JP6850686B2 - 圧力センサおよび中空光導波路の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定物のひずみを検知・測定する技術に関し、特に中空光導波路を用いた圧力センサの技術に関する。
近年、日本の高度経済成長期に建設した社会インフラ設備の老朽化が課題となっており、効率的な点検手法およびリスク管理手法、設備更改に関する予防保全技術の開発およびビジネスが活発に行われている。この潮流の中で、世の中に存在する様々なものに通信機能を付与することで、インターネットに接続したり、それら同士を相互に通信させたりすることで、遠隔計測を行うIoT(Internet of Things)の活用が活発になっている。具体的には、社会インフラ設備のあらゆる場所にセンサを設置し、モニタリングシステムを構築して、社会インフラ設備の状態を広範囲に監視することである。
社会インフラ設備の老朽化の中で最も危険なものの一つに、設備老朽化によるひずみから生じる倒壊がある。ひずみやひび割れを事前に予知および計測してリスク管理を行うためには、設備に生じたひずみを検知する必要がある。この検知手法としては、一般的に圧力センサが用いられる。
通常、強誘電体を材料とする圧電素子が圧力センサとして用いられるが、材料に加えられるひずみ変位に比例した電圧値を読み取るための電気配線を網目状に構成する必要があるため、配線材料である銅を大量に消費してしまい、導入コストがかかるという問題がある。また、実用上効率が高い強誘電体は、材料がセラミックであるため、もろく、長期間使用を続けていると材料自体が破壊してしまうという問題もある。さらに、10年単位という長期間埋設しておく必要があることを考慮すると、落雷や電気的ノイズの影響を受けにくい特性も持ち合わせていなければならない。
そのため、最も期待されている圧力の検知手法として、光ファイバセンサを用いた方法が検討されている。光ファイバセンサを用いて行う圧力の検知手法には、大きく次の2種類の手法がある。
1つは、光ファイバリング内の光の干渉を用いるものである(非特許文献1)。主に、光源、フォトダイオード、光ファイバリングで構成されており、光ファイバリングは被測定対象物の内部に設置されている。被測定対象物にひずみが生じると、それに伴い光ファイバの光路長も変化する。すなわち、光ファイバの光路長が変化することで、光ファイバ内の光の干渉状態が変化することを利用し、振動を検知するものである。
もう1つは、光ファイバ内に設置したブラッグ回折格子を用いるものである(非特許文献2)。光ファイバのコア内に一次元のブラッグ回折格子を形成し、回折光を反射させる手法である。この反射光の波長は、回折格子の理論に従うため、ブラッグ格子の有効屈折率および格子間隔に依存する。ブラッグ格子が設置されている区間にひずみが生じると、有効屈折率が変化することで、反射光の波長が変化することを利用し、振動を検知するものである。
高橋、外3名、「光ファイバリング干渉計の基礎技術」、フジクラ技報、No.101、2001年、p.18-21 中島、外1名、「FBGセンサによる高速動ひずみ計測技術について」、IIC REVIEW、No.38、2007年、p.37-44
しかしながら、従来の光ファイバリングを用いた圧力の検知手法では、光ファイバリングそのものの光路長変化から生じる位相の変化を用いるため、わずかな温度特性の変化であっても鋭敏に反応してしまう。例えば、長さがL(m)の光ファイバにかかる温度変化がΔT(°)のとき、線膨張係数をα(10−7/度)とすると、光ファイバ長の変化量ΔL(m)には「ΔL=α×L×ΔT」の関係がある。一般的によく用いられる光ファイバの線膨張係数はα=100であり、光源に用いる波長を1.55μm、ファイバ長さを1mとすると、1波長分のずれを起こす温度変化ΔTは0.155°と計算される。したがって、温度変化が0.155°以下に制御された一定環境下であれば従来の検知手法を利用できるが、様々な冷熱源が存在し、さらに、昼夜の温度差が10°以上に開くような実環境下では、温度変化が大きすぎるため、従来の検知手法を利用することは困難である。
