JP6852553B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置に関する。
特許文献1には、帯電した液体を用いて印刷媒体にインクジェット印刷を行うシステムが開示されている。この印刷システムは、ある極性に帯電した定着剤組成物(定着剤を含んだ液体)を吐出する第1印刷ヘッドと、定着剤組成物とは逆の極性に帯電した印刷インクを吐出する第2印刷ヘッドと、を備える。その上で、定着剤組成物が先に吐出されて印刷媒体に着弾し、続いて、印刷インクが吐出される。
特開2005−297567号公報
吐出された印刷インクは、気流によって飛翔軌跡が曲げられたり、空気抵抗によって減速したりして、着弾位置が目標位置からずれるおそれがある。この問題を解決するため、例えば、特許文献1のように、印刷インクの吐出に先立って、ある極性に帯電した液体を印刷媒体に着弾させ、その後、逆の極性に帯電した印刷インクを印刷媒体に対して吐出することが考えられる。つまり、着弾した液体と吐出された印刷インクとの間にクーロン力が生じる。これを利用して印刷インクを誘導することで、印刷インクの着弾精度を上げることが考えられる。しかしながら、この液体自体の着弾がずれると、その後に吐出される印刷インクの着弾もずれてしまう。
本発明の目的は、処理インク自体の着弾ずれを抑えることにより、その後に吐出される印刷インクの着弾精度の一層の向上を図ることである。
本発明の印刷装置は、ある極性に帯電した印刷インクが吐出される印刷ノズルと、所定方向に沿って前記印刷ノズルと並び、前記印刷インクとは逆の極性に帯電した第1の処理インクを吐出する第1処理ノズルと、を有するインク吐出装置と、印刷媒体と前記インク吐出装置とを、前記所定方向に相対移動させる移動装置と、吐出される前記第1の処理インクを帯電させる第1処理インク帯電装置と、前記インク吐出装置と前記移動装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記インク吐出装置と前記移動装置を制御して、前記印刷媒体の前記第1の処理インクが着弾する着弾位置に前記第1の処理インクに比べて小さい液滴サイズで前記印刷インクを着弾させることを特徴とするものである。
インク吐出装置の印刷ノズルと第1処理ノズルとは、所定方向に並んでいる。制御部は、インク吐出装置と印刷媒体とを所定方向に相対移動させながら、第1処理ノズルから第1の処理インクを印刷媒体に向けて吐出した後、その着弾位置へ印刷ノズルから印刷インクを吐出させる。ここで、印刷インクは、ある極性に帯電しており、第1の処理インクは、第1処理インク帯電装置によって、印刷インクとは逆の極性に帯電させられる。これにより、印刷媒体上の第1の処理インクと、吐出された印刷インクとの間にクーロン力が発生する。印刷インクは、対応する第1の処理インクの着弾位置へ誘導される。さらに、本発明では、第1の処理インクの着弾位置において、印刷インクの液滴サイズは、第1の処理インクの液滴サイズに比べて小さい。このため、第1の処理インクは、印刷インクを確実にその着弾位置に導くことができる。したがって、第1の処理インク自体の着弾ずれを抑え、その後に吐出される印刷インクの着弾精度の一層の向上を図ることができる。
本実施形態に係るプリンタの概略的な平面図である。 印刷インクジェットヘッド及び処理インクジェットヘッドの平面図である。 (a)は、図2(a)のIII(a)-III(a)断面図であり、(b)は、図2(b)のIII(b)-III(b)断面図である。 プリンタの電気的構成を示す図である。 処理インク及び印刷インクの吐出を示す模式図である。 印刷用紙に記録されたパターンの一例を示す説明図である。 (a)は、処理インク及び印刷インクの吐出を示す模式図であり、(b)は、変形例に係るインクの着弾パターンを示す説明図である。 別の変形例に係る、印刷用紙に記録されるパターンを示す説明図である。 さらに別の変形例に係る、印刷用紙に記録されるパターンを示す説明図である。 さらに別の変形例に係る、処理インクと印刷インクの液滴サイズを比較する概念図である。 (a)は、さらに別の変形例に係るプリンタの電気的構成を示す図であり、(b)は、処理インクと印刷インクの液滴サイズを比較する概念図である。 さらに別の変形例に係る処理インクの吐出を示す模式図である。 さらに別の変形例に係るプリンタの概略的な平面図である。 さらに別の変形例に係るプリンタの概略的な平面図である。 (a)は、インクジェットヘッドの平面図であり、(b)は、図15(a)のXV(b)-XV(b)断面図である。 処理インクの着弾領域を示す説明図である。 さらに別の変形例に係るプリンタの概略的な平面図である。 プリンタの電気的構成を示す図である。 (a)は、処理インク及び印刷インクの吐出を示す模式図であり、(b)は、処理インク及び印刷インクの着弾領域を示す説明図である。 さらに別の変形例に係るプリンタの概略的な平面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1において印刷用紙100(本発明の印刷媒体)が搬送される搬送方向を、プリンタ1(本発明の印刷装置)の前後方向(本発明の所定方向)と定義する。印刷用紙100の用紙幅方向をプリンタ1の左右方向と定義する。前後方向及び左右方向と直交する、図1の紙面垂直方向をプリンタ1の上下方向と定義する。
(プリンタの概略構成)
図1に示すように、プリンタ1は、筐体2内に収容されたプラテン3と、インク吐出装置4と、搬送部5(本発明の移動装置)と、カートリッジホルダ8、9と、制御部10等を備えている。
プラテン3の上面には、印刷用紙100が載置される。搬送部5は、搬送ローラ6、7及び搬送モータ19、20を有する。搬送ローラ6、7は、プラテン3の後方(本発明の上流側)と前方にそれぞれ配置されている。搬送ローラ6、7は、搬送モータ19、20によってそれぞれ駆動され、プラテン3上の印刷用紙100を前方へ搬送する。
