JPH06262770A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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Publication number
JPH06262770A
JPH06262770A JP5052244A JP5224493A JPH06262770A JP H06262770 A JPH06262770 A JP H06262770A JP 5052244 A JP5052244 A JP 5052244A JP 5224493 A JP5224493 A JP 5224493A JP H06262770 A JPH06262770 A JP H06262770A
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JP
Japan
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ink
recording
recording medium
ink droplet
droplets
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Pending
Application number
JP5052244A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Ishii
浩一 石井
Kazuhiko Higuchi
和彦 樋口
Shuzo Hirahara
修三 平原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5052244A priority Critical patent/JPH06262770A/ja
Publication of JPH06262770A publication Critical patent/JPH06262770A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1画素に相当する一定量の液滴を形成し、そ
れを記録媒体上の所望な位置へ正確に付着させると共
に、より低いエネルギーで高速にインクを記録媒体に吸
引させる記録装置を提供すること。 【構成】 所定量のインク25を貯蔵するインク槽20
と、前記インク槽20中の前記インク25から所望量の
インク液滴42を分離する手段50と、分離した前記イ
ンク液滴42を記録媒体60上に誘導して、付着させる
手段(40、52、65等)と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体インクを用いて記録
媒体上に記録を行う記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、基本的には
記録信号に応じてインクを記録媒体上に噴射・付着させ
る非接触な直接記録であるため、柔らかい対象や立体構
造を持つ記録媒体にも印字が可能であり、構成が簡単で
あるので小型化に有利である。また、カラー記録時には
同時プリントが可能であり色ずれが少なく鮮明な画像が
得られる。種類の範囲は狭いものの普通紙が使用可能で
ランニングコストが低いのも有利な点といえる。
【0003】ところで、インクジェットプリンタにおい
ては、インク液滴を飛翔させるにはインクを引きちぎる
エネルギー(表面エネルギーに相当)と、記録媒体まで
飛ばすための運動エネルギーとが必要であるので、比較
的大きなエネルギーを必要とする。
【0004】そこで、インクを飛翔させず記録媒体に接
触させることによって印字を行うレオロジカルな記録方
法も提案されている。この方法によれば、インクを記録
媒体まで移動させるだけのエネルギー、すなわち体積変
化を起こさせるだけのエネルギーがあれば良いので低エ
ネルギー記録が可能となる。この場合、インクを接触さ
せるだけで記録を行うには1ドット相当のインクを分離
することが必要であり、更にそれを所望の位置に記録媒
体に付着させることがポイントとなる。ところが常に一
定の質・量を持つ微小インクを形成することは困難であ
り、加えて、形成した微小インクをそのまま付着させる
と帯引きが出るなどの問題がある。
【0005】また、インクジェットプリンタは、インク
を突出させるノズルでインクが目詰まりするという欠点
を有するため信頼性に欠ける。
【0006】そこでインクの突出部が構造を持たないス
リットジェット方式が提案されている。この方式によれ
ば、インクはスリット間に表面張力によって保持されて
おり、ヘッドと記録媒体間に与えられる電界によってイ
ンクを記録媒体上に吸引する。また、スリット内の電極
を個別駆動にすればよいので、スリット自体は画素単位
の構造を持たず、主走査方向につながっているので目詰
まりがない。ところが、この方式ではインクを記録媒体
まで吸引するのに高電圧を必要とするので、消費エネル
ギーが多くコスト面で不利になる。また、駆動回路には
高耐圧のICを用いることが要求される。
【0007】そこで、特開昭62−225361では熱
エネルギーと電気エネルギーの双方を印加する記録方式
の提案を行っているが、記録する毎にメニスカスを形成
しなければならないので、そのためのエネルギーは少な
くなく高速記録には不利である。また、特開昭58−1
79663あるいは特開平2−4520では、振動子に
より定常波を起させたり、ヘッドの先端を撥液性処理し
たりすることにより、インク表面に凹凸を形成してい
る、しかし、画像信号に応じて電気エネルギーを印加し
ているので、その都度電荷の注入が行われることから、
上記の場合と同様に記録速度の面で問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにインクの
体積変化だけを利用する方式は低エネルギーでの記録が
可能となるが、画素形成を正確に制御することに困難を
伴う。
【0009】また、スリットジェット方式はインクジェ
ット記録方式特有の目詰まりが回避できるものの、高電
圧を用いなければならないということと高速記録が困難
であるという問題を伴い、特にインクを突出させる際、
インクの凹凸を形成させるのに多くの時間とエネルギー
をかけていた。
【0010】本発明は、上記の事情に基づいてなされた
もので、1画素に相当する一定量の液滴を形成し、それ
を記録媒体上の所望な位置へ正確に付着させると共に、
より低いエネルギーで高速にインクを記録媒体に吸引さ
せる記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような手段を講じた。
【0012】本発明の第1記録装置は、所定量のインク
を貯蔵するインク槽と、前記インク槽中の前記インクか
ら所望量のインク液滴を分離する手段と、分離した前記
インク液滴を記録媒体上に誘導して、付着させる手段と
を具備することを特徴とする。この第1記録装置におい
て、インク槽中の前記インクからノズル内で前記インク
の付着力を利用して適量のインク液滴を分離して、静電
吸引により前記インク液滴を記録媒体上に付着させるこ
とを特徴とする。
【0013】更に、上記の第1記録装置において、イン
ク槽中のインクを前記インク槽内を加圧手段で前後に流
動させることでインク槽前方にあるインク液滴形成部に
常時微小インク液滴を形成させるようにしている。そし
て、上記の第1記録装置において、インク槽と記録媒体
間に位置するインク液滴が通るノズル内部が撥インク性
物質からなることを特徴とする。
【0014】本発明の第2記録装置は、インクのメニス
カスを形成する手段と、前記インクに電気力(静電吸引
力)を与える手段と、帯電した前記インクに対して衝撃
波を与えて、前記インクを記録媒体上に付着させる手段