また、従来の光ファイバリングを用いた圧力の検知手法では、光ファイバ中に伝播する光が1マイクロメートルオーダーであるため、わずかな揺れが1マイクロメートル程度の位相変化に影響を及ぼすことになる。
すなわち、従来の光ファイバリングを用いた検出手法は、外乱の影響を非常に受けやすいという特性があり、位相情報を検出手段として用いると振動と温度変化の切り分けが困難であるため、温度変化が極めてわずかであるところに設置しなければならないという条件が存在していた。
同様に、ブラッグ反射を用いた圧力の検知手法においても、格子間隔が反射波長に依存するため、わずかな温度特性の変化であっても鋭敏に反応してしまう。また、設置した光ファイバのうちブラッグ回折格子が設置してある部分のみで検出するため、広範囲に検出することは困難であった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、環境の温度変化の影響を受けにくく、被測定物のひずみを広範囲に計測できる中空光導波路、圧力センサ、および、中空光導波路の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る圧力センサは、被測定物のひずみを計測する圧力センサにおいて、可視光を発生する光発生部と、前記可視光を入射し、外圧で変形する材料で構成され、外接した被測定物のひずみによる圧力で変形し、前記圧力の大きさに応じて中空のコア部を通過する可視光の強度を変化させる中空光導波路と、前記中空光導波路を通過した可視光を映し、前記可視光の強度を前記被測定物に生じたひずみの大きさに変換するための色見本情報であって、予め可視光の強度に応じた色とひずみの大きさとを対応させた前記色見本情報を表示した光強度測定部と、を備え、記中空光導波路を通過した可視光の全光量が投影像の光強度に反映するように当該可視光を前記光強度測定部に投影し、前記色見本情報は、前記光強度測定部に表示された前記可視光の投影像対比されることを特徴とする。
請求項に係る製造方法は、請求項に記載の中空光導波路を製造する製造方法において、容器に光硬化性樹脂を入れ、紫外線で硬化することにより、支持基板を作製する行程と、前記支持基板の上に光硬化性樹脂を重ね、中空のコア部に対応する部分を光硬化させない遮蔽領域を有するマスクを更に重ねて、紫外線で硬化した後に、非光硬化部分の光硬化性樹脂を取り除くことにより、凹構造の支持基板を作製する行程と、前記凹構造の支持基板に金属層を形成する行程と、金属層が形成された上基板を当該凹構造の支持基板に重ねる行程と、を含むことを特徴とする。
請求項に係る製造方法は、請求項に記載の中空光導波路を製造する製造方法において、容器に熱可塑性樹脂を入れ、凸構造のスタンパで押圧を印加することにより、凹構造の支持基板を作製する行程と、前記凹構造の支持基板に金属層を形成する行程と、金属層が形成された上基板を当該凹構造の支持基板に重ねる行程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、環境の温度変化の影響を受けにくく、被測定物のひずみを広範囲に計測できる中空光導波路、圧力センサ、および、中空光導波路の製造方法を提供することができる。
圧力センサの構成例を示す図である。 圧力センサの斜視図である。 中空光導波路の製造工程(一の製造方法)を示す図である。 中空光導波路の製造工程(他の製造方法)を示す図である。 中空光導波路に印加する圧力と光強度の関係を求めるための装置構成例を示す図である。 中空光導波路に印加した圧力と光強度の関係を示す図である。 光強度測定部の構成例(一の例)を示す図である。 光強度測定部の構成例(他の例)を示す図である。 中空光導波路の導波路長と光の伝搬損失の関係を求めるための装置構成例を示す図である。 中空光導波路の導波路長と光の伝搬損失の関係を示す図である。 中空光導波路の温度特性を求めるための装置構成例を示す図である。 中空光導波路の温度変化と光強度の関係を示す図である。
