JP6850192B2 - オリゴマーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、オリゴマーの製造方法に関し、詳しくは、オレフィンを含むモノマーからオリゴマーを製造する方法に関する。
エチレンおよびα−オレフィンの共重合に用いられる触媒としては、メタロセン化合物とメチルアルミノキサンとからなる触媒、パラジウム系触媒、鉄錯体、コバルト錯体等が知られている(非特許文献1〜3、特許文献1〜3)。
また、鉄錯体は、エチレン重合の触媒としても知られている(非特許文献4〜6)。
また、ブロックコポリマーを製造するための触媒として、メタロセン化合物とパラジウム系触媒とジアルキル亜鉛とからなる触媒が知られている(非特許文献7、特許文献4)。
特表2000−516295号公報 特開2002−302510号公報 中国特許出願公開第102432415号明細書 特表2007−529616号公報
「Macromol.Chem.Phys.」,197巻,1996年,p.3907 「J.Am.Chem.Soc.」,117巻,1995年,p.6414 「J.Am.Chem.Soc.」,120巻,1998年,p.7143 「J.Mol.Cat.A:Chemical」,179巻,2002年,p.155 「Appl.Cat.A:General」,403巻,2011年,p.25 「Organometallics」,28巻,2009年,p.3225 「Science」,312巻,2006年,p.714
本発明は、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、所望の分子量を有するオリゴマーを効率よく製造することができるオリゴマーの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される第一の鉄化合物と、下記一般式(3)で表される第二の鉄化合物と、トリメチルアルミニウムと、を含む触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法を提供する。
Figure 0006850192

[式(1)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(2)で表される基を示し、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
Figure 0006850192

(式(2)中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜12のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、RとRの炭素数の合計は6以上であり、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)]
Figure 0006850192

[式(3)中、R’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、R’’は酸素原子および/または窒素原子を有する遊離基を示し、同一分子中の複数のR’’は同一でも異なっていてもよく、Zは塩素原子または臭素原子を示す。]
上記製造方法によれば、オレフィンを含む重合性モノマーを上記特定の触媒の存在下でオリゴマー化させることによって、所望の分子量を有するオリゴマーを効率よく製造することができる。
上記触媒は、ホウ素化合物をさらに含んでいてもよい。
本発明によれば、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、所望の分子量を有するオリゴマーを効率よく製造することができるオリゴマーの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るオリゴマーの製造方法は、触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える。オリゴマー化のための触媒は、第一の鉄化合物と、第二の鉄化合物と、トリメチルアルミニウムと、を含む。
本実施形態において、第一の鉄化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 0006850192

[式(1)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(2)で表される基を示し、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
Figure 0006850192

(式(2)中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜12のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、RとRの炭素数の合計は6以上であり、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)]
式(1)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよい。炭素数1〜6のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基等が挙げられる。ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。さらに、ヒドロカルビル基は、直鎖状または分岐鎖状のヒドロカルビル基と環状ヒドロカルビル基とが結合した一価の基であってもよい。
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖アルキル基;iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、分岐鎖状ペンチル基(全ての構造異性体を含む)、分岐鎖状ヘキシル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数1〜6の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の環状アルキル基などが挙げられる。