とを具備することを特徴とする。上記第2記録装置にお
いて、インクのメニスカスを形成する手段が撥インク性
物質のパターンを用いることによって構成されている。
更に、上記第2記録装置において、衝撃波が発熱体から
のバルブ発生により与えられ、そして、インクに常時電
気力を与えて、画像信号に応じて選択的に衝撃波を与え
るようにしている。
【0015】本発明の第3記録装置は、インク表面に凹
凸を形成する手段と、前記インク表面の凹凸に対応して
設けられ、画像に基づいて選択的に前記インクに熱エネ
ルギーを与える複数の加熱手段と、を具備することを特
徴とする。
【0016】
【作用】上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。
【0017】本発明の第1記録装置によれば、インク槽
内でインクを前後に流動させてインク槽前方の親インク
性物質から成るインク液滴形成部上に一定量のインク液
滴を常時再形成するので、インク液滴の特性を変化させ
ることなくドットばらつきの少ない画像を得ることがで
きる。また、インク槽から分離されたインク液滴が走行
するノズル部分は、内部が撥インク性物質からなってい
るためにインク液滴はほぼ球状を呈しながらノズル内を
走行できるので、移動がしやすく、かつ、移動中にイン
ク量を減少させる可能性が少なくなる。更にインク液滴
にはインク液滴形成段階で電荷を与えて、記録媒体裏面
に設けられた電極の極性をその逆極性とすることでイン
ク液滴を記録媒体上の所望の位置に電界吸引力によって
付着させることができるので、印字の精度を高めること
ができる。
【0018】上記のように本発明によれば、常時一定量
のインク液滴を形成するので記録媒体上にばらつきの少
ないドットを形成することができる。また、形成された
にもかかわらず画像信号により印字の必要がなかったイ
ンク液滴は常に再形成されるため、インク液滴の状態を
一定に保つことができ、記録状態の安定化に寄与する。
更に、カラー化する際には記録媒体上にインク滴を付着
させる前に3色のインクを混合した所望の色のインク液
滴を形成することができるので、良好なカラー画像を得
ることができる。
【0019】本発明の第2記録装置によれば、予めイン
クのメニスカス形成手段によりインク表面の凹凸を形成
するので、電気力を与えると短時間でメニスカスの先端
に電荷が供給され、インクが記録媒体方向に突出する。
この状態で衝撃波を与えるので少ないエネルギーでイン
クが飛翔して、記録が行われる。従って、低エネルギー
で高速な記録が可能となる。
【0020】また、記録ヘッド先端に撥インク性物質の
パターンを形成するとパターンの周期に対応したインク
の凹凸を得ることができる。撥インク性物質のパターン
形成は比較的容易に行える。衝撃波は発熱体にバブルを
形成させることで与えることができるが、バブル形成は
瞬時に行うことが可能で、しかも発熱体の製造はコスト
的に問題がないため、高速記録が可能な安価な記録ヘッ
ドを得ることができる。
【0021】更に、電気力は印加時にエネルギーを要す
るので、スイッチングを行わずに常時与えるようにすれ
ば余分なエネルギーを消費することがない。しかも常時
インクのメニスカスを形成させることができるので、衝
撃波が与えられれば瞬時にインクを飛翔させる状態にあ
り、高速記録に有利である。
【0022】上記のように本発明の第2記録装置によれ
ば、メニスカス形成手段と電気力によりインクの凹凸を
常に安定して形成することができるので、エネルギーの
少ない衝撃波を与えるだけでインクを飛翔させることが
でき、高速かつ低エネルギー記録を可能にする。メニス
カス形成手段として撥インク性物質を用い、衝撃波を与
える手段として加熱手段を用いると、必要な要素をスリ
ットの一方の内壁にすべて形成させることも可能である
ので、製造が容易でありコストの低下が期待できる。
【0023】本発明の第3記録装置によれば、撥インク
性物質のパターンを設けてインクのメニスカスを形成
し、発熱体からのバブルの形成によるインクの体積変化
を起こして記録媒体に擦り付ける方法はインクを流動さ
せるだけの熱エネルギーだけを必要とするので低エネル
ギーでの記録が可能となる。
【0024】従って、本発明の第3記録装置によれば、
インクを擦り付けることで記録を行う構成にしたので、
インクを移動させるだけの熱エネルギーを必要とするだ
けとなり、消費電力の大幅な低下が可能である。
【0025】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0026】図1は本発明の第1実施例に係る記録装置
の概略構成を示す図である。図1(a)は記録ヘッド1
0部とその関連部分の概略構成を示す図であり、図1
(b)に記録ヘッド10部の縦断面図とその関連部分の
概略構成を示す図である。
【0027】図1において、記録ヘッド10は、インク
槽20とノズル40とを有する。インク槽20には、イ
ンク供給口22が設けられており、このインク供給口2
2からインク25が供給される。インク槽20は、この
インク25を保持する。また、インク槽20には、イン
ク槽20内のインク25を加圧する加圧手段30が設け
られていて、この加圧手段30はバブル32を形成する
ための加熱手段35で構成される。
【0028】ノズル40は、インク槽20の前方に設け
られていて、インク槽20内のインク25から分離さ
れ、孤立したインク液滴42が移動する際の流路とな
る。また、ノズル40の内部には孤立したインク液滴4
2を形成させるための導電性かつ親インク性のインク液
滴形成部50が設けられていて、ノズル40の先端にイ
ンク液滴突出口45がある。インク液滴形成部50の上
部には、インク液滴形成部50と対になって平行平板電
極を形成するための電極52が設けられていて、孤立し
たインク液滴42に電荷を供給する。
【0029】なお、インク液滴形成部50はインク液滴
42を一時的に保持できるように親インク性となってお
り、ノズル40はインクが移動し易いように撥インク性
の物質からなっている。ノズル40前方には、インク液
滴42を付着させるための記録媒体60と記録媒体60
裏面から荷電粒子化したインク液滴42を静電力により
吸引する吸引電極65とが設けられている。吸引電極6
5はドットに対応して配列されている。また、本実施例
装置は、吸引電極65とインク液滴形成部50及び電極
52から成る平行平板電極と加熱手段35との動作をを
制御するための動作制御部70を備えている。
【0030】上記のように構成された記録装置の基本的
な動作について図2を参照して説明する。図2(a)〜
図2(d)は孤立インク液滴42の形成過程を示す図で
ある。この場合において、インク槽20内にはインク供
給口22から供給されたインク25が保持されている。
インク25は表面張力によりインク槽20からノズル4
0に流出しないようになっている。なお、図2(a)〜
図2(c)において、太い矢印はインク25が移動しよ
うとする方向(例えばインク25が加圧手段30により
押し出される方向)を示す。
【0031】インク槽20内の加圧手段30によりイン
ク25をノズル40内へ押し込む(図2(a))。この
加圧手段30は、本実施例の図2のようにインク槽20
底部に設けられた加熱手段35により構成されて、加熱
手段35がインク25を加熱することによりバブル32
がインク25中に発生し、インク25が押し出されるよ
うにしても良いし、インク槽20の壁に圧電素子を設け
て壁を変形させるなどの手段により、インク槽20内で
体積変化を起こして、その体積変化によってインク25
がインク槽20内から押し出されるようにしても良い。
すなわち、加圧手段30は、インク25がインク槽20
から押し出されるような構成であれば、いかなる手段を