インク吐出装置4は、4つの印刷インクジェットヘッド11(以下、「印刷ヘッド11」)と、1つの処理インクジェットヘッド12(以下、「処理ヘッド12」)とを備える。印刷ヘッド11は、印刷インク212(図5参照)を吐出して、画像を印刷用紙100上に形成する。処理ヘッド12は、処理インク211(本発明の第1の処理インク。図5参照)を吐出して、印刷インク212の印刷用紙100表面に対する定着性を増す。
各ヘッド11、12は、左右方向が長手方向のラインヘッドである。左右方向について、5つのヘッド11、12は、プラテン3の上方で、前後方向に沿って配置されている。最後方は、処理ヘッド12である。続く4つの印刷ヘッド11は、後方から順に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの印刷インク212を吐出する。
各ヘッド11、12の下面は、ノズル面46(後述)であって、複数のノズル13、15が列状に形成されている。複数のノズル13(本発明の印刷ノズル)は、左右方向に沿って並び、1つのノズル列14を構成する。ノズル13から、印刷インク212が吐出される。複数のノズル15(本発明の第1処理ノズル)は、同様にして、1つのノズル列16を構成している。ノズル15から、処理インク211が吐出される。各ノズル列14、16の全長は、印刷用紙100の全幅に及ぶ。
インク吐出装置4は、2つのカートリッジホルダ8、9を備える。カートリッジホルダ8は、印刷インク用のホルダであって、4つのインクカートリッジ17が着脱可能に装着される。4つのインクカートリッジ17には、右から順に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのインクが収容されている。カートリッジホルダ9は、処理インク用のホルダであって、1つの大型のインクカートリッジ18が着脱可能に装着される。各インクカートリッジ17、18は、チューブ(不図示)を介して、対応するヘッド11、12と接続されている。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備える。さらに、制御部10は、各種制御パラメータを書き換え可能に記憶する、不揮発性のメモリを備えている。また、制御部10は、PC等の外部装置200とデータ通信可能に接続されており、外部装置200から送られた画像データに基づいて、インク吐出装置4や不図示の搬送モータ、及び後述する帯電装置25や帯電装置26(本発明の第1処理インク帯電装置)等の、プリンタ1の各部を制御する(図4参照)。より具体的には、制御部10は、搬送モータ19、20を制御して、搬送ローラ6、7に印刷用紙100を搬送方向に搬送させる。また、この用紙搬送とともに、制御部10は、インク吐出装置4を制御して印刷用紙100に向けて処理インク211及び印刷インク212を吐出させる。これにより、印刷用紙100に画像が印刷される。
(印刷ヘッド及び処理ヘッドの構成)
印刷ヘッド11及び処理ヘッド12の構成について、図2〜図4を用いて説明する。まず、印刷ヘッド11は、図2(a)、図3(a)に示すように、流路ユニット21と圧電アクチュエータ22とを有する。
流路ユニット21は、4枚のプレート31〜34が上下に積層されている。上側の3枚のプレート31〜33は、例えば、シリコンなどの非金属材料である。最も下側のプレート34は、ポリイミドなどの合成樹脂材料である。プレート31には、複数の圧力室用貫通孔が形成されている。貫通孔は、前後方向を長手方向とし、平面視で略楕円形状である。貫通孔は、流路ユニット21において、圧力室40を構成する。複数の圧力室40は、左右方向に並んで、1つの圧力室列を構成している。プレート32には、圧力室40の後端部と重なる部分に、略円形の貫通孔42が形成されている。貫通孔42は、一種の絞りであり、流路抵抗を調整する。また、圧力室40の前端部と重なる部分には、略円形の貫通孔43が形成されている。
プレート33には、1つの共通流路用貫通孔と複数の略円形の貫通孔44が形成されている。共通流路用貫通孔は、細長いスリット状であり、左右方向に長い。この共通流路用貫通孔は、複数の圧力室40に跨がる。平面視で、この共通流路用貫通孔は、圧力室40の後半部と重なり、流路ユニット21において共通流路41を構成する。貫通孔44は、上下に貫通孔43と重なる。プレート34には、複数のノズル用貫通孔が形成されている。このノズル用貫通孔は、ノズル面46に向かって先細りのテーパ状であり、ノズル13となる。ノズル13は、貫通孔44と上下に重なる。複数のノズル13が、左右方向に並んで、ノズル列14を構成している。
流路ユニット21の右端部には、1つのインク供給口38があり、2つのプレート31、32を貫通している。インク供給口38は、共通流路41と連通する。流路ユニット21に供給されるインクは、インク供給口38から共通流路41に流入する。共通流路41内のインクは、その出口(貫通孔42相当)で個別に分配され、圧力室40に至る。圧力室40のインクは、2つの貫通孔43、44を介して、ノズル13から吐出されることになる。
また、共通流路41の底面には、電極47が設けられている。詳細は後述する。
圧電アクチュエータ22は、流路ユニット21の上面に配置され、圧力室列全体を覆う。圧電アクチュエータ22は、流路ユニット21側から順に、振動板51、共通電極53、圧電層52、個別電極54が重なる積層体である。振動板51は、プレート31の上面に固定され、圧力室40の壁面を構成する。共通電極53は、圧電層52の下面全体を覆い、常にグランド電位にある。圧電層52は、シート状圧電材料からなり、全ての圧力室40に跨っている。個別電極54は、圧電層52の上面に形成され、圧力室40毎に配置されている。各個別電極54は、ドライバIC62(図4参照)の出力端子と個別に接続され、駆動信号が供給される。圧力室40と重なる部分は、単位アクチュエータ50であり、個別に変位する。圧電アクチュエータ22は、圧力室40の数だけ、単位アクチュエータ50を含む。