上記の課題を解決するため、本実施の形態では、光の強度変化に対し、ファイバ内の位相情報ではなく、強度情報のみを使用する。従来の光ファイバは、光が伝播するコア部がガラス系のコア材料で充填されており、コア部を支持し、コア部内の光を全反射させるクラッド部もガラス系の材料で構成されている。そのため、光ファイバに圧力を印加しても、光ファイバが変形せず、光の強度を変化させることが困難である。
そこで、本実施の形態では、コア部を例えば空気で構成し、クラッド部を柔軟性のある例えばシリコン系の材料で構成した中空光導波路を用いる。ただし、この構成では、コア材料の屈折率よりもクラッド材料の屈折率の方が大きいため、光を全反射して十分に伝播することができない。そのため、コア部である空気とクラッド部のシリコンとの界面に金属皮膜を蒸着することで、光を確実に伝播させる。
すなわち、本実施の形態では、柔軟性を有する中空光導波路に圧力を印加した際に、中空構造の断面積が変化することで、伝播損失が変化するという性質を利用する。また、コア部に例えば空気を用いるため、伝播する光の波長の制限がなくなり、一般的な通信で用いられる通信波長、すなわち1.3μmや1.55μmに制限されることなく、例えば、可視光LEDを用いることが可能となり、また、光の検出にフォトダイオードを用いなくても目視で確認することもできる。
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る圧力センサの構成例を示す図である。当該圧力センサは、被測定物のひずみを計測する計測装置、すなわち被測定物に生じた圧力をセンシングするセンサであり、光発生部11、中空光導波路12、光強度測定部13、および、圧力応答部14、を備えて構成される。
光発生部11は、被測定物のひずみを計測するために用いる光を発生する光源である。例えば、レーザ光源、LED光源などを用いる。光の波長帯域は任意であるが、少なくとも受信側となる光強度測定部13が検知可能または人が視認可能な光の波長帯域を用いる。例えば、可視光を出射する光源を用いる。
中空光導波路12は、外圧で変形する材料で構成され、内部が空洞である筒状の構造を持ち、外接した被測定物のひずみによる圧力で変形し、当該圧力の大きさ(≒被測定物のひずみ量)に応じて中空内部を通過する光の強度を変化させる光導波路である。例えば、空気で構成されたコア部と、柔軟性のあるシリコン系の材料で構成されたクラッド部と、で構成された光導波路を用いる。
かかる中空光導波路12は、光発生部11からの光を入射し、外接した被測定物からの圧力により自身の形状を変化させ、中空構造であるコア部の断面積を変化させることにより、当該コア部を伝搬する光の強度を変化させる。なお、コア部については、空気以外に、例えば、液体、流動性をもつ高分子材料などを用いてもよい。また、クラッド部は、シリコン系の材料以外に、例えば、ポリマー材料、可撓性を持つ光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いてもよい。
光強度測定部13は、中空光導波路12を通過した光の強度を測定し、当該光の強度を用いて被測定物のひずみによる圧力(≒被測定物のひずみ量)を算出する装置である。例えば、光発生部11が出力した光の波長帯域に感度を有するフォトディテクタ(光検出部)、当該光の強度を算出するコンピュータなどで構成する。光発生部11が出力した光が可視光であれば、中空光導波路12を通過した可視光をそのまま映し、当該可視光の強度を被測定物に生じたひずみの大きさ(=ひずみ量)に変換するための色見本情報(変換情報)を表示しておく構成でもよい。
圧力応答部14は、ひずみ計測を行う対象である被測定物である。例えば、社会インフラ設備などの建築物、構造物などである。圧力センサの動作、精度などを検査する場合には、例えば、検査者による設定値に応じた負荷をかけることが可能なロードセルなどを用いる。