用いても良い。本実施例の場合には、加熱手段35でイ
ンク25中に形成されたバブル32の膨脹によりインク
25が自由空間の存在するノズル40方向へ押し出され
る。
【0032】加熱手段35を用いたインク25の加熱に
よるバブル32の膨脹は流動しているインク25の先端
がインク液滴形成部50を越えるまで続けられる(図2
(b))。そして、インク液滴形成部50を越えた時点
で加熱手段35による加熱を中止すると、膨脹を続けて
いたバブル32が収縮し始めるので、ノズル40内をイ
ンク突出口45に向かって進んでいたインク25はイン
ク槽20に戻り始める(図2(c))。この場合におい
て、ノズル40内部はインク液滴形成部50以外は撥イ
ンク性物質により形成されているので、インクはノズル
40の壁に付着することなくインク槽20内に戻る。し
かし、インク液滴形成部50は親インク性物質で形成さ
れているので、この部分のみにインク25が付着して、
インク液滴42として残る。バブル32の収縮が完了す
るとインク液滴形成部50上にのみ孤立したインク液滴
42が形成され、残りのノズル40内にあったインク2
5は再びインク槽20内に保持される(図2(d))。
【0033】上記のように、図2(a)〜図2(d)に
示す操作により一画素相当分のインク液滴42を分離で
きる。
【0034】上記の操作において、分離されたインク液
滴42がノズル40を塞がない程度の大きさになるよう
ノズル40の断面積及びインク液滴形成部50の面積を
設定する。そのようにすることによって、ノズル40内
に押し出されたインク25がインク槽20内に戻る際
に、インク液滴形成部50に付着したインクと残りのイ
ンク槽20内に引き込まれるインクとの間に外部から空
気が供給されて、インク液滴形成部50上のインクを孤
立させることができる。また、インク液滴形成部50の
面積を変えることにより、一画素分のインク量を任意に
変更することが可能である。
【0035】なお、このインク液滴42を形成する一連
の動作は一定時間をおいて繰り返されるので、既にイン
ク液滴形成部50上にインク液滴42が形成されていて
も行われる場合がある。この時の、インク液滴42の形
成の様子を図3を参照して説明する。図3において、図
2と同じ部分には同じ符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0036】図3(a)のように既にインク液滴形成部
50上にインク液滴42が形成されていても行われる理
由は、インク液滴42が画像信号に従って選択的に記録
媒体60に付着させられるので、印字の必要がない場合
には形成されたインク液滴42がインク液滴形成部50
上に取り残されるためである。
【0037】図3の場合には図2の場合と同等の圧力を
加えており、インク槽20内のインク25が残留してい
るインク液滴42も含んで流動する(図3(a)及び図
3(b))。この場合、インク25の最大到達点はイン
ク液滴42が存在しない場合(図2(b)参照)と比べ
て長くなる。よって、図3(b)に示すように、少なく
ともインク先端が記録媒体60面上に達しないように設
定することが必要である。そして、図2(c)及び図2
(d)の場合と同様にして、加熱手段35を停止するこ
とによりバブル32が収縮するので、インク25がイン
ク槽20内に保持される。
【0038】上記のようにしてインク液滴42を常に再
形成することによって、時間的な印字間隔の違いによる
インクの特性変化を起こさせることなく、ほぼ同質のイ
ンク液滴を供給することが可能となる。
【0039】上記のようにして形成されたインク液滴4
2を記録媒体60に付着する方法を図4及び図5を参照
して説明する。図4は、インク液滴42への電荷の供給
方法を示す図であり、図5は、電荷が供給されたインク
液滴42を記録媒体60に付着する方法を説明するため
の図である。
【0040】まず、上記のようにしてインク液滴42が
形成されると、図4(a)に示すように、インク液滴形
成部50と電極52とからなる平行平板電極間にステッ
プ状の電圧が印加される。この場合、電極52に正の電
圧が印加されたものとすれば、電極52が正に帯電し、
インク液滴形成部50が負に帯電する。すると、図4
(b)に示すように、平行平板電極間に形成された電界
によりインク液滴42は内部で分極を起こす。この場
合、インク液滴42は、インク液滴形成部50に接して
いるので、インク液滴42のインク液滴形成部50との
接触部は正の電荷をおび、インク液滴42の上部は負の
電荷を生じる。ここで、インク液滴42のインク液滴形
成部50との接触部は電気的に打ち消しあうので、イン
ク液滴42には負の電荷が表面に現れる。すなわち、イ
ンク液滴42は負の電荷を供給されたことになるので、
負に帯電する。
【0041】インク液滴42が負に帯電した後に、画像
信号に応じて選択的に記録媒体60裏面の吸引電極65
にインク液滴42と逆極性の電圧(この場合は正の電
圧)が印加される。インク液滴42はインク液滴形成部
50との接着力よりも大きい静電力によりインク液滴形
成部50から離れ、撥インク性のノズル40内部をほぼ
球状を呈して突出口45に向かって転がり(図5
(a))、記録媒体60上に付着する(図5(b))。
以上の動作は、図1のようにドットに対応して配列され
たすべてのノズルにおいて繰り返され、その一連の動作
は動作制御部70により管理される。なお、図5におい
て、太い矢印は、記録媒体60の移動方向を示す。
【0042】図6は、本発明の第2実施例に係る記録装
置の概略構成を示す図である。図6において、図1と同
じ部分には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0043】第2実施例が第1実施例と異なる点は、イ
ンク液滴形成部50の直下に加熱手段54を備えた点で
ある。
【0044】本実施例は、第1実施例と同様の方法によ
り、インク液滴形成部50上に孤立インク液滴42が形
成され、電荷が供給される(図6(a))。その後、加
熱手段54にパルス状の電圧が印加されて、加熱手段5
4によりインク液滴形成部50が加熱される。インク液
滴形成部50が加熱されると、孤立インク液滴42は熱
により球状を呈し、インク液滴形成部50との接着力が
低下する(図6(b))。その状態で記録媒体60裏面
から吸引電極65によりインク液滴42の静電吸引を行
うとより小さい静電力でインク液滴42を記録媒体60
まで引きつけることができる。
【0045】図7は、本発明の第3実施例に係る記録装
置を説明するための図であって、親インク性−撥インク
性の相変化物質を用いたインク液滴の形成・離脱方法を
示す図である。図7において、図1と同じ部分には同じ
符号を付し、詳細な説明は省略する。第3実施例では、
インク液滴形成部50が親インク性と撥インク性の相変
化を示す物質からなることを特徴とする。
【0046】本実施例の構成は以下の通りである。
【0047】インク液滴形成部50上の電極52は透光
性の導電性材料からなる。また、インク液滴形成部50
の上方には異なる波長を持つ第1光源56と第2光源5
8と、それぞれの光源からの照射光を調節する光学系5
5を備えている。インク25は第2光源からの照射光を
透過する物質を用いる。インク液滴形成部50に用いる
相変化物質は例えば光照射によりぬれ性に変化を起こす
フォトクロミック物質などが有用である。フォトクロミ
ック物質は紫外光を照射することで疎水性が減少し、可
視光を照射すると疎水性が回復(増大)する特性を示
し、例えばp−フェニルアゾアクリルアニリドや、p−
フェニルアゾアクリルアニリドと2−ヒドロキシエチル
メタクリラートとの共重合体などにこの性質がみられ
る。通常、フォトクロミック物質の疎水性変化はかなり
時間がかかることが知られている(高分子論文集、Vol.