ドライバIC62は、制御部10と電気的に接続されている。制御部10からの印刷制御信号に対応して、ドライバIC62は、3つの異なる駆動信号を出力できる。各駆動信号は、互いに波形が異なり、吐出される液滴のサイズ(例えば、大玉、中玉、小玉)も異なる。
印刷インク212の吐出に際し、単位アクチュエータ50は、圧力室40の容積を小さくする。具体的には、駆動信号が印加されると、圧電層52が面方向に変形し、単位アクチュエータ50は圧力室40側に撓む。このとき、圧力室40内の圧力が高くなり、ノズル13から印刷インクが吐出される。
次に、処理ヘッド12について説明する。処理ヘッド12の構成のうち、印刷ヘッド11と同一のものについては説明を省略する。図2(b)、図3(b)に示すように、処理ヘッド12は、流路ユニット23と圧電アクチュエータ22とを有する。流路ユニット23のプレート34の下面には、複数のノズル15が開口している。複数の個別電極54は、ドライバIC63(図4参照)の出力端子と個別に接続されている。ドライバIC63は、制御部10と接続されており、制御部10から処理制御信号を受けて、単位アクチュエータ50に駆動信号を出力する。このときの駆動信号は、極大サイズの液滴を指示しており、処理インク211は最も大きい液滴で吐出される。液滴のサイズは、印刷インク用の大玉よりも大きい。
また、処理ヘッド12においても、共通流路41の底面には、電極48が設けられている。詳細は後述する。
また、印刷ヘッド11及び処理ヘッド12の周辺には、図3及び図4に示すように、帯電装置25、26が設けられている。以下、帯電装置25、26について説明する。
(帯電装置の詳細)
帯電装置25は、印刷インク212を帯電させるためのものである。図3(a)及び図4に示すように、帯電装置25は、帯電回路64と、電極47とを有する。一定電圧を生成し、電極47に出力する。帯電回路64は、降圧コンバータ回路等を有する一種のDC/DCコンバータ回路である。降圧コンバータ回路は、直流電源装置の電圧(例えば、30V)を変換して、より低い直流電圧(例えば、10V)を出力する。なお、図示は省略しているが、帯電回路64は、4つの印刷ヘッド11に対し共通である。
電極47は、プレート34の上面に形成される。プレート34の一部は、共通流路41の壁面を構成している。この壁面部分が、電極47の主な配設領域である。なお、壁面部分のうち、貫通孔42と上下方向に重なる部分は、配設領域ではない。この部分に電極47があると、貫通孔42を介して、帯電した印刷インクが共通電極53側に引き寄せられ、その生成効率が下がるためである。電極47は、共通流路41に沿って延び、全てのノズル13に対して共通する。本実施の形態では、左右方向について、プレート34の左端部が、他のプレート31〜33から露出している。電極47は、この露出部の上面まで引き出され、帯電回路64と接続されている。帯電回路64から上記電位が出力されると、電極47の近傍で印刷インク212がプラスに帯電する。なお、図3(a)においては、帯電した印刷インク212を可視化して示し、電荷を「+」の記号で示している。
帯電装置26は、処理インク211を、印刷インク212とは逆の極性に帯電させる。図3(b)及び図4に示すように、帯電装置26は、帯電回路65と、電極48とを有する。帯電回路65は、例えば負電圧コンバータ回路等を有し、上記電源装置から所定の一定電位(例えば−10V)を生成して出力する。電極48は、電極47と同様の配置形態を有し、帯電回路65に接続されている。帯電回路65から上記電位が出力されると、電極48の近傍で処理インク211がマイナスに帯電する。ここで、電極47と電極48は、電位の絶対値が等しい。印刷インク212の単位体積あたりのプラスの帯電量と、処理インク211の単位体積あたりのマイナスの帯電量も、ほぼ等しくなる。なお、図3(b)においては、帯電した処理インク211を可視化して示し、電荷を「−」の記号で示している。
(印刷インク及び処理インク)
次に、印刷インク212及び処理インク211について説明する。本実施形態では、印刷インク212は、水、水溶性有機溶剤等の溶媒にそれぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエローの色材が分散した顔料インクである。水は、イオン交換水または純水である。水溶性有機溶剤としては、湿潤剤、浸透剤が含まれる。このうち、湿潤剤は、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好ましい。浸透剤は、例えば、グリコールエーテルがあげられる。色材としての顔料は、例えば、カーボンブラック、無機顔料および有機顔料等が使用できる。その他の顔料であっても、水相に分散可能なものであれば使用できる。特に、顔料として、自己分散型顔料を含むことが好ましい。この自己分散型顔料は、例えば、顔料粒子の表面に、カルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン基等の親水性官能基およびそれらの塩の少なくとも一種が導入されている。そのため、分散剤を使用しなくても水に分散可能である。
処理インク211は、印刷インクの溶媒と同じ水、水溶性有機溶剤等に、印刷インク212の色材の凝集を促進する凝集剤、及び、色材の定着を促進する定着剤が溶けたものである。凝集剤は、2つの成分を含む。第1の成分として、コハク酸および酢酸の少なくとも一方である。その配合量は、例えば、1重量%〜10重量%であり、好ましくは、1重量%〜5重量%である。第2の成分は、アルカリ金属ハロゲン化物に代表され、アルカリ金属として、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウム等である。また、そのハロゲン化物として、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等があり、塩化物、ヨウ化物であることが好ましい。その配合量は、例えば、1重量%〜10重量%であり、好ましくは、1重量%〜5重量%である。凝集剤の作用により、印刷インク212中の顔料が、印刷用紙100表面で効率良く凝集する。この結果、印刷物の光学濃度が向上する。さらに、定着剤は、ヒドロキシアルキルセルロースに代表され、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、これらのカチオン化物等が挙げられる。他に、ポリオレフィン系樹脂粒子を含有させてもよい。これにより、画像の耐擦性が高まる。