ここまで、圧力センサの構成例について説明した。なお、社会インフラ設備の大きさおよび形状は様々であり、測定用の光路を直線状に採ることが難しく、また、光発生部11と中空光導波路12との間、中空光導波路12と光強度測定部13との間の距離が想定よりも長い場合が考えられる。そのような場合には、光を確実に伝搬させるため、光発生部11と中空光導波路12との間、中空光導波路12と光強度測定部13との間に、光ファイバおよび集光レンズなどを挿入してもよい。
図2は、本実施の形態に係る圧力センサの斜視図である。破線は光路を表している。当該圧力センサを利用するためには、空気が充填された空のコア部121を内部に具備したクラッド部122で構成される中空光導波路12と、光源11aと、フォトダイオード13aとを直線状に配置し、被測定物14aを中空光導波路12のクラッド部122に密着させる。
光源11aから出射された光は、中空光導波路12内のコア部121(空気層)を伝播し、フォトダイオード13aで電圧値に変換される。被測定物14aにひずみが生じると、コア部121の断面積に変化が生じて光の強度が変化するので、フォトダイオード13aの電圧値が変化する。当該電圧値の変化(≒光強度の変化)から、被測定物14aのひずみ量を計測する。
次に、中空光導波路12の製造方法について説明する。本実施の形態では、2つの製造方法について説明する。
〔第1の製造方法〕
図3は、第1の製造方法を示す図である。第1の製造方法では、光硬化性樹脂を用いて中空光導波路12を製造する。中空光導波路12の作製において、導波路材料を支持する容器が必要であり、容器と導波路材料が剥離しやすいように、容器の材料としては、フッ素系樹脂のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)容器31を用いる。
(基板作製行程1)
まず、中空光導波路の支持基板を作製するために、PTFE容器31に未硬化の光硬化性樹脂32を流し込む。光硬化性樹脂32の材料としては、例えば、Dow Corning社のSylpot184を用いる。但し、光硬化性樹脂の材料としては、これに限定されるものではなく、未硬化の状態で液体であり、硬化時に固体となる材料であれば何でもよい。
次に、当該未硬化の光硬化性樹脂32を固めるために、紫外線を照射する。紫外線ランプとしては、例えば、ウシオ電機社製スポットUV照射装置SP−11を用いる。光硬化性樹脂が硬化するまで紫外線を照射し続ける。完全に硬化させるために、紫外線を照射した後、オーブンで熱処理を行ってもよい。
(中空コア作製行程)
次に、中空のコア部を作製するために、硬化した硬化樹脂32’の上にさらに未硬化の光硬化性樹脂33を形成する。さらに、当該光硬化性樹脂33の上部に、中空のコア部に相当する凹構造の部分には光硬化させないようにパターン(遮蔽領域)を描画したマスク34を設置する。そして、前述した基板作製行程1と同様に、マスク34の上部から紫外線を照射する。その後、マスク34を除去し、現像する(非光硬化部分の光硬化性樹脂を取り除く)ことにより、コア部に相当する部分が欠けた凹構造の支持基板35を得る。なお、前述した基板作製行程1と同様に、完全に硬化するためにオーブンで熱処理を行ってもよい。
次に、中空領域内で光を反射させて伝播させるために、支持基板35の凹構造の上に金属皮膜36(金属層)を形成する。金属皮膜36の材料としては、例えば、アルミニウムを用いることができ、金属皮膜の作製方法としては、蒸着法などを用いる。ただし、蒸着法に限定されるものではない。
(基板作製行程2)
中空コア作製行程で形成した支持基板35の凹構造は、そのままでは光が上部へ逃げる構造であるから、硬化樹脂を上部に設置して中空コア構造を形成する必要がある。そのため、金属皮膜37を形成した平らな上基板38を基板作製行程1と同様に作製し、中空のコア部を形成する壁面の全体が金属皮膜で囲まれるように支持基板35の上部に設置する。なお、支持基板35と上部に設置した硬化樹脂の上基板38の密着性を向上するために、両基板の間に予め未硬化樹脂を塗布しておいてもよい。