37,No.4,pp.287-291) が、薄膜化することによりその速
度を早めることができる。
【0048】上記のような構成における本実施例の動作
の一例を図7を参照して説明する。インク25をノズル
40内に引き込む前にインク液滴形成部50に対して第
1光源56により紫外線を照射してインク液滴形成部5
0の疎水性を減少させる(図7(a))。次に第1実施
例と同様の手段を用いてインク25をノズル40内に流
入させ、再びインク槽20内に引き込む(図7
(b))。この場合、インク液滴形成部50のうち紫外
線を照射した部分は疎水性が減少しているので、この部
分だけにインクが付着して残る。
【0049】上記のようにして形成されたインク液滴4
2に電荷を供給した後、第2光源58により可視光をイ
ンク液滴形成部50に向けて照射する(図7(c))。
すると、可視光はインク液滴42を透過してインク液滴
形成部50に達し、インク液滴形成部50の疎水性が増
大する。その結果、インク液滴形成部50に付着してい
たインク液滴42はインク液滴形成部50の疎水性の変
化により付着性が弱まり、球状を呈する(図7
(d))。その後、記録媒体60裏面から静電吸引を行
うとより小さい静電引力によりインク液滴42を記録媒
体60まで引きつけることができる。インク液滴42が
失われたインク液滴形成部50には再び第1光源56に
より紫外光が照射され、上記の操作が繰り返される。
【0050】上記のように動作する第3実施例の記録ヘ
ッド10の構成例をそれぞれ図8〜図10に示す。図8
〜図10において第7図と同じ部分には同じ符号を付
し、説明は省略する。
【0051】図8は、本発明の第3実施例に係る記録装
置の第1構成例を示す図である。図8は、記録ヘッド1
0をインク突出口45の方向から見た図であり、第1光
源56、第2光源58がそれぞれ1つずつ備えられてい
る。第1及び第2光源56及び58からの照射光は光学
系55によって偏向を受け、1画素単位(ドット)に対
応して配列したノズル40上をスキャンする。第1光源
56は画像信号をのせて選択的な照射を行っても良い
し、一様照射でスキャンさせても良い。
【0052】前者の場合には、第1光源56から画像信
号に応じた照射を行ってインク液滴42の形成を選択的
に行うことになる。後者の場合には、第1光源56を一
様に照射して全ノズル内にインク液滴42を形成し、第
2光源58に画像信号を送ることでインク液滴の疎水化
を選択的に行うことになる。ただし、この場合は必ずイ
ンク液滴が形成されるので、静電吸引を行う際は疎水化
されたインク滴のみが引き付けられる程度の静電力を設
定する必要がある。
【0053】図8において、第1光源56は窒素レーザ
など紫外光を発するレーザ光源、第2光源58は波長4
70nm以上の可視光レーザならば何でも良い。レーザ
光を用いてスキャンを行おうとすると複雑な光学系を必
要とするが、各ノズルに一定の光量を照射することがで
きるので、安定したインク液滴42の形成が可能であ
る。
【0054】図9は、本発明の第3実施例に係る記録装
置の第2構成例を示す図である。図9によれば、第1光
源56及び第2光源58が各ノズルに対応して上方に固
定されている。図9に示すように光源をドット毎に固定
して設置した場合、光量のばらつきが生じやすいが、複
雑な光学系を必要とせず装置の小型化に寄与する。
【0055】図10は、本発明の第3実施例に係る記録
装置の第3構成例を示す図である。図10は第1光源5
6をノズル40の上方に備え、第2光源58はインク液
滴形成部50の直下に備えた例を示す。第1光源56は
図8のようにレーザを用いても、図9のように固体光ヘ
ッドを用いても良い。第2光源はノズル底部に設置でき
るような光源を選ぶ必要がある。例えば、LEDなどが
有用である。第2光源をノズル底部に組み込むことで装
置の小型化に非常に有利になる。
【0056】図11は、本発明の第4実施例に係る記録
装置の概略構成を示す図である。第4実施例装置は。イ
ンク突出口45がインク槽20より低い位置になるよう
に配置されたことを特徴とする。
【0057】図11によれば、インク突出口45がイン
ク槽20より低い位置になるようにノズル40を水平方
向に対して0<θ<90°の範囲で下方に傾けてある。
また、本実施例において、インク液滴形成部50に第3
実施例と同様に親インク性が変化する物質が用いられ、
インク液滴形成部50の変化を引き起こすための照射光
を発生する第1光源56及び第2光源58が備えられて
いる。更に、インク液滴42を荷電粒子化するためにイ
ンク液滴形成部50と電極52とからなる平行平板電極
が備えられている。なお、加圧手段30によりインク槽
20内のインク25を押し出す方法は第1実施例と同様
であり、この加圧手段30によりインク槽20から斜め
に傾いたノズル40内にインク25が押し出される。
【0058】この時、インク25はノズル40一杯に広
がって進み表面張力が大きいので、突出口45に向かっ
て急激に流れ出ることはない。ノズル40にインク25
が流入することよりインク液滴形成部50にインク液滴
42が形成される。このインク液滴42の形成と同時に
電荷がインク液滴42に供給される。そして、第2光源
58からの可視光照射によりインク液滴形成部50の疎
水性が増すことにより、インク液滴42のインク液滴形
成部50への付着力が低下して、重力によりノズル内を
転がり始める。それと同時に記録媒体60裏面から吸引
電極65により静電吸引を行い、記録媒体60へインク
液滴42を付着させる。
【0059】本実施例においても、インク液滴42のイ
ンク液滴形成部50への付着力を低下させるために第2
実施例のようにインク液滴形成部50を加熱手段54に
より加熱しても良い。
【0060】図12は、図11のノズル40の部分を変
形した例を示す図であり、電荷供給のための電極52を
インク液滴形成部50よりも突出口45側に備えた例を
示す。この場合は、インク液滴形成部50は導電性であ
る必要がなく、インク液滴形成部50に隣接して突出口
45側に新たな第2電極51を備える。更に、インク液
滴形成部50を疎水化させる手段として光照射を用いる
場合には、インク液滴形成部50の上方に光入射窓53
を設ける。
【0061】上記のような構成において、インク液滴4
2が第1実施例と同様に形成された後に、第2光源から
