を有する単層カーボンナノチューブのみを回収する、単層カーボンナノチューブの精製方法として行ってもよい。
(ナノカーボンの回収方法)
本実施形態のナノカーボンの回収方法は、本実施形態のナノカーボン分離装置400を用いたナノカーボンの回収方法であって、本実施形態のナノカーボン分離装置400を用いたナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から分離した分散液相Aと分散液相Bとをそれぞれ回収(分取)する。
回収方法は、特に限定されず、分散液相Aと分散液相Bが拡散混合しない方法であればいかなる方法であってもよい。
本実施形態のナノカーボンの回収方法では、回収方法としては、例えば、第1の実施形態と同様の方法が用いられる。
また、区画部材401が、第2の実施形態と同様に、分離槽11の高さ方向において上下に分割されている場合、回収方法としては、例えば、上下に分割された区画部材401の間に仕切り板等を挿入して、分離槽11内の上部に配置された区画部材401側の分散液相Aと、分離槽11内の下部に配置された区画部材401側の分散液相Bとをそれぞれ回収する方法を用いてもよい。
また、第1の実施形態と同様にして、回収した分散液を、再び、分離槽11に収容し、無担体電気泳動法により、ナノカーボンの分散液30に含まれる金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブを分離する操作を繰り返し実施してもよい。
回収した分散液の分離効率は、第1の実施形態と同様にして、評価することができる。
本実施形態のナノカーボンの回収方法によれば、本実施形態のナノカーボンの分離方法による分離操作が終了した後、分離槽11から分離した金属型単層カーボンナノチューブまたは半導体型単層カーボンナノチューブを効率的に回収することができる。
[第6の実施形態]
(ナノカーボンの分離方法)
図9を用いて、ナノカーボン分離装置10を用いた、ナノカーボンの分離方法を説明する。
まず、水と、非イオン性界面活性剤を溶解した水溶液に単層カーボンナノチューブの混合物を分散させた単層カーボンナノチューブ分散液と、非イオン性界面活性剤の含有量が2wt%の水溶液を調製する。
次いで、図2に示すような分離槽11の下端に設けられた注入/回収口(図示略)から分離槽11内へ、ペリスタポンプ等を用いて水を静かに注入する。
次いで、同様に、分離槽11内へ、単層カーボンナノチューブ分散液を注入する。
次いで、同様に、分離槽11内へ、非イオン性界面活性剤の含有量が2wt%の水溶液を注入する。
これにより、図9に示すように、第1の電極12に接する領域は水、第2の電極13に接する領域は2wt%の水溶液、中間の領域は単層カーボンナノチューブ分散液である、3層の溶液の積層構造を形成した。
このとき、第1の電極12は水のみに接し、第2の電極13は2wt%の水溶液のみに接している。また、第1の電極12および第2の電極13は単層カーボンナノチューブ分散液に接していない。
以下、第1の実施形態と同様にして、単層カーボンナノチューブ分散液に含まれる単層カーボンナノチューブの混合物を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離する。
本実施形態のナノカーボンの分離方法によれば、分離槽11内において界面活性剤の移動を少なくでき、分離効率の向上に効果がある。
本実施形態のナノカーボンの分離方法は、上述の第1〜第5の実施形態にも適用できる。
なお、本発明のナノカーボン分離装置において、区画部材の構造は、上述の第1〜第6の実施形態に限定されず、例えば、厚さ方向に複数の貫通孔が形成された柱状の部材、シート状または板状の部材を渦巻き状(螺旋状)に巻いた渦巻状(螺旋状)部材等であってもよい。
また、上述の第1〜第6の実施形態では、区画部材14,101,201,301,401が分離槽11の上下方向に対して平行に設けられた場合を例示したが、本発明のナノカーボン分離装置はこれに限定されない。本発明のナノカーボン分離装置では、区画部材が分離槽の上下方向に対して斜めに設けられていてもよい。
以上、単層カーボンナノチューブの混合物を、金属型単層カーボンナノチューブと半導体型単層カーボンナノチューブに分離する場合に適用することができる実施形態を説明したが、多層カーボンナノチューブの混合物、二層カーボンナノチューブの混合物、グラフェンの混合物等を分離する場合にも、本発明を適用することができる。
本発明のナノカーボン分離装置は、性質の異なるナノカーボンの分離において、分離効率を向上させることができる。また、本発明のナノカーボン分離装置は、性質の異なるカーボンナノホーンの分離において、分離に要する時間を短縮することができる。
10,100,200,300,400・・・ナノカーボン分離装置、
11・・・分離槽、
12・・・第1の電極、
13・・・第2の電極、
14,101,201,301,401・・・区画部材、
15,102・・・板状部材、
16・・・注入/回収口、
17・・・コック、
20・・・吸引装置、
21・・・吸引管、
30・・・ナノカーボンの分散液、
103,202・・・第1の板状部材、
104,204・・・第2の板状部材、
203・・・第1の板状部材群、
205・・・第2の板状部材群、
302・・・筒状部材、
402・・・柱状部材。

Claims (10)

  1. ナノカーボンを含む分散液を収容する分離槽と、
    前記分離槽内の上部に設けられた第1の電極と、
    前記分離槽内の下部に設けられた第2の電極と、
    前記分離槽内にて前記第1の電極と前記第2の電極の間に設けられた区画部材と、を備え、
    前記区画部材は、前記分離槽を複数の領域に区画することを特徴とするナノカーボン分離装置。
  2. 前記区画部材は、前記分離槽の水平方向に沿って並べられ、複数の板状部材であることを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン分離装置。
  3. 前記区画部材は、前記分離槽の水平方向に沿って並べられた複数の第1の板状部材からなる第1の板状部材群と、該第1の板状部材群に交わり、前記分離槽の水平方向に沿って並べられた複数の第2の板状部材からなる第2の板状部材群とを有することを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン分離装置。
  4. 前記区画部材は、前記分離槽の水平方向に沿って並べられ、複数の筒状部材であることを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン分離装置。
  5. 前記区画部材は、前記分離槽内の水平方向に沿って並べられ、複数の柱状部材であることを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン分離装置。
  6. 前記区画部材は、前記分離槽の高さ方向において上下に分割されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノカーボン分離装置。
  7. 前記分離槽の下端に、前記分離槽の底面に連通し、前記分離槽の下部から前記分散液を回収する回収口を備え、
    前記回収口は、すり合わせを有する回転式のコックを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のナノカーボン分離装置。
  8. 前記分離槽の上部から前記分散液を吸引する吸引装置を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のナノカーボン分離装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノカーボン分離装置を用いたナノカーボンの分離方法であって、
    前記分離槽にナノカーボンを含む分散液を注入する工程と、
    前記第1の電極と前記第2の電極に直流電圧を印加し、前記分散液に含まれる金属型ナノカーボンと半導体型ナノカーボンを分離する工程と、を有することを特徴とするナノカーボンの分離方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のナノカーボン分離装置を用いたナノカーボンの回収方法であって、
    前記ナノカーボン分離装置による分離操作が終了した後、前記分離槽から前記分散液に含まれる金属型単層カーボンナノチューブまたは半導体型ナノカーボンを回収することを特徴とするナノカーボンの回収方法。
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