(印刷インク及び処理インクの吐出)
次に、プリンタ1における印刷インク212及び処理インク211の吐出について説明する。
まず、帯電装置25、26によって、印刷インク212はプラスに、処理インク211はマイナスに、それぞれ帯電している。この状態で、制御部10は、搬送部5を制御して印刷用紙100を搬送しながら、インク吐出装置4を制御して処理インク211及び印刷インク212を吐出させる。印刷用紙100上では、処理インク211の全ての着弾位置に、いずれかの印刷インク212が着弾される。着弾位置に関して、処理インク211及び印刷インク212には、1対1の関係がある。
具体的には、制御部10は、画像データに基づいて、印刷ドットデータを生成し、これから処理ドットデータを生成する。印刷ドットデータは、印刷インク212について、その着弾位置と液滴サイズ(大玉、中玉、小玉)を指示する。このデータは、インク色毎に生成される。処理ドットデータは、処理インク211について、その着弾位置と液滴サイズを指定する。この着弾位置には、少なくとも1色の印刷インク滴が着弾する。この液滴サイズは、常に極大であり、印刷インク212の液滴サイズと無関係である。
続いて、制御部10は、処理ドットデータから処理制御信号を生成し、ドライバIC63に出力する。同様にして、印刷ドットデータから印刷制御信号が生成され、ドライバIC62に出力される。これにより、ノズル15(処理ヘッド12)からは、極大サイズの処理インク滴が吐出される。処理インク滴は、印刷用紙100上の所定位置に着弾される。ノズル13(印刷ヘッド11)からは、大玉以下の印刷インク滴が吐出される。印刷インク滴は、先の処理インク滴と同じ位置に着弾されることになる。ノズル13、15からの吐出は、印刷用紙100の搬送に同期して行われる。
図5は、印刷ヘッド11及び処理ヘッド12について、その吐出動作を示す模式図である。ここでは、説明を簡単にするために、各インク滴の着弾位置は、印刷用紙100上の位置300のみとする。また、画像形成の背景としては、人の毛髪のように、微妙な黒色を再現する場合を想定する。
まず、制御部10は、図5(a)に示すように、処理ヘッド12が位置300と所定の位置関係をとると、ノズル15から処理インク滴を吐出させる。処理インク滴は、マイナスに帯電している。そのサイズは、極大で重い。処理インク滴は、気流で飛翔経路が曲がることなく、所望の位置300に着弾できる。位置300には、マイナス帯電領域(この場合、処理ドット)が形成される。
次に、制御部10は、ブラック用の印刷ヘッド11kを制御する。図5(b)に示すように、印刷ヘッド11kが位置300と所定の位置関係をとると、ノズル13から、ブラックの印刷インク滴212kが吐出される。印刷インク滴212kは、プラスに帯電している。そのサイズは、処理インク滴より小さい。このとき、マイナス帯電領域と飛翔中の印刷インク滴212kとの間で、クーロン力が働く。ここで、処理インク滴と印刷インク滴とで、帯電密度(単位体積当たりの帯電量)はほぼ等しいが、液滴サイズの違いから、マイナス帯電領域の帯電量が大きい。印刷インク滴212kは、マイナス帯電領域に確実に誘導される。
さらに、制御部10は、マゼンタ用の印刷ヘッド11mを制御する。図5(c)に示すように、印刷ヘッド11mが位置300と所定の位置関係をとると、ノズル13から、マゼンタの印刷インク滴212mが吐出される。印刷インク滴212mも、プラスに帯電しており、クーロン力によって誘導され、位置300に確実に着弾する。また、図示は省略するが、シアンの印刷ヘッド11cや、イエローの印刷ヘッド11yについても、吐出される印刷インク212は、同様にして、位置300に着弾する。
図6には、インク種による着弾領域の違いが示されている。着弾領域221は処理インク211に対応し、着弾領域222は印刷インク212に対応する。処理インク滴は印刷インク滴よりも大きいので、着弾領域222は、着弾領域221の内側に形成される。
以上のように、印刷インク212は、ある極性に帯電している。処理インク211は、帯電装置26によって、印刷インク212とは逆の極性に帯電させられる。これにより、印刷用紙100上の処理インク211と、吐出された印刷インク212との間にクーロン力が生じる。印刷インク212は、着弾した処理インク211に誘導される。さらに、処理インク211の液滴サイズが、極大であり、最も大きい。このため、処理インク211は、気流によって飛翔経路が曲げられにくく、また、空気抵抗によって減速しにくい。つまり、処理インク211自体の着弾精度が高い。その後に吐出される印刷インク212の着弾精度も、一層向上する。
また、処理インク211の液滴サイズが大きいと、処理インク211の帯電量も多くなる。したがって、飛翔中の印刷インク212を強いクーロン力によって誘導できる。
また、印刷インク212の減速を抑えることで、印刷インク212が空気中に浮遊してミストになることを抑制することができる。
また、処理インク211の液滴の帯電量が、印刷インク212の液滴の帯電量よりも多い。そのため、処理インク211が着弾してから印刷インク212が着弾するまで、処理インク211によるクーロン力を強く保つことができる。
また、制御部10は、印刷用紙100の、印刷インク212が着弾する着弾位置にのみ処理インク211を着弾させるため、処理インク211の消費量を必要最小限に抑えることができる。