の可視光照射によりインク液滴42の付着力が低下し
て、ノズル40の突出口45方向に転がり始める。イン
ク液滴42は前方の平行平板電極52とインク液滴形成
部50との間を通る際に電荷を供給され荷電粒子化す
る。そして、電荷を帯びたインク液滴42に対して吸引
電極65により静電吸引を行い、記録媒体60へインク
液滴42を付着させる。
【0062】上記のように、第4実施例によれば、ノズ
ル40を傾斜させることにより。インク液滴42を重力
によりノズルの突出口45方向に移動させることができ
るので、インク液滴42を吸引するための静電力をさら
に小さくすることができる。図13は、本発明の第5実
施例に係る記録装置の概略構成を示す図である。図1と
同じ部分には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0063】図13は記録ヘッド10を真上から見た図
であり、本実施例装置の記録ヘッド10は、図13に示
すように、複数のノズル40に対してインク槽20を1
つ備えている。すなわち、インク槽20内のインク25
を加圧手段30により押し出すと複数のノズル40に同
時にインク25が供給される。
【0064】今、インク槽20および加圧手段30がn
本(n<全ノズル数N)のノズルに対して1つ備えられ
ていると仮定すれば、加圧手段30は(N/n)個存在
し、ノズル40も全体が(N/n)個のブロックに分割
されることになる。これらのブロックの加圧手段30に
対して、図14に示すような駆動を行う。図14(b)
は隣接するブロック(すなわちインク槽20)間で信号
を一定位相遅らせるように駆動を行う場合を示し、この
場合は、インク供給時間は各ブロック間での遅れ時間分
増加するものの、加圧のエネルギーを抑えることが出来
る。図14(a)は全ブロックの加圧手段30を一度に
動作させるように駆動を行う例を示し、この場合は、消
費エネルギーは大きくなるものの、短時間にインクを供
給することが可能になる。ただし、分割数は最低印字結
果にブロック間のすじが出ない程度の分割数を確保する
必要がある。
【0065】図15は、図13に示す第5実施例の記録
装置の変形例を示す。
【0066】図15において、インク液滴42に電荷を
供給するインク液滴形成部50と電極52とからなる平
行平板電極が同じブロック内のノズル40間(すなわち
1つのインク槽20で共有されるノズル40間)で共有
されている。図15に示すように、インク液滴42に電
荷を供給する電極を共通にすることによりブロック内の
ノズル40間のインク液滴42の電荷量のばらつきを抑
えることが可能である。
【0067】本発明による階調記録について図16及び
図17を参照して説明する。装置構成は第3実施例と同
様である。
【0068】図16はノズル40のインク液滴形成部5
0付近を真上から透視した図であり、図16中破線の円
は照射光のスポット59を表している。インク液滴形成
部50の親水性を増加させるために第1光源56からの
照射光スポット59は主走査方向にスキャンするが、同
時に各ノズルで進行方向と垂直方向にも移動する。その
垂直方向への移動度は、図16(a)〜図16(c)に
示すように、スポット59のインク液滴形成部50への
重なりの度合いを変化させる。重なり度合いが大きいほ
ど親水性の変化部分が広がるので付着するインク量が増
大する(図16(c)の場合)。従って、照射光スポッ
ト59のインク液滴形成部50への移動距離を変化させ
ることにより階調を制御することができる。
【0069】また、インク液滴形成部50に用いる親イ
ンク性/撥インク性の相変化物質は照射光の強度によ
り、ぬれ性の度合いが変化する。第1光源56を照射し
た場合、その光量を増加させていくとぬれ性も増加して
いくので、そこに付着するインク液滴42の量は増加す
る。この例を図17(a)〜図17(c)に示す。この
図17の例では、図17(a)が最も弱い照射を受けた
場合の例を示し、図17(c)が最も強い照射を受けた
場合の例、すなわち光量が多い例、を示す。このよう
に、照射光の強度を変化させることでも階調を制御する
ことができる。
【0070】図18は他の階調記録方法を示す図であ
る。
【0071】インク液滴形成部50は第1光源56から
一定光量を照射することにより親インク性を帯びる(図
18(a))。次に第2光源58から光照射することに
よりインク液滴形成部50のぬれ性の度合いを画像信号
に応じて調節する(図18(b))。この場合、第2光
源58による光照射はインク液滴形成部50のぬれ性を
減じるものであるから、光量が多いほど付着するインク
液滴42の量が増加する。ただし、光量が多すぎるとぬ
れ性が過度に減少してインク液滴42が形成されなくな
るので、その境の値を光量の最大値として設定しておく
ことが必要である。以上のように第2光源58からの照
射量で所望量のインク液滴42が得られる(図18
(c))。従って、本方法によってもインク液滴42の
量が調整できるので、階調記録が可能となる。
【0072】図19は、本発明の記録装置をカラー記録
に適用した場合の概略構成を示す図である。
【0073】図19では1つの画点形成のためにイエロ
ー、マゼンダ、シアンの3色のインクをそれぞれ内臓す
る3つのインク槽20及びノズル40を有する。個々の
ノズル40内には第1実施例〜第3実施例と同様な方法
でそれぞれの色の孤立インク液滴(26〜28)を形成
する。個々のインク液滴(26〜28)に電荷を供給し
た後、記録媒体60の画点形成部裏面の吸引電極65の
静電引力により3色のインク液滴(26〜28)を同時
に記録媒体60上に引き込む。記録媒体60上では3色
のインク液滴(26〜28)が混合され、それらの合成
色の画点が形成される。この時、3色それぞれのインク
液滴(26〜28)の量を調整することができるので、
フルカラー記録が可能となる。
【0074】また、吸引電極65からの静電吸引は3つ
のノズル40内でそれぞれのインク液滴(26〜28)
の形成・荷電粒子化が完全に終了してから実行するよう
にしさえすれば、3つのノズル40内でのインク液滴
(26〜28)の形成・荷電粒子化の時間に多少のずれ
があっても問題はない。また、3個のインク液滴(26
〜28)は良好に混合するためにはなるべく同じ状態で
あることが好ましい。特にその電荷量は静電吸引時の記
録媒体60までの到達時間・付着量に影響を及ぼすた