炭素数2〜6のアルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、n−プロペニル基、n−ブテニル基、n−ペンテニル基、n−ヘキセニル基等の炭素数2〜6の直鎖アルケニル基;iso−プロペニル基、iso−ブテニル基、sec−ブテニル基、tert−ブテニル基、分岐鎖ペンテニル基(全ての構造異性体を含む)、分岐鎖ヘキセニル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数2〜6の分岐鎖アルケニル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数2〜6の環状アルケニル基などが挙げられる。
炭素数6〜12の芳香族基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
式(1)中、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ一般式(2)で表される基を示す。なお、同一分子中のArおよびArは同一でも異なっていてもよいが、後述するピリジンジイミン化合物の合成を単純化する観点から、同一であることが好ましい。
式(2)中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜12のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、RとRの炭素数の合計は6以上である。
炭素数3〜12のヒドロカルビル基としては、炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基等が挙げられる。炭素数3〜12のアルキル基としては、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の炭素数3〜12の直鎖アルキル基;iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、分岐鎖状ペンチル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜12の環状アルキル基などが挙げられる。炭素数3〜12のアルケニル基としては、n−プロペニル基、n−ブテニル基、n−ペンテニル基、n−ヘキセニル基、n−オクテニル基、n−デセニル基、n−ドデセニル基等の炭素数3〜12の直鎖アルケニル基;iso−プロペニル基、iso−ブテニル基、sec−ブテニル基、tert−ブテニル基、分岐鎖ペンテニル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数3〜12の分岐鎖アルケニル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等の炭素数3〜12の環状アルケニル基などが挙げられる。
炭素数6〜12の芳香族基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
式(2)中、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。電子供与性基としては、特に制限はなく、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基またはこれらの2以上を組み合わせた一価の基等が挙げられる。アルキル基およびアルコキシ基は直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。また、アリール基およびアリールオキシ基はアルキル基等の置換基を有していてもよい。
、RおよびRとしては、具体的には、メチル基、エチル基、直鎖状または分岐鎖状のプロピル基、直鎖状または分岐鎖状のブチル基、直鎖状または分岐鎖状のペンチル基、直鎖状または分岐鎖状のヘキシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、直鎖状または分岐鎖状のプロポキシ基、直鎖状または分岐鎖状のブトキシ基、直鎖状または分岐鎖状のペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、直鎖状または分岐鎖状のヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、水素原子、メチル基およびメトキシ基が好ましい。
一般式(1)で表される第一の鉄化合物の好ましい態様として、下記式(1−1)〜(1−4)で表される各化合物が挙げられる。一般式(1)で表される第一の鉄化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
Figure 0006850192
Figure 0006850192
Figure 0006850192
Figure 0006850192
一般式(1)で表される第一の鉄化合物は、例えば、下記一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物と鉄塩とから得ることができる。
Figure 0006850192

[式(4)中、R’’’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’’’は同一でも異なっていてもよく、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(5)で表される基を示す。
Figure 0006850192

(式(5)中、RおよびR10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜12のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、RとR10の炭素数の合計は6以上であり、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)]