また、凝集剤によって、印刷インク212に含まれる色材が凝集するので、画質が向上する。また、定着剤によって、凝集した色材が印刷媒体の表面に定着するので、さらに画質が向上する。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)印刷インク212の着弾領域が広くなる場合、対応する処理インク211の着弾領域を細分化しても良い。以下、図7を用いて説明する。図7(a)は、インク吐出を示す概略側面図である。説明の便宜上、印刷ヘッド11は1つである。印刷用紙100上では、マイナス帯電領域のマイナス電荷が、印刷インク滴の着弾と共に減少していく。このとき、印刷インク212の着弾領域にマイナス電荷が再分布して、全体として、マイナス電荷の帯電密度が下がる。飛翔中の印刷インク滴に対しては、クーロン力が弱くなる。画像形成が進むにつれ、印刷インク滴の着弾精度が低下していき、低下した画質の顕在化が懸念される。そこで、印刷領域(例えば、図7(b)のハッチング領域225)が所定面積以上の場合、制御部10は、以下のような制御を行っても良い。
まず、制御部10は、画像データから、印刷領域のうち連続する(連続的に広がる)部分の面積を算出する。次に、制御部10は、算出した画像面積を、予め記憶された分割基準面積と比較する。分割基準面積は、マイナス電荷が再分布する1つの印刷領域において、生じた画質変化を識別不能な最大面積である。例えば、図7(b)において、印刷領域229は、分割基準面積よりも狭い。画質変化が顕在化する前に、印刷インク滴の着弾が完了する。そのため、着弾位置に関して、処理インク211と印刷インク212とは、1対1の位置関係でよい。処理ドットデータも、このように生成される。処理インク211の着弾領域230が、印刷領域229と同形状で、これを内包する。
一方、印刷領域225は、分割基準面積よりも広い。制御部10は、対応する処理インク211の着弾領域を複数の部分領域に分割する。分割の境界は、隙間とされ、部分領域同士は分離される。隙間の幅は、領域間の電気的絶縁性が保たれる最小幅である。部分領域の面積は、分割基準面積以下である。ここでは、2つの部分領域226、227と1つの隙間228が形成される。印刷領域225は、これら部分領域226、227及び隙間228に跨がる。部分領域226、227は、隙間228を介して互いに絶縁されるため、部分領域間で処理インク211の電荷が流動することを確実に抑制できる。なお、部分領域の数は、2つに限定されない。また、部分領域同士は、必ずしも隙間を介して絶縁されていなくても良い。例えば、制御部10は、部分領域間で電荷が流動しにくいように、複数の部分領域が一部のみつながるように処理ドットデータを生成しても良い。
(2)ドライバIC63が、処理インク211の液滴サイズを変更可能であっても良い。このとき、制御部10は、印刷インク212の液滴サイズに応じて、処理インク211の液滴サイズを変更するように、処理ドットデータを生成しても良い。印刷結果は、図8(a)〜(c)に示すように、印刷ドット241のサイズが小さいほど、同じ着弾位置を共有する処理ドット242のサイズが大きくなる。このとき、処理インクの1滴あたりの電荷量は増えていく。これにより、液滴サイズが小さい場合でも、印刷インク滴に対して強いクーロン力を作用させることができる。
(3)帯電回路が、電圧の大きさを変更可能であっても良い。帯電装置26a(図9(a)参照)によって、処理インク211の帯電密度を変更することができる。すなわち、制御部10は、帯電回路65aを制御して出力電圧を切り換える。図9(b)〜(d)に示すように、処理ドット244のサイズは、印刷ドット243のサイズに係わらず、一定(極大)である。しかし、印刷ドット243のサイズが小さいほど、対応する処理ドット244の帯電密度を大きくする。これにより、印刷インク212の液滴が小さいほど、処理ドット244から強いクーロン力を受けることになる。
(4)制御部10は、必ずしも、印刷インクと処理インクとで、互いの着弾位置を完全一致させる必要はない。以下、図10を用いて説明する。図10(a)は、印刷結果(処理インク211の着弾領域245及び印刷インク212の着弾領域246)を示す平面図である。図10(b)は、その一部の拡大図である。制御部10は、例えば、処理ドット247のサイズを印刷ドット248のサイズの2倍以上に大きくし、処理ドットデータを約半分に間引く。図10(b)において、印刷ドット248の数25個に対し、処理ドット247の数は13個と少ない。このとき、上述したサイズの関係を実現するために、ノズル15の開口をノズル13の開口よりも大きくしても良い。
(5)印刷される画像の縁部において、処理インク211の液滴サイズを変更しても良い。具体的には、図11を用いて説明する。図11(a)は、印刷インク212の着弾領域251と、処理インク211の着弾領域252を示す図である。図11(b)は、二点鎖線で囲まれた領域253の拡大図である。
まず、制御部10は、画像データに基づいて、印刷領域を構成する各印刷ドットを、縁部254のものと、縁部254よりも内側の非縁部255のものとに分類する。制御部10は、この分類結果に基づいて、縁部254と非縁部255とで液滴サイズの異なる処理ドットデータを生成する。図11(b)は、印刷ドット及び処理ドットの配置形態を示している。塗りつぶされた円(印刷ドット256)は縁部254の画像ドットを示し、斜線でハッチングされた円(印刷ドット258)は非縁部255の画像ドットを示す。各印刷ドット256、258は、印刷の解像度に対応したピッチで配置され、画像を構成している。このとき、処理ドット257は、印刷ドット256と着弾位置を共有し、処理ドット259は、印刷ドット258と着弾位置を共有する。そして、処理ドット257のサイズは、処理ドット259のそれよりも大きい。制御部10は、これに対応した処理ドットデータを生成する。これにより、縁部254に印刷インク滴を確実に着弾させ、縁部254を高いコントラストで強調できる。