め、3色が同量である必要がある。そこで、3色のイン
ク液滴(26〜28)の荷電粒子化は第5実施例にある
ように平行平板電極を共通にすることによって条件を等
しくさせることができる。
【0075】図20は、図19の変形例であって、1つ
の画点形成に対してイエロー、マゼンダ、シアンの3色
のインクをそれぞれ内臓する3つのインク槽20及びノ
ズル40に対して1つのインク液滴突出口45を有す
る。
【0076】ノズル40内で第1実施例〜第3実施例と
同様な方法でそれぞれの色のインク液滴(26〜28)
が形成され、これらの個々のインク液滴(26〜28)
に電荷を供給した後に、インク液滴(26〜28)を記
録媒体60の吸引電極65から静電引力によりノズル突
出口45方向に引きつける。
【0077】3色のインク液滴(26〜28)は、それ
ぞれのノズル40から共通ノズル46に入った時点で合
体し、所定の3色の混合色を呈する新しいインク液滴と
なる。3色が混合したインク液滴は、共通ノズル46か
ら突出して、記録媒体60に付着する。この記録方式に
よれば記録媒体60に付着する前に3色のインクを混合
できるので、良好な状態で記録媒体60に色の画点を形
成することができる。ただし、この場合は、3色のイン
ク液滴を混合させる過程が加わるので、各ノズルのイン
ク液滴形成部50から突出口45までの距離を長くとる
必要があることから、吸引電極65の静電力を強くする
必要がある。このため、第4実施例のようにノズル40
に傾斜を持たせることが有効になる。
【0078】以上はイエロー、マゼンダ、シアンの3色
による記録例であるが、ノズルを1本増やして、イエロ
ー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のインクによる
記録も同様の原理によって可能である。
【0079】以上の第5実施例までは、インクを所定量
のインク液滴に分離・形成して、その分離されたインク
液滴を記録媒体に付着する装置を示した。しかし、上記
のようにインクを所定量のインク液滴に分離しなくても
記録媒体にインクを付着させることができる。以下の実
施例では、インク液滴を分離しないで、記録媒体にイン
クを付着させる場合の実施例を記載する。
【0080】図21は、本発明の第6実施例に係る記録
装置の概略構成を示す図である。図21(a)は斜視図
による概略構成図、図21(b)及び図21(c)はそ
れぞれ図21(a)のA面及びB面を示す図である。
【0081】図21(a)において、記録ヘッド10は
インク吐出部10aとインク保持部10bの2部屋に分
かれている。インク吐出部10aは主走査方向にスリッ
トを形成しており、片面(A面)は画素単位に形成され
た撥インク性物質12による矩形状のパターンと個別電
極14を有し(図21(b)参照)、もう一方の面(B
面)にはインクと吐出部一面に撥インク性物質12が塗
布されている(図21(c)参照)。
【0082】インク保持部10bは記録時のインク供給
がスムーズに行えるように、より多くの保持量を確保す
るため、副走査方向の幅をインク吐出部10aよりも広
くしてある。記録ヘッド10底面には画素に対応した加
熱手段35を有し、記録ヘッド10端からパイプ21を
通して図示しないインクタンクからのインクを供給でき
るようになっている。個別電極14への電圧の印加、加
熱手段35への信号入力は駆動回路18によって行う。
図21(b)では、撥インク性物質パターンの非塗布部
全体が個別電極14となっているが、個別電極14は非
塗布部の内部にあればどのような形状、面積を持つもの
でも構わない。
【0083】図21に示す記録ヘッド10にインク25
を注入したときの状態を図22に示す。図22(a)に
示すように、記録ヘッド10の先端は撥インク性物質1
2の矩形パターンが形成されているために、撥インク性
の部分ではインクがはじき、それ以外の部分ではインク
が付着しやすいようになっている。そのため、A面の表
面付近では図22(a)のようにインク25が凹凸の形
状を呈している。また、図22(b)及び図22(c)
はヘッド先端部の横断面図であるが、対面(B面)は一
様に撥インク性物質12を塗布してあるので、図22
(c)に示すように、個別電極14上のインクは吐出し
やすい形状を呈する。
【0084】上記のように構成された本発明による記録
ヘッド10の動作について説明する。
【0085】図23は図21に示す記録ヘッド10の縦
断面図であり、記録ヘッド10前方に記録媒体60、そ
の裏面に吸引電極65を設けてある。
【0086】記録ヘッド10にインク25を保持させた
状態では、図22に示すように撥インク性物質12のパ
ターンによりインク25は表面が凹凸の形状を呈してい
る(図23(a))。記録装置本体の電源を投入する
と、撥インク性物質12が塗布されていない部分に形成
された個別電極14と記録媒体60の裏面に設けられた
吸引電極65の間に一定の電圧が印加され、個別電極1
4上のインク25が記録媒体60の方向に引きつけられ
る。この時、インク25の先端が記録媒体60に到達し
ない程度の電圧を印加させておく(図23(b))。
【0087】次に、画像信号に応じてインク保持部10
b底面の加熱手段35に電気信号を与えると発熱してバ
ブル32を生じる(図24(a))。このバブル発生に
よる衝撃波は、インクが図25のように放物線状に突出
しているためにインク先端部に集中し、高効率なエネル
ギーの伝達がなされる。この衝撃波がトリガとなって、
インク25は記録ヘッド10から飛翔して記録媒体60
に到達する。それとほぼ同時に加熱手段35への電気信
号を遮断すると記録媒体60方向に伸びたインク25の
一部は運動エネルギーを失って記録ヘッド10内部に戻
され、記録媒体60上には一定量のインク62だけが付
着する(図24(b))。この場合、加熱手段35に与
える電気信号のパルス幅の長さによって、記録媒体60
に付着させるインク量を任意に変化させることができる
ため、中間調記録も可能である。上記のように、記録ヘ
ッド10と吸引電極65間の電圧はインク25の凹凸を
強調させるためのエネルギーの取得に用い、加熱手段3
5は予め突出したインク25の先端を記録媒体60まで
到達させるためのエネルギーを与える役割をしているの
で、それぞれのエネルギーは低い値に抑えられる。しか
も、記録ヘッド10と吸引電極65間の電圧印加なしで