鉄塩としては、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)等が挙げられる。また、これらの塩に結晶水やその他配位子が配位したものを用いてもよい。
式(4)中、R’’’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’’’は同一でも異なっていてもよい。R’’’の具体例としては、上記一般式(1)のRと同様のものが挙げられる。
式(4)中、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ一般式(5)で表される基を示す。なお、同一分子中のArおよびArは同一でも異なっていてもよいが、配位子の合成を単純化する観点から、同一であることが好ましい。
式(5)中、RおよびR10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜12のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、RとR10の炭素数の合計は6以上である。RおよびR10の具体例としては、それぞれ上記一般式(2)のRおよびRと同様のものが挙げられる。
式(5)中、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。R、RおよびRの具体例としては、それぞれ上記一般式(2)のR、RおよびRと同様のものが挙げられる。
一般式(1)で表される第一の鉄化合物の製造方法において、一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物と、鉄塩との混合方法は、特に制限されず、例えば、
(i)ピリジンジイミン化合物を溶解させた溶液に鉄塩を添加、混合する方法、
(ii)ピリジンジイミン化合物を溶解させた溶液および鉄塩を溶解させた溶液を混合する方法、
(iii)ピリジンジイミン化合物と鉄塩とを、溶媒を用いずに物理的に混合する方法、
などが挙げられる。
また、一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物と、鉄塩との混合物から一般式(1)で表される第一の鉄化合物を取り出す方法としては、特に制限されず、例えば、
(a)混合物に溶媒を使用した場合には溶媒を留去し、固形物をろ別する方法、
(b)混合物から生じた沈殿をろ別する方法、
(c)混合物に貧溶媒を加えて沈殿を精製させ、ろ別する方法、
(d)無溶媒混合物をそのまま取り出す方法、
などが挙げられる。その後さらに、一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物を溶解可能な溶媒による洗浄処理、金属を溶解可能な溶剤による洗浄処理、適当な溶媒を用いた再結晶処理等を施してもよい。
上記の方法のうち、溶媒を用いてピリジンジイミン化合物および鉄塩を溶解させ混合する方法(すなわち(i)、(ii)の方法)は、系内で第一の鉄化合物を形成させてそのまま使用することが可能であり、生成した第一の鉄化合物を精製する等の操作が不要となるため、工業的に好ましい。すなわち、(i)、(ii)での混合物をそのまま使用することも可能である。また、一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物の溶液(またはスラリー)、鉄塩の溶液(またはスラリー)を別々にリアクターに加えることも可能である。
また、一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物と鉄塩とを接触させる溶媒としては、特に制限されず、無極性溶媒および極性溶媒のいずれも使用できる。無極性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。極性溶媒としては、アルコール溶媒等の極性プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン等の極性非プロトン性溶媒などが挙げられる。アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。特に混合物をそのまま第一の鉄化合物として使用する場合には、オレフィン重合に実質的に影響がない炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。
上記一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物と鉄塩との混合物において、当該化合物と鉄塩との含有割合は、特に制限されず、未反応のピリジンジイミン化合物および/または鉄塩が含まれていてもよい。ピリジンジイミン化合物/鉄塩の比の下限は、モル比で、好ましくは0.2/1以上、より好ましくは0.3/1以上、さらに好ましくは0.5/1以上である。一方、ピリジンジイミン化合物/鉄塩の比の上限は、モル比で、好ましくは5/1以下、より好ましくは3/1以下、さらに好ましくは2/1以下である。ピリジンジイミン化合物/鉄塩の比が0.2/1以上であれば、配位子が配位していない鉄塩によるオレフィン重合反応を抑制することができるため、目的とするオレフィン重合反応をより選択的に進行させることができる。ピリジンジイミン化合物/鉄塩の比が5/1以下であれば、過剰な配位子による配位等が抑制されるため、オレフィン重合反応の活性をさらに高めることができる。
ピリジンジイミン化合物における二つのイミン部位は、いずれもE体であることが好ましいが、いずれもE体であるピリジンジイミン化合物が含まれていれば、Z体を含むピリジンジイミン化合物を含んでいてもよい。Z体を含むピリジンジイミン化合物は、金属と錯体を形成しにくいことから、系内で錯体を形成させた後、溶媒洗浄等の精製工程で容易に除去することが可能である。