(6)印刷用紙100以外の印刷媒体、例えば凹凸を有するタイル等に画像を印刷しても良い。この場合、図12に示すように、プリンタ71は以下の構成を備える。すなわち、プリンタ71は、タイル等の印刷媒体100aを搬送可能な搬送部(不図示)と、センサ72等を備える。センサ72は、例えば光学センサであり、印刷ヘッド11及び処理ヘッド12よりも後方に配置されている。センサ72は、印刷媒体100aの上面とセンサ72との間のギャップを検出可能に構成されている。
図12(a)に示すように、センサ72は、ギャップ400を検出する。制御部10は、センサ72の検出結果から、印刷媒体100aとノズル13との離隔距離を算出する。そして、制御部10は、離隔距離が大きいほど、処理インク211の液滴サイズを大きくする。例えば、図12に示すように、点302は点303に比べて、ギャップ400が大きい。そこで、制御部10は、点303よりも点302に対して、吐出時の処理インク211の液滴サイズを大きくする。これにより、ノズル13と印刷媒体100aとのギャップ400が大きい場合でも、処理インク211を所定の着弾位置に着弾させることができるとともに、飛翔する印刷インク212に対して強いクーロン力を作用させることができる。なお、制御部10は、処理インク211の液滴サイズを変えるとともに、又は液滴サイズの変更に代えて、上記ギャップが大きいほど、処理インク211の帯電密度を大きくしても良い。
なお、印刷用紙100に画像を印刷する場合でも、ノズル13と印刷用紙100との間のギャップの情報に基づいて、処理インク211の液滴サイズや帯電密度を変更しても良い。例えば、特開2013−212585号公報に開示されているように、印刷用紙100に凹凸を意図的に生じさせる波形状生成機構を備える場合、制御部10に凹凸の情報を予め記憶させ、その情報に基づいて処理インク211の液滴サイズや帯電密度を変更しても良い。この場合、センサ72は無くても良い。
(7)図13に示すように、プリンタ73は、印刷用紙100等を除電する除電ブラシ74(本発明の除電部)を備えていても良い。除電ブラシ74は、印刷ヘッド11及び処理ヘッド12(すなわち、ノズル13及びノズル15)よりも後方に配置されており、印刷用紙100等を除電する。これにより、印刷前に印刷用紙100等が除電されるので、処理インク211等によって、印刷用紙100等を狙い通りに帯電させることができる。
(8)プリンタは、ヘッドと印刷用紙100間の距離を一定に保つため、押さえ部材を備えることがある。押さえ部材は、搬送中の印刷用紙100を部分的に押さえて、その浮き上がりを防ぐ。しかし、押さえ部材が、導電性を有すると、処理インク211が作るマイナス帯電領域から電荷を逃がすことになる。そこで、プリンタが、以下のような構成を備えていても良い。
図14に示すように、プリンタ75のインク吐出装置76は、4つの印刷ヘッド77と、1つの処理ヘッド78と、筐体2に固定される拍車ユニット79と、を備える。図14及び図15(a)に示すように、印刷ヘッド77は、ラインヘッドであり、4つのノズルチップ81を備える。ノズルチップ81は、1つのノズル列を有し、複数のノズル83が並ぶ。4つのノズルチップ81は、左右方向に沿って、2列の千鳥状に配置されている。処理ヘッド78も、これと同様の形態を有し、4つのノズルチップ82と複数のノズル84を有する。印刷ヘッド77及び処理ヘッド78には、ノズルチップ81、82を避けて、4つの収容部85が形成されている。収容部85には、後述の拍車88(本発明の押さえ部材)が収容される。
図15(a)、(b)に示すように、拍車ユニット79は、フレーム86と、フレーム86に形成された4つの開口部87を有する。各開口部87には、4つの拍車88と4つの支持部89が備えられている。支持部89は、拍車88を回転可能に支持する。なお、図15(a)は、1つの印刷ヘッド77とその周辺構成について示したものであるが、他の印刷ヘッド77及び処理ヘッド78についても同様である。印刷ヘッド77が、拍車ユニット79に上方から固定され、1つの収容部85には、1組の拍車88と支持部89が収容されている。拍車88は、略円板状の部材である。拍車88は、本体部90と、本体部90の径方向外側に設けられた針部91(本発明の先端部)とを有する。針部91により、印刷用紙100が押さえられ、その浮き上がりが抑制される。ここで、本体部90と針部91とが導電部材の場合、帯電したマイナス帯電領域から、電荷が拍車88を通って外部に逃げる。そのため、処理ドットによるクーロン力の効力が期待できなくなるおそれがある。そこで、制御部10は、以下のような制御を行っても良い。
図16(a)は、処理ヘッド78と、4つのノズルチップ82と、4つの拍車88の位置関係を示す平面図である。印刷用紙100が搬送される際、図16(b)に示すように、印刷用紙100は、拍車88と4つの領域271〜274(搬送方向に沿った筋状の領域)で接触する。制御部10は、これらの領域271〜274に処理インク211を吐出しないように、処理ドットデータを生成する。拍車88の位置情報については、例えば、制御部10のROM等に予め記録させておけば良い。これにより、処理インク211の無駄な消費を抑えることができる。なお、拍車88の数は4つに限られない。
なお、拍車88の本体部90が、絶縁部材であっても良い。この場合、針部91が、電気的に絶縁されるため、印刷用紙100からの電荷の散逸を防ぐことができる。したがって、拍車88と接触する領域にも、処理インク211を着弾させることができる。
(9)印刷インク212を着弾させたくない領域には、印刷インク212が着弾することを抑制するために、以下のような構成を備えていても良い。