も撥インク性物質によりインク25の凹凸はある程度形
成されているので、前者のエネルギーは低く抑えられ
る。
【0088】また、記録ヘッド10底面に圧電素子を有
し、画素に対応したスペーサをスリット間に設けて、圧
電素子をある一定の周波数で常時駆動させることによ
り、スペーサで圧電素子からの波が区切られることで画
素に対応したメニスカスをインク表面に形成することも
できる。この時、衝撃波を与える手段はスペーサよりも
前、すなわちよりヘッド先端方向に位置させる必要があ
る。
【0089】図26は、本発明の第7実施例に係る記録
装置の概略構成を示す図である。第21図と同じ部分に
は同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0090】図26は、記録ヘッド10先端には電極は
存在せず、記録ヘッド10基板に撥インク性物質12が
画素に対応して矩形状に塗布されている。また、記録ヘ
ッド10先端には表面が撥インク性の処理を施したスペ
ーサ16が設けてある。記録媒体60は記録ヘッド10
とスペーサ16の高さ分だけ距離が離れており、記録媒
体60裏面には電極が存在しない。
【0091】上記のように構成された第7実施例装置の
動作を説明する。
【0092】非印字状態では第6実施例と同様にインク
25面は撥インク性物質12により凹凸の形状を呈して
いる(図27(a))。画像に応じた電気信号が入力さ
れると加熱手段35が熱せられることによりバブル32
が生じてインク25が突出して、記録媒体60にインク
25の先端が付着する(図27(b))。次に加熱手段
35への信号が遮断されると記録媒体60方向に伸びた
インク25の一部は記録ヘッド10内部に引き戻され
る。(図27(c))。
【0093】この時、記録媒体60に付着するインクと
記録ヘッド10内部に保持されているインクとがつなが
っている部分は撥インク性物質12が塗布されている部
分であるので、インクが引き戻される過程で記録媒体6
0に付着するインクと記録ヘッド10内部に保持されて
いるインクとは切断されて分離する(図28(a))。
【0094】よって、毛細管現象により記録ヘッド10
内部のインク25が過剰に記録媒体60へ吸収されるこ
とはない。記録媒体60に付着したインク分は直ちに周
囲から補給されて、図27(a)の元の状態に復帰する
(図28(b))。
【0095】本実施例では、第6実施例と異なり、加熱
手段35からのバブル32の体積変化でインク25を押
し上げて記録媒体にインクを付着させるだけであるの
で、必要なエネルギーは少ない。ただし、インク25を
飛翔させるわけではないので記録ヘッド10と記録媒体
60間の距離は小さくすることが必要であるとともに均
一でなければならない。そのために本実施例では、記録
ヘッド10先端にスペーサ16を設けている。このスペ
ーサ16は図26及び図27に示すように画素に対応し
た数だけ設けてもいいし、記録ヘッド10と記録媒体6
0との距離が一定に保たれるのであれば、複数画素おき
に配置してもかまわない。ただし、スペーサ16表面は
インクの付着を防ぐために撥インク性の処理を施した方
が好ましい。また、記録ヘッド10と記録媒体60間の
距離を小さくするということは、インク付着位置に誤差
が生じにくくなるというメリットも期待できる。
【0096】図29は、本発明の第8実施例に係る記録
装置の概略構成を示す図である。
【0097】第6実施例ではインク保持部10bの幅を
インク吐出部10aよりも広く設定した。本実施例で
は、図29に示すようにインク吐出部10aとインク保
持部10bを共通の幅に設定している。このような構成
にすることにより、インク保持量が減少し、加熱手段3
5の面積が限定されるが、記録ヘッド10の形状が簡単
になるため製造が容易となりコストの低下に有利にな
る。
【0098】図30は、本発明の第9実施例に係る記録
装置の概略構成を示す図である。
【0099】図30に示すように、個別電極14、加熱
手段35及び駆動回路18をすべて記録ヘッド10内の
スリット壁面に形成することもできる。本実施例構成で
はスリット壁面に必要な要素がすべて形成されるので、
ヘッド底部に構造を持たず、製造がさらに容易になり製
造コストの低下が期待できる。
【0100】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形して
実施できるのは勿論である。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
る。
【0102】本発明の第1記録装置によれば、インク槽
内でインクを前後に流動させてインク槽前方の親インク
性物質から成るインク液滴形成部上に一定量のインク液
滴を常時再形成するので、インク液滴の特性を変化させ
ることなくドットばらつきの少ない画像を得ることがで
きる。また、インク槽から分離されたインク液滴が走行
するノズル部分は、内部が撥インク性物質からなってい
るためにインク液滴はほぼ球状を呈しながらノズル内を
走行できるので、移動がしやすく、かつ、移動中にイン
ク量を減少させる可能性が少なくなる。更にインク液滴
にはインク液滴形成段階で電荷を与えて、記録媒体裏面
に設けられた電極の極性をその逆極性とすることでイン
ク液滴を記録媒体上の所望の位置に電界吸引力によって
付着させることができるので、印字の精度を高めること
ができる。
【0103】上記のように本発明によれば、常時一定量
のインク液滴を形成するので記録媒体上にばらつきの少
ないドットを形成することができる。また、形成された
にもかかわらず画像信号により印字の必要がなかったイ
ンク液滴は常に再形成されるため、インク液滴の状態を
一定に保つことができ、記録状態の安定化に寄与する。
更に、カラー化する際には記録媒体上にインク滴を付着
させる前に3色のインクを混合した所望の色のインク液
滴を形成することができるので、良好なカラー画像を得
ることができる。
【0104】本発明の第2記録装置によれば、予めイン
クのメニスカス形成手段によりインク表面の凹凸を形成
するので、電気力を与えると短時間でメニスカスの先端
に電荷が供給され、インクが記録媒体方向に突出する。
この状態で衝撃波を与えるので少ないエネルギーでイン
クが飛翔して、記録が行われる。従って、低エネルギー
で高速な記録が可能となる。