一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物は、例えば、ピリジンジカルボニル化合物およびアニリン化合物を、脱水縮合することで合成することができる。合成方法は任意であり、必要に応じて酸触媒を使用してもよい。酸触媒としては、プロトン酸、ルイス酸等が挙げられ、中でも酢酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素またはその塩、有機アルミニウム化合物等が好ましい。
上記ピリジンジカルボニル化合物としては、2,6−ジアセチルピリジン、2,6−ジベンゾイルピリジン等が挙げられる。
上記アニリン化合物としては、2,6−ジプロピルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,6−ジブチルアニリン、2,6−ジイソブチルアニリン、2,6−ジtertブチルアニリン、2,6−ジプロピル−4−メチルアニリン、2,6−ジイソプロピル−4−メチルアニリン、2,6−ジブチル−4−メチルアニリン、2,6−ジイソブチル−4−メチルアニリン、2,6−ジtertブチル−4−メチルアニリン等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、原料の入手が容易な点から、2,6−ジイソプロピルアニリンが好ましい。
一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物の製造方法の好ましい態様は、
ピリジンジカルボニル化合物、アニリン化合物、および酸触媒を溶媒に溶解し、溶媒加熱還流下で脱水縮合させる第一工程と、
第一工程後の反応混合物について分離・精製処理を行い、一般式(4)で表されるピリジンジイミン化合物を得る第二工程と、を備える。
第一工程で用いられる溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒等が挙げられる。炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等が挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
第一工程における反応条件は、原料化合物、酸触媒および溶媒種類ならびに量に応じて、適宜選択することができる。
また、第二工程における分離・精製処理としては、特に制限されず、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶法等が挙げられる。特に、酸触媒として上述した有機アルミニウム化合物を使用する場合には、反応溶液を塩基性水溶液と混合し、アルミニウムを分解・除去したのち、精製することが好ましい。
本実施形態において、第二の鉄化合物は、下記一般式(3)で表される。
Figure 0006850192

[式(3)中、R’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、R’’は酸素原子および/または窒素原子を有する遊離基を示し、同一分子中の複数のR’’は同一でも異なっていてもよく、Zは塩素原子または臭素原子を示す。]
炭素数1〜6のヒドロカルビル基および炭素数6〜12の芳香族基としては、上記式(1)のヒドロカルビル基および芳香族基と同様のものが挙げられ、ここでは重複する説明を省略する。また、式(3)において、同一分子中の複数のR’は同一または異なっていてもよいが、化合物の合成を単純化する観点から同一であってもよい。
酸素原子および/または窒素原子を有する遊離基は、酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基であってもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ニトロ基等が挙げられる。また、式(3)において、同一分子中の複数のR’’は同一または異なっていてもよいが、化合物の合成を単純化する観点から同一であってもよい。
このような第二の鉄化合物として具体的には、下記式(3−1)〜(3−8)で表される化合物が挙げられる。これら第二の鉄化合物は、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
Figure 0006850192
Figure 0006850192
Figure 0006850192
Figure 0006850192
Figure 0006850192
Figure 0006850192
Figure 0006850192
Figure 0006850192
一般式(3)で表される第二の鉄化合物において、配位子を構成する化合物(ピリジンジイミン化合物)は、上記一般式(4)と同様の方法で合成することができ、ここでは重複する説明を省略する。また、当該第二の鉄化合物は、上記ピリジンジイミン化合物および鉄塩から得ることができる。その具体的な製造方法としては、上記式(1)で表される第一の鉄化合物において例示した方法と同様の方法を用いることができ、ここでは重複する説明を省略する。
本実施形態におけるオリゴマー化のための触媒において、上記第一の鉄化合物および第二の鉄化合物の含有割合は、第一の鉄化合物のモル数をA、第二の鉄化合物のモル数をBとした場合、モル比でA:B=1:10〜10:1であってもよく、1:5〜5:1であってもよく、1:2〜2:1であってもよく、1:1であってもよい。上記範囲内であれば、より十分な触媒効率を発揮しつつ、所望の分子量を有するオリゴマーを効率よく得ることができる。
本実施形態において、オリゴマー化のための触媒は、上記第一の鉄化合物および第二の鉄化合物のほか、トリメチルアルミニウムを含む。触媒における第一の鉄化合物とトリメチルアルミニウムとの含有割合は、第一の鉄化合物のモル数をA、トリメチルアルミニウムのモル数をHとした場合、モル比でA:H=1:1〜1:1000であってもよく、1:10〜1:800であってもよく、1:20〜1:600であってもよい。また、第二の鉄化合物およびトリメチルアルミニウムの含有割合は、第二の鉄化合物のモル数をB、トリメチルアルミニウムのモル数をHとした場合、B:H=1:1〜1:1000であってもよく、1:10〜1:800であってもよく、1:20〜1:600であってもよい。また、第一の鉄化合物および第二の鉄化合物の合計量とトリメチルアルミニウムとの含有割合は、モル比でA+B:H=1:1〜1:1000であってもよく、1:10〜1:800であってもよく、1:20:1:600であってもよい。上記範囲内であれば、より十分な触媒効率を発現させることができる。