図17及び図18に示すように、プリンタ92は、インク吐出装置93と、帯電装置96(本発明の第2処理インク帯電装置)とを備える。インク吐出装置93は、4つの印刷ヘッド11と、1つの処理ヘッド12に加えて、さらに後方に処理ヘッド94が配置されている。処理ヘッド94は、複数のノズル97(本発明の第2処理ノズル)を有し、処理インク280(本発明の第2の処理インク。図19(a)参照)が吐出される。処理ヘッド94は、処理ヘッド12と概ね同様の構成を有するが、以下の点で処理ヘッド12と異なる。図18に示すように、処理ヘッド94の電極95(処理ヘッド12の電極48に対応)は、印刷ヘッド11の電極47(図4参照)と同様に、帯電回路64に接続される。このため、処理インク280は、印刷インク212と同じ極性に帯電する。なお、処理インク280を構成する物質は、処理インク211と同じで良い。したがって、処理インク280は、処理インク211を貯蔵するインクカートリッジ18から処理ヘッド94に供給されても良く、別の不図示のカートリッジから供給されても良い。
印刷用紙100上には、印刷インク212の着弾領域281(本発明の第1領域)に対応して、処理インク211の着弾領域282が配置される。さらに、その周囲には、処理インク280の着弾領域284(本発明の第2領域)が配置される。そのため、制御部10は、2つの処理ドットデータ(具体的には、第1処理ドットデータと第2処理ドットデータ)を生成する。処理ヘッド12からは、第1処理ドットデータに従い、処理インク211が吐出される。これにより、着弾領域282が形成される。処理ヘッド94からは、第2処理ドットデータに従い、処理インク280が吐出される。これにより、着弾領域284が形成される。
このとき、着弾領域282は、自身の外縁部を残して、着弾領域281と重なる。一方、着弾領域284は、隙間283を介して、着弾領域282と外側から隣接する。また、隙間283は、2つの着弾領域282、284間で、最小限の絶縁性が保たれる幅を持つ。これにより、印刷用紙100上の処理インク280の電荷と、吐出された印刷インク212の電荷とが反発し合う。印刷インク212を着弾させたくない領域には、印刷インク212が着弾しない。
(10)プリンタ1等は、印刷中にその位置が固定されている、いわゆるラインタイプのプリンタである。これに対して、ヘッドが左右方向に移動しながらインクを吐出する、いわゆるシリアルタイプのプリンタにも本発明を適用可能である。図20に示すように、プリンタ101は、プラテン152と、搬送ローラ158、159と、キャリッジ154と、インク吐出装置155と、キャリッジ駆動モータ157と、制御部156等を備える。搬送ローラ158、159は、不図示の搬送モータによって駆動されて、プラテン152上の印刷用紙100を前方に搬送する。キャリッジ154は、プラテン152の上方にあって、ガイドレール160、161に沿って移動可能である。インク吐出装置155はキャリッジ154に搭載され、キャリッジ154とともに走査方向(左右方向)に移動する。インク吐出装置155は、4色の印刷インク212を吐出するノズル173を有する印刷ヘッド171と、処理インク211を吐出するノズル177を有する2つの処理ヘッド172を備えている。2つの処理ヘッド172は、印刷ヘッド171に対して左右両側に配置されている。インク吐出装置155は、走査方向に移動しながら、プラテン152上の印刷用紙100に向けて処理インク211と印刷インク212を吐出する。制御部156は、キャリッジ駆動モータ157、インク吐出装置155、搬送モータ等を制御して、印刷用紙100に往復で画像を印刷させる。なお、左右方向が、本発明の所定方向に相当する。ノズル173が、本発明の印刷ノズルに相当する。ノズル177が、本発明の処理ノズルに相当する。ガイドレール160、161及びキャリッジ駆動モータ157が、本発明の移動装置に相当する。
(11)帯電装置25、26は、必ずしも帯電回路及び電極によって構成されていなくても良い。例えば、処理インクがインクカートリッジ18から処理ヘッド12に供給されてノズル15から吐出されるまでの間に、処理インクを各部材と接触させることで接触帯電させる構成等であっても良い。
(12)プリンタ1等は、帯電装置25を必ずしも備えていなくても良い。すなわち、印刷インク212は、インクカートリッジ17から印刷ヘッド11に供給されてノズル13から吐出されるまでの間に、インク流路を形成する各部材と接触することで接触帯電する。これにより、印刷インク212は、吐出される時点で一方の極性に帯電している。したがって、帯電装置26によって、処理インク211を逆の極性に帯電させれば良い。
(13)上述までの実施例において、処理インク211の液滴サイズが変更可能であれば、所定の着弾位置について、印刷インク212の液滴サイズに基づいて、対応する処理インク211の液滴サイズを設定してもよい。このとき、この液滴サイズは、印刷インク212の液滴サイズより大きければよい。例えば、サイズは、印刷インク212の液滴サイズの1ランク上としてもよい。各液滴の帯電密度が同じであれば、処理インク211の大きな帯電量により、飛翔中の印刷インク212は適切な着弾位置へと誘導される。印刷インク212の液滴サイズが小さいほど、処理インク211の帯電密度を大きくすれば、この効果はさらに増す。
(14)制御部10は、必ずしも、印刷インク212が着弾する着弾位置に対してのみ処理インク211を着弾させなくても良い。例えば、印刷用紙100の全面に処理インク211を着弾させる等しても良い。
1 プリンタ
4 インク吐出装置
5 搬送部
10 制御部
13 ノズル
15 ノズル
26 帯電装置
74 除電ブラシ
88 拍車
90 本体部
91 針部
96 帯電装置
97 ノズル
100 印刷用紙
211 処理インク
212 印刷インク
226 部分領域
227 部分領域
228 隙間
252 着弾領域
254 縁部
255 非縁部
280 処理インク
281 着弾領域
283 隙間
284 着弾領域

Claims (15)