このようにして、光硬化性樹脂を導波路材料として用いた中空光導波路12を作製することができる。
〔第2の製造方法〕
図4は、第2の製造方法を示す図である。第2の製造方法では、第1の製造方法で用いた光硬化性樹脂ではなく、熱可塑性樹脂を用いて中空光導波路12を製造する。中空光導波路12の作製において、導波路材料を支持する金型(容器)が必要である。鋼製の金型と導波路材料が剥離しやすいように、金型の表面にテフロン加工を施して用いる。
(中空コア作製行程)
まず、中空光導波路の支持基板および中空のコア部に相当する凹構造を作製するために、金型51に熱可塑性樹脂52を流し込む。熱可塑性樹脂52としては、例えば、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合)樹脂を用いる。当該ABS樹脂表面に凹構造を作製するために、凸構造のスタンパ53を用いる。スタンパ53は、金型51と同様に、鋼材でできており、熱可塑性樹脂52との剥離を促進するためにテフロン加工を施してある。金型51およびスタンパ53を加熱し、熱可塑性樹脂52の温度を、ガラス転移温度である130度以上に加熱した後、スタンパ53を熱可塑性樹脂52に押し当てて凹構造を形成し、金型51およびスタンパ53を冷却することで、凹構造の支持基板54を得る。
次に、中空領域内で光を反射させて伝播させるために、支持基板54の凹構造の上に金属皮膜55(金属層)を形成する。金属皮膜55の材料としては、例えば、アルミニウムを用いることができ、金属皮膜の作製方法としては、蒸着法などを用いる。ただし、蒸着法に限定されるものではない。
(基板作製行程)
中空コア作製行程で形成した支持基板54の凹構造は、そのままでは光が上部へ逃げる構造であるから、硬化樹脂を上部に設置して中空コア構造を形成する必要がある。そのため、金属皮膜56を形成した平らな熱可塑性樹脂の上基板57を、中空のコア部を形成する壁面の全体が金属皮膜で囲まれるように支持基板54の上部に設置する。なお、支持基板54と上部に設置した硬化樹脂の上基板57の密着性を向上するために、金型51とスタンパ53をガラス転移温度付近に加熱しておき、押圧を印加しておいてもよい。
このようにして、熱可塑性樹脂を導波路材料として用いた中空光導波路12を作製することができる。
次に、本実施の形態による効果について説明する。印加圧力と光強度の関係を第1の実験例に示し、導波路長と伝播損失の関係を第2の実験例に示し、温度特性を第3の実験例に示す。
(第1の実験例)
図5は、中空光導波路12に印加する圧力と光強度の関係を求めるための装置構成例を示す図である。図5(a)は、当該装置構成例の側面図であり、図5(b)は、図5(a)に示したA−A’の断面図である。
レーザ光源11bには、Santec社製の波長可変光源TSL−510を用い、フォトダイオード13aとしては、横河ソリューションサービス製の波形モニタOEC−1034を用いた。圧力を定量的に印加する装置であるロードセル14bには、島津製作所製のロードセルAGS−5NXを用いた。ステージ15上に、レーザ光源11b、中空光導波路12、および、フォトダイオード13aを直線状に設置した。
図6に、ロードセル14bを用いて中空光導波路12に印加した圧力と、フォトダイオード13aが検知した光強度の関係を示す。以下、光硬化性樹脂の材料(Dow Corning社のSylpot184)を、総称であるPDMS(ポリジメチルシロキサン)と呼ぶことにする。中空光導波路12の材料としては、硬化度が低いPDMSと、硬化度が高いPDMSの2種類を第1の製造方法に従って作製した。図6に示すように、ある閾値以上の圧力を印加すると中空光導波路の断面積が縮小していき、光強度が減少していく特性を観測した。また、PDMSの硬度を調整することにより、検知したい圧力の閾値を調整することができることを確認した。