本実施形態において、オリゴマー化のための触媒は、任意の成分をさらに含むことができる。任意の成分としては、ホウ素化合物等が挙げられる。ホウ素化合物は、オレフィン重合反応において、上述した第一の鉄化合物および第二の鉄化合物の触媒活性をさらに向上させる助触媒としての機能を有する。
ホウ素化合物としては、例えば、トリスペンタフルオロフェニルボラン等のアリールホウ素化合物が挙げられる。また、ホウ素化合物は、アニオン種を有するホウ素化合物を用いることができる。例えば、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等のアリールボレートなどが挙げられる。アリールボレートの具体例としては、リチウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ナトリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、リチウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートまたはトリチルテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートが好ましい。これらホウ素化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
ホウ素化合物をさらに含む触媒において、トリメチルアルミニウムとホウ素化合物との含有割合は、トリメチルアルミニウムのモル数をH、ホウ素化合物のモル数をJとした場合、モル比でH:J=1000:1〜1:1であってもよく、800:1〜2:1であってもよく、600:1〜10:1であってもよい。上記範囲内であれば、より十分な触媒効率を発現しつつ、コストアップの要因を抑制することができる。
なお、本実施形態に係る触媒の製造方法は、特に制限されず、上述した一般式(1)で表される第一の鉄化合物、一般式(3)で表される第二の鉄化合物、トリメチルアルミニウム、および任意の成分を一括して接触させてもよいし、任意の順序で接触させてもよい。例えば、一般式(1)で表される第一の鉄化合物を含む溶液および一般式(3)で表される第二の鉄化合物を含む溶液を接触させた後、トリメチルアルミニウムを接触させる方法、一般式(1)で表される第一の鉄化合物および一般式(3)で表される第二の鉄化合物を含む溶液にホウ素化合物を接触させた後、トリメチルアルミニウムを接触させる方法等が挙げられる。
本実施形態におけるオリゴマーの製造方法は、上述した本実施形態に係る触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える。
オレフィンとしては、エチレン、α−オレフィン等が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンのほか、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの2位以外にメチル基等の分岐をもつものなどが挙げられる。これらのα−オレフィンの中でも、反応性の観点からプロピレンを使用してもよい。
本実施形態に係る製造方法により得られるオリゴマーは、上記オレフィンのうちの1種の単独重合体であってもよく、2種以上の共重合体であってもよい。このようなオリゴマーは、例えば、エチレンの単独重合体であってもよく、プロピレンの単独重合体であってもよく、エチレンおよびプロピレンの共重合体であってもよい。さらに、オリゴマーは、オレフィン以外のモノマーに由来する構造単位をさらに含有してもよい。
エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる場合、触媒に接触させるエチレンおよびα−オレフィンの供給割合は、特に制限されるものではないが、モル比で、エチレン:α−オレフィン=1000:1〜1:1000であってもよく、100:1〜1:100であってもよい。エチレンおよびα−オレフィンの反応性には違いがあるためFineman−Ross法等を用いて反応性比を算出し、希望する生成物中の組成比から供給するエチレンおよびα−オレフィンの供給割合を適宜決定することができる。
本実施形態で用いる重合性モノマーは、エチレンまたはα−オレフィンからなるものであってもよく、エチレンおよびα−オレフィンからなるものであってもよく、あるいは、エチレンおよびα−オレフィン以外のモノマーをさらに含有してもよい。また、本実施形態に係る製造方法の一態様として、触媒が充填された反応装置に、重合性モノマーを導入する方法が挙げられる。重合性モノマーの反応装置への導入方法は特に制限されず、重合性モノマーが2種以上のオレフィンを含有するモノマー混合物である場合には、モノマー混合物を反応装置に導入してもよく、あるいは、各重合性モノマーを別個に導入してもよい。
また、オリゴマー化の際に、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラリン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これらの溶媒に触媒を溶解して、溶液重合、スラリー重合等を行うことができる。また、オレフィンを含む重合性モノマーを溶媒としてバルク重合することも可能である。