  1. ある極性に帯電した印刷インクが吐出される印刷ノズルと、所定方向に沿って前記印刷ノズルと並び、前記印刷インクとは逆の極性に帯電した第1の処理インクを吐出する第1処理ノズルと、を有するインク吐出装置と、
    印刷媒体と前記インク吐出装置とを、前記所定方向に相対移動させる移動装置と、
    吐出される前記第1の処理インクを帯電させる第1処理インク帯電装置と、
    前記インク吐出装置と前記移動装置を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記インク吐出装置と前記移動装置を制御して、前記印刷媒体の前記第1の処理インクが着弾する着弾位置に前記第1の処理インクに比べて小さい液滴サイズで前記印刷インクを着弾させることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第1処理インク帯電装置は、前記第1の処理インクの液滴の帯電量を、前記印刷インクの液滴の帯電量よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記制御部は、前記印刷インクの液滴サイズが小さいほど、前記印刷インクの着弾位置を共有する前記第1の処理インクの液滴サイズを大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記第1処理インク帯電装置は、前記第1の処理インクの単位体積当たりの帯電量を変更可能に構成され、
    前記制御部は、前記印刷インクの液滴サイズが小さいほど、前記印刷インクの着弾位置を共有する前記第1の処理インクの単位体積当たりの帯電量を多くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記制御部は、前記印刷媒体と前記印刷ノズルとの間のギャップが大きいほど、前記印刷インクの着弾位置を共有する前記第1の処理インクの液滴サイズを大きくすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記第1処理インク帯電装置は、前記第1の処理インクの単位体積当たりの帯電量を変更可能に構成され、
    前記制御部は、前記印刷媒体と前記印刷ノズルとの間のギャップが大きいほど、前記印刷インクの着弾位置を共有する前記第1の処理インクの単位体積当たりの帯電量を多くすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置。
  7. 前記制御部は、
    前記インク吐出装置を制御して、前記印刷媒体の前記印刷インクが着弾する着弾位置に対してのみ前記第1の処理インクを着弾させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
  8. 前記制御部は、
    前記印刷インクにより前記印刷媒体上に連続的に広がる所定の面積以上の印刷領域が形成されるとき、前記印刷領域に対応する前記第1の処理インクの着弾領域を複数の部分領域に分離し、前記部分領域毎に前記第1の処理インクを着弾させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装置。
  9. 前記部分領域は、隙間を介して互いに絶縁されていることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
  10. 前記印刷ノズルと前記所定方向に並び、第2の処理インクが吐出される第2処理ノズルと、
    吐出される前記第2の処理インクを、前記印刷インクと同じ極性に帯電させる第2処理インク帯電装置と、を備え、
    前記制御部は、前記インク吐出装置を制御して、前記印刷インクが着弾する第1領域に前記第1の処理インクを吐出させ、前記第1領域とは隙間を空けて離れ、且つ、前記印刷インクが着弾しない第2領域に、前記第2の処理インクを吐出させることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の印刷装置。
  11. 前記制御部は、前記印刷インクにより形成される印刷領域に対応し、前記第1の処理インクが着弾する着弾領域について、前記着弾領域の縁部を形成する前記第1の処理インクの液滴サイズを、前記縁部よりも内側の非縁部を形成する前記第1の処理インクの液滴サイズに比べて大きくすることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の印刷装置。
  12. 前記印刷媒体が搬送される搬送方向において前記第1処理ノズル及び前記印刷ノズルよりも上流側に配置され、前記印刷媒体を除電する除電部を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の印刷装置。
  13. 搬送される前記印刷媒体を部分的に押さえる押さえ部材を備え、
    前記押さえ部材は、前記印刷媒体と接触する先端部が導電部材で形成され、
    前記制御部は、前記押さえ部材と接触する前記印刷媒体の領域に対しては、前記第1の処理インクを吐出しないことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の印刷装置。
  14. 絶縁部材製の本体部と、前記本体部に設けられ、且つ、前記印刷媒体と接触する導電部材製の先端部とを有し、搬送される前記印刷媒体を部分的に押さえる押さえ部材を備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の印刷装置。
  15. 前記第1の処理インクは、前記印刷インクに含まれる色材の凝集を促進する凝集剤と、前記印刷インクに含まれる色材の前記印刷媒体の表面への定着を促進する定着剤の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の印刷装置。
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