図6に例示した圧力と光強度の関係情報またはそれに相当する関係情報を予めコンピュータプログラムに記憶させておくことで、光強度からひずみ量を換算することができる。当該換算を行う光強度測定部13の構成を図7に示す。当該光強度測定部13は、フォトダイオード131、入力インタフェース部132、コンピュータ133、入出力インタフェース部134、および、入出力部135を備える。これら全ての構成要素は、電気的および物理的に接続されている。
フォトダイオード131は、光発生部11から出力された光の波長帯域に感度を有する光検出部である。フォトダイオード131で変換された電気信号は、入力インタフェース部132を通じてコンピュータ133へ出力される。コンピュータ133では、例えば電気信号の電圧値とひずみ量との関係を示した検量線情報を記憶しておき、コンピュータプログラムが、入力した電気信号の電圧に対応するひずみ量を算定し、入出力インタフェース部134を通じて入出力部135へ出力する。入出力部135は、例えば、ディスプレイ、マウス、キーボードなどであり、測定結果であるひずみ量を画面に表示し、また、検量線情報を入力する。
その他、図8に示すように、予め光強度とひずみ量を対応させた色見本情報を設置することで、目視によりひずみの定量化を行うこともできる。例えば、光強度測定部13は、中空光導波路12からの可視光を映すとともに、中空光導波路12からの可視光の強度をひずみ量に変換するための色見本情報を表示する。ここでいう表示とは、光強度測定部13を形成する筐体の側面に、レーザスポットの横に、図8に例示したような色見本を描くこと、当該色見本のシールを張ること、色見本のデータ情報をディスプレイに表示することなどをいう。
図7に示した光強度測定部13の場合には、ひずみ量を数値などで正確に把握することが可能であり、図8に示した光強度測定部13の場合には、フォトダイオードやコンピュータを用いずに、人の眼で見て光強度およびひずみ量を把握するので、圧力センサを簡易かつ安価に実現することができる。なお、図8の場合、光発生部11からの光は可視光である必要がある。
(第2の実験例)
図9は、中空光導波路12の導波路長Lと光の伝搬損失の関係を求めるための装置構成例を示す図である。図9(a)は、当該装置構成例の側面図であり、図9(b)は、図9(a)に示したA−A’の断面図である。本実施の形態に係る中空のコア部121による効果を比較するため、図9(c)に示すように、コア材料で充填された従来のコア部121’を備える中空光導波路12’を作製した。当該コア材料としては、柔軟性を有する必要があるため、通常の石英ガラスではなく、エポキシ性樹脂SU−8(Micro Chem)を用いた。
図10に、中空光導波路12の導波路長Lと光の伝搬損失の関係を示す。本実施の形態に係る中空光導波路12の導波路長Lを変化させたときの伝播損失の測定を行ったところ、SU−8をコア材料に用いた従来の中空光導波路12’と比較して、中空光導波路12の伝播損失を約1/5に低減することができた。これは、コア部を中空構造とすることで、コア材料の光吸収や不純物に由来する光散乱を軽減できたからである。また、コア部を中空構造にすることで、光の波長を自由に選択することも可能となる。
(第3の実験例)
図11は、中空光導波路12の温度特性を求めるための装置構成例を示す図である。図11(a)は、当該装置構成例の側面図であり、図11(b)は、その上面図であり、図11(c)は、図11(a),(b)に示したA−A’の正面図である。
中空光導波路12の下に温度を調節可能なペルチェプレート16を設置し、ペルチェプレート16と中空光導波路12との間の熱伝導効率を向上させる目的で、耐熱テープであるポリイミドテープ17を上から貼付して中空光導波路12を固定した。この状態でペルチェプレート16の温度を変化させながら中空光導波路12の温度変化特性を評価した。
図12に、中空光導波路12の温度変化と光強度を示す。ペルチェプレート16の温度を変化させ、中空光導波路12の温度を15℃〜20℃の範囲で連続的に変化させたが、光強度に変動は見られなかった。そのため、本実施の形態で作製した中空光導波路12の光強度特性には温度依存性がなく、圧力のみを検知できると言える。