【0105】また、記録ヘッド先端に撥インク性物質の
パターンを形成するとパターンの周期に対応したインク
の凹凸を得ることができる。撥インク性物質のパターン
形成は比較的容易に行える。衝撃波は発熱体にバブルを
形成させることで与えることができるが、バブル形成は
瞬時に行うことが可能で、しかも発熱体の製造はコスト
的に問題がないため、高速記録が可能な安価な記録ヘッ
ドを得ることができる。
【0106】更に、電気力は印加時にエネルギーを要す
るので、スイッチングを行わずに常時与えるようにすれ
ば余分なエネルギーを消費することがない。しかも常時
インクのメニスカスを形成させることができるので、衝
撃波が与えられれば瞬時にインクを飛翔させる状態にあ
り、高速記録に有利である。
【0107】上記のように本発明の第2記録装置によれ
ば、メニスカス形成手段と電気力によりインクの凹凸を
常に安定して形成することができるので、エネルギーの
少ない衝撃波を与えるだけでインクを飛翔させることが
でき、高速かつ低エネルギー記録を可能にする。メニス
カス形成手段として撥インク性物質を用い、衝撃波を与
える手段として加熱手段を用いると、必要な要素をスリ
ットの一方の内壁にすべて形成させることも可能である
ので、製造が容易でありコストの低下が期待できる。
【0108】本発明の第3記録装置によれば、撥インク
性物質のパターンを設けてインクのメニスカスを形成
し、発熱体からのバブルの形成によるインクの体積変化
を起こして記録媒体に擦り付ける方法はインクを流動さ
せるだけの熱エネルギーだけを必要とするので低エネル
ギーでの記録が可能となる。
【0109】従って、本発明の第3記録装置によれば、
インクを擦り付けることで記録を行う構成にしたので、
インクを移動させるだけの熱エネルギーを必要とするだ
けとなり、消費電力の大幅な低下が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る記録装置の概略構成
を示す図。
【図2】孤立インク液滴42の形成過程を示す図。
【図3】インク液滴の再形成の説明図
【図4】インク液滴への電荷供給方法
【図5】電荷が供給されたインク液滴42を記録媒体6
0に付着する方法を説明するための図。
【図6】本発明の第2実施例に係る記録装置の概略構成
を示す図。
【図7】本発明の第3実施例に係る記録装置を説明する
ための図であって、親インク性−撥インク性の相変化物
質を用いたインク液滴の形成・離脱方法を示す図。
【図8】本発明の第3実施例に係る記録装置の第1構成
例を示す図。
【図9】本発明の第3実施例に係る記録装置の第2構成
例を示す図。
【図10】本発明の第3実施例に係る記録装置の第3構
成例を示す図。
【図11】本発明の第4実施例に係る記録装置の概略構
成を示す図。
【図12】図11のノズル40の部分を変形した例を示
す図。
【図13】本発明の第5実施例に係る記録装置の概略構
成を示す図。
【図14】本発明の第5実施例において、複数のノズル
40を共有するインク槽20の駆動タイミング例を示す
図。
【図15】図13に示す第5実施例の記録装置の変形
例。
【図16】インク液滴形成部の親水性の変化を利用した
階調記録方法を説明するための図。
【図17】インク液滴形成部の疎水性の変化を利用した
階調記録方法を説明するための図。
【図18】第2光源の光量を利用した階調記録方法を説
明するための図。
【図19】本発明の記録装置をカラー記録に適用した場
合の概略構成を示す図。
【図20】図19の変形例を示す図。
【図21】本発明の第6実施例に係る記録装置の概略構
成を示す図。
【図22】記録ヘッド10内部のインク状態の説明図。
【図23】第6実施例の動作を説明するための図
【図24】第6実施例の動作を説明するための図
【図25】インクに対する衝撃波の説明図
【図26】本発明の第7実施例に係る記録装置の概略構
成を示す図。
【図27】第7実施例の動作を説明するための図
【図28】第7実施例の動作を説明するための図
【図29】本発明の第8実施例に係る記録装置の概略構
成を示す図。
【図30】本発明の第9実施例に係る記録装置の概略構
成を示す図。
【符号の説明】
10…記録ヘッド、10a…インク吐出部、10b…イ
ンク保持部、12…撥インク性物質、14…個別電極、
16…スペーサ、18…駆動回路、20…インク槽、2
1…パイプ、22…インク供給口、25…インク、26
…イエローのインク液滴、27…マゼンダのインク液
滴、28…シアンのインク液滴、30…加圧手段、32
…バブル、35…加熱手段、40…ノズル、42…イン
ク液滴、45…インク液滴突出口、46…共通ノズル、
50…インク液滴形成部、51…第2電極、52…電
極、53…光入射窓、54…加熱手段、55…光学系、
56…第1光源、58…第2光源、59…スポット、6
0…記録媒体、62…記録媒体に付着したインク、65
…吸引電極、70…動作制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 A 8808−2H 9012−2C B41J 3/04 103 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定量のインクを貯蔵するインク槽と、 前記インク槽中の前記インクから所望量のインク液滴を
    分離する手段と、 分離した前記インク液滴を記録媒体上に誘導して、付着
    させる手段と、を具備することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】インクのメニスカスを形成する手段と、 前記インクに電気力を与える手段と、 帯電した前記インクに対して衝撃波を与えて、前記イン
    クを記録媒体上に付着させる手段と、を具備することを
    特徴とする記録装置。
  3. 【請求項3】インク層のインク表面に凹凸を形成する手
    段と、 前記インク表面の凹凸に対応して設けられ、画像に基づ
    いて選択的に前記インクに熱エネルギーを与える複数の
    加熱手段と、を具備することを特徴とする記録装置。
JP5052244A 1993-03-12 1993-03-12 記録装置 Pending JPH06262770A (ja)

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