オリゴマー化の反応温度は、特に制限されないが、触媒効率をより一層向上させる観点から、例えば、−50℃〜100℃であってもよく、−30℃〜80℃であってもよく、−20℃〜70℃であってもよく、0℃〜50℃であってもよく、5℃〜30℃であってもよい。反応温度が−50℃以上であれば、より十分に触媒活性を維持したまま生成したオリゴマーの析出を抑制することができ、100℃以下であれば、触媒の分解を抑制することができる。また、反応圧力についても特に限定されないが、例えば、100kPa〜5MPaであってもよい。反応時間についても特に限定されないが、例えば、1分〜24時間であってもよく、5分〜4時間であってもよく、10分〜2時間であってもよく、20分〜90分であってもよい。
本実施形態において、オリゴマー化により得られるオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、例えば、オリゴマーを潤滑油基油の原料として用いる場合、Mnの下限は、200以上が好ましく、300以上がより好ましく、400以上がさらに好ましく、500以上が特に好ましく、600以上が最も好ましい。また、Mnの上限は、5000以下が好ましく、4000以下がより好ましく、3000以下がさらに好ましく、1000以下が特に好ましく、900以下が特により好ましく、800以下が最も好ましい。また、分散度は重量平均分子量(Mw)とMnの比であり、Mw/Mnで表されるが、例えば、1.0〜5.0であってもよく、1.0〜4.5であってもよい。なお、オリゴマーのMnおよびMwは、GPC装置を用い、標準ポリスチレンから作成した検量線に基づき、ポリスチレン換算量として求めることができる。
本実施形態に係る製造方法によれば、潤滑油基油の原料として好適に使用できるオリゴマーを効率よく得ることができ、得られたオリゴマーは、特に自動車等の潤滑油組成物における基油の原料として好適に用いることができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが、以下の実施例は本発明を限定することを意図するものではない。
[材料の準備]
第一の鉄化合物および第二の鉄化合物は、後述する合成例に示した方法で合成を行った。その際用いた試薬類は購入品をそのまま用いた。トリメチルアルミニウムは、東京化成製のトリメチルアルミニウムトルエン溶液をそのまま用いた。トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレートは、東京化成製のものをそのまま用いた。
エチレンは、住友精化製の高純度液化エチレンを使用し、モレキュラーシーブ4Aを通して乾燥して使用した。
溶媒のトルエンは、アルドリッチ製の脱水トルエンをそのまま使用した。
[数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定]
高温GPC装置(ポリマーラボラトリーズ社製、商品名:PL−20)にカラム(ポリマーラボラトリーズ社製、商品名:PL gel 10μm MIXED−B LS)を2本連結し、示差屈折率検出器とした。試料5mgにオルトジクロロベンゼン溶媒5mlを加え、140℃で約1時間加熱撹拌した。このように溶解した試料を流速1ml/分、カラムオーブンの温度を140℃に設定して、測定を行った。分子量の換算は、標準ポリスチレンから作成した検量線に基づいて行い、ポリスチレン換算分子量を求めた。
[触媒効率の算出]
得られたオリゴマーの重量を、仕込んだ触媒のモル数で割ることにより、触媒効率を算出した。
[製造例1:第一の鉄化合物(1−1)の合成]
100mlナスフラスコに窒素雰囲気下で、乾燥トルエン60mlを導入し、さらに2,6−ジイソプロピルアニリン(1.063g、6mmol)、2,6−ジアセチルピリジン(0.4575g、2.8mmol)、および触媒量のパラトルエンスルホン酸を加え、ディーンスタークウォーターセパレーターを使用して、10時間加熱撹拌した。反応液を室温まで放冷し、トルエンをエバポレーターで除去した。残留した固形分にエタノール(40ml)を加え、不溶分をろ別した。残った不溶分を再度エタノールで洗浄し、第一の鉄化合物(1−1)の前駆体としてのピリジンジイミン化合物を収率75%で得た。なお、GCにて純度を確認し、併せてGC−MSにてMS401のピークを確認した。
窒素雰囲気下で、50mlのシュレンク管に16mgの塩化鉄(II)4水和物(FeCl・4HO)を導入し、5mlのテトラヒドロフランを加えて、十分に撹拌して溶解させた。上記で合成したピリジンジイミン化合物27mgを10mlナスフラスコ中で、5mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解した。このピリジンジイミン化合物の溶液を先の塩化鉄溶液にゆっくりと加えた。黄色味がかった液の色は、瞬時に青〜濃紺色に変化した。そのまま1時間撹拌を続け、空気に触れないようにシュレンク管からテトラヒドロフランを減圧下で留去し、窒素で系内を充満した。窒素雰囲気下で、残留固形分を取り出し、十分にエタノール洗浄して残留塩化鉄を溶かし出し、さらにジエチルエーテルで洗浄し、そのまま乾燥して第一の鉄化合物(1−1)を収率30%で得た。
[製造例2:第二の鉄化合物(3−1)の合成]
2−メチル−4−メトキシアニリン(2.0893g、15.3mmol、東京化成製)と2,6−ジアセチルピリジン(1.2429g、7.6mmol、東京化成製)、モレキュラーシーブ4A(5.0g)、触媒量のパラトルエンスルホン酸を乾燥トルエン(60ml)に分散し、ディーンスタークウォーターセパレーターを利用して、水を除去しながら24時間加熱還流しながら撹拌した。
反応液からモレキュラーシーブをろ過で除き、トルエンでモレキュラーシーブを洗浄した。洗浄液とろ過した反応液を混合して濃縮乾固し、粗固体(2.8241g)を得た。ここで得られた粗固体(2g)を量りとり、無水エタノール(30ml)で洗浄した。エタノール不溶固体をろ別して、その不溶固体をさらにエタノールで洗浄した。残存固体を十分に乾燥して第二の鉄化合物(3−1)の前駆体としてのピリジンジイミン化合物を収率50%で得た。
H−NMR(600MHz,CDCl):2.1(s,6H),2.4(s,6H),3.8(s,6H),6.6(m,2H),6.7(m,2H),6.8(m,2H),7.9(m,1H),8.4(m,2H)
13C−NMR(600MHz,CDCl):16、18,56,116,119,122,125,129,137,138,143,156,167