以上より、本実施の形態によれば、中空光導波路12は、外圧で変形する材料で構成され、外接した被測定物のひずみによる圧力で変形し、当該圧力の大きさに応じて中空のコア部を通過する光の強度を変化させるので、温度変化があっても安定かつ広範囲に被測定物のひずみを計測することができる。これにより、環境の温度変化の影響を受けにくく、被測定物のひずみを広範囲に計測できる中空光導波路および圧力センサを提供することができる。
最後に、本発明は、本実施の形態に限定されないことを付言しておく。本実施の形態では、中空光導波路のクラッド材料としてシリコンゴムのPDMSを用いたが、柔軟性を有するポリマー材料で構成することも可能である。また、本実施の形態では、中空光導波路のコアを中空構造にしたが、柔軟性があり途切れることができれば何でもよく、水を代表とする液体でもよいし、寒天を代表とする高分子ゲルで構成してもよい。このように、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形が可能である。また、本発明は、例えば、構造物のひずみモニタリング、地殻変動モニタリングなどの分野に利用可能である。
11…光発生部
11a…光源
11b…レーザ光源
12…中空光導波路
121…コア部
122…クラッド部
13…光強度測定部
13a…フォトダイオード
131…フォトダイオード
132…入力インタフェース部
133…コンピュータ
134…入出力インタフェース部
135…入出力部
14…圧力応答部
14a…被測定物
14b…ロードセル
15…ステージ
16…ペルチェプレート
17…ポリイミドテープ
31…PTFE容器
32…光硬化性樹脂
32’…硬化樹脂
33…光硬化性樹脂
34…マスク
35…支持基板
36…金属皮膜
37…金属皮膜
38…上基板
51…金型
52…熱可塑性樹脂
53…スタンパ
54…支持基板
55…金属皮膜
56…金属皮膜
57…上基板

Claims (3)

  1. 被測定物のひずみを計測する圧力センサにおいて、
    可視光を発生する光発生部と、
    前記可視光を入射し、外圧で変形する材料で構成され、外接した被測定物のひずみによる圧力で変形し、前記圧力の大きさに応じて中空のコア部を通過する可視光の強度を変化させる中空光導波路と、
    前記中空光導波路を通過した可視光を映し、前記可視光の強度を前記被測定物に生じたひずみの大きさに変換するための色見本情報であって、予め可視光の強度に応じた色とひずみの大きさとを対応させた前記色見本情報を表示した光強度測定部と、を備え、
    記中空光導波路を通過した可視光の全光量が投影像の光強度に反映するように当該可視光を前記光強度測定部に投影し、
    前記色見本情報は、前記光強度測定部に表示された前記可視光の投影像対比されることを特徴とする圧力センサ。
  2. 請求項1に記載の中空光導波路を製造する製造方法において、
    容器に光硬化性樹脂を入れ、紫外線で硬化することにより、支持基板を作製する行程と、
    前記支持基板の上に光硬化性樹脂を重ね、中空のコア部に対応する部分を光硬化させない遮蔽領域を有するマスクを更に重ねて、紫外線で硬化した後に、非光硬化部分の光硬化性樹脂を取り除くことにより、凹構造の支持基板を作製する行程と、
    前記凹構造の支持基板に金属層を形成する行程と、
    金属層が形成された上基板を当該凹構造の支持基板に重ねる行程と、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  3. 請求項1に記載の中空光導波路を製造する製造方法において、
    容器に熱可塑性樹脂を入れ、凸構造のスタンパで押圧を印加することにより、凹構造の支持基板を作製する行程と、
    前記凹構造の支持基板に金属層を形成する行程と、
    金属層が形成された上基板を当該凹構造の支持基板に重ねる行程と、
    を含むことを特徴とする製造方法。
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