FeCl・4HO(0.2401g、1.2mmol、関東化学製)を脱水テトラヒドロフラン(30ml、アルドリッチ製)に溶解し、先に合成したピリジンジイミン化合物(0.4843g、1.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を加えた。黄色のピリジンジイミン化合物を加えることで、瞬時に暗緑色のテトラヒドロフラン溶液となった。さらに、室温にて2時間撹拌した。反応液から溶媒を蒸発乾固させ、析出した固体を脱水エタノールでろ液に色がなくなるまで洗浄を続けた。さらに洗浄した固体を脱水ジエチルエーテルで洗浄し、溶媒を除去して第二の鉄化合物(3−1)を得た。得られた第二の鉄化合物(3−1)は、FD−MASSにて527.0820(計算値:527.0831)の測定値を有していた。
<実施例1>
電磁誘導撹拌機付きの660mlのオートクレーブをあらかじめ減圧下、110℃で十分に乾燥した。次に、窒素気流下で、乾燥トルエン(80ml)をオートクレーブに導入した。
50mlナスフラスコ中で窒素気流下、上記製造例1で得られた第一の鉄化合物(1μmol)および第二の鉄化合物(1μmol)を乾燥トルエン20mlに溶解し、溶液(A)とした。溶液(A)に当該第一の鉄化合物および第二の鉄化合物の合計モル数に対して500当量分のトリメチルアルミニウム(TMA)溶液を加え、5分間撹拌して触媒を含む溶液(B)とした。溶液(B)を、乾燥トルエンが導入されたオートクレーブに加え、室温(25℃)で0.19MPaのエチレンを連続的に導入した。60分後にエチレンの導入を止め、未反応のエチレンを除去し、窒素でオートクレーブ内のエチレンをパージし、ごく少量のエタノールを加えた。オートクレーブを開放し、内容物を200mlナスフラスコに移して、溶媒を減圧留去することで、半固形物のオリゴマーを得た。触媒効率(C.E.)は1350kg/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは760であり、Mw/Mnは3.2であった。
<実施例2>
第一の鉄化合物(1μmol)および第二の鉄化合物(1μmol)に加えて、さらにトリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(1μmol)を乾燥トルエン20mlに溶解し、溶液(A)とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。触媒効率(C.E.)は4798kg/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは420であり、Mw/Mnは3.8であった。
<実施例3>
10℃でエチレンを連続的に導入した以外は、実施例1と同様の操作を行った。触媒効率(C.E.)は977kg/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは930であり、Mw/Mnは4.3であった。
<比較例1>
電磁誘導撹拌機付きの660mlのオートクレーブをあらかじめ減圧下、110℃で十分に乾燥した。次に、窒素気流下で、乾燥トルエン(80ml)をオートクレーブに導入した。
50mlナスフラスコ中で窒素気流下、上記製造例1で得られた第一の鉄化合物(1μmol)を乾燥トルエン20mlに溶解し、溶液(A)とした。溶液(A)に当該第一の鉄化合物に対して500当量分のトリメチルアルミニウム(TMA)溶液を加え、5分間撹拌して触媒を含む溶液(B)とした。溶液(B)を、乾燥トルエンが導入されたオートクレーブに加え、室温(25℃)で0.19MPaのエチレンを連続的に導入した。30分後にはエチレンの消費が完全に停止していた。未反応のエチレンを除去し、窒素でオートクレーブ内のエチレンをパージし、ごく少量のエタノールを加えた。オートクレーブを開放し、内容物を200mlナスフラスコに移して、溶媒を減圧留去することで、半固形物のオリゴマーを得た。触媒効率(C.E.)は178kg/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは350であり、Mw/Mnは4.9であった。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表される第一の鉄化合物と、下記一般式(3)で表される第二の鉄化合物と、トリメチルアルミニウムと、を含む触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法。
    Figure 0006850192

    [式(1)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(2)で表される基を示し、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
    Figure 0006850192

    (式(2)中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜12のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、RとRの炭素数の合計は6以上であり、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)]
    Figure 0006850192

    [式(3)中、R’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、R’’は酸素原子および/または窒素原子を有する遊離基を示し、同一分子中の複数のR’’は同一でも異なっていてもよく、Zは塩素原子または臭素原子を示す。]
  2. 前記触媒が、ホウ素化合物